グラ、グラグラ、グラグラグラ……。
「地震、かなぁ」
でも、ちょっと違う気もする。何がって聞かれても答えら
れないけど、落ち着かなくてすごく不安になる。こんな気分、
前にもあったかな。
(確か、あれはなのはが休む少し前だったかな……)
なのははどこへも行かない、戻ってくるって約束したけど、
だからって心配するのはやめられない。
「大丈夫だよね、ジョンソン、ベン」
かたわらにいるふたりに話しかける。ジョンソンもベンも
大型の室内犬。ふたりとも結構大きくて、ふわふわで温かく
て、抱きしめるととても落ち着く。猫もかわいいけど、抱き
つくと嫌がることも多いから、私は犬の方が好き。
「クゥン」
ベンが頭をすりすりして、ジョンソンがほほをペロッとな
める。ふたりとも私の不安が分かるのか、心配してかまって
くれる。
今夜はパパもママもいない。鮫島はいつもいてくれるけど、
こんな夜はやっぱりさみしいかな。さすがに鮫島をぎゅって
抱きしめるわけにいかないしね。
「やん、くすぐったいよ」
今度はジョンソンが私の胸をすりすりして、ベンはネグリ
ジェの上から足の間に頭を入れようとする。ほんと、ペット
のくせに嫌らしい子たち! でも、そうさせてしまったのは
私なんだけどね。
「ベンもジョンソンも私がほしいの? 今日は眠れそうにな
いし、ひさしぶりに遊ぼっか」
パパやママには内緒のいけない遊び。もちろん鮫島にも内
緒。知られたら恥ずかしいのもあるけど、きっと怒られちゃ
うし。だったらやるなって自分でも思うけど、思い立ったら
なかなか止められないのよね。
こんなこと知ったのは半年ぐらい前だったかな。教えてく
れたのは忍さん。眠れない夜に気持ちよく眠れる方法だって、
なのはと私にすずかで実演して見せてくれたの。すずかはもっ
と前からしていたそうだけど、忍さん以外に見られたのは初
めてで、当たり前だけどとても恥ずかしがってたっけ。
その時おかしかったのがなのは。忍さんの話を聞いてもまっ
たく分かっていなくて、すずかが猫ちゃんにされるのを見て
すごいびっくりして。なのはには忍さんと付き合っている恭
也さんやお姉さんの美由希さんもいるのに、そうゆうのはう
といというかニブチンだよね。
なのはの家はペット飼えないからって残念がっていたけど、
今はユーノがいるからしているのかな。あの子は反応がかわ
いいから、してもらうよりしてあげる方が楽しそうだけど。
なのはが帰ってきたらどうなのか聞いてみよう。
「あ、ちょっと待って。まだダメだってば」
まだネグリジェを少したくしあげただけなのに、ジョンソ
ンとベンは争うように中へ潜り込もうとするの。普段はとて
もおとなしいのに、うれしそうにハッハハッハしちゃって、
それがすごくかわいいのよね。
「ぬがないと汚れちゃうから、あぁぁん、もう!」
前にはいたままグチョグチョになるまでなめられて、それ
はとても気持ちよかったけど、はきかえたあとの処理に困っ
ちゃって。それ以来ちゃんとぬいでからするようにしていた
んだけど、こうなったらもうダメ、ふたりに来られたら力で
押さえきれない。
「ひゃっ、だめぇ」
ふわふわの毛がくすぐったくて、体の力が抜けちゃう。私
の内緒の弱点が、太ももの内側。前はそうでもなかったのに、
ジョンソンやベンと遊ぶたびにどんどん敏感になっちゃって。
私の抵抗がなくなったから、もうふたりともネグリジェの
中。どっちも押し合いながら一番奥を目指すから、私は足を
大きく開かされてとてもはしたない姿になって。
「ゃ、ゃだぁ。そんなにクンクンしないで」
ネグリジェの中に入るのにあんなに急いていたのに、いざ
ショーツを目の前にしたら急に慎重になって、鼻先をこする
ようにクンクンするの。犬なんだから当たり前だけど、こん
なとこの匂いをかがれるなんて、やっぱり恥ずかしいよ。そ
れにふたりの熱い息が吹きかかって、私も熱くなっちゃう。
「ぁっ、んんっ」
ベンが鼻をあそこに押し付けて、もっとクンクンする。も
うお風呂に入っちゃたから匂いなんてないはずなのに、少し
でも残った匂いをかぎとろうとして。ベンはここの匂いが好
きみたい。体育があった日なんか、何十分も飽きずにクンク
ンするから、それだけでおかしくなっちゃいそうだった。
ジョンソンの方はというと、熱くてザラザラで、でもヌメ
ヌメした舌で私の足の付け根をぺろぺろとなめはじめる。ジョ
ンソンは匂いより味みたい。すぐになめたがるの。ま、ジョ
