どうしても手に入らぬのなら
いっそ、この手で─────────。




















ベイブレード世界大会が終わり
先日、ロシアから帰国した。

今日は帰国以来はじめて
白虎族の村へ取り合えず戻ったレイを除く
BBAチームのメンバーが集まり、久し振りにバトル三昧の一日を過ごた。
皆、何処か清々しい笑顔をしていた。


その帰り道の出来事だった───。



俺はカイと歩いていたんだ。
本当に他愛のない話をしながら。

知り合ったばかりの頃なら
俺たちが他愛のない話をすること自体、ありえない事だったろう。


俺は本当に、いい気分だったんだ。
今日の抜けるような青空のように。

カイも同じ気持ちだと・・・・・俺は信じ込んでいた。




なのに─────。



突然、カイの態度が豹変した。













「ちょっ・・・!カイ!何すんだよッ!?」
「イテテ・・・・。カイ!放せって・・・おい!」



すぐ傍にあった廃墟の階段を、まるで引きずられるように上り、奥の一室へ。

カイは乱暴にタカオを古いソファーへ叩きつけると同時に
薄汚れた部屋のドアの鍵を掛けた。

カチャッ・・・・。


不気味に響く、鍵のかかった音。
タカオは横たわった状態で視線だけをカイに向けた。
叩きつけられた衝撃がまだ体中に響いている。

「いてて・・・。」

そこで目にしたのは
見たこともないような、カイの冷酷な紅い瞳。


・・・・。


タカオは言葉を失った。



いつものように話をしていた。
カイもいつもどおりだった。
俺はみんなに会えてよかった・・・・って・・・・・・。







「・・・カイ?」
カイを怒らせた覚えなどなかったが
いつもとは全く異なる・・・・
そう、まるでシェルキラーの頃に戻ってしまったかのようなカイの様子に
タカオはさすがに恐怖を感じ始めていた。
そういえばここは、シェルキラーのアジトだった場所。

ギシ・・・・・。
カイがソファーに乗り上げると
そのスプリングが不気味に音を響かせる。

「ど・・どうしちゃったんだよ、カイ・・・。」
後ずさりしようにも、恐怖故か蛇に睨まれた蛙のように身動きができない。
「・・・・。」
その無言が今は恐ろしい。
「カイ?」
「・・・うるさい。」
「俺、なんか怒らせるような事・・・・。」
「黙れ!!」
ビクッ・・・!タカオは縮み上がった。

カイはタカオに馬乗りになる。

「木ノ宮。」

殴られる・・・・!
無意識にそう思った。
体勢に分がなさすぎる。このままではボコボコに・・・・。

カイが微かに動いたその時
タカオはギュッと目を閉じ、両腕で顔や頭を庇った。
だが、なかなかその一撃がこない。

「?」
不思議に思って少しだけ目を開いてみたら、カイの顔がかなり近づいてきていて・・・・・。
な・・・?なんだ??
と思っているうちに。

唇に柔らかな弾力のある、暖かいものが───。


一体・・・・
何が・・・どうなって────??


何がなんだか分からぬうちに
今度は生暖かいものが口の中に入り込み口内を這い回っていて。

それがカイの舌だとようやく認識した時
タカオは殆ど無意識に、思い切りカイを突き飛ばしていた。

ソファーから転落し、情けない姿で倒れるカイ。
だがすぐに体勢を立て直し口元を手の甲で拭いながら

「フッ・・・。上等だ。」

怒りに輝く紅い瞳でニヤリを笑う。

身の危険を感じ、逃げようと思った時にはカイは再びタカオの体を押さえ込んでいた。
そして自らのマフラーでタカオの両手を縛り上げると
ソファーの手すりの部分に括りつけてしまった。

「な・・・・!?」
「これでもう逃げられまい。」
クククッ・・・と楽しそうにカイが笑う。

何とかして抜け出そうともがくタカオを
カイは冷たく見下ろし不気味に笑む。

タカオには何がなんだかわからなかった。
理由など、サッパリ心当たりはなかったが、殴られた方がまだ理解できる。
だが、さっきのあれは・・・・。
拘束されて馬乗りにされて
これから自分は何をどうされるのか─────。
全く想像できないだけに、殴られボコボコにされる以上の恐怖を覚えていた。


