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[129]復讐するは我に有り 中編 2006/04/18(火) 05:18:51 ID:OqERQdBf
[130]復讐するは我に有り 中編 2006/04/18(火) 05:20:25 ID:OqERQdBf
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[133]復讐するは我に有り 中編 2006/04/18(火) 05:25:57 ID:OqERQdBf

復讐するは我に有り 中編

「ひどいわ!『臭う』なんて…」
「そうだそうだ!女の子に向って失礼だぞ!」
ザフィーラは『臭い』という言葉に反応し、抗議の声をあげるリーゼ姉妹と、
「そうよザフィーラ!もう少しデリカシーって物を考えなきゃ!」
そして何故か一緒になって叫ぶシャマルを順に見、何を言うべきか色々考えた後、
「ちょっとザはうっ!」
とりあえずシャマルに軽い当身を喰らわせた。
「おいおい…」
いきなりその様な行動に出るとは思っても見なかったリーゼロッテが、少し怯えながら
倒れたまま動かないシャマルを見る。
「え〜と…いいの?」
リーゼアリアが困った顔をして、シグナムとヴィータに尋ねる。
「ああ、特に問題は無い」
「いつもの事だよなー」
二人とも、本当にどうという事も無いと言う様に答える。
「彼、冷静沈着ってイメージがあったんだけど…」
「そうだな、おかげで安心して背中を任せられる」
「れーせーつうか、ただ単に鈍いだけの気もするけどな」
それぞれの答えに、
「…そう」
とりあえず、そのようにしか答えようが無いリーゼアリアだった。
「それで、どうする気なのだ?」
「え!?」
シグナムに尋ねられたヴィータが、以外と言わんばかりに驚く。
「…ひょっとして何も考えて無かったのか?」
その反応に、あきれた顔をするシグナム。
「だって、シャマルが言い出したことだし…あたしは何か面白そうだから」
「面白そうで縛り上げるな!」
リーゼロッテの抗議を、ヴィータはとりあえず無視した。
「ていうか、何も考えてねえのはシグナムもだろ!」
「私は別にこの様な事を望んだ覚えは無い、何かしたいのなら自分で考えるのだな」
「望んでないなら、解放してほしいんだけど…」
リーゼアリアの言葉もやっぱり無視される。
「いきなり言われてもなあ…シャマルは寝てるし」
「まったく、言いだしっぺだと言うのに…困った奴だ」
あんまりと言えばあんまりな二人を見て、リーゼロッテがザフィーラに話しかける。
「なあ…こいつってヴォルケンの中で嫌われているのか?」
「いや、そんなことは無い」
「そうは見えないんだけど…」
どうにも納得できないと言った二人に、いつもと同じ無表情でザイーラは断言した。
「気のせいだ」
「………」
「………」
色々と腑に落ちないところもあったが、二人は特に何も言い返さなかった。
「そうだ、良い事思いついたぞ!」
うんうん唸って考えていたヴィータが、突如として歓声をあげる。
「い、良い事って?」
何せ自分達の身に降りかかる事である、気が気でないといった様子でリーゼロッテが尋ねる。
「ふっふっふっ、お前らにシャマルの料理を食べさせる!」
どうだ!といわんばかりのポーズをとるヴィータ。
「え、えーと…どういう」
事かしら、とリーゼアリアが尋ねようとしたが、それはシグナムの叫びにかき消される。
「な!?お前、冗談で済む事と済まない事があるぞ!」
驚愕の表情を浮かべるシグナム。
「いいじゃねえかよ、別に死ぬわけじゃないし」
「死ななければ良いと言う物ではない!」
「ああ、もうギャアギャアうるせえなぁ!このおっぱい魔人!」
「だ、誰がおっぱい魔人だ!」

「なあ、こいつの料理ってそんなに酷いのか?」
口喧嘩をする二人を横目に、リーゼロッテが、傍らに佇むザフィーラに尋ねる。
「…最近は10回に3回ぐらいの割合にまで上達した」
「いや、頻度じゃなくて…」

「ひどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!!」
その味をどう言えばいいのか、ザフィーラがさまざまな表現を思い浮かべている最中に、
唐突にシャマルが復活し、口喧嘩から一歩前に進もうとしていた、ヴィータとシャマルに
詰め寄った。
「二人ともどういうこと?私の料理が拷問並に酷いって言うの!?」
泣きながら抗議するシャマルに、二人は目の前の喧嘩をすっかり忘れ、仲良く汗をたらしながら
シャマルに答えた。
「いや…しかし…」
「だってなあ…」
「ざふぃぃぃぃぃらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
さらに盛大に涙を流しながら、最後の頼みとばかりにザフィーラにすがりつく。
「二人ともひどいのよ!私が一生懸命作った料理が、放射性廃棄物並に危険だって言うの!」
「いや、そこまで言った覚えは」
「ザフィーラ、貴方はそんな事言わないわよね!」
「…10回に7度、うち2度は美味いと言える物が作れている」
「ほらみなさい!!」
ザフィーラの言葉にどうだ!と言わんばかりに二人を見るシャマル。
「残りの3割にはつっこまないのか?」
無論、そんなリーゼロッテの意見は無視された。

「それで、これからどうすんだ?」
とりあえず落ち着いたシャマルに、ヴィータが尋ねる。
「え?」
先程同様の質問をされたヴィータと、まったく同じリアクションをとるシャマル。
『ひょっとして考えてなかったのか!?』
全員のそんな視線を受けて、シャマルは焦った。
「え、え〜と…それは…あれよ、あれ!」
そして焦りに焦りまくったシャマルが思いついたのは、
「え、エッチな事よ!!」
ろくでもない事だった。


次回予告

「もう、グレアムさんったらリインちゃんの可愛さに、すっかり孫ラブパワーに
 目覚めちゃったみたいね………リインちゃん、ちょっと」
「なんですか、シャマルさん?」

「グレアムさんグレアムさん!」
「どうかしたのかな、リインフォース?」
「グレアムさんはなんでけっこんしてないんですか?」
「は?い、いや、それはその…仕事が」
「駄目よリインちゃん!そんな事聞いたらグレアムさんが傷つくでしょ?」
「え、でもシャマルさんが」
「いい?こんな歳になっても猫耳少女を傍らにはべらすような、ちょっと、ていうか
 かなり駄目っぽい人と結婚しようとする人なんて、この世の中にはそんなに居ないのよ?」
「そうなんですか?」
「い、いやその…」

次回「すもう」
その純粋な視線が痛い!


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