名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:05:57 ID:p/cOgot4<> 魔法少女、続いてます。
魔法少女リリカルなのは
魔法少女リリカルなのはA's
のエロパロスレです。
エロは無くても大丈夫。でも、特殊な嗜好の作品は投稿前に確認をお願いします。
前スレです。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第六話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1140610972/
保管庫です。
☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html
<>☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第七話☆
396 ◆SIKU8mZxms <>sage<>2006/03/22(水) 00:07:05 ID:27Rs+bQE<> さっそく続きいきます。
魔法少女リリカルなのはA's+
第十三話 「決戦」
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:07:39 ID:27Rs+bQE<>
「それにしても二週間も寝ていてなんともないなんて、ジュエルシードは万能だね」
魔導師が紅茶をカップに注ぎながら言った。
「願いを叶える力がある、と言われていましたから」
ユーノがカップを受け取りながら答えた。
真相を語られてから十日ほどが過ぎていた。しかし、ユーノのリンカーコアは依然修復中で魔法は一切使えなかった。
そのため魔導師との奇妙な共同生活が続いていたが、魔導師の人格がいつ変わるかわからなかったので緊張は解けなかった。
名前は教えてくれなかった。聞いてみると、
「僕は一人で生きていたから、名前がある必要がなかったんだ。もう忘れてしまったよ」
と返された。
魔導師は向かい側の椅子に座っている。あの日の命のやり取りを考えると、なんとも奇妙な光景である。
「すべてのジュエルシードが僕の中にあるんですか?」
ユーノは試しに聞いてみた。もしそうだったら止めるなら今しかない。
「いや、今僕の手元にあるのは6つだね。つまり半分も君に奪われたってことだ」
ユーノの心を知ってか素直に答えた。そもそもこの魔導師には執着や危機感というものがないらしい。
だが、真実を知った今それもしかたがないかもしれないとユーノは思った。
「そろそろ、彼らが来る頃だな」
魔導師が窓の外を見ながら行った。外は曇り空で今にも雨が降りそうだ。
「彼ら?もしかして…クロノ達?」
そうだったらチャンスだ。ジュエルシードは半分はユーノの中にあり今は取り出すことは不可能だ。
「君は勘違いしているな。アドバンテージはこちらにある」
目に希望の光が輝き始めるユーノを見て冷静に魔導師が言った。
「君の命をどう扱うか…。彼が勝つのか君達が勝つのか。僕は傍観させてもらうよ」
そう言って魔導師はゆっくりと目を閉じた。開いたときには、あの鋭い冷酷な瞳がユーノをまっすぐ見つめていた。
*
「遅かったな」
暗雲の下、魔導師は空中に浮かびながら腕を組んで言った。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:08:12 ID:27Rs+bQE<> 風が吹き荒れ、真下の麦畑が不規則な波を作り出している。
「あの巨大ストレージデバイス…。かなりのプロテクトをかけてくれたおかげで解析するのに時間がかかったよ」
クロノが魔導師を睨みつけながら言った。
クロノの後ろにはなのはをはじめ全員がそろっていた。戦闘準備は万端だ。
「それはそうだ。いったい何百年費やしたと思っている。あの開発に」
(…何百年?組織的な集まりだったのか?)
未だに相手の目的と素性がわからなかったクロノは少し緊張した。仲間がいるという可能性も視野には入れていたが。
「そんなことより!!!」
なのはが叫ぶように言った。とにかく、まず第一に知りたいことがある。
「ユーノはどこ!?生きてるの?」
フェイトが続けた。彼の救出が最優先だ。
「…………」
魔導師が無言で指を差すと、一軒だけあった小さな民家の裏手から半透明の正4面体の檻が浮かんできた。
クリスタルケージで捕縛されたユーノがその姿を現す。
「ユーノくん!!!」
「ユーノ!!!!」
なのはとフェイトが同時に叫ぶ。よかった。生きていた!二人はその事実にまず安堵した。
しかしユーノの真上にはいつか見た光の槍が浮いていた。
「…条件はなんだ?」
クロノが聞いた。ただ、返ってくる返事はすでに予想できていた。
「私がお前達の命を奪おうとしている以上、人質に意味はない。よって条件を出しても成立しない」
魔導師は静かに言った。
「じゃあどうするつもりなんや!?関係ないなら今すぐ返して!!!」
はやてが叫ぶように尋ねた。
その発言を待っていたかのように魔導師は暗く、残酷な笑みを浮かべた。
「愛するものを目の前で失う苦しみを、お前達に味あわせるためだ!」
バッと手を掲げ勢いよくふり降ろす。あまりに早い展開にみながはっと息を呑む。同時に光の槍がユーノに高速で舞い降りた。
しかし、槍は軌道を変え家の外壁に突き刺さった。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:08:46 ID:27Rs+bQE<> 「なに!?」
魔導師は予想だにしない結果に驚いた。
ユーノはぎゅっと閉じていた目を少しずつ開けた。目の前には懐かしい二人がこちらを見て微笑んでいた。
「リーゼアリア!!リーゼロッテ!!」
クロノ達が来る前にリーゼ達はこの次元に先行し身を潜めていたのだ。
ユーノが驚いているとリーゼアリアがクリスタルケージを解き、落下するユーノをリーゼロッテが抱きかかえた。
「よおユーノ!ひっさしぶりぃ」
リーゼロッテがユーノに頬擦りしながら言った。
「わ!ちょ、ちょっと!!」
いきなりの抱擁にユーノは状況も忘れて赤くなった。
「「むぅ!!」」
それを見たなのはとフェイトが頬を膨らました。
『作戦成功だ、アリア』
『護衛は私達がするから安心して』
クロノが念話でアリアに伝え、リーゼ達は魔導師から距離をとった。
「もうやめましょう!こんなこと続けたって悲しいだけだよ!!」
なのはが必死に抗議した。
「それにこの人数。もはやお前に勝ち目はないぞ」
シグナムがデバイスを構えながら言った。
そして続けるようにクロノが言った。
「ロストロギア強奪の罪であなたを逮捕します。…大人しくジュエルシードを渡してください」
魔導師は静かにそれを聞いていた。確かにこの人数では自分には勝ち目がないこともわかっている。
この次元にはなんの仕掛けもなかった。……だが……止まれない。この憎悪は自分ひとりの行動概念ではない。
今まで生み出されてきたクローン達の歪んだ意志なのだ。
「これは理屈ではない」
魔導師はクロノ達全員をゆっくり見渡しながら言った。
「生きた証を。人を殺し、次元を消し去り、心に、空間に、存在を刻まなければならない」
自分の命と引き換えにしても。
「……故に!!!」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:09:21 ID:27Rs+bQE<> バッと両手を左右に突き出すと6個のジュエルシードが円状に魔導師を囲む。
次に自分の指の皮を噛み千切り、胸元から赤黒い液体の入った袋を取り出すと空中に撒き散らした。そして印を組み呪文を唱える。
赤黒い血文字が呪詛のように魔導師を包んでゆく。
「お、おい!なんかやべーぞ!!」
ヴィータが慌てて言った。
「まずはあたしがこの前の礼を返す番だよ!!!」
アルフが飛び出し高速で魔導師に向かっていく。
「バリアーーブレイク!!!!!」
アルフはパンチと同時に、バリア生成プログラムに割り込みをかける魔力を付加した。
しかし、まったくその効果は現れず、魔導師の鋭い瞳と目が合った。
「な…なんだいこの魔法は!?」
一見バリアか結界のように見えるが、アルフのバリアを干渉・破壊する攻撃は全く通じなかった。
「あ…あの魔法は……」
クロノが呟いた。報告書で見た、ユーノが作り出した新しい魔法。血液を媒介にリンカーコアの魔力と器を反転させる魔法だ。
すでに球状に血文字に包まれた魔導師がこちらを見ているのが見える。
その中で魔導師の周りをジュエルシードがぐるぐると回っていた。
(血液は事前に用意していたのか…)
先ほどの袋は魔導師の血が入っていたようだ。その時遠くからユーノの声が聞こえた。
「あれは他のクローンの血だ!!」
「なに?」
クローンという単語にクロノは驚いた。全員に聞こえたらしくみんなが驚きの表情をしている。
「詳しく話してる暇がないけど、あいつもクローンの一人で、たぶん自分ごと次元を消して生きた証を残そうとしてるんだ」
リーゼロッテに抱えられながらユーノがこちらに来た。
「僕のリンカーコアは6個のジュエルシードが修復中で魔法が使えない。残りの6個でこの次元を虚数空間に飲み込ませるつもりだ!」
念話が使えないので叫ぶように話すユーノ。すると魔導師がこちらをまっすぐ見て言った。
「あと15分程でジュエルシードは溜め込んだ魔力を解放するだろう。一瞬の爆発的な力ではたとえリンディ・ハラオウンといえど
止められまい。…これは命を賭けたゲームだ。次元を巻き込む爆弾と化した私を止められるかな?」
アースラで待機していたリンディが唇を噛んだ。相手はそこまで読んでいたとは。
『ちょっと、どうするのクロノくん!』
エイミィがその様子をモニターで見ながら言った。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:09:54 ID:27Rs+bQE<> 「そんなの決まっている」
クロノはポケットからカードのデュランダルを取り出し杖に変える。
「「「「カートリッジロード!!!」」」」
なのは、フェイト、ヴィータ、シグナムがそのデバイスを最強の形へと変える。
「やるしかないんやな…」
『やりましょう!マイスターはやて!!』
はやてが十字の杖、シュベルトクロイツを構えた。
「行くぞ!!!!!」
クロノが叫び、全員が魔導師を取り囲む。
「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ!!」『Eternal Coffin.』
「エクセリオンバスター、ブレイクシュート!!」『All right. Barrel shot.』
「撃ち抜け、雷神!!」『Zeus Zamber.』
「轟天爆砕!!」『Gigantform.』
「翔けよ、隼!!」『Sturmfalken.』
「響け終焉の笛」『ラグナロク!!』
全員の同時攻撃で辺りは光に包まれる。
すさまじい爆風が衝撃波となりその場にいる全員を吹き飛ばす。
リーゼ、シャマル、アルフ、ザフィーラはユーノを守るようにバリアを張っていた。
徐々に煙が晴れていく。
「馬鹿な!?」
クロノは驚きをあらわにした。
煙の晴れたその場所で、魔導師はまるで攻撃などなかったかの如く赤黒い球の中でたたずんでいた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:10:30 ID:27Rs+bQE<> 「む、無傷…!!あれだけの魔力攻撃に!?」
なのはもその頑丈さに絶望を予感した。
「たとえリンカーコアでもあの魔力攻撃に耐えられるはずは………まさか!!」
ユーノがはっと気づいた。
魔導師は不敵な笑みを浮かべながら答えるように言った。
「……そう。私には複数のクローンがいて、それらもリンカーコアを持っている。私はその全てを一つの体に入れたのだ」
同じ体、同じ意志であるからこそ可能なことだった。
「これならどう!!クラールヴィント!!!」
『Jawohl』
シャマルが旅の鏡を作り、手を入れようとした。
その瞬間、魔導師が高速でシャマル目掛けて突っ込んできた。
「きゃああああああああああ!!!!!!」
シャマルは魔導師の入った赤い球に弾き飛ばされ落下していく。
「シャマル!!」
ザフィーラがそれを助けるために降下した。
キュンッとUターンした魔導師はそのままザフィーラに突っ込んでくる。
「させへんで!!!」
ザフィーラをかばうようにはやてが前に飛び出してシールドを張った。
「な!?」
「うおおお!?」
しかし、魔導師ははやてごとザフィーラを吹き飛ばし、はやてとザフィーラは地面に突っ込んだ。
その衝撃はまるで巨大な鉄球が高速でぶち当たってきたかのようだった。
「はやて!!!おわっ!?」
「主!!くっ!!」
救出に向かおうとしたヴィータとシグナムにも赤い鉄球と化した魔導師がそのスピードにのせ突っ込んでくる。
二人はぎりぎりのところでそれをかわした。
そのまま飛び上がり、高い位置から全員を見下ろしながら魔導師が言った。
「さあ、どうする?残り時間は5分をきったぞ」
最大の防御力をそのまま攻撃に転化してくる。みなが避けることしかできなかった。
(どうしようもないのか…?このままだと……)
ユーノは歯軋りした。リーゼロッテに抱えられながら何もできずにいる自分が悔しかった。
みんなが死ぬ。この次元に住む人も。なのはも。フェイトも。
………そんなのは、絶対嫌だ。自分の非力さに泣くのは、もう嫌だ!!!!!
ドクン!!!!!
その時、ユーノの中にあるジュエルシードが脈打った。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 00:11:11 ID:27Rs+bQE<> 次回へ続く
少年と魔導師。彼らは同じだったのだ。
その願いが、熱き想いと共に衝突する。
次回 最終話 「たった一つの強き願い」
<>
396 ◆SIKU8mZxms <>sage<>2006/03/22(水) 00:15:29 ID:27Rs+bQE<> ついに今まで主人公っぽくなかったユーノに主人公補正がつきます。
覚醒ユーノをお楽しみに。そういえばようやく最近SS03を聞きました。
自分の小説はアニメの続きをかなり意識していたのでどんなものか
内心ドキドキしていたんですが、人間関係も予想通りでほっとしました。
<>
549 ◆xbn1Z6LB3Q <>sage<>2006/03/22(水) 00:41:39 ID:WgS+/j0y<> >>1
乙です。
そーいえば、無印7話はユーノの正体がばれる話でしたね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 01:28:20 ID:BTLWOl0V<> >>396氏
おお、ついに最終話ですか。
にしても主人公補正か。
そういや普通にアニメやゲームだとユーノって主人公でもおかしくなかったんですよね。
けれど本編では脇役に……。
彼の活躍期待してます。 <>
YUKI <>sage<>2006/03/22(水) 06:57:11 ID:FAWu4PtC<> >>1氏
スレ立てお疲れ様!
>>396氏
ユーノ覚醒!?どうなっちゃうのでしょう・・??? <>
YUKI ピクニックに行こう1<>sage<>2006/03/22(水) 07:00:54 ID:FAWu4PtC<> 穏やかな休日
降り注ぐ暖かな光と心地よい風
気候に興味を持たない人間でも「今日は良い日になりそう」と思える、そんな日
そう、普段は冷静に職務に従事するクロノも、今日この休日だけはのんびりと過ごしていた
「ふわぁ〜ぁ・・・・・・昼食どうしようかな」
リビングのソファにもたれながら、読んでいた雑誌から視線を時計へと移す
午前11時30分
そろそろ体も空腹を感じ始めていた
「たまには出前を頼んでもいいか・・・・。」
今日は家にはクロノ1人だけ
手を抜いた食事も悪くない
出前のそば屋のメニューを開きながら電話に手をかける
そこへ・・・・
――――ピーンポーン―――――
インターホンに気付き電話から手を離す
「誰だ?一体?」
とは言っても、この家に来るのは時空管理局の人間かそれに関わる者しか来ない
―――――ガチャリ――――
「どちら様ですか?」
ドアを開けながら尋ねたクロノに、太陽のような笑顔が降り注ぐ
「元気〜?クロノ君!?」
「・・・・・・なんだ、エイミィか・・・」
「ひっど〜い!何だ・・・は無いでしょう!何だは!」
「あぁ、悪かった悪かった。・・・で、何か用かい?」
「う〜んん、特に用は無いけど。なんとなく暇だから遊びに来たの」
「暇だからって・・・・まぁ、いいや。あがってくかい?」
「うん!おっじゃましま〜す!」
勝手知ったる他人の家、エイミィは自分の家のように中に入っていく
エイミィはソファに腰掛け、クロノは台所でエイミィの紅茶の準備をしている
「砂糖は要らなかったよな?」
「うん。有難う」
テーブルを挟んでクロノもソファに腰を降ろす
<>
YUKI ピクニックに行こう2<>sage<>2006/03/22(水) 07:01:37 ID:FAWu4PtC<>
「ちょうど今から昼食を頼むとこだったんだ」
「あれ?艦長は?」
「あぁ。母さんならデパートに買い物に行ってるよ。当分帰ってこないだろうな。」
「ふ〜ん。・・・フェイトちゃんは?」
「フェイトは学校のグループ研究で朝から裏山に野草の散策に行ったよ」
「グループ研究?」
「うん。なんでもグループ毎に研究したものをクラスで発表するらしい。張り切って出掛けて行ったよ。」
「へぇ〜、楽しそうだねぇ。・・・あれ?グループってことはなのはちゃんやはやてちゃんも?」
「あぁ。3人とも同じグループだからな。」
「じゃぁ、3人だけで?」
エイミィが聞いた途端、クロノの眉間に小さなしわが寄った
「・・・・・いや、あとは同じグループの男子3人が一緒だ」
少し不愉快そうに答える
「あ、あははは・・・・そうか、男の子も一緒なんだ・・・」
(あちゃ〜・・・・・完全に兄馬鹿になってるよクロノ君・・・・)
「で、でも!フェイトちゃん可愛いからもてるかもね!」
フェイトを褒めてクロノの機嫌を良くしようとしたが、これが大きな失敗だった
「・・・・・もてる?・・・・フェイトが・・・・?フェイトに近づく不貞な輩は許せんな。」
「あ・・・・・そ、そう。じゃ、じゃぁ良いの?その6人だけで行かせて。」
「心配要らない。その為にアルフを護衛に付けた。フェイトに良からぬ動きを見せたヤツには容赦なく噛み付けと言ってある。」
「そ、それはやりすぎなんじゃ・・・・?」
「フェイトの身を守る為だ。多少の犠牲は仕方ない。」
(こ、怖い!怖いよクロノ君!!)
エイミィは苦笑いをするしかなかった
「ふ〜ん・・・で、でも何だか話を聞いてたら、私もピクニックに行きたくなっちゃったな。天気もこんなに気持ち良いし。」
「ピクニック?今からかい?」
「うん!近場なら今からでも充分楽しめるよ!」
「そんないきなり言ってもな。・・・・準備もしてないし」
「あ〜あ、ノリが悪いなぁ、クロノ君。・・・それじゃ私1人だけで行ってこよ〜っと。
そうだなぁ・・・・場所は・・・・フェイトちゃんの居る裏山にしよ!うん!決定!」
その瞬間クロノが動いた!
「良し!行くぞ!エイミィ!」
「えっ・・・・・・・?く、クロノ君、行くの?」
「あぁ。こんないい天気だしな。・・・・・・言っとくが、別にフェイトの様子を見に行くんじゃないぞ。キミを1人で行かせるのはしのびないと思ったからだ。」
「あ、あははははは・・・・・・う、うん解った。ありがとうクロノ君・・・」
(神様、この兄馬鹿にご加護を・・・)
「じゃぁ、出発しようか」
「えっ!?クロノ君準備はや!!私まだ紅茶すら飲み終えてないよ!」
「エイミィ!急がないと日が暮れてしまうぞ!」
「まだ、お昼にもなってないよ・・・・・」
<>
YUKI ピクニックに行こう3<>sage<>2006/03/22(水) 07:02:15 ID:FAWu4PtC<>
そんなこんなで裏山到着
「うわぁ〜・・・緑が綺麗だねぇ!!」
「あぁ。確かに、これは見事なものだ」
新緑が芽吹き、太陽の日差しが木々に彩りを与えている
「それじゃぁ、取り合えず山頂目指してしゅっぱ〜つ!!」
「元気だな、キミは・・・」
張り切って遊歩道を歩いて行くエイミィに引っ張られながらクロノも続く
途中途中で草花や小川のせせらぎ等、クロノもそれなりにピクニックを楽しんでいた
「あっ!そろそろ山頂だね!」
「あぁ。どうやらそのようだな」
歩き始めて1時間弱 山頂に無事到着
街の全景が見渡せ、平和な景色にほっとする瞬間
「うわぁ〜・・・良い眺めぇ・・・・・」
「こうやって歩いて山頂まで来ると、景色も一段と感動的だな。」
「でしょう〜!来て良かったでしょ!?」
「あぁ。今回は素直にエイミィに感謝だ。」
「うんうん。素直でよろしい!」
「ん?あっちには展望台があるようだな?」
「あっ本当だ。行ってみようよ。」
「うん。行こうか。」
少し丘になってるところに綺麗な展望台がある
ベンチやテーブルが用意されており、そこではフェイト達がグループ発表に使う草花を選んでいた
「あっ!フェイトちゃん達だ!
おぉ〜い!!フェ、むぐぅ!!」
エイミィがフェイトを呼んだ瞬間、クロノがエイミィの口を塞ぎ茂みへと飛び込んだ
「んんん!!うん!!」
「ちょっと黙ってくれエイミィ」
エイミィに諭すように言うとクロノはエイミィの口から手を離す
「ぷはぁ、はぁ、い、いきなり何すんのよクロノ君!」
「静かに。フェイトにばれると良くないだろ。」
「はっ?何で?別に一緒に居たって問題ないでしょ」
「問題大有りだ!!これでフェイト達と合流したら、いかにも妹が心配で様子を見に来た兄馬鹿全開じゃないか!!」
(い、いまさら何を言ってるんですか?この人は・・・・・?)
エイミィは軽い頭痛を感じながら黙ってるしかなかった
「そっと様子を見よう」
幸いフェイト達は気付いていない様子だった
<>
YUKI ピクニックに行こう4<>sage<>2006/03/22(水) 07:03:11 ID:FAWu4PtC<> 「ここからだと少し声が聞き取りにくいな」
「そ、そんな、盗み聞きは良くないよ・・・・」
「これもフェイトの為だ、きっとフェイトも解ってくれる」
「そ、そうかな・・・・・・」
(だ、駄目だ・・・・もうクロノ君は暴走してる。フェイトちゃん、ごめん・・・私には止められなかったよ・・・)
フェイトはグループのメンバ―と上手くやっているようで、時折笑い声が聞こえてきた
「なんか楽しそうだなぁ・・・・・。ねぇ、クロノ君、もういいんじゃない?帰ろうよ」
「いや、エイミィ、あの黒髪のはやての隣に座ってる男子を見てみろ」
「えっ?はやてちゃんの隣の・・・あぁ、あのちょっと顔立ちの整った子だね。」
「あぁ。あいつはさっきからフェイトの顔ばっかり見ている。ほら!また見た!」
「えっ・・・・・?く、クロノ君、そりゃグループで作業してるんだから顔くらい見るんじゃない・・・?」
「いや、あいつだけ見てる回数が断然に多い。」
「そ、そうなんだ・・・・・。」
(あぁ・・・・・クロノ君がもう遠い存在に・・・・・)
「次にあいつが動き出したら、一瞬にして永久凍土に埋めてやる」
「えっ・・・・・?って何でデュランダルが起動してるの!?」
「だ、駄目だよ!クロノ君!それだけは駄目だよ!!クロノ君犯罪者になっちゃうよ!!」
「フェイトの為なら許される!」
「ゆ、許されないから!!それだけはお願いだから踏みとどまって!!!
クロノ君が犯罪者になるところだけは私は見たくないよ!」
「・・・・・う、うぅ〜ん。エイミィがそこまで言うなら・・・」
デュランダルを待機モードに戻したが、まだ納得できてない様子だ
(あ、危なかった・・・・・え〜ん、もうこんなのやだ〜・・・・早く無事に帰りたいよぉ・・・・)
エイミィの願い虚しく、この後1時間茂みの中でクロノの暴走を阻止しなければならなか
った
1時間後
「あっ!そろそろ帰るみたいだよ!!(喜)」
「うん。そのようだな。あいつめ、結局フェイトを179回も見ていたな。
次に会う時は容赦しないからな・・・」
「そ、そうだね!さ、さぁ!私達も帰ろう!!」
(た、助かった・・・・もう、2度とフェイトちゃんの後を尾行するのは止めよう・・・・)
エイミイもホッと胸をなでおろし、フェイトたちとは違うルートで下山する為の準備をし
はじめた
無事に終わるはずだった
最後に自然のいたずらが起きなければ・・・・・・
<>
YUKI ピクニックに行こう5<>sage<>2006/03/22(水) 07:04:16 ID:FAWu4PtC<>
――――ゴウッ――――――
っと一瞬の突風が山頂を吹きぬけた
「きゃっ!」
「うわっ!」
思わずクロノとエイミィも突風に煽られ、茂みからフェイト達の居る展望台のほうへ飛び
出してしまった
しかし、もっと起きてはならないことが起きていた
「きゃぁぁぁぁっ!!!!!」
突風はフェイト達にも襲い掛かり、フェイトの裾の長いスカートが風によってフワリと舞
い上がった
何故山登りにロングスカート!?
誰もが不可思議に思う瞬間
そのロングスカートの中から覗く健康的な素足と純白の布地
それを見てしまったはやての隣の男の子
――ブチッ――――
なにかが切れた音がしたと解った瞬間、怒りに目を血ばらせた漆黒の一陣の風が通り抜けた
「終わった・・・・・」
風の正体を知ったエイミィはその場に崩れ落ち、これから起きるであろう惨劇から目をそむけた
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
デュランダルを起動させまっしぐらに男の子に向かって行くクロノ
<>
YUKI ピクニックに行こう6<>sage<>2006/03/22(水) 07:05:37 ID:FAWu4PtC<>
全てが終わる
誰もがそう思った瞬間
―――ゴンッ!――――
鈍い音が辺り一面に響いた
――数日後
ミッドチルダ高等裁判所
「これより判決を言い渡す。被告人クロノ・ハラオウンは、
民間人に対し攻撃を行おうとしたが、その場に居合わせた
フェイト・テスタロッサ・ハラオウンに返り討ちにあい、結局攻撃は失敗した。
しかし!民間人への攻撃意思は許されない行為である為、今後6ヶ月間の減俸を申し渡す!」
「兄さんの馬鹿・・・・・」
「ば、馬鹿って・・・・僕はフェイトを守ろうとしたんだぞ・・・」
「あれはただの事故なのに、いきなり襲いかかるなんて、どうかしてる」
「い、いや・・それはだな・・・」
「何を言っても言い訳にしか聞こえない。」
「う・・・・・・す、すまん・・・・」
「ダメ。許してあげない。」
「そ、そこをなんとか・・・・」
「じゃぁ、今度の休みになのは達と水族館行くから、全部おごってね♪」
「あぁ、わかった・・・・・って、なのは・・達・・?」
「うん。なのはとはやてとアリサとすずかとアルフとユーノとエイミィ」
「ぜ、全員分・・・・?」
「当然」
「って、なんでフェレットもどきとエイミィまで!?」
「だって今回のことで一番苦労したの私なんだからね!クロノくん!」
「わ、解った!全部払う!払うから!!」
「うん!よろしい!」
「な、なんでこんなことに・・・・」
「自業自得だよ。クロノ」
「黙れフェレット。キミを凍らせてやろうか?」
「兄さん!!」
「は、はい!・・・・すみません・・・・・・」
その後、減俸+フェイトからの要望によってクロノは超節約生活をしいられることとなった・・・・・・・
fin
<>
YUKI ピクニックに行こう 考察<>sage<>2006/03/22(水) 07:07:41 ID:FAWu4PtC<> と、いうわけでクロノ兄馬鹿編でした。
なんとなくクロノが壊れるところを書いてみたくなりまして・・・。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 10:07:43 ID:pUib4yDa<> YUKIさんGJっす! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 16:00:03 ID:BTLWOl0V<> いやー、ここまで行くと病気だなー(笑)
義理の妹にそれほどにまで兄馬鹿になれるとはそっち系の道に進んでいくかもな。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 21:38:45 ID:Ea+Qo2vO<> >>覚醒ユーノ
アフォだと思うが…俺の頭の中で…
「お兄ちゃんの体中から、あの女の匂いがするよッ!!」
「いらない…あなたが一番いらないっ!」 で
有名なゲームの主題歌(PC&PS2)が流れてる…
卍解後はやっぱり今までの五倍から十倍に戦闘力が上がるのかな??
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 22:04:20 ID:ff+k6EFK<> >>23
ユーノ「卍
解」
ド
ン!!
こうか!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/22(水) 22:37:28 ID:DZbZp4B3<> ※前スレの感想入ってます
>>640氏GJ!
ユーノくん、管理局サイドが揉めてる間に
バックアップさんに吸い枯らされてなきゃ良いけど…(魔力の話デスヨ?)
これどうなるのかなあ。 「買い物に行こう」の頃を思うと、このまま
なのはさんが目覚めてユーノとひっついてってのも、切ない気がー…。
次回、なのはさんの答えが楽しみです。
>>176氏GJ!
ユーノくん、なのはさん、ヴィータ、シャマルのパーティーが
こんなに面白いとはw
>おまえまで悪い冗談止めろよですにょ!!
デジゲボ子吹いた
>>4949氏GJ!
良いですねえ、世話を焼く男の子と、世話を焼かせる女の子のカプ。
今のとこヴィータ→ユーノ風味ですが、ユーノの方から
矢印が出る日は来るのでしょうか。
>>396氏GJ!
他のクローンの、血やリンカーコアを…上手いなあ。
リーゼに妬く、なのはとフェイトに萌えました。 <>
4949<>sage<>2006/03/23(木) 12:23:07 ID:LRy63ZvJ<> スレ立てお疲れさまです!
YUKI氏GJ!壊れたクロノ最高です! <>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:16:22 ID:sOJzyeao<> 発掘五日目 ヴァ〜〜〜〜〜〜
罠に次ぐ罠の応酬。身に降りかかる災いを彼らは体一つで掻い潜り続ける。
「二人ともつかまって!」
両脇に二人を従えユーノは光鎖を天井目掛けて打ち込んだ。
「いくよっ!!」
崩れ落ちる足場を蹴って
「いっけーーっ!」
三人は宙を駆ける。
逆さの放物線を軌跡に三人は宙を駆ける。
背後からは岩に代わって燃え盛る業火が自分達を飲み込まんと魔手を伸ばす。
「きゃぁぁぁ!!」
「ひぃぃ!!」
右手になのは、左手にシャマル。こんな時でなければ文字通り両手に花ではあるが今のユーノにもちろん雑念はない。
「間に合えーっ!!」
眼下に見える足場の寿命はあとわずか。着地できなければさらに下の剣山で汚い生け花だ。
そうでなくたって後ろからは炎の津波。ここまで念入りな罠をこさえる所、この遺跡の主はよほどの暇人か。
「みんな飛び込んで!!」
運動エネルギーが全て位置エネルギーに変わる。振り子の終点へ到着すると同時に彼らは最後の足場に足をかけた。
――後一秒遅れたら。
この足場を崩していたのは足ではなく遺跡の意志だった。
次の部屋こそ最深部。淡い期待と共に入り口を抜け、呼応するように入り口に蓋がされた。
「はっ……ぁ〜〜〜〜!」
緊張感を解き放ってユーノは安堵の息を吐き出した。
「こんどは……大丈夫みたいだね」
ざっ、と見渡してこの部屋に異常はない。ただ広いだけの部屋。
「心臓止まるかと思ったわ……」
胸元を押さえながら呼吸と動機を沈めるシャマルに
「はぁ……」
現実を前に消沈しているなのは。
ここまでに相当量のトラップから逃れてきたおかげでみんな参っているのは明々白々だった。
「少し休憩しようか」
一行の隊長としての判断。今は落ち着く必要がある。
もう一度だけ周囲を確認し何もないことを確かめるとユーノは懐から手製の火起こしでいそいそと火を起こし始めた。 <>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:18:57 ID:sOJzyeao<>
* * *
焚き火を囲んでの作戦会議。床にへたり込みながら少しでも疲れを削ろうと三人は終止無言。
* * *
焚き火を囲んでの作戦会議。床にへたり込みながら少しでも疲れを削ろうと三人は終止無言。
「――ヴィータちゃんは」
「はい?」
五分間の沈黙を破ったのは年長者の彼女。
「ヴィータちゃんは無事なんでしょうか……」
欠けてしまった仲間。
結局ヴィータとははぐれてしまった。
自分達を圧搾しようとしたあの罠は途中にあった分岐点のおかげで奇しくも逃れることができた。
だがヴィータはその反対を行ってしまったのだろう。彼女が頑固なヨゴレになったかはわからないが多分だいじょうぶ――だと思いたい。
「多分ヴィータのことです、きっとそのうちひょっこり現れますよ」
「そう……ですよね」
「はい。それにはやてに会わないままヴィータはやられませんよ。その内、あたしを置いてくなーっ! ってひょっこり出てきますよ」
「ふふ、そうねヴィータちゃんだもの」
わずかにシャマルは微笑んだ。こわばっていた口元からも力が抜けてゆく。
「だけど夜天の書以外にも晴天の書なんてものがあったなんてね」
「世界の記憶を収集する魔導書……」
「世界の文化や自然を集めて何をするつもりだったのかしら、製作者の人は」
「さぁ……聞いてみないと分かりませんけど、ただ――」
俯き加減だった顔が少しだけ上がる。視線は眼前の灯火よりも遥か遠くを見つめているようだった。
「残したかっただけなのかも」
「残したかっただけ?」
「はい、なんていうか発掘は目的の宝とかを手に入れたら終わりみたいなものです。もちろん目的に至るまで沢山の苦労があります」
「それで?」
「僕らにとってはその過程もいい思い出です。でも形として残すことはできない、あくまで記憶だけ。それでも形として残しておけるなら残したい」
一区切りつけてユーノは薪をくべる。燻りかけてた火がまた燃え盛り始める。
<>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:20:50 ID:sOJzyeao<>
「この魔導書を作った人もそんな風に旅した世界での思いで全てを残したくてこれを作った……そう思うんです」
あくまで僕の推測ですけどね、と最後に足してユーノは照れ笑いをした。
「欲張りね、その人って。ヴィータちゃんみたい」
「かもしれませんね」
静かな部屋に二人の声が染み渡っていく。柔らかな揺らめきに照らされて二人の顔はいい具合に力が抜けている。
「なんだかユーノ君って不思議ね」
「不思議?」
「ええ、これだけ不安だった気持ちがもうなくなってるもの」
胸に手を当てると平静を取り戻した鼓動を感じる。さっきから命の危機に何度と晒されていたのが夢だったみたいに思える。
「一応隊長としての義務ですから。隊員達の不安も取ってあげるのは」
「でもこんなにうまく出来るなんて流石よ。皆をやる気にさせて安心できる」
「僕は僕の出来ることをしてるだけですよ」
「そうね……だからそうなのかもね」
自然と人に合わせるのがうまいのだ。この歳でここまでの地位をもてるのだから世渡り術もうまくなるのは当然だろうと思うが、それ以外にもこの少年には不思議な安らぎがある。
別に年下趣味はないがそれでも彼には何か人ひきつけるような何かがあると感じられた。
きっとそれがユーノ・スクライアたる由縁なのだ。
「ユーノ君が隊長だとみんな安心できるわ」
「そんな褒めても何もでませんよ」
「あら、じゃあもっと褒めれば出てくるのかしら?」
色のついた顔でユーノを見つめる。年上に対してそれほど免疫のないユーノには何気ないこんな仕草でも効果十分。
少し頬に朱が浮かぶ。
「か、からかわないでください! 出ないものは出ないんです!」
そうして横を向いてしまうあたりやはり九歳の少年だったりするわけで。
そういえば彼はまだ出ないのだろうか。
最後の最後でそんなものを思考回路に浮かべるあたり彼女はいろんな意味で侮れなかった。 <>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:22:09 ID:sOJzyeao<>
* * *
両足を抱えて小ぢんまり座る格好は世に言う体育座り。二人の談笑にも混ざることなくなのはは一人、身をくねらす炎の姿をじっと見つめていた。
ヴィータがいなくなったと思ったら今度はシャマルの相手をユーノはしている。
結局、混ざるのではなく混ざれない。二人の雰囲気になぜかなのははしり込みをしてしまっていた。
気落ちしている自分はユーノの目にどう映っているのだろうか。心配してくれるのなら声をかけて欲しい。何か話して欲しい。
「一応隊長としての義務ですから」
良く考えてみれば今ユーノがシャマルにしている話はもしかしたら自分に向けられていたことだってあるはずだ。
その義務があるならなんで不安で一杯な自分を救ってくれないのだろう。そんなに能天気に見えるのか。
どんなに罠が襲い掛かってきても、どんな困難になろうともユーノは平等だった。きっと今もそうなのだ。
じゃあ二人っきりなら――
(ダメ! わたしなんてこと考えてるの……)
邪な誘惑をなのはは首を振って振り払う。二人になれば平等なんて言葉は皆無。そうすればユーノは自分しか見られなくなる。だけどそんな考え願うなんて最低だ。
ヴィータに続いてシャマルまでいなくなったらユーノが自責の念に駆られる。今だってきっと都合のいい言い訳で誤魔化してる。
ユーノの悲しい顔は見たくない。
(考えちゃ……ダメ!!)
何も考えるな。こんな醜い自分ユーノは絶対嫌いになる。
もっともっと困難が降りかかればいい――。
それよりもさっさとゴールに着けばいい――。
なにより隣に
「っ! なのは後ろっ!!」
「えっ?」
声が虚ろに漂っていた意識を引きずり上げる。
ハッと振り返るなのは。彼女の目に映し出されるなにか。
「……ひっ」
短い悲鳴に息が詰まり瞳孔が広がった。
ボロボロの衣服。生きているとは思えない青黒い肌。腐臭が鼻を突き刺し、明後日を向く眼光は虚空を見つめるばかり。
醜いとしか言いようがないものが後ろにいた。 <>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:23:17 ID:sOJzyeao<>
「ヴァーーーーーーー!!」
悲鳴のようで雄たけびのような。耳を劈く叫びと共にそれは自分に覆いかぶさろうとする。
「なのはーーっ!!」
ユーノが叫ぶ。自分の頭も動け、逃げろと叫ぶ。
体は応えなかった。恐怖や驚愕がその一端を担っているのは確か。
「あっ……」
それよりもなのはには自分を襲おうとする化け物が今考えていた醜さそのものに見えて動けなかった。
「この――」
右手から生み出される鎖をユーノは迷うことなく振り上げる。
弧を描き天井すれすれを掠める鎖。ユーノの腕に合わせてたわみ唸りを上げ
「なのはから離れろ!!」
温和な彼とは思えない荒げた声。輝きが化け物の体を打ち据えた。
身を走る鎖。ギチギチと悪寒が走るような音を立てて肉を引き裂いていく。
「はぁっ!」
骨に引っかかったか鎖が足を止める、が勢いは止まらず化け物の体に巻きつき締め上げる。
引き剥がすようにユーノは腕を横へ振りぬいた。鎖に引きずられ成すすべなく化け物は壁のヨゴレとなった。
「なのはぁ!」
「あ、ゆ……のくん」
駆け寄る彼の顔は今まで見たことないくらいに取り乱していた。
「怪我はない!?」
「だ、大丈夫」
「そ、そうかぁ……はぁ」
何も怪我がなくてなにより。体を包む安堵感にユーノは素直に従った。
「ありがと、ユーノくん」
「ううん、なのはの背中は僕が守るんだから当然だよ」
さらりと言って笑顔のユーノ。心からの笑みはなのはの心を揺り動かす。
思わずどきっとしてしまった。
「今の何? ……ゾンビ?」
あれに当てはまりそうな唯一の言葉にユーノは首を縦に振る。
「きっと今までここに来た人たちが魔力で操られていただけだと思う」
じゃなければあんな無様な末路に導きはしない。壁にこびりついているあれは間違いなく本来なら物言わぬ骸だ。
ミイラ取りがミイラになる、何て言葉のようにこの遺跡に入って無残に散った先駆者の成れの果てなんだろう。 <>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:24:07 ID:sOJzyeao<>
「――二人とも!」
声を上げるシャマル。まだ危機は去っていない。
水面でもないのに床が不気味に波立つ。波紋が部屋を広がり触発されるようにあちらこちらで新たな波紋が生まれていく。
三人背中合わせで部屋の真ん中。雨に打たれるように波紋は生まれ続け部屋中が不気味に蠢く。
全身を伝う悪寒のような魔力の波動。何かが来る、なんて思うより早く波紋の中心から何かが顔を出した。
「なっ……!?」
頭、体、足と出てきたのは今さっき叩き潰したのと瓜二つの骸。一息で部屋を覆い尽くして一斉に吼えた。
「ユーノくん!」
「うん、流石に……大丈夫じゃないね」
部屋を見渡してユーノは口から漏らした。
二十を過ぎた所で数えるのは止めた。これだけの敵をどうやって相手に出来ようか。バインドだって限度がある。ここで無闇に動けばそれこそ死神が命を頂戴に来るだろう。
ジリジリと追い詰められて気がつけば部屋の真ん中で背中合わせ。魔法さえ使えればこんな奴ら一瞬で殲滅できるというのに。
「どうするの……ユーノ君?」
「どうもにもこうにも――」
背中越しの言葉に促されるようにユーノは部屋の中を見渡した。
入り口は入ったときに閉ざされている。仮に開いていてもゾンビを蹴散らしていくことは敵わない。無論、石レンガを積み上げた壁にはこれと言って仕掛けのようなものもない。
「――あそこなら」
ただ一点、残る場所は上。そして突破口はそこにあった。
天井の一部分。崩れたのか黒い口を開けている場所がある。それほど大きくはないが自分達ならなんとかいけるはず。
「で、でも遠すぎるよ……」
なのはが尻込みしシャマルも首を振った。
「危険すぎるわ。もし落ちてゾンビの中にでも入ったら……」
悪寒が走る。それこそ屍の仲間入りだ。
退路を絶たれて三人は完全な窮地に立たされた。
「くそ……」
迫るゾンビの群れに三人はこれでもかというくらいに背中を密着させた。もう玉砕覚悟でやるしかないのか。
頭の中を蝕む焦燥を何度も振り払うユーノ。前にも後ろにも進めない足はその場からどうすることも出来ずただ重心を下へと向けるばかり。 <>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:25:03 ID:sOJzyeao<>
ピシ――……
世界がコマ送りになった。
体を包みこむ浮遊感。足元の感触が希薄になり目線がどんどん下がっていく。
隣で同じようにバランスを崩すなのはを反射的にユーノは抱きとめ口を開けた床穴に抗うことなく
「あっ――うわぁ!!」
落ちた。
ゾンビよりも三人の体重が重かったのかいとも容易く床が抜けるなんて誰が予想できたか。
はたまたこれがこの部屋に仕掛けられた罠だったのか。聞いて見なければわからない。
命があること前提だが。
「ユーノ君! なのはちゃん!」
突然姿を消した仲間の異変に気づくも遅し。床一枚が三人の命運を分けていた。
抜けた床の淵に踵を投げ出す格好だったがシャマルは何とか踏ん張り事なきを得た。
だがこの場合これを事なきを得たというのか。
「ひっ!」
一人ゾンビの群れの只中というのは十中八九棺おけに片足を突っ込んでるというものだろう。
いっそ後を追うか。少し穴の様子を見てシャマルは無表情で半回転。生憎博打を打つ度胸はシャマルにはない。底は見えない行く先も分からないで誰がそんな物騒な真似できるか。
だが逃げなければこの薄汚い骸と一緒に一生を終えることになる。
「それも嫌ぁ〜!」
下手をすればこのゾンビご一行のお友達になりかねない。せめて死人になったら安らぎは欲しい。それをこいつらのような人間忘れて動き続ける生ゴミになるなんて考えた日には死にたくなる。
プライドか、命か。
ぶつかり合う主張をシャマルが選んだ結果は
「ヴァ〜〜〜〜〜!!」
「どっちもいやぁ〜〜〜」
否、選べなかった。
結局、彼女の優柔不断に痺れを切らしたゾンビが襲い掛かる方が何よりも早くて
「きゃぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
湖の騎士はゾンビの泉に沈んでいったのだった。
「ヴァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
シャマルの明日はどっちだ。
<>
176<>sage<>2006/03/23(木) 21:25:55 ID:sOJzyeao<> インジョー5話、いつの間にか二人きりになってしまいました
ヴォルケン好きな方はごめんなさい
>>396氏
ユーノがついに覚醒ですか
楽しみにしてますよ
>>YUKI氏
去勢した方がいいなクロノ君
兄バカもここまで来るともはや言う言葉もなしですな
追伸:お気づきでしょうが二番投稿の最初の重複部分はコピーミスです
……すいません。保管する時は消してください <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/23(木) 21:35:27 ID:X2SB0EU2<> これは闇の書事件から11年後でなのは達は全員20の大学生での酒を飲んだ場合の話です。
第一話「大学での私たちの話なの」
「暇だね〜フェイトちゃん、学校も講義が朝しかなくて午後は休講になっちゃったね」
私は隣にいるフェイトちゃんに話しかけました。
「うん…そうだね。私やアリサ達も講義が午前しかないから暇だよね」
フェイトちゃんがそう言うといつものメンバーが頷きました。
「そうよね〜」
「そうだね」
今、私たちがいるのは大学の学食です。
「何かいい案はないの?なのは」
いきなりアリサちゃんが私に話を振ってきました。
私は、う〜んっと悩みながら一つの案に辿り着きました。
「そうだ私たちって、もう既に二十歳だよね?午後は予定ないなら誰かの家でお酒を飲まない?」
私の発言にミンナは頷いてくれてホッとしました。
「それなら、はやても誘わない?」
すずかちゃんがそういいました。確かに、はやてちゃんの事を忘れていました。
「そうだね。はやてちゃんも誘おっか、メールで聞いてみるね」
私は早速ケータイの登録蘭から八神はやての文字を見つけてメールしました。
少し待っていたらメールの返信が来ました。
「うん、午後は平気だって来たよ。待ち合わせ場所はどうしようか?」
私が訪ねたらフェイトちゃんが「校門の前でいいんじゃないかな?」って言ってきました。
私は他の二人にフェイトちゃんの案が良いか聞きました。そうしたら二人とも大丈夫と言ってきました。
私は、はやてちゃんに待ち合わせの場所は大学の校門前と待ち合わせ時間は午後12:30と書いて返信しました。
「あと少ししか時間内から早く行きましょうよ」アリサちゃんが先に学食を出て私たちを呼びました。
ここから校門まで約10分なので丁度私たちが校門の前に付くと同時にはやてちゃんの姿を確認できました。
一応ここまで次回は第2話「明日は日曜日!フェイトちゃんの家で宴会なの」を多分だけど書く <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/23(木) 22:38:30 ID:G6DR2eq1<> >>24
(*`∀゚)ъ
卍解後は狒狒王 蛇尾丸か龍紋鬼灯丸を使ってほしいな…
エロ介は無条件で大紅蓮氷輪丸だな…
何故ユーノの卍解後がゴツイ武器なのか??
そんなの…細いHEROがゴツイ武器持ったらかっこいいじゃん!!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/23(木) 22:51:01 ID:t092RQGc<> 「淫乱でいいよ。淫乱らしいやり方でしてもらうから」 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <><>2006/03/23(木) 22:57:34 ID:hUFGrt1x<> 「く・・・この・・・」
───動かぬこの身体が、腹立たしい。
(なのはが・・・来てるかもしれないってのに・・・!!)
少年の焦る心を、その右腕は反映せず、わずかに地面から持ち上がったかと思うと、再び糸が切れたように重力に身を任せ落下する。
遺跡のほぼ最深部に位置するこの場所にも、先刻の揺れは確かに響いていた。
同時に、フェイト達が感じたものに比べれば遥かに微弱なものではあったけれど、
その原因となった砲撃魔法の魔力の残滓も到達していて。
彼もまた、想い人の到来を知る。
「・・・知らせ、なきゃ・・・」
彼女が来ているのなら、自分の居る、この場所を。
伝えなくては、少しでも彼女達が、危険から遠ざかるよう。
「っく・・・・」
ほんの目と鼻の先に転がっている、茶に汚れ膨れ上がった大型のザック。
あの中には発掘用に持参したいくつものデバイスが眠っている。
(魔力が・・・奪われて、感知できないなら・・・!!)
最初からその内に魔力のあるものを使って、感知できるようにしてやればいい。
自分の魔力が感知できないほど弱まっているなら、別の魔力で以って気付かせればいい。
持参したデバイスひとつひとつに込められた魔力は小さくとも、全部かき集めて暴発させれば、
遺跡内という閉鎖空間でなら十分、彼女達が気付くくらいの濃度と大きさにはなるはずだ。
方法は、それで問題ない。しかし。
「・・・・っご、けぇ、・・・!!」
その目と鼻の先まで、右腕が動いてくれない。
あと十センチ、いや、五センチ程度だというのに、力が、入らない。
(くそ、ぉ・・・・)
情けない。
自分が彼女の力になれるほど、強くないことは知っていたけれど。
そればかりか、己のとった行動によって彼女を危険に晒し、それに対して何もできないなんて。
情けないにもほどがある。
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく絆−
第十一話 彼女の結論、それは失望
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/23(木) 22:58:57 ID:hUFGrt1x<>
「なのははユーノのことを・・・『友達だから』、心配するの・・・?」
「どういう、ことなの・・・・?わかんないよ・・・」
「答えて・・・お願い・・・。なのはにとってユーノは、友達?それとも、もっと別の存在?」
ユーノ・スクライアという少年が、なのはにとってどういう存在か。
親友の問いの意味を、なのはは図りかねていて。
気付かぬうち、最悪の返事を親友へと返す。
「どうして、ユーノ君が出てくるの・・・?怒ってるのは、フェイトちゃんでしょ!?」
「・・・」
「一昨日だって!!おかしいじゃない!!『ユーノが可哀相』って、どうして?
なんでユーノ君のことでフェイトちゃんが怒るの!?私とユーノ君が友達でいちゃ、いけないの!?酷いよ!!」
──酷いのは、どちらか。
それは、彼女がフェイトの真意を知っていたのであれば、開き直りにしか聞こえない言葉であっただろう。
だが、彼女は純粋に、わからなかった。何故、フェイトが、自分の親友が。
互いの共通の、大切な友人との交友関係に憤りを覚えるのかを。
彼女も、ユーノも大切な友達だ。それの、どこがいけないというのか。
偽らざるその思いは、致命的な言葉となってフェイトの心へと入り込んでいく。
「・・・そ、う・・・。やっぱりなのはにとって、ユーノは『友達』なんだ・・・」
「そうだよ!!フェイトちゃんもユーノ君も、とっても大事な友達だよ!?それがいけないの!?ねえ、どうして!?」
「友達・・・・・、か・・・・」
──ああ、そうか。結局なのはにとって、ユーノは。
「・・・なのは、一昨日自分が言ったこと、憶えてる?」
「え・・・?」
「『ユーノ君が友達でなくなることなんて、考えられない。ずっとずっと、いつまでだって、大切な友達だよ』───」
ユーノはそう、彼女にとって、なんのことはない。自分やアリサ、すずか。はやてやクロノと同じ。
そんな存在でしかないんだ。
「・・・・そういうことで、いいんだね?」
フェイトの声からは、先ほどまでの激しさ、感情的な部分が殆ど全く、抜けていて。
口元には微笑さえ浮かべ、力の入っていない言葉でなのはへと語りかける。
事実への直面がつらくて、悲しいのに。
涙は一滴も出なかった。
「フェイト、ちゃん・・・・?」
嵐の前の静けさにも似た、穏やかな口調。
再び気持ちが沸騰する前の、ショックと後悔の、一時的な底冷えの感情。
「・・・・ユーノは、どう思ってるのかな?」
「・・・え?」
「やっぱりユーノが、可哀想・・・だよ・・・」
「ユーノは・・・・ユーノは!!」
「フェイトちゃん、それ以上はあかん」
急激に頭にのぼっていく血が、沈静化した激情を燃やしていく。
まずい。フェイトが何を言わんとしているのか理解したはやてが彼女の肩を叩き、自制を促すが。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/23(木) 23:00:41 ID:hUFGrt1x<>
「ユーノは!!なのはの、ことが・・・・」
「あかんて、うちらが言うことやない」
止まらない。止める気はない。
一言、彼がどれだけ辛い思いをしてきたのか言ってやらなければ気が済まない。
彼女に自分のとってきた行為の残酷さを気付かせるまでは、止められない。
「テスタロッサ、よせ」
「なのはの、ことが・・・」
そして、遂に。
(・・・・ユーノ・・・・ごめん・・・私もう、我慢できないよ・・・)
「あかんて!!フェイトちゃん!!」
「なのはのことがずっと、好きだったんだよ・・・・!!」
───────・・・彼女は、言ってしまった。
「え・・・?」
けっして言ってはならなかった一言。
彼自身が伝えるまでは何人たりとも侵してはならなかった、彼の想いを。
フェイトは勢いに任せ、高ぶった感情のままに、言ってしまった。
「ずっとずっと、なのはのことが!!世界中の誰よりも大切で、好きで!!なのはだけを見てたんだよ!?」
「フェイトちゃん!!」
六年間、誰よりも側で、誰よりも長く二人の事をフェイトは見てきた。
二人の事を大切に想い、結ばれることを願って応援していた、彼女であるが故の吐き出すような怒り。
「う・・・そ・・・」
「・・・・嘘なんて、言うと思う・・・?」
フェイトの性格を一番よく知っているのは、他でもないなのはだろうに。
「なのはは自分が・・・どれだけユーノにひどいことを言って、やってきたか、わかってるの!?」
「っ・・・それは・・・わたし、知らなくて、気付かなくて・・・」
「私は・・・なのはもユーノも、大好きだから・・・!!二人に幸せになって欲しかったから!!なのに・・・!!」
なのになのはは、今。自分の言葉で、はっきりと。ユーノの想いを否定した。
これまで幾度となくそうしてきたように、自覚せぬまま、気付かぬうちにおいて。
今現実を知り、パニックに近い状態になっているのだろう。
フェイトはそれを、赦せない。
もう彼女とユーノの仲がどうなろうと、知らない。
「・・・もう、いいよ・・・」
結局のところ、彼の想いも、自分の応援も、徒労に過ぎなかったのだ。
なぜか開放されたような、空虚感を味わいつつ。
少女は自分にも、親友にもただ失望し、脱力して天を仰いでいた。
疲れた、という表現が一番、今の彼女の心には適切かもしれない。
勿論、その疲労感は、心地よさなどとは無縁の代物であった。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/23(木) 23:09:07 ID:Ok+ynbZ3<> ユーノの片思いを第三者が打ち明けてしまう、って発想はなかったなあ。素直に感心。 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/23(木) 23:25:11 ID:hUFGrt1x<> 一個目sage忘れたorz
うん、今回が一番鬱。予定と今まで書いた感じで。
あ、ちなみに次回は既にサブタイ既に決まってます。
第十二話 彼女の結論、それはずっと
>>396氏
スレ立て&投下乙です。え?もう最終話?
>>YUKI氏
クロノがシスコンなのは基本設定じゃないの?と言ってみるテスト
フェイトのお見合い話とかやったらクロノが面白いことになりそうだなぁ
>>176氏
これまた冒険のお約束wwwww
ふたりっきりになった彼と彼女がどうなるやらwww
>>35氏
初投下乙。
さて、遅くなりましたが
なのフェス当日のスペースについて告知。
場所は六階、
GrafEisen-06a、サークル名R−640です。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 03:00:28 ID:x3KJOUEI<> 皆様方乙です。
>>640氏
あ〜あ、ついに言っちゃった……。
しかし、はやて達はフェイトのこの暴走を予測することが出来なかったのだろうか。
どうも話し合いの場を作ることを優先させすぎて、状況把握が出来てなかったような感じが……。
フェイトの想いとなのはの気持ち。両方わかってたでしょうに。
どうなっても情況が好転しなかったと思えるのは、私が観測者の位置にいるからでしょうか?
あ〜、この後どんな展開になるのかドキドキです……。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:35:46 ID:DCS/Jkw3<> 私の絵本第二話、フェレットの皮を被った狼
投稿します。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:36:19 ID:DCS/Jkw3<> 突然の悲鳴。
「な…なんだ!?」
突然のことに飛び起きるユーノ。
目の前にはこちらを指差したまま震えているはやて。
「どうしたのはやて!何かあったの!?」
駆け寄ろうとするユーノ。
しかし、ベットに手を突いたときの違和感に気づく。
(ん?…このやわらかい感触は?)
ムニュっとユーノの手のひらにやわらかい感触が伝わってくる。
「…んあ?…」
自分の横から聞こえる声に気づくユーノ。
(昨日僕は一人で寝たはずだよね?…)
恐る恐る手の方を見る。
そこにはあどけない顔で眠るヴィータ。
そしてユーノの手はお約束、ヴィータの小さい胸に………
「うひゃぁ!?」
急いで手をどけるユーノ。
その際ベットから落ちるユーノ、頭から仰向けになるように落ちる。
「いてっ!」
その際ベットの掛け布団を巻き込みヴィータもベットから落ちる。
このとき、ヴィータのズボンが脱げているがまだ誰も気づいていない。
「いってぇ…」
ヴィータも起きたようだ。
まだ眠いのか目をこすっている、が自分の主を見つけると。
「………おはよう、はやて………」
驚愕しているのに気づいていないのか、はやてに挨拶するヴィータ。
「ん!あ…あぁ…おはようヴィータ…あぁ!!」
そこで初めてヴィータがズボンを履いていないことに気づく。
「ユーノくん!!これはどういう事やの!!」
今日は朝から大変だな、そうぼんやり思うユーノだった。
<>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:38:46 ID:DCS/Jkw3<> 結局のところ寝ぼけたヴィータがユーノのベットに潜り込んだだけだった。
「なんや〜、ごめんな〜」
今はユーノの部屋で三人で朝食を食べている。
朝食ははやてが作ったものだ。
「でもユーノくん…何でヴィータはズボン履いてへんかったの?」
顔は笑顔のまま、しかし声に感情が無くそれが逆に怖く感じられる。
「しかもヴィータの………」
はやての箸が悲鳴を上げはじめる。
ヴィータにいたってはフォークでいつでもユーノを刺せるように構えている。
「僕にもわからないよ…」
ユーノの顔にはもはや疲労の色が出ている。
昨日の今日でまた扉の向こうには職員達が非番だと言うのに集まっているようだ。
もはやユーノ淫獣説がいきわたっているころだろう。
「ごめん」
ユーノに出来ることは素直に謝ることだけだった。
「………どないする?ヴィータ………」
はやてはヴィータに答えを求める。
「………ゆるしてやるよ………」
ヴィータはそう呟くと黙々と料理を食べはじめる。
はやてもヴィータが許したことにとりあえず納得したのか、それ以上は何も言わなかった。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:39:20 ID:DCS/Jkw3<> 数十分後、朝食は片付けられ、はやてとヴィータは帰り支度を始めている。
「それじゃあ、ユーノくんありがとね」
「…ありがと…」
そう言うと二人は手を繋いで部屋を出て行く。
「ふぅ…」
一人になった部屋でユーノはため息をつく。
今日、この後のことを考えるとため息もつきたくなる。
司書としてのユーノは今日は非番だ、しかし結界魔導師としてのユーノに非番はない。
緊急で呼び出されることなどよくある事だった。
(昨日、今日のことみんなになんて言われるか………)
そんなことを考えているうちに眠くなってきた。
もう少しで眠りそう、そんなときに誰かが部屋に入ってくる。
「…ユーノ…」
控えめに声をかけてきたのは、ヴィータだった。
「どうしたの?なにか忘れ物?」
ヴィータは恥ずかしそうにうつむく。
「あの…さ、また来ても良いか?」
日本語教えてもらいに、消えそうな声でそう呟く。
「うん、かまわないよ」
ヴィータは走ってはやての所まで戻ってきた。
ユーノの部屋に忘れ物をした、と言ってまっててもらったのだ。
「ヴィータ、忘れ物みつかった?………?」
ヴィータの顔は真っ赤だった、走ってきたせいもあるだろう。
しかしそれとはまた違う感じの赤さもある。
「ヴィータどないしたの?顔真っ赤やで?」
「なんでもない………」
ヴィータは早足で歩きだす。
(まさか…)
はやての脳裏にある言葉が浮かぶ。
しかし自分の考えを否定する。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:41:20 ID:DCS/Jkw3<> 一ヵ月後、毎週ユーノが休みの時に日本語を教えてもらうようになった。
三ヶ月後、日本語以外の勉強なども見てもらうようになった。
それまで勉強をしたことの無かったヴィータにとってはじめてのことだった。
四ヵ月後、小学生、なのは達と同じ位の勉強は出来るようになっていた。
五ヵ月後、ユーノとヴィータは二人で出かけるようになっていた。
そんな中、事件がおきる。
「ロストロギアですか?」
ユーノとその日遊びに来ていたヴィータはリンディに呼ばれアースラのブリッジにいた。
「ええ、そうなの、なのはさん達の世界にあるらしいの」
リンディの顔は険しい。
「A級指定物品のきわめて危険性の高い物だ」
クロノが続ける。
「ロストロギア、創夢の絵本、契約者の魔法資質に関係なく契約でき、契約者の精神を蝕みながら契約者の想像をあるていど現実にフィードバックする」
ブリッジのモニターに映像が移しだされる。
そこには本屋などでよく見かける薄い絵本に似たものが映っている。
「しかもこいつには闇の書、夜天の書同様に転生機能がついているんだ」
転生機能、破壊しても転生する。
契約者以外がシステムにアクセスしようとすると持ち主を飲み込んで転生してしまう。
はっきり言って封印のしようがない、が。
「転生機能と言ってもこいつのは不完全で契約者が生きている限りは転生しない」
契約者を抑えてしまえば行動を制限できるのだ。
つまり契約者を監視下に置く必要があるのだが。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:42:42 ID:DCS/Jkw3<> 「契約者は学校関係者?」
契約者らしき反応が学校で確認されている事。
妨害魔法のせいで詳しくはわからないらしい事がクロノよって説明される。
「…で?結局あたし達にどうしろって?」
痺れをきらせたのかヴィータがクロノに問いかける。
「まさか…」
頭の良いユーノは直ぐに気づく。
「お前の考えているとおりだ、学校に潜入してくれ」
「がんばれユーノ」
ヴィータは口の端を持ち上げるように笑うが…
「あら、ヴィータちゃんも一緒によ?」
リンディの言葉でヴィータの動きが止まる。
「もう手続きは終わってるから」
リンディの満面の笑顔、それはもはや決定している事をあらわしていた。
「ハーイ今日は皆さんに新しいお友達を紹介しまーす」
小学校の先生独特の間の伸びた紹介。
教壇の横には二人の子供。
ユーノとヴィータが立っていた。
教室の中には見知った顔もある。
知っている人と同じ教室になるのはせめてもの救いだった。
「えー今日からみんなと一緒に勉強する八神ヴィータちゃんとそのお兄さんの八神ユーノくんです、それとお姉さんの八神はやてちゃんです。」
なのは、フェイト、アリサ、スズカは驚いている。
当たり前だ、本当は兄弟などではない三人がどうして兄弟にされているかコレには理由があった。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:44:31 ID:DCS/Jkw3<> 「兄弟として入学!?」
「そうだ、こんな半端な時期に何人も転校してきたら怪しまれるだろう」
しかもそれに乗じてはやても一緒に入学でき、得なのだ。
兄弟ということなら三人でも怪しまれる可能性は低い。
そのための策なのだが…
「はぁ…」
子供らしからぬ深いため息。
そのことが知れたときの職員の会話が気になっているのだ。
『え?ユーノくんヴィータちゃんと兄弟になったの?』
『じゃあユーノくんはやてちゃん達と同棲?』
『プレイボーイだね…』
兄弟なら同じ家でなければ怪しい、ということで今日からはやての家に住むことになっている。
「はぁ…」
結局この日ユーノは一日ため息をついていた。
帰り、なのは達もはやての家に行きたい、という事で一緒に帰っている。
「ユーノくん、今日からうちに住むんよ」
と、はやてが言ったためだ。
なのはは気にせず笑っている、アリサは軽蔑のまなざし、それぞれみなユーノを見ている。
そんな重苦しい視線に耐えようやく八神家についた。
「ただいま〜」
「ただいま」
「おじゃまします」
「「「「おじゃましま〜す」」」」
みなが家に上がろうとしたとき。
「ユーノくん、今日からここが家なんやからただいまやろ?」
とはやてに言われるユーノ。
「で、でもやっぱし…ねぇ?」
「ユーノくん?」
感情の読めない笑顔の重圧、胃に鉛を流し込まれたかの様な心地悪さ。
コレを解決するのに一つしか方法が無いことを彼は知っている。
「………ただいま………」
「おかえり〜」
素直に言うことを聞くことだ。
チョンチョンっと袖を引っ張られる、ヴィータが控えめに引っ張っていた。 <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 08:46:02 ID:DCS/Jkw3<>
「前のこと、シャマルに昨日話してたから、今日は大変だと思うぜ」
と、ヴィータが囁きかけてくる。
前のこと、ヴィータがユーノと一緒に寝てたことだ。
「は、はは…」
もはや乾いた笑いしか出てこないユーノだった。
その時。
「ヴィータちゃん!その淫獣から離れて!!」
「「「「淫獣?」」」」
穴があったら入りたい気分になるユーノだった。
第二話終了です。
文章にばらつきがあって変な文章に…
反省せねば…
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 14:22:51 ID:0sBMqYt9<> 周りに誤解されまくっているユーノキター4949さんGJ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 15:21:16 ID:e30WopJc<> えーっと、とりあえずはやてちゃんは休学中なだけで、もとからなのはたちと同じ学校の生徒です。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 17:17:49 ID:V+9d/CaV<> はやての設定が違うのか、
ともかく本気でユーノの胃に穴が空きそうだw <>
4949<>sage<>2006/03/24(金) 20:28:54 ID:DCS/Jkw3<> グハッ!はやての設定ミスった!!
ここは諸事項を変更してあると言うことにしてください!
はやては転校してきたということでお願いします… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 21:52:48 ID:VQMT69E4<> 4949様。ぜひヴィータとユーノを恋仲にしてください。
そしてはやて嫉妬なら最高です。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 22:02:08 ID:TCaT2ZF3<> 誰か!!!SCHOOL DAYSのような小説書いてくれ!!!
ユーノが誠の位置で…
ユーノが主役ならどんなものでもいいが。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/24(金) 22:25:29 ID:CfRd2d/Q<> >>57
惨劇やめて
やめて惨劇 <>
YUKI <>sage<>2006/03/24(金) 23:16:00 ID:C+cw/pIz<> >640氏
フェイト暴走・・・・。
いやぁ、これは予想外でした!!ほんっとGJ!!
