6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/06(土) 01:33:54 ID:t/Zi9+Lf<> 魔法少女、続いてます。
魔法少女リリカルなのは
魔法少女リリカルなのはA's
のエロパロスレです。
ローカル ルール〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・ エロは無くても大丈夫。
・ 特殊な嗜好の作品は投稿前に確認(注意書き)をお願いします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
前スレです。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第八話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1144541069/l50
保管庫です。
☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html <>☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第九話☆
魔法少女RPGクイズ アースラの一夜 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/06(土) 01:59:33 ID:t/Zi9+Lf<> 第5問 あれは何だ?
(出題者 クロノ・ハラオウン)
調査を始める内に、奇妙な遺跡らしい物が、見つかった。何か不気味な魔力が
あふれ出しているが、直ぐには何の影響も無い様だ。さて、こんな時、我々が取れる
最善の方法は何だろう?
答え
無限書庫に問い合わせる。
<解説>
突入は余りにも危険すぎる。そんな単純な行動すると次の瞬間には全滅するぞ、
専門家(スクライア一族)に任すと言うのも手だが、そうそう周囲にいる訳でも無し、
結局、これが何のかを調べるのが我々に出来る一番の事だって分けさ、あそこなら
見取り図ぐらい簡単に手に入るから、ぐっと危険度も下がるしな、
まあ、餅は餅屋だ。ただし、迅速に調べてほしいならその世界およびその遺跡の
データを有る程度持ち帰る必要があるが、
ユーノ「無限書庫にはあらゆる世界の記憶が詰まってる。だから奇妙な物を見つけたら
無限書庫に来るといいよ、なんでも一週間で調べてあげる……とでも言うと思ったの!?
迷惑なんだよ、タダでさえ管理局の怠慢でたまった書類の整理がすんでないのに
こう次から次へと」
クロノ「それがおまえの仕事だろ、」
ユーノ「限度があるよ、大体、遺跡なんて、見取り図まで見つかると本気で思ってるの!?
限られた時間に、」
クロノ「……無理か?」
ユーノ「時間をかけていいなら可能だよ、」
なのは「ユーノ君怒ってるね、」
エイミィ「まあ、最近は何でも無限書庫だからねぇ、ストレス溜まるのも無理ないかも」
フェイト「それなんですが、あの、無限書庫が使えるようになるまではどうやって?」
ヴィータ「あ、それあたしも聞きてえ」
リンディ「それまでは、チームを組んで、慎重にやっては、時間がかかるし、
危険だし、ほんとにスクライア一族に依頼した事もあったのよ、
無限書庫が使えるようになってだいぶ楽になったわ、裁判の判例なんかも
今までは苦労して探してのよ、それが一箇所でよくなったものね」
はやて「そらユーノ君が怒るんも頷けるわ、そんだけ使える物を今まで放置して
勝手に責任押し付けたら、」
シグナム「たしかに、責任はあくあまで、今まで問題を放置していた上層部ですからね」
アルフ「それで、時間が有る場合は分かったけど、時間が無い場合はどうすんだ?」
エイミィ「そうね、こんな場合はどうかな?」 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/06(土) 02:02:05 ID:t/Zi9+Lf<> すれた立てついでにアースラの一夜の続きです。
とりあえず皆さん、スレの残り容量ぐらい見ましょう(汗 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/06(土) 02:04:34 ID:t/Zi9+Lf<> あれ、リンディの台詞が変だ、
リンディ「それまでは、チームを組んで、慎重にやってたの、時間がかかるし、
危険だし、ほんとにスクライア一族に依頼した事もあったのよ、
無限書庫が使えるようになってだいぶ楽になったわ、裁判の判例なんかも
今までは苦労して探してのよ、それが一箇所でよくなったものね」
に変更お願いします。orz
う〜ん台詞は短く句切らないと読みにくいなあ、
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/06(土) 09:28:13 ID:tDT1s6Y5<> 6スレ480さん新スレ乙&アースラの一夜GJっす。
3日ぶりにのぞいてみたら新スレに・・・
早いっすね・・・。 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:32:35 ID:jyTQKDqt<>
第1話 Cpart
「フォトンランサー! フルファイア!!」
撃鉄落ち、斉射。七つのスフィアから放たれる光の矢は容易く相手を爆裂する煙の渦へ引きずりこむ。
ファランクスシフトを思わせるような波状攻撃はこれだけで相手を戦闘不能にさせるには十分すぎる攻撃だろう。
「バルディッシュ!!」
『Thunder smasher』
「撃ち貫け!!」
魔法陣に杖を叩きつけ雷鳴が響く。膨大な電力を蓄えた光線が煙を突き破り爆発。爆風が身を打つ中で私は攻撃の手を休めない。
休められない。
「アルカス、クルタス、レイギアス! 天地貫け! 雷光の双剣!!」
『Thunder rage fall shift』
煙幕を挟み込むように天地に文字通り生まれる魔法陣。狙いすら定めぬまま二条の雷柱が踊り狂う。当然、突き進む雷は弾着点で衝突し光の渦を生み出しながら爆発する。
考えただけで一度も実戦で――そもそも想像の域を抜けてない魔法さえ今の私は躊躇なく振るう。
なぜここまでするのか? そう自問しても答えは一つしかない。
雷神の饗宴が終わり、残された爆煙を見据え私は未だ体を強張らせていた。
「フェイト……」
傍でアルフが心配そうに声をかけてくる。精神リンクを切っているから私の心は知らないから無理もない。
「大丈夫、きっと」
あの煙が晴れればきっとそこにはもう誰もいない。最初からいなかったくらいに綺麗な夜空が覗いているだけ。
あれだけの攻撃、全て受けきれる魔導師は絶対にいない。もうすぐ見える答えは二つ。
痛手を負い這這の体で逃げ帰るか、昏倒し眼下に広がる海へ落ちるか。私が受ける身なら少なくとも戦意は喪失する。それだけの攻撃なのだ、誰が見たって。
「……らしくないよ。一体どうしちまったんだい、話もしないでいきなり攻撃だなんて」
私が敵を追跡するためにアースラから転送された時からリンクを切っていることが不安に拍車をかけているんだと思う。元から感情を素直に出す子だからその口の端々には動揺がはっきりと受け取れた。
「アースラをやられたんだ……やり返して当然だよ」
自然と拳を握る。きっとすごい怖い顔だ……私。
「で、でもさぁエイミィだって言ってたじゃないか、エンジン一つやられただけだって」
「次元航行が出来なくなったら大変だよ。後悔してからじゃ遅いんだから」
それに戦艦のエンジンがたった一人の魔導師の攻撃で破壊されるなんて普通はあり得ない。それだけの力を持つ相手を野放しにするなんて出来るわけがない。 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:33:53 ID:jyTQKDqt<>
「フェイト!!」
「クロノ……アースラは大丈夫?」
「ああ、当たり前だ。みんなのお陰で持ち直した」
良かった……。みんなが無事なら何よりだ。
「それよりフェイト」
「やらなきゃいけないと思ったから」
何を言われるかなんて私にだって分かる。これでも嘱託魔導師になるために難しい試験だって受けたんだ。管理局の決まりごとは嫌でも頭の中に入ってる。
「確かに一人で戦艦を襲ってくる魔導師だ。君の判断は正しい……だがあいつはあの場に居合わせてただけだ。犯人と決まったわけじゃないだろ」
「次元空間に平然といられる人間なんて……決まってる」
「だがもしそうでなかったら……」
「弁解はしません……」
自分でもどうかしてるのは痛いくらいに分かる。だけど胸のもやもやが私を突き動かしていくのだ。
「一体何があったんだ……僕が来る前にあいつに何を言われた」
「……何も言われてない。ただやらなきゃいけないと思ったから」
「やらなきゃいけないって……」
彼女を倒さないと大変なことになる。その前に全てを終わらせないといけない。
はっきりと言い切れる。私はこれから起こること全てを知っているんだ。だから煙の向こうの子が私と寸分変わらない女の子であることも、その子が何を成そうとしているのかも分かってしまっていた。
なんでそこまではっきりと知っているのか私にも分からない。
「理由に……いや、詳しい話はアースラに戻ってからだ。敵も流石に退散しただろう」
――いや、分からない振りをするのはよそう。
思い出したくないだけなんだ。本当に、本当にそれが起こって、私の目の前で起こって、あの子が笑ったら。私には真似できない無邪気な笑顔を見せたら……。
「まったく、君の魔力は留まることを知らないな」
私の様子がおかしいことにクロノも気づいている。軽口をたたいて私の気を紛らわせてくれるのは嬉しかった。
でも、せっかく生まれた温かい気持ちもすぐに凍りついた。
「――ほんと、さすがフェイトだよね」
彼女の一言で。
「……フェイト…………?」
気の抜けたようなクロノの声。驚くのは無理もない。私と同じ声が、私の口からではなく、目の前の煙から聞こえたんだから。
目隠しされてれば誰だって私だって間違えてしまう。でもそれは大きな間違い。本当ならば私の声が偽者なんだから。
「おかげで私が考えてた計画、台無しになっちゃった」
風が吹き、唐突に私と彼女の隔たりを失くしてしまった。目に映るのはやっぱり黒い法衣を顔まで被った彼女と <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:34:57 ID:jyTQKDqt<>
「当然です。余計なことはしないに限る、よく分かりましたでしょ?」
拗ねた彼女を窘める、獅子のような豹のような、黒茶の大猫。
「ちぇ、気に入ってたのにな、このローブ」
「気に入っているのなら攻撃を避けるなり、むしろ着てこないことが正解です」
「だってお気に入りだもん」
不機嫌そうにそっぽを向いてまるで私たちなどいないように話を進める二人。私たちの存在なんて最初からないみたいに。
「まっ、しょうがないものはしょうがないか」
「諦めも肝腎ですからね」
「ぶ〜」
「そんなことより……いいのですか、挨拶の方は」
「あっ、そっか、そういえば自己紹介まだだったんだ」
ほんとあっけらかんにその子はそれだけ言うと私たちのほうに向き直る。そうしておもむろにローブを掴むと思い切りよく宙へ脱ぎ捨てた。
露になる全身。彼女が首を振るたびに私みたいな金髪が風に乗り鮮やかな色を夜空に飾る。結んでいないから私よりずっと軽やかに、踊るように宙を舞う。
「……ぁ」
息が詰まるなんて生易しいものじゃない。息が喉を通らない。呼吸を忘れた。
夢で見た通りなのになんで私は落ち着くことが出来ないんだろう。出来ることは目の前の生き写しを見つめる以外になくて。
「私はアリシア・テスタロッサ、よろしくね。それと」
「使い魔のリニスです。お見知りおきを……と言うよりも私の場合は久しぶりと言う方が正しいのでしょうけど」
人へと姿を変え軽く会釈する私の魔法の先生。
「アリシア……だと? 何をバカなこと言ってるんだ。アリシアは」
「私だよ」
ぞくりと背中に寒気が走った。彼女の快活な声が一転して影を落とす。
鋭く尖った声。クロノはそれ以上何も言うことはできなかった。
「生き返っちゃいけないの? せっかく母さんが苦労してたどり着いたんだからそのくらいしてもいいでしょ。それともなに? 管理局は人の生き死にも管理してる、なんて言うつもりなの」
「そ、そんなわけないだろ!!」
荒々しく出を横に薙ぎ否定の意志を見せながらクロノはS2Uを起動させる。彼の手に黒き杖が握られ同時に魔力光が足元から立ち上った。
「投降しろ! どちらにせよアースラを攻撃した罪は重い。僕らと一緒に来てもらう」
久しぶりに見る執務官としての顔。凛々しく闘志を秘めた瞳が二人に突き刺さる。
「ふぅ……と言っていますがどうしますか?」
「どうもなにも母さんの仕事しなきゃ始まらないでしょ?」
「あなたにしては懸命な判断です。てっきりついて行くなんて言い出すと思いましたよ」
「あはは、行こうと思ってたり……」
「…………」 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:36:25 ID:jyTQKDqt<>
心からの落胆がため息となって耳に届いた。
何て緊張感のない会話。私たちとあの子の間に言い表せない何かがある気がした。
それともこんな雰囲気をものともせず捻じ曲げる明るさが彼女に備わっている表れか。
「だってフェイトがどんな生活していたのか気になるし」
「あなたは……」
「大丈夫、フェイトが憎いのは絶対に変わらないから……ね」
視線が隔たりをあっさりと超え私を貫く。吊りあがった口元は私には酷く不気味に見えた。
「あなたには楽しい思い出なんていらない……悲しい思い出だけあればいいんだ」
歪む顔に次第に怒気が篭る声。私はというと蛇に睨みつけられてしまったかのように硬直することしか出来ない。
「だから私の思い出返してよ。あなたのせいで優しかった母さんのこと思い出せないんだ」
「……アリシア」
「大丈夫リニス、言うだけ言ったら始めるから。……フェイト、私はあなたを消さない。でも、その代わり悲しい思い出だけ持って生きてもらうから」
憎しみだけを浴びせながら彼女が杖を構えた。少し形が違うけど、やっぱりそれは閃光の戦斧で。
「いくよバルディッシュ・プロト」
『Yes,sir』
「邪魔されると厄介だからね。少しだけじっとしててもらうよ」
『Photon javelin』
黒き槍から作り出される三つの雷塊。すぐにそれは巨大な槍の形を成し狙いを定める。
「吹き飛ばせ……ファイアー!!」
感情むき出しで彼女の右腕が振り下ろされた。
「フェイト!!」
「っ! フェイト避けろ!!」
「…………あっ」
何を考えていたのか、何も考えていなかったのか。金縛りにあっているかのように体が言うことを聞かない。完全に反応するのが遅れた。
「こっの!」
「はぁぁぁ!!」
目の前が光で覆いつくされる。それでも私の体に衝撃はない。震える目で私は恐る恐る首を上げた。
「なんて魔力だ……トリプルA……? それ以上かよ……」
クロノとアルフが私の前で全てを受け止めている。障壁を張った腕が小刻みに震えすでに空色と緋色の壁は八割方その体に傷を負っている。
「へぇ……そういえば居たんだっけ、使い魔と管理局の人」
『Volt smasher……』
「今はフェイトよりも邪魔かな……どうせフェイトを庇って動けないよね、いいなフェイトは」
『Get set』
「だから消えていいよ……」 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:37:43 ID:jyTQKDqt<>
彼女の周りに生まれた光が激しく明滅し火花を散らす。逆三角を描くように配置されたそれは彼女の号令と共に奔流に形を変え撃ち放たれた。
大気を震わし身をうねらせ三匹の金蛇が私たちを喰らおうと言わんばかりに襲い掛かってくる。口なんてあるわけないのに私の目には蛇たちが口を空け牙をぎらつかせた様にすら見えてしまう。
今まで培ってきた経験はすでに私に諦めろと訴えている。うん、今からじゃもう避けられない。
必死に二人は頑張ってくれてるけど多分……ううん、絶対無理だ。
「何て奴だよ……ほんとに……このアホ魔力がぁっ!!」
不思議と恐怖はなかった。むしろ安堵感すら私は感じている。
きっと母さんが生きているから、拒まれてもやっぱり私の母さんだもん。
湖面のような私の心とは裏腹に爆音、蛇が壁に喰らいつく。続けて二匹、三匹と立て続けに小さな盾に頭が並ぶ。
「おめおめと……やられるわけにはいかないだろ! フェイト! 変だよ! いつものフェイトに戻っておくれよ!!」
叫ぶアルフの言葉に私は心の中で首をかしげた。
いつもの私って誰だろう……本当の私はあそこにいるのに。
私がいるのになんで彼女がいるのだろう。彼女がいるのになんで私がいるのだろう。
限界を超え、壁が砕けていく。砕けているのは私の心もか。
(……アリシアがいるんだ……私はもういらないのかな……母さん)
涙は流れなかった。きっと意味がないから。
静かに目を閉じる。瞼はみんななにもかも暗闇へと返してくれた。うん、これで大丈夫。
わけの分からない覚悟を決める私。二人には悪いことをしちゃったな。
だけど私の我侭は叶うことはなかった。叶う前に、暗闇でもはっきり分かるくらいの眩い光が
――私の心にまた元気をくれたんだ。
* * *
『All target shoot down』
排気筒が開き蒸気が一瞬視界を隠す。
(早く、早く晴れて……)
靄がなくなる時間も惜しい。祈るようにわたしはまだ見えない遥か先を見つめた。
「今のは……一体……フェイトの魔法……?」
隣でユーノくんがわたしと同じ疑問を呟く。
わたしが打ち落とした三つの魔法の光。それはフェイトちゃんの魔法の光に見えてどこか違うように思えて、とにかく危ない物だって気がしたのは本当。
「それに何かおかしい……確かに座標は合わせていたはずなのに」
自分でも納得できないんだろう。難しい顔をしながらユーノくんはわたし達が転送された場所を振り返る。
おそらくフェイトちゃんたちがいる場所。そこに向けてユーノくんは転送魔法を使った。でも転送された場所は全然見当違いな場所だった。 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:40:18 ID:jyTQKDqt<>
「なにか結界みたいなものが張られているのか……? 一種の魔法トラップか……」
「ユーノくん! 今はそんなことより」
「あっ、うん急ごう!」
元に戻った視界の先にはまた静かな夜が訪れている。だけどわたしにはわかる。何かよくないことが起きている。フェイトちゃんが危ないって。
フライヤーを最大速度にして空を翔ける。肌に風を感じながらもっと、もっと速くって心の中で祈って。
「――いた! フェイトだ! それにアルフにクロノも」
「ってクロノくんが!!」
ようやくみんなの姿が見えた矢先、一番前にいたクロノくんがぐらりと傾いた。気を失ってしまっているのかここからじゃピクリとも動いていないように見える。
「うわ! あの馬鹿!!」
いち早くユーノくんがわたしの横からものすごい勢いで飛び出していった。真っ逆様に落ちる体を本当にギリギリのところで受け止めた。
よかったギリギリセーフだ。
(ユーノくん、クロノくんは大丈夫?)
