それは下校中の事だった。
ふと気配を感じて前方に目を向けると
みるみる風が集まってくるように、小さな竜巻が起こった。
俺はなんとなく嫌な予感がしつつも、その竜巻を暫く凝視する。
すると風が収まっていき、やがて無風となる。
中から一人の男・・・いや、あんな物体、人とは認めたくない。
「我が名は疾風のジン!」
戦隊ヒーローか美少女戦士か何だか知らんが
それらの登場シーンのセリフを真似したかと思われる
そんな恥ずかしげなセリフを
まだ日も高く明るい街中の路上で声高に叫び
ポーズまで決めているヤツの関係者だと思われたくなかったので
俺はそのすぐ横を視線も合わせず通り抜けた。
「・・・って、おい、カイ!!」
後ろでヤツのうろたえた声が響くが知ったことか。
しかし次の瞬間、背後のヤツの気配が消えた。
不審に思って振り向こうとしたその時、俺の目の前にテレポートしたかのようにいきなり現れて。
「酷いな〜。久しぶりなのに。」
少なからず驚いたが、ヤツは一応忍者だ。
これくらい朝飯前だろう。
「馴れ馴れしく話しかけるな。変態の関係者だと思われたらどうする。」
「へんた・・・。今日は忍者の格好はしてないだろ?これでも気を遣ったんだぞ?」
「どこがだ。気を遣うなら俺の前に現れるな。」
取り付く島もない。
「相変わらずだな、カイ。」
しかしそんなカイの態度など気にも留めずに、目の前の男はニッコリと笑った。
日に焼けた顔、世界中を渡り歩いてきた者の風格、そして鍛え上げられた大人の体。
笑うと光る、白い歯。
思わず見惚れてしまっている自分に気付き、慌てて悪態をつく。
「き、貴様こそちっとも変わらない。相変わらずの変人ぶり。何しに来た。」
「ホント、相変わらずだな〜。その冷たくてそっけない所、大好きだ!」
「は、恥ずかしい事を堂々と言うな!!」
「恥ずかしいか?本当のことを言っただけだぞ?それより早速で悪いんだが時間がないんだ。」
俺は用件を聞きもせずに即答。
「断る。」
「まだ何も言ってないんだけど。」
ニコニコと全く動じないコイツ。
「貴様の言い出す事など、たかが知れている。冗談じゃない。時間がないのは俺も同じ。さっさと消え失せろ。」
「あーもー、可愛いな、カイは!!」
ガバッ・・と・・・抱きしめられた。
「な、何を・・・!放せ!」
「ダ〜メ!悪いな、カイ。本当に時間が無いんだ。
あ、お前のスケジュールなら心配するな。俺が手を打っておいた。」
「貴様、一体何を・・・!」
「な〜に、お前の爺さんの昔の悪行をちらつかせただけさ。」
「・・・・・。」
あまりの事、というか馬鹿馬鹿しく露骨過ぎるコイツの行動に、俺の頭の中は真っ白になってしまった。
しかしそれも仁の作戦だったのだ。
「と、言う訳で。本当はゆっくりお茶でも飲んで、その後はベイバトル、そして〜といきたかったんだが・・・そんな時間もない。行くぞ?」
「え?」
「とう!!」
と、とう・・・・・って・・・・・・・・・・・。
その叫び声に突っ込みを入れる余裕はなかった。
頭が真っ白になった、その隙に俺を抱きかかえ、ビルからビルへとジャンプし始めたからだ。
「こ、こら、何処へ連れて行く気だ!!」
「着けば分かる!それに、そこでナニをするか、分かってるだろ?」
・・・・・・・・。
しかし。
いつも思うのだが、何故コイツは・・・こんなにあまりに直接的過ぎるのだろう。
普通はそういう事は、もうちょっと濁しながら核心に迫るものじゃないのか・・・・!!
