Sadistic IronQueen
シャアの口に何かが咥えられていた。きょときょとと卑屈な目が何かを待って部屋中をうろうろしている。静寂の中を、必死で耳を済ませる。
カツン、カツンとブーツの音がすると、シャアの瞳がぎらぎらと輝きだし、期待で中腰に立ち上がりかけた。じゃら……と音がして、シャアの首につけられた首輪の鎖が音を立てる。
「おや? お前、待てなかったのかい」
声と共に入ってきた女を見て、シャアの瞳が一層欲望にぎらぎらと輝いた。
キシリアが黒皮のボンデージを身にまとい、ガーターベルトにストッキング、先の尖った高いヒールのブーツを履いている。
たわわな胸を窮屈そうに皮の中に収め、細い腰を紐でぎゅっと締め上げている。透き通るような白い肌と、鈍い光沢を放つ黒皮、筋肉質の長い足と豊満な体を持ったシャアの女王様が降りて来たのだ。
美しい長い足と高いヒールのブーツを見て、その足に転がされ踏みつけられたらと思うと、シャアの股間が硬さを増した。
キシリアを見るその表情は、まさに犬のようだった。尻尾があったら間違いなく振っているだろう。剥き出しのシャアの股間が汁を垂らし、むくむくと身を起した。尻尾の代わりに、シャアの動きとともにそれがゆらゆらと卑猥に揺れる。
飼い主に遊び道具を渡す犬のごとく、シャアが嬉しそうに首を振り、駆け寄ってキシリアの足にすがりついた
シャアの金髪を、優しく黒手袋の手が撫でる。シャアが気持ちよさそうにうっとりと目を閉じた。優美な細い指が顎の下を擽り、シャアの口に咥えた黒いもの、重量感のあるナインテイルをそっと取り上げる。
期待に満ちたシャアの顔を、いきなりキシリアが張り飛ばした。バシン! と派手な音がしてシャアの身体はごろごろと転がり、裏切られたという表情でキシリアを見上げる。
唇が切れ、鼻から血がとめどなく出て床を汚した。美しい顔が無残にゆがみ、無様なシャアの様子を見て、キシリアが身をそらして甲高く笑った。
「また遊んであげるよ、キャスバル坊や! 一生忘れられないぐらい叩きのめしてやろう。お前は私の奴隷なんだよ!」
ひゅっと鞭が空気を裂き、ひっと悲鳴を上げて哀れっぽく四つん這いに蹲ったシャアの背を打った。
バシイ! という派手な音がし、シャアが苦痛に芋虫のように転がる。
キシリアは容赦せず、雨のように鞭を食らわせた。ひゅう、ひゅうという空気を裂く音と共に、右に、左に、キシリアが鞭を操るたび、ひぃひぃとうめきながらシャアが身悶えて奇妙なダンスを踊る。泣き喚いて逃げようとする先を鞭で塞がれ、逃げられずに蹲った所をまた打ち据えられる。
傲慢で美しい女王がシャアを支配する。白いシャアの背は鞭打たれてみるみるうちに赤く染まり、キシリアが時折嘲るように高笑いをすると、妙なる音楽を聴いているかのようにうっとりとシャアがその声に聞きほれた。赤い唇からシャアを侮辱する言葉が出るたび、卑屈な瞳に暗い喜びが浮かんだ。
「もう耐えられません。お、お許しください、キシリア様!!」
シャアの悲鳴に鞭が止んだ。シャアに慈悲をかけたのではない。さすがのキシリアも疲れたのだ。
女王は異様に美しかった。燃えるような赤い髪が乱れ、汗で張り付いている。シャアを打ちのめしてサディスティックな快楽に酔った瞳が興奮してきらきらと輝いている。
はあはあと荒い息をつくたび、大きな胸が上下する。胸の谷間をついと汗が一筋伝い、シャアがその汗を舐め取りたくて身悶えた。
もっとシャアを打ちのめしたい。苦痛に転げ回らせて、這いつくばらせたい。高ぶる精神とは反対に、疲れてしまうこの身がもどかしかった。
「許せだと!? 木馬を取り逃がした貴様の失態、許しがたい! 鼻をへし折ってその綺麗な顔を台無しにしてやろうか?」
キシリアのブーツがシャアの顔をぐりぐりと踏みつけた。先ほどの血がまた流れ出し、シャアの顔を汚す。ブーツのつま先をシャアの口の中に突っ込んでやると、息が出来なくて目を白黒するシャアが無様でまた高笑いした。
残酷に目を細め、シャアを満足そうに見ると、びくびくと脈打つシャアの股間の高ぶりに気がついた。赤い唇が左右に釣り上がり、にやぁと笑う。
