「今日は俗に言う・・・クリスマス・イヴだ。」
「・・・俗でなくてもそう言うと思うぞ?」
「と言う訳で・・・。」
「何が・・と言う訳で、だ?」
キーンがこういう言い回しをした時には碌な事がない。
さすがに俺も学習していたので思わず身構える。
キーンは俺の目の前で、手にしていたクリスマス仕様の紙袋の封を切った。
「ぶらぶらしていたら、たまたまいい物を見つけた。」
そう言いながら取り出したものは、どうやらサンタの衣装。
何考えてんだ?こいつ・・・・。
と思っていたら、キーンはそれを広げて見せてくれた。
それは、どうやらサンタクロースの衣装のようなのだが
御伽噺に出てくる、サンタのおじいさんがよく着ているあの衣装ではなく
女性向の、それは可愛らしいワンピースのサンタの衣装だった。
俺は反射的に嫌な想像をしてしまった。
しかし、だ。
女性向だとウエストがかなり細く作られているだろう。
当然俺の腰にはまるはずはない!はははは・・・!!
そう高を括って
「どーすんだよ、そんなもん!飾って喜ぶつもりか?それとも握り締めてオナるのか?どっちにしても趣味悪り〜!!」
一生懸命ケラケラと笑って見せた。
どこか虚しさの漂う笑い声だったが・・・。
やはりどう考えてもありえないし、何よりも信じたくない!
「勿論、そんな趣味はない。ほら、着てみろ。」
・・・・・・・・。
まさかとは思ったのに。
嫌な予感というのは大抵当たるものである。
とんでもない事を、まるで「新しいユニフォームだ。着てみろ。」とでも言うように、簡単に言うキーンに俺は思わず絶句。
そして先ほど思った通りのことを口にしてみた。
「馬鹿か、お前。女物なんて着れる訳ないだろ?くびれたウエストなんぞ俺には無縁なんだ!!」
「心配ない、これは男向けだ。全体に伸縮自在の素材で出来ている。特にウエストはよく伸びるそうだ。」
「・・・男向けって・・・伸縮自在って・・それ、ミニスカートのワンピースに見えるけど・・・。」
「その通りだ。」
俺は不気味な笑みを抑えられない。
「お、お前・・・「ぶらぶらしてたら、たまたま」って言ったよな?」
「ああ。」
「どこを「ぶらぶら」してたら、「たまたま」男向けミニスカートワンピース、サンタ仕様なんて見つけられるんだ?」
「世界は広い。お前が見知っている事だけが世界の全てだと思うのは良くない。」
「わかってるよ!そんな事は!!俺が言ってるのはそういう事じゃなくて!!」
「うるさいな、お前は。まあいつもの事だが・・。しかし忘れたのか?あの時の賭けを。
お前は賭けに負けた。俺に口答えは許さん。」
「何年前の話を持ち出してんだ!お前が目的の為なら手段を選ばないのは知ってるけどよ!」
「つべこべ言うな。自分で着ないのなら、俺が着替えさせてやるまでだ。それもまた一興。」
フッ・・と、いつものムカツク嫌味笑い。
俺は身構えた。
絶対にそんな恥ずかしいもん、着るもんか!!
ところがだ。
キーンの腕が伸びてきた、と思ったら抱き寄せ唇付けられたのだ。
何考えてんだ?こいつ?
無理やりひん剥かれて着せられると思ったのに。
キーンの舌が進入してきた。
そしていつものように俺のそれにねっとりと絡めて摩る。
俺は条件反射で自分からも舌を絡めてしまって・・・・・。
ちゅく・・・。
響く水音。
少しづつ・・・気が遠く、なる・・・・。
キーンの唇が首筋に移る。
首筋を舌で辿りながらシャツのボタンを一つ一つ外していく。
どういう、つもり・・・なのだろう?
先ずシてから、あの恥ずかしい服を着せようってか?
だとしたら、簡単に脱がされる訳には・・・・。
しかしキーンの舌は、指は下へ下へと降りてくる。
もう、胸の辺りまで・・・。
「あっ・・・!」
それを吸い上げられ、もう片方は指で弄られて躯が言う事を聞かなくなる。
もう、キーンはジーパンのボタンを外しにかかっている。
マズイ、このままじゃ!と思いながら・・・・。
でも俺は、やっぱり・・・・・。
触れて欲しい・・・この男に・・・・。
胸に触れながら脇腹を辿り・・
俺を確実に感じさせながら、ジーパンのチャックを下ろす音がやけに耳に響いて・・・・。
下着越しにそれを指で撫でられると、もう・・。
「・・・っ、・・・!!」
もう、あんな馬鹿げた服のことなんてどうだっていい。
今はただ・・・キーンが欲しい。
それだけだ。
「あ、ああ、・・・・・っ!!」
最後の叫びを上げた時、俺は既に何も身に付けていなかった。
俺のソレを咥えていたキーンは俺から離れると、いつものように喉を鳴らして飲み込んで見せた。
俺もいつものように荒く息をしながら虚ろにそれを眺めた。
気だるい脱力感。
しかしこれで終わりではない筈。
これじゃあまりにも宙ぶらりん。
早くキーンのデカ過ぎる肉棒をぶち込んで・・・・早く・・・・。
俺は目を閉じて息を整えていたのだが。
足になにか履かされている?
