もしも僕が
「雨の守護者がお前だったらよかったのに」

獄寺の言葉に、バジルはきょとん、と爆弾発言をした本人とその言葉が指す人物とを見た。
山本の、彼特有の馴れ馴れしさに辟易している獄寺は救いを求めて同じ雨属性のバジルに言ったのだろう。
心底疲れた風体の獄寺に、山本は相変わらず無駄とも言える笑みを浮かべて、ひっでーの、と笑っている。

「山本殿は人が好きなんですね」
「まあな。でもどっちかってーと、獄寺の場合、動物相手にしてる感じ」
「誰が動物だ、この野球馬鹿」
「懐かない猫とか見るとオレどうにかして懐かせたくなるんだよなー」
「そういうのが鬱陶しいんだよ!」

ぐしゃぐしゃと獄寺の頭を撫でる山本は確かに猫を懐かせようとしているようにも見える。構いすぎて嫌われるパターンの、だが。猫相手に考えたとしても激しいスキンシップだ。
山本の手をやんわりと退かして獄寺の乱れた髪を直す。指で梳くようにしていると、獄寺が、がし、としがみついてきた。

「え」
「あーマジお前癒し系!」
「せ、拙者が??」
「まんぷくキャラだし、ちっさいし、山本みたくうざくない!」
「まんぷくキャラは関係ないと思うんですが…」

成り行き上そのまま獄寺の頭を撫でていると、沈静の能力を持つとは思えない禍々しいオーラを背負った山本が引きつった笑みでバジルを見た。

「懐かねー猫の飼い主みてえ」
「いえ、拙者は、」
「オレのが立場的にはあってると思うんだけどな、獄寺?」
「だからバジルが守護者だったらよかったのにって言ったんだよ!」

自分より小さなバジルの腕の中から猫のように山本を威嚇する獄寺が可愛くてバジルは笑う。

「拙者もそうだったらよかったのにって思いますよ」

(そうしたら、もっと一緒にいられた。)
それを言うのはさすがに憚られて、バジルはただ、山本の視線から隠すように獄寺を抱える。
山本は、オレ立場ねーの、と苦く笑った。

             


拍手。2009/09/16〜2009/10/7までのもの。
獄寺が好きなバジルとバジルに癒しを求めてる獄。そして鬱陶しがられる山本武。

               

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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