「・・・・っ・・!・・・・・ん・・!」

深夜。皆が寝静まる静寂の刻。

暗い部屋の片隅で。
声を殺し息をつめて・・・・。

「・・・・ト・・・シッ・・・!!」

(吾郎くん・・・・。)

囁く甘い声を思い出し
寿也の愛撫を真似て自らに触れる。

「や・・・め・・・っ!」

(どうして?こんなになってるのに・・・やめて困るのは吾郎くんだよ?)

「あ・・・・はぁっ・・・・!!」

やんわりと握りこみながら
ゆるゆると蜜を絡め先端を親指の腹でくるると回す。

くち・・・くち・・・。

濡れた音が響いて・・・。

いつもなら・・・そろそろ寿也が口に含んでくれるのだが
その寿也はここにはいない。

「く・・・そっ・・・・・・〜〜っ!」

現実を・・・寂しさを振り切るように
吾郎は激しく自らの手を動かした。


「〜っ!!・・・つぁっ・・・・〜〜〜っ!!」



掌に吐き出された欲望に・・・・虚しさを覚える。


何やってんだ・・・・オレは・・・・・・。



自分で選んだ事だ。
オレはオレの野球の為に。
寿也も・・最後には分かってくれたとはいえ
あんなに海堂を辞めることを・・・拒んでいたというのに。



はは・・・。ザマァねぇ〜な・・・・。


これ程とは思わなかった。
離れていても寿也が好きなことに変わりはない。
寿也だって吾郎を忘れたりなどしないだろう。
お互いの気持ちさえしっかりしていれば・・・離れていてもどおってことはない。
そう・・・・思っていたのに。

毎夜毎夜、寿也の愛撫に喘ぎ鳴かされ続けた体が・・・・言う事を聞かない。




  「野球部のない学校に行くのよ。
  そう・・・あなたが野球部を作るのよ。」



見えてきた。一筋の光。
寿也に・・・海堂に挑戦する、ワクワクするような困難の道。



なのにオレは・・・・・何・・袋小路に陥ってんだ。



寿・・・・・会いてぇ〜・・・・・・・・。















*******************





「はぁ〜〜〜〜、今日も元気で働いた〜!
学費稼ぐのも楽じゃねーな〜〜!!」

夏の終わりの夕暮れ。
世間の学生は夏休みがそろそろ終わる頃。

コンビニのバイトを終えた吾郎はスポーツドリンク片手にいつもの川原で一息ついていた。

思い出がありすぎるこの川原。
寿也との待ち合わせはいつもここだった。

海堂のセレクションへ向けて走り出した頃から・・・・いつもここで語り合った。



「寿・・・・・。」

寿也のことだ。
あれからも黙々と練習に励んでいる事だろう。


  「我ながらあきれるぜ。
  こんな奴をわざわざ転校までして敵に回そうってんだからよ。」
  「じゃ、よしなよ。」
  「へっ。」
  拳を交し合い、最後に渾身の・・・想いをこめて寿也のミットに投げ込んだ・・・・。




あの時の気持ちは今も全く変わっていない。

だが・・・時折・・・・苦しくなる・・・・・・。
抑制・・・・できない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。








「吾郎くん?」

幻聴かと思った。
あまりに寿也を想いすぎて。

「吾郎くんじゃないか!」
「へっ?」

幻聴じゃない。
ほ・・・・本物だ〜〜〜〜〜!!


「と・・・・寿・・・・・。なんでお前がこんな所に・・・・。」
「だって今、夏休みだよ?甲子園もこの前終わったところだし。」

「はっ・・・・そ・・・そうか・・・・。」
「なにしてたの?」

寿也がこちらへやってきて吾郎の隣に腰を下ろした。
湧き上がる喜び。夢にまで見た寿也が今、ここにいる。
吾郎は必死に平静を装って答えた。

「何って・・・丁度バイトが終わったところさ。」
「バイト?」
「ああ。勝手やった分は自分で稼げ!って母さんスッゲー剣幕でよ〜!」
「ははは・・・。そう。ま、自業自得だね。」

