水芙蓉
頭上に見える数に不安を抱えながらも、レンはアツロウとユズを伴ってナオヤのアパートに戻ってきた。
しかしナオヤのアパートではまだ現場検証が行われているらしく、立ち入り禁止のテープが張られたままだ。

「参ったな…これじゃナオヤさんの部屋にも近づけないよ」
「うん。それに、アツロウ、見てよあれ」

アパートの集合ポストの中、1箇所だけ大量の新聞が差し込まれたままになっているポストがあった。
間違いなくあれはナオヤの部屋のポストだ。
ということは、しばらく部屋に帰っていないのだろう。平気で何日も留守にしては面倒くさそうに溜まりに溜まった郵便物の仕分けをしていた姿を思い出す。

「オマエらが会えたのって、相当運がよかったんだな」

そうだね、と当たり障りのない返答を返したところでCOMPがメールの着信を告げた。

 

FROM:NAOYA
SUBJECT:成功おめでとう

無事COMPを使いこなせたようだな。
まずは、おめでとう。
そろそろ混乱も収まった頃だろう。

お前たち3人にCOMPを渡したのは、今後悪魔の力が必要になるからだ。
生き延びたければ、これを使いこなせ。

とにかく今は時間がない。
まずは青山霊園に向かえ。
そこでお前たちは、これからの行動に影響を及ぼす人物に会うだろう。

  

受信したナオヤからのメールに、めでたくないよ、と心の中で悪態をつく。
ナオヤのメールを読み終えCOMPを閉じようとしたけれど、もう1通メールが受信されていることに気付き、それも開いてみた。

  

FROM:悪魔召喚プログラム
SUBJECT:READ ME

おめでとうございます。
あなたは悪魔使いの資格を手に入れました。

あなたは現在、契約済みの悪魔=『仲魔』を、いつでも喚び出し、使役することが可能です。

なお、初期設定による悪魔との『契約』は、本プログラムの初回起動時のみです。
他のCOMPで喚ばれた悪魔に勝利されても、契約は成立致しません。

また、本プログラムには戦いをサポートする、チュートリアル機能を搭載しておりますので、ご活用下さいませ。

それでは良い悪魔召喚ライフを!

    

「もう…あの人は何なのよ…。私たちの会話の先回りできるの?有り得ないんですけど…!」
「はは、ナオヤさんの最大の武器は洞察力だからな。人が次にどう動くかを先読みする天才なんだよ」

ユズは盛大な溜息を吐いて肩を竦め、アツロウはなぜか得意げな表情でナオヤについて語っている。
アツロウがナオヤについて語りだしたら長いとわかっているレンはそれを早々に打ち切る為にももう1通のメールを話題に出した。

「もいっこのメールに書いてあったけど…、さっき戦った悪魔…?でいいのかな、あの子たち、力を貸してくれるってことなのかな?」
「あ、そうそう、それ!オレもちょっと考えてたんだ。さっき戦った時、あいつら言ってたろ?服従とか、契約とか、力を貸すとかってこういうことか、って」

おそらくそうだろう。あの3体の悪魔の言の意味がようやくわかって少しだけ頭の中がすっきりとした。
悪魔召喚プログラムからのメールに関してはいい。それよりもナオヤからのメールだ。
ナオヤの言葉はいつだって謎かけに近く、その中に隠された本当の意味を読み解くのは骨が折れる。
今度のメールも目先のことばかりで真実は奥深くに大事に隠されている。
先ほどレンが予想したとおり、ナオヤの言葉は不穏なものだ。今後悪魔の力が必要になる。生き延びたければその力を使いこなせ。
けれど、結局このメールからでは、なぜ悪魔の力が必要になるのかも、何から身を守るのかも読み取れない。
ただ、ナオヤの言葉はいつだって正しくて、いつだってナオヤは先の先を見据えているということをレンは知っていた。
そして、今は彼の言う通りに動くしかないことも。

「青山霊園、か…」
「これからの行動に影響を及ぼす人物って誰だよ…。ていうか、ホントに人間か?」
「メールには人って書いてあるよ。もし違うなら、ナオヤはそんな書き方はしない」
「だよな…」

