友達以上恋人未満。
そんな関係の人がいた。
私は彼のことが好きだった。
それは多分、彼も気づいている。
彼の周りには、いつも女の子がいた。
美形で優しくて女の子には人気があった。
でも・・自惚れかもしれないけど
私には普通の女友達以上に親しく接してくれた・・・・ように思える。
告白するか、されるのを待つか。
そんな状態の時、私は交換留学生としてアメリカへ渡った。
渡米前に告白しようかと、かなり迷ったけど・・・多分大丈夫。
彼は待っていてくれる。
空港にも見送りに来てくれた。
あちらへ行っても手紙をくれた。
たった3ヶ月のこと。
大丈夫。
「好き」なんて言わなくても彼は分かっていてくれている。
そう・・・・思っていた。



、お帰り〜!」
「どうだった?アメリカは。」
久しぶりの学校に、皆が私の周りに群がった。
お土産を一通りに渡して
そっと鞄の中に手をしのばせる。
それは特別なお土産。
このお土産とともに、今度こそ告白しよう。
と、その時。
彼が教室に入ろうとしているのが目に入った。
立ち上がりかけた私。
でも隣にいたのは・・・別のクラスの可愛い女の子。
繋いでいた手を放し、彼女に手を振ってそして教室に入ってきた。
彼は私にすぐ気づいたようだ。
アメリカでよく思い出したままの爽やかな笑顔で、まっすぐに私の方へやってくる。
、帰ってきたのか。おかえり。」
「う、うん。ただいま。久しぶり、レイ。ちょっと会わないうちに彼女、できたんだ。」
「まあな。」

といっているうちにチャイムが鳴り、担任の先生が入ってきた。
私がアメリカから帰ってきたと伝える先生。
そしてアメリカでの体験を語る私。
それをどこか人事のように、遠くから見ている私がいた。

帰り道。
さわやかに晴れ渡った青空を見上げる。
私、失恋・・・しちゃった。
とてもショックだったにも関わらず、涙も出てこない。
可愛げのない私。
どうしようかな、これ。
それは金のコインのペンダント。
ギリシア神話の旅の神「ヘルメス」が掘り込まれている。
高校は日本で、大学は世界のどこかで出たいと言っていたレイ。
だけど彼はいずれは中国の小さな少数民族の村へ帰る身。
それまでは世界中を渡って見聞を広めたいとも語ってくれた。
そんな彼のために、彼の守り神となるように・・ヘルメスを選んだ。
捨てるのも悔しいしせっかくいいデザイン、しかも18金。
自分で使おう、と決めた。
のんきに構えていると・・とっとと告白しないと人のものになっちゃうよ、という戒めのために。

!」
突然の、思いもしなかった彼の声に振り返る。
「レイ・・どうしたの?」
「アメリカの話をもっと聞かせて欲しいと思って。」
「私なんかと一緒にいたら彼女が怒るんじゃない?」
「それは大丈夫だ。」
「?」
「そういう約束だったから。」
「・・・・よくわからないけど・・・レイが大丈夫って言うなら信じるからね?私、いざこざに巻き込まれたくないから。」
「わかってるさ。」

