そうだ。
俺は・・・わかっていた。
こんな日が来ることを。

いつの頃からか
心の奥底では
ちゃんと、わかっていたんだ。






「カイ・・・・───ッ!!」

カイがヴォーグから帰って来た。

飛びついたタカオに、戸惑うカイ。
ひたすらに泣きじゃくるタカオ。


「よかった・・・!カイ!カイが・・・・帰ってきた・・・・!カイ!!」
「木ノ・・・・宮───・・・。」


カイを離すまいと、しがみ付くように泣きじゃくる。

「すまなかった・・・・・。」
「・・・いいって。カイは帰って来たんだ。もう、何も言わなくて・・・・いい。」

タカオはカイに抱きついたまま、涙で濡れた蒼い瞳で見上げる。
今まで見たこともないような、優しい穏やかな紅が
幸せそうに、その蒼を包み込んでいた。



俺は────。

そのままその場を後にした。













俺はタカオが好きだ。
今まで付き合ったヤツは何人もいたが、本気で好きになったのはタカオが初めてだった。
中国大会が終わった時、タカオは俺の気持ちを受け入れてくれて───。

嬉しかった・・・・・・・・・・・。




それからは、ただ、幸せで。
互いの名前を呼びあい、笑いあって。
そして皆に隠れて時々キスをした。
甘くて、あたたかくて・・・・優しい香りがする、タカオとのキス。


だが、はじめから・・・どこかでわかっていた。
最初から・・・・わかってたんだ・・・・・・・・・・!!


カイはいつもタカオを見ていた。

タカオだって──────────。


俺を好きだと言ってくれたその言葉は嘘ではない。
そんなことも分かっている。タカオはそんなに器用じゃない。
だが、タカオはいつも、どんな時だって。

カイを見ていたんだ。


それに二人が気付いた時、俺はどうしたらいいんだろう。

そう思うと怖かった。

だから。
努めて考えないようにしていた。

だが、カイもタカオも
「それに気付く時」が・・・どうやらやって来た・・・・ということだ。


あの場に
俺の立ち入る隙なんて─────

なかった。

これっぽっちも!!



あとは・・・

せめてタカオに罪悪感を感じさせないように
タカオが辛い思いをしないように・・・・・してやるだけだ。





さよなら・・・・タカオ──────。

俺は・・・幸せだった。

ありがとう・・・・・・・・。



















「外は寒かったでショ?はやくお風呂に入って温まるネ〜。」
「そうですね。温まってサッパリしたらグッスリ休んで下さい。」
「・・・・・あれ?・・・・キョウジュ、レイは?」
「・・・・・・え?」

ようやく帰って来たカイに皆が構っている間に
気がつけばレイの姿が見えなくなっていた。

「おかしいな〜、さっきまでは居たのに・・・・・・。」

その時、カイの表情にかすかな変化があった事にキョウジュは気が付いた。

「木ノ宮・・・・。行ってこい。」
「え?」
「何をしている。早く行け。」
「・・・・うん、俺、行ってくる!」


「・・・・。馬鹿が・・・。」
走り出すタカオを見送ると、カイは一人呟いた。










「レーイ!お〜〜〜い!」

ったくもう、レイのやつ・・・どこ行っちゃったんだよ・・・。

ホテルは大体探したし。
どのレストランにもいなかったしな・・・。

となると・・・外────か・・。

この寒いのに、しかもこんな夜遅く外に出たってーのか?


キィ・・・・・。
タカオはホテルの回転扉を開けて外へ出てみた。


辺りを見回すと、すぐそこの林の入り口・・・そこに・・・。
白い中国服に長髪の少年。


───いた。




「レイ・・・こんな所にいたら凍えちゃうぜ?」
背後から声をかけると心底驚いたようにレイは振り向いた。
金色の瞳が見開かれる。

「タカ・・・オ・・・・・。」
「ほら・・・・。早く中、入ろうぜ?」

心配そうにレイを気遣うタカオ。
レイはそれにいつものように微笑で返した。

「別に。ちょっと外の冷たい空気が吸いたくなって・・・・・な。」

タカオは違和感に気づいた。

レイはいつものように優しく微笑んでくれる。
いつものように・・・・。
いつものよう・・・・に・・?