「・・・怖いか?」
「だっ・・・!だれがっ!!」
「相変わらず威勢だけはいいな。だが、その強がりもどこまでもつか・・・・。」

タカオのTシャツをゆっくりと捲り上げると、淡いピンク色の乳首が顔を出した。
その乳首は既に固くなり、存在を主張していた。
それは感じたからではなく、恐怖で縮み上がった故だとカイにもわかっていたが

「ふふふ・・・どうした?ココ・・・固くなってる・・・・。」
楽しそうに笑いながら指先で撫でた。

「・・・ッツ!・・あ・・・っ!」
「イイのか?これが・・・・?」

イイ?イイ・・って何だ?

タカオは意味が分からず、キョトン・・とした瞳でカイを見上げた。

カイは一瞬苦笑を漏らしたものの、タカオの両の乳首を指で弄るのをやめようとはしない。
はじめて感じる他人からの胸への刺激、
それに反応してしまう自分に理解できないまま悶えるタカオと
冷たく見下ろすカイの表情が実に対照的だ。

「ふん・・。淫乱が・・・・。」
「な!」
さすがにこの言葉は自分を侮辱すものだと理解する。
目を見開き怒りを顕わにするが、カイに舌で胸を弄られて
また身を捩じらせ鳴く羽目となった。


「なんでっ!なんでこんな事すんだよ!!
言いたい事があったらハッキリ言ったらどうだッ!!
なんでこんな嫌がらせみたいな・・・殴られた方がよっぽどマシだってーの!!
お前、一体何考えて・・・・あ・・ああっ!!」

カイはズボン越しにタカオの中心を握りこんだ。
ソコに痺れるような、甘い衝撃が走る。

「うるさい・・・。」
「カイ!!」
「・・・・もう一度だけ言う。───黙れ。」

静かだが、その異様な迫力に飲まれてしまって
どう考えてもタカオの言い分のほうが正当な筈なのに、逆らえない。

タカオが黙ると
カイはそのままタカオのベルトを外し、ズボンを下着ごと引き摺り下ろしてしまった。


「いやだ・・・やめ・・・っ!」

タカオは必死に足を閉じるが拘束された身では無駄な抵抗というものだ。
なんなくカイの手によってその足を大きく開かれる。

男同士なのだから別に見られても恥ずかしいことはないんだ・・・!
と自らに必死に言い聞かせるものの。

こんな異常な状態で

見てる・・・カイが・・・俺の・・アソコを・・・・。


タカオは羞恥のあまり、おかしくなってしまいそうだ。
「み、見るな・・ッ!」

くくくっ・・・・とカイが笑う。
「そう言うわりには随分自己主張しているようだが?」

カイは楽しそうに指先だけでさわっ・・・と軽く触れると
「ああ・・・ああああっ・・・・!」
タカオのそれがビクビクッ・・と震えた。

「ふふ・・素直なものだな。こういうのははじめてか?」
「な・・・に・・・言って・・・。」
「これから何をするか。いくらお前でも知識くらいはあるだろう?」

ようやく────。

タカオは表情を歪ませた。


そうだ。これはもしかして授業でちょっとだけ聞いた・・・。
友達がニヤニヤして話してた・・・。
授業中はいつも寝てたし、そんな話よりもベイの方が楽しかったから
あんまり聞いてなかったけど・・・。

でもそれは、大人になってから・・・。
いや、そんなことより
それは女とするモンで男同士でするモノじゃ・・・ないはず・・・・・。




くくくくっ・・・
カイが笑う。

「ようやく今の状況が飲み込めたようだな、木ノ宮?」

それはまるで処刑宣告のようにタカオの耳に響き渡った。
























俺は・・・
俺は何をしている・・・・・?







