京介がブーツを買ってきた。
ジャックブーツ、というのだろうか?
重くて
ごつくて
底が固いの
本当に心から、真性だと思うのだ、京介は。





裸のままブーツだけ履かせられる心境にもなってみろと、クロウは切に思う。
ベッドで睡眠を貪っていたところを叩き起こされ、ぬくぬくと暖かい毛布から引っ張り出されて。蹴りの一撃でも入れてやろうと足を振り上げれば、珍しく阻止され足首を掴まれて。恭しく脹脛にキスをされ。
そして、ジャックブーツ。
新品の、滑り止めの溝もばっちりな、マッチョがこれ履いて蹴りのひとつでもいれれば内臓いくんじゃないか、思えるような。
そんな凶器をクロウに履かせた京介は今、床に正座しキラキラした目で見上げている。裸にブーツを履き、ベッドに座るクロウを。
「…きもい、マジで」
冷たく言い放てば、京介は顎を引き俯きがちに見上げてくる。それはもう、心底嬉しそうに。
本当に気持ち悪いから、肩を踏みつけ床に沈めてやる。
全く抵抗なく土下座のポーズをとった京介に、クロウの口からため息が漏れた。
蹴りを入れるだけでいいならば、いつでもやってやるという気持ちにもなるけれど。性的な暴力を京介が望むとき、それはクロウも多少痛い目にあう場合が多いから。
ちょっと訪問場所間違っていやしませんか…
思うのだけれど。
「顔やったら鬼柳が怒るだろうが…ケツ出せ」
…まあいいや





顔はやるな
弟の性癖を熟知している鬼柳が、クロウに唯一指示したもの。
顔はやるな
本当は、出来るなら、何もやって欲しくない。けれど京介の飛びぬけた我儘っぷりは知っているし、止められない事もわかっている。一度許してしまったのだから、止める権利もない気もする。
だから約束、蹴りを入れても殴ってもいい、ただ顔はやるな。
だってなぁ、あいつの顔は…





「ケツ踏みつけられて、こんな喜ぶ駄犬も珍しいぜ」
ザリと嫌な音を立てる靴裏に、クロウの口端がゆると上がった。
ズボンの上からではわからない、しかしきっと京介の尻は今、大変なことになっているだろう。普通に座ることすら困難なのではないか?
それでも少し視線をずらせば、すぐに見える快楽の主張。
「んぁ…もっと、もっと踏んでくれよおぉ」
それを床に擦り付けながら、京介は尚も催促する。際限を知らない欲は、自分の身体を省みさえしない。
「強請る事しかできねぇ駄犬、俺にそれが通用すると思ってんのか?」
だから突き放す。
ため息混じりに呟いて、蹴ることができないように足を組んで。
「うんざりさせんな…俺は鬼柳ほど優しくねぇんだ」
言い放てば、慌てて顔を上げた京介が、組んだ足の膝にキスをする。それから請うように、上目遣いでクロウを伺い、やや立ちかけたクロウのペニスにそっと舌を近づけた。
途端、クロウの眉がぴくと動く。
「違ぇ」
「!だって…」
「だってじゃねぇよ、それご褒美だろ。お前はチンポしゃぶって喜ぶだろうが」
髪を掴んで引き離す。同時に太股を踏みつけ、足を広げさせて。当然尻餅をついた京介は、きゅうと眉を寄せながらも、痛みに小さく呻いた。
それが引き金になったのだろう。クロウの目に晒された京介の股間が、じわりと湿る。
あ〜ぁ
声にすることなく呆れて見せて。湿った場所を軽く踏みつければ、京介が恍惚とした表情を浮かべる。
「何やっても喜ぶって、それどうなわけ?俺ついてけねぇんだけど」
言いながらも、クロウはまた口の端を上げていた。
「失敗しちまったわんころ、ぐちゃぐちゃんなってるチンポ晒せよ。晒して俺に尻尾振ってみな、上手に振れたらご褒美やるぜ?」
見せ付けるようにクロウも足を開いて、まだ閉じきっていない自分のアナルを京介に見せ付ける。
先ほどまで使っていたそれは、自分の指を這わせるだけでぱくと口を開いた。
京介の喉が鳴る。もどかしげにズボンの前を開き、精液でつやつやしたペニスを引きずり出して、手を沿え…。
「上手に尻尾振るから、舐めていいか?」
心底情けない顔で、呟く。
京介が望んだ先はペニスではなく、アナル。
先ほどまで散々犯された、鬼柳によって犯され続けたアナルを、弟が舐めたいという。
変な兄弟…
言えば鬼柳は烈火の如く反論するだろうが、はっきり言って弟の奇行に慣れきっている兄も同罪だ。
「ああもう!勝手にしろ!」
少々自棄になって叫んだクロウのアナルに、物凄い速さで舌がねじ込まれる。
今だ湿ったままの中は、驚くほど深く入り込んだ舌をやんわり締め付けて、ひくりと内壁が蠢いた。
綺麗に洗われていても、京介の舌に感じる精液の味。
「うぁ…たまんねぇ、クゥん中兄貴の残ってんぜ?どんだけ犯されたんだよおぉぉ!」
「ゃ…っお前、にゃ関係っっ!ふあぁぁ!」
お許しを得た京介は止まらない。しゃぶりつく様に舌をねじ込み、何度も何度も内壁をかき回しながら、狂ったように自分のペニスをすりあげる。
激しい動きにクロウの身体も揺れ、立ち上がり先端を湿らせ始めたクロウのペニスから飛んだ液が、京介の顔を汚して。
快楽を教え込まれたクロウの身体は、こうなってしまうと舌だけでは物足りない。
「んぁぁっ!!も、それ!お前の愚息、俺ん中…」





「あ〜あ〜あ〜、ちょっといいか」





入れろ!
まで、言う前に。
ひどく脱力した、第三者の声。
「正直、何処までやんのかな〜…って思ってた俺も悪いんだけどな?そろそろ気遣ってくんね?俺、最初っっっっから!いるってこと」
ベッドの中ならむくりと起き上がったのは、鬼柳。クロウは勿論、京介すら知っていた。傍で寝ているということは。
しかし正直、わりと忘れ去っていたことは事実。
驚いた顔で振り返るクロウと、きょとんとした顔で見上げる京介の目に映る鬼柳は、とりあえず普段通り。少し不機嫌なくらい。
不機嫌な顔を、作って。のそのそとクロウの傍らまで這い出てきて、クロウを片腕で抱きしめて。
「京介」
にっこりと笑う。
それだけで、京介は目を閉じた。目を閉じて、確りと歯をかみ締める。
「そうそう、がっちり噛んどけ」
次の瞬間寝室に響いたゴッという音と、すぐ後に聞こえた叩きつけられるような音。



だってなぁ、あいつの顔は俺専用のお仕置き場所だからな



「何、イかねぇのお前。お前の愚息も我慢強くなったもんだよな、それともクロウに入りたくて我慢したのか?発情期の犬でもそこまでじゃねえよ、すげぇ進歩だ良くやった」
殴られてイかなかったことを褒められる弟と、本気で褒める兄。絶対おかしい…
てか。弟が真性になったのは、かなりの確率でこの兄のせいなんじゃ…?
思うクロウにはお構いなく、鬼柳は抱きしめていたクロウの足を大きく開き、抱き上げた。
「ご褒美、貪れ」
京介にはニィと口の端を上げ、クロウには心から慈しむような笑みを。
二つの陰が自分に覆いかぶさったのを感じながら、それでもクロウはニィと笑った。
まあいいか
そんな気分だ。


END




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