「レ・・イ・・?」

タカオが不安そうな顔で見上げる。
俺を心配して・・・タカオ・・・。
可愛い・・・・愛しい・・・・俺の・・・・・・・・。

無言のうちに手が伸びて

「レ・・・ッ・・!」

力の限り、抱きしめた。
きっとこれが最後。最後だから・・・・・・・。

「タカオ・・・・愛している・・・・・。」
「レイ・・苦し、い・・・・。」

タカオはレイの腕の中でもがく。

「・・・今まで・・・ありがとう。」
「?」

動きが止まる。

「もう・・・終わりにしよう・・・。」
「な・・・!」

レイはフイ・・とタカオから離れ、背中を向けた。

「タカオ・・・・さよなら、だ。」

時間が────止まる・・・。

「な・・なんで・・・・。」
「・・・・・・。」

震えるタカオの声。
泣くな・・・俺の、タカオ・・・。

「もう・・・俺の事・・・・嫌いになった・・・・・のか・・・?」
「・・・・!」

思わず振り向いてしまった。

タカオが俯いて震えながら泣いていた。
抱きしめたくなる。

「タカ・・・・。」
「レ・・・。」

「なあ・・・教えてくれよ。俺・・・なんか悪い事・・・したのか?」
「違う・・・お前は悪くない!」
「じゃあ・・・他に好きな人ができちゃった?」

タカオがレイを見上げてニコッと笑った。
涙に濡れた瞳が揺れる。

「・・・・そんな訳あるか!俺はタカオしか!」
「じゃあ・・・なんで?」

「お前は・・・分かってないんだ。まだ。自分の心が・・。」
「俺の・・心?」
「・・・・・。」

レイの表情に苦渋の色が浮かぶ。

「お前が本当に好きなのは・・・俺じゃない。」
「何言って・・!」
「お前は気づいてないだけだ。
お前はいつだってアイツを見ていた。アイツだって・・いつも・・・・!」

「待って。アイツって・・・誰だ?」
「・・・・・。言えない。これ以上・・惨めな気持ちにさせないでくれ・・・。」
・・・・・・・・・・・・・。
俺はお前が好きだ。だが・・・・もう・・・・・。」
「待てよ。」

タカオはニッコリと笑った。
今度は先ほどのような儚い涙の笑顔ではない。
力強い笑み。

そして。

バキッ・・・・!

「な・・・・!?」

タカオの右ストレートがレイの頬に直撃していた。
情けない姿で尻餅をついてしまったレイ。

「目、覚めた?」
「・・・・・タカオ・・・?」

「実は俺も気付いてたよ。
お前がそんなふうに思ってるって事。
レイはいつもいつも・・・・一歩引いてたっつーか。そんなんだったから。

俺、ずっと寂しかった。
なんで信じてくんねーんだろう・・って。
俺・・・レイしかいねーのに。なんで・・・って・・・・。」

「レイといると俺、幸せになれるんだ。
レイに抱きしめてもらうと何も考えられなくなる。
嬉しくて、ほんわかと幸せで・・・
でも信じてもらえてないって薄々気づいてたから、幸せだったけど寂しかった。
こんなに大好きなのに・・・・なんで信じてくれないんだよ!!」

