ジリリリリリリリ・・・・!!
目覚まし時計が鳴る。

あまりの煩さに耐え切れず、手を伸ばそうとしたら、俺が止める前にその音は止まった。
そうだ・・一人で寝てたんじゃないんだ・・・と、そこで思い出す。
そして俺を包み込んでいるものが布団だけではない事に気付いた。
俺は寿也の腕の中にいた。
その胸にしっかり抱かれて眠っていた。
触れ合う肌と肌が暖かくて、とても心地いい。
誰かに抱かれて眠る事が、こんなに気持ち良く、安心できるものだったなんて。
「おはよう、吾郎くん。」
寿也の顔が、朝日に輝いて見えた。
優しく微笑むその顔は俺だけに向けられていて、眩しくて。
「おはよう、寿。」
俺も照れながら答えた。
寿也とは何度もシたけど、共に朝を迎えたのはこれが初めて。
アノ時は勢いに部屋の薄暗さが拍車を掛けるみたいなものがあるけど
こう、明るいと・・・ホント、白い光が爽やかで・・・・なんだか・・かえって・・・・・・。
「その・・・パンツ、どこだっけ・・・。」
つい、こんな間抜けなセリフが出てしまって・・・顔を見合わせて苦笑した。

着替えて顔を洗ってそして・・・。
こんな何気ない一つ一つの事が寿也と一緒だと、とても新鮮な感じがした。

「朝食、今日は僕が作るよ。」
「え?俺だって母さんにちょっとは料理、習ったんだぜ?」
「そう?じゃ、一緒に作ろう。あ、吾郎くん、エプロンのリボン、曲がってるよ?」
「そうか?」
「直してあげる。後ろ向いてくれる?」
犬も食わないような甘々・・・・。
「でもやっぱりエプロンは裸エプロンに限るね。」
「何言ってんだよ・・・・。」

そして出来上がったのはベーコンエッグにトースト、フルーツとヨーグルト、そしてコーヒー。
料理と言うほどの代物ではないが、とにかく朝食が完成した。
寿也の顔をチラリと伺い見ると、寿也はニッコリと笑ってくれる。
それが照れくさくて、俺はガツガツと食べた。
こんなに普通の極当たり前な事が、こんなに楽しいなんて。


朝食の後片付けの後
洗濯をして、日当たりの良いベランダに干して。
俺の服と寿也の服が並んで干されている。
楽しすぎてキラキラ輝いた時間が、ゆったりと流れていく。

そして。
「なにも吾郎くんまでトレーニングに付き合わなくてもいいのに。
見ててくれるだけでも僕は十分、嬉しいんだよ?」
「って言ってもな・・・。俺だって結構トレーニングはしてたんだぜ?」
「え?」
「だってよ。ああいう店で、下っ腹が出たメタボ野郎なんて人気出ると思うか?」
「・・・まあ、好みにもよると思うけど・・・難しいだろうね。」
「だろ?だから俺も昼間は鍛えてたんだぜ?
でもプロ野球の選手とはレベルが違いすぎるから・・・ま、俺は適当に勝手にするから。
お前も俺の事は気にするな。」
「・・・悪いね。こればっかりは手を抜く訳にはいかないから。」
「球団の練習場に行ってもいいぞ?」
「ありがとう。でも今日は吾郎くんと暮らし始めて最初の記念すべき日だから。
今日くらいは一緒にいたいんだ。
でも、明日からはお言葉に甘えて球団でするね。」
「いいって。俺、お前の足枷にだけはなりたくないから!」

しかし、だ。
ランニング、柔軟体操、筋トレ。
どれをとっても寿也に引けをとらないのだ、吾郎は。
「驚いたな・・・・。」
「肉体美を保つのも大変なんだよ。」
と吾郎は笑った。
そしてなんとなく、流れでバッティングセンターへ。
寿也は150キロの速球やカーブなどを、ぽんぽん気持ちいいくらいにホームランを決めていた。
吾郎はまず130キロから入った。
これでも素人からしたら当たれば凄い、というレベルだったのだが。
吾郎は最初こそ空振りだったのだが暫くするとカーン、カーンと気持ちのいい音を立てて当て始めたのだ。
そしてそのフォームもなかなか様になっていた。