(……なの、はか……? そういえばここは君たちの世界だったな)
(喋るな! 一体どうしたんだよ。こんなボロボロになって)
念話からクロノくんの様子は思いのほかよろしくないみたいだ。ユーノくんが焦っている所からきっとかなりの重傷であることは間違いない。
(先に言っておく……二人は無事だ。僕が盾になったんだ、やられはしない。それよりもフェイトの所へ行ってくれ……)
(なのは、ここは僕に任せて。こいつの治療はやっておくから)
(わかった、クロノくんのことお願いね)
見えないかもしれないけどユーノくんの見ながらわたしは頷いてすぐにフェイトちゃんのところへ飛んだ。
大好きな友達の姿はあっという間にはっきりとなり、わたしは無意識の内に大声で叫ぶ。
「フェイトちゃーーーん!!」
「なのは!? あんたなんでここに!」
「ここはわたし達の世界です。でも今はそんなことよりも」
聞こえていなかったのかフェイトちゃんは俯いたまま全然動かない。
「……フェイトちゃん?」
明日を一気に飛び越えてわたしはまたフェイトちゃんに会えた。それはフェイトちゃんも同じなのに、なんでわたしを見てくれないんだろう。
「どうしたの?」
「どうもしてないと思うけど」
「えっ?」
いきなり後ろからフェイトちゃんの声がした。
驚き振り向くわたしを待っていたのはさらに驚き。
「フェイトちゃん……が二人?」
なんで、なんでフェイトちゃんがいるの? フェイトちゃんは今ここに、わたしのすぐ傍にいたはずなのに。
そうやって振り向くとやっぱりフェイトちゃんがいる。
「私はフェイトじゃないよ。アリシア……アリシア・テスタロッサ。何度も自己紹介させないで」
「……アリシア……ちゃん?」 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:41:25 ID:jyTQKDqt<>
聞いたことがある名前。そうだ思い出した。プレシアさんが生き返らそうとした子の名前が確か――
「そうだよなのは……アリシアなんだ、あの子は」
搾り出すように、震えて途切れ途切れの声。久しぶりに聞けたフェイトちゃんの声はそんな声だった。
「見間違えるもしょうがないと思うけど、次から気をつけてね」
どこか自慢げにアリシア……ちゃんが口を開いた。
確かにフェイトちゃんじゃない。バリアジャケットにマントはないし、代わりのように肩、手首、それに背中から金色の小さな羽根が自己主張をしている。
フェイトちゃんみたいなおさげは作らず、綺麗な髪を風に遊ばせながらその子は手にしている――これもフェイトちゃんのととてもよく似た杖から何かを取り出した。
「あ〜あ、やっぱり末生りはだめなのかな……」
「次元空間での活動、魔力障壁の展開……これだけすれば耐用も超えますよ」
月明かりに透かしながら彼女が残念そうに指先につままれているのいつか見たあの宝石と瓜二つ。
「大体、なんでこんなものを使うのですか、あなたは。ちゃんとしたものがあるというのに」
「だってこの子達だってせっかく生まれてきたんだよ。いらないから捨てるなんて出来ないし」
「確かにその心構えは感心です。そういう所は私も好きですから」
傍にいる女の人は誰だろう。落ち着いた色の服に帽子を被っていて、もしかしたらこの子の使い魔なのだろうか。
「ありがと……じゃあ、種を撒くよ」
ジュエルシードみたいな石はアリシアちゃんの手から離れると同時に砂の塊を崩したように粉々になって、そのまま風の中へ溶けるように消えた。よかった、ジュエルシードじゃないみたい。
でも安心して暇は今はない。
「アリシア……ちゃんでいいんだよね? どうしてこんなことするの!?」
「母さんのため、私のため、それにフェイトのため」
『Put out』
「そして……またこの世界に夢を見させてあげるため」
杖から出てきたのは紛れもないジュエルシードの輝きだった。体がピリピリと痺れるような感じがする。なんてすごい魔力なんだろう。
「プロト、ランスフォーム」
『Yes,sir』
斧は槍へと姿を変え、金色の羽を夜空にはためかせる。
「アルカス……クルタス……レイギアス!」
(なのは!)
(ユーノくん? どうしたの?)
(今すぐあれを止めるんだ! あの子はジュエルシードをこの世界にもう一度ばら撒くつもりだ!!)
そんな……ジュエルシードを撒くって。
(あの光の中に数えてみても九個、別々のジュエルシードの反応がする。でも何か違うんだ、今までのジュエルシードとは違う、異質な魔力を感じる)
(じゃあそれをばら撒いたら……)
(少なくともいい結果にはならないと思う) <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:43:45 ID:jyTQKDqt<>
大変だ。そんなことしてまたみんなに迷惑が掛かったら……。
「レイジングハート! スターライトブレイカーいけるね!」
『All right,my master』
「行くよ!!」
羽広げ、魔法陣にわたしは立つ。すぐに収束を開始して周囲の魔力を根こそぎレイジングハートに集めていく。
「幻想秘めし石、我が声に応え今常世に根を下ろさん」
わたしが魔力を溜める間にもアリシアちゃんは呪文を唱え準備を着々と終えていく。杖は徐々に金色に輝き少しずつその形を不鮮明にしていく。まるで光の繭に包まれるように。
「レインジングハート、カウントダウンは!!」
『30seconds remain』
「早く! 間に合わないよ!」
こんなに遅かったっけ? 今まで早くも遅くも感じてなかったスラーライトブレイカーがすごく遅く感じる。焦りばかりが心に募って、だけど待つ以外どうしようもない。
『There is no other way.Reducing charge time』
「ありがとう! レイジングハート」
『Restart countdown.……10……9』
レインジングハートが時間を短縮してくれた。少し威力が減るかもしれないけどきっと大丈夫。ユーノくんとずっと鍛錬してきたんだから。
「バルギル、ザウギル、プラウゼル! 大地割れ! 揺り篭の担い手となれ!!」
『Get set』
繭から大きな光が生まれる。鳥の翼を思わせるような羽を杖は生やして、アリシアちゃんは左手を器用に動かしてそれを逆手に持ちかえる。
「スターライトブレイカー!!」
『3……2……1……』
どういう魔法なのかは未知数。でもそれを気にしてる場合じゃない。
大切なのは
(間に合って! 間に合え!!)
それだけ!
「いくよ……ボルテックランサーーーーーッ!!」
「ブレイクシューーーートッ!!」
腕を押す手ごたえ。久しぶりの感触を必死に堪えながらわたしはスターライトブレイカーを発射する。
夜空を真っ直ぐ、天高く飛んで、あの子が放った槍とぶつかり合う。
二色の色が混じりあい、太陽みたいに輝いてわたしは目を細める。大気は激しく揺さぶられ轟音が耳の中を掻き混ぜる。
「っ!? う、うそ……こんなの……って」
異変はすぐにわたしを襲った。重石でもつけられたように足が重く、押さえつけられる感じ。
押されている。なんて強い魔法の力。
「だ、ダメだよ……これじゃ」
拮抗させられれば良かったのに最初から押されるなんて考えもしなかった。やっぱり時間を削ったのが不味かったのか。
(でも、でも――!)
ここでやられるなんてわたしには絶対に出来ない。
隣にはフェイトちゃんとアルフさん。下にはユーノくんとクロノくんがいる。
だから絶対に、絶対に負けられない。負けちゃ駄目なんだ。 <>
176<>sage<>2006/05/06(土) 10:44:53 ID:jyTQKDqt<>
(お願い……お願い! レイジングハート!!)
心の中から振り絞る想い全部を願いに込めて、わたしはレイジングハートを強く握る。手は震えて汗が滲んで痛いくらいだ。
レイジングハートにも少しずつだけどヒビが入って限界を訴えている。それでもやらなきゃいけない。
(みんなを守りたい……守りたい!!)
全力全開、すべての魔力をレイジングハートに込めて、なくても搾り出して。
何度も何度も諦めの誘惑を振り切って唯一つのことを心の中に描き出す。
だからわたしの願いは叶えられた。刹那の煌きと共に相殺された魔力が光の洪水になることで。
「きゃぁぁぁ!!」
展開されたプロテクションでも抑えきれないくらいの魔力の渦。全身を叩かれたようにジンジンと痛みが走った。
ぎゅっと閉じた瞼を上げるまで一分は掛からなかったともう。目を開けた時にはわたしの目には変わらない静かな夜空。
「やった……」
「嘘……でしょ?」
わたしの声とアリシアちゃんの声が重なる。本当に驚いた顔でアリシアちゃんは呆然と私のことを見ている。
「すごい……もう芽吹いてるよ。リニス!」
「ええ、本当なら多くの人の願いで芽を出すはずなのに。それともこれがジュエルシードの力なのでしょうか」
けどわたしの考えているそれとアリシアちゃんのそれは違っていて。
驚いていたのはもっと別の理由だった。
「……杖が……刺さってる?」
わたしの目に飛び込んできたのは何もない空間にアリシアちゃんの杖が突き刺さっている不思議な光景だった。それに加えて杖の宝玉を中心に光の帯が木の根のように広がっていた。
「これなら母さん喜ぶよね!」
「ええ、予定が早く進むことに目くじらを立てる人間はいませんから」
「帰るのが楽しみだな〜」
「まったくあなたというのはいつも結果だけはちゃんとするですね」
「終わりよければ全て良しって言うでしょ?」
「はいはい、そういうことにしておきましょう」
帽子のずれを直しながら使い魔――リニスさんが柔らかに笑う。さっきまであんなすごい状況だったのにもう平然としてるのは見ててすごく不自然に感じた。
「それじゃ…………えと、あなたの名前は?」
「わたし……? 高町……なのは」
「なのは、ありがとね。あなたの魔力と願いで種たちが芽を出してくれたんだよ」
「わたしのおかげで……」
「別に街を壊すとかするつもりはなかったしね。でもあなたが勘違いして水と肥料をたくさんくれた」
言われたことを飲み込む前に杖の宝玉から鋭い光が放たれ、青い光の線が弾け飛んだ。いくつもの光は次々に街のあちこちに降り注いですぐに見えなくなった。
「これで今日のお仕事は終〜わりっと。じゃあ私帰るね、まだやらなきゃいけない仕事は沢山あるから」
ちょっとしたお使いを終えたような感じで笑うアリシアちゃん。フェイトちゃんとは違ってとても表情豊かだ。
「それじゃね。後フェイト、また会える日を楽しみにしてるからね」
また明日――友達にそんな挨拶するようにアリシアちゃんは左手を軽く振る。手を振るのを止めると今度は刺さっていた杖が戻ってきて、手に取ると同時に魔法陣が広がった。リニスさんが軽くお辞儀をして、アリシアちゃんの横に沿う。
そうして光が満ちて姿は消えた。
「…………フェイトちゃん」
一体どのくらいの時間わたしはぼーっとしていたのか。フェイトちゃんの名前を呼んだのはすごく時間が経っているように思えた。
いつの間にかユーノくんたちがいるんだから多分そうなんだと思う。
「…………」
フェイトちゃんは答えなかった。ただ唇を噛み締め、俯いて。
とても静かな夜。全部が夢でありたい、そう願うくらいに静かな夜。
わたし達はその只中でそれぞれ新しい始まりと共に再会した。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/06(土) 10:52:22 ID:jyTQKDqt<>
GWも終わり休日の荒波に揉まれながらお久しぶりの176です
結構な量になりました、いろいろとすんません
なんというかアリシアってオリキャラですかね
一応A'sで出てきたことは出てきたけど
あとは一人称にしてそれぞれの視点で書くとどんどん量が増していくorz
……愚痴修了
まぁ、またぼちぼち投下していきます
>>480氏
新スレ、乙です。待ってました
ユーノも受難ですね。まぁ便利なものがあれば使いたくなるのが人の心情ですが
前スレの皆さんもGJです(また敬称省略で失礼します)
最後にトリップつけてみました <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/06(土) 19:44:49 ID:jVyJcG3k<> 純粋な興味から聞きます
アリシアを出して、なおかつ魔法を使わせる作家さんって
原作でプレシアさんが言ってた「アリシアには魔力資質なんてないのに」(うろ覚え)
ということについてどう思ってますか?