聞かれるがまま、アメリカでの話をした。
レイもアメリカには行った事があるので話も合った。
まるで・・渡米前の私達に戻ったようで、時間が経つのを忘れた。
とても・・・・楽しかった。
気がつけば空は薄暗くなっている。
「もう、帰らなきゃ。」
本当はもっと一緒にいたい。でもそういう訳にもいかない。
「また明日ね、レイ。」
立ち上がる私の手を掴むレイ。
驚いた。
以前でも触れられたことは殆どないのに。
「よかったら俺の部屋に来ないか?帰国祝いにご馳走するよ。」
私の手を握ったまま、私を見上げる金色の瞳。
穏やかな笑みを湛えている。
何を考えているのか・・・・分からない。
「・・・・・・嬉しいけど・・・・・。」
「じゃ、決まりだな。」
レイはニッコリ笑って立ち上がる。
「ちょ・・待って、レイ!」
「なんだ?」
「その・・・まずいんじゃないの?私がレイの部屋に行ったなんて知れたら。」
「何故だ?」
「だから・・・・もー、なんでアンタはそんな鈍感なの!彼女が気を悪くするでしょ!?
私、いざこざは嫌だって言ったじゃない!」
「気を悪くなんてしないさ。」
「そんな事あるわけないでしょ!?」
「だから言っただろ?そういう約束なんだ。」
「さっきから約束、約束って・・・一体どんな・・・。」
さっきまで湛えていた笑顔が消える。
「彼女に告白された時、言ったんだ。俺はが好きなんだって。
そしたら彼女は言った。「さんが帰ってくるまででいいから彼女にして下さい」って。」
「・・・・。それでレイはOKしちゃったんだ。」
「そういうことだ。」
「馬鹿にしないで!貴方は女を何だと思っているの!?」
「どう思ってくれてもいい。でも俺が好きなのはだ。」
「・・・!」
も俺の事、好きなんだろ?」
「・・・知ってて・・・・知っててなんで他の子と付き合ったりしたの!」
「・・・・それが・・・俺の性分だから。」
「なんですって?」
「俺は言い寄ってきた女を、どうしても断れないんだ。」
「・・・・なに、言って・・・。」
「好きな女は特別だ。だが、誘ってきたら多分俺は・・・。」
「平気でキスでもセックスでもしちゃう?」
「ああ。」
思わず手を振り上げた。だが、レイの頬に振り下ろされる前にその腕を掴まれた。
そしてその腕を引き寄せられて、レイの顔が近づいてくる。
「誰と何をしようと、俺が好きなのはだけだ。」
「勝手な事言わないで。」
も俺が好きなんだろ?」
見据える金色の瞳。瞳孔が細い。とても・・・綺麗な瞳。
「でも、愛想が尽きた。」
必死に抵抗を試みる。
「俺はが好きだ。」
やめて・・・そんな綺麗な瞳で見つめないで・・・・。
「・・・レイ・・・・。」
だめだ、もう・・・・・。

