この話を読まれる前にご注意!

この話は裏ですがHシーンは無いに等しいです。
それを思わせる描写はありますが・・。
別の意味で表には置いておけない、と思ったので裏にしました。
・・・・女が出てきます。
女とそういう事があったんだな、という描写があります。
そしてタカカイなのにカイが出てきません。
それでも大丈夫!という方のみ、お進み下さい。

尚、この話は「La vie en Rose」の番外編です。
できたら「La vie en Rose」から読んでくださいね。


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「好きです・・・!木ノ宮さんッ!!」

いつものようにBBAから帰宅しようとした時だった。
突然名前を呼ばれて振り向いたらコレだ。

へえ・・結構かわいいじゃん。
BBAにこんな子いたっけ?

「あんた、誰?」
「あの・・私、BBAで事務やってる・・○○です。
・・・ずっと前から・・見てました!
もし良かったら・・・・・・あの・・・・・・!!」

必死だな〜。
真っ赤な顔で・・・・。
髪はセミロング、ちょっとウェーブかかっててフワフワ。
柔らかそう〜。

「いいぜ?」
「え?」

キョトンとした顔で俺を見上げる。
大きな目が潤んでる。
どう見ても、並以上どころか上級品?

「だから、付き合ってもいいぜ?」
「ほ・・・本当・・ですか?」
「ああ!」

彼女は大きな瞳からポロポロと涙を流した。
こうやって俺と彼女の交際は始まった。






・・・・・・・・。




俺とアイツが終ってからまだ、たったの数ヶ月。
でもその数ヶ月はあまりに長く感じられた。

最初は必死に思い出さないよう努めて、でも無意識に想ってしまって・・・
そして慌てて心から追い出す。
写真も燃やそうかと思ったんだけど、どうしても燃やせなくて
押入れの奥にしまいこんだ。
こうやって無理やり忘れようとしているうちに
いつしか心は完全な無へと近づいていった。
無・・・空白・・・・虚無・・・・・・・・。
虚しい。

何をやっても。
大好きなベイをやっても。

何もかもが虚しかった。

もう、どうでもよかった。
何もかもが。


そんな矢先だ。

告られたのは今回が初めてじゃないけど
いつもは即、断ってた。
俺にはアイツがいたから。
でも、アイツとは・・・・終った。
永久に・・・アイツとはもう・・・接点を持つことはない。

本当に、終ったんだ・・・・永遠に・・・・・。
俺の少年時代の思い出と共に──────。





「ごめんなさい、待ちましたか?」
「いや、今来たトコ!」

今日は彼女とのはじめてのデート。

あれから初めてまともに彼女を見たけど
色白で可愛くて、ちょっとおっとり系の美人だ。
胸も結構あるし。
こんな子なら、かなりモテるだろうな〜。
その胸元に可愛いらしいペンダントが揺れていた。
服装も俺のためにオシャレして来たのがよく分かる。
健気だな〜。
ちょっと感動。

「じゃ、行こうか。」
「はい。」

俺は彼女の手をとった。
目的地は遊園地。
まあ、最初のデートとしては妥当なトコだろう。

絶叫系をひとおおり。
こうゆうの、嫌いじゃないから楽しめた。
彼女もジェットコースターなどは好きそうで楽しんでいるようだった。


────アイツは・・こういうの、全く興味を示さなかったな・・・・。

一瞬、そんな想いが過ぎる。

振り払おうとぶるんぶるんと頭を振ると、その様子を不審に思った彼女が
「どうしたんですか?木ノ宮さん・・。」
と心配そうに俺を見上げた。

ちょっと高めの可愛い声。

アイツの少し掠れたハスキーボイスとは全然違う。

・・・心配そうなその顔。
何考えてんだ、俺は!
今、デート中!集中集中!!

