夢魔の悪戯 〜ついでに(こら)伊織順平の場合〜
彼は荒垣や明彦と違い、早々にこれが夢であると気付いていた。
何せ場所が以前シャドウ討伐の為に行ったホテルの一室そのままだったからだ。
あの当時組んだメンバーは唯と自分と明彦とゆかり。唯と共に飛ばされた明彦の状況はさっぱりわからないままだったが、ゆかりと共に飛ばされた時の相当に痛い思い出が順平の脳裏には残っている。
まさかここでゆかりが出てくるはずもないだろうが、それにしたってこんないかがわしい場所の夢を見るとは、自分の深層心理は一体どうなっているんだ、と少し不安になる。
騙されていたとは言え、自分はチドリを好いているし、どうせ夢ならば以前あったことをなぞるのではなく、それなりにいい思いがしたい、と妙にふかふかしたベッドに腰掛けながら思っていた。
しばらく経って、シャワールームから人が出てくる。ああ、この際美鶴先輩でもいいなあ、とぼんやり見ていた順平は次の瞬間、大きく目を見開いて飛び退く羽目になった。

「順平くんおまたせー」
「ゆ、ゆゆゆゆ唯っちー!?いやいやいや、ここは俺の場合、チドリがくるとこじゃねーの!?まさかの唯っち登場とかどうなの!?」
「ほえ?」
「いやもちろん不満とかじゃなくてな…ってええええ!?ち、近寄っちゃダメだから!男は狼なんだぞ!」

バスタオル一枚の唯がそっと順平との距離を詰めてくる。夢だから別にいい気もするし、、夢だけどこのままではまずい気もした。
あたふたと狼狽する順平本人をよそに順平の下半身はそんな葛藤などお構いなし、と言ったように硬くなっている。男は欲望に正直だ。
唯は少しおかしそうに笑って、それから順平に伸し掛かってきた。瞬間はらりと落ちるバスタオル。柔らかそうな胸が露になり、AVやアダルト雑誌でしか未だ拝んだことのない秘部が順平の身体に密着する。
(うわ、ごめんなさい、チドリ!!マジごめん現実の唯っちー!!)

   

「いっで!!」

突然の痛みと共に夢から引き戻される。どうやら寝相が悪すぎてベッドから落ちたらしい。
目が覚めてしまったことに対してほっとする反面少し淋しくもある。
(ちょっともったいなかった…)
ベッドに戻って順平は溜息を吐く。夢の内容が内容だけに覚悟していたが、ベッドから落ちて強打した割に下半身は元気なままだった。

「…これどっちをオカズにヌいても心が痛いんですけど…」

傍から見ればくだらないが、順平は真剣に悩んでいた。
ちなみにこの後どうしたかは、順平の名誉に関わることなので秘しておく。

                 


順平の場合。
まあうちでは順ハムは友達以上恋人未満限定なのでこんなオチです。
ほんとは天田少年も書きたかったんだけど(そしたら一応恋人可能コミュばっかになるから)、サキュバスさんの御眼鏡には適わなかったってことで、代わりに順平。誰をオカズにしたかはご想像におまかせします☆

2010/10/28 改訂

               

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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