寿也は聞いてみた。
「吾郎くん、もしかして野球やったことあるの?」
「ああ、ちょっとだけな。中学の時、一年だけ。」
「一年?どうしてやめちゃったの?」
「・・・俺さ、自分で言うのもなんだけど才能あったみたいで、あっという間にエースで4番になっちまったんだ。
でも一年だろ?先輩の嫉妬が凄くてさ。
ある日、母さんや店の事で侮辱されて俺はブチ切れちまった。
俺の事なら何言われても構わないけど、母さんの事だけは許せなくて・・・。
当然、学校では大問題。
PTAからもボロクソ言われて・・母さんみたいな仕事している人間の味方には誰もなってくれなかった。
結局、碌に俺の言い分も聞いてもらえずに、学校側から一方的に俺は退部させられた。」
「・・・・・そう。」
吾郎は笑いながら自虐ネタでも話すように聞かせてくれたが、さぞかし辛い思いをしたんだろう。
桃子さんが言っていた
「私達のような人間がどのような目で見られるか、何を言われるか。 どんな扱いを受けるか。」
とは、こういうことなのだ。
多分・・・自分が知らない辛い思いを、吾郎はもっともっと沢山してきたのだろう。
そしてそれを全て乗り越えて・・・今、僕といる。
痛いくらいの愛おしさが胸に込み上げた。
幸せにならなくては。
今までの辛い事全てを帳消しに出来るくらいに、幸せにならなくては。


「・・・吾郎くん、エースで4番って言ったよね。つまりピッチャーだったの?」
「まあな。でも名門でもなんでもない、普通の中学の部活だぜ?」
「退部してから投げる事はあった?」
「まあ・・・時々な。トレーニングの一環として、たまに。」
「僕に・・・投げてくれない?」
「え〜〜〜〜!?それは勘弁!!
巨仁のキャッチャーになんか投げられるかよ!!俺なんかガキの草野球のレベルだぜ?」
「巨仁のキャッチャーとして捕りたいんじゃなくて。
吾郎くんの伴侶として、キャッチボールくらいしたっていいだろ?」
「・・・・・。」
「ね?頼む!」

そして二人で公園へ行き、まずは軽くキャッチボール。
それだけでも寿也は驚いてしまった。
吾郎は意外にしっかりとした球を投げるし、きちんと捕球していた。
もしかして・・・・、と寿也は自分が興奮していくのを抑えられない。

「じゃ、座ってもいい?」
「・・・いいけど・・・。笑うなよ?」
「笑わないから。」
「じゃ・・・いくぞ?」
「ああ。」

吾郎が構える。
その姿も様になっている。
もしかして・・・もしかして・・・・!

その吾郎が、第一球を・・・投げた。

ズバン!!


・・・・。
驚いた・・・・。
球速は130くらいか・・でももう少し早く感じる。
それにこのボール・・・・。

「吾郎くん、もう一球!」
「・・・・。」

そしてまた、同じストレート。同じように130キロくらい。
球速こそこの程度だが、しかし・・なかなか威力がある。
だって・・これって・・・・ジャイロボール・・・嘘だろ??
どこで、どうやってこんな技術・・・・。


「悪いな・・こんなショボイ球。お前、つまんねーだろ。」
吾郎は笑った。
「つまらない?とんでもない!凄いよ、吾郎くん!!」
「・・・おだてたって夜のサービスはしねーぞ?」
吾郎はニヤリ・・と笑うが
「違うって!僕は本気で言ってるんだ!!
ね、吾郎くん、変化球は使えないの?カーブとかスラーダーとか!」
「馬鹿、何言ってんだよ。ド素人に向かって・・・。」

吾郎は全く気付いていない。自分の才能に。
吾郎は間違いなく金の卵だ。
こうなると、中学時代の学校側を思わず恨みたくなってしまう。
僅か一年で野球をやめても、このボール。しかもジャイロボールだ。
ここまでの才能の持ち主なら、普通に野球を続けていたら
野球の名門校に必ず目を付けられていただろう。
特待生になれた事も十分あり得る。
そしたら桃子さんへの気兼ねなく高校へも通え
そして上手くしたらプロにだってなれていたかもしれない。
そう、もしかしたら・・・海堂高校のチームメイトとして、もっと前に吾郎と出会えていたかもしれない。
吾郎と一緒に・・切磋琢磨できたかもしれなかったんだ。
なんてなんて・・・教師と呼ばれる大人たちは愚かで保守的なんだ!!