俺は思わず目を開けると、それは赤い服のようだ。しまった!
「な・・・!」
みるみるその服は腰まで上げられて。
「なにすんだよ!止めろ!!」
暴れてみるものの腰まで持ち上がってしまえば、あとは首に巻いてホックで止めれば終了だったようで。
ハメられた・・・・この野郎・・・・・・・!!
「キーン、貴様〜・・・・・・。」
俺は怒りにわなわなと震えるが。
「怒るのはいいが、お前、今どんな姿かわかってるのか?」
「わかっ・・・!!」
わかってる!と言おうとしたその時、気付いた。
俺はそのワンピースを着て、お尻と手を突いて膝を立て広げて座っていた。
正面にいるこの男、キーンから見たらまるでM字開脚でスカートの奥のソコが丸見え・・・・。
「わ・・・!!」
俺は慌てて足を閉じて座りなおす。
たった今、ソコをしゃぶられていたのに今更なのだが
しかしそんな恥ずかしい姿、最中でもない限り出来る筈がない。
そして改めてキーンを見上げると、思った通り意地の悪い笑みを浮かべている。
・・ンのヤロ〜〜〜〜〜!!
「まあそう怒るな。」
キーンが手を差し伸べてくれたので、俺はその手を取って立ち上がった。
そして窓際に立たされて。
窓の外には100万ドルの夜景。
ここは高層マンションの28階。
夜景はそれは見事なものだった。
しかし今はそんな事よりなによりも。
「見ろ、なかなか・・・似合っている。」
窓ガラスにはギリギリお尻が隠れる程度のミニワンピース姿の俺。
(ギリギリ、ナニが隠れる程度とも言う。)
「似合うか!この変態!!」
俺が悪態をついているというのにこの男は俺を後ろから抱きしめて。
そして今日何回目かのキスをした。
ついさっき、キーンは俺のソレを飲み込んだばかりなので・・・妙な味のするキスだった。
唇付けながらキーンの手は背中と太ももの辺りをまさぐり始め・・・。
「や、も・・っ!こんな所で・・やめろ、変態・・・!!」
必死に抵抗の言葉を口にするが、たった今達したばかりで俺の躯はキーンをもっともっと・・・欲していた。
とはいえ、またしても窓際で俺とキーンの姿をガラスに映すようにサれるのかと思うと
しかも俺はこんな恥ずかしい服を着せられて、サれる様子を見せられるのかと思うと
恥ずかしさのあまり逃げ出したくなる。
羞恥を感じると俺のソコが正直に反応して、もう悪循環・・・。
でも・・・。
結局それがキーンとの情事。
結局そんな事をされても・・・許してしまう、感じてしまう俺。
そんな時、ふと瞳を逸らしてみたら、あるものが視界に入った。
「ん?なんだ?あれ。」
あれ、とは。
この服を出したクリスマス仕様の紙袋から他にも何か覗いていたのだ。
「そういえば・・なんだか知らんがオマケも入れておくと店員が言っていたな。この衣装にはもれなく付いてくるのだと。」
キーンもそのオマケが気になったのか、簡単に俺を解放してくれた。
後でそれを後悔する事になろうとは・・・・さすがのキーンにもこの時は気付かなかったようだ。
とにかく。
俺はそれを紙袋から引っ張り出した。
「なんだ?これは。」
それはトナカイの角のカチューシャ。
ふふ・・・と、またしてもキーンは笑う。
「丁度いいじゃないか。付けてやる。」
「馬鹿、やめろ!」
と言いながらも付けられてしまった。
トナカイのカチューシャにミニワンピ姿の俺。
キーンは満足げに俺の姿を眺めているし。
あー、もー!!知らねー!!この変態野郎!もう、どうにでも・・・!!
と投げやりになった時、まだ袋に何か入っている事に気付いた。
「まだなんかあるのか?」
ごそごそと取り出すと、サンタの帽子に・・・・これはなんだ?
それは茶褐色のもの。
網タイツ?
俺はそれも穿かされる事を一瞬恐れたものの、ただの網タイツではないようだったので
興味本位から、俺はビニールの袋を開けて取り出してみた。
網タイツ・・・ではなかった。
網つなぎ、とでも言えばいいのだろうか?
足の部分は網タイツ、その網々のまま、胸の辺りまで生地があり、肩紐がついていた。
そしてそのお尻の部分には尻尾のつもりなのだろう、ポンポンが。
どうやらトナカイの衣装のようなのだが、とにかく全身が網タイツなのだ。
俺はイタズラを思いついた悪ガキのようにニヤ〜〜〜ッ、と笑った。
「これ、お前用!!」
「・・・。馬鹿だろ、お前。」
「ああ、俺は馬鹿だよ。
お前の手口に乗せられてこんな格好してんだからな!でも!お前も道連れだっ!」
「・・・・・。」
「覚悟しろ?」
俺は全身網タイツを握り締め、虚ろに笑った。
あまり感情を顔に表すタイプではないキーンが焦っているのが分かる。
おもしれ〜〜〜!!
