「驚いたよ。吾郎くんに彼女が出来たなんて。」
「どういう意味だよ。」

スポーツセンターのシャワールーム。
簡易的に仕切られただけの狭い空間で。

そう、その日は吾郎と寿也、久しぶりに二人でトレーニングをしようと約束していた。
そこへたまたま吾郎の元へやって来た薫と3人で会うこととなったのである。

寿也と吾郎。
海堂高校野球部の者なら二人の関係を知らない者はいなかった。
いわゆる公然の秘密である。
しかし、吾郎が海堂を飛び出してからは自然に終わったのだと、誰もが考えていた。
寿也と会う機会が全くなくなってしまった為、吾郎もそう思っていた。
しかし、寿也は。

「別に。そのまんまの意味だよ。だって・・・。」
寿也は背中からゆっくりと吾郎を抱きしめた。
「お、おい・・・!」
シャワールームには他にも数人の人が使用していたが、寿也は構わず続けた。
簡易的なものとはいえ、一応仕切りがあって目隠しにはなっている。
「君が女の子を抱けるとは到底思えない。」
「・・・・!!そ、そんなこと、する訳ねーだろ??恥ずかしい!!」
「そんな大声で話したら、他の人に聞こえちゃうよ?」
窘められて吾郎は小声で同じ事を言い直す。
シャワーの音に紛れる程度の声で。
「だから・・・ンな恥ずかしい事、するかっつーの!考えた事もねーよ!」
「・・・そうだろうね。吾郎くんは抱かれる事に慣れすぎているから。」
「・・・・・・。」
「なんで彼女なんて作ったの?」
「な、なんでって・・・。」
後ろから抱きしめていた寿也の手が妖しく動き始めた。
「な、やめろ・・!」
しかし寿也は動じない。
両手で胸の飾りを弄り始め、そして首筋を舐め上げた。
「・・っつ・・!!」
吾郎の様子にほくそ笑みながら寿也は続ける。
「本当に彼女が好きなの?」
吾郎は耳が弱い。そう、知った上で耳に直接言葉を吹き込んで。
だが・・・。
「好き・・・・だ・・っ!!」
必死に耐えながら出た言葉はこれだ。
「そう。」
寿也はニッコリと笑った。
「じゃあ清水さんは僕のライバルだね。」
受けて立つ、と言わんばかりに。
「でも清水さんは知らないんでしょ?吾郎くんは抱くより抱かれるのが好きだって。
知ってても彼女にそれが出来るとは思えないし・・僕の方が有利だね。
その様子だと、アメリカでセックスフレンドが出来た訳でもなさそうだし。」
「な、何言って・・って、こら!」
後ろから吾郎を抱きしめていた寿也は前に回り、今後は吾郎の乳首を舐めまわし始めた。
「美味しい・・・久しぶりだから・・・・。」
丹念に嘗め回し、時に吸い上げて・・・まるで舌の上で甘いチョコレートを転がすように丁寧に・・・。
「う、あ・・・・っ!」
胸だけをひたすら舐め上げる寿也。
そこからの刺激は下半身への愛撫とは異なり、どこかもどかしくむず痒いような・・・
直接昇りつめるには足りない刺激だが
寿也とのこういったひと時、自分ではない他人からの刺激はあまりにも久しぶり過ぎて。
吾郎が海堂を飛び出して以来の事だ、そんな吾郎を昂ぶらせるには十分だった。
「や、やめろ!!」
しかしまだ、抵抗するだけの理性は残っているらしい。
「どうして?別にいいじゃない。昔は毎日やってた事だろ?」
「終わった、事・・・だ!俺は、もう・・・男に・・・抱かれたりしない・・・!!」
吾郎は乳首を舐め上げる寿也の頭や肩を掴んで引き剥がしにかかったが
寿也の執拗な胸への愛撫がたまらなく、逆に寿也に縋ってしまう。

───もう少し、かな・・。

「ふーん・・・。でも無理だと思うよ。」
「な・・・!」
寿也はゆっくりと吾郎の中心に手を伸ばした。
「だって・・ほら、君のここ、こんなになってる。もう、ここは僕の事、思い出したみたいだ。」
寿也の手が吾郎の形を確かめるかのように、ゆっくりとそれを撫で回した。
「や、やめろ・・・ッ!トシ・・!」
少しづつ、何かが・・・崩れていく・・・・・吾郎の中の何かが、確実に浸食されてゆく・・・・。
「本当にやめて欲しいのなら僕を振り払ってごらんよ。君の腕力なら簡単な事だろ?」
寿也はチラリ・・・と吾郎の顔を伺い見てクスッ・・と笑った。
吾郎は一気に高揚してしまう。