キスしていた。
私にとっては初めてのキス。
きつく抱きしめられて、レイの逞しい腕の中で。
幸せだ、と・・・・・思ってしまった。




結局来てしまった。レイの部屋。
レイが料理上手なのは有名だ。
面白いくらいに次々と美味しそうな中華料理がテーブルに並べられていく。
「さ、出来た。たくさん食べてくれよ?」
邪気のない笑顔。思わず見惚れる。
その笑顔に一体何人の女が騙されたんだろう。
そう思いながら一口食べてみた。
「・・・・。美味しい・・・。」
素直に感想が口から出て、そして目を見開いた。
「よかった。どんどん食べてくれ。の帰国祝いなんだから。」
あまりの美味しさに箸が止まらない。
プロ級と噂されていたが、どうやら本当のようだ。
の食べっぷりは、見ていて気持ちが良いな。」
「・・それ、女の子に言うセリフじゃない。」
私がむすっと膨れて文句を言うと、レイは笑った。
「ははは・・・ゴメンゴメン。」
「レイは料理の道に進むの?」
「いや、料理は好きだが俺はいずれ国へ帰らなければならないから。」
「そう・・だったね。」
私の落胆が表情に出てしまったらしい。
レイは少し私を見つめると気を取り直して言った。
「そろそろデザートにするか?作り置きだけど杏仁豆腐がある。」
そうして出してくれたのは、フルーツもたっぷりな杏仁豆腐。
これも文句なしの美味しさだった。
「ご馳走様。」
「お粗末様でした。コーヒー、飲むか?」
レイが立ち上がり食器を片付けながら聞いた。
「ううん、私そろそろ帰るね。」
夜ももう遅い。いい加減帰らないと・・・明日も学校だ。
するとレイは、後片付けをしていた手を止めた。
「・・・・今夜は・・帰すつもりはない。」
「え・・・・?」
濡れた手をタオルで拭くと、レイはまっすぐ私の目の前にやって来た。
「今夜は帰さない、と言った。」
「あの・・・・・。」
「この意味、分かるだろ?」
至近距離で、あの綺麗な不思議な金色の瞳で見つめられて、まるで金縛りにあったように動けない。
「レ・・・・・。」
返事をする間も与えられず、唇付けられた。
さっきの触れるだけのものとは違う。
舌を絡められる、深いキス。
逃げ惑う私の舌をレイの舌が追い、絡め、擦る。
互いの唾液が交じり合う音だけが響き、気が遠くなる。
酸素を取り入れようと唇を離そうともがいたが、レイはそれを許してくれない。
そんな時、胸に触れるものがあった。
最初は何が起こったのかわからなかった。
深いキスに酔っていたから。
でも次第に意識が戻ってきて・・・・。
それは、レイの大きな手だった。
片手で私を抱きしめて、もう片方の手で胸を揉みしだいている。
「な、放して・・・・!」
力いっぱいレイを突き飛ばした・・・と思った。
が、実際はビクともしていない。
レイがニヤ・・と笑った。
「放さない。もう、を放さない。」
セーラー服の腰の部分から服の中、背中に手を回しブラのホックを器用に外されて。
急に胸が開放されてやけに不安定な感じがする。
その胸を直に掴まれながらゆっくりと押し倒された。
「いや・・・!レイ・・・!!」
「いやじゃ・・・ないだろう?」
レイが耳を舌で弄りながら乳首を摘んだ。
「あ・・!」
「気持ちいいだろ?」
直接耳元で囁かれ、乳首を弄ばれて何もかもはじめてのその感覚についていけない。
でも頭のどこかは何故かはっきりしていて、思ったことを口にしてしまった。
「レイ・・・あの彼女にもこんな事、したの?」
するとレイは一瞬ビクッ・・として手の動きを止めた。
「ああ。」
「・・・。」
やっぱり・・と思った。
「シてって言われたからな。」
これも予想していた答え。
「・・・こんな事するの、私で何人目?」
「そんな事、いちいち覚えてない。」
「覚えてないくらい沢山・・って事よね・・・・。」
「ああ。男も女も覚えてないくらい抱いた。」
「男も・・・!?」
私は思わず目を見開いた。
「ああ。お前には嘘はつかない。一番大事な女だから。」
「じゃ、一番大事な男はいるの?」
それは素朴な疑問。
「・・・・一人・・・いるかな。」
「何、それ・・・・・。」
レイの瞳は真剣だった。
「どっちか取るとしたら、私かその彼かどっちを取るの?」
「・・・・わからない。」
その答えに、ひどく冷たいものが心に浸透していった。
「・・・・。放して。私、帰る。」
だがレイの腕から逃れようとした時、凄い力で押さえ込まれてしまった。
「何度も言わせるな。帰すつもりはないと言ったろう。」
どこか怒りさえ感じさせるその瞳、口調。
そして痛いくらいに強く胸を揉む。
「痛・・ッ!」
「こんなに抱きたいと思った女は、お前がはじめてだ。」
男なら・・いたのだろうか。その彼にも、同じように思ったのだろうか。
嫉妬のような感情が私の中を支配しつつある。男相手に・・・・。
「これからお前を抱く。いいな?」
「・・・・・・。」
見たこともないような鬼気迫るレイの顔。恐怖を覚えた。
「俺はお前が好きだ。そしてお前も俺が好き。何の問題もない筈だ。」
無茶苦茶な論理だ、と思った。
「そんな顔するな。大丈夫。最初は痛いと思うが・・俺に任せてくれたら、きっとすごく気持ちよくなれる。だから安心してていい。」
レイの表情に柔らかいものが戻った。それに私もどこかホッ・・と安堵する。
「・・・・わかった。私、レイが好きだから・・・今はそれだけでいい・・。」
わだかまりは残るが、やっぱり好きな人に抱かれたい。
そう思う気持ちに抵抗できなかった。