タカオの小ぶりなそれは既に甘い蜜を零していた。

ちゅ・・と吸ってやると

「や・・・やぁ・・・・っ!」

タカオが身を捻らせて悶える。

「ふふ・・そんなにイイか?」
揶揄するように言うと

「違ッ・・!やめッ・・・!」

恐らくはじめての快楽と理性との狭間で葛藤しているのだろう。

フフ・・フフフフ・・・・。

自然と笑みがこぼれる。
さあ、次はどうしてやろうか。

タカオのそれを口いっぱいに含みながら舌を這わせると
タカオは足をジタバタさせて暴れるものの
手首を拘束されているので然したる抵抗もできない。

「あ・・ああ・・っ!!も、やめ・・・ああっ!!」

口内のタカオが質量を増した。時折ビクッと震える。

そろそろか・・・・。

「カイッ・・!やめ・・どいて・・・!
なんか・・・も、漏れ・・・る・・・・ッ!!・・・どけッたら・・・、カイッ!!」

タカオは必死だ。
この様子だと出すのははじめてらしい。
ますます湧き上がる征服欲。

最後にひときわ丁寧に吸い上げてやった。

「バカ・・・!やめろっ・・・・・も、・・あ、あ・・・・あ・・・・・〜〜〜〜〜ッ!!!!」


それを迷わず飲み込みニヤリと笑う俺と
まるで第三者のように、どこか遠くから見つめる俺。



俺は・・・・。
一体、何を・・・やっているんだ・・・・・・・。




タカオは殆ど放心状態で、まだ荒く息をしている。
はじめて絶頂というモノを経験した、タカオ。
この・・俺の手で。舌で。


タカオの息が整う間もなく指を一本
奥の蕾へ、ゆっくりと・・・・押し込んでいった。

タカオが悲鳴を上げる。



止まらない・・・・・。
止められない・・・・・・・・。


丁寧に壁を辿りながら中の秘所を探す。
タカオの表情を観察しながら、ゆっくりと擦り回し・・。

そしてとある場所へ辿り着くと、タカオの体はビクビクビクッと波打った。

「・・・ここか。」

そしてソコを重点的に攻め始める。
タカオの表情に艶が現れ、それにも精力が漲り始めた。






俺は・・・何を・・・・・。









出口がない地獄。
そこへ差し込んだ一筋の光。

バイカル湖で救い上げられたのは肉体だけではない。




・・・・・・・・こんな想いは

封印すべきなのだ。





なのに一体何を・・・・・?




「カイ・・・ああ・・・っ!カ・・・ィ・・・・・・!!」

暴れすぎたためか手首が痛そうだったので
拘束していたマフラーを解いてやった。
だが、それにすら気づいた様子もない。

はじめてイかされ、はじめて内から攻められて2度目の限界も近い。
思考能力も理性も、今は残っていまい。

快楽に歪んだタカオの顔。



清浄なるものを俺が汚している。
この、俺が・・・・。







タカオと出会えた事で全てが変わった。
タカオがいなければ俺は・・・
今もバイカル湖の底に沈んでいたかもしれない。




指を秘所から引き抜き
代わりに自らを宛がう。







俺は・・・タカオが・・・・・・ほしい。
タカオという光が。
清い魂が。

何もいらない。
タカオ、お前だけが・・・・・・!





どうしても手に入らぬのなら



いつか誰かのものになってしまうのなら






今いっそ、この手で─────────。















「ぐっ・・は、ぁ・・・・・・ッ!!」


タカオの瞳が痛みと衝撃に見開いた。



















カイ!

・・・カイ!









痛てー・・・・

なんて痛さだ・・・・ったく!





────・・・・カ・・・・イ・・・・!!













打ちつけられる度に

体と
そして内側に

すっげー響く。










わかんねー。
これが噂のアレだってーのはわかったけど・・・・。

そんなことより
なんで・・・・カイが・・・・・こんなこと・・・・・・・。

薄く瞳を開けると
部屋には夕日が差し込んでいた。



ぐちゅっ!ぐちゃ・・・っ!

アソコから聞こえる濡れた音を聞きながら
もうそんな時間だったんだ、と場違いな考えが頭を過ぎる。



そして
不思議な事に。

あんなに・・・ただ、痛かっただけだったのに
それがだんだん
違った感覚に変わってきたんだ。



カイ・・・・。







カイがぶち込むたびに
今までの事が、まるでスライドショーのように思い出された。

はじめて出会った時。
日本大会。

無茶苦茶イヤな奴で憎たらしくて。
無茶苦茶強くて。

中国大会、アメリカ大会、そしてヨーロッパを渡り歩いて。



カイがぶち込む、その衝撃と刺激で
思考がかき乱されて、遠のいていく。



無茶苦茶イヤな奴で冷たい奴だと・・・最初は思った。

でも違う・・・・全然、違った・・・・・・・。





カイは─────。








ぐじゅっ!!