また魔法を使えるようになっていることに対してちゃんとした理由付けはしていますか? <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/06(土) 20:15:59 ID:t/Zi9+Lf<> 変わりに返答させていただきます。
極端な話二次創作では、それ以上に遡って歴史のifを行う場合もあり、
特別な理由が無くても特に問題が無いと考えています。
つまり「アリシアに魔力資質があった世界、」です。
これでもフェイトの魔力が金色で、右利きである以上、
フェイトへの待遇は変わらないでしょうから、無印の流れに変化は無いでしょう、
それ以外には下のような理由も考えられます。
アリシアが居る場合大抵アルハザードの力で生き返っています。
その際に魔力資質が発生してもおかしくはありません、
(小説に出てきた「死」の概念からするに「完全なアリシア」では無いと言うことです)
また、アリシアが魔力資質を受け継がなかったと言うのはあくまで
「大魔道師」であるプレシアの視点出しかない事にも注意が必要です。
追伸
埋め立てネタ作ってる最中に荒しにやられた(・∀・#) <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/06(土) 20:38:48 ID:jyTQKDqt<> >>480氏
すいませんもったいないお言葉ありがとうございます
埋め立てネタはまたここでということで
ではアリシアに関してですが魔力資質がないのも十分承知の上です
その「なぜ」の理由をここで言ってしまうなんてこと私には出来ません
早い話がネタバレです
まだ一話なのですから気長に待っていてください。理由の方はちゃんと用意していますので
ワクワクしながら待っていてください
最後に私事ですが一言
「手品の種をすぐに教えろなんて酷なことないでしょう……」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/06(土) 20:41:25 ID:uP8467Oo<> >>16
プレシア「ただし魔法は尻から出る」
アリシア「よし!がんばるぞ!」
魔放屁少女リリカルアリシア、はじまります。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/06(土) 20:51:11 ID:vVG+jpNy<> SS書くモノとしては魔法使えなきゃつまらないけど、オリキャラは出したくないって感じだろうか。
細かいことは気にしてない。
ま、書いている人のレス待つのが正確ですが。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/06(土) 20:53:34 ID:vVG+jpNy<> >>17
あ、埋め立てちゃまずかったか…マジすまん(汗)
空いてるところに意味不明な書き込みがよくあったから見つけるとつい埋めてしまう…。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/06(土) 21:17:24 ID:wmJAZowY<> >>19
グルグルとはまた懐かしいw <>
ヘボ書きマン<>sage<>2006/05/06(土) 21:18:22 ID:Wm+xaOrg<> ・・・旅から帰ったら九話が始まってた。
・・・・・うん、遅いね、俺。
アリサの話は考えにくい。
>>19
・・・似たようなネタをザフィーラとグレアムで考えた事あったなぁ・・・ <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:18:52 ID:bHNVBkp/<> 日差しが、眩しい。
発掘に集中してる時はいくら照りつけようと、蒸し暑かろうと気にならないというのに。
高い気温によって噴き出る汗と、からからに乾いた喉は開けたペットボトルのぬるい中身を干しても、
気休め程度にしかならない。
今日のミッドチルダは、真夏日のようだ。
「・・・ユーノ君、大丈夫?」
横顔を流れ落ちる汗をぬぐってくれるなのはの方は、そうでもなさそうだった。
お互い、見苦しくない程度の薄着のよそいきだけれど、彼女は時折白いハンカチで額を抑える程度で、
涼しい顔をして立ち並ぶ人の波の中で自分の横にいる。
「やっぱり人、多いね。休日だからかな?」
なのはは日差しを避けるための帽子に、ハンカチと同じ白の半袖シャツを羽織っていて。
ブルー系のタンクトップの下はよく履き慣らされたジーンズで、
薄いブラウンのサンダルと小さなバッグの動きやすい軽装だった。
そして長い髪をサイドで結んでいるのは、あの日贈った桜色のリボン。
もちろん、胸元にも相棒たる紅い宝石がペンダントヘッドとして輝いている。
彼女の持参した弁当と保冷材を入れたバスケットは渡すように言って、こちらが持っていた。
「あ、動き出した。いこっ」
「うん」
見れば、果てしなく続くかとすら思えた長蛇の列も先が見えてきている。
入場門は、すぐそこまで近づいてきていた。
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく二人の絆−
Epilogue−1 shining day and silent night
「よっ・・・と」
丁度幸運にひとつだけ空いていたコインロッカーにバスケットを押し込み、ユーノは小銭をポケットからまさぐる。
「平気かな?悪くなっちゃわないかな、お弁当」
扉を閉めてコインを投入する彼をなのはが覗き込み尋ねる。
一応保冷材を多めに入れてはいるけれど、この気温だ。
生ものだし自分で持っているならともかく、手放して放置するとなるとやはり不安なのだろう。
「多分、問題ないと思うよ。ここは室内だし、空調だって整ってるし。心配だったら早めにとりにこよう」 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:20:06 ID:bHNVBkp/<> 日差しが、眩しい。
発掘に集中してる時はいくら照りつけようと、蒸し暑かろうと気にならないというのに。
高い気温によって噴き出る汗と、からからに乾いた喉は開けたペットボトルのぬるい中身を干しても、
気休め程度にしかならない。
今日のミッドチルダは、真夏日のようだ。
「・・・ユーノ君、大丈夫?」
横顔を流れ落ちる汗をぬぐってくれるなのはの方は、そうでもなさそうだった。
お互い、見苦しくない程度の薄着のよそいきだけれど、彼女は時折白いハンカチで額を抑える程度で、
涼しい顔をして立ち並ぶ人の波の中で自分の横にいる。
「やっぱり人、多いね。休日だからかな?」
なのはは日差しを避けるための帽子に、ハンカチと同じ白の半袖シャツを羽織っていて。
ブルー系のタンクトップの下はよく履き慣らされたジーンズで、
薄いブラウンのサンダルと小さなバッグの動きやすい軽装だった。
そして長い髪をサイドで結んでいるのは、あの日贈った桜色のリボン。
もちろん、胸元にも相棒たる紅い宝石がペンダントヘッドとして輝いている。
彼女の持参した弁当と保冷材を入れたバスケットは渡すように言って、こちらが持っていた。
「あ、動き出した。いこっ」
「うん」
見れば、果てしなく続くかとすら思えた長蛇の列も先が見えてきている。
入場門は、すぐそこまで近づいてきていた。
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく二人の絆−
Epilogue−1 shining day and silent night
「よっ・・・と」
丁度幸運にひとつだけ空いていたコインロッカーにバスケットを押し込み、ユーノは小銭をポケットからまさぐる。
「平気かな?悪くなっちゃわないかな、お弁当」
扉を閉めてコインを投入する彼をなのはが覗き込み尋ねる。
一応保冷材を多めに入れてはいるけれど、この気温だ。
生ものだし自分で持っているならともかく、手放して放置するとなるとやはり不安なのだろう。
「多分、問題ないと思うよ。ここは室内だし、空調だって整ってるし。心配だったら早めにとりにこよう」 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:21:35 ID:bHNVBkp/<> 「そっか。うん、そだね」
なのはの声を背にユーノは鍵を引き抜くと、ちゃんと閉まっているかどうかを確認して立ち上がった。
本音を言えばユーノとしては、初デートにはもっとゆっくり色んなところを時間をかけてなのはと二人、めぐるつもりだったのだけれど。
双方、武装隊を指揮する教導官と、無限書庫を管理する司書のトップ。
責任ある立場にある二人が揃って、まとまった期間の休暇をとるということは難しく、
二人だけの二日間、一泊二日の小旅行。それがどうにか二人のひねり出した時間。
ミッドチルダに行きたいというなのはと、案内したいというユーノ。
日帰りできない距離ではないけれど、二つの世界の距離を考えると一泊したほうがベター。
そういった点であまり十分な時間とはいえないから、選択肢はおのずと限られてくる。
なんとか確保できた一日の休日を利用してやってきたのがここ、ミッドチルダのテーマパーク。
それが妥協との折り合いの中で二人が選んだ、行き先のチョイスであった。
「あ、園内バスだ。あんなのもあるんだね、日本のおっきい遊園地と一緒だ」
仕事以外でミッドチルダにあまり来たことのないなのはは、あまり日本のそれと変わらないテーマパークであっても、
微妙な差異や類似点を見つけるのが楽しいのか開園を待つ間も退屈な顔ひとつすることはなかった。
ユーノもあまりこういうところに興味がなかったから、来たことはなかったけれど。
初めてのデートであるという緊張感と休日の人出の数にやられ、
生来のそこまではしゃぎまわるタイプでない性格もあってどちらかといえばあまり盛り上がってはいない。
なのはに楽しんでもらえるかどうか、という不安については徐々に解消されつつあったが。
何より、なのはと二人で泊りがけ。
その事実でユーノは頭がいっぱいだった。
なのはは鈍いからなんとも思ってないのかもしれないけれど、やっぱりユーノも年頃の男の子である以上、
そういう方面のことは気になるわけで。
当然奇跡的に駆け込みで予約をとった宿で部屋が別々なんてこと、できるわけもなく。
年相応に彼は今夜のことを考えて悶え、想像し。そんなことを思ってしまう自分に対して自己嫌悪をして悩んでしまう。
(えっと、チェックイン予約が夕方で・・・それまで大体7時間あって・・・夜は、その・・・えっと・・・)
獲らぬ狸の皮算用。
予定は未定。
先人はよく言ったものだ。
しかし今のユーノには、それが、その見えない先のことが非常に重要なのであって。
考えれば考えるほどなのはを抱きたいという気持ちと、果たしてそれが彼女を大切にすることなのかどうかという思いが──・・・
「ユーノ君?」
「うわっ!?」
そんな心理状態で間近に顔を覗き込まれたりしたら、それはもう驚いてしまうものだ。
やましい(かどうかは曖昧なところだが)考えがあるのを、見透かされてしまっているようで、
無邪気に楽しんでいる様子のなのはの視線が、密かに心に痛い。
「どうしたの?なんか浮かない顔だけど」
「あ、いや。そんなことは」
しまった、と内心思った。
悩むのはこちらの勝手だけど、それでなのはの楽しんでいる気持ちを削いでしまって、どうするのだ。
一人で悩んでいるくらいなら、二人で何も考えずにおもいっきり楽しんだほうがいいというのに。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:22:41 ID:bHNVBkp/<>
「・・・楽しく、ないの?」
「違うよ。ちょっと、考え事してただけ。さ、行こう」
はぐらかすようでちょっとずるい気もしたけれど、ここは二人っきりのデートなんだから。
「何、乗りたい?」
「え、あ。うーんとね、それじゃあー・・・」
なのはは一瞬、ほんの少し怪訝そうな顔をしたあとで顎に手を当て辺りを見回して。
「じゃあ、あれ!!あっちにいこう、あっち!!」
「オッケー。そうしよう」
ユーノの手を引いて、地球で言うところのジェットコースターにも似た高架レールを指差す。
それに従い、ユーノはなのはの引く手についていく。
繋ぎあった二人の手は、いつしか絡み合い、互いの身体を引き寄せ合う。
寄り添う二人は密着し、少年の肩は預けられた少女の肩の心地よい重みを感じた。
以前とあまり変わっていないようで、確かに変わった二人の関係。
自然に縮まっていくその距離が、今の二人の「恋人」という関係であった。
* * *
なのはだって、何も考えていなかったわけじゃない。
ユーノが思い悩みはじめるよりもはやく、考えるのをやめて楽しむのに専念することにしただけだ。
実際、出発直前ぎりぎりまで、なのはの脳裏には前日に皆に旅行に行く旨打ち明けた際アリサから言われた、
『泊りがけって・・・あんた、わかってるのよね?早くない?初デートでしょ?』
という問いかけの言葉がぐるぐる回っていたのだから。
なのはとて年相応、年頃の女の子として友達との会話の中でそういった話題をすることもある。
自分から振ることはないが、どうしたって流れの中で出てきたりもする。
男の子に比べて女の子のほうが、総じて早熟という話も聞くし。耳年増という言葉だってあるくらいだ。
一晩さんざん考えて、悩んで真っ赤になって。
その末になんとか気持ちをそちらから離してテーマパークを楽しむ方向に向けることに成功したのだ。
・・・なのに。
「・・・それにしても、豪華な部屋だよね・・・」
いざホテルに着いてしまうと、やっぱり意識してしまう。
おいしい夕食を食べたのが、ずいぶん前のことのように感じる。
呟きながら見上げた天井は、真っ白で高くて。
すぐ横の眼下に昼間のテーマパークを望む広い窓ガラスには曇りひとつない。
広々とした部屋の調度品は、どれもすごく品がよくて、落ち着いている。
さすが、高いだけのことはある。
料金として管理局のそれなりのポストにいる二人の給料から少なくない金額を持っていったのも、頷けた。 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:23:37 ID:bHNVBkp/<>
「なのに、なんで」
・・・なんでベッドはひとつしかないんだろう。
そりゃあまあ、ダブルの部屋しか空いてなかったからなんだろうけど。
予約のときは奇跡的に部屋が取れたということだけではしゃいでしまって、
部屋の内容にまで頭が回らなかったから、確認しなかった自分達の自業自得と言えなくもない。
───ひとつのベッドに、二人で。
飲み物用の氷を廊下端の製氷機まで取りに行っているユーノも、はじめて部屋に足を踏み入れた時は戸惑っていた。
せっかくなんとか落ち着かせた心が、たったひとつのベッドの存在のせいでお互い、
どうもぶりかえしてしまっているようだった。
「・・・どうしよう」
嫌、というわけじゃないのだけれど。
改めてこうして現実をつきつけられると、心の準備というものができない。
踏み出す勇気がつかないのかもしれない。
「ただいまー」
そうこうしているうちに、ユーノがカードキーをドアに挿して帰ってくる。
「っあ、ゆ、ユーノくん」
入ってきた彼はなのはと、座っている一つしかないベッドの姿を認めると困ったように苦笑する。
彼のほうもどうやら、なのはと同じ心境らしい。
「露天風呂もあるみたいだね。あとで行ってくるといいよ」
「・・・うん」
短い会話を交わして隣に座ったユーノは、無言のまま窓のほうを見ている。
どうしたものか、考えあぐねているのだろう。なのはもそうだから、多分間違いない。
「「・・・」」
なんて、切り出せばいいのやら。
ホテル独特の、民家とは違う匂いが漂う室内に、沈黙が流れる。
「・・・」
「あ、あのさ」
「っは、はい!!」
きまずくなりかけた空気を察して機先を制してくれたのは、ユーノのほうだった。
顔はなのはのほうを見れないようだけれども、少しずつ、自分の言葉を確認するように言っていく。
「・・・別に、僕はいいから」
「え?」
「別にひとつのベッドだからとか、そういうの、関係ないと思うんだ」
「・・・えっと」
「あーほら、なんだろ。何が言いたいかっていうと、その」
彼のいいたいことが飲み込めないのをユーノ自身、察したらしい。
軽く慌てつつも、額に手をやって頭を整理し、彼は言葉を続ける。
<>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:25:45 ID:bHNVBkp/<>
「・・・なのはがいいって思うまでは、しない、から。なのはのこと、大切にしたいから」
「・・・・っ!!」
「何を・・・とかは、訊かないで。こっちも、その・・・恥ずかしいから」
ハッとして、真横のユーノを見上げる。
彼は案の定、耳まで真っ赤になっていた。
「こういうこと・・・なのはのほうから言わせるの、どうかと思ったから。だから、僕が」
そのまま俯く彼の横顔は、かっこいいというよりかわいくて。
それがやっぱり、なのはにとっては凄く愛おしい。
「なのは?」
「・・・うん」
愛おしいから、それでいい。
彼がそう思ってくれているなら、それでいい。
彼のことを、受け入れたい。彼の、気持ちを。
そう、思ったから。
「────?なの・・・」
彼女はユーノの唇を、自身のそれで塞いでいた。
「・・・」
「・・・・・・?」
ほんの一秒か二秒の、短い口付け。
たったそれだけだったけど、なのはの顔は真っ赤。ユーノのほうもさっきに増して真っ赤。
「・・・まだ、だったでしょ。わたしたち」
「え・・・?」
恋人になってから、はじめてのキス。そう、二人はキスだってまだだった。
踏み出してすらいなかったステップが突然に踏み出されて、ユーノはきっと驚いているに違いない。
唐突かもしれないけれど、なのはの中ではその脈絡はついていた。
彼のことが好きで、愛おしいから。
彼の気遣いが嬉しいから。理由なんて、その程度で十分ではないか。
その気持ちをこめて、彼の唇に口付けた。
「ユーノくん、わたし大丈夫だよ。ユーノくんなら」 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:27:54 ID:bHNVBkp/<>
ユーノの肩に頬を埋め、なのはは言う。
自分が何を言っているのか、わかっている。
彼の気遣いに、想いに応えてあげたい。だって自分は彼の恋人なんだから。
「ユーノくんとなら、平気」
「なのは・・・」
なのはを見るユーノの表情は、
彼女の意外な言葉に、驚いていて。
「・・・なのは、だけど」
「・・・いいの。ユーノくんだから・・・したいようにして、いいよ」
「・・・・・」
先ほどまでの落ち着かない心は何処へやら、なのははひどく自分の心が穏やかになっていくのを感じていた。
結局のところ、自分も望んでいたのだろうと思う。だからこんなにも落ち着いていられる。
「・・・いいんだね?」
「・・・うん」
「わかった・・・じゃあ、言葉に甘えるよ・・・」
瞳を閉じたなのはと、顔を近づけて行くユーノ。
二人の唇は、もう一度。
今度は深く、深く重なり合った。 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/06(土) 21:39:47 ID:bHNVBkp/<> ごめんなさいごめんなさい最初の1レス目間違えましたorz
容量の無駄遣いすいませんorzかくなる上はザンバーで腹を(ぉ
一応エロ無の部分のみでまとめるなら今回でこの話は終了でございます。
全体としては次回までだけど、エロ苦手な方が次回読まなくても
完結するように・・・できてる?よね?orz
>>前スレall職人方
激しく乙です。
>>今スレ職人方
今スレでもよろしくお願いいたします。
>>16氏
>アリシアを出して、なおかつ魔法を使わせる作家さんって
んー、自分の場合はshe&meの終盤がそれに該当するのかな?
あの話のあの戦闘のアリシアはあくまで
「身体をフェイト、頭脳はアリシア」でフェイト&バルのフォローありで
戦ってる状態ですんで。
それ以上のことはなんとも。読んだ方の想像、妄想にお任せします。
>また魔法を使えるようになっていることに対してちゃんとした理由付けはしていますか?