「いや、何でもねー。ちょっと頭痛がしただけ。」
「大丈夫ですか・・・?」
「全然大丈夫!それよりその敬語、何とかなんね〜?
もっと普通でいいよ。
俺のことも「タカオ」でいいから。」
「・・・・!!」
また、顔を真っ赤にして・・可愛いな〜。
「ほら、タカオって呼んでみて。」
「・・・タ・・タカオ・・・さん・・・。」
「さん、はいらねーって!」
「・・・・タ、タカオ・・・・。」
「そう!それでいいよ!」
俺は彼女に微笑んだ。
すると彼女も照れくさそうに笑った。

とてもいい子だ。
今日一日、一緒にいてよく分かった。
これがあのうるさいヒロミと同種のイキモノなのかと思うと信じられない。
「なんですって〜〜〜!?」と聞えてきそうだが、それはさておき。

大丈夫だ。
俺はこの子を好きになれる。
こんなに可愛くていい子なんだから。




ところが、だ。


付き合い始めて一ヶ月もしない頃。

バッチーーーン!!

「最っ低〜〜〜ッ!!」
手痛いビンタをくらってしまった。

彼女の部屋、ベッドの上で。

「・・・出てって!!出てってよ!!」

彼女が声を振り絞り叫ぶ。
涙が一筋流れていた。

「早く!!」


俺はすごすごと服を着て彼女の部屋を後にした。

「さよなら。」
「・・・・・・・・。」
彼女からの返答はなかった。




何があったのかって・・・・。

初めてのデートから何回目かの時に
彼女の部屋へ招かれた。

これは・・そういう事なのかな・・って思った俺は
タイミングを見計らって彼女を押し倒したんだけど、うまくいかなくて。

はっきり言うと、勃たなくて。
その時彼女は悲しそうに笑って許してくれたけど
さすがにそんな事が3回も続くと・・・・。

どうしちまったんだろう、俺。
昔は抜かずに何度でもヤれたのに。

胸がチクリ・・と痛む。
「あ〜〜〜〜〜〜〜っ!!ダメだ!忘れろ〜〜〜〜!!!」

夕日に向かって叫んでみる。
サイテー・・・・だよな、俺。
振られたその日に、彼女よりアイツを思い出して胸が痛いなんて。

・・・・・・。
あんなにいい子なのに・・・泣かせちまった。

ホント、サイテーだよな・・・・・・。











それから数日したある日。
「木ノ宮さん!」
また声を掛けられた。
振り向くと、そこにはちょっとキツイ瞳の美人。
「木ノ宮さん、○○さんと別れたって本当ですか?」
「・・・もう噂になってんのか・・。まあ嘘ついてもしゃーねーし。本当だよ。」
「じゃあ、今度は私と付き合ってください!」
「え?でもまだ終って数日しか経ってないし、さすがに・・・・なあ・・。」
「私、そんな事気にしませんから。
それに、私なら絶対に木ノ宮さんを好きにさせてみせます。」
「・・・・。じゃ、今は好きじゃなくてもいいって事?」
「はい。でも必ず私に夢中にさせてみせますから。」

自信に溢れた勝気な笑顔。
なんか無理やりって感じだったけど
次の恋が始まった。



・・・・今度こそ前みたいな失敗はナシだ!
いつか必ずやって来るだろう「その日」に供えて、密かに薬を購入した。

勝気で強気なヤツは嫌いじゃない。
前はあまりに良家の子女風だったから、ダメだったんだ。
今度は大丈夫だと思うけど、まあ、念には念をってヤツ?



その薬のお陰かどうか。
今度の相手とは気づけば数ヶ月が過ぎていた。

美男美女のカップル!とBBA中が噂していた。
「式はいつ?」と聞かれる事も少なくなかった俺達だが・・・。





「ねえ、タカオ。何考えてるの?」
今さっきまで俺の腕の中で悶えていた彼女が言った。
「何って・・・次は何をやったらお前が悦ぶかな〜って。」
「ふ〜ん・・・。・・・・でもそれ、嘘でしょ。」
彼女が俺の腕をすり抜けて、体を起こして言った。
「何回もタカオとヤったけど・・・なんて言うのかな〜、アンタは私を見てないって言うか・・・・。
私を好きにさせてみせる!なんて大見得切っちゃったけど
・・・・・やっぱり敗北かな〜って・・・感じるんだよね・・・・。」
「なんで!」
俺はムキになって聞き返した。
「う〜ん・・・・。」
彼女は頭をボリボリ掻きながら答えた。
「タカオ、他に好きな子いるでしょ。」
「いねーよ!そんなモン!」
「・・・・・。ホラ、図星だ。」
「・・・・・・。」
「馬鹿馬鹿しいから・・・・私、降りてもいい?」
「それって・・・・・。」
「さよなら。・・・ごめんね、最初に言った事、守れなくて。」
彼女はニッコリ笑って俺に手を差し出した。
「楽しかったよ。一時でも大好きなタカオといられたこと。
アンタほどの男が好きなヤツってどんな子だろう?ね、教えて?」
「馬鹿、だからそんな子、いねーって・・・・。」
「はいはい。その好きな子と上手くいくよう、祈ってるね。」