ナオヤの言う人物が一体何かはわからないが、とにかくも青山霊園に行かなければ始まらない。レンだってこんな中途半端なまま放り出すことは嫌だったし、ナオヤはレンがこれに関わることを望んでいるように思える。
ナオヤの指示通り動けば少なくとも現段階よりは現状を把握することが出来るはずだ。
浮かない表情を浮かべるユズにレンはそっと訊ねた。

「ユズ、怖い?やっぱり行きたくない?」
「う…確かに怖いけど…でも行かなきゃいけないんだよね」
「多分…行かなかったら、わからないまま怖い思いをすると思う。行けば、少しくらいは何かが見えてくると思うよ」
「そっか…」

乗り気でなさそうなユズの顔を窺いながらレンは思う。ユズは女の子だ。守ってあげなければいけない。出来れば怖い思いはして欲しくないし、守ってあげられる確証もないから、ユズがどうしても行きたくないのなら、アツロウにユズを任せてレン1人で行くことも考えている。
けれど、ユズは不安そうに、それでも笑顔を作ってレンに言った。

「2人が行くなら私も行くよ。…何もわからないで怖い思いするのはやだもん。ナオヤさん見つけたら問いただしてやるんだから!」
「ユズ…」
「大丈夫!行こう、レン、アツロウ!」

  

夕方をとうに過ぎた時間の墓地はやけに不気味で、レンはほんの少し後悔した。
墓ばかりで何かが出そうだと怯えるユズにレンも頷く。正体のわからないものは嫌いだ。見えないものほど怖ろしいし、対処が出来ないから幽霊とかの類は苦手だった。
なるべく他のことを考えて意識を並んだ墓石から逸らそうとして、ふと気付く。アツロウも同じことに気付いたらしく、レンを振り返った。

「なぁ、ここって…」

アツロウの言葉に被さるように大きな爆発音が響く。
一気に場の空気が張り詰め、爆発音のした方を見た。

「な…何、今の爆発!?この森のすぐ向こうだよっ!」
「19時頃、青山霊園で大きな爆発…メールに書いてあった通りだ…!」

やはりあのラプラスメールは未来を予知している。ナオヤもそうだと言っていたし、自分だってそう思ってはいたものの、目の前で起きた事実にどきりとした。
爆発のした方角を注意深く見つめていると、人でない何かがこちらへ走ってくる。人のように走ってはいるけれど、明らかに人とは違う。

「何…あれ…」
「チッ…あの女め…!あんな力を持った人間がいるとは!」
「邪鬼ウェンディゴ!待て…!」

白い毛に覆われた二足歩行の生物を追いかけてオレンジ色の服を着た男が走ってくる。確かあれは翔門会という新興宗教団体の人間が着用しているものだ。
なぜこんなところに翔門会の人間が、と不思議に思う間もなく、邪鬼ウェンディゴと呼ばれた異形の者は高らかに笑いながら追いかけてきた翔門会の人間を切り裂いた。

「あ…き、きゃああああ!」
「嘘だろ…」

人が死んだ。信じられないほど呆気なく、切り裂かれた。
プログラムが未来を予知出来ることや悪魔を喚び出すことが出来ることよりずっとわかりやすく非現実的な現実だった。
ユズの悲鳴もアツロウの呟きも遠い。ただ、これがナオヤのメールにあった、悪魔の力が必要な事態で、危惧された生死で、何かから身を守る為、の何かはこのウェンディゴも含まれているのだろうと考えていた。

「ここにいましたか。ウェンディゴ…逃がしませんよ」

先ほど殺された男と同じ翔門会の服装をした女の子が駆けてくる。年の頃は自分たちと同じくらいに見えるのに、妙に落ち着き払った態度で彼女はウェンディゴと対峙した。
ウェンディゴも手を出しかねているのか、低く唸りながら威嚇するだけで飛び掛ろうとはしない。
自分たちはどうするべきかと緊迫した状況の様子を窺っていると、ユズがぐい、とレンの手を引いた。