そしてふと、ある事を思い出す。
「あ、そうだ。」
「なんだ?」
「避妊はしっかりしてね。」
「・・・・・・・初めてとは思えない程の落ち着きようだな。」
レイは呆れた顔をした。
「だって大事なことだよ?」
「わかってるさ。まだ俺達にそんな責任能力はないからな。
そんなことくらい、言われなくてもちゃんとする。」
「よかった。」

心の中の全てが晴れた訳じゃない。
きっとレイは、これからも言い寄ってくる女を次々抱くんだろう。そして男も・・・・。
レイと付き合っていくのは、きっと想像以上に大変なことなのだ。
でも、レイは私を特別だと言ってくれた。
今は・・・・今だけはそれを信じたい・・・・。

後になって考えてみれば
やっぱり私も女だったのだ、としか言いようがない。
好きな人に抱かれたいという女の・・人間の本能に流されてしまった。
好き、嫌い・・・それだけが全てじゃない事くらい、分かっていた筈なのに。

いつの間にか、セーラー服の上半身を脱がされていた。
レイは私に唇付けながら両手で胸を揉み、乳首を刺激して。
「あっ・・ああ・・っ!レイ・・・!」
の胸、可愛い・・・。まだ小さいけど・・すごくいい形だ。」
そんな事を言われて、なんと答えたらよいのか。
ひたすら、初めての刺激に耐えた。

