突き上げて・・・・突き上げて・・・・・・
もっと・・もっと強く、もっと激しく・・・もっと酷く・・・・
もっと突き上げてくれ!!

内臓に抉り込むように、かき回すように。

全然、足りない。

何度果てても、何度放たれても。

イけばイくほど、欲しくなる・・・。


足りない・・・・・!!



「寿・・・もっと、もっとだ・・・・!」

「言われなくても・・・そのつもり、だよ・・・。」


隅から隅まで、最後の一滴まで・・・愛して・・・・・。

愛して・・・・愛して・・・・・寿・・・っ!!



「吾郎くん・・・吾郎くん・・・・・愛して・・る・・・・・
ずっと昔から・・・・初めて会った、あの時から・・・・君を、君だけを・・・愛して・・・る・・・・・。」

絡まる舌も、接合部分も
抱きしめる腕も
胸の鼓動さえ・・・
もう、どちらのものかすら分からなくなるくらいに深く交わって。


絶え間なく響く喘ぎ声
息を詰める音、濡れた音。


なにもかも、なにがなんだか・・・もう何もわからない。

寿也を愛してる、寿也も俺を愛してる。
ただ、それだけ。



好き、好き・・・・何をされても、どんな酷い事されても・・・・
寿也、お前にされる事だったら・・・なんだって・・気持ちいい。




だから、もっと・・・もっと・・・・・・俺を抱いてくれ!!
















「・・・ったく・・・。吾郎くんとのセックスは命がけだね。」

バスルーム。
湯に浸かりながら、寿也が溜息混じりに漏らした。

「ふん・・、俺は中途半端は嫌いなんだよ。
それより「吾郎くんとのセックスは・・」、ってどういうことだ?
まさかお前、他にも誰か相手がいるのか?」

すると寿也は意味ありげな笑みを浮かべた。

「・・さあね。」

「・・・!!」

俺は思わず嫉妬を顕にするが

「どっちにしても、君にそれをとやかく言う資格なんてないよ。
キーンと散々シてたみたいだし、今は結婚しちゃったしね。」

そう言われては返す言葉も無い。

「別に責めてるんじゃない。関係ないって言いたいんだ、そんな事は。
今、この時は間違いなく・・君は僕のもの。そして僕は君のものなんだから。」


・・・・そう、そうなのだ・・・・・・。

他人が聞いたら間違いなく眉を顰められるだろう。
でも俺は、寿也は・・・・その時その時、一番互いを愛する事が出来ればそれでいいんだ。

誰と結婚しようが、他に相手がいようが。

こんな理屈、他人には理解不能だろうが。

今、このひと時だけは・・・世間から、世界から遠く離れて二人だけ。

そしてこのひと時が終われば・・・それぞれの帰る場所へと。

俺は・・・あの家に・・・。
そして、寿也は・・・どこに帰るのだろう。
一人きりのマンションへ?

それは踏み入ってはいけないような気がする。
俺には俺の世界があるように
寿也にも寿也の世界があって当然なのだ。
知らないほうがいい。

寿也が言うように、そんな事は・・・俺達になんの関係もないのだから。

ただ、今だけは・・・雑踏に紛れ、暗闇に紛れ
何もかもから遠く離れて・・・・・俺達は・・・・・・・互いを慈しみ、愛し合う。

闇に紛れたこの時間だけ、それこそ命がけで愛し合う。







俺は、また寿也に唇を寄せた。
寿也もそれに応える。


互いに互いを愛撫して舐めまわして・・・昂ぶらせる。

ダメだ・・・あんなに激しく、何度もシた直後だっていうのに
足りない・・・・。

ちゃぷん・・と波打つバスタブの湯。

いくら抱かれても、求めても、与えられても・・・足りない・・・・・。
飲み込めば飲み込むほど・・・乾き果てていく。




「寿の・・・咥えたい・・・・。」
咥えたいけど、さすがに湯の中では無理がある。
だから・・・・。

すると、寿也がクスッ・・と笑った。

「いいよ。好きなだけ、しゃぶればいい。」

俺の意を悟った寿也は、湯船を出てその風呂の縁に腰掛けた。
俺は寿也の膝の間に座ってそれをまず愛おしげに手にとって眺めて。
湯に浸かっていたので、いつもよりあたたかい。
俺は吸い寄せられるように、ちゅ・・と寿也自身にキスをしてそれから舌を這わせた。

愛おしい・・・寿也のそれ。
その形もぬくもりも、突き上げる時の剛直さも・・全て知ってる。
離れていても、その熱を思い出せる。
大切なものを舐め清めるように丁寧に舐め上げて
窪みの部分を舌でなぞって
そして一気に咥える。

「・・・っ!」

ああ・・・俺の口の中に存在する、寿也の分身。
唇と舌で・・・俺は恍惚気味に、ひたすらしゃぶった。

さっきより固くなってきた・・・
少し震えてる・・・・先走りの蜜が・・・・たまらない・・・・・・。

もっと、もっと・・・俺で感じて?