話しはじめたらポンポン言葉が出てきた。
違う・・・。
言いたい事は・・・・こんな事じゃない。
こんな話が・・・したいんじゃない・・・・・・。





「そう・・・・。聖秀で野球部を作るんだ・・・・・。」
「ああ。もー、すっげーワクワクしてるぜ?リトル以来かな?こんな気持ちになんの。」
「吾郎くんは・・・・相変わらずだね。もう、ちゃんと前へ進んでるんだ。」

少し哀しそうな表情をした寿也に吾郎は気付いただろうか。

「あ、でも転入試験はこれからだけどな。」
「なんだよ、それ・・・・。吾郎くんはホント、変わらないな。でも安心したよ。元気そうで。」

お気楽そうに笑う吾郎を寿也は一瞬辛そうに見つめた。

「・・・・・・。じゃ、僕、行くね。」

立ち上がり、歩き出そうとした寿也だったが足に引っ張られる感覚を感じ振り返る。
見ると吾郎が寿也のズボンを掴んでいた。
俯いたまま寿也から顔をそむけて。

「・・・・吾郎くん?」
「さっさと帰ることねーだろ?」
「・・・・・。でも・・。」
「でもじゃねーよ!
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・。
自分から飛び出してきたんだ。何もかもオレの責任だ。
海堂にゃー未練はねえ・・・。それよりお前や眉村みてーな凄い奴と戦いたくてウズウズしてる。
ケジメだから海堂と対戦するその日まで・・・・お前とは会わないほうが・・・いい・・と思う。
・・・・・・・・・・・。これが最後だ。
だから・・・・・・・・・。」
「・・・・・・吾郎くん・・・・・。」












「ん・・・・・。」
部屋に入るや否や、一秒たりとも惜しいとばかりに寿也は吾郎を抱きしめ口付けた。

ちゅく・・・。
舌を絡め懐かしい吾郎の口内を存分に味わう。

「ふぁっ・・・ちょ・・・ちょっと待てって・・・寿!」
「待てない。それに誘ったのは君のほうだろ?
僕は・・・これ以上君といたら触れたくなると思ったから帰ろうとしたのに・・・・。」

既にベッドに組み敷かれTシャツを捲り上げられている。

「違うって・・・!オレ、一日中バイトで汗だくだし・・・汚ねーから・・風呂に入ってからの方が・・・。」
「構わないよ。吾郎くんの汗なら僕が舐めてあげる。」
「何言って・・・うっ・・・あ・・っ!」
寿也は吾郎の胸の飾りをぺロっと舐め上げた。

「相変わらず感じやすいね。可愛い・・・・。」
「誰が・・・あ・・ああっ・・・!」

久しぶりの寿也の愛撫に、体が悦んでいるのがわかる。
寿也が触れる場所、舐めた場所、全てが性感帯になってしまったように。

ずっと・・・・求めていたものがようやく・・・ここにある。
吾郎は涙が溢れてしまいそうなほどの・・・幸福を感じた。

「・・・・っつ・・・!ん・・・・。トシ・・・・早く・・・・・・・。」
海堂を出てからずっと・・・・この時を想い焦がれていた。
一刻も早く・・・もっと寿也を感じたかった。

「吾郎くん・・・今日はやけに積極的だね。」
驚いた寿也は愛撫は休めず尋ねる。

「海堂と対決するまでは・・・当分・・お預けだから・・・・・。」
恥ずかしそうに答える吾郎に意地悪なのか素なのか寿也は続けた。
「吾郎くん、いつからそんなにいやらしくなっちゃったの?」
すると吾郎はジトーっと睨みつつ、
「・・・・誰のせいだよ・・・・。」
「・・・・僕のせい・・・かな・・・やっぱり・・・。」苦笑いの寿也。
「今更何言ってんだよ。お前のせいじゃなかったら誰のせいだってーの!」
「そうだね・・はは・・・。僕が・・吾郎くんをこんなにしちゃったんだね。なんだか光栄だな・・・・。」
ポリポリと頭を掻きだす寿也に吾郎は呆れる。
「人を押し倒しておいて、なに照れてんだよ。はじめてン時だって有無を言わさず襲ってきたくせに・・。」
「あの時は・・・成り行きで・・・。怒ってる?」
「・・・・・・・バカ・・。ンな訳ね〜だろ?それより・・・早く来いよ。」
「ん・・・・。それはそうと、今日、家の人は大丈夫?」
「昨日からかあさんの実家。ちはるを見せろってうるさく言われたみたいで。
オレはバイトがあるから残ったんだ。」
「そう・・・。じゃ、気兼ねなくできるね。」
ニッコリ笑う寿也。

