そして土曜日、なのは一行は時空管理局本局へとやってきた
とりあえずカウンタに行きクロノをインフォメーションで呼び出してもらった
しばらくしてやってきたのはクロノではなくエイミィとユーノだった
「やぁなのは、フェイト、はやて」
ユーノが挨拶する
皆もそれぞれ挨拶を交わし本題に移った
「クロノは?」
フェイトがたずねる
「来れば分かるよ、みんな着いて来て」
エイミィが合図し皆を誘導していった
向かった先は開発局の完成品保存室だった
「来たか、みんな揃っているな」
クロノは奥から箱を持ってきた
「なのは、はやて、先にこれを渡しておく」
なのはには赤い宝玉、はやてには金色の十字架のようなペンダントを渡す
「レイジングハート!やっとフレーム強化が終わったんだ!」
「リインフォース、もう出来上がったんかえらいはやいなぁ」
二人はデバイスたちと言葉を交わしそれぞれの懐にしまった
「さぁ、行こうか」
「行くってどこに?」
「訓練場だよ、ユーノも来てくれ」
「何で僕が?」
ユーノも行くつもりではあったが指名されたことに疑問を感じる
「この中で一番結界魔法が得意な使い魔だからだ、行くぞ」
「ちょっと待って誰が使い魔だ!誰が!」
クロノとユーノは言い合いながら、なのは達は喋りながら、途中でアルフも合流し訓練場に向かった
「さぁ、デバイスを起動してくれ」
各々デバイスを起動しバリアジャケットを身にまとう
「今から1対1の戦闘訓練を行う、目的は僕とはやての戦闘能力の測定だ、よって全力で頼む
勝負は僕とフェイト、なのはとはやてでいいか?」
「うちはええで」
「負けないよクロノ」
「頑張ろうねレイジングハート!」
皆意気込み十分な様子だ
「付き合せてすまないな、エイミィ、データをよろしく、ユーノ結界を」
「張ればいいんだろ、張れば」
愚痴りながらも広域結界を展開していくユーノ
「クロノ君もデバイス起動しなよ」
なのはが促す
「そうだな」
懐からカードを取り出し杖に変形させる、しかし今までなのは達が見たことのある杖だったが形状が
微妙に変わっていた
「行くぞデュランダル!」
『It is possible to complete the start, and to go. Boss』
なのはとフェイトは上空に上がり
クロノも後に続く
一方はやては
「ほな行こか、リインフォース」
『はい、マイスターはやて』
「リインフォース、翼を」
そう命じるとなのはのフライヤーフィンのような黒い翼が背中に六枚生える
闇の書事件と違い実物ではなく光の翼
融合型デバイスではない証だ
はやても空へと上っていった
「始めるか、エイミィ合図を」
両チーム十分に距離を取り合図を待つ
「3、2、1、はじめ!」
エイミィの合図とともに両組共動き始める
「行くよ、バルディッシュ」
『Haken Form』
バルデッシュがカートリッジをロードし斧から鎌へと形を変える
「デュランダル!」
『Yes, boss.Load cartridge,Spear style』
デュランダルの先端がスライドし青色の光刃が顔をだす
「ブレイズキャノン!」
『ブレイズキャノン』
先ほどの電子音声とは別の声での復唱その後すぐ
デュランダルからブレイズキャノンが発射される、
しかしその速さはインテリジェントデバイスとは思えない速さだった
不意を突かれたフェイトは紙一重でよける
「何今の!」
驚きながらフェイトは自身も攻撃移る
『Plasma Lancer』
フェイトが魔法を放つ
クロノは防御魔法で防ぐ
「加速!」
『アクセラレーション』
その電子音声とともにクロノが消える
フェイトは回りにバインドを忍ばせつつ
あたりを警戒した
「スティンガーブレイド!」
無数の光弾がフェイトを襲う
光弾は速くは無いが攻撃範囲が広く回避は困難
よってフェイトが取った行動は防御だった
光弾とバリアが接触し衝撃波がおこりフェイトは目を瞑る
フェイトはその後クロノに向かう・・・はずだった
フェイトの視界が戻った頃にはクロノは目の前にいた
後ろに下がるフェイト
クロノはそれを追いかけフェイトに向かう
「A.C.S起動!」
その一言でデュランダルの光刃が4本に分かれる