これはそれぞれにしてると思いますよ。ただそれを文章中で書いて説明するか、
表に出さない裏設定に留めるかは筆者の方のさじ加減だと思いますが。 <>
さばかん<>sage<>2006/05/06(土) 22:07:31 ID:f+Mkg8AB<> こんばんは。今日は幾つか謝りたいと思います。
前スレの405さんの、
前もって注意書きをして欲しい。と言うお言葉。全くもってその通り。
内容で、嫌な思いをされたのなら申し訳ありません。そして、アドバイス有難う。
今回も身体的苦痛がメインです。そう言ったジャンルが苦手な方はスルーして下さい。 <>
さばかん 恋の終わり1<>sage<>2006/05/06(土) 22:09:29 ID:f+Mkg8AB<> するどき月光に、なのはが起き上がる。
夢の終わりを、なのははただ、受け入れた。いや、受け入れるしかなかった。
自分でも分かる。これは、嘘ではない。なんら違和感が無い。
そして、何より、確信めいたものがある。
色濃く絡みつく現実色が、異常な程に恐かった。
どこぞのストーリーでは、なのははここまで恐怖する事は無い。
それは所詮、よその話だ。よその恐怖も、よその幸福も、自分を満たす事象には成り得ない。
だが、今回夢に出てきたのは違う。
現実だった。
だが、何故こんな重要な事を忘れていたのだろうか?漆黒の部屋を眺めながら、なのはは忘れてた事を
忘れた経緯を思い出そうとする。
「お目覚め?」
その声を聞いた瞬間、体の体液が異常な動きを見せた。過剰に引いたり流れたり。これでは無秩序な川と同じだ。
興奮と恐怖が同時に振ってきた。
その声の主は、
「す・・・ず・・・か?」
恐る恐る振り向いても無駄だった。だって、彼女だって分かってた。
綺麗な髪と、整った顔立ち。自分と同い年にもかかわらず色っぽい。
だが、今宵の彼女は少し色が違った。
漆黒にいたすずかの体が、月光に晒される。
瞬間、悪夢だと信じたかった。
「うわわわわわわわわわわわわわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
そう叫んだつもりだったが、それは叫びにならなかったかもしれない。
彼女の全身はあの忌まわしき日の焼き直しだった。
すずかの体は全身血塗れだった。
顔にも、体にも。純白の制服は違法に改造してある。
その異常の中で、しかし、彼女はにこっと笑って見せた。
「なのはちゃん。そんなに硬くしないで。
私、ビックリしちゃった。今日、記憶を戻してあげたら、なのはちゃん、3階から窓ガラス突き破って、全身傷だらけで逃げちゃったんだもの」
にこにことした顔は月光に照らされ、美しすぎて恐い。
「ひっ・・・!」
近づいてくる。
ベッドに張り付いたように、彼女は動かなかった。
恐いのは、彼女の笑顔でも、体でも、存在でもない。
誰かを殺してでも欲しいと思う自己愛(エゴ)。自身の情欲が恐かった。 <>
さばかん 恋の終わり2<>sage<>2006/05/06(土) 22:10:47 ID:f+Mkg8AB<> 「でも流石ね。ユーノちゃんのお陰かしら。あれだけ深い傷が。全て感知しているなんて。
たしかユーノちゃんの家は優秀な秘薬持ちだったわね」
ふふふとまたも笑う。
その笑顔、欲しい。その笑顔、やめて。
恐い。
「でも」
その一言が異常に力強く、周りを凍らせた。なのはは次の言葉に恐怖した。
内容など予想できない。だが、彼女の持っている銀色が、赤い未来を決定づけた。
すずかの手には、
「体内に硝子の破片が残っている可能性があるわ。たしか、ユーノちゃんは医療に関してはてんで素人。
そういった処理は恐らくしていない。だから、ごめんね、なのはちゃん」
月光で綺麗な中指程の長さの、
ナイフ。
「あーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
現代とは思えない。なのははさっきから叫んでばかりだ(笑)
どこぞの誰かが、そう思った。
這って逃げようとするなのはを仰向けに押し倒し、パジャマを縦に切り、服を広げた。
幼い体が月光を反射し、傷一つない体をすずかに晒す。
その綺麗な体に無骨なナイフが通る。
「うわああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
そう深くは刺さっていない。ただ、その傷口を更にすずかは手で広げる。
全てが赤く染まる程の激痛。傷口に入れた手を取り出す。
「ほら。硝子の破片。危なかったね、なのはちゃん。
貴女の傷口15箇所。全て覚えてるから安心して。具体的に言ってあげましょうか?」
「ひ、あ、あ、あ・・・」
なのはは泣いている。白い肌に広がる朱が、視界的激痛を形成する。
「なーんて。私、そう言うのに詳しく無いの。ごめんね、なのはちゃん☆」 <>
さばかん 恋の終わり3<>sage<>2006/05/06(土) 22:11:40 ID:f+Mkg8AB<> すずかは次々となのはにナイフを突き立てる。
「・・・なのはちゃん、可愛い。白いのに赤いのが付いてる。その色彩的、背徳的美はどの芸術でも
『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
表せ、あっ、欠片。貴女の血は吸血鬼になんかあげない。流れる血を全て高級ワインにでもして、
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
また、欠片☆。売り出したい程よ。本当よ。私、ワイン大好きなの。今度、なのはちゃんも、めっけ!
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
どうかしら?と言っても、高いワインじゃないのよ。この世にはね、高級ワインと普通のワインでも、
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
かーけーらーっ!」
終わった。
「はーっ、はーっ、はー・・・・・・」
その激痛に耐えた体は、絶頂したように体の力が抜けていた。
傷口には、ぐるぐるの包帯。
目は、すずかを見ていた。
「すずか・・・ちゃん」
その目は欲情した女の目だった。
秘所は濡れていて、もっと欲しいと訴えていた。
その欲情した一部をすずかは慰めていた。
「あっっ・・・ぁ・・・」
感じている。その体は感じていた。
「続きは私の部屋でしましょうか」
「うん・・・」
なのはをお姫様だっこする。
抱かれて近くで見たすずかの服は矢張り、あの日のように朱い。
「すずか・・・ちゃん、その、服」
服をひっぱり訊ねみた私に、すずかは矢張り笑っていた。
「ちょっとね」
いつもの食堂。その床に、見慣れた二人が居た。一人はユーノ。
もう一人は。
「フェイト・・・ちゃん?」
倒れたフェイトは血塗られたナイフを手に持ち、床に倒れていた。
「な、なのは・・・」
「と言う訳で、ごめんね。フェイトちゃん。なのはちゃんは私にメロメロなの」
そう言って、なのはのスカートを捲り、秘所をあらわにした。
そして、
「あああ〜〜〜〜〜〜・・・」
フェイトの目の前で、なのはを絶頂させた。
つづく <>
92<>sage<>2006/05/07(日) 07:15:50 ID:29V4jZSB<> エロを書くのは難しいなぁ…
というか二人とも会話をしようとしてくれ…
ちょっと気晴らしに
>>16
自分がアリシアだすならこうなります
「壊れた心で母さんは私をアリシアと呼んだ…
私は…私は母さんが好きだから、大好きだからアリシアになった。
でも、でも私は自分がアリシアじゃないって気付いてた…
そして、母さんが死んだ時には、私は自分が誰だか分からなくなった。
どこまでがアリシアの記憶で、どこまでが私の想いなのか…
私は…私は貴方がうらやましい!
貴方は貴方の記憶がある、想いがある、友達がいる、家族がいる。
だから…だから憎い!
同じモノなのに、貴方は貴方なのに、私は本当に私なのかすら分からない。
わかってる…こんなのは逆恨みだよね?
でもね、もうこれぐらしか、私が私であるモノはないんだ。
だから貴方を殺すの。
その結果、私が消えてなくなってアリシアになってもいい。
それに、もしかしたら私が私になれるかもしれない…」
「…私は…誰?」
最後にそう言って、彼女は死んだ。
はい、歪んでいます、というか誰も救われないし、フォローの話も思い浮かばんので没ですな。
こういうのはすぐ書けるのになぁ…エロは難しい
あ、6スレ480さん、スレたてご苦労様です。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/07(日) 14:38:17 ID:3CKvq04x<> >>32
幾つか謝罪というわりには1つしかないわけだが
(揚げ足か、スマソ
あと注意書き入れてくれるのに後書きはないのな。
書かない俺が言うのもなんだが作品の後に後書きがないとまだ続いてるのかとか後書き書いてる最中なのかと勘ぐってしまって後の人が発言しにくくなる、と思うわけだがどうか
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/07(日) 16:40:41 ID:P4R/zAJU<> 後書きは難しい。
またダメなの投下しちゃったよグダクダ→だったら投下するな→荒れる
よーするに後書きって書くことない…すくなくとも私は大抵無いな。
最後に つづく とか おわり とか書けば分かると思う。 <>
549 ◆xbn1Z6LB3Q <>sage<>2006/05/07(日) 18:02:43 ID:PnACDrgk<> PCの調子が悪くて何も進んでいません、ハァ・・・
自分はたまに忘れてますが、(1/4)とか名前欄にいれてます。
面倒だからやっている人は滅多に見かけないけど。 <>
16<>sage<>2006/05/07(日) 21:29:30 ID:d/eRNbmb<> 不躾な質問に答えていただきありがとうございます。
個人的に原作の設定を尊重するタイプなので、完全な「壊れ系」以外での原作
乖離には首をひねってしまうのです。
>17 6スレ460氏
返答ありがとうございます。
第2の理由には、理由付けとしては少し弱いとは思いますが、納得できますね。
>>36 92氏
アリシアと名乗ってはいるけど本当はアリシアではないというパターンですか。
これは意表を突かれました。本当に見事です。理由付けとしては完璧ですね。
>>19氏
つまりプレシア母さんに蘇生される際に魔法を使う能力を与えられた、ということでよろしいですか。
6スレ480氏の第2案と少し似ていますが、本人達の会話が明確に表現されている分説得力がありますね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/07(日) 21:40:25 ID:pj8jFmxn<> >アリシアと名乗ってはいるけど本当はアリシアではないというパターン
ハガレンを思い出した。「母親をつくったつもりだったが、実は全くの別モノだった」
生命創造や死者蘇生ではよく使わてますね <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/07(日) 22:43:22 ID:xqLbSAuG<> とりあえず>>16は答えてくれた職人の人、>>176氏や>>640氏をスルーするのはまずいんじゃないか?
特に>>176氏は質問された直接の相手のようなもんなんだしさ。 <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/07(日) 22:56:34 ID:35tPbmIK<> !?鳥抜かれた!? <>
640 ◆x5RxBBX8.s <>sage<>2006/05/07(日) 23:01:55 ID:35tPbmIK<> ちょ、ごめこれどういうこと!?
鳥バレた?変えなきゃやばい? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/07(日) 23:17:45 ID:dVifB5K3<> >>44
変えた方がいいでしょうね。また騙られるかもしれませんし。
偽者が640 ◆x5RxBBX8.sさんほどの文章をかけるとは思えませんから、
鳥を変えても誰が本物かは一目瞭然だと思いますよ。
こんなことにめげずに続きを頑張ってください。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/07(日) 23:27:38 ID:C69iGFHz<> >>44
変えるのなら今日中(IDの変わらないうち)に
もしくはその鳥を公開してから <>
YUKI<>sage<>2006/05/07(日) 23:49:53 ID:HZG1rex2<> 皆様はじめまして&お久しぶりです YUKIでございます
前回カキコしてから1ヶ月以上経ってしまいました。
どうにもこの時期は仕事の方が落ち着かなくて・・・。
遅くなりましたが、前スレからの多くの職人の皆様
ほんとに素晴らしい作品の数々GJ!!です
自分もやっと一つ書けましたので投下させていただきます。
前回少し投下したんですが、一部修正も入りましたので最初から再投下いたします。
「兄と義妹」です
全年齢向け <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/07(日) 23:50:12 ID:nQdNwLpk<> 普通に鳥使ってる>>42の意図がわからんw
悪意がないっぽいのが救いだけど。 <>
兄と義妹1<>sage<>2006/05/07(日) 23:50:51 ID:HZG1rex2<> ある平和な昼下がり、昼食を終え元気に教室から飛び出す男子生徒や、おしゃべりに夢中になる女子生徒
聖祥小学校の昼休み時間
なのは・フェイト・はやてのいつものメンバーも食後のおしゃべりを楽しんでいた
「したら、ヴィータがシグナムのデザートまで食べてもうてなぁ。シグナムが必死に怒りを抑えながら、『き、騎士が食べ物の事で怒るなど、はしたない真似はしない!』って強がっとるのがまたおかしくて・・・・」
「あははは・・・・ヴィータちゃん怖いもの知らずだからね・・・・」
「ほんまになのはちゃんの言う通り、ヴィータは怖いもの知らずや。」
紙パックのジュースのストローに口をつけながら、はやては答える
「でも、シグナムがデザート取られた事で怒るのって、意外・・・・」
「うん。シグナムさんっていつも冷静でしょ?だからちょっと想像つかないね。」
「フェイトちゃんは戦闘中のシグナムは色々知っとるけど、普段のシグナムはあまり見たこと無いねんな。」
「うん。だから普段のシグナムってどんな感じが知りたいな。」
「そやね、今度の休みはうちで集まろか。」
「うん!そうしようよ!」
「私も賛成。」
そんな楽しいおしゃべりの途中で、クラスメイトの女子がフェイトに話し掛ける
「ねぇねぇ、フェイトちゃん。」
「ん、なぁに?」
「フェイトちゃんって確かお兄さん居たよね?」
「クロノの事?・・・・・・うん、居るけど。」
「やっぱり・・・・・」
おもむろに、女子生徒はフェイトの耳に口を近づけ小声で話す
「ねぇ、だったらさ、今度お兄ちゃんの部屋の#####を探してみて。・・・きっと#####が見つかるはずだから・・・・」
「えっ!? だ、駄目だよ!!そんなの!!!」
顔を真っ赤に染め、思わずフェイトが叫ぶ
「え~?絶対見つかるからやってみてよ〜」
「だ、だから 絶対ダメェ!!」
両のこぶしを胸元に揃えながら必死に叫ぶ
<>
兄と義妹2<>sage<>2006/05/07(日) 23:51:44 ID:HZG1rex2<>
「あ〜ぁ・・・・じゃぁ、しょうがないかぁ・・・」
フェイトの渾身の拒絶にしぶしぶ女子生徒は帰っていく
「フェイトちゃんどうしたの?」
フェイトの様子が明らかにおかしいので、なのはが心配そうに尋ねた
「え!?だ、大丈夫!何でも無いよ!うん。」
「そ?そう?」
なのはもはやてもそれ以上は聞かなかった
(ク、クロノの部屋のベッドの下・・・・・ううん!絶対にそんなことない!クロノがそんなモノ持ってるわけない!)
1人顔を赤くしながら、フェイトは自問自答を繰り返す
そんなこんなで昼休みは終わりを告げ、午後の授業へと入っていくのだった
数日後
アースラ艦内 ブリッジ
コーヒーの入ったカップを持ちながらクロノとエイミィが話している
「・・・・・フェイトちゃんが?」
「あぁ。最近なんか様子がおかしいんだ。 僕の部屋に居るときもなんかそわそわしてるし、どうも落ち着きが無いというか・・・」
「う〜ん・・・あの冷静なフェイトちゃんがねぇ・・・・?」
「何か気になることでもあるのかと思って聞いてみたんだけど、特に何も無いって言うし。」
「ふ〜ん・・・・・・・こりゃぁ、もしかしてフェイトちゃん恋患いかな?」
「ブッ!!! 」
おもいっきしコーヒ−を噴出すクロノ
「キャッ!! もぅ〜クロノ君汚いよぉ。」
「ケホッゲホッ! な、何を言うんだ!! そんなわけないだろう!!」
「え〜?なんでそう言い切れるかなぁ? あの年頃の女の子は、男の子よりもそういう成長が早いんだよ。」
「き、キミはそうだったかも知れないが、フェイトは断じて違う!!」
「おやおや、それはクロノ君の希望であって、現実はどうかなぁ?」
「ぜ、絶対に違う!絶対にだ!」
クロノが必死の形相で叫びつづける
「はいはい、そういうことにしておきましょう♪」
コーヒーカップを机に静かに置きながら、エイミィは楽しそうに言う」
<>
兄と義妹3<>sage<>2006/05/07(日) 23:52:18 ID:HZG1rex2<>
「ま、まぁ、とにかくフェイトから話が聞けないとどうしようもないんだ。」
「そうだねぇ・・・あのフェイトちゃんが落ち着きが無いっていう事は、それなりに何か理由があるはずだねぇ。」
「うん。 でも何も無いと言い張るんだ。」
「で、あたしに相談したってわけだ。」
無言でクロノはうなずく
「うん!わかった! 私がフェイトちゃんにそれとなく聞いてみるよ!」
「そうしてもらえると助かるよ。 できれば僕がなんとかしたいんだが、兄よりも同じ女性同士のエイミィの方が何か話してくれるかもしれない。」
「わっかりました!ここはエイミィ姉さんに任せなさい!」
自身満々に胸を張るエイミィ
クロノはさりげなくその胸から目をそらしていた
その日の夕方
戦闘トレーニングを終えたフェイトが休憩室で休んでいた
「ねぇねぇ、フェイトちゃ〜ん・・・ちょっといいかなぁ〜・・・?」
入り口の柱から顔だけ出したエイミィが右手で「おいでおいで」をしながら呼びかける
「エイミィ・・・?どうしたの?」
「んふふふふ・・・・ちょぉっとフェイトちゃんに聞きたいことが有ってねぇ・・・」
あからさまに様子が怪しいエイミィに危機感を感じつつも、フェイトはエイミィに近づく
「エイミィ・・・聞きたい事って?」
「ん〜、実は最近クロノ君の様子がおかしくてね。 なんかため息ばっかりしてるのよ」
「・・・クロノが? 最近悩むような事件って有ったっけ?」
「うぅん。」首を横に振ってエイミィは答える
「でも義兄さんが悩むっていったら事件以外には・・・・・・・無いよね」
事実とはいえかなり寂しい現実である
そんなフェイトの厳しい一言に苦笑いしつつもエイミィは話を続ける
「う〜ん・・・実は事件以外にも有ったのよねぇ、これが。」
「えっ?何だろ・・・?」
それが自分自身のことだとは想像もつかないようだ
「実はね、フェイトちゃんのことなの・・・・」
「えっ?! 私?」
「うん。・・・・・・『最近フェイトが悩んでいるようだ、話を聞こうとしても話してくれない』って嘆いているのよ。」
「あっ・・・・・・」
思い当たるふしが有るのだろう、少し動揺したようだった
<>
兄と義妹4<>sage<>2006/05/07(日) 23:52:57 ID:HZG1rex2<>
「・・・・・・フェイトちゃん、最近何か有った?