タカオは息せき切るように、今まで抑えてきたモヤモヤした気持ちをようやく告白した。
涙を浮かべ、拳を握り締めてまるで怒るがごとく。

「タカオ・・・・。」
「レイが・・・他の人を好きになったのなら・・仕方ない。
でも違うなら・・・俺・・・・・、離れたくない!!」

「タカ・・・オ・・・。」

予想もしなかった展開に呆然とする。
そしてようやくタカオの言う意味を理解して、かすかな喜びが首をもたげるが

「・・・・・・・・・。本当・・・に?本当に・・・俺で・・いいの・・か?」

聞き間違いでなければ・・と願いつつタカオに問いただす。

「レイしか・・・ダメなんだ・・・・レイといたい・・・ずっと・・・・。レイが・・・好きだ・・・・。」
「・・・・・。タカオ・・・・!」

レイはもう一度、心から強く抱きしめた。







ホテルの回転扉から少し離れたところに紅い瞳の少年が一人。
一部始終見ていたカイが自嘲気味に笑んだ。


修道院の奥まで、カイを連れ戻す為に忍び込んできたタカオ。
今日のバイカル湖でのタカオ。

そうだ・・・・。

いつもタカオを見てるとイライラした。
その前向きで能天気な様子が腹立たしかった。
にもかかわらず何故かいつも目の端で追っていて。

その訳に、今日ようやく気づいたというのに・・・・・・。

せめてもう少し早く気づいていたら・・・・・。
詮無い事を一瞬考える。

・・・・・・。
馬鹿馬鹿しい・・・・今更、だ。


そのまま立ち去ろうと思ったが

「・・・・。たまにはお節介も悪くない、か。
それにその方がいっそ・・・・・。」

断ち切れる─────。




カイは一度ホテル内へと戻って行った。
そして。








「・・・馬鹿が・・・。」

抱き合っていたら突然声をかけられて慌てて離れる二人。

「カイ??」
「痴話げんかは犬も食わんとは、よく言ったものだ。」
「・・・・。」
「いつまでそんな所にいる気だ?風邪でもひかれたらバトルに響く。」
「あ、ああ・・・。」

おずおずとホテルへと戻ってくるレイとタカオ。
カイの前を通り過ぎようとした、その時だった。

「レイ。」
「?」
なにやらカードのような物をヒュッ・・と投げられた。

「祝いだ。受け取れ。」

そのカードを見て、真っ赤になって慌てるレイ。

「カ、カイッ!」

カイは既に歩き始めていた。

「ヤツラには適当に言っておく。上手くやれよ?」

振り向き意味ありげにニッと笑むカイに、真っ赤になって硬直するレイ。
カイはそのままホテル内へと戻ってしまった。


その後姿を眺め、レイは心の中で頭を下げた。

ありがとう・・・・カイ。




「レイ。それ、なんだ?」

レイはタカオの手をしっかりと握り締めた。

「タカオ・・・・。行こう。」
「・・・?お、おう・・。」



レイに連れて行かれたのはBBAチームに割り当てられた部屋とは全く別の部屋のドアだった。
カイに渡されたのは、どうやらその部屋のカードキー。


「レ・・レイ?」
戸惑うタカオには答えず、カードキーを差し込む。
ロック解除されたドアを開け、レイはタカオの手を引き部屋に入った。

パタン・・・。

ドアが閉まると同時にロックがかかる。

「レイ・・・この部屋・・・・。」
「タカオ。」
手を握り締めたままタカオを見つめる。
その真摯な瞳には有無を言わせない何かがあった。

「・・・・。タカオ、俺は今からお前を抱く。」
「・・・・・?」
タカオには意味が分からなかった。
「抱く・・・って、いつも抱きしめてくれるじゃないか。」

レイはちょっと困ったように笑った。
「それとは違う。」
「・・・??」

レイはタカオの手を引いた。
「おいで。」

行く手には大きなダブルベッド。
そこに未だよく分かっていない表情のタカオを座らせた。

「タカオ・・・。」
レイが優しく抱きしめる。
それに安心したのか、タカオもレイの背に腕を回した。

そして唇付け。
いつものパターンだ。

だが・・・・・。

「・・・・ン・・・・ふぁ・・ッ・・・!」

舌が・・。
タカオの口内にレイの舌が侵入していた。
タカオの舌の形を確かめるようにゆっくりと触れ、絡め、這い回っていた。

いつものレイじゃない。
いつもは唇を触れ合わせるだけのキス。
でもこれは・・・・・。

タカオははじめての深いキスに戸惑いを感じる反面
レイの舌の感触に、どこか麻痺していくような感覚を覚えた。
甘くて、痺れるような・・・・そんな感覚。
口内で水音が響いて、気が遠くなる。