そしてデュランダルを突き出す
フェイトはバリアの維持に専念した
逃げ切ることも不可能ではない
フェイトは見てみたかった、新たなクロノの力を。
10秒も立たずに4本の槍はバリアを突破し
「展開!」
その言葉により今度は先端で交差していた光刃が開きバリアに穴をあける
「ブレイズキャノン!」
0距離でのブレイズキャノン
フェイトは吹き飛ばされかなり離れた位置で静止し息を整えていた
「バインド!」
フェイトが叫ぶと
クロノの四肢を光輪が固定する
「しまった!」
「こっちも・・・全力で・・・行くから!!」
途切れ途切れにフェイトが言う
「アルカス、クルタス、エイギアス、煌めきたる天神よ、今導きのもと我が元に降り来たれ。
バルエル、ザルエル、プラウゼル
撃つは轟雷、響くは轟音、残るは静寂、アルカス・クルタス・エイギアス」
『Plasma Lancer Metastasis Shift』
「私も、ただ遊んでたわけじゃない、クロノに追いつくために努力してた!!」
今までとは違いフォトンランサーではなく、プラズマランサー、威力は桁違いに上がっている
発射体がクロノの周りに消えては出現しを繰り返す
「デュランダル!」
『Defense style』
デュランダルの防御特化形態、一見通常の状態と変わってはいないが余分な魔力排出を最低限に抑え防御に専念するため
この形態だと攻撃に関して全くデバイスの補助を受けられない
雷槍はどこから来るか分からない、よってクロノは体を覆うようにバリアを張る
ファランクスシフトとは違い正面に魔力を集中させて防御すればよいというものでもなく
バインドに抵抗しつつもクロノは衝撃を待った
「ファイア!」
クロノは一つ誤算があった、発射体は転移できるのだ、それがたとえバリア内であっても
「しまった!」
クロノがそれに気づくのは早かった、だがバリアを縮小しようとしたときにはもう遅かった
バリア内に金色の大型の魔方陣が描かれそこから雷槍が発射される
発射が終わりクロノもフェイト同様ボロボロだった
身体的にではなく魔力残量が残り少なかったのだ、
AAAクラスの魔導師同士の戦闘、攻撃を撃つにしても防ぐにしても大量の魔力を消費してしまう
いくら全力でと言っても任務に支障が出るのはまずい、そのまま二人の勝負は相打ちで終わった
フェイトとクロノが戦っている頃に
「始めようかはやてちゃん」
「そやな、行こか」
両者杖を杖を構える
(私もやれる、あの子(夜天の書)みたいに)
はやて気合を入れ直し杖〜シュベルトクロイツ〜を握りなおす
「行くよ!レイジングハート!」
『All right』
「アクセルシューター!」
『Accel Shooter』
なのはの周りに光球が形成され
「シュート!」
その掛け声で光球が複雑な軌道を描きながらはやてに向かって飛んでいく
「盾!」
『パンツァーシルト!』
リインフォースが命に答え盾を形成する
なのはの攻撃からはやてを守りきる
「ありがとなリインフォース、今度はこっちからや
刃もて、血に染めよ、穿て、ブラッディダガー」
『ブルーティガードルヒ』
黒い刃がなのはに向かって飛んでいく
なのはこれの防御をレイジングハートに任せ
自身は砲撃魔法の準備に移る
「ディバインバスター!」
しばらく打ち合いが続いていたが
回避や防御ばかりでなかなか決着がつかない
お互い距離を取り
「力くらべ、やってみない?」
なのはが提案する
「ええよ、その方がきっとうちらに向いてるわ」
お互い距離を取りチャージを始める
とは言ったもののはやて自身の最強魔法ラグナロクは相殺能力を持たないため使うわけには行かず
「リインフォース、私の記憶からスターライトブレイカーを呼び出して」
『はいマイスター』
一瞬ではやては呪文詠唱に入る
「咎人達に、滅びの光を、星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」
「それ私の魔法!」
「新技術や!」
形、性質などは酷似しているが構造的には全く違うもの
闇の書ではなく自身の記憶から他人の魔法を呼び出す、
管理局がはやてのデバイスをなるべく闇の書に近づけようと