クロノ君には私の方から上手く伝えるから、できれば私には話をしてほしいな・・・」
「えっと・・・・・・その・・・・・あ・・・・」
「・・・・・言いにくいこと・・・なの・・かな?」
「う、・・・・うん・・・」
そのままうつむいてしまったフェイトからは無理やりに聞くことも出来ず、取り合えずフ
ェイトとはその場で分かれた
「う〜ん・・・こりゃぁ、冗談抜きに深刻かもしれないねぇ・・・・・」
「そ、そうなのか!? そんなにフェイトは悩んでいるのか!?」
終業後、エイミィとクロノは談話室で[対フェイトお悩み相談室]を開いていた
出席者はクロノ、エイミィ、なのは、はやて、シグナム、ヴィータ である
「とにかく、フェイトちゃん自身もどうしたら良いか解らないって感じに受け取れたんだよ。」
「テスタロッサが・・・・そんなにも・・・・」
「でもよぉ、意外とこういうのって単純に解決できるんじゃねぇの?」
今まで沈黙していたヴィータが口を開く
「フェイトちゃん、今日も学校で様子おかしかったよね。」
「うん。お昼食べとる時もどこかボーっとしとったなぁ。」
「って、あたしの意見無視かよっ! 高町なのは!」
無視されたヴィータが机を叩きながら叫ぶ
「えっ!?ヴィ、ヴィータちゃん、何で怒ってるの?」
「あぁ、ヴィータ落ち着きや。 なのはちゃんは無視したんやない、天然なんや。」
「て、天然って・・・・・はやてちゃん、フォローになってないよ・・」
「エイミィさん、細かいことは置いといてや。」
「と、とにかく。テスタロッサがいつからおかしくなり、そのきっかけを調べると良いのでは?」
この会議で初めてまともな意見がシグナムから出された
「そうだねぇ・・。それが基本だね。」
「うん。 なのは、はやて、学校では今回のことできっかけになるような事は無かったか?」
「きっかけ・・・・・う〜ん・・・・」
「どんな小さなことでも良い。フェイトに関する全てを思い出してくれ。」
「全て・・・・・はやてちゃん、何か思い出した?」
「う〜ん・・・浮かばんなぁ・・・・・・・」
頭をひねりながらなのはとはやては必死に思い出そうとしている
<>
兄と義妹5<>sage<>2006/05/07(日) 23:53:32 ID:HZG1rex2<>
「ほんとに何も無いのか?」
「う〜ん・・・・・・・・あっ!」
「な、何だ!?何かあったのか?」
「う、うん。たいした事じゃないんだけど・・・・。
この前お昼休みに、フェイトちゃんとはやてちゃんとお喋りしてたら、クラスのお友達がフェイトちゃんに何か言ってたの。 その後のフェイトちゃん、少し様子が変わってたの。 顔を赤くして・・・・。」
「顔を赤くして・・・・・・・?」
「あぁ、そう言えばそやったね。 フェイトちゃん、顔真っ赤にして何かがダメとか叫ぶように言っとったね」
「顔を真っ赤にして?」
「うん・・・。」
「どうやらそれがきっかけの可能性が高いな。 テスタロッサ程の魔道士が顔を真っ赤にしながら叫ぶなど、通常ではありえないだろう。」
シグナムの意見は常に騎士としての見解であるため、少しズレている
「そうか、よし。 なのはとはやては学校でフェイトに話し掛けた女子生徒に事情を聞いてくれ。 僕は二人の報告を待って、その後フェイトに確認を取る。」
「ちょ、ちょっと待ってよクロノ君! 勝手にそんなことしてフェイトちゃん、怒るんじゃない?」
「う・・・いや、しかし・・・・」
「今回は仕方あるまい。テスタロッサの調子がおかしければ、任務にも支障が出るかもしれない。 早めに解決を図り、現状を打開せねば取り返しのつかないことになるかもしれぬ。」
「まぁ、あたしはどっちでもいいけどよ。これがはやての為になるんだったら協力するぜ。」
「うちはフェイトちゃんに元気になって貰いたいから、ヴィータも協力してや。」
「おう!」
満面の笑みではやてに答える
「とりあえず、なのはとはやては学校での調査を頼む。」
「はい。」
「僕は引き続き家の中でフェイトの様子を見る。 シグナムとヴィータは戦闘訓練や任務中のフォローを頼む。」
「心得た」「あいよ」
それぞれが自分の持ち場を確認し、その場は解散した
<>
兄と義妹6<>sage<>2006/05/07(日) 23:54:11 ID:HZG1rex2<>
翌日、学校のドアを開けながらなのはが教室に入る
「おはよう。」
「あぁ、なのはちゃんおはよう。 フェイトちゃんもう来とるで。」
「うん。」
目線の先にはフェイト、アリサ、すずかが仲良さそうに話していた
「さて、どうやって聞いたらええかな?」
「とにかくあの娘たちに聞くのが一番だよね。」
「よし、それじゃ早速聞きに行こか。」
「うん。」
二人で、この間フェイトに話し掛けたクラスメイトの元へ行く
「ねぇねぇ・・・・・・」
同時刻 アースラ艦内
「今ごろなのはちゃん達は何か情報は掴めたかな・・・」
モニターに目を移しながらも、指は高速でタイピングを繰り出す
そんなエイミィの横でクロノは難しい顔をしたままで答える
「だといいんだが・・・・・今はなのは達からの報告を待つしかないだろう。」
朝から落ち着かないクロノを横目に、エイミィは小さく呟く
「ほんっとフェイトちゃんのことになると、いつもの冷静なクロノ君はどこに行っちゃううんだか・・・」
「ん?何か言ったかい?」
「いいえ、なにも・・・」
一方そのころ、なのは達は最大のピンチを迎えていた
「何を隠してるの?」
「えっ、だ、だから、何でもないよ・・・・」
「そ、そやで、別に何も無いって・・・」
昼休みになのはとはやてはフェイトに逆質問を受けていた
「うそ・・・・・だって朝から二人共おかしいもん。」
「お、おかしいとこなんて何もないよ。・・・・ね?はやてちゃん?」
「う、うん。別にいつもどおりや。」
「ちょっと、ちょっとぉ。フェイトもどうしたのよ? なんかいつものフェイトらしくないわよ?」
様子を見ていたアリサが間に入る
「だって・・・二人共授業中もちらちら二人でアイコンタクトしてたし・・・・」
「・・・・・アイコンタクト・・・ねぇ・・・・?」
「いつものなのはとはやてなら授業中はまじめにしてたのに。 それに私と目があうと何度か視線をそらしたの。」
なのはとはやては朝のうちに例のクラスメイトから話を聞いていた
その結果、この二人もフェイトと同様にその質問内容に驚き困惑し、なんとなくフェイトと顔を合わせづらくなってしまったのだった
もちろんそんな事情などアリサは知らない
知らないからこそ、この場ではなのは達にとって良い助け舟になった
「あぁ〜、なるほどねぇ・・・・フェイトは焼きもちやいてるんだ。」
「えっ?!」
その一言にフェイト自身が驚く
「駄目よぉ・・・なのはもはやてもフェイトだけのモノじゃないんだから。」
「えっ?えっ?ち、ちが」
頬を赤く染めながらフェイトは狼狽していた
「あぁ、わかった。わかったから。フェイトがどれだけ二人を大事に思ってるかは痛いほど解ったからね。」
動揺するフェイトを残し、その場はちょうど良く休み時間終了のチャイムに救われた
<>
兄と義妹7<>sage<>2006/05/07(日) 23:54:50 ID:HZG1rex2<>
数時間後 時空航行艦アースラ内小会議室
第2回対フェイトお悩み相談室が開催されていた
「それでは、なのはとはやてから調査結果を聞かせてくれ」
出席者はクロノ、エイミィ、はやて、なのはである
シグナムは任務により欠席、ヴィータは「飽きた」の一言を残し逃走
少数精鋭と自分に言い聞かせ、議長であるクロノが真剣な面持ちで会議進行している
「は、はい・・・・・。その・・・・」
「ん・・・?どうした? 取り合えず解ったことだけ報告してくれ。」
「え、えと・・・・は、はやてちゃん、助けてよ・・・・」
「えっ、うち?・・・・いや、その・・・だから・・・・・」
煮え切らない二人の態度にクロノは気が気でない
「二人共どうしたんだ?何も解らなかったのかい?」
「いえ、その、解ることは解ったんですけど・・・」
「だったら話してくれよ。」
そんな二人の態度に、エイミィはトレーニングルームでのフェイトと同じ反応であることに気付いた
「もしかして、フェイトちゃんの悩みって、二人にとっても言いにくいことなの?」
エイミィという援軍の登場に二人は救われた
「は・・・・はい・・・。」
なのはとはやてはお互いに顔を見合わせながらうなずく
「なんだ?二人にとっても話しにくいことって・・・・?」
「う〜ん・・・これは女の子同士の方が良いんだよねぇ・・・・」
「え・・・・・?」
「つまりぃ・・・・ちょぉっとクロノ君は表に出ててねぇ」
そう言うやいなや、エイミィはクロノを部屋の外に追い出した
「さて、これで話しやすくなったかな?」
両手の埃をはらうかのような仕草をしながらエイミィは二人に話し掛ける
「は、はい。」
「エイミィさん、おおきに。」
「いいのよぉ。クロノ君はちょっと鈍い所があるからねぇ」
「じゃぁ、これで話してくれるかな?」
エイミィの心使いに感謝しながら、二人は少しずつ口を開く
「じ、実は、今日、フェイトちゃんに話し掛けたクラスの女の子に話を聞いたんですけど、そ、その・・・」
「フェイトちゃんに何を言うたのかってうちら聞いたんです。
そしてら、その・・・『お兄さんのベッドの下に・・・・え、え、え、ぇっちな本があるはずやから』って・・・」
「・・・・・・・・えっ?・・・」
<>
兄と義妹8<>sage<>2006/05/07(日) 23:55:29 ID:HZG1rex2<>
一瞬の沈黙
「あ、あぁ・・・・な、なるほどねぇ・・・・」
1人納得するエイミィも頬を赤く染めている
「そ、そうかぁ・・・・・なのはちゃん達もそういうのに興味を持つ年頃だもんねぇ・・・」
(っていうか、クロノ君もそういうのを持ってても確かにおかしくない年齢なんだよねぇ・・・・なんか納得いかないけど・・・)
「あ、あの、エイミィさん・・・?」
1人の世界に入っているエイミィが現実に引き戻される
「あ、あぁ、ごめんごめん。」
「うん。わかった。クロノ君には私の方から伝えておくから、なのはちゃんとはやてちゃんは自分のおうちに戻っていいよ。」
「いいんですか?」
二人共不安そうに尋ねる
「うん。ここから先はエイミィ姉さんに任せなさい。」
「は、はい。それじゃぁ、失礼します。」
二人が部屋から出て行くのと同時にクロノが部屋に入ってくる
「あれ、二人は帰しちゃって良いのかい?」
「うん。二人からはきちんと話を聞いたから」
「そうか。 それじゃぁ、聞かせてくれるかい?」
「うん。 怒らないで聞いてね。」
「??・・・怒るって、そんなに大変なことなのか?」
「う〜ん・・・・クロノ君なら怒るかも・・・」
少し困った感じで答えるエイミィ
「わかった。怒らないから話してくれるかい。」
「うん。・・・実はね・・・・・」
数秒後・・・・・・・
「なっ、なっ、なっ、なんだってぇぇぇぇっぇぇぇぇぇ!!!!」
「い、いや、だからね、これはあくまでもフェイトちゃん達の友達が話したことで・・・・」
激昂するクロノの勢いに押されながらも、エイミィは何とかその場の雰囲気をなだめようと努力する
「そんなことは解ってる!だからってな何で僕がそんなふしだらな本を持ってるって話になるんだ!!!!」
全く予想してなかった話の内容にクロノは自分を抑えきれていない
「それに、このことをなのはもはやてもさっき僕に直接言わなかったのは、二人も僕のことを疑ってるってことか!?」
<>
兄と義妹9<>sage<>2006/05/07(日) 23:56:05 ID:HZG1rex2<>
「く、クロノ君落ちついて。これは子供の勝手な想像なだけだから・・・・・」
「解ってる!解ってるけど!・・・・・・だからって・・・・はぁ・・・・」
一通り怒りをあらわにしてクロノは落ちついた
「・・・それでフェイトはあんなに落ち着きが無くなってたのか・・・・・・」
「うん。フェイトちゃんには特に刺激が強すぎたと思う・・・・」
「そうか・・・はぁ・・・・僕はどうしたら疑いを晴らせるんだ・・・」
「そうだねぇ・・・・・クロノ君がそういう本を持ってないって事を証明するにはどうすれば良いのかねぇ。」
「何か良い方法は・・・・・」
しばしの沈黙
ふと、何かをひらめいたようにエイミィが顔を上げた
「そうだ!クロノ君の部屋の整理をしよう!!」
「・・・・はっ?・・・・突然なにを?」
「だからぁ、クロノ君の部屋の片付けをフェイトちゃんにも手伝ってもらうのよ。
それでクロノ君の部屋の中にはそういう本は無いってことをフェイトちゃん自身に確認してもらうの!」
「あぁ。なるほど、そうか。それなら自然に僕の無実も実証されるな。」
「うん!クロノ君の部屋も片付くし、一石二鳥でしょ!」
「うん。その手は良いな。それならなのはとはやても呼ぼう。」
「そうだね。これで一気に問題解決だね。」
クロノの不安も少しずつ晴れてきたようで、表情に明るさが戻る
「よし、それなら実行は早い方がいいな。
エイミィ、明後日の予定を空けてくれ。そしてフェイト・はやて・なのは・の三人に連絡を取ってくれ。」
「了解!」
早速日程の準備をする為、エイミィは会議室を出る準備をする
ドアを開け出て行く間際に、エイミィはクロノに悪戯っぽく聞く
「クロノ君・・・・・」
「ん?どうした?」
「その・・・クロノ君は本当に・・・そういう本って持ってないんだよね・・・?」
「あ、当たり前だろ!!!キミまでなに言ってるんだ!!」
顔を真っ赤にしながらクロノは叫ぶ
「あはははははっ。解ってる、解ってるよ。あたしはクロノ君を信じてるからね。」
そう言い残しエイミィは部屋を出て行った
「まったく・・・・なんで僕がこんなに疲れなきゃならないんだ・・・・」
愚痴をこぼしながら、クロノも会議室を後にした
<>
兄と義妹10<>sage<>2006/05/07(日) 23:57:20 ID:HZG1rex2<> 明後日、クロノ・エイミィ・なのは・はやて・フェイトは朝からクロノの部屋の片付けを開始した
出てくる本といえば、学術書・哲学書・魔術書・経営理論等堅い内容ばかり
最初は不安そうにしていたフェイトも、クロノの部屋にはエッチな本が無いと解ると途中からは楽しそうに片付けを手伝っていた
むしろ、女ッ気の全く無い兄の部屋に哀れみさえ感じていた
数時間後・・・・
「いやぁ・・・今日はみんな手伝ってくれて有難う。おかげで部屋も綺麗になったよ。」
「どういたしまして!」
クロノのお礼になのは達は声を揃えて答える
途中からのフェイトの表情の変化にクロノも気付いていたようで、クロノの疑惑は晴れたことを実感していた
「しっかし、ほんっとに何一つ面白い本出てこなかったね。」
「ほんまやなぁ、エイミィさんの言うとおりや。一つ位何か有ってもええもんやけど・・・」
「あははははは・・・・」
自分勝手なことを言い始めるメンバーを横目で睨みつつ、クロノはフェイトに声をかける
「フェイトも、今日は有難うな。助かったよ。」
「う、ううん。そんな、大した事じゃないよ。」
控えめに答えながら、フェイトは今日感じたことをクロノに伝える
「兄さん・・・・・」
「ん?なんだ?」
「兄さんは、いつまでこんな生活を続けるの?」
「はっ?こ、こんな生活って・・・・?」
「兄さんの部屋にあった本って、全部参考書で、一つも娯楽要素が無かった・・・」
「そうか?僕にはあれが自然なんだが・・・・・」
「あんなんじゃ、いつまで経っても彼女もできないよ。」
<>
兄と義妹11<>sage<>2006/05/07(日) 23:57:58 ID:HZG1rex2<> 「えっ?・・・・・と、突然何を・・・・?」
フェイトからの予想外の話の振りに驚くクロノ
「いつまでもエイミィに甘えてちゃ駄目だよ。もしかしたら、エイミィだってその内クロノ以外の人を好きになるかもしれないし・・・」
「えっ!? ち、ちょ、ちょっと、待ってくれフェイト!い、いきなり何の話をしてるんだ!!」
フェイトから突然の恋愛話に驚き、さらにエイミィの名前まで出されては、クロノも動揺
を隠すことが出来ない
「そ、そうだよ!フェイトちゃん!! そんないきなり、私を話に出されても・・・」
エイミィにとっても寝耳に水な話で、顔を赤くしながら大きな声になってしまう
「あ、あたしが誰かを好きになるとか、何でそんな話になっちゃうの!?」
フェイトはエイミィに対しても淡々と語る
「エイミィも、クロノ以外の男の人を見なきゃ駄目だよ。エイミィに相応しい人はいっぱい居るよ。」
「それに、もしエイミィがクロノ以外の人を好きになったら、私にもチャンスはあるよね。」
「えっ? チャンス・・・?」
エイミィに一瞬嫌な予感が走る
「うん・・・・・・・・・・。クロノのこと、諦めなくて良いんだよね・・・」
突然の告白
その場の空気を一瞬にして凍らせた
なのはとはやても、突然のフェイトの発言に声も出せなかった
しばらくの沈黙の後、エイミィが口を開く
「うん・・・・。そうかぁ・・・・フェイトちゃんがライバルか・・・・。相手がフェイトちゃんなら、競い甲斐があるよね。」
「え、エイミィ!突然何を! それにフェイトも!!」
「あ〜〜もう!元々はクロノ君がハッキリしないのが悪いんだからね!!」
「えっ!?な、なんだその理屈は!?」
「そう!兄さんがいつも曖昧にその場を濁してたから悪いの!」
フェイトとエイミィの二人から責められ、クロノは逃げ場所を失った
はやてとなのはも苦笑いをするだけで、とても助けになるとは思えなかった
「ちょ、ちょっと待ってくれ!そもそもなんでそういう話になるんだ!」
「五月蝿い!」
フェイトとエイミィが声を揃えクロノを黙らせる
「今日こそハッキリしてもらうからね。クロノ君!」
「もう逃がさないから、兄さん・・・」
狂気にも似た表情でクロノに迫る二人からどう逃げ出すか、クロノの頭にはそれしかなか
った
「た、助け・・・・・って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
クロノが選んだ選択肢、「窓から飛び出す」
自分の部屋が2階であることも忘れ、飛び出したクロノ
「待てぇぇぇぇぇぇぇ!」
「待ちなさぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
二人も窓からクロノを追いかける
その後クロノは約2時間町内を走り逃げ回る事となった・・・・・
<>
YUKI 兄と義妹 考察<>sage<>2006/05/08(月) 00:01:06 ID:HCvJiOiL<> とりあえず以上で御座います。
兄のベッドの下ってのは、妹や弟は気になるようでして、しきりにいじくられた記憶があります。
そんな古典的な隠し方はしないよ、と妹弟に言おうとしたこともありましたが・・・。
さて、皆さんにはそう言う経験ってお有りですか? <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/08(月) 00:18:03 ID:5KgjCCCp<> 間に合わなかった、すいません640です。
前のトリップは#lkmkgmasでした <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 00:32:08 ID:99Yex+QZ<> >>60
乙!