考えてみたら木ノ宮・・・弟の方だが・・・アイツもそうだ。
「カイってさ、いつもそんななの?学校でも?友達いねーだろ。」
余計なお世話だ。俺は元々群れるのは性に合わん。
「カイって・・・カッコいいよな。いつもクールなくせに、バトルとなるとまるで炎の化身。ホント、カッコいいぜ!!」
・・・そういう事を直接ズバッと本人に向かって言うものではないだろう。
まあ、タカオの場合はこの程度だがこの兄のほう・・・コイツはああいったことをズバズバ言ってのけ、実行に移しやがる・・・ったく、勘弁してくれ・・・・。
そしてどうやら目的地へ到着したようだが・・・・。
俺は怒りのあまりに肩を震わせた。
「・・・なんだ、ここは。」
なのにコイツときたら、楽しそうにニコニコと答えやがって。
「空港。見ればわかるだろ?」
「だから!俺は空港でどうするつもりかと聞いてるんだ!!」
「・・・。空港でする事って・・大抵の人間は同じ事、答えると思うけど・・・。」
「貴様・・・学校帰りの俺を拉致して、どこへ連れて行くつもりだ!!
ちょっと寄り道みたいな事言ってたくせに、空港だと!?ふざけるな!!」
怒りに任せて叫ぶ俺を「まあ、まあ・・」と楽しそうに宥める仁。
「お前の爺さんには了解を得てるし
そして学校へも暫く休むと連絡させてある。だから、なんの心配もいらん!」
偉そうに胸を張る仁の腹に、俺は思い切り拳を繰り出したが・・掌で軽く受け止められてしまった。
「だ、か、ら!いい加減、諦めるんだな、カイ。」
今度は回し蹴りを試してみたが、これも軽くかわされてしまった。
ニコニコ全開の仁。
本当に腹立たしい!
「貴様を警備員に突き出してやる。そうすれば貴様は即、誘拐犯。
すぐに捕まって・・こんな脱走ごっこは終わりだ。」
すると仁は珍しく真面目な顔をした。
「お前が他人に庇護を求めるなど、それこそお前には不可能だ。有り得ない。」
「な・・・・。」
「できもしないことを簡単に口にするな。」
・・・・・・。
悔しいが・・・コイツは俺を知り尽くしている・・・。
「・・・・貴様に説教される筋合いはない。」
大人で、強くて・・・・それでいて、いつも俺をその大きな胸に力強い腕で包み込む。
適わない、コイツには・・・・。こんなヤツなのに・・・・・・。
それが一層・・・・腹立たしい!!
「で、話を戻すけど・・・前、ちょっと帰国した時に、商店街の福引で一等賞が当たっちゃって!
俺、案外くじ運がいいんだな!
ホラ、「南の島、水上コテージ極上の旅、ペアでご招待!」!」
仁はニコニコしながら、一枚のチラシを誇らしげにバーン!と差し出した。
「は!?」
俺を絶句させられる人間など、この地球上にそうそういるものではない。
しかも、こんな馬鹿馬鹿しい事で。
「と、言う訳で!南の島へ、Let's go!!」
「ふざけるな!!そんな下らない用なら俺は帰らせてもらう!!」
すると仁はまるで幼子が駄々をこねるように。
「えーーーーー!?せっかく当たったんだ、勿体無いじゃないか!
ほら、カイのパスポートも用意してある!
パスポートさえあれば、あとはどうにでもなる!!」
「そんなに行きたいのなら、俺がいつでも招待してやる。
貴様一人で極上の水上コテージで楽しく過ごせばいい。」
「一人で行ったって、しょうがないだろ!?」
「俺は嫌だと言っている!!」
俺の怒りは頂点へと達していた。
「この空港ごと灰にされたくなかったら、今すぐ俺を解放しろ・・・・。」
ドランザーをゆらり・・と構えた俺の背後には、朱雀が美しく舞っていた。
仁はガックリと膝を突いた。
「うう・・・っ!!せっかく当たったのに・・・商店街の福引・・・・。」
「弟とでも一緒に行けば良いだろう。アイツならいつだって暇だろうからな。」
「俺はお前と行きたかったんだ・・・・。
お前と水上コテージで、あ〜んな事や、こ〜んな事をしようと楽しみに・・・・
そのために色んなオモチャも持ってきたのに・・・・!!」
仁はその手に「色んなオモチャ」を握り締めながら、涙を流して打ちひしがれていた。
その「色んなオモチャ」とは、俗に言う「大人のオモチャ」である事は言うまでも無い。
俺は、ピキピキ・・と自らの血管が浮き上がって来るのを感じた。
握り締める拳は先ほどから怒りと呆れに震えている。
「え〜〜〜い、鬱陶しい!!大の大人がそんな事で泣くな!!」
「じゃあ、じゃあ!南の島だなんて言わないから!せめて今からどこかのホテルで甘いひと時を!!」
仁はカイに擦り寄って、今しもそのホテルへ行こうと言わんばかり。
たった今まで悲嘆に暮れて涙していたというのに、この変わり様はなんなんだ!!