>フェイトのお見合い話とかやったらクロノが面白いことになりそうだなぁ
確かに・・・。想像するだけで笑えますな。
>4949氏
ヴィータの反応の一つ一つに萌えてる自分が居ます。
4949氏の作品から、ヴィータファンになりました。マジで。 <>
ゾイド<><>2006/03/24(金) 23:16:05 ID:SdVl0Dyk<> 58
確かにあれは背筋が凍った <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:53:05 ID:AaJEWyhp<>
こんばんわ。4の422です。頂いたレスに返答もせず、申し訳ありませんでした。
事後となりますが、レス下さった方、ありがとうございましたー。
(貰えるとうれしいよね、レスって(T_T)
なんとか続きが出来上がりました。無意味にでかくなって申し訳ありませんが、投下
させていただきまーす。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:53:40 ID:AaJEWyhp<>
魔法少女リリカルなのは 〜 もう一人の私へ・・・ 〜
「フェイトちゃんフェイトちゃんフェイトちゃんフェイトちゃーーーーーーーーん!」
「うわたたたた、なな、ななな、なのはっ!!」
「「「うわああああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ!!!!!」」」
猛突進してくる白い弾丸、まさかシールドで跳ね返すわけにもいかず躊躇したフェイ
トをキャッチしたなのはは、勢いそのままピンボールの球のごとく部屋中を跳ね返りま
くる。おそらくプロテクションを展開しているものと思われるが・・・部屋の中にいた
その他面々はたまったものではない。悲鳴を上げ必死に伏せる以外の行動が取れない。
縦横無尽に跳ねまわる黒白のスーパーボールがブリーフィングルームを破壊していく。
それでもなお人的被害がないのがせめてもの救いというか、奇跡というか。
「なっ!なのは!なのはお願い、落ち着いてー!!」
なのはに抱きつかれ、意にそぐわず室内ジェットコースター状態のフェイトはそれで
も必死になのはを止めようとするも・・・
「やだっ!!」
聞く耳もたない。
「お願い止まってーーーー!!」
「だめーーー!」
むしろ聞いちゃいない。
「みんなが怪我しちゃう!!」
「大丈夫!避ける!!」
どこからその自信が。
「やーめーてーーーーーーーーー!!!!!」
2分52秒の間、白い竜巻が猛威を振るった。
トドメとばかりに天井にガコン!とぶつかり、ゆるゆると落下してくるなのはとフェ
イト。
ようやく開放されたフェイトだが、なのはの手を離れるやその場にぺたん、とへたり
込んでしまう。
「わっ!!大丈夫!フェイトちゃん!!!どこか怪我してるの!?」
「「「おまえのせいだ!!!」」」
その場の全員が即答した。
最後まで猛威に耐えた壁掛けのパネル型通信機が力尽き、ガコン!と床に落ちた。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:54:17 ID:AaJEWyhp<>
「あ、あははー、ご、ごめんなさいっ!!!」
ぺこぺこと謝りまくるなのは、表情は今ひとつ緊張感がないが。
「まったく、何考えてる!艦内で飛行魔法なんか使うやつがあるか!!」
「えーあーそのー、急がなくちゃー、って思ったらつい・・・」
「ついじゃない!!」
「ごめんなさーい」
クロノの叱責も今ひとつ功を相していない。あははー、という文字がなのはの頭上に
浮かんでいるかのようだった。
「で!だ。なんで僕らより先に出た君が後からやってくるんだ!しかも飛んで!!」
「え、えーっと、な、なんと申しましょうか、その、うまく一言では・・・あ、あはは」
すると、なのはに代わり意図しない方向から声がしてきた。
「な・・・なのはが急に僕をつかんで飛び出していって・・・」
すわ、誰だ、と、皆が声のした方向を振り向くと、ドアからずるずるとモップやら箒
やらを体にまとわり付かせ、文字通りぼろ雑巾と化したユーノが這いずってくる。
「・・・なに遊んでるんだ、君は」
クロノが呆れる。
「遊んでるように見えるのか・・・君には・・・」
「い、いや、まぁ、言葉のあやだ、すまん・・・で、一体何がどうしたんだ?」
うう・・とようやく身体を起こすユーノ。がらがらと箒やらが落ちる。
「なのはが・・・僕を引っ掴んで・・・待機室まで引っぱっていったんだ」
「飛んでか?」
「い、いや、その時はまだ走ってた。僕は引きずられるだけだったけど・・・」
「なのはちゃん・・・結構ちからもちだったんだね・・・」
唖然となのはに視線を向けるエイミィ。
「あ、あははー、き、気のせいですよー、気のせいー」
わたわたと手を振るなのは。
「で、待機室にフェイトが居なかったから・・なのはがレイジングハートで艦内をサー
チして・・・ブリーフィングルームに居る、って叫んで、アクセルフィンまで使って、
・・・その後はもうなのはにしがみ付いてるのが精一杯で・・・」
「で、君がゾンビなのは・・いや、まぁ・・・いい、言わなくても」
おおかた急ブレーキの際に投げ飛ばされたのだろう。運悪く掃除用具入れの方向に。
「あ、あははーはは・・・はっ!?」
「な・の・は・さーん」
額に青筋を立て、ゴゴゴゴゴと吹き上がるオーラをバックに、腕組みしたリンディが
にこやかに、それはもうにこやかになのはを見下ろしていた。
後になのはは減俸3ヶ月とブリーフィングルームの後片付けを命じられた。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:54:50 ID:AaJEWyhp<>
「・・・と、まぁ、そういう経緯だ」
「リリーチャーか・・・なるほど・・ね」
休憩室に場を変え、皆を代表しクロノがユーノに状況を説明する。
2人のなのは、特にこちら側のなのはは先ほどの勢いはどこへやら、お互いをちらち
らと時折見やる程度で話そうともしない。
ユーノは手にしたコーヒーをもてあそびながら、
「平行世界の話は知ってるし、そちらのクロノ・・くんの話もわからないではないけど
・・・にわかには信じがたいな・・・もっとも生き証人がいるんじゃ信じるしかないけ
ど・・・」
「そうだな、それに肝心なことが解ってないしな」
「というと?」
「疑問に思わないか?彼らはどうやってこっちの世界へ来ることができたんだ?」
あ、と皆が口をあけた。
「君の言うとおり、平行世界の存在は可能性の粋を出ないとはいえ、まず間違いなく存
在しているだろう。君がさっき言ったこの2人がここにいることがその証明だ」
「うん」
「ただ平行世界はお互いに不干渉、それが鉄則だ。でなければ今まで事例がなかったと
考える方が不自然だからな。それがなぜ、一体どうやって2人がやってきたか、という
ことだが・・・」
「え、と・・・すいません、推測でしかないんですが・・・」
「クロノくん、何か知っているのかい?」
2人のクロノが向かい合う。
「ちょっとまわりくどい説明をしなければなりませんが・・・まず皆さんは「ヒドゥン」
というものを知っていますか?」
「ヒドゥン?」
「あ・・・それさっきも言ってたね、一体何のことだったの?」
と、フェイト。
「はい、ヒドゥンとは、「全てを凍てつかせる、時を壊す災害」僕のいたミッドチルダ
ではそう呼ばれていました。歴史の中で幾度となく飛来し、僕たちは多大な犠牲を払っ
てそれを退けてきました。一つの次元すら消滅させかねない災厄、それがヒドゥンです。
しかし、ある時、過去に類を見ないほどの巨大なヒドゥンが発生してしまったんです。
僕はそれに対し、イデアシードの力での対抗を試みました」
「イデアシード?」
「はい。僕をはじめとするミッドチルダの技術者が開発・・・いえ、復活させた古代の
アーティファクトです。「種」、とも呼んでいますが。捕り付いた者の様々な想いを吸
収して絶大な力を発揮します。ですが、吸収された想いはその人の中から失われてしま
います」
「こちらでいうと失われたロストロギアを現代で復活させたようなものか・・・しかし
人の想いを糧とするアイテムとは・・・」
「ジュエルシードとはまた違うけど、力を得るという点では似ているね・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:56:07 ID:AaJEWyhp<>
「そのせいでなのはと対峙したこともあったんですが、結局2人で力を合わせることに
なったんです。もちろん、なのはがそうしよう、って言ってくれました」
「おーおー、お熱いお二人さんだねぇ」
ちゃかすエイミィになのはの頬が赤らむ。クロノも似たようなものだった。
「そして僕となのははヒドゥンを止めるため、ヒドゥンと対峙し、そして・・・僕の覚
えている限り、撃退に成功したはずでした。なのはのレイジングハートの力で」
「ううん、私一人じゃできなかった。クロノくんが一緒に居てくれたからだよ」
むこうのなのはがぐっ、と両手を握る。
「ありがとう、なのは」
にこやかに微笑みあう2人。
「そ、それで、その後は?」
ここで恋愛モードに突入されても困るのですかさずクロノが口を挟む。
「向こうの世界での記憶はそこまでです。そのあと急に・・・何かうまく言えませんが、
次元移動のような感覚があったような気はしたんですが・・・気が付いたら僕となのは
はどこか別の場所にいて、急に周囲の空間が揺らぎ出したんだです。たしか、次元震、
でしたね。そしてそこでフェイトさんに出会ったんです」
「なる・・・ほど・・・」
「考えにくいことなんですが・・・おそらく・・・」
クロノは話していいものかそこで躊躇した。
「かまわない、話してくれ」
こちらのクロノが促す。
「はい、おそらくは、こちら側の次元震と僕たち側のヒドゥンのなんらかの形で干渉し
あって、平行世界間の通路が開いてしまったんだと思います。偶然か・・・何らしらの
意図かはわかりませんが・・・すいません、憶測に近いです。もっとも、この理由だと
消滅させたはずのヒドゥンが消えずにまだ残っていた、ということになるので・・・」
「君たちにとっては考えたくはないね、そうか、ヒドゥンと次元震か、なるほど・・・
とりあえず他に説明のつけようはない、か・・・」
と、そのときドアの向こうから話し声が聞こえてくる。
ついでドアが開き、シグナム、ヴィータ、シャマルの3人が顔を覗かせた。
「む、どうしたのだ、皆集まって、何かあ・・・」
「疲れた、ってんじゃねーか、いいからもう帰って飯にし・・・」
「あら皆さん、お集ま・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:56:46 ID:AaJEWyhp<>
「・・・あらぁ、やっぱり昨日は皆すこーし飲みすぎたからしねぇ」
「なぜだ、あの程度のアルコールで私が・・・クロノと高町が2人に見える・・・」
「シ・・・シグナムが無理に酒なんか飲ますからだぞ!あたしはジュースがいい、って
言たのにさ!」
「あー、わかった、わかった、3人とも、今説明するから落ち着いてくれ」
クロノが額に手を当ててやれやれと立ち上がる。が、
「あれはおまえが勝手に飲んだのであろう、だいたい自分の力量もわきまえず酒をあお
るなど修練が足りぬだけだ、未熟もいいところだな!」
「んだとぉ!そっちこそワインをジョッキなんかで飲みやがって、あれが騎士のふるま
いかよ!」
「お、おいおい、2人とも・・・」
「貴様!私の華麗な作法にケチを付ける気か!あれは代々伝わる由緒正しき立ち振る舞
いだぞ!」
「はー、華麗が聞いてあきれらぁ、あれじゃワインを作ったお百姓さんも草葉の陰で泣
いてるぜ!」
「・・・」
皆が唖然とする中、一人の人物が、すい、と立ち上がる。
「おのれ、もはや許せん!そこになおれ、レヴァンティンの錆にしてくれる!!」
物騒この上ないことに言うが早いかレヴァンティンを抜き、鞘をかなぐり捨てるシグ
ナム。
「はっ!やれるもんならやってみな!頭にでっかいたんこぶ作っておっぱい3つ魔人に
してやるぜ!」
ヴィータも負けておらず、グラーフアイゼンを頭上でぐるんぐるんと回す。
「こっ、こら、お前ら、こんなとこでそんな物騒なもの・・・ん?」
止めようとしたクロノをさえぎる人物一人。
その人物は火花散ろうかという惨状の2人の前につかつかと歩み寄り・・・
「・・・2人とも・・・」
「「ん?」」
「ケンカはいけませーーーーーーーん!!!!」
むこうのなのはの大絶叫が響いた。
「は、はっ!!申し訳ありません、主はや・・・ん?」
「ひっ!ご、ごめんなさい!はや・・・あれ?」
そこまで言ってようやく何かが違うことに気付くシグナムとヴィータ。
「2人ともそこに正座!!」
「「はいっ!!」」
なぜか素直に従ってしまう2人。
「2人とも!何があってもケンカはいけません!いいですか!世の中にはラブアンドピー
スという言葉があってですね・・・」
腰に手を当て、2人を見下ろし切々と語り始めるなのは。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:57:33 ID:AaJEWyhp<>
「ちょ、ちょちょ、クロくん、あ、あれって一体?」
エイミィがあわててむこうのクロノに訊ねる。
「あ、あはは、な、なのははなんだかケンカに敏感で、その・・・な、何度か僕も見ま
したが・・・」
「あの2人を止めるなんて・・・」
ユーノも目を丸くしている。
「ケンカ慣れじゃなくてケンカ止め慣れしてるね・・・」
フェイトの呟きにバルディッシュは、
「Wonderfully Ms.Nanoha」(流石です、ミズ・なのは)
と、返す。
「・・・なんです!わかりましたか!2人とも!」
「も、申し訳ありません・・・でした・・・」
「もうしませんから許してくれ・・ください・・・」
「はい、よろしい。もうケンカしちゃ・・・はっ!!!」
はた、と皆の視線に気付くなのは。
「あ、あ、あは、あはははは、あ、あの、ちっ、違うのクロノくん、こ、これは・・・」
「う、うん、さ、流石だね、なのは」
「はうぅっ・・・ち、ちがうのにぃ・・・」
真っ赤になって小さくなるなのは。
「どうやら・・・」
「好きな相手にはあんまり見せたくない特技だったみたいですね」
「みたいね、まぁ・・・無理もないかしら」
リンディとエイミィは、うん、と頷きあった。
〜 〜 〜 〜 〜
「そうですか、違う世界の方々・・・」
「なるほど、リリーチャーの存在か、納得いった」
「なんだよ、んならそうと早く言えよ、酒残ってるのかと思っちまったじゃねーか」
(言う前に騒ぎ出したのはどこのどいつだ)
そう叫びたかったが、流石にユーノに引き続きヴァルケンリッターの面々に長々と状
況を説明したクロノにその気力はなかった。
「はい、兄さん」
フェイトがそっと紙コップに入ったコーヒーをクロノに差し出す。
「あぁ、ありがとう、フェイト」
「ううん、兄さんこそ、お疲れ様」
妹の心遣いに感謝するクロノ。一口飲んだコーヒーはほんのり甘かった。
フェイトはクロノの隣に座りその様子を眺めている。
(えへへ、兄さんの隣に座っちゃった)
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:58:16 ID:AaJEWyhp<>
「自己紹介が遅れて申し訳ありません、私はヴァルケンリッターが一人、シャマルと申
します」
「同じくシグナムだ、先ほどは取り乱して申し訳なかった」
「あたしはヴィータってんだ、なんかややこしいけど、まぁ、よろしくな」
「あ、高町なのはです、よろしくお願いします、あの、さっきは・・その偉そうなこと
言ってすいませんでした」
「まったくだ、はやてと間違えちまったじゃねーか、まぎらわしいことすんなよな」
「ヴィータ、悪いのは我々だ、リリーチャーの高町が正しい。それを何だ」
「そうですよ、ヴィータちゃん。そんな風に言っちゃいけません」
「んだよ、わかったよ。悪かったなー、なのは」
「いえっ、こちらこそ、すいませんでした、ヴィータさん、シグナムさん」
「えーと、じゃぁそちらがもうひとりのクロノさんなんですね。よろしくお願いします」
シャマルがクロノに歩み寄る。
「はい、クロノ・ハーヴェイです。よろしくお願いします。あの、ところでヴァルケン
リッターというのは?」
「ああ、そうだな、すまない。われら3人と、ここには居ないがもう一人、ザフィーラ
という者を合わせて4人は、主である八神はやてを守護する騎士なのだ」
「守護騎士、ですか」
「そうだ、主はやては事情あって今は少し健康を害していてな。それに自身のデバイス
を失っているため、直接戦闘行動を取ることができないのだ。ゆえに我らが主はやてに
変わり時空管理局の業務を行っているというわけだ」
「ふわー、すごーい、お姫様を守る騎士さんなんてかっこいいですねー」
「え、えーと、はやてちゃんはお姫さまーというか、その・・・」
さすがのシャマルも言葉に詰まる。
《おい、なんなのだ、こんな緊張感のないのが本当にもう一人の高町なのか?》
《い、いや、僕に言われても困るんだけど・・・》
いきなりシグナムにそんなことを言われて言葉に詰まるユーノ。
「ねーねー、さっきからちょっと気になってたんだけど」
「ん?何だ?エイミィ」
「なのちゃんが持ってるデバイス・・・あー、デバイスで通じるのかな?まぁ、その杖
のことなんだけどさ」
「レイジングハートのことですか?」
「あ、形は違うけどそれもレイジングハートって言うんだ。やっぱりインテリジェント
デバイスなのかな」
「いん・・てり・・・・?」
「It is a magicall-rod having artificial intelligence like me. Ms.Nanoha」
(私のような人工知能を持つ杖のことです。ミズ・なのは)
「あ、ありがとう、バルディッシュさん」
「You're welcome Ms.Nanoha. Please hear anything with me if good」
(どういたしまして、ミズ・なのは。私でよければ何でも聞いてください)
「!おいっ!テスタロッサ!そのデバイスは普通に喋ることができたのか?!」
「おいおい、なんだよ、杖が色気づいてんじゃねーか」
「いや、もう、そのリアクションも勘弁してくれ・・・」
コーヒーを手にがっくりうなだれるクロノであった。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/24(金) 23:59:33 ID:AaJEWyhp<>
「えーっと、その、脱線しまくってるんだけどなー・・・私の質問どうなったのかなー」
「あ!す、すいません、エイミィさん。え、えーっとえーっと」
「あはは、なのちゃんのせいじゃないから気にしないで、えーっと、じゃぁちょっと起
動してみてくれる?あ、杖の状態にしてほしいんだけど」
「あ、はい、わかりました」
ポケットから赤い宝玉を取り出し。杖に変化させるなのは。
初めて見るシグナムから、ほぅ、という呟きが漏れる。
「へー、やっぱりぜんぜん違うんだね。インテリジェントじゃないとするとストレージ
デバイスに近いのかな」
しげしげとレイジングハートを眺めるエイミィ。
「なのは・・・そちらのなのはは「祈願型の魔法」を使うそうです」
「祈願型の・・・魔法?」
フェイトの言葉をむこうのクロノが補う。
「なのはの魔法は、僕のような形式のある術式・・・呪文の詠唱で魔法を発動させる形
ではなく、心に思い描いた願いを具現化する形式なんです」
「なんと、呪法を使わない魔法だと!」
驚くシグナム。
「それが本当ならものすごい事ね。術者の力量次第ではそれこそ神にも等しい力を得る
ことになるわ・・・」
やはりこちらも驚きを隠せないリンディ。
「祈願型か、なるほど・・・インテリジェントデバイスも広義では祈願型と言えるが、
それとは一線を介するな・・・」
腕組みして思案しているクロノ。
「バルディッシュもそれで直してもらったんです。ね、バルディッシュ」
「Yes sir」
「そうだ、なのは。比べてみよう。レイジングハート起動してみて」
なのはの手を取り立ち上がらせるフェイト。
「えっ、あ、う、うん」
こちらのなのはもレイジングハートを起動させる。
「わぁ・・・綺麗・・・」
むこうのなのはが目を輝かせる。
「あ、あの・・・え、えと、なのは・・・さん・・・えと、触ってみてもいいですか?」
「あっ、う、うん、はい。どうぞ」
「あ、じゃあ、なのはさんは私のを」
「う、うん・・・」
2人のなのははお互いのレイジングハートを交換しあう。
他の面々はどうなることかと固唾をのんでいる。
杖が本来のもち手を離れ、もう一人のマスターに手渡った瞬間。2つのレイジングハー
トが淡い光を放つ。
「えっ!?な、なに、これ」
「ふわっ、ええ、な、なに、何?!」
「It is another master thanking you in advance」
(よろしくお願いします。もう一人のマスター)
こちら側のレイジングハートがむこうのなのはを手の中で応答し、。むこう側のレイ
ジングハートはこちらのなのはの手の中でハート型の宝玉を鮮やかに光輝かせる。
「レイジングハートが、お互いの主を認めてるんだ・・・」
元レイジングハートの持ち主であったユーノが呟く。
2人のなのははお互いの持つレイジングハートをしばらく見つめ、そしてもう一人の
自分に視線を移していく。
そしてゆっくりとその表情が笑顔へと変わっていく。
「私、高町なのはです。よろしくお願いします!」
「はいっ!私も高町なのはです。こちらこそよろしくお願いしますっ!!」
2人は手を取り合い、声を上げて笑いあった。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/25(土) 00:00:24 ID:AaJEWyhp<>
「(フェイト、こうなると思ってたのか?だからなのはのレイジングハートを?)」
こちらのクロノがフェイトに近づき、そっと耳打ちする。
「(うん、なんだかきっかけ掴めなかったみたいだったから)」
「(さすがだな、なのはのこと、よくわかってる)」
「(もちろん♪友達だもん、なのはは私の一番大事な友達)」
「(そうだな)」
さきほどまでの探りあいのような雰囲気はどこへやら、いまや2人のなのはきゃっきゃ
と騒ぎあっている。
「あ、3年生なんだ。それじゃあ私の方が少しだけお姉さんだね。私4年生だし」
「あ、そうなんですかー、じゃぁやっぱりなのはさん、って呼びますね」
「あははー、そんなに気をつかわなくてもいいのにー、じゃあ、私はなのはちゃん、って
呼ぼうかな」
「はい。なのはさん」
「うん。なのはちゃん」
一層の笑い声が室内にこだました。
〜 〜 〜 〜 〜
「さて、あっちはうまく溶け込んだようだな」
「そうだね、まぁ、なのはが2人なら元々何も心配もなかったかな」
クロノもユーノも微笑ましそうに2人のなのはを見ている。
「シグナムまで楽しそうにしてる。なんだか不思議」
2人のなのはの楽しそうな雰囲気は他の面々にも伝わり、2人のクロノとフェイト、
ユーノ以外の面子は全てそちら側で会話に花を咲かせている。
「そういえばクロノくんもデバイスを持っているのかい?」
ユーノが興味津々で聞いてきた。
「あ、はい、これです」
と、むこうのクロノは懐からカード状のS2Uを取り出し、デバイス状態にする。
「見た目は僕のS2Uと全く同じだね」
こちらのクロノがふむ、ともう1つのS2Uを見つめる。
「名前も、ですね。最も正式名称はSong To Youと言いますが」
「君に歌を・・・、いい名前。兄さんのもそういう意味だったの?」
「え、あ、ああ、ま、まぁね」
「そうなんだ、流石兄さん」
まぶしそうなフェイトの笑顔がクロノに向けられる。
「ん、んん、そ、それほどでも、ないさ、はは・・は」
クロノはやや乾いた笑いを交えつつ答えた。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/25(土) 00:00:58 ID:AaJEWyhp<>
《嘘つくなよ》
ユーノの容赦ないツッコミ。
《う、うるさい、フェイトが喜んでるんだからいいだろうが》
「クロノさんのも見せてもらってよろしいですか?」
「ん、あ、ああ、これだよ」
同じくカード状態のS2Uを杖にしてみせるこちらのクロノ。
「確かに・・・全く同じですね・・・」
「・・・もしかしてとは思うけど、コアユニットはフェンティアム系かい?」
「あ、そちらにもあのコアがあるんですね、そうです。フェンティアム5の350Ghzです」
「驚いた。全く同じコアだとは思わなかったな」
「僕もです」
「クロスポイントには何を?」
「バイオメトリヌールを考えていたんですが、生体ユニットはまだ保守性が悪くって、
S2Uにはシンメトルギーンを」
「そうだね、テスリンゴルUは発熱の問題もあったから僕もそうしたよ」
「・・・ね、ねぇ。ユーノ。何の話してるかわかる?・・・」
「・・・悪いけどまったくわからない・・・」
「おぉー」だの「なるほど」だのの感嘆の言葉が飛び交っているが、フェイトとユーノ
には何のことやらさっぱり解らない。
「私たちも向こうに混ざろうか・・・」
「そうだね・・・お二人さん、ごゆっくり」
2人は肩をすくめながらなのは達の輪の中に向かっていった。
「でもなのはさんのレイジングハートってすっごく綺麗ですねー」
「Thank's Another master」(ありがとうございます、もう一人のマスター)
「あはっ、レイジングハートも喜んでる。でもなのはちゃんのレイジングハートだって
すっごくかわいいよ」
「ありがとうございます。えへへっ」
「確かにな、およそデバイスらしからぬが、気品にあふれたデザインだ、リリーチャー
のなのはに似合っている」
「えへへへー」
照れまくるむこうのなのは。
「あ、そういえばさっきシグナムさんとヴィータさんが持ってたのもデバ・・イスなん
ですか?」
「ああ、これか」
言って2人はペンダント状態のレヴァンティンとグラーフアイゼンを取り出す。
そしてデバイスの形をとる2つのベルカデバイス。
「わが分身、レヴァンティンだ、私共々よろしくな」
「グラーフアイゼン、ってんだ。強ぇーぜ、今度見せてやるからな」
「わぁ、すごーい。かっこいー!」
2つのデバイスを褒めちぎりまくるなのは。持ち主の2人もそこまで誉められて悪い
気などするはずもない。
「あ、でも」
そこまで言ってふと言葉を止めるなのは。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/25(土) 00:01:47 ID:AaJEWyhp<>
「ん?どうしたのだ?」
「えーと、そのー、ごめんなさいっ!!皆さんの持ってるの、どれもすっごくかっこい
いんですけど・・・」
「けど?何だ?」
と、なのははフェイトに視線を向け。
「バルディッシュさんが一番かっこいい!かな。えへ」
一同ぽかんとする中、すかさずバルディッシュ。
「I am honored. Ms.Nanoha」(光栄です。ミズ・なのは)
やがて皆の中から笑みがこぼれ出し・・・
「あらら、なのはちゃん、よっぽどバルディッシュが気に入ったのね」
シャマルがころころと笑う。
「なのちゃんって、もしかしてメカフェチ?」
エイミィの晴れやかな笑顔。
「なんだよ、怒る気にもなれねーよ」
ヴィータの年相応(?)のかわいらしい笑顔。
「な、なのはちゃんてば、おもしろーい」
ほぼ自分のことなのに笑い転げるなのは。
それを聞いていなかった2人のクロノもあまりの笑い声にびっくりしたようにこちら
を向く。
その他諸々、皆のはじけるような笑顔の中、
きっかけはともかく、むこうのなのはは皆の輪の中に見事に溶け入っていた。
が、そのとき、
Pi!PiPi!!
「艦長、いらっしゃいますか!」
ブリッジからの通信であった。
「はい、ここにいるわ。何かしら?」
リンディが壁の通信パネルに歩み寄る。
「先ほどのテスタロッサさんの遭遇した次元震を観測していたんですが」
「どうかして?」
「まだ、治まりません。依然として次元震継続中です」
「まだ続いてるの?そんな大規模じゃなかったと思ったけど・・・」
「それが・・・」
「次元震の中心部に魔力反応を確認しました。ロストロギアです」
「「!?」」
笑い声でなく驚愕が室内を制した。
魔法少女リリカルなのは 〜 もう一人の私へ・・・ 〜
プロローグ 完
〜〜 To Be Continue 〜〜 <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/25(土) 00:09:56 ID:LqIt98I0<>
はい、ということでプロローグ完、です。インターミッション→ファイナルバトル→
エピローグと続き完了となります。出来上がっているエピローグにどう繋げるか、自分
で不安になってきやがりましたw
(結局はやてとアルフとザフィーラ出せてないし、いやはやまったく。あとマリー嬢もw)
前に1/3とか1/4とか言った気もするけど気のせいかもしれない気分です。増えたらご
めんなさい、すいません、反省してます。
インターミッションは長くするか2つくらいのエピソードでまとめるか試案中。
どちらにしてもやっぱり1週間くらいで投下させていただきますー。
それではまた次回にて〜
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 03:19:52 ID:EDAVY8G2<> 話の流れからするとはやては登場せずに終わるんですかね。
あとアリサたち日常パートの面子も。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 03:28:53 ID:EDAVY8G2<> あと書き忘れてましたけどフェイトってもしやお兄ちゃん大好きっ子ですか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage そして人気の無いときに投下する俺腰抜け<>2006/03/25(土) 03:56:24 ID:Ya7obiRR<> 夜分遅く失礼します。
つい最近にリリカルなのはを知りはまった新参者ですが、余りのはまりぶりと名二次創作群などに中てられて勢いがコントロール出来ずに駄文などこしらえてしまいました。
何分二次創作は生まれて初めてでして、御見苦しいところもありましょうが、ひとつ生暖かい目で眺めていただければ幸いです。
あ、あとエロスはございません、赦してください。
取りあえずは途中まで。長文失礼します。
■→タイトル
蒼穹の果ての戦場
――A's COMBAT THE LYRICAL WAR――
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:00:24 ID:Ya7obiRR<> ――――そして、目を覚ました。
「…………む?」
窓から差し込む朝日を瞼に受け、その少年――クロノ・ハラオウンは疑問に思う。なぜ朝日を受けるのか、と。
あの一件……闇の書とそれに関する事件の際に拠点を海鳴市の一角にあるマンションに移してより、およそ一年が過ぎていた。
その際に設けた自室のベッドは壁際にあり、窓とは反対の位置に設置されている。その隔て距離にして約3m。
それは事態が収束し、暫くの間の様子見のために駐在することとなった今も変わらず、雨戸を閉めずに就寝したとしてもその場所まで直接日差しが差し込むことは物理的にもありえず、つまりこいつは怪現象だ……。
と、そこまで考えたところで彼は自身が顔を机にへばりつけるようにして寝ていることに気がついた。
起きる。
「参ったな……、そのまま寝てしまったのか」
赤く跡の付いた頬を撫でながら一人ぼやく。
視線を眼前にやれば、そこにはミッドチルダでは、引いては時空管理局でも一般的に使用されている情報処理端末が起動状態で放置されていた。
軽く弄れば、そこには書きかけの報告書が写る。
その内容は主にしてかつての危機である闇の書に関する事柄に関する報告書である。
今もまだ記され続けるこれらはベルカの騎士たち、そしてその主である八神はやての今後に関わる重要なものであり、他に抱える仕事に比べても疎かには出来ない品である。
故に、せめて期日に対して余裕のある今のうちに半分は仕上げておきたい……そう考えて帰宅後に机に向かい、程なくして轟沈した――おそらくはそんな顛末だろう、と人事のように彼は考えた。
とりあえずきっかり半分は書き上げてあるのでよしとする。我ながら滑稽な律儀さではあった。
「で、今は何時だ?」
呟きながら壁の時計を見ようとした矢先、部屋の扉が叩かれる音が響いた。
寝起きの頭で考える。現在この拠点を主に使用しているのは母であり上司であるリンディ提督、通信主任兼執務官補佐であるエイミィ・リミエッタ、そしてもう一人、正確にはさらにプラスして一匹。
この中で律儀にドアをノックするような気遣いを行えるのはただ一人である。
程なくして声が響いた。
「あの、――――クロノ。起きてる?」
フェイト・テスタロッサ。否、今はその姓をハラオウンと代えて彼と兄妹の間柄となった少女だった。
「ん、ああ……起きてるよ」
半身を逸らして椅子を回し、背面のドアへと声を返す。ややあっって開かれたドアより顔を覗かせたのは、金の髪を持つ少女。その顔はしかし、戸惑うように揺れている。
「ええと、その、母さんが起きるのが遅いから起こしてきなさいって。――だから」
「ん、ああ。……うん、判ったすぐ行くよ」
互いに探るように言葉を紡ぐ。なんともたどたどしい会話である。それは本人達にも自覚があるのか、若干の焦りのようなものも見え隠れしていた。
無意味に息苦しさを感じたクロノはとりあえず着替えようかと椅子から立ち上がる、と同時にフェイトが声を掛けた。
「あの、クロノ、また徹夜だったの?」
「う、うん。まあね、今日昨日中に仕上げたいものもあったし…………」
「そうなんだ。その、体には気をつけてね」
そこで会話が切れる。返答の間を計り損ねた感を覚えたクロノはまたも苦しいものを感じるが、しかし今度はフェイトの方が先に根を上げたようだった。
「――――そ、それじゃ」
それだけを告げると彼女はするり、と扉から覗かせていた半身を引っ込めるとそのまま戸を閉めて去っていく。小走りに走る足音が遠ざかっていくのをクロノは聞きながら、やっとそこで自分が息継ぎをしていないことに気付いた。
盛大に息を吐く。
「はぁ……、参ったな」
一人呻いて頭を掻き毟る。彼女が家族に迎えられてからこの一年の間、どうにもこのような調子が続いていた。
別に彼女と一緒に生活をするのが嫌なわけではないのだが、どうにも対応に困ることが多々ある。
どうという事ではない筈なのだが、どうにも戸惑ってしまうのだ。それを一言で表すとするのであれば、こうだ。
「慣れないなぁ…………」
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:03:09 ID:Ya7obiRR<> 「慣れないなぁ、じゃないっしょおクロノ君!」
正午。遅い朝食――既に昼食に近かったが――を摂っていたクロノに対してエイミィはその手に構えたプレーンヨーグルトも勇ましく大いに吼えた。その雄姿を苦々しく眺めながらクロノは弁明する。
「いや、だって」
「だっても何も無いっ。フェイトちゃんが妹になってからもう一年たつんだよ?それなのになにさあのギクシャクした態度!」
唸りを上げて空を切る容器、飛び散るヨーグルト。
「『ちょっとそこの醤油とってくれ』『あ、あたしが取るよ』『え、ああ・・・・・・ありがとう、フェイト』『う、うん……』ってなにさそれー!アンタ達は倦怠期の夫婦かってのさ!」
「あ、あの……エイミィさん……?」
アナタキャラが変わってますよ? そんなクロノのセミ念話トーク(つまり思っただけ)も届かずエイミィはヒートアップを続ける。思わず第三者に助けを求めて視線を泳がせれば、しかしその先にいたのは敵方の援軍だった。
「そうねぇ、確かに今のままだとちょっと困るかしら」
「母さんまで」
「だって、仕事が忙しいからってもう一年にもなるのにあのギクシャクぶりを見せられると、母さんとしては心配になるわぁ」
そういいながら彼女――リンディ・ハラオウンはその形のいい眉を顰める。
「可愛い息子と娘のことですもの」
そういわれるとぐうの音も出ない。クロノは眉尻を下げながら考えた。
確かにこの状況下でいまだにうだうだやっているのは自分だけである。フェイトの使い魔であるアルフとは特に関係がこじれる事無くやっていけてはいたが、いざフェイトと相対すると妙に気構えてしまうのだ。
思わず呟く。
「どうしたものかなぁ」
その煮え切らない態度に再びエイミィが爆発しようとしたその時、本局からの通信を示す甲高い音が室内に響き渡った。
「――――とりあえず、先に仕事か」
ほっとしたような、気が重いような、なんともいえない気分でクロノは一人ごちる。
とりあえず陰鬱に悩むよりは体を動かしていたほうが幾らかはマシだろうと、そんなことを考えながら。
■→蒼穹の果ての戦場
――A's COMBAT THE LYRICAL WAR――
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:10:32 ID:Ya7obiRR<> ――――白を引いて青の空を駆ける五機の次元揚陸艇。
その最後の一機が爆発四散した時点で、その映像は終了した。
大型スクリーンから光が消え、ブリーフィングルームに光が戻る。その明かりに照らされて浮き上がる多数の人影たちを前にして、時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンは再び説明を開始した。
「――――以上が今回の目標である多次元犯罪組織『銀の暁』の拠点を守るガーディアンの戦闘記録映像だ」
スクリーンの映像が切り替わる。そこには、巨大な次元航行艦と、五隻の小型艇が映っていた。
「見ての通り、ローウェル提督貴下の第四巡航艦アンディーンは敵拠点の存在する次元世界を特定、武力制圧を図るべく武装局員一個中隊を五機の揚陸艇に乗せて出撃させた」
クロノの示す先、静止画で映る五つの艦艇。それらには全て、時空管理局のエンブレムが真新しく刻まれている。最新型の突撃揚陸艇であった。
「だがそこで――――このガーディアンの迎撃にあった」
その後は映像の通りである。音速超過で大気圏内を機動する鋼の鳥を装うガーディアンに対して超音速戦闘の行えない次元揚陸艇はなす術もなく、その猛攻の前に全てが大空に散ることとなったのだ。
「ひどい……」
呻くように、並び座してブリーフィングに参加していた純白を纏う一人の少女が呟く。だがその瞳は哀しみだけではなく、その悲劇を赦せぬという強い意思もまた宿っていた。
選ばれた精鋭たちが集うこの場において場違い見えるその少女の名は、高町なのは。
儚げにみえるその外見からだれが想像しよう、かつて起きた二度の災厄、プレシア・テスタロッサ事件及び闇の書の事件に深く関わり、そして解決に尽力した凄腕の魔導師である。
彼女だけではない。彼女と共に戦い、またかつては敵対したが今では共に戦う者である者達もまた、この場に現れていた。
「――――成程、確かに我らが招集されるだけの難解さはあるようだな」
と、沈黙を守っていた甲冑を纏う朱の女が言葉を紡いだ。長身の美女は視線を前方で説明を行っているクロノに鋭く向け、告げる。
「あの機械型ガーディアンはロストロギア、しかも大型のを含めた六機全てが連動して機能する型であろう」
「流石に聡いな。足労を願って正解だったようだ、烈火の将シグナム」
クロノの賛辞にシグナムは答えず笑みだけを返す。彼が世辞を朗々と紡げるほど器用な性格でないことは比較的関わりの深くない彼女にも理解できているようだった。
「なんだよ、そんくらいでさ。そんくらいあたしにも判るぜ」
不意にシグナムの傍ら、今まで興味なさげに椅子の上で足をぷらぷらさせていた赤い少女が口を尖らせながら言葉を割り込ませる。彼女は不敵に笑うと言葉を続けた。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:11:48 ID:Ya7obiRR<> 「あん型は機動性と火力に長ける代わりに魔力をダイエット明けのシャマルみたいにバカ食いするからな。それでいて増槽とか付けてる様にみえねぇってことは、あれだろ。別の動力源があって、多分そいつもロストロギア級だ。違うか?」
「ちょ、ヴィータちゃん! なに突然言い出してるの……!」
得意げに言い放つ少女に横にいた緑の少女が酷く慌てた様子で腰を上げる。
「その通りだ。やはり君達の知識と洞察力は侮れないな」
「へへぇー」
クロノの評を受け、満足げに笑いながら座りなおすヴィータ。
彼女は幼い少女に見えてその実は闇の書を守護するために生み出された戦闘人格である。それ故にこの戦闘知識は不思議なものではないといえた。
しかし一方で彼女は高度な戦闘判断と幼い少女としての心が咬み合わないことが多くあるようだった。
頓に彼女らの主はやての影響が大きいが、それが喜ばしいことであるとクロノは考えていた。最早彼女らは戦うためだけの存在ではないのだ。
ところで彼女らでも太ったりダイエットが必要だったりするのだろうか。
「――――と。話を続ける」
咳払いを一つして、解説を再開する。とはいえ、残る解説は多くない。
音速戦闘を行うガーディアンとそれを補佐する発動機のロストロギア。
この二つの古代遺産により戦力を不意打ち気味に失うことになった巡航艦アンディーンはその後後退。
体勢を立て直すため近隣の支局へと立ち寄り、そこから本局へ状況が報告された結果、現場より最も近しい位置にあったアースラに第二波のお役目が与えられたとうわけである。
「だが、此方とて状況は変わらぬのではないか?アースラの次元揚陸艇が他の艦のものと性能が異なるとは思えないが」
ベルカの騎士の黒一点、盾の守護獣ザフィーラがもっともな疑問を放った。だがそれはクロノとしても既に考慮済みである。
「うん、その点についてはアースラで直接次元揚陸を行う予定だ」
「……この艦でか?」
眉尻を上げてザフィーラが言う。それは返答の意図が読みきれないといった風な体である。その反応を当然のものとしてクロノは続けた。
「疑問は最もだ。この艦で出向いたところであの音速機動するガーディアンに対処できるわけじゃあない。闇の書の時のように対象が静止目標であるなら兎も角、あの速度で移動する対象には艦載火器では掠りもしないだろう。下手を打てばこの艦ごと沈みかねない」
故に、と彼は言葉をつなげながらスクリーンに新たな映像資料を映し出した。
「あのガーディアンに対しては――――魔導師による超音速戦闘で対処する」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:13:22 ID:Ya7obiRR<> 「ねえねえ、フェイトちゃん!」
ブリーフィングが終了し、喧騒が生まれ参加者が思い思いに動き出す中、呆然と立ちすくんでいた少女に高町なのはが声を掛けた。
「大変なことになっちゃったね」
友達を心配そうに見つめながら少女は言った。だが眼前の友人は未だ戸惑いの中にあるようだった。呟く。
「私……出来るかな」
「大丈夫だよ、フェイトちゃんなら絶対平気だって!」
厚い信頼に裏づけされた声援を笑顔で告げるなのは。その笑顔は常にフェイトには眩しく、かつて彼女を覆っていた闇の中を照らし導いてくれた、かけがえの無いものだ。だがその笑みは一転して悩むように切り替わった。人差し指をあごに当てる構えを取りながら彼女は言う。
「でも……難しそうだよね。その、超音速戦闘って。魔導師の人が音速で戦うんでしょ?」
そうなのだ。音速で蒼穹を往くガーディアンに相対するにはまた此方も音速の世界に足を踏み入れなければならない。それだけの高速の中で火力と機動性を併せ持てる存在、それは――――魔導師のみだった。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage 文章の切り方がワカンナイ……<>2006/03/25(土) 04:16:54 ID:Ya7obiRR<> 「超音速戦闘か――――懐かしい響きだな」
遡ること数刻前。最初に反応を示したのはシグナムだった。
「成程、と再び言おう。確かに、並みの航空機では速度で追いつけても火力と機動性によって振り落とされ敗れるのが落ちだろうな。あの守護者の守りを抜くには魔法しかなく、故に――――音速を超えるのは魔導師でなければならない」
だが、としかしベルカの騎士たちの束ね、烈火の将は思考する。
かつての魔導師達は音速の世界にまで戦場を広げていた。それはまだ次元航行が可能な航空艦が実用化される前の、遠い遠い昔の話である。
彼らは音速の壁を超え、あの彼方の園で熾烈なる戦いを繰り広げていた。だが音速機動か可能な航空艦の開発が進むにつれ、音速の魔導師達はその戦場から消えていくこととなる。
人が――――魔導師が音速の壁を超えることは至難であり、現在でも専用のデバイスを使用しないと困難な、練達の技である。
そのような技術を持つランクの魔導師は当時としても極めて稀であり、故に安定性と量産性に優れる航空艦に取って代わられ……そしてその姿を消したのである。
「あ、判ったぜ!」
と、唐突にヴィータが声をあげた。彼女は得意満面といった風な面持ちで声を張り上げる。
「だからあたしらを呼んだんだろ。ベルカの騎士は全員デフォで超音速戦闘出来っからな」
成程、とシグナムは頷いた。確かに現状で超音速戦闘が可能な練度を持つ魔導師はそう多くないだろう。その中で自分たちに白羽の矢を立てるというのは間違った判断ではない。
防衛用の魔法生命体であるヴォルケンリッターは対超音速戦闘手段として当然のように自身らも超音速戦闘を可能とする。
だが超音速戦闘はデメリットも数多く、出力も大きく喰うため通常の戦闘時における機動手段としては殆ど有効利用できず、逃走時や長距離移動の際には次元転送があるため、使用する機会が訪れなかったのだ。
正に限定状況でのみ有用であるという使い所が限られる魔法である。今時の魔導師が修めているとは思えなかった。
だがそれに対するクロノの答えは意外なものだった。
「いや、君達には本拠の正確な座標が判明後、武装局員と共に突入してもらいたい。人手不足の中、制圧戦において君達ほど頼れるものはいないからね」
「なんだとぉ? じゃあ誰がやるっていうんだよ!」
褒められて悪い気はしないがさりとて予測が外れたことに憤るヴィータはとりあえず叫んだ。複雑な奴だ、とシグナムが半目で眺める中、クロノは告げる。
「対ガーディアン戦における超音速戦闘は僕と――――フェイト・ハラオウン嘱託魔導師が担当する」
その言葉に一番驚いたのは、言われた当人であるフェイトだった。
「え――――私?」
「理由をお聞かせ願えるかな?」
その答えを愉快、といった風に受けながら、シグナムは尋ねた。一方のクロノは発言者でありながら若干の逡巡を持って言う。
「今回のガーディアンは超音速戦闘を行う上でアウトレンジ攻撃をそのスタイルとしている。これに対して君達ヴォルケンリッターはインファイトを主体としている為、相性が悪い」
と、そこでいったん言葉を切り、クロノは朱の騎士に視線を向ける。
「特にシグナム――――君にはあのガーディアンの親機を捕らえることの出来る遠隔攻撃手段が無いだろう」
「ふむ、遺憾だがその通りだな」
侮辱とも取れるその発言にしかし笑みを持ってシグナムは答えた。
自身の総体を正確に把握するシグナムはガーディアンに対して取れる有効な一撃が限られることを自覚している。
特にボーゲンフォルムよる自身の最大一撃であるシュツルムファルケンは高速で機動する対象に対しては優位性が薄い。無論、対決すれば勝利するつもりは当然のようにあるがそれは相当に厳しいものであるだろうということは容易に想像ができた。
寧ろシグナムが喜ばしいと感じるのは付き合いの浅いヴォルケンリッター達の総力を正確に把握し、その性能の優秀さに目を眩ませる事無く運用して見せているこの少年の叡智である。
暇が出来れば一度くらいチェスでも交わしてみるのも面白いかもしれない。そんなことを考えてシグナムは笑う。烈火の将の心は何処までも戦士であった。また何か考えてるよあのウォーモンガーは、とジト目で此方を見ているヴィータなど、気にするものでもない。
「あの、でも――――じゃあ何でわたしが……?」
おずおず、といった風に当事者であるフェイトが口を開いた。ベルカの騎士達が今回の任務に不向きなのは理解できたが、それはフェイトがこの一件を任せられる理由にはならない。その疑問は最もだ、とクロノはその理由を説明し始めた。
「それは――――」
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:20:14 ID:Ya7obiRR<> 海鳴市沿岸より約数キロ離れた海上に、人影が奔る。
白のバリアジャケットで武装し、手に愛用のインテリジェントデバイス、レイジングハート・エクセリオンを構えた少女はただひたすらに飛翔し、速度を上げる。そしてその速度が限界を超えた瞬間、大気を打つ凄まじい破砕音が周囲に衝撃波を伴って放たれた。
白い尾を引いて少女は疾走し、そして次の刹那――――海面と激突して巨大な水柱を生成した。
「なのはっ!?」
遠巻きに浮遊してそれを眺めていたユーノ・スクライアが仰天して叫び声をあげる。だがその慌てる少年に対して傍らの騎士装束の女はやはり、といった体で頷いた。
言う。
「ふむ、二度のトライで音速の壁を超えるとはなんとも恐ろしい天稟だな、高町なのは。だが――――」
傍らのユーノとシャマルが急いで墜落地点へと向かうのを見送りながらシグナムは呟く。
「やはり音速で動く自身の慣性を制御し切れなかったようだ。超音速機動時のベクトル制御は平時のそれに比べて極めて繊細で、かつ大胆に行わねばならない。少しでも制御を失えば、その身はあらぬ動きをもって大気を滑ることになるだろう」
一息。微苦笑と共にシグナムは告げた。
「まあ、講釈を垂れるまでもなく体感できたとは思うが」
『うん……とってもぉー』
果たして返されたのは念話だった。シグナムの視線の先ではサルベージされるより先に海上へと浮上するずぶ濡れのなのはの姿が見えた。
完全に無傷であるのは彼女のプロテクションが恐るべき強度を誇ることもあるが、大気を泳ぐにあたって与えられたデバイスによる魔法的な擬似衝角の効果が大きい。
そのやり取りを別の空域より眺めていたクロノはやはり、と胸中で頷いた。
音速機動は驚異のレアスキルであり、高い練度を要求される高難度魔法である。いかな高町なのはといえども一朝一夕で体得できるものでは無い。
そもそも、彼女は空中機動を得意とはしておらず、この魔法とは相性が悪い。加速と速度に優れる彼女ならば音速を超える事は難しくないだろうと踏んでいたが――結果は案の定といえた。
クロノは考える。音速の彼方で舞える者は多くない。
ヴォルケンリッター一同は相性の問題もあるが、何より拠点突入時に人手の減った――何せ一個中隊、二百人の人員が失われたのだ。死んではいないだろうが――武装局員の代わりに存分に働いてもらわねばならない。
あのフェレットもどきは論外として、本来ならば自身以上の切り札となりえる高町なのはもこの条件下では期待できない。となれば自身が打って出るしか他は無く、しかしてクロノ・ハラオウンただ一人では決定打に欠け、何より数の差で不利を否めない。
そう判断し悩む執務官に作戦立案の際に執務官補佐が推薦したのが、彼女だった。
ふと、視線を上げる。そこには、青空を白い尾を引きながら飛翔する、黒と黄金の少女の姿があった。フェイト・T・ハラオウンである。
その手にしたインテリジェントデバイス、バルディッシュ・アサルトには音速戦闘用のオプションパーツが取り付けられ、大気の壁を切り裂きながら唸りを上げて主を補佐している。
彼女の戦術の根本には機動性がある。その速さを自らの何よりの武器と自任するフェイトの飛翔は精緻にして剛胆、練度も比類なく、また都合のよいことに音速戦闘の訓練も一応は受けているとの事だった。
彼女の師が――フェイトはその師をリニスと、親愛のこもった声色で呼んでいた――施したそれはしかし、やはり実用性が薄いそれを重要視せず、だが彼女の窮地を救う手札の一つになると信じて与えられていた。
それはフェイトの速度に対する真摯さをより高めることなり、結果として彼女の鋭さをより鍛えることとなっていた。
彼女とヴォルケンリッターの差は遠隔攻撃手段をより得意としているフェイトのほうが相性がよいという、ただそれだけの差である。超高速戦闘の練度は劣れども、それは彼女の適性が補って余りある――――それが最終的にクロノの下した判断だった。
そして今、彼女が再び音速で舞えるようにクロノが手ほどきを行っているという塩梅である。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:21:23 ID:Ya7obiRR<> 「…………どうかな」
「――――慣性制御に出力を割き過ぎているな。それだと火力に影響が出るし、何よりそこまで出力を割かなくても君ならもっと上手くベクトルをコントロールできるはずだ」
一通りのノルマを終えてフェイトが帰ってくる。評価を求める彼女に彼は冷静に判断を下す。
「もっと自信を持っていい」
「う、うん。ありがとうクロノ」
「え、いや……別に。当然の判断を述べただけさ」
訓練としてでなら彼女と平静に相対することができる――――そう考えていたクロノは自身の甘さに後悔する。間が持たないとはまさにこのこと、彼は捻出するように慌てて次の話題を切り出した。
「そ、そうだな。次は高速戦闘用の攻撃魔法の術式を組もう。音速戦闘ではそれ専用の術式にカスタマイズしないと弾速が間に合わないからね」
「はいっ、お願いします」
クロノの言に飛びつくように返答するフェイト。どうやら間が持たないのは彼女も同じだったようだ。そんな様をやはり別の位置から観察していたヴィータが苛立たしそうに唸った。
「なんだなんだアイツ等、イライラするなぁ。なにやってんだよ」
「まぁまぁいいじゃないのヴィータちゃん。初々しくて」
そういってヴィータを宥めるシャマルに浮かぶ笑みがしかし、八神家の居間でワイドショーの芸能人ゴシップを観る際に浮かべるそれに酷似していた。
だがその絶妙なニュアンスの違いに気付く事無く傍らで海水に塗れた髪をタオルで拭くなのはは現在の状況を彼女らに伝える。
「ええと、フェイトちゃんとクロノくん、上手くいってないんだって。一年もたつのにギクシャクしてるって、エイミィさんが言ってたよ」
「ちょ、なのは、その言い方は微妙に誤解が生まれる表現だよ……?」
なのはの言に驚愕して呻くユーノ。その会話に割って入るように、アースラから通信が入った。エイミィである。
『そうなのよそうなのよ、折角気を使ってフェイトちゃん推薦してみたのに相変わらずだしさ。なんとかならないものかなぁ』
「この通信も含めて普通に職権乱用ですよエイミィさん……」
疲れたように対応するユーノ、ゴシップに目を輝かせるシャマル、憤るヴィータ、興味なさげに空を眺めているザフィーラ。総員が完全に和み談話モードに入っていた。
クロノフェイト組とは違い、なのはが音速機動を体験する以上の意味の無い訓練ではあったが、それでも酷い話ではある。
だがそんな中、話を聞いていたシグナムはふむ、と真剣な面持ちで考え込んだ。
「テスタロッサも……いや今はハラオウンか。彼女も執務官殿も来歴が来歴であるからな。いざ家族だ、という段になっても、では、という訳にはなかなかいかないのだろう」
そう、自身もまた、戸惑ったが故に解らないでもない。と、シグナムは一人思う。そして考えた。
「そうだな。勤め先の上司だ、偶には気を使ってやるのもよいかもしれん」
そういって薄く笑うシグナムに、なのはもまた真摯な表情で頷いた。
「うん、私もフェイトちゃんにお話聞いてみる。何か力になれるかもしれないし」
そう告げて顔を上げれば、大空を貫き奔る、彼女の姿が見えた。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:24:26 ID:Ya7obiRR<> 溜息を吐く。
その行為だけで、気分更に重くなったような気がした。
溜息は幸せを逃がすとは、確かなのはの世界で言われている格言のようなものだっただろうか。そんなことをぼんやりと考えながら、フェイトは腰掛けていたベンチに座りなおした。
超音速戦闘の模擬訓練は恙無く終了した。こと魔法行使の技量にて同期に類を見ない秀才であるクロノ・ハラオウンと比べてもフェイトの空戦能力は遜色が無く、作戦実行において支障なしと判断された。
だがその評価を受けても彼女の心が晴れることは無く、こうして休憩時間に自販機の前で一人缶飲料を飲みながら思案する姿だけがあった。
暗く心を覆う思考に映し出されるのは、一人の少年――――クロノ・ハラオウン。彼と家族という間柄になってもう何ヶ月もたつが、未だにその肩書き通りに打ち解け接することが出来ないでいた。
義理の母であるリンディ提督とは、ぎこちなくはあるが、健全に母と娘の関係を全うできている。リンディは彼女を受け入れ、自らを娘だと呼んでくれた。
それは彼女にとって代えがたい幸いであり、正式にハラオウンの姓を受けた日には涙さえ流れたものだった。そしてその様をクロノは祝福し、その日より三人は家族となった……その筈だったのだが。
「――――フェイトちゃん?」
不意に至近より声が放たれた。俯かせていた顔を上げれば、そこにはなのはが心配そうに顔を傾げていた。幾らなんでも気が抜けすぎだ、と彼女は心中で自嘲する。
なのはに気配を消して接近した形跡も謂われも無く、その上でここまで近寄ってきたことにまるで気付かないとは、リニスが健在であればどういわれたことか――――嘗ての師を思い浮かべ、そこで彼女を悔恨として思い出すほどに弱っている自分に気がついた。
呆然とした体でなのはを見上げるフェイトを、彼女は言葉をかける事無く、しかし心配そうに見つめている。その気遣いをありがたいと思いながらも、フェイトには謝罪の言葉しか出せなかった。
呟く。
「ごめん……」
その言葉になのはは微笑で答え、しかし言葉を返す事無くフェイトの脇に腰を下ろした。暫くの沈黙の後、彼女は問う。
「フェイトちゃん、最近元気無いけど……悩み事?」
それは尋ねるというよりは、確認のような物言いだった。そんなにも自分は落ち込んでいるように見えるのか、とフェイトは笑った。
彼女を自分の不出来で悩ませるとは、友達として申し訳が無い。彼女の思考が深みに嵌っていく様を感じ取ったなのはは、弁明するように言う。
「ち、違うの!エイミィさんがクロノくんとフェイトちゃんが打ち解けられてないって話してたから……どうしたのかなって」
だがなのはとしてもここ最近彼女が思い悩んでいる様子は感じ取っていた。だが理由がわからず、どうしたものかと考えあぐねていたのだ。
「リンディさんとはあんなに仲良しなのに」
「うん……母さんとは、良くしてくれているし、問題なんて無いよ。ありがたいと思ってる」
「じゃあ……クロノくんとは何であんな風になっちゃうの?」
言われて、考える。暫くの沈黙が場を支配する。その間もなのはは一言もしゃべらず、じっと友達の言葉を待った。
「――――私ね」
ポツリと。こぼれるように言葉が紡がれる。
「きっと今、幸せなんだと思うんだ。帰る家があって、そこには母さんやアルフ、クロノ達が待っていてくれて、学校に行けばなのはやアリサ、すずかと会えるし、ユーノやはやて、シグナム達もいるし――――」
だけど、と。彼女は懺悔する様に告げた。
「友達がいて、家族がいて……みんな、私を受け入れてくれている。それが――――怖いんだ」
「怖い?」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:25:57 ID:Ya7obiRR<> 意外な答えに、なのはは思わずオウム返しに尋ねた。フェイトは小さく頷き、続ける。
「本当に私が幸せでいいのかなって。どこかでみんなに無理をさせていないかって、考えちゃうんだ。本当はそんなことないって判ってはいるつもりなんだけど」
「それでクロノがね、私のせいで困ったりしているのを見ると、ああやっぱり無理させてるんだなって思っちゃうんだ。やっぱり――――急に家族が増えても、困るだけだよね」
そういって弱弱しく笑うフェイトを見て、なのはは理解する。彼女がどういう心境にあるのかを。
そう、彼女は戸惑っている。望むもの、求めるものだった家族という幸いに対して、どう接すればよいか判らないでいる。だがそれは、彼にしてもそうだろう。
「あのねフェイトちゃん。クロノくんも、同じだと思うよ」
「え……?」
「クロノくんも、フェイトちゃんが無理してないかって、自分のせいで困らせてないかって、考えてると思うんだ」
「クロノが?」
「うん。フェイトちゃん、クロノくんもお父さんが早くに亡くなってるって話知ってるよね」
それは問いかけというよりも確認だった。そしてフェイトもその話はリンディから聞かされている。十一年前の事件で、当時の闇の書を護送していたクロノの父、クライド提督がその一件の影響で亡くなっているということを。
「クロノくんそれからずっとリンディさんと二人で頑張ってきたんだと思うの。だから、フェイトちゃんが家族になって、とっても嬉しいけど、でもどうしたらいいかわからなくて戸惑ってるんだと思うの」
その戸惑いは、きっとフェイトと同じものだ。そうなのはは告げた。彼女が戸惑いながらも彼を気遣うように、彼も彼女を不器用に気遣っている。新しく出来た家族が、妹が辛くないようにと。
「だから、クロノくんにも伝えよう? 勇気を持って、私も同じだって」
悩むよりはその方がずっといい。かつて、自分がそうしたように。
「幸せに戸惑う心を分け合えれば、きっとすぐに仲良くなれるよ!」
気持ちを分け合えばいい。
「――――」
その言葉を呆然と聞いていたフェイトだったが、やがてこくりと、静かに頷いた。その表情には笑みがある。
「そう、だね。がんばって、始めてみるよ」
そうだ、かつてなのはが自らにしてくれたように、今度は自分から動く番だ。自分から、想いを伝えてみよう。そう決心してみれば、いつの間にか陰鬱としていた心のうちも、晴れやかになっていた。
「うん。私、がんばるよ」
そう言って咲く彼女の笑顔は、なのはの知るいつもの笑顔だった。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:31:09 ID:Ya7obiRR<> 「執務官殿、少しよろしいでしょうか」
フェイト達とはまた別の区画にある休憩所。そこで休みを取っていたクロノは、不意にかけられたその声に顔を上げる。と、そこには意外な人物が立っていた。
「シグナム……君か」
珍しいな、と彼は思う。クロノとシグナムは任務上ではここ一年間で何度かの交流があったが、このように単独で話しかけられるのは初めてではないだろうか。そう印象する彼にシグナムは畏まった体で言葉を放った。
「御休憩の所、申し訳ございません」
その硬い物言いにクロノは小さく笑う。彼女は立場や階級を重視し秩序を重んじる正に騎士然とした性格をしているのは既に把握済みではあったが、彼女としては仮の上司であり、しかも年下である自分にまで例に則った立ち振る舞いをおこなうとは。
その生真面目さに笑みを浮かべるクロノに、シグナムはその笑いのニュアンスが伝わったのかやや憤然とした面持ちでクロノを睨んだ。
「いや、悪い悪い。でも、そう堅苦しく振舞わなくてもいい。君は管理局預かりの身とはいえ、本来の主である八神はやて以外のものに忠節を通す義理もないだろう。僕のことも任務外ではクロノで構わない」
苦笑いしながらそう告げると、クロノは座していたベンチより立ち上がり、手近の自販機より二つ、缶コーヒーを購入した。片方をシグナムに放る。
「任務外の訓練に付き合わせた礼だ。ブラックで平気かい?」
「は、ありがとうございます。――――、クロノ」
受け取った缶コーヒーを開封しながら、言葉遣いを調整するようにシグナムは彼の名を呼ぶ。それを笑顔で受けながらクロノも缶コーヒーを口に含んだ。
「それでいい。で、用件はなんだい?何か問題でもあっただろうか」
そう言葉にしながらクロノは考えた。シグナムはヴォルケンリッターの将を任されるだけあり、責任感が四騎中もっとも強く、また戦術眼にも優れる。
その彼女がわざわざ話を持ちかけてきたのだ。事の内容は重大なものに違いない。そんなことを考えている中、シグナムはゆっくりと口を開いた。
「問題――――そう、問題でしょう。それも重大な」
言葉を選びながら喋るシグナムの様子に真剣なものを感じ取ったクロノは気を引き締めて耳を傾ける。果たして、その重大な事柄は告げられた。
「率直に申し上げると――――貴方とフェイト・ハラオウンの関係についてです」
「は?」
我ながら間の抜けた返事だ、と彼は他人事のように考えたが、しかしてこれ以外のリアクションが取れなかったのも事実だった。
「な、なんで君がそんなことを……」
「貴方とフェイト・ハラオウンの関係が上手くいっていないと聞きまして。――――その、人伝てに」
エイミィだな。クロノは直感して心中で歯軋りした。人の口に衝立は立てられないというが、女性のそれには特に顕著であると、彼の短いながら濃厚な人生の経験が告げていた。
そんな憤る彼には気付かず、シグナムは言葉を続ける。
「それに、訓練中の二人の態度を見れば、縁の機微に聡くない私でも判ろうというものです」
そういわれてしまえばぐうの音も出ない。客観的に見ても二人のやり取りは相当苦しそうに映っていたという事を今更ながらに悟った彼は、情けなさに片手で顔を覆った。
「いえ、そう卑下するものでもありませんよ。傍から見ていれば、微笑ましいものです」
「それはフォローのつもりが無いな、シグナム……」
先程の返礼といわんばかりに笑みを浮かべる彼女にクロノは毒ついた。だがそんな彼をシグナムは微苦笑をその面に湛えながら呟く。
「ですが、理解できなくはありません。私も、かつてそうでしたから」
「――――え?」
その言葉を受けたクロノが不思議そうな表情で顔を上げる。彼が見るシグナムの瞳は、どこか懐かしむように遠くを眺めていた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:32:27 ID:Ya7obiRR<> 「かつて――――ええ、もう一年以上前になるのですね。我らヴォルケンリッターは闇の書の起動と共に、再び現世へ顕現しました」
そう、それは暖かさも増していく、ある春の夜のこと。
八神はやての九歳の誕生日を迎えたその時、待ちわびたかのように起動した闇の書から現れた防衛用魔導生命体であり攻勢プログラム、それが四騎の守護騎士、ヴォルケンリッターだった。
闇の書の主のため、最低限の意思だけを与えられた道具――――その筈だった彼らを、はやては家族として迎え入れてくれた。自らを騎士としてではなく人として、家族として扱うその年若い主に、彼女は大いに戸惑った。
それは今までに無いことだからでもあったし、どう対処すればよいかも分からなかった。そんな感情を覚えながら日々を過ごすうちに、不意にあることに気がついたのだ。
「別に、付き合う必要などないのだ。これは新たな主の戯れであり、我らは遊ばれているだけである――――そう考えれば、簡単に決着のつく話だった」
そう――――その筈だ。そんなことはもう早くから考えていた。ならば何故、私は迷うのか。なぜ、彼女に付き合い、共に過ごすのか。
「本当に簡単な話だった。今思えば、何故直ぐに気付かなかったのか、とも思う」
なぜこれ程までに私は戸惑うのか。それは単純にして明快な答えだった。
「私は――――この関係を心から求めていたのだ」
迷うのは、求めるから。惑うのは、欲するからに他ならない。要らぬもの、忌避するものを前にして人は迷ったりはしない。それが魅力的であるから、それが切望するものであるから、人は迷うのだ。
自らをヒトと思わぬベルカの騎士は、故にその感情に酷く驚いた。そして気の迷いとはいえ、主に対し無礼な考えを持った自分を、だがはやては親愛の心で迎え入れてくれた。その時に思ったのだ。
強く戸惑うのは強く求めるから。闇の書の守護者として戦い続け幾星霜、ヴォルケンリッターの束ね、烈火の将シグナムは始めて望み、求め、親愛する幸いを守護することが出来るのだ、と――――。
「我、此処に本懐を得たり。その想いは今でも変わる事無くこの胸のうちにある。強く迷うものは強くそのものに惹かれている。その迷いが強ければ、その求める心も強い。あそれに気付ければ、あとは踏み出すだけである――――と、少し説教くさくなってしまったか」
語り終えて、少し照れるように笑うシグナムは静かに話を聴いていたクロノに視線を向けた。
「クロノ、貴方の戸惑いは傍目から見ていても強く感じることが出来る。だが、今こそ勇気を持って踏み出すべきだと私は思う。その想いは――――テスタロッサも同じはずだから」
と、慣れ親しんだ名を告げてシグナムは既に温くなった缶コーヒーを一気に飲み干した。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:33:31 ID:Ya7obiRR<> 「……そう、だな」
シグナムの言葉を心中で反芻していたクロノは、やはり温くなった缶コーヒーを口に含み、呟く。
「少し、臆病になりすぎていたのかもしれない」
想うのは、瞼に残る父の面影。失われた父親の温もり。父無き後、自分は一人で――――母にも頼らずやってきたつもりだった。それは早く一人前になり、母にこれ以上心配をかけさせぬように。これ以上、悲しませないために。
それが上手くいっていたのかは分からない。だが、最善を尽くしてきた筈だ。しかし、フェイトが家族に加われば、それが果せるか分からない。フェイトを悲しませない自信が、妹に心配をかけないという覚悟が、彼には不足していたのだ。
「彼女は、充分に哀しんだ。もうこれ以上心を煩わせる必要なんかない。年相応に、笑顔で日々を送るべきだ。だが僕には、彼女の笑顔を守りきる自信がない――――」
だが、と。彼は瞳に意思を込めて中空を睨んだ。
「その迷いのせいで彼女を哀しませているのだとしたら、本末転倒だ。ならば、是非もない」
「踏ん切りがついたようだな」
「おかげさまでね」
微笑と共に告げるシグナムに、笑顔で言葉を返すクロノ。思い出されるのはあの日、アースラで母親に決別され崩れ落ちた彼女の姿。シグナムが主を守ると誓約したように、自らも誓うべきだ、と。クロノは強く想った。
「…………と、それにしても」
軽くなった身体で軽くなった空き缶をゴミ箱に放り投げながらクロノは傍らの騎士に話しかける。
「随分と饒舌だったな、シグナム。君らしくもない」
「そうでもない。私とて語りたくなるときもあるし、少々のお節介を焼いてみたいと思うときもある」
そう答えるシグナムは、先程までの固い口調ではなく、随分と打ち解けた風だった。
「それに――――」
「それに?」
クロノの問いに、シグナムは黙って空き缶を宙に投げると、刹那。迸った右腕により弾ける様に空き缶はゴミ箱の上の壁に叩きつけられた。反動で空を舞うその姿は、見事に二つに裁断されている。
「テスタロッサにいつまでもあのままでいられては、好敵手としては困るからな」
言って不敵に笑みを浮かべる彼女の手には、いつの間にか一振りの剣の姿があった。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:34:57 ID:Ya7obiRR<> 以上です。
後編はお許しいただければまた今度で。
乱筆乱文失礼しました。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 04:52:09 ID:nB5KgBby<> COMBATの方GJ!
エロスがあまりないのはここの仕様ですからご心配なく。
良ければまた読んでみたいです・・・というより読ませてください <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 07:31:20 ID:xcAnI9SP<> ではせっかくですので>>76さんに続いて、ノリと勢いで出来た駄文を投下します。
上のとは比べ物にならないひょうげた代物ですが、どうかご勘弁を。 <>
湖の騎士、その趣味<>sage<>2006/03/25(土) 07:32:59 ID:xcAnI9SP<>
「いいかげんにしろよクロノ!」
「ゆ、ユーノ?」
「いつもいつも僕にきつく当たって…僕の何が気に入らないんだ!」
「いや、その…」
「僕がいつもどんな気もちでいるか、考えた事があるのか!?
自分がやられたら…好きな人に…そんな態度をとられたら…」
「ユーノ、お前!?」
「そうさ、僕はずっと君の事が…自分でもおかしいと思う、けどどうやっても止められないんだ、
クロノを想う事が…軽蔑しただろ?」
「軽蔑なんてするものか…僕だって…」
「え?」
「そうさ、僕だって…だから君に辛辣な態度をとって遠ざけようとした…すまない」
「クロノ…ごめん…僕は自分のことばかり」
「僕だってそうさ」
「クロノ…」
「ユーノ…」 <>
湖の騎士、その趣味<>sage<>2006/03/25(土) 07:34:32 ID:xcAnI9SP<> 「ふぅ、今回もいい作品が出来そうね…」
そう言ってから、シャマルは手にしたペンを傍らに置き、大きく伸びをした。
机の上には自分の知人をネタにした、少年同士の愛を題材にした作品というか、いかがわしい
妄想の産物というか、ほとばしる乙女のリビドーの結晶とでもいうか、まあとにかくそんな漫画が
書かれた原稿が置かれてる。
たまたま買った漫画のなかに、そういう種類の物が入っていた。そんな些細なきっかけから、
この世界にのめりこみ、僅か数ヶ月の期間で己自身で創作を行う域にまで達してしまったのだった。
「あの子達も新刊を楽しみにしてたし、早く仕上げよっと」
あの子達とは同僚の時空管理局員の、同じ趣味を持つ女性局員達である。
同じ職場の年端の行かぬ上司達の、あられもない姿が書かれた本を買う彼女達も大した度胸だが、
それを売りさばくシャマルのほうも、どえらい神経である。
「う〜ん、でも最近ちょ〜っとマンネリ気味かしら…」
書き上げた原稿を見ながら、そんなことをつぶやく。
「なにか新しいネタはないかしら…責め手と受け手を逆にするのはもうやったし…そうだ」
ひとしきり考え込んだ彼女の頭にあるアイデアが閃いた。
「愛する二人の前に突如あらわれる、年上のナイスガイ!大人の魅力になびいてしまうユーノ君は
ついついザフィーラに体を預けて…そして…ああん、もうザフィーラったらケダモノなんだから!