「あっ・・・・ああ・・・〜〜〜ッ!」
「どうした?もう、ヨくなってきたのか?」

もう、とっくにソコは、痺れるような甘い・・・
居ても立ってもいられないような感覚にすりかわっていて
俺は耐えるのに必死で・・・・カイの背に爪を立てた。









ヨーロッパの後は
そう、ロシアだ───。







カイ・・・・

行くな・・・

そんな奴の所へなんか、行くな・・・・・・・。




カイ・・・・・


一緒に、帰ろう─────────!!









色々な場面が浮かんでは消える。

ツンとすましたポーカーフェイス。

後ろで見ていてくれるだけで
更なるパワーが漲ってきて・・・・俺はどんな時も踏ん張れた。

怒ったカイ、呆れるカイ。
厳しいけど真実しか語らない、紅い瞳。


燃え上がる炎のようなバトルをするその様、その背中は崇高で・・・。



そして最近、少しだけ
フッ・・・と
とても綺麗に微笑むようになった、カイ・・・・・。





カイ・・・・。

カイ・・・・・・・・・。



カイ・・カイ・・・カイ・・・・

カイ・・・・・・カイ──────────!!









俺は閉じていた瞳を開けた。

いきなり視界に飛び込んできたのは美しいオレンジ色。

そして動きを止めて俺を見下ろす、カイの顔。



その時、はじめて頬に流れる熱いものに気がついた。





「・・・・・。何故・・泣く。」

「・・・。わかんねー・・・。」



自分でも驚いてるんだ。
聞かれたって・・・・・。


止まらない・・・・・涙が・・・・・。





カイは一瞬怪訝そうな顔をしたが、すぐに動きを再開させた。




















涙など・・・・・・・・・。


ふと思い出した、ロシアでの事。
コイツは俺を連れ戻す為に修道院の奥までやって来た。

その、後────。


たまたま見ていた監視カメラの映像。
木ノ宮の瞳から流れた涙。

そして今まさに流されている、木ノ宮の涙。







急激に虚しさに襲われる。

こんな事をしたからといって
コイツが俺のものになる訳ではない。


木ノ宮は誰にとっても光だ。
俺たちは仲間。みな等しく大切な存在。

皆、平等に・・・・。

あの時の涙は、もう戻って来ない仲間を思ってのもの。
今の涙は・・・・また裏切った俺への・・・。






タカオが俺に手を差し伸べた。

快楽に流されたのか?

唇を重ねる。

こんな形だが、初めてのタカオからの口付け。

不覚にも。
涙が零れ落ちそうになった。


お前にとって俺は、必要不可欠な人間では・・・・ない・・と・・・・・いうのに・・・・・・・。


慌てて必死に理性を保とうと努める。
俺は・・・・またタカオ裏切り、力ずくで強姦している者・・・・・だ。

最後まで気を抜くな!

























ちくしょ〜〜〜!!
カイのヤツ、なんてことしやがんだ〜〜〜!


お前さえこんな事しなければ、俺は気づかずにすんだかもしれないのに。


恨めしい。
カイ、お前が。

こんなの、自分勝手な感情だってわかってるけど!!



俺は気付きたくなんかなかった。
こんな気持ち、気づいたからってどうしろってんだ。

カイ、お前がこんなことさえしなければ!!



涙が溢れる。
この涙は多分嬉し涙。

だって、そうだろ?