「これでは俺のものだ。」
「・・・?」
「いっぱい印、つけちゃったぞ?」
「し、印?」
「キスマークだ。ほら、見てみろ。」
言われて自分の体を見てみたら・・・無数の紅いアザ。
「・・・・・これ・・・。」
「大丈夫だ。日数が経てば自然に消える。まあ、消える前に新しい印をつけると思うが。」
「・・・・・・。」
自らの体につけられた印を見ていたら、レイが胸にしゃぶりついてきて慌てて視線をそらす。
「レ・・・レイ・・・。」
片方の乳首を舌で転がし、もう片方は指で摘んだ。
「あ、ああ・・・っ!」
今まで体験したことのない甘美な痺れ。
いつまでこの感覚に耐えれば良いのか。
どんどん体が勝手に反応してしまって堪らない。
必死に耐えていたら、あそこがなんだか熱くなってきた。
何もしていないのに熱く熟れていくような・・一体何が起こっているのだろう。
そう思っていたらレイの手が下の方に伸び、スカートの中に入ってきた。
「ダ・・・ダメ!」
「大丈夫だから。」
諭すようにレイは言いながら、下着の上からそっと秘部をなぞった。
「・・っ・・!」
何度も何度もなぞられていくうちに、さらに熱く痺れていく。
時々響く濡れた音。
「・・・濡れちゃってるみたいだ。」
よく意味がわからなかったが、恥ずかしい意味だという事だけはなんとなく分かった。
そして下着を脱がそうと手をかけられ・・。
「ダメ!それは・・・!」
、これを脱がさないとセックスできないだろ?」
「で、でも・・・・。」
「頼む、もう我慢できないんだ。」
また・・・だ。レイの不思議なこの表情。
金色の瞳が妖しく光り、口元には牙が覗く。
私が力をちょっと緩めた瞬間に、一気に下着を引きずり下ろされてしまった。
「やっ・・・!」
せめてもの抵抗に足をぎゅっと閉じるが、レイの力によって難なく開かれてしまう。
そしてその足の間にレイが割れ入り、足を閉じることが出来なくなってしまった。
思わず目をぎゅっと閉じて羞恥に耐えたが、そこに視線を感じた。
レイが・・見てる・・・・私の・・・あそこを・・・・。
そう思っただけで恥ずかしさのあまり、どうにかなってしまいそうだ。
そしてレイの手が直接そこへ触れた。
最初はさわさわと表面を撫でていた手が割れ目に押し入り、指でなぞりはじめた。
「あ、あああっ・・・!」
胸とは比較にならないほどの、どう表現したらよいのか分からないほどの・・・甘美な痺れ。
レイの指が動くたびに濡れた音が響き、そして快感が増していく。
「すごい・・・。熱く・・・膨らんでる・・・・。」
恍惚とした表情で囁くレイ。
上下になぞっていたかと思うと今度はクルクルと円を描くように粒を動かして。
響く濡れた音とともに、だんだんと何かが押し寄せてくるような・・・。
「やめて・・・レイ!なんか・・・私・・・おかしい・・・!」
「大丈夫。そのまま流れに身を任せて。」
「だめ・・もう・・・・!!」
「・・・そうか。じゃあ・・イけ・・・。」
レイの指の動きが早く強くなった、その次の瞬間。
ものすごい痺れと衝撃、そして痙攣。
これが・・・・。
「どうだった?初めての絶頂は。」
レイはニッコリと笑った。
これがイくと言う事なのか・・・・。
しかしレイの手は依然そこに蠢いている。
達したばかりで敏感になっているのか、指が動かされるたびに軽い痙攣が起こる。
そうしているうちに指は後ろの方へ動かされ・・・。
「ここ。ここが今から俺を包み込んでくれる所だ。」
つんつん・・とつつかれる。そのたびに飛び跳ねるように反応してしまって。
「・・、可愛い・・・。を傷つけないように、これからゆっくりほぐすから。」
指を少しだけ出し入れされる。
初めての中からの刺激に、またしても考えられないくらいに反応してしまう。
それが少しづつ、奥へ奥へと進入してきて、そしてどうやら指の本数も増えてきている。
上の粒はレイの舌に翻弄されていて。
ぴちゃぴちゃと、わざと音が出るように舐めているとしか思えないような濡れた音。
私の羞恥を煽るため?
レイの舌の動きや濡れた音に合わせて体が昂ぶっていくのがわかる。
内からも外からも攻められて
また、先程と似た感覚に襲われる。
「あ・・・レイ・・・・・。」
恍惚の溜息とともにそう呟くと・・・しかし。
レイは無常にも、ちゅ・・ぽん・・と指を引き抜いてしまった。
「あ・・・・。」
私は荒い息の中、レイを見上げた。すると
「そんな顔するな。これからもっといいものをあげるから。」
そう言ってレイは自らの服を全て脱ぎ捨て、そして手早くそれにゴムを装着する。
いつも服に隠れていて見ることはなかったが
逞しい腕に足、そして胸板。
どこもかしこも鍛え抜かれていて、目のやり場に困るほど綺麗で・・・。
レイの性別が男である事は当然のごとく分かっていたつもりだったが
レイの躯を見て初めて・・・「男」なのだと気づかされた。
そして初めて見るレイの雄の部分が視界に入り、絶句する。

あれが・・・・これから私の中に・・・・?
・・・・嘘でしょ?・・・入るの?

素朴な疑問が頭を駆け巡る。
レイは私が申し訳程度に身につけていたセーラー服のスカートを取り去り、名実ともに二人とも生まれたままの姿になった。
そして私の足を持ち上げて、先程レイが慣らした場所にレイの猛り狂う怒張を押し付ける。
「いくぞ?」
「ちょっと・・・待って!」
「もう待てない。悪いが諦めてくれ。」
熱の篭った声。
私の返事も聞かずにそれが押し入ってくる。
「・・・いっ・・・!」
指とは比べ物にならない質量。
「すまない・・・もう少し我慢してくれ・・・・。」
レイも顔を顰めている。
もしかして締め付けられて、レイも痛いのだろうか?
自らも痛みに耐えながら、頭の隅でこんなことを考えた。