「ね、ねぇ!逃げようよ!危ないよ!人が殺されたんだよ!?」

ほとんど涙声でユズが訴える。けれどそんなユズを嘲笑うかのように、いつの間にかレンたちの周りを悪魔が取り囲んでいた。

「なっ…マジかよ…、悪魔って、こんなにいるのか…?」

アツロウの疑問にレンは答える術を持たない。けれど事実レンたちを取り囲む悪魔の数は相当のもので、存在する悪魔のすべてがこの場に集まっているとも思えないから、おそらくはこれ以上に存在するのだろう。
今にもこちらに飛び掛らんとしている悪魔に、レンは仕方なくCOMPを起動させた。

「コボルト、手伝ってくれる?」
「俺手伝ウ。アイツラ倒ス」

喚ばれたコボルトは夕方レンに対して牙を剥いたのが嘘のように尻尾を振り、こっくりと頷いてから、守るようにレンの前に立った。
アツロウもユズもそれぞれ悪魔を無事に喚び出せたようで、ホッと息を吐く。
すると、翔門会の服を着た女の子がこちらを驚いたように見つめていた。

「どうしてあなたたちがそのCOMPを…」
「え?」
「いえ、何でもありません。ウェンディゴの相手は私がします、あなたたちは自分の身を守ることだけ考えてください」
「あ、う、うん…」

一度契約の為に戦ったとはいえ、こんな多数戦は初めてだ。うまくやれているのかどうかすらわからない。
けれど確かに契約を結んだと言った通り、COMPに登録された悪魔はレンたちの言うことを聞き、共に戦ってくれた。
やがて集まっていた悪魔の数が半分ほどに減った頃、翔門会の女の子の方もウェンディゴを退けたようだった。

「グウッ…人間めが…。オマエたちの臭いは覚えた!絶対に、このままでは済まさぬぞ!」

捨て台詞を吐き、ウェンディゴがその場を去っていく。

「逃がすわけにはいかない…。私はウェンディゴを追います。これで、失礼」

逃げたウェンディゴを追い、彼女もまたその場から去っていった。
残った悪魔をどうにか倒して一息をつく。こんなことをずっと続けなければならないのだろうか。

「…はぁ…、とりあえず何とかなったな…くそ、まだ震えてら」

アツロウは自身の手のひらを握っては開きを繰り返し、肩で息をしている。ユズも沈んだ表情で、仕方ないよ、と小さく呟いた。
人が死ぬ場面を見たことなら、人によってはあるかもしれない。病気だとか、怪我だとかで。けれど、人が弑される場面というのは余程でない限り見ることはないし、レンたちにとってはテレビドラマでしか見ることはないと思っていたものだ。
アツロウの手が震えるのも、ユズが怯えるのも、当たり前のことだ。レンだって怖ろしいと思う。気を抜けば泣き出してしまいそうなほどだ。
けれどそれをどうにか振り払う。

「やっぱり、ナオヤのとこのアパートで人を襲った大型の肉食獣って、悪魔のことだよね…」
「だろうな…。にしてもさ、まさか翔門会が悪魔と戦ってるなんて思わなかったぜ…ただの宗教団体だと思ってた」
「私も…」
「でも悪魔を見ても落ち着いてたし、COMPも使いこなしてた。ってことは、ずっと前から、悪魔はいて、あいつらはその存在を知ってたってことだ」

あの爆発も彼らが悪魔と戦っていて起こったものだろう。
普通のCOMPではない、悪魔使いの為のCOMPを使うことを当然のようにしていた。悪魔が自分たちの知る以前より存在していることは予想していたが、それが確信に繋がった。
レンたちにとってはすべてが推測で、すべてが曖昧な今の状況での僅かな真実。
悪魔は以前より存在し、翔門会は悪魔の存在を知っていて、悪魔使いの為の、おそらくナオヤが開発したプログラムを組み込まれたCOMPを翔門会の人間は持っているということ。

「…翔門会って、何者なの…?」
「わかんない…。でも、わかっていること、わかったことは少し増えたよ」
「そうなの?」
「ああ、レンの言う通りだ。少なくともここに来る前よりはカードは増えた」
「まだわからないことばっかりだけどね」
「さっきよりはマシだろ?まーでも情報が少なすぎるってのは確かだな!ナオヤさんみたく天才じゃないし、1聞いて10知るならともかく、100は知れないし。地道にこつこついくしかねぇか…」

