「吾郎君は渡さないよ。」
ニッ・・と強気に笑う寿也。
「アメリカと日本。これだけの距離があれば、おのずと結果は見えてくる。」
淡々と言い放つキーン。
「随分な自信だね。」
「俺は統計的な答えを言っているだけだ。」
フフフ・・・と笑いながら睨み合う二人。背後にはゴゴゴゴ・・・と炎が燃え盛る。

少し話を戻そう。
ここはW杯開催地近くの公園。
寿也はランニングをしていた。
そこで偶然キーンを見かけたのだ。
吾郎とチームメイトであるホーネッツのキーンをニュースやネットで見知ってい
た寿也は、キーンに声をかけた。
「Nice to meet you!」で始まり、そして話をしているうちに敏感な寿也にはピ
ン・・ときてしまったのである。
そんな最悪のタイミングで吾郎もランニングがてらに現れた。
「あれ?キーンじゃないか!寿也まで。お前ら、いつ知り合ったんだ?」
「たった今だよ。」寿也の表情が硬い。
が、それに気付かない吾郎は乱暴に寿也の肩に手を回し、無邪気に言った。
「キーン、コイツは俺の幼馴染なんだ。そんでもって日本代表の捕手。お前と同じな。」
「吾郎くん、それは間違いじゃないけどそれだけじゃないだろ?」
「え・・・?」
「幼馴染で・・・そして恋人だ。」
「寿・・・!」
「どうしたの?吾郎くん。何か不都合でも?」
「いや・・・その・・・・。」
「キーンがアメリカでの君のお相手だったから知られたくなかった?」
「・・・・!」
「シゲノ・・。俺はイザコザはゴメンだ。失礼する。」
キーンはそのまま立ち去ろうとしたが寿也は。
「へえ・・・。逃げるの?自分から負けを認めるんだ。」
キーンは溜息をついた。
「まあ、いいさ。行こう、吾郎くん。君にはたっぷりと聞きたい事がある。」
寿也に腕を取られ連れて行かれる所だった吾郎の肩をキーンが掴んでいた。
寿也が振り向いてキーンを見据える。
血も凍りそうな、その瞳で。
しかしキーンも負けてない。寿也の氷点下の瞳に臆することなく言い放った。
「イザコザはゴメンだと思ったが・・・悪いが気が変わった。俺もその話に参加
させてもらおう。」
「・・・・。そうだね。こういうことは早いうちにハッキリさせておいた方がいいしね。」
渦中の人、吾郎を中心に熱い火花が飛び散った。




そして日本チームに割り当てられたホテル、吾郎の部屋。

「酷いな、吾郎くん。
僕としかこういう事しないって言ってたのに・・アメリカではキーンとこんな事してたの?」
「・・・あ、・・やめ・・・っ!!」
「・・・どうも慣れていると思ったら、日本では佐藤というパートナーがいたんだな。」
「・・・・んっ・・・・も・・!!」
寿也が攻めて吾郎が感じれば、負けるかとばかりにキーンが攻める。
吾郎の理性はもう、とうの昔に吹き飛んで・・・。
されるがまま、ひたすらに鳴いた。
「吾郎くん、君が決めるんだ。僕か、キーンか。」
「・・・・っ・・・!!」吾郎の脳にその言葉は届いていたのかどうか。
「俺は別に二股でも構わんが。」
「僕は嫌だ。僕を選ぶか、それとも終わりにするか。二つに一つだ。」
「・・・・柔軟性のないヤツだな。」
「なんだって?」
「アメリカでは俺、日本ではお前。それで構わんと思うが。」
「君は・・・!君はそれでも吾郎くんを本当に好きなのか!?」
「落ち着け。それが一番合理的だと言っているんだ。」
「・・・もういい。僕は君なんかに吾郎くんを渡さない。絶対にね。」
寿也は怒りに剛直度を増したそれを感情のまま、吾郎のそこに突き入れた。
ブラック寿也が降臨してしまった今、もう誰も寿也を止められない。
「ああ・・ああ・・っ!!」
慣らすことなくいきなり突き入れられて、吾郎は痛みに思わず声を荒げた。
その口に、キーンは自らのそれを・・・。
「・・ん・・・ふ・・・・!!」
寿也は吾郎のそれを握りこみながら腰を進め激しく責め立てて
キーンは吾郎の頭をその大きな手でがっちりと掴み責め立てた。
やがて訪れるその時。
「くっ・・・・!ごろ・・う・・くん・・・・・っ!」
寿也が吾郎のそれをより一層強く握りこみながら、吾郎の体内に熱い液体を注ぎ込む。
それには吾郎もたまらず精を放った。
「ん・・・っ・・ふあ・・・っ!!」
そして咥え込んでいた唇をきつく窄めつつ悲鳴を上げると
今度はキーンがたまらなくなり吾郎の口内へそれを注ぎ込んだ。
キーンは吾郎の口から自身を引き抜くと、すかさずその口を閉じ顎を上向ける。
「ちゃんと飲み込め。」
ゴクン・・・と吾郎が喉を鳴らした。
「ゲホッ・・・ゲホゲホ・・・ッ!」咳き込む吾郎に果てて息を整える寿也とキーン。

────勝負は・・・まだ着いてはいない。

二人の瞳が妖しく光る。
そして同時に吾郎へ伸びる二本の腕。
「ちょ、待て!まだ・・・あああっ・・・・!!」
今度は下の蕾にキーンが圧し入り
虚しい抵抗を叫ぶ、その口には寿也が突き入れた。
吾郎の苦しそうなくぐもった悲鳴と
じゅぶじゅぶ・・・と、濡れた音が部屋中に響き渡る。

狂乱の宴は
まだまだ続く──────。







夜が明けて正気に戻った3人は
その日、試合がなくて良かったと心の底から思ったとか。
















end

寿也の事だから、流暢な英語でキーンと話が出来ていたんだろうな〜v。
そして朝になって我に返った3人、一体どんな話をするんだろう?考えると面白いですね。
せっかくJr.もいるんだから混ぜてあげても良かったかな?とも思ったり・・・(汗)。

ここまで読んで下さりありがとうございました!
(2008.10.10)




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