ちなみに、漏れもそんな古典的な隠し方はうわなにをするやめろふじこlp;@:「 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:46:52 ID:LCZTolgr<>
第2話 笑顔は願いのカタチなの
モニターに映されるのは数時間前の戦闘。アリシア・テスタロッサやその使い魔、当然最後は彼女が手にしている輝石に映像は拡大される。
「分析の結果彼女が散布したものは先のPT事件で消滅したとされるジュエルシードとみて間違いありません」
傍から見ればただの光源にしか見えないがエイミィが映像処理を加えることで中の実情は手に取るように分かる。魔力のみを色で表示するよう設定すれば光の中心に特に赤い部分が九つ見て取れた。
「全部で九つ……前に比べれば回収すること自体難しいものではないだろうけど」
あの時プレシア・テスタロッサが失われた地アルハザードへの道を開くために使い、結果次元の彼方に消えたロストロギア。
これが存在する。事実無根でしかなかった世界を証明し得る災いの種。
「ですが以前のものと比べると放出している魔力に若干の違いが見られます」
続けて出されるモニターには二つのジュエルシードが隣り合い相違点を事細かに見せてくれる。
「確かに……形、大きさは同じでもこの魔力パターンの変化には引っかかるものを感じるわね」
「はい、しかしこれ以上は現物を入手して解析してみないと流石に……」
「ここまで調べられれば上出来よ。ご苦労様、もう休んでいいわよ。今しかのんびり出来る時間はないんだから」
「艦長は?」
「私は……いろいろと考えてから休むわ」
軽く笑みを浮かべて心配事を悟られないようエイミィに休息を促す。今は一人になりたい。
私の真意を知ってか知らずかエイミィはすぐに席を立つと一言、失礼しますと言ってブリッジを後にした。
「ふぅ……とは言うものの」
艦長席に腰掛けると同時にそれはそれは大きなため息。手に取るコーヒーはすっかり冷めてしまっていて飲めばまた深く息をつくだけだった。
正面モニター以外に照明は全て切ってある。おかげで余計にモニターに映る人物へ気が向いてしまう。
「アリシア・テスタロッサ……」
口にする名前は違えど、目の前の少女はフェイトに瓜二つで。だけど実際はフェイトと、と言うよりはアリシアと瓜二つなのだろうけど。
プレシアの実の娘。全てのきっかけであり、プレシアを突き動かし続けた原動力。
「おとぎ話……伝説の都……失われた秘術の眠る場所……」
どれもこれも見果てぬ夢だったからこそそう言われていたに過ぎない。
彼の地の名はアルハザード。虚数空間に飲み込まれてなお、生きることを約束されるであろう可能性。彼女はそこにたどり着いたのだ。
「まったく……死者蘇生なんて大それた魔術よね」
ジュエルシードでさえ成しえなかった奇跡を体現する彼女を見ていると否応にも昔を思い出す。
「過去なんて……取り戻せるわけないのよ、リンディ・ハラオウン……」
その秘術、使えるものなら使いたい。一人間として、いや誰にだってこんなはずじゃないことを覆したい気持ちはあるはずだ。
でも、それを夢物語として心底へ沈め、未来へ希望を繋げていくのが人間だ。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:47:43 ID:LCZTolgr<>
「それに肉体があったからこそ蘇らせられたのかもしれないんだし」
こっちは遺体さえ木っ端微塵に吹き飛んでしまったのだ。仮に魂を呼び戻しても彼の器はどこにもない。そんなに彼を救いたいなら時を超え、悲劇の根源を抹消し、ここに連れ戻す。それでようやくだ。
「そこまで都合のいい魔法が揃ってるわけないでしょ」
言い聞かせ天を仰ぐ。真っ暗な天井は目を閉じているのかとも錯覚するくらいに暗い。
そう、彼が死んだという現実があるから今の私やクロノがいる。それだけでいいではないか。彼だって何も無駄死にしたわけではないのだ。彼の意思は私たちの中で生き続けている。
「クライド……あなただったら言うんでしょうね……振り返るなら今が終わってからだって」
今が過ぎれば未来。だけど結局自分の所に未来が訪れれば今になる。矛盾、というか振り返るなって彼は言っているのだ。
「……そうね、辛いのは何も私だけじゃないんだから」
アイデンティティを失いかけているはずのフェイト。
事件のきっかけを作ってしまったなのはさん。
「よっぽど堪えてるのはあの子達だってのに……大人はしっかりしなきゃ」
二度、頬を軽く叩いて活を入れてみた。
そうして自分の中ですっかり彼女を実の娘のように扱っていることに苦笑した。
「まだ答え聞いてないのに焦りすぎ。全部フェイトさん次第なんだから」
あれからもう一年。よく考えてみれば十分時間は経っているかもしれない。彼女に問う理由には少し弱いけど、そろそろこの気持ちにも決着をつける時期か。
「まったく……しっかりしてもちゃっかりまではしなくていいのにね」
大人の都合だ。プレシアが存命しているとなればまた彼女の心は揺らぐのは分かっているくせに。
プレシアよりもいい母親になれる自信か、驕りか。
「ただ一番問題なのは、これか……」
視線を落とし翼をもがれた銀鳥に肩を落とす。
結局あの後、次元航行を継続しようとした矢先、次元跳躍攻撃――誰の、と言うかもうプレシアなのだろうけど――を受け二機のメインエンジンをおじゃんにされた。
今私たちアースラ御一行がいるのはなのはさんの世界。もっと掻い摘んで言うと海鳴の海中322メートルと3センチの海底。窓から天然物の水族館がいつでも開館中。
「認識阻害はしてあるからばれようがないけど、修理も出来たものじゃない」
他にも損傷だらけで手持ちの設備だけでは絆創膏を張るぐらいにしかならない。本当なら針で縫うくらいの所をだ。
管理局に救援を要請したが果たしていつ来るのか。
「それまでに終われば言うことなしなのにね」
八方塞、まさにピッタリの言葉。頭を抱えたくなるけど我慢だ。
「ああ、そうだ。これじゃ輸送中のあれもほったらかしじゃない。近日中に本局に届けろって言われてたのに」
悪いことしか出て来ないのか、この頭。
まぁ、事件がらみなんだから大目に見てくれるだろうけど。予定ならなのはさんの世界にフェイトを下ろして、その足でアースラの整備も兼ねて寄るつもりだったのに……。
「ああ、もうずうずうしいわぁ……フェイトじゃなくてフェイトさんなんだから」
今度は頭を抱えた。
「もう……ここが踏ん張りどころよ。頑張れ艦長……ファイト、リンディ!」
大人の意地だ。
決意を込めてコーヒーを全て喉に押し流した。
「…………アイスコーヒーなんて入れたかしら」
完全に冷めていた。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:48:22 ID:LCZTolgr<>
* * *
「…………フェイトちゃん起きてる? なのはだよ」
ノックをしても返事はなかった。ドアの向こうからは何も音はしなくて、もしかしたら留守なのかもしれない。
「入るよ……」
でもドアの横の電子パネルを見れば鍵は掛かってない。まさかフェイトちゃんが鍵もかけずに外出するなんて無用心だと思えないし。
気がつけば、既にわたしはドアを開けていた。
「……フェイトちゃん」
真っ暗な部屋、廊下から僅かに差し込む光がぼんやりながら中を照らした。
目を動かさなくてもすぐにフェイトちゃんを見つける。ベッドの上で壁に寄りかかりながら膝を抱え顔を埋めていた。
泣いているのだろうか。ここからじゃ分からない。フェイトちゃんの傍に行こうとわたしは一歩踏み出す。
「……来ないで」
縫ったみたいに足が床から離れない。すごく小さくて、消え入りそうな声だけどわたしにははっきりと聞こえてしまった。
明らかな拒絶の意志。
「…………ごめんね、なのは」
「フェイト……ちゃん?」
「私がちゃんとしてればこんなことにならなかったんだよね」
きっとそれはクロノくんの事であり、わたしがジュエルシードをばら撒いてしまったことであり。
「おかしいよね……ちゃんと自分を始められたと思ってたのに……やっぱり駄目だよ」
気のせいだろうかフェイトちゃんが震えたように見えた。
「だって……本当の私は……あんなに元気で……笑顔が溢れてて……」
「…………」
「そしたら私、自分のことどうでもよくなってきちゃった」
ゆっくりと上げた顔が微かな光に照らされた赤い瞳がわたしを捉える。感情のない顔、人形みたいにぎこちなくて、その瞳はわたしを見ていないように思えた。
今すぐ抱きしめてあげたい。今すぐ隣に行って手を握って、励ましてあげたい。力になってあげたい。
心とは裏腹に足は動かなくて、ただ立ち尽くすことしか出来なくて……。
「母さんの言うとおりだよ……出来損ないの不良品なんだ…………」
「そんなの……違うよ。フェイトちゃんは」
「アリシアの代わりでしか……ないんだ」
ズキン、って心が悲鳴を上げた。決して涙を流さず、だけど絶望を目に映しこんでただフェイトちゃんは天井を見上げた。
「なのはだってアリシアみたいな私のほうが……いいよね」
「――っ!」
――パン
気づいた時にはわたしの左手がフェイトちゃんの頬をぶっていた。
友達をぶったのはこれで二度目。最初はアリサちゃんで今度はフェイトちゃんで。
思いを言葉で伝えられなかったからじゃない。きっとこれ以上フェイトちゃんの口から悲しい言葉を聴きたくなかったからなんだと思う。
それでも酷いことをしたことに変わりはないけど。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:49:29 ID:LCZTolgr<>
「いいとか悪いとかそんなの関係ない!!」
フェイトちゃんを胸の中へ思いっきり抱きしめる。夢の中でしか出来なかったことをようやくわたしはすることが出来た。
痛いかもしれない、苦しいかもしれないけどわたしは二度と離れまいと両腕に力を込めた。
「フェイトちゃんはフェイトちゃんなんだよ……誰かの代わりなんて絶対違う!!」
「だけど」
「フェイトちゃんはアリシアちゃんじゃないしアリシアちゃんもフェイトちゃんじゃない!」
フェイトちゃんに言わせるもんか。落ち込んだ心がまた輝くまでわたしは心の中の想い全てぶつけるんだ。
「世界中の誰がなんて言ったってなのはだけはフェイトちゃんがフェイトちゃんだって言ってみせる! フェイトちゃんこと大好きだもん! 大切な友達だもん!!」
涙が溢れ頬を伝っていく。声が掠れて上手く出せないけど、それでも負けない。
「笑顔が負けてるならもっと笑えばいいよ! アリシアちゃんって言われたらわたしがフェイトちゃんって名前を呼ぶ!!」
自分でも何を言っているのかよくわからないくらいにごちゃごちゃになって頭の中から精一杯伝わるように言葉を紡いでフェイトちゃんに呼びかけていく。
「終わりだと思ったならもう一度始めればいい! 何回だって始められるよ! だってフェイトちゃんはここにいるんだから!!」
「…………ここにいる?」
「そうだよ、フェイトちゃんの場所があるんだから」
「ああ、そうだ……それにだ、僕だってフェイトはフェイトだって胸を張って言うことができる」
後ろからの声に振り向くと包帯だらけのクロノくんがユーノくんに支えられながら立っていた。
「僕もそうだよ。フェイトはフェイトだし、それにフェイトの笑顔は誰にも真似できない」
「今日の朝みたいな笑顔が見られないのは正直辛いものがあるな。アースラの全職員は君の笑顔がないと一日を始められない体になってしまったんだ。仕事をさせないつもりか、君は」
優しい眼差しでユーノくんが言うと、茶化すようにしてクロノくんがフェイトちゃんに微笑んだ。随分息が合ってる
「まったく痛めつけられても減らず口は減らないんだな」
「ああ、そうさ。ついでに言うとおまえに肩を貸す必要も全くない。動物に情けをかけられるなんて我ながら情けないよ」
「ふん、フェレットで悪かったね」
「別にそうは言ってないぞ」
「クロノぉ……」
と思ったらまたクロノくんがからかってユーノくんが怒った。男の友情というのか、まだよくわたしにはわからない、かな。
取りあえず喧嘩するほど仲がいいってことで。
「そういうことだね。まっ、どんなことがあってもあたしだけはフェイトの味方だよって言おうと思ったんだけど、ここまでみんなに好かれてちゃ形無しだよ」
「そうは言ってるけどフェイトちゃんを元気付けようと私や艦長の所に来たのは誰でしょう?」
「あはは……それはさぁ、ほら数に物を言わせるって奴さ。みんなで元気を注げばフェイトだってすぐにビンビンなると思ってね」
「でもアルフ、アースラのみんなの元気を分けたらフェイトさんパンクしちゃうかもしれないわよ」
「えぇ!! そうなのかい!? もう艦内中走り回ってみんなに言ってきちゃったよ……」
続けて賑やかさを連れて来たのはアルフさんとエイミィさんとリンディさんだ。三人が来たことでどっと部屋の中が明るくなった。
と、思うや否や今度は後ろからさらにガヤガヤと騒がしさがやってきて。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:50:15 ID:LCZTolgr<>
「フェイトちゃん、元気がない時は歌って飲んで騒ぐに限る!」
「エイミィ、すでに乗員全員に連絡はしておいた。増援部隊は任せろ!」
アレックスさんやランディさんが顔を出したと思ったら。すぐにまた別の職員さんが頭を押さえつけるように上から顔を出した。津波みたいに人がひっきりなしにやってくる。
「でかした、二人とも! よぉし、今夜はエイミィが腕にとことんよりをかけてパーティよ!!」
「一体何のパーティをするんだ、エイミィ」
「そんなの決まってるでしょ! フェイトちゃん嘱託魔導師合格パーティとフェイトちゃん激励パーティとフェイトちゃんなのはちゃんと再会パーティよ!!」
意気込む腕まくりのエイミィさんはすごく頼もしいというかなんというか。
ドアの向こうは既にアースラの職員さんたちが押しかけ詰めかけバーゲン会場みたいな雰囲気になっている。みんな口々にフェイトちゃんを励まし元気付ける言葉ばかりだ。
「そういえば嘱託試験の合格の時にそんなにお祝いできなかったからな……ってそんなことばかりしてる場合じゃないだろ!」
「どうせ、アースラ動かないんだしいいじゃないのよ」
「そうよ、エイミィの言う通りなんだから。艦長許可よ、今夜は無礼講」
「か、母さん〜」
がっくり肩を落とすクロノくん。やっぱりリンディさんには敵わないみたいだ。流石管理局提督でアースラの艦長。
笑い声溢れ、いつの間にか電気のついた部屋。明るくなった雰囲気にわたしの心もすごくウキウキしている。
そんな中でリンディさんがみんなの輪から抜け出してフェイトちゃんの前までやってきた。
「どう、フェイトさん。意地悪な言い方かもしれないけどこれだけあなたを必要としている人がいるのにまだめそめそしてる気かしら?」
「あ……」
突然のことにフェイトちゃんはどうしていいのか分からないみたいで。戸惑いながらわたしとリンディさんの顔を交互に見ている。
そうしてちょっと間をおいてフェイトちゃんが口を開いた。
「……始めても良いですか?」
「ん?」
「私をもう一度始めても……いいですか?」
「ええ、もちろん」
それはここにいる人たちみんなの返事だ。みんなフェイトちゃんがもう一度自分を始めることに反対する人はいない。気持ちは一緒だ。
「……ありが、とう……ございま……す」
「もう、泣くよりも笑ってあげなさい。みんな待ってるんだから」
「は、はい……」
しゃくりあげながら涙を拭ってフェイトちゃんは笑顔になる。まだ少し泣いていてぎこちない笑みだけど心が温かくなる素敵な笑顔だ。
「私……すごく……うれしいです」
「私もよ」
そっとフェイトちゃんの頭をなでながらリンディさんが微笑んだ。つられてフェイトちゃんももっと素敵な笑顔になった。わたしも、みんなも、つられてとびきりの笑顔。
良かった。本当に良かった。
きっとわたし一人でフェイトちゃんをここまで元気付けられることは出来なかったと思う。みんながいたからフェイトちゃん笑ってる。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:50:48 ID:LCZTolgr<>
(ありがとう……みんな)
心の中でお礼言をってわたしはもう一度笑った。
「でもよく考えたらなのはちゃんの世界の時間じゃ今結構遅くになってるんじゃない?」
「あっ……」
そういえばそうだった。黙って飛び出してきちゃったからお父さんお母さんにも何も言ってないし、そればかりかあれから何時間たっているのだろう。
「えと、エイミィさん。時間分かりますか?」
「時間? ちょっと待ってね…………えとね、現在十時半過ぎ。ちなみになのはちゃんの世界基準で」
「……あ、あはは」
「あらあら、どうやらパーティはまた延期みたいね」
流石に帰らないとわたしが部屋にいないことが分かったらどんなことになるか。言い訳とか思いつかないよ。
なんというか自分の言葉が水を差すばかりでなんだか気まずい。
「ごめんなさい……わたしのせいで」
「ううん、気にしないでなのは。私にはこれが一番のパーティなんだ。こんなに嬉しい日、他にないよ」
「フェイトちゃん……うん」
これで安心して家に帰れる。そう思ったら急に体から力が抜ける感じがした。
久しぶりに一杯魔法使ったからかな……でも今夜はもう大丈夫だよね。
(なのは……大丈夫?)
