クリスマス・イヴ。

街のあちこちにはクリスマスツリーが飾られて
それぞれの家でもイルミネーションで美しくクリスマスを演出している。

すれ違う人々も
この日はなぜか幸せそうだ。



そもそもクリスマスはイエス・キリストが生まれた日。
奴らがクリスチャンとは思えない。



・・・・・・・・・・・・・・・。
俺は・・・・。
神など信じない・・・・・・・・・・・・・・・・。























「カイ・・・。」

頭上からの声に振り仰ぐと、木の枝には怪しげな忍者が。

「・・・お前は・・・・・・・・・。」

トウッ!とでも言いそうな大袈裟な素振りで飛び降りた、その見るからに怪しい忍者、それは・・・・。

「・・・・仁。」

「ただいまv。カイ。」
「貴様・・・・なぜここに・・・・。」
「決まってるだろ?カイと一緒にクリスマスを祝う為さ!プレゼントもあるぞ?」
ゴソゴソと懐から小さな瓶を取り出した。一応リボンが結ってある。

「なんだ?それは?」
「ふふふふ・・・・。クリスマスプレゼントはこの俺と!
ネパールの山奥のある民族から秘密裏に譲り受けた、特性媚薬!
これを飲み物に一滴混ぜて飲ませるだけで・・・・・・ははははははvvvvvv。」

カイは無言のままベイとシューターを構え・・・・
「ま・・・待て・・・!話せば分かる!」
「問答無用!殺れ!ドランザ〜〜〜〜!!!」
「ギャ〜〜〜〜!!」

一瞬にして仁は焼死体と化してしまった。

「ふん!」
スタスタと去っていこうとするカイに、仁は。

「・・・・・・・ふざけてすまなかったな。
クリスマスをお前と一緒に過ごそうと思って帰ってきたのは本当だ。」
「・・・・・。」
「・・・・来るだろ?」
「・・・・。・・ちっ・・・・・。」
軽く舌打ちをする。

「だが!10m以内に近寄るなよ?コスプレ変態忍者の仲間だと思われたら適わんからな。」
「は、ははは・・・・・。」
カイのバトルスーツも大して変わらないんじゃないかと思った仁だったが
これ以上カイの機嫌を損ねるのは得策ではないと考え、言わないでおいた。






BBA独身寮。
2DKの小さな部屋が仁の仮の住まいだった。
色々と出入りが激しく、仕事上この寮の方が便利でもあるので
仁は帰国しても実家の木ノ宮家に戻らない事が多かった。

「適当に寛いでてくれ。着替えてくるから。」
そう言ってリビングにカイを残し、仁は隣室へ消えた。



まるで生活感のない部屋。
TV、テーブル、ローソファー。必要最低限のものしかここには存在しなかった。
冷たい・・・・空間。
仁は世界を旅していた。
古代の神秘と現在を繋ぐものを追い求めて。
だから仁の住まいはこんな所ではない。
世界が仁の住みかだった。
決して身を落ち着ける事ができない人種だった。

「こんなヤツ・・・・・・・・・・待つだけ無駄だ・・・・。」
部屋の隅に置かれた大きなリュックサック。
きっとまた、すぐどこかへ飛んでいってしまうのだろう。




カチャッ・・。
「カイ、待たせたな。」
「いや・・・。」
扉を開けた仁は一変して一般的な青年の服装をしていた。

「さてと。どうするかな。ケーキとシャンパンは買ってあるんだが。
メシがな・・・。どこかに食いに行くか?」
「いや・・・・ここがいい・・・・。」
「そうか・・・。じゃ、ピザでもとるか?」
「・・・・任せる。」




ピザとフライドチキンとサラダ。
実にささやかなクリスマスメニューだった。

だが仁はニコニコ上機嫌だ。
どこから手に入れたのか知らないが、サンタが被る赤い帽子を被って
俺にも被せようとするから

「お・・・俺はいい!!」
「まあまあ・・・・。」

と有無を言わさず帽子を被せ、

「ジングルベルでも歌うか?」
「・・・・ここはいつから幼稚園になった?」

こいつはいつも何を考えているのかサッパリ分からない。
そして気がつくとコイツのペースにはまっている。

「そうそう、クリスマスといえばシャンパンだ!開けるぞ?」


ポンッ!!

