神様って不公平
唯はよく食べる。
朝食もしっかり取るし、昼食も弁当だったりパンだったりと差はあるものの、欠かさず取っていた。
放課後、学校帰りに友人と寄り道することも多い。はがくれもワックもオクトパシーもわかつも海牛も小豆ちゃんも唯を見る度よく来たね、と声をかけるほどだ。要するに常連である。
その上夜になったらなったで荒垣や天田と食事に行ったりすることもあるし、コロマルの散歩がてらコンビニに寄ってお菓子を買い込むこともある。
とにかくあの華奢な身体のどこにしまわれていくのか、と思うほどよく食べる。
一回ずつの食事は決して大食いとまではいかないものの(それにしたって平均女子よりは多いだろうが)、日に換算すると大食い女王もびっくりなほどだ。

「なんでそんな食べてるのに細いのよー!!」
「う?」

思わずゆかりは吼えた。
唯は今まさにラウンジで幸せそうにポテトチップスを咥えたところだった。確かつい先ほどまでアイスを頬張っていたはずなのに一体どれだけ食べれば気が済むのだろう。
それなのに唯はびっくりするほど細い。しかもただ細いだけではない。胸のふくらみやウエストのくびれといった女性らしいラインも完璧だし、細いくせに肉感的というか、男が理想とする女の子ってこうなのかも、と思わせるスタイルだ。
正直うらやましい。
もちろん自分だって割とスタイルはいい方だとは思う。けれどそれを維持する為に気を遣っているのだ。食べ過ぎたと思えば運動量も増やすし、食べ過ぎる前に気付いたらどんなに食べたくても人に押し付けたりもする。
ゆかりの倍以上を食べているくせにこのスタイルをキープ出来る唯は一体どんな方法を使っているのだろう。
首を傾げてこちらに視線を向けながらもポテトチップスを食べる手は止めない唯を見てゆかりは大きく溜息を吐いた。

「ねえ、唯ってなんか特別なことやってんの?」
「特別?」
「ダイエットとか…」
「え、好きなものを食べて、食べる時はよく噛む?」
「それだけ?」
「あ、荒垣先輩に言われたからお野菜はたくさん取るよ」
「もっとこう、毎日二時間半身浴とかストレッチを日課にしてるとか」
「お風呂そんなに長湯したらみんな入れないよー。運動は部活くらいだし…あ、タルタロス?」
「それは私もだっつの!」

聞けば聞くほど脱力していく。特別なことはしていない。栄養バランスは考えているようだけれど、身体の為の基礎的なことしかしていないようだ。
神様って不公平。軽く眩暈に襲われながら、唯の手を取り彼女の指ごとポテトチップスを口に含んだ。

      


2009/12/25〜2010/2/23までのもの。

ハム子は食べすぎなのになんであんなにスタイルいいんだろう。きっと胃袋は別次元なんだ。そんなお話。

               

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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