注意!!
この話には女が出てきます。
絡み未遂ありです。
苦手な方、嫌悪感を催される方、速やかにお戻り下さい!
苦情は一切受け付けません!!
大丈夫な方、それでも読む!という方のみ、お進み下さい。
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コトが済んで、僕が吾郎くんの部屋を出たその時
バッタリ出くわした、W杯日本チームのメンバー数人。
「あれ、佐藤じゃないか。そこは確か茂野の部屋じゃなかったか?」
と言ってから
「あ、そうか。お前達、確か幼馴染だったな。」
そう、その人に言われて
「ええ。」
僕はにこやかに返事をした。
「あ、お前もどうだ?俺達、これから上のバーに飲みに行くんだけど。」
「こら、コイツはまだ未成年だぞ?」
「あ、そうだったな。お前、まだお子様なんだ。」
とゲラゲラ笑い出す彼ら。
勿論、悪気がないのは分かっていたので僕も一緒に笑った。
いや、こういうのは「苦笑した」というのかな。
「じゃあな。来年は一緒に飲もうな?」
そう言いながら立ち去ろうとするメンバーに、僕は思わず・・・。
「僕もご一緒していいですか?」
「いいけど・・・お前、飲めるのか?」
「飲んだことはありませんが・・・ちょっと興味が・・・。」
「そうか!何事も挑戦だな!よし、行くぞ!!あ、そうだ、茂野も誘ったらどうだ?」
「あ、吾郎くんは・・今日は疲れたから寝るって・・僕、今追い出されたところなんですよ。」
「そうか。じゃ、行くぞ、佐藤!!」
「はい。」
なんだか無性にむしゃくしゃしていた。
昼間、吾郎くんに再会できた時は本当に嬉しかったのに。
キーンとの事を知ってしまって。
当然・・今さっき吾郎くんを抱いた所だというのに、どうしても気分が晴れない。
明らかに・・・・吾郎くんは僕に抱かれながらキーンを思い出していた。
このモヤモヤをどうしたら良いのか分らなかった。
どうにかしたい、どうにもならない。
何かしていないと発狂してしまいそうだった。
忘れたい、なかった事にしてしまいたい。
どうしていいのか・・・・・わからない・・・・・・・・・。
お酒。
良い響きじゃないな。
しかも僕はまだ19歳。
半ばヤケクソ気味に「行く」と言ってしまったが、バーの入り口まで来て
その今まで見た事もないような、ムード溢れる店の様子に気後れしてしまった。
「あ、あの、僕・・やっぱり・・・。」
「なんだよ、ここまで来てそれはないだろ?
無理に飲まなくてもいいから。コーラもオレンジジュースもあるから、とにかく行くぞ!」
「は、はあ・・・・。」
嘘つき・・・・。
コーラでもオレンジジュースでもいいって言ったくせに。
そう、一杯目はウーロン茶を飲ませてくれた。
二杯目はオレンジジュースを・・と言ったのに。
ああ・・・なんで僕はこんな親父軍団と一緒に来てしまったんだろう。
「だから!これ、オレンジジュースにしか見えないだろ?ほら、ググッ・・と!!」
「でもこれ、カクテルって・・・・。」
「そんなの俺達から見たらオレンジジュースだ!!」
・・・ああ、もう酔っ払ってるよ、この人。
どうしよう?「スクリュー・ドラーバー」って聞いた事あるぞ?
結構飲みやすいけど酔いやすいって・・・・。
「佐藤!!お前、俺の酒が飲めねーってーのか??」
「わ、わかりました。飲みますよ!」
飲めば良いんだろ?
と、一口、口を付けてみた。
「・・・・・・美味しい。」
それを聞いた他のメンバーはドッ・・と沸いた。
「だろ?ほら、もっとググー・・・っと!!」
「・・・本当に美味しいな、これ・・・・。」
それにだんだん気分も良くなってきた。
楽しいし、このジュース(?)も美味しいし、料理も美味しい。
良い気持ち・・・・・。
あれ?こんな女の子達、同じテーブルにいたっけ?
