魔王ご一行のとある日の出来事。〜花火大会のお知らせ〜
夏。と言って思い浮かべるものはなんだろうか。
人によって様々だとは思う。けれど代表的なものと言えば海。祭り。そして花火だ。

「そう言えば、オレ、夏なのに花火やってない…」

ね、花火やらない?と我等が魔王の突然の提案。普段はあまり我侭など口にしないレンの、極稀な我侭をレンと共にいる人間は待ち望んでいるので誰も文句は言わないのだけれど。
というか、どこかしょんぼりとした表情で寂しそうに言われては誰だって無下には出来ない。
それがたとえ花火やりたい、ではなく、神の首獲って来いだったとしても、この城にいる魔王馬鹿な人間はそれを成そうとしてしまうのでレンとしてはおちおち我侭も口に出せない状況だったりする。

「花火って手持ち花火か?」
「うん。線香花火とか」
「渋いな、オマエ…」
「あ、でも色んなのいっぱいやりたい!みんなで!」
「みんな…?蓮、まさか」
「ナオヤとー、アツロウとー、カイドーとー…マリ先生とー、クーフーリンとか…とにかくみんな!」

みんな。簡単にレンは言うけれど、魔界に住む悪魔の数はそれこそアホほどいる。城に住んでいる悪魔だけでも相当な数だ。
それをひっくるめてみんな、と言っているらしいレンは、無邪気な顔でアツロウやナオヤを見つめている。
いったいどれだけの花火を調達してくればいいのだろうか。それならいっそ花火職人でも拉致ってきて打ち上げ花火をやらせた方が余程楽なのではないか。とアツロウは考えるが、すべての決定権はこの魔王だ。それに出来る限りレンの頼みは聞いてやりたい。
同じようなことを考え、同じような結論に達したナオヤも、ただ小さく息を吐いただけだった。

「今すぐでなくてもいいか?」

ナオヤが訊ねると、レンは嬉しそうに頷いた。
大規模な花火大会並に花火が必要なことだけはわかっている。それを調達するのは至難の業だ。けれどやるしかない。
アツロウもナオヤも、レンには甘いのだ。レンの笑顔を曇らせる訳にはいかない!と勝手な使命感に燃えた二人は花火の調達の為、席を立った。
因みに、カイドーやマリはそれを聞いて、花火以外の準備をする、と言ってアツロウたちと同じように城を出て行った。
一人、ゆっくり待っていろとだけ言われて残されたレンは、城中の悪魔に今度花火しようね!と言って回っていた。

つづく。

              


拍手。2009/08/23〜2009/09/16までのもの。

              

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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