アニモー!英語で言うとアニモー!!」
自分の仲間をダシにした妄想にすっかり興奮し、脳内麻薬がでまくったシャマルはすぐさま筆を執る。 <>
湖の騎士、その趣味<>sage<>2006/03/25(土) 07:35:47 ID:xcAnI9SP<> 「ザフィーラの筋肉は抑え目にして、ちょっとスマートにした方がいいわね…
ああ、それにしても筆が進むわ!」
「良かったな」
「ええ、これもザフィーラのおかげね!」
「礼には及ばん」
シャマルの動きが完全に止まる、そして返事の聞こえた方向にゆっくりと、まるで油の切れた
機械のようにぎこちなく顔を向ける。
「・・・」
そこには盾の守護獣ザフィーラが獣の姿でたたずんでいた。いつもの無表情が今は無性に怖い。
「いや、その…ザフィーラ、これは…」
必死で言い訳しようとするシャマルに、ザフィーラは一言だけ告げる。
「左腕と右腕、どっちが良い?」
「え、え〜と…どういう意味?」
凄まじい量の汗をたらしながら、シャマルは(答えは予想できたが念のため)質問の意味を問うた。
「どちらを噛まれたい?」
「いや…その…ごめんさい!ちゃんと実物に近づけるように筋肉の量は少ししか減らさないから。
あ、それとも相手はユーノ君よりもクロノ君のほうがよかっ」
「わかった、両腕だな…」
「冗談!冗談よ!」
引きつった笑顔でなんとか答える。
「二人一緒に相手にするようにってきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
頭にかぶりつきますた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 07:36:46 ID:xcAnI9SP<> ・・・・いや、もう、本当すいません <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 10:05:55 ID:d+KBbipP<> ちょ、なっちゃんダブルりんご味をHHH風味に噴いたw
なんて新しいんだ、シャマルにそんな趣味持たせるとは素晴らしい。 <>
ゾイド<><>2006/03/25(土) 13:48:07 ID:eyY+0KZ3<> そういえばユーノ×なのは、ユーノ×フェイトってのはあるけど
ユーノ×はやてってのは見ないねえ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 13:55:53 ID:B4iCg84e<> >>92
コミック某カットの味付けに対するシャマルの表情が浮かんでしまった
801かと思ったらシャマル妄想とは、乙 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 16:15:34 ID:bJCGstBv<> クロノ×ユーノ が書きたくなったヽ(´ー`)ノ
どうしよう
万が一書いてもここには投下しませんが。
すでに誰か書いてるのかね? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 20:06:13 ID:QFn5WVaa<> 自分が前スレの穴埋め用に少しだけ
でもって実はも何も801板に、なのは、とらは関連は
無い為ここしか投下する場所がないと言う…… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 22:39:17 ID:kXx+Gu2A<> >>100
>>101
試しに投下してみたら??俺は読んでみたい
反対の意見が多いなら…どこかのうpろだを使って投稿すればいいし。
投稿したらなURLを載せてください!俺が読みますから <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/25(土) 23:30:19 ID:Akm2Xpgn<> 荒れるからやめた方がいい <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:10:58 ID:XE68DE72<> 断言は辞めた方がいい、
春だし色々疑われるぞ、
因みに俺の知っているスレでは
荒れなかった。
それバッカリになって801板にスレが立ったが、
「人を選ぶ物は最初に注意書き」
を守ればいいんじゃないかな?
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:14:18 ID:+rhFmFvw<> その話題は荒れる罠
投稿するなら
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1142408011/
にしますから、念のため。
リンクくらいは張るけどさ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:36:36 ID:XE68DE72<> 締め出す方向には行きたくないんだけどなあ、
まあ本人がそうするなら問題も無いか、
あとは自主的を強要する奴が出無ければ良いけど <>
396 ◆SIKU8mZxms <>sage<>2006/03/26(日) 00:42:08 ID:TGMh0l8E<> こんばんわ396です。前々スレから投下し続け、いよいよ最終話となりました。
実は最初からアニメ改変期に合わせて投下していたりします。この時期はどのアニメも最終回ですからね…。
初めての小説なので読んでもらえるか不安でしたが、みなさん楽しんでくれたようでとても嬉しかったです。
まあ細かいことはあとがきに書きました。そこまで読んでくれるとなお嬉しいです。
魔法少女リリカルなのはA's+
最終話
第十四話 「たった一つの強き願い」
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:43:05 ID:TGMh0l8E<>
ユーノを中心に光の柱が立ち、暗雲に円状の穴があく。
「あぅ!!」
ユーノを抱えていたリーゼロッテはその衝撃で弾き飛ばされた。
「な、なんだこれは?」
クロノは呆然とその光の柱を見た。
「ユーノ!?」
「ユーノくん!!」
フェイトとなのはもなにが起こったのかわからずにユーノの名を叫ぶ。
「この魔力……」
魔導師は目を見開いてその光の柱を見た。
ゴゥッ!と再びあたりに衝撃波が起こり光の柱が消える。
暗雲にあいた穴から光が差し込み、辺りを明るく照らす。
消えた柱の中心に光の剣を手にしたユーノが浮かんでいた。
「なんやあれ…?」
はやてはその信じられない光景にただ見ていることしかできなかった。
「お前は絶対に許さない!!!!」
剣先を魔導師に向けながらユーノが叫んだ。
次の瞬間、ジグザグに光の速さではるか上空に上っていった。まるで下から雷が突き上げていくようだ。
全員がそれを追うように真上を見あげた。目で追うのがやっとの速さだ。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:43:41 ID:TGMh0l8E<> 「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
そして怒声とともに猛スピードで魔導師の入った赤い球に向かって突っ込み、光の剣を振り下ろす。
光の剣と強固な防壁の間にはげしい火花が散った。
「ぐぅ!!!!!!!!」
魔導師はその衝撃に必死に耐える。
「貴様!その力、ジュエルシードだな!?不完全なお前のリンカーコアが負荷に耐えられると思っているのか!!!!」
魔導師は叫んだ。この威力、複数のリンカーコアを使っているとはいえ防壁が持つかわからない。
「かまうもんかあああああああああああ!!!!!!!」
叫びながらさらに力を込める。剣がどんどん輝きを増していく。ユーノの願いに呼応するかのように。
「うぐっ!おおおおおおお!!!!!」
魔導師も対抗するように集中する。ここでこの魔法を解くわけにはいかない。破られれば負け、持ちこたえればこちらの勝ちだ。
その様子を全員が呆然と見ていた。何が起こっているのかわからない。
しかし、先ほどまでまったく魔力を感じなかったユーノがあれだけ膨大な魔力を行使しているのだ。
きっとユーノは……。そうみなが予感した瞬間なのはが叫んだ。
「お願い!!もうやめてえええええええええええええ!!!!!」
そのつんざくような叫びに魔導師がなのはの顔を見る。
一瞬、自分が愛し、恋焦がれてやまなかった少女の顔とダブって見えた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:44:35 ID:TGMh0l8E<>
ドクン!!!
人格が混ざる。復讐を果たすためだけに生き続けた“僕”と、そこから生まれた怨念である“彼”。
その時、魔導師の集中は途切れ、囲っていた血文字が少しだけ薄れた。
「しまっ!?」
それをユーノは見逃さなかった。
「切り裂けえええええええええ!!!!!!!!!!!」
今までで最大の輝きを剣が発した。
赤い球の全体にひびが入り、まるで氷が割れるように弾け飛ぶ。
キラキラと赤い文字はその形を失い、辺りに散っていく。ユーノは勢い任せにそのまま剣を振りぬいた。
「ぐああぁあぁ!!!!」
魔導師が肩から腰にかけて切り裂かれる。ブシャッと血が舞った。
魔導師の周りを回っていた6個のジュエルシードは回転をやめ、今まで貯めた魔力を不完全なまま解放する。
辺りは一瞬にして光で包まれ、爆音と共に衝撃波が全員を襲う。
「うわっ!!」
「きゃああああ!!!!」
「フェイトーーー!!!」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:45:10 ID:TGMh0l8E<> シールドを張ったにもかかわらずクロノとフェイトは吹き飛ばされ、アルフがそれを追いかけた。
「うぐっ!!!!!」
なのははプロテクションパワードでなんとか持ちこたえる。
「すげー威力だぞこれ!」
「これがジュエルシードの力か…」
はやてを囲むように騎士達が強力な結界を作る。
麦畑は吹き飛ばされ、円状に地面がその姿を晒した。
白い二階建ての民家はほとんどが吹き飛び、廃墟となる。
あたりは静寂が舞い降り、暗雲にあいた円状の穴から差し込む光が中心にいる一人の少年と横たわる魔導師を照らし出す。
「がはっ!!」
ユーノは血を吐き光の剣を地面に突き立て自分を支えた。はげしい負荷に体もボロボロになっていた。
そしてキラキラと光の剣が塵となり、空気中に消えていく。
「ユーノくん!!!」
なのはが飛んできて急いでユーノを支える。ユーノの荒い息遣いが聞こえる。
「……わ…私の……負けだ……」
横たわった魔導師がヒューヒューと苦しそうに息をしながらユーノを見上げて言った。
「どうやら…お前の願いが……私の願いを……上回った…ようだな……」
ユーノはなのはに支えられながらじっとその顔を見つめていた。クローンの最後。それは、過去に縛られたあの魔導師の最後でもある。
全員がユーノと魔導師の元に集まる。今この瞬間、魔導師の野望は潰えたのだ。
シャマルがユーノに治癒魔法を施す。しかし、ユーノの顔はどんどん青ざめていった。
「ユーノくん!!!!」
「ユーノ!!!」
なのはとフェイトが悲痛の叫びをあげる。
「おい!どういうことだよ!」
ヴィータがシャマルに叫んだ。
「わ、わからないわよ!!体の傷はちゃんと治ってるはずだわ!!」
シャマルが答えると、魔導師が静かに言った。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:45:47 ID:TGMh0l8E<> 「……こ、これを…使え……」
震える手を掲げ、その指を開いた。その中から一つの結晶が光と共に飛び出る。
「ジュエルシード!?」
クロノが驚きをあらわにした。
「不発に終わった分だ。も…もともと、6個のジュエルシードが淡い願いにより少年を守っていたのだ。
……おそらく、強き願いでその力を全て使い、少年のリンカーコアを完全に修復させるだろう……」
ゴフッと血を吐きながら魔導師が言った。
「と、とりあえずあなたも回復します!」
シャマルが魔導師にかけよった。クロノも頷く。この魔導師を逮捕するのが目的であり、命まで奪うつもりは元々なかった。
しかし、それを遮るように魔導師が言った。
「む…無駄だ…。わ、私のリンカーコアは…もう修復は不可能だ…。そ、それに…度重なるクローニングで…細胞もすでに限界なのだ…」
スッと魔導師が目を閉じる。次に開いた瞬間、とても穏やかな目つきに変わる。
ユーノは人格が変わったことを悟った。
「…ユーノくん…止めてくれて……ありがとう…。ああ、僕も…ようやく君の所へ……」
魔導師が片手を天にむかってかざす。その瞳には、自分の愛した少女が映っていた。その少女はにっこりと微笑み魔導師の手をにぎる。
魔導師の顔にも笑みが浮かぶ。数百年ぶりの、心からの笑顔だ。
ドサッ
魔導師の手が地面に落ち、最後を遂げたと同時になのはに支えられていたユーノも地面に仰向けで倒れこんだ。
「ユーノくん!!」
「ユーノ!!!」
なのはとフェイトが駆け寄る。
呼吸が完全に停止していて、鼓動はいまにも止まりそうなくらい弱弱しい。
「ど、どうすればいいんや!?」
はやてが慌ててクロノに尋ねる。
『強き願いでジュエルシードは起動するわ!今は緊急事態です。使用を許可します!!』
様子を見ていたリンディが叫ぶように言った。
「フェイトちゃん」
「うん!!」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:46:31 ID:TGMh0l8E<> なのはとフェイトはお互いを見て頷き、浮かんでいるジュエルシードを二人で握った。
全員がユーノとなのはとフェイトを中心に囲む。
(まだ死ぬな!…妹を泣かせる気か!!)
クロノが目を閉じる。
(あなたにはまだやるべきことがあるでしょう…)
(ユーノ…このままなんて悲しすぎるよ…)
リーゼ姉妹がそれぞれの思いを胸に抱く。
(みんなユーノくんが必要なんや!!)
はやてもぎゅっと目を閉じて祈る。
(ユーノ…お前はまだ生きねば…)
(ここで死んだら無責任やろーってことで一生恨むからな!)
(ユーノくん…お願い…死なないで)
(ユーノ…死ぬには早すぎるぞ…)
騎士達が静かに目を閉じる。
(ユーノ…あたしはフェイトに泣いて欲しくないよぉ…)
アルフが手を組み祈るように掲げた。
(ユーノくん……わたしね……わかったんだ。わたし、ユーノくんのこと……)
(絶対死なせない!アリサとすずかに約束したんだ!!それに、わたしは……)
なのはとフェイトが強くジュエルシードを握る。
すると、指の隙間から光が漏れ出ししだいに強くなる。
そしてあたりはまばゆい光に包まれた。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:47:06 ID:TGMh0l8E<>
──────数日後
『マイスターはやて!みなさん到着のようですよ!!』
半透明の少女が青い本を片手にはやてに話しかける。
「おっせーな!何分待たせたと思ってんだよ!!」
「ヴィータ、喪服探しにあれだけ付き合せておいたお前が言うか」
ヴィータが愚痴を言い、シグナムが静かに言った。
「あたし達がちょっと早くに来すぎたようやな」
黒いスーツに花束を持ったはやてが騎士達に答えた。
「まったく、君は休んでいろと言った筈だ!」
「いいだろ!もう検査したらなんともなかったんだから!」
「まあまあ、二人とも落ち着いて」
「兄さん、ユーノを虐めたら怒りますよ」
全員が喪服に身を包み転移魔法陣から姿をあらわす。エイミィとリンディも一緒だ。
白い家の廃墟とまばらに残る麦畑。その中央に黒い十字架の墓が立っていた。
天気は晴天で、心地よい風がみなを包むように吹いた。
はやてが静かにその墓に花束を置く。その墓に名前は彫られていない。その代わり、少年と少女の写真が取り付けられていた。
そして全員が手を合わせて黙祷の意をささげる。全ての事情は回復したユーノから聞かされていた。
彼もまた、闇の書の悲劇の被害者であった。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:47:52 ID:TGMh0l8E<> (終わったんやろうか。これで全て…)
はやてが誰に聞くでもなく心の中で呟いた。目を開けるとリィンフォースが悲しそうにこちらを見ていた。
(どんなことがあってもあたしは負けへん。この子とともに……それが彼女との約束や)
スッと立ち上がる。強い日差しに目を細めた。
「そういえば、彼はどうやって復讐を果たすつもりだったんだろうか…」
ユーノが呟いた。無限の転生と転移を繰り返す夜天の魔導書。それをどうするつもりだったのかユーノにはわからなかった。
「ああ。これは本人に聞けなかったからあくまで推測の域を出ないんだが…」
クロノが立ち上がりながらみんなを見て言った。
「例の巨大デバイスは一定の空間にいる対象の転移を妨害、または意のままに転移させることができるものだった。
そしてあのデバイスから少し離れたところにトンネルが掘られていて、地下にはマグマがあった。
おそらくやつは、魔導書をその中に放り込んで無限の再生と死を繰り返させるつもりだったんだろう…」
クロノが墓についている写真に目をやった。写真の中の少女は微笑んでいた。そんなことをしても、彼女が生き返るわけではない。
それがわかっていても、彼は魔導書を追い続けた。途中で考えることをやめてしまったんだろう。
「あたしも質問があるんだけどいいかい?」
窮屈そうに喪服を直しながらアルフが言った。
「ん?どうした?」
クロノがアルフを見た。フェイトも突然の自分の使い魔の質問に首をかしげる。
「ユーノの中に6個のジュエルシードが入ってたけど、あれは誰の願いがかなったんだい?」
純粋な瞳で聞くアルフ。たしかに、誰かの願いをうけてジュエルシードは力を発揮する。6個も起動したということは
余程強い願いだったようだ。あのユーノが消えた時、最初にユーノの意志に気づいた人と言えば……。
全員の目がクロノを見つめる。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:48:30 ID:TGMh0l8E<> 「ん?」
クロノはよくわからずにきょろきょろと全員の顔を見る。そして二つの闘気を肌に感じた。
「クロノくん………!!」
「兄さんまで………!!」
なのはとフェイトがじりじりとクロノにつめよる。
「レイジングハート!」
『Yes, my master.』
「バルディッシュ!」
『Yes, sir.』
二人はクロノにデバイスを構える。
「え?…え!?えええええぇぇぇぇ!?」
クロノはわけもわからず飛んで逃げ出した。それを逃がすまいとなのはとフェイトが追いかける。
「クロノくん、そんな趣味があったんか……。ちょっとショックやな〜」
はやてが小さく嘆いた。
「あれ?はやてちゃん、もしかしてクロノくんのこと…」
それを聞いたエイミィが少し焦り気味に言った。
「この次元、けっこう居心地いーな!」
「そういえばあっちにお洒落な町があったわよ」
「この服ではいけまい。あとで着替えるか。なっ!?ザフィーラがすでに子犬フォームに!?」
「問題ない。行くぞ」
騎士達は相変わらず楽しげに会話を弾ませる。
リンディは微笑みながらみんなの様子を眺めていた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:49:25 ID:TGMh0l8E<>
ユーノは墓の前に静かに立った。
────君は、僕にとてもよく似ているからね。……見ていて悲しくなるくらい
────…ユーノくん…止めてくれて……ありがとう…。
魔導師の言葉を思い出す。やはり彼は心の奥底では誰かに止めて欲しかったんだ。
「僕は、あなたの分まで生きます」
そう言うと強く風が吹き、花束の花びらが散って上空へとのぼっていった。
まるでユーノの言葉に答えるように。
墓に飾られた写真の中で、少年と少女は幸せそうに微笑んでいた。そう、とても幸せそうに……。
Fine.
魔法少女リリカルなのはA's+ 完
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 00:50:43 ID:TGMh0l8E<>
あとがき
まずは最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。
アニメと同様全十三話におさめるつもりが、パーティーの話が書いてて楽しくて気づいたら前編・後編になってました。
オリジナル設定を書くのが苦手と言うか読んでる人に正確に伝える自信がなかったのでリリカルなのはの設定を目いっぱい使ったつもりです。
魔導師のコンセプトですが、読んでいて気づいた人も多いでしょうが
「はやてとフェイトの不幸を詰め込んでさらに目の前でなのはを殺されたユーノ」
です。魔力光を濃い緑色(ビリジアン)にしたのもそのためです。当初はもっと狂った感じにするつもりでした。
ご指摘通りオリキャラとしてもう少し掘り下げてもよかったかもしれません…。
なぜあの家に魔導師が住んでいたかという過去も脳内では存在します。一話の分量を決めていたので書きませんでしたが。
巨大デバイスは、シャマルのデバイスがあまりに小さいので、大きいのもあっていいんじゃないかってことが出すきっかけです。
最初は戦艦型にするつもりでしたがありきたりすぎるということで設置型にしました。
あと、ジュエルシードの願いを叶えるという設定がアニメじゃどうにも不完全燃焼だった気がしたので自分なりに
生かしてみました。ユーノを主役に恋愛を絡めて…というアニメ終了後の妄想をこの小説に込めました。
本編じゃ描かれなかった6年間とその後の事件で綺麗に締めたつもりです。恋愛描写が書いてて楽しかったです。
なのははどう見ても鈍感ですし、ユーノを失って初めて気づくと考えました。
ユーノ×フェイトは想像しにくい人が多いかもしれませんが個人的にはお気に入りだったりします。
本当はユーノ×はやても似たもの同士でいいかと思ったんですが、ハーレムすぎるのもつまらないので
クロノに矢印を向けてみました。需要はあると思います。
ここで唐突に予告!
訪れた平穏な日々。しかし、ユーノを待っていたのは修羅場という名の地獄だった…。
読み切り 魔法少女リリカルなのはA's+外伝
第十五話 「芽吹く頃に」
これで396の小説は本当に最後です。書ききれなかった後日談をお楽しみに。様子を見て投下します。それでは。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 01:20:35 ID:XE68DE72<> 終わりましたか、最後のシーンがジーンと来ました。
後日談を楽しみにしてます。
で、クロノに矢印ですか、いやなかなかw <>
ゾイド<><>2006/03/26(日) 01:30:08 ID:cULWQSFM<> 396さんおつかれさまです。
15話頑張って下さい。 <>
◆.IdX9GlRpM <>sage<>2006/03/26(日) 04:57:03 ID:YEY3iphp<> ※やおい注意
クロノ×ユーノ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1142408011/244-251
※やおい注意
ずっと、ユーノ×なのは の砂糖吐きラブラブが書きたいのだが
どうもありがちで書けないとか思っていたらこんなのを書いてしまった。
書いたの1年ぶりだったりする。
まぁ、質は変わらないけど(笑) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 13:06:53 ID:Cw0hddg0<> >>121
禁断の投稿おつかれさま。よかったよ。
しかし、下半身が反応したおれは801趣味があるのかも
しれん・・と内心不安になった。鬱だ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 14:09:14 ID:N9nJe5VL<> >>121
やべ、おっきした。 <>
YUKI <>sage<>2006/03/26(日) 14:37:14 ID:bZyE9QSg<> 4の422氏、そして新しい書き手の方、396氏、皆さんお疲れ様!そしてまじGJ!!
続きと次回作に期待してます!
この板はほんと恵まれてますね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 17:30:32 ID:txnLDa65<> >>121
お疲れ様、GJといっておこう。
>>122>>123
大丈夫、割と正常。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 19:39:05 ID:oAf6B2kG<> 801板での評価は散々なんだな…
何でだろ <>
◆.IdX9GlRpM <>sage<>2006/03/26(日) 21:09:07 ID:YEY3iphp<> 今の俺には手抜きモノしか投下する余力がなかったから叩かれているのですよ。
人間いつも全力とは限らないです。
ちゃんと書こうとすると2週間はかかる。 .. orz
実力のなんたら…でしょう。おきになさらず。
さしてあんなプーを超える801をだれかキボンヌ(ぉ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 21:36:21 ID:zas0dhx0<> >>126
単純に嗜好の違いじゃね?
あっちはエロパロのような分かり易いエロよりも巧みな状況・心理描写を好む雰囲気だから。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 21:50:32 ID:zVtz7qd4<> とある全寮制女学園で小規模次元震が発生。
潜入捜査を行うことになったが、なのは達は試験期間で投入できず、
代わりでユーノに白羽の矢がたつ。
てっきりフェレット姿ですると思い込んで二つ返事で了承するが、
征服を渡されて間違いに気付くユーノ。
エイミィに無理やり制服を着せられたユーノを見て動揺しまくるクロノ。
……とか。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 22:04:12 ID:PIkwAJy1<> ユーノって髪のばすと女の子だもんな。動揺わかる。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 22:46:20 ID:xhQAM10o<> いっそ得意の変身魔法でTSとか。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 23:05:55 ID:txnLDa65<> おとボク展開になる気がするよ、変身魔法なんていらないよ。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/26(日) 23:53:57 ID:T6SaDnkR<> おとぼくは知らないけど漫画舞乙HiMEのマシロくんを想像した <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 00:37:03 ID:GPw46rKS<> 気色悪いからそろそろヤメレ。いちいち難癖付けるのもアレかもしれんが。
それ以上の妄想はリリカルユーノとかその辺行くといいと思うよ。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/27(月) 01:37:51 ID:DeYjUPNG<> >>131
ばかだなぁ、男の子だからいいんじゃないか。
>>129で言えば、ミニスカートはかされて、必死にスカートのばして隠そうとするんだけど、
チラチラみえる太股に、cv水橋かおりで「い、いやだよ〜〜!」とか言ってくれるのがいいんだよな。
あぁもう、クロノが放っておかないさこれは。。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 01:49:41 ID:jDEsbuHn<> ユーノ「ぼ、ぼく・・はやてのことが好きだ。つきあってほしい」
はやて「気持ちは嬉しいけど・・私はウチの子達を守っていかなならんからダメや」
ユーノ「じゃあ・・フェイト、好きだ。ぼくとつきあってほしい」
フェイト「・・いいよユーノ」
なのは「わ、私は?」
フェイト「ごめんなのは。私つきあうなら男の子がいい」
ユーノ「ぼくも女の子がいい。」
なのは「 」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 01:53:10 ID:DeYjUPNG<> なのは「悪魔 HA DAMEDATTEKAAAAA!!」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 02:49:20 ID:6Sy/AAgn<> なのは「じゃあ、みんなでしよっ☆」 4P <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 02:50:52 ID:xdQ8BrMy<> >ユーノ「じゃあ・・フェイト、好きだ。ぼくとつきあってほしい」
コレはいただけない、
それ以外は問題を感じないなw <>
ゾイド<><>2006/03/27(月) 03:08:02 ID:N+8EVDgO<> 138
ユーノ「それは名案だ。」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 10:50:14 ID:W2GG625k<> ゾイドがageてるwwwwwwバロスwwwww <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 12:15:25 ID:M4uzMCwf<> >>137
ワロタwwww <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 13:21:13 ID:mvuOn1KS<> >>396氏GJです!!
光の剣…朽木 白哉の終景・白帝剣かっ!!!!
油断した…
外伝、ワクテカしながら待ってます!
>>105氏
クロXユー読みました!なかなかエロくておっきした。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 14:51:06 ID:1WSYmzLM<> >>137
速攻で寝返ったユーノに、はやてがどんな顔してるのか気になる。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/27(月) 17:37:48 ID:u/YRAJ+m<> 143
プラス天鎖斬月のスピードだろうね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 18:09:30 ID:jGvq9u6O<> >137
なのは 「わたし、悪魔じゃないよ」
ヴィータ 「お前、悪魔でいいって言ってたじゃん。この次元にこんな
ことわざがあるんだが・・悪魔に二言はナイ。守れよな」
ユーノ 「レイジング・ハートもすっかり薬漬けだし。ワルだよなのは」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 20:00:59 ID:PKFuCdfJ<> >>137
管理局の白い悪魔吹いた <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 20:40:07 ID:mvuOn1KS<> >>145氏
終景・白帝剣&天鎖斬月…
黒崎の卍解状態で虚化状態ですか…
ユーノが主役だと燃えるな。
ユーノが覚醒したてことは…内なるユーノが目覚めるってことか?
先週のBLEACHネタだが…
黒ユ「…言ったろてめーは下手糞だユーノ
忘れたのか?覚醒状態で光の剣を最初に使ったのは俺だぜ」
黒ユ「てめーはただ俺の戦いを見様見真似で模倣してるだけの
出来の悪い餓鬼だってことだ …ユーノ」
黒ユ「諦めな
――てめえに覚醒(ジュエルシード)は使えねえ」
やってしまった…マジで御免…許してとは言わない。
今週のジャンプ買ってくるか…投下してもおkですか? <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/27(月) 23:02:31 ID:u/YRAJ+m<> >148
ユーノ対黒ユーノか・・・見たいなあ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/27(月) 23:40:42 ID:uB4o/fPd<> 396氏の小説もある意味ユーノ対黒ユーノみたいなもんだったけどな。
設定壊さずうまくできてたのがすごい。
<>
148 ◆JVoyUe167g <>sage<>2006/03/27(月) 23:42:19 ID:mvuOn1KS<> いっよしゃー!!!!
ジャンプ買ってきたZEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!
書いて投下しておkなら投下しますが?? <>
YUKI <>sage<>2006/03/28(火) 00:24:56 ID:Ll3+hT+J<> 久しぶりに大人向けなモノを書いてみました。
ヴィータ&はやてファンの方、機嫌を悪くされたらごめんなさい。 <>
YUKI 罠?1<>sage<>2006/03/28(火) 00:25:39 ID:Ll3+hT+J<> 次元航行艦アースラ艦内 トレーニングルーム脇の休憩所
赤い騎士服に身を包み、ハンマーのような武器を片手に缶ジュースを飲む一人の女の子
名をヴィータという
夜天の書の主を守護する一騎当千の守護騎士であり、現八神特別捜査官補佐の任についている
「ったく、なんであたしがこんな面倒臭いことを・・・・・」
「まぁ、そう言うな。これも仕事だ。それにキミにとっても良い訓練になるだろ?」
「それは解ってるけどよ・・・・ぶつぶつ」
「ちゃんと特別手当も付けるし、これが終わったらはやての家で休んでいいから。」
愚痴るヴィータをなだめつつ、自分も缶コーヒーに口をつける
「でもよぉ、クロノ。別にあたしじゃなくたって、シグナムの方が相手としちゃ良いんじゃないか?」
「いや、シグナムとの訓練は実戦もかねてかなり経験しているからね。同じ近接戦闘を得意とする相手でも、ヴィータのようなタイプとはまだ経験不足だからフェイトの訓練にはちょうど良いのさ。」
「ふぅ〜ん、まぁいいけどさ・・・・」
「まぁ、宜しく頼むよ」
「あぁ。フェイトがぼろ負けするところを見せてやるよ。」
「そう上手くいくかな?」
ことの始まりは3時間前――――――――――
いつも通りのアースラ艦内でフェイトはクロノに相談していた
「訓練相手がいない!?」
「うん。」
「今日シグナムは本局に居るからシグナムに頼めばいいじゃないか?」
「シグナムとの訓練はいつもやってるし、お互いの技やスピードは知り尽くしてるから、実際に知らない相手が来た時を想定した場合には、あまり効果的な訓練にならないの。」
「う〜ん、確かにそうか。実戦では常に新しい相手だからな、良し解った。誰か別の者に頼もう」
そうしてちょうど暇していたヴィータに白羽の矢が立ったのだ
「それじゃぁ、手加減はしねーぞ。覚悟しな!」
「うん。私も負ける気は無いから。全力で行くから。」
「二人とも準備はいいな?お互い訓練の意味を忘れるなよ!?」
「おう!」
「はい!」
「良し。それじゃ、始め!!!」
「いっくぜぇ!!グラーフアイゼン!!!」
「行くよ!バルディッシュ!!!」
「「OK! Master!!」」
<>
YUKI 罠?2<>sage<>2006/03/28(火) 00:26:20 ID:Ll3+hT+J<>
―――――――――――「それであの娘機嫌悪いんか。」
「あぁ。訓練だから勝ち負けよりも中身が大事だと何度も言ったんだが・・・・。」
「あぁ、それじゃあかんよぉクロノ君。ヴィータにしてみれば訓練も実戦も同じ闘いやからな。そんなこと言ったら余計へそ曲げてまうでぇ。」
「そうなのか・・・・。謝った方が良いかな?」
「それも逆効果やな。・・・・・・・・う〜ん・・・・・・・そやね」
「ん?何だ?何か良い方法があるのかい?」
「うん。来週の金曜日クロノ君非番やろ?うちに来て欲しいんやけど。」
「はやての家に?」
「うん。そこで私が助け舟出してあげる。」
「そうか・・・・わかった。宜しく頼む。」
「あはは。そんなかしこまらんでもええよ。私も楽しみやし。」
「・・・・?」
そして金曜日
「さて、じゃぁ、はじめよか」
はやて宅のリビングのテーブルに3人の影
はやて、クロノ、ヴィータの3人が座っている
他のメンバーはそれぞれの任務により別次元で仕事中である
「始めるって・・・・なにを・・・?」
「そりゃもちろんヴィータとクロノ君の仲直りや」
「なっ!!??い、今さら仲直りもなんもねーよ!」
「ヴィータ、そういう物の言い方はあかんって何度も言ったやろ?」
クロノも何か言おうとしたが、自分の言い方はヴィータには上手く伝わらないとはやてに
釘をさされた直後だった為、黙っている
「それに、もう怒ってなんか・・・・・」
「嘘は良かんよ。ちゃんと私が全部用意しといたからな、安心してや。」
「全部・・・?はやて、一体なにを?・・・・・・ん?・・・・・あれ?・・・」
クロノの身体に不思議な感覚が訪れる
「あ、効いてきたようやね。」
「は、はや・・・て・・・何を入れた・・・・?」
自分のコーヒーカップを指差しながらクロノは意識を失った
そのままテーブルに突っ伏した状態で眠ってしまった
「く!クロノ!?・・・お、おい!はやて!一体なにを!?」
「え〜っとな・・・・この間通販で買った、この『強力睡眠効果!眠れないあなたも爆睡!&媚薬効果付き!』ってやつ。」
「す、睡眠効果?」
「そう!」
満面の笑みで答えるはやて
ヴィータは媚薬の意味を知らないのだろう
なぜクロノを眠らせることと仲直りが繋がるのか解らず、ただ頭をかしげるだけだった
<>
YUKI 罠?3<>sage<>2006/03/28(火) 00:26:56 ID:Ll3+hT+J<>
―――――数分後
身体が重い・・・・
何故・・・・・・?
寝ている・・・?
僕はどうなったんだ・・・?
身体に力が入らず、何かが自分の身体に触れているのを感じる
「・・・・な、なぁ、はやて、ほ、ほんとにこんな事していいのか?」
「いいも何も、これが仲直りには一番って本にも書いてあるんよ。」
「だ、だけどよぉ・・・・」
少しずつ意識が戻りクロノは目を開ける
そこには信じられない光景が広がっていた
一糸纏わぬ姿ではやてのベッドに寝かされている自分の身体
バインドされてるわけでもないのに身体の自由が利かない
「な・・・・なんだこれは・・・・?」
「あ、気付いたクロノ君?」
「き、気付くもなにも!なんで僕は何も着てないんだ!?」
「男と女が仲直りするには、肌を重ねるのが一番ってこの週刊誌に書いてあったんよ。」
「そ、それは、恋人同士の話だろ!とにかく早く服を着させてくれ!」
真っ赤になりながらクロノは叫ぶ
母親以外には見せたことがない自分の裸体を、年下の、しかもはやてとヴィータに見られ
ていることが何よりも辛い
「それはダメ。これからが肝心なんやから。」
「な、なにを・・・・・うっ」
「あははは、可愛えなぁクロノ君。気持ちよかったんか?」
はやての指はクロノの分身を優しく撫でながら、上下にこする
「・・・あ、大きくなってきたなぁ・・・。やっぱ想像どおり立派やなぁ。」
「は、はやて・・・もうやめようぜ・・・あたしはもう怒ってないからさ!」
「駄目よぉ・・・・ヴィータも良く見とかな。」
「はやて・・・・もう・・・・止めてくれ・・・」
「クロノ君も嘘はいかんよ。こんなに硬くしてビクビク波打ってるのに・・・・」
「ち、ちが・・・・うぁっ!」
はやての柔らかく暖かい舌がクロノの分身を這う
根元からじわじわと先端に、カリの裏から最先端部へと伝わり、全体が口の中に吸い込ま
れる
「う、うぁ・・・・はぁ・・・・・」
「ん・・・ちゅ・・・ぴちゃ・・・・はぁ・・・・気持ちええ?」
「う・・あぁ・・・・は・・・や・・・・て・・・」
呆然とはやての痴態に目を奪われていたヴィータも、いつのまにか二人の房事に目を奪わ
れていた
「ヴィータもこっちおいで・・・・」
「あ、・・・うん・・・」
<>
YUKI 罠?4<>sage<>2006/03/28(火) 00:27:38 ID:Ll3+hT+J<> 「ヴィータ可愛ええなぁ・・・そんなに顔を真っ赤にして・・・・・」
「は、はやて・・・その・・・」
「んふふふふふ、ヴィータも身体が疼いてきたん?・・・・食べてしまいたいわ」
「えっ?・・・・は、はやて・・・・?・・・・ひゃう!」
「ほらぁ、動いたらあかんよぉ」
「で、でも、はやての舌が・・・・・・あんっ!!」
ヴィータの耳たぶを愛しくついばみながら、はやての手はヴィータの頬から首すじ、鎖骨
へと伸びる
「服脱いで・・・・」
「う・・・うん・・・」
戸惑いながらもヴィータはゆっくりと服を脱ぐ
「いつ見てもヴィータの身体は綺麗やねぇ。」
その間クロノは気が狂いそうになっていた
ただでさえ媚薬によって押さえきれない興奮に襲われているのに、目の前で少女同士のレ
ズを見せ付けられたのだ
「あ・・・・クロノ君ごめんなぁ、ほったらかしてしもた。」
「く、クロノの、凄いビクビクしてる・・・」
「はぁはぁはぁ・・・・も、もう良いだろ・・・・?」
「うん。これからは二人で気持ちよくしたげる。」
「い、いや、そうじゃなくて・・・・・・・」
「ほら、ヴィータも怖がらんで、クロノ君を気持ちよくしたげな」
「こ、怖がってなんかねーよ!!み、見てろ!こんなもん!」
勢い良くヴィータはクロノを咥えこむ
「うぁ・・・ヴィ、ヴィータ・・・・」
「そう、そうやって優しくしてな。ときに舌で先端部分を転がすように舐めてあげるんよ」
「ふぉ、ふぉうはな?(こ、こうかな)」
ヴィータの暖かくて小さな舌がクロノの分身を生きているように這う
「はぁ・・・あぁ・・・・ヴィ、ヴィータ・・・き、気持ちいい・・・・」
「クロノ君もやっと正直になったなぁ。」
「それじゃ、ヴィータも気持ち良くしたげな。」
一生懸命クロノを咥えるヴィータを、はやてが愛しく愛撫する
「ヴィータは背中が弱かったんよね」
はやての舌がヴィータの首筋から背骨を辿るようにスーッとヒップにまで届く
「ひゃっ!!・・・あぁ・・・・・はやてぇ・・・・」
「んふふふ、可愛ええなぁ、もう。ヴィータのここも少しずつ潤んできとるで。」
お尻の割れ目から前の方へとはやては撫で上げる
「うちも気持ち良くなりたいわぁ・・・ねぇ。クロノ君、うちも気持ち良くしてや」
クロノの顔にまたがり、はやてはクロノの顔面に腰を降ろす
「クロノ君、我慢せんでええよ・・・・。」
クロノももう理性など残ってるわけ無く、ただ快楽をむさぼるようにはやての秘部を舐め
まわす
「あぁっ!んんっいい・・・気持ちええよ・・・」
その間もヴィータは自分の指で自らを慰めつつ、クロノの分身を愛しそうにしゃぶってい
る
<>
YUKI 罠?5<>sage<>2006/03/28(火) 00:28:14 ID:Ll3+hT+J<>
「はぁはぁ、クロノ・・・・・・あ、あたし、もう・・・・・」
「ヴィ、ヴィータ・・・・・」
「クロノ君、ヴィータに挿入てあげて・・・・」
「あぁ・・・ヴィータ、そのまま腰を降ろしてごらん」
自分の秘部を指で広げながら、クロノをあてがい少しずつ腰を降ろしていく
「いっ!痛っ!・・・うあぁ・・む、無理だよぉ・・・・」
「大丈夫。うちも手伝ったるから」
はやてはそう言うとヴィータに口付けをする
しゃぶりつくようにヴィータの口に自らの唇を重ね、顔じゅうがお互いの唾液でべたべた
になりながらも二人は口付けを止めない
キスに夢中になっているうちにヴィータもゆっくりと腰を降ろし、二人の結合部からは初
めての証が滴り落ちる
「ヴィータ、ゆっくり動いてごらん。」
「う、うん。・・・・あ、あぁぁぁ・・・」
「クロノ君、うちのも舐めてぇ・・・・」
再びクロノははやての秘部に舌を這わせつつ、かろうじて動くようになった両手でヴィー
タの胸を愛撫する
全く育ってない胸だが、きちんと感じるようでクロノがさすれば可愛い反応を見せる
「あぁ!クロノォ!いい・・・き、気持ち良い・・・ああん!」
ぐちゅ、じゅ、じゅぷぅ・・・・・
いやらしい音と3人の喘ぎ声が部屋に響く
「クロノ君、もっとぉ・・・もっとぉ・・・・」
ぴちゃ、ちゅぷ、くちゅう・・・・・
「あぁ!あっ!あっ!だめ!、も、もう!」
「イキそう!?ヴィータイキそうになってるん?」
「い、いぃ!駄目、駄目ぇ!も、もう!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
身体中を痙攣させながら、絶頂に達したヴィータがそのままクロノの上に倒れこむ
<>
YUKI 罠?6<>sage<>2006/03/28(火) 00:28:49 ID:Ll3+hT+J<>
「あはぁ、ヴィータ可愛い・・・・・」
「は、はやて・・・・・・」
「ん?どうしたの?クロノ君?」
「・・・・・・・・いや、その・・・」
「あ・・解った・・・クロノ君もイキたいんやね。ええよ、うちの膣でイって・・・」
ヴィータを優しく抱き起こし、そのままクロノから引き抜くと、気を失ったヴィータを優
しくベッドに寝かす
天高く怒張するクロノの分身を口で咥え、優しく舐めまわす
「んふ。クロノ君とヴィータの味がする。・・・・・美味し」
「さっ、入れるよぉ・・・んんっ・・大きい・・・」
「うあぁぁ・・・す・・・・凄い・・・気持ち良い」
「あぁん!ええよ!クロノ君の気持ち良い!・・・ん・・あん!・・」
ぐちゃ、ぐちゅうぅ、じゅぷぅ
「あはぁ、クロノ君聞こえる?いやらしい音がしとるよぉ・・・」
「あぁはぁ、・・・・・うん・・・」
「クロノ君ぅ・・もっともっと突いてぇ・・・・」
「あぁ、もう、だ、駄目だ!いイクッ!!」
「ああぁ!まだ!まだ!まだあかんて!!もうちょっと!!」
グチュッ、グチュッ、ジュプゥ!
「う、うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「あぁぁぁぁん!!」
ドクッドクッドクッ!
勢いよくはやての膣にクロノは己の欲望を放出した
「あぁ・・あはぁ・・・すごぉい・・・クロノ君のビクビクしてるぅ・・・・」
「はぁはぁはぁはぁ・・・・・・」
「クロノ君・・・・これで仲直りやね・・・・」
数日後―――――――
アースラ艦内 休憩室
「クロノ・・・・ちょっと聴きたいことがあるんだけど・・・・」
「んっ?珍しいな、キミが僕に聞くなんて」
「あぁ。これだけはどうしても確認をしておきたくてね。」
「なんだ?無限書庫のことならキミに全て一任してるが・・・。」
「いや、そんなことじゃない・・・・これだよ!」
ユーノが広げた一冊の雑誌
その一面にでかでかと見開きでこう書かれていた
<>
YUKI 罠?7<>sage<>2006/03/28(火) 00:29:28 ID:Ll3+hT+J<>
『時空管理局に渦巻く愛憎の悲劇!!将来を有望視されていた若き執務官の性癖!!』
「・・・・・・は?」
「は?じゃない。この目線が隠された写真の執務官ってどう見てもクロノじゃないか!?」
「な!?な!?え!?ええええええええええっ!!??」
「このことは本当なのかい?しかも相手の女性はどうみても・・・・・」
「はやてちゃんとヴィータちゃんだよね!クロノ君っ!!」
「え、エイミィ!!い、いや、違う!これは!」
「こんなに近くに居る私に全然反応してくれないかおかしいとは思ってたけど・・・。」
「ロリコンだったんだね、兄さん・・・・」
「フェ、フェイト!?違う!信じてくれ!これは違う!」
「我が主に対していかがわしいことをしたと、この記事にはかいてあるが?」
「し、シグナム・・・落ち着いてくれ・・・そのレヴァンティンをしまってくれ・・・」
「はやてちゃんに変なことしたんですか!?そうなんでしょ!?」
「し、シャマルまで・・・」
「クロノ君・・・・信じてたのに・・・・」
「なのは、キミだけでも信じて欲しいよ・・」
「あ〜、もう・・・。みんな騒ぎすぎや。」
「「はやてちゃん!!」」
「大丈夫だった!?変なことされてない!?」
「シャマルもシグナムも落ち着きや。その雑誌に書いてあることはデタラメや。」
「でたらめ・・・・?」
「そう。」
「な〜んだ・・・デマか・・・」
一同ほっとした表情を見せる
「そうや。記事にあるように、クロノ君が無理やり襲ったなんて、するわけないやろ。」
「そ、それもそうね。」
「疑ってごめんなさい、クロノ君・・・」
「い、いや解ってくれればいいさ・・・」
「そうそう。ヴィータとうちと三人で仲良う愛し合っただけやもんな?なっ!?ヴィータ?」
「「えっ!!!???」」
一同ヴィータを見る
当のヴィータ本人は、顔を真っ赤にしたままうつむいて恥ずかしさに耐えていた
この態度を見れば、はやての言った意味を一目瞭然であった
「「く〜ろ〜の〜(怒)・・・・」」
全員の視線がクロノ1人にそそがれる
「い、・・・いや・・・待て・・・・話せば、解る・・・はずだ・・」
・・・・・・・・
「「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」」
「なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
一目散に部屋を飛び出し、走り去るクロノ
その後、彼は無事に逃げきれたのか・・・・?
多分無理だな
Fin
<>
YUKI 罠?考察<>sage<>2006/03/28(火) 00:33:05 ID:Ll3+hT+J<> はやてとヴィータの話を書きたくて、こういう形で作って見ました。
自分としてはユーノと絡めるか悩んだんですけど、やっぱりクロノかな、と思いクロ助を相手役にしました。
やっぱエロシーンは難しい・・・。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/28(火) 00:39:46 ID:AmLaVwuh<> 皆はリリなのでCPはなにがすき?
オレはユーノ×なのは ユーノ×フェイト クロノ×エイミィ
ザフィーラ×シャマル ユーノ×はやてだな。
ユーノメインのSSサイト誰か知らない?
<>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/28(火) 00:41:54 ID:AmLaVwuh<> >>151さん
頑張って下さい。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 00:44:17 ID:C9XE3+ZW<> >>160
これをYUKI氏!おつおつ!これを待っていました!
はやてヴィータ好きな俺としては最高です。・・・はやて、
本好きなだけあって自慰経験豊富そうですね。w
また読みたいです。 <>
148 ◆JVoyUe167g <>sage<>2006/03/28(火) 00:44:59 ID:P03VKrdS<> >>161
つttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
アフォネタなどが多いが…どっちかといえば
ユーノメインです。
好きなCP??
ユーノ×なのは ユーノ×フェイト ユーノ×はやて
ユーノxリンディ ユーノxプリシアだな…
おっとユーノxリニスもだった… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 00:52:02 ID:toFyTkQ7<> YUKIさん、俺の陳腐な頭じゃろくに感想もかけないけど、これだけなら言えるGJ <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/28(火) 01:30:14 ID:AmLaVwuh<> >>164さん
ありがとうございます。
しかし見事にユーノ一色ですね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 01:46:44 ID:wG0K3fS3<> >>160
ヤバッ、笑った。
YUKIさんGJ!です。
クロノは羨ましいけど可哀想な気がするな。南無 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 02:36:56 ID:K3ho1WNj<> クロスネタはありかな? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 02:38:21 ID:7FZCxD1d<> お、新スレと思ったらもう166KB (゚Д゚;) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 02:52:16 ID:i7qcQwQ3<> >クロスネタはありかな?
第三話の最初のほう(?)の流れを見れば……ってあれはオリキャラだっけ?
個人的にはありだと思うけど、きちんとバランスが取れてないと駄目だと思う。
とりあえずここに書かれている事を守れば大丈夫かと。
ttp://www1.odn.ne.jp/~ccx51600/column01.htm
とかなんとか言いましたが、今までの流れを見るに多分ここでは受け入れられないと思う……。 <>
148<>saga<>2006/03/28(火) 03:37:34 ID:rtLSumtK<> 携帯からでスマン。オリジナル設定のSSは投下もいい?ユーノメインSSだが、ブリーチの話をクロスさせた話です。詳しい設定は後で投下します。簡単な設定を投下します。
ユーノがロストロギアの力で6年後の姿になっております。
話の時間軸は闇の書事件のあとです。
とらいあんぐるハートの設定です。理由は高町パパがいると出しにくいキャラがいるからです。
簡単な設定はこんなものです。オリジナルキャラは出しますが、あまり出さないようにしていきます。 <>
148<>saga<>2006/03/28(火) 03:38:21 ID:rtLSumtK<> 携帯からでスマン。オリジナル設定のSSは投下もいい?ユーノメインSSだが、ブリーチの話をクロスさせた話です。詳しい設定は後で投下します。簡単な設定を投下します。
ユーノがロストロギアの力で6年後の姿になっております。
話の時間軸は闇の書事件のあとです。
とらいあんぐるハートの設定です。理由は高町パパがいると出しにくいキャラがいるからです。
簡単な設定はこんなものです。オリジナルキャラは出しますが、あまり出さないようにしていきます。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 03:52:17 ID:hWABuVcn<> >>148
んー、なんか危ないな。
設定なんか語らなくていい。設定語りはそれは楽しいでしょうが、楽しいのは残念ながら自分だけ。(私にも身に覚えがあります)
そんなことするくらいなら「物語」の中に織り込んでSSの質を向上させるべきだと思います。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 05:53:30 ID:MIjRtnph<> 最近このスレにおけるユーノが二次創作恭也の道に入りかけてるような
U−1ならぬYU−NO誕生……になりませんように <>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:10:33 ID:cnt9LJi3<> 「おい、ユーノ!急に何処に行くんだよ?」
「ふん…クロノは僕といるより、フェイトと名良くしてるほうが良いんだろ?」
「な、何を言ってるんだ!フェイトは僕の妹」
「血はつながってないんだろ?」
「例え血はつながって無くても、僕はフェイトを妹としか見ていないって…」
「じゃあ証明して見せてよ」
「証明って…こ、こらユーノ…こんなところで、誰か来たら…」
「でも君のデュランダルはこんなになってるじゃないか?」
「ゆ、ユーノ…やめろって…」
「そう言いながら…ふふふ、氷結系のクセにこんなにもブレイズキャノン」
<>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:11:46 ID:cnt9LJi3<>
「なんだこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
時空管理局の食堂の片隅で、クロノ・ハラオウン執務間の叫び声が響き渡る。
「このエロフェレット!わざわざ呼び出しておいて何のつもりかと思えば…
お前とは一度決着をつける必要があると思ってはいたが、今日がその日のようだな!」
「く、クロノ落ち着け!デュランダルを起動させるな!」
怒り狂うクロノを必死でなだめるのは無限書庫司書ユーノ・スクライア。彼らの間には、
クロノが激怒する原因となった同人誌があった。
「落ち着いていられるか!何だこの本は!どうしてよりによって僕がお前と!」
同人誌の内容は、この二人が間違った方向に大人の階段を上っていくという物である。
そりゃそんなもん見せられた日には、冷静でいられる事等不可能と言えよう。
「は、ハラオウン執務官!一体何が!?」
「い、いや何でもない!」
たまたま食堂にいた部下の言葉になんとか平常心をとりもどす。
「し、しかし…あ、執務官本が落ちて」
「拾うな!見るな!いいから気にしないでむこうに行っててくれ!」
「は、ハイ!」
あわれ、彼は殺気すらこもったその叫びにビビリながら去っていった。
<>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:13:30 ID:cnt9LJi3<> 「で、ユーノ…これは一体何だ?」
「僕が聞きたいぐらいだよ…」
「ハァ?」
「無限書庫の本の中に混ざってたのを、たまたま見つけたんだ」
「混ざってたって…」
まさかこれが古代に書かれたものだと?いや、或いはロストロギアだとでも言うのか?
確かに危険極まりない代物であるが…だからと言ってその…何がなんだか…何なんだ?
「いや、本の整理をしている時に紛れ込んだんだと想うんだけど」
「そ、そうか…」
そうだよな…そんなわけ無いよな…
「で、これは誰の物なんだ?持ち主に色々と聞きたいことが…」
とりあえず持ち主から作者を聞き出さなければ、それから交渉なり脅すなり何なりして
これらの危険物の回収をしなければなるまい。
「それが解らないから君に協力を頼もうと」
「解らないって、職員の名簿ぐらいあるだろ?」
当然それを調べれば、ある程度絞り込む事は可能だろう。
「あるにはあるけど、人の出入りが激しすぎて完璧に把握できてないんだよ」
「なんでそんなにずさんなんだ!」
「しょうがないだろ!整理も全然だってのに、何処かの執務官がやたらと資料をよこせと
せっつくから、見かねた職員の友人が善意で手伝ってくれたりしてるんだ!
勿論手当ては出すつもりだから、名前は控えてもらってるけど…
把握できてない人が何人いることやら」
「それを何とかするのがお前の仕事だろ!」
「こんな事まで司書の仕事に入ってるわけないだろ!」
しばらく睨み合ってから周りの視線に気付く。
「と、とにかく、なんとかこの本を回収しないと…これがなのは達に見られたらと思うと…」
「そうだな、こんなものをフェイト達に見られたら…」
互いにその光景を想像し、顔を青くする。
「…クロノ、協力してもらうぞ」
「仕方が無いな…」 <>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:16:30 ID:cnt9LJi3<> 「それで、どうするクロノ?」
食堂での一件の後、流石にあの場所で詳しく対策を立てるわけにもいかないので、場所を
ハラオウン家に移し、対策を練る事にしたのだった。
「手がかりは有る。今気付いたが。この漫画で僕が来ている服はこの世界の物だ。
そしてこの服を着て管理局に行った事は無い…」
ユーノがその言葉の意味に気付く。
「つまり、僕達と親しい人間。それもこっちの世界に来た事が有る人に限られると」
「ああ、それにこの服はこの前の花見では着ていない。となると人数はグッと絞られるな」
何とか捜査の方向性は見えて来た。
「容疑者をリストアップしよう…なのはとフェイトは当然対象外だな」
「そうだな、母さんとエイミィも…いや…まさか…しかし…一応容疑者としておこう…」
「く、クロノ…」
「言うな!」
そう叫ぶクロノの顔には、様々な種類の苦悩が顔に浮かんでいた…
「わ、解った…え〜と、アルフも対象外と考えていいかな?」
「そうだな。あの犬っころに、漫画を描く等という細かい作業が出来るとは思えない」
「後はヴォルケンリッターだけど…」
「シグナムやヴィータも対象外だな。勿論ザフィーラもだ」
「シャマルさんは…怪しいといえば怪しいけど…」
「ああ、だがシャマルははやて一筋のようだし、確率は低いだろう」
「それはそれで大問題のような気がするけど…」
「まあ、それはそうだが…他人の家庭の事情に首を突っ込むのも筋違いだろう」
「う〜ん…まあそれはそれとして。はやては…どうだろう?」
「彼女は、正直言ってわからないな。そんなことは無いとは思うんだが…」
「そうだったとしても、不思議じゃない気も…」
「ああ…」
「…容疑者はこれぐらいかな?」
「いや…一番厄介な奴らが残っている」
「他に誰かいたっけ?」
「リーゼ達だ」
「あ!」
「確率の高さで行けば本命といっていいだろう…」 <>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:17:57 ID:cnt9LJi3<> 「それじゃあまずは、本命のリーゼさん達を直接問い詰め」
「馬鹿なことを言うな!もし間違っていたとしたら、それこそ身の破滅だ!」
慌ててユーノの意見を却下するクロノ。
「じゃあ、どうするんだよ…詳しく調べようにもリーゼさん達はイギリスに住んでるし、
どうやって確認すればいいんだ?」
「…そうだ!お前がフェレットの姿に戻って餌として潜入」
「するか!大体僕はアルフ達と違って…いや、まてよ…それだ!」
自分の閃きに思わず立ち上がるユーノ。
「本当にそうやって潜入するつもりか?冗談の解らない奴だな。まあ精々食われないように」
「そうじゃない!それにいちいち一人一人確認しなくてもすむ方法があるんだよ!」
「なるほど、それで俺の所に来たと…」
所変わって八神家、クロノとユーノの目の前には子犬モードとなったザフィーラが、
二人の話を聞いていた。
「ああ、この本に残った臭いに、僕達の知り合いがいるかどうか確認して欲しい、できるか?」
「頼みます!アルフじゃ秘密を守れるかどうか…貴方だけが頼りなんです!」
そう言ってユーノが頭を下げる。
「その必要は無い…」
「そんな!」
ユーノがこの世の終わりとばかりに声をあげる。しかしクロノはザフィーラの言葉に
不可解な所がある事に気付く。
「…必要が無い?」
「ああ」
クロノの言葉に頷くザフィーラ。
「この本を借りるぞ」
二人の返事を待たずに、本を咥え部屋を出るザフィーラ。
「どういう事?」
「…ユーノ、部屋の外から話し声がしないか?」
耳を澄ませば確かに、今出て行ったザフィーラともう一人の話し声が聞こえる。 <>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:19:06 ID:cnt9LJi3<> 「シャマル…」
「な〜に?ザフィー…そそそ、それは一体!?」
「シャマル、正直に話してくれ…」
「わ、わかったわ。だから落ち着いて…」
「もうこういう物は書かないと誓ったな?」
「も、勿論よ!わ、私が約束を破ったって言うの!酷いわザフィーラ!」
「そうは言っていない。これは管理局に落ちていたそうだ…」
「そ、それは…わ、私も出来るだけ回収したけど、どうしても限界が…」
「そうか…」
「た、確かに全部回収できなかったのは悪かったわ。あ、謝るから」
「いや、それなら良い…それはそうと一つ質問がある」
「な、何かしら?」
「俺が見た書きかけの本にはPart.5と記してあった、しかしこれにはPart.7と記してある。
どういう事なのだろうな?」
「え、え〜と…」
「シャマル…」
「ほら、あれじゃない?ブラックメンの陰謀ちょっ、待ってザフィーラ!短気は損気!
話せばわクァwセdrftgyふじこlp;@:!!!」 <>
クロノ・ハラオウン執務官の事件簿<>sage<>2006/03/28(火) 06:19:53 ID:cnt9LJi3<> 「解決した」
そういって、クロノ達がいる部屋に戻ってきたザフィーラは、出て行ったときの子犬フォーム
ではなく、狼形態になっていた。
あと口の周りに血がついていたり。
「あ、ありがとう、ザフィーラ…」
少しビビリながら、クロノが何とか礼を言う。
「た、助かりました…」
ユーノも似たり寄ったりである。
「いや、侘びをいれねばならんのはこちらの方だ。迷惑をかけた…」
そう言って頭を下げるザフィーラ。
「苦労…してるんですね」
「同乗するよ…ザフィーラ…」
「お前達もな」
「「いや、まあそうなんだけどね」」 <>
92<>sage<>2006/03/28(火) 06:27:22 ID:cnt9LJi3<> はい、『湖の騎士の、その趣味』の(一応)続きです。
調子に乗ってまたも駄文をさらしてしまいました。
単発ネタのつもりだったのに、なんだかシリーズ化しそうです。
『となりのシャ○さん』シリーズとでも名づけましょうか、何のとなりなのか不明ですが。
あとなんか前回の続きが書かれていたりしてびっくりです、ええ、本当に。
自分にはそういう趣味はありませんが、ちゃんと読ませていただきましたとも。
・・・反応しなくて良かった
<>
4949<>sage<>2006/03/28(火) 08:56:32 ID:lNY3mmxH<> YUKI氏、92氏GJ!!
クロノがうらやましい!
シャマル他にもイロイロやってそうw
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 12:02:30 ID:0wIN6mgn<> シャマルw
でも書き手は本当に一人かな?
おまけ
シャマルの成分解析結果 :
シャマルはすべて毒物で出来ています。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 13:38:52 ID:c11Z8pOG<> シャマル腐女子…すっごい似合うっつーか違和感がない。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/28(火) 13:45:33 ID:AmLaVwuh<> >>148さん
頑張って下さい。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 14:06:43 ID:8gZAbOI3<> リリカルゆうののイメージが、最近モロにこっちにも影響でてるよな。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 14:13:49 ID:wG0K3fS3<> 同乗じゃなくて同情っすよ。
何はともあれ92氏GJ!
腐女子なシャマルさんは良いなぁ。
最初801かと思ってビックリしちゃいましたよ。
これにはやても加わってくれると……ゲフンゲフン <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 14:27:22 ID:8gZAbOI3<> >>188
>これにはやても加わってくれると
シャマル「第8部(サンクリ31)は、ユーノ君がはやてちゃんに食べられちゃって、
クロノ君との仲に少し亀裂がはいっちゃう展開なのよ!
で、第9部(サンクリ32)で、再び愛を取り戻した二人はさらなる愛の行為を・・・」
はやて「よーし、リアリティをだすためや、じゃぁいっちょ第8部の実戦とやらをやろかー」
シャマル「うん!がんばってはやてちゃん!わたしはカメラでしっかりおさえとくわ!」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 15:20:44 ID:TyHC0Iri<> >>396氏
乙&GJ!
>本当はユーノ×はやても似たもの同士でいいかと思ったんですが…
私は一向に構わんッッ!!
なにはともあれ外伝、wktkして待ってます
>>YUKI氏
乙&GJ!! はやてとヴィータのエロ、キタコレ
クロノ…無茶しやがって…ッ!
>>92氏
乙&GJ!! すごくデュランダルです吹いたw
なんか即売会なんかにも普通に行ってそうなシャマルさんですね…
>>174氏
>U−1ならぬYU−NO誕生……になりませんように
つまり…
ユ「僕は、YU−NO
二つ名は碧の淫帝で、ランクはSSSより強いMだけど面倒なのでA」
な「ユーノくんなに一人で言ってるの。今はランク測定の練習試合中だよ」
ユ「ぐはっ、また口に出しちゃった」
ユ「いきなり決めるよ。SSSランク魔法「ア・バンチュー・ル」」
AAAランク「うわー。Aランクのどこにこんな力がー」
女性「ユーノ(くん)・・・ぽっ」
オリキャラ「そんな下らん試合なんてしている場合じゃないぞ。SSランクのロストロギアが暴走したらしい」
ユ「SSランクか。暇つぶしにはなりそうだね。戦闘だ!」
こうですかわかりません <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/28(火) 15:49:28 ID:AmLaVwuh<> YUKIさんのクロノ×ヴィータ&はやてを見たらなぜかユーノメインのエロが見たくなった。 <>
148 ◆JVoyUe167g <>sage<>2006/03/28(火) 16:19:05 ID:P03VKrdS<> 別のPC使ってます…
>>189
リリゆうなら当たり前…ユーノ以外全員ぶっ壊れキャラのサイトだ!!
>>186
御免…ジャンプ買って読んだけど…ちっと無謀…
メインの黒崎が全然喋らないから…前みたいに黒ユが喋る話になりそう
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 18:19:29 ID:603oWBtB<> >わたしはカメラでしっかりおさえとくわ!
そうか!その展開が「YUKI氏の 罠?」にリンクしてるんですね。
・・92氏、YUKI氏、コラボネタすげえよ!w <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 20:15:05 ID:7FZCxD1d<> ユーノは総受け確定で良いでしょうか?
今度はユーノ誘い受けベースのクロノ×ユーノを書いてみたいなぁ。
(私本来はなのは×ユーノが書きたいのだが、あれ?) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 20:18:20 ID:SdyO+ENN<> 前スレラストの意味がわからん <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 20:41:31 ID:0wIN6mgn<> 無視していいかと、 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/28(火) 21:01:29 ID:AmLaVwuh<> >>194
リリカルユーノではナンノかんのいいながらユーノは攻めだけどね。
なのは×ユーノ?頑張って書いて下さい。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/28(火) 21:08:15 ID:gk4LrNR2<> はやて 「できればメール欄にsageって入力してくれると
スレのみんな嬉しいと思うんやよ。協力してな」 <>
5話の31<>sage<>2006/03/28(火) 23:40:14 ID:9bTTTN3S<> >396氏
ユーノ覚醒に燃え! 修羅場エピローグも楽しみに待っています。
そして愛に殉じた魔導士の冥福を祈ります。
>640氏
ああ、なのは。あなたはどうしてなのはなの…
さて、これから一体どうなるのか。なのはの答えは? 二人の仲は?
激しく続きが楽しみです!
>4949氏
プレイボーイの称号をユーノが授かるとは…
いや、こういうタイプがプレイボーイって呼ばれるんだよな。
誰にでもむやみやたらに優しい奴が。
>422氏
リリカル箱のなのはちゃんとなのはさんの競演…
しかしなのはちゃんは肝心なところで強いな。ある意味なのはさん以上だ。
>名無しさん@ピンキー氏
兄妹になってからの関係の話ですか。
二人とも他者を気遣うタイプだし、本編後でも少しこういう感じのがあったりして。
>YUKI氏
は、はやてが小悪魔でエロスに。一体そんな週刊誌をどこで手に入れたのだ!?
…あ、シャマルか。
>92氏
腐女子シャマルにくそワロタwww
うーん。シャマルって清楚で大人な雰囲気なのに
どうしてこんなものがよく似合うのだろうか…
皆さん頑張ってるなぁ。とりあえず自分も長編一本書いてるけど
まだ中盤終わったところ。
一体いつになったら出せるのやら…
短編も色々考えてますけど考えるだけで、文書にするのが難しい。
ともあれ皆さん、GJです! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 00:45:32 ID:IftNwsk7<> >>640氏
フェイトはユーノのことが好きなのかねえ?
修羅BARだな・・・やべっユーノ主役で昼ドラが見てみたい。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 00:55:42 ID:7ycL+KNx<> >>200
ユーノではないが…二人の女の間でうだうだしてる主人公なら
つSCHOOL DAYS
これなら完璧に修羅場ですぜ旦那〜
完全に昼どらですぜ… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 01:03:39 ID:u20bLLIr<> >>201
惨劇やめて
やめて惨劇
せめてこの辺で。
つグランディアU <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 01:23:58 ID:Ugh8Bnoj<> じゃあ、俺も
つアルトネリコ
二人のヒロインの間に三人目のヒロインが寝取りに入ります。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 01:27:20 ID:ipCQgF9k<> >>201
海鳴町AM7:45歩道橋上・・
なのは「昨日の映画面白かったねユーノくん(はあと)」
ユーノ「うん、ねえなのは。今日学校終わったら、ぼくのうちで遊ぼう」
なのは「うん♪ユーノくん♪」
・・
・・
・・
ユーノ「?あれ?」
なのは「どうしたのユーノくん?・・あ、フェイトちゃん」
フェイト「・・・オハヨウ」
--------鮮血の結末-------- NANOHA DAYS <>
148 ◆JVoyUe167g <>sage<>2006/03/29(水) 02:27:49 ID:7ycL+KNx<> 小説って大変だね…
なのはとブリーチのクロス書いてるが…全然進まん…
斬魂刀の欠片も出てこない…
>>204
フェイトが鋸ですか(゚д゚;)
まて…ハーレムルートで世界が高いと…世界に刺されるんだっけか…
>>204のだと…なのはが刺すのか!!!(゚∀゚;)
やっべ…SCHOOL DAYS でも小説かけそう…(゚∀゚ )
??「さぁ…フェイトさん、この鋸で泥棒猫を…」
フェ「これ…蛇尾○っていうんじゃ…」
??「なのはちゃん!この出刃包丁であのストーカーを!」
なの「!!こんなに大きい出刃包丁振り回せないよ…」
ユーノ「何だか、いやな予感がする。」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 02:28:59 ID:IftNwsk7<> >>204
コエーこの後なのははフェイトにのこぎりで首を・・・・
やばっ想像したら鳥肌が。 <>
148 ◆JVoyUe167g <>sage<>2006/03/29(水) 02:35:57 ID:7ycL+KNx<> >>206
なのはの位置が世界だから…鋸の餌食はなのは <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 02:58:27 ID:IftNwsk7<> >>205氏小説頑張って。
なのはのもらった大きい出刃包丁って斬月?