とはいえ。
腕力に物を言わせて着せるのは危険すぎる。
俺とキーンが本気でぶつかれば、間違いなく二人とも病院送りだ。
いくらオフとはいえケガをする訳にはいかない。
しかも救急隊員が駆けつけた時、少なくとも俺はこんな恥ずかしい姿(ノーパン)で倒れている事になる。
キーンも、もしこの網タイツを着ていたら・・・・どう見たって俺達は変態だ。
翌日のニュースは、変な意味で大変な騒ぎになるだろう。
それだけは避けたい。ではどうすれば?
「なあ、キーン。」
「・・・なんだ。」
「俺だけこんな格好、恥ずかしいじゃねーか。」
「恥ずかしがるお前を犯すのがイイんだろうが。」
キーンは当たり前のことを口にした。
それは男なら誰もが感じる・・・そう、男のロマンだ。
「でもせっかくここにこんな衣装があるんだからさ。どうせなら二人で馬鹿やっちゃわねー?」
「断る。」
「なあ、キーン・・・頼むよ。」
上目遣いで「お願い」してみる。
しかしキーンは。
「それよりもその格好のお前と先ずヤって、その後ソレを着せてまたシたいね。」
またまた至極当たり前な事をキーンは言った。
「今日はクリスマス・イヴだよな?」
「ああ。」
「イヴの夜くらい・・・お前もたまにはハメ外してもいいんじゃねーの?」
「嫌だと言っている。」
「俺だってこんな格好嫌だっての!!」
「何故だ。とてもよく似合っているぞ?」
苦し紛れにキーンがニッ・・と笑う。
「そんな事言われて嬉しい訳ないだろ?キーンが着ないのなら俺も脱ぐ!!どっちにする?」
弱い、と俺は思った。
これだけの材料で、このキーンに選択を迫るには弱すぎる。
「脱いでみろ。」
やはりキーンはそう言った。
「ソレを脱いでいく姿を見るのも・・・また一興だ。」
フフン・・・とキーンは笑んだ。
ダメだ、やっぱり不可能だ・・・。
そうだよな、普通の感覚を持つ男がこんなもん、着る筈がない。
俺だって無理やり着せられたのでなければ、こんな姿はゴメンだ。
いやしかし。
キーンは普通の感覚の持ち主なんだろうか?
男にこんなものを着せて喜ぶキーンは、果たして「マトモ」なんだろか?
少しづつ、思考が本題からずれてきているところへキーンが追い討ちをかける。
「どうした、早く脱げ。」
ニヤリと笑うキーンのその瞳は視姦する者の瞳だった。
俺は思わず羞恥に頬を染めた。
「その姿のまま犯されるのがいいか、俺の目の前でワンピースを脱ぐのがいいか。」
もう一度、ゆっくりと選択を迫るキーンに
俺は無意識のうちに震えながらスカートを握り締めていた。
この姿でサれるか
このワンピースをキーンが見守る中、脱ぐか。
考えれば考えるほど、前者の方がまだマシなような気がしてくる。
気にさえしなければ、スル事はいつもと同じなのだから。
キーンに言わせれば、この姿の俺を犯すのも一興という所だろう。
俺も男だ、その気持ちは分からないこともない。
だからこそ、せっかくここにこんな立派な衣装があるのだからキーンにも、これを着て欲しかった。
しかし、キーンの見守る中、ミニワンピを女のように脱いでいく姿を見つめられ続けるのはどう考えたって屈辱だ。
改めて俺はキーンを真っ直ぐに見つめなおす。
そして。
「この姿でサれた方がいい。でもお前もコレを着る!それが条件だ。」
・・・・そう言いながら、馬鹿馬鹿しさも感じざるを得なかった。
大体・・・大の男が二人して
サンタクロース仕様のミニワンピを着るか着ないか
トナカイ仕様の全身網タイツを着るか着ないか。
それでこんなに真剣に言い合う俺達って・・・・・。
誰がどう聞いたって馬鹿馬鹿しい。
「アホくさ・・。やめよーぜ?もう。」
先に折れた、というより提案したのは俺のほうだった。
「こんな服なんてどーでもいいや。それよりさっさと続き、シようぜ?」
俺はキーンに歩み寄り、シャツのボタンを外しにかかった。
そして自らの衣装も脱ぎにかかる。
しかし、その手をキーンが掴んで待ったをかけた。
「待て。」
「?」
「やはり・・・こんなシチュエーションは滅多に巡ってこない。脱ぐな。」
「言ったろ?お前が着ないなら脱・・・・!」
「着れば・・・いいのか?」
俺は目を丸くした。
「着てくれるのか?」
「せっかく買ったのだ。結構な値段だった。まあ金の事はどうでもいいが。
この衣装を着たお前とシたかったから・・・恥を忍んで購入したんだ。」
信じられない展開だった。
「だから、お前がそう望むなら。これを着ないとその服を脱ぐと言うのなら・・・仕方がない。」
「キーンが俺の言う事、聞いてくれるなんて・・!」
「人聞きの悪い。俺は常に紳士だろう。」
「紳士?お前が??」
「・・・・。からかうなら着ないぞ?」
「うわ、すいません、もう言いません!!」
・・・・この部分だけ聞いていると、恋人同士の微笑ましい犬も食わないような喧嘩の顛末のように聞こえてくるが
しかしここで問題となっているのは全身網タイツとミニスカートなサンタの衣装。
犬も食わないどころか・・・・もっと低レベルな・・・・・。
でもとにかく俺は嬉しくて、にこやかにキーンにその衣装を手渡した。
キーンはソレを受け取り広げてみて、まじまじと見つめる。
「しかし・・・・改めて見ると、これは・・・・・。」
まだ網の目が細かければ、多少は恥ずかしさも和らぐだろうが
適度に広い網目のようで、着れば当然網目も広がり網の中身、つまり躯がそれなりにスケスケになると思われた。
こんな状態の衣装を「着る」意味などあるのだろうか?