そしてワイングラスにトクトク注いだ。

「おい、俺は未成年だぞ?」
「まあ、固い事言うな。ちょっとくらいいいだろ?」

といいながら、とても「ちょっと」とは思えない量を注いで。
俺は溜息をついた。


「カイ、これ、試してみないか?」
と取り出したのは先程「プレゼントだ!」と言っていた特性媚薬・・・・。

「貴様・・・・・・まだそんなモノ、持っていたのか・・・。」

ポケットからドランザーを取り出して構えて見せると

「わ〜〜〜〜!!わかった!わかったから、それ、しまえ!!」
「ふんっ・・・!」




仁はこんな質素なクリスマスでも上機嫌でよく笑った。
似てない兄弟だと思っていたが笑顔は・・・・どことなく似ている。
一体何がそんなに楽しいのだろう。

そして何より。
なぜ俺はここにいるのか。
なぜコイツは・・・ここに、いるのか・・・・・。

「お前は・・・・家に帰らなくてもいいのか?
木ノ宮が・・・・お前の帰りを・・・・待ってるんじゃないのか・・・。」
「・・・・・・・・・。」

仁は急に真面目な顔をした。そして。

「カイはどうして俺についてきた?お前こそ火渡で盛大にクリスマスをやってるんじゃないのか?」
「・・・・!あんなモノ!・・・・・・俺には関係ない・・・・・・。」

仁はムキになる俺の頭にポンと手をおいて、髪をくしゃっ・・・と撫でて。

「・・・・タカオは俺の大事な弟だ。でも、俺が一番大切に思っているのは・・・カイ、お前だ。」
「・・・・・!!」

そのまま頭に手を回し、胸へ寄りかからせて

「お前も・・・・そう思ってくれたから、ついて来たんだろ?」
「・・・・・・!!」

仁の胸は・・・以前と変わらず、硬く引き締まっていて・・・・大きくて暖かだった。


「ふふ・・・・。クリスマスは一番大事な人と過ごすもんさ。
タカオは今頃、友達を呼んで大騒ぎしてるだろう。そんなことより。」

と差し出されたのは、小さなクリスマスのデコレーションケーキだった。
俺が怪訝そうにしていると仁が嬉しそうにローソクを立てた。
そしてライターで火をつける。

「メリークリスマス、カイ。さあ、火を吹き消してくれ。」
「そんな恥ずかしい事、できるか!」
「そんな事言わずにv。」

楽しそうに笑う仁が憎らしい。だいたい・・・・。

「なんでお前は・・・そんなに楽しそうなんだ・・。」
「お前は楽しくないのか?俺は楽しくて仕方ないんだがな。カイがいるし。
こういうのは楽しんだモノ勝ちだぞ?さあさあ!」

人を道化師か何かだと思っているんだろうか?コイツは・・・・。


目の前ではローソクが美しく灯をともし存在を誇示している。
だいたい、こんなバカバカしい事をさせられたのは一体何年前だったろう。
仁が期待に満ちた、嬉しそうな顔でひたすら成り行きを見守っている。
このままでは埒が明かないので・・・・仕方なく・・・・・ふうっ・・・・・と吹いてみた。
ローソクの火が儚く消え、その瞬間、仁が嬉しそうに手を叩く。
刹那・・・・大昔の・・・・抹殺したはずの記憶が頭を過ぎった。
幸せな・・・暖かな・・・記憶。

驚いた。
・・・・そんなつもりは毛頭なかったのに・・・・そんな隙だらけな姿、誰にも晒したくなどなかったのに・・・。
こんなのは俺じゃない。
コイツが不意打ちみたいな事をするから・・・・!
コイツがあんまり幸せそうに笑うから・・・・。この俺が・・・・涙を見せるなんて・・・・・・・・・・。

「カイ・・・・。」

仁は俺を抱きしめて。

「カイ・・・・俺の前では、気を張る必要なんてない。
素直に泣いても・・・・甘えても・・・・いいんだ・・・・・・・。」

辛いのは慣れた。
過酷なのも平気で耐えられる。
だが・・・・・優しさには・・あたたかさには・・・・・・どうしても・・・・・・。

「お前の・・・・せいだ・・・・・・・・・・・。」
「ああ、そうだな・・・。」

俺を抱きしめながら頭をよしよしと撫でるのが、大人の余裕のようでシャクにさわって、心地よくて・・・・・。
暫く、そのままでいてやった。



「カイ・・・・・愛している。お前が小さな頃から、俺にはずっとお前だけが・・・・・。」

仁の分厚い唇が俺の口をふさいだ。
侵入してきた生暖かい舌に、俺も待ち構えていたように舌を絡めて。
もう・・・・認めるしかない・・・・。
俺はコイツを・・・・・・・・・・・・。