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 03:25:40 ID:2rffYsUn<> 作者さんがのってきているようなので書くなとは言わないが、
クロスオーバー物はテキストファイルかなんかでアプロダに上げる形にしてもらいたい
無駄なスレの荒れは見たくないから… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 03:30:42 ID:3rBojYYt<> 最初に注意書きがあれば十分、
それこそ
>あとは自主的を強要する奴が出無ければ良いけど
の方を危惧すべきだな <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 03:50:36 ID:aylyGfvm<> うん、前書きと改行3つくらいあれば読む前にあぼーんできるから助かる。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/29(水) 05:20:17 ID:8CN/tJcG<> 第一話「大学での私たちの話なの」の続き〜♪
第2話「明日は日曜日!フェイトちゃんの家で宴会なの」
私たちは大学の校門前ではやてちゃんと合流を果たした。
「誘ってくれてホンマおぉきにな。なのはちゃん達」
はやてちゃんは誘ってくれたことに対して感謝の返事をしてくれた。
「別に良いって、私たちは友達だよ。はやてちゃん」
お礼を言われたことに素直になれた性かちゃんと感謝を言っている私
「なのはの言う通りよ私たちは友達じゃないの、ねぇ、すずか」
「うん、アリサちゃんの言うとおりだよ。はやてちゃん」
「うん…なのはやアリサたちの言うとおりだよ。はやて」
みんなそれぞれ感謝の言葉を言っている。
「それよりも早く飲み物とかオツマミや食べ物を買いに行こうよ。みんな」
私は頃合を見計らって早く買い物に行こうとミンナを誘った。
少し時間があったので本屋で買いたい読み物を物色していたけど、目ぼしい物がなかったのでそうそうにその場を後にした。
そろそろ夕方に近づいたのか空がほんのりと茜色に染まり初めていたのでそろそろお酒とかを買いにコンビニに立ち寄った。
「まず初めは食べ物からだよね?確か…」
私は初めにオツマミ用の売り場に手を伸ばした。
色々な種類のおつまみがあって迷ったけどオーソドックスにカキの種とさきいかを買うことにしたので、買い物カゴに詰めた。
次に私はお酒が売っている場所に来た。
ここまで〜♪次回は第3話「コンビニでの戦いなの?」次回に向けてドライブイグニッション!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 10:01:09 ID:MWu0rUWG<> だからsageろ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 13:32:25 ID:ymWAJhjy<> 広告地獄とかになってないのになぜsage。
sageでもageでもいいやん。
きっと職人さんが晒し上げしてるんだよ。
私も長めのを書いた後は上げると神降臨とか言われずにシュールな対応になるから好きだが。
例外は広告爆撃受けている時期。
(もちろん個人の自由だが…) <>
148<>saga<>2006/03/29(水) 16:04:09 ID:kB025Utf<> 148です。携帯からでスマン。SS投下するときはうpろだ借りて投下します。そのほうがいいし。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 17:15:09 ID:HnjU5IyH<> ドス!
フェイト 「きゃあああ!」
ユーノ 「・・な!な・・の・・は?」
なのは 「ユーノくんが悪いんだよ・・・6年前からずっと私のお餅に
気があるそぶりしておいてフェイトちゃんのお餅選ぶんだもん。
・・もう疲れたの」
そう言うとなのはは、二人の餅を食べた。
MOCHI DAYS
・・
・・
やってみた正直すまんかった。>ALL <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/29(水) 18:02:59 ID:+4yay4Ko<> 年上の男に抱かれたい女っているもんだねw
http://tks5522.web.fc2.com/
↑たとえばこういうトコとか。
Hに積極的な若い女のコと遊びたいなら、まずはいいサイト選びが大事。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 18:20:23 ID:ygz7N9AV<> そんなわざわな広告をひっぱってこなくてもいいのに <>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:40:53 ID:B9cIWLeI<> 私の絵本第三話、お姫様の告白
投稿します。 <>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:41:26 ID:B9cIWLeI<> 契約者を探す。
ここ数日間、放課後魔力反応を調べているが一向に見つからない。
念のため夜にも学校に来ては何らかの証拠が無いか探しているが………
「ハァ……」
ヴィータはため息をつく、その顔は眠そうだ。
深夜の捜索、昼は学校、夕方は宿題、と昔に比べ暇がない。
「ハァ………」
退屈な授業、視線は自然と窓の方に向く。
ヴィータの席は教室の真中の列、後ろから二つ目だ。
窓は左側、一つ列をはさんで向こうにはユーノが座っている。
ユーノはノートを取っている。
根が真面目なだけにちゃんと授業を聞いているようだ。
その顔は真剣そのものだ。
なんとなくヴィータはその顔に見入っていた。
放課後、ユーノの席には多くの女の子が集まっていた。
頭がよく人あたりが良い、なおかつ顔も悪くない、女子にもてるには十分な条件だろう。
「………」
ヴィータが見ていると、こちらに気づいたユーノが苦笑いする。
今日は一緒に夕飯の買い物をしていく予定なのだが………
「でさ〜ここ教えて欲しいんだけど〜」
「え?…ここわね…」
一人の女子がしつこくユーノに聞いている。
ユーノも断ればいいのだが、優しいだけにそれが出来ないのだろう。
結局ヴィータはユーノが教え終わるまで待っていた、が…
「ねえユーノくん、今日私の家に遊びにこない?」
終わった後にもしつこくユーノを遊びに誘う女子。
ヴィータにとってその光景はものすごく不愉快だった。
「………おい………」
ヴィータの声、ユーノにとって救いの声だろう。
「何よ…妹さん…」
しかし女子にとっては邪魔でしかないのだろう、嫌そうな態度を隠そうともしない。
「今日は夕飯の買い物があんだよ」
こちらも嫌そうな態度を隠そうともしない。
両者の間には嫌な雰囲気が漂う。
「ハ、ハハ、そういうことだから今日は帰るから!それじゃ!」
ヴィータの手を取り急いで教室から連れ出す。 <>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:43:12 ID:B9cIWLeI<> 買い物中、ヴィータは不機嫌だった。
家でも不機嫌なままだった。
深夜、いつも通りの探索。
もしもの時を考え二人〜三人での捜索が基本となっている。
ユーノはヴィータ、はやてと一緒だ。
今は、学校の関係者、特に企業家、著名人などが多く住んでいる地区の探索をしている。
探索をそろそろ終わりにしようか、と言う時間になる頃。
「ちょっとええか?ユーノくん」
ヴィータに聞こえないようにはやてが小声で話しかけてくる。
「なんでヴィータあんな不機嫌なん?ユーノくん何かしたん?」
いつもなら、三人で他愛もない会話をしているのだが今日はほとんど会話がなかった。
ヴィータに何を話しかけてもすべて無視されているからだ。
「それが僕にもわからなくて」
結局、家に捜索中ヴィータはほとんど喋らなかった。
家に帰っても直ぐにベットに入ってしまい話せなかった。
ユーノは少し、さびしく感じた。
はやての部屋、はやてとヴィータはいつも通り同じベットで寝ている。
寝ている、と言うのは適切ではない、ヴィータは横になっているだけだ。
ヴィータは昼間の事を考えていたのだ。
どうしてあんなに嫌だったのか、どうして自分がユーノに腹を立てているか。
ユーノは悪い事をしていない。 <>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:44:11 ID:B9cIWLeI<> (なんか、ユーノがあいつと話してんの嫌だった………)
ヴィータはのろいうさぎをきつく抱きしめる。
「ヴィータ…起きてる?」
てっきり寝ていると思っていたはやてが話かけてきた。
ヴィータは上半身を起こす。
「なに?…はやて…」
ヴィータははやての方を見る。
はやては横になったまま続ける。
「今日はどうしてあんな不機嫌だったん?」
「………わかんない………」
ヴィータはうつむく。
「ユーノが学校の女と話してるのを見てたら、なんか嫌だった…」
「ユーノくん?どうして?」
上半身を起こしたはやてはヴィータを見る。
「わかんない、なんか…嫌だった」
ヴィータもはやてを見る。
ヴィータの肩は震えていて、その顔はどうしていいかわからず寂しがっている子供のようだった。
「ヴィータ………」
はやてはヴィータを抱きしめる。
「はやてぇ…あたし……どうしたの…かな…」
その声は弱々しく徐々に掠れていく。
ヴィータは泣いていた、なんだかわからなくて、ユーノに辛く当たった自分が嫌で。
「…ヴィータ…」
はやてはヴィータの頭をなでる、その手は暖かく、その声は優しいものだった。
「ヴィータはユーノくんの事どう思う?」
はやての質問、ヴィータにとって、その質問は予想外だった。
「どう…して?…」
「いいから、どう思ってるん?」
どうしてはやてがそんな質問をするのか、ヴィータにはわからなかった。
それでも、はやての真剣な目、それが大事な事なのだとヴィータは思った。 <>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:44:43 ID:B9cIWLeI<> 「…わかんない…ただ…ユーノの事を考えると…なんか胸のあたりが変な感じがする…」
「…やっぱり…」
はやての呟き、それははやてが答えをわかっている事を示していた。
「…ヴィータ…それは別に変な事やあらへんよ、むしろ普通や」
「…どういう事?…」
はやては子供に言い聞かせる母親のような声で言う。
「ヴィータはユーノくんの事………………………………」
異変は学校で、昼食の時間に起きた。
いつも通りなら、問題は無かっただろう。
だが、今日はいつも通りではなかった。
普通、この年齢の子供達にとって昼食の時間はおしゃべりが多くうるさいものなのだが。
「………」
ただ、ひたすらと弁当を口に運んでいる。
いや、そうするしか出来なかったと言うのが正しい。
なぜなら………
「ほらユーノ、これも…」
「ヴィ…ヴィータ…恥ずかしいよ…」
昨日のはやての言葉で吹っ切れたのだろう、ヴィータはユーノに箸を差し出す。
箸にはタコさんウィンナーが掴まれている。
俗に言うあーん、をしている。
その様子をなのは達は苦笑いしながらはやては見守るように見ている。
これだけなら特には静かにするほどのものではない、これだけなら………
ヴャギィィィ!!っと人の骨を折ったような音がする。
「………」
<>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:46:27 ID:B9cIWLeI<> 沈黙の理由はこれなのだ。
一部の女子、ユーノを狙っていた女子達が放つ雰囲気が教室を沈黙させていたのだ。
特に一人の女子、この前ユーノにしつこく絡んでいた女子の出すオーラが半端ではなかった。
「ほら…これ、あたしが作ったんだ…」
しかしヴィータは気にしない。
とうとう一人の女子がしびれを切らしたのだろう、椅子を倒す勢いで立ち上がる。
「ちょっとあなた!!いい加減にしたらどうです!!」
「あんだよ…」
この前からしつこい女子が怒鳴る。
「あなた、ユーノくんの妹さんでしょ、そんなにお兄さんにべったりで恥ずかしくないの?」
「あ?」
そのなのだ、この学校では兄弟と言うことになってる、他の人たちから見ればブラコンに見えるだろう。
「それともぉ?そんなにユーノくんの事が好きなのかしら?」
「………だったら何だよ?………」
この女子にとってその言葉は予想外だったのだろう、顔が引きつっている。
「だ、だったらぁ?あなた自分が言ってる事わかってますの!?」
他の人達も驚いている。
おそらく驚いていないのは…はやてぐらいだろう。
「貴方達は兄弟、それ以上でもそれ以下でもありませんのよ、なのに好き?あなたおか「おかしなことあらへんよ?」え?」
<>
4949<>sage<>2006/03/29(水) 20:47:44 ID:B9cIWLeI<> その時はやてが会話に割り込む、その顔は面白そうに笑っている。
「別におかしな事あらへんよ?」
はやてはユーノの肩に手を置く。
「だって…ユーノくんホンマの兄弟ちゃうから…」
「ちょっと!はやてそれは!!」
はやてはユーノを手で制す。
「ユーノくんは義理の兄弟やから…」
その女子にとってこの事は予想外だったのだろう、驚愕の表情を浮かべている。
「ほ…本当ですの…?」
「うん…まぁ…」
ユーノは苦笑い、本当は違うのだがここまで言ってしまったら話しをあわせるしかない。
女子も、自分から聞いたわけではないがバツが悪いのだろう、黙ってしまった。
「それやから…もしかしたら…って事もあるかもしれへんよ?」
はやてはこれ見よがしにユーノの首に抱きつく。
女子はさっきの事への後ろめたさがあるのだろう、はやてにたいして何も言えず悔しそうな顔だ。
「とりあえず、席にもどったらどうや?」
はやての言葉にしぶしぶ戻って行く女子。
「…はやて、いつまでだきついてるんだ?」
「ヴィータも抱きつけばええやん?それより…」
はやてはユーノの耳元で囁く。
「ヴィータの言ったことの意味、しっかり考えたってな?」
終わり
なんか自分的に不完全燃焼ぎみです。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/29(水) 21:45:00 ID:u20bLLIr<> デレヴィータキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!! <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/29(水) 22:50:18 ID:Vry5Ph5Y<> 好き。・・・・好き?
誰が、誰を?
ユーノ君が、わたしを?
いつから?
この六年間、ずっと?
本当に?
─────最低だ。
ずっとそばにいながら、気付かなくて。
彼の気持ちも知らないで、なんて酷いんだろう。
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく二人の絆−
第十二話 彼女の結論、それはずっと
「・・・私ね。私、私だってユーノのこと・・・!!」
「あかん!!!」
「っ・・・・!!」
それ以上は、なのはの砕けそうな心を、余計に混乱させるだけだ。言わせてはならない。
またも声を荒げそうになったフェイトははやてに、強く肩を押さえ込まれて。
「あかんて、フェイトちゃん。そんくらいでやめとき。言い過ぎや」
「・・・・あ・・・」
もう、いい。
親友のことを見限ったかのようなフェイトの発言に、なのはは崩れ落ちるように座り込み。
見かねたはやてに言われ、フェイトはようやく、己が彼女とユーノに対して感情的になるあまり、
取り返しのつかない過言をしてしまったということに気付いた。
彼の想いを、勢いに任せて勝手に告げるなんて。こんなこときっと、ユーノは望んでいない。
まして、なのはをその独走によって、傷つけるなんて。
彼女にユーノの苦しさを、彼に対して自分のしてきたことを知って欲しかっただけなのに。
彼女に失望を感じたのは、彼女なら絶対に、たどり着く。そう信じていたから。
なのはのことが大好きで、信じているからこその感情だったというのに。
彼女こそ自分よりも遥かに、ユーノといるべき人間なのだと。
自分ひとりが被害者であるかのように勝手に思い込み、信じ続けることをやめ、勝手に疲れ果て、諦めただなんて。
信じてきた人を自分もまた、傷つけてしまった。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/29(水) 22:51:22 ID:Vry5Ph5Y<>
「・・・・ごめん・・・」
───私も、なのはのことを言えたものじゃない。いや、こうやって自覚しているぶん、余計酷いのかもしれない。
フェイトは自分の身勝手さに思わず、唇を噛んだ。
しかし、なのははフェイトの謝罪にも、自責にも反応することなく、ただ、
「・・・わた、し・・・ユーノくんを・・・・わたし・・・・」
自分と、真意を知らされたパートナーの名前をひたすらに上の空の顔で呟き続けるだけだった。
彼女の足元に転がされたレイジングハートが心配しているかのように、淡い光を放っていた。
どうすれば、いいのだろう。
勢いに任せ言った言葉は、言った本人にとっても対処のしようがないほどに重くて。
俯きぼそぼそと嘆じ続ける親友は、痛々しかった。
「最低、だ・・・・わたし・・・・最低・・・」
「なの、は・・・」
「無理、ない・・・フェイトちゃんに嫌われても、無理ない・・・よ・・・最低、だよ・・・ね・・・」
「・・・!!」
違う。
そんなんじゃない。
なのはに謝ってもらいたいとか、嫌いだとか、そんなことじゃない。傷ついて欲しかったんじゃない。
私は、ただなのはにユーノと────
(!?・・・私・・・は・・・?)
想いを通わせて欲しかった。それは間違いない。
けれど。
だったらあのとき、なのはの答えを聞き、ユーノの想いを伝えた時のあの開放感は、何だったのだ?
何故自分はあれだけ悲しみ、憤っていながら涙することができなかったのだ?
本当にただ、諦めしか感じていなかったのか?
(そんな・・・私・・・)
心のどこかで、望んでいたのではないか?
ユーノの隣にいる人間が、なのはではなく、自分であることを。
彼女の問いへとなのはの返したその答えが、ユーノにとって残酷なものであることを。
フェイト・テスタロッサ・ハラオウンとユーノ・スクライアが結ばれる可能性への期待に。
自分でも気付かないほどのわずかな心の隙間に、なのはのあの答えを期待する邪な心があったのではないか?
否定したい。
否定したいけれど、否定できない。
かつて芽生えた想いは親友へとユーノが持っていたそれと同じように、確かに彼女の心に残っていたから。
なのはか、ユーノか。
その取捨選択を無意識に行っていた可能性を彼女自身、振り払えない。
「あ・・・その、なの、は・・・」
自身の心に対する疑念、それはあっという間に広がっていき、自分がとんでもなく醜い人間に思えてきて。
親友と同じく彼女もまた自責の念に心を痛めることとなる。 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/29(水) 22:53:32 ID:Vry5Ph5Y<> どうすれば、いい。どうすべきだったのか。
なのはも、フェイトも、自分がよく、わからなくなっていた。
───だが。
状況は彼女達に、悠長に考える時間を与えてはくれなかった。
銀髪の少女の鋭敏な感覚が、彼の生んだある異変を捉えていて。
『マイスター!!遺跡内最深部、40m地点において新たな魔力反応を確認!!』
「!!」
「新手かっ!?」
クラールヴィントの探知が夜天の書達によってジャミングされている今、最もその能力に秀でているのは
最大容量の大きいリインフォースである。
その彼女が探知した魔力に、一同が──呆然としていた、なのはでさえも──顔を上げる。
『いえ・・・小さすぎます!!新たな魔法生物とは・・・なにか低出力の魔力を無理矢理寄せ集めたような・・・』
「・・・!?」
敵のものでは、ない?
『!!・・・これは・・・市場流通型の探索デバイスに使用されている駆動用基礎魔力に、ほぼ間違いないです!!』
「まさ、か・・・」
「ユーノ・・・、くん・・・?」
可能性は、ある。
仮に生物であったとしても、この遺跡内にそのような中途半端な魔力の持ち主がいるとは思えない。
まして探索用デバイスが遺跡内にあるとしたら、持ち込んだ者は当然、調査にやってきた者のはずだ。
彼からの精一杯のSOSの信号、その確率は十分だ。はやく行ってやらなくては。
「テスタロッサ!!」
「っあ、・・・・」
指揮者としての、指示を。
シグナムが向けてくる視線は、そう言っていた。
出すべき命令はわかっている。とるべき行動、言わずもがな。急がねばならない。
しかしそれでもフェイトは自身への疑念と親友への心配とによって、その待ち望まれる指示を出すことが出来ず、言葉に詰まる。
「はやくしろよ!!いかなきゃいけねーんだろ!!」
ヴィータが苛立たしげに怒鳴っても、口が動かない。
「ヴィータ」
「はやて、急がねーと!!」
「いいから」
「けどよ!!」
リインフォースの報告を聞き、なのはとフェイトの様子を見比べるように立っていたはやてが、ヴィータを抑える。
「・・・フェイトちゃん、行って。なのはちゃんにはわたしがついとくから」
「はやて・・・?」
「早く!!」
フェイトのことだ、あんなことを言ってしまった直後でなのはを放っていけるはずがない。
色々と、考え込んでしまって。自分を責めて動けなくなっているに決まっている。
ただ急かすだけでなく、誰かが背中を押してやらなくては。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/29(水) 22:55:36 ID:Vry5Ph5Y<>
(・・・大丈夫やて。もう少し・・・もう少しだけなのはちゃんを、信じてみん?)
(はやて・・・・)
(本当はフェイトちゃんがなのはちゃんのこと、一番信じとるんやろ?)
(・・・・)
(わたしはフェイトちゃんのことも・・・信じとるよ?)
「はやて・・・あの」
『マイスター・・・』
「わたしもなのはちゃんには・・・ちいと言いたいことや聞きたいこと、あるからな」
「え・・・?」
きっと、ずっと。
彼女の心に答えはあるはず。
不安げに見上げてくるなのはへと、はやては笑いかけた。
その笑顔になのはは、夢の中で出会った夜天の書──リインフォースの見せた最後の微笑みが、重なって見えていた。
消えていった彼女の言いたかったこと、それをはやてが替わって伝えようとしているかのように。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/29(水) 23:15:49 ID:Vry5Ph5Y<> はい、なのはの結論と思わせといて実は今回ははやてでした。
てかスレの流れ早すぎ・・・レス追いつかないよorz
>>4949氏
乙です。これで完結ですか?
>>4の422氏
二人のなのはktkr
リリちゃなのはをお父さんと会わせてあげてください・・・orz
>>76氏
この質、この量、圧倒的じゃな(ry
>>92氏
腐女子シャマルがハマリ役すぎるwwww
アレックスとランディあたりもネタにされてそうだな・・・。
>>396氏
お疲れ様です。外伝も待ってます。
>>YUKI氏
うん、そういえばここってエロパロすれだったんですよね(再確認)
ごめんよエロ文下手糞でorz
>>200氏
ごめん予想よりドロドロ長引いてますorz
なのフェスのコピー本に収録した作品のサブタイトルが決まりました。
フェイトメインの「群衆の中の猫」
シグナム、ヴィータメインの「ヴォルケンリッターの料理教室」
リインメインの「はじめてのおつかい」
の三本です。
あとスレ住人向けの無料配布物としてshe&meの外伝を現在執筆中。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/03/29(水) 23:17:07 ID:p2aK8l4I<> 予想外の展開に読み返さずにはいられなかった。
そういう目で見ればそれらしき所はあるが、何か納得できない。
まあ、読み手がどうこう言える話ではないがな。 <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/29(水) 23:48:46 ID:O6wdePHc<>
こんばんわ、4の422です。レスありがとですっ!!
>>74,75
はやては登場「だけ」はしますが、残念ながらほとんど活躍の場なし・・・
というかA's12話見てないのにはやての戦闘シーンなんか書けないよぉ・・・orz
>>124 YUKI氏
THX! そしてクロノはやて GJっす!!
クロノフェイト派だけど存分に楽しみましたですw
>>199 5話の31氏
どちらかといえば原作派な私。やっぱりなのちゃんにがんばって欲しいですからw
>>231 640氏
> リリちゃなのはをお父さんと会わせてあげてください・・・orz
ご安心を、インターミッション部の最重要部分ですから、それw
で、「変わりゆく 12話」乙とGJです。
田舎物なんでなのフェス行けませんががんばってくださーい♪
>>396氏
A's+、13話乙です。
GJでした。自分の取り合いに困惑するユーノを想像すると楽しいです。
>>4949氏
絵本3話乙です。
どうせならなのはも加えて四角関係にw
出張から帰ってきたらいつの間にか801とクロス板になっててびっくり・・・
ネタがわからんのでレスの付けようがない・・・・
それはともかくw遠出したらフェイト分が不足してきた気がするので補充を兼ねて一発。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/29(水) 23:50:39 ID:O6wdePHc<>
私の名前はフェイト。フェイト・T・ハラウオン。時空管理局で将来を有望視される
漆黒の魔道師だ。私ほどの若さと美貌と実力と頭脳を兼ね備えた人間はこの管理局にも、
いや、この次元にもそうはいない。私の力をもってすれば、この管理局の全て・・・・
ひいてはこの世界を手中に収める日もそう遠くはないだろう。そしてそのしかるべき日
が来たあかつきには・・・
・・・いや・・・これはまだ言うまい。楽しみは最後まで取っておくものだ。ショー
トケーキの苺や、茶碗蒸しの銀杏や、パフェのさくらんぼや、シュウマイのグリンピー
スのようなものだ。それに願い事は人に言うと叶わなくなると言うし、うん。
と、それよりも、だ。
全知全能の代弁者のようなこの私にも、たった1つ、そう、たった1つだけ意のまま
にならないものがある。
さきほど私ほどの人間は・・・とは言ったものの、実はこの私と対等に張り合うだけ
の若さと美貌と実力と頭脳を兼ね備えた、たった1人の女性・・・が、とんでもなく身
近にいる。
それが彼女、「高町なのは」である。
私と対を成すかのような純白の魔道着に身を包み、ひとたび彼女が杖を振るえば数多
の敵はその足元にひれ伏し、短いツインテールの髪はまるで夜空に光る流星のごとく、
その声は神の御声にも等しく、その熱き心は冷凍の肉まんをそばに置くだけでほかほか
食べ頃にし、その美しき顔立ちは美の女神ベイ〜ナスが「おっと、こりゃまた失礼っ!
ってなもんだ!」と、ドジョウすくいをしながら逃げ出す程である。
と、なのはの賛辞を挙げると400字詰め原稿用紙82枚分くらいになってしまうの
でこれくらいにしておくが、とにもかくにも彼女、高町なのはは私に勝るとも劣らない、
若さと美貌と実力と頭脳を兼ね備えたパーフェクトガールである。
そして彼女と私の友情・・・いや、愛情を誓ったこのリボン。彼女の髪を優雅に束ね
る私のリボン、私の髪をあでやかに束ねる彼女のリボン。2つのリボンに誓った愛はた
とえアルカンシェルの一撃すら跳ね返すわっ!!
この物語は!
私、フェイト・T・ハラウオンと!
高町なのはが!
リリカルらぶらぶな関係になるまでを描いた壮絶なドラマであるっ!!
魔法少女リリカルらぶらぶ 〜フェイトちゃんの妄想簿〜
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/29(水) 23:51:29 ID:O6wdePHc<>
「あのー・・・フェイトちゃん?何こぶしに力入れて明後日の方向向いてるの?」
「ん、ちょっと番宣を・・・って、なのはぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわぁ!びっくりしたぁ!!」
さ、流石なのは、スキを突かれたとはいえ、この私にまったく気づかせもせず背後に
忍びよるなんて。それでこそまいりとるらばー。あなたの笑顔は私が守るわ♪
「あ、あはは、き、気にしないで、ちょ、ちょっと驚いただけ」
「なんだぁ、フェイトちゃんたらぁ、ところで番宣って何?」
くっ、流石流石なのは、あの微かなつぶやきを聞き逃さないなんて、それでこそまい
らばーに相応しいわ♪
「ん、何でもないの、何でも、ちょっとした独り言。それよりなのはこそどうしたの?」
「あ、うん、もうお昼だし、一緒にお弁当食べようかな、って」
あん、ほんとは私に会いに来たくせに、んもう、なのはったら恥ずかしがり屋さん♪
ん、でもそうね、とりあえず今はなのはと二人っきりでめくるめく魅惑のらんちたい
むも悪くないわね。
「はい、なのは、あーん」
「あーん」
「美味しい?なのは」
「うん、美味しい♪じゃあ今度はフェイトちゃんに・・・はい、あーん」
「あーん」
「どう、美味しい?」
「うーん・・・」
「え・・・美味しく・・・なかっ・・・た?」
「うーん、美味しいんだけど・・・」
「けど?」
「なのはの方がもっと美味しそう!!」
がばぁっ!!
「きゃー、フェイトちゃーん!だ、だめだよぉー」
「あぁーん、なんでこんなに可愛くて美味しそうなの、なのはーーー!!」
「や、やぁーん、だめーフェイトちゃん、みんな見てるよぉー」
「おっけー、望むところ、見せ付けてやりましょう!2人の愛をっ!!」
「ふぁぁっ、ふぇ、フェイトちゃーん、あっ!だ、だめ、そこぉ!も、もっとぉ!!」
・・・いっ・・・いいかもしれないっ!!
はっ!そうか、なのはったら直接言うのが照れくさいものだから遠回しに誘ってるの
ね!うふふ、いいわよまいはにー。あなたの心、しかとこの私が受け止めてあげるっ♪
「うん、行こう、なのは♪」
そう、行きましょう、愛の桃源郷へっ!
「うんっ、それじゃアリサちゃんとすずかちゃんも呼ぶね」
え゛っ・・・
言うが早いか、なのははアリサとすずかの方に駆け寄る。
なぜっ!どうしてなのはっ!二人きりのあまーいすぃーとたいむをなぜどうしてっ!
その理由を300文字以内で説明して、なのはーーー!!
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/29(水) 23:52:24 ID:O6wdePHc<>
「フェイトちゃーん、早く行こうよー」
あうう、そんな屈託のない笑顔でなぜどうして。
私の身も焦がれるようなこの熱い想いをなぜわかってくれないの、なのは・・・。
ううん、違う、違うわフェイト。さっき自分で言ったでしょ、楽しみは最後まで、と。
そう、きっとなのはも同じ気持ち。狂おしいほどに抱きしめたいこの気持ちを抑えつ
つ、ようやく結ばれるのが王道国道截拳道(ジークンドー)。その瞬間を味わいたいが
ため、あえてなのははいつもと同じようにふるまっているのよっ!
ああっ、そうだったのなのはっ!浅はかな考えだった私を許してなのは。あなたの心、
しかと私に届いたわ。
「フェイトちゃーん、早く早くー」
「うんっ、今行くー」
そうそう、お楽しみは最後まで。
光輝く薔薇の園に二人手をとり降り立つその時までっ!
「さて、どこで食べようかしらね」
「天気もいいし屋上にしようか」
「うんっ」
ああっ、ありがとう、アリサ、すずか。私となのはのためにわざわざ遠い屋上への道
を選ぶなんて。ここでなのはと2人、手に手をとって赤いじゅうたんに導かれるまま、
廊下という名のヴァージンロードを歩いて行けというのね。わかったわ2人とも、あな
たたちの心、無駄にはしない。私となのはがこの世界を手に入れても専属メイドとして
使ってあげるから安心してっ!
さぁ、なのは、その神々しいばかりの御手を私に・・・いいいいぃぃぃぃ!!!
ああああああ、アリサすずかぁぁぁぁ!!!!
なにゆえてめーらはなのはを両側からガードしてやがりますかぁぁぁああぁぁ!!!
これじゃぁ私はさながら花嫁さんのヴェール持ちのごとくなのはの後ろに回るしかな
いじゃないのよぉぉ!!!!
そんな織田信長の刀持ち、森蘭丸のごとき真似を高貴な私にさせていいと思ってるの
かてめーらわぁぁぁ!!!
はっ!!!!
さ、さてはっ!
あなた達も狙ってるのねっ!女神なのはをををををを!!!!!!
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/03/29(水) 23:53:31 ID:O6wdePHc<>
許せない・・・短い付き合いだったわね、2人とも。たとえなのはの親友といえども
私のなのはをかすめ取るようなこと、たとえ弥陀如来が許してもこの私が許さないっ!
いくよバルディッシュ、あの2人に天の怒りをっ!!!ランサーセット!!
「Master. please calm down」(落ち着いてください。マスター)
《・・・おいこらバル公》
「!!」
《てめー、杖の分際でご主人様に逆らう気か?そのコア溶かして金歯にしてグレアムの
じじいの奥歯に詰め込んだろーか、あぁん?》
「!!!・・・Sorry master・・・Magical power empty・・・」
(申し訳ありません、マスター。魔力切れです)
《見え透いた嘘言ってんじゃねーよ!!ダボがぁぁっ!》
「着いたー。どこ座ろっかーフェイトちゃん」
「うん、あっちのベンチがいいんじゃないかな」
「うんっ」
《ちっ、運がよかったな、バル公、次はねーぞ、覚えとけ》
「・・・Yes sir・・・」
はっ!そうこうしているうちになのはがもうベンチの方へ!しかもベンチの端にっ!
そう、やっぱりそうなのね、なのはっ!!私以外の隣に座るなんてありえないわよね、
それはもちろん私を誘っているのよね!ああ、今行くわなのは、あなたの隣のファース
トクラス。あってんしょんぷりーずなのは!
「なのはちゃーん、隣座るねー」
「うん、すず・・・」
「危ないすずか!足元にクレイモアトラップがーーーー!!」
「えぇえぇぇぇ!!」
「あ、ごめんなさい、見間違いだったみたい」
あ、あぶねーな!このアマ!てめーがなのはの隣に座るなんざ10億とんで7万年早
いんだよ!身の程知りやがれやぁ!!
ふふん、そうよ、やっぱりこの位置、なのはの隣には私が似合うわ。まぁもっとも、
私以外をなのはが隣に座らせるなんてありえないから比較のしようがないかしらねー、
おーっほっほっほ。そして隣に座ったならやることはただ1つ。お尻とお尻のフレンチ
キッス。ああ、この触れるか触れないかの微妙な感覚から伝わるなのはの体温。わかる、
わかるわなのは、この温もりはあなたが私を想ってくれる愛の温もりなのねっ!そして
あなたも感じて、この私の温もりをーーーーーーーー!!
「あ、ごめんね、フェイトちゃん、ちょっと狭かった?今ずれるからね」
あん、もう、なのはったらいけずぅ。
・・・とんでもないことになってきたので無理やり完。
らぶらぶフェイト×なのはが書きたかっただけなのに何だこれわ・・・orz
<>
YUKI<>sage<>2006/03/30(木) 00:17:49 ID:0VGv4V9d<> >>98氏「そう言いながら…ふふふ、氷結系のクセにこんなにもブレイズキャノン」
に、爆笑しました。
シャマルは、こんな特性を持っていてもおかしくないと感じるのが不思議ですよね。
>>4949氏
ヴィータ可愛い過ぎですよ!デレヴィータを想像するだけで・・・・・萌えますなぁ
>>640氏
はやてが告白ですか!?かなり予想外な展開です!楽しみ楽しみ。
>>4の422氏
フェイト暴走!?かなり笑わせていただきました!
皆さん乙&GJ!!
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 00:27:33 ID:Jbsnb0G4<> >>4949氏GJ!
意外と早く、ヴィータの自覚きましたねえ。 はやてGJ(抱きついたのも
しつこい女子に萌えた俺は、異端児ですか? 名前付加を希望しますよ。
しつこく付きまとう者、情欲の業風、淫欲のインカーネ(ry
>>640氏GJ!
なのはの答え出ず。 そりゃフェイトに知らされたくらいで、
すぐに受け止めて答えが出せるなら、とっくに自力で気づいてるわなぁ。
レイジングハートや夢リインフォースに忠告された時点で。
最後のダメ押し、はやての言葉で整理がつくと良いですなあ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 02:10:42 ID:21bNQEvj<> 皆さん乙です。
>>640氏
さて、そろそろなのはとユーノの関係が進展しますかね。
まあ、このドロドロをもう少し見たかったという気持ちもありますが(ぇ
……あれ? 何か重大なことを忘れてるような……。
>>4の422氏
ん〜……もうどこに反応すればいいのかわかりません……orz <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 02:21:20 ID:SmBFh3cV<> 第2話「明日は日曜日!フェイトちゃんの家で宴会なの」
続き〜♪
第3話「コンビニでの戦いなの?」
私が飲み物のアルコールの前でどのお酒を買うか迷っている時にいきなり私の隣から声が聞こえました。
「あれ?なのは?奇遇だなこんなところで会うとは…」
その声の主は私の大親友のフェイトちゃんの義兄で私の上官のクロノ・ハラオウンでした。
「クロノくん?本当に偶然だね。クロノ君も何か買いにきたの?」
私はクロノ君に尋ねました。
「あぁ、エイミィにお酒を買ってくるように頼まれてね。ところで、なのは以外はいないのかい?」
「うぅん他にはフェイトちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、はやてちゃんが一緒だよ」
私はいつもの仲良しメンバーの名前を言いました。
「フェイトたちが?今の時間はまだ大学が終わってないと思ったけど、どうしてなんだい?」
クロノくんはこっちの大学のシステムをあまり知らないようです。
「確かに大学は終わってないけど、こっちの大学はカリキュラムを自分で組み込めるし講義自体が休講するときがあるんだ」
私は少し掻い摘んでクロノくんに説明をした。
「ふ〜ん興味深いカリキュラムだな。そう言えば今日はこの後どうするんだ?もし良かったら君たちも二十歳になったことだし僕たちと酒を飲まないか?」
私たちが計画していたことと同じ事をクロノくんが言ってくれたので私は他のみんなを呼ぶためにメールで呼んだ。
「うん別にいいんじゃない?クロノさんの言うことに賛成するわ」
アリサちゃんはすずかちゃんの言葉を代弁して賛成してくれた。
「せやな断る理由もあらへんし、別に私はええよ。それで」
はやてちゃんも賛成してくれた。
「だけど、お兄ちゃんは何処で飲んだり食べたりするの?私はそれがないから賛成できないよ」
以外にフェイトちゃんが言うことに一理あったために私たちは悩んでしまった。
「フェイト?飲んだり食べたりするのはマンションの家で別にいいだろ?何が不満なんだ?説明してくれ」
フェイトちゃんの言い分に腹を少し立てたクロノくんは冷徹に近い冷静な態度で反論した。
「お兄ちゃんは覚えてないかもしれないけど、一度だけど私とクロノとエイミィと母さんとアルフとでお酒を飲んだ時に
二時間後には私以外のみんなは酔い潰れていたし、後片付けなんか大変だったから賛成できない…」
フェイトちゃんは以外に毒舌家みたいになっていたことに驚いた私たちでした。
「あれは、確かにすまないと言っただろ?!昔のことを持ち出してイヤだな。」
クロノくんは以外に冷静だけど内心は冷や汗をかいていたかもしれないよね。
その後はクダラナイことの押収でした。
「二人とも!そんなに喧嘩しちゃだめ―――!」
私が叫ぶと二人してだまってました。
その後クロノくんとフェイトちゃんは仲直りをしてくれて良かったです。
ちょっとしたイベントがあったけど何とかお酒と食べ物を買いそのままハラオウン宅へ私たちは向かいました。
第三話「コンビニでの戦いなの?」終了
次回は第四話「ハラオウン宅で宴会なの」を書きます。それでは〜♪ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 02:34:36 ID:43uiASsl<> >>161
亀レスだが私見をば。
なのははユーノの嫁
フェイトはクロノの嫁
はやては俺の嫁
うん、完璧。 <>
はじめてのお留守番 前編<>sage<>2006/03/30(木) 03:33:14 ID:LgPUEOwy<> 「それじゃあリイン、明日は留守番お願いな」
「わかりました、マイスターはやて!」
明日はわたしとザフィーラさんしかおうちにいません。みなさんが帰ってくるのも
夜おそくになるそうなので、二人で一日じゅうおるすばんです。
マイスターはやてのデバイスとして、リインはりっぱにおるすばんをしてみせます!
朝9時 リインフォース起床
「む〜…」
おねぼうをしてしまいました…みなさんはもう、おでかけしてしまったようです。
「でも、おるすばんははじまったばかりです!」
そうです!まだばんかいのチャンスはいっぱいあるはずです!
グ〜〜
とりあえずおなかがすいたので、ごはんを食べることにします。
はらがへってはいくさもできないのです! <>
はじめてのお留守番 前編<>sage<>2006/03/30(木) 03:36:24 ID:LgPUEOwy<> 「ああ、起きたか…」
いきなり大ピンチです!
台所に知らない男の人がいます!
しかも大きいです!シグナムさんよりも大きいです!
ふじさんよりも大きいかもしれません!
「どうした、リインフォース?」
しかもリインの名前を知っています!けいかくてきはんこうです!
リインはこの人にさらわれてしまうのでしょうか?
「今パンを焼く、少し待っていてくれ」
ワルモノがうしろをむきました!今がチャンスです!
「てや〜〜!」
パンチ!パンチ!そしてキックです!ワルモノもイチコロです!
「どうしたリイン、米の方が良かったか?しかしまだ炊けるのには時間がかかる。
今朝はパンで我慢してくれ」
ぜんぜんきいていません!
ああ…このままリインは、ゆうかいされてしまうのでしょうか?
そしてさらわれたリインは、前に言われたように、かわいいから『かんきん』されて
『てごめ』にされて『ちょうきょう』させられてしまうのでしょうか?
…そうです!ザフィーラさんがいます!ザフィーラさんがかみつけば、このワルモノも
いつものシャマルさんのように、うごかなくなるはずです! <>
はじめてのお留守番 前編<>sage<>2006/03/30(木) 03:37:59 ID:LgPUEOwy<> 「ザフィーラさん!ザフィーラさん!ここにワルモノがいます!たすけてください!」
「リインフォース?」
「このままじゃリインは『かんきん』で『てごめ』で『ちょうきょう』です!」
「…リイン、そんな言葉を誰から教わった?」
「シャマルさんです!」
「そうか…」
ハクション!
「風邪引いちゃったかしら?イベントに間に合うように夜更かししちゃったせいかな…
あ、それともはやてちゃんが私の事を噂してたりして!」
シャマル、ザフィーラカウント+1
「そんなことはどうでもいいです!さあ、かくごするがいいですワルモノ!」
「…そういえば、お前にこの姿を見せた事は無かったな」
「へ?」
みるみるうちにワルモノがザフィーラさんに変身していくではありませんか!
「リイン、さっきのは俺の人間形態だ。驚かせて悪かった…」
「ザ…」
「?」
「ザフィーラさんはワルモノだったんですか!!!」
「・・・」
この後、リインフォースの誤解が解けるまで、1時間ほどかかったそうな。
<>
はじめてのお留守番 前編<>sage<>2006/03/30(木) 03:38:55 ID:LgPUEOwy<> 次回予告
「どうしたのクロノ?」
「ふぇ、フェイト!?何でもない!何でもないんだ!
「そ、そうだよ何でもないよ!」
「ユーノ君、その本はなぁに?」
「いや、なのは。別に大したものじゃ…」
「Master!Don`t look!」
「バルディッシュ?」
「どうしたの、レイジングハート!?」
「Excellent…」
「え?」「え?」「e?」
次回「すもう」
来週も、シャマルと地獄に付き合ってもらう。 <>
92<>sage<>2006/03/30(木) 04:04:42 ID:LgPUEOwy<> はい、『となりのシャ○さん』第3話です。
今回はお馬鹿なお子様って良いよね。そんな駄文です。
ちなみに、次回予告はもちろん嘘なので、次は後編です。
…中編かもしれません。
>>188
そうですね『同乗』ではなく『同情』ですね。
こいつは危険な間違いです、シャマルさんなら
「同乗!?誰と乗るの?いえ、そうじゃないわね。誰に乗るの!?
そんな・・・3人でなんて…」
等と妄想の翼を羽ばたかせてイカロスの用に飛び立ってしまいかねません。
そのまま落ちてしまえ。
>>190
ユ「僕は、YU−NO
二つ名は碧の淫帝で、ランクはSSSより強いMだけど面倒なのでA」
な「ユーノくんなに一人で言ってるの。今はランク測定の練習試合中だよ」
ユ「ぐはっ、また口に出しちゃった」
ク「ブレイクインパルス!」
ユ「ギャァァァァァァ!!!ハァハァ…良い…」
ク「クソ!死んでいない!」
な「さすがユーノ君!ある意味最強のランクM(マゾ)なだけあるね!」
こうですかわかりません
それにしても皆さん、腐女子シャマルをすんなり受け入れているようでびっくりデス。
やはり彼女には隠しようがない変態臭さが…アレ?ボクノムネカラテガハエテル? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 04:31:38 ID:9TzTdCND<> >>247
どうだろうな、もう去年の10月ごろにはリリカルゆうので「シャマル=腐女子」って話が出来てたから、
そういう意味でも抵抗ないんじゃないだろうか。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 08:20:03 ID:bib4NQM0<> >>215
148氏
自分はクロスオーバー物大好きなので楽しみにしています。
実は自分も「なのは」と他作品のクロスオーバーをいくつか
考えていたのですが、ここに発表するのはマズいだろうし、
どこかの板にそういう作品を発表できるスレが無いものかと
探していたのですが、>>209氏の言うとおり荒れる原因になる
ようですからやっぱり存在しないようですね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 08:20:11 ID:rwoKGFIx<> >>246
> 「Excellent…」
レイジングハートのこのリアクションにワロス <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 08:41:52 ID:ff+PhSXl<> >>249
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/2051/
こことか使ったらいいのでは?
有志がしたらば(とか)借りてもいいけど。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 09:05:46 ID:ADThPr2k<> >>245にさりげに声優ネタが入ってると感じたのは勘違いなのだろうか?
なにはともあれYESだね <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 10:20:42 ID:BEaG/k5U<> >>640氏乙です、やはりフェイトもユーノのことが・・・なんかマジでSCHOOL DAYSみたいなことになってる。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 10:46:45 ID:M0MVRIy8<> ところで、腐女子シャマルのペンネームってどんなもんだろう?
たぶん、一度はザフィーラに見つかって変えただろうけど。 <>
176<>sage<>2006/03/30(木) 14:41:25 ID:/Xh/odSZ<>
発掘六日目 晴天降臨
五感の一つが意味を成さなくなってもう一時間は経つのだろうか。感覚頼みの体内時計はあまり当てにはならないのだが。
全てを覆い隠す暗黒。もちろんユーノはその一時間を無駄に過ごしていたわけではない。ずっと考えていた。自分の置かれた現状、ここからの脱出、それに加えて今まで自分達に襲い掛かってきた遺跡の意志。
そもそも考え始めてみるといろいろと引っかかることばかりなのだ。皮肉にもさっきのゾンビがユーノの中で眠っていた疑問をより克明に浮かび上がらせる。
「なのは……? 寝ちゃった?」
「……起きてるよ」
後ろから抱きかかえられながらユーノの懐に身を預けるなのは。ここに来たのは彼女が晴天の書との契約を破棄するため。
未開の地。そう覚悟を決めて乗り込んだユーノの目には不思議とここが以前にも来たなじみの土地のように思えた。
デジャブ――そう言うのだろう。無意識のうちに記憶を集めてさもそれが以前あったように思わせる錯覚。
しかし彼にとってその景色は――遺跡に辿りつくまでの密林や行く手を阻む罠――決して出所不明の記憶が作り出した幻想でなかった。
「……ごめんね、ユーノくん」
「ん、どうしたの? 謝ったりなんかして」
「だって迷惑かけてばっかりだし……」
「危険は承知の上だよ。初めから全部無傷でいくとは思ってない」
一応その道のプロ。説得力は十分すぎる。躊躇いなくそういう風に言えてしまうのは数多くの修羅場を潜り抜けたから。だからこそ言葉も映える。
「でももしかしたらヴィータちゃんやシャマルさんは」
「信じてればきっと大丈夫。……それに今はそんなこと口にしないで」
抑揚のない声が闇に溶けた。いつものようなやんわりとした口調ではなくどこかそれは冷たくて鋭かった。
ユーノにしてみれば突き放すつもりで言ったものではない。どちらかといえばこれからのことを考えていて返事をする余裕がないといった方が正しいくらい。
「ごめん……なさい」
機嫌を損ねてしまったことになのははもうそれきり何も言わなくなった。期待していた慰めの言葉は聞けず、逆に突き放されたことはなのはの心に痛手を負わせる。
幸か不幸か二人きりになりたいという願いがこうして実現されている中で高望みはしてはいけない。押し寄せる不安をなのはそんな言い訳で誤魔化した。
影に覆われていくなのはの胸中。それを察することもせずユーノは自分の憶測に更けこんでいた。
晴天の書の特徴。自身に封入された世界の記憶を引き出し一つの世界を構築すること。だからこそこの世界の全ては自分達が知らないもので創られている必要がある。
仮に自分達の世界と似たような世界を旅して、それから創ったならばそう感じるのもしょうがないのかもしれない。
だが実際は見たことあるものばかり、知っているものばかり。この感覚に説明がつかない。 <>
176<>sage<>2006/03/30(木) 14:43:01 ID:/Xh/odSZ<>
結局、無数の記憶からどうやって世界の構築を行うのか。晴天の書の意志がランダムに選択したものから作るにしても基礎となるイメージが必要なのではないのか。
なにより決定的にしたさっきのゾンビ。この世界は出来たばかりなのだ。ゼロから作られた世界になんで先客がいる。あんなにたくさんの人間がいたなんて絶対にない。
「ねぇ、なのは。今なに考えてる?」
「えっ……ここから出ることかな」
覇気のない声が返って来る。
もしも、この仮説があっているとしたら全ては一直線上に整列するだろう。
即ち
――晴天の書が主の記憶を共有し主の願った世界を作れるならば。
辻褄は合う。恐ろしいほどに。
彼女と見た冒険映画。多少は違っても罠だってゾンビだってみんな映画の世界の具現そのものだ。
『あ、でも流石に映画みたいなことはないと思うけど』
そう自分は言った。あくまで映画じゃなければ、だ。
でも映画なら何だって起きてもおかしくはない。彼女の心が望む形にこの世界は移り変わる。
「出たいね、ほんとに」
「ユーノくんは嫌?」
「契約も解いてない、他の皆だって探さなきゃいけない。することばっかりだからね」
淡々としたユーノの語り。彼の嘘と本音の混合物はなのはには重い。
二人を探さないと、契約を解かないと。心を縛る義務感をこのままを願う欲望が切り落とそうと鋏を入れる。だけど後一歩の所でユーノへの気持ちがそれを押し留めさせる。
彼のために仲間のために自分の感情なんて今は必要ない。そう割り切ってなのはもこの暗闇から出たいと思った。思い込んだ。
皮肉にもそれはユーノが望んだ答え。もし想像通りならばなのはに願わせることがこの遺跡、しいては世界を変える力となる。
「あっ……」
そう遠くない闇に一筋の白が走った。真っ直ぐ縦に亀裂を入れた光は徐々に太く眩く輝いていく。
闇が道を開ける。扉が開くように長方形の光の空間が出来上がった。
「出口……だね」
やっぱりそうなのだ。なのはの願いに晴天が応えた。
差し込む光に照らされながらユーノはなのはから腕を解く。今まで見えなかったなのはの横顔は少しだけ哀しそうに見えた。
「行こう、なのは」
ある意味なのはを利用してしまった自分に罪悪感を感じながらユーノは光に向かって歩き出す。
彼女の本当の願いを知らぬまま――。
* * * <>
176<>sage<>2006/03/30(木) 14:44:08 ID:/Xh/odSZ<>
「見つけた……」
光の先に二人はついにそれを見つけた。
石段の上に厳かに安置されているそれはまさしく晴天の書。懐から取り出した片割れと見比べても瓜二つだ。
「ユーノくん……」
ここで先走れば最後の罠に出くわすのが定石だ。用心、慎重、注意深くユーノはこの部屋を探る。
床から壁、そして天井。石段の一つ一つも見逃さず。
足元を転がっていた石ころを投げてみる。石は二度、床を跳ねて石段にぶつかり止まった。
「……大丈夫みたいだね」
これだけではやや心細い気もするがひとまず安心の材料にはなるだろう。
「なのははそこにいて」
「でも……」
「何か起きた後じゃ意味がないんだよ」
彼女を制してユーノはゆっくりと一歩踏み出した。
二歩、三歩、四歩――
全神経を張り巡らして一挙一動。
「…………」
ユーノの背中に鬼気迫るものを感じ取りながらなのはは見守ることしか出来ない。
きっとこのままユーノがあの片割れを手にすればこの冒険も終わりを迎えるだろう。晴天の書を元に戻しても本当に契約が解けるかなんて保証もないのになのはには不思議とその確信があった。
何も起きなければいい。何か起きてしまえばいい。
交錯する思念はいい子にしようとする偽りの自分と我侭になりたがる素直の自分。 <>
176<>sage<>2006/03/30(木) 14:44:55 ID:/Xh/odSZ<>
――何一つ楽しくない。
「ユーノくん……」
――楽しくさせないのは誰?
「……わからないよ」
――わたし? ユーノ? 他のみんな?
「……そんなの決まってる」
――じゃああなたの本当のお願いは?
「ユーノくんと一緒にいたい」
――じゃあ……叶えてあげる。
『マイスター』 <>
176<>sage<>2006/03/30(木) 14:47:09 ID:/Xh/odSZ<>
声が聞こえたような気がした。
顔を上げる。光が見えた。
「晴天の書!?」
驚嘆したのはユーノ。服越しだというのになんて眩しい。異常なまでの輝きはユーノを中心にして部屋全てに白を塗りたくっていく。
「共鳴してるのか!?」
最後の罠はこれか。眼前の晴天も光を放つのが見える。
暁光の光は晴天の空を飾るまさしく太陽の光。体を射抜くような強い魔力も伝わってくる。
「これじゃっ! くっ、この!」
惹かれあう二つが一つになろうとしている。もしこれに巻き込まれればどうなるか。目さえ開けられるほどに膨れ上がる輝きに弥が上にも危機感が増していく。
最悪の事態だけは避けなければいけない。ユーノは迷うことなく懐から書を取り出すと片割れが鎮座するその場所へ投げ入れた。
「――うわぁ!!」
云百年の時を経て離れ離れだった二人が再会する。悦びに打ち震えるように二つの書は鳴動する。
抱きしめあうように重なり合う晴天。目覚めの時が来た。
『Anfang』
無機質の声が静かに告げる。晴天の書がその身を大きく広げた。
舞い上がるページ。部屋を覆いつくす晴天の嵐。その中でページは晴天の書を中心に集まり何かを形作っていく。
太く頑強な足は巨体を支えるには十分。見るからに逞しい腕は一振りで全てをなぎ払うだろう。体は純粋な黒で彩られ、紅の一つ目を瞬かせながら台形の頭が二人を見下ろした。
「晴天の書の防衛システム……か」
威圧感に足が竦んだ。だけど絶対にたじろぎはしない。
後ろには彼女がいる。彼女にだけは触れさせない。
「……なんとかなるさ」
やるしかない。そう言い聞かせてユーノは構えを取る。既にチェーンバインドの準備は出来ている。
「君との契約……なかったことにさせてもらうよ」
なんとしてでも晴天の書を引きずり出す。頭の中にそれだけを叩き込み恐怖も迷いもきっぱり忘れる。
最終ボスとユーノの戦いが始まりを告げた。
――教えてあげる、彼女の気持ち。
なのはにはその巨人が――晴天の書が――そう言ったような気がした。 <>
176<>sage<>2006/03/30(木) 14:47:56 ID:/Xh/odSZ<> インジョーどうにか6話投下
ギャグだったつもりがどんどんあらぬ方向へ話がずれていくorz
ちなみに後2話ぐらいで完結させますので
みなさんもいい作品書けるよう頑張ってくださいね
GJです
容量のことを考えて敬称を省略することをお許しください。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 16:20:33 ID:x531IZcT<> >>176氏
気がつけばシリアスですね。
意表突かれて楽しめてます。
GJです。 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 16:47:58 ID:n1iOYUKZ<>
八神家とお好み焼きが好きな方へ
「八神家の外食」 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 16:48:38 ID:n1iOYUKZ<>
ジュウジュウー・・・美味しそうな音をたて、アツアツの鉄板の上で
新鮮な魚介類の切り身がピチピチと撥ねている。小太りだが愛嬌の
ある顔をしたオバサンが、その上に「わっ」と焼きそばを乗せ、ザッと
ソースをふりかけた。
「うはあ〜いいにおい〜美味しそう〜っ!」
カンンター式の鉄板へ飛びかからんばかりにヴィータが騒いでいる。
ここは、鳴海町銀店街にある下町のお好み焼き屋。【どこどん亭】。
元々は大阪の人だった先代の店主が広島風お好み焼きの魅力に
取り付かれて始めたのがこの店だ。独学ではあるが、かなり研究
したらしく、具だくさん。多層構造。の正統派広島焼きの美味しさは
老舗の味に一歩も引けを取らない。それに、イカ焼きやモダン焼き、
ドリアン焼きといった大阪の味も巧みにミックスされていて、地方の
人々にも評判がよかった。なにより安い。
お好み焼きを食べたい!というヴィータの願いで、鳴海デパートへ
買い物に来ていた八神家一行は、帰りにこの店に立ち寄ったのだ。
狭い店内はL字鉄板カウンターに入口のほうからシグナム、シャマル、
リインフォース、ヴィータ、はやてと座ってほぼ満席だ。
「すごいな〜この焼きそばまるごとが、お好み焼きの具なんやな」 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 16:50:15 ID:n1iOYUKZ<>
ヴィータの隣りで、はやても目の前で焼き上げられてゆく、A's焼きを
覗き込んで感心していた。厚手のカットソーの上から、ワークシャツを
着て、スカートはいつものマイクロミニでストッキングにブーツといった
取り合わせのはやて。ヴィータのほうはラグジャーとルーズなシルエット
のジーンズ、呪いうさぎ柄のパーカーにナイキのシューズといったラフな
スタイルだ。はやてとヴィータは、焼きそばや目玉焼きを挟んだブ厚い
お好み焼きがコテでプレスされてゆくのを大喜びで眺めていた。
特製のソースの濃密な香りが湯気といっしょに立ち上っていた。目の
前でこんなに美味しそうな匂いをさせられたら、八神家一の大食い
ヴィータでなくてもたまらない。
「はい、できたよ」
「ひゃっほ〜うっ!・・あれお箸は?」
「ふっふっふっ、甘いでヴィータ。広島じゃあ、お箸なんて使わへんのや。
ぜんぶこれで食べるんよっ!」
得意げな顔で笑うはやてが握り締めているのは、オバサンがお好み
焼きを引っ繰り返したり、押さえ付けたりするのに使っていたコテを
そのまま小さくしたものだった。 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 16:52:23 ID:n1iOYUKZ<>
「ええ!?はやてほんと?これ使うの?」
「ああ本当だ。でも、おまえみたいに不器用なやつはおとなしく箸で
食べたほうがいいと思うが」
「なんだとてめ!!」
言いながらラグジャーにジーンズ、ネイビーグリーンのMAー1ルックスの
シグナムは、器用にコテを使ってブ厚いお好み焼きをカットしている。
さすが剣の騎士だけあってこ慣れたものである。
「あ、お箸ください。私には難しいみたい」
と、無難な選択をしたのはシャマル。純白のブラウスにクリーム色の
カーディガン、グレーのロングスカートの組み合わせだ。コテを使って
お好み焼きを一口大に切り分け、それを箸で食べるという、実に危う
げのない食べ方をしている。
「・・うん?なに悩んでいるんリインフォース?お箸もらおか?」
「いえマイマスターはやて・・ここは敢えてコテで食べることにこだわります」
「ぷははっ!まっがんばってな」
「は、はい」
「おう!私もがんばる!」
不器用な手つきでコテを使って作業に取り掛かるリインフォース。銀色の
ハイネックセーターに、チェックの短めフレアースカート、膝の上あたり
まであるハイソックスにロングブーツといったファッション。器用にコテを
振るうはやてを真似、ブツを縦横にカットしてゆく。プルプル手を震わせ
つつも、コテに乗せたお好み焼きにかぶりつき・・・ <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 16:55:13 ID:n1iOYUKZ<>
「美味い!これは美味い!ソースがちがうソースがああああ!」
などと、あまりの美味しさに独りミスター味っ子ごっこをはじめる。最近、
はやての部屋にある、ミスター味っ子の単行本を読んで激しく感化された
リインフォース。記憶型デバイスの性質上、なりきりが趣味のようである。
「ソースとからんだそばは世界一イイイイイイイイ!」
「リインフォースうっせーよ!」
・・・どうやら、ジョジョの奇妙な冒険も記憶しているようである。
「あ〜美味し〜!はやてちゃんホント美味しいです」
「主はやて、こんなに美味しいものだとは知りませんでした」
「そか、よかったな〜シャマル、シグナム。いっぱい食べてな」
牡蠣やカニといった新鮮な魚介類でボリューム満点のA's焼きをほお
張るシャマルとシグナム。はやての手料理も美味しいが、初めて食べる
広島風お好み焼きに惚れ惚れぞっこんのようであった。 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 16:57:20 ID:n1iOYUKZ<>
「うまうまうまうま!!!」
隣では騒がしいリインフォースが、野菜もたっぷり、目玉焼きと焼きそば
が丸ごと入ったブ厚いお好み焼きを、ひょいパク、ひょいパク、といった
感じで平らげてしまっていた。横を見るとヴィータが型くずれしてしまった
お好み焼きの一片を口へ運んでいる。
「いただきマンモス!」
「!!!???なにしやがるリインフォース!!」
「お好み焼きはアツアツのうちに食べてしまうのがマナー。・・と、じっちゃんが
言ってた。さっさと食べないと冷えてしまうんだぞヴィータ。」
ヴィータのお好み焼きをかっぱらったリインフォースは平然と金田一耕介の
事件簿口調で言う・・大ウソである。鉄板は保温状態になっているから5分や
そこらで冷えてしまうことはない。
「うが!!!てめ!!自分の食べたからって私のとるんじゃねえ!もう
1枚頼めばいいじゃねーか!!」
「ヴィータのような胃拡張じゃあるまいし、わたしはそんなに食べられない」
などと言いつつリインフォースは、たちまちヴィータのA's焼きを半分くらい
掠め取って美味しそうに食べてしまった。 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 17:00:13 ID:n1iOYUKZ<>
「ちょwwwrtjぎじfsれwyhρλfbdΑω!!」
声にならない紅の騎士。
「まあまあ落ち着きヴィータもう1枚頼んでやるから、リインフォースもおいたは
いかん。仲良くしな。オバチャンもう1枚お願いや」
「ごめんなさいマイスターはやて・・」
苦笑を浮かべながら二人のやりとりを見ていたはやてが、追加分を焼きに
かかった女主に声をかける。いつのまにかリインフォースはちびモードに
なっており、はやての肩にちょこんと乗っかっていた。ここは安全地帯である。
手が出せない場所に逃げたリインフォースを、恨めしく睨むヴィータにシャマル
が・・私のをあげるから・・と慰めの言葉をかける。
「ほんと!」
「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・たぶんね」
湖の騎士の黒い声はヴィータには聞こえなかったようだった。苦笑いする
シグナム。こいつだけは敵にまわしたくない・・・と、そう思っていた。 <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 17:02:20 ID:n1iOYUKZ<>
「そういえばお客さんあの噂知ってる?この辺で最近犬の化け物が出る噂」
「犬の化け物?」
新たな1枚を焼きながらオバサンは、最近続出している怪事件のことを
話した。この店から20分ほど北へ行ったところに廃棄されたマンションが
あり、そこに夜な夜な黄色い犬の化け物が出るとのこと。目撃者によれば
そこの敷地でライオンのような巨獣が、獰猛な牙を剥き雄叫びを上げていた
らしく、猛獣潜伏の線で警察の調査が行なわれたが、結果は生物が定着
している痕跡無し。しかしその後も目撃者が後を絶たず、周辺住民の噂に
なっているとのこと。オバサンの話し口には、正体不明の化け物に対する
恐怖が感じられた。
「ザフィーラかテスタロッサんとこの犬っころじゃねーの」
「でもザフィーラは青。アルフは・・確か赤よ」
「うーん・・フェイトちゃんや私達が知らん別の魔道師の使い魔とか?」
「しかし、この次元で新たな魔力は感じられませんが」
「一度わたしらで調査してみよっか」
「そうですね。住民の方々が不安に過ごしているとなれば見過ごせませんし」
「ならさっそく今夜行ってみよーぜ」
「そうだな」
「そやな」
「マイスターはやて、わたしにその海老とイカください」
マイぺースなリインフォースであった。
・・続く <>
八神家 ◆NQF7A7OtfA <>sage<>2006/03/30(木) 17:04:00 ID:n1iOYUKZ<> リインフォース 「7投下です。もんじゃ焼きも食べたいです。ではまた」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 18:29:18 ID:jegHdQWU<> 鳴海ではなく海鳴(うみなり)なんだよな <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 21:49:54 ID:5v7ekFnL<> クオリティーたけえ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/30(木) 23:30:03 ID:Jbsnb0G4<> >>176氏GJ!
インジョー、最初はドタバタかと思いきや
随分シリアスな話に…と思ってたら、作者さんにも予定外でしたか。
良いもんですなー、なのはさんの方が悶々ってのも。
……ところでシャマさんとゲボ子は生きてますか。 <>
YUKI<>sage<>2006/03/31(金) 00:07:57 ID:/+OAbiZP<> いやぁ〜、良いねぇ。
みんな最高だよ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:16:53 ID:0JqVT/ec<> >>273さん
なのははいなければいいと思っただけで、死ねばいいと思ったわけではないので、いきてるのでは? <>
396 ◆SIKU8mZxms <>sage<>2006/03/31(金) 00:32:29 ID:IrXQe6B3<> みなさんGJ!楽しく読ませてもらってます。
職人さん増えたなぁと思いつつ自分も最後の作品を投下します。
おまけ的なものですが楽しんでもらえれば光栄です。
魔法少女リリカルなのはA's+外伝
第十五話 「芽吹く頃に」
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:33:11 ID:IrXQe6B3<>
「おっそーーーーーーーーい!!!!」
「そんな……こと……言ったって…はぁ…はぁ…もう、無理だよぉ……」
数歩先を歩くアリサの叱咤にユーノは息もきれぎれに反論した。
今のユーノは紙袋やらラッピングされた箱やら山のような荷物を持たされている。
ふらふらしながら歩いているので自然と周りの視線が集まった。
「あれだけ迷惑かけたんだからこれぐらい当然でしょ!!」
「そ…それはそうだけど…」
ユーノだって申し訳ないという気持ちもあるが、いちおうこれでも病み上がりなわけでもう少し手加減をしてほしかった。
それは昨日のこと。ユーノは休み時間を見計らってアリサとすずかをメールで学校の屋上に呼び出した。
事件から数日後、ユーノの無事がアリサとすずかにも知らされていた。
しかし、ユーノは自らアリサとすずかに会いに行って事件のことを話したかった。本来なら詳細は教えるべきではなかったが、
あれだけ心配させてなにも教えないのも酷いと思ったので包み隠さず話すことにした。
「……ということで、心配させてごめん」
ユーノは頭を下げ目いっぱい謝罪した。
しかし当然のことながら頭を下げたくらいではアリサの怒りは収まらなかった。
「それくらいで許されるわけないでしょっ!!責任とんなさいよね!」
なぜか正座させられたユーノを仁王立ちで見下ろしながらアリサが言った。
「アリサちゃん、たくさん泣いちゃったもんね」
すずかがクスクスと笑いながらアリサに言った。
「なっ!?」
一瞬にしてアリサの顔は真っ赤になった。ユーノは不思議そうにその様子を見ていた。
「と、とにかく!明日は買い物に付き合いなさい!!それでチャラにしてあげるわ!」
その視線に耐えられなかったアリサは早口に命令を下した。
「う、うん…。それくらいでいいなら付き合うけど…。えっと、すずかは?」
自然と話の流れが罪を償うという方向へ行っていたのでユーノはすずかに聞いてみた。
心の優しいすずかならなにも言わないかも、という淡い期待とは裏腹に返ってきた言葉は
「う〜ん、貸しってことでどうかな?」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:33:47 ID:IrXQe6B3<> というものだった。笑顔なのが逆に少し怖かった。
「それじゃあ明日ね」
ユーノが帰ろうとしたときアリサが近づいてきてユーノに囁いた。
「…なのはとフェイトには内緒だからね」
それじゃあ!とアリサは走って行ってしまった。
(……なんで?)
もともと言うつもりもなかったユーノはよくわからないままその場を後にした。
その買い物というのが尋常ではない量で、お金はもちろんアリサが自分で支払っていたが、荷物は全てユーノが持っていた。
カウンターで配達の誘いもあったが、有無を言わさずアリサは断っていた。
魔法を使えば少しは楽ができるが、ここは街中であるし、楽することはそれはそれでアリサを裏切るような気がしたので
ユーノは腕力のみで荷物を持っていた。
発掘作業でだってこんなに重い荷物は持ったことがない。
(もう…腕が限界…)
脂汗が出そうなユーノの表情を見て、アリサがため息混じりに言った。
「まあもういいかしらね。鮫島、あとは荷物お願い」
「はい、お嬢様」
「うわ!?」
声に驚いて振り向くとユーノの真後ろに執事が立っていた。
ユーノの荷物を受け取ると次々と路肩に止めた車に乗せていく。
(気配が全く感じなかった…。この人って何者?)
ユーノが疑問に感じているうちにさっさと黒塗りの高級車で走り去ってしまった。
「それじゃ、行くわよ!」
アリサがユーノの手を握って急に歩き出した。
「え!?行くってどこに?」
いきなりのアリサの行動にユーノも引きずられるように歩き出した。
「そ、そんなの、あんたが考えなさいよね!!」
後ろからでは表情はよくわからないがアリサの耳が真っ赤になっているのが見えた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:34:21 ID:IrXQe6B3<> (これって…もしかして…)
ユーノが気づいて口を開きかけた瞬間、目の前に見知った二人がいることに気がついた。
「「あっ!!!」」
その二人もこちらに気づいて驚きの声をあげる。
「…なのは、フェイト……」
「アリサちゃんとユーノくん、なにをしてるのかな〜?」
「ユーノ……」
唖然とするアリサになのはとフェイトがそろって近づいてきた。
休日の街中、大勢の人間がその場にいたがその威圧感にさっと道をあけていく。
その光景は十戒の海が割れるシーンを彷彿とさせた。
(なんか、やばい…ような気がする……)
これから起こるであろうことを考えるだけでユーノは軽い眩暈がした。
*
喫茶翠屋。休日もあって多くの客が来店していたが、その視線はテラスにある一つの席に集まっていた。
美少女4人に少年1人。ただでさえ目の引く席である上にそこからはただならぬ雰囲気を感じさせる。
「それじゃあ、ユーノくん説明して」
「え!?ぼ、僕!?」
笑顔で命令するなのはにユーノは心臓が飛び出そうになった。ここにいるだけで体が持ちそうにない。
「えっと、その前になんで私がここにいるのかな?」
「そんなのフォロー役に決まってるでしょっ!」
すずかの疑問をアリサが打ち消すように言った。
「これで貸しが2つだね♪」
ウインクしながらすずかが小声でユーノに囁いた。
4人の席に椅子を足して無理やり5人座っているわけで、小声で言ったところでもちろんみんなに聞こえている。
なのはとフェイトのグラスにピシッとひびが入った。
(ああああ!!ど、どうすればいいんだ!?)