痛かった。
こんな痛みが他にあるのか、と思うほど痛かった。
だが、この痛みに耐えなければレイを受け入れる事はできない。
「・・・っ・・・・!!」
、呼吸して・・・・。」
言われなければ息をするのも忘れてしまうほど、痛かった。
「もう少し・・・・・・・。」
レイの息も荒い。
大きすぎる剛直なそれが、ゆっくりと通り過ぎていく。
痛みの反面、どこか悦びを感ずる。
「・・あ、ああっ・・・!!」
「・・・・っ!・・・・入った・・・・・・・・。」
どうやらようやく根元まで入ったらしい。
私のそことレイのそこが密着している。
「やっと・・・と一つになれた・・・・。」
レイが感無量、という表情で言った。
だが私はそれどころではなく。
「・・・・ん・・・・。」
動かなくても、大きすぎるそれが入っているだけで裂けてしまいそうに痛い。
、大丈夫・・・ではなさそうだな。」
「・・う・・・・ん・・・・。」
今まで空白だった場所に、レイの大きなそれがある。
痛くて苦しいのだが、自分の中にいるレイがドクンドクンと脈打っていて
そこにレイが居るのだと実感できて
痛いながらも・・・涙が溢れそうなほど、あたたかい幸せを感じた。
これが一つになるという事なのだろうか。
「レイ・・は、大丈夫・・・?痛く・・・ない?」
「ちょっと・・・痛いかな。締め付けがすごくて。さすが処女。・・・っと、もう処女じゃないか・・・俺が奪っちゃったんだな。」
レイは痛みを堪えながらも、幸せそうに笑った。
「でもの方がずっと痛いはずだから・・・。が落ち着くまで待つよ。」

────待つ。
そう言われて当たり前のことに気がついた。
そうなのだ。これで終わりではないのだ。
これからレイがアレを出し入れして、そして・・・・・。
考えただけで気が遠くなる。
そんな私の心中を察したようにレイは
「大丈夫。無理はしないから。は俺にとって一番大切な女だから。」
そう言われてさっき、ふと考えたことを思い出してしまった。
一番大事な女が私なら、一番大事な男は・・・・・・。
そう考えて心の中で首を振る。
「ちょっと動かしてみるぞ?」
レイは入れたまま、先端をぐいっぐいっ・・・と押し付けた。
「ここ・・・気持ちよくないか?」
確かに・・・痛みが引いた訳ではないが、どこかたまらない心地よさが・・・。
「・・・どう・・・だ?」
「うん・・・痛いけど・・。」
「けど?イイのか?」
「・・・・・そんな事、言わせないで・・・。」
痛みと快楽の狭間でたまらない。
しかしどうしてそんな恥ずかしいセリフが言えようか。
だが確かに・・徐々にだが確実に・・痛みを快楽が侵食し始めていた。
「んっ・・・んっ・・・ああ・・・!!」
声を出すつもりなどないのに自然に声が出る。
自分の声とは思えぬような声が。
「だいぶ・・・ヨくなってきたみたいだな・・・じゃ・・・・。」
レイは少しだけ注挿を大きくしてみた。

じゅぶ・・じゅぶ・・・。

「痛い・・・か?」
「ン・・・痛い・・けど・・・・。」
「イイんだな?」
「・・・・ん・・・・・っ!!」
必死に答えた。そして
「レイは・・・?」
レイにも同じ質問をする。
「俺は・・・最高だ・・・・。すごく気持ちいい・・・・。」
途端に恥ずかしさと嬉しさが沸き起こる。
「あ、締めた・・・・今、感じただろ。」
「な・・・なんで分かる・・・の・・・?」
「感じると・・・締めるんだ・・・女は・・・・。そして締められると、俺も気持ちよくなる・・。」
そう言われてまた、嬉しいような気持ちになる。
また締めているのだろうか、私は。
「ゴメン・・・俺、もうこれ以上歯止めが利かない・・・・っ!」
「・・・え?」
次の瞬間。レイはギリギリまでそれを引き出し、そして一気に・・・・。

じゅぶっ!!

「ああっ・・・!!」

じゅぶっ・・じゅぶっ・・じゅぶっ・・じゅぶっ・・・・・!!