こうして二度目の恋も終った。

そして三度目、四度目の恋も似たような結果となり────。

さすがに・・・・・ヘコむ。
俺には女が抱けないんだろうか?
最初は上手い具合に付き合い始めるんだけど
ソコまで関係が進むと・・・・
こんなに頑張ってんのに結局はみんなダメだった。

いや、抱ける抱けないの問題じゃなく・・・。

一番の問題は・・・・。


・・・・・。



わかってる。わかってた。そんな事は最初から。


そう、問題なのは・・・・俺が本当の意味で、誰も好きになれなかったから。

俺が本当に好きなのは・・・好き、なのは・・・・・・・・。



───アンタほどの男が好きなヤツってどんな子だろう?



・・・・・・教えてやるよ。

俺が本当に好きなヤツは・・・・。
すっげー綺麗ですっげー強くて
素直じゃないし嫌味ばっかで、すっげーヤなヤツなんだけど
言う事はいつも真実で的を得ていて
そして本当はすごく優しくて・・・儚くて・・・・・・。

俺が本当に好きなヤツは・・・
俺が初めて好きになったヤツは・・・・・・・。




やっぱ、ダメだ・・・・・。
も、限界。


自分に嘘はつけねー。


俺には女が抱けないんじゃなくて
俺には・・・本当に好きなヤツしか・・・抱けない。

抱けないんだ・・・・・・・カイ─────!

一度その名を口にしてしまうと
もう、止まらなかった。


カイ、カイ、カイ、カイ、カイ、カイ────────ッ!!

色々なカイが頭を駆け巡る。
呆れた顔、怒った顔、ツンとすました顔
時々だけどフッ・・と笑ったその綺麗な笑顔
ちょっと怒ったように睨み付ける、照れ隠しの頬を染めたその表情。


一度溢れると、感情は次々溢れ出して止まらない。


カイ・・・。

会いたい・・・・お前に、会い・・・たいよ・・・・・・。





────────カイ・・・・・!!



俺は初めて・・・カイと別れてから初めて泣いた。
大声で、情けないくらいに。











夜が明ける。



明けない夜はないと言うけど
俺とカイの間に、夜明けが来る事は絶対にない。


ふふ・・・・。


驚いたな。
俺、こんなに冷めた気持ちにもなれるんだ。




もう、女はヤメだ。

ヤっても意味ねーし。


はははは・・・・・。


悪りーな、ジッちゃん。
俺に跡継ぎ作ることなんざ、できっこねーや。
龍心剣は仁兄ちゃんの子にでも託すしかないぜ?



俺は・・・・・。



はは・・
はははは・・・・・・。



いつまでも力ない声で笑い続けた。




俺の一生は・・・・もう、終ったようなもんだ・・・・・・・。





カイ・・・・・。


俺が愛せるのは・・・お前だけ・・・・・・。

二度と会えない・・・お前だけ・・・・・・・・・・・。

















end


裏ベイ部屋へ

一気に書いてしまった。
本当に、ここまで一気に書いたのってはじめてかも。
「La vie en Rose」の番外編・・というよりはそれの直前の話でしょうか。
なんだか生々しくてすみません。女なんか出してすみません!!
そして仁の子というのは、この時点でいるわけではないつもりです。
行く末は・・という話で。
仁は美少年キラーでもあるけれど、多分(いや、絶対に・・笑)両刀使いだと思うのでv。

それでは、ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
(2008.4.18)







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