「け、けある・・・?」
「違うだろ、「ケ・ア・ル」だよ。なんでそんな自信なさげなんだよ。
治るものも治りゃしないぜ。」
まったく、戦士斡旋所の待機室で寝とぼけていたコイツを採用したのは
間違いだったかもしれない。
可愛いといえなくもないが、とりわけ美人というわけでもない。
胸と尻だけはやたらデカイけど、鈍臭さが余計際だってイライラする。
不器用だし、すぐ泣くし、ぶっちゃけ頭が悪い。
「あのな、いい加減ケアルラとかエスナとか覚えろよ。覚えてくれよ・・・。」
ひざまづき、僕の右手首を掴みながら、
涙目になってひたすらぎこちないケアルを唱える目の前の女。
「ううう・・・・マ、マスター・・・・ごめんなさい。」
格好だけは立派に白魔道士してるくせに、
ちょっとした傷すら治すのに多大な時間を要する彼女にイライラして、
深いため息をついた。
僕は旅の黒魔道士。
自らの精神力を、のたりくねる炎の柱や冷たく尖る氷の刃、
空間を切り裂く雷などに変化させ、
行く手を阻む者を粉砕する―――黒魔法の使い手だ。
ま、要するに攻撃専門の魔法しか使えないもんだから、
回復魔法を使えるパートナーを求めて
戦士斡旋所へと足を運んだのは、2ヶ月前と29日前だったか。
コイツよりも遥かに使える白魔法の使い手はいたはずだ。
でも僕はなぜか彼女を選んだ。選んでしまったのだ。
名誉欲にとりつかれ、瞳をギラギラさせた名も無き戦士達にまぎれて、
無神経な寝息を立てる白魔道士の少女を一目見た途端
「この女、ただ者じゃない!」と戦慄した僕は即、彼女の雇用契約書にサインをした。
確かにただ者ではなかったかもしれない。あまりにも役立たず、という意味で。
襲い来るモンスター達を跳ね除けながら、僕ら2人は林の中を歩いていた。
抜けた先にある町を目指し、今夜の宿を求めて。
小枝にひっかけでもしたのか、僕の右手首にかすり傷を見つけた女は
「手首切れたら、血ぃがぶわーって出て、死んじゃうのよマスター!」と大騒ぎして、
ろくに使いこなせもしないくせにケアルの魔法を唱え始めた。
何か勘違いしてはいるものの、そのひたむきな様子を見ていたら居たたまれなくなり、
僕は彼女に付き合ってやった。・・・・そして後悔した。
傷が完全に癒えたのは、1時間と37分後。
女がずっと掴んでいたせいで手首がジンジン痺れてきた。
元の木阿弥とはまさにこのことだ。
「・・・・ありがとう。1時間半以上もかかったのはどうかと思うが、
とりあえず傷は消えたし、日も暮れた。さ、宿を探そう。」
・・・・コイツを雇って、2ヶ月と29日。交わした契約期間は3ヶ月。
明日更新の旨を伝えなかったら、僕らは赤の他人に戻る。
初級の白魔法すら満足に使えない彼女は、僕と切れたら路頭に迷うであろう。
「今日は歩きまくり戦いまくりで疲れたね〜。
おいしいもの食べて、あたたかいお風呂にはいって、ふかふかのベッドでゆっくり休もうね。」
オトナの事情なんてアタシには関係ない、とでも言うように、
彼女は屈託のない笑顔を僕に向ける。
呑気に笑ってる場合じゃないだろ・・・・。
あきれながら、白魔道士のパブリックイメージそのままの
あまりに清らかな笑顔を目にして、僕は悔しさを感じた。
なぜだろう。悔しかったんだ。
それがどういう種類の悔しさなのか、その時の僕にはわからなかった。
まったく、彼女同様、いや、彼女以上に、僕は鈍感だったというよりほかはない。
「マスター、すごいよこのベッド。めっちゃスプリング効いてる。
おふとんはふわふわだ〜。ねぇ、今夜は一緒に寝ようよー。」
宿屋の一室。
ベッドに腰掛けて、巨乳をユサユサ揺らしながら
マットレスを悪戯に弾ませている女に、僕はいよいよあきれた。
「あのなぁ・・・・僕は男で、君は一応、まがりなりにも女だろ・・・・。
恋人同士でもないのに、ひとつのベッドで一緒に寝るわけにはいかない。モラルに反する。
何より、僕らは紙1枚で繋がった仲なんだ。
ここは連れ込み宿じゃあないんだぜ。君の部屋は隣りだ。さぁ、行った行った。」
懐は痛むけれど、こことは別にもうひとつ部屋を取っているので、
そこに行くように促したものの、彼女は頑として動かない。
「いーじゃない。たまには一緒に寝ようよマスター。あたし、こう見えても寂しがりやなのよ?