───もう一押し・・・。

寿也は、それを優しく撫で回していた手に少し力を加えた。
そして吾郎が感じる場所へ指を躙らせると。
「っ、ああ・・ああああ!!」
「ほらね。君はもう逆らえない。」
吾郎はシャワールームの壁に背を預け
寿也を振りほどくどころか胸を舐め続ける寿也の頭を抱きしめて縋り、呻くように鳴いた。
「どうしたの?もう、男には抱かれないんじゃなかったっけ?」
寿也の揶揄するような言葉に、縋る吾郎の腕の力が緩んだ。
・・と、その隙に寿也はかがみ込んで吾郎のそれを咥え込む。
「・・・い、・・・あっ・・・!」
「ここをしゃぶられるのも好きだったよね。」
咥えながら寿也は吾郎を見上げた。吾郎と寿也、瞳が合う。
吾郎は見てしまった。自分のそれを咥える寿也を。
そのいやらしい光景を。
それだけで熱が一気に中心へ流れ込むのを感じた。

ドクン・・・・!

───止められない・・・・!!

寿也はそれを舐め上げる。舌で、唇で丁寧に丁寧に。
吾郎は寿也から目が離せない。
寿也が舌を出して舐め上げる。窪みの部分を舌先で辿る。
そうかと思うと根元まで咥えこんで唇で搾り取るように吸い上げる。
その一部始終から目を逸らせない。

───ダメだ・・・おかしく・・・なっちまう・・・・!!

「さっきより大きくなったね。それにこんなに硬い。イきたい?」
「う、っ・・・・!」
イきたいのは一目瞭然。だが。
「でもイかせてあげない。」
先端をチロチロと舐めながら、いたずらっ子のように寿也が笑った。
「お楽しみは待てば待つほど歓びもひとしおだよ。」
そしてそれを舐めながら片手を吾郎の後ろに回した。
ゆっくりと・・蕾に指を押し入れると・・・・。
「すごい・・・もう収縮を繰り返してる。そんなに欲しかった?」
「や、・・・も・・・!」
「指が食いちぎられそう・・・。」
寿也はそれを舐める合間にウットリと囁いた。
「君の一番いいトコロは・・・・そう、ココだ。」
そして良く知ったポイントを押し付けるようにぐるぐるとかき回すと
「や、やめ・・・やめろっ!!あ、ああ・・・・!!」
吾郎が激しく身をくねらせた。
言葉では否定しながらも身をくねらせて寿也の指にいいポイントを自ら押し付けてしまう。

───さすが吾郎くん、思った通りだ。
     ここからは仕上げ・・。

「逆らわないで・・・・。別に僕は彼女と別れろなんて言わないから。」
思わぬ寿也の言葉に吾郎は腰の動きを止めた。
「・・・・え?」
吾郎は寿也を呆然と見下ろす。
「むしろカムフラージュができて嬉しいくらいさ。」
寿也は中の指の動きを再開させた。
「な、や・・・・っ!!」
すると無意識にだろうが、吾郎の腰も動き始める。
「キスでもセックスでもなんでもすればいい。でも君を「抱く」のは僕だけだ。」

───な、何言って・・・ああ、でも・・・・
     もう、どうでも・・・いい・・・・そんな事より・・・
     足りない・・・こんな細い指なんかじゃ・・・・!
     もっと、デカイの・・・もっと激しく・・・・ほ、欲し・・っ!!

「と、としっ・・寿也ぁ・・・・っ!!」
それは思わず出てしまった言葉。

───完全に・・・君は僕を思い出した・・・・。

寿也はそれを咥えながらニヤリ、と笑んだ。

「欲しくなってきたんだね。いいよ。入れてあげる。」
そう言われて吾郎は初めて自分が今、寿也の怒張をねだってしまった事に気がついた。
「あ、・・・・・。」
吾郎は思わず頬を染める。
そんな吾郎に寿也は唇付けた。
触れるだけの、優しい唇付け。

吾郎はもう、抵抗する気も起きなくなっていた。
寿也によってすっかり快楽の虜である自分を思い出してしまった。
今は・・・外で待っている己の彼女の事など全く頭にはなく
寿也の猛り狂った怒張だけを欲していた。
後ろの蕾に押し当てられる、生暖かいもの。
懐かしい・・・それ。
以前は毎日のように吾郎の中を満たし突き上げて・・・・。
「行くよ。」
吾郎は寿也に背を向け、壁に手を付く。
寿也は吾郎の腰を後ろからガッチリと掴み、そして。
ぐ、ぐぐぐ・・・・・。
寿也がゆっくりと吾郎の中へ押し入っていく。
寿也の形に押し広げられる吾郎の中。
「相変わらず、キツイな・・・・。」
寿也が通り過ぎていく、この感覚。何もかも呼び覚ますような、この・・・。

───ダメ、だ・・・この、感じ・・・涙が・・・出、そう・・・・っ!!

