Spirit








「美しいな」

 ケロロ小隊大型兵器庫に格納された戦闘機を見上げ、ギロロがため息とともにつぶやいた。

 愛称をスピリット・オブ・ケロンというそれは、エンジンを三基搭載し、地形追随レーダーを完備、低速低空、全天候、夜間、ジャミング下でも飛行することができる。

 自由落下式戦術核爆弾をはじめ、核弾頭巡航ミサイル、クラスター爆弾、地雷散布爆弾ほか、全方位誘導ミサイル妨害装置を持ち、特に対地の攻撃に重点を置き抜群の威力を発する。

 しかも、ケロンの最新科学力をつぎ込んだこの機は、クルルの開発した兵装システムにより、飛行から攻撃まで一人で行うことができる。

 左右に備え付けられた自由に動くアームが独特のデザインをしており、左は丸い盾を装備し、右は無骨なペンチのようなものを備えている。

 下手するとこれ一機で地球侵略もやり遂げてしまいそうだ。

 ポコペンにある、いや、ケロン本国にあるものと比べても最高の空戦能力を誇るこの機体を、ギロロはまるで恋人を見るような熱い目で見上げた。

 こんなもので飛び出せば、敵性宇宙人と全面戦争突入間違いなしの代物であり、おそらくは一度も使われぬまま格納庫にとどまっているのではないかと思われたが、ギロロにはそんなことは関係ない。

「オッサンがわざわざ嫌いな俺のところまでこれを見に来るなんてよ、よっぽど武器やら兵器やらが好きなんだな」

 クルルが子供のようなきらきらした目で戦闘機を見るギロロをからかうようにそう言うと、ギロロがちらりと視線をクルルに投げかけた。

「前から貴様のその間違いを訂正しようと思っていたのだが……」

「クル?」

「俺は別に貴様のことが嫌いなわけじゃない。合わん奴だとは思うが」

 言いながら愛しそうに機体を撫でるギロロの手の動きをクルルが目で追った。


 破壊するために進化し、機能性をとことんまで追求した金属の塊は、無骨さと優美さを兼ね備え、ギロロを魅了する。

 最強の戦闘機を与えられる事は、軍人の誉れ。

 そのギロロの興奮がクルルに伝染し、くくっと喉を鳴らしてクルルが笑う。


 ここまでアンタ悦ばせてやれる奴は、俺以外にいないだろ?


