モンスター |
「ねえ、人と使徒の間に子供が出来たらどんなものが生まれると思う?」 「そうね。化け物じゃない?」 「そう。じゃあ人形と人。もしくは人形と使徒なら?」 「化け物よ」 「どうしてそう思うんだい?」 「だって、人と人の間に生まれた子供がすでに化け物だもの。化け物と化け物の間からは化け物しか生まれないわ」 少女が笑う。子供特有の無邪気な笑顔を貼り付けて。 「あたしも化け物よ」 少年は少女の手を取り薄く笑む。少女は少年と彼に取られた自分の手を交互に見て、小首を傾げた。 「君も?」 「そう。人も、人形も、使徒も、みんな化け物だわ」 すべてを化け物と称す彼女を、少年はマリアのようだと思った。分け隔てなくすべてを等しく見る目を持った残酷な天使だとも。 「君は、何をどこまで知っているんだい?」 「何も知らないわ。この世界がすべて虚飾で出来ていること以外」 「僕が何者であるかを知っているかい?」 「あんたも化け物よ。あたしと同じ。みんなと同じ」 くつくつと少年は笑い、少女を引き寄せる。 「化け物は嫌いかい?」 ふと思いついて少年が訊ねると、少女は緩く首を振る。 「嫌いじゃないわ」 だって、と彼女は続ける。 「あんたも化け物だもの」
これでもカヲル×アスカ。捏造大好き。
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