そう。オレはあなたの犬になりたいんだ。

じゅうだいめ。
優しくて、それ故に強いひと。眉間に皺を寄せて、祈るように戦うひと。
初めてオレがこころを許せたひと。
ボンゴレを継ぐ彼の右腕になりたいと思った。
彼の力になりたいと思った。
けれど。

赤く染まる頬。恋い慕う女に見せる、はにかんだ笑み。
最初は何も思わなかった。彼の気持ちが成就することを望みさえした。
けれど段々とその気持ちに影が差していった。
女が彼に微笑む度、よかったですね、じゅうだいめ、と笑いながら、どこかで暗い闇が増殖していった。

ああこのままではいけない。
きっと、きっと、迷惑をかけてしまう。
じゅうだいめ。あなたの役に立ちたいんです。じゅうだいめ。

…じゅうだいめ。

暗い闇など爆風で吹っ飛んでしまえばいいのに。
けれど願いは叶えられず、闇はオレの心に巣くい、増殖を繰り返す。
表面に現れないだけ、まだいいけれど、それはいつオレの中から這い出て彼に害を成すかわからない。
もう今は、彼の前でうまく笑えているかすらわからない。

いっそ言葉も知らない動物であればよかった。
主人に忠実で、ただ何も考えずに、感情もなく跪けたら。
立ちふさがる敵を屠ることだけに神経を使って、彼の道をひらくことが出来たら。
こんな邪魔な感情捨て去ってしまえたら。

ああ、やっぱり犬になりたい。

短！orz
病んでるごっきゅん。てゆか勝手なイメージ。フィーリングで書きなぐったもの。一応綱獄のつもりですよ、これ。

2010/11/01　改訂