 湧き上がる満足感に、ク〜ックックックと陰気な笑い声をもらした。


「素晴らしい機だ」

 ギロロが機体を見上げならが思わず言葉を漏らす。

 ハードポイントを減らさずに燃料搭載量を増やす。エンジン推力だけで垂直に飛行できる。など、細かなところまで考え抜かれた設計がギロロをしびれさせた。

「こんな……綺麗な物を作れる奴を嫌いにはなれないだろう?」

 うっとりとした声でそう言ったギロロが、機体に手を触れたままクルルを正面から見据える。

「貴様の魂、確かに受け取ったぞ」


 興奮に濡れたギロロの目に射抜かれ、ズキっとクルルの中で何かが疼く。

 満足げな笑いが、思わず途切れた。


 ツ……とギロロの手が機体を撫でると、ゾクッと肌が粟立つ。

 まるで、ギロロの手に自分が触れられているみたいに。


 ある意味そうかもしれない。設計から製造までをすべてクルルが行った機体は、クルルの分身とも言える。


「本当に……、美しいな」

 恍惚とした表情で、ギロロが機体にキスをした。

 ギロロの手が直接クルルのスピリットに触れ、そして口付けるのを感じ、ぞくぞくと快感が背を這い登る。

「く……」

 低いかすれた声が思わずクルルから漏れた。色っぽいあえぎは、幸いギロロの耳には届いていないらしく、ギロロは目を閉じ何度も機に口付ける。


 心の底から愛しそうに。


 それだけで俺をイかせるつもりか、このオッサンは……。

 そう思ってクルルがぶるっと体を震わせるが、戦闘機を見上げるのに夢中なギロロは気がついていない。

 その隙にクルルがなんとか息を整え、平常心を保つ。


 俺にもそのくらいしろよなぁ……。

 胸に不満を隠しながら、クルルがため息をついた。

「中、見てみるかい?」

 ギロロの顔を模したコクピットを指差しながらクルルが言うと、ギロロが嬉しそうに頷いた。

「ああ、頼む」

 クルルの内心を知らず、うきうきと浮かれた声を出すギロロに、クルルが分厚いメガネの後ろから不穏な視線を投げかける。

 クルルがボタンを操作すると、コクピットまでパイロットを運ぶワイヤーが降りてくる。

「つかまれ」

 ギロロが言葉とともにワイヤーに付けられた取っ手を手にし、空いたほうの手でクルルの腰を引き寄せた。

「了解」

 クルルがそう言って、おとなしくギロロに体を預ける。クルルも片手でギロロにしがみつき、片手で取っ手をつかむ。


 抱き合って密着した体から、お互いの体温の違いを感じる。


 ギロロの体温の高さに、クルルはふとベッドでのギロロを思い出す。

 思い切り乱れさせたときに、きついほど抱きしめたギロロの体。

 

 オッサンは覚えちゃいないだろうがね。

 

 クルルがそう思うと、まるでクルルの内心を見透かしたようにギロロが呟いた。

「体温が低いな」

 唐突にポツリと呟いたギロロの言葉に、ドキッとした。


 俺と同じ事考えてたのかい……? 

 ウィンチが巻き上がる。減らず口もたたかず、二人はぴったりとくっ付いたまま無言で上昇した。


 数秒後、二人はコクピットに降りる。


 ギロロが目を輝かせてコクピットを覗き込む。その無防備な背中をクルルがいきなり突き飛ばした。

「うわっ、何をする!」

 コクピットに転げ落ちたギロロが怒った声を上げてクルルを振り返ると、クルルは吐息がかかりそうなほどギロロの近くに居た。それにまた驚いて目を見開いている隙に、座席シートに力づくで押し付けられ、唇を奪われる。

「んむっ」

 クルルは強引にギロロの唇をこじ開け、舌をねじ込む。

 クルルの力など、ギロロからすれば簡単に跳ね除ける事ができるはずだ。

 だが、ギロロはしない。いや、できない。

 骨の髄まで、クルルのキスは気持ち良いということを教え込まれている。体が勝手にクルルを求め、抵抗する力をなくす。


 くそっ!


 心の中で誰にともなく毒付くが、すぐに快感が蜘蛛の糸のようにギロロの体と心に張り巡らされ、操られるようにクルルの舌に答える。


 なぜ苛立たしいのかは分かっている。

 クルルを付け入らせるのは、自分に隙があるからだ。

 しかもその隙を、自分でわざと作っている節がある。

 これがクルルでなければ、すぐにでも殴り倒すのに。

 ギロロの複雑な思いが、快感に溶けてゆく。


 クルルと自分はあまりにも違いすぎる。考え方も、感じ方も、生き方も、なにもかも。

 犬猿の仲だと言われ、自分でもそう思う。

 だが、言い争いをしている中にある、ほんの少しの甘さ、フェイク、本心。若い猫がじゃれついてくるように、クルルは自分にちょっかいを出す、顔をしかめながら、心の中ではクルルが自分との戦いを楽しんでいるのが分かる。

