アレクサンドリア軍によるリンドブルム侵攻は凄惨を極めた。

胸に夢を抱いた人々が大陸各地からこの国を訪れ、城下町は活気に満ちていた。
惨劇の舞台となる5秒前まで、全ての民は普段どおりに生活し、
1日を終えて眠りにつくはずだった。

その安穏を無残にも打ち砕いたのは、戦艦レッドローズより放たれしとんがり帽子の群れ。
殺戮と破壊のためだけに製造されたゴーレム・黒魔道士兵の軍団であった。

彼らが放つ黒魔法は、容赦なく街を焼き払い破壊しつくし、
罪なき人々に恐怖と絶望を与えた。

商業区に住む白魔道士の少女も例外ではなかった。

回復魔法を詠唱し負傷した人を治療していた少女は、
突然目の前に現れたひとりの黒魔道士兵に追い掛けられ、
白魔道士としての役目も忘れて逃げ惑う。

「殺される」という恐怖を前にして、
はげしく動揺した少女は愚かにも袋小路へと入ってしまった。

目の前に付きつけられた行き止まりの壁に非力な拳を当ててみるものの、
倒壊する気配はまったく無い。

全身から力が抜けていき、その場にへなへなとへたり込む少女を、じわじわ追い詰める影。

少女の目に映るのは、闇夜に浮かぶ双子の月のような、金色のふたつの目。

脳裏に浮かぶのは、物言わぬ屍と成り果てた自分自身。

 

 

「おねがい・・・・ころさないで・・・・なんでもするから・・・・。」

大きな瞳を潤ませ、血の気が失せた唇を震わせながら命乞いをする少女。
美しい顔は煤けて黒ずみ、ブロンドのお下げ髪はほつれかかっている。
白魔道士の証である純白のローブは汚れて乱れ、
穴だらけのニーソックスに包まれた太股が覗いて見えた。

せいいっぱいの抵抗の言葉も、心を持たぬ黒魔道士兵には届かない。
彼は至極無表情で
――――彼ら黒魔道士の表情は大きなとんがり帽子に隠れて
読み取りにくいのだが――――
自分に与えられた使命を全うすべく、
扇状の装飾が施された杖に魔力を込める。

「あぁん・・・・。」
あまりの恐怖を前にして、耐えきれずに少女は失禁する。
なま暖かい液体が彼女の下着をぐっしょりと濡らし、
ローブを隔てて地面に大きなシミを描いた。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

石畳を濡らす黄褐色の液体を目にした黒魔道士兵は呪文の詠唱を止め、少女の痴態を食い入るように見つめた。
今にも振り下ろされんばかりに高々と天に掲げられていた魔法の杖は用を成さずに彼の手から滑り落ちる。
カラン、と音を立てて地面に落ちた杖に目もくれず、
黒魔道士は尿まみれになってガタガタ震える少女の前にかがみ込むと、
両手を覆うグローブを外して彼女の太股に直に触れた。
すべすべしていて・・・・とても暖かい。
人形である彼がそう思ったかどうかは定かではないが・・・・。

「・・・・?!」

少女は自分の太股に触れたまま動かなくなった黒魔道士の顔を見た。
自分が今際の際に目にするはずだった――――漆黒の闇に光るふたつの目――――
その怪しい輝きは、完全に失われている。

自分に与えられた使命を完全に忘れたかのように、彼はひたすら柔らかな肌を撫で上げる。

造られた存在である自分にはない、
柔らかさと暖かさを持った少女の肉体に興味を抱いたのか――――――
それとも、ありえない話ではあるが、男として純粋に彼女に欲情しているのか――――――

つめたい手がローブの裾をめくり上げ、少女のいちばん暖かい部分を求めて蠢いた。

「あうぅ・・・・。」

怯える少女の両脚を掴んでめいっぱい開かせると、
黄色く変色した下着をずらし、性器に触れる。
尿にまみれた肉襞を掻き分け、最も感じる部分に指を這わせる。

「は・・・・ぁん・・・・。」

先ほどまで「殺される」という恐怖に我が身を震わせていたくせに、
感じずには居られない自分の身体を疎ましく思いながら、歓喜の声をあげる少女。

可愛らしくぷっくりと勃起したクリトリスは2本の指に摘まれて擦り上げられている。
尿とはあきらかに異なる液体を大量に放出し始めた下の穴は、
まるで蓋をする様に突っ込まれた親指に出し入れを繰り返されていた。
少女は黒魔道士の衣服を力いっぱい掴み、
今すぐにでもイってしまいそうな自分を戒めて頭を働かせる。