可愛い笑顔に隠された黒い笑み。そんな寿也も・・・暫く見納めだ。

だから・・・・だから・・・・・今夜だけは・・・・・。




寿也は吾郎の胸を唇で嬲りながら片手を吾郎の中心へと伸ばした。
つーー・・・・っと指でなぞると腕の中の吾郎が震える。
あれから・・・・何度・・・・君を想って自らを慰めた事だろう・・・・。
愛撫に返す吐息も反応も・・・・全てあの頃のまま。
まだ・・・ほんの2ヶ月前の事なのに、随分昔のことのように思えた。

くち・・・・くち・・・・ちゅく・・・・・・。

濡れた音が響く。先端を親指の腹で転がし、巧みに指を動かすと
手の中の吾郎が耐え切れず先走りの蜜をこぼして。
何もかも・・・・愛しくて・・・・・・。
寿也は導かれるように吾郎のそれを口に含んだ。

「っ・・・はぁっ・・・・!!」

待ちわびた瞬間に吾郎は悦びの声をあげた。
寿也の舌が絡みつく。唇で吸い上げる・・・。
暖かく心地よい・・・懐かしい・・・寿也の・・・・・。


「あっ・・・もっ・・・・ト・・・トシ・・・・!!」
ずーっと待ちわびていただけに、寿也の手が触れた時点で既にギリギリの状態だった吾郎のそれ。
寿也の手を思い描き自ら触れるのとは全然違う。与えられる刺激は甘く痺れるようで。
それを口になど含まれたりしたら・・・。
いとも簡単に最後の一線を越えてしまう。


ビク・・ビクビクッ・・・・と痙攣し、寿也の口内で吾郎が弾けた。

はぁ・・・・はぁ・・・・・と大きく胸で息をしながら吾郎が涙目で寿也を見ると
寿也はそれをなんなく飲み込んでニッコリ笑った。
口の端を伝う飲みきれなかった液体を手の甲で拭いながら。

「・・・・よくそんなモン・・・飲むよな〜。・・いつも思うけど。」
「君のだからさ。」
ニッコリ笑って言い切る寿也に吾郎は消え入りそうな気持ちになった。
「だから・・・なんでそんな恥ずかしいセリフ・・・・・平気で・・・・。」
ブツブツ文句を言う吾郎に構わず寿也は吾郎の足を胸につきそうなほどに持ち上げて
「・・・慣らさなくても大丈夫?」
「ああ・・・。早く・・・来いや・・・。」

寿也は前を寛げた。
待ちわびていたのは寿也も同じ。
はちきれんばかりに張り詰めたそれを蕾に宛がった。

恍惚とした寿也の表情。

「じゃ、行くよ?」

一気に・・・ぐっ・・・・ぐぐぐぐっ・・・・!

「んっ・・・あ・・・・っ〜〜〜〜!!」
「っ・・・・・!」


吾郎の中が寿也の形に押し広げられていく。
この瞬間が・・・こんなに心地よくなったのはいつからだろう。
寿也に快楽を教え込まれた体が・・・・歓喜に打ち震えているのがわかる。
このまま繋ぎとめていられたら・・・と思う。
吾郎の感覚の全てが・・ソコだけに集中して熱く痺れるように寿也を感じた。






