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[425]421 2006/01/21(土) 04:29:54 ID:+PBVskmF
[426]421 2006/01/21(土) 04:31:12 ID:+PBVskmF
[427]421 2006/01/21(土) 04:31:59 ID:+PBVskmF
[428]421 2006/01/21(土) 04:32:58 ID:+PBVskmF

『〜魔法少女リリカルフェイトさん〜 第一話 プロローグ』

それは闇の書事件から少し経った、フェイト・テスタロッサの話………
彼女は今もなのはと同じ学校に通い、それと同時に管理局ににも勤めている、
ただ学業と仕事の両立はなかなか難しく、時には学校を休み管理局に勤しむ事もあった。
仕事の監督でもあり、母親になったリンディ提督としても彼女を学校に通わせたいが、
本人が仕事が重要な生真面目な意思や、それを曲げない頑固なところもあるし、
他にもトリプルAクラスの魔導士が仕事を手伝ってくれる功績は大きかった。


アルフ「お、フェイト、仕事終わった?お疲れさん」
フェイト「アルフ、散歩もう行った?」
ア「うん、ユーノが付き添ってくれたから」
フ「そっか、後でお礼しないとね」


フェイトの友人、なのはとはアースラでも部署が違うのかあまり会わず、
なのは自身も時間が来れば自宅に帰らなければならない、まさかアースラを優先させるわけにはいかないから。
もちろんなのはとは学校では会っているので、フェイト自身も仕事は仕事と割り切ってるようだ。
そして彼の兄のクロノ執務官は、
その執務官という役柄上毎日が何かと忙しく、フェイトとのんびりするという時間も少ない。
同様にエイミィ副執務官、リンディ提督も仕事をおろそかに出来る職位ではない、
どうしても仕事の傍ら家庭の事、というのがこの家族のスタイルらしい。
もちろん途中から入ってきた自分のせいでその長年のスタイルを帰る気もないし、
何よりクロノはこので生活でずっと過ごしてきたのだ、
むしろこの忙しい中、少しでも自分を気遣ってくれている家族に温かみさえ感じる。


フ「ユーノは?」
ア「う〜ん、いつもみたいに書庫に篭ってるんじゃないかね?
  あたしは夕飯までまだ時間あるみたいだし、少し寝させてもらうよ」
フ「おやすみアルフ」


そんな仕事優先の家族のためか、せっかく買ったマンションに帰らない事も多い、
忙しい時に職場で寝泊りするのはどこの職場も同じのようだ。
それに元々ハラオウン家はこのアースラで生活していたのだ、むしろこちらこそ家だという感覚がある。
ゆえにフェイトも誰も居ないマンションに態々帰るより、
家族や人の多いアースラに寝泊りし、時間になれば学校へ行ってここへ帰ってくるという生活が続いた。


フ「あれ……この前借りた本………どこやったっけかな……
  あとそれと………あった、これこれ」

それからフェイトはまだ見習いのような立場だから、自分の家族と違って時間は空く、
そういう時は家族の仕事を手伝おうともするのだが、その家族がそうさせない。
見習いに任せられない大事な監督の仕事……という事もあるが、
学校と仕事を両立させているフェイトに少しでも休ませたいという気遣いもあるからだ。

よってフェイトにも暇な時間が結構ある、
昔は母さんのために魔法の勉強、裁判中もそれらしい自由が無かった。
なのは達はといえば、学校から戻って仕事をすれば何時間か経ってしまい、
空きが出来ればなのはの世界の子供達が家に帰る時間、誰かと遊べるという事も無い。
何よりフェイトは学校での友達付き合いはアリサやすずかなどほぼ限定されていて遊ぶ相手自体少ない。
つまり今まで暇を潰すという事を生まれてこの方した事がなかったのだ。


フ「ユーノ!」
ユ「あ、フェイト、仕事終わったの?」
フ「うん、ちょっと夕飯まで時間つぶし」
ユ「そっか、じゃあ………」
フ「あ、この前貸してもらった本、良かったよこれ」


じゃぁアースラ内の何で時間を潰すかと、見つけたのはこの書庫だった。
無限にあるようなこの本の山、なのはの世界で読んだことある漫画も良かったけど、
フェイトにとってはここに通いつめる理由が他にもあった。


ユ「フェイト冒険小説とか好きだったんだね」
フ「うん、読んだ事無かったから」
ユ「ふ〜ん……あぁ、じゃぁ整理してる時に他にも結構見つけてあるからさ、それ持ってく?」


何よりユーノと喋るのが面白かった、
家族は今忙しいし、兄のクロノは同い年でもないし元々べらべら喋るタイプでもない。
数少ない友人のなのはは、学校で喋る事以外に電話を使えば話せるのだが、
何せ自分からそんなに掛けられない、あまり人を楽しませる話題を考える事が出来ないのだから。


ユ「あ、その本の中に水の中を泳ぐ蝶って出てきたでしょ」
フ「うん、確か精霊の居る水に落ちたときに沢山の蝶が泳いでたって……」
ユ「それ実は本当に居るんだよ」
フ「え!?そうなの?」
ユ「あ〜どこだったっけかな、確か僕も見たことあるんだ、
  こう蝶が水の中をヒラヒラ〜って泳ぐのを、あれは綺麗だったなぁ〜」