いやしかし。
チームメイトとして吾郎と出会えていたら、間違いなく互いに切磋琢磨出来ただろうが
高校生の時に出会っても、こういう関係になれたかどうかは分からない。
吾郎は間違いなく寿也にとって魂の半身というべき存在だ。
それは間違いないと確信している。
しかし、出会いにはタイミングというものがある。
あまりに早く出会い過ぎたために、気持ちや運命に気付けない事もあるだろう。
また・・・悲しい事に、出会いが遅すぎたという事も、世間では多々ある。
それはさておき。
吾郎の才能に目を付けるのは海堂だけだったとは限らない。
EL学園だって寿也に打診してきた。他にも名門校は山のように・・・・。

そのうちのどれかに入っていたら、今頃吾郎くんはプロのマウンドに・・・・??
そうなれば、プロ野球史上初めてのホモ夫婦バッテリーの誕生??
いやいや、プロでチームメイトになれたとは限らない。
ああ、でもプロなんかになっていたら
それこそ吾郎くんの魅力に誰もが気付いて囚われて、ライバルが山のように・・・・!!
そんな事、僕が許さない!!吾郎くんは僕のものだ!!


「おい、寿。・・・お〜〜い、寿也〜〜〜!?生きてるか〜〜??」

あらぬ妄想を繰り広げていたら、吾郎に呼ばれてハッ・・と正気に返った。

「ご、ごめん、ちょっと考え事を・・・。」
寿也は苦笑しつつ慌てて答えた。
「?何考えてたんだ?」

そう言われて・・・・寿也は吾郎の顔をまじまじと見つめながら、また考えた。

恋のライバルはともかく・・・
僕と吾郎くんは固い絆で結ばれている。
僕とでないと生きられない、とまで言ってくれたのだ。
僕と全く同じ気持ちでいてくれたのだ・・・・。
今更、他の男が吾郎くんの魅力に気付いても特に問題はないだろう。
だからといってそれをいい事に、油断するつもりもないが・・。
そう、常に吾郎くんの瞳を僕に向けさせ続ける為にも、僕は自分自身を磨き続けなければ!
魅力的な伴侶を持つのも大変だ。
実際、吾郎くんの可愛さは罪・・・あ、いや・・・今はそんな事より・・・・。

寿也は内心苦笑して仕切りなおす。
今は素直に、吾郎には自分の才能に気付いて欲しいし、そしてそれを伸ばして欲しいと思った。
寿也は吾郎に専業主夫になって欲しかった訳ではない。
共に生きたかった。
共に生きる、とは・・それぞれ生き生きとして輝いていなければならない。
家事や寿也を待つことに喜びを感じてくれるなら、それはそれで嬉しく思うが
吾郎は吾郎で何か持っていた方がいいだろう。
それがプロとアマ、立場は違えど同じ野球であるならば・・・それは最高に幸せなのではないか?

寿也は思い切って訊ねてみた。

「吾郎くん、もう一度、本気で野球をやってみる気はない?」
「何を今更・・・。」
「吾郎くん、野球、好きだよね?好きじゃなきゃ、退部させられても続けるわけがない。」
「・・・・・。まあ、確かに好きだけどよ・・・・・。」
吾郎は少し頬を染めつつ瞳を逸らして答えた。
図星、だったのだ。
「君の球は本物だよ。
本当に・・・君がたった一年で退部に追い込まれた事が残念でならない。
普通に続けていたら、僕と一緒にマウンドに上がっていたかもしれないのに!」
「・・・・あのなー!」
吾郎は呆れる。
「でも、残念ながら今更プロは無理だ。」
「あたりまえだっつーの!」
「でも君なら・・・そう、それなりのチームに属した方がいい。その辺の草野球チームになんか入っちゃダメだ!」
「はい?」
「明日・・いや、後で知り合いに頼んでみるよ。アマで、しっかりしたチームを紹介してくれるように。」
「おい!!」
「球は申し分ない。バッティングもさっきの様子を見ていたら悪くはない。
でも、実践でしか身に付かないこともある。」
「こら!!何言ってんだよ、お前!さっきから!!」
「やるんだよ!今からでも遅くはない。
君は君の為に、君が楽しく、君らしく生きる為に野球をするんだ!!」
「俺が・・俺らしく・・・?」

寿也の瞳が輝いていた。
こんなに楽しそうに興奮している寿也を見たのは初めてだった。
いつもだって愛情溢れる瞳で俺を包み込んでくれて・・そんな寿也も大好きなんだけど・・・
この瞳は・・・そうだ、同胞に対する瞳。

俺は強い寿也を知らない。
いや、正確には・・・テレビでしか知らない。
テレビで見た、様々なピンチ。
その絶体絶命のピンチの中、しっかりと結果を残し続けてきた寿也。
強い男だと・・・いつも思っていた。
しかし、実際にこの目で、この体で実感した事はない。
その片鱗を、今、見たような気がした。