「くっ・・・・!」
寿也は思わず眉をひそめる。

この・・締め付けは・・いつも以上だ・・・。
油断したら・・・・すぐにも・・・・・。

吾郎の中は相変わらず暖かで狭くて絡み付いてくるようで。
挿れただけだというのにぎゅうぎゅうと締め付けられて・・・粟立つような快感が押し寄せる。

眉根を寄せてすぐにも達しそうになるのを必死に堪え、寿也はゆっくりと息を吐いて自らをなだめすかせた。
自身を最奥まで収めたまま、目をギュッと閉じて堪える吾郎に唇を押し当て舌を絡めて。
熱く絡む舌とそこからじんわりと熱が高まる。
濡れた音を発しながらじりじりと自身を奥に押し付けると吾郎は耐え切れず唇を離して熱い吐息を漏らした。

そんな吾郎が可愛くて、もっと苛めてみたくて
良く知った悦楽のポイントにぐっ・・ぐっ・・・と自身を押し付けると。

「うっ・・!うあっ・・・ああ・・・!!」

吾郎が感じれば感じるほど・・・じっとりと絡み吸い付いてくる吾郎の中。
・・・・たまらない・・・・。

「吾郎くんの・・ナカ・・・すごく熱くて・・・締まってる・・・・そんなに・・・イイの?」
「あっ・・・・んな事っ・・・・聞くなっ・・!っ・・・・・トシ・・・!!」

気付けばいつの間にか寿也は本能の赴くままに激しく腰を打ちつけていた。
自然の摂理には寿也といえど逆らえない。
吾郎は快楽に必死で耐えながら無我夢中で寿也の背にしがみ付く。

も・・・ダメだ・・・・なんか・・・いつもより・・・寿、デカくね〜か・・・?
イイとこばっか・・・突きやがって・・・・も・・・限界・・・・が・・・・・!

「くっ・・・!はぁっ・・・ああ・・・・・あ・・・!!」
「・・・・・・っ〜〜〜〜〜!!」

寿也が挿れてから・・・殆どたっていないというのに
二人そろって・・・・達してしまった。

「・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・。ゴメン・・・・。」
「・・・いいって・・・。オレも・・・だし・・・。」

そして二人顔を見合わせて笑った。

「久しぶりだったし・・・。」
「・・・・オレ・・・毎晩・・・お前のこと思い出してた・・から・・かな・・・。」
「吾郎くん!それ、ホント?」
「・・・・冗談でンな事言えるかよ。・・・・お前はどうなんだよ。」
「・・・僕も同じさ・・・・。」
「マジ?」
「・・・・マジ。」

そしてまた二人、顔を見合わせて笑った。

「今度はもう少し持たせるよ。」
「そう願いたいね〜。さっきのはいくらなんでも早すぎ・・・」
「ムム・・・。そういう吾郎くんこそ、もう2回もイっちゃったくせに。それもすごく早かったよ。
そんなにシテ欲しかったの?」
「・・・・・・!!しょーがねーだろ!?・・・ずっと・・・お前に・・・会いたかったんだから・・・。」
真っ赤になって白状する吾郎を寿也はこのままどこかへ連れ去りたい衝動に駆られた。
だが・・・そんなことできっこない。

「じゃ・・・第二回の攻撃・・・行きますか?」
「その前に・・・今度こそ、風呂、入らせてくれ・・・。」
「一緒に入る?」
「・・・・。遠慮しとく。」
「なんで?当分お預けだから今日は動けなくなるまでスルんでしょ?」ニッコリと悪魔の微笑みの寿也。
「・・・・・・。お手柔らかに願いま〜す・・・・。」引き攣り笑いの吾郎。







結局。
一緒にお風呂に入る事になり・・・そして当然の成り行きでお風呂でも・・・。

その後部屋に戻り、本日何度目かの交わりが真夜中も過ぎた時間だというのに・・・行われていた。


時間は過ぎていく。


確実に。


別れの時が・・・近づいてくる・・・・。



夜明けなど・・・来なければいい・・・・・・。







永遠に・・・・。







「トシ・・・!トシ・・・・!も・・・・抜いて・・・っ!!」
「ダメ。これから一年も君に逢えないんだ。一年分・・・させてもらうよ?」
「ちょ・・・まて・・って・・・!そん・・な・・・されたら・・オレ、死んじまう・・・・!」