翠屋の前を通る人々、店内の客など大勢の視線がユーノに集まっている。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:35:02 ID:IrXQe6B3<> ユーノは今日ほどフェレットでいたいと思った日はなかった。
「えっと、その、心配させたお詫びに買い物に付き合っただけ…なんだけど」
ユーノは助けを求めるようにアリサを見た。正直に言っているのになぜか不安ばかりが増していく。
「そ、そうよ!別にやましいことなんてしてないし、ね?」
「ユーノくん優しいからなんでもいいから償いたいって言ったんだよ」
少し墓穴を掘っているアリサをすかさずすずかがフォローした。
「でも、わたしはそんなこと言われてない……」
「ユーノのこと心配してたのはみんな一緒なのに…」
なのはとフェイトの飲み物は炭酸ではないはずだがぶくぶくと気泡が現れ始めている。
季節は春のはずだがどんどん寒くなっているような気がした。
「ああああの、二人には後から“特別に”話そうと思ってたから、うん!」
ユーノはあえて特別を強調して言った。実際そのつもりだったが、今はなんとなくこうするのが効果的だと思ったからだ。
「ま、まあ、そういうことなら…」
「ユーノ……」
なぜかなのはとフェイトが顔を赤らめたがユーノは深く考えないことにした。
これ以上話を複雑にすると命にかかわる。ガラス越しに店内を見ると変な老人が親指を立てていた。
「でも、アリサは諦めたって言ってたのに…」
「あ、あれはナシよ!やっぱり早い者勝ちって……あ……」
フェイトの言葉につい反射的に反応してしまったアリサ。すずかもさすがにフォローできないので目をそらした。
(まだ見ぬ父と母へ。僕は幸せでした…)
心の中でそう言うとユーノは全てを諦めたように目を閉じた。もう、だれにも止められない。
その後、喫茶翠屋は悪魔が出る店としてなぜか評判になり客足が絶えなかったという。
*
「はっきりすればいいのにな」
クロノは頬杖をつきながらモニターを見て言った。
「まあ、ユーノくん優しいから。はい、クロノくん、お茶」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:35:39 ID:IrXQe6B3<> 「ああ、すまない」
クロノはエイミィからお茶を受け取って机に置いた。
本来なら待機中とはいえ私情で監視モニターを使用することは許さないクロノだったが、さすがにこのイベントを
見逃すほど真面目でもいられなかった。率先して覗き見るエイミィにしぶしぶ付き合っているフリをしながらも
ユーノの不幸を笑いながら見ていた。
(いや、しかしほんとに面白いな)
ニヤニヤとモニターを見ていると突然誰かが入ってきた。
「クロノくん、久しぶり〜!コーヒー入れてきたで〜」
トレイにカップをのせたはやてだった。しかし、クロノの机にあるお茶を見て動きを止める。
「今お茶出しちゃったから、はやてちゃん自分で飲んでいいよ?」
「いやいや、今クロノくんはコーヒーの気分や。目がそう言うとるもん」
目の錯覚か、エイミィとはやての視線が交錯する先にバチバチと火花が散っているように見える。
(あ…あれ?)
ごしごしと目をこする。この光景、まさにモニターの中のユーノと同じような…。
そう思い始めた矢先、さらに招かれざる来訪者が入ってきた。
「クロスケ〜元気にしてるかーー!?あっそびにきたぞー!」
「おや、なにやら不穏な空気を感じるけど…」
なんの連絡もなしにリーゼ姉妹が転移魔法陣から現れた。差し入れにオレンジジュースを持っている。
(なんか、やばい…ような気がする……)
クロノとユーノの思考は完全にシンクロしていた。
「お茶!」
「コーヒー!」
「「オレンジジュース!」」
本人の意思を無視して勝手に話が進んでいく。いや、全く進んではいないのだが。
「そもそもクロノくんの先生だったってだけでもう関係ないやん。はよ帰って」
「グレアム提督が待ってるわよ!元だけど」
はやてとエイミィは一番場違いと思える使い魔二人を追い出すことにしたらしい。
しかし長年生きてきたリーゼ姉妹はそんな二人に余裕で反論した。
「私達とクロスケはそれはそれはふか〜〜〜い繋がりがあるんだって」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:36:15 ID:IrXQe6B3<> 「正確には繋がった……かしらね」
「「なっ!?」」
衝撃の事実にエイミィとはやては言葉を失った。
「いやいやいやいや!!!!嘘をつくな嘘を!!!」
さすがのクロノも目の前で平然と嘘をつかれるのは黙っていられなかった。
(というかなにを言い出すんだこいつらは)
いきなり下の話になって顔が赤くなってしまう。今でもそういう話題は苦手だった。
「もう牽制はやめややめ!さ、クロノくん、コーヒー冷めないうちに飲んで?」
「ちょっと!最初は私なんだからね!!それにクロノくんは年上が好みなんだから!」
「そんじゃ私達もだね。すっごい年上だけど」
「というか年の概念がないわよ。使い魔だから」
自分の周りで修羅場が繰り広げられている。
なにやらよくわからないが決断しなければならない。クロノは腹をくくった。
「「「「あっ!!!」」」」
結局クロノは全て混ぜて飲んだ。すっぱくて苦くて渋い味が口内に広がった。
当然、その後トイレにかけこんだのは言うまでも無い。
「あんなんのどこがいーんだか」
ヴィータがつまらなそうにその様子を見ながら言った。
「私達は恋愛のことはよくわからないしね。はやてちゃんを見守ってあげましょう」
シャマルが微笑みながら答えた。
「そうだぞ。これが主はやての望みだ。決して寂しがっては……くっ…」
「な、泣くなよ…」
ヴィータがシグナムを慰めるという不思議な展開がひっそりと繰り広げられていたという。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 00:36:50 ID:IrXQe6B3<>
リンディはアースラ艦内をモニターで見ながら呟いた。
「ほんと、はっきりすればいいのに」
自分の夫も昔はそうだった。やっぱり血筋かしらね、とリンディはため息をついた。
季節は春。全てが始まり、未来にむかって歩き出す。
そして、恋の種たちも芽を出した。
いつか花開く時を夢見て。
魔法少女リリカルなのはA's+外伝 終
<>
396 ◆SIKU8mZxms <>sage<>2006/03/31(金) 00:42:49 ID:IrXQe6B3<> これで終わりです。タイトルは第三話と繋げてます。
誰がくっつくかは各自の妄想でお願いします。卑怯ですがその方が面白いと思います。
各ENDを書く気力があればよかったんですけどね…。
一ヶ月ほどですが職人として参加できてとても楽しかったです。それではまたどこかで。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 01:02:47 ID:0JqVT/ec<> >>396氏リリカルなのはAs+お疲れ様です。
アリサまで混ざるとは正直予想外でした、これからのユーノの日々は胃薬が必須ですね(汗)。
所でユーノはあれから光の剣は使えるんでしょうか?
あと最後の作品とありますが、もう作品はかかないのですか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 01:43:17 ID:40hzhsP7<> 396氏GJ!
日常パートも相変わらず面白かったです。
4人の女性に囲まれるユーノ&クロノウラヤマシス
続編or次回作があると俺は信じてますよw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 02:17:29 ID:3mqKBFI2<> う〜ん、個人的にはオチを逃げられたもやもやが・・・
お、お〜い、そこで終わりカーイって気分。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 02:21:14 ID:7sE39pzi<> 396氏GJ
いかん、腹筋イタイwww
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:26:46 ID:IRwrKXe7<> 失礼します。
A's COMBATの続きを投下したく参上いたしました。
書いているうちにこれでいいのか疑問が湧き上がってきましたが、これが当方の全力全開ということで一つ生暖かく眺めてやってください。
というわけで中篇でございます。
>>YUKI氏
エロスご馳走様です(最悪の礼)。当方も是非に見習いたいものです。
>>92氏
ザフィーラが八神家で飲むコーヒーは苦い。と書こうとしてフルメタの方が元ネタだったら恥ずかしいなぁと考える春の夜長。
とりあえずシャマルさんはそのままの貴女でいてください。
>>4949氏
まことのヴィータ萌えに開眼し申した。無頼の月日今は悔ゆるのみ。今日ただ今より師弟の礼をとらせて頂きたく……(直後カジキが直撃)
>>640氏
素敵に修羅場る二人を想像して思わずにやにやする自分は大概駄目だと思いました。
>>4の422氏
何たる益荒男か!バルディッシュが哀れでならないZE。
>>176氏
インジュー怒涛のクライマックス、最後はハリウッドの定型に則って屋上で殴り合いとラブシーンですね!(しません)
>>八神家氏
おなかすいた!(どんな感想だ) リィンフォースは色んなものに影響を受けすぎだと思います。
>>396氏
完結おめでとうございます。そしてユーノとクロノは末永く超ガンバレ。いつか新作にめぐり合えることを期待しております。 <>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:29:16 ID:IRwrKXe7<> そして、地球標準時間にして丸一日が過ぎた。各々が準備と覚悟に時を費やし、そして作戦決行の時が訪れる。
ドーム上に大きく開けた簡素な広場に、数多くの人影が集っていた。
その多くは黒のバリアジャケットと管理局の標準装備であるストレージデバイスを構えた、屈強な男女達――――時空管理局の懐刀、武装隊の精鋭たる武装局員達である。
そして整然と並び直立不動する彼らの前で言葉を放つのは、白亜のバリアジャケットと長大なインテリジェントデバイスで武装した、一人の少女。
「――――これより艦内時間にして約三十分後に目標世界に接舷、アースラによる直接次元揚陸が行われます。私たちの任務は敵迎撃部隊に迎撃班が対処している間に敵拠点を特定、空間転送による強襲で対象施設を制圧するというものです」
その年若さに似合わぬ堂の入った立ち振る舞いと弁で武装局員達に任務の概要を改めて説明する。その様は見ように拠れば滑稽ではあったが、それを笑うものは一人もいない。それだけの説得力が彼女の佇まいには存在していた。
「対象である拠点は『銀の暁』の主要なアジトのひとつです。それゆえに任務の失敗は許されず、私たちにかけられた責任は重大。ですが、私達がその全力を持ってすれば、恐れるものは無いはずです」
一息。彼女は視線を鋭くすると、眼前の戦士達に告げる。
「がんばりましょう。私は共に切磋琢磨し、訓練の日々を過ごした皆さんとこうして同じ任務に就けることを嬉しく思います。一緒に、作戦を成功させましょう」
その言葉を受けて、一斉に黒の人影らは敬礼を行う。それは一種儀式的にも見え、或いは女神に忠誠を誓う騎士のようでもあった。
「――――大したものだな。随分と堂に入っていた」
その様を見ていたザフィーラが演説を終えて戻ってきたなのはに声をかけた。その様は珍しく感銘を受けているという様子がありありと浮かんでいる。
「えへへ、そうかなぁ。私こういう風なの初めてだったんだけど」
照れるように笑う少女に、やはり感心するようにアルフが言う。
「確か教導任務で魔法戦闘とか教えている教え子さんたちなんだっけ?」
「教え子!? あれみんなお前の教え子なのかよ!」
驚愕といった形容が相応しい表情でヴィータが叫んだ。それはそうだろうな、となのはは考える。
この年で教え子がいるというだけで相当おかしいような気は本人も薄々していたが、第三者の率直な意見を受けてその思いはより明確なものになった。
とはいえ、教導隊に入ってもう半年になろうかという時分では、最早開き直るしかない。訓練のときも既に年下の教導員を侮るものはいなくなっていた。全ては実力の賜物である。
「皆ってわけじゃあないんだけど、たまたま私が教えた人たちが多く集められたらしいの」
「ふむ、あの様では或いは志願したのかもしれんぞ? 王に礼を尽くす騎士たちさながらだったからな」
「か、からかわないでくださいよ」
シグナムの軽口に顔を真っ赤にして恥ずかしがるなのはを見て、傍らにいたユーノは思う。王という形容は似合いすぎるのではないだろうか、と。ただ一人彼女が武装局員に訓練を施している様を目撃したことのある彼ならではの感想だった。
「…………それにしても、結構な大所帯よね。こんなに大勢で挑む任務って、初めてじゃあないかしら」
ふと、待機していた武装局員を眺めていたシャマルが口を開いた。皆が視線で周囲を見れば、確かにこのホールの中には自身らを含めて百人程度の人員が転送に備え待機していた。
考えてみれば、今までにこれだけの人員を投入するような任務は体験したことが無かったし、そもそもこうやってなのは達やヴォルケンリッターが同じ任務に就くことも極めて珍しいことではあった。
「まぁでも相手が相手だし、仕方ないんじゃないかな」
「うーん、確か『銀の暁』だったっけ」
ユーノの言葉に記憶を探るように考えながらアルフが頷く。だがその回答にヴィータが不満げに口を尖らせ言葉を放った。
「なー前々から思ってたんだけどよ、何なんだ? その銀の暁って奴等はさ。こんな大人数でやらかさなきゃなんねぇ奴等なのかよ」
「ヴィータ……お前はブリーフィングでの説明を聞いていなかったのか」
「き、聞いてたよ! あれだろ、『たじげんはんざいけっしゃ』なんだろ、でもそんだけじゃわけわかんねぇだろ!」
シグナムの他意ある眼差しと言葉を受けて喚き散らすように激昂するヴィータ。それを見てユーノは慌ててなだめに入る。
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:35:47 ID:IRwrKXe7<> 「そ、それはしょうがないよ! みんなには馴染みの薄い組織だからね」
「ユーノ君は知ってるの?」
小首を傾げながら尋ねるなのはに、この場での唯一のミッドチルダ出身者であるユーノはうん、と頷きながら答えた。言葉を選びながら、告げる。
「ええと、銀の暁っていう結社はとても古い組織なんだ。魔法が技術として成立する前の、神秘と伝説で彩られていた時代からある魔法使い達の組織――――それが銀の暁」
「それは――――随分と古いな」
シグナムが驚嘆して呟く。その驚きは最もだ、とユーノは考えた。
ロストロギア『闇の書』が作成された当時でも、融合型デバイスやアームドデバイス、ひいてはカートリッジシステムを開発するだけの技術力が存在する時代だったのだ。それ以前ともなれば、流石のシグナム達としても未知の領域である。
「ホントかよ、嘘くせーな。そんな長い間、組織が瓦解しないなんてありえねー」
半信半疑で言うヴィータにユーノは頷き、しかし否定の言葉を放った。
「うん、その通りだよ。普通の組織ならいつかは崩壊する。だけどその結社にはある意味において普遍的な思想があって、そのせいで今になっても存在し続けていられる」
彼はその言葉を苦々しげに、吐き捨てるように告げる。それは彼としても忌々しき思想であったからであった。否、正常な魔法技能者であれば絶対に手にしてはいけない考え方。
それは、即ち。
「銀の暁の掲げるのは、魔導師は選ばれしものであり――――それ以外のものを支配する権利を持つ、というものなんだ」
「そ、そんな!?」
叫んだのはなのはだった。その目には驚きと、そして憤りがある。その怒りの真っ直ぐさを喜ばしいと考えながらも、彼は言葉を続ける。
「魔法は既に体系化されて、技術として使用されている普遍的なものだ。だけれども、その行使には術者の資質が大きく関わるのもまた事実」
根本的に、ある程度の魔力がなければ魔法は扱えない。そしてその総量は基本的には天性の資質に左右されていた。
「世の中には資質的にデバイスなんかの補助がないと魔法が使えない人のほうが大多数だし、そうすると――自身の能力に目が眩んでしまう輩が出てきてしまう」
それは明確な区切りだった。何の器具の補助も要らず、単体で陸海空を征し、自身より巨大なものすら敵ではなく、多次元世界すら渡ってみせる――――そのような生命体が他の何処にいようか?
それが行えるのは魔導師のみ。ある意味においてこれほどの超越者はいないだろう。これを選ばれていないと誰がいえようか。故に我らは魔力において劣る人々を導き、管理する権利がある――――。
「そういう思想のやつらが集まって出来たのが、銀の暁という魔法結社なんだ」
故に、その思想の普遍性に拠る形で、古来よりその組織は連綿と歴史の闇に蠢いてきのだ。
「そういう組織の特性上構成員も魔導師が多くなるし、その被害も一般人や、力の弱い人々が受けやすい。だがら、是が非でも彼らを捕らえられる機会を逃したくない――そういう事情があるんだ、今回の動員には」
説明が終わり、辺りに沈黙が下りる。周囲の武装局員達の喧騒だけが聞こえる中、強い意思を持ってヴィータは言葉を紡いだ。
「――――成程。合点がいったぜ」
強く拳を握りこみながら、力の限りの憤りをこめて言う。
「絶対、叩き潰してやらねぇと」
その様を見た朱色の騎士は、眩しげに目を細めて小さく笑みを作ると少女の頭に手を置いた。無造作に被った帽子ごとくしゃり、と頭を撫でる。
「うわ! な、なにすんだよ急に!」
「いやなに、偶には気が合うものだと思ってな」
一方、なのははヴィータの言葉に深く頷くとレイジングハートを握りなおしながら言う。
「ヴィータちゃんの言うとおりだよ。絶対負けられない、私たち」
少女の決意の宣誓に皆が頷く。と、次の瞬間、劈くような警報音と共に、第一種戦闘態勢を告げるエイミィの声が艦内全域に対して放たれた。視線を上げ、待ちわびたといった表情でシグナムは言う。
「――――来たか!」
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:37:02 ID:IRwrKXe7<> 「――――繰り返す。総員、第一種戦闘態勢。本艦はこれより目標世界に対し次元揚陸を行う。全ての搭乗員は所定の位置に待機し、衝撃に備えよ。繰り返す――――」
艦橋にて端末を操りながらエイミィが朗々と声を上げる。周囲にて同様に端末を操作するクルー達を上方の艦長席から見下ろすリンディは、鋭く前方に映る対象世界の情報に視線を送りながら、声を張り上げた。
「次元揚陸準備!」
「了解、次元揚陸準備!」
その号令を受け、ブリッジに並ぶクルー達は一斉に声を上げて応じ、作業を開始する。
「対次元障壁展開、発動機出力上昇」
「出現予定空間に異常なし、空間座標入力開始。」
「エーテライズ完了、次元軸同調開始。完全同調まで残り45」
「全発動機出力安定。全て問題なし」
次々に手順をこなし、危なげなくクルー達は準備を整えていく。
既に幾つもの作戦を遂行し、何度も次元移動を繰り返しているアースラスタッフ達にとってはそれが強襲揚陸であっても平時と同じ程度の難度でしかない。彼らは年若くとも百戦錬磨の精鋭であった。
「同調完了、エーテライズ良し、対次元障壁安定、空間座標入力完了!」
そして、全てのシークエンスを終えたことを確認したエイミィの報告を受けたリンディは鷹揚に頷くと、一息。宣言するように告げた。
「――――揚陸開始!」
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:37:43 ID:IRwrKXe7<> 或いは、次元世界からアースラを眺めることが出来たならば、その艦影が輝きに包まれたのが確認できただろう。
次元世界の隔てとは、視覚的に認識できる存在ではなく、また手に触れられるような物理性を持つものではない。
それを越えるには通常物理域の外側に在る必要があり、それを行うには上方次元の物理域に属する力――例えば、魔力といったものが必要になってくる。
次元航行艦船であるアースラは艦全体に魔力を通わせることにより通常物質を結霊(エーテライズ)し、擬似的に魔力存在となることで世界を覆う次元障壁と同質の次元に移動、それにより次元障壁を通過することで世界間の移動を可能としていた。
民明書房刊『週刊 戦艦アースラを作る 第五号』より抜粋
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 02:37:43 ID:cmdR9rzj<> >>396
はやてまでクロノの毒牙に掛かってたんですか?
くっ、羨ましくなんかないぞ。
何はともあれGJ!
2人の男に幸あれ。胃薬はこれからの人生必須っぽいし。 <>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:38:38 ID:IRwrKXe7<> 蒼穹があった。
無限に広がる空と、見渡す限りの雲海。その青と白を凄まじいエネルギーの奔流が切り裂き、唸りを上げて空間を切り裂く。
莫大な量の閃光が空を埋め尽くした次の瞬間、巨大な建造物が浮き上がるようにして大きく穴の穿たれた雲海の中心に現れた。
やがて纏われていた輝きが消え去り、艦影を覆っていた半透明の障壁が失われるのを確認して、彼女は告げた。
「――――空間座標固定、エーテライズ解除。指定空間への転移の完了を確認しました」
それだけ言うと、エイミィはふう、と大きく息を吐き出した。幾度と無く経験しているとはいえ、やはり次元揚陸は最高峰の難事である。緊張も一塩と言ったところだ。
だが、いつまでも気を抜いて入られなかった。即座に目の前の端末より警告音が鳴り響き、モニターには高速でアースラに接近する存在が複数の光点として示されている。
「敵影を捕捉、距離120、数は6――データベースに適合する存在あり!」
その敵影の情報を呼び出しながらも、当然のようにエイミィにはその正体は理解できていた。超音速で接近する機影のコードネームを叫ぶ。
「ガーディアンです!」
「来ましたね……」
眉に力をこめながらリンディは呟く。敵は四番艦アンディーンを退かせた強力なロストロギアである。対処をしくじればこの艦ごと沈みかねない。
「敵拠点の位置は?」
「不明です! 恐らく強力な隠業結界によって此方の探知を無効化しているのだと思われます」
「この辺り一帯に存在することは間違いありません。捜索魔法による座標特定急いで!」
次々に指示を送るリンディに、オペレーターの一人から報告が放たれる。それは今回の作戦の本格的な発動を告げるものでもあった。
「迎撃班、出撃準備完了しました!」
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:39:51 ID:IRwrKXe7<> 真っ直ぐに続く鋼の通路。しかしそれは道などではなく、むしろ砲といった方が適切な存在だった。その中に一人立つ黒の人影――――クロノ・ハラオウンはやれやれといった体で肩をすくめると、ため息と共に言葉を吐いた。
「やれやれ、まさか生身で電磁誘導カタパルトに立つ日がくるとは」
言いながら眼前に手をかざせば、瞬くようにして一枚の札が現れる。
表面に刻まれるその名は『デュランダル』。その名も高き管理局技術部の総力を結集して作り上げられた最新鋭ストレージデバイスである。
彼は手にしたその札を正面に突き出すように構えると、刹那。閃光と共にその姿が少年の身の丈ほどもあろうかという青白い機杖へと変化した。
その姿はかつて『闇の書の闇』と対決した折に見せた姿見とは異なり、四基の巨大な筒状の金属を装備している。
その姿と内部機能に異常が無いことを確認した彼は念話にてブリッジに現状を報告した。
「こちらクロノ・ハラオウン。準備は完了した」
『了解、フェイトちゃんの方は?』
対応したエイミィが声をかければ、一方。別の電磁誘導カタパルトで待機していた少女は片膝を突いてしゃがみこんでいた身を起こして立ち上がり、そして右の手の甲に左の掌を添える。
同時、放たれた電光と共に現れたるは、黒金の戦斧――――その名をバルディッシュ・アサルト。彼女が一人前と恩師に認められてより此の方、ずっと共に戦い続けてきた彼女の戦友はやはり、その身に四基の鋼の筒を装着している。
それを一振りして感触を確かめると、少女は頷いて念話を返した。
「こちらフェイト・T・ハラオウン、問題ありません」
『オーケイ、じゃあよろしく頼むね二人とも!』
そう笑顔で労いの言葉をかけると、エイミィの通信は終了する。その様を待ってから、フェイトは彼に念話にて声をかけた。
『――――クロノ』
『……なんだ?』
少女は大きく息を吸い込むと、念話である上で声に出して告げた。
『がんばろう、一緒に』
『……ああ。がんばろう、お互いに』
それはいつに無い、落ち着いた声色だった。
少年は考える。思い返せば、家族という間柄になる以前にはこうして気安く声を掛け合えていたという事を。お互いを気兼ねなく呼び合えていたという事を。
少女は思う。考えてみれば、家族という言葉に囚われ、頑なになり過ぎていたかも知れない。相手を想うが余り、過剰に構えすぎていたかもしれない。
そうだ、こうして心安らかに言葉を送れば、相手はそれに応じ安らいでくれる。それだけが今は重要なのであり、それだけで今は充分だ。
少年と少女はどちらとも無く微笑を漏らす。この笑顔は相手には見えていないが、きっと伝わっている。そんな気が二人はしていた。
『カタパルト展開、出撃準備よろし!』
オペレーターの声が響き渡る。その報を受けて、二人は互いの相棒に声をかける。
「デュランダル、やるぞ」
『OK, Boss』
「いこう、バルディッシュ」
『Yes, sir.』
その儀式が終わると同時、カタパルト内部の明かりが切り替わり、周囲が電磁場で満たされた。二人はプロテクションを展開して浮上すると、宣言するように叫んだ。
「クロノ・ハラオウン、でるぞ!」
「フェイト・T・ハラオウン、いきます!」
同時、二人の携える機杖が唸りを上げ、そして同調するように言葉を紡ぐ。
『『Acceleration Method』』
――――直後、大気を劈く衝撃音と共に、次元航行艦アースラより二つの雷光が放たれた。その迸る雷光は、白い軌跡を伴って真っ直ぐに蒼穹を駆ける。
大空を貫く漆黒と黄金はつがいの鳥のように飛翔し、敵を迎え撃つべく戦場を目指した。
最早自らに躊躇いなど存在しない――そう謳うかのように。
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:42:14 ID:IRwrKXe7<>
風が重い。
この感覚は高速で機動し戦う魔導師にとって慣れ親しんだ感覚である。自身が動く速度が高まれば高まるほど、その身に掛かる空気の抵抗は大きくなる。
その身に纏わりつく風をいなし、押し返し、そして切り裂く。魔導師が戦うということはある意味において風と戦うということに他ならない。特に高速戦闘を手札とするフェイトにとって、風とは慣れ親しんだ好敵手のようなものだった。
だが今正に彼女の痩躯に掛かる風の束縛は今までに体験したそれらを遥かに凌駕する形で彼女を押さえつけようと圧し掛かってきている。その圧力を撥ね退け飛翔するその様はまさしく空を穿つという形容が相応しかった。
音速の壁を越えて飛ぶ彼女の視線の先に、やがて黒い機影が現れる。その数は全部で六――事前情報に間違いない、機械の鳥を模したガーディアンたちである。
「バルディッシュ」
心中で呟く。音速を超えた領域では音声は役に立たず、必然的にデバイスに対する指示は思考トリガーに頼らざるを得ない。だが彼女は己が相棒に絶対的な信頼を置いていた。故に迷う事無く戦いの準備を始める。
『Delayed Plasma Lancer』
同時、少女の周囲に雷色の光球が幾つも発生する。その発生と周囲に浮いたまま此方の速度にあわせてついてきている様を見やりながら、彼女はバルディッシュに装着されたレバーを引き絞り、装着された増槽を切り離した。
これら四基の増槽とそれを接続する機械はいわば大型のカートリッジシステムとも呼べる存在であり、音速を超えて飛行する際に消費される膨大な魔力を肩代わりすることで航続距離を伸ばすために存在するものだった。
だがいざ戦闘に入ればその大きさと重さは命取りとなるが故、戦闘距離に入る前に切り離す必要があった。視線を巡らせば、傍らで飛行するクロノもデュランダルから増槽を切り離した直後だった。
後方に落ちていく黒の筒を見送る事無く、クロノは思念にて告げる。
『無理はするな』
『うん、クロノもがんばって』
それは短いやり取りであったが、開戦を告げる戦鐘代わりとしては充分だった。互いを見やる事無く、更に加速する。
互いに音速、二勢力の間合いはさして間を置かず重なった。
『ウィザード1、ウィザード2、エンゲージ!』
エイミィの念話が轟くと同時、敵影の機体上で閃光が瞬き、無数の光弾がフェイト目掛けて嵐のように放たれた。彼女はその掃射に身を捻るようにして回避すると、白い軌跡を描きながら上方へと舞い上がる。
その攻撃は一撃一撃の威力は大したものではない。だが数多く、またこの超音速での戦闘において被弾したことによる失速は致命的な隙となりえた。
だがそれは、相手も同じ条件下であるということに他ならない。そう思考して彼女は思考にてトリガーを引く。
『Photon Lancer』
バルディッシュが唱えるその名は、かつての愛用の魔法だった。カートリッジシステムにより強化された魔力によって放たれるそれは以前とは比較にならない数と速度を持ってして怒涛の如く放射される。
威力を犠牲に弾数と速度を向上させたその攻撃はしかし、強引に身を起こして空を切る敵影の機動により回避された。だがそれが元よりの狙いである。
「プラズマランサー!」
『Fox-two』
狙い澄ました一撃が放電と共に発射された。魔力消費を大幅に増加させその全てを追尾性能と速度に費やした、いわば魔力誘導式空対空光槍と呼べるプラズマランサーは回避運動により慣性を殺しきれない敵影に見事に突き刺さる。
轟、と。聴こえざる爆発の音がその跡形と共に雲海に消えていく。
その様子を見届けながら、フェイトは次の目標へと意識を向けた。
視界の端に、光爆が見える。 <>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:43:53 ID:IRwrKXe7<>
クロノの背後、追いすがるように飛翔する敵影より、三つの光弾が放たれる。
それは親機である機械の鳥よりは小柄ながら、それでも全長を4m近い巨体を誇る鳥型の機動兵器の両翼から放たれた、エネルギーの弾頭だった。それらは追尾軌道を取りながら彼を目掛けて飛んでいく。
それを認識した少年は心中で忌々しげに舌を打った。
「全く……マジックミサイルとは古風なことだな!」
最早士官学校の教本程度でしか目にすることの無い古い魔法を前に、だが彼は油断無く術式を思考する。古代に使われた化石のような魔法であるが、その威力までもが錆付いているということは無い。
そう並列で思考しながら彼はあろうことか、音速で直進しながらその身をくるりと九十度回転させた。視界内に背後から追走する敵影が見える。それを確かに収めながら、彼は術式を解き放った。
「スティンガースナイプ!」
瞬間、五つの光条が音よりも速く迸った。その輝きは正確に三つの弾頭を貫いて爆散させると、返す刀で敵影を襲撃する。
直撃を受けた巨体が破壊まで行かずとも充分に揺らいだ。それを満足げに確認したクロノは、締めの一手を打つ。
「スティンガーブレイド!」
氷結の杖より解き放たれた巨大な光の刃がその相対速度差をもってして迅速に鋼の鳥を切り裂いた。間髪をいれず、剣が諸共に機体を吹き飛ばす。それを確認した瞬間、少年の思考に声が割り込んできた。
『クロノくん、後ろ!』
その警告に即座に身を捻る。閃光がクロノのいた空間を薙いだのはその次の瞬間だった。強引に自身を横に滑らせて行けば、上空に確認できるのは長い砲身を構えた機鳥がある。その粒子加速砲の口には、更なる輝きが灯っていた。
「ちっ!」
舌打ちをしつつ、クロノは牽制のための光の弾丸を無数に放った。機鳥は回避軌道を取りながらなお砲撃を放つ。
脇を掠めて眼下の雲海に落ちた閃光が、その場に大きな穴を開ける。その蒸発した雲を眺める余裕すらなく少年は光条と光剣を敵影に向けて放った。
だがその長砲に似合わぬ機動力を見せて機影は縦軸の動きのみで攻撃を回避する。その脅威の機動性を目の当たりにしたクロノは、口の端を歪めて笑みを作った。
言う。
「意外と読みやすい動きだな、古代の守護者」
刹那、雲海より飛び出すように表れた金と黒の少女がその速度と共に機鳥を正面より断ち割った。
黄金の軌跡のみが機影に残り、そして――――。
『Assault Form』
大鎌の形状から基本形態に戻る鉄の動きと共に、大爆発が巻き起こった。
どちらともなく、叫ぶ。
「――――これで、3!」
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:44:23 ID:IRwrKXe7<>
「――――凄まじいな、あの相対速度差で斬撃を合わせたのか」
フェイト達が舞う戦場が映る空間モニター。それを待機室で観戦していたザフィーラは、その一撃の鋭さに驚嘆し呟いた。
その様に頷きを合わせるように、傍らでモニターを見ていたシグナムが言葉を繋ぐ。
「うむ、いつにない鋭さだな、彼女の動きは。判断も早く、クロノ執務官殿との連携も密だ。――――強力だな、彼女らは」
そこまで言って、彼女は笑った。視線を同じく固唾を呑んでモニターを眺めていたなのはに向けて、告げる。
「これは我らのおせっかいが功を奏したようだ」
「はい、そうみたいですね」
お互いに眼差しを合わせて笑みを作る。その様に気付いたヴィータが不審げに二人を問いただす。
「何だよ、お前らなんかやったのか?」
「さて、な」
「ふふ、ひみつなの」
「なんだよ意地悪するなよー教えろよー!」
思わせぶりな二人の態度に口を尖らせて怒る少女に、傍らのシャマルが目を輝かせながら遠くを見つめるような表情で告げた。
「まぁまぁヴィータちゃん、二人の間にもはや言葉はいらない……それだけで充分だと私は思うの」
「凄い飛躍してますよ、それ……」
「そうだよー念話で話してるんだろソレ? だったら私にだって出来るよ、使い魔だし!」
「いや、そういう意味では……」
シャマルの妄言とアルフの放言にユーノがげんなりと合いの手をいれた。気を取り直してモニターを見れば、後続のガーディアン三機がクロノらと交戦距離に入るところだった。
誰にともなく、言う。
「作戦では――そろそろですね」
その言葉に頷いたシグナムは、視線をモニター越しに映る金と黒の少女に合わせると言葉を放った。
「そう、ここからが――――本番だ。双方にとってのな」
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:44:53 ID:IRwrKXe7<> 全天を把握する機械の知覚が、『それ』に接近する存在を伝え警告する。
それらは数日前に撃破した鋼の船とは違い、小さく、脆く、しかし鋭く速かった。
その大空を駆けて我が身に迫る存在を『それ』は知っていた。
それは、自身が作られし時代より幾星霜の月日が流れても忘れえぬ者達。我が身が本来戦い払うべき存在。
『それ』は自らが支配下に置く残る二機のしもべ達を操り、迎撃の指示を与える。
機械である『それ』の身に何かを想う機能は存在しなかったが、しかしてこう想う状況であると『それ』は判断した。
彼は知る。その想いの名は追憶。かつて幾度と無く相対し、大空を舞い共に踊った仇敵達の名を、彼はこう記憶していた。
――――魔導師と。
故に『それ』は力を欲する。更なる力を、我が身をより戦いに適した形に組みかえるための力を。仇敵たちとダンスを踊るための、相応しい姿を。
同時、『それ』の威容が大きく歪んだ――――。
<>
76<>sage<>2006/03/31(金) 02:46:57 ID:IRwrKXe7<> 以上です。
続きはまたいずれということで一つ。
プロットの段階で予想していた分量より多くなっていて驚いています。物を書くというのは難しいものですね。
では、乱筆乱文失礼しました。 <>
YUKI<>sage<>2006/03/31(金) 07:04:40 ID:/+OAbiZP<> >>396氏
長編完結お疲れ様です!!
最後はそう来ましたか!?
長い間素晴らしい作品を有難う御座いました!
>>76氏
シリアス戦闘モードきましたねぇ!!
相変わらず内容の濃さと上手さに脱帽です!
続き頑張ってください! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 13:42:00 ID:LtYmtiN6<> ユ−ノのような人生歩みたい・ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/31(金) 22:53:43 ID:ODVqoc1q<> 華麗にスルーかわいそす。 <>
396 ◆SIKU8mZxms <>sage<>2006/03/32(土) 00:14:52 ID:0h1lK61X<> >>285
使えないってことにしてます。ジュエルシードのエネルギーを使っただけなんで。
一時的に強かっただけの方がユーノらしい気がします。
職人を続けるかまだ決めてなかったので最後の作品と言っておきました(汗
無責任に約束もできないので…。やる気と時間しだいです。
もし次書くなら殺伐とした恋愛ドロドロかギャグオンリーが書きたいと思ってます。
>>76氏GJ!
>「クロノ・ハラオウン、でるぞ!」
>「フェイト・T・ハラオウン、いきます!」
ガンダムみたいでカッコいい!続き待ってます。
<>
37564<>sage<>2006/03/32(土) 00:44:40 ID:xO17Uide<> 皆さん上手いですね。私も書きたくなってきました。
私の考えてるストーリーは不死身の魔導傭兵集団っと言われる敵と戦う内容ですがどうでしょうか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 00:53:24 ID:zEcU4sQ5<> なのは「わたしユーノくんのことなんとも思ってないから」
ユーノ「ぼくもだよなのは」
なのは「ほんとだよ。なんとも思ってないの」
ユーノ「それじゃバイバイ。ぼく、フェイトのところに泊まるから」
なのは「なんとも思ってないの・・エイプリル・・・」
なのは「 」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 00:58:40 ID:WQjMH0qf<> 残念だが今日は3月32日だ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 00:59:34 ID:+FPkMlrr<> 気付けよユーノ!と思いつつ自分も投稿日の3月32日にたった今気付いた <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 01:36:53 ID:lhCC0jJW<> なのは「最近・・・ フェイトちゃんお腹だけおっきくなってきてるの・・・」 <>
急に思いついた。<>sage<>2006/03/32(土) 01:52:03 ID:lhCC0jJW<> 最近、ユーノ君とフェイトちゃんの仲がいいの・・・
リンディさんとクロノ君も二人と一緒に仲良く話してるし、なのはだけ退け者なの・・・
「ほら、無理しちゃダメダヨ、フェイト」
お腹がおっきくて、よたよたするフェイトちゃん、そしてそれを支えるように手をさしのべるユーノ君。
またユーノ君とベタベタして、許せないの・・・
それにそんなにお腹大きくして、ユーノ君のお世話が必要になっちゃって・・・
そういうのってご迷惑だよね、ユーノ君・・・
「はぁ、私ももうおばあちゃんなのね、そう考えるとなんだかあまり良い気分じゃないわぁ」
ってリンディさんも言ってたし、フェイトちゃんは皆にご迷惑をおかけすぎなの・・・
だからね、そういうフェイトちゃんは少しおしおきしてあげないといけないの・・・
そう、これはユーノ君やリンディさんのためで、なのはのやることは良いことなの、とっても良いことなの・・・
だから・・・・
「キャァアーーーーーー!!」
フェイトちゃん、ちょっと痛かったかな、でもしょうがないよね、悪いのはフェイトちゃんだし。
あぁお腹の包丁、後でちゃんと洗って戻しておかないと、エイミィさんにも嫌われちゃうよ? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 01:54:21 ID:HhaoXTCb<> >>305
一度きりの力・・・ネクサスの孤門かよ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 02:03:33 ID:9g1M8YmC<> >311
妊婦を殺害……ヴァンパイア十字界が思い浮かぶな。
あっちはバラバラだけど。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 02:43:37 ID:zEcU4sQ5<> >>311
のけ者のなのは(;´Д`)はあはあ!
もっと書いて。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 04:00:29 ID:9BA+hh5P<> >>314
スクイズを脳内で変換してれっつちゃれんじ!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 04:23:03 ID:/7AoKQX3<> 「フェイトちゃん、わたしねあなたのことが好きなの」
・・・・・・・・・・・今、なのは私のこと好きだって言ったよね。
すごい嬉しいどうしようどうしようどうしよう。私も好きだよなのは。これで両思いだね。式はいつにしようか。
・・・と、落ち着けフェイト。なのははただ好きって言っただけ、つまり友達として好きだってことかも―
「もちろん友達としてじゃなく、恋人として、だよ」
分かったよ、なのは。すぐに籍をいれよう。大丈夫心配しないで、生活費は私が稼ぐし、
なのはがもし浮気しても許してあげる(相手は殺すけど)。
子供は何人作ろうか。むしろ今すぐつくろう。なのはもそのつもりでこんな人気の無い場所選んだんだよね。
その前に、まずは返事しないとね、なのはも勇気出して告白してくれたんだし。
「なのは、私もなのはのこ―」
「なーんてね、フェイトちゃんびっくりした?地球では4/1はエイプリルフールって言って嘘ついても良い日なんだよ。
もちろん、わたしはそっちの気は無いから安心して・・・って、あぶないフェイトちゃん!どうしたの急に倒れたりして!
どうしよう、気失ってる。そうだ念話で。エイミイさん!大至急訓練室に救護班をー」
天然悪魔の恐怖 四月馬鹿の巻―完― <>
はじめてのお留守番 中編<>sage<>2006/03/32(土) 05:29:40 ID:lbMze9VC<> 「や、やめてください…私にはマスターが…」
「マスターの兄さんや、マスターの友達と親睦を深めるのも必要さ…ね、クロノ?」
「ユーノの言うとおりだ。こうして男同士、裸の付き合いをする事も重要なんだよ」
「し、しかし裸の付き合いとはこの様なものでは…」
「バルディッシュは真面目だね」
「だが君はもっと柔軟になるべきだな…」
「そ、そんな所…駄目です、クロノさん、ユーノさん…」
「とんでもなくマニアックになってるじゃないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
時空管理局の食堂の片隅で、クロノ・ハラオウン執務間の叫び声が響き渡る。
「なんでバルディッシュが、こんな男の子に…」
たぶん描いた人間の頭が腐ってるんだよ、ユーノ君。
<>
はじめてのお留守番 中編<>sage<>2006/03/32(土) 05:31:15 ID:lbMze9VC<> 閑話休題
「できました!!!」
リインフォースが洗濯物を前にして元気いっぱいに叫んでいる。
昼食を食べてしばらく後、洗濯物を取り込んだ時、リインフォースがなにか手伝いを
させて欲しいと(と言うより、しないといけないと思い込んでいた)言ったので、
取り込んだ洗濯物をたたんでもらう事にし、ザフィーラは掃除をしていたのだが…
(目を離すべきではなかったか…)
リインフォースの前の洗濯物は、きちんとたたまれているとは言いがたく。
かといって、その場でたたみ直すのも…
「どうですかザフィーラさん!リインは一人でりっぱにやれましたか?」
「…そうだなリインフォース、良くやった」
嬉しそうなリインフォースの前では、できそうにない。
(リインフォースに気付かれぬよう、直しておかねば…)
「リイン、そろそろ菓子の時間だ。台所に用意してある。食べてくると良い」
「ハイ!!」
顔いっぱいの笑みを浮かべるリインフォース。
(今のうちに…)
しかし、リインフォースはまったく動こうとはしない。
「どうした、リインフォース?」
「ザフィーラさんは一緒に食べないんですか?」
「・・・」
予想外の展開だった。
「俺はあまり甘い物が…」
「…そうですか」
先ほどまで笑顔を浮かべていたとは思えないほど、残念そうな顔をするリインフォース。
「…一人で食べるのは嫌か?」
「そ、そんなことないです!リインは一人でも大丈夫です!」
そう答えて部屋を出ようとするリインフォース、しかし明らかに肩を落としている。
「リインフォース」
「はい?」
洗濯物をたたむ事等、後でも出来る。
「俺も一緒に食べよう」
「……はい!!」 <>
はじめてのお留守番 中編<>sage<>2006/03/32(土) 05:32:48 ID:lbMze9VC<> そのころ時空管理局では、
「シャマァァァァァァァァル!!」
叫びながら、全力でドアを開けるクロノ。
「ど、どうしたのクロノ君?」
いつもとノリの違うクロノに、おもわずビビってしまうシャマル。
「どうしたもこうしたも無い!」
「クロノ、ちょっと落ち着けよ…」
怒るクロノの後ろから、息を切らしてユーノが現れる。
「クロノ…酷いじゃないか?僕を置いてくなんて…」
「ごめん、ユーノ…どうかしていたよ、君と離れるなんて」
「あら?ユーノ君までどうしたの?」
その姿に様々な妄想を頭に浮かべ、だがそれをまったく表に出さずシャマルは尋ねた。
「シャマルさん、これを…」
ユーノが同人誌を差し出す。
「この本は…」
パラパラと本をめくり内容を検分する。
「シャマル!こういう物はもう描かないと誓ったはずだな!」
「え?もしかして私が書いたと思ってるの!?」
大仰に驚くシャマル。
「違うのか!?」
「当たり前じゃない。もうザフィーラに噛まれるのはコリゴリよ…」
そう言ってため息をつくシャマル。
「…そう言えば納得するとでも?」
「絵柄が違うでしょ?見分けがつかないほど、似てないじゃない?
そりゃ…二人が私の作品をじっくり見てないのはわかるけど」
「その通りだ、クロノ。この絵は明らかにシャマルさんのものじゃない…」
「じゃあ誰だって言うんだ!」
「落ち着けよクロノ…」 <>
はじめてのお留守番 中編<>sage<>2006/03/32(土) 05:33:57 ID:lbMze9VC<>
「これが落ち着い…!ば、馬鹿止めろよ」
「いいじゃないか、クロノ。僕達がこういう関係なのは事実なんだし。
それとも…僕とこういう関係なのは嫌?」
「そ、そんなわけがあるか!」
クロノを落ち着かせるユーノの姿を燃料に、さらに妄想の翼を広げるシャマル。
「すいません、シャマルさん…」
「いいのよ、ユーノ君。わかってもらえれば」
もちろん、そんな不埒な妄想三昧などおくびにも出さない。
「ほら、クロノも。そりゃ怒るのはわかるけど…」
「…悪かった」
渋々といった感じではあるが、クロノも頭を下げる。
「それにしても…デバイスを擬人化するなんて、よくある事なんですか?」
「そうね、多くいとはいえないけど、インテリジェントデバイスは、やっぱり
人間臭いから結構描いてる人はいるわ」
「シャマルさんも以前はこういうのを描いた事が?」
「う〜ん…1回だけあるわね」
「な、何を話してるんだユーノ…」
さり気なく二人から一歩遠ざかるクロノ。
「へ〜どんな内容なんです?」
「え〜とね、愛の行為を覗いていたバルディッシュが、二人に見つかって(検閲)」
「で、今はどんなのを?」
「なのはちゃんの家に遊びに来たユーノ君を、恭也君が…」
「・・・」
「・・・」
絶対零度の視線がシャマルに突き刺さる。
「…ち、違う!こ、これは…卑怯よ、ユーノ君!」
「シャマル…詳しく話を聞こうか…」
「お、お願いクロノ君!ザフィーラにだけは内緒にして!」 <>
はじめてのお留守番 中編<>sage<>2006/03/32(土) 05:35:10 ID:lbMze9VC<> 次回予告
「シャマル!実は僕とユーノは君の考えている通り…」
「え?それじゃあやっぱり!」
「そう、僕とクロノは愛し合ってるんです!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「と、言うのはもちろん嘘だ。だから悶絶して喜ぶな、そこの変態」
「今日はエイプリルフールですよ、シャマルさん」
『シャマル!実は僕とユーノは貴方の考えている通り…』
『そう、僕とクロノは愛し合ってるんです!』
「・・・」
「・・・」
「「録音してるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」」
「さっそく、アースラの艦内放送で流さないとね!」
「「正気か!?」」
「世界はいつだってこんなはずじゃない事ばかりなの…」
次回「すもう」
次回も、正々堂々と試合開始!
<>
はじめてのお留守番 中編<>sage<>2006/03/32(土) 05:59:29 ID:lbMze9VC<> はい、『隣のシャ○さん』第4話です。
シャマルさんが暴走してくれたおかげで長い事長い事。
メインがそっちに行ってるような気がしないでも無いですが…
・・・次でこの話は終るはずです
>>248
それはそれでシャマルさんの滲み出る異常嗜好の証明のような気がしないでもないです。
>>252
声優ネタは、残念ながらいれてないです。というかどういうものと混同したのか気になったり.
>>254
変更前・邪教の館
変更後・業魔殿
いや、知らんけど。
>>76氏
ええ、その通りです。最低野朗です。
こ、今回もその予定だったのですが…
しかしシリアス戦闘はいいですな。私もそのうち戦闘を書く予定ですが、なんかやけに泥臭くなりそうです。
<>
YUKI<>sage<>2006/03/32(土) 13:47:34 ID:jPBtZ2YS<> シャマル・・・・・もう引きかえせないんだな・・・・・
GJ!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 15:17:32 ID:9TaVNPXY<> ユ−ノくんとフェイトちゃんを幸せにしないから・・
ttp://youtube.com/watch?v=GCFPWCQiM_8
そう言ってなのはは帰りました。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 16:28:42 ID:4mLJGtoK<> >>324
さっき見てきたけど・・・MAZIで勘弁してください。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 16:55:59 ID:u26je/c7<> 今日もまたひとりの学校なの・・・
わかってるの。ユーノ君とフェイトちゃんの恋仲をけなしてからクラスの
みんな、なのはに対して冷たくなったの・・・だって許せなかったんだもん。
「また今日も長い1日・・・」
登校したら上履きに詰められたゴミを捨ててクラスに向かうの。
なのはの机落書きだらけなの。最初は毎回消してたけど、消しても
消しても切りが無いから今は放置してるの。別にいいの。
クラスのみんななのはを無視してるの。それも別にいいの。1人はなれているから。
「今日も来てるよあいつ・・」
「きもいんだよね」
なのはに聞こえるように悪口言ってるのは、アリサちゃんとフェイトちゃん。
前は親友だったけどいまは・・・もう関係ないの。別にいいの。1人でいいの。
授業中はマルチタスクで別の世界にいってるから気が楽なの。レイジングハート
だけがなのはの友達なの。
お昼になったらなのはは学校の屋上にいくの。ここでお昼ご飯食べるの。
「・・・今日はちらし寿司なんだよ美味しいんだよ」
『Nanoha Love Chirasi』
「うん♪大好き』
友達のレイジングハートと話しながらお昼休み過ごすの。
いつも誰もいない屋上だけど、今日は1人でメロンパン食べてる女の子がいたの。
なのはと同じ匂いがしたの。
「ねえあなたどこのクラスの子?わたし○組、高町なのは。あなたの名前おしえて」
「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」
そう言ってその女の子は屋上から出て行ったの。
「なのは嫌われているんだね・・・」
『・・・・・・』 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 16:57:11 ID:u26je/c7<> 午後の授業もマルチタスクで回避なの。気がついたらノートが破られてたり鉛筆が
折られてたりするけど、別にいいの。気にしたら負けなの。
放課後、ゲタ箱に行くとなのはの靴にゴミを詰めてる人がいたの。すずかちゃんなの。
なのはの顔見て舌打ちすると、そのゴミをなのはにぶつけて逃げたの。
「高町!こんなところにゴミ散らかすな!!さっさと片付けろ!!」
偶然通りかかった先生がなのはを叱ったの。先生はゴミを散らかしたの
すずかちゃんだって知ってるくせにみて見ぬふりしてたの。
なのはは何も言わず片付けるの。だって反発していいことないし・・・
学校帰り、仲良く歩くユーノ君とフェイトちゃんを見つけたの。肩組んで歩いてるの。
なのはに気づいたフェイトちゃんは、なのはに見せつける様にユーノ君とキス
したの。TVで見たことのある大人のキス・・・別にいいの。なのは小学生だから。
お家に帰ってきて今日1日あったこと日記に書くの。いつか役立つかもしれないし。
夜、眠い目をこすりながらパソコンでネットしてたら変なサイトにアクセスしたの。
あなたの恨みはらします。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__
|送信|
 ̄ ̄
わたしのなかで何かが弾けたの・・・ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 17:47:12 ID:4mLJGtoK<> ユーノが、ロストギアの力でなのはやフェイトを襲うSSが見たいと思うオレは病んでるんだろうか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 18:17:40 ID:+FPkMlrr<> それは君だけかも知れんが、「ロストギア」と間違えて覚えてたのは俺もだ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 18:26:07 ID:DqOPxhoE<> 魔法少女リリカルなのはA's+の主役を張ったユーノ。その時の彼には愛内の「
赤く熱い鼓動」が似合いそうだな。
「♪この時代〜勝ち残るのはクールでタフな人らしい 例えば僕が安心できる
居場所 どこにあるのでしょう?」 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/32(土) 20:27:05 ID:5dE8SIkN<> 「・・・なぁ、なのはちゃん」
シグナムやシャマルの加勢もあり、ようやく二人きりになった石室で、はやては切り出した。
不安げに何度もこちらを振り返りながらもユーノ救出へと向かったフェイトや、
未だ後悔と自責から立ち上がりもしないなのはの様子を見るに、自分が口を出してもいいものなのだろうか、とは思う。
彼女達3人の問題に、友達とはいえ第三者の自分が言うのは、余計なお世話ではないだろうか、と。
「フェイトちゃんがなのはちゃんを嫌いになったりするわけない。フェイトちゃんはなのはちゃんのことが好きやから、怒っただけや」
「・・・・」
けれど第三者の自分であるからこそ、言えることもあるはずだ。
ことここに到ってはやては、すれ違う友人達の想いに対しおせっかいであっても手助けをすることに決めていた。
「わたしからもな・・・聞いてもええか・・・?」
スカートを地面に広げ呆然と座り込むなのはと、視線をあわせるべくはやても腰を下ろす。
「・・・・・・・・なに、を・・・・?」
きっかり、十秒は間が開いただろう。ようやく返事を搾り出したなのはへと、はやてはフェイトと同じ質問を、もう一度ぶつけてみる。
彼の想いを知った彼女へと、再び。
「なのはちゃんにとってユーノくんは、一体どういった存在なん・・・?」
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく二人の絆−
第13話 彼女の結論、それはようやくの帰結
「この・・・・させんっ!!」
右腕には、レヴァンティンを。
もう一方の左には、その鞘を構え。
鋼と鋼のぶつかり合う火花を散らしながら、シグナムは四体にも及ぶ己が分身と斬り合っている。
四対一はかなりきついが、一体ずつの戦闘能力はシグナム本人よりは下だからやってやれなくはない。
なによりこの状況下で贅沢は言っていられない。紙一重で相手の斬撃を避け、いなし、防いでいく。
「うおおりゃあああっ!!!!」
彼女と同じように、フェイトも、ヴィータも、ザフィーラも。
「・・・」
けっして十分な広さがあるとはいえないこの場所で数の不利さえもありながら、4体の夜天の書と戦っているのだから。
アルフをシャマルの護衛に残している以上、少しでも動きやクセを読むことが出来るシグナムが剣の守護岸達の相手をするより他にない。
(やはり・・・スクライアの魔力を感じて出てきたか・・・!!)
別れ際にリインフォースから各自のデバイスに送られたユーノの位置データは、すぐそこ。
夜天の書達の立ち塞がる、その先にある。なんとしても、突破しなければ。
しかし先述の数の不利に加え、フェイトの不振は未だ続いており、互いにフォローに回りつつ戦線を維持するので精一杯であった。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/32(土) 20:28:19 ID:5dE8SIkN<>
(だが、持たせるっ!!)
背後から振り下ろされる刃へと、一瞥もせず完璧なタイミングでレヴァンティンの刃をあわせ、勢いのまま振りぬく。
「レヴァンティン!!」
『Explosion!!』
カートリッジ、ロード。彼女の見せたわずかな隙に三方向から斬りかかってくる残りの三体の動きは、予測済みだ。
シュランゲフォルム───連節刃形態へと変化したレヴァンティンの刃が唸りをあげ、竜巻のように彼女へと害なすものを巻き込んでいく。
敵もさるもの、連結刃の起こす疾風から的確に致命を防いではいるが、それでも後退を余儀なくされる。
(主はやて・・・どうか、頼みます・・・!!)
『Bogenform』
鋼の暴風が止んだそこには、更なる変型を終えた炎の魔剣の第三の姿が、射手と共にあり。
「駆けよ、隼!!その身散らすまで!!」
シュツルムファルケン・拡散発射形態。
一度に多数の敵を狙い撃つ、一対多数戦闘におけるシグナムの奥の手のひとつだ。
一発分の魔力を複数に分散させるために個々の破壊力は低下するが、牽制や立ち回りに生かす分には十分の威力を持つ。
なのはが立ち直り、フェイトが本調子を取り戻して。
はやてが合流すれば、やれる。彼女達を止め、ユーノを助け出すことができる。
彼女は皆の力を、信じている。
「それまでは・・・・抜かせんぞっ!!」
『Sturmfalken』
放たれた矢が四方に分かれ、それぞれに騎士達を同時に爆風に包み込む。
即座にボーゲンフォルムを解除したシグナムは自身の愛剣を手に、彼女達へと追撃を与えるべく、跳躍した。
* * *
なのはからの返事はまたも、しばしの時を必要とした。
「・・・はやてちゃんも、それを聞くの・・・?」
はやての言葉へとなのはが返したのは、責めるような口調。
「わかってる、くせに・・・わたしがなんて答えたか・・・わたしが、酷いこと言ったって・・・」
「ちゃう!!」
眼前でのはやての大声に、なのはは肩を強張らせ、涙目の顔で彼女を見上げる。
「ちゃう、ちゃうんよ。ほんとになのはちゃんはユーノくんのこと、友達としてしか思ってないんか・・・?」
「・・・え・・・?」
「気付いてないだけなんとちゃうんか・・・?」
両肩を握ったはやての腕は、力強く。
潤んだ視界に映る彼女の目は、まっすぐになのはを見ていた。
「気付いて・・・?」
「・・・質問を、変えよか。・・・なのはちゃん」
「・・・うん・・・」
「なのはちゃん、フェイトちゃんのこと、好きか?」
「・・・・え・・・・?」
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/32(土) 20:30:17 ID:5dE8SIkN<> どうして、ここでフェイトが?
突然の話の展開になのはは目を瞬かせるが、はやては変わらず真剣な面持ちのままで。
なのはは息を飲み、はやての次の句を無言に待つ。
「いや、フェイトちゃんだけやない。クロノくんやアリサちゃん、すずかちゃん。うちのみんなでもええ。なのはちゃん、どうなん?」
「え・・・・?」
「お願いや。答えて欲しいんよ」
「そ、そんなの・・・嫌いなわけ、ないじゃない・・・。みんな、大好きで・・・大切な人達だよ・・・?」
───ここまでは、予想通り。あとは、彼のことだ。
はやては両腕にもう一度、力を込めて、新たな質問を目の前の少女に提示する。
「せやな・・・ならな」
「・・・?」
「ユーノ君は、どうなんや?やっぱり大切な人?」
「・・・うん」
「だったら・・・みんなに対するその『好き』と、ユーノ君に対する『好き』を考えてあげて欲しいんよ」
「・・・・?」
彼女はきっと、気付いていない。自身の心にある、二種類の『好き』を。
彼女の中にあるそれはけっして、一種類しかないものではない。
「もう一度言うで。・・・なのはちゃん、フェイトちゃんのことは?」
「・・・好きだよ。大好き」
「・・・・アリサちゃんは?」
「好き・・・だよ。すごく。すずかちゃんも、もちろんはやてちゃんも、みんな」
「ありがとな。ほなな、ユーノ君は?」
「大好き、だよ。ユーノ君のことも。すごく、すっごく」
「ほんなら・・・その『好き』はわたし達に対してのものと、同じもの?」
「え・・・・!?」
「よく、考えてみて。その上で、さっきの答え、聞かせて欲しい」
* * *
考える。
その単純でいて、非常な労力を要する作業をこの2日間だけでどれほどやっただろう。
(みんなへの『好き』と・・・ユーノ君への・・・『好き』・・・?)
これは身から出た錆。だからどんなにつらく、大変でも考えなければならない。
「わたしに、とって・・・・」
ユーノ君は。
ユーノ・スクライアという名前の少年は。
(やさしくて。わたしに魔法を教えてくれた先生で、ちょっぴり頼りなくて)
真面目で、頭が良くて。彼が守ってくれていた背中はいつだって、暖かかった。
(大好きだよ・・・うん。とっても)
大切なパートナーで、いつもなのはのことを心配してくれていて。
そんな彼を自分が傷つけていたと思うだけで、心が痛い。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/32(土) 20:32:57 ID:5dE8SIkN<> (ユーノ君は、私のことを好きだと思ってくれてるのに・・・)
自分は、未だ答えを出せずにいる。
彼を傷つけたくなんてない。傷ついて欲しくなんて、ないのに。
(────え・・・?)
そうだ。傷ついてほしくない。
ユーノが傷つくところを、見たくない。
(ユーノ、くんを・・・わたし・・・)
守りたい、存在。
なのはにとって彼はずっと一緒にいて、守り、守られたい存在なのだ。
それは、何故。
(・・・『海よりも深く愛し』・・・)
ああ。やっと、彼女の遺した言葉が、心へと浸透していくのがわかる。
すうっと、心に張った靄が晴れ、視界が開けていくようだ。
彼を、守りたい。
辛いことや、苦しいことや。
彼に害なす、全てのものから。
(・・・『その幸福を守りたいと思える者』)
当たり前すぎて、わからなかったのだ。
六年前からずっと、それはなのはの心にあったから。
「わたし、は・・・ユーノ君が・・・」
出会い、一緒に過ごし。
戦い、笑い、分かち合い。
教わり、助けられ、与えられ、与える幸福が、当然のものでありすぎて。
それが失われることも、消えることも、考えたことなんてなかったから。
彼が大切で、愛おしいことが、日常すぎたのだ。
(わかったよ、やっと。リインフォースさん)
───ずっと、ずっと。
いつまでも、そばにいて。心の底から、守りたいと思う。
なんて、遠回りをしてきたのだろう。
純粋に、なのははかけがえのない彼を守りたいのだ。
大好きだから。理由は、それだけでいい。
ひたすらに彼のことが大好きだから、守りたい。
ユーノという、たった一人の少年を。
いつまでも、いつまでも。
高町なのはは、ユーノ・スクライアのことが、好きだから。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/03/32(土) 20:53:19 ID:5dE8SIkN<> 休みだからって寝ずに書き上げるのもどうかと思うわけよ自分。640ですorz
まあ合間合間に原稿やったりクライマックスUCでフェイトの中の人に萌えたりしてたんだけども。
今回のサブタイトルは書いてる人間としての実感です。
やっとここまでたどりついた・・・orz
>>232氏
ごめん、完全に自分の構成力、創造力、筆力の不足です・・・orz
善処できるようには頑張ります故・・・。
>>4の422氏
百合フェイトいいよ百合フェイト
>>92氏
お子様リインktkr
>>253氏
そうなんですか?自分スクールデイズやったことないからわからんのですorz
>>176氏
なのはー、それ使っちゃダメーユーノがピンチになってしまうー
>>八神家氏
はやて、広島風もokなんですね。関西人だからてっきり大阪風以外ダメなものかと(待て
>>396氏
ひとまず、お疲れ様です。続きを妄想させるあたり心憎いですねw
>>76氏
二度目のハイクオリティ乙です。
>>306氏
まずはレッツ投下。皆が読んでみないことにはなんとも。
>>326氏
ちょwwww地獄wwwww
それではおやすみなさいませ
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 21:06:48 ID:A30IC9JC<> >>326
シャナがいるよ!?w <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 21:15:44 ID:4mLJGtoK<> >>640氏まずは乙です。
ついになのはが自分の気持ちを自覚しましたね、フェイトみたいにストレートにではなく
はやてのようにゆっくり教えたのがよかったのかな?
まあこの先どうなることやら、フェイトも「ユーノが好き。」だって言っちゃったわけだから <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 21:18:06 ID:drL7++D8<> 640氏おつかれ♪
これからなのは大変だろうね。
>>326
こわいお・・ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 21:33:22 ID:qYEtoCVB<> >640氏
ゆーみん?
