「吾郎くん、吾郎くん。」
「・・・なんだよ。」
くつろいでいた吾郎は鬱陶しげに返した。
「最近、ご無沙汰じゃない?」
「何が。」
吾郎は更に面倒そうに答える。
「だから。ここは僕達があ〜んな事や、こ〜んな事をしている現場を実況中継する為の場所でしょ?」
「はい?」
「僕と吾郎くんだけでなく、認めたくはないけどあの男とか・・・。
それから僕等とは別世界で生きてる独楽を愛する少年達が、あ〜んな事やこ〜んな事を・・・・。」
「・・・お前、何が言いたいんだ?」
「だから最近、僕達、日記でさえも出番が少ないと思わない?」
「まー・・・そうかもな。でもここの管理人と称する変態女にだって、忙しい時くらいあるだろうよ。」
「だから。そのヘンタ・・・いや、その・・管理人さんの為に、たまには僕達が自発的に・・・・さ!」
「自発的に?」
「あ〜んな事や、こ〜んな事の実況生中継を・・・・。」
「お前・・・何考えてんだよ!確かにここでの出番は減ったけど、ここに公表されないだけで、お前、昨日も散々・・・・!!お蔭で俺は・・・!!」
吾郎は既に涙目だ。
「嫌だな〜、吾郎くん。昨日、だなんてそんな昔の事をいつまでも。」
「昔じゃねーだろ!!」
吾郎は苦し紛れに叫んだが
気付けば寿也は寝そべる吾郎のすぐ脇に手をついて、至近距離から吾郎を見下ろしていた。
「・・・おい・・・。」
「どっちにしたって今日もスるんだから、同じ事でしょ?」
ニッコリ寿也。
「あれくらいで腰が抜けそうになるなんて、トレーニングが足りないんじゃない?
僕がトレーニングの手伝いをしてあげるよ。君は誰よりも自分を鍛えることが好きなんだから。」
「そんなトコ、鍛えたからってどーにもならねーだろうが!!大体、お前はどんな鍛え方を・・・なんでそんな所がそんなに鍛え上げられて・・・・!!」
「・・・・君の・・・せいだよ。
いつも君が僕を飲み込んで、ぎゅうぎゅうに僕を締め上げるから・・・
僕が突き上げると、あんなにヨさそうに悶えるから・・・・
君が・・・可愛すぎるから・・・・・僕はいつだって自分を止められなくなる・・・・。」
気付けば互いの息がかかる程、髪が触れ合うほどの至近距離で寿也が吾郎を熱く見つめていた。
この瞳。
この美しい翠玉のような瞳で見つめられると、吾郎はいつも身動きすらできなくなってしまう。
その瞳に魅入ってしまう。
こんな瞳でこんなに熱を込めて見つめるなんて・・・反則だ・・・・、と吾郎は胸の内で思った。
「その顔も・・・嫌だ嫌だ、と言いながら、誘っているようにしか見えない。」
寿也は、その僅かの距離を詰めて唇を押し付けた。
触れ合う柔らかな唇から、甘い感情が体中に伝わっていく。
絡め合い、擦りあう舌からは甘美な痺れが体中に伝わっていく。
散々、減らず口を叩いていても、「愛している」と認めざるを得ない一瞬。
唇が離されても、名残惜しそうに舌を絡め合って。
「あ、ああ・・・・っ!・・、も・・・・・っ!!」
「吾郎・・くん、締めつけ・・過ぎ!そんなに締めつけたら・・・!」
「しょーが・・・ねーだろ!お前の・・・が、デカ過ぎ、るん・・・だっ!」
吾郎の締め付けは、吾郎が感じている証。
それは嬉しくもあったが、こう、締め付けが激しいと・・・。
「・・・っく・・!」
寿也の端正な顔に汗が伝う。
すると寿也の腕の中の吾郎がニッ・・・と不敵に笑んだ。
「・・?」
「寿・・・まだイくんじゃ、・・・ねー・・・ぞ?」
「・・・・。」
「俺を・・・鍛え・・るんだ・・・っ、・・・ろ・・・?」
「・・・・・。」
「こんな・・・んじゃ・・・、俺は・・・壊れねーぜ?」
寿也は一瞬、呆気にとられた。
そして、フフ・・と笑う。
──明日になれば、また腰が痛いだの、お前のせいだと文句を言うくせに。
実際、ヤりはじめると快楽に囚われて腰を振り続け、もっともっとと・・・君は、いつも・・・・。
「この・・・淫乱。」
「なんだって?」
「欲しいんでしょ?「僕」が。
君のココがぐちゃぐちゃになるくらいに・・・僕が欲しいんでしょ?」
「・・・だったら・・・なんだっつーんだよ!」
恥ずかし紛れに吾郎は叫ぶが。
「いいよ。あげる。僕は君だけのものだから。いくらでも君を突き上げてあげる。
明日になって君が後悔するくらいに。」
「・・・・・。させてくれよ、後悔。」
吾郎の強気の微笑みが動きを再開する合図となった。
何度も何度も達した後、精も根も尽き果てて
二人体を絡ませながら、昏々と眠る。
そして明日になれば、きっと吾郎は寿也にいつものように恨み言を言うのだろう。
恐らくは明後日も、その次の日も、これからもずっと・・・・・。
end
だいぶ前に日記に上げた話です。
久しぶりの日記で、トシゴロに弁解と言うか、私のフォローと言うか・・
をして頂いているうちに書けてしまいました。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
(2012.12.21)