そうだ。決して天才ではなくとも、1を聞いて1も知れない愚か者ではない。僅かな情報を集めてナオヤに突きつけて、説明してもらおう。出した答えが間違っていても、きっとナオヤは馬鹿にしたりしない。調べた過程を推測して、それが評価に値するものなら、必ず種明かしをしてくれる。
今自分たちに出来ることは、答えに導く小さな欠片をひとつひとつ丁寧に拾い集めることだけだ。
そして、自分の身を守る為にも悪魔を使役することに慣れること。
そこまで考えて、ふとメールにあった内容を思い出した。

「あの女の子が…これからの行動に影響を及ぼす人物、なのかな?」
「かもなあ…、なんか凄い力持ってたし、あのウェンディゴっていうでかい悪魔もあの子のことを怖れてたみたいだし…」
「そうだね…確かになんか、あの子って特別な感じはしたよね?なんだろう、神秘的っていうか…」
「あーもう、わっかんね!考えることが多すぎて頭痛くなってくるぜ…」

はあ、と重苦しい溜息がそれぞれの口から零れていく。
せめて、今日はもう何事も起きないでいて欲しいと思ったけれど、次の瞬間、パッと自分たちの周りが闇に包まれた。

「街灯が、消えた…?」
「…メールが当たっちゃったね」

ラプラスメールに書いてあった、3つめの事件。都内全域の停電。
都内全域かどうかまでは確認出来なかったが、とりあえず見える範囲の明かりはすべて消えてしまっていた。
時刻を確認しようとしてケータイを開く。表示されたアイコンに、一瞬目を疑った。

「ねぇ、ユズ、アツロウ…ケータイ、圏外になってる」
「えっ、嘘!やだっ!私のもだ…!」
「くそ、オレのもだ…、何でだよ?こんな場所で圏外なんて…」
「まさか、この停電の所為とか言わないよね…?」

それはないと思う。ケータイの中継基地には自家発電が出来るようになっているはずだし、予備電源だってあるはずだ。少なくとも停電の所為でケータイが使えないなんて聞いたことがない。

「真っ暗な空…月も星も出てないよ。街灯のない東京がこんなに暗いなんて、思わなかった…」

ユズの言う通りだ。電気が煌煌とついているのが当たり前で気付かなかった。夜はこんなにも暗く、闇に包まれていることを。
気付いた時には街灯はあったし、街だって夜でも昼間のように明るいのが当たり前だった。

がさり、と音を立てて誰かが来る。
人の気配にレンが振り向くと、そこには先ほどの翔門会の女の子が立っていた。

「…ご無事でしたか。…あなた方も、悪魔使いなのですね…」

確認するように言う女の子に小さく頷くと、彼女はぺこりと頭を下げて自己紹介をした。

「私は翔門会の巫女、九頭竜天音です。以後、お見知りおきを…」

それに答えてレンたちも各々自己紹介をする。名を告げると、そのまま鸚鵡返しに名を呟き、覚えておきましょうとアマネは言った。
それから辺りに視線を彷徨わせ、もう一度レンに向き直る。
その瞳がどこか無感情にも思えて、レンの中に違和感を残した。

「…ウェンディゴは自分の下僕たちをこの基地内に放ったようです」
「下僕って…」
「ウェンディゴよりは力の弱い悪魔ですが、危険なことに変わりはありません。付近に簡単な結界を施して置きました。今夜はこの場を、動かぬ方が良いでしょう」

言われて辺りを見回すけれど、一般人でしかないレンにはアマネの言う結界がどの辺りを指しているのかわからない。
とりあえずはなるべく動かずに身を寄せ合って朝を迎えろと言うことだろうか。

