空を見上げて

最近疲れた顔してるよね。

そんな風に言われて少しだけ悩んだ。
無自覚だっただけに、心配そうに歪んだ顔にどうしたものかと首をひねる。
本当は、上手くやれてるなんて思い上がってたのかもしれない。
たまには息抜きしようよ、なんて誘い、いつもなら断っていたけれど。
試合で見せるような真剣な顔に、頷く以外の選択肢を三上は持ち合わせていなかった。

公園の草むらに寝ころんで眼を閉じる。健康的に過ぎる息抜きの場所には風がどんな音楽より優しい音で木々を揺らしていた。
だから、こっそり繋がれた手にも、いつも出るような文句は出てこなかった。

空を見上げて、深呼吸して。

そして知る。

どれだけ自分は空を見てなかっただろう。空の下、ずっとボールを追いかけていたはずなのに。
どれだけ深呼吸してなかったんだろう。こんなにも澄み渡った空気の中、駆けていたはずなのに。

ああ、と息を吐いた。

空がこんなにも優しい色をしていることを忘れていた。
こんなにもきれいな青だったことを忘れていた。
繋いだ手の持ち主の存在を、きっとどこかで軽視していた。

どうしよう。

深く息を吸い込むたび、空気が体に浸透していく。息を吐けば日ごろのストレスも一緒に吐き出されていくようだった。
それは、こんなにも心休まるようなものだっただろうか。

泣きそうになっている自分に気づいて、ぎゅっと目を瞑る。

目が染みるのは白い太陽の光りのせいだ。心に染み込んでくるのはただの空気だ。
だから泣くものか。
こんなことで、こんなところで、絶対泣くものか。

繋いだ手が、少しだけ強く握られる。
その途端堪えていた涙が一粒だけこぼれた。
手の感触が、あまりにも優しかったから、ほんの少し、三上は自分に素直になった。

これは哀しいからじゃなくて、そばにいてくれる上原の優しさがうれしかったからだと。

ゆっくり、ゆっくり。
もう少しだけ力を抜いて。
休むこともきっと必要だと、上原が教えたかったのはそういうこと。
あんなにも真剣な顔で、あんなにも心配そうになってまで、三上に教えたかったのは、こういうこと。

だからさ。
自分のスピードで、強くなるよ。

         


節操なかったころ、うっかり書いた上原三上。
上原は青空の下で笑ってるイメージがあった。

               

                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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