激しい注挿が繰り返された。
あまりの速さ、激しさ、そして質量の大きさに訳が分からなくなる。
痛みは・・・気づけばそれほど感じなくなっていた。
レイはさっき言っていた、感じる場所を思い切り突いているようで
レイが突き上げるたびに甘美な刺激が体中を駆け巡る。
快感は振幅を繰り返し、少しづつ大きなものになっていき
居ても立っても居られない程の甘い痺れが体中を支配して、そして・・・・。

「レ・・・レイッ・・・!も、もう・・・・!!」
「ああ、俺も・・・・・。」
見上げるとレイは見たこともないくらい、熱く切羽詰った表情をしていた。
こんな顔、はじめて見た・・・・。囁くその言葉も、何もかもが甘く熱く・・・。
「レイ・・・・好き・・・・・。」
それは無意識に出た言葉。
「ああ、俺も・・・が好きだ・・・・。」
そして唇付けられた。
甘く優しく絡みつく舌と、強く激しく出し入れされるそこと。
灼熱の快感が押し寄せる・・・。

「ああ・・ああああ・・・っ!!」
「・・・・っく・・・・!!」

最後にきつく強く抱きしめられて崩れ落ちた。
泣きたいほどに、幸せだった。






そのままの姿でレイの胸に抱かれ
レイの胸の鼓動を直に自分の胸で感じて、あまりに安らかで暖かで。
レイの引き締まった胸や脇腹の筋肉にそっと手を這わすと、くすぐったそうにレイが笑った。
「・・そういう事されると、また襲いたくなっちゃうんだけどな。」
「ゴメン。あんまり綺麗な筋肉だったから。」
「それを言うならの胸があんまり綺麗な胸だったから、また揉んじゃうぞ?」
「きゃ・・・ダメ・・だってば・・!レイ!」
レイは楽しそうに胸で遊びながら、ふと気づいたように言った。
「そういえば、こんなペンダント、前からしてたっけ。」
「あ、これ・・・・。」
それはレイにお土産として渡そうとしていた金のコインのペンダント。
旅の神「ヘルメス」が掘り込まれている。
アメリカとは何の関係もないお土産だけど、これからのレイの旅が何事もなく過ぎることを願って買ったもの。
「これ、レイにお土産として渡そうとしてたものなの。」
「へ〜。悪いな。」
「でも、あげるのやめる。」
「え?」
「私が使う。」
「・・・・・。別に・・・俺は構わないけど・・・・。俺にはが一番のお土産だから。」

多分、これからの私の旅の方が辛く大変なものになりそうだから・・・と思ったからだという事は言わないでおいた。





それから。
レイは前の彼女とは別れて私と付き合うようになった事は、すぐに学校中に広まった。
にも関わらず、レイの周りから女が絶えたことはなかった。
今までは私もそんな女の一人だったのか。
そんな女の中でも特に親しくしてくれていた・・と自分では思っていたが。
遠巻きにレイを見つめながら思う。
その中の一人がふざけて後ろからレイに抱きついた。
胸が背中に押し付けられている。
さすがに我慢が出来なくなって、私はレイのほうへ向かっていった。
「レイ!」
渦巻く嫉妬を押し殺して爽やかな笑顔で話しかける。
「あ、。」
レイも私に負けないくらいの輝くばかりの笑顔。
・・・・そう、負けない。
こんな事には・・・・負けない。

そして時々レイの部屋で抱かれる。
そんな日々。

レイは・・・話さない。
「嘘はつかない」と言った。でも聞かれないと話さない。
聞きたくないから、私は敢えて聞かない。
誰とキスしただの、誰を抱いただの・・・わかっていても絶対に聞かない。

それでもレイと二人で過ごす時間は、例えようもないほど幸福だった。
やはり私は・・・・レイが好きなのだ、と実感する。
こんなに辛くても、嫉妬に苦しんでも
私はレイが大好きだから
レイが私を一番大事だと言ってくれる限り・・・耐えてやる。