まあ、いいや・・・・。
さっきまでのモヤモヤが嘘のようだ・・・・。
お酒って・・こんなに良いもの・・・だったんだ・・・・。
あれ?なんか・・おかしいぞ?
頭がくらくらする・・・
これが酔っ払うという事か・・・・
ちょっとトイレ・・・・あれ・・・・?
「おい、佐藤!」
「なんですか〜、○○さ〜〜ん!」
「ダメだ、コイツ完全、出来上がってる。」
「お前、もう部屋に戻れ。」
「え〜〜??僕は平気ですよ〜〜〜!いくらだって捕れます〜!」
「いいから、もう、戻れ!!」
「なんだよ〜、僕だってもう、お酒くらい・・・・・。」
「戻れ!!」
あれ?僕の部屋だよな。
いつの間に・・・・。
あれ?吾郎くん・・・・吾郎くん?
吾郎くん・・・・来てくれたの?
嬉しいよ・・・君のほうから僕のところへ来てくれるなんて・・・・。
さっきのは悪い冗談だよね。
いいよ、もう謝らなくたって・・・・!
吾郎くん・・愛してる・・・。
吾郎くん・・・・
吾郎・・・くん・・・・・・・。
ハッ・・・・・。
我に返ったその時。
僕の下に裸の女の人が。
「ひ・・・・!!」
僕は慌てて飛びのいた。
そして自らの姿を確認する。
僕も裸だった。
「な・・・・・!!」
これって・・・この状態は・・・どう、考えても・・・・・。
「どうしたの?寿くん。」
「あ・・・・あの・・・っ!!」
僕は・・・一体なんて事を・・・・・!!
「寿くん?」
「あ・・・あの・・・・ごめんなさい!!」
「え?」
僕はとにかく手元にあったシーツをその人に押し付けた。
その身を隠して欲しい一心で、目を思い切り瞑って。
「僕は・・・どうやら・・・その・・・お酒、初めてで・・!
で、酔っ払って・・・あの!事もあろうか・・・本当にすみませんでした!!」
僕は思いっきり頭を下げた。
しかし。
「・・・・。いいよ。私は。寿くんになら何されたって、遊びだってなんだっていい。」
「・・・・え・・・・・。」
「だから・・・・続き、シて?」
その人が寄ってきた。
「え・・ちょ・・・・っ!」
「遊びでいいから。今夜だけでいいから。」
背中に胸を押し付け、腕を首に絡めてきて。
「・・・・な、何を・・・!」
「・・・ね?つ・づ・き。」
「やめて下さい!」
な、なんなんだ?この女。
いや、僕が多分吾郎くんと勘違いして襲ったんだろう。
間違いなく悪いのは僕だ。
しかし・・・正気に戻った以上、これ以上は・・・・。
すると、あろう事か僕の正面へ回り強請ってきて。
「あ、あの!僕が酔って貴方を好きな人だと勘違いしちゃったんです。
本当にすみません!
改めて・・・幾らでも謝らせて下さい。謝罪させて下さい。
だから!
・・・・・もう、帰って下さい・・・・・・。」
「好きな人がいるの?残念!」
そう、だから帰ってくれ!頼むから!!
「もしかして片思い?・・・にしては手馴れてたね。
さっきまでの寿くん、素敵だった。
でも今みたいにウブな寿くんもいいな。
ね、その人だと思ってていいから、続き、シて?」
触れる胸、そして体。
ブニブニと柔らかく・・・僕の知っているものとは全く違う。
この媚びるような声。
くねくねと、うねる体。
・・・・・・吐き気がする・・・・・・。
「お願いします。出て行って下さい・・・・・。」
いくら酔っていたとはいえ、初めてのお酒だったとはいえ。
そして吾郎くんに別の相手が出来たと聞いたことが
あまりにもショックだったからとはいえ
これではあまりに・・・・・。
「寿・・・く・・」
「出て行け!!」
あまりに不愉快で
あまりにも吐き気がして気持ち悪くて
自分自身が許せなくて。
感情のまま、大きな声で怒鳴りつけた。
それは最後通告。
僕の今までのイメージとあまりにかけ離れていたんだろう、
暫くその人は呆気に取られていたようだったけど
無理だと分ってくれたようで、そそくさと服を着ると出て行った。
なんて事だ・・・・。
なんて・・・・事・・・・・・・。
吐き気がした。
とにかく何もかも、吐き出してしまいたかった。
そのまま洗面所へ向かい、吐けるだけ吐いた。
そして一心不乱にシャワーを浴びた。
何も残さぬように。
手や体に残る、あのブニブニした感触も何もかも洗い流してしまえるように。
でも・・・・・。
消えない・・・消えない・・・消えない、消えない消えない消えない!!!