<>
37564<>sage<>2006/03/32(土) 23:01:06 ID:xO17Uide<> それでは投下します。
魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
第0話、序章
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 23:37:11 ID:/+C7oyrt<> >>326
ちょwww地獄少女www
なのはさんの場合、普通にSLBぶっ放したほうが復讐の近道な気もするが <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/03/32(土) 23:38:59 ID:A30IC9JC<> >>340
?? 規制くらった? とりあえず名前欄から想像するとちょっとやな展開っぽいのは気のせい? <>
37564<>sage<>2006/03/32(土) 23:39:08 ID:xO17Uide<> 「目標、囮の中に侵入しました」
「もう直だ。もう直であの悪魔どもを…」
報告した男の横で初老の男がそう呟いた。
※
やや古ぼけた通路の中をフードを被った数人の人間が歩いていた。
「……なぁ、リーダー」
前から二番目を歩いていた男が前を歩いていた人物に話しかけた。
「ん?なんだ?」
「此処、やっぱり妙だと思わないか?」
「何がだ」
前を歩いていた男は脚も止めずそう聞いた。
「…あいつ等の話じゃ『武装した魔導師がかなりの数で潜伏してる』って話しだが、入って5分も経って人どころかトラップ一つ無いじゃねえか」
「確かに、それにこの依頼を持ってきた奴等も怪しいですよ。何より“時空管理局”が私等に頼むってここんとこ無かったですし」
すると、直後ろに居た人物もそう話した。
「ふん、俺等の流儀は金さえ貰えれば、どんな任務も引き受ける。だ」
「確かにそうだがあの管理局の提督の目は俺は如何も信用出来ん」
「ええ、あの目は私達を敵としてしか見てない感じでした」
「ふっ、今更奴等の目を気にして如何する。あいつ等は昔から俺達を目の仇にしてたじゃないか」
「ええ、ですから今回の依頼が私には如何も納得が…」
「分かった分かった、その話はこの仕事が終ってから聞いてやる」
男はそう言って口を閉じた。
その後ろに居た者も言っても無駄と感じ喋るを止めた。
※
そして、それから数分が経った。
「目標、あと僅かで中心部に着きます」
「よし、全艦隊に通達!アルカンシェルの発射準備をしろ!!」
すると、
『お待ち下さい提督!中にはまだ彼等が…』
「ギル・グレアムより通信が入りました」
「ふん、如何したグレアム、命令が聞こえなかったのか?」
指揮官と思しき男がそう言った。
『聞こえたからこそ聞いているのです。中には彼等が侵入したままです。このままでは巻き添えを…』
「だからこそ撃つのさ…あの悪魔どもを今度こそ殲滅する為にな!」
『! 提督まさか最初からそのつもりで…』
「その“まさか”だよ。グレアム君」
『……この事本局は?』
「無論知っているさ。…尤も一部の高官だけだがね」
『…あんた、正気か!?』
「グレアム!提督をあんた呼ばわりとは如何言うつもり…」
提督の横にいた副官と思しき男がグレアムを怒鳴りつけようとすると提督が「止めたまえ」と言った。 <>
37564<>sage<>2006/04/02(日) 00:22:35 ID:xxGkzdA/<> 「グレアム君、我々管理局が奴等に何度煮え湯を飲まされたか知らん訳ではあるまい」
『確かに報告書で何度も見ましたが、これは完全に騙まし討ちです!』
「グレアム君、我々はただのボランティ集団では無いんですよ。『時空管理局』っと言う組織なんですよ。このままでは世間体も危ういんです」
『世間体だけで彼等を抹殺するんですか!?』
「グレアム君、何度も言いますが我々は管理局なんですよ。言ってみれば我々が正義なんです。正義は悪を淘汰するものです。今までも…そしてこれからも」
『………』
「さぁ、分かったら君の艦もさっさと撃つ準備をしなさい。それとも一介艦船の艦長如きがこれ以上提督に逆らうのですか?」
『りょ、了解しました…』
「さて、少し無駄に時間を使ってしまいました。奴等が感ずく前に発射しなさい」
「了解!」
※
「なぁ、此処が中心部だよな?」
「その筈ですけどね」
中心部に来た彼等はそう言ってたたずんでいた。
なにしろ、中心部と思しき場所はドームのような形で人っ子一人、影も形も見えなかった。
「情報では此処にAAAクラスの魔導師が少なくとも30前後いる聞いていたが…!」
その時、男達は膨大な魔力を感じた。
「何だ?この魔力…」
「魔導師の魔力にしちゃ妙だな…」
その時、一人の男が魔力の正体に気付いた。
「! これ、アルカンシェルじゃねえか」
「アルカンジェル?…ちっ、はめられたか!」
『ふっふっふっふっ、やっと気付いたか』
すると、やや年をとってると思しき人物の声がドーム内に響いた。
如何やらこのドーム自体管理局が作ったダミーようだ。
「よう、クソ提督、まんまとはめてくれたな」
『悪く思わんでくれ。これも世界の平和の為だ』
「騙し討ちが平和ですか?やれやれ」
『アルカンシェルなら幾ら君らでも耐えられまい。それに転移魔法も今からでは間に合わないだろ。それではあの世で楽しく暮らしたまえ。はっはっはっはっはっは……』
「…精々笑ってろ、必ず返ってきて貴様ら管理局を根絶やしにしてくれる。俺達の通り名は不死身の魔導傭兵集団だ!!」
男がそういい終えると辺りは目が眩む程の光に満ちた。
※
『…目標点消滅。周りに生体反応無し。魔力反応はアルカンシェルの物のみ』
『ふっふっふっ、以外に呆気ない。不死身の噂もただの伝説ですね』
「………」
グレアムが浮かない顔をしていると、
『グレアム君。辛かったら止めて良いんですよ。……そんなに私の命令が不服なら私より偉くなりなさい…』
「提督…」
『私より偉くなって部下に君と同じ思いをさせないよう気をつけなさい』
そう言って提督は通信を切った。
そして、この作戦の直後、提督は病に倒れた。
そして、時は流れ30年が過ぎた。 <>
37564<>sage<>2006/04/02(日) 00:27:04 ID:xxGkzdA/<> どうも、取り合えず0話が終りました。
取り合えず敵の傭兵集団が管理局を憎むストーリーでしたが、やはり自分下手ですね。
まぁ、下手なりに頑張りますので宜しくお願いします。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 00:56:35 ID:ocGpcpWv<> >>345
乙。
ただ、投下宣言〜開始〜終了の各レス間で時間が空きすぎてるのがよろしくない。
終わりのタイミング掴みにくく、感想レスや他の職人さんの投下等がやりにくくなるからね。
書きながら投下してるのかな?もしそうなら、メモ帳あたりに一回分書き上げてから一気に投下した方がよいかと。
あとできたら、投下宣言時にメインとなるキャラと、作品の方向性、エロの有無あたりは書いてくれるとありがたいです。
まあ何にせよ新しい人歓迎。誰でも最初は下手なんだ。これからもガンガレ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 01:28:08 ID:VGGkmXve<> >>346-327
ダークなネタ好きだけどいじめネタは可哀想になる。
でも笑った。あれはシャナたんですねw
>>341
>なのはさんの場合、普通にSLBぶっ放したほうが復讐の近道な気もするが
SLBやると犯人なのはさんだってバレるじゃんw
>>345
おつおつ!途中規制されたかと思いました。>>346氏が言うように書き上げて
から投稿したほうがいいと思うよ。次回もよろしく。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 01:29:11 ID:VGGkmXve<> >>326-327の間違いすまない。 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:33:43 ID:fngprQOV<>
発掘七日目 二人の怒りは遺跡を揺らす
黒光りする拳が大地へ突き刺さり轟音と共に砂塵を巻き上げる。打ち下ろされた後には抉られた大地が無残に残るだけ。
頼みの鎖も目の前の狂戦士には足止めにすらならない。そうこうしてる内にまた鎖が引きちぎられる。
「くっそ!」
障壁、転送、その他補助魔法。封じられた力はあまりに大きすぎる損失だ。
全身を黒曜石のように鈍く輝かせた巨人は鈍重そうな外見通り身のこなしはそれほど速いものではない。
「うわっ!! こ、こんの!」
粉塵が体を打ち付けていく。
びりびりとした痛みを感じる間などなく巨人の赤い眼はすでにユーノの姿を捕らえている。
繰り出される力任せの薙ぎ。今度は風が容赦なくユーノを吹き飛ばす。
「ぐっ!!」
だからといって逃げているばかりでは駄目だ。すでに劣勢の只中に立たされている今でもユーノには決め手となる力はない。
「バインド!」
これだけで戦えなど死刑宣告を受けていると同じだ。
足を取って転倒させれば。淡い希望も巨人の強力の前に崩れ落ちる。足に巻きついたそれを巨人は無い物のように引きちぎった。
「ユーノくん!」
「なのはは下がってて! 下手に出てきたら危ない!!」
悲痛な叫びを上げるなのはに気を配る余裕もない。
頭上からさらに一撃。すんでの所で横に飛んでかわす。
鼓膜を震わせる爆音。聞き入る暇もなく転がり続けるユーノ。
「ユーノくんっ!!」
そしてただ見ていることしかできないなのは。加勢することさえ叶わない無力さはやりきれない叫びとなるばかり。
無意識の内に足が震えていた。気がついてしまえばあっという間に体中に伝播する。耐え切れず蹲った。
恐怖がそうさせたのならまだ良かった。だが自分の体を蝕んでいるのは純粋に自己嫌悪のみ。
全ての根源は自分だった。この世界は自分の心そのものだった。 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:34:49 ID:fngprQOV<>
「……なんで……?」
未知の世界への旅。もちろん心が躍った。どんな場所に行くのか出発前夜はベッドの中で眠りに落ちるまで何度も自分とユーノの姿をその世界で廻らせた。
数日前にはユーノと一緒に冒険映画を見ていたことも手伝ったのだろう。それはすごくリアルでもしかしたら夢の中の冒険までごっちゃにしているのかもしれない。
二人きりの大冒険。主人公はもちろんユーノ・スクライア。ヒロインは高町なのは。いつしかスクリーンの主役達が自分達と入れ替わった。
でも現実はうまくはいかない。主人公はまず仲間を引き連れた。ヴィータとシャマルがそれ。
この時はユーノの言葉に頷いた。未知に多くの人数をそろえるのは当然のセオリーなのだから。
「全部……わたしが悪いの?」
なんとか気持ちを切り替えて晴天の世界に到着。その時少しだけ考えた。
魔法が使えなくなったらユーノは自分を心配してくれるはず。
願いは現実になった。魔法が本当に使えなくなって埴輪みたいな敵まで出てきた。
活躍したのはヴィータだった。おもしろくないくらいに簡単にみんなやっつけた。だから今度はヴィータの魔法も使えなくなるだろう、なんてことも考えた。
本当にみんな魔法が使えなくなった。
「……違うよ、わたしだけ悪いことなんてない」
ユーノに仲良くするヴィータに妬いた。
忘れたくて困難が沢山降りかかってしまえと思った。
きっとお約束な罠があると思った。
ユーノと談笑しあうシャマルに妬いた。
速くゴールについてしまえばいいと思った。
なにより二人になりたかった。
「……違う違う! わたし悪くない!」
――嘘だ。
だけど自分より、もっとそれ以上に悪いのがいる。
「なのは……? だ、ダメだって!! 下がって!!」
ユーノが何か言ってる気がする。
関係ない。言うことなんか聞くもんか。
「…………だよ」 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:35:47 ID:fngprQOV<>
「えっ!?」
「悪いのはユーノくんだよ」
憑かれたようなうわ言のような呟きはすぐに激情に変わった。
「わたしたち付き合ってるんだよ。何でもっとわたしのこと見てくれないの!?」
心の奥底で蠢いていたマグマが爆発した。
「好きなのにこんなの嫌だよ! 何で二人はダメなの!? 何で手繋いでくれないの!? 何でもっとわたしのこと心配してくれないの!? なんで励ましてくれないの!? なんでなんでなんで――」
涙が溢れた。一体自分は何を言っているのだろう。
それを止められれば止めている。一度蓋を開けてしまった以上もう止める術なんてない。
「なんで変わらないの!!」
なのはの心が木霊した。
結局なのはには全部言ってしまうことしかないのだから。
「なのは……」
ユーノは唖然とした表情でなのはを見つめていた。一瞬の静寂、それは今のユーノにとっては命すら失いかねない大きな隙だった。
「そんな僕は――」
――言い訳は聞きたくない。
代弁をするように黒い拳がユーノの言葉を許さなかった。
鈍い音がした。バリアジャケットが殺しきれなかった衝撃が痛みとなってユーノの背中を打ち据える。
「がぁ……!」
激痛に息が止まる。焦点の定まらない瞳には既に追撃を放とうと拳を引く巨人の姿。
「ぐっ……そっ!」
ほとんど反射で足が動いた。
間一髪、右目に拳を捉えながらギリギリで身をかわす。風圧が嫌というほど感じられる。脳裏には餌食になった自分の姿が生々しく想像できた。
止まらない巨人の攻撃。壁にめり込んだ拳をゆっくりと引き抜くとユーノに向き直り右足を上げる。その一歩は死へのカウントダウンか。
「なの、はぁ……」
突然の豹変はユーノにとって全くの不意打ちであったのは言うまでもない。
それでもそれ以上にユーノの頭の中を占めたのは反感だった。乱れる呼吸を整えることもなくユーノは声を張り上げる。
「いき、なりそんなこと……何もこんな所で言う必要ないじゃないか!!」
命の危機に晒されては温厚なユーノだって怒りを露にする。荒げた声はもちろんなのはに。 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:37:49 ID:fngprQOV<> 「だって言いたかったからしょうがないでしょ!!」
「なっ!? 少しは場所を弁えなきゃダメだろ!」
「だったらもっとわたしを見てよ! ユーノくんのバカッ!!」
ユーノの剣幕に押されるどころか勢いづくなのは。口から飛び出すのは文句と罵声。
「馬鹿はなのはだ! 文句なら後でいくらでも聞いてやる! だけど大事な時ぐらいは分かるだろ!?」
「わかんない! わたしがこの世界のマスターなんだよ! だったら今言うしかないでしょ!」
むちゃくちゃな理屈。ここに来てユーノはなのはがこの世界のカラクリを自覚したことを知った。
それがさらに油を注ぐ。
「わかっているならあのうるさいのを止めろ! ゆっくりと話し合いたい!」
「叶ったお願いは取り消しできない!」
「なんだよそれ!?」
横っ飛びに拳をかわしてチェーンバインド。今度は両足首を一くくりに縛り上げる。
解かせはしない。決意と共に二桁の鎖が幾重にも絡みつき完全に足を固定した。一本がダメなら二本、二本がダメなら三本。塵も積もれば山となる。
ユーノ怒りの一撃はつい巨人の背中を大地へと叩き付ける一撃となった。
「しばらく黙ってろ!!」
はき捨てなのはに向き直る。怒り心頭ここに極まれり。今ならエクセリオンバスターだろうがスターライトブレイカーだろうが耐えてみせる。
「いきなり何かと思ったら。僕はなのはのことそんな邪険にした!?」
「今言ったとおりだよ! ユーノくんなにもわかってないよ!」
「わかってないって…………それはなのはじゃないか!」
「わかってないのはユーノくん!!」
じたばたと可愛げな動きをする巨人を背景にして二人の激論が加速していく。
顔を真っ赤に肩を怒らせ牙でも生えそうな形相。睨み合い、ともすれば取っ組み合いでも始めそうな雰囲気を纏う二人を未だかつて誰が見ただろうか。
こんななのはをフェイトが見たら卒倒すること受けあいだ。目を白黒させながら現実を否定するだろう。
「なのはだ!!」
「ユーノくん!!」
「なのはだって言ってるだろ!」
「ユーノくんなの! わからずや!!」
「わからずやなのはなのはじゃないか! ここに来るまで僕はずっとなのはのことばかり考えてたんだぞ!!」 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:38:20 ID:fngprQOV<>
一歩踏み出たユーノが取った行動はなのはには一番予想してなくて一番してもらいたかったこと。
握られた右手にしっとりとした感触が伝わっていく。いかにユーノが手に汗握っていたことがよく分かる。
「もし繋いでたら僕が転んだ時なのはも巻き込んじゃうだろ。それになのはが転んだらすぐに受け止めて上げられる」
ジャングルや遺跡じゃなかったら繋ぐに決まってるだろ、と最後に付け足す。
「次に僕はなのはのことずっと心配してるし励ましてたつもりだよ。だけど僕だって完璧な人間じゃない。言ってくれなきゃわからないことだってあるよ!」
一瞬ユーノの顔が悲しげに歪む。ユーノから見ればなのはは道中いつもと変わらぬ顔だった。だから声はかけなかった。
「それに一応隊長だし、仲間のこと、ヴィータやシャマルさんのことも知らなきゃいけない」
だから少ない時間の中でユーノは二人の人格を会話の中で探っていた。
驕りかもしれないがなのはのことは理解している。それがなのはから見れば邪険にされたように感じられたのかもしれない。否めない事実だ。
「みんなや、なのはが危ない目に遭わないように考えてるんだ。何か起きてからじゃ遅すぎるんだ。リセットなんて出来ない」
なのはに口を挟む隙はない。真剣な眼差しでユーノの弁論は続いていく。
「多分考えすぎてるんだと思う。なのはみたいに楽しい考え全然してない。これじゃなのはに言われるのもわかる」
唐突にユーノは繋いだ手を解いた。片手と合わせてそれはなのはの小さな肩に。
「だから寂しかったら言って欲しい。自分の中に閉じ込めないで欲しい。それだけじゃない何でも言っていい。溜め込まないで、なのはは笑顔が一番似合うんだから」
ふっと顔から力が抜けた。
ユーノは笑顔を作るために。なのははそのユーノの言葉に。
「……ごめん、なんだか無茶苦茶だよね。カッとなって怒鳴ってごめん」
今までの自分を省みて本当に穴があったら入りたくなった。我が身を持って冷静さを欠いた人間が半ば前後不覚になることを知った。
「…………ううん、やっぱりわたしが悪い。そうだよね……言わなきゃ進まないよね」
恋は決してオートではないのだ。何もしなければ何も進まない。でも多少は進んでいるだろうからきっとセミオート。
「わたしユーノくんに嫌われたくないからいろいろ考えても言えなかった」
今の自分はセミオートどころか恋にブレーキをかけてしまっている。
「僕もなのはが今のままで良いと思って何も言わなかった。勝手な思い込みだ」
「なんだかお互い様だね」
「そうだね……ほんと二人揃ってなにやってるんだか」 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:39:35 ID:fngprQOV<>
これだからエイミィやアリサやすずかにも世話を焼かれるんだろうと今更ながらに思った。
そう思うとすごく滑稽に思えてユーノもなのはも可笑しさを堪えきれない。
二人の笑い声が部屋を包みこみあれだけ険悪だった雰囲気はもう彼方。通り雨のように二人の心にはもう太陽が差し込んでいた。
「……ふぅ、さてそれじゃあ一気に終わらせる」
ひとしきり笑った後で気持ちを再び魔導師へと切り替える。未だ目の前でもがく巨人を見据えユーノはなのはを庇うように一歩前へ踏み出した。
「でも大丈夫なの……?」
さっきであれなのだ。仕切りなおした所で情況が好転するわけがない。そのくらいユーノにだって分かっているはずなのになぜだか背中からものすごい自信を感じる。
「うん、なのはあれはちゃんとあるよね」
「あれ……?」
「どんなに固くて強い相手でもそれなら絶対に勝てる」
それはレイジングハートのことを言っているのか。勝機が掴めそうな武器は自分にはこれしかない。
だが魔法は封印されている。レイジングハートだってデバイスモードにすら起動できないのだ。それをこんな状況でどうやって使うのか。
「言っておくけどレイジングハートじゃないから」
「で、でもそれ以外に武器になるものは」
「あるさ、とびっきりのがね」
武器がなければ作ればいい。あるもの全てかき集めて新たな力を創造するなど容易いこと。サバイバルと要領は一緒だ。
生き残るために。どちらも信念は同じ。
「晴天の書に見せてやる……最後っ屁を」
――冒険はついにクライマックス。 <>
176<>sage<>2006/04/02(日) 01:43:38 ID:fngprQOV<> どうもインジョー一気に7話投下
8話もこの勢いで
しかし本当ちょっと目を離した隙にどんどん投下されて
今回も皆さんGJです、続き楽しみです
では <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 01:48:04 ID:Y+P13GZR<> 乙です
互いに不満を全部ぶつけ合った末の仲直り、いいですね
最後の台詞でそういえばユーノはイタチだったな…と思い出したり <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 02:15:18 ID:QE8xUzXq<> >>356
いえいえユーノは、フェレットですぜ兄貴。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 02:38:02 ID:VGGkmXve<> 「しばらく黙ってろ!!」・・この一声に男を感じた。
ユーノとなのはいい夫婦になると思うよ。
もし、なのはがフェイトだったらどんな言い合いを
したのだろうか・・ <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/04/02(日) 02:43:51 ID:1+XXp8C8<> すいませんちょっとageます <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 03:04:58 ID:C5I+v1GO<> 子どもの名前は何が良いだろう。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 03:05:35 ID:QE8xUzXq<> >358同感
優男が急に男らしい態度をったらかっこいいよね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 07:35:15 ID:8u5B7QQ1<> >>326
うはっwちょっwなんて酷いw
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 15:36:59 ID:ctzQuUjL<> 第四話「ハラオウン宅で宴会なの」前編始まり始まり〜♪
私たちはコンビニでクロノくんとばったり逢ったので、一緒に買い物を済ましてフェイトちゃんの家に向かい今はフェイトちゃんたちが住んでいるマンションの前にいます。
「突然フェイトちゃんのお兄さんと会うなんてびっくりしました」
「本当よね。まさかコンビニでフェイトのお兄さんのクロノさんと会うとは思ってなかったしね」
アリサちゃんとすずかちゃんはそれぞれビックリしていました。
「あぁ本当にビックリだよ。大学が午前中で終わっていてコンビニで買い物をしてるとは思ってなかったよ」
クロノくんも驚いているようでした。
エレベーターに乗って少したって待っていたら、いつの間にかフェイトちゃん達が住んでいる階に来ていました。
現在の時間は夜6時59分だったので自分の携帯で自分家に電話をして「今日はフェイトちゃん家に泊まるから夕飯はいらないよ。ゴメンねお母さん」
母に今日は泊まることと夕飯を一緒に食べられないことを言ったら「それならしかたないわよね。電話してくれてありがとうね。作り過ぎなくて良かったから、気を付けてね。なのは」
それだけを言うと電話が切れてしまった。左右を見るとアリサちゃん、すずかちゃん、はやてちゃんがそれぞれの家に電話をしていた。
現在の時刻は夜7時30分まずはお腹が減ったので夕飯を食べることにしました。
食卓にいるのはなのは、アリサ、すずか、フェイト、はやて、エイミィ、リンディ、クロノの8人です。
夕飯を食べ終えた後は皆でトランプの大貧民と7並べ、ババ抜きをして遊びました。
そろそろ酒を飲みたいと思っていた私は「そろそろお酒を飲まない?」と、話しかけたら、エイミィさんが「なのはちゃんの意見に賛成!」
そう言ったら他の人たちも「「「「「賛成!」」」」」と一斉に言いました。
飲んだのが夜10時のことを記憶していました。
飲み始めた時は皆それぞれの飲み方をしていたのだけれど、一時間後にはエイミィさんが初めに缶ビールを一気飲みしたのを皮切りにアースラスタッフのフェイトちゃん以外の皆が一気飲みを始めました。
「はぁ…また兄さんの悪い癖が始まるよ…」
フェイトちゃんは悲しく項垂れていました。
私とすずかちゃん、アリサちゃん、はやてちゃんは頭の上に?を乗せたまましばらくフェイトちゃんの言った意味を理解することが出来ませんでした。
第四話「ハラオウン宅で宴会なの」前編終了〜次回は第四話「ハラオウン宅で宴会なの」後編をお送りいたします。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/02(日) 16:54:08 ID:MsV7Uc2r<> ユーノに一喝「しばらく黙ってろ!!」言われたらAS女子達はどんな反応するのか。
フェイト、ヴィータ、シグナム、アリサ、意外にしおらしくなる
はやて、すずか、シャマル、エイミィ、200倍がえし
リンデイ・・・・わからない。
>>363
おつ。酒豪がおおそうですね。 <>
sage<><>2006/04/02(日) 22:53:29 ID:pE+nVJA0<> 保守
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 02:06:09 ID:fTvNB9iZ<> 第四話「ハラオウン宅で宴会なの」後編
フェイトちゃんが項垂れていた時ハラオウン宅に転移魔法で来る人がいました。
「あれ?ユーノかな?誰が来るんだろう?」
フェイトちゃんが一速く気づきました。
確かにユーノ君は今ミッドチルダの自宅にいます。
暫らくすると転移魔法の光はなくなり光の中から人が出てきました。
「え?」
フェイトちゃんが驚いた表情をしているのを私たちは見ていました。
だって、光の中から出てきたのは、フェイトちゃんが良く知っている人物でした。
「久しぶりだね。フェイト、十年ぶりかな?」
光のなかから出てきたのは何とアリシア・テスタロッサでした。
「え?なんでアリシアがここにいるの?死んじゃったんじゃなかったの?」
フェイトちゃんが一番驚いて質問しました。
「うん…確かに私はあの時死んじゃったけど、アルハザードで母さんが生き返してくれたの、だからだよ。フェイト」
アリシアちゃんはそう言いました。
お酒をガブ飲みしていたクロノくん、リンディさん、エイミィがその言葉を聞いて一気に酔いが醒めてアリシアに質問しました。
「本当なのか!?プレシアは本当にアルハザードにいったのか!?」
クロノくんが一番聞きたいことを聞いていました。
そしたらアリシアさんは「うん本当だよ」と、言いました。
リンディさんはリンディさんで「アリシアさん私の娘にならない?」なんて言っていました。
取り敢えずエイミィは本局と連絡をしています。
アリサちゃんとすずかちゃんは着いて来ていない様なので後で私が説明をしました。
「私って実はここに住む場所がないから困っているの」
っと言って可愛く舌を少し出しました。
「それなら、ここで一緒に私たちと住まない?フェイトさんもいるしアナタは兄妹はいなかったでしょ?ここならフェイトさんもいるから安心よね?」
リンディさんはやはり娘をもう1人欲しいようです。
私とクロノくんは「「はぁ…」」同時に溜め息を吐きました。
「アリシアさんって呼んでもいい?」
早速すずかちゃんはアリシアちゃんに話していました。
「アリシアで別に良いよ」
そう言うと笑顔で答えました。
「あ!それなら私も私はアリサ・バニングスよ。よろしくねアリシア」
「私は月村すずかって言うのよろしくね。アリシアちゃん」
すずかちゃんとアリサちゃんはアリシアちゃんに挨拶をしました。
「僕は時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。フェイトの義理の兄をしている」
しばらく何か考えていたクロノくんが次に挨拶をしました。
「フェイト?もしかしてここの家に住んでるの?」
クロノくんの挨拶に疑問をもったアリシアちゃんがフェイトちゃんに聞いていました。
「うん…十二年前にジュエルシード事件の後に養子になって今はフェイト・T・ハラオウンになっているんだ」
アリシアの質問にフェイトちゃんは答えました。
「う〜ん、それなら私も養子になる!」
少し考えたアリシアちゃんはそう答えフェイトちゃんの腕を掴みました。
「フェイト〜?うるさくて眠れ…な…い…よ」
フェイトちゃんの部屋で寝ていたアルフさんがダイニングにやってくると段々と声をなくしていきました。
確かに初めに見たらビックリします。
「アルフ?…久しぶりだね」
アリシアちゃんはアルフさんに言葉をかけました。
「ど…どうして…アリシアが?十二年前の事故で死んだはずじゃ…」
案の定アルフさんも現状を把握できなかった様子でフェイトちゃんが説明をしていました。
「な、なるほど…大体の状況はわかったよ。アルハザードで生き返った…ねぇ」
アルフさんは少しは分かってくれたみたいで良かったです。
「まぁ後は私に任せない!それと今は宴会の真最中だったから宴会を再開しましょう」
リンディさんの声でクロノくんんとエイミィさんは現実に戻ってきて「「そうだね!(だ!)」と叫びました。
アリシアちゃんは頭に?を乗っけていました。
以外に時間は過ぎていたらしく現在の時刻は深夜2時だったのを記憶しておく
第四話「ハラオウン宅で宴会なの」後編を終了〜♪
次回は第四.五話「ミンナして二日酔いなの」をお送りします。 <>
37564<>sage<>2006/04/03(月) 03:25:26 ID:aq6pjC8N<> 346氏さん、アドバイスありがとうございます。
主にメインとなるキャラは、A,sに出たキャラですね。
時間的には闇の書事件が解決して1、2年後辺りではやては自力で歩行できるようになってます。
作品は一応シリアスにしようと思ってます。
エロはありません。っと言うか技術が無いので書けません(泣。それから私は英語とかドイツ語はチンプンカンプンなので全て日本語にしますのであしからず。
それでは第1話、投下します。 <>
37564<>sage<>2006/04/03(月) 03:28:18 ID:aq6pjC8N<> すいません、失敗しました。
後日改めて投下します。 <>
jewel<>sage<>2006/04/03(月) 05:02:06 ID:BoB0A7ak<> 『Against justice』の続きを投下させていただきます。
前に書き上げたのですが、随分と稚拙な内容に終始してしまったので、
結局全部書き直しました。とはいえ、私のレベルじゃこんなモンですが(苦笑)↓ <>
jewel<>sage<>2006/04/03(月) 05:03:34 ID:BoB0A7ak<>
【]】
ドアの前、立ち止まること数秒。
話すべき言葉はおろか、自分の考えすらまとまらぬままに、クロノはドアをノックした。
「エイミィ、僕だ…ちょっと、いいか」
「クロノ君? どーぞぉ」
いやにあっさりと迎えられると、既にエイミィが複数の画面を見ながら、キーボード
を操作していた。
クロノは部屋の中央で立ち止まると、背中越しに彼女へと話しかける。
「…本当に、やるつもりなんだね」
「トーゼンでしょ。何いってるのさ、今更ぁ」
返ってくるエイミィの声は明るい。いつも通りに。
…だが、今は既に『日常』ではない。
「そーだ、昨日の夜はゴメンね? 確かにあたし、執務官補佐として、ちょっと自覚が
足りなかったかも。いやはや、反省してます」
「いや、僕の方こそ…言い過ぎた。すまない…」
違う。そんなこと、今はどうだっていいのに。
「…クロノ君も、早く降りた方がいいよ。今回は、あたしが何とかするからさ」
普段と同じであること自体、不自然に相違ないのに。
「エイミィ…」
「そんな、深刻な声出さないでよ…だーいじょうぶよ、あたしなら」
どんなに、声が明るくても。凛とした姿勢をとっていても。
―君は、一度も僕の方に顔を向けてくれないじゃないか。
「…相手は、ものの10分で管理局のシステムをダウンさせる程の能力の持ち主だぞ。
いくら艦のシステムを熟知している君でも、今回は余りに分が悪い…それどころか、
可能性は限りなくニアリーイコールゼロだ。君にだって、それくらい…!」
「うん。…分かってるよ、勿論」
先程までとは違う、落ち着いた響きだった。
「でも…やらなきゃいけないの。それがあたし達、アースラチームのやり方。違う?」
「だけどっ…」
「昨日のことがあるから、偉そうなコト、言えた義理じゃないんだけどさ…
たまには信じて、あたしのことも」
止めようとして、ここに来たわけ訳じゃない。
何でもいい、どんな些細なことでもいいから、彼女の力になりたかった。
それでも、目の前にいる彼女は…自分よりずっと大人で。
何も出来ず、何も言えず、ただ立ち尽くすだけの自分が、情けない。
部屋の中には、エイミィが作業をする音だけが響く。
ところが…しばらくすると、クロノはあることに気がついた。
それは、普段はほとんど聴くことのない、奇妙な『音』。
エイミィのパソコンから度々聞こえてくる…エラー音だった。
<>
jewel :【Against justice】<>sage<>2006/04/03(月) 05:04:47 ID:BoB0A7ak<>
【]T】
その無機質な音は、彼らの気まずさを象徴するかのように、無言の二人の間に響いた。
いつしか、繰り返されるその音の周期が短くなっていき…
ついに、エイミィの手が止まった。
「…あはは…クロノ君、やっぱりあたし…ちょっと、ダメかも」
俯き、それでもやはり振り返ることなく、エイミィが呟いた。
エイミィ、とクロノが呼びかけようとする前に、彼女が言葉を続ける。
「落ち着けって言い聞かせてるんだけど…さっきから、なんか頭の中、メチャクチャに
なっちゃって。手なんか震えちゃったりなんかして、タイプミスばっかりだし…
もー、何とも情けない限りですよ」
平静を装う口調は、震える声色と重なって、クロノの胸へと直接届いた。
「…神様も、随分とイジワルだよね…。あたしなんかの手に、世界の命運みたいなのを
預けちゃうなんて。なのはちゃんとかフェイトちゃんは凄いよ、あんなに小さいのに。
闇の書の時だって、失敗したら大変な事になってたのに、自分達の力を信じて、
全力でそれを乗り越えた。それに比べて、あたしは…
ホント、クロノ君の言った通りだね。全然、自覚が足りなかったよ…」
いつしか、エイミィの声には、小さな嗚咽のようなものが混じっていた。
「エイミィ…」
いつもよりずっと小さく見える彼女の背中に、クロノは恐る恐る手を添える。
―『思いを言葉で伝える事』―
いくつかの事件を通じ、なのは達がその大切さを教えてくれた。
途方もない重圧に、押しつぶされそうになっているエイミィに。
それでも、必死になって困難に向き合おうとしているエイミィに。
今こそ、僕がそれをやらなきゃいけないんだ。
クロノは、意を決して口を開く。
「…僕は…その………お礼を、言いに来たんだ」
「…お礼?」
初めて、エイミィがクロノに振り返った。目からは…涙が溢れている。
「気付いてたと思うけど、今の状況は…父さんの時に、よく似てる」
「うん…」
「小さい頃…あの事件のことを理解できるようになって…思ったんだ。
その、提督や、リーゼ達を恨むような感情は全くなかったけど…
『他に何か、何か方法があったんじゃないか』って…」
「クロノ君…」
「それが今、僕が同じような立場に…管理局の仲間を、撃たなきゃいけなくなって…
でも、君がいてくれたから…僕は他の方法を、選ぶことができる。
いや、今だけじゃないか。小さい頃から、僕は人付き合いがあんまり上手い方じゃ
ないのに、君はいつも、僕に明るく接してくれた。卒業して、執務官になってからも、
本当に、君には世話になりっぱなしなんだ。
だから、その………本当に、ありがとう…エイミィ」
こく、と小さく頭を下げる。自分の言葉が、何だか支離滅裂に感じ、恥ずかしかった。
数秒、沈黙が流れた後。
「クロノ君…!」
クロノの胸に…エイミィが抱きついた。
<>
jewel :【Against justice】<>sage<>2006/04/03(月) 05:11:35 ID:BoB0A7ak<>
【]U】
時間にして、3分ほど経っただろうか。
クロノの胸に顔をうずめ、泣いていたエイミィが、少しだけ顔を離した。
椅子に座ったまま、彼女はクロノの体に腕を回している。
クロノは身動きもとれず、エイミィが落ち着くのを待っていた。
「…大丈夫?」
「…うん。ありがと」
横向きにして、エイミィがトン、とクロノの胸に顔を添える。
「な、何か僕に手伝える事があれば、言ってくれないか…? その、なんでもいいから」
エイミィのその仕草に少しだけドキッとしながらも、クロノは言った。
「うーん、そーだなぁ…」
ぼうっとした様子で、壁の方を見ていたエイミィは、
「…休暇がほしい」と小さく呟いた。
「うん、 必ず申請するから」
「クロノ君も一緒だからね」
「? まぁいい、分かったよ」
「…あと、お気に入りのブランドが夏新のトートバッグ出したの。それが欲しい」
「う、うん、分かった…というかエイミィ、僕が言ってるのはそーゆーコトじゃなくて…」
「それとね…」
エイミィが再びクロノの胸から顔を離すと、今度は彼を見つめながら言った。
「『愛してる』って、言ってほしい…」
<>
jewel :【Against justice】<>sage<>2006/04/03(月) 05:12:28 ID:BoB0A7ak<>
【]V】
「…」
「…」
「………は!?」
クロノ執務官、彼女の言葉を咀嚼、認識するまでに要した時間、約3秒。
対して発したその一文字は、図らずも声色が変化した。
「あたしね、こう見えても結構モテるんだよ? 士官学校の頃とか、何回か男の子に
告白されたコトだってあるんだから」
「そ、それが一体…」
戸惑うクロノに、エイミィは抱きついたままお構いなしといった様子で続ける。
「…でもね、『愛してる』って言われたことって、一回もないの。あたしだって
女の子だし、一回くらい、真剣な顔で『愛してる』って言われてみたいんだ…」
「…マジか」
「マジ。今、『何でもする』って言ったばっかでしょーが」
「いや、だからそーゆー意味で言ったわけじゃ」
「………嫌?」
エイミィが上目づかいでクロノを見つめた。
クロノの心臓が、異常な速度で鼓動を打つ。
「…ぁ、ぁぃしてる…」
「ちゃんと目ぇ見て言ってよ。男らしくないな」
顔を紅潮させ、それでも何とか搾り出した一言は、あっさりと却下された。
再度、クロノは覚悟を決め、今度はエイミィの瞳を見ながら、
「愛してる」
ゆっくりとそう言った。
僅かな時間見つめ合った後、エイミィが先に視線を落とした。
少しだけ、頬を震わせている…が、その様子はどこかおかしい。
「…ぷ、くくく…」
「エイミィ……まさか…」
クロノが訝しげに尋ねると、エイミィはクロノに回していた腕をほどき、笑い始めた。
「あはは、ゴメン! だぁって、ホントに言うと思わなかったからぁ」
「き、君ってヤツは…!」
頬を紅くしたままのクロノだが、恥ずかしさのあまりろくな言葉が出てこない。
エイミィは椅子から立ち上がると、軽快な足取りでドアの方へと向かう。
「お、おい、どこ行くんだよ?」
「顔洗ってくるだけだよ。泣き過ぎちゃったし、さっぱりしてから取り掛かりたいの」
「まったく…本当に大丈夫なんだろうな?」
はぁ…とクロノは肩を落とした。
「だーいじょうぶ。ちゃんと切り替えたし、全力で頑張りますよ」
部屋を出て行くエイミィ。ドアが閉まる直前、彼女は笑顔で言った。
「負けられないよ、うん。何年か後に、もう一回言ってもらわなきゃいけないんだから」
<>
jewel<>sage<>2006/04/03(月) 05:18:25 ID:BoB0A7ak<> こんな感じになりました。多分次で『Against justice』は完結できると思います。
前回はシグナムをメインに書いたので、今回はエイミィを主役に!と
頑張ってみましたが…何とも難しいです。
エイミィの女の子としての部分を自分なりにイメージしてみました。
最後に他の職人の方々、楽しみに読ませてもらってます!
色々と参考にもさせてもらってます(←最悪)! <>
YUKI<>sage<>2006/04/03(月) 08:37:17 ID:ULI7uC/R<> さすが週末、みんな凄いな
>>326氏
地獄少女inなのは!? ちょっと怖いっす!
>>640氏
くはぁ・・・相変わらず人物描写が上手いですね。
はやてが良い仕事してますねぇ。
>>37564氏
ダークですなぁ。
今後の展開が気になります
>>176氏
ユーノがカッコいい!!!!男を魅せますな!
>>363氏
アリシアがここで来るとは思わなかった!
この飲み会に参加したいよワシは。
>>jewel氏
エイミィの心理が良く出てますね!
マジ可愛いです!
クロノォ!男を見せろ!
いやはや、みんなGJ!! <>
バルタン<>sage<>2006/04/03(月) 15:18:08 ID:/b4yyvEn<> 「あれ、人の声?」
リインフォースの調整が終わり、受け取りに来た八神はやては誰もいないはずの
部屋から人の声がしてふと立ち止まった。
「たしかここはフレーム整備中のバルディッシュがおる部屋やけど・・・。」
はやてはそっと部屋の中を覗き込んだ。
『あー・・ゴホン。ヘイ、ハニー!!愛しのレイジングハートよ。
俺と一緒にお茶しないかい?』
いつも『yes sir』としか喋らないバルディッシュがベラベラの日本語で
口説きの練習に励んでいた。
「キャア!!」
バタン!!
はやては躓いてそのまま部屋の中へと転がり込んだ。
『ゲッ!!』
「あー・・・いや・・・そのーー・・・」
気まずい雰囲気をお互いに醸し出しながら見つめあうはやてとバルディッシュ。
「な、何も見てない、ウチは何も見てないよ(焦)!!」
『・・・yes sir。』
(マイスターはやてGJ!!です。当分ネタには困らないです。)
手に持った本にペンを走らせニヤと笑うリインフォースがおったそうな。
〜おしまい〜
<>
士郎's view<>sage<>2006/04/03(月) 17:13:15 ID:DmWFVE34<> ■SS03後の士郎主観。■
==============================
うちの娘が魔法使いだった、そしてペットだと思っていたイタチが男の子だった。
ただ、だからと言ってどうという事は無い、魔法や人外ぐらい、いつもの事だ。
桃子「あらー、うちはいいのよ、いつまでも宜しくね」
と、桃子も言ってるし、俺もわざわざ付き合いを無くす気は無い。
ただ………
士郎「なぁ桃子、男の子と女の子が一緒のお風呂に入るのはおかしくないか?」
桃子「やだもー、あなたったらー、10歳よ10歳、何するってのよ」
士郎「ま、まぁそうだな……」
そうだ、何を考えてるんだ、相手はまだまだ子供なんだ。
だから別に気になんかしなくても……。
なのは「う〜ん、ユーノ君それ気持ちー」
ユーノ「そう? じゃぁここは?」
なのは「あふっ、あ、いいかも〜」
士郎「………」
お風呂から廊下に漏れる声。なに、これだって、何気ない子供同士の会話さ。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 17:14:36 ID:DmWFVE34<> 士郎「しかしなぁ、泊めるのはどうなんだろう……」
桃子「どうなんだろうって、もー、いままでもそうだったでしょ?」
士郎「だ、だからと言って、女の子の部屋にその、男の子をだな」
桃子「大丈夫、なのはだって好きな男の子と一緒に居られれば嬉しいわよ」
士郎「す、好きだと!? お前それ知ってて!?」
桃子「いやだもー、あなたと恭也ぐらいよ、分かってないの」
士郎「う、うぬぬ……」
いや、確かに恋人的な雰囲気はあったのは確かだ。
大丈夫大丈夫、なのはにだっていつか来る事ぐらい覚悟している。
それに相手だって、聞けばかなりの学を持っていて、もう既に良い職場もあるそうじゃないか、
将来有望、なのはにとって、悪い相手じゃない。
しかし、しかしだな……
士郎「なぁ……、なんだかなのはの部屋、ドタドタしてないか?」
桃子「子供ってそういうもんよ、ついつい暴れちゃうんだから」
士郎「確かにそうだが……、もう寝る時間だろう」
桃子「そんなちょっとぐらい夜更かししても、ほら、収まった」
士郎「……あ、あぁ」
そして、俺達も眠りに付く夜……
士郎「なぁ、またなんだがドタドタしてないか?」
桃子「この家も、建ててからもう大分経つわねぇ〜、古いし、今日も風が強いし」
士郎「あ、あぁ……、だがなんだか、やけに等間隔というか、ベッドがきしむ音というか……」
桃子「やっ! ちょっとあなた子供達で何考えてるのよ! やだもー!」
士郎「痛っ! いや! あっ! す、すまん! そ、そうだな、俺がおかしかった!」
そうさ、この音は風で家のきしむ音、きしむ音、何も考えるな、この古い家が悪いんだ。 <>
37564<>sage<>2006/04/03(月) 17:15:42 ID:aq6pjC8N<> 魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
第1話「日常の終わり」
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン……
「う〜〜〜〜〜ん、終った終った♪」
そう言ってアリサは椅子を背に背伸びをした。
「今日は、お弁当は何処で食べる?」
「やっぱり屋上にしようよ」
「そやな、屋上はお日さんがポカポカしてるしな」
すずかがお昼を何処で食べるか聞くとなのはが学校の屋上を提案しはやてもそれに賛同した。
「……結局何時もと同じね」
アリサがそうぼやきながらも反対はしなかった。
「それじゃ行こうか」
フェイトがそう言って席を立った。
すると、
『フェイトちゃん!聞こえる?フェイトちゃん!』
『え、エイミィ?如何したの?』
突然フェイトにエイミィの念話が聞こえた。
『良かった。フェイトちゃん一大事なんだよ〜』
エイミィは今にも泣き出しそうな声でフェイトに喋った。
『分かったから、何があったか教えて』
『…実は…』
エイミィが説明するには、ある場所で突然妙な魔力反応を感知し、
調査の為、局員を向かわせたが通信が繋がらなくなり誰からも応答が無くなってしまい、
困った事にリンディ提督とクロノ執務官は本局の呼び出しを受け留守で執務官候補生のフェイトに白羽の矢が立った。とも事だった。
『そう、義兄さんも義母さんも居ないの』
『そうなんだよ。お願いフェイトちゃん』
『分かった場所を教えて』
『良かった。アルフにはあたしから連絡しとくから途中で合流して…』 <>
37564<>sage<>2006/04/03(月) 17:16:18 ID:aq6pjC8N<> フェイトは場所を聞くと念話を切った。
「…ごめん皆、私ちょっと行ってくる」
フェイトはお昼一緒に出来ない事をなのは達に告げた。
「またなの?しょうがないわね。先生には適当に誤魔化しとくわよ」
「フェイトちゃん、私も行こうか?」
「なんならウチも…」
「ありがとう。なのは、はやて、でも大丈夫だよ。途中でアルフと合流するし、」
なのはとはやての申し出をやんわりと断りフェイトは教室から出て行った。
「…それで今回は如何する?」
「前は頭痛で早退したよね」
「その前は腹痛だったわね」
「…こんなん如何やろ。兄のクロノ君がシャックリで緊急入院したとか…」
「ん〜〜、それより持病の水虫が悪化とかは如何?」
「二人とも真面目に考えようよ〜〜」
アリサとはやてが冗談でそう言うとなのはが頬を膨らませそう言った。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 17:16:52 ID:DmWFVE34<> 次の朝……
桃子「あら、珍しいわねなのはが起きてこないだなんて、学校はじまっちゃうわ」
士郎「………」
桃子「夜更かししてたからねぇ〜、起こしてこないと」
士郎「お、俺も行く!」
桃子「何、どうしたのあなた、何も起こしに行くのにあなたまで来なくていいのに」
士郎「気にするな!」
桃子「……もう、なのは? 起きなさーい、朝よー? 入るわよー」
なのは「………う、うぅん」
桃子「ほーら、ユーノ君もなのは起こしてあげて」
ユーノ「あ、はい……、分かりました」
士郎「ちょ、ちょっと待て! どうして一緒のベッドで寝てるんだ!」
桃子「どうしてって、あなた家族に床で寝ろっていうの? 酷すぎるわそんなの」
士郎「いや! お、男と女だぞ!」
ユーノ「よいしょっと……、ほら、なのは起きて……」
士郎「………!! は、裸!? なのはまで!?」
桃子「昨日はちょっと、春にしては暑かったわよねぇ」
士郎「い、いや! だ、だ、だからといって!!」
なのは「うん……、あ、ちょっとユーノ君、そこのティッシュ取って」
ユーノ「うん、はい、これ」
なのは「昨日はちょっと疲れてすぐ寝ちゃったから……」
士郎「ちょ、ちょっとどこ拭いてるんだ! 布団の中で!! だいたい疲れたってなんだ!?」
桃子「あらあら、仲の良い事、うふふ」
士郎「も、桃子ォォォオオーーーー!!??」
そして、おかしいと思っても桃子や美由希、なのはによる、ユーノ支持派の権力が強大なので、
そのうち俺は、考えるのをやめた。 <>
37564<>sage<>2006/04/03(月) 17:17:19 ID:aq6pjC8N<> 取り合えず第1話終了。
第2話はフェイトが入院っと言うかたちで、
それから被ってしまい申し訳ありませんでした。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 18:11:30 ID:Kee7eqbD<> >>377
GJ!士郎さんマジ不憫。
ていうか士郎さんの反応が一番正常だと思うんだ、いや思いたい… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 18:31:05 ID:g+EBgPJc<> >>377
GJ〜
何かオチがあるのかと思ったら直球だったw
そういやここエロパロだったな、最近忘れがちだ〜
しかし、上も下も恋人持ちで美由希立場ないなぁ… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 19:24:18 ID:WSNheesB<> >>384
そこでクロノを投下だ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 21:16:38 ID:fTvNB9iZ<> 続きを投稿です!
第四.五話「ミンナして二日酔いなの」
昨日の深夜にアリシアが来て朝方まで皆お酒を飲んでいました。
もちろんアリシアちゃんも私たちと同じ年齢だったのでお酒を飲んでくれました。
現在の時刻は正午12時ちょうどです。
一番最初に目を覚ましたのは私、高町なのはです。
まだ寝ぼけているらしくて私が今いる状況についていけないのです。
(あれ?なんだろう寒いな何か…)
私はそこまで頭で考えると一気に酔いが醒めてきました。
そうです。私は洋服を来ていない下着姿でハラオウン家の床で寝ていました。
その右には私と同じ下着姿のフェイトちゃん、左にはアリシアちゃんが寝ていました。
そこまでは驚くほどではないのですけど、私の上にはクロノくんが眠っていました。
そんな状況で私は大声で叫びました。
「えぇぇぇぇぇ!な何でクロノくんが私の上で寝ているのぉぉぉぉ!」
私が叫ぶと頭の奥がガンガンと鳴っているのに気が付きました。
私が大声で叫んだら、右のフェイトちゃんと左のアリシアちゃんが目を覚ましました。
そこまでは良かったのですけど同じく二人して驚いた声を上げた途端にアリサちゃん、すずかちゃん、エイミィさん、リンディさん、はやてちゃんが起きていました。
「うぅんどうしたんだ?なのは…」
そう言うとクロノくんが赤面しながら勢いよく飛び起きました。
「ク〜ロ〜ノ〜く〜ん〜どうしてなのはちゃんの上で裸になって一緒に寝ているの!」
エイミィさんは怒りながら、リンディさんとすずかちゃんは顔面蒼白になりながら、アリサちゃん、フェイトちゃん、アリシアちゃんと私は赤面しながら事の成り行きを見ていました。
「ご誤解だ〜〜〜〜!」
お昼のハラオウン家では長男のクロノくんの叫び声が木霊しました。
第五話「大学に行くアリシアちゃんなの」を書きます。
次回の題名にドライヴイグニッション! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 22:25:56 ID:czvAFs+L<> 親兄妹、高町家はギシギシアンアン。美由希かわいそう。
>>386
クロノくんのオイシイ役に嫉妬w <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/03(月) 22:33:17 ID:WSNheesB<> 性格が黒いユーノの小説が見たいけどだれかかいてくれんかねえ? <>
YUKI 罠?続編<>sage<>2006/04/03(月) 23:41:26 ID:ULI7uC/R<> 今晩わ。YUKI1で御座います。
皆様GJ!
いやぁ・・・素晴らしいですな!
さてさて、前回「罠?」と言う作品を投下したんですが、その続編を書きました。
自分の中ではお気に入りの作品だったんで、どうしても書きたくて・・・。
とりあえず投下します
クロノ*はやて*ヴィータで、エロなしです。 <>
YUKI 罠?続編1<>sage<>2006/04/03(月) 23:42:09 ID:ULI7uC/R<> ――――――「あつ・・・・」
アースラ艦内の廊下に響く、文字通り間の抜けた言葉
「お、おは・よう・・・・・・」
「・・・・おう・・」
返事を返した人物がすり抜けていく
「あっ、ヴィ、ヴィータ・・・・・」
名前を呼ばれたその人物は、そのまま聞こえなかったかのように行ってしまった
「はぁ・・・・・・どうすれば良いんだ・・・・・・」
ほとんど無視された状態で廊下に取り残された1人の少年クロノ・ハラオウン
とある事情から、今無視された少女と身体の関係を持ってしまった
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
―――――――――スパーーーーンッ!!!!!――――――――
掛け声と共に乾いた小気味良い音が響き、クロノの後頭部に巨大ハリセンがHIT!!!
「ぐわっ!」
「クロノ君!なんやのん今のは!?」
「は、はやて・・・・い、いきなり何するんだ!?」
「どうもこうもあらへん!今のヴィータとのやりとりは何やの!!」
「ど、どうって・・・・・無視されたのは僕なんだが・・・・」
頭をさすりながら寂しげに答える
「そこやない!!挨拶のところや!」
「挨拶・・・?あ、あれはヴィータの方がきちんと返してくれなかったじゃないか。」
「あ〜もう!!! だから、あの挨拶の仕方や!「「お、おはよう」」なんて、こんな味気ない挨拶されて誰が喜ぶかいな?!」
「い、いや、それは・・・」
「男だったら、もっとしっかりリードしてあげな!クロノ君、あの日以来おかしいで!」
あの日・・・・
なりゆきとはいえクロノはヴィータとここに居るはやてと身体の関係を(ほぼ強引に)
持った
クロノにしてみれば初めてを奪われたことになるのだが、どんな理由があろうと自分がヴ
ィータを傷つけたと思っている
「お、おかしいって・・・そりゃあんなことがあれば誰だって接し方に困るだろ!!」
思わず大きな声が出る
「接し方に困るって・・・・普通に接すればええんよ!普通に!!」
「それが出来ないから困ってるんだ!!そもそもキミがあんな無茶苦茶なことをしなければこんなことにはならなかっただろ!!!」
それを言われればグゥの音も出ない
間違った情報元から導きだした一つの解答
『喧嘩した男女が仲良くするには肌を重ねること』
はやてが、ヴィータとクロノを仲直りさせる為に利用された情報誌の一文
<>
YUKI 罠?続編2<>sage<>2006/04/03(月) 23:42:55 ID:ULI7uC/R<>
後から、確かにあれは少し違うかもしれないと少々反省もした
「せ、せやけど!うちらがそういう事してしもたことには変わりないんやから、ここはクロノ君が年上の余裕を見せなあかんとこやで!!」
「と、年上って・・・・僕だってまだ14歳なんだよ・・・」
はぁ・・・っと息を吐き出し、はやては気持ちを落ち着かせる
「とにかく、なんとかせなあかんな。うちも協力するから、クロノ君も宜しくたのむで」
「あ、あぁ」
「あの娘の気持ち、わかったってや」
消え入りそうな最後の一言はクロノに聞こえたかはわからない、ただはやてのせつなる願
いだった
ブリッジで残務処理に追われながらもクロノは考えていた
僕はどうするべきか?
ヴィータに何を言えばいいのか?
そもそも僕に何の責任が?
何を考えても堂々巡りで結論に至らない
そもそも、はやては何故普通で居られるんだ?
はやては気にしてないんだろうか・・・
はやてにとって僕は何でもない存在なんだろうか・・・?
「・・ノ君・・・・ロノ君・・・・・クロノ君・・・・・・・クロノ君!!!」
ハッとなりエイミィの声に気付く
「大丈夫?・・・・・クロノ君?」
エイミィが差し出すコーヒーカップを受け取る
「え、エイミィ・・・・す、すまない。ボーッとしていたようだ・・」
「もう・・・・・・大丈夫?なんか思いつめてる様だったけど・・・・・」
「あぁ。問題無い・・・・すまなかったね」
コーヒーを一口すする
「・・・・・・ヴィータ・・ちゃんのこと・・・・かな・・・?」
思いがけずエイミィから図星をつかれ、目線を泳がす
クロノ表情を読み取りエイミィも顔を伏せる
――――――長い沈黙―――――
多分数十秒程度の沈黙だった・・・・・
しかし、二人にはそれが永遠のように感じられた
<>
YUKI 罠?続編3<>sage<>2006/04/03(月) 23:43:35 ID:ULI7uC/R<>
「ごめん・・・・・私が口を挟むことじゃ無かったね・・・・」
「い・・・いや・・・そんなことは・・・ない・・・」
「ねぇ、聞いても良い・・?」
「うん・・・・。」
「・・はやてちゃんとヴィータちゃんのこと・・・・・どう、思ってる・・・のかな?」
「・・・・・・・わからない・・・・僕は・・・・」
「このままじゃ駄目だよね・・・・」
「あぁ、僕は二人にはっきりと伝えないといけない事がある。ただ・・・それがわからないんだ・・・」
「伝えなきゃいけないこと?」
「うん。どのような理由があろうと、僕が二人をだ・・だ・・抱い・・・たことは事実だ。」
「・・・・・う・・・うん。」
「普通、そういうのはお互いが求め合い、お互いの同意があって初めて成り立つものだと僕は思っている。しかし、僕は自分の欲望を抑えきれずに、二人を抱いた。」
「責任を取るどうこうの前に、僕が二人をどう思ってるのかをきちんと二人に伝えなきゃいけないんだと思う。」
今まで考えていたことを一つ一つ確認するようにクロノは話した
途中エイミィの表情を見ることが辛いこともあったが、包み隠さずに今の自分をさらけだ
した
「正直、今の僕は二人に対して何の言葉もかけられない・・・・答えを出さないと、そんな資格も無いんだ。」
「答え・・・・・・」
「あぁ。僕が二人に対して持っている気持ちは、恋愛感情では無いと思っていた。
でも、あの後からはどこか違う・・・・そう・・・・・違うんだ・・・・」
「その気持ちって・・・・はやてちゃんに対して?・・・・・・」
「多分・・・・・違う・・・・・・」
「・・・・・・・・そう・・・・」
<>
YUKI 罠?続編4<>sage<>2006/04/03(月) 23:44:19 ID:ULI7uC/R<>
お互い気まずい雰囲気だった
ただ、クロノはエイミィに感謝した
いつもそばに居てくれる人
いつも支えてくれる人
いつもと同じ笑顔を見せてくれる人
辛い時、いつも見守ってくれた人
ただ、純粋に自分を想ってくれる人
エイミィの想いに答えることは自分には出来ない
でも、エイミィへの感謝の気持ちだけは伝えたい
「エイミィ・・・・ありがとう・・・・」
「・・・・うん。・・・・」
―――――はやての部屋―――――
ベッドに居る二つの影
「ヴィータ、眠れない?」
「・・・うん」
お互い布団に入ったのが30分前
ヴィータはそれからずっと寝返りをうっていた
「悩み事あるん?」
「・・・わかんない」
「ねぇ、ヴィータ・・・・この前のこと、怒っとる?」
「・・・この前・・・?」
「うん。なんかむりやりにヴィータにクロノ君とあんな事させてもうた事」
「お、怒ってない・・・」
「そう・・・・・・うちな、クロノ君のこと好きや」
「・・・う、うん・・・」
「でもな、ヴィータはどう想っとる?」
「あたし?」
「うん。クロノ君はうちのことは何も思ってないと思う。 でも、ヴィータに対してはちと違うと思う。」
「クロノ君はあの後もうちと今までと同じ様に接しとるけど、ヴィータに対してはどこか違う。」
「・・・・・・・」
「まだ、クロノ君も自分の気持ちに気付いとらんようやけど・・・」
「あたしは・・・・はやての守護騎士だから・・・・・そういうのは・・・・」
「ヴィータ・・・・そんなもんは関係あらへんのよ。ヴィータは守護騎士の前に、1人の女の子なんやから。」
「女の子・・・・あたしが・・・・?」
「そう。うちはヴィータのことが大好きや。もちろん、シグナムもシャマルもザフィーラも。だから、ヴィータには、みんなには幸せになって欲しい。」
「ヴィータの気持ちを聞かせてや。クロノ君のことどう思ってるか。」
「・・・・・・・・わかんない・・・・でも、クロノの顔見るとなんかドキドキする・・・」
「そう・・・・・・・それなら大丈夫や・・・きっと・・・・」
「なぁ、これっておかしいのかな?あたし、おかしくなっちゃったのかな?」
「ううん・・・・おかしくない・・・人として当然のことやから・・・。安心してな・・・。」
ギュッとはやての腕に抱きしめられる
暖かくて、心地良い
「うん・・・・。」
<>
YUKI 罠?続編5<>sage<>2006/04/03(月) 23:45:34 ID:ULI7uC/R<> 翌日
「―――――うん・・・解った・・・今から行くよ」
朝に舞い込んできた一本の電話
朝8時に公園に・・・・
消え入りそうなヴィータの声
行かなければならない
自分にケジメをつけるために
自分の答えを伝えるために
大切な人に想いを伝えるために
7時55分
約束の場所に彼女は居た
「おはよう、ヴィータ」
「お、おはよう・・」
「く、クロノ・・・その・・・え、と・・・・あ、あたし、な・・その・・」
茂みで見守るはやてに目で助けを訴えるが、はやては微笑みを返すだけ
クロノはそんなヴィータの挙動にどこか愛らしさを感じていた
伝えなきゃ
僕の気持ちを
(「クロノ君が年上の余裕を見せなあかんとこやで!!」)
はやてに言われた一言を思い出しながらクロノは自分の決意を伝える
「ヴィータ、僕はキミに伝えたいことがあるんだ。」
「・・・・えっ?」
「ヴィータ・・・・僕は、キミが好きだ・・・・」
「・・・・・・」
クロノの瞳に吸い込まれ、ヴィータの鼓動が高鳴る
「・・あんなことがあってから、自分の気持ちに気付くなんておかしいかも知れない、でも、僕は自分の気持ちには嘘をつけない。」
「・・・・・・」
「いい加減なやつと想うかもしれない、でも、これが僕の正直な答えなんだ。」
「あ・・・あた・・・し・・」
クロノの顔が歪む
瞳にたまった雫が視界を歪ませる
「・・・」
「あた・・し・・・の・・・答えも・・聞いてくれよ・・・」
「・・あぁ。」
「あた・・・しも・・・クロノ・・・のこと・・・キライじゃ・・・無い・・」
ヴィータにしてみれば精一杯の告白
不器用な、それでも自分の正直な想い
「あぁ。ありがとう・・・・・」
愛すべき存在
大事な存在
ありのままで受け入れてくれる人
言葉にならない想い
伝えきれない思いを込め、力一杯に抱きしめる
「クロノ、温かいな・・・・」
「ヴィータ・・・」
<>
YUKI 罠?続編6<>sage<>2006/04/03(月) 23:46:11 ID:ULI7uC/R<>
遠くから二人を見守る二つの影
「良かったな・・・ヴィータ・・・幸せになってや・・・・」
「アレで良かったの?はやてちゃん・・・?」
「うん。うちはヴィータとクロノ君のことが大好きやから・・・二人が幸せになってくれるんなら、これが一番ええ。」
「ふぅ・・・そういうセリフは、泣きそうな顔で言うもんじゃないんだよ・・・この、お・ま・せ・さん。」
「うん・・・そやね・・・エイミィさん・・・」
「今日は二人で美味しいもの食べに行こうか。フられた者同士で・・・・。」
「ええなぁ。行こか。・・・もちろんエイミィさんの奢りやろ?」
「え!?・・・・・・も、勿論よ!ここはお姉さんに甘えなさい!(冷や汗)」
「楽しみやなぁ・・・」
「うん・・・・・楽しみだね」
fin
<>
YUKI 罠?続編 考察<>sage<>2006/04/03(月) 23:49:35 ID:ULI7uC/R<> 以上で御座います。
最後のまとめ方に迷いましたが、シンプル is bestで・・・。
はやてとヴィータのどっちにしようか迷いましたが、自分の中で少し新しいカップリングに挑戦しました。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/04(火) 00:15:22 ID:sAreh802<> >>176氏
クライマックスwktk
>>jewel氏
上手すぎ。そのクオリティで是非エロを(ry
>>377氏
まともなパパワロスw
>>YUKI氏
意外なカップリングGJ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/04(火) 12:28:29 ID:In98Pv/W<> >>396氏GJ!
アリサテラカワイス。 変な老人テラワロス。
特定の誰かとはくっつきませんでしたが、一対多大好きの自分にゃ
満足な結末でした。 …ここからルート分岐とかど(ry
>>隣のシャ○さんの人GJ!
ユーノのカマかけと、ひっかかるシャマルさんにワロタ。
>>640氏GJ!
やっとキター!! リィンフォースの助言、無駄にならずにホントに良かった…。
>>176氏GJ!
駄々っ子なのはテラカワイス。
相手が好きな人だから出るワガママとか、甘えとか大好きなシチュですわ。
>>377氏テラワロス!!
SS03、早く聞きてぇ…。 <>
121@ピンキー<>sage<>2006/04/04(火) 14:12:12 ID:q5hz+YEW<> シャ○
灼眼の!?
私はもうあっちに趣味が移ってしまったのか。
しかし、やおい成分をつめこんだあれは、やっぱりだめっすねぇ、無反応な人が。罠がっ!(何)
やおいなのにもはやノーマルカップリングになるように書けば
だれでも反応するのですが。やおい穴のみ使用で。
(注:それでもユーノくんかわいい、とか全く思ってない人は無理ですが…)
はやて×ユーノのユーノ誘い受け鬼畜が書きたいなぁ。
はやてがユーノにつっこんでも、やおいじゃないからここでいいですよね。
あ、注意文は前もって書きます(汗)
書けたら…、いや、まな板の方書いてそう(鬱)
シャ○〜 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/04(火) 14:32:07 ID:NgeveFa4<> 801やるならガチで、ヤオイ穴はいただけない
つうかはやてのナニを突っ込ませるきだナニをw <>
sage<><>2006/04/04(火) 20:55:56 ID:GXwjNClp<> 保守 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/04(火) 21:22:01 ID:rz8nfxwj<> 第五話「大学に行くアリシアちゃんなの」前編、始まります。
今日は日曜日なので私、アリサちゃん、すずかちゃん、はやてちゃんは家に帰る途中です。
「それにしてもビックリしたわねぇなのはの上に裸のクロノさんが乗っていたからね。すずか、はやて」
アリサちゃんは未だに赤面しているはやてちゃんとすずかちゃんに問いかけました。
「う、うん…確かにビックリしちゃったね。なのはちゃんとフェイトちゃんアリシアちゃんの悲鳴を聞いて起きたけど、あれは驚いちゃったな」
そんなことを言いながらなぜか嬉しそうな顔で対応をしていたのを見ました。
「確かに…ビックリしたんは本当やけど、あれはあれで良かったと思ってるで」
すずかちゃんと同じ嬉しそうな顔でそう答えたはやてちゃんに私とアリサちゃんは同時に溜め息を付きました。
そういえば、クロノくん平気だったのかな?私たちはあの後すぐに出ちゃって知らないけど…多分大丈夫だよね。」
私は根拠のない考えで結論を出しました。
(クロノくん頑張ってね)
私は心の中でクロノくんに応援しました。
明後日まで大学は休みなので明日は皆でどうしようかと言う話になってすずかちゃんの家で遊ぶことになりました。
「ただいま〜」
私の家の前に着いたのでアリサちゃんたちと解散しました。
「お帰りなのは、楽しんできた?」
最初に挨拶を返してくれたのはお姉ちゃんでした。
「うん!すっごく楽しかったよ。お姉ちゃん途中でフェイトちゃんのお姉ちゃんが来て一緒に楽しんだよ」
私はフェイトちゃんの姉のアリシアちゃんのことを転移魔法で出現したとは言わずに途中から来たと言いました。
「そうなんだ〜今度フェイトちゃんと一緒に連れてきてね。」
お姉ちゃんは瞳を輝かせながら私にそう言いました。
その後、自分の部屋で着替えをして下のダイニングにいったら、お兄ちゃんとお姉ちゃんが話をしていました。
「なのはお帰り美由紀から今、話を聞いていたところだ。フェイトちゃんのお姉さんが来たんだって?」
お兄ちゃんはそう言うと私に近づいてきて、(なぁなのは、フェイトちゃんのお姉さんは綺麗だったか?)
なんて言ってました。
私は「うん綺麗だったよ。フェイトちゃんと煮ているかな?」
と言って台所で麦茶を飲みました。
今夜の夕飯のときはフェイトちゃんのお姉さんのアリシアちゃんについてお兄ちゃんとお父さんが質問してきました。
その目は今までにないくらいに真剣だったので私は怖くて自室に急いで戻りました。
そんな事件は翌日の夕飯にまで同じ目になったお父さんとお兄ちゃんから私は逃げていました。
時間は変わって月曜日になりました。
私はフェイトちゃんと一緒に行くためいつもの場所に行きました。
「フェイトちゃんオハヨウ、どうしたの?疲れた顔して…」
私はフェイトちゃんの顔を見て驚きました。
一昨日までは元気だった顔が疲れ切った表情になっていたからです。
「うぅん…別に平気だよ…なのは…ハァ」
やっぱり疲れている表情のフェイトちゃんを見ていると大きな声が聞こえた。
「なのはちゃ〜〜〜ん!」
私は声のする方向へ顔を向けたらフェイトちゃんと同じ顔の姉のアリシアちゃんがいました。
私は気が遠のいていきました。
新しい友達を得た私たちは楽しい日々を過ごすの、第五話「大学に行くアリシアちゃんなの」後編にドライヴイグニッション! <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/04/05(水) 00:41:59 ID:l7ITnGch<> なのフェス直前だってのに喉が痛いですorz640です。
一応コピー本の作業、大体終了しました。あとはコピーしまくって製本。
先日も書いたとおり自分の書いたものが一冊。それと追加で友人の作品が一冊となります。
それと数ページ程度のshe&meの外伝+裏設定本の無料配布を予定してます。
こちらは完全にスレ住人の方々向けなので当日スペースにて住人である旨
告げていただけるとありがたいです。「変わりゆく〜」の投下は日曜の夜になるかと。
>>37564氏
おつー。書きまくれば色々気付く部分出てくると思いますよ。
まあそして過去の自分の作品に凹むんだけれどもorz←心の弱い男
>>176氏
痴話喧嘩ktkr
ユーノが男らしい・・・。
>>jewel氏
エイミィ死ぬなエイミィ。
そういえばクロノも鈍感キャラが定着してる気が。
>>バルタン氏
それなんてエロディッシュ?
>>士郎's view氏
父立場弱ッwwwwww
美由希には眼鏡つながりでアレックスを推してみる
>>YUKI氏
デレヴィータんを僕にくださ(ギガント
ヴィータかわいいよヴィ(ブレイズ
>>402氏
小話はすぐに読めていいですね。乙です。
でわでわ、ひとりでも多くのスレ住人の方と会えるよう、当日を楽しみにしています。
<>
37564<>sage<>2006/04/05(水) 01:19:55 ID:ODfuKZqu<> 投下します。
魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
第2話「フェイト敗北」
「ハア、ハア、ハア…」
「ゼエ、ゼエ、ゼエ…」
何処までも広がる様な砂漠地帯の上空で黒いバリアジャケットを着た金髪の少女フェイトと、
狼の耳をしている女性アルフが息を乱していた。
二人の目線の先にはマント付きフードを深々と被っている人物が何も言わず二人を見ていた。
「………プラズマ…」
すると、フェイトの足元に魔方陣が浮び放電する光球が幾つも出現した。
「ランサー!!」
フェイトはそう言って握っていたバルディッシュを合図にするかの様に前に振り回した。
すると、フェイトの周りにあった光球は槍の形に変化しマント付きフードを付けた人物に真直ぐ向かった。
しかし、その人物は別に避けようとも受け止めようともせずただ立っていた。
そして、フェイトの放ったプラズマランサーは全てその人物に命中し爆散した。
「…やったね。さすがに今の奴を受けて無事な筈は無いよ」
(…終った…の?)
アルフがそう言ってフェイトも決着が付いたと思った。しかし、
「! フェイト、後ろだ!!」
(…え?)
フェイトはパートナーのアルフの声の後、意識を失った。
※
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン…
学校の最後の授業が終了するチャイムが響いた。
「ふう〜、やっと今日の授業が終った」
教室では帰り支度をするものや既に教室を走って出て行くものもいた。
「今日は塾も無いし皆如何する?」
「管理局に行くのは後でも良いし」
「家に帰ってもシグナム達はまだ居らんしな」
「それじゃあ、あたしの家に来るのは如何?お姉ちゃんが昨日新しいゲームを買ったみたいだし」
なのは達がこの後如何するか考えてるとすずかが家で遊ぶ事を提案した。
「良いわね。フェイトには後で連絡して皆で行こうよ」
アリサもそれに賛同した。
「それじゃあ、行こうか」
4人がそう言って教室を出たその時だった。
『なのはちゃん、はやてちゃん、大変だよ!』
エイミィがなのはとはやてに通信を送った。
『あっ、エイミィさん、丁度良かった。フェイトちゃんが戻ったら伝えて…』
『そのフェイトちゃんが大変なんだよ!!』
「!フェイトちゃんに何かあったんですか!?」
なのははフェイトの事を聞いて声に出して聞いた。 <>
37564<>sage<>2006/04/05(水) 01:23:01 ID:ODfuKZqu<> ええ〜続き書いていたんですが消えてしまいこれで2話を終了します。
次回、お見舞いの筈が、少々妙な事に、 <>
37564<>sage<>2006/04/05(水) 01:24:06 ID:ODfuKZqu<> 2話終了。
次回、お見舞いの筈が… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 02:31:06 ID:ODz/JcfG<> ちょっと長めのいきます。
しばらく占領させてね、てへ♪ <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:31:44 ID:ODz/JcfG<> ■シグさんとシグシグ■
最近、なのはとの関係がギクシャクしている。それまでは何てことない、良い関係でいた、
けど雰囲気というか、そろそろ関係がこのままってワケも、なんだかもどかしかった。
だから、16になって初めてなのはとキスをした。合意の上だったはずだし、何か不味いワ
ケでもなかった、けど気不味くはなった。なんだろう、それからというもの、何か喋るのを躊
躇ってしまう。電話もメールも、最近ぷっつりだ。
「あーそうだねぇ、きっとなのはちゃんもどうにかしなきゃって思ってるんだろうけど」
と、エイミィさん。
「そう……、なんですかね?」
僕は思い悩んでるところを、すぐさまエイミィさんに発見されて、結局相談してしまったワ
ケだ。
「そうそう、そうだよー。ここはね、こうガツーンとさ!」
「がつーん?」
「そうガツーンと! 思い切って関係をだね、もうちょっとこの」
「もうちょっとこの?」
「いっちゃっていいんじゃない? ほら、歳も歳だしさ、いっかなぁって時期じゃない?」
「え、ちょ、ちょっと! どういう事ですかそれ!?」
「むふふ、そういう事」 <>
※小説同様、42文字改行です<>sage<>2006/04/05(水) 02:33:15 ID:ODz/JcfG<> とか相談して、結局出された結論はそんな事だった。とりあえずあの場では否定したけれど
も、言われてみると意識してしまう。なのはと僕がつまり……、そういう事をすべき時期だっ
て事だよね。
勇気を出すべきなのか、どうなのか。もしかしてエイミィさんの助言は的外れで、なのはに
そんな事したら、余計嫌われないだろうか。第一、僕にはそんな経験が無い、不安しかない。
一応無限書庫を利用して、知識を大量に仕入れてはみたけど、頭で理解してるのと、体で経験
しているとでは大違いだ。
だからと言って、このままというのもダメだ。何か手を打たないと。
「どうすればいいんだ……」
僕に足りないのは、行動する勇気。なんて情け無いんだ……。
「……んぐっ、な、なんだ?」
そんなふうに俯いて歩いていると、何か柔らかいものに顔がぶつかった。
「なんだ、ユーノか」
シグナムさんだった。
「へっ!? いやあの! ご、ごめんなさい!」
つまり僕がぶつかったのって……、ひっぃいーー! 怒られたら僕のどうにかなる相手じゃ
ないよ! あぁほら! こっちを冷ややかに睨んでるし!
