「好きだ・・・吾郎くん・・・。」
「・・え!?」
「好きだ・・・好き・・・だ・・・・。
君を、僕の・・僕だけのものにしたい・・・。」
「何、言って・・・あ!」
寿也は吾郎の様子には構わず一方的に唇付けた。
「ン・・・ふ、ぁ・・・・っ!」
初めての深いキスにいつの間にか酔いしれる。
その間に寿也は吾郎のシャツの中に手を滑り込ませた。
そして小さな突起に辿り着くと執拗に弄る。
「なに、やって・・・あ!」
尚も唇付けながらその合間に囁いて。
「じっとして・・・。動かないで・・・。」
何がなんだか分からない吾郎であったが
寿也の愛撫に逆らえない。
体の芯から痺れていくような、そんな感覚。
膝が・・・砕ける・・・・。

そして・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・。



翌日。
思いつめた表情の吾郎が問うた。
「寿、昨日のことだけどよ・・・・。」
「何?」
「だから、昨日の・・・その・・・・なんだ・・・・。」頬を染めて必死に何か言おうとするが。
「あ~、昨日の、ね!」やけに爽やかな寿也の笑顔。
なんでそんな顔ができるんだ?
俺達は昨日・・・・男同士で・・・・・・・。
「吾郎くん、昨日が何の日か知ってる?」
「昨日?昨日は確か・・・・四月・・・・・・・・あ!!」
「そう!エイプリルフールだよ。」ニッコリ。
「そ、そうか~!エイプリルフールか~!・・・って、だからと言ってなんてことしやがる!!」
「ごめんごめん!でも騙される方が悪いんだよ?」
「くっそ~~~~~!!」
どこまでも単純な吾郎。
あんな事をされて普通、「エイプリルフール」ですむ訳がなかろうに。
寿也は後で一人、不気味な笑みを浮かべた。

その日から吾郎が寿也を見る瞳が確実に違ってきた。
あんなキモチ良さは初めてだった。
時折感じられる躯の疼きをどうすることもできないまま
今日も熱の篭った瞳が寿也に向けられる。
それに気づかぬ寿也ではない。

そんなある日。
「どうしたの?」
「い、いや・・・その・・・・。」
「もしかして嘘から出た真?」
「・・・・・・・。」真っ赤な顔で瞳を逸らす吾郎。
「いいよ。君なら・・・・騙されてあげても。」
寿也は甘い声でその耳元で囁くと、そのまま耳に舌を差し入れた。
「・・・・あ・・っ!」
「可愛い声。もしかしてずっと待ってた?」
「ばっ・・・馬鹿!そんな訳・・・・!」
「正直に言って。もうエイプリルフールは終ったよ?」
「・・・・っ!」
ふふふ・・・・・。


もうすっかり寿也の思う壺!














end

エイプリルフールだなあ・・・トシゴロならどんな・・・
と、妄想してみました。
ここまで読んで下さりありがとうございました!
(2008.4.1)  



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