「野球・・・か・・・・。」
それは遠い子供の頃の夢。
リトルリーグになんか、入る余裕はなかった。
でも野球は大好きだったので、小学生の頃は友達とよく野球をして遊んだ。
その流れで当然のように野球部に入ったが・・・・やめざるを得なかった。
それを今になって、という気がしなくもないが・・・悪くはないかもしれない。

「でも、あんまり強いところ紹介すんなよ?
俺はあくまでもド素人なんだから。
お前とは・・というか、ずっと野球やってきたような人間とはレベル自体が違いすぎるんだから!!」
「大丈夫。僕に任せて!」
ニッコリと笑う寿也。
なにやら寿也一人が盛り上がっているようにも見えたが・・・しかし悪くない、と思った。

「でも・・・他の男に目移りなんかしたら・・・・許さないよ?」
ブラックに微笑む寿也に
「何考えてんだよ!!この馬鹿!!」
吾郎は周囲に誰もいないのを瞬時に確認して、唇を寿也のそこに押し付けた。

「ご、吾郎くん・・・・。」
不意打ちの展開に思わず寿也は頬を染めた。
吾郎はイタズラが成功した子供のような瞳で笑う。
「他の男なんかに目移りする訳ないだろ?最高の男を手にしているのに。」
愛しくて・・・・。
寿也は改めて吾郎を抱きしめ唇付けた。


「じゃ、トレーニングはこれくらいにして・・夕飯の買い物に出かけようか。」
そう笑う寿也は野球の話をしていた時とは一変して、良く知った、愛する者へのあたたかな微笑み。
俺は今日一日だけで色々な寿也を知ったような気がして、嬉しくなった。
そして先ほどの・・・同胞への瞳だと感じた寿也の顔。
これも本当に嬉しかった。
寿也の足枷にはなりたくない、と俺は言った。
守られるだけの生活はどうかと思っていた。
寿也を愛し、愛されたい。
でもそれだけではダメなのだ。
共に生きるには、生活していくには。
同胞、戦友。
一瞬でもそんな瞳で俺を見てくれた事がこんなにも嬉しいとは思わなかった。


「今夜は何を作る?」
「そうだなー。寒いし、鍋は?」
「いいね。でも料理って感じがしないね。」
「いいんだよ!色んなモンいっぱい食えるだろ?栄養はある!!」
ははは、と寿也は笑った。
「じゃあ明日は本を見て何か料理っぽいものを作ってみようよ。」
「『フォアグラのテリーヌ プロバンス風』だなん言われたって、無理だぞ?」
「・・・なんだよ、それ・・・。もっと普通のだよ。例えば・・・。」
「そうだな・・。
母さんに教わったっつーか・・一回だけ一緒に作ったのは、まず肉じゃが、鯖の味噌煮、玉子焼き、それからひじきの五目煮・・・。」
「いいね、それ!」
「でも俺、カレーライスやハンバーグの方が好きなんだよな〜。」
「ふふ・・吾郎くん、子供みたい。」
「でも美味いだろ?」
「まあ、ね。でも好きなものしか食べなかったら栄養が偏るから注意しないと。」
「・・だよな。特にお前にはきちんと栄養つけてもらわないと。」
「少しづつでいいから・・・ちょっとづつ勉強して覚えていこう?二人で。」

二人で・・・・。
なんて素晴らしい響きだろう。




今は冬。
つまり寿也にとってはオフシーズン。

ペナントレースが始まれば「二人で」なんて悠長な事は言ってられなくなる。
蜜月は冬の間だけ。


「それまでに料理、色々マスターしないとな〜!」
「無理しなくていいよ。外食だって、買ってくるお惣菜だって、選びようによってはちゃんと栄養は取れるから。」
「そうは言ってもな・・・。お前は家の事どころじゃねーだろ?今はともかく、シーズン始まったら・・・。」
「二人で頑張るけど無理は禁物。いい?吾郎くん。」

ニッコリ笑って頬にキスしてくれる寿也。
不思議だ。
寿也といると、俺の不安なんて一瞬にして消えてしまって・・・暖かな気持ちになれる。

そーだよな。男同士なんだから。
元々家事には向いてない生き物だし。
とは言っても怠けるつもりはないけれど。
でもまあ・・さすがにシーズン中に「二人で」「同じだけ分担」はできない。
できる事を少しづつ頑張っていこう。
寿也となら、きっと出来る。