とにかくユーノはその誰よりも多い知識で、話を任せていても話題が絶えなかった。
この前は太陽を覆いつくすような物凄く大きい黄金に光る鳥の話をしてくれたし、
昨日は遺跡発掘の時に見つけた何千年も前の古いデバイスを見つけた話をしてくれた。
長い間狭い場所で魔法の勉強だけをしてきたフェイトにとって、
ユーノの無駄な知識はとても興味をそそられる。

ユ「ところでフェイト、学校のほうはどうなの?」
フ「う〜ん、さすがに国語はちょっとついていけないけど……
  他となると物足りない……かな?」
ユ「あぁまぁね、なのはの世界の教科書とか見たことあるけど、
  フェイトなら高等学校レベルで丁度良さそうだもん」
フ「………全部読んだの?」
ユ「うん」


フェイトは元々人にかまってもらうのは好きだけど、
じゃぁどうしていいのかを今まで学んでこなかった。
もちろんユーノ以外にも学校の知ってる男子も居るが、
彼らの知識量を合わせてもユーノには劣ってしまうし、話す機会も同クラスでさえさほどない。
でも考えてみれば当たり前で、小学三年生と言えば第二次性長期の前半の年頃、
男子と女子はいがみ合うのが普通である、が、フェイトにはその距離感がよく分かってない。
ネガティブ思考に“自分はかなり嫌われているのではないか”とも思っているぐらいだ。


ユ「まぁ学校なんて、楽しい事とそうでない事の折あわせだから、
  でも勉強が出来なくてつまんないってのは良く聞くけど、出来すぎてつまんないってのもな……」
フ「ユーノは何が学校で楽しかった?」
ユ「僕?僕は……友達とか……そういう……」
フ「……私はあんまり友達作るの得意じゃないから」
ユ「え?あ、いや、なのは達もいるじゃないか、友達は数じゃないよ、
  それに慣れてないことを無理したってダメだよ、ね?徐々にでもいいんだから」
フ「……うん」


それにユーノは優しかった、決して人の欠点をとやかく言う性格ではなく、
先に相手を励ますような言葉をかけてくれる、こんな自分に合わせてくれているのだ。
他の男子、つまりクラスの男子によっては軽い悪口を言う子も居て、
フェイトはそれを真に受け、酷く落ち込んだ事もあった。
もちろんそういう時はなのはが励ましてくれたり、アリサが変わりに怒ったりもしてくれた。


フ「ユーノ、仕事いつごろ終わる?」
ユ「終わるって言うか……最近は起きてはここで、疲れては寝てだから……
  時間周期とか気にしない生活になっちゃって……アルフの散歩が唯一の運動だよもう」
フ「じゃぁちょっと休憩して……これから夕飯になるから一緒に……」
ユ「う〜ん……じゃぁそうしよっか、ここ最近ここで軽い食事ばっかだし」
フ「う、うん……」


そんなユーノと一緒にいるのが、最近仕事終わりの楽しみになっている、
そう具体的な自覚はしてないものの、薄々ここに来るのが楽しみにになっている事には気付いていた。

フ「あ、クロノ、エイミィ」
エ「お、フェイトちゃん、珍しいねユーノ君も一緒?」
ユ「えぇまぁ」
エ「最近働き詰めでしょ?あんま良く無いよそういうのは」
ク「エイミィはちょっと気を抜くとお菓子をボリボリ食べて……少しはユーノを見習うんだな」
エ「何、自分も人の取って食べてるくせに」
フ「あれ?アルフは?来て……」
エ「来たと思ったら30秒で食べて終えてまた帰っていったみたい」


そんなフェイトとユーノの関係を……
エ『ねぇ、やっぱり仲良いよね2人とも!』(念話)
エイミィは歳相応に楽しんでみたり、
ク『別にそういうのは個人の問題だろ』
クロノもクロノでちょっとは気になるけど、
歳相応に大人ぶって態度では気にしない格好をとっていた。
母リンディもこの事をエイミィ伝いで聞いている、
ただエイミィ伝いであるから少々話がこじれているももの、
フェイトが女の子らしい感情を見せるという事は嬉しい事でもあった。
ようするに周りはこの2人を結構楽しんで見ていることになる。


フ「ユーノ、まだ時間ある?」
ユ「う〜ん、まぁ休憩時間分はほとんど後回しにしてるから余裕があると言えばあるけど」
エ「それじゃ分かりづらいって、yesかnoでいいんだって」
ユ「え?あ、空いてる……よ?」
フ「じゃぁユーノの部屋行って良い?」
ク「……ブッ!?」
エ「え、ちょ、やだクロノ君汚いってー」
フ「アリサからまたゲーム貰ったから」
ユ「あぁうん、いいよ」


最近なんだかおかしい、なのは達と一緒にいる時みたいにユーノと一緒にいるのは楽しい、
けどそれとは違って、ユーノと一緒にいると緊張するというかドキドキする……
でも嫌な感覚でもない、むしろもっと一緒に居たくなる様な……そんな気分。
そんな気持ちをフェイトは少しながら気付いていて、疑問に思っていた、
そしてこれが一般的な異性を気にする恋の始まりだとか気付くのは……また後のこと。


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