とりあえず、大火葬。
んでスキルドレイン。
それだけやっておけば、まず間違いなく魔法やトラップでの反撃はないだろう。クロウは確実。京介は反撃するかもしれないが、ハンドレススタイル一番の敵がバニラだって事をいい加減覚えこませようと思う、兄として。
ここまで頭の中でまとめると、鬼柳はにっこりと笑った。
けして引きつってはならない、あくまでにっこりと。皆既日食!皆既日食!叫びたいがとりあえず我慢。







「ふぁぁ…もっイく!イくっっ!!」
「んだよ、どんだけ耐え性ねぇの?愚息なの?仕様なの?マゾなの?」
「爪ぇっ…さっき、からぁ当たるぅっ」
「違ぇよ、お前が勝手に足に擦り付けてんだろ。ドロッドロのチンポを、よぉ!!」
「あぅっあああぁぁ!!」







ようしイッたか、そうか。じゃあ話し合おうじゃないか。
OKお前ら満足したか、今度は俺に付き合ってくれよ。なに、別に遠かねぇすぐそこだ。ほら、あのスパイラルドラゴンの口ん中までな。





そうだ。説明しないとわからないよな?
ついさっきまで足コキで満足してたのは京介とクロウだ。言い換えると、俺の弟と恋人だ。可愛い可愛い弟と、先日ついに本懐を遂げさせてくれた愛しい恋人。
因みに間違われては困るのでもう少し詳しく説明すると。

チンポしごかれてアンアン言ってたのが俺のビッチな弟で、言葉責めなんつぅえげつないことしながら足コキしてたのが恋人(受身)だ

わかっていただけるだろうか。俺のこのあらゆる意味で複雑な心境と、本当にやり場のない憤りを。
も、何に怒っていいのかそもそも怒るところなのかもわかんねぇ。
だがひとつだけ言えるな。俺は満足できねぇ!!










“ぬしどの〜〜、これは俺が苦行なので〜は〜〜〜〜?”
あんぐりと口を開けたまま、スパイラルドラゴンは思念だけを送ってくる。
便利だが無視する。
ついでに出した暗黒の海竜兵が、先ほどから勝手に出てきたゲイルにどんぐりをぶつけられていた。いや投げられているのは俺だが、海竜兵はそのたびに守ってくれるので結果海竜兵が投げられているように見えるだけか。反撃しないのはスキルドレイン上であることと、きっと見た目だ。
騙されてるぞ、海竜兵。このままじゃどんぐり無間地獄だぞ、経験から言わせて貰うと。それにあまり放置すると泣きながらアーマード呼ぶからそいつ。
さて、ちょっと和んだところで。
「で」
なるべく不機嫌にならないように心がけているのが丸わかりな声が出た。やばいやばい、これじゃあ別に怒ってないことが京介にばれる。と思ったらスパイラルドラゴンの口の中で一応しおらしくうなだれてた京介が顔を上げた。
ばれたな、これ。
「何作ってんの」
「うっせ、今俺の一番のショックは、あまりショック受けてないことなんだほっとけ」
以外や以外、百合っぽくて結構堪能してしまった。残念、俺残念。
「え、あれ作ってんのか?」
「あいつマジで怒ってるときは、声が平坦になっから覚えとけ。感情的っぽい声のときは大抵作ってる」
そこ、ばらさない。まだクロウにはばれてなかったんだから!
「じゃあこないだのあれもか!!」
あれ、何で俺が責められてんの?
「エロ声は無理だぁ、安心しなぁ」
こないだのあれでわかるな京介!!
「違うだろ、さっきのあれは何」
話を戻そうぜブラザーラバー、スパイラルドラゴンがぴくぴくしてっから。ばくってなるから。
「3Pさせてくんない当て付け」
「………流された上、ちょっと楽しくなっちまった…」
よしスパイラル、バクンだ。





結果。
何故か京介とクロウの強い要望で8月1日に3Pを決行することになりました。
ありえねぇ、カレンダーに丸つけやがった京介…。しかも俺のカレンダーに。
つかクロウ、そっち系淡白だとばかり思ってたんだけどよ…なにそのやる気。
「京介面白れぇのなんのって。マゾなの?仕様なの?」
きゃっきゃしてんのは可愛いけどな、あいつはお前相手なら突っ込む方だぞ?身を持って経験したほうがいいから黙っとくけど。
俺ら兄弟同時攻めは…やばいよ、言っとくけど。だからその、猛禽類みたいなやる気の目は止めなさいね、恋人としてお願い。



END




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