大人になっても、1人で眠るってこと、未だにうまくできないんだもの。」
「いーじゃない」の「いー」の部分にアクセントを付けるためか、変な顔になっている女を見て
僕は深い深いため息をついた。彼女と行動を共にして以来、何度目のため息だろう。
果たして僕の幸せは、いくつ逃げていったのだろう。どこへ行ったのだろう・・・・。
痛むこめかみを指で押さえながら、僕は言った。
「・・・・わかった・・・・。勝手にしろ・・・・。」
2ヶ月と29日の旅の間、女が役に立ったことなど1度としてなかったが、
今夜が僕ら2人にとって最後の夜になるかもしれないのだ。
せめてもの感謝の意を込めて、一緒に寝てやることぐらいはしてやろう。
幸いにも、僕がコイツに手を出すなどということは万にひとつも有り得ない。
「億にひとつも」「兆にひとつも」「永遠にひとつも」などと言い換えてもいいぐらいだ。
僕の理想はクールなスレンダー美女だ。
脳みそに向かうべき栄養が、どういうわけか胸と尻に行ってしまった
役立たず白魔道士などアウトオブ眼中。
・・・・たとえベッドを共にしたとしても、何もしない自信がある。
「・・・・寝る前に、大事な話があるんだ。」
無邪気にはしゃぐ彼女の隣りに座り、言わなければならないことを切り出す。
「なぁに?大事なハナシって。あ、もしかして・・・・明日の・・・・明日からのこと?」
明日からの自分の運命を知ってか知らずか、
女は一片の翳りも見当たらない、眩しい笑顔を僕に向ける。
ああ、まただ。
月夜に咲く花のような、雲間から覗く陽の光のような、
清らかなるその笑顔は、おおいに僕の心をかき乱す。
・・・・僕がこんな女ごときにたじろぐ必要などどこにもない。
わかりきっている。もう一度だ。もう一度。
(2ヶ月と29日、ありがとう。そして、さようなら。)
言うのだ。今だ。言っちまえ。
「いや、あの、えっと・・・・。」
黒魔道士のステータスシンボル・とんがり帽子を両手で掴み、
僕は弱々しげに呟いた。何てこった、言うべきセリフの「に」の字も言えていない。
僕じゃない。こんなのは。こんな、言いたいことも言えない男は。
自己否定を繰り返すたびに、胸がズキズキ痛む。
「・・・・マスターは、困ったことがあるとすぐとんがり帽子をつかんで、
きゅっきゅって動かすよね。」
くすくす笑いながら、女は僕の情けないクセを真似するような仕草を見せた。
「う、うるさい・・・・それは黒魔道士適正のある証拠だ。で、話というのはだな・・・・」
とんがり帽子から手を放し、あらためて解雇の旨を伝えようとする。
しかし、哀しいかな。
黒魔道士の性がそうさせるのか、何か掴むモノがないと落ちつかない。
安穏を求めて宙をさ迷う僕の指が、何かひどく柔らかいものに当たった。
感触を確かめるように「それ」を掴んでむぎゅとひと揉みしてみた。
あ、これがいい。ちょうどいい。
「あッ・・・・。」
急に何だ、その甘ったるい声は。僕をバカにしているのか。
場違いな女の声にむかむかして、「それ」をわし掴みにし、強くにぎりしめる。
「いやぁっ・・・・。い、痛いよう・・・・。」
女は苦しげにうめき、血管が浮き出た僕の両手首を掴んだ。
乱心を紛らすために掴んだモノ、指が埋まるほどに柔らかい「それ」は
彼女の栄養過多な乳房だった。
「あっ・・・・す・・・・すまない。ついつい・・・・。」
