拝啓 クロウ・ホーガン様
アクシデント発生!アクシデント発生!
多分解決したけど。
昨日手紙出さなきゃ良かった。舐めてたこの国のルーズさ。
今日は月曜日。店長とか例の彼女さんとか常連さん数人と連れ立って、ていうか勝手についてきて、ギガントは俺一人で押して、ジャンク屋にいったんだけど。
届いてなんったんだ、バッテリー。
俺自分でも思い込み激しいと思うんだけどさ、当然今日クロウに通信できるって疑わなくて、だからもうぽかんって。なにそれぽかんって。
でも俺がぽかんってしてる間にさ、店長と彼女さんがジャンク屋の兄ちゃん吊るし上げてさ。
誇張じゃなく、本気で吊るし上げてた、彼女さんが。クロウくらいの身長なのに、細いのに。ジャックくらいある兄ちゃん吊るし上げた。そこで俺またぽかんって。
どうやら交渉して明日には届く!ってことにしてくれたみたいで。なんとかかんとか〜!って言いながら、店長と彼女さんがぎゅうぎゅう抱きついてきたけど、要するに明日届くって。常連さん達はうんうん頷きながら目元拭ってるし、何これぽかん。
なんかもう、本気で一生忘れない町になりそうな予感がするわ。
てわけで、結局今日も旅立てなかった俺は、秘蔵の米を使って本物のお握りを皆に振舞った、さっき。
粘りが違うよね、やっぱ。炊きたての美味さは万国共通だしね。
店長とか常連さんとかがカンパもしてくれて、それにプラス給料だから懐も温かいしな、これくらいしないと。俺の秘蔵の鰹節と醤油まで使ったんだぜ?凄いお礼だよな。
これからまた一日お世話になる部屋で寝るところ。今まで書いてなかったけど、バルの奥が店長の家で、そこの居間に居候してたんだ。
昨日は今日で終わりって思ってたのに、次の日もあるなんて思わなかったからなんか落ち着かない。馴染みすぎて落ち着かない。
だから寝て、馴染んだ身体を1回リセットして、明日華々しく旅立つ準備をする。
クロウのとこに帰るための、準備をする旅。
なんだこれ?意味わかんねぇ。でもまあ、間違っちゃいないよな。
おやすみクゥ
そうだ、彼女さんにほっぺちゅーされたんだけど、浮気じゃないよな?クロウ的に浮気じゃないよな?
6→
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