今だ・・・・スキを見て逃げ出せば、自分は助かるかもしれない・・・・。

そんな希望を胸に抱きつつ、今のうちにこの場から逃げようとする。
しかし、黒魔道士は思いの他強い力で少女の身体を押さえていて立つこともままならない。

「いやっ・・・・!!やめてよ!どうせあたしを犯したあとで、殺すつもりなんでしょう・・・・?!」

最後の抵抗とばかりに、自分に圧し掛かろうとしている男の身体を力いっぱい押しのけようとするものの、女の細腕では彼の顔を仰け反らせることしかできない。

あたしは死ぬんだわ。こんな人形に犯され汚されて、ぼろ切れのように殺されるんだわ。

涙と鼻水が混じって顔中を濡らし、流れて口に入ると苦しょっぱい味がした。

あまりにも悔しくて、そしてあまりにも自分がかわいそうで、
平和に暮らしていた頃の自分に思いをはせ、少女はなりふりかまわず泣き叫んだ。
小さな子どものような大きな泣き声は、戦渦の街に哀しげに響き渡る。

 

狂ったように泣きわめく彼女を正気に戻したのは、黒魔道士の信じられない一言であった。

 

「ご、誤解しないで・・・・。『おかす』っていうのはよくわからないんだけど・・・・、
僕・・・・人を殺したり・・・・街を破壊したり・・・・
きみのおかげで・・・・すごく悪いことだって、気づいたんだ・・・・。」

何を言っているのだろう。

少女はその言葉の意味が理解できず、涙と鼻水に汚された顔を上げた。
黒魔道士は彼女におずおずと手を伸ばし、頬につたう涙のひとすじを拭う。

「ごめんね・・・・。ごめん。
どんなに謝っても、決して許されるとは思わないけれど、
君が喜んでくれるのならば、さっきの続きをするよ・・・・・・・・・・?」

弱々しげに呟く目の前の男は、先ほどまで自分を殺そうとしていたはずだ。

そのあまりの変わりように、何かの罠だと訝った少女は目を見開いて後ずさる。
背中に当たるのは煉瓦の壁。逃げ場はない。

「やっ・・・・。」

黒魔道士は少女の身体を抱き上げて無理やり立たせると、
薄汚れたローブを一気に胸元までたくし上げ、「さっきの続き」とやらを実行し始める。

「女のひとは、こういうふうにされると気持ちがいいんだよね?
アレクサンドリアの女兵士も、そう言ってた・・・・。」

髪に隠れた耳にそっと触れる。
縁を上下になぞり、穴に指を入れてこねくりまわす。
くぐもった音が鼓膜を震わせると、
両脚の間から粘ついた液体が溢れ出るのを抑えられない自分に気づいて赤面する少女。

耳をもてあそぶことに飽きた指は徐々に下りてゆく。
白いうなじを撫でて、しっとり汗ばんだ背中に這いまわる。
ほどよく肉付いた尻を、両手で円を描くように愛撫する。
ひたすら優しく、うぶ毛に触れるか触れないかの絶妙な加減でもって。

「はぁあ・・・・んンっ・・・・あッ・・・・はぁ・・・・ふぅんっ・・・・。」

背筋に電流のような快感がはしる度に、少女の口からは甘く悩ましげな吐息が漏れた。

「きもちいいんだね。もっといっぱいきもちよくしてあげるよ・・・・。」

黒魔道士は壁に寄りかかって恥辱と快感に耐えている少女の耳元で囁き、
彼女の脚の間に入ってしゃがみ込むと、
グショグショに濡れて用を成さなくなった下着をひき下ろした。
両手の人差し指を当てて薄い茂みに覆われた割れ目を開くと、
少女は涙を流して力ない抵抗の言葉を口にする。

「くっ・・・・うぅうっ・・・・み、見ないで・・・・。」

少女を「喜ばせる」ことに夢中になった黒魔道士はその言葉を 無視して、
膣穴に中指をゆっくりと挿入し、ぐちゅぐちゅ音を立ててかき回す。
溢れ出た愛液が垂れて内腿をつたい、肉に食い込むニーソックスを汚した。

「わぁ、すごく濡れてる・・・・。」

心底感動したようにそう言いながら
穴から抜いた指を使って、今度は割れ目をしごきあげる。
仄かな紅を差す濡れた肉が痛まないように優しく、時には強く―――
少女の愛欲を昂ぶらせる水音をわざと響かせるように、
淫らな上下運動を何度も何度も何度も、しつこく繰り返す。

「いやぁっ・・・・!やッ・・・やめてっ・・・・やめてぇ・・・・!」

絶え間なく一方的に攻められ続けた少女は、もはや失神寸前である。

「うふふ。とろとろのお水、いっぱいでてきたね。」

黒魔道士は無邪気に笑い、
むき出しにした少女の局部に顔を近づけていやらしい汁が分泌される様をじっと観察した。
特に刺激を与えなくとも自然に膣穴がぴくぴく痙攣して
そこからまた大量の愛液が放出されるのが面白いらしく
しばらく何もせずに眺めていたら、
少女の指が伸びてきて、とろけるほどに熱く濡れた肉襞をいじり始める。
色めいた屈辱の虜となった卑猥な動きが黒魔道士の金色の視線を遮ろうとしたが、 すぐ目の前で蠢いている白い指を無情にも跳ね除けて
「あ、だめだよ・・・・。このかわいいところが見えないじゃない。」と言うと、
「かわいいところ」クリトリスを爪弾いた。