ようやく唇が開放された時にはタカオはベッドに押し倒されて
それにレイが覆いかぶさるような格好となっていた。

「タカオ・・・・愛して・・いる・・・・・。
お前を、俺のものにしたい・・・・・・・・。」

タカオだけを見つめる美麗な金色の瞳。既に細い瞳孔。

「レ・・・・・あっ!」

返事をする間もあればこそ。
レイは額に瞼に頬に、唇を落とし
耳朶を甘噛みされて耳に直接「タカオ・・」と吹き込まれて
タカオは体中が熱くなるのを抑えることができない。

そうこうする間に気づけばレイの手はタカオのTシャツを捲り上げている。

「レイ・・!待っ・・・俺・・・・!」
ようやく「抱く」の意味が分かったタカオが待ったをかけるが
レイは長い間「おあずけ」をくらった虎のごとく、どこか鬼気迫る状態で

「ダメだ、タカオ。もう、充分すぎるほど待った。」
熱の篭った声で囁き、胸の飾りを吸い上げた。

「あ、・・・・あああっ・・・!!」
もう片方の飾りは指でなぞられて粟立つような痺れが全身に広がる。
何の覚悟もなかった上のはじめての愛撫に、タカオの頭は既に真っ白になっていた。

一方レイは。
感動していた。

こんなにも初心(うぶ)で素直に感じてくれるとは。

両思いとはいえ、今まで心に引っかかるものがあったため
「待たされた」というよりは踏み込む事ができなかった。
タカオを大切にしたいという思いも勿論あったが、それだけではない不安があった。
それもつい先ごろ解消されて現在に至る。

もう・・・・レイの心に迷いはなかった。

散々胸を味わいつくすとレイは頭を少し下へとずらす。
タカオはやっと終ったのか?と安堵するもつかの間、
レイはタカオのベルトのバックルをカチャカチャと外しズボンを下着ごと引き摺り下ろすと
タカオの小ぶりなそれをいきなり咥えこんだ。

「な、なに・・・・!ああ・・・っ・・・っつ!!」
予想だにしない事態に言葉にならない。
そんな所を口に含まれるなどとは。

「ああ・・っ!レイ・・・!」
羞恥を感じる思考とは裏腹に
レイの与えてくれる刺激に素直に悦びを感じるタカオがいた。
自分で故意に触れることもなかったそこを
レイが今、舌を絡め、吸い上げている。
その異常な事態からの興奮と
はじめて感じるそこから駆け巡るような快楽に抵抗することができない。