レイを愛しているから・・・負けない。絶対に負けない。






そんなある日の夕暮れのこと。
その日は用事があるから、とレイは一人で帰ってしまった。
私もとぼとぼと一人で帰っていた。
なんとなく寄り道をしながら、のんびり帰っていたら・・・・。
見てしまった。
夕暮れの川原。
レイともう一人の青年。
レイとは全くタイプの異なる美形。
キツイ眼差し、端正な顔立ち。柔らかそうなツートーンの髪が風に揺れている。
一見すると、その青年は怒っているかのよう。
レイに背を向け腕を組む。
それを必死になだめようとするレイ。
あんなレイ、初めて見た。
機嫌を直したのかレイの方へ向き直る。
見たこともないような優しい瞳のレイ。
それに対し、あまりにも無愛想な態度の青年。
そして二人で歩き出した。
あの方向にはレイの家がある。
これからその部屋で行われるだろう事を思い描いて、叫び出しそうになった。

私は彼らとは反対方向へ駆け出した。

あれが・・・レイの言っていた「一番大事な男」。
私か彼か、どちらをとるのか・・・・わからないと言った、その相手。



辛い、辛い・・・・辛いよ・・・・・レイ。
なんで・・・両思いなのに・・・恋人なのに
なんでこんなに辛いの。

「俺は言い寄ってきた女をどうしても断れないんだ。」
「それが俺の性分だから。」

それは最初からわかっていた事。
彼女達は遊びだから、まだ耐えられる。
悔しいけど悲しいけど辛いけど・・・耐えられる。

でもあの彼は違う。
今、レイの中に私はいない。

自分の部屋に戻りセーラー服を脱ぎ捨てる。
鏡の中の私。
ここにも・・ここにも・・・ここにも、ここにも、ここにも!
こんなにハッキリとレイの印が残されている。
なのに今、レイは・・・あの彼を抱いている・・・・・。
私は感情のまま、拳を鏡に叩きつけた。

そして胸のペンダントを握り締める。
旅の神、ヘルメス。
だがヘルメスは商業、使者の神でもあり、また夢と眠りの神でもある。
そして霊魂を冥界に導く役目も持っているという。
良くも悪くも鋭く賢く、そして掴み所のない神。
捕まえようとしても、するっと逃げられる。
何者にも縛られない、そんな神。
そんな事を後になってから知った。

あまりにも・・的を射ている。
自らの選択眼の鋭さに、笑いながら泣いた。





レイ・・・・・・。









私の旅に幸多からん事を──────。

















end



約2年半ぶりの夢更新です。
なんで今更、と言いますと・・実は夢を見たんです。
あ、夜、寝てみる夢ですよ?
そこにレイが出てきて・・ちょっと妖しい夢でした。
いえ、そこまでの夢ではなかったのですが・・ホントですって!(笑)
何事もない夢だったのですが、目覚めてもちょっとドキドキしてしまうような夢で
それがキッカケとなって書いてしまいました。
とはいえ、これは夢小説とは言い難いような・・・こんな恋がしたい人なんていないと思うし。
レイの恋愛事情を女の子視点で書いた・・という所でしょうか。
どうしてもレイは「百戦錬磨の両刀使い」というイメージになってしまって。
レイとの恋愛は苦労が絶えないと思います、本当に。
原作公式ではマオと結婚するようですが
個人的にはマオにはレイを扱いきれないだろう、と思っています。
そして気づかれた方もいらっしゃると思いますがレイカイも入ってます。
これはレイタカにするかレイカイにするか少し迷ったのですが
レイはタカオ相手だと、とことん優しくタカオ一筋!
というイメージがあるのでレイカイにしました。
こういう感じのレイはカイに惚れるかな・・と。
それからギリシア神話についてはよく知りません(汗)。
色々違っているかもしれませんがどうかご容赦を!

それではここまで読んで下さりありがとうございました!
(2008.7.26)

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