シャアに見せつけるようにゆっくりとキシリアのブーツがシャアの股間を踏みつけた。だんだんと力を込めてゆく。あ、あ、あ……とシャアが口から涎を垂らして身体を震わせた。悲鳴を上げるほど踏んづけてやろうかとも思ったが、可愛いキャスバル坊やに鞭に耐えた褒美代わりに優しく踏んでやるとする。キシリアの赤い舌が興奮して唇を舐めた。
「ああ、ああ、キシリア様、手の震えが止まりませ……あああっ」
少し力を入れてやるだけで、張り詰めたシャアのものはあっさりと降参した。恍惚とした表情で、シャアが自分の腹の上を白濁液で汚す。
「おや、お前、イったのかい?」
意地の悪い声がシャアの頭上から降ってきた。シャアが芸をする猿のように何度も頷く。
シャアの様子を見て上機嫌だったキシリアの細い眉がふと潜められた。シャアの放った体液が、キシリアのブーツにかかっている。
「綺麗におし」
シャアの目の前にブーツを差し出すと、シャアは戸惑い無くブーツの上に自ら放ったものを舐めだした。赤い舌が皮を舐め、自らの放ったものの臭いと、皮の臭いにまた興奮する。
「キシリア様、鞭でぶってください……」
四つん這いでブーツを舐めながら、上目使いで懇願した。キシリアが軽蔑の眼差しでシャアを見て、大股を開けてしゃがみこむ。
「下種が! 私に叩かれて嬉しいのか? お前の親の敵にひぃひぃ言わされて悔しくは無いのか? お前は変態だ。生きる価値の無いクズなんだよ。そのお前を拾ってやったんだから、私に感謝おし!」
シャアのすぐ前に、ぐっしょりと濡れたキシリアの股間がある。M字に大きく股を開き、むっちりとした白い太股の間のそこを舐めたいという衝動が押さえきれず、飛び掛ってむしゃぶりつく。じゃらじゃらと金属質の不愉快な鎖の音が部屋に響いた。
「あっ!」
シャアに飛び掛られ体勢を崩し、キシリアがしりもちをついた。薄い布の上から犬のようにキシリアの股間をべろべろ舐めながら、先ほど絶頂を迎えたばかりのシャアの股間がまたむくむくと勢いを取り戻している。
唾液と愛液でべちょべちょになった黒の布地の隙間から顔を突っ込む。鮮やかなピンク色のそこを舐めまわし、じゅるじゅると蜜を吸う。太股まで舌を這わせ、舐めまわすと、キシリアが切なげな表情で喘いだ。片手で自分の乳房を揉みしだきながら、もう一方の手で自らを獣のように貪るシャアの頭を押さえつけ、絶頂に身体をひくつかせる。仰け反った白い喉がエロティックだった。
「キシリア様、復讐なんてどうでもいい。私には貴女さえ居れば。キシリア様キシリア様キシリア様ぁ」
狂ったようにキシリアの股間に頭を押し付け、唇だけでなく、鼻も突っ込み、顔全体をぐいぐいと擦りつけてくるシャアを激痛が襲った。
「女王である私に気安く触れるな! 蛆虫が」
シャアを思いっきり蹴飛ばしたキシリアが、ゆらりと立ち上がる。
「キシリア様、あれを飲ませてください、とても喉が渇いているんです、キシリア様ぁ!!」
涙と唾液と、キシリアの蜜で顔をぐしゃぐしゃにし、惨めな姿でシャアが懇願すると、シャアの不幸になど何の興味も無いという風に冷たい顔をしたキシリアがふんと鼻で笑った。
「可愛そうだけれどね、お前にはまだそれはあげられません。他に欲しいものがあるだろう? 言ってご覧」
「で、ではお仕置きをして下さい、キシリア様。木馬を取り逃がしたシャアの尻にお仕置きをしてください」
キシリアの問いにシャアが必死になってそう答えると、キシリアが張子を取り出した。シャアの股間に有るのと同じ形のそれを見ると、シャアの尻がずくんと疼いた。それが欲しい、それを下さいと這いつくばって懇願し、それを身に着けたキシリアが、シャアのかつては美しかった、今は薄汚れた金髪を掴み、ぐいと自らの股間にある張子にシャアの顔を近づけさせる。
「お舐め。お前の尻にぶち込んであげましょう」
奴隷の目をしたシャアの舌が、それに這わされる。キシリアの股間に生えた男の象徴をしゃぶるりながら、期待で股間が限界まで張り詰めている。
数分後、シャアの苦痛とも快楽ともつかぬ絶叫が部屋中を満たした。
終