生まれてはじめて誰かを好きになって
生まれてはじめて好きな人に・・・抱かれた。
自然に感情が高まって
涙が溢れた────。


でも。

カイは違う。
カイは・・・俺の事、好きだから抱いたんじゃない。

カイはただ、単に・・・・。



馬鹿・・・みてーだ。
はは・・シャレにもなんねー。





目をギュッと閉じると、また涙が幾筋も零れ落ちた。

閉じた瞼の奥にも届くオレンジ色の夕日。

オレンジ色の部屋。
オレンジ色に染まった、俺の上で動くカイの体。
オレンジ色の・・・突き上げられて悶える俺。


そこから響く濡れた音も流れる涙も喘ぎ声も
全て夕焼け色に染められて。




傍にいるのに。
こんなに近くに。

カイの腕の中にいるのに。

気が遠くなるほどに、カイは・・・・・遠い。




腕を伸ばす。
カイの頬に。カイを引き寄せて唇を重ねてみる。

カイ・・・好きだ・・・・。
大好き・・・・・だ・・・・・。


「・・・木ノ・・宮・・?」

カイが腰を動かしながら怪訝そうな顔をした。
でもすぐに自らの快楽を追い求めるカイ。

それでいい。
それで・・・・いいんだ─────。


「あっ・・・!あ・・あああぁぁぁっ・・・・・・!!!」
「・・・・く──・・・・・ッつ!!」






想いが高まると快楽も高まる。
そんなこと、はじめて知った。

うれしくて、哀しくて
大好きで、憎くて
そんな気持ちが高まるとキモチよさがアソコに集まる。


俺は逆らわずに精を放った。
そして、カイも果てた。

想いはバラバラだけど
とにかく・・・・・・果てた───────。
























ギイィィィ・・・・・・・。
古く錆付いたドアを開けると、既に夕日が差し込む時間だった。
その一角に、いつものようにカイが窓から外を眺めていた。

「ちょっと遅くなっちまったぜ。待ったか?」

俺はいつものように話しかけた。
カイはチラリと俺を見たけど、また窓の外に視線を向けて

「何故・・お前はここへ来る。」

表情は見えない。静かで低い、いつものカイの口調。

「わかっちまったんだ。俺、カイが好きだって事を・・・・さ。」

カイの肩がピクッ・・と動いたような気がした。

「なーんてな!へへ・・っ!驚いた?」

「フン、くだらん・・・・。」

「ほーんと、くだんね〜。」

俺はおどけてみせる。
カイに真実を知られたら、きっとこの関係も終わり。
もう、二度と抱いてはくれないだろう。

だから・・・。






「カイってさ、聞いてばっかだな。
じゃ、カイは何で俺とこーいう事スんの?
カイなら相手に困らないんじゃねー?
わざわざ俺なんて相手にしなくても・・・綺麗なご令嬢とかさ。」

俺は歩み寄りながら自らのTシャツを脱ぎ捨てる。

「・・・・・さあな。」
「やっぱあれか?
結婚迫られたら困るってやつ?、なんていっても世界の火渡だし。
その点俺なら何度ヤッても何の問題もないしな〜!」
はははは・・・・!と笑ってみた。

「うるさい。・・・・おしゃべりはそこまでだ。」

カイが俺をソファーに乱暴に押し倒す。

「わーかったよ。せっかち。」

カイも名門私立中学の制服の上着を抜き捨てネクタイを緩めた。

カイが俺を冷たく見下ろす。
蔑むようなその瞳。

カイは、俺を軽蔑してる。


でももう、そんな事はどうだっていい。


冷たい紅い瞳が下りてきて唇が重ねられる。
それははじまりの合図。



薄汚れた部屋がオレンジ色に輝くこの時間。

俺もカイも感情のない、ただのオレンジ色の・・・・・。


触れて、動いて、喘いで・・・・そして果てて────堕ちる。








カイ・・・・愛してる・・・・・・・。











永遠に届く事のない



たった一つの真実。
























end

裏ベイ部屋へ


漫画版の火渡の廃工場のようなものを随分前見つけたんです。
それを見た瞬間、そこで無理やり〜♪
という話を書きたい!と思ってしまって(汗)。
また、私のカイタカはいつもラブラブだったので
たまには片想い、すれ違いの切ないものを書いてみたいな〜と思っていたこともあります。
切な・・・・かった?(恐る恐る・・・・聞くのが怖い・・・)
そんな訳で・・・・ようやく完成した・・・・。
最初の一文を書いてから一体何ヶ月・・・・・・・・。
それでコレか!と言わないで頂けると助かります。

それではここまで読んで下さりありがとうございました!
(2007.5.19)








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