あわてて指を放すと、
女は恥ずかしそうにうつむいて、巨乳を腕でガードし、僕に背を向けた。
小さな肩は震えている。
怖かったのか。それとも―――
どうしたらいいのかわからなくなった僕は、
彼女から離れてベッドの端っこに腰を落ちつけた。
僕と女の間に漂う夜の静寂に身を任せていたら、
彼女に告げる別れの言葉、彼女との縁を切る決心は、
いつのまにか、跡形もなく消えていることに気づく。
替わりに僕の脳髄を支配したのは、指先に残る巨乳の感触。
そして、もう1度・・・・いや、何度でもそれを味わいたい、味わいつくしたい・・・・という、欲望。
背中越しに、女をちらと盗み見る。
金色に光る僕の視線に気づいたのか、彼女も同じようにこちらを見ている。
どちらからともなく、少しづつお互いの距離を狭めていった。
ベッドの上で、火照る背中同士がぴったりとくっついた時、僕は言った。
両手でとんがり帽子を掴みながら。
「明日、君を解雇するつもりでいたけれど、やめた。というか、できない。・・・・したくない。」
「・・・・うん。」
女がうなずくと同時に、身体を抱き寄せた。
腋の下から手を伸ばし、ブラジャーの奥で窮屈そうに震える巨乳を、
今度はじっくりと優しく揉んでやる。
僕の手に余るほど大きい乳房の形が淫らに歪む。
「んッ・・・・。」
脳天気が服着て歩いてるような娘でも、こういう時には恥じらいを見せるものなのか。
小さな身体にせいいっぱいの力を込めて、はしたない声が漏れるのを抑えているようだ。
そんな愛らしい抗いを無残にも打ち砕きたくなり、
女が身に纏っている純白のローブを――白魔道士の証を――捲り上げた。
難儀しながらもブラジャーのホックを外し、
締め付けから解放されて嬉しそうに揺れる巨乳を直に揉む。
上下左右に揺すったり、寄せたり離したり、指先を埋めてみたり。
可愛く尖る乳首を指で挟んでクリクリ弄ってやることも忘れない。
「ふぁあ・・・・ん・・・・あぁっ・・・・い・・・・やぁ・・・・。」
男の下半身を直撃する甘い声を発しながら、女は僕の胸にしなだれかかる。
さぁ、もっと鳴け。そして泣け。ナマイキに恥らっている余裕など与えない。
快感に負けて恥じらうことを諦めた女の身体を抱き上げ、右脚の上に乗せた。
女は腰をくねらせて膝の骨に股間を擦りつけている。
耳を澄ますと、白い下着の奥からクチュリと水音がした。
胸をちょっともてあそんだけなのに、かなり濡れているようだ。
暖かい湿り気がズボン越しに伝わってくる。
「君はずいぶんと淫乱な白魔道士だな・・・・。」
耳元で囁くと、女は小さくかぶりを振った。否定しているつもりらしい。
そんないじらしい仕草を鼻で笑って、
股の部分に恥ずかしいシミを広げた下着に手を掛け剥ぎ取ろうとする。
女は腰を浮かせて、秘密を暴こうとする僕の指をすんなりと受け入れた。
両脚を掴んでめいっぱい広げさせ、割れ目の奥に潜んでいるピンク色の粘膜を外気に晒す。
勿論それだけでは飽き足らない。かと言って、一気に終わらせるつもりなど毛頭ない。
ベッドサイドに置いてあった手鏡を手に取り、
しとどに濡れた秘所を映して女に見せてつけやる。
小さな鏡面いっぱいに、
膣穴から溢れ出た愛液が粘膜と絡み合う様子が恥ずかしげもなく映し出されている。
いやらしい汁を吐き出す穴がもの欲しそうにパクパクと開閉を繰り返す。
敏感な突起部分は皮が剥かれて、かわいらしい肉の芽を覗かせる。
赤い花びらのような襞は白や透明の液体でとろとろに潤って、
僕の手による愛撫を待ち侘びている。
「見てみろよ・・・・グッショグショに濡れてるぜ・・・・。」
「・・・・やだぁっ・・・・ゃ・・・やめてぇ・・・・は、はずかしいよぉ・・・・。」
女は顔を両手で覆い、鏡に映った肉欲の証を見まいとしている
何が恥ずかしいだって?こんなに濡らしておいてそれはないだろう。
唇を歪ませ、僕は皮肉な笑いを浮かべる。
徹底的に、これ以上はないと言うほど卑猥な手段でもって―――
虐めてみたい欲望が抑えられない。
指で擦って、舌でねぶって、唇で挟んで吸い上げて・・・・
そんなふうに可愛がってやりたい、という気持ちが爆発しそうだが、ぐっと堪えて
太腿の付け根をやさしく撫でてやる。
濡れそぼった秘所には、絶対に触らない。触れてはならない。
純白のローブを身にまとい、見た目だけは清楚ぶっている彼女が、
理性という名の枷を自らの手で引き千切るまで。
「ん・・・・・ねぇ・・・・さ、触ってぇ・・・・はやく、してぇ・・・・。」
潤ませた瞳をこちらに向け、女は懇願する。
「・・・・どこに触って欲しいんだ?」
彼女の願いを聞き入れ、すぐに触ってやることもやぶさかではないが
それでは味気なくて面白くないので、言葉でもって虐めてやることにした。
「あ・・・・あそこよ・・・・。」
「それじゃわからないよ。ちゃんと名前を言って。」
「あぁん・・・・そんなこと、言えないよぉ・・・・。」
「じゃあ、何もしてあげない。」
ちょっと恥ずかしくなって
「こんな会話、世の中の恋人達の間でアホほど繰り返されているんだろうなぁ」
と、一瞬冷静な自分を取り戻しそうになった。
いかんいかん。
頭を振った。
とんがり帽子がズレたので、元の位置に直した。
女は臍のあたりを指で撫でまわしている。
すぐ下の部分を自分で慰めたいけれど、
許されないと解かっている、卑しくもいじらしいその動き。
「あぁっ・・・・ぉ・・・まんこに、さわって・・・・ほしいのぉ・・・。」
泣きそうな声でそう言うと、あまりの恥ずかしさに耐えかねたのか、
女は僕に抱きついてきた。
「・・・・上出来だ。」
女を褒めたのはこれが初めてかもしれない。
・・・・よりによって、こんな状況下で・・・・。
自嘲気味に笑う僕の胸に頬っぺたを押し付けて、
恥ずかしさをやりすごしている女の頭を撫でてから、
お望みどおりにしてやろうと、秘所に指を伸ばした。
愛液のぬめりを指に絡め、肉の割れ目を上下にしごく。
クチュクチュいやらしい音を立てながら。
「あ・・・ぁ・・・・はぁ・・・・うぅ・・・・ん・・・・あ、あ、あぁ・・・・!」
先程よりも甘ったるく、悩ましげな響きを増した女の声が、耳に絡みつく。
焦らされてさらに感じるようになったのだろう。
「・・・・もっと聞かせてくれ。」
ベッドの上に押し倒し、脚を広げて秘所に口を付ける。
穴に指を入れて出し入れさせながら、
舌の先でクリトリスをちろちろ舐めてやると、女は短い悲鳴を上げて何度も身を弾ませた。
身体の動きに合わせて、重たげな乳房が振動する。
「ひあっ、あっ、あぁっ・・・・やだっ・・・・いいッ・・・・きもちいいっ・・・」
じゅるじゅる音を立てて、膣穴から溢れ出す愛液を吸い上げる。
しょっぱい味が口の中に広がり、甘酸っぱい匂いが鼻をつく。