「ひゃうぅ!」

いちばん感じるところに急激な愛撫を加えられて、
少女は我慢できずに頓狂な声を出してしまった。
その瞬間きゅっと締まった膣穴から透明な雫が垂れてきて
黒魔道士の顔の上にぽたぽたと落ちた。

「あ、またでてきたよ。」と嬉しそうに言いながら顔面に付着した愛液を拭う黒魔道士。
彼は「観察」を止めて立ち上がり、
少女の身体を背後から抱きすくめて両脚の間に手を入れる。
穴から「でてきた」ものを指先で掬い取り、乳首やらクリトリスやらに擦り付ける。
そのイタズラめいた行為は少女が淫らなおねだりの言葉を口にするまで続けられた。

「お、おねがい黒魔道士さん・・・・入れてほしいの・・・・もぉ、がまんできないの・・・・!」
少女は壁に手をついて尻を突き出した。潤んだ瞳は黒魔道士の股間を凝視している。

黒魔道士は少女の求めに応じるべく、バックルに手をかけてベルトを外し、
ズボンを下ろして黒光りする男性器を露出させた。
形こそ何ら変わりないものの、大きさ硬さともに人間の男のソレを遥かに凌駕している。

「僕のこれが欲しいんだよね・・・・。
いっぱい濡れてるこの穴に入れて欲しいんだよね・・・・?」

せわしなく動く尻を逃がすまいと両手でしっかり抑え込むと
必要以上に潤った膣穴に股間のものをあてがい、少女の身体をひと息に貫いた。

「ああんっ!」

少女は身体を弓なりに反らせると同時に、ひときわ大きな声をあげた。

「きついな・・・・。でもきみのここがぬるぬるだから、かんたんにはいっちゃった。」

黒魔道士は機械的に、かつ激しく腰を動かす。
とんがり帽子の陰になって、その表情は窺い知れない。

「あッ・・・・はぁんっ・・・・・いいっ・・・・いいよう・・・・んッ・・・・きもちいいのぉっ・・・・!」

少女が更なる快感を求めて無意識の内に膣穴を窄めると、
摩擦によって充血した肉壁が卑猥な水音を奏でながら
彼女の中で暴れるものにまとわりつく。
黒魔道士は普通の男性ならば耐えきれずに
即座に射精してしまう程の快感を与えられていた。
だが、彼は忌まわしき人造人間。悪霧より生まれ出る暗黒の生命体。
――――――性的な快感など、享受しようがない。

「きみがきもちいいと、僕、うれしい・・・・。」

少女の尻を掴んでいた彼の指はさわさわと細かく動きながら
徐々に上方へと移動する。
腰の動きに合わせてプルプルと揺れる乳房を揉みしだいて
その柔らかさを存分に味わったあと、
痛々しいほどに尖った乳首を人差し指と親指で挟んで捻り、
先端を爪の先で軽く引っ掻いた。

「ひうぅっ・・・・あぁんっ・・・・いやぁっ・・・・。」

少女は黒魔道士の巧みな愛撫に答えるように火照った身をよじらせ、
悩ましげな声をあげる。

もう、止まらない。止められない。

自分の身体を意のままに操るこの男が、
たとえさっきまで自分の生命を脅かしていた恐るべき存在であったとしても。

聖なる存在である白魔道士を、忌み嫌われる存在である黒魔道士が犯すという
背徳的な光景。少女はその倒錯の虜となりつつある。
彼女の耳には、もはやふたりが繋がる音しか聞こえない・・・・。

「あ、あ、あぁん・・・・!もうだめっ・・・・いっちゃう!!・・・・いっちゃうよぉ・・・・!!」

結合部から吹き出した愛液をそこらじゅうに撒き散らして少女は果てた。
黒魔道士がへなへなとへたりこむ彼女の身体から己自身を引き抜くと、
少女は眉間に皺を寄せて名残惜しそうに「あぁん・・・・」と呟いた。

クプッ・・・といやらしい音を立てる膣をビクビク震わせて横たわる少女。
黒魔道士は、未だ興奮さめやらぬ、とでも言いたげに
底無しの淫猥さを漂わせる彼女の身体をなめまわす様に見つめると、
とんがり帽子を両手で掴みながら困ったような口調でこう言った。

「・・・・まだ、満足できてないみたいだね。きみが満足できるまで、僕、がんばるから・・・・。」

 

ああ、あたし、べつのいみでころされちゃう・・・・。

 

疲れを知らぬ人形は、
新たな恐怖と甘美なる期待に支配された少女の身体に再び快楽の触手を伸ばし始めた。

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