こんなもの、裸と変わらないではないか、いや、裸の方がまだマシというもの。
と一瞬思ったキーンだったが、そもそもこれは普通の意味の「衣服」ではない。
そういう趣味の持ち主がパートナーに着せて最終的にはその行為を行う、それだけのために作られた「衣装」である。
先ほどキーンは、吾郎の手にあるこの衣装を少し離れた位地から見ただけだった。
だからもっとキッチリした網目のものと思い込んでしまった。
しかし実際ソレを手にしてみて、これほどのものとは・・・。
キーンは吾郎を垣間見る。
ニコニコ全開の吾郎。
どうしたら・・・。
こんなもの着るくらいなら自分がミニスカサンタになった方がすーっとマシだった、とキーンは密かに思う。
しかし、ついさっき、自分から「着る」と言ってしまった以上、もう後へは引けない。
・・・・・・。
恥は・・一瞬だ。
行為が始まってしまえばキーンの絶対優位は変わらない。
意を決して、キーンは衣服を脱ぎ捨てその網タイツに足を入れようとした、その時。
「やだな〜、キーン。パンツ脱ぐの忘れてるぜ?」
キーンは吾郎を怨めしげに睨み付けた。
キーンの穿いていたのは濃いグレーのボクサーパンツ。
明るい色のパンツならかえっておかしな姿になるのだが、濃い色であったなら茶褐色の網タイツに紛れてしまう。
それを狙ってキーンは下着を付けたまま、それを身に付けようとしたのだが吾郎に指摘されてしまった。
まるで
「お前だけ下着付きだなんて許さねえ!お前も当然ノーパンだよな。」ニッコリ。
とでも言っているようだ。
「なんなら俺が脱がせてやろうか?」ニヤニヤ・・・・。
この野郎・・・覚えてろよ?この怨みは必ず、すぐに倍にも三倍にもして返してやる!!
固く誓ったキーン、渋々パンツを下ろし、そしてその網タイツを身に付けていった。
それをしゃがみこんで楽しそうに見つめる吾郎。
キーンにとっては屈辱以外の何者でもない。
「へー。ストッキング穿いていく仕草ってそそられるもんだな〜!」
「そそられる」と言われたその足で、キーンはしゃがみこむ吾郎の真ん中にぶら下がっているモノを蹴り上げた。勿論軽く。
「・・・って!なにすんだよ!!」
しかし吾郎の苦情は無視して
キーンは立ち上がりながら、その全身網タイツを引っ張りあげて自らの肩に肩紐をかけて装着終了。
「フ、フフフフ・・・・・・。」
人は己の限度を超えた事態に遭遇するとヤケクソになるか、縮み上がってしまうか
大抵その二つのパターンに分けられる。
虚ろに不気味な笑みを湛えるキーン。
この場合のキーンはどうやらヤケクソなようだ。
ギャハハハハハハ!!