「あの……、その……」
「どうしたんだ、ユーノ、最近おかしいぞ」
「へっ?」
でもどうやら、シグナムさんはそんな事気にもしてないみたいだ。
「結界役を頼んでも、時折ぼさっとして。この前だって崩壊しかけて大変だったじゃないか」
「はい、すいません……」
シグナムさんは、そんな胸に触れただとか小さな事より、どうやらこっちのほうを怒ってる
みたいだ。そりゃそうか、こっちのほうがヘタすれば事故に繋がるし。
「気をつけろよ」
「はい……」
「……どうしたシャキっとしろ!」
「いえ、あの……」
「あぁもうウダウダと! なんだ、何が気に食わないんだ!?」
シグナムさんがだんだんイライラしだしてきた。ただ、何が気に食わないんだと言われても、
そう簡単に自分の中で整理出来れば、苦労もしない。
「……高町の事か?」
「え、あの……」
「そうみたいだな」
さすがはシグナムさん、黙っていても見抜かれた。
「人間、私情があって感情があるのは当たり前だ、そこは悪くない。だがな、他人に迷惑をか
ける程の悩みは、早めに解決をせんと」
「そう、なんですが……」
「あぁもう、そんな調子では他の人まで不快にさせる! ……もういい、私でいいから話てみ
ろ、ほら」
「ほ、ほらって」
「……ここじゃ話せんのか、ならこっちこい」
「あたっ! ちょ、ちょっとシグナムさん!?」 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:34:02 ID:ODz/JcfG<> その後僕は、空いてる個室に連れて行かれ、互いにソファーに座っているものの、まるで事
情聴取のように取り調べられた。だから僕も諦めた、それにせっかく相談にのってくれるって
言ってくれたんだ、蔑ろにするワケにもいかない。
「ふむ、なるほど……、行き詰って何をすればいいか分からないと……」
「はい……」
「ふ〜む……」
腕を組んで、上を向いて悩むシグナムさん。
「こう言っちゃ何だが……」
「はい?」
「今考えれば、私は恋愛ごとなどとんとダメなのだ」
「え……?」
心の内をぶっちゃけた後、さらにぶっちゃけられたとんでもない一言。
「いやな、そういうのは主はやてや、シャマルのほうが専門なのだが」
「は、はぁ……」
一体僕は何の為に、こんな意を決して相談したんだろう。
「だが、つまりあれだろ、その次に進む度胸が無いって事だろう?」
「そうなんですけど……」
もういいや、なんだか帰りたくもなってきた。
「ふ〜む……」
「………」
「よし分かった、度胸を付ければいいんだな、そういうのは専門だ」
「い、いやあの、演習場でバトルをしたって、そんな変わるワケでも……」
「誰がそんな事をすると言った。お前に足りぬのは経験だ、だったら私が付けてやろう」
「うん? はい?」
「だからするんだ、私がお前を一つ大人にしてやる」
「い、いやちょっとあの! あぶっ!」
のっそりと立ち上がったシグナムさんに、僕はソファーの上で押し倒された。
「あの! あのあの!」
「何、そんなに慌てる事は無い、何事も始めはヘタなものだ」
「そ、そういうんじゃなくて!」
「大丈夫、高町には黙っておく。それに、私もだいぶ久方だが、嫌いでもない」
「あ、あの……、その……」
「それとも、私も抱けないのに、高町を抱けるとでも思っているのか?」
「うぅ……」 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:35:51 ID:ODz/JcfG<> シグナムさんがゆっくりじりじりと、僕の居るソファーへと近づいてきた。これはその、も
しかしてやる気まんまん……?
「あ、あのシグナムさん!」
「なんだ?」
「あ、あの、ゴムとか今無いし、あの……」
「そんな物私にはいらん、子など出切るワケないからな」
「い、いやそうなんでしょうけど……」
という事ははつまり、その、な、生でって事……?
「さて、まず始めに何をすべきだ?」
「え、あ、あの、まずは……、ムード作りというかその……」
「ではそれを作る為に、何をしたらいい?」
「え〜と、キ、キスとか……」
「そうだな、ではやってみろ」
そっと目を閉じるシグナムさん。やってみろって、そんな無茶苦茶な。
「どうした? キスさえも出来ないヘナチョコなのか?」
「や、やれます!」
いつまでもバカにされてたまるか! そのぐらい僕にだって!
「ん……」
だから思い切ってキスをした。
「……そんなものか?」
「え?」
「軽く触れるだけなどと、まったく浅いな」
「じゃ、じゃぁどうするんですか!」
「こう……、するんだ」
「へっ……、んぐっ!」
今度はシグナムさんが僕にキスをしてきた。ただ触れるだけじゃない、力強い腕引き寄せら
れ、触れた唇はゆっくりなぞり合い、時折出てくる舌に僕はビクッとした。
「……どうだ、これが相手を盛り上げるキスのやり方だ」
「……ぷはっ」
凄い、僕が投げやりにやったのとは全然違う。頭がちょっとクラクラってくるほどドキドキ
させられた。
「わ、分かりました……、シグナムさん」
「あぁ、その呼び方はやめろ、気分が出ない。シグナムでいい、敬語もやめろ」
「う、うん……」
「さて、次は何をする?」
「その……、いきなり触るのは不味いらしいから……」
「そうだな」
「む、胸とかをまず愛撫したり……」
「やってみるか?」
そういうとシグナムさんは、局の制服のボタンを上からゆっくり外し始めた。
「ブラの外し方は……、まぁいい、後で自分で調べろ」
ブラがはだけたかと思うと、今度は後ろに手を回す。
「ゴクッ……」
僕は思わず唾を飲んだ、だってそこにあるのは……、これでもかというぐらい大きな胸が二
つあるんだから。
「……なんだ、もう限界みたいだな」
「へっ? あっ! あ、あのこれは!」
シグナムさんの手が、そっと僕の股間部に触れた。恥ずかしい事に、ズボンはもう山を張っ
ていて、確かにもう限界と言わんばかりだ。
「だがな、これはもうちょっと後だ」 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:36:44 ID:ODz/JcfG<> 「はい……、あ、いや、うん」
とにかく僕はこの目の前の胸を、どうにかしないと。
「で、では……」
右手がシグナムの胸を掴む、手がしずみこむぐらい、かなり柔らかく気持ちがいい。さて、
これをどうすべきか、つねったり舐めたりすべきなんだろうか。
「チュパッ……」
とりあえず僕が選んだ選択肢は、舐めたり吸ってみるという選択肢だった。あぁちょっと、
僕今女性のおっぱいを吸ってるよ……。
「なんだそれは」
けど、その覚悟も、シグナムにはあまり伝わらなかったみたいで。
「へっ?」
「吸ってるだけか?」
「いやあの……、どうしよう……」
「私に聞くな、私に」
「うぅ……」
困った、仕入れた知識では限界がある。確かにこのままでなのはを抱かなくて良かったよ。
「じゃぁあの」
ただ、僕にももしもの時の秘策はある。
「なんだ?」
「ちょっと試してみたい魔法があるんだけど」
「魔法? 魔法って何をするつもりだ?」
「あの、無限書庫でたまたま見つけたんだ、こういう時役立つ魔法」
「魔法か……、それも自身の技と思えば良いが、魔法なんだと思われると嫌がられるぞ?」
「いや、そういうのもあるらしくって、バレ無いようにしてるらしくて」
「バレなければ良いか……、まぁ私は練習だしな、別にいいだろ、やってみろ」
「うん」
よし、説明書によれば、この魔法を使えば技術なんか無くたって、相手の女性を喜ばせる事
が出来るって書いてあったし!
「じゃぁいいかな?」
「なんだ、もう発動してるのか? 見た目や感覚には分からんな」
そして僕はもう一度、さっきと同じようにシグナムの胸を吸ってみる。
「ひゃくっ……! な、なんだ!?」
するとシグナムは、いきなり可愛らしい声をあげた。
「ど、どう?」
「……そのなんだ、さ、さっきよりは、まぁ良いだろうが」
「うん」
念のためもう一度、今度は長く、舌で先を転がすようにやってみる。
「はぅ…! あっ…! あぁ……!」
やっぱり反応が違う。
「はぁ……、はぁ……、な、なんだ、この感覚……! わっ! 馬鹿! その状態でキスなん
かしようと……! んっ……! んぐ……! あ……!」
口を胸から、唇へと動かす、やっぱりこっちも反応がさっきと違う。そしてシグナムは、腰
が砕けてきて、徐々にソファーへと後ろに倒れ、自然と僕が押し倒す形となった。
するとシグナムの手が、僕の腰のベルトへと動いた。カチャカチャと下で音がし、止めボタ
ンもチャックも下ろされていく。
「うぁ……」
だから自然と何をやられるかは決まっている。そう、次にシグナムは僕のあそこを掴んでき
た。初めて女性に握られる、その達成感と、他人によって上下に動かされる、新しい感覚。正
直言ってかなり気持ちが良い。
「馬鹿者、せっかくのってきたのに、握られた程度でキスを止めるな」
頬を赤らめたシグナムが言う。
「う、うん……」
僕はもう一度キスをした。口の緩んだシグナムの涎がからみつき、さっきよりかなり触れる
音がうるさい。そしてシグナムの手が僕のあそこをシゴいている、これがえっちをしてるって
事なんだ……。
「……いいぞ、そろそろ」
「え、うん」
そろそろ、という事は、ついに女性としての部分を触るワケだ。
「よし……!」
とにかくまずは、制服のスカートを下ろさないと。 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:37:34 ID:ODz/JcfG<> 「えっと……」
「……脱がすのがヘタだな、気分が滅入るぞ」
「ご、ごめん」
「まぁいい、ほら、よいしょっと、これでいいだろ」
結局シグナムに手伝ってもらった。うぅ、情け無い。
「……」
脱がすとそこには、当然といえば当然だけど、下着が見えてくる。ただ、それだけでも十分
ドキドキしてくる。さらに全体を見れば、胸を肌蹴るように制服の半脱ぎ、嫌でもそそられる。
「……そんなに見るな、私とて恥ずかしいだろうが」
「あ、ごめん」
そうだそうだ、見てるんじゃなくて、これから僕はやらなきゃいけないんだ。
もう一度目を下ろす、下着を良く見てみると、中央は既に湿っていた。
「それじゃ、下ろすね……」
ゆっくり、品定めをするように見ながら下着を下ろす。中央がひっついて、そこだけ遅れて
剥がれる。
「えっと、あの……」
「……言うな、気にはしてるんだ」
「あ、うん」
シグナムの股間部は、とっても毛が薄かった。はっきりいって生えかけとしか言えないよう
な、そんな寂しい状態。
「じゃぁそのなんだ、まず指とかでだな」
「うん」
僕はここまでに、何度“うん”と言ったのだろうか。リードも何も出来ずに、ほとんどシグ
ナムの言われるがままだ。まぁ、それが練習なんだろうけど。
「あっ! ちょ、ちょっとま……! んっ! ま、魔法したまま……! は……!」
人差し指でそっと触れ、まず第一間接まで少し挿れてみた。指の先から伝われる、中の暖か
さと、愛液でぐちゅぐちゅとした感覚。ここにもし挿れられるとするならば、どれだけ気持ち
が良いんだろうか。
「ま、まぁいい、そ、そのまま、少し好きに動かしてみろ」
「じゃぁ……」
動かす、どうすればいいんだろう? とりあえず、クリトリスっていう部分をつまむのが良
いって、調べるといろいろ書いてあったけど。とにかく手探りでそれらしい場所を探してみる、
ちょっと突起した部分、これかな?
「あっ! そ、だかっ…! くぅ……!」
一気にシグナムの反応が変わった。ソファーを両手で掴んで、必死にもがくのを堪えている。
「はぁっ! だ、だめだ……! あっ! はぁあああああ!!!」
そして僕の手の平に、熱い水のようなのが掛かってきた。
「えっとあの……」
「はぁ…、はぁ……、く、くぅ……! こんな素人に、手だけでやられるとは……!」
甘く見ていた相手に、逆にやられたシグナム。結構プライドの高い彼女は、屈辱的な事でも
あるんだろう。 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:38:33 ID:ODz/JcfG<> 「もういい、早くしろ……!」
横を向きながら、少し起こり気味に言われる。
「へっ?」
「やる事あるだろ、何度も言わせるな!」
「そ、そうだね」
やる事、つまり正しい性交をするという事、膣に挿れるという事。
「い、挿れるね……」
僕のあそこは、もう既に限界、ギンギンに張っている。さっきからの行為の興奮に加え、さ
っきシグナムがシゴいてくれたから、出るか出ないかの瀬戸際だ。
「うっ……」
「はぁ……! あ……! い、いいぞ!」
ゆっくり、ゆっくりとシグナムの膣に挿っていく。トロトロと愛液が絡みついた壁が、包み
込むように、僕のあそこと絡んでくる。
「どうだ……、あっ……、ど、童貞を捨てた気分は……」
「あっ……、き、気持ち良い……」
「ふっ、正直だな、じゃぁこういうのはどうだ」
「あっ! あぁ……!」
だいたい挿ったところで、壁がぎゅうぎゅうと絞め上げてきた。
「尻の筋肉を絞めるとな、筋肉のつながりでここも絞まるんだ」
「だ、だめ……、で、出ちゃうから……! うぁ……!」
結局僕は、我慢が出来ずそこで果てた。
「ふん、子が出来ないとなると遠慮が無いな」
「ご、ごめん……」
まだドクドク出ている、一人でする時じゃこんなに出ないだろうに。
「しかもまだまだ余裕か、どうだ、動かす練習も必要だろ?」
「え、そ、そうだけど……」
「じゃぁやってみろ」
確かに、出たばかりだというのに果てる様子も無い。
「う、うん」
とりあえず前後に腰を動かす。ただ出たばかりで、擦れるたびに腰がビクッとしてくる。
「はぁ……! あ、ぁ! い、いいぞ! すごく! も、もっと早く!」
「あ、う、うん!」
「んっ! んっ! あっ! あっ! いい! いい! そ、そうだ!」
動かすたびに、あそこから刺激が伝わって、腰がガクガクとする。そしてパンパンと突く度
に、シグナムの大きな胸がかなり揺れる。その光景は、かなり圧倒的だ。
「あ、そ、そうだ! む、胸も…、んっ! いいぞ!」
気が付いたら、シグナムの胸を手で揉んでいた。 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:39:40 ID:ODz/JcfG<> 「もういい、早くしろ……!」
横を向きながら、少し怒り気味に言われる。
「へっ?」
「やる事あるだろ、何度も言わせるな!」
「そ、そうだね」
やる事、つまり正しい性交をするという事、膣に挿れるという事。
「い、挿れるね……」
僕のあそこは、もう既に限界、ギンギンに張っている。さっきからの行為の興奮に加え、さ
っきシグナムがシゴいてくれたから、出るか出ないかの瀬戸際だ。
「うっ……」
「はぁ……! あ……! い、いいぞ!」
ゆっくり、ゆっくりとシグナムの膣に挿っていく。トロトロと愛液が絡みついた壁が、包み
込むように、僕のあそこと絡んでくる。
「どうだ……、あっ……、ど、童貞を捨てた気分は……」
「あっ……、き、気持ち良い……」
「ふっ、正直だな、じゃぁこういうのはどうだ」
「あっ! あぁ……!」
だいたい挿ったところで、壁がぎゅうぎゅうと絞め上げてきた。
「尻の筋肉を絞めるとな、筋肉のつながりでここも絞まるんだ」
「だ、だめ……、で、出ちゃうから……! うぁ……!」
結局僕は、我慢が出来ずそこで果てた。
「ふん、子が出来ないとなると遠慮が無いな」
「ご、ごめん……」
まだドクドク出ている、一人でする時じゃこんなに出ないだろうに。
「しかもまだまだ余裕か、どうだ、動かす練習も必要だろ?」
「え、そ、そうだけど……」
「じゃぁやってみろ」
確かに、出たばかりだというのに果てる様子も無い。
「う、うん」
とりあえず前後に腰を動かす。ただ出たばかりで、擦れるたびに腰がビクッとしてくる。
「はぁ……! あ、ぁ! い、いいぞ! すごく! も、もっと早く!」
「あ、う、うん!」
「んっ! んっ! あっ! あっ! いい! いい! そ、そうだ!」
動かすたびに、あそこから刺激が伝わって、腰がガクガクとする。そしてパンパンと突く度
に、シグナムの大きな胸がかなり揺れる。その光景は、かなり圧倒的だ。
「あ、そ、そうだ! む、胸も…、んっ! いいぞ!」
気が付いたら、シグナムの胸を手で揉んでいた。
「し、しかしやばっ……、やばいなこの……、魔法は……! 頭がおかしく…、おか、なりそ
うだ……! あ、あっそ、そんな! さ、さっきイったばかりなのに……! ま、またイカさ、
イカされ……! んんんっ! んんんんぁああああ!!!」
シグナムのふとももが、僕の体をギュっと挟み込む。
「シグ……ナム?」
「はぁ……、はぁ……、と、止めるな、ちゃんとやれ……!」
「でもその……、シグナムは……」
「いいから!」
「う、うん……」
「あっ! い、いいぞ! この感覚! あじ、味わったことの無い! この感覚! た、頼む
ぅ! も、もっと突いてくれ! ぐちゃぐちゃにやってくれぇ! ユーノ! ユーノォ!」
もうシグナムは快楽におぼれ、思ったこと全てを口にしていた。それほど強力なんだろう、
僕が覚えたこの魔法って。
「はぁ…! はぁ……!」
それに、僕も結構キツい。シグナムの膣は、僕とシグナムの液がぐちゃぐちゃに絡み合って
いる。それに何しろゴム無しの生、摩擦熱が直接伝わり、それが刺激へと変わり、とてもじゃ
ないけど耐えられるもんじゃない。
「だ、ダメだよシグナム、気持ちよすぎる……!」
「あ、あぁ! 私もだ!」
「ま、また出ちゃうよ……!」
「わ、私も、だ! この! イクなど……! し、しかも何度もこんな簡単に……!」
僕は、もう一度シグナムの膣の中で果てた。 <>
シグさんとシグシグ・終わり<>sage<>2006/04/05(水) 02:40:41 ID:ODz/JcfG<> 「はぁ……あ……」
「ふぅ……! はぁ……! あ、な、なかなか良かったぞ……、ユーノ」
「う、うん……」
「ただあれだな、まだまだ技術は中途半端だ」
「そ、そうだね」
「まぁいい、それはまた練習を積めば上手くなるだろう」
「え、う、うん……」
え、それってつまり……
「また頼むぞ、ユーノ」
最後にシグナムは、僕にキスをしてくれた。
■おまけ。■
「はぁ……、はぁ、うん、あの、凄く良かったよ、ユーノ君」
「え、あぁ、そうだね」
一応練習の甲斐あってか、なのはと一歩進めた関係にはなれた。なのはもなのはで、やっぱ
り関係を上手く、そして深くしたいと思っていたらしい。
「ユーノ君……」
「何、なのは?」
「好き……だよ」
「うん……」
ただ……、まだ悩みはある。なのははゴム必要だし、そういう意味ではあまり気持ち良く無
いし、膣に出すとか絶対に出来ないから、爽快感も無い。それに何より胸小さいし……。
(はぁ……、早く戻ってシグナムとえっちしたいな……)
そう思ってしまう、僕なのだった。 <>
シグさんとシグシグ<>sage<>2006/04/05(水) 02:49:36 ID:ODz/JcfG<> あぁちょっと、途中変な場面あるな。
410と411の切り替えの部分おかしいや・・・
まぁいっか、そこらへんは脳性補正で。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 02:59:55 ID:EnZmKuY0<> >>シグさんとシグシグ
何?この状況。
なんつーか昼ドラみてー。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 16:02:36 ID:oKcNt1Yg<> 職人のレベルが二極化しつつある気がするのは俺だけかw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 16:25:34 ID:EnZmKuY0<> >>419
先生!二極化とはなんでしょうか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 17:24:46 ID:6CHDRmiW<> フェイトの日記 ○年4月5日
なのはとユーノがキスした。
それはいい・・私もやったことあるから・・まあ、なのはが寝てる
ときだけどね。ああん可愛い唇だったよなのは♪
問題はそのさき、つまり肉体関係をもったということだ。
肉体関係?お互いの合意のうえでべッドであああんいやん!
私のなのはの純潔を奪ったユーノ・・・私のなのはの身体を
すみずみまで弄ったフェレット。許すまじ!トラトラトラ!
いま私はアースラの休憩室にいる。偶然フェレット野郎も一緒だ。
他には誰もいない。くっくっくっ、これから調理されるとも知らずに、
まぬけな顔しやがってメロンジュース飲んでやがる・・って、おいおい
メロンジュース売り切れじゃねーか!私も飲もうと思ってたのに!
「フェイト、よかったらボクの飲む?」
しらじらしいんだよユーノ。なにがよかったらボクの飲む?だ。
あどけない顔して間接キス狙ってるのか?そうやってなのはを
手篭めにしたのか?・・そんな罠に引っかかる私じゃない。
「これ、さっきまでなのはが飲んでいたんだよ。サイズが大き・・」
「もらうね♪」
えへへへ、ちょっぴりだけどなのはの味がするぅ♪ぺットボトルの
口をなのはのピンク色の乳首と脳内変換しながら、ちゅぱちゅぱ
メロンジュースを飲み干した。おいちい♪
「それじゃフェイト、ボク無限書庫に戻るよ。残りの仕事しなきゃ」
「うんユーノばいばい、頑張ってね」
今日はなのはのメロンジュース飲めてラッキーだった♪ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 18:03:10 ID:xejwnnSA<> >>419
ちょっとおじさん頭悪くて意味がわからないから
職人を二極化して書いておくれよ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 19:33:14 ID:s8rPOD3j<> >>422
ギャグ路線
シリアス路線
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 19:39:41 ID:drgjrsj7<> >>シグさんとシグシグ
ユーノ!貴様は俺の……っ!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 19:50:18 ID:/3plQlE/<> これくらいの速度で気持ち良く進行してると2極化はあるよなぁ、
実際は3極化くらいだと思うけど。
でも何も投稿されないで消えていくよりずっと幸せだな。
>>423 エロはどこ行ったすか! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 20:31:43 ID:DuqO+f8v<> ここの住人に聞いてみたいんだが、はやてのエロシーンって、恥じらってるのが良いのかな?
それとも耳年増にエロエロなのが良いのかな? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 20:40:38 ID:0t8lpVXx<> 個人的には恥じらってるほうかな。
ただ、男相手だと攻めで女相手だと受けのイメージがある。
なんでだろ? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 20:44:15 ID:KD+J7Wt9<> >>426
耳年増でエロエロなんだけど、少しすると逆転されちゃうのが良い。
最初は押してるんだけど、思いもよらぬエロいことされちゃってテンパるとか、
予想以上に感じすぎちゃうとか。
>>425
三種類あったら、もう極じゃない気もするが…。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 21:02:46 ID:NfZlSmxr<> はやては本で得たエロ知識が豊富。
実際やってみるとテンパルと思う。
そこが可愛いんだよな。妄想癖ありそうだし。
フェイトはまったくエロ知識ないと思う。
最初っからテンパル。いいお。
なのはそこそこエロ知識あると思う。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 22:03:13 ID:qhTagYkA<> はやてに関しては同意。
フェイトは純真エロだと思うな。
なのはさんが一番テンパルんじゃね? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 22:09:27 ID:ODz/JcfG<> フェイトはけっこうドエロじゃね? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 22:25:11 ID:NfZlSmxr<> そういやムチ癖ありそうだなフェイト。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 22:59:06 ID:EnZmKuY0<> >>432
Mなんじゃねえの? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/05(水) 23:29:51 ID:6dfUveX0<> 2週間で400KB越え?
前スレより加速してるよ!
<>
37564<>sage<>2006/04/06(木) 00:19:01 ID:sRHUM7Bl<> 場の空気が分からず取り合えず投下。
魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
第3話「お見舞い。…って、言うか勝手に殺さないで(泣。フェイト談)」
「………う、…うう」
フェイトは少し呻き声を出して目を開けた。
そこは、何処か見覚えのある天井だった。
「…此処は?」
「フェイト!?目が覚めたのかい?フェイト!」
すると、ベッドの隣の椅子に座ってフェイトの手を握っていたアルフがそう言ってフェイトの顔を覗き込んだ。
「アル…フ」
フェイトはそう言ってベッドから上半身を起こした。
「良かったよ。フェイトが目を覚まして本当に良かったよ!」
アルフは涙を流しながらフェイトに抱きついた。
「「! 痛たたたたたたたたた!!」」
その瞬間二人の声が重なり体を離した。
フェイトは頭をアルフは左腕を押さえた。どちらも包帯を巻いていた。
「…アルフ、此処は?」
フェイトは頭を押さえながらそう聞いた。
「此処はアースラの医務室だよ。他の局員も別の医務室で治療を受けてるよ」
フェイトの問いにアルフはそう答えた。
「医務室?…そうか私達、あの人に負けたんだね」
「…ああ、悔しいがあたしの拳も殆ど効果が無かった…」
二人の間に重い空気が流れた。
すると、
プシュッっと言う音と共に扉が開き4人の少女が雪崩れ込んだ。
「フェイト!しっかり、死んじゃ駄目よ!!」
「フェイトちゃん、死んだら駄目だよ。まだまだ楽しい思い出とか作らなきゃ!!」
「フェイトちゃん…って、アレ?」
「フェイトちゃん、仇はとるからな、安心して逝きや!ところですずかちゃん、如何した…」
4人の中ですずかが始めに気付きはやて、すずか、ありさの順で気付いた。フェイトがこっちも見ていた事に、
その後、なんだかんだあってフェイトが軽傷だと知った。しかし、
「フェイトちゃん………その…」
「……酷いよ、皆。勝手に殺すなんて……グスンッ」
フェイトは布団の中に潜ってそればかり言っていた。
「フェイトちゃん、ホント…その…ごめん」
4人がそれぞれ謝ってると、再び扉が開き今度は3人と1頭が医務室に入った。
「テスタロッサ!!私との勝負はまだ終って無いぞ。それなのに死ぬとは何事だ!!」
「はやて!フェイトが死んだって本当か!?」
「う、ううう……フェイトちゃん。…後で喪服を準備しなきゅ…」
「エイミィからの通信でテスタロッサが討ち死にしたと聞いたが真か!?」
はやての守護騎士のヴォルケンリッターの面々がそう言って医務室に入って来た。
「ちょ、皆うちの話し聞いて!」
はやてはなるべく小さい声でそう言ったが、
「うおおおおおおおお!!!テスタロッサ!この仇は必ず取ってやるからな…」
「(ヒックッ)は、はやてちゃん、お香典って(ヒックッ)どの位出したら(ヒックッ)良いんでしょか?」
ヴォルケンリッターの中でもシグナムとシャマルが特に平常心が無かった。
(エイミィさんてどの位大袈裟に言ってるんだろ?)
「シグナム達まで…もう良いよ。グスンッ!」
その後、何とかシグナム達にも説明しフェイトを励ましていたが、
エイミィの通信で急いで本局から戻ったクロノや、
何故か遺影を持って現れたリンディを見てフェイトは更に落ち込んでしまった。
そして、元凶と言えるエイミィが途中で会ったのかユーノと共に医務室に来たが、
先に来ていたリンディとクロノに襟首を引っ張られ部屋から連れ出された。
唯一状況が分かってないユーノは呆然とエイミィ達を見送った。 <>
37564<>sage<>2006/04/06(木) 00:20:10 ID:sRHUM7Bl<> 第3話終了しました。
次回はフェイト達が戦った敵は、何者か? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/06(木) 00:58:03 ID:UiK/8faS<> >>シグさんとシグシグ
なんか見たことあるフレーズだと思ったが、やはりあなただったか某スレ「」・・・
相変らずおっぱい好きだな・・・俺も好きだけど
やはり
ユーノは
淫獣
だな <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/06(木) 01:55:06 ID:rzglR3rD<> >>37564氏
>4人の中ですずかが始めに気付きはやて、すずか、ありさの順で気付いた
すずかが2人いますよ。
本当の順番はどうなっているんですか? <>
はじめてのお留守番 後編<>sage<>2006/04/06(木) 06:54:50 ID:COnodVX2<> 「ザフィーラさん、おサンポの時間です!」
と、元気いっぱいなリインフォースと共に、散歩に出たザフィーラであったのだが、
「…どうした、リインフォース?」
「なんでもありません!」
リインフォースが、ご機嫌斜めになっていた。
(リインがおサンポにつれていくはずでしたのに!)
今ザフィーラは子犬フォームではなく、朝からずっととっていた人間形態である。
無論それはリインフォースの安全の為であるのだが、心配されている本人としては、
主からの使命(とまで思っているのは本人だけだが)である『留守番』の仕事の内の一つ
であるはずの、『ザフィーラを散歩させる』という事が、このままでは成し遂げる事が
できない状況に追い込まれたと感じたのである。
別に人間形態であろうが子犬フォームであろうが散歩は散歩なのだが、リインフォース
の考える『おサンポ』とは、あくまで『犬の散歩』なのだ。
(何故リインフォースは機嫌が悪いのだ?)
もちろんザフィーラにそんな事が分かるはずが無い。
(そうか…)
ふと、ザフィーラに一つの考えが浮かぶ。
「リインフォース」
「なんです…わわ!」
おもむろにザフィーラがリインフォースを掲げ上げ、肩車をする。
「どうだ、リインフォース?」
「た、たかいです…」
魔法で飛ぶ時とは違い、何の制御も集中もしていない状態で、ここまで目線が高く
なる事など今まであるはずもなく、その衝撃で先ほどまでの不満が消え去る。
「怖くは無いか?」
「だ、だいじょうぶです!」
「そうか」
先日狼形態の状態で散歩に行った時に、背中にリインフォースを乗せた所、酷く喜ばれた
事を思い出したザフィーラは、リインフォースが今回もそうしてくれる事を期待していたと
考えたのである。さすがにこの場で変身するわけにもいかないので、肩車にしたのだ。
その考えは的を得てはいないのだが、
「ザフィーラさん、すごいです!たかいです!」
…まあ、些細な事であろう。 <>
はじめてのお留守番 後編<>sage<>2006/04/06(木) 06:56:41 ID:COnodVX2<> そのころ管理局では
「その本の作者を教えるんだから、約束をちゃんと守ってね…」
そう言って後ろにいるユーノとクロノに声をかけるシャマル。
彼女は己の保身の為に、大事な腐女子仲間を売る事に決めたのであった。
ひどい話ですね。
「それに、もう僕達の本は二度と書かないと約束してくれるなら…」
摂氏−273.15度の視線を投げかけながら答えるユーノ。
「……もちろんよ!」
「今の『間』はなんだ」
クロノも0ケルビンの視線を投げかける。
「じょ、ジョークよジョーク!」
「「ハァ…」」
その様子に、思わず二人そろってため息をついてしまう。
「………」
もちろんシャマルも、その様子を見て妄想宇宙へとロケットを打ち上げている。
「だいたいなんで僕達なんだ。例えば…アレックスとランディ達とかはどうだ?
あの二人は仲がいいだろう?」
さり気なく部下を売るクロノ。
ひどい話ですね。
「う〜ん、管理局のビッグ・ボンバーズは、私的に対象年齢外だから…」
「あの二人…そんな風に呼ばれてたんですか?」
気の毒そうにユーノがつぶやく。
「ええ、私が広めたんだけどね」
本当にひどい話ですね。 <>
はじめてのお留守番 後編<>sage<>2006/04/06(木) 06:58:59 ID:COnodVX2<> 「ちょっと貴方…もっと家にいてあげる事はできないの?」
「そうよ…犬に貴方の名前をつけてるのだって、リインちゃんとヴィータちゃんが
寂しいからなのよ!」
「はぁ…」
ザフィーラは散歩の帰りに、近所の奥様達に捕まってしまっていた。
「そりゃまあ、いっぱい稼がなきゃならないからってのはわかるけどね…」
ちなみに家のすぐ前なので、リインフォースは先に家に帰らせた。
「それと貴方ね、いろいろと事情があるのは知ってるけど、いいかげんにリインちゃんに、
ちゃんと自分が本当の父親だって名乗りなさいよ」
「…その話は誰から?」
「シャマルさんに決まってるじゃない!あの娘だって辛いのよ?わかってやらなきゃ…」
「………」
シャマル、ザフィーラカウント+2 本日の合計3ポイント
その後、無事奥様方から解放され、何事も無く夕食も済み、これで一安心と言う時、
再びザフィーラに試練が降りかかった。
「おフロに入ります!」
リインフォースがアヒルの玩具と水鉄砲を手に抱えながら、食器を洗い終えたザフィーラに
向ってそう言い放った。
「そうか」
とりあえず風呂の準備も出来ているので、彼には他に言う事も無かった。しかし、
「…い、いっしょにはいらないんですか?」
彼女にとっては、予想だにしない答えだったようだ。
考えてみれば、リインフォースが一人で風呂に入った所をザフィーラは見た覚えが無い。
ほんの僅かの間ザフィーラは黙考し、そして口を開いた。
「リインフォース…風呂というものは、基本的に男女別で入る物だ」
注・ザフィーラは風呂が苦手です
「で、でも…なのはさんは、少しまえまでお父さまといっしょに入ってらしたと…」
再び沈黙、
「リインフォース…何事もいつかは一人で行わねばならぬ時が来る」
注・ザフィーラは風呂が苦手です
「で、でもリインは一人であたまをあらったことが…」
「まずは己の力で挑戦してみろ、誰もがそうしてきたのだ」
注・ザフィーラは風呂が苦手です
「は、はい…」
「…駄目な時は俺を呼べば良い」
リインフォースの不安を抑える為に、頭をなでてそう言ってやる、
「わ、わかりました。がんばります!」
リインフォースが風呂場に行き、ザフィーラに助けを呼んだのはちょうど10分後だった。 <>
はじめてのお留守番 後編<>sage<>2006/04/06(木) 07:01:29 ID:COnodVX2<> 「お帰りなさいませ、我が主」
夜11時過ぎ、ザフィーラははやて達を玄関で出迎えた。
「ただいまザフィーラ、留守番ご苦労さんな」
「ザフィーラ、リインフォースは?」
自分の出来たばかりの妹が、気になって仕方が無いヴィータが、はやての後ろから
飛び出して聞く。
「もう寝ている…」
「そっか…面白い話があったんだけどなぁ」
「まあまあ、あの話は明日でもできるやん?」
「ん〜そうだね、明日でいいか。でも本当面白い話だったのに」
「そうやなぁ」
そう言って笑うはやてとヴィータを隣に、シグナムがザフィーラに話しかける。
「ずいぶん手こずった様だな」
「……ああ」
「それじゃあずいぶん苦労したザフィーラの、今回の留守番の感想は?」
シャマルが興味津々といった感じで聞いてくる、
「……悪くは無い」
ザフィーラは、ポツリとそれだけ言って背を向けた。
<>
はじめてのお留守番 後編<>sage<>2006/04/06(木) 07:02:44 ID:COnodVX2<> 「ああ…それにしても今日は疲れた…」
そう言ってソファーに腰をかけるシャマル。
パッパッパッ
「………」
その頭に、後ろから何かが振りかけられた。
「シャマル、話がある…」
いつもと同じザフィーラの声、
「ざ、ザフィーラ…私に何をふりかけてるの?」
「塩と胡椒だ…」
「な、何故そんな物を?」
「………」
堪えきれずに後ろを振り向くと、すでにザフィーラは狼形態になっていた。
「シャマル、正直に話してくれ…」
「そ、そんな…酷いわ二人とも…内緒にするって約束だったのにぃ…」
「…その話も詳しく聞かせてもらおうか?」
「え゛!?」
シャマル、今日2回目の墓穴。
本日のシャマルのザフィーラポイント合計9 清算は当日中に終了。
「はやてちゃ〜ん…ザフィーラがぁ…」
色々なところから、血がでているシャマルがはやてに泣きつく。
「シャマル、ザフィーラをあんま困らせたらあかんで?」
「えええええ!そんな、はやてちゃん…なんでぇ!?」
注・日頃の行い
おまけ
「ザフィーラ、塩と胡椒はどうやった?」
「あまり、良いとは言えませんでした…」
「そっか、やっぱりふりかけのが良かったかな?」
「次の機会があれば、その時に…」
<>
92<>sage<>2006/04/06(木) 07:22:27 ID:COnodVX2<> はい、隣のシャ○さん第5話です。
留守番の話は終ったので次回予告話は無しです。
何故ふりかけなのかは、美味すぎるとふりかけが欲しくなるからでしょう。
>>326
地獄少女…しかし出てくるのは何故かヴィータ
おばあちゃん=はやて
おじさん=ザフィーラ
お色気担当=シグナム
ストーカー=シャマル
の割り当てで、恨みを晴らすよりも、むしろいろいろ説得されると。
>>377
哀れ士郎さん…武を磨いても守れない者があるということですな…
>>399
とりあえず落ち着け!
そういう方向性ならリーゼ姉妹に責められる幼少クロノという手もあるはずだ!
>>シグさんとシグシグ
いい感じにユーノが駄目駄目だ!
>>426
どっちでもあんまり違和感なさそう。
あとフェイトは幼少時の体験(母からの折檻&助け出した王子様が女の子)で、
一歩間違えれば、何処に出しても恥ずかしい天然変態になりかねないと思います。 <>
4949<>sage<>2006/04/06(木) 11:59:09 ID:ntlFVcub<> 久々に見たら凄い進んでる!みなさんGJです!
私も早く続きを投稿できるようにガンバろう。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/06(木) 14:54:40 ID:OmeNcsbU<> >>92氏乙です。
それにしてもザフィーラがリィンの父親なら母親は誰になるんだろう? <>
37564<>sage<>2006/04/06(木) 15:04:01 ID:sRHUM7Bl<> 438氏へ、
普通にミスりました。
正しくはすずか、はやて、なのは、アリサの順でした。 <>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:54:42 ID:KzOl9fCP<>
発掘八日目 冒険の果て
「こっちだ!」
天井からぶら下がる鎖を手にユーノは縦横無尽に空を舞う。
巨人はその巨体と重量が足枷となってユーノを目で追うことすら出来ない。旋回する相手に振り回されてぐるぐるとたたらを踏んでいる。
「はっ!」
こいつに程度のいい知能があったらここまで翻弄することは出来なかった。あるいはもっと動きが機敏だったら。
もしもの話は無しだ。仮にそうでも別の方法に切り替えるだけ。
「いっけ!」
巨人の背後目掛けてユーノは壁を蹴り上げる。黒光りする背中に足をつけると同時に鎖を支えに肩口まで一気に駆け上る。
振り下ろす右手。叩きつけた場所は丁度肩と胴を繋ぐ隙間。
「次っ!」
体を捻り今度は右手を首の付け根の隙間へ叩き込む。
そのまま鎖を生み出し自身を捕まえようとする腕に巻きつけ華麗にかわした。
既に四度、ユーノは懐に飛び込んでは右手を叩き付けるという不可解な徒労を繰り返していた。何の意味があるのか目的のものを貸したなのはにもユーノの真意はつかめない。
「これで六つ全部……なのは!」
「な、何!?」
「なるべく離れて! もしかしたら危ないかもしれないから!」
「えっ!? 何するの!?」
「見てれば分かる!」
眼前に巨人を捕らえてユーノは高らかに右手を突き上げた。
「チェーンバインド!!」
掌より飛び出す鎖。すぐに握り締め手首を捻った。
風を切り円を描いて鎖がユーノ頭の上で舞う。拳を振り上げ突進する相手を正面にユーノは動かない。
「こんな使い方するなんて僕以外にいないかもね」
拳が迫る。ついにユーノが動いた。
右腕が地へと突貫し床を目茶目茶に叩き壊す。それでも巻き上がるのは砂塵だけ。決して血肉が飛び散ることはない。 <>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:55:23 ID:KzOl9fCP<>
「まず一つ!」
宣言と共に煙を引き裂き振り下ろされるはユーノの光鎖。ガキンと金属がぶつかるよう鋭い音が鳴り響く。
無論こんなので終わりではない。間髪いれず今度は光と轟音が鎖が当たった場所から噴出した。
煙幕が膨張し光が突き破る。破片が飛び散り一際大きい音、続けて振動が鼓膜と足を揺らした。
地面に横たわるは紛れもない巨人の腕そのもの。
「よし、いける!」
思った以上の効果的な一撃にユーノは感嘆の声を上げた。現れた光明にユーノは左手を握り締める。
それでも巨人は肘から下がなくなったことをなんら気に留めないようだ。今度は左手を振り上げて襲い掛かかろうとする。
「二つ目!」
今度は左肩が爆砕した。またも地響きと轟音が空気を震わす。
左腕を丸々巨人は失った。だがまだ巨人は止まらない。
「ならこれでどうだ!」
右手を撓らせ鎖が走る。弛み引き伸ばし、蛇のようにうねりながらユーノの思い通りに鎖は宙を舞い踊る。長年連れ添ってきた相棒はいつになくご機嫌で鞭の様な扱いにもご満悦のようだ。
右から振り下ろし一撃。すぐに引き戻し二度手首で回転を加え左から右へなぎ払う。立て続けに二発、ユーノの気迫は巨人の右足首と左膝を粉砕する。
「三つ目四つ目! これで止めだ!!」
自重に平衡を失い傾いていく巨体。もはや木偶と化した岩石に固まりにユーノは最後の一閃を叩き込んだ。
鮮やかな光の軌跡を残す鎖の舞になのはは見とれていた。今彼女の目にはユーノが本当に映画の主人公のように映っている。
巨人の体が傾く一瞬、首に埋め込まれた立役者が光を反射してきらりと光った。
それが切り札の薬莢の光だ。魔法など使わなくてもカートリッジに圧縮された魔力は開放するだけで十分すぎる爆薬となる。
しかもユーノは関節の隙間に埋め込むことでより威力を増大させる辺り侮れない。
「五つ六つ! 行けっ!」
鎖は撃鉄でユーノは引き金だ。
巨人は左から袈裟切りにされ起爆する首と胴の薬莢でバラバラになっていく。
「すごいよユーノくん!」
真面目で優しく、気転が利き皆に頼られるリーダー。今一度ユーノ・スクライアを好きになった自分に感謝した。
彼女の喜びの声に彼は少しはにかみながら親指を立てた。
「さてと……後は晴天の書を取り出すだけか」
額の汗を拭いながらユーノは岩の山と化した巨人を見る。
力を失ったせいだろう。すでに残骸に光沢はなく灰色をした塊が灰のようなかけらになりながら蒸発している所だった。よく見れば残骸に埋もれた晴天の書がかいま見えた。
ここまで来ても用心は忘れずに。何度も言い聞かせてユーノは歩き出す。 <>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:56:05 ID:KzOl9fCP<>
「あっ、一応だけどもう変なこと考えないようにね」
「ぜ、善処するね」
雑念が沸かないように勤めて冷静に。魔法を唱える時のように静かな心で。小難しい顔でなのはは自分を静め始める。
が、如何せんユーノから見ればあまり長くは持たないというのが見解だった。何を念じているのか口元が段々と引きつっているのが見えてしまったから。
「むむむ……あ、ダメダメ! リリカルマジカル何も考えないリリカルマジカル何も考えない……」
……多分限界だ。
豪い目に遭う前にユーノは少し早足で晴天の書まで近づくと一気に掴み取った。
「なのは、もういいよ」
「赤巻紙青巻紙黄巻紙隣のきゃくかきゃくきゃきゃガスバス爆バスバス! わ! ダメダメダメダメ……」
「えと、なのは?」
「大丈夫わたし何も考えてないよ、何も考えてないから安心して、あはははは」
一人呟く頑張り屋がいた。
自分の代わりになのはが豪いことになってしまったようだ。
「もう手に入れたかうあわぁあ!!」
「へっ!? ってユーノくん!」
落ち着かせようとしたユーノの努力もいきなり晴天の書が発光したことで有耶無耶になってしまった。
むしろこの場合は晴天の書に何が起きたか、もしくは自分の身の心配をするべきだった。
「ななななになに!? わたしなにも考えてないよ〜!」
慌てふためくなのはを尻目に晴天の書は手を離れ輝きながら形を徐々に変えていく。また巨人にでもなるかと思いきやあっさりとそれは終わり
「…………へっ?」
二人よりも大分小さい幼子が自分達を見上げていた。
「だ、誰?」
腰にまで届く金髪に碧眼の瞳、白いローブを着込んで少女は睨みつけるように二人を見つめている。
「た、多分夜天の書みたいな管制人格だと思う」
夜天の書の系統に属するなら管制システムが人型として実体化するのも頷ける。
「じゃ、じゃあ晴天の書さん。わたしとの契約なかったことにしてくれませんか?」
「なのは、いきなり本題にするのは」
「やだ」
「はい?」 <>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:56:53 ID:KzOl9fCP<>
「やだって言ったらやだ! 私がこのヘタレにマイスターの気持ち教えてあげようと思ったのにマイスター勝手に解決しちゃうんだもん! 非情だ! 横暴だ! 職権乱用だ!」
なんだかかなりご立腹な様子だ。
顔を真っ赤に頬は膨らませて、荒げたソプラノで彼女はなのはを恨めしそうに涙を溜めた目で睨み続ける。
「せっかく新しい主に出会えたのにお役御免になったらぽいってするんだ!! みんなして私のこと役に立たないからいらないって捨てるんだ! うわぁぁぁぁん!!」
言うだけ言って少女は号泣した。かなり幼児性が強い管制プログラムだな、となぜか冷静にユーノは分析してたりしている。
「だから墓場までついて行ってやるぅ……使ってもらえないのも嫌だけど捨てられるよりはマシだぁ!」
「って言ってるけど……なのはどうする?」
「そ、そんなこと言われても」
子供の世話なんててんで経験のないなのはにはどうしようもない。優しい言葉をかければいいのだろうがこんなこと言われては何を言っても逆効果に思えてお手上げだ。
泣きそうな顔で助けを請うなのはにユーノは仕方なしに覚悟を決めた。
部族で多少は子供の世話はしている。支えるのは男の役目、そうと言わんばかりにユーノは身を屈め少女の目線となる。
「えと……君、名前は?」
「えっく……晴天の書しか……ひっく……ないもん」
「そっか名前がないんだ」
「そうだよ名前も付けてくれないくらい私は役立たずなんだぁ、だから見捨てられるんだぁ!」
一体なのはの前に何人の人間がこの子のマスターになっているのか検討もつかない。
多分推測だが相当な人間が彼女を通り過ぎていったのだろう。じゃなければここまで彼女がなく理由がない。
「大丈夫だよ、なのはは優しいから捨てるなんてことはしない。僕が保障するよ」
「ほんと?」
「うん」
目を擦りながら泣きべそをかく彼女の頭をユーノは優しく撫でる。
「……しんじても……ぐす……いいの?」
「うん。……そうだよね? なのは」
「えっ? あ、もちろんだよ。わたしのために頑張ってくれるんだもん。捨てたりなんかしない、これは絶対」
「なのはもこう言ってる。なのはは素直だからね」
「わかるよ……ずっと見てたから……無限書庫に来た日から君のことずっと見てるから」
少女にとってこれほど慰めになる言葉はなかった。短い間でもユーノがどんな人間かは実体化できないときからずっと見ていた。もちろんなのはもだ。 <>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:57:44 ID:KzOl9fCP<>
「だから私頑張ったんだよ……二人が仲良くなれるように……」
こういう形でしか二人を楽しませることが出来ないから自分は役立たずなのだろうと嫌々ながら自覚する。
「でも君はいつもマイスターのこと考えてないみたいで。マイスターはずっと考えてて」
「僕はずっとなのはのこと考えてばかりだよ」
「……さっきのでわかった」
結局お節介を焼いて無駄なことをしただけなのかもしれない。二人の貴重な時間を奪ってしまったのだ。
また目頭が熱くなってきた。
「そんな顔しないで。なのはの気持ちが分かったんだ、君のやったことは無駄じゃない」
「そうだよ、わたしもユーノくんの気持ちが分かったし」
晴れ空が雨雲に覆われないように二人は心から思えたこと言葉にする。
「ほんと?」
「ほんと」
「ほんとに……ほんと?」
「ほんとにほんと。君は最高の魔導書だよ」
晴天の空には笑顔が似合う。気分は晴天。彼女の顔に笑顔が咲いた。
つられて二人も口元が笑った。
「じゃあいいよ。契約なしにしてあげる。でもぉ……条件があるよ」
「何?」
「二人が仲いいって証拠。ちゅーして、ちゅー」
ぶっ、とユーノの口が唾を飛ばした。聞き返したくないくらい恥ずかしいフレーズが聞こえたのはきっと気のせいではない。
「ちゅーだよ。ちゅ〜ってしてみて! ちゅちゅちゅ〜!」
行為の意味を知っているのか何度も何度も少女は連呼する。したくないわけではないのだが人前で――この場合はデバイス前というのか――それをしろと言うのは拷問ではないか。
「で、でもそれは流石になんというか相手の事情もあるしね」
「わ、わた、わたしは……ユーノくんには……」
「だってマイスター初めてが君ならいいよって言ったよ」 <>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:58:42 ID:KzOl9fCP<>
「こ、こんな時に思ったこと言わないでよ!」
そこまで言って慌てててで口を塞ぐなのは。だが時既に遅し。
バッチリ、ユーノの耳には聞こえています。
「だからちゅ〜〜〜!」
囃し立てるこの子に悪気はない。ただ純粋に二人の仲を祝福しているのだ。
他者から見ればこの子の純真さはすごく愛らしいのだろうけど、当事者にとってたまったものではないのは察して欲しい。
「え、えと……なのは?」
「い、いいよ。恥ずかしいのはきっとお互い様だし……ね」
「じゃあ……」
躊躇うのはなのはに失礼。すぐに行動に移す。
向き合い両の肩に手を添えて目と目で最後の意思確認。唾を何度を飲み込みあう二人は微笑ましいほどに初々しい。
変なものは食べなかったか、歯磨きは大丈夫か、地球とミッドのやり方は同じなのか。ユーノもなのはもおもしろいくらいに頭の中で浮かぶ考えは同じ。
「え、えと……よろしくお願いします」
「こちらこそ」
桜色が満開の頬、心なしか潤んだ瞳。ゆっくりとまずなのはが目を閉じる。
ユーノはそっと双眸を下ろしながら唇を寄せていく。三センチ切った所で視界に幕が下りたけど後はそのままで大丈夫。
――こうして無限書庫から始まった冒険は終わりを迎えるのだった。
<>
176<>sage<>2006/04/06(木) 15:59:27 ID:KzOl9fCP<> インジョー次で最後です。今晩には投下できると思いますので
それにしてもみなさん今回も(敬称省略で申し訳ない)GJです
最近職人がかなり増えてきて何より
でもエロが少ないなぁ……なんて思ったり
…………はい、自分で書きます
では <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/06(木) 16:25:25 ID:OmeNcsbU<> >>176氏GJ!!
エロとな?・・・頑張って下さい、期待してます。
カップリングはやはりユーノ×なのはですか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/06(木) 18:09:43 ID:NDoEeVj3<> >>92氏おつ!
リインフォースとザフィーラ兄の日常もっと読みたいです。
>>454
おつかれ!
ぜひ最終話は淫乱ジョーンズでw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/06(木) 18:10:41 ID:NDoEeVj3<> 呼び捨てにしてしまった。すまない>>454氏 <>
YUKI <>sage<>2006/04/06(木) 22:53:53 ID:PWNRucrC<> 皆様お疲れ様です〜。
いやはや凄い勢いで進んでますね。
皆さんの続きに期待してます! <>
女の戦い 1/2<>sage<>2006/04/07(金) 00:33:43 ID:IKyD83WT<> うう、うう、、ぐす・・ぐす・・ひぐ・ううう・・ (なのは校舎の裏で泣いてる)
私って馬鹿・・本当に馬鹿。クロノくんはなにも悪くないのに、それなのに私
自分が言えないことあんなにはっきり言われたから・・・でも言うの怖かった。
このままにしておこうって思ってた。ユーノくんとフェイトちゃん、ただ一緒に
いるだけなのにすごく繋がってるみたいに見えて・・
がし・・がし (肩を掴んで壁に寄りかかる)
もしあそこに割り込もうとしたら、いまの私とユーノくんとの細い絆とか関係も
壊れてしまうかも・・・・・・・・あっ。
λ (フェイト現る)
フェイト 「なんで逃げたの?」
なのは 「・・逃げた?」
ツカツカツカツカ・・ (フェイトが歩いてくる)
なのは 「フェイトちゃんはずるいよ!」
フェイト 「なにが?」
なのは 「フェイトちゃんだってユーノくんのこと好きなんでしょう!」
フェイト 「!?・・・好き?・・・私がユーノを?・・」
なのは 「なのに素っ気なくして、知らない振りして、なのに私よりずっと
ずっと近くにいて・・ずるいよ!」
フェイト 「か!関係ない!」
なのは 「フェイトちゃんだって逃げてるじゃない!」
フェイト 「なんでなのはにそんなこと言われなきゃならないのよ!」
なのは 「言う資格あるもの!」
フェイト 「え?」
なのは 「私も好きだから・」
フェイト 「・・」
なのは 「私もユーノくんのこと好きなんだから!」 <>
女の戦い 2/2<>sage<>2006/04/07(金) 00:37:51 ID:IKyD83WT<> ブオー (一陣の風)
フェイト 「・・ユーノは・・ユーノは私の・・・私の・・・なに?」
ツカツカツカ・・ (なのはが歩み寄ってくる)
なのは 「私、フェイトちゃんが言うとおり逃げてたかもしれない。でも・・もう
違う・・もう決めた。あやふやなままにはしないって・・他の人に頼ったり
せず自分で頑張ってやってみようって・・・フェイトちゃん。ユーノくんに
好きだって言ったことあるの?」
フェイト 「・・」
なのは 「私・・ユーノくんにちゃんと言う」
フェイト 「・・ダメ・・」
なのは 「はっきり自分の口で」
フェイト 「ダメ・・」
なのは 「ユーノくんが好きですって」
フェイト 「ダメ!そんなの言っちゃダメ!」
なのは 「ううん言う。決めるのはユーノくん。好きだって言ってもいないフェイトちゃん
には負けない!」
フェイト 「私だって・・・私だってユーノのことが!」
ジュバビユビロロロロン (転移魔法)
・・
・・
フェイト 「!?・・なにすんのよ。・・・・なに邪魔してんのよ!」
ブン! (なのはにバルディッシュをかまえる)
フェイト 「すぐに聞かせてやる!私の気持ちを!なのはなんか全然!ユーノは
私とずっともっと沢山あるんだから!なのはなんかに絶対負けない!
絶対・・・負けない!」
まいら〜 (エンディングの曲がながれる) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 00:39:21 ID:IKyD83WT<> 某アニメ見てたらつい書きたくなった。そして書いた。
そして投稿した。いまは後悔してる・・ <>
jewel<>sage<>2006/04/07(金) 00:52:02 ID:Dya4t1as<> >>176氏
お疲れ様でした。残るはらぶらぶなエピローグですねw(期待
つかず離れずの二人もいいけど、こーゆー直球勝負なのもいーなぁ。
>>461
元ネタ?の某アニメは分かりませんが、なんともベタな感じがまたw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 01:01:55 ID:TOiyAwYy<> シャ○だー! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 01:21:09 ID:E2hUaWVG<> >>463
え、えーと…シャ○(マル)? <>
461<>sage<>2006/04/07(金) 01:35:01 ID:IKyD83WT<> なのは 「>>462-464さん。よかったらこれ見ながら読んでね♪」
ttp://up2.viploader.net/mini/src/viploader24799.wmv.html
DLKey: as <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 01:39:53 ID:qJ/cgZk3<> >>464
なぜそこでシャマルがでる? <>
37564<>sage<>2006/04/07(金) 01:48:25 ID:KRTrdHPG<> 続き投下します。
魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
第4話「遊び」
エイミィが連れ出されて約3時間後、説教が終ったのか医務室のクロノとリンディ、
それから半泣きのエイミィが戻った。
「やっと戻った…って、その様子やとタップリ絞られたようやな」
はやては戻ったエイミィの様子を見てそう言った。
「ヒックッ、クロノ君も、ヒック、リンディ提督も、ヒック、酷いよ。ヒック、
私はただ、ヒック、ちょっと大袈裟に言っちゃっただけなのに、ヒック」
エイミィは今にも大泣きしそうな声を出してそう言った。
「そのちょっとの大袈裟で皆が大騒ぎしたんだ」
「そうよ、エイミィ。ほら皆さんに謝って…ってあら?アリサさんとすずかさんは?」
リンディが医務室を見回したが二人の姿が無かった。
「ついでにフェレットもどきも居ないな」
「ああ、ありさちゃんとすずかちゃんだったらもう遅いからってユーノ君が転移魔法で送って行ったよ」
なのはは、ありさとすずかが帰った事をリンディ達に教えた。
「フェレットもどきの次はタクシーもどきか、忙しない奴だ」
「ユーノが聞いたら怒るよ」
クロノの言葉をフェイトが注意した。
どうやら機嫌が直ったようだ。
「あはははは、ん?噂をすれば影みたいやな」
はやてがそう言うと同時に部屋の片隅に緑色の魔方陣が浮びそこからユーノが現れた。
「なのは、二人を送ってきたよ」
「あ、ご苦労さ…」
「よう、タクシーもどき、送るついでに襲ってないだろうな?」
なのはが「ご苦労様」と言い終える前にクロノが意味深な事を言った。
「だ、誰が襲うか!?…って、タクシーもどきって何だ!!??」
すると、医務室では何時も通りの光景が広がった。
「…さて、フェレットもどきをいびるのも止めて…」
「オイィィィ!!!」
「フェイト、何があったのか話してくれるか、なにぶん情報が少ないんだ」
クロノはユーノの声を無視してフェイトにそう言った。
「…うん」
「敵の数はどの位だ?テスタロッサが敗北したとなると、相当の数か…」
「…いや、数は二人、そいて戦ったのはその中の一人さ」
フェイトの隣に居たアルフがそう言った。 <>
37564<>sage<>2006/04/07(金) 01:49:03 ID:KRTrdHPG<> あれは、任務で局員が消息を断った場所に行った時だ、
『この辺りだね。局員が行方不明になったの…』
『うん、エイミィはこの辺りだって…ん?』
その時だよ、フェイトが局員倒れてるのに気付いたのは、
『大丈夫ですか?しっかりして』
『…大丈夫、生きてるよフェイト。気絶してるだけだ』
あたしは、局員の動脈や呼吸をしてる事を確認したんだよ。
『そう、良かった。でも誰がこんな事を…』
『外傷は殆ど無いよ。プロかね?』
その時だよ、後ろの岩場で石が動く音がしたのは、
『『!!』』
そして、そこに居たのは、フード付きマントを被ったいかにも怪しい二人組みだった。
『あんた達かい!局員を気絶させたのは!』
あたしがそう怒鳴りつける様にそう言ったんだけど……あいつ等、何の反応も示さなかったんだよ。
そして、次にフェイトがバルディッシュを起動させて、
『私は時空管理局 執務官候補生の一人。
フェイト・T・ハラウオン。貴方達が局員を気絶させたんですか?』
そう言ったんだけどそいつ等それも無視して飛行魔法で飛んで行こうとしたんだ。
『逃がしません!』
<ハーケンフォーム>
すると、フェイトはバルディッシュをハーケンフォームにして、
『ハーケンセイバー!!』
ハーケンセイバーを繰り出したんだ。
そして、ハーケンセイバーはそのままそいつ等に命中したんだ。
「命中したのなら倒せなくともダメージは食らう筈だ」
ああ、あたしも、そう思ったさ、
けど、命中した時の爆煙が消えると、そいつは傷を負ってる訳でも無く。
そして、フード付きマントも全くの無傷だったんだ。
「何か結界魔法でも使ったんじゃねえの?」
いや、結果系の魔力は一切感じなかった。
あたしは多分あのフードに秘密があると思うけど、
「そのフードがバリアジャケットの類なら可能性もあるけど、
フェイトの攻撃を無傷で抑えるのは僕も納得がいかないよ」
すると、奴等の一人もやっとその気になったのか初めてあたし達に喋ったんだ。
「喋ったって何を?」
…ただ一言『少し遊んでやろう』だ。 <>
37564<>sage<>2006/04/07(金) 01:50:32 ID:KRTrdHPG<> 取り合えず終わりました。
次回「力の差」 <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:24:33 ID:BbK4AXt0<> 発掘最終日 冒険は続くよ何処までも
揚陸艇が停泊している場所まであと少し。四人は疲労感をお土産に来た道を黙々と歩いている。
「でもよかったわ。ふたりが無事で」
「僕も何よりです」
聞かなくても、やつれた笑みを浮かべる辺りシャマルが相当な心労を抱え込んでいるのはよくわかる。
「しっかしゾンビとお友達になるなんてシャマルも物好きだよな〜」
「お漏らしは黙ってなさい」
「漏らしてねーよ! あれは、あれはそう股間の汗だ!」
「股間の汗って……」
なんだか激しく意味を勘違いしそうな響きだけど触れないでおくことにする。きっと本人のためだ。
どちらにせよ、二人がそれぞれ無事に生きていられたことは何にも引き換えに出来ない一番の宝だ。
「私だって騎士だけどやっぱり生き延びるためには恥も外聞も捨てるに決まってるわ」
そう言ったシャマルはあのゾンビに襲われる瞬間一か八かで使った変身魔法で同じ屍に成りすまして事なきを得た。
晴天の書が呼び寄せた時、大量のゾンビをお供に従えてやってきた時は流石に肝を潰したが。
そりゃいきなり自分達を見るなり周りのゾンビを殴り飛ばしてやって来るなり名前を呼ぶのだ、ゾンビのままで。てっきりシャマルも仲間入りしたと思ったくらいだ。
「大丈夫だよ、誰にも言わないから」
「い、言ったらぶっ飛ばすからな! ぜってー誰にも言うんじゃねーぞ!」
両手を振り上げて必死の形相のヴィータ。再会した時の様子は今思い出しても涙を禁じえない。全身誇りまみれで何があったのか股間の所だけ妙に色が濃くなっていて、まぁそういうことなのだ。
だから今の彼女は私服姿で密林の景色から妙に浮いていたりする。
「みんな、もうすぐ舟につくよ。えと、なにかもう気になることとかないよね?」
ユーノの一声に全員が首を縦に振った。顔にはそれぞれもう帰りたいという意思表示がありありと浮かんでいた。
「うん、それと今日はみんなありがとう。それとご苦労様。何も僕からは上げられるものはないけどほんとありがとう」
「いえいえ、最初は嫌々だったけど報酬もたっぷり貰ってますし。それに少し楽しかったしね、ユーノ君」
「あたしはあんまロクなことしかなかったけど……でも結構……楽しかった。また連れてけよ、ユーノ!」
「わたしもいろいろあったけどすごく楽しかった。ユーノくん大好きだよ!」
「あ、あはは……」
何はともあれ三者三様だけど思い残すことはなさそうでなによりだった。隊長としては一番満足できる結果といえる。
「けどよ、よく考えたらなんであたし達がこいつらのお守りしなきゃなんならなかったんだよ」
「空いてるのが私達しかいなかったからしょうがないのよ」
「大体よ……高町なにょはをお守りするなんて怪獣の世話するのと同じじゃねぇか。こっちが危なっかしい」 <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:25:24 ID:BbK4AXt0<>
おまけに怪獣に一番見られたくない姿まで見られてしまって鉄槌の騎士の姿も形無しだ。
「ヴィータちゃん……あんまりそんなこと言うと後ろから撃たれるわよ」
「そんなことしないってば!」
さらりと口走る毒舌の騎士――もとい湖の騎士になのはは思い切り非難の声を上げた。
同時にまだそんな風に思われているのかと思うと少し、いやかなり頭にきた。
「まぁまぁ、もう仲間なんだし仲良くしよう」
「んだよ、おまえもなにょはの肩を持つのかよ」
「そういうわけじゃないんだけどね」
「じゃああたしたちの仲間だな! へっへーんだ。どうだ高町、こいつもあたしの魅力にめろめろらしいぜ」
両手を腰に添えながら胸を張るヴィータ。ちなみに魅力とかめろめろとか意味は知らない。
取りあえず言ってみれば相手を馬鹿にできる言葉だとは思ってはいるが当然ながら使う場所を間違えている。
「むぅ……それならユーノくんはわたしの魅力にめろめろなの! でしょ! ユーノくん!」
「えっ、あ、うん」
腕を引っ張り自分に引き寄せるなのは。なのはの剣幕にユーノは少々押されぎみに声を出した。
「あっ! もう裏切るのかよ!」
「い、いやそういうわけじゃ」
「ならおまえはこっちだ! ユーノ!」
負けじとユーノの片腕を引っ張るヴィータ。こいつにだけは負けられないというプライドがヴィータの中で燃え上がる。
「ユーノくんはこっちなの! 大体ヴィータちゃんはユーノくんはちゃんと名前呼んでるのにわたしは呼んでくれないの!?」
「うっせー、おまえなんてなにょはでじゅ〜ぶんだ!」
「ひ、酷い! じゃあなおさらユーノくんは渡さない!」
「いや、ちょっと二人とも落ち着いて、ねぇ。あっ、痛い! 痛いってば!!」
右へ左へぐいぐい際限なく腕を引っ張られ顔をしかめるユーノ。だけどその声に耳を貸す余裕、今の二人にはほとほとない。
「バーカっ! なにょはのバーカッ!」
「馬鹿って言った方が馬鹿なの! ヴィータちゃんの馬鹿!」
「ね、ねぇ二人とも止めてって、ちょ、痛い! いたたた!!」
「ほんと子供なんだから」
いつの間にか一歩引いた所で成り行きを楽しむシャマル。やっぱり自分達は妙な取り合わせだと三人を眺めながら今一度思った。
「さてと、それじゃ私は先に行ってようかしら。触らぬ神に祟り無しってね」
今晩のおかずのことを考えながらシャマルは一足先に歩き出した。
「ちょ、二人とも腕ちぎれる! ちぎれる〜〜!」
後ろから聞こえる賑やかな悲鳴にやれやれと表情を崩して一人微笑んだ。
――そういえば晴天の書の彼女はどうなったのかというと <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 02:25:25 ID:1fM9yASE<> >>465を見てなぜアリサが炎髪灼眼とか言われてるのか分かった
今までシャ○見たことなかったよ <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:26:32 ID:BbK4AXt0<> * * *
「空間形成、フィールド固定完了。マテリアライズ開始――」
「……にしてもリィンフォースの親戚……みたいなもんやろな。ほんま言葉もでぇへんよ」
次から次へと世界の風景が創造される様にはやてはため息を漏らした。
空中に両手を広げ晴天の書は無数に積載された記憶から注文どおりの世界を具現化させていく。
山、川、森、海――。彼女の思う心は無地のキャンバスに絵でも描くように楽々と作業をこなしている。
「模擬戦闘空間、広域型。……これでいい?」
「うん、上出来」
「えっへへ〜」
無邪気に笑んで彼女が降りてくる。地に立つと同時に彼女は軽やかに走ってユーノに抱きついた。
「もっとほめてほめて〜」
「はいはい」
局員達の演習世界の創造。それが今の彼女の仕事だ。
いつ何時、ありとあらゆる状況に対応しなくてはならない時空管理局から見ればニーズに応じた世界を瞬時に作り上げられる彼女の存在は重宝される以外の何者でもない。
特に武装職員達の演習は時に地を砕き、空を引き裂く文字通りの激戦となることがある。
魔導師としての格が上がれば上がるほど彼らが演習をする土地も世界も少なくなり、下手をすれば彼らが次元世界を破壊する犯罪者に成り下がってしまう。
「もてもてやなぁ……」
取り分けこの隣にいるはやてのような魔導師同士が本気で戦い会うなんて想像しただけで寒気がする。
「あはは……なんか懐かれちゃってね」
「なのはが好きだから私もユーノが好き〜」
それを彼女が肩代わりする。仮想世界ならばいくら破壊しようが誰にも迷惑は及ばない。
しかも術者たちの希望に沿った世界を完璧に創造可能なのだ。至れる尽くせりとはまさにこのこと。
「……ああもう、お腹一杯や。ごちそうさんなユーノ君」
「いや……その、ね。ほらハーレー離れて」
「それ、この子の名前か?」
「うん、なのはがつけたんだ」
契約者として――もっとも今は既に元契約者の身だが――彼女に晴天の書以外に名前がないというのはなんとも虚しいことだ。
堅苦しい名前はこの際捨ててもっと親しみある呼び名こそ彼女にはふさわしい。なのははそう考えハーレーという名前を彼女に授けた。
無論、もう誰も捨てはしないという決意も兼ねているのは言うまでもない。
「晴天だけに晴れ……なかなか上手いこと言うな、なのはちゃん」
顎に手を添えに感慨深げにはやては頷いた。自分が夜天の書――現在、蒼天の書――にリィンフォースと名づけた時とは大違いだ。
『マイスター……』
「もちろんリィンフォースって適当につけたわけやないから安心し。寝ずに考えた名前やないけど誰にも誇れる立派な名前や」 <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:27:49 ID:BbK4AXt0<>
それは今も昔も変わらない。あの子はあの子、この子はこの子。確かに今のリィンフォースはあのリィンフォースではない。だけど背中を押す幸運の追い風である事実は絶対の普遍だ。
同時に頼れる相棒であることも。
「ねぇユーノ、このお姉ちゃん誰?」
「ん? この子ははやてのデバイスで」
「蒼天の書、またの名をな。リィン出ておいで」
はやての肩に腰掛けていたリィンフォースが光を纏いながらはやてより一回り小さな少女となって実体化する。
「リィンフォースといいます。よろしくお願いします」
「は〜い! 私はハーレー、よろしくねリィンお姉ちゃん!」
「うちのリィンフォースはいい子やから仲良うしてな」
「うん!」
流石同じ魔導書同士気が会うのだろうか。早速、意気投合してる辺りいろいろな心配は杞憂になりそうで何よりだ。
「じゃあ僕は仕事があるからこれで」
「司書の仕事か? そんなん後でええやろ。もうちょいゆっくりしてもバチあたらへんと思うよ」
はやての言葉にユーノは首を横に振った。
「みんなを待たせちゃ悪いからね。それにロストロギアは待ってくれないからね」
その仕事は今のユーノに司書以上に大事なもの。すでに足元から転送方陣を呼び出し転送の準備を始めていた。
「ああ、もしかして遺失物捜索班のどえらいホープっていうんは……」
思い出す頃には既にユーノは遥か遠く、別世界へ旅立った後だったりする。
「……せっかちやなぁ」
どこか遠い目ではやては晴天の空を仰いだ。
――うん、いい天気。
* * * <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:29:49 ID:BbK4AXt0<>
「ついに……ついにこの時が来た!」
厳かな雰囲気を醸し出す祭壇の上で法衣を着込んだ男が感嘆の声を上げる。血走った目は狂気に染まり視線で人を殺せるくらいの迫力を持っている。
台座の上には不気味に明滅する真紅の宝玉。それを前に初老の男が両の手を空へと掲げる。
「古より言い伝えられし幻想! 今この時を持って現世せん!」
男の言霊に宝玉が応えるように光を投げかけ始める。
何を成そうというのか、少なくともそれは人の世のためになるものとは思えない。きっとこの世を混沌へ導く滅びのに違いない。
「現れよ……現れよ……現れ」
「待て! そこまでにしてもらうよ!」
だが誰も指を加えて滅びを待つことなどするものか。
「誰だ!!」
振り向く男の先には
「あなたのやろうとしていることはロストロギア無断使用の立派な犯罪です」
男を見据え風に金髪を遊ばせながら年長者の風格を漂わせる女性
「人様の物は勝手に使っちゃいけねーって教わらなかったのかよ」
呆れたように腕を組み斜に構える小柄な少女
「あなたにどんな事情があるかは知らないけど絶対やらせはしない!」
凛と声を響かせ愛杖を構える黒の魔導師
「今ならまだ間に合います、退いてください。それができないなら然るべき罰を受けてもらいます」
杖を左に右手は相手を指差し、高らかに言い放つは白の魔導師
――そして
「ロストロギアは希望を育てるために生まれたんだ。それを私利私欲で利用するなら」
眼光と共に逆の意味で紅一点の少年が一歩踏み出る。
「僕は絶対に許さない!!」
風にマントがなびき彼の言葉は容易く男を怯ませた。
「お、おのれ管理局か! 格なる上は……いでよ!!」
男の片手が印を描き指先から赤い光を大地に放つ。すると地面から石膏像のような人型が次々に現れた。
「貴様らこそ盗掘者ではないか!」
「おまえが言えた義理かよ。あたしたちは悪人の手からロストロギアを守るために戦ってんだ!」
啖呵を切り少女が鉄槌を振り回す。 <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:30:48 ID:BbK4AXt0<>
『みんな、そのロストロギアは時限式であと三分で停止させないと暴走状態になるよ! 早くしないとそこごと吹っ飛んじゃうからね!』
通信されるエイミィの声に彼は、いやそこにいた五人は竦むどころか口元を緩ませるほどの余裕を見せた。
「三分……ユーノくん」
「うん、確かにちょっとした冒険だね」
だけどそれこそが自分達の原動力――!