それから・・・あまり考えたくない事だけど
俺達の関係が世間にバレる日は遠からず来るだろう。
でも、寿也となら乗り越えられる、そう・・・心から思えた。
一番恐れていた事だけど、寿也となら何が起きても大丈夫だって・・今は思えるんだ。
あの時寿也が母さんに言ったように、俺達は犯罪を犯した訳じゃないんだから。
ただ、世間一般とは違った幸せを見つけてしまっただけ。
寿也は強くて大きな男だ。
寿也と一緒なら・・・俺も強くなれる。
大丈夫。



そしてさっき寿也が言っていた事が冗談でなければ
俺も10年ぶりくらいに野球ができるかもしれない。



何もかもが新しく始まる。
何もかもが輝いて見える。
寿也と一緒に・・・・新しい生活が・・・・・・。










「ところで鍋を作るのにエプロンはいいけど・・・ここやっぱり!
とりあえず吾郎くんには裸エプロンに白ブリーフでお願いできるかな?」

気付けば寿也は既にピンクや白の、レースやリボンがついた可愛らしいエプロンと
グンゼの白ブリーフを手にしていた。

「な・・・・っ!何考えてんだよ!!」
「いいじゃないか、別に。
他にもセーラー服や学ラン、スクール水着やバニーちゃんとかも色々揃えてあるんだけど
それじゃ、料理に向かないから・・・後でお願いするね。」

寿也はニコニコ全開。


・・・・そ、そういえば寿也って・・・こんな奴だった・・・。
ここのところのシリアスな展開に
コイツの変態マニアックな趣味を、すっかり忘れていた!!

「ねえ。吾郎くん。早く!」
俺は呆れてワナワナと震える。
「・・・夜ならたまにはサービスもしてやるさ・・・。
でもまだ寝る時間じゃねーし、そして、ここは店でもねー。
しかも今は夕飯を作るという大事な大事な仕事中だ・・・。
という訳で。お断りだ!!」
「そんな・・酷いよ、吾郎くん!裸エプロンの君と一緒に料理をするのが夢だったのに!!」
「どんな夢だよ!!
あ、そうだ!お前も同じ格好するなら、着てやってもいいぞ?裸エプロンに白ブリーフ!」
「え?僕?僕は・・・その・・・・似合いっこないから・・・遠慮しとくよ!」
「そんなの、着てみねーとわかんねーだろ?さあ、寿くん?着替えましょうね?」
「ちょ、待っ・・・・吾郎く・・・・・!!」
「他の衣装でもいいぜ?お、このレースのパンティ、いいね〜。
これにセーラー服の上半身だけ!とかどうだ?」
「いや、だから・・・。」
「好みじゃねえ?じゃ、ありきたりだけどスクール水着に靴下着用は?」
「吾郎くん!」
「でも寿くん、可愛らしい顔してるから・・・やっぱりここはメイドさん!」
「や、やっぱり普通に料理しよう!夕飯が遅くなっちゃうよ!!」
「言いだしっぺが何言ってんだよ!着るんだよ、お前もな!!」



果たしてその鍋とやらは完成できたのだろうか。
無事、彼らは夕飯にありつけたのだろうか?

全く別のナニカを食べてしまっているのでは・・・・??





まあ、とにかく。

新しい門出、新しい生活に乾杯!




幸せになるために・・・・・・。
















end


先日、居酒屋へ行ったんです。
「とりあえず吾平」というチェーン店だったんですが
「とりあえず吾・・」ときたら、「吾郎」と言いたくなるよな〜、と思って書けてしまったのが
表の小ネタ「とりあえず吾郎!」です。

さて。怪しげな店での真実の恋。
目指したのは遊郭、女郎との結ばれる筈もない、切ない恋!
良くある、ありふれ過ぎた話みたいなの(笑)。
まあ、これはハッピーエンドにしちゃいましたが・・。
そして、ちょっと都合が良すぎる展開が気になりますが・・・。
でも、書いていて凄く楽しかったです!!
この後、アマの野球チームで吾郎の才能がメキメキ開花して
トライアウトか何かでプロ入り〜とまで考えたんですが
そこまで行くと都合良過ぎにも程がありますし
また、書く必要もないかな・・・・と。
ここでの吾郎と寿也はそれぞれの道を進みつつも
ラブラブで行けるものと思っております。
当然マスコミにバレるのは時間の問題だと思いますが
本文でも言わせたように、悪い事している訳じゃないので
彼らは彼らでマイペースに愛を貫くと!信じております。
寿也の爺婆が若干心配ですが・・・
まあ、「息子が選んだ道だから、わしらが応援してやらんでどうする!」と
表のSSみたいに腹を括ってくれると、これまた信じております。
本当に、何もかもが都合良過ぎですが
こんな話を、ここまで読んで下さりありがとうございました!!
(2010.2.10)







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