 研ぎ澄まされた感性と才能、不可能を可能にする実力。その実力に裏打ちされた傲慢さ。

 ギロロは、この嫌な奴で陰気で陰険で天才な年若い上官を嫌う事ができない。


 それは、クルルが。

 どこか自分に甘えているような気がするから。









 舌に噛み付かれても、その時はその時だ。


 クルルのほうはそう思ってギロロに強引なキスを仕掛けたのだが、ギロロはクルルが絡ませてきた舌に答えてくる。


 ……律儀なオッサン。


 これまでの教育の賜物か、クルルの強引なキスを受け入れたギロロに、腹立たしいような、嬉しいような、複雑な気分になる。


 アンタそんなんだから俺に付けこまれんだぜぇ。

 キスしている間は、ギロロは無防備だ。キスには答えるもの、集中するものだと教え込んでいる。

 体力ではとうていクルルはギロロにかなわない。ギロロが本気で抵抗すれば、クルルなど相手にならない。


 自分より強い相手を組み伏せて支配する。それに快感を感じる。

 最初はそう思っていた。オッサンを手に入れたと

 だが。

 ギロロを乱れさせ、有頂天になっていたクルルの顔に、ギロロが荒い息をつきながらそっと触れた時。

 その暖かく、優しい感触にクルルは理解した。


 俺はオッサンを支配なんかできちゃぁいない。

 あの手この手で、オッサンを掠め取ってるだけだ。

 アンタはなぜ、俺がアンタを泥棒みたいに掠め取るのを許す?


 ギロロが抵抗しないその隙に、クルルはギロロの体をまさぐりだす。

 ギロロの体がびくんと震え、キスに答える舌の動きが鈍くなる。快感に意識が乱れているのだとすぐに分かる。

 キスと愛撫の相乗効果で、ギロロの唇の間から甘い吐息が漏れ出した。唇を軽く離してその吐息と甘いあえぎを楽しみ、また口付けて舌を絡ませる。

「こら、クルル。貴様何のつもりだ……っ!」

 ようやく唇を離した後、ギロロは烈火のごとく怒り出した。だが、快感に濡れた瞳と、かすれた声は逆効果。

 何のつもりだって、オッサン、そこまでしといてそりゃねぇぜ。

 クルルが内心呟いたが、ギロロは涙目のままクルルを睨みつけている。

 ギロロにとって、さっきのキスはクルルに教え込まれたパブロフの犬の反応のようなものだ。だから、クルルをにらみつけながらクルルの舌に情熱的に自分の舌を絡ませる事もできる。


「先輩とのキス、好きだぜぇ。特にこの犬歯な、お気に入り」

 ちゅ……とギロロの唇に軽く口付ける。クルルらしからぬ甘い雰囲気に、逆にギロロの方が真っ赤になった。

 ようやく、自分が何をされたのか、クルルが何をするつもりなのか悟ったらしい。

 遅いよ、オッサン。もう手遅れだぜぇ。


「何を馬鹿な事を言っている……っ!」

 真っ赤になってそっぽを向くと、クルルがキスで敏感になった体についと手を這わせた。

「うぁ……っ」

 びくっと体を震わせ、快感にぎゅっと目を閉じると、涙が一筋零れ落ちた。

「先輩がここに座るたびに俺とのセックスを思い出すって訳だ」

 ク〜ックックックと小さく笑いながら、クルルがギロロの首筋に舌を這わせながら太ももの裏を撫でる。ギロロの足の間には、すでに鮮やかなピンク色をした生殖器が頭を覗かせていた。

 こうなりゃもうこっちのもんだぜぇ。

 勝利を確信し、クルルがにやりと笑った。

 こうなるのが嫌なら、ギロロはキスされる前に逃げるべきだったのだ。

 毎回キスから流されてクルルと体を重ねる羽目になるのに、まだ学習しないのは、ギロロの天然ゆえか、それとも、ギロロも少しはそれを望んでいるのか?