ンソンは私の汗が好きみたいだから、どっちも似たり寄った
りよね。
「ん、GOOD、気持ちいいよ、ジョンソン、ベン」
ベンの鼻が動くたびにあそこがじんわり熱くなる。とくに
スリットの上の方にある一番敏感なところは、ショーツの上
からなのにしびれるくらい気持ちいい。
ジョンソンもショーツの上からなめたり、器用に舌でクロッ
チをめくろうとしたり。その舌使いが絶妙で、ドキドキして
あそこの奥がキュッとなっちゃう。
ネグリジェの上から頭をなでなでしてあげると、ふたりと
もさらにはりきりはじめちゃってかわいい。
「ふぁ…ゃ……んんっ」
もうショーツはジョンソンとベンの唾液でベトベト。でも
ぬれちゃったのはそれだけじゃない。きっと真ん中辺をぬら
しちゃったのは私。だって舌や鼻だけじゃなくて、ずっと足
を開かされたまま太ももを毛でこすられているんだもの。で
も、ほんの少しよ。
「…ぁ…ん、だめっ、NO! う、WAIT!」
すがりついてなかなか言うことを聞かないふたりを何とか
押さえ、ソファーを支えに立ち上がる。開きっぱなしだった
から、少し足がガクガクする。
「ふぅ、ジョンソンもベンも激しいんだから」
あらためてネグリジェをたくしあげる。よかった、ショー
ツはぬれちゃったけどネグリジェは大丈夫。こっちはごまか
すの大変だもの。
「いまぬぐから待っててね。ふたりとも直接の方がいいでしょ?」
「「ワンッ、ワンワン!」」
嬉しそうにしっぽ振っちゃって、現金なんだから。
「さっきはぬぐって言っても聞かなかったくせに」
「キュゥン」「クゥゥン」
うなだれちゃって、バカで、かわいくて、エッチな子たち。
エッチなのは私がいけないんだけどね。
「よしよし、今度はちゃんと待つのよ」
「「ワンッ」」
ゆっくりとネグリジェのすそをたぐりあげると、少しずつ
私の足がむき出しになる。ふたりともそれをじっと見つめて
いて、何えーとだっけ、そう、ストリップみたい。
「んしょっと」
ネグリジェを足の付け根で押さえ、片手でショーツを降ろ
すと、クロッチのところがぐちょぐちょにぬれちゃってる。
ふたりともエッチなんだからって思っていたら、そこにつーっ
と滴が糸をひいて。
(やっぱり私もエッチな子か)
ぬれちゃうかもしれないから、ネグリジェをおへそのあた
りまでまくって、片方ずつショーツから足を抜く。手の中で
小さく丸まったショーツは、ホカホカ温かくて、ぐっしょり
とぬれていて。私はそれをふたりの前においた。
「WAIT! 少しそれで我慢しててね」
ジョンソンもベンも競ってショーツにかぶりつく。もしか
したらやぶけちゃうかもしれないけど、別にお気に入りので
もないし、ふたりが喜んでくれる方がいいもの。
私はふたりに背を向けてうつ伏せになる。胸元でクッショ
ンを抱えて、ひざを立てておしりを突き出して。ネグリジェ
は腰までまくっているから、もちろんおしりは丸出し。
「まだよ、まだだめ、WAIT、WAIT」
気が付いてにじりよるふたりを制止する。いちおう我慢し
て待っているけど、ハァハァって荒い息があそこに当たって
て、あんまり意味なかったりして。かえって私の方が我慢で
きなくなりそう。
はやる気持ちを押さえ、足の開き加減をかえて、クッショ
ンを抱きなおして準備完了。これが私の一番気持ちいい姿勢。
「ジョンソン、ベン……COME!」
「「ワンッ!」」
ふたりの舌が私のあそこを襲う。ほんとに食べられちゃう
んじゃないかってくらいの勢いで。
「ん、んんっ」
クッションに顔を押し付けて我慢する。何か負けって感じ
がするから、声を出すのは好きじゃない。いつも最後は我慢
できないけど、最初くらいは飼い主の威厳をしめさないとね。
「…ん……っ」
私のあそこから、ペチャペチャペチャっていやらしい音が
する。前から後ろまでふたりになめられて、あそこがとけちゃ
いそう。
「ふっ…ん……」
直接なめられるのは、くすぐったいとかむずがゆいとかそ
うゆうレベルじゃない。もう、あそこがジンジンしっぱなし
で、裸なのに湯だったみたいに熱くなって。
「…っ…ん……ぁぁっ」
後ろの恥ずかしいところもペチャペチャって。これはジョ
ンソンの舌。汚いとこなのに何でか好きみたい。私はってい
うと、ちょっと好きかも。もちろん、なめられる方。だって、
あそことはちょっと違う感じで気持ちいいんだもの。
「ゃ……ぁっ…んん…」
