大切にしたいきもち。
大好きなきもち。上手く伝えることが出来なくて、時々もどかしく思ったりもする、それはとても不可解で、けれど不思議ととても暖かな、コイゴコロ。
久方ぶりに遊びに来た黒川の家。
出かけることもせず、家に来てからずっと三上はただ雑誌を読みふけっていた。
いい加減文字を目で追うのにも飽きてきて、三上はふう、とため息を吐き読んでいた雑誌をおろした。
側で同じように雑誌を読んでいた黒川はそんな三上の様子を見てくすりと笑う。
「なんだよ」
「別にー…」
何か言いたそうににやにやしている黒川がなんだか妙に気に食わなくて三上は先程おいたばかりの本を再び手に取り黒川の方へ向かって投げつけた。
コントロールに自信のあった三上は、やはり上手いこと黒川の頭に本を命中させて、にやりとほくそ笑む。
「いってえ…」
「言いたいことがあんならちゃんと言えばあ?」
それとも何?言えないよーなコトな訳?と三上は黒川との間合いを詰めていく。
まるで獣が獲物に向かい来るように近づいてきた三上を抱きしめて黒川は掠めるようなキスで逆に三上を捕まえた。
三上は驚いたように一瞬目を見開いて今度は怒ったように目を細める。
「何やってんだよオマエ」
「したかったから」
しれっと答える黒川に三上は呆れたような顔をして返す。
ふと思いついたように三上はするりと両腕を黒川の首に巻き付けて自分から口唇を重ねた。
「年上に対してオマエ生意気すぎ」
幾度となく繰り返すキスに呼吸がだんだんと苦しくなる。
潤んだ瞳に誘いの言葉を滲ませて、三上は巻き付いた腕に力を込めた。
黒川はそれに柔らかな笑みで返す。
「三上サン可愛いー」
浮かべる笑みとは違う、からかうようなその口調に三上が眉根を寄せると黒川はそこにもキスを落とした。
愛おしむような柔らかなキスに絆されそうになって三上は片方の手で黒川の耳を引っ張った。
「何バカなこといってんだよ」
「痛いってば三上サン」
可愛いだなんて女じゃあるまいし、男が言われて嬉しい言葉ではない。それは黒川だってわかっているはずだし、三上は男だ。
それなのに、三上はくすぐったいような感覚を覚えて肩を竦めた。
反論を返そうとして、けれどそれもまたキスの中に流されていく。
トサ、という音と共に床に身体が落とされて首に暖かいものが触れた。
「あ…、」
びく、と反応を返す三上に黒川はそこを執拗に責め立てる。
鼻孔に黒川の匂いが届くほど間近に存在を感じて三上は愛おしそうに抱き寄せた。
顔を見合わせてまたキスを交わす。
口唇を離すと二人は同時にくすくすと笑いあった。
後はもう、数え切れないキスを交わし行為に没頭していく。
胸を満たす暖かいきもち。
身体を包む心地いい体温。
大切だと思うきもちが、大好きだと想うきもちが、体中を駆けめぐる。
嫌が応にも意識する、コイゴコロ。
あま…!orz
よくこんなもん書けたなあ、とうっかり思うくらい甘い。
この時ブームがきてたせいだ。飛葉三上(まとめるな)の。
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