と、その時、仁のポケットから目薬がポロリ・・と落ちた。
「・・・・・なんだ、これは。」
「えっと・・・疲れ目に・・・な!忍者って、目も酷使するから・・・。」
仁は引き攣りつつ、ニッコリと笑った。
「ふ、・・・ふふふ・・・・はははははは・・・っ!!」
「カ、カイ・・?」
恐る恐る、狂ったように笑う俺の顔色を伺う仁だが・・・・
「やはり貴様のような阿呆には、何を言っても無駄なようだ。」
問答無用、情け容赦なく俺はドランザーを思い切りシュートした。
「うわ〜〜〜ぎゃ〜〜〜〜〜!!熱い、熱いったら、カイ!!」
「フン、一生燃えてろ。」
と、捨てゼリフを放ち
俺は一人、空港から消えた筈なのに・・・・・・・!!
何故・・・・・こうなる!!
「・・・・っ、・・・・!!」
仁は今、ホテルの一室で俺の腰をガッチリと掴んで巨大なソレをひたすら打ち込んでいた。
俺は四つん這いになって、その衝撃と刺激にシーツを握りしめながら懸命に耐え
先ほどから意味を成す言葉を発する事が出来ない。
そして、また・・・・。
「あ、ああ・・・・っ・・・!!」
「またイっちゃったな。」
崩れ落ちた俺を、仁は背中から抱きしめた。
自分で言うのもなんだが・・・俺も相当鍛錬を積んでいる。
体格は良い方だ。
なのに・・・・適わないんだ・・・・大人のそれには・・・・・。
それを武器にするのは卑怯だ、と心のどこかで俺は叫びながらも
逆らえない・・・・。
その厚い胸板に、鍛え上げられた太い腕に抱かれると・・・・赤子のように安らいでしまう・・・・。
俺に覆いかぶさるように抱きしめる仁。
胸の鼓動が背中から直に伝わってきて、体温が温かくて心地よくて。
身も心も・・・・すっぽりと包み込まれて・・・・。
この男は、こういう時間を俺にくれる。
結局、文句を言いながらも・・・俺は逆らえない。
口が裂けても言葉にするなど、あり得ないが
殺伐とした毎日の中、この男との、思いがけずに得られたこういう時間は
何にも代えがたいほどに・・・安らげて・・・悪くない・・・・。
このまま、ずっとこうしていたい、とさえ思ってしまう。
俺は、なんだかんだ言いながら・・・この男が好きなのだと・・・改めて感じた。
「カイ・・・。お疲れの所、悪いんだけど。再開していいか?」
「な・・・・!貴様、一体何回・・・・!!」
「・・・何度もイったのは、カイだけだろ?俺はまだ一回しか・・・。ほら、こんなに元気!!」
そう言って、仁はビンビンに元気な剛直なそれを、自慢げに指差しながらニコニコ笑った。
・・・・か、勘弁してくれ・・・・俺は一体何回放ったと・・・・このままでは俺は・・・・。
ヤり殺される・・・・・!!
「急用を思い出した。失礼する。」
颯爽と立ち上がろうとしたのだが、しかしその場にへたり込んでしまった。
腰に力が入らない。
俺ともあろうものが・・・・そんなヤワではないはず・・・・!
何度も出しただけでなく、許容範囲を超える巨大なモノを散々突き入れられた結果か!?
この・・変態忍者〜〜〜〜〜〜!!