「何をバカな事を……っ」

 まだ抗議するギロロの足を掴んで左右に広げ、コクピットの座席に引っ掛ける。大きく足を開げた扇情的なポーズを取らせ、にやっと笑った。

「おっさん、ここ、精密機械の塊だぜぇ。足癖悪いと壊れるぜ」

 クルルの声に、抵抗しようとしていたギロロの体から力がふっと抜ける。 狭いコクピットの中では、上手く抵抗する事ができない。万が一壊れるような事があれば一大事だ。そのせいで、クルルのなすがままになっている。もちろんクルルもそれを計算に入れてここへつれてきたのだ。

 開いた足の間に勃ちあがる生殖器が、ギロロからもクルルにもよく見える。わずかに頭を除かせたそれを、クルルが指の腹で優しく撫でた。悪戯するようにくりくりいじると、粘液を纏いながら少しずつ体外へと顔を出す。

「……っあ」

「ほーら出たぜぇ」

 すっかり勃ちあがり、外気にさらされたギロロの生殖器を見ながら、クルルがからかうような声で言った。

「んく……っ。貴様、誰か、来たらどうす……」

 クルルがギロロの言葉を無視して、ギロロの生殖器を握り、軽く上下に擦ると、ギロロが身悶えた。手の中のものが硬くなる感触をクルルが楽しむ。

「暴れるなよ。こんな所でぶちまけたらどうなるか分かってるだろ? 最悪だぜぇ……」

 そう言って、クルルはギロロの足の間に顔を近づけた。

 クルルが完全に勃起させたギロロのペニスは天を向き、格納庫の強烈なライトの光を浴びてぬらぬらと光っている。


「汚さないように、一滴残らず飲んでやるぜぇ」

 くちゅ……っと粘着質な音を立て、ギロロの生殖器がクルルの口の中へ収まった。

 口の中で生殖器の張り詰めた感触を楽しみ、思いっきり吸い上げる。ギロロが低いうめき声上げた。かろうじて声を出すのをこらえたギロロが面白くなくて、もっと強い刺激を与えてやろうと思う。

「あああ……っ」

 ごく軽く歯でギロロの生殖器を擦ると、ギロロが背を反り返らせて喜んだ。

「先輩フェラだけじゃなかなかイかねぇからなぁ……」

 クルルがニヤニヤしながらそう言って、唾液でべちゃべちゃになった生殖器を力強く手で扱き出す。射精寸前まで扱くと、クルルはまたギロロの生殖器を口の中に入れた。

 先端を吸い上げ、さらに舌で一番感じる小さな穴の部分をこねくり回すと、両手でクルルの頭を抱えていたギロロの手にいっそう力が入った。

 出しちまえ、オッサン。

 クルルが、生殖器を口の奥までくわえ込む。その瞬間、ギロロが我慢しきれずに射精した。

 口の中で、ギロロの精液がほとばしる熱い感触を楽しみ、舌の上に乗ったどろりとしたものを嚥下する。

 ちゅるっと残った精液を吸い上げ、口元を手でぬぐいながら、クルルが立ち上がった。

「貴様、飲んだのか……?」

「一滴残らず飲んでやるって言っただろ」

 ギロロの戸惑った声に、クルルがクールに答えた。再びギロロに覆いかぶさり、愛撫を再開しようとするクルルに、ギロロの怒声が上がる。

「おい、クルルッ!」

「分かってるよ。見られるの嫌なんだろ?」

 誰に見られるのか分からない状況でのセックスは燃えるが、ギロロはそれを嫌う。

 クルルはめんどくさそうに、コクピットのスイッチを操作した。

 軽い音がして、透明なハッチが閉まる。

「うるせぇなぁ……。これなら良いだろ? 外からは見えねえよ。早く終わらせたかったらオッサンも協力してくれよ」

 外から中は見えない。とクルルは言ったが、中からは外がよく見える。気持ち的に密室とは言えない状況にギロロは落ち着かなかったが、クルルは充分譲歩したと相手にしない。


 もしかしてオッサンだけ俺にイかされたまま終わらせるつもりかい? とクルルが皮肉げに言う。オッサン「だけ」「イかされた」を強調したクルルの言葉に、ギロロの額に青筋が浮く。

 貴様がかってに仕掛けてきたんだろうが! とクルルをにらみつける。

 クルルの生殖器も勃ちあがり、ぬらぬらと粘液に滑っている。ギロロをしゃぶりながら興奮して濡れたのだろう。

 貴様だって偉そうに人の事言えないだろうが!