仁は軽々と俺を抱き上げて寝室へ行き、安っぽいベッドに横たえた。
そして上半身の服を脱ぎ捨て覆いかぶさる。
俺も相当鍛えているのだが、大人のそれに敵うはずもない。
俺の体はすっぽりと仁に覆い隠されてしまう。
それが悔しいのか安らぐのか・・・・もう、どうでもいい。

ねっとりと・・・・体中を這い回る舌に翻弄されて
ゴツゴツした大きな・・・いつも古代遺跡にばかり触れている手が体中を撫でまわして。
もうそれだけで、異常なまでに昂ぶってしまう。

「カイ・・・。まだ触ってもいないのにこんなになって・・・。こんなになるまで・・・待っててくれたのか?」
「・・・う・・・・うるさい・・・・・。」

突然、暖かな・・・・甘く痺れるような感触が中心を包みこんだ。仁が俺の・・・モノを咥えていた。

「うわ・・・・あ・・・っ・・・!!や、やめろ・・・っ・・ん・・・!!」
「ダメv。カイの、可愛いんだもの。俺も長い間、飢えてたしな。しっかり味わわせてもらうぞv。」

ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・・
ちゅっ・・・・ちゅる・・・・・・。

仁の・・・舌が・・・・唇が・・・・・俺の・・・・に・・・纏わりついて・・・・暖かくて・・・・
もう、あっという間に・・・・限界が・・・・・・・・・・・・。

「あっ・・あっ・・・・!もっ・・!だ・・・め・・・あ・・・!ああっ・・・・!!!」


口の中に放ってしまった事を・・・詫びた方がいいのだろうか・・・
などと考えながら、荒い息の中ちらりと仁を見ると

ゴクン・・・。

「ご馳走様v。」

ニコニコ上機嫌に笑った。

「・・・・〜〜〜〜!」
俺は羞恥で消え入りそうになり、顔を背けた。
だが、直ぐ様足を大きく開かされ指を秘所に押し込まれた。

「っく・・・・!!」

仁の指はゴツゴツとしていて太く長い。そんなモノを押し込まれただけで・・・。
しかもその指で中を擦り、回し、抜き差しし・・・。指の本数を増やしていき・・・。
中のポイントを攻め立てるものだから・・・・・。
しかも空いているほうの手は俺の中心を撫でている。

「はあっ・・!ジ・・・仁・・・!!もっ・・!ぬいて・・・・くれ・・ああっ・・・!!」
「いいよ、何度イッても。それにしっかり解しておかないと傷つけてしまうからな。」

余裕の表情で楽しそうに言う。俺がこんなに切羽詰っているというのに・・!
必死で仁を引き剥がそうとしてみても・・体に力が・・・入らない・・・・。
悔しい・・・・が・・・このままでは・・・・!

もう限界が・・というその時、仁が指を引き抜いた。間髪いれずに仁の猛り狂ったソレをあてがう。

「・・・待たせたな。」
仁の恍惚とした表情。久しぶりに見た。

「・・・・・・。」

そして一気に・・・・。

ぐっ・・・・!!

「くっ・・・・あ・・ああ・・・!!」

仁の形にソコが押し広げられていく。
あまりの衝撃に声を抑えられない。
限界ともいえる大きさに痛みも感じるが、俺は・・・・。
俺は待っていた・・・・この・・・・瞬間を・・・・・・・・・・・・・・・・。

「・・あっ・・あっ!・・・・はあっ・・・・!!」

ビュクッ・・・・!


・・・不覚にも・・・・。

「ふふっ・・。・・・・・・また出ちゃったな。」
「・・・・〜〜〜〜!!」

そう言って仁は笑った。
あまりの羞恥にどう答えたらいいのか分からなくて、思わず目をそらすと
仁はその目元に唇を落とし、いつの間にかこぼれていた涙をぺロッと舐めとった。

「・・・・・・・・・。」

そして繋がったまま、ティッシュで互いの腹を拭って。

「でも、本番はこれからだぜ?」

ぐっ・・・ぐっ・・・・!