「そんな体じゃ、「急用」とやらは無理だな。」
仁はしたり顔で俺を再び押し倒し、そして足を大きく持ち上げて再び自身を押し入れていく。
「や、やめろ・・っ!」
「ダメだ。ようやくお前を抱けたんだからな。次がいつになるかも分からない。
だから・・・・抱ける時は、悔いが残らないよう、思い切り抱かせてもらう。」
仁の言葉から、茶化すような響きが消えた。
その静かな言葉に仁の底知れぬ焔を見たような気がして、背筋に冷たい震えが走った。
恐怖と歓喜、二つの相反するものを同時に腹の底から感じてしまって
俺は、それを押し隠すようにとっさに言い返す。
「俺の・・・俺の意思は・・・・どうでも良いのか・・・・・っ!」
「お前の意思?そんなもの・・・一目瞭然だろ?」
仁は自身を圧し進めながら、俺のそれを擦りはじめる。
擦られた俺自身から感じる刺激と、仁が通り過ぎていく刺激と。
「・・や、あ、・・・っ!!」
悔しいが、コイツの言う通りだ。
この甘美過ぎる快楽に・・・結局、俺は逆らえない。
仁の腕の中から・・・・逃れられない。
口では「やめろ」と言いながら
仁の胸の鼓動を感じたい。
仁の腕に抱かれたい。
折れるほどに強く強く抱かれたい。
激しく仁の肉棒を打ち込まれたい。
もっと、もっと強く・・・・俺が壊れてしまう程に強く・・・・打ち込み続けて欲しい。
悶え、喘ぎながら、薄く瞼を開けて見上げると
切羽詰まった仁の顔が、すぐそこにあった。
仁は俺の視線に気づくと、小さく微笑んだ。
仁との甘い快楽が、俺の固い殻を完全捨て去り、身も心も真実、俺を裸にしていた。
もはや何の迷いもなく、素直に心の欲するままに仁の首に腕を絡ませる。
重なる唇。交し合う舌。打ち込まれ続ける大きな仁自身。
・・・・・仁が好きだ。
俺を抱く時の仁の顔が好きだ。
この太い腕が、大きな胸が、逞しい躯が・・・・。
そして何よりも・・・・お前の広い心が・・・・・・好きだ・・・・・・・・・。
仁は自分で宣言した通り、「悔いが残らないよう思い切り」カイを抱き続け
ついにカイは気を失ってしまった。
そこまで抱いて抱いて抱きぬいた。
仁の愛を受け続け、そしてそれに応え続けて・・・
今は気を失って眠るカイに、仁はそっと唇付けた。
「さすがに・・・ヤり過ぎたか・・・・。」
仁は苦笑しつつ、カイの寝顔を愛おしく感慨深げに眺めていた。
「俺も・・・大人げないな。
お前を目の前にすると、俺はどうしても自制できない。
お前もこんなになるまで・・・俺を受け入れて・・・。ありがとう。すまなかった・・・。」
そう言いながら、神聖なものに触れるようにカイの頬に触れ、顔にかかった髪をのけてやる。
───柔らかい・・・そして温かい・・・・・。
頬に触れただけで、また自制心を失いそうな自分に気づいて、仁はもう一度苦笑した。
今日はこのままホテルに泊まるとして、明日はどうしようか。
とにかく総一郎に談判(「脅迫」とも言うかもしれないが・・)して勝ち取った日数はまだ残っているが
さすがにカイも、それらを全て俺との時間に費やしてはくれないだろう。
火渡の次期社長は多忙だからな。
しかし明日いっぱいなら、きっとなんとか・・・・。
それに俺だって、これ以上、自由にできるかどうか。
「南の島へ」とは言ったものの、実際本当にカイと行けるとはさすがに思ってはいなかった。
俺も・・・何時、呼び出しがかかるか知れない身の上だからな・・・。
仁は考えを巡らしてみる。
想像の翼は、どんな時も如何なる障害もひらりと乗り越えてしまうものだ。
何をするにしても、カイと過ごす時間は夢のように至高のものに思えた。
カイの寝顔を眺めながら、そんな事を考えている今、この時でさえも最高に幸せな、そして穏やかな時間だった。
愛する者と一緒にいられるのなら、それだけで人は幸せになれるんだ・・・・。
様々な遺跡に触れてきたが、その時代、その地域の人々の営みに思いを馳せる時