 苛立ちがこみ上げ、ギロロがクルルの生殖器を掴んだ。


「すぐにイかせてやるっ!」

 クルルの挑発に乗ったギロロが不器用にクルルの生殖器を扱きだし、ク〜ックックック……とクルルが満足げな声を上げた。





「オッサン、もういいぜぇ……」

 コクピットの座席シートにふんぞり返って座ったクルルがそういうと、苦しそうな顔をしてクルルの股間に顔をうずめていたギロロが、うっすらと閉じていた目を見開いた。

 クルルの口車に乗せられて、絶対にできないと思っていた事までしてしまった己に驚く。


 顎がぐったりと疲れている。けっきょくクルルをフェラチオでイかせることはできなかった。

 だが、クールな顔がときおり快感にゆがむのを見るのは楽しかった。「クッ……」と低い声を出して射精をこらえるクルルを見るのは嫌いではない。


 ギロロのぎこちないフェラチオを楽しんでいたクルルが腰を引くと、ギロロの口からずるりと生殖器が引き抜かれる。

 クルルが立ち上がり、ぐったりとしたギロロの体を掴んで引き上げると、ギロロはのろのろと立ち上がった。そのまま、クルルは先ほどまで自分が座っていたシートにギロロを突き飛ばす。


 どさっと力なくギロロの体がシートに収まる。クルルは、無言でギロロの足を方に担ぎ上げた。

「挿れるぜぇ」

 ギロロの返事を待たず、クルルは掴んだ自分の生殖器をギロロの孔に宛がった。

「ぐ……」

 体の中に異物が進入する圧迫感に、ギロロが思わずうめく。クルルによって散々いじくられた入り口はやわらかく解されているが、クルルの生殖器が内臓を押し上げるような錯覚を覚えた。

「全部入ったぜ、オッサン。動くぜぇ」

 熱いクルルを体内におさめ、圧迫感と快楽に震えながら、ギロロが返事の変わりに顔をそらせた。


 ぐ……とクルルがギロロを突き上げる。「ああっ」と出しかけた声をかろうじて飲み込んだ。

 下半身がどろどろになって、クルルと溶けて混ざり合ったかのようだ。ぐちゅぐちゅと出し入れする粘着質な音が狭いコクピットの中に響く。その音に、はっはっと獣のような荒い息がかぶさる。二人とも余裕をなくし、ただ快楽をむさぼる事に夢中になる。

 強い快感に意識が飛びかけると、予期せぬ声がギロロの意識を引き戻した。


「おーいクルル、いるぅ? 会議始まっちゃってるでありますよー。遅いよー?」

 能天気なケロロの声が格納庫の入り口から聞こえ、ケロロがひょこっと顔をのぞかせる。


「ケッ、ケロロっ!」

 思いっきり素に戻ったギロロが、わたわたとあわてた声を出した。

「っち、忘れてたぜ」

 良い雰囲気をぶち壊され、クルルが口元に手を当て眉間にしわを寄せる。

「安心しなって。見えないって言ってるだろ?」

 口からエクトプラズムが出そうなほどショックを受けているギロロに呆れた声で言うが、ギロロの目は明らかに動揺して可愛そうなほど揺れている。それをクルルは好機と取った。

「だがッ、んうぁ……っ」

 クルルがゆるりと腰を動かし、ギロロの目が見開かれた。

「やめ……」

「声は抑えた方がいいかもなぁ?」

 クルルが耳元で囁きながら、ぐっ、ぐっと密着して腰を突き上げる。心乱れたギロロが、理性とプライドを捨て、我慢しきれずにクルルにしがみつく。

「はぁっ、ああっ」

「……っく」

「んんっ、っ……あ」

 クルルにしっかりと抱きつきながら、ギロロが声を殺そうとするが、殺しきれなかった声が唇の間から漏れる。ギロロの中で己を擦りあげるクルルも、ギロロの中のねっとりと絡みつくような感触に声が乱れる。