と笑い声を上げる吾郎、足をバタバタさせてお腹を抱えて涙まで流して大笑い。
「キーン、お、おまえ・・・・っく、はははは!!そのドデカイもんが・・・く、苦しそうに・・・毛が・・・・はみ出し・・・ギャハハハハハ!!!」
「お前こそ、そんな姿で足をバタバタさせるもんじゃない・・・・。」
キーンは殺気立って言うが
「いいよ、そんな事は!!お前の方がずーっと凄い格好・・・・最高!!・・・っくっくっく・・・・!!」
そして
「あ、そうそうコレも!」
そう言ってキーンにかぶせたのは先ほどのサンタの帽子。
「うん、なかなか似合う!キーン、お前って可愛かったんだな!」
満足げな笑顔の吾郎。
「そんな事を言われても嬉しくない。」
「こっち、来いよ。鏡、鏡〜〜!!」
「か、鏡?・・・おい、待て!!」
吾郎は大きな鏡の前へ嫌がるキーンを引っ張っていった。
それは吾郎が投球やバッティングのフォームを研究する時に主に使われているものだった。
しかし今は二人の馬鹿げた姿を映し出して大笑いする為に使われようとしている。
吾郎はもう、自分がミニスカートを穿かされている屈辱など吹き飛んでいた。
それより、今はあのクールでカッコいいキーンがこんな姿をしてくれた事が可笑しくて嬉しくて。
自分がサンタ、キーンはトナカイ。
頭についているものは逆だがそんな事はこの際問題ではない。
ただ今はハメを外したキーンと自分、それを楽しみたくて。
さて、全身が映る鏡。
「お!すっげ〜〜〜!!俺、なかなかセクシーだな!」
そしてよく美人モデルがするようなポーズを取ってみる。
「あっは〜〜〜〜んvv。」
自分で自分の姿を見て大笑い。
そして。
「何突っ立ってんだよ。お前もやるんだよ!!」
「やるって・・・金髪グラマラス美人モデルのポーズを、か・・・?」
「バーカ。大体お前、金髪じゃないし。あ、でもここはかなりグラマラス!」
吾郎は完全に面白がってキーンのそれを弄った。
な、なんて事をしやがる・・・!
大体・・・吾郎を目の前にしたその時から、そしてサンタの衣装を身に付けたその時から
キーンはずっと襲いたくて突き入れたくて仕方がないのに
無邪気に、そんなとんでもない事を楽しそうにしてくる吾郎。
無自覚ゆえ、たちが悪い。
キーンは今すぐその煩い口を塞いで美味しく頂いてしまおうか、と思ったものの
吾郎があんまり無邪気に楽しそうなので・・・仕方なくもう暫く付き合ってやることにした。
そう、この衣装を身に付けた瞬間、キーンはもう理性など捨てた。
とうにヤケクソになってしまっているのだ。
こうなったら馬鹿になった方が勝ちである。
こんな姿で理性など持っていたら、それこそ屈辱死しかねない。
しかし・・・。
キーンは鏡の中の自分と吾郎を見つめた。
吾郎は完全に馬鹿になりきって、さっきから色んなポーズをしては自分で自分を指差して笑っていた。
対してキーンは突っ立ったまま。
馬鹿になった方が勝ちだと悟ったものの、キーンはそもそも馬鹿騒ぎなるものをした事がなかった。
だから、分かっていながらもどうしたら良いのか分からない。
鏡の中の、戸惑いが簡単に見て取れるキーン。
浅黒い肌に茶褐色のこの衣装は、思ったよりそれなりに馴染んで見えた。
中心部分はあまり見たくはないが・・見ようによってはバレエダンサーか何かのように見えなくもない。
そう思っていたら、吾郎に片手を取られる。
吾郎はダンスでも踊っているようだ。
つい、キーンもそのペースに乗ってしまい吾郎とパ・ド・ドゥもどきを踊ってしまった。
吾郎は驚き目を見開きながらもキーンのステップに無意識のうちに合わせて。
キーンはまるで御伽噺の王子様のようにプリンセスをリードする。
そしてダンスの流れで吾郎を胸元に抱き寄せて見詰め合った。
「・・・・・・。」
その体勢のまま固まってしまった二人。
しかし、次の瞬間。
「・・・っぷ、く、・・・・はははははは・・・・!!」
二人で盛大に笑ってしまった。
「キーン、お前、すごいな!なんだ?今の!なんだかとてつもなく様になってたぞ?」
「昔、ダンスパーティに出ねばならなかった事がたまにあってな。
当時は嫌で嫌で仕方がなかったのだが・・・まさかお前とステップを踏む事になろうとは。」
「ダ、ダンスパーティ??お前、もしかして世が世なら俺なんかとても近づけない高貴なお方?」
キーンは少し自嘲気味に笑んだ。
「そんな事はない。日本にそういう風習がないだけだろう。」
「ふーん。な、もう一回やってみてくれよ!!」
吾郎は喜び飛び回る子犬のようなキラキラした瞳でキーンを見上げた。
「・・・わかった。」
キーンは再び吾郎の手を取る。