(ユーノくん……うん、大丈夫だよ)
(じゃあ帰りはトランスポーターで一気に送るから)
(ユーノくんはどうするの?)
(うん、いろいろ調べ物しようと思う。それにアースラのことも何か手伝えるかもしれないし)
そっか、じゃあ今夜はなのは一人でおやすみだ。
どんどん抜けていく力。立ち上がるとちょっと立ちくらみがして景色が少し揺れた。
「じゃ、じゃあわたし今夜はお暇させていただきます」
「ええ、ゆっくり休んで。きっとまた手伝ってもらうことになるんだろうし」
「言われなくても手伝いますよ。わたしの町ですから」
きっかけを余計に作ってしまったのはわたしなんだからこれは当然。ちゃんと自分で終わらせないといけないんだ。
「それじゃユーノくん、転送お願い」
「うん、じゃあすぐにやるよ」
言ってすぐに魔法陣がわたしの足元を照らした。えっ、まさかここで転送?
「ユーノくんいくらなんでもこれじゃ」
「いいの。疲れてるんだし早く帰るんだ」
言って印を結んで。わたしが次を言う暇もなく光は体を包みアースラから一路わたしの部屋へと扉を開く。
気がついた時にはもうわたしは自分の部屋にいて、見慣れた景色が開けっ放しのベランダから覗いていた。
「……ユーノくん」
いまいちユーノくんの意図がわからなくて首をかしげた。あんな急になんてどうしたんだろうか。
確かにもうとっくに寝ている時間だから遅いを通り越した時間だと思う。多分ユーノくんなりの気遣いかな。
「じゃあ、今日は寝ないとね」
バリアジャケットを解けばもうパジャマ。部屋の明かりを消してベッドに潜り込む。
すぐにわたしの意識は夢の中へ飛んで行った……。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/08(月) 01:51:59 ID:LCZTolgr<> 休日最後に2話A投下
はぁ、五月秒の誘惑振り切って頑張らんと
しかしフェイトの立ち直り早いかなぁ……
>>640氏
ついにこの時がキター!
思う存分合体させちゃってくださいね
トリップの方も何やら無事解決ですかな?
>>さばかん氏
狂気だなぁ……
どうなるんでしょう最後は
>>YUKI氏
お久しぶりです
はぁ年頃の娘は本当に難しい……
頑張れお兄ちゃんって感じですなぁ
巧みに秘蔵書はベッドの下よりは机の奥(ふとんなんで
それと最後にアリシア関連でいろいろ議論が成されていますが
おそらく現況であるのは私なので無用な混乱を招いてしまったことお詫びいたします
まずは楽しみましょう。拘りはあるかもしれないですけど
<>
名無しさん@ピンキー<><>2006/05/08(月) 05:08:19 ID:K8MlPI/4<> >>69
アリシア関連については気にしなくていいとおもいますよ。
小説版だってある意味パラレルなんだし。
このお話はA'sの前段階?
ともかく、ちょ、じーんとしてしまった。
涙腺よわいな… <>
16<>sage<>2006/05/08(月) 12:00:49 ID:wJNoWI4u<> >>42
一言で言いますと、見落としです。申し訳無い。
改めて176氏の意見を拝見しましたが、これは特に突っ込むところがないですね。
ただ、一つだけ。
>手品の種をすぐに教えろなんて〜
誤解をしていらっしゃるようですが、そうとは言っていません。
ただ、今まで私が読んできた物はほとんどが結局理由らしい理由がなく、
最終的には設定に無理を感じて読むのを辞めてしまったものばかりなので、
似た設定の話を書いている方を見つけて、つい聞いてしまいました。
理由付けに関しては、「ある」か「ない」か、それだけ答えていただければ、と考えていました。
640の件に関しては、これは>>16で私が言ったケースとは異なると判断しました。
作品を読んでいないので何とも言えませんが。
>文章中で書いて説明するか、表に出さない裏設定に留めるかは筆者の方のさじ加減
との事ですが、完全なIFにするなら事前に設定変更していることを告知するべきだと思います。
進行上の都合ならば、少々辛辣になりますが、進める上でその過程を書かないのはその設定にする意味がないです(これは断言しておきます)
最後に。
>>69 176氏
元凶はあなたではありません。私です。
拘りというよりは「二次創作小説」という物を書く上で、最低限守ることだと考えていました。
他作品で書いている身なのですが、原作設定が根源にあり、それを改変するのなら拒否反応が出る人は少なからず居るはずですから、まず注意書きを、と。
設定改変ではなく物語を進める上で変わってゆく、というのなら仕方ないとは思いますが。
「楽しむこと」と「好き勝手やること」は別だと思っています。なら読むな、と言われればそこまでですが。
長々とすみません。あなた方から見て私が荒らしに見えたなら、スルーしてくれて結構です。
「ああなんか可哀相な奴が突然来て去ってったな」とでも考えてください。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 18:07:33 ID:QPAmhSiI<> 話作りについて語りたいなら、創作文芸板に行ってくれ… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 18:51:18 ID:K8MlPI/4<> つーか、職人さんなら、なのはのも投下してくれよ〜。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 19:49:47 ID:rpcLGe/Y<> なのはSSは、一部を除いて最低SSと俗称されるやつが多いからね・・・。
ここもその流れに乗ってしまわないかと、色々と心配なんだろう。
とりあえずKYOUYA(恭也)と最強オリキャラは
これからも出さないでくれと小一時間(ry <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 20:49:35 ID:3v924Stn<> >>71
リインフォースUの甘いSS書いてくれれば問題ない。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 22:43:40 ID:xu7aqVMo<> >>74
ネタも書けない中のさらに一部の連中が騒いでるだけ
声がでかいから多数派に見える。
その実態の大半はロクに文も読めずに批評したがる
自称評論家だ。中身は無い、
(一応、念のため:なのは以外も大抵の二次創作はあまり宜しいレベルに達っしてない)
大体
書く→中身のある評論→反省
+他人の作品の鑑賞
で文章は上達する。
KYOUYA(恭也)や最強オリキャラの禁止はその中で学んで行く物だ。
そのサイクルを無視して禁止してもその分成長が阻害されるだけ、 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 22:52:44 ID:xu7aqVMo<> 上と下が合ってないな、
接続詞は大体じゃないだろう……orz
あと
>>640氏
念のため、ラウンジや初心者などにある鳥スレを一通り見てきたけど
割り依頼は無かった、ただし2ch以外でされてるなら
追跡不可能 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/08(月) 23:57:01 ID:3v924Stn<> 鳥が割られるって何億分の1じゃなかったか?
トリッパー使っても不可能に近いと。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 01:10:36 ID:CXkz0Gmz<> 別PCでカキコしたあとちゃんと消し忘れたんじゃね?
なんとなくそんな感じがする <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 01:11:27 ID:h5J1t+kV<> 中身のある評論という言葉にうさんくささを感じてしまう俺がいる <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 01:17:48 ID:RDWDkHkS<> エロいのに理由なぞいらぬ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 01:19:53 ID:k4D4jJv8<> まあなんにせよフェイトは可愛い。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 01:43:19 ID:RDWDkHkS<> 設定を改変したからと言って、原作を冒涜しているかというとそうではないと思うが、これはまぁ人によって考え方が異なって当然だな。
愛し方は色々だし。
つまり【グロ注意】のように、「原作改変を嫌う人」のために【原作と違います】の注意書きを必須とするか否かってことか。
一度決めた規約は、一人歩きしがちだし、予期せぬ効果を生むことが多々あるんだよねぇ。
ただ、これでことが納まるなら導入する価値はあると思う。
この板は作品と感想、批評が混在しているから、揉めると一気に空気が悪くなるから。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 06:31:51 ID:XC8TDQQ3<> >>76
KYOUYAや、最強オリキャラなどの道に進んでしまったら、
そこからはなかなか抜け出せないものだよ。
養殖や、本気で面白いと思っている厨がマンセーしまくるからね。
そして、そのSSの間違った設定がどんどん広まっていくと言う
かつて他の場所で起こった現象が・・・。 <>
16<>sage<>2006/05/09(火) 09:26:46 ID:E7TnyLsi<> 最後に
>>73,75
申し訳ありませんが、A'sは今DVDで追っている所なので設定重視派としてはまだ書くことは出来ません。
全て見てから、一度チャレンジはしてみようと思ってはいます。
(余談ですが、ネタバレ気にしないタイプなのでA'sを題材にした作品でも気にせず読んでいます)
空気を悪くして申し訳ありませんでした。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 14:12:48 ID:JC0ntcM1<> 恭也に恋心を抱いてしまうシグナムのSS読んで見たいかも。
>>85
チャレンジ精神はよい事、楽しみにしてるお。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 21:36:00 ID:f/kG3i30<> 気に入らないんならスルーしときゃあいいと思うよ。
まあどの二次創作でもあることなんだからさ、気にしない気にしない。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 22:00:49 ID:fCZLmwRu<> 昔の悪夢が夢に繰り返しで出来て、精神の限界を突破。
真夜中にクロノに慰めてもらう。
という超ありがち(死語)なものを書いてたんですが、いくら何でも心理描写がクソ過ぎてあきらめました。。
オレにはお笑い系しか無理なのか…
クロノ×フェイト の行き過ぎた家族愛きぼ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 22:17:21 ID:Ie+vb5Tj<> フェイト×なのはの行きs(ry <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 22:40:33 ID:fCZLmwRu<> フェイト×なのは の行き過ぎた爆笑なら時間あったら書くわ。
うおっ、時間ねぇ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/09(火) 23:34:36 ID:UHEYk8Z5<> クロノ×なのは ってあまり書く人がいないですね。
というわけで4の422さん、もう一人の私へ・・・の続きを期待してます。
パラレルワールドの2人でも、クロノとなのはが
いちゃいちゃ(死語)してる話が読みたいです。 <>
YUKI <>sage<>2006/05/09(火) 23:50:24 ID:5zReC6hd<> 感想をくださった皆様、有難う御座います!
>>176
リンディさんの母親観が出てますね!
こういうの好きです!!
クロノXなのは 確かに少ないですね <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:17:40 ID:Cx3Wk7zw<> なんか盛り上がっていますね、
個人的には一次創作、二次創作関わらず
どこまでやるかは作者個人の裁量で決めるべきと思っていたり、
あとアリシアの件、
実は私自身は、プレシアの目指した世界の名前が寄りによってアルハザードである以上、
たとえ辿りつけてもアリシアのまともな復活は無いと考えていたり、
……そういやアリシア・Y……考えすぎですね
ってとこから妄想を膨らませた。物を一つ、
但し
似非(えせ)クトゥルフ神話注意 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:18:32 ID:Cx3Wk7zw<> 『それは突然の始まりなの』
さて皆さん、闇の書事件から7年を向かえ、なのは達もめでたく高校生になりました。
義務教育を過ぎたからと言って、管理局に専念するわけでは無く、そのまま地球の生活に
溶け込んでしまうあたり、なのは達らしいと思ってます。
一方クロノはアースラの艦長兼提督として、忙しい毎日を送っているようです。
ヴォルケンリッターの面々も随分管理局の仕事になれたようで、幾千を超える時をすごした
経験を生かし各方面で活躍しています。そう言えば、グレアムさんは何時言う気なのかな?
多分、はやてちゃんが成人してからだと思うけど……
あ、僕自身の事忘れてた。僕、ユーノ・スクライアは無限書庫の司書長として
やっぱり忙しい毎日を送ってます。と言っても忙しくしている要因は仕事の合間を縫って行く
遺跡発掘のせいだったり……これも優秀な副司書長が居てくれるおかげなんだけどね、
そうそう、今気に入ってる本は「黄衣の王」って言う本で、無限書庫の奥から引っ張り出してきたやつなんだ。
今度、みんなに見せてあげるよ、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:19:27 ID:Cx3Wk7zw<> 「目標補足、撃てー!」
艦橋に艦長の絶叫がこだまする。モニターに移るのは漆黒の大気と巨大な怪物だ、ナマケモノの顔をした蛙
に見ない事も無いが、そんな柔な存在ではない事をここに居る者達はよく知っている。
「右舷に被弾!エンジン出力落ちます!」
その怪物の取り巻きが放つ、魔力砲撃に晒されて、船が大きく揺れた、不定形のその取り巻き達は
己の足元の非ユークリッド幾何学の魔方陣を浮かべて強壮砲撃を行ってくる。
そして、その中央にいる怪物がコチラを一瞥した。
「いかん、回避ー!」
だが、重い艦船の動きで間に合うはずも無い、次の瞬間、黒い一筋の光が伸び、艦橋が貫かれる。
こうしてまた、一つの船が暗黒世界ンカイの中に消えていった。
遺失世界の一つンカイ、その復活は、魔法を知り交流を持つ全次元世界を震撼させた。
歴史に名を残す遺失世界の例に漏れずその世界は、奇妙な、そして禁断の世界だったからだ。
暗黒の大気を持つンカイには黒い不定形の知的生命体が住んでおり、彼らは人間達と明らかな
敵対関係にある。それがけならまだいいが、彼らが崇めると言う謎の存在、
ツァトゥグァ、古い文献にはそれを、かつて全次元世界を支配した神に匹敵する超魔道師の一人、
即ち、<旧支配者>と記述する物もある。つまり、明らかに現在の全次元世界の敵でなのだ。
それだけではない、この遺失世界の魔法技術は今の全次元世界を上回っている。
かくして、次元世界連合とンカイの全面戦争は幕を挙げた。数的優位を作り出し、
何とかンカイ内部に攻め込んだものの、準備不足から来る連携の不備と自ら打って出たツァトゥグァ
の存在によって部隊の多くを失っていた。
暗黒の大気に爆音が轟く、また一隻沈んだのだ。だが、巡航L級8番艦アースラを預かる提督
クロノ・ハラオウンには幸運な事が二つあった。一つはアルカンシェルの発射準備を整える事が出来事、
もう一つは友軍を巻き込む必要が無くなった事だ。
「アルカンシェル、発射!」
その号令と共に鍵を回すと白い光が一直線にツァトゥグァに伸びて行く、その数は一本では無かった。
後方に控えており、さらに運良く生き残った時空管理局すべて艦からそれは伸びており、
その数は10を超えた。巻き込まれる友軍は幸か不幸か一隻もない、全て沈められたのだ。
さらにミッドチルダを中心とした連合艦隊からの集中砲撃が入る。
閃光
轟音
衝撃
それら全てが終わった時、その場に居た全ての「人間」は目を疑った。
ツァトゥグァは生きていた、ボロボロに成りながらも非ユークリッド幾何学の魔方陣を展開している。
(ここまでか……!)