「吾郎・・・くん・・・・・。」

寿也の手が俺の頭をクシャ・・と撫でる。
俺はぴちゃ、ぴちゃと水音を響かせながら・・・ウットリと舐め上げる。
可愛くて愛しくてしかたがないんだ・・・この寿也の分身が。
いつまでも舐めていたい・・・いつもは俺の中で縦横無尽に暴れまわる・・・寿也を。

「・・っく、・・・吾郎くん・・・も、・・・っ!」

頭に置かれた寿也の手に力が入る。

もうちょっと・・・・。

舌で大きくねっとりと舐め上げて唇を窄めて締め上げて。

「・・・っ!!」

その瞬間、俺は意識して口からそれを引き出した。
すると、寿也のそれが俺の顔に盛大に飛んできて。

あたたかい、独特の香り、粘り、そして味。

俺の口で寿也が感じてくれた証。

俺は顔についたその液体を指で拭ってぺロリ・・と舐めた。

「寿也の味・・・・。サイコー・・・。」

笑みを浮かべながら呟く俺。


「吾郎くん・・・・。」

寿也はそんな俺の姿を見て
今、放ったばかりだというのに、また一気に昂ぶってしまったようだ。
只ならぬオーラを纏った寿也は俺を立ち上がらせ
力任せに俺の体をくるりと反転させると、俺の臀部を鷲づかみにした。

「つくづく・・・底なし・・だね、君は。」

そしていきなり、今さっきまで俺がしゃぶっていたモノを突き入れて。
俺はとっさに目の前の鏡に手を突いて体勢を整えた。

底なし・・・・。
俺だけじゃない。
お前もそうだよ。
お前とのセックスは・・・底なしの沼。

激しく後ろから突き上げられて前も弄られて、悶える俺。
鏡には愛欲と白い液体にまみれて鳴く俺と
普段の温和な様子からは想像もつかないような寿也の、一心不乱に突き上げる姿。




だって、足りないんだ。

全然、全く。

何度抱かれても、何度果てても

すぐに次が欲しくなる。


抱かれれば抱かれるほど、渇きが増す一方で。


どうしたらいいんだ?

どうしたら満足できる!?




欲しい・・・・欲しい・・・・・

寿也が欲しい・・・・・・・・・!!



いっそ、抱かれながら死ねたら、どんなに楽だろう・・・・・・・!?









「寿、もっと・・・もっとだ・・・・!!」

「吾郎くん・・・吾郎・・くん・・・・・。」









結婚していようが、他に相手がいようが。

今、このひと時だけ。

世界から、全てから離れて二人きり。

闇に紛れたこの時間だけ

命がけで・・・俺達は愛し合う。










底なしの沼に堕ちていくように・・・・

求めても求めても

果てても果てても

飲み込んでも飲み込んでも・・・・・足りなくて

もっともっと、と求めずにはいられない。


永遠に続く、欲望の連鎖。



お前となら・・・・どこまでも堕ちたって構わない・・・・・・。



どもまでも堕ちてしまいたい、とさえ願ってしまう。



永遠にこのまま、全てから離れた闇の中で、底なしの沼で



お前と二人だけ・・・・・・・・・・・。



















end


突如、「足りない、足りない!」と言って寿也を求め続ける吾郎が浮かんで、一気に書いてしまいました。
吾郎、結婚後のトシゴロ妄想です。
結婚したからと言って、この関係は終わらないでしょう!
終わりにしたい、普通に生きよう、とは思うかもしれませんが
どうしても断ち切れないでしょうね。
そしてこんな関係が成立してしまう・・・。
ドロドロですね・・。

それからお風呂。
この話のような事をしようと思ったら日本式のお風呂でないと無理ですね。
これは日本での話?
実は細かい事は全く考えてません!
勢いで最後まで書いてしまったので・・・・(汗)。
アメリカでも家を建てる時にそう注文して日本式の風呂を設置した、という話も検索したら出てきましたが
でも二人の密会にそんな家は・・・。
いや!
二人の収入なら「密会ハウス」を建てることくらい、何の問題もない??
いきなり設定が浮かんだ??
まあ・・・でもこの話は不明、どこかで・・・きっと日本??アメリカ?
・・・・知りません・・・・・。
そんな訳でお好きなように妄想頂ければ・・・無責任ですいません!!

それではここまで読んで下さり、ありがとうございました!!
(2010.4.18)





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