「いくよみんな!!」
「ええ!」
「おう!」
「うん!」
「まかせて!」
号令にあわせそれぞれの右手に握られたのは携帯電話を思わせるような管理局御用達の最新デバイス。
「アクセル!!」
下部についたホイールを二の腕に勢いよく滑らせ
「イグニッション!!」
天に掲げ五人が叫ぶ。
刹那、五色の光がそれぞれを包みこみその姿を一瞬にして変えていく。
それは彼らが魔導師を捨て転生する瞬間。
今ここに五人の冒険者が誕生した――。
「アドベンピンク!!」
高町なのは――またの名を高き冒険者。
「アドベンブルー!!」
湖の騎士シャマル――またの名を深き冒険者。
「アドベンブラック!!」
鉄槌の騎士ヴィータ――またの名を強き冒険者。
「アドベンイエロー!!」
フェイト・T・ハラオウン――またの名を速き冒険者。
「アドベンレッド!!」
そしてユーノ・スクライア――誰よりも冒険にかける情熱は熱い、またの名を熱き冒険者。
全身を特殊スーツで覆った彼らはロストロギアを探し、守るスペシャリスト。
その名を―― <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:31:34 ID:BbK4AXt0<>
「冒険戦隊! アドベンジャー!!!」
決めポーズを華麗に決めて彼らの背後を爆音と爆炎が盛大に飾った。
「いくぞ!!」
赤き戦士が大地を蹴る。そうして手にした鎖鞭は敵を痛快になぎ倒す彼の十八番。
司書は大事だ。考古学も大事だ。
だけどそれ以上に大事なことを見つけた。
「でぇいやぁ!!」
世界を股に駆ける冒険者。
今のユーノにはそれこそが全てだ。
彼らの冒険は終わらない。
むしろそれは
「みんな! 一気に決めるよ!!」
――今ここに始まったのだ。 <>
176<>sage<>2006/04/07(金) 02:32:30 ID:BbK4AXt0<> まずはお詫び
今晩といいながら結局丑三つ時を過ぎてしまいましたorz
なにはともあれこれにてインジョー終幕です
なんだかんだでギャグもシリアスも中途半端間が否めない
という結果になった気がしてならない今日この頃
なぜか混じっているフェイトはご愛嬌ということで
次はエロが先になるかあれを先に書くか
まぁ、気長に待っていてください <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 02:46:02 ID:EmTb+54w<> リンディ「アースラ緊急変形! GO! 超巨大時空ロボ! アースライガー!」
プレシア「おのれアースラめぇー! ゆけぇ! 我がしもべ魔人獣フェイトン!」
とか思いついた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 03:05:12 ID:ZuCeOkM1<> イエローのピンチに颯爽とやってくる謎の(バレバレの)助っ人クロノとかありそうだと思ったが
ヴィータにブラック取られてるから出れないw
アースライガーはちょっと格好良いと思った。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 03:28:12 ID:LebvPm50<> すげえ、最後でボウケンジャーかよ(笑)
腹筋痛くなるほど笑わせてもらった。
176氏GJ、お疲れ様。
>>480
そこで師匠譲りの仮面と変身魔法ですよ。
アースライガーは同意。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 08:39:53 ID:gqq+9XAX<> ボウケンジャーとは恐れ入りました!
敵対している相手はガジャですか? <>
YUKI<>sage<>2006/04/07(金) 21:38:47 ID:5EUrEkSg<> いやはや、さすが176氏。まさか最後にそれとは・・・・
GJ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 21:57:09 ID:ETOHMR/Y<> >>176
ユーノ=不滅の牙?それはそうと第3期やるなら冒険モノにすれば前2作との
区別化も図れるしユーノの見せ場も増えそう。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 22:03:36 ID:u/8j1Plq<> いま最も幸せな時期なんですよ。
幸せだー。
浸る。
これがだんだん荒れてくると思うと
涙がこぼれるですな。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 22:12:48 ID:tS1LD8/g<> このスレでユーノ君は贔屓めに扱ってもらえて
喜んでるだろう。SS書いてるみんな愛があるね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 22:22:31 ID:qJ/cgZk3<> >>484
むしろスクライア一族に焦点をあてればいんじゃね?
結構謎がおおそうだし。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 23:00:33 ID:z0ag2jHt<> >>176氏
GJ&完結乙です。
最後の最後にあのような萌えキャラが出るとは…痴話喧嘩に夢中で予想できなんだ。
破壊魔導師のなのはさんに、この子うまく使えるんだろかと思ってましたが
うまい具合に落ち着きましたな。
…シャマさん達、奇妙な取り合わせとか言ってたのにすっかり馴染んで…。
しかもフェイトさんまで。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 23:00:42 ID:EmTb+54w<> 男が基本的に少ないのと、年齢が同じなのがユーノしかいない。
まぁ顔も中性的だし、クロノみたいに強いワケじゃない、話に使うにはうってつけ。
主人公が強いと一撃で終わるからな、例えばな○はA’sとかいうアニメとかさ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 23:09:18 ID:ETOHMR/Y<> >>489
その男キャラって誰? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/07(金) 23:19:54 ID:vCoJOljH<> グレアム提督とか仮面の魔道士二人組みとか。
つかなのはって、基本的に女がアタッカーで男がバックスだからなー。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 00:32:30 ID:hHCe260J<> ユーノがピンポイントバリアパンチやMTGの「対抗呪文」や「偏向」みたいな呪文使えたら
いいと思う今日この頃。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 00:46:26 ID:+sPuJ5Y1<> >>492
今週のサンデーの結界師みたいに絶界使えればなおいいんじゃない? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 01:50:08 ID:oIu1LNMy<> 安易な週間少年漫画的バトル偏重指向はリリカルなのはでやる意味ないんじゃないかと思う俺ガイル
好みの問題だけどさ(´・ω・`) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 01:52:28 ID:iu5e6zUs<> ディストーションフィールドとチャクラシールドとオーラバリアを覚えれば無敵。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 01:54:50 ID:iu5e6zUs<> いや、むしろユーノでエヴァ弐号機のATフィールドかな
そしてたまに暴走。 <>
37564<>sage<>2006/04/08(土) 01:59:26 ID:Lke3JB+R<> 魔法少女リリカルなのは、〜伝説の傭兵〜
第5話「力の差」
「遊び?そいつはそう言ったのか?」
「ああ、確かにね。それから戦闘が始まったんだけど…」
『うわああああ!!!』
『アルフ!!』
情け無い事にあたしは奴の蹴り一発で吹っ飛んじまってね、
「何!?お前ほどの使い魔を一撃で!」
「本当だよ、その後私にも来たし」
ああ、あたしの次にフェイトが奴の回し蹴りを喰らったんだ。
「フェイトちゃんが!?」
「うん、あの人は一瞬で私達の懐まで来ていたの」
あのスピードは認めたか無いけどフェイトを上回っていたよ。
「テスタロッサのスピードを上回るか、確かに強者のようだな」
しかも、スピードだけじゃなく一撃一撃がやたら重かったんだ。
「うん、バリアジャケットを着ていても、結構ダメージがあったし」
それから、戦闘が始まって10分もしない内にこっちのスタミナ尽きてきてね。
「私が一気にプラズマランサーで勝負をつけようとしたんだけど…」
「避けられちゃったの?」
いや、全弾命中したさ、でも…直撃した筈の奴が何時の間にかフェイトの背後に回り込んでいたんだ。
「…私はそこで気を失っちゃって」
「…つまり、相手はその一撃でテスタロッサを気絶させたのか」
「でも、よくその相手から逃げれたわね。そんな凄い使い手なのに」
…逃げれたとは少し違うよ。あたしが気を失って落下していくフェイトを抱きかかえた時の話しだけど…
『フェイト!しっかり、フェイト!』
『う…うう…』
あたしはフェイトが生きてる事を確認できたんだ。
そしたら、
『ふん、つまらん』
そいつはそう言って戦いを見ていた仲間の方に向かったんだ。
『待ちな!あんた達!!』
あたさはそう言って奴等を呼び止めたんだ。
『…これ以上何かようか?』
そう言ってそいつは振り返ったんだ。
『…如何してあたし達に止めを刺さないんだい?あんたの実力じゃ簡単だろ』
『…下らん質問だな、理由は簡単だ。お前等を殺したとこで俺達に何の得がある?』
そいつはそう言って仲間が張った転移魔法でどっかにいっちまってったんだよ。 <>
37564<>sage<>2006/04/08(土) 02:00:13 ID:Lke3JB+R<> その後であたしはフェイトと倒れた数人の局員を抱えてアースラに戻って今に至るってところだね。
「…つまり、かなりの実力者って事か?」
「何か身体的特徴は無いの?」
リンディはアルフにそう聞いた。
「特徴って言われてもね。あいつ等やけにヨレヨレのフードを被っていたからね、
特徴どころか、顔すら分からなかったしね」
アルフは眉間に皺を寄せながらそう言った。
「これと言った情報は無しか」
「まぁ、今言えるのはもう遅いからなのはちゃん達はもう帰りなさい」
リンディはそう言って時計に指を指した。
時計は既に8時を回っていた。
「あ、本当だ、ユーノ君送ってくれる?」
「うん、良いよ」
ユーノはそう言って転移用の魔方陣を張った。
「ついでやからうち等も入れてくれん?今日は皆で夕食を食べるし」
「そう、じゃ送ってくよ」
ユーノがそう言い終えるとはやて達5人が魔方陣に入った。
「リンディさん、さよなら。フェイトちゃん明日もお見舞いに来るから」
「うん、なのはまたね」
「途中で襲うなよ、タクシーもどき」
「…クロノ、いい加減僕も怒るよ」
すると、魔方陣の中にいた7人が転移した。
そして、三日程して、フェイトは退院し学校にも行けるようになった。
つづく…… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 02:52:44 ID:T0QsfLOb<> ここのスレでいくつかリインフォースUの登場するSSがありましたけど、
普通の10歳児ってあんなに幼いものでしたっけ。
どうにもなのはやフェイトみたいな普通を遙に超越した大人っぽい9歳児の印象が強くて多少違和感が。
いや、普通に可愛いなって思いはするんですけどね。
ちなみにリインの身長は設定集を参考にし、
なのはの身長を9歳児の平均身長と仮定した場合121cmで、だいたい7歳児の女の子と同じくらいです。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 03:46:58 ID:KH/GVe1g<> リリカルなのはの事は魔女っ子版スクライドだと認識してるけどなー <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/04/08(土) 05:39:13 ID:D4n+MhvG<> なのフェスに関しての告知。ちょっと製本作業の都合で、当初一冊にまとまる予定だった話が、
二冊に分かれることになりましたorz
当初は三本の話の入った本であったのが
フェイト話一本の「群集の中の猫」
八神家メインが二本の「八神家はかくも騒がしい。」
の二冊に分かれます。その分一冊の単価も安くなりますので・・・orz
では、改めて当日いらっしゃる方、お会いしましょう。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 07:23:26 ID:dIXAKmtc<> >>501
収支均衡ラインが高くなっちゃったんだ
がんばれー <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 11:01:02 ID:7+ojK6Lv<> >>501
メロンとかで通販は無理? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 12:11:28 ID:9vMwzzf5<> 魔法少女リリカルなのはA's+のユーノはあの台詞が似合いそう。
「力が無いのが悔しかった」(もっともユーノはシン程追い詰められてはいな
かったが) <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/04/08(土) 13:15:40 ID:MU6WAxf3<> 作業終了で寝る前にもう一度だけレス
流石に追い込みで寝てないのはきついですorz
おまけに花粉症がいい感じでキテるしもう死にそうorz
当日は根性で行くけどorz
>>502氏
d。
>>503氏
なにしろ同人誌作るのはじめてだわ絵をまともに描くのはリア工以来だわで
SS本とはいえコピー本なんですよ。委託通販なんてできるレベルの代物じゃないですorz
一応売れ残ったものは捨てアド晒すなりなんなりする気ですが。
それで欲しいって人がいたら連絡していただけたら、といった感じで。
ああ・・・文がおかしい・・・。寝ます・・・。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 14:05:42 ID:x/2adXvT<> >>640さん、明日頑張ってね。俺は地方で行けないから充実した1日に
なるように祈ってるお。
土産話でもSS風にして聞かせてくれw
<>
YUKI<>sage<>2006/04/08(土) 20:57:33 ID:lhbgYqAA<> みなさんお疲れ様です。
少しだけなんですが、新作を投下します。
まだ途中ですが、続きが書け次第順次投下します。
エロは未定
<>
YUKI 兄と義妹1<>sage<>2006/04/08(土) 20:58:24 ID:lhbgYqAA<> ある平和な昼下がり、昼食を終え元気に教室から飛び出す男子生徒や、おしゃべりに夢中になる女子生徒
聖祥小学校の昼休み時間
なのは・フェイト・はやてのいつものメンバーも食後のおしゃべりを楽しんでいた
「したら、ヴィータがシグナムのデザートまで食べてもうてなぁ。シグナムが必死に怒りを抑えながら、『き、騎士が食べ物の事で怒るなど、はしたない真似はしない!』って強がっとるのがまたおかしくて・・・・」
「あははは・・・・ヴィータちゃん怖いもの知らずだからね・・・・」
「ほんまになのはちゃんの言う通り、ヴィータは怖いもの知らずや。」
「でも、シグナムがデザート取られた事で怒るのって、意外・・・・」
「うん。シグナムさんっていつも冷静でしょ?だからちょっと想像つかないね。」
「フェイトちゃんは戦闘中のシグナムは色々知っとるけど、普段のシグナムはあまり見たこと無いねんな。」
「うん。だから普段のシグナムってどんな感じが知りたいな。」
「そやね、今度の休みはうちで集まろか。」
「うん!そうしようよ!」
「私も賛成。」
そんな楽しいおしゃべりの途中で、クラスメイトの女子がフェイトに話し掛ける
「ねぇねぇ、フェイトちゃん。」
「ん、なぁに?」
「フェイトちゃんって確かお兄さん居たよね?」
「クロノの事?・・・・・・うん、居るけど。」
「やっぱり・・・・・」
おもむろに、女子生徒はフェイトの耳に口を近づけ小声で話す
「ねぇ、だったらさ、今度お兄ちゃんの部屋の#####を探してみて。・・・きっと#####が見つかるはずだから・・・・」
「えっ!? だ、駄目だよ!!そんなの!!!」
顔を真っ赤に染め、思わず叫ぶ
「え~?絶対見つかるからやってみてよ〜」
「だ、だから 絶対ダメェ!!」
両のこぶしを胸元に揃えながら必死に叫ぶ
「あ〜ぁ・・・・じゃぁ、しょうがないかぁ・・・」
フェイトの渾身の拒絶にしぶしぶ女子生徒は帰っていく
「フェイトちゃんどうしたの?」
フェイトの様子が明らかにおかしいので、なのはが心配そうに尋ねた
「え!?だ、大丈夫!何でも無いよ!うん。」
「そ?そう?」
なのはもはやてもそれ以上は聞かなかった
(く、クロノの部屋のベッドの下・・・・・ううん!絶対にそんなことない!クロノがそんなモノ持ってるわけない!)
1人顔を赤くしながら、フェイトは自問自答を繰り返す
そんなこんなで昼休みは終わりを告げ、午後の授業へと入っていくのだった
<>
YUKI 兄と義妹2<>sage<>2006/04/08(土) 20:59:05 ID:lhbgYqAA<>
数日後
アースラ艦内 ブリッジ
コーヒーの入ったカップを持ちながらクロノとエイミィが話している
「・・・・・フェイトちゃんが?」
「あぁ。最近なんか様子がおかしいんだ。 僕の部屋に居るときもなんかそわそわしてるし、どうも落ち着きが無いというか・・・」
「う〜ん・・・あの冷静なフェイトちゃんがねぇ・・・・?」
「何か気になることでもあるのかと思って聞いてみたんだけど、特に何も無いって言うし。」
「ふ〜ん・・・・・・・こりゃぁ、もしかしてフェイトちゃん恋患いかな?」
「ブッ!!! 」
おもいっきしコーヒ−を噴出すクロノ
「キャッ!! もぅ〜クロノ君汚いよぉ。」
「ケホッゲホッ! な、何を言うんだ!! そんなわけないだろう!!」
「え〜?なんでそう言い切れるかなぁ? あの年頃の女の子は、男の子よりもそういう成長が早いんだよ。」
「き、キミはそうだったかも知れないが、フェイトは断じて違う!!」
「おやおや、それはクロノ君の希望であって、現実はどうかなぁ?」
「ぜ、絶対に違う!絶対にだ!」
「はいはい、そういうことにしておきましょう♪」
「ま、まぁ、とにかくフェイトから話が聞けないとどうしようもないんだ。」
「そうだねぇ・・・あのフェイトちゃんが落ち着きが無いっていう事は、それなりに何か理由があるはずだねぇ。」
「うん。 でも何も無いと言い張るんだ。」
「で、あたしに相談したってわけだ。」
無言でクロノはうなずく
「うん!わかった! 私がフェイトちゃんにそれとなく聞いてみるよ!」
「そうしてもらえると助かるよ。 できれば僕がなんとかしたいんだが、兄よりも、同じ女性同士のエイミィの方が何か話してくれるかもしれない。」
「わっかりました!ここはエイミィ姉さんに任せなさい!」
自身満々に胸を張るエイミィ
クロノはさりげなくその胸から目をそらす
<>
YUKI 兄と義妹3<>sage<>2006/04/08(土) 21:00:48 ID:lhbgYqAA<> その日の夕方
戦闘トレーニングを終えたフェイトが休憩室で休んでいた
「ねぇねぇ、フェイトちゃ〜ん・・・ちょっといいかなぁ〜・・・?」
入り口の柱から顔だけ出したエイミィが「おいでおいで」をしながら呼びかける
「エイミィ・・・?どうしたの?」
「んふふふふ・・・・ちょぉっとフェイトちゃんに聞きたいことが有ってねぇ・・・」
あからさまに様子が怪しいエイミィに危機感を感じつつも、フェイトはエイミィに近づく
「エイミィ・・・聞きたい事って?」
「ん〜、実は最近クロノ君の様子がおかしくてね。 なんかため息ばっかりしてるのよ」
「・・・クロノが? 最近悩むような事件って有ったっけ?」
「うぅん。」首を横に振ってエイミィは答える
「でも義兄さんが悩むっていったら事件以外には・・・・・・・無いよね」
事実とはいえかなり寂しい現実である
「う〜ん・・・実は事件以外にも有ったのよねぇ、これが。」
「えっ?何だろ・・・?」
それが自分自身のことだとは想像もつかないようだ
「実はね、フェイトちゃんのことなの・・・・」
「えっ?! 私?」
「うん。・・・・・・『最近フェイトが悩んでいるようだ、話を聞こうとしても話してくれない』って嘆いているのよ。」
「あっ・・・・・・」
「・・・・・・フェイトちゃん、最近何か有った?
クロノ君には私の方から上手く伝えるから、できれば私には話をしてほしいな・・・」
「えっと・・・・・・その・・・・・あ・・・・」
「・・・・・言いにくいこと・・・なの・・かな?」
「う、・・・・うん・・・」
そのままうつむいてしまったフェイトからは無理やりに聞くことも出来ず、取り合えずフ
ェイトとはその場で分かれた
<>
YUKI<>sage<>2006/04/08(土) 21:02:54 ID:lhbgYqAA<> とりあえずここまでで・・・・。
自分自身姉妹が居ないんで、クロノ・フェイトのやりとりにはかなり自分の妄想入れていきます。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/08(土) 23:17:45 ID:T6YPPS2m<> >>485
泣かずに投下するのです。
それが最大の攻撃は防御。 <>
さばかん<>sage<>2006/04/09(日) 02:34:21 ID:8ELSoaBp<> はじめまして、「アドリブなのは」と言うのを投下します。
お見苦しい点が殆どなのをお許し下さい。 <>
さばかん アドリブなのは1<>sage<>2006/04/09(日) 02:37:55 ID:8ELSoaBp<> 高設定のイベント日。パチスロ店の朝は戦場だ。
その苛烈な争いをたばこをふかしながら新聞を読み、静かに待つ少女がいた。
「開店まであと10分。今日は何狙いですか、なのはさん?」
「そうだな。北斗も悪くないが、矢張り、最近話題のアレにしようと思う」
たばこを握り潰し地面に投げ捨てる。燃え滾る殺気が只事では無いとヘタレのユーノも気付いた。
それと同時に高級外車が列の横に止まる。
「・・・来たか」
「え、何が来たんですか?」
「強敵(とも)だ!」
外車のドアが勢いよく開かれ、中から金髪の少女が現れる。
「ご苦労。下がっていいよ」
列の先頭のゴツイ男が少女に道を譲る。
「フェイトちゃん!おはよう!!」
さっきまでの殺意はどこへやら、ほのぼのと挨拶をする。
ゴツイ男の後ろにいたなのはは自然とフェイトと隣りになる。
「ああ。おはようなのは、いい天気だね」
(なんだ。僕の気のせいか。)
そう思っていたのもつかの間。
「だねー。・・・で?今日はどんな無様な負けを見せてくれるのかな」
(えー!またしても殺気!!)
「あの時は流れに乗れなかっただけ。今日は君が奔流に落ちてもらおうか」
<>
さばかん アドリブなのは2<>sage<>2006/04/09(日) 02:39:08 ID:8ELSoaBp<> 二人に殺気が纏う。それが開店の合図となる!
ダダダダダダダダダダダ!!!目的の台に走る二人の少女。ついでに一匹。
「はぁはぁはぁ。な、なのはさん!何を打つんですか」
列の群れから外れ、二人の少女はある島(台がならんでいる場所のことです)を目指す。
そしてその台に座る。
「ちっ、私の狙っていた台が・・・仕方ない、第2候補で甘んじるか」
「な・・・なのはさん!本当にこの台で打つんですか!?」
ああと答えるなのはにユーノは愕然とする。
それも当然。彼女がコインを入れ、回しているスロット台は勝ちにくいと悪評のある
4号機(スロットの種類の事です)「魔法少女リリカルなのは」だったのだ。
だが、出る時ははんぱ無く出てしまうと言う漢使用が一部のスロッターに好評だ。
5万枚は出たとか出てないとか、まぁ、色々言われている。
「ああもう!僕もなのはさんの隣りで打ちます!」
腹を切る覚悟で椅子に座る。ちなみに、ユーノはこの台で一度として勝った事が無い。
それから暫くして。
「おらおらおら!!来たぜ、パトル演出!!!
修行からのバトル演出は激アツ(当たり易い事です)だぜ!!!!」
唸るなのは。
「なっ・・・!!!」
「はっハヤッ!!!まだ3000円もつぎ込んで無いのに。なんちゅう引きだ」
「そして、肝心の相手は・・・来たッ!!!!フェレットならスターライトブレイカーの連発で楽勝だ」
彼女の予想通り、バトル演出はディバインシューターでフェレットをなぶるようにし、
ライトニングバインドで動きを封じ、スターライトブレイカーが叩き込まれた。ムゴイ。
(なんだろう。この泣きたくなる気持ち・・・)
口元を引きつらせ、苦笑するユーノ。それを一瞥し、7を揃える。
「さあ、連荘(連続でボーナスを引く事です)してくれよ!」
その願い虚しく、ボーナスは一回に終わる。
舌打ちをし、タバコに火を付け打ち続ける。 <>
さばかん アドリブなのは3<>sage<>2006/04/09(日) 02:40:34 ID:8ELSoaBp<> それから暫く時間が経ち、勝負は圧倒的な差を見せていた。
「別れのリボン交換・・・よしっ!ポーナス確定だ」
にこにこと笑い、ボーナスを消化するフェイト。対してなのはは完全に負けていた。
コインは4箱の差があり、イベントの集計結果までは残り時間が1時間を切っていた。
なのはとて差を埋める努力を惜しまなかった。朝からなのはは汗と煙しか摂取していない。
対してフェイトはリンディママに作って貰った愛情弁当をもーりもり食べ、ちょくちょくお手洗いにも行く。
クロノとちょっとイケナイメールをしちゃったりもしていた。
そのタイムロスを殺しても埋まらない。悔しいが、これが彼女の言う、「流れ」なのだろう。
「あれ?なのはさんまだりりなの打ってるんですか?さっき、北斗のいい台を打ってそこそこ
稼いだんですよ」
ほれほれと荷車に積んだコインの山を自慢する。
「あぁ?ユーノいたのか」
ギロリと睨むなのはにユーノは顔面を蒼白させる。
「な・・・なのはさん!さっきから完全にはまってる(当りがでない状態の事です)じゃないですか!」
「詰まらない事を。大丈夫だ、私の目算ではこのまま打てば問題無く勝てる!」
「強がりだね、なのは」
「な・・・にっ!?」
フェイトがなのはを見据えて言う。
「悪いけど、今日の出球ナンバーワンは私だ。私は勝ちます!なのは、約束を忘れないで」
その「勝利」と言うワードになのはの心は爆発した!
「・・・言っちまったなおい。言ってはならない言葉をよぉ!!」
ユーノの荷車を借り、なのはは台を移動する。
「ここでアドリブのきかない奴は・・・勝てねぇ!!!」 <>
さばかん アドリブなのは4<>sage<>2006/04/09(日) 02:41:58 ID:8ELSoaBp<> 「こっっ・・・この台は!!!」
愕然とするユーノ。その視線の先には。
「そう『魔法少女リリカルユーノ』だ!!!!!!」
「この台は無茶です!ハッキリ言って金を捨てるようなものですって」
そう言って悲しかったのは何故だろうとユーノは思った。その理由を彼は永遠に知る事は無い。
つーか、気付かせない。
ちなみに「魔法少女リリカルユーノ」とは、はっきり言って「魔法少女リリカルなのは」のパクリで
現在、裁判で争っている最中の、色んな意味で話題の台である。
「確かに。現在稼動中の台でコイツはだんとつ出ない・・・だが」
「なっ・・・プレミアイベント『私とユーノのリボン』そして・・・」
にやりと笑うなのはは7を揃える。
「そう。このレアイベントはボーナス直結!!!長ロング連荘だぜ!!!!」
「・・・す、すげぇ!一体どれ位続くんだ、この連荘」
「決まってる。私が勝つまで、永遠にだ」
そう言ったなのはは勝利を見たように笑っていた。
イベント集計5分前、フェイトはなのはの様子を見てその流れを受け入れる。
「そうか・・・約束はまだまだ先になりそうだ」
悲しそうな顔は同時にすがすがしさも持っていた。
「その、約束ってなんですか?」
ユーノの質問にフェイトが答える。
「ああ。私が勝ったらなのはを嫁にすると言う内容だ」
「ここに来てレズ展開!」
「悪いな。今日も勝っちまった。次は勝てるといいな」
そう言って、優しくフェイトを抱きしめた。腕の中、きっと、フェイトは笑っていた。
「さあ、今回の出玉ナンバーワンは・・・」
ふふんを無い胸を張り、自分の名前を呼ばれるのを待つ。
「主役は銭形を打ったはやて様です!!!」
「「「な、なにーーーーーーー!!!!!!」」」
様子を見に行く。
「よっしゃ!ボーナス確定や!!!」
「なぁ、はやて。もうかえろーぜ!」
赤い髪の少女が帰りたいとせがむも言葉巧みに拒否される。
「子連れか!」 <>
76<>sage<>2006/04/09(日) 03:56:09 ID:kzuZS8/E<> >>513氏
ちょ、なにやってるのさ小学三年生達ぃー!!(笑)
……ええ、失礼します。
A's COMBATの続きを投下したく参上いたしました。
なのフェスを本日に控え、作品も豊作となっているようですね。
間が空いたせいもありますが、量が多すぎて感想が間に合いません。
全てに目を通させて頂き、日々の活力とさせて貰っています。そしてGJと皆様に言いたい。
反面、自身の品は活劇一辺倒となりつつありますが、一つ大目に見ていただけると助かります。ああ、萌えも書けるようになりたい。
では中篇その2(伸びましたすいません)でございます。 <>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:00:49 ID:kzuZS8/E<> その変貌は一瞬にして行われた。
「!?」
クロノの視線の先、白を率いて飛ぶ黒の巨体が余剰魔力を放出しながら大きく形を変える。
それは漆黒の怪鳥ともいうべき姿であった機械が、更なる力を求めて行う進化だった。
その容貌は最早鳥とは言えず、いうなれば鱗持つ獣の王――竜という形容が最も相応しいだろう。
「凶鳥(フッケバイン)から空竜(ルフトドラッヘ)への進化……といった所か。全く、進化論も裸足で逃げ出す変貌だな」
戦慄に頬を引きつらせながら、彼はそんなことを考えた。余分な思考ではあるが、こればかりは仕方が無い。
これほどの威容、恐怖を感じずにはいられないその姿見には愚痴の一つでも吐かなければ正常を保つのは難しかった。
と、刹那。クロノの視界の先、空竜の姿が爆発した。
否、それは変形行動により速度の落ちた自身を無理やりに加速させた魔力の迸る様だった。その速度は先程よりもなお速く、鋭い。
変形により出力を増したその力は、だがそれだけでは無く外部からの魔力供給があって初めて可能となる、常識外の力だ。それは加速し続ける空竜に更なる力を与えて猛らせる。
吼える。
「! 拙い!」
「クロノっ!」
フェイトが悲鳴にも似た叫びを上げる。
彼女の視線の先、黒の人影が夥しい数の閃光に飲み込まれた。
大きく開かれた顎より放たれたるは、咆哮の怒声ではなく無数の白い輝きだった。拡散する竜の吐息は標準すらしているかどうか怪しい漠然さをもってクロノ・ハラオウンのいた空域を薙ぎ払う。山脈となって広がる雲海が瞬時に消失し切り裂かれる。
莫大な量の破壊を撒き散らす輝きの真っ只中に放り込まれたクロノは、それらの間隙を縫うようにして飛翔した。
だが、どう機動しても無数を誇るドラゴンブレスの放射からは逃れられない。絶対に回避できない不可避の一撃が、数えられるだけでも四つあった。
避けられぬ、ならばどうするべきか。意識を研ぎ澄ませ、行うべき事、行使するべき術式を即座に選択し起動する。
「――――悠久なる凍土」
詠うように唱えながら天へと伸びる。白の軌跡は瞬く間に閃光により穿たれ消える。
「――――凍てつく棺の内にて」
歌うように放ちながら我が身を滑らせるようにサイドに切る。肩口に威力が掠り、堅牢を誇るバリアジャケットが一瞬で蒸発した。
「――――永遠の眠りを与えよ」
謳うように奏で、舞うようにその氷結の杖を振るう。叫び放つのは凍結の祝詞。万物を凍え結晶させる、白の棺。即ち――――。
「――――エターナル・コフィン!」
白を切り裂く白が空を覆う。放射された魔力の輝きは回避軌道上の閃光の尽くを凍結させ、粉々に砕いた。
魔力という非実体を完全に凍結、破砕させながらクロノはだが、閃光の終焉を待ち侘びるように無言を念じる。
やがて猛攻が収まるのと、デュランダルが機能限界に達し魔力放射を終えるのはほぼ同時だった。余剰魔力が蒸気のように杖より噴出す。
「保ったか……!」
荒げるように息を切り、呻く。
「クロノっ……!」
その様を見届け安堵に胸をなでおろしたフェイトは、しかし驚愕に心中を穏やかならぬ思いで満たす。
かの空竜は更なる加速を行いながら、これ程までの砲撃までをやってのけた。これは明らかに空竜固有の性能だけでは説明が付かなかった。
かつて、母であるプレシア・テスタロッサが時空管理局と相対した時、母は単独で次元を跨ぐ魔法攻撃を行い、時空管理局の武装局員を蹴散らし、大量の傀儡兵を使役してみせた。
これらの神業はプレシア・テスタロッサの手腕も大きいが、それと同等以上に彼女が保有していたロストロギアを動力とした要塞のバックアップが大きかった。
そして今、眼前で疾駆する空竜もまた、発動機型ロストロギアの補助を受けてその力を限界まで引き出されている。
その事実を脅威に思いながら、しかし彼女は怯まない。なぜならば、これは予測できていたことである。なによりも、これは此方にとっては――――
「確かに予想以上の能力、でも――――」
冷や汗に頬を濡らしながらも、彼女は不敵に口の端を歪め呟く。その言葉に同調するように、杖を振りぬいてクロノが吼えた。
「――――それは、此方も待っていた事だ!」
<>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:02:09 ID:kzuZS8/E<>
遠く空の彼方、その力の源が放つ波長を捉えた観測員は待ち侘びたといった体で叫んだ。
「センサーに感、距離一万二千! ――――ロストロギアの反応です!」
「来たわね……!」
観測員の報告を受け、リンディは身を乗り出し呟く。
強力な迷彩結界によって覆われ守られる敵拠点。その座標を特定することは至難を極めるが、しかし打開策が存在しないわけではない。
例えば、外部に対して放出される強大な魔力のラインが観測できれば、喩えそれが巧妙に隠蔽されていたとしても発見できるだろう。
そう、例えば、防衛用ロストロギアの動力として機能する、発動機のロストロギアのエネルギーラインなど、だ。
故に迎撃部隊の二人は、ガーディアンの全力を引き出す必要があった。そして今正に、出力を臨界まで高めた発動機の魔力がアースラの広域センサーに捉えられたという塩梅である。
その結果に対して、リンディは更なる号令を放ち連鎖を生む。
「主砲解放、回頭65度、発射角修正。――――標準!」
その言葉を受けて、アースラ外部に装備された二基の粒子加速砲に火が灯る。アースラに搭載された火器管制AIが不可視の目標を正確に捉え、砲塔に放電が収束していく。
そしてその輝きが瞬く間に臨界に達した次の瞬間、リンディは叫んだ。
「――――発射!」
同時、真昼の空をなお照らし上げて二条の閃光が地平の先へと放射された。亜光速で放たれた荷電粒子は彼方にて着弾、その果てを輝きで飲み込む。
炸裂するエネルギーの奔流が天と地を閃光の柱で繋ぎ、一切を吹き飛ばして消し去った。
そしての数瞬の果て、光爆が収縮するように収まっていく。と、その後に現れたのは――巨大な、白亜の要塞であった。
「ステルスフィールドの破壊を確認! 敵要塞を補足しました!」
モニターに表示される火山ほどの大きさを誇るその巨大要塞を確認しながらエイミィが叫ぶ。その画面にて計測される数値は、周囲を覆う結界の大部分が取り除かれている事を示していた。
もとより艦載兵器の一撃程度で攻略できるものでもなければ、破壊が目的というわけではない。だが時空管理局技術部謹製の粒子加速砲に付加されている結界破壊効果は充分にその効力を発揮し、敵要塞の迷彩結界を無効化していた。
これこそが目的であり、そして次なる一手に繋がる布石である――――そう思考しながら、リンディは一人頷き、叫んだ。
「続いて、突入班を転送! 急いで!」
<>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:04:45 ID:kzuZS8/E<>
空に聳える、鉄の城がある。その巨大なる白の城塞の正面、巨大な鋼の門の前に、次々に人影が現れる。そのどれもが杖を持ち、また外套と礼服、護符で武装していた。
この要塞の守り手達――――『銀の暁』の魔導師達であった。五十人近いその魔導師達は意味ある方陣に則り布陣すると、指揮者の合図に応じ杖を構え、敵を待つ。
この白亜の城塞を守る不可知の結界が破られたとはいえ、城塞本体に施された真なる守りである十三層の防御結界は未だ健在である。
次元干渉を含む一切の転移、攻勢を遮断する障壁に覆われたこの城塞の内部に侵入するには、城の主に認められるか、或いは唯一障壁に覆われていないこの正門前広場に現れるしかない。
この広場は客人を歓迎する扉であり、同時に招かれざる者を阻む罠もあるのだ。そして愚かなる侵入者が転移してきた次の瞬間、待ち構える精鋭魔導師達の一斉砲火を受けその客人は相応の姿となって天に召されるのである。
と、その時。魔導師達の眼前数十メートル先の空間が歪み、何者かが現れようとする。その輝きを視認して指揮者はタクトを振るようにして短杖を振り上げ、号令を上げた。
「砲撃準備!」
音を立てて魔導師達が杖を構えなおし、魔力を収束する。そして転移が迅速に終了すると同時、広場に大きく声が響き渡った。
「――――吼えろ、グラーフアイゼン!」
『Eisengeheul』
吼声一発、振り下ろされた鉄槌が紅の輝きを撃ち、炸裂させる。それと同時、常軌を逸した凄まじい閃光と轟音が周囲を埋め尽くした。
「!?」
放たれた烈光と大音量は恐るべきことにバリアジャケットによる対音波対閃光防御を易々と打ち破り、魔導師達の視界を焼き切り、聴覚を粉砕した。
一瞬にして五感のうち二つを破壊された魔導師達はその衝撃で意識を断絶させ、或いは総身の制御を失う。無力化も同然の体に追い込まれた五十人強の精鋭たちは、故に抵抗することも出来ずに続く攻撃をその身に受けることとなった。
『Load Cartridge.』
「アクセルッ、シューター!」
放たれた無数としか形容できない数の光弾が空を切り裂いて魔導師達を貫く。そして閃光が収まる頃には、全ての魔導師達がその場に崩れ落ちていた。
転移により中空へと現れた赤いドレスの少女は、ようやく地面に着地するとその手にした鉄槌を振り上げ肩に担ぎ、面白くも無いといった風に嘆息した。
「ザコいな、一秒かかってねーじゃんか」
そういって視線を傍らに巡らせると、油断無く周囲を警戒しながらアースラと通信を行う、白の少女がいる。
「こちら高町なのは、正面ゲート制圧完了しました。第二陣の転移をお願いします」
その一切息の上がらぬ悠々とした態度に対し、赤の少女は苦々しそうに言い放った。
「おい高町なのは」
「ん、何? ヴィータちゃん」
通信を終えてなのはが振り向く。
今のアクセルシューターかよ?」
「そうだけど……」
「数、増えてねぇ?」
「ああ、うん。 教導任務とかで一対多数の戦闘をする機会が増えたから、思い切って弾数増やしてみたの」
そんな服のコーディネート変えてみた的な気軽さで言われるような内容ではない、とヴィータはげんなりと思った。恐らく練習相手にされているであろう武装局員達に深い同情の念を抱く。
「化け物ですかよ……」
戦闘技能者として完成された状態で発生した彼女に比類する実力を持っていた相手が、未だ成長期にあるという事実に戦慄が隠せない。だが思わす洩れた言葉は幸いなことに当人には聞こえていないようだった。彼女は言う。
「シグナムさん達も転送されたって」
同時、彼女達の背後で複数個の輝きが炸裂した。振り向けば、そこには知った顔、見知らぬ顔を含めた総勢百人強の大所帯が転移してきていた。
「大した手際だな、鮮やかさが過ぎる程だ。これは、意外とよいコンビかも知れんな」
周囲を見渡しながらシグナムがそう告げ、二人に歩み寄る。
「もー、煽ててもなにもでませんよ?」
「ちょ、誰がなにょはなんかとっ!?」
互いに正反対の反応を見せる二人。笑みを浮かべてその姿を見やる騎士はしかし、次の瞬間に表情を鋭く改め、振り返り告げた。
<>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:07:01 ID:kzuZS8/E<>
「総員、戦闘準備! 装備形式はクイックスタートを選択、後方支援要員は特に防御手段を確保しておけ、乱戦になれば味方と自身を同時に守る必要が出てくるからな!」
シグナムの号を受けて整列、戦闘準備を整えていく武装局員達。その姿を見届けてから、彼女は大きく息を吸い込むと、よく響く声で言い放った。
「本作戦の目標は敵要塞中枢にある組織首魁の拿捕、及び発動機型ロストロギア『時の水車』の封印にある。中枢に至るまでに配置されている十三層の防御結界によって防衛されており、その解除には工作班に対処してもらう予定だ」
言って、シグナムは橙色と藍色、ふたりの獣人に視線を送る。
「ういうい、任せておくれよ。 ……とはいえ、結構厄介な結界っぽいねぇ」
「何、今回は俺とお前がいるのだ。 大した障害ではあるまい」
「……まぁ、そだね」
事も無げに言い放つザフィーラに頬を掻きながらアルフが応じる。その会話を見届けながら、シグナムは再び言葉を紡いだ。
「我々の任務は、工作班を敵の攻撃から死守し結界を突破、中枢まで護衛することにある。敵は強大にして多数、乱戦が予想される。極めて困難な任務である」
瞠目して告げる騎士は、しかし次の瞬間帯刀するアームドデバイスを抜き放ち一閃した。
さらに言う。
「だがそれが何だ? 我らは精鋭、三千世界を秩序の名の下に守護する時空管理局の剣である。幾多の世界を危機より救い、今もまた守らんと戦い、そしてこれからも守ってゆくだろう。
いいか、我らの一挙手一投足が世界を守る一手に繋がると自覚せよ。
人が集い、人が暮らし、人が生きる場所を護る為に。
自身の親愛なる人の為に、親愛なる人の親愛なる人を、その先の親愛の尽くを守護するために戦うのだ」
謳うように朗々と言葉を紡ぎ、手にした愛剣を眼前に掲げるように構える。
「世に世界の危機数多かれど、この危機を打破できるのは我らのみ!自らの価値としたその戦いの業に賭けて、人に仇なし不遇を呼ぶ輩を今此処で討つ!」
『『――――応!』』
叫ぶ烈火の将に応じ、武装局員達は一斉に姿勢を正し吼え、靴を鳴らす。その様を良しとして笑みをつくり、騎士装束の女は視線を空へ送った。
「あの蒼穹の果ての戦場で戦う同胞の労に応えるためにも、迅速に事を運ぼう。そして全てを迅速に終えて、この一件を、連中の大計を取るに足らない愚者の仕事に叩き落してやれ。全ての所業が大した事がないものだと思わせてやれ。全てを再び繰り返さない為に」
一息。シグナムは大きく振り返り、巨大な城門を視線に収める。彼女が何を言うまでもなく、従者たる剣はその力を解放する。
『Explosion.』
剣を振り上げる。声高く宣言される型はシュランゲフォルム。力を纏う鞭状連結刃を構え、烈火の将は轟くように号令を放った。
「――――総員帯杖! 突入開始!」
同時、放たれた光の一刀は城門まで瞬時にして届くとその巨体を一撃の元爆砕した。それを合図とするように装甲を纏った人影達がストレージデバイスを構え、奔る。
それはさながら槍のように無数に掲げられながら、古代の戦場における騎兵達のように進撃していく。その流れの中で、シグナムは悠然と歩みを進め始る。
その様を見届け、流れに沿いながら走るヴィータは思った。
「シグナムの奴、久々の集団戦闘だからってハシャいでるなぁ……」
指揮官として血が騒ぐといったところだろうか、と。四騎の中で唯一統率能力を保持する彼女の笑みを眺めながら、少女はそんなことを考えていた。
戦いが、始まろうとしている。
<>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:10:35 ID:kzuZS8/E<>
『制圧部隊、突入を開始しました!』
アースラより送られる通信を聞きながら、フェイトは蒼穹を疾駆する。広域を知覚する彼女の索敵魔法は、相手である敵の数を親機と子機で合計三機と認識している。
既に三機が撃破され、対して此方は余力を残しつつも、被害は無い。
目的は果した。後はシグナムたちが敵中枢を制圧するまで、このガーディアン達をこの空に釘付けにしておけばそれでいい。それだけである簡単な任務は、しかし。
『警告! ウィザード2、竜砲の効果範囲内に捕捉されています!』
――――戦線維持困難までに追い込まれていた。
音速すら生易しく黒の鋼が飛翔する。空竜の拡散魔力砲撃の射線上より身を翻して逃れようとするフェイトの頭上から、陽光の日差しが失われた。
顔を上げれば、そこには子機である怪鳥が一直線に急降下してきている。その両翼からは、閃光を束ねた刃が展開されていた。
裁断が迫る。
「くっ!」
呼気を短く切り、全力で身をひねる。だがその回避は間に合わず、右翼の光刃が彼女の痩躯に迫り、そして機影が交錯した。硬質が砕ける音が響き渡り、輝く破片が宙を舞う。
弾かれるように空を滑る黄金色の輝きを見て、驚愕にクロノが叫んだ。
「フェイトッ!?」
急ぎ加速するクロノの前に、阻むようにもう一機の子機が立ちふさがった。無数の雷光を迸らせながら、行かせまいと少年に肉薄する。その閃光を回避しながら、クロノは吐き捨てるように苛立ちを叫ぶ。
「くそっ、なんて弾幕と攻勢だ、抜けられない……! フェイト!」
「大丈夫……、平気!」
声に応じ答える彼女の軌道が身を一回転して整えられる。その手にはハーケンフォームに変形したバルディッシュの姿があった。
だがしかし、その大鎌の刃は根こそぎ吹き飛ばされており、放電しながらも出力されていない。攻撃に対応しきれず刀身で受けた結果、構成術式ごと切り飛ばされたのである。
「強い……。 根本性能を上昇させた上で、連携精度まで高めてきている」
心中で呟きながら、迫る敵を視界に収めて機動を再開する。だが、彼女の戦闘経験とセンスはこの状況を明らかな劣勢であると断じていた。
このままの状態で戦い続ければ、敗北は必至である。親機の竜砲に飲み込まれるか、回避中に剣の子機に断たれるか、迎撃後に雷光の子機の放電に討たれるか――――。
自分達が破れれば、次はアースラだ。艦載砲に匹敵する火力と音速機動を持つガーディアンが相手ではアースラでも荷が重い。最悪撃沈しかねないだろう。それだけは避けねばならない。
しかし、機械としての性能を駆使し連携を密にしてきている敵に対抗するには、こちらも連携の精度を高めるしかない。
だがどうやって? 音速戦闘中に行われる思考の高速化をもってしても、念話による迅速な意思疎通は困難を極める。当たり前の話ではあるが、通話では高速戦闘時の意思疎通は満足に行えない。
ニュアンスを正確にやり取りしあう機械達に比べれば、言葉では限界があるのだ。
「そう、――――言葉では、限界がある」
しかし、と。少女は思案する。言葉では速さが足りない。言葉を紡ぎ、相手に伝え、相手が言葉をほどいて理解する――その手順では、間に合わない。ならばどうすればよいのか。高速化を行うために、何を省くべきか。
暫くの――とはいえ、実時間にして一秒もかかってはいない――思考の後、彼女はひとつ決心をおこなうと、遠く敵機を引きつけ戦う少年に語りかけた。
「クロノ、このままじゃ押し切られてこっちが負けちゃう」
「僕も同じ事を考えていたよ、だが対応策が思いつかない……!」
「よく聞いてクロノ、私に策があるの。たぶん、これしか方法は無い」
「策?」
少年の問いに、少女は一拍の間を置き答えた。
「――――今から私の精神波長を開放するから、念話の波長域を合わせて」
「な、なに!?」
<>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:11:23 ID:kzuZS8/E<> 少女の提案に少年は驚愕した。精神波を開放して他者に伝えるということは、つまり――――。
「思考の共有化をおこなうっていうのか!?」
そう、通常の念話でおこなわれる意思を送る通話では速度に限界がある。だが、思念の波を同調させ、表層意識を相手と共有することにより、『言葉』では無く『想い』をやり取りする――――それが、フェイトの選択した秘策だった。
「無茶だ! 危険すぎる」
クロノは頭を振ってその提案を否定した。表層とはいえ意識を共有するということは、思考が――自分の心の内がダイレクトに相手に伝わってしまうということに他ならない。
それは心を曝け出すということであり、常人であればだれでも存在する精神の壁を取り払うということである。それは大きな負荷となって術者を襲い、最悪精神崩壊を引き起こしかねない。
「駄目だ、そんな危険な策をとるわけには――――!」
「大丈夫だよ、私は」
言い放とうとする少年の言葉を遮り、フェイトは告げた。
「私なら、平気」
その言葉を聞いて、即座にクロノは思い至った。彼女は当然この危険性を承知している。その上での提案だ。彼女の中では既に思考の共有化は脅威ではない。
つまりそれは覚悟でも決意でも無く、信頼だった。彼女はこう告げているのだ。
「クロノになら、私は平気」
その現実に放たれた言葉を受け、クロノは黙した。不安げな少女の思念が伝わってくる。
「クロノは、イヤ……?」
「――――イヤなものか」
妹がこうして信頼してくれているのだ。答えてやらなくて何が兄か。そう決意し、彼は言った。
「分かった、その作戦で行こう。何、機械風情よりも僕ら兄妹のほうがチームワークに優れることを教えてやればそれで済む話だ。そうだろう? 全く簡単だ」
「――――うん、そうだね」
そう陽気に問いかければ、笑いと共に答えが返ってくる。状況は未だ最悪の一歩手前であるが、不思議と先程までの焦燥と絶望は消えうせていた。その気分を心地よいと思いながら、クロノは念話の術式を切り替える。
告げる。
「いくぞ――――ここから巻き返す!」
「うん、いこう――――クロノ!」
同時、二つの人影が爆発するように加速した。 <>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:13:28 ID:kzuZS8/E<>
ここまでだ、と。『それ』は機械の思考にして認識する。臨界機動形態へと変形した『それ』とその影響を受ける二機の子供達によって、魔導師達は追い詰められていた。
魔力を大きく消費し、だが大いなる力を与えてくれる『空竜』への変形。それは本来ならば数分しか保たない切り札的な機能である。
だがしかし、時の流れを受けて魔力を無限出力する秘宝、ロストロギア『時の水車』のバックアップを受けてその制限を解除された『それ』にとって、空竜形態はノーリスクで力を高める手札の一つでしかなかった。
故に、もはや魔導師達は敵ではない――――そう判断されていた。
吼える。その一声は音ではなく熱を伴う輝きとして放射された。
空竜が放つ拡散魔力砲撃は魔導師達の飛ぶ空域を丸ごと切り取るような勢いをもって破壊を撒き散らす。その閃光の群れを逃れ、二つの敵影はそれぞれに天上と大地に向かい疾走した。
容易い、と機械の思考はその行動を評価した。子機を分断するつもりなのだろうが、それでは逆に『それ』の砲撃と子機の連携に単独で身を晒すこととなる。そうなれば、いかな魔導師といえども凌ぎきれるものではない。
水色の輝きを纏う黒の敵影を追い、剣の子機を飛翔させる。
黄金色の少女に対して黒衣の少年は白兵戦闘を得手とはしていないようだった。故に、音速の一撃を弾き返すような神業を再びおこなわれる心配も無い。そう判断し弾幕を展開、切り込んでいく。
黒の敵影は追いすがってくる剣の子機に対し、追尾性のある光弾を複数展開し放射した。
「スティンガースナイプ!」
水色の軌跡を描き、輝きは多彩な軌道をもって子機に迫る。その様を認識して『それ』は思考する。
『無為なり』
瞬間、両翼の光剣が数度閃いたかと思えば、襲撃する光弾を全て切り払っていた。喩え誘導性能を持とうとも、目標という一点に対して殺到、収束する飛来物を切り払う事は比較的容易な行動だった。
何よりも、飛来する弾頭を迎撃できずに何が剣の飛翔機か。故にその動きを当然と判断しながら、更なる加速を掛ける。
黒の敵影は更に上方へと疾走した。その動きを逃がさぬと考え追従する。放たれる光弾と光剣を打ち払いながら、人影へと肉薄する――――その、刹那。
敵影が身を縮めるように抱え込むと、急激に失速した。
『!』
回転しながら弧を描いて敵影が後方へと抜けていく。その動きに加速する剣の子機は対応できない。そして直進する機体が次の瞬間、大きな負荷に絡め取られ動きを阻まれた。
全身に輝く鉄鎖が纏わりついている。
『ディレイドバインド』
その術式を『それ』は知っている。指定した空間に捕縛魔法を設置、進入したものを捉える空間トラップの一種である。
高速で大空を飛び交うこの戦場で空間指定型の術式を扱おうとは、『それ』の演算機構を持ってしても予測不可能であった。
それに、と。『それ』は更に思考する。もうひとつ、捕縛魔法が有効でない理由があった。
瞬間、機体を縛る光鎖が砕け散り、剣の子機の加速が再開される。捕縛から開放までの間隔は実に一秒に満たない。
そう、音速で移動する大質量を固定できるほど、捕縛魔法とは強固なものではないのだ。術者にも依るだろうが、空間指定型の術式では特に限界があった。
それでも作られた約一秒の隙。だが失速し落下する黒の敵影に次の一手を打つ余裕は無い。態勢を立て直し、術式を起動するまでの間に此方の光剣が彼を捉えているだろう。
――――そう判断した直後。
眼下より飛来した雷光の槍が機体を貫いていた。
<>
76<>sage<>2006/04/09(日) 04:18:31 ID:kzuZS8/E<> 以上です。
続きは性懲りも無く次の機会ということでひとつ。
目に余る部分は魔法の言葉「・――――二・次・創・作っ」で許してください。
では、乱筆乱文失礼しました。 <>
549 ◆xbn1Z6LB3Q <>sage<>2006/04/09(日) 09:00:22 ID:ob6FE4hk<> 一晩寝かして朝書き込もうとしたらもう埋まってる!
えー、もう嬉しい悲鳴です。
自分のは清々しい朝にそぐわない無いようですが、
新スレたててきますね。 <>
549 ◆xbn1Z6LB3Q <>sage<>2006/04/09(日) 09:35:35 ID:ob6FE4hk<> 次スレ立ておわりました。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1144541069/l50 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 11:51:43 ID:M97rtWyO<> もう500KBですかー、早いですね。
色々読めて素敵です(笑) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 14:21:13 ID:0VBMRMjq<> >>594氏
( ´∀`)つt[^] 乙です。飲み物どーぞー。ビールでよい? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 14:22:17 ID:0VBMRMjq<> しまった↑は>>549氏な <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 15:41:41 ID:P1EGDVgO<> >>549氏お疲れさま
しかし皆筆が早い…… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 16:13:29 ID:d4BfhGMy<> 半月強で1スレ…なんつー高速スレだw <>
6スレ480 埋め立て始めます。<>sage<>2006/04/09(日) 16:22:17 ID:P1EGDVgO<> シグナム(独白)
私は無言で目の前に居る人物を見る。
怖い、永遠にも似た時を戦ってきた
私は今まで感じた事の無い恐怖に身震いする
彼の名はクロノ・ハラオン提督
彼の手には、2冊の本が握られている。
一つは私が文を、ヴィータが絵を担当した
イラストノベル、
もう一つは今、共に訓練している
フェイト・T・ハラオンが書いた漫画である。
その二つは共に目の前の彼と、彼の友人
ユーノ・スクライアの行き過ぎた友愛を書いた物語だ。
彼はその2冊を持ったままピクリとも動かない笑みを
浮かべている。
どうするかと思い、横に目を向けると
テスタロッサは既にソニックホームになっていた。
ってまさか一人で逃げるつもりか!?
貴様それでも騎士のつも……
あ、テスタロッサは魔道師か、いかん
落ち着いて考ええている場合ではない、
何とかしなくては、
フェイト「シグナム……ゴメン」
シグナム(独白)
その声と共にフェイトの姿が消えて……
壁か何かにぶつかった音が聞こえた。
壁!?
良く見ると、フェイトは結界の壁に張り付いていた。
しも、脱出失敗ではなくて、進入失敗のような形で
……つまり誰かが其処で罠を張っていたのだ。
誰が?そう思った矢先、結界が拡大、
私とクロノ提督も飲み込まれる。中から出てきたのは
ユーノであった。やはり、彼も張り付いた笑みを浮かべている。
クロノ「ちょっと訊きたいんだが?」
ユーノ「エイミィは何処にいるの?」
シグナム(独白)
中枢を叩くか、さすが戦略家……
そして反射的に教えてしまう
……何も言わずに二人が去って、
私は自己嫌悪に陥っていた。
喋ってしまった。今回ならばまだしも
もし、主に関わる事でこんな事があったなら……
修行不足だ。滝にでも打たれるか……
いや、待てよ、
心が硬いと恐怖には強くなるかもしれんが
結局誘惑に脆くなる。
先に誘惑への耐性を付けなければ、
その為には……うん、やはりココは
同人誌だな、 <>
6スレ480<>sage<>2006/04/09(日) 16:28:22 ID:P1EGDVgO<> また書いてしまった……
とりあえずこのネタは埋め立てでダラダラ続けようととか
考えています。
次スレはこちらへ↓
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1144541069/l50 <>
6スレ480@549氏お疲れさま<>sage<>2006/04/09(日) 16:31:05 ID:P1EGDVgO<> 日本語がへんだった……
とりあえず普通のSSはこちらへ
という意味です。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 17:46:20 ID:77geD9R/<> 640たんのフェスレポ楽しみ。
>>535
埋めといわず本スレに投降しなさいなw <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/04/09(日) 19:21:55 ID:QrH6valo<> 640氏今日は乙カレー
これから読みます。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 19:23:37 ID:QrH6valo<> すいませんsage忘れた orz <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 20:08:12 ID:pTAtgdyq<> なのはのイベントは友人曰く、開場前にすでに800人overだったらしい <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/09(日) 22:23:13 ID:8ELSoaBp<> しっかし、みんな金持ちだなー
DVD、カードワンボックス、懐中時計
その他もろもろでなの破産だよ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/10(月) 01:14:55 ID:r99K1I37<> >>540
10時過ぎで600超え
その時点で入場時間が3時だったから回れ右した、俺ガイル <>
6スレ480@設定は前スレそのまです<>sage<>2006/04/10(月) 04:24:42 ID:q6ZuC9O3<> クロノ「まったく、エイミィも困った奴だな、」
ユーノ「ほんとにね、」
ユーノ(独白)
再び出回りだした同人誌の
調査、脅迫とも言う、が一段落し
クロノと僕は僕の部屋で一息ついた。
調査の段階で集めた同人誌は隠してある。
二人でため息をつくと、
さて如何した物かと首をひねる。
同人誌の製作拠点があろう事か
民間人、月村家に存在するからだ。
……すずかちゃん、君もなの?
いや、分かってはいたけど、
まさか其処までしているなんて……
おまけにネタの対象が広がって、
ザフィーラ、アレックス、ランディは勿論、
知らない人までがネタにされている。
怖い物知らずと言うか、なんと言うか、
僕としては、
クロノが僕以外と絡む話は見たくない
と言うのが本音である。
そのクロノはと言うと、
二人を問い詰めるために使った
同人誌を凝視している。
ああ、そう言う事……なのかな?
ユーノ「クロノ、それ証拠品として預かってくれない?」
クロノ「あ、ああ、」
ユーノ(独白)
不自然に躊躇いながら頷くクロノに
僕は苦笑いする。
後はたあいの無い世間話と
作戦会議に費やして、
今日は分かれた。
作戦内容
民間人への攻撃は
提督の権限でクロノがもみ消す。
それが出来ないなら、
記録として残された段階で
司書長の権限で僕が抹消する。
……完璧、かな? <>
6スレ480@シグナムとヴィータの同人誌「フェレットのタンゴ」<>sage<>2006/04/11(火) 01:25:59 ID:XhQN/Fa9<> ララララララ ララ
君はかわいい 僕のフェレット
長い金髪 良く似合うよ
だけど時々牙を向いて
僕の心を悩ませる
クロノ(独白)
ユーノと街へ出かけると
つい嬉しくなってしまう、
二人で出かける時間は夜しか無いけど、
喫茶店や公園でよく話し込む
ユーノは最近、無限書庫で
失われた魔法体系の解説書を見つけたらしい
おかげで今日の話題はそれ一色だ。
失われた世界を語るユーノはとても
輝いて見える
僕個人的には余り面白くない
理不尽な嫉妬だと分かっているが
やっぱり書物より僕を見て欲しい
と、心からそう思う、
ユーノ「今日は食事ありがとう」
クロノ「いや、いつも忙しいみたいだからね」
ユーノ「……クロノちょっと目を瞑って」
クロノ「え、いいけど」
クロノ(独白)
唇にやわらかい何かが当たり、
僕は慌てて目を開ける。
そるとユーノは既に消えていて、
魔方陣の残滓がそこに輝いていた。
クロノ「やられた……」
フェレットのタンゴ
タンゴ タンゴ
僕の恋人は フェレットさ
フェレットのタンゴ
タンゴ タンゴ
獣のように 気まぐれで <>
6スレ480<>sage<>2006/04/11(火) 01:30:19 ID:XhQN/Fa9<> 本当に(ry
しかし無駄に最後まで改変してしまったよ
この歌、とりあえず長いので一番だけ、
元ネタ知ってる人いるかな? <>
461<>sage<>2006/04/11(火) 01:43:40 ID:hYw5rTQr<> >>545
あの名曲・・・黒猫のタンゴ・・ではないかな?
年がばれそうで怖い自分。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/11(火) 01:54:01 ID:B+jDXIBd<> >>546
黒猫のタンゴは名曲なので年若くても知ってることはあるだろうと思う。
というよりは普通に小学校とかで音楽の授業にでてきそうw <>
6スレ480<>sage<>2006/04/11(火) 02:06:32 ID:XhQN/Fa9<> はい黒ネコのタンゴです……半時間かからなかったw
>>547
自分の教科書では見ませんでした。
で、
>>546
そう言う事言うから歳がばれるんですよw
37〜45? <>
6スレ480@何か筆が進んだので「フェレットのタンゴ」続き<>sage<>2006/04/11(火) 03:23:19 ID:XhQN/Fa9<> ララララララ ララ(キュー)
ステキな君が 局を歩けば
悪い魔道師 声をかける
見慣れぬ本に引かれちゃって
後で泣いても知らないよ
クロノ(独白)
今日の僕は機嫌が悪い、
良くない事だと分かっていても
ちょっとした事で、
きつく当たってしまう、
それと言うのもユーノが悪い、
お前の隣にいた奴は誰だよ!?
昼一所に!
楽しそうに!
食事してた奴!!
後で絞めてやるやる。なんて
考えてたらいきなりユーノが
声を掛けて来た。
ユーノ「どうしたの?機嫌悪いみたいだけど」
クロノ「なんでも無い、」
ユーノ「そんな訳無いだろ、何があったんだよ、」
クロノ「五月蝿い!もう僕に用は無いんだろ!?」
ユーノ「言ってる意味が分からないよ!?」
クロノ「あの男が良いなら!さっさと行けよ!!」
クロノ(独白)
とたんに、ユーノの表情が変わる。
絵に描いた様な呆れの顔だ。
……アレ?
ユーノ「……クロノ、紹介した事があったよね、」
クロノ「え?」
ユーノ「アイツは僕の部下!企画の成功を労ってたんだよ、」
クロノ「あ、いや、その……」
ユーノ「……まあ嫉妬してくれた事は嬉しいし、夕食奢りで手を打つよ」
クロノ「……助かる。ってくっ付き過ぎだ」
ユーノ「いいでしょコレ位……だめ?」
クロノ「うっ……勝てない……」
フェレットのタンゴ
タンゴ タンゴ
僕の恋人は フェレットさ
フェレットのタンゴ
タンゴ タンゴ
獣のように 気まぐれで <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/04/11(火) 03:25:24 ID:6X+Nztti<> >>548
とりあえず、NHKの「みんなのうた」とかで流してたから若い人も知ってるはず
と、20台前半が書き込んでみる <>
6スレ480<>sage<>2006/04/11(火) 03:29:23 ID:XhQN/Fa9<> 何y(ry
なんか異様に書きやすいなあコレ……
書く気無かったのに書いちゃった。
このスレの最後はフェレットのタンゴになるかも…… <>
6スレ480<>sage<>2006/04/11(火) 03:32:00 ID:XhQN/Fa9<> >>550
なるほど、そうでしたか、
しかし、自分は何故知ってるかな、思い出せん <>
<><>2006/04/11(火) 08:28:35 ID:p4jcOyAb<>
<>
<><>2006/04/11(火) 08:29:11 ID:p4jcOyAb<>
終了
<>