「ううううう!」
机から少し離れ椅子に座ったまま大きく背伸びをする影があった
影の大きさから13、4歳だろうか
「組んでは見たが、この仕様なら速さは問題ないだろうが、とりあえずエイミィのところに行くか」
少年は立ち部屋を出て行った、目指す先はブリッジである
少年は歩きながら待機状態の2機のデバイスを見る、そしてまた進行方向に視線を戻す
その姿は心躍っているようにも見えた
ブリッジの扉を開ける
「エイミィ、頼みがあるんだが・・・」
「何?クロノ君」
エイミィと呼ばれた女性は椅子を回転させクロノの方へ向く
「このディスクとデバイス2機を開発局に送っておいて欲しいんだ」
そう言いディスクとデバイスを差し出す
「OK、でもどうするの?」
「そろそろなのはやフェイトに追いつかれてきたからね、只でさえデバイスの補正や魔力値でも
負けてるのにこれ以上は差をつけられないための措置さ」
エイミィは首をかしげながらもその頼みを承諾した
所変わって聖祥大付属小学校三学年の1教室、その教室に砲撃魔導師こと高町なのはの姿と
漆黒の魔導師ことフェイト・テスタロッサの姿があった
「今日からはやてちゃん復学だよね」
「はやてが多分同じクラスだって言ってたけど」
「まぁ、同じクラスなら良いけど違ったって会いにいけば良いじゃない」
金髪の少女アリサ・バニングスが言い、
「そうだね」
と黒髪の少女月村すずかがアリサの意見に肯定する
しばらく雑談している内に始業のチャイムが鳴り皆席についた
「えぇ、突然ですがこのクラスに新しいお友達です。1年生の頃から体が不自由で学校に来ることができませんでしたが、
最近それも回復し,やっと皆さんと一緒の学べることになりました。
はやてさん、どうぞ」
教師に促され教室の前の扉が音を立て開く
「八神はやてです、これからよろしく頼むな」
その後は以前のフェイトと同じようにはやてはクラスメイトに取り囲まれ質問攻めにあっていた
昼の休憩の時には取り巻きもなくなり、なのは達と昼食を取っていた
「なのはとフェイトだけじゃなくはやてまでとはね」
「本当、聞かされたときは驚いたよ」
「しゃあないやん成り行きやったんだし」
周りになのは達以外の生徒の姿は無く魔法の話で盛り上がっていた
そこでなのはの携帯が鳴った
なのはは携帯を取り出し発信元を確認する・・・時空管理局クロノ
それを確認しなのはは通話ボタンを押す
「もしもし?なのはです、どうしたのクロノ君?」
『すまないが来週の・・・そっちの世界で土曜日に本局にフェイトとはやてと一緒に来て欲しいんだ』
「何かあったの?」
なのはの表情が少し曇る
『いや、渡したいものと付き合って欲しい事があるんだ』