「ねぇ、でもここ…墓地なんですけど…!」
「命を失うよりはいいと思いますが?明るくなるのを待ってここを離れ、駅へ向かいなさい。…私は、これで失礼します」

事も無げに言い放ってアマネは背を向ける。残されたレンたちに出来ることは少ない。
選択肢などなかった。

「…言われた通りにするしかないね…」
「で、でも!」
「もしあの子の話が本当なら、今動くのは危険すぎる…まぁ…多少気味悪いってのはあるけど…」

墓地で一晩明かすなんて、下手な肝試しよりも怖ろしい。
けれど、現実問題、今一番怖ろしいのは、出てくるかどうかもわからない幽霊などの類ではなく、先ほども戦った悪魔なのだ。
契約を果たしていない悪魔は自由奔放に人を襲う。人が食べる為に家畜を殺すように、それが当たり前だという顔をして襲い掛かってくる。
それは避けねばならなかった。

    

深夜、アツロウと見張りを交代しようとして起き上がる。
ぼんやりと空を見上げているアツロウにレンは声をかけた。

「アツロウ、交代」
「あ、ああ…」

隣に座って同じように空を見上げてみる。ユズの言った通り、星も月もない空だ。都会の汚れた空らしく、暗く淀んだ空。
どことなく不安を掻き立てられて、ふるふると首を振る。
そう言えばさ、とアツロウが口を開いたので視線をアツロウへ移した。

「さっき調べてわかったんだけどさ、停電してるのに、このCOMPの通信機能は使えるみたいなんだ」
「そうなの?」
「ああ。COMP同士が一定範囲内にあればアドレスも自動的に識別されるみたいだし、けっこー便利だぞ。試しにさっきオマエに送ってみたけど…届いてる?」

言われてCOMPを開く。ディスプレイのバックライトが闇に慣れた目には少し痛い。
未読メールが2件と表示されていて、そのうちの1通は確かにアツロウからのものだった。

「うん、来てる。大丈夫」
「後でユズにも教えないとな」
「そうだね」

相槌を打ちながらもう1通のメールを開く。
それはナオヤからのメールだ。

「アツロウ」
「うん?」
「ナオヤからメールがきてる」
「ええ?」

   

FROM:NAOYA
SUBJECT:ラプラスメールとは

そろそろラプラスメールの存在を、
認め始めた頃だろう。

蓮、この世界に起こるすべての事象は、
原因と結果によって成り立っている。

もし現在起こっているありとあらゆる出来事を、
データとして集積し、解析可能な知性が存在した場合、もはや未来は未来ではない。

所詮、人の手がくみ上げた物だ、完全とはいかないが…。
これからの行動の指針にするといい。

   

頬をくっつけるようにして小さなCOMPのディスプレイを覗き込んだ後、アツロウが苦笑した。

「……一応、心配してる、んだよな?このメール」
「うん、回りくどくて一歩間違えると意味不明だけど、心配してる。あとヒントもくれてるんだと思う」

わかりづらくて、ナオヤの本質を知らなければ何が言いたいのかわからない。
ユズ辺りが読んだら、意味不明!のひとことで終わらされてしまいそうな内容だけれど、ナオヤの人となりを知るレンやアツロウからすればこれは心配のメールだ。
ラプラスメールは完全とはいかないまでもそれに近い確率で未来を予知するものだから、それを踏まえて今後行動しろということ。
そして、その奥にしまわれた感情は。

「ラプラスメールを信用して、ちゃんと物事に当たりなさい。そうすれば、道は開ける。備えることも出来る」
「あ、そゆことなんだ、やっぱり」
「言葉が足りないし、多分だけど」

ナオヤなりに心配しているのだろう。どうでもよければメールなど寄越さない。
けれど、とりあえずのところ朝がきてみないことには今のレンたちには何も出来ない。
ナオヤが望む何かに辿り着けるはずもない。

「こんなに朝が待ち遠しいのって、いつ以来だろう…」

小さく呟いて溜息を吐くと、アツロウも同じように息を吐き出した。

              


やりたかった夜会話ー!!@サモナイ。
選択肢式にするか悩んだんですけど、3日辺りから人数増えすぎてガッカリなので諦めました。
ポイントは回りくどい従兄と理解ある従弟です。
色々端折りたいんですが、どこを端折っていいのかわからなくなるので大体こんな感じで進めることにしました…。

2010/10/26 改訂

              

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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