吾郎はキーンに合わせているだけなのに、それなりに踊れてしまう。
まるで魔法のようだ。
鏡の中の二人。
本当に、まるでバレエでも見ているよう。
ただ、オペラハウスのバレエと異なるのは。
吾郎が足を上げればスカートで隠されていたナニが盛大にブラ〜ンとぶら下がり
腕を上げればそこの毛が・・・
そしてキーンもその恥ずかしい格好。
踊りはとても優雅なものなのに、鏡を見ては二人で爆笑した。
それは普段のキーンからは想像もできない事だった。
キーンがこんなに笑う姿を吾郎は見たことがなかった。
こんな馬鹿馬鹿しい事を一緒になってしてくれて、こんなに笑ってくれて
なんだか吾郎の知らないキーンを見たような、そんな気がして・・それが本当に嬉しくて。
馬鹿馬鹿しいくらいに幸せで。
そして二人のパフォーマンスは優雅なダンスから、当然のように、やはりただの馬鹿騒ぎへと変わっていく。
トナカイとサンタ。
トナカイのポーズのキーンに、可憐なサンタ少女の吾郎。
無邪気に笑う吾郎、その笑顔が眩しくて。
大胆に開いた背中、短い丈のスカート。
衣装に隠された吾郎の体のラインも隅々までキーンには思い出せて。
鏡の中の獣の姿のキーン。
男の、獣の本能が我慢が、そろそろ限界まで来ている。
お遊びはここまでだ。
早くその体を抱き寄せて、キスをして、そして・・・・。
早く、その体を俺に・・・・・。
「茂野。」
笑いすぎていい加減疲れてきた頃、腰を抱き寄せられた。
見上げるとキーンの瞳には熱いものが揺れていて。
俺は思わず言葉を失った。
近づいてくる唇。
ああ、そうだ・・・俺はこれが欲しかったんだ・・・・。
俺はしがみ付いて素直にキーンの唇付けを受けた。
キーンの衣服の感じがいつもと全く異なり網の中に指が食い込みキーンの素肌に触れる事が出来て
そしてある事を思い出し、お尻に手を回したら手にはモフモフ・・とした柔らかい感触が。
「・・・・何をしている。」
キーンは唇だけを離して抗議の意味合いも込めて言うが
「だってこれ、可愛いからつい・・・。」
するとキーンは怒ることなく言った。
「なるほどな、赤ずきんを襲う狼の気持ちがわかってきた。」
ニヤリと笑うキーン。
「お前になら食われてもいいぜ?」
俺も負けずに笑った。
狼が、襲い掛かる。
首筋に舌を落としながら、サンタの衣装の脇から手を差し入れられて胸をまさぐられて。
その姿が全て鏡に映し出されている。
可愛い赤いワンピースの胸の部分でキーンの手が蠢いていて。
的確に乳首のみを摘ままれたと思ったら、平らな筈の胸を揉みしだかれて
その衣装のせいか、鏡の中の自分が
トナカイに襲われて胸を揉まれて悶える少女に見えて、なにやら変な気持ちになる。
胸が・・胸だけなのに・・・すごく、気持ち、いい・・・・・。
欲望に蕩けた顔。
これが俺?
なんていやらしい顔をしてるんだ・・・・。
ああ、それにしても。
さっきからずーっと胸ばっか。
早く他の所を触ってほしいような、このまま胸を弄られ続けていたいような。
わからない。
すごく気持ちよくて・・・そして熱が真ん中に集まってくる。
じわーっと・・・痺れるように・・・・。
快楽のスイッチをひたすらに捏ね回されて・・・どんどん溺れそうになっていって・・・・。
また鏡に目を向ける。
鏡の中の獣と目が合った。
その獣はニヤッと笑う。
すると一気に熱がそこへ集中してしまう。
鏡の中の俺。
その部分が大きく盛り上がっている。
そこが濡れてシミが広がっていて・・・・・。
「ああもう、キーン・・・!!」
じれったくて大きく体をくねらせると、俺の腰がキーンのソコに当たった。
あまりの大きさに俺は思わず鏡で確認してしまう。
鏡の中の、サンタの帽子を被ったトナカイ。
そのトナカイのその部分がはちきれんばかりだ。
さっきからずっとソレが欲しかった。
その大きなモノを早くぶち込んで欲しくて、中をかき回して欲しくて。
なのに今は、網がそれに食い込むように押さえつけられていて。
痛々しくて見ていられなくて。
俺は何を思ったのか
胸に触れ続けるキーンの手を振り解き、しゃがみこんでトナカイのその部分を目の前にした。
そしてその網目の一つに指を差し込んでビリビリビリ・・・・と裂いていく。
一度裂け目が出来れば後は簡単に裂けていって
窮屈そうだったソレの開放に成功した。
剛直なソレが押さえつけられることなくそそり立つ。
俺は引き寄せられるようにそれを咥え込んだ。
一方、キーン。
胸の愛撫から逃れて何をするのかと思えば網タイツを裂きにかかる吾郎。
そのビリビリ・・という音がやけに脳天に響いた。
そしてその音が響く度にキーンの中の何かが確実に崩壊していく。