ダン・・・ッ!!
拳を思い切り壁に叩き付ける。
僕は・・・・
僕はなんて・・・・馬鹿なんだ・・・・・っ!!
あの女は多分、初めからそういう目的で部屋に帰る僕について来たんだろう。
だが、悪いのは僕だ。
何故、酒に逃げようなどと思いついた?
たまたまチームの人に誘われたからって
そんなのは言い訳に過ぎない!!
皆、僕の心の弱さが招いた結果だ。
僕が・・・・この手で・・・・
君以外の人を抱こうとしていたなんて・・・・・・!!
吾郎、くん・・・・・。
翌朝。
「よう、佐藤!昨日はうまくいったのか?」
昨日、一緒にバーへ行った先輩。意味深なその瞳。
「・・・・何の・・事ですか?」
その先輩は僕の顔を見るなり、引き攣った笑みを浮かべながら逃げるように去って行った。
「振られたんだな・・。」
「あの佐藤でも振られる事ってあるんだな。」
と昨日のメンバーは顔をつき合わせてヒソヒソ話していた。
少々戸惑われたが、一番手短で効果的な方法だろう。
それにあながち、間違いではない。
ヘタに濁すより、ハッキリしていていいだろう。
好きでもないヤツなど抱いても、何の解決にもならない。
気分転換にすらも・・・・。
ただ、気持ち悪いだけだ。
強くならなくては。
体じゃない。心が・・・・・だ。
あ・・・・・・・。
僕がふと見た時、吾郎くんがグランドへ入ってきた。
かなり遠目で見たのに、その姿に涙しそうになった。
吾郎くん・・・・僕は君が好きだ・・・・・・もう、どうしようもないほどに・・・・・・・・。
僕は改めて、自分の愚かさを、心の弱さを思い知らされた。
もう、間違いはするまい。
僕には君しかいない。
君を勝ち取る為に
僕も強く・・・・強くなりたい、強くなるんだと・・・心に誓った。
end
とんでもない問題作をここまで読んで下さり、ありがとうございます!!
BLサイトに女はタブーですよね。
わかってます・・・・わかってるんですが、止まらなかった・・・・。
いきなり頭に浮かんだのは、ソレを迫る女に吐き気を催し、「出て行け」と怒鳴るシーン。
そして後悔に怒りに拳を叩き付けるシーン。
これが浮かんだ瞬間から書き始め、その日のうちに書き上げてしまった・・・・。
甲子園のヒーローで、あの若さで日本代表に抜擢され、そしてルックスもいい。
過激なファンがいてもおかしくないと思うんです。
あ、舞台はアメリカですが、多分寿也の追っかけでアメリカまで来たんでしょうか?
その辺、あまり深く考えないで頂けると助かります。私も考えてません(すみません!)
腐な視点ではなく、普通の視点で見ても寿也は吾郎Loveにしか見えませんが
あれだけカッコいいと、こういう事も起こり得るんじゃ・・・・と思いました。
それから・・・この話は「魔物シリーズ」本編には入ってないものと考えて下さい。
こういう事も起こり得るかも・・・という「例えば」の話のつもりで認識願います。
・・・・苦情はご遠慮願います。本当に・・・すいませんでした!!
そして、ありがとうございました!!
(2009.5.13)
それから・・一々書くまでもないとは思いますが、念のため。
未成年の飲酒は禁止されています。
勧めるのもダメです。
また、この話は未成年の飲酒を認めるものではありません。