うちの娘が魔法使いだった、そしてペットだと思っていたイタチが男の子だった。
ただ、だからと言ってどうという事は無い、魔法や人外ぐらい、いつもの事だ。
桃子「あらー、うちはいいのよ、いつまでも宜しくね」
と、桃子も言ってるし、俺もわざわざ付き合いを無くす気は無い。
ただ………
士郎「なぁ桃子、男の子と女の子が一緒のお風呂に入るのはおかしくないか?」
桃子「やだもー、あなたったらー、10歳よ10歳、何するってのよ」
士郎「ま、まぁそうだな……」
そうだ、何を考えてるんだ、相手はまだまだ子供なんだ。
だから別に気になんかしなくても……。
なのは「う〜ん、ユーノ君それ気持ちー」
ユーノ「そう? じゃぁここは?」
なのは「あふっ、あ、いいかも〜」
士郎「………」
お風呂から廊下に漏れる声。なに、これだって、何気ない子供同士の会話さ。
士郎「しかしなぁ、泊めるのはどうなんだろう……」
桃子「どうなんだろうって、もー、いままでもそうだったでしょ?」
士郎「だ、だからと言って、女の子の部屋にその、男の子をだな」
桃子「大丈夫、なのはだって好きな男の子と一緒に居られれば嬉しいわよ」
士郎「す、好きだと!? お前それ知ってて!?」
桃子「いやだもー、あなたと恭也ぐらいよ、分かってないの」
士郎「う、うぬぬ……」
いや、確かに恋人的な雰囲気はあったのは確かだ。
大丈夫大丈夫、なのはにだっていつか来る事ぐらい覚悟している。
それに相手だって、聞けばかなりの学を持っていて、もう既に良い職場もあるそうじゃないか、
将来有望、なのはにとって、悪い相手じゃない。
しかし、しかしだな……
士郎「なぁ……、なんだかなのはの部屋、ドタドタしてないか?」
桃子「子供ってそういうもんよ、ついつい暴れちゃうんだから」
士郎「確かにそうだが……、もう寝る時間だろう」
桃子「そんなちょっとぐらい夜更かししても、ほら、収まった」
士郎「……あ、あぁ」
そして、俺達も眠りに付く夜……
士郎「なぁ、またなんだがドタドタしてないか?」
桃子「この家も、建ててからもう大分経つわねぇ〜、古いし、今日も風が強いし」
士郎「あ、あぁ……、だがなんだか、やけに等間隔というか、ベッドがきしむ音というか……」
桃子「やっ! ちょっとあなた子供達で何考えてるのよ! やだもー!」
士郎「痛っ! いや! あっ! す、すまん! そ、そうだな、俺がおかしかった!」
そうさ、この音は風で家のきしむ音、きしむ音、何も考えるな、この古い家が悪いんだ。
次の朝……
桃子「あら、珍しいわねなのはが起きてこないだなんて、学校はじまっちゃうわ」
士郎「………」
桃子「夜更かししてたからねぇ〜、起こしてこないと」
士郎「お、俺も行く!」
桃子「何、どうしたのあなた、何も起こしに行くのにあなたまで来なくていいのに」
士郎「気にするな!」
桃子「……もう、なのは? 起きなさーい、朝よー? 入るわよー」
なのは「………う、うぅん」
桃子「ほーら、ユーノ君もなのは起こしてあげて」
ユーノ「あ、はい……、分かりました」
士郎「ちょ、ちょっと待て! どうして一緒のベッドで寝てるんだ!」
桃子「どうしてって、あなた家族に床で寝ろっていうの? 酷すぎるわそんなの」
士郎「いや! お、男と女だぞ!」
ユーノ「よいしょっと……、ほら、なのは起きて……」
士郎「………!! は、裸!? なのはまで!?」
桃子「昨日はちょっと、春にしては暑かったわよねぇ」
士郎「い、いや! だ、だ、だからといって!!」
なのは「うん……、あ、ちょっとユーノ君、そこのティッシュ取って」
ユーノ「うん、はい、これ」
なのは「昨日はちょっと疲れてすぐ寝ちゃったから……」
士郎「ちょ、ちょっとどこ拭いてるんだ! 布団の中で!! だいたい疲れたってなんだ!?」
桃子「あらあら、仲の良い事、うふふ」
士郎「も、桃子ォォォオオーーーー!!??」
そして、おかしいと思っても桃子や美由希、なのはによる、ユーノ支持派の権力が強大なので、
そのうち俺は、考えるのをやめた。