キーンの欲望が、その音と共に開放されようとしていた。
命じてもいないのに、吾郎自らの手によって。
・・・・・・。
今すぐ、その口に突き入れて頭を押さえつけて激しくぶち込みたい衝動が抑えられない。
どうせ俺は野獣だ、野獣の姿だ。何をしたってどうしたって構うものか。
ところが襲い掛かろうとした、まさにその時、吾郎の方からソレを咥え込んだのだ。
「・・・・っ!」
頭の上で息を詰める声がする。
その声を聞いて、俺ははじめて自分が今、何をしたのか気がついた。
ソレを咥えながら頭に血が上るのを感じた。
顔が真っ赤に火照るのを感じた。
でも止まらない。
ずっとこれが欲しかったんだ。
俺はそれを握りながらしゃぶり始めた
するとキーンの手が俺の頭をクシャッ・・と撫でてくれた。
それが嬉しくて・・・さらに必死にしゃぶる。
時々チラリと瞳だけを鏡に向けると
そこには獣のナニを一心不乱にしゃぶり続ける・・赤いワンピース姿の・・・俺。
鏡の中の俺が可愛い少女に見えて・・とてもいやらしい、異常な光景。
キーンもそう感じているのだろう
そしてストッキングをビリビリ・・という男のロマンの一つを逆に俺にされて
それに触発されてしまったのか
ソコがいつもより大きく脈打っているのが分かる。
このままではいつもよりずっと早く・・・・。
と、思ったその時、ソレが無理やり引き抜かれて
俺の顔に生暖かい液体が飛んできた。
「・・・・。ひっでー・・・・。」
俺は文句を言ってはみるものの、その状態にかえって興奮していくのも感じていた。
するとキーンもなりきって言う。
「俺はトナカイだからな。トナカイにそんな気遣いがあると思うか?」
「ねーだろうな。」
俺は指で顔を拭いながら、そしてソレをぺロリ・・と舐めながら言った。
「そして・・・獣の行為はこんな程度じゃない。
こんな可愛い姿で・・・コイツ(網タイツ)を裂かれてしゃぶられて・・・ここまで俺を昂ぶらせて・・・・。覚悟は出来てるんだろうな。」
「覚悟なんてとっくに出来てる。それより早く・・・・ぶち込んでくれよ。」
そうだ、昂ぶってるのはキーンだけじゃねえ。
俺もだ。
俺も・・・早く野獣に襲われて・・・激しく抱かれたい。
早く・・・・。
キーンはニヤリと笑う。
俺も同じように笑った。
そして。
鏡に手を突く俺。
その後ろからトナカイの肉茎が突き入れられた。
「あ、ああ・・・・っ!!」
待ってた・・ずっとこれを待ってた。
強く激しく突き入れられて、かき回されて
キーンの大き過ぎるそれが俺の中で暴れ回って・・・信じられないくらいに気持ちよくて・・・・・。
また鏡に目を向けた。
うわ・・とてつもなく嬉しそうな顔で悶える俺・・・
しかも顔に白いものがまだついてるし、服は未だ赤いワンピースだし・・・。
エロ過ぎる・・・・・・・!!
問答無用に抽挿を繰り返すキーン、その衣装からソレだけが突き出ていてソレで俺を突き上げて。
無茶苦茶過ぎて・・・最高だ・・・・・・。
もっともっと、何度でも・・・・
こんなんじゃ、全然足りない・・・・
もっと激しく・・・・もっと・・お前が欲しい・・・・キーン!!
そして。
これで何度目だろう。
一回目は鏡に手を突いて後ろから。
二回目は「結合部が見えにくかった」などと文句を言うキーンによって
そのままの体勢で、俺は適当なものに手を突いて、鏡に向かって横向きでサれた。
結合部がよく見えるとキーンは満足げだった。
時々「ホラ、見てみろ・・」と無理やり鏡を見ることを強要されて、その異常な光景に
俺はそれだけで放ってしまった。
「・・・・見ただけでイくとはな。淫乱。」
とニヤニヤ揶揄されたが、だって仕方ねーだろ??
可愛いワンピース姿の俺を、全身網タイツトナカイ仕様のキーンが・・・。
しかもナニの部分だけ穴が開いていてナニは俺に突き入れられていて・・・ナニは生き生きと俺の中で暴れまわっていて。
刺激的すぎだっつーの!!
まあ、その穴は俺が開けたんだけどさ・・・。
三回目は正常位だった。
そして現在は四回目か!!・・・ったく・・・!!
ちなみにこの何回目、っていうのは
キーンが俺の中に放った回数で、俺はもう・・・数え切れないくらい放っている筈だ。
その四回目。
床に座るキーンに跨る俺。
キーンに抱きかかえられながら俺がキーンの上で動いていた。
衣装は相変わらずそのままだった。
脱ごうとするとキーンが止めるから脱げなかった。
「そのワンピース姿のお前をもっと抱きたい。」
と、ジェフ・キーンともあろう者が駄々をこねて。
「こんな事は一年に一度だけだ。」とも。
まさかとは思うけど・・・来年も同じ事する気じゃないだろうな??