急に動きを止めた寿也。

「・・・。いいな、それ。」

見覚えのある、狂気じみた寿也の笑み。

「・・・・え?」
「そして君は永久に僕のものだ・・・!」
「なに・・・言って・・・・・トシ・・・ッ!?」

そして再び動き出した寿也の腰は更に激しさを増した。


「ちょ・・・まて・・・・激しすぎっ・・!・・っ・・・んっ・・・・やめ・・・・あぁっ・・・!!」
懇願する吾郎に構うことなく激しく腰を打ちつけた。
杭を打ち込み串刺しにし、体の奥底で繋ぎとめるように。
飛び散る汗と冷たい瞳があまりに不釣合いで。哀しくて。



わかってる。
どんなに繋ぎとめようとしても、その体にどんなに僕を覚えこませても。
君は先へ行ってしまう。
納得したはずなのに・・・こうして触れてしまうと、やっぱり君を離したくない・・・。
僕を好きだと言っておきながら・・・吾郎くんはどんどん先へと突き進んでいく。
たとえこの手で吾郎くんの息を止めても・・・・きっと君は・・・・僕から・・すり抜けていく・・・・・。
僕の・・・手の届かない所へと・・・・。






「・・・寿也っ・・おい!」
喘ぎ声とは違う、やけに真剣な吾郎の声に寿也ははっと我に返る。
見るとこんな最中だというのに吾郎は真面目な顔で寿也を見つめていた。

「バカだな・・・お前。」
「な・・・・・!?」
「お前、いつもはポーカーフェイスで、その憎たらしいリードで人の裏の裏をかくくせに、
こんな時のお前って何考えてるのか・・・分かりやすすぎんだよ。」
「・・・・・・。」
呆気に取られて寿也は言葉が出てこない。

吾郎は照れくさそうに話を続けた。
狂気が顔を出した寿也を・・・放っておけない・・・そう直感が働いたのだろうか。

「オレさー、男だよな?でもってお前も男。」
「うん・・・。」
「男が男に抱かれてんのって・・・異常だよな?」
「まあ・・・世間一般ではね。」
「並大抵の気持ちじゃね〜よ。男が男に抱かれんのって。オレ、真性のホモじゃねーし。
お前に出会ってなかったら、普通に女を好きになってたかもな〜。
オレが男に抱かれてんのってさー・・・寿也だからなんだよ。
性別とかそれ以前に・・・オレ、お前以外に考えられねーし。
多分、そんじゃそこらの恋愛なんかより、ずっと覚悟決めてると思ってる。
・・・・・・・。
オレは・・さ。死ななくても・・・お前のモンだよ。どこにいても。敵同士でも。」
「ご・・ろう・・・くん・・・・・。」
すると吾郎は急に楽しそうにケラケラ笑い出して
「って、オレ、何エラソーに語ってんだろうな?
オレもさー。夕方、お前に会うまでは気持ちボロボロだったんだぜ?
お前に会って・・・・・・・・・だ・・・抱いて・・・もらって・・・・ようやく、気持ちが落ち着いてきたんだ。
・・・・やっぱ、オレにとっての恋女房は寿也以外にありえねーのな。」
「・・・・・・。」
「ありがとな?オレ、やっと前へ進めそうだ。
お前が傍にいなくても地に足しっかり着けていけそうだ。
今日、お前に会えて・・・・よかったよ。」

ポカン・・・と吾郎の話を聞いていた寿也はクスクスと笑い出した。

「全く・・・敵わないな、君には・・・。
僕も・・・よかったよ。君に出会えて。君を好きになって。
そして今日、君に会うことができて。
正直感動しちゃったよ。やっぱり・・吾郎くんはスゴイな〜・・・。
・・・・・。
でも、お陰で僕もやっと前へ進めそうだ。君のおかげだよ、吾郎くん。」

いつもの寿也だった。爽やかな笑顔の。
覗き見えていた狂気はもう、どこにもない。
しっかりと明日へ目を向けた、確固とした揺ぎ無い表情の寿也がいた。

「トシ・・。」

「明日からは敵同士。僕は海堂に恥じない野球をみんなと頑張っていくよ。
そして君には絶対に負けない。容赦しないよ。」
「へへっ・・、そうこなくっちゃ!」
「でも、それは明日から。今は・・・・繋がっちゃってるしね。」