「オッサン、あんたの中、サイコーに気持ちいい……ぜぇっ!」

「クルル……っ」

 切なそうに眉根を寄せ、かすれた声で囁くクルルの声が、ギロロの体の中の熱い快楽をさらに煽る。


 再び意識が飛びそうになった二人の間を、邪魔者の無遠慮な声が割って入る。

「クルル、いるんなら返事するであります」


 チッと舌打ちし、クルルが後ろを振り向くと、兵器庫をきょろきょろしながらクルルを探して歩くケロロが見えた。特殊な素材でできたこのコクピットのハッチは、マジックミラーと同じ働きをする。なのでケロロの方から自分とギロロが見える心配はないのだが、さすがに防音機能はついてない。こんな狭いところから、二人分のあえぎ声が聞こえたら、何をしているのかなんてすぐにばれる。

「いるぜぇ」

 声を張り上げたクルルに、ギロロが驚愕する。

「き、貴様っ、どういうつもりだっ!」

 必死の形相で睨み付けるが、クルルはゆるっと陰気な笑みを浮かべただけだった。

 トラブル&アクシデントを何より好むクルルの性格を思い出し、ギロロが舌打ちする。

 トラブル&アクシデントがなければ起こす、あればもっと事態を大きくする。こいつはそんな奴だ。


「どこー?」

 クルルの声を求めて、ケロロが確実にここへ近づいてくる。


 ケロロの顔を見ながらクルルに貫かれ、ギロロは頭がおかしくなりそうだ。


「悪ィ、今手が離せないから、先行っててくださいよ、隊長」

 ギロロの顔を見つめながら、クルルがぐいぐいと腰を突き上げた。ぎしぎしとシートが悲鳴を上げる。クルルはギロロを追い込みにかかった。自分もイくつもりだ。

 ギロロが快楽にひっと声を上げそうになり、慌てて自分の手を噛んで声を出すのをこらえた。

 ケロロに聞こえてしまう。

 恐怖と快感で、まるで子供のようにぎゅうっとクルルにしがみつく。

「なんせ俺今繋がってるからなぁ、先輩と」

 小声でクルルがギロロに囁き、さもおかしそうにク〜ックックと笑う。

 ギロロの中に出し入れするスピードが上がる。にちゃにちゃと粘液のいやらしい音が響き、ギロロの頭が真っ白になる。

「きさ……ま」

 クルルを睨み付けて怒鳴りつけたいところだが、中をえぐるように突き上げられ、快感に溺れ息をするのが精一杯だ。


「早く来てよー!」

 ケロロは姿を現さないクルルにそう叫び、くるっと背を向けて格納庫から出て行く。

「ギロロもいないし大切な会議を何だと思ってるんでありますか全く……」

 腕を組み、ぶつぶつと不満を言いながら、ようやく去っていくケロロに、ギロロがほっと一安心する。


 この馬鹿が、よけいな事をしおって!!

 そう思ってギロロがクルルを睨み付けると、ギロロの視線に気がついたクルルがにやっと笑った。


「アイム、カミ〜ング」

 今イくぜ。とケロロに返事したクルルが、ぐいと腰を突き上げた。


「ふざけてないで早く来るであります!!」

 クルルの声に、帰ったとばかり思っていたケロロが再び入り口を覗き込んで叫ぶ。クルルの人をなめきった言葉をスルーできずにわざわざ戻ってきたらしい。


 この、馬鹿どもがっ!


 ギロロの頭にかっと血が上る。確実に数本は血管が切れたにちがいない。


「早く……いけッ!!」

「クッ!」


 ギロロが怒気のこもった声とともに、きゅうっと自分のなかにいるクルルを締め上げた。




ENDE




20051201 UP

初出 クルギロ祭り(2005 6/1〜6/30)

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル