『 Day after tomorrow 』





柔らかな風が吹いていた。
目を閉じて大きく息を吸い込んでみる。


優しい温もり
暖かな鼓動


「ティーダ」


俺を呼ぶ声…


目を開ければそこにはいつものように仏頂面したアーロンがいて。
黙って見詰める俺に “行くぞ” と促す。
風にはためく緋色の衣が光を受けて赤だけではない色を俺に見せてくれる。
それはアーロンが刻んできた人生と良く似てる。

「アーロン!」

先に行こうとするその背中の名前を大声で呼んでみる。
声に反応するように立ち止まり、少しだけ振り返った横顔が短く “どうした" と問いかけてくれる。
いつだってアーロンはこんな風に俺の傍に居てくれる。

「…置いてくなよ!」
「お前が付いてくれば置いてゆきはしない。早くしろ」

今までだって、これからだって…アーロンはアーロンのまま。
これから先もずっとずっと、俺の事を見ていてくれるだろうその背中が見えなくなる前に両頬をパンパンと叩いて笑顔を作った。

「へへへー!お先に〜!」
「…転んで泣くなよ!」

駆け抜け様に振り返って改めて確認する。
俺が前を走っても、後ろに居ても…どこに居ても見ていてくれるその人を。

「アーロン、大好きっス!」

言葉にすれば胸の奥にじんわりと広がる暖かさ。

「そういう事はもう少し大人になってから言うんだな」

それは俺の気持ちそのもの。



「これからも宜しくな?アーロン」





† Fin †


Ars Manga 4th anniversary free novel @ Kuzira Okino


---あとがき---

何が言いたいのか激しく不明なアロティな上にこちらも事も有ろうかフリーで放出してしまった訳ですが。
どうやらサイスコ同様にお持ち帰りされた方はいらっしゃらないようです。
こんなもの押し付けられてもやっぱり困るって話ですね(真顔
携帯サイトが本当に4周年なのか、それとも3周年なのか判断が付かなかった辺りから可笑しくなっていたのだと思われます。

何はともあれ、(多分)4周年有難うございます。
そしてこれからもこちら共々どうぞ宜しくお願いします。



writing:05'.Jan.19



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