一方、キーンの全身網タイツだが
キーンは完全に自分の衣装に諦めたよう・・というか、それを受け入れたというか・・・
そう、満足しているようだった。
ソコだけ穴が開いている、というのがこの行為の異常性を際立たせているようで。
更に興奮しているように見えた。
・・・・・キーンがこんなに変態、異常プレイ嗜好があるとは思わなかった・・・・。
でもこの異常な衣装で異常なプレイで興奮するのは俺も同じ。
やめろ、と言いながら、今は自ら腰を動かしていて止めようともしない。
たまらないんだ、もう・・・。
いつだって、キーンとのセックスは。
普段でも、ただでさえたまらないのに
こんな姿で、鏡の前で・・・・
何もかもが狂っていておかしくなっちまいそう。
そろそろ・・・・かな。
俺が動くだけでは我慢ならなくなってきたキーンが俺を激しく突き上げ始めた。
俺が動くリズムとキーンが動くリズムがピッタリ一致して。
キーンの肉茎が容赦なく俺の最奥を攻め立てる。
これが多分最後。
なんとなくそう思った。
俺とキーン、サンタとトナカイ、最後のダンスを繰り広げ・・・・・
響く濡れた音、思わず漏れる意味を成さない喘ぎ声。
すごい、すごい・・・たまらない・・・・。
気持ちヨ過ぎてイき過ぎちゃって・・もう、何がなんだか分からないくらいにイイ、としか言いようがなくて。
そしてヨくなればヨくなるほどに、抱きしめれば抱きしめた力の分だけ愛おしさが募っていって・・・。
そうだ、このマヌケなトナカイが愛しくて愛しくて仕方がなくて・・・・
どこもかしこも、舐めまわしてしまいたい程に愛おしくて。
キーンが触れる場所、息がかかる場所、そして突き入れられている場所は勿論
どこもかしこもすごく熱くて・・・もう、甘く痺れるように熱くて・・・・。
あ、もう・・・駄目・・・・もう・・・・・!!
電流が体中に駆け巡り、切ない悲鳴を上げて強く抱きしめあった。
そして唇を交わしながら最後の一滴まで出し尽くして・・・。
暫くの間、名残惜しげにいつまでも舌を絡ませて・・・放っても尚、触れ合っていたくて、繋がっていたくて・・・・。
「それにしても・・・ひっでー格好。」
互いの息が整うと、ようやく体を離した。
そして鏡に目を向けて開口一番、俺がそう言った。
衣装自体は変わらない。
しかし全体的にヨレ・・・っとした感じで、所々にあの液体によるシミが出来ていた。
「お前・・・こうして改めて見ると・・・やっぱ、すっげーマヌケ!ははは・・・。」
「お前は・・・やはりなかなか可愛いぞ?」
「チ○コの部分だけ穴開けたトナカイに可愛いって言われてもな〜。」
「・・・・。この衣装は計算外だった・・・・。」
キーンのこの「不覚・・」という表情を見て吾郎は嬉しそうに笑う。
「キーンにもプラン通りに進まない事ってあるのな。」
するとキーンはフフ・・と笑って吾郎の頬を撫で上げた。
「な、なんだよ・・・。」
「プラン通り進まない事なんか山のようにあるさ。
その一番大きな例としては・・・茂野、お前との事だな。」
「・・・・・・。」
「この俺が、お前に・・・ここまで・・・・・。」
「後悔、してんのか?」
吾郎は即座に聞いた。
同性愛など、普通は受け入れがたい出来事だ。
「いや。」
しかしキーンはキッパリと言い切って。
「この俺にここまで大事なものが出来るとは思わなかった。」
吾郎は瞳を見開く。
「こんなに笑ったのは初めてだ。」
「・・・・・・。俺も、お前があんなに笑ったのを見たのは初めてだ。
お前の笑顔って・・・すごく綺麗で・・・それが見れただけでも俺、すごく嬉しい。
それが見れて・・・この衣装、無茶苦茶恥ずかしいけど・・・着てよかった。」
そう言う俺の頭をキーンはまたクシャッ・・と撫でた。
そして。
「来年も、再来年も・・・・こうやってクリスマスを共に出来たら・・・・・。」
「キーン・・・・・。」
吾郎は幸せそうに満ち足りた笑みを浮かべる。
「でも来年も再来年もこんな服着るの、嫌だからな?」
「何故だ。こんなに似合ってるのに。」
「だから!チ○コの部分だけ穴開けたトナカイに何言われたって・・・・!」
その言葉の先は、キーンによって唇ごと絡め取られてしまった。
外はいつの間にか雪が降リはじめていた。
このまま降り続けば明日はきっとWhite Christmas。
クリスマスのイルミネーションが美しく輝く中
深々と降り積もる雪。
家庭から漏れるあたたかな灯り。
その灯りの下ではきっとそれぞれに幸せなクリスマスを過ごしている事だろう。
そしてこの高層マンション、28階の一室から漏れる灯りの下でも。
Merry Christmas,Keen.
世界中の誰よりも、お前とクリスマスを過ごせて・・・すごく嬉しい。
Merry Christmas,Goro.
世界中の誰よりも・・・お前とクリスマスを過ごしたかった。
これからもずっと・・・クリスマスはお前と・・・ずっと・・・・・・。
そう思える人に巡り会えて・・・・本当に、よかった・・・・・・・・・。
end
こんな馬鹿な話をここまで読んで下さりありがとうございました!!
良いクリスマスを!!
(2009.12.24)