寿也は「ホラv」とでも言わんばかりに自身で吾郎の中をかき回した。

「うわっ・・・!な・・なにすんだ!」
「何・・・って・・・・セックスに決まってるだろ?おしゃべりはここまでだ。覚悟はいい?」
「・・・・ヤな奴だな〜お前・・・・。」
「ふふ・・・僕は吾郎くんが大好きだけどね。じゃ、再開!」




これが最後・・・・なんかじゃない。
暫く会えないだけ。
だから、1年分の想いを込めて
君と出会ってからの想いの全てを込めて・・・・最高にキモチヨクしてあげる。
君の体の事は・・・・たぶん君より僕の方が良く知っているから。
今日のこのことが・・・君への最高の手向けとなるように・・・・。
そして明日からの僕自身のためにも・・・。


「吾郎くん・・・・愛してる・・・・・。」
「オレも・・・だぜ?・・・ットシ!!」

腰の動きを休めずに寿也は吾郎に口付けた。
吾郎は寿也の首に腕を回し絶対に離さないとばかりに舌を絡る。

ちゅく・・くちゅ・・・・ずちゃ!

舌と・・熱く熟れた秘所で蜜を零しながら結びつき擦りあい絡めあって。
もう、これ以上ないほどに熱く蕩けて溶けあってしまいそうで。
じわじわと・・・・恍惚の極みへと昇りつめていく。
激しく・・・でも丁寧に。


「トシ・・っ!・・オレ、も・・・・ダメ・・・だ!」
「わかってる・・・・一緒に・・・イこう・・?」

寿也は最奥まで一気に突き上げた。
吾郎が感じる所だけを最後に思い切り激しく何度か貫いて
眉をひそめて苦しげな甘い吐息と共に・・・熱を開放した。

「くっ・・・・・ごろう・・・くん・・・・・!」

注ぎ込まれた液体に吾郎もたまらず熱を吐き出した。

「っつ!・・・ト・・シ・・・・ヤ・・・・・・・・っ!!」


共に愛しい人の名を呼んで
バッタリと二つの肉塊がベッドへ崩れこむ。




はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・。





大きく胸を上下させて息をする吾郎を
寿也は愛しげに見つめ髪をすくように触れて。


「寿・・・・すっげーヨかった。ありがとな?」
「そう・・よかった・・・・。」
二人、この上もない笑顔で見詰め合った。

「忘れないよ、寿。今日抱いてもらった事。これでオレ・・・・・・。」

だが。
寿也はバツが悪そうに吾郎の言葉を遮った。
「・・・・・・・・・・・。吾郎くん、悪いけど・・・・。」
「ん?」
「・・・もう一回、シテもいい?」
「は?」
「今度こそ最後にするから。」
吾郎の返事も聞かずして、既に覆いかぶさろうとしている寿也に。
「って、お前・・・もうヤル気満々・・・・。」



その日、二人は眠る事ができたのだろうか・・・・・・???



















翌日。
太陽の日差しがまぶしい昼下がり。


「じゃあ・・またな。」
「うん。またね。」


いつもの川原でいつものように拳を交し合い、それぞれの道へと歩き出す。
もう決して振り返らない。
明日への希望だけを胸に秘めて。


道は異なれど目指すものは一つ・・・・。



想いも・・・一つ・・・・・・・・・。








end


ヤりまくってます。ヤり過ぎです、あなた達・・・・。いい加減にしなさい。
吾郎の自慰シーンが突如頭に浮かび、止まらなくなりました。
海堂を飛び出した吾郎、その後。ありがちな展開ですいません。
飛び出す時に吾郎も寿也も相当覚悟を決めて別れてきているとは思うのですが
実際離れてみると寂しさって募るもんです。
そこでもう一度だけ、最後の・・・・。ははは・・・。

こんな話をここまで読んで下さりありがとうございました!
(2006.5.3)


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