いつか君を後ろに乗せて
バイク。免許を持てない年齢であるはずの獄寺たちは、10年後の自分たちが持っている免許のおかげで合法的に乗ることが許された。
公道を走れば見た目の年齢でまず捕まるだろうとはあえて誰も言わない。
公道で走る目的でバイクの訓練をしている訳ではないから。
チョイスと呼ばれるゲームの為。ゲームと言う名の抗争の為。

「てゆかだったら免許とかどうでもいいんじゃないか…?」

大型バイクに跨りながら獄寺の中では至極尤もな疑問を呟く。ど、ど、ど、と身体に振動が伝わるのにも大分慣れた。
運転に問題はない。アジトの中でしかまだ乗ってはいないけれど、そこそこの運転技術は身についた。
これなら自分が10代目の足を引っ張ることもないだろうと安堵する。
そしてバイクを操ることに慣れて感じた。
何度か雲雀のバイクの後ろに乗せてもらったことがあるけれど、自分で走らせるとまた違う感覚がする、と。
風を浴びる感覚。バイクのエンジン音。ちょっとした体重移動で運転技術が問われる。
不良というレッテルを貼られ、実際素行不良な癖に変なところで真面目な獄寺はこんな機会でもなければ定められた年齢になるまでバイクに乗ろうなどと考えなかった。

(雲雀ってバイク乗ってるけど免許持ってのかな)

いつだって好きな学年だと言い切り、傍若無人ぶりは半端ない雲雀のことだ、年齢を問題にしても免許の有無を問題にしても、だから?で終わらせそうな気もする。
ぼんやりとそんなことを考えていると笹川が目の前、バイクに当たるか当たらないかのところへ突っ込んできた。

「何故曲がらんのだ!」
「てめえがハンドル掴んでるだけだからだろ…」

メラメラと目に炎を宿して相も変わらず、極限!と叫んで笹川はまた走り出した。

(うん、あれよりマシ。オレ、全然マシっすよね、10代目)

人を乗せた時どうなるかはわからないけれど、いつか雲雀を乗せて走ってみよう。いつも乗せてもらうばかりだから。
なんとなく思いついたアイディアが、なんだかとても楽しいことのように思えて、獄寺はまたバイクを走らせた。

なんだか少し、浮かれた気持ちで。

けれど途中でバイクから放り出されたらしい沢田と笹川が仲良く悶絶していて、獄寺の練習は中止になる(いやもちろん10代目の手当ての為に!)。

「10代目ぇー!」

…恋より何より10代目。

               


拍手。2009/07/12〜2009/08/23までのもの。

               

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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