おいおい、何が「たとえベッドを共にしたとしても、何もしない自信がある」だ。
僕の理性は思いの外脆かったようだ。
股間のモノははちきれそうなほど硬くなって、ズキンズキン脈打っている。
縦縞模様のズボンには先走りの汁が染み出していた。
黒魔道士だろうが何だろうが、僕もひとりの男だったというわけだ。
笑いながら泣きたくなったが
ここまで女の身体を嬲り尽くしておいて、後には退けない。
秘所から顔を放し、ズボンの盛り上がりを指差して、女に命令した。
「白魔道士だろ・・・?これ、どうにかしてくれよ。」
女はコクリとうなずくと、僕のベルトを外してズボンを下ろし、屹立したモノにかぶりついた。
尿道口に付着した先走りの一滴を舐めとって、全体にらせんを描くように舌を這わせ、
一気に奥まで咥え込んだ後、唇を窄ませてチュルチュル吸い上げる。
「くッ・・・・う・・・・。やれば、できるじゃないか・・・・。」
僕の呼吸の乱れを耳にして、女は調子付いたらしい。
聳え立つ肉の棒を、たわわなふたつの乳房で挟みこみ、上下に動かし始めた。
ねっとりと湿る口腔内で、柔らかなふたつの丘の間で
―――欲望の塊はさらに膨らみ、硬さを増していく。
「あっ・・・・はぁ・・・・。ねぇ・・・・入れて・・・・。かきまわしてぇ・・・・。」
女はビクビク震える肉棒を掴み、「・・・・駄目だ。入れてやらない。自分でどうにかするんだ。」
いますぐ望みどおりに、いや、それ以上のことを
してやりたい気持ちを抑え、
わざと冷たく言い放つ。
「ええっ・・・・」
女はしばらくうじうじと身体をよじらせていたが、
ガマンできなくなったらしく、僕の身体の上にまたがって
ぬるつく先端を膣穴にあてがい、ゆっくりと腰を沈めた。
「あぁっ・・・・!!」
自ら腰を動かし、快楽の虜になることを受け入れた、
あまりにもいやらしいその姿を目にして、僕は息を飲んだ。
「くっ・・・君はホントに淫乱だな・・・・」
女の動きに合わせて突き上げてやると、
膣穴がきゅぅっと締まり、中で暴れる僕のモノに肉襞が絡みつく。
「あぁっ・・・!は・・・ふぅんッ・・・どう、しよう・・・とまらないよ・・・・!」
膣の中の、ある一点を何度も執拗に突くと、
女は揺れる巨乳の重量をものともせず、さらに激しく腰を上下させた。
粘膜と粘膜が擦れ合う卑猥な水音が部屋中に響き渡る。
女の白いフードは外れて背中に垂れ下がり、
僕のとんがり帽子は頭から落ちて床に転がった。
「あ、ぁあ・・・はぁっ・・・・・・もう、だめぇ・・・・・・・いくっ・・・いっちゃうッ!」
精液を一滴残らず搾り取ろうとでもするかのように膣が締め付けられると、
僕と女は同時に果てた。
ただの男と女になった僕らは指と指を絡み合わせて
お互いを貪り尽くすような深い深い口付けを交わす。
息苦しくなって唇を離すと、僕は彼女に本当に言いたかったことを告げた。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・す、好きだ・・・・
だいすきなんだ・・・・僕と、ずっと、一緒にいて欲しい・・・・。」
「はぁはぁはぁはぁ・・・・・うんっ・・・・。」
女はまたもや、あの清らかな笑顔を浮かべている。
もう、それにたじろぐことはない。困ることはない。
彼女のその笑顔は、僕だけのものになったのだから。