「・・・・カイ、もう元気になってるぞv。」

ソレに軽く触れて弄るが、俺は既に恥じ入る余裕すらなく・・・。

仁の大きすぎるソレが、打ち込まれるたびに腹が抉られるようで
苦痛と快楽の紙一重の狭間で
太い筋肉だらけの腕が・・・俺を・・・強く抱きしめて・・・・・・


もっと・・・もっと・・・・激しく・・・・お前を感じさせてくれ・・・・。





もう・・・・何も考えられない程に・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


















クリスマスの朝。
明るい白い光に気付き、微睡みから目を覚ますと 

「おはようv。」

既に起きていた仁が片肘をついて嬉しそうにこちらを見つめていた。

「・・・・お・・・おはよう・・・・。」

それにちょっと照れながら挨拶を返す。

「昨日の乱れるカイもいいけど、あどけない寝顔もいいな〜vv。」
「な・・・・・・!恥ずかしい事を言うな!!」


そして。
「・・・・・・。」

ずっと気になっていた事を聞いてみた。

「・・・・・・行くのか?」
「・・・・。まあな。」
「いつ・・・。」
「・・今夜。」
「そうか・・・。」

予想通りの答え。
だが、本当に・・・・俺とクリスマスを過ごす為だけに・・・帰ってきた・・・らしい・・・。


「また、すぐに帰ってくるさ。帰ったら真っ先にカイに会いに行く。」
「・・・・・。」
「約束するから。」

優しく抱きしめて・・・力強く言う。


「・・・・・・・。信じて・・・・いいのか?」

俺は俯いて・・・小さな声でやっと、それだけ言った。
きっと顔が赤くなっていたと思う。
・・・素直になるのは・・・慣れていない・・・・。


仁は小さく笑んで、そして真面目な顔をして
「カイ、俺はお前だけだから。お前に会うために・・・・行ってくる。」
「・・・・・・。・・・・・・仁・・・・。」

返事の変わりに仁の背中に・・・そっと手を回した。






「カイ、実はもう一つプレゼントがあるんだ。」
「?」
「ジャジャ〜〜〜ン!!俺がいない間、コレを俺だと思って・・・・!!」

それは・・・・つまり・・・・アノ形をした・・・・その・・・・そういう使い道の・・・。
ええ〜〜〜い!恥ずかしくて説明できるか!!
しかもご丁寧に、真っ赤なリボンが結び付けてある。

「これで寂しくなんか・・・・・・・待て・・・・カイ!早まるな!!」
「待てるか!ドランザ〜〜〜〜!!!」
「ギャ〜〜〜〜〜〜!!!」

クリスマスの朝、仁の断末魔の絶叫が空高くこだました。

「ふんっ・・!!」






ただの燃えカスと化してしまった仁が苦笑いをする。
「全く、カイは容赦ないな〜。まあ、そこが可愛いんだけど。」

「・・・・貴様など、とっとと行ってしまえ!」



そして・・・・早く・・・・・帰って来い・・・・・・・・・・・・・・。














今日はクリスマス。

街行く人々も、どこか幸せそうだった。



そして

ベッドの上でいがみ合う、この二人も・・・・・・・・・・。






幸せな朝。

幸せな別れ。


メリー・クリスマスv。


















end

裏駄文top


なんとなく、お遊びで書き始めたら最後まで書けてしまったので
「嘘だろ〜?」と思いながら上げてみる。
仁カイ、大好きなんですが自分で書くとは思ってなかったので、
書いておいてなんですがかなり驚いています。

仁カイの始まりはカイのファザコンからでしょうね。
進パパに捨てられて、憎みながらもどこかで大人を求めてる。
とはいえ、ちょっとカイを弱々しく書きすぎちゃったかな〜と反省しております。

それから。仁が最後に「プレゼントだ」と言っていたモノが何なのか、
分からなくても聞いたりしないで下さいねvv。
ちなみに仁がプレゼントしたこれらのモノの実物ですが、私は見たことすらありません!
名誉の為に明言しておきます(笑)!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
(2005.12.20)




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