組み込んだものだ
また自分の魔法ではないため魔力消費量が大きい
数十秒後に両者チャージを終え
「スターライト・ブレイカー!」
「貫け!閃光! スターライト・ブレイカー!」
掛け声とともに発射する
巨大な2本の光の柱が空中で激突する
勝負は自分の魔法で使い慣れているなのはの勝利に終わった
4人は空中からおりていき地面に足をつける
そこに見学者たちが寄ってくる
「クロノ、デバイス新しくしたんだ」
「インテリジェントデバイスに変えたんだ、デュランダルじゃ小回りが効かないし
S2Uじゃ火力が足りないからね」
そういって皆にデバイスを見せる
「クロノ君のデバイスは管理局の新技術を流用したものだからね、もともとインテリジェントデバイスに近かった
デュランダルの管制人格を強化して完全なインテリジェントデバイスにして、S2Uの核を搭載することによって
ストレージデバイスとしても使えるようにしたから速さもばっちり」
「ん〜んよく分からない」
エイミィは分かりやすく解説したつもりなのだがなのはには良く分からなかった
「簡単に言うと一つのデバイスにインテリジェントデバイスとストレージデバイスが両方付いてるって言えば分かる?なのは」
ユーノがより簡単に説明する
「何となくわかったような、わからないような」
今だ理解できないようで皆少し顔が引きつっていた
「で、はやてのデバイスは?」
「はやてちゃんのデバイスは融合型からインテリジェントデバイスに変更、
リインフォースで呼ばれることが多いけど正式名称はシュベルトクロイツver13、
記憶詠唱方式を採用したのがこのデバイスの最大の特徴で・・・」
一行はエイミィの説明を聞いていたが、あまりの長さに顔をこわばらせていった
エイミィの話を強引に中断させて本局内部に戻ったクロノたちはレストルームで休憩していた
「そういえば今日は転移装置の点検日だったか」
クロノが思い出したように話を切り出す
「時間は・・・あちゃ、もう始まっちゃってるよ」
エイミィが頭を抑えうなだれる
「どういうこと?」
なのはが聞く
「転移装置の定期点検で君達を向こうの世界に帰せなくなったすまないが今日は本局に泊まっていってくれ」
「連絡は取れる?」
「それは問題ない家族に連絡してくると良い、エイミィ」
「なのはちゃんこっち」
「ほんならうちも頼もか」
エイミィはなのはとはやてを通信室に連れて行く
「フェイトは大丈夫だよな」
「どちらかというとこっちにいる方が多いからね」
部屋を取ってくると言ってクロノはレストルームから出ようとしたとき
私もいくよとフェイトもクロノについて行った
そして夜(時間的に)になり、少し大きな部屋を借りてフェイトとなのはとはやては同じ部屋に泊まることになった
しばらく三人でおしゃべりをした後
皆夢の中へと入っていった
夜も深け始めた頃フェイトに念話が届いた
『フェイト、もうすぐそちらに行くわ、今度は貴方も愛してあげたい、今更かしらね』
「母さん・・・」
フェイトは眠っているためこれはただの夢だとこのときは想っていた
その頃別の次元では1人の女性が魔法を詠唱していた
「これでだめなら・・・」
自分の全身全霊を持って魔法に集中する
魔法の対象になっているのは幼い少女
眠っているのか起きる気配は無い
紫色の魔力光が少女を包み込む
「お願い目を覚まして」
そして数分後に魔法の光は消えた
「これでもだめ、なの?」
女性が絶望しかけたその時少女の上体がゆっくりと起き上がった
少女は左手で眠そうに目を擦る
「んん、ふぁぁ、おはようお母さん」
「アリシア!」
母と呼ばれた女性は少女を両手で抱きしめる
「痛いよお母さん」
その女性の目からは涙が流れていた
(あとはここから出なくては・・・転移先は時空管理局)
「行くわよアリシア」
「うん!お母さん!」
少女は起きてからすぐに体が成長し始めた魔法に成長の効果もあったようだ
今ではフェイトとほとんど変わらない大きさ、そしてなりより姿だった
アリシアは女性の腰に手をまわし体を固定する
「転移、座標は・・・」
そして彼女達は消えた
プレシア・テスタロッサとその愛娘アリシア・テスタロッサは