「・・・・ん・・・ぁ・・・!」
根元までゆっくりと押し入り、そして吾郎の前をやんわりと握ってやると
吾郎が歓喜に震えているのが接合部を通じてよく伝わってくる。
「久しぶりだね、吾郎くん。嬉しいよ。吾郎くんは?」
吾郎は歯を食いしばりながら、何度も小さく頷いた。
それを確認した寿也は微笑む。
「じゃあ、行くよ?」
根元まで押し入ったそれを今度はギリギリまで引き抜いて力の限り打ち込む───。
「っつあああ!!」

───手加減なんかいらない。
     今の吾郎くんには・・酷いくらいに強く激しく僕を打ち込むだけだ・・・。

押し寄せる、懐かしい快楽の波。
中で縦横無尽に暴れる寿也、その感覚が・・・・狂おしいほど、切なくてたまらなくて・・・・。
「と、し・・・・寿・・・・寿ッ・・・・ああっ!!」
ずっと空白だったそこに寿也がいる。
中を摩り、突き上げられて・・長い間眠っていた吾郎の中の何かを確実に呼び覚まして。

───もっと・・・もっと寿也を感じたい・・・!

吾郎が壁に付いていた手を離し、そして上半身で振り向いた。
「吾郎、くん・・・・。」
吾郎がどうして欲しいか、何が欲しいのか寿也にはすぐにわかった。
腰の動きを緩めずに、吾郎を抱きしめ唇付けた。
すると吾郎の腕が寿也に絡みついてくる。
と同時に舌も絡みつかせる。
「とし、とし・・・・とし・・・・・もっと・・・突いて・・・・もっと激しく・・暴れて・・もっと・・・!!」
「吾郎くん・・・・吾郎くん・・・・・・。」
唇の合間に囁く互いの名前。
舌とソコと、そして腕が体が絡み合い全身で互いを感じて───。

───いっしょに、いこう・・・・・?






そうして二人、共に崩れ落ちた。
熱いシャワーが降り注ぐ中、もう一度、唇付けを交わし
いつまでも名残惜しげに舌を絡ませて・・・・。









どれくらい、そうしていたのだろうか。
息が整い落ち着きを取り戻した頃
「吾郎くん、立てる?」
「・・・ま、なんとか・・・。」
「出ようか。清水さんが待ってる。」

ハッ・・・と瞳を見開く吾郎。
天国から一気に奈落の底へ。

───そう、だ・・・・。そう・・・だった・・・・・・・。

吾郎はそれからも暫くの間
うずくまったまま身動きも出来ずにただ、シャワーに打たれていた。














すっかり待ちぼうけを食わされた薫、ようやく更衣室から出てきた二人に
「遅い!!一体何やってたんだよ!」
「・・・・・・。」
どう答えたら良いのだろう。
どんな顔をしたら良いのだろう・・・・。
吾郎は薫の顔を見ることさえ出来なかった。

すると寿也が薫に歩み寄り
「すいません、シャワールームが混んでて・・・。随分待ったんじゃない?」
「い、いえ・・・そんな!全然!!」
慌てて取り繕うように答える薫と爽やかな笑顔の寿也。
それを虚ろな瞳で見守る吾郎。  
 

───なんてこった・・・・。

     何でこんな事になった?
     誰のせいだ?
     寿也の?

     ・・・・いや、違う。

     ・・・・誰のせいでもない。
     俺の、せい・・・・だ。
     全部、俺の・・・・・・・。


 

「やっぱり一人より誰かと体を動かすのは張り合いが出るね。」
寿也は笑顔を吾郎に向けた。
「また、トレーニングに来ようね。」
「・・・あ、ああ・・・。」

吾郎は己の意思の弱さを呪った。
そしてこれから繰り広げられるだろう泥沼を思い、気が遠くなる。
だが、近い将来その泥沼にキーンも参戦する事を
まだ吾郎は知らずにいた。




───俺は一体、なんなのだろう・・・・・。



そんな疑問が、今はじめて吾郎の胸に生まれた。



















end

なんとなくシリーズ化しちゃってるのかな・・「魔物」シリーズのつもり。
これがそもそものはじまり、というか序章といった所でしょうか。
こうやって寿也との縁も再開してそしてアメリカでは・・・
更にその後、日本チームに合流して・・・ああ、泥沼!
この先どうなるんでしょう?すいません、まだ考えてないです・・・(汗)。
やっぱり薫には悪いですが、海堂時代、寿也との間に何もなかったとは思えなくて。
吾郎の天然というか天性の受け要素というのは、もはや魔物の域に達しているものと!
とはいえ他の後書きでも書きましたが、薫を、公式CPを貶める意図はありません。
たまたま薫がらみで妄想が発展しただけで・・・ゴロカオ好きの方、申し訳ございません。
それではここまで読んでくださりありがとうございました!
(2009.2.21)



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