「っ・・・!もッ・・・!!」
そしていとも簡単に・・・・。

レイは喉を鳴らし、それを飲み込んでしまった。

「・・・・・。美味い。タカオの味がする。」

荒い息で胸が上下する。
完全に頭の中が真っ白に飛んでしまって
タカオはレイの行為や言葉を、どこか人事のように遠くで聞いた。

だがまだ終わりではない。
意識が朦朧としたタカオの両足を、今度は胸につくほどに持ち上げた。
そして後ろの蕾に唇を押し当てる。

さすがに驚いたタカオが声をあげた。
「なっ!何する気だ!?」

「・・・準備だ。タカオを傷つけたくない。」
「準備って何の・・・・ふぁっ!!」

そこを愛おしげに見つめていたレイは、ゆっくりと唾液を送り込み舌を少しづつ押し込んで。

「うわぁッ!レイ・・!やめ・・ろ・・・・・汚い!」
「そんな事はない。綺麗だ・・・とても・・・・・。」

うっとりと断言するレイは、それを止めようとはしない。
中が充分潤った頃、レイは指を一本ゆっくりと押し入れた。
タカオが声にならない悲鳴をあげる。

じっとりと温かく締め付けるタカオの中。
もうすぐここが自分のものを包み込んでくれるのだ。

そして中の壁を掻き分けながらある場所へと指を進める。

「タカオ、ココ、どうだ?」
「ひ・・うっ!!」
聞くまでもなくタカオの体が大きく波打った。
レイは安堵の溜息をつき、そこばかりを攻め始める。

「レ・・レイ!そこ・・・・ダメ・・・おかしく、なる・・・!」
苦しさと内から蠢く疼きの狭間で、息絶え絶えにタカオが訴えるが
「そうか?でもここはもっと、って言ってるぞ?」
そう言ってわざと水音を響かせる。
「それに、よく慣らしておかないと、後で辛いのはタカオだからな。」
「慣らす・・・って・・・あっ!まだ、なんかッ・・・すんのか・・・・?」

レイはそれには答えずタカオの前も握り締めた。
内と外から、まるで電流が駆け巡るようななんとも言えない気持ちよさ。
タカオの中にはレイの指が既に3本暴れ狂っており
それらは的確にタカオの良い所ばかりを引っ掻いた。

たまらない・・・。
このままではまた・・・・・とタカオが焦り始めた頃、レイは無常にも指を引き抜いた。
タカオは虚ろながら、直前でやめられてしまった事に半分不満げにレイを見た。

「・・・そんな顔をするな。もっといいものをあげるから・・・・・。」
そういって前を寛げる。
タカオはその猛り狂ったレイのものを目の当たりにし、言葉を失った。

「まさか・・・・・。」
「そうだ。ようやくお前と一つになれる。」
感無量、とでもいうように微笑むレイ。
だが、タカオにとっては恐怖以外の何者でもない。

散々「慣らした」その場所に、あれを?
・・・・・・・入るのか?あんなにデカイもん!!

タカオは後ずさりを始めた。
それを感じたレイがタカオを優しく抱きしめる。

「大丈夫だ、タカオ。充分慣らした。
無理のないように、ゆっくりするから・・・・・・。」
そして触れるだけの唇付けをする。
それだけであたたかな幸せを感じてしまい、不安もすこし和らいだ。

レイは自らをタカオの蕾に押し当てる。
覚悟はいいな?とでも言うようにタカオと視線を交し合って。
タカオが頷くと、ゆっくりと・・・・・・。

「うっ・・・・ああ・・・あああっ!!」
「タカオ・・・・タカオ・・・・・!」

レイが通り過ぎていく、その感覚。
痛みはあるものの、何故か幸せなその感覚。

「ああっ・・・!レイッ!!」
レイの背に腕を回した。
「タカオ・・・・大丈夫か?」
全てを収めたレイが問う。

「ぅ・・・ン・・・だいじょう・・・・ぶ・・・・・。レイ・・は・・・?」
今まで空白であったそこを、いっぱいにレイで満たされて
痛みは勿論あったものの表現しきれないほどの充足感をタカオは感じていた。

今、レイはタカオを信じ、愛してくれている。
そしてそれはタカオも同じ。
それが痛みよりも何よりも嬉しくて。

レイも幸せそうに微笑んだ。
「俺は・・・最高の気分だ。
待った・・・・この時を・・・・絶対こんな時は来ないと思っていた・・・・。
タカオ、愛してる・・・・・。」
「レ・・・・。」
今度は深い唇付けを交わしあった。
ゆるゆると絡み合わせる舌。それと共にゆっくりと腰の動きを開始する。
慣らしたとはいえ、大きすぎるレイのそれ。
緩やかな動きとはいえ指とは比べきれないほどの刺激をもたらされ、タカオは思わず唇を離す。