だんだん声を我慢できなくなってくる。ベンの舌がスリッ
トの中まで伸びてきて、にじみでるいやらしいおつゆを直接
ぺろぺろして。ジョンソンはジョンソンで、恥ずかしいとこ
のひだを舌でほぐしはじめるし。
「…ぁ……ん、くっ……」
腰がジンジンしびれてくずれそうになって、何とかクッショ
ンにしがみついて。
「…ゃっ…ぁっ……はぁぁ」
頭の中が真っ白になって、ただ気持ちいいことと、好きな
人のことだけでいっぱいになって。
「すず…かぁ……な…の…はぁ……」
もしも、ジョンソンじゃなくて、すずかだったら……。
もしも、ベンじゃなくて、なのはだったら……。
二人には話せない、私のないしょの願い。
「……もっと……して……」
とうとうすずかの舌が中にまで入り込んで、くちゅくちゅ
音を立てて。
「だ、だめぇ…ゃ、そこ…きたなぃ…よぉ……」
やめてって言ってもすずかは止めてくれない。『でも、こ
れはアリサちゃんがされたいことだよ』って、私の恥ずかし
い穴で舌が動きまわって。
「…んっ…で、でもぉ……ひゃん!」
なのはに一番気持ちいいところを探り当てられて、そこか
ら背中をぬけて頭まで電気が走って、目の中に火花がちって。
「ひゃ、やっ…すっ、すごいっ……ぁぁっ」
小さなお豆が器用にむかれて、つんつんってなのはの舌が
つつくの。『今まで会えなかったぶん、気持ちよくしてあげ
る』って、舌でつつまれてグリグリこすられて。
「…お、おか……おかしく、なっちゃう!」
二人の舌がもっとはげしく動いて、あそこも頭の中もとろ
とろにとけてくずれて、そして。
「…す、すずかっ…なの…はぁぁぁっっ!」
(また、しちゃった……)
犬を友達に見立ててするなんて、やっぱりいけないよね。
もし知られたら、きっと嫌われちゃう。
「はぁぁ……」
なのはやすずかに気持ちよくしてもらいたいし、逆になの
はとすずかになら気持ちよくしてあげたい。でも私がそう思っ
ていても、二人はどうかって言ったら、どう考えてもだめだ
よね。
(これも、片思いっていうのかな)
いくら考えても切ないだけだし、ほどよく疲れて眠くなっ
たし、ジョンソンもベンもやっと満足したのか、もうなめて
いないし……。
「……さま。アリサお嬢様!」
鮫島も来たみたいだし、そろそろ寝ようかな……って、えっ?
「鮫島!?」
びっくりしてクッションから飛び起きると、そこにはこめ
かみを押さえ鮫島がいて、情けなくて仕方がないって顔して
いて。
「い、い、いつからいたの?」
いまさらだけど、腰までまくり上げたままのネグリジェを
下ろして、ばつが悪いからその場で正座。
「そこの二匹がお嬢様から離れた時です。いくら呼んでも気
が付かれませんでしたが」
ジョンソンとベンも横でしょんぼり座ってる。満足したん
じゃなくて、鮫島がきたからなのね。それにしても、まった
く気が付かなかったなんて……はぁ。
「これは奥様だけじゃなく、旦那様にもご報告しなければい
けませんね」
鮫島がちらっとふたりを見ると、ジョンソンとベンは「きゅぅ
ん」って小さくなって。私はふたりを鮫島からかくすように
抱きしめた。
「だめっ、パパとママには言わないで!」
ふたりがこんなことしてるって知ったら、絶対処分されちゃ
う!
「ジョンソンもベンも悪くない、私がさせたの。悪いのは私
なんだから、なんでも罰を受けるから、だから、だから!」
鮫島がじっと私を見る。鮫島の目が怖いけど、ここで引い
たらふたりが大変なことになっちゃうから、頑張ってにらみ
返す。
「…………そうですか。お嬢様がそこまでおっしゃるなら」
私の言うことを聞いてくれる!って喜べたのは一瞬で、そ
の後の鮫島の言葉を聞いた私は……。
一夜明けて、今日はさっぱりした日本晴れ。スクールバス
の中は、昨日の地震の話題で持ち切り。
「昨日の地震って、変な感じがしなかった?」
今日もなのははきていないから、私は後ろの方ですずかと
一所に座っている。で、すずかの関心も地震のことで。
「うん。何でか不安になって……」
きっと、すずかも私も考えていることは一緒。必ず戻って
くるって約束した親友のこと。
「……」
「………」
「…………あの、アリサちゃん」
「……何?」
重い空気を換えようとしたすずかの言葉。
「おしり、どうしたの?」
ぎくっ!
「えっ、ど、どうしもしないよ。NO PROBLEM、NO PROBLEMよ」
言えない、言えるわけない。おしりペンペンされてまだ痛
いなんて!
おしまい