行き着く結論はいつも同じだった。
では、俺の幸せはなんだろう。
愛するものと滅多に会う事ができない。
しかし遺跡を追う日々は、カイとの時間とは全く別次元のもので
とても充実した時間であり、喜びでもある。
こんな根無し草の俺に、ヤられすぎて気を失ったにも関わらず
口元に微笑みを浮かべて眠るカイ。
起きている時は悪態ばかりつくくせに、寝顔は天使のようだ。
もっとも、悪態をついているカイも、可愛くて仕方がないのだが。
・・・俺も・・・もう相当・・・・
後戻りなんて出来ないくらいに惚れちゃってるな〜、とつくづく思った。
愛する者と、己の夢との狭間で・・・か・・・・・。
その時。
マナーモードにしておいた携帯電話がピコピコ光っているのに気づいてしまった。
仁は嫌な予感がしながらも携帯を開く。
「・・・・・・。」
メールの内容は、予想通りだった。
仁は一人、諦めの混じった深いため息をついた。
カイが目を覚ました時、カイは火渡の屋敷の自室のベッドに一人で横たわっていた。
一瞬、仁との事が夢だったのでは、と思ったが
起き上がろうとした時に、腰やその部分に鈍い痛みを酷く感じ
あれは夢ではなかったと知った。
また、置いてきぼりだ─────。
なんとなく・・・・・・。
こうなってしまう予感はあった。
だから、カイは己の限界まで、仁を受け入れ続けた。
仁の言葉ではないが、「次はいつになるか分からない」から。
重い下半身を必死に動かして起き上がると、サイドテーブルにメモがあった。
仁からのものだった。
「俺から誘い出したのに申し訳ないが、仕事が入ってしまった。
でも久しぶりにカイに会えて嬉しかった。ありがとう。
一瞬でも早く、再びカイに会える日が来ることを願いつつ。
P.S カイは寝顔も可愛いから、あれだけシたのに襲いたくなるのを抑えるのに苦労した。
くれぐれも、周囲の男には気を付けるんだぞ?」
「・・・・。馬鹿が・・・・・。」
仁は・・・古代の神秘に取りつかれた男。
仁に定住の場所などない。
木ノ宮家にも、BBAの独身寮にも。
いつもふらっと帰ってきては人を振り回し、そしてまた世界へと旅立ってしまう。
何もかも投げ打って、ついて行くことが出来たなら・・・・と思ったことがない訳ではない。
ヤツと共に旅をしながら、ベイの鍛錬も積んでいき・・・・。
しかし、どう考えたってそんな事は夢物語だ。
・・・・あまりにも・・・・世界が違いすぎる。
こんな奴、さっさと見限ってしまえ・・・!
そう、何度思ったことか。
でも出来なかった。
あの男が目の前に現れると・・・どうしても、俺は奴の言うがままになってしまう。
抱かれてしまう・・・・・・。
いつの間にか、抱かれて喜んでいる俺がいる・・・・。
「大人はいつも・・・・身勝手だ。人をなんだと思っている。」
俺は仁が置いていったメモを破り捨てた。
涙が一粒、零れ落ちたような気がした。
end
覚えていて下さった方がいるのかどうか・・・。
これの冒頭部分は日記に書いたことがあります。
その続きを書こうと思い続けて、一体どれだけ過ぎたことか。
ようやく完成出来てホッとしています。
これは書いていて楽しかった〜〜兄ちゃん、大好きですvv。
最初はギャグの予定で表に上げようと思っていたのですが
気づけばシリアスっぽくなってしまい、また、そういうシーンもしっかり入ってしまって
表には上げられないシロモノに・・・(汗)。
さて。
仁みたいな人を好きになったら苦労しますよね。
仁は仁で、自分の生き方を変えられるとは思えませんし。
それから仁カイがようやくの二本目なんですが
並べてみると、何気に似てるような気がしますが・・・・・すみません!!
そんなこんなですが、少しでも楽しんで頂けることを願いつつ。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
(2010.11.13)