「あ・・・ああっ!!」
タカオが顔を歪ませる。

その歪んだ顔も、声も、そして動くほどに温かく締め付けるそこも
何もかもが愛しくてたまらない。

「タカオッ!!」

ゆっくり・・と言いながらも、さすがのレイも本能には逆らえない。
徐々に激しく腰を動かしていき、気づけば縦横無尽に荒れ狂うレイのそれ。
先ほど見つけたタカオが感じるポイントめがけて。

俺の・・・タカオ・・・・・・。
俺だけの・・・・・・・・・・・。

はじめて心から誰かを好きになった。
その相手と今こうして結ばれて、レイは叫んでしまいたいほどの歓喜に震えていた。

正直な所、誰かと体を繋ぎ合わせるのはこれが初めてではない。
だが、今までとは比べ物にならないほどの新鮮な感動を味わっていた。

「レイ!レイ・・・・!!もッ!ダメ・・・・!俺・・・・!!」

先ほどの「慣らし」で寸前までいっていたタカオだ。
その状態でレイのそれに暴れ回られたら無理はないだろう。
レイはもう少しタカオの中を味わっていたかったので、少々残念に思ったが
初めてで、しかも試合も近い。無理はさせられないと自らに言い聞かせる。

「わかった。じゃ、いくぞ?」

さらに激しく早く打ち込んだ。

「レイ!レイ・・っ!!待っ・・・!激し・・・すぎ・・・あっ・・・ああ・・・あああっ・・!!」
タカオがレイを待たずして精を放ってしまった。

だがレイはまだ打ち込み続ける。
強く、激しく・・・・・今までの想いをぶち込むように・・・・。

タカオ・・・・タカオ・・・・・タカオ・・・・・!

達してしまったばかりのタカオのソコに未だ打ち込まれ
敏感すぎて訳が分からず、たまらない。
思わずレイの背に爪を立てた。

「レイ・・・・・っ!!」

それに多少の痛みを感じながらも攻め続け、そしてようやく。

「ッツ・・・!タカオ・・・・・・・・ッ!」

最後にもう一度、愛しい人の名前を呼んで
強く、強く抱きしめあった。


















全てを終え、今はすやすやと安らかに眠るタカオの顔を
幸せそうにレイは見つめていた。

長い、長い間勝手な思い込みをしていた。
にもかかわらず、今夜必死で受け入れてくれたタカオ。

ありがとう・・・。

愛しくて、愛しくて。
世界中の誰よりも、愛しくて─────。

レイはその頬に唇を落とした。





この満ち足りた想いの反面、レイは思う。

今回のことで周りに迷惑をかけてしまった。
カイにも・・・迷惑をかけた。


俺はまだまだ・・・・・弱い。
心が──────。

でも、タカオが傍にいてくれたなら・・・・・強くなれる。きっと・・・・。

俺はタカオを守りたい。
そのためにも、あんな陰謀を平然とやってのけるロシアチームには負けられない。

絶対に。




レイはタカオをそっと抱きしめると、意識を手放した。














余談。

カイは不器用である。
特に色恋沙汰には全く縁がなかっただけに。

「適当に言っておく。」といいながらもその「適当」が本当に「適当」で。
下手な言い訳をしていると、一瞬にしてキョウジュらにバレてしまった。

翌日、やけにスッキリした表情をしたレイと
すっかり憔悴しきってしまったタカオがBBAの部屋に戻った時
彼等を待っていたのは・・・・・・・・・・。


ご想像にお任せしますv。
















end



裏ベイ部屋へ


レイタカ初Hですv。
これも長い間放置状態で行き詰まっていました。
もう、これ以上どうにもならないと悟り、上げてしまいました。
レイタカの場合、レイはとことんタカオに優しいと思っています。
そしてお初はロシアで・・と随分前から思っていました。
そして悲恋のカイも書きたかったんですが・・・・玉砕です(涙)。
でもまあ、一応形にできてホッとしています。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
(2007.11.27)







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