誰もがそう思ったとき、ツァトゥグァが行き成り苦悶の叫びを上げた。何事かと思った矢先、
ツァトゥグァの腹に出来た巨大な傷口より、大きな光の玉が飛び出した。その色はツァトゥグァの魔力と同じ漆黒だ。
クロノはその正体を知っていた。リンカーコアだ。それはアースラの上空に飛んで行く、
そこには一人の少女が居た。その名を八神はやてと言う、純白の魔力を持つその少女が操る必殺の魔法「蒐集」
ツァトゥグァに出来た大きな隙によりそれが決まったのだ。
何が起こったか気づいたツァトゥグァは、震える手を伸ばしリンカーコアを追いかける。応ずるように
はやてが飛んだ。そしてリンカーコアに突っ込んで行く、まだ16歳になる直前の少女はツァトゥグァに対して
余りにも小さい、だが、その様な事は何の意味も持たなかった。はやてが先にリンカーコアにたどり着き、
「蒐集」が完了する。全ての魔力を一瞬で失いツァトゥグァは沈黙した。
そこからは早かった。ようは動かない的にありったけの攻撃を集中させて、完膚なきまでに破壊すればいいのだ。
ツァトゥグァが魔力を失ったことにより起こったンカイの崩壊から
逃げ切ると言うイベントも待ってはいたが、それによる被害は皆無だった。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:20:12 ID:Cx3Wk7zw<> 大きな会議室は時空管理局が管理する全次元世界の首脳を収容しても余りある。
だが、今そこに居る人間はまばらだ。この広大な会議室を極少数で占有しているのは、
時空管理局に所属する最高幹部達だ。緊急の会議だと言うのに危機管理で場に居れない者以外
全員そろったのは、さすがとしか言いようが無い、
「以上が、各世界の動向であります。」
議題は遺失世界ンカイの突然の復活とそれに伴う各次元世界の動向である。突然の事態に指揮系統さえ
しっかりしないまま出撃し、少なからず不満が生まれている筈であり、それに対する対処の意味が大きい
しかし、それ以上にしなくてはいけないのは、<旧支配者>の実在の報を受け、ソレらに取り入って力を付ける
次元世界が無いかどうかである。幸い、不満のレベルも事の重大さに比べれば大した事がなく、
他の<旧支配者>の復活を企てる次元世界も見つからないと言う事で一同胸を撫で下ろす。
そして議論は次の議題に移る事となる。
すなわち、<旧支配者>が擁する遺失世界の復活はこれで最後か、
その場の全員が一瞬沈黙する。
そもそも前兆など存在するのだろうか?
警戒は解かないに越した事は無いが杞憂ではないのか?
それ以前にンカイ以外の遺失世界が、人知れず存在している事などあるのだろうか?
だが、それれらの思考を中断する事があった。
中央のメインモニターに一つの名前が表示されたのだ。発言者の名前だ。
<無限書庫司書長>ユーノ・スクライア
そして、まだ少年と言って良い、若い司書長が階段を降りてくるのを全員が見た。
普段は資料の配布と、細かい、だが的確な指摘以外し無いユーノに、全員の視線が集中する。
染み一つ無い整った顔と、美しく長い金髪に惑わされてはいけない、これでも正真正銘の男で、
仕事の合間に、遺跡発掘に出かける事が日常になっている意外とアウトドア派の切れ者である。
そして、時空管理局のデータベース、無限書庫の最高責任者でもあり、この場に居る誰より
情報を持っている存在でも有る。彼が何を言おうとしているのか、全員が注目する中、
ユーノは発言台に付いた。マイクが入っている事を確認して声を上げる。
「結論から言わせて頂きますと、最低一つ、そして恐らくもう一つ、つまり後二つの遺失世界、
それも<旧支配者>が擁する世界が復活します。」 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:20:50 ID:Cx3Wk7zw<> 会議室に動揺が広がる。そして疑念も、
「根拠は何かね?」
その声にメインモニターが切り替わる。そこには複数の世界に存在する何かが映っていた。
そしてサブモニターには数冊の書物が表示される。
「今、メインモニターに映っているのは、遺失世界カルコサの「真実の幽霊」と呼ばれる存在です。
それを確信するに至った文献がサブモニターの書物です。」
ユーノは続ける。遺失世界カルコサ、その独特の性質に他の次元世界を吸収して巨大化すると言うのが有る。
有る一定の基準に達した次元世界には「真実の幽霊」と呼ばれる存在が出現し、カルコサに吸収されるべき
世界かどうかを判断する。しかる後、カルコサを支配する<旧支配者>ハスターが現れ、
その世界は永遠にカルコサの一部と成ってしまうのだ。一度吸収された世界は住人さえ変質し、ハスターの
眷属に成ってしまい、決して助からない、そしてそのカルコサに応交して復活すると考えられるのが
ルルイエ、この遺失世界はそのような特殊な性質は無いものの、単純に強力な存在であり、戦力的には
カルコサとほぼ互角であると考えられる。このルルイエを支配する<旧支配者>はクトゥルフと言い、
ハスター、クトゥルフ共に先の戦いで倒したツァトゥグァより数段上の存在である。
そのため、この二つの遺失世界の戦力もンカイより数段強力であると考えられる。
「なお、正確に言うと、カルコサはすでに復活しています。そうでなければ「真実の幽霊」は出現しません
しかし、今現在、我々(注:時空管理局)が情報を手に入れられる範囲にカルコサが不在のため、先ほどの
ような発言になったと言う事を明言しておきます。ルルイエの方はその様な前兆が無い為
今どういう状況にあるかは不明です。以上、発言を終わります。」
ユーノの発言に会場がざわめく、
「質疑の有る方はお願いします。」
議事進行を務める副時空管理局局長の発言に、初老がかった男が答えた。
「どちら先に我々と接触すると思うかね?」
「不明です。ただ、カルコサが先になるとするならば、それは何処かの次元世界を吸収する形になるでしょう、
「真実の幽霊」の状態を見極めれば、有る程度は予想できます。」
逆に言うとルルイエと先に接触した場合、完全な不意打ちになる可能性も予想される。そう言うことだ。
「他に質疑の有る方はお願いします。」
答える声は無い、その場に居た全員が既に次に何をすべきかを思考している。
結局、新たなる敵の出現により、次元世界連合会議を開く事と、それまでに無限書庫がデーターを集める事、
カルコサ、ルルイエの早期発見をするために、哨戒任務の範囲を広げる事で会議は終結した。
後は自分達が最良の状況を作り出すだけである。
会議室から無限書庫へ戻る通路を、ユーノは護衛も付ずに歩く
「……もう直ぐ……もう直ぐアレが……」
うわごとの様に呟くも、その声は直ぐに途切れた。目の前に一人の男が居る。
「ああ、君か、」
その男は無限書庫の副司書長であった。
「護衛も付けずに、皆が心配しますよ、」
すでに諦めたように話す男に、ユーノは笑って答える。
「君さえ居れば問題ないよ、」
「まあ、それもそうですが、」
自信たっぷりに言い切って、男は大きなため息を吐いた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/10(水) 01:22:17 ID:K1lmYjxN<> >88氏
クロノ×フェイトのグロ描写なら聖痕氏の今日の更新がスンゲーことになってますぞ。
髪掻き毟ってバル使ってリストカットとか。 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:26:00 ID:Cx3Wk7zw<> と言うわけで続きます。
……ネタ以外で書くのは初めてだからかなり不安だったり、
そして何より1レスに斑がある。注意せねば
>>640氏、
おお、次がエロですか、期待しています
>>さかばん氏
いい感じに狂ってますね(褒めてます)
>>YUKI
自分は弟ですが机の奥を真っ先に見ますよw
>>176
フェイトの件、むしろテンポが良くなって良いのでは? <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:30:14 ID:Cx3Wk7zw<> あああ〜〜〜〜〜!!!
176氏だけ敬称抜けた!!
スミマセン、
回線切って首釣ってきまs <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/10(水) 01:31:32 ID:Cx3Wk7zw<> YUKI氏もだった!
改めて回線k <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/10(水) 03:13:00 ID:ThU+uB50<> >480氏にめちゃくちゃ期待
_ ∩
( ゚∀゚)彡 フングルイ!ムグルウナフ!
⊂彡
_ ∩
( ゚∀゚)彡 機神!咆哮!(さすがにそりゃないか?)
⊂彡
<>
捕われ人 中編<>sage<>2006/05/10(水) 05:13:05 ID:CThVEoVT<> 前回までのあらすじ
蒐集を続けるザフィーラの前に現れた、頭身の低い3兄弟。
とても人間とは思えないその姿と、おもむろに目隠ししたとたん現れた
スイカ型の闘気に、戦慄を(たぶん)覚えた(気がする)ザフィーラ。
3兄弟の心眼スイカ割り殺法を前に、ザフィーラは五体満足で居られるのか!?
「「「痛たたたたた!!」」」
「だ、大丈夫か?(それぞれの頭に刀が刺さっている…ある意味見事だ)」
次回を待て!
閑話休題
「えぇぇぇぇぇぇん!!」
「ほらほら、もう大丈夫よ。だから泣かない泣かない」
もはや唯の布切れと化した服をその身に、泣きじゃくるなのはを慰めるシャマル。
「なのはに何をするの!?なのは、気を許したら駄目!」
「いや、お前に気を許す方が危ないんじゃねえか?」
「だから手伝えと言っているだろうヴィータ!」
その様子を見てさらに興奮する、なのはの服を口のみでボロボロにしたフェイトと、
それを必死で抑えるシグナム。縛られているはずなのに、凄まじい力で暴れる
フェイトに、シグナムは軽く戦慄を覚えないでもなかった。
ついでに言うと、その動機にも。
「シャマル、その娘を隣の部屋に!」
「そうね…このままじゃテスタロッサちゃん、全然落ち着きそうも無いしね。
ほら、なのはちゃん。立てる?」
「は、はい…」
少女の年齢では、あまりといえばあまりの出来事に、ショックを受けたなのはは素直に
言葉に従う。 <>
捕われ人 中編<>sage<>2006/05/10(水) 05:14:08 ID:CThVEoVT<> 「なのは!?なのはを連れ出して何をするつもりなの!」
「そうね、とりえず服を着替えさせないと…さすがにこのままじゃねぇ」
「着替え!?」
その言葉に固まるフェイト。
「シャマル、今のうちに…」
「はいはい」
そそくさと、シャマルがなのはを連れて部屋の外に出る。
ドアが閉められた後もフェイトはまだしばらく固まっていた。
「オイ…こいつ大丈夫なのか?」
その様子にさすがに心配になって、というか気味が悪くなったヴィータが、
まだ念のために、フェイトの体を抑えているシグナムに問いかける。
「む、むう…だ、大丈夫かテスタロッサ…」
「……のは」
「テスタロッサ?」
「なのはがぁぁぁぁぁぁ!!!!なのはがぁぁぁぁぁ!!!!」
今までの沈黙の間に何を妄想していたのか、鼻血をだしながら、さらに
激しく暴れるフェイト。本当に何を考えてたんだか…
「テスタロッサ、落ち着け!ヴィータ手伝え!」
「ヤだよ、なんか気持ち悪いし」
(それは同感だが…)
「なのはのファンタジーゾーンが!オパオパが!」
「なんだよ、オパオパって」
「だから落ち着けと言ってるだろうが!!!」
「ユニバァァァァァァァァス!!!!!」
「………セイッ!」
「ウッ!」
結局、当身を食らわして気絶してもらった。
「なんだよ、手荒な真似はしないんじゃなかったのか?」
「…ケースバイケースだ」
<>
捕われ人 中編<>sage<>2006/05/10(水) 05:14:48 ID:CThVEoVT<>
「じゃあアタシはもう寝るからな」
「ああ…」
心身ともに凄まじく疲れたシグナムが、なんとか気力を振り絞ってシャマルの待つ
部屋へと向う。
「シャマル…」
「あ、シグナム見て見て!可愛いでしょう?」
「あ、あの恥ずかしいです…」
そこには着替えを終えた高町なのはが、恥ずかしそうに立っていた。
(シャマル…)
なのはに気付かれないように、念話で話しかけるシグナム。
(なぁに、シグナム?)
(この様なフリルがたくさんついた服を、主が着ている所など見た事が無いのだが?)
(ああ、これはまだはやてちゃんは着た事無いわよ)
(そうか…もう一つ聞きたいことがるのだが?
その…頭につけている猫の耳のようなモノは何だ?)
(萌え要素に決まってるじゃない!!) <>
捕われ人 中編<>sage<>2006/05/10(水) 05:15:41 ID:CThVEoVT<>
次回予告
「スターライトブレイカー!!!」
ちゅど〜ん
「え〜と、なのは…やりすぎなんじゃ…」
「心配ご無用!峰打ちなの!」
「おもいっきり爆発してるんだけど…」
次回「すもう」
すもうパワーには参ったなの! <>
92<>sage<>2006/05/10(水) 05:50:06 ID:CThVEoVT<> はい、隣のシャ○さん−0.5話です
リインフォースTのエロ話はどうしたかって?
まあ、色々有りまして…
具体的に言うと、400項の時点で主の承認あれば実体化!
だと思ってたら、それは人格の起動で実体化は全項集めないと無理!
と勘違いしていた事を、SS2聞いて気付いちゃった。
・・・まあ、あれだ。
きっと長い闇の書の歴史の中には400項でOKな時期もあったんだよ!
というような事はあんまり関係なく、唯単に中々筆が進まないだけです。
合間合間にかいてる今回のが早く出来たのですよおとっつぁん。
今回細かいネタが多いのはそのせいだと思ってください。
あとSS2のCDのリインフォースが僅かに横乳が見えていたのに気付きました。
>>176氏
自分は、立ち直りは早いとはおもいませんが。
一応フェイトの自我確率は無印の時点で終ってますし。
あと、復活でリンディさんと絡めるとは自分は考えつかなかったなぁ、さすが。
>>640氏
不純異性交遊!!
心配しなくても、今回だけでもちゃんと終わりっぽくなってますよ。
>>YUKI氏
アレだ、偽装魔法だ。きっと参考書の中に混ざってるんだ。
シャマルを呼ばなかったのがフェイト達の詰めの甘いところだな。
>>6スレ480氏
クトゥルーかぁ…
プレシアの失敗した魔力炉が確か「ヒュードラ」ですしね。
副司書長はやはり盲目のあの人か?
それともユーノがこれから自分の目玉をくりぬくのか!?
どうでもいいがクトゥルー神話を始めて知ったときに
虚無戦記みたいなもんだな
と思った俺は駄目かもしれません。ビバ石川賢
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/10(水) 18:44:23 ID:7LwB4cXR<> 虚無戦記というかケン・イシカワは現代のアブドゥル・アルハザードですよ、きっと。
しかし、クトゥルー神話ですか。
やはり、ルルイエが復活する時はなのはたちが住む地球の南緯47度9分、西経126度43分から浮上するんですかねぇw <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/10(水) 19:25:17 ID:51tnR45f<> こんばんわ、4の422です。6の480さんスレ立てお疲れ様です(遅いってorz
うーむ、まさかピンポイントで爆撃されるとは、>>91さん
私にラブを書け、なんてピクニック装備でエベレスト登れ、言ってるようなもの
なんですがね(^^;)
もう一人〜、は意欲執筆中ですのでもうちょっとだけお待ちください。
なのクロのそういう流れはあんまり意識してなかったので入れられるかなぁ、
それよりも別口で1本書いたほうが早いかもしれません。善処してみます。
・・・5分後・・・・
なんとなくプロットが出来てしまいました。
そのうち上げることにします。ギャグやエロにならないことを祈っててください。
今週中にはどっちかは上げますので〜
あと蒸し返しかもしれませんが、二次創作の原作相違について。
私も>>93