気がついた時にはキーンが俺のすぐ後ろにいたんだ。
ヤツが無言のまま肩口に顔を埋めて。
「ば、馬鹿!何やってんだよ!誰か来たらどーすんだ!」
「だからあまり騒ぐな。」
静かに言い放つキーン。
そしてゆっくりと手が俺の胸と股間に伸びていく。
「・・・・ッツ!」
「どうした。体を洗うんじゃないのか。」
「・・ンな事言ったって・・・っ!」
濡れているからか石鹸の泡にまみれているからか
いつもより滑りが良く、たまらない。
「キ、キーン・・・!やめ・・・ろ・・・。」
「我慢できないか?なら出せばいい。」
「違・・っ!キ・・・!」
キーンの手の動きが早くなる。
俺は壁に手を突いて必死に耐えた。
響く水音、流れるシャワー。
そしてやけに響く、それでも抑えた俺の声。
くっそ・・、このままじゃまたヤツの思い通りに・・。
耳朶を甘噛みされてそして
「Game and set.」
耳元に舌と共に直接吹き込まれる低い声。
「あ、ああ・・・・っ・・・!!」
結局また、キーンの思惑通りに果てる俺。
俺の気持ちも昂ぶりも、何もかもヤツの思うがまま。
悔しい・・・。
悔しいけど、俺は・・・。
果てて崩れ落ちる俺をしっかりと抱きしめる太い腕。
「どうした。この程度でもう立てないか。」
「・・・ンな訳、ねーだろ?」
毒舌家だが真実しか語らないその唇。
俺・・・・・。
吸い寄せられるようにその唇を俺の唇で塞いだ。
「やはり足りないか。」
「・・ったりめーだろ?」
ニヤリと笑うキーンにニヤリと笑う俺。
「来るだろ?俺の部屋。」
「・・・・散らかってないだろうな。」
「どう散らかるんだよ!昨日着いたばかりのホテルの部屋が!」
「・・・お前ならあり得ると思っただけだ。」
「はいはい、どーせ俺はガサツだよ!」
悔しいけど俺は・・・・。
俺は・・・お前の思うがまま、ってーのも・・悪くない・・と思ってる。
end
ここまで読んで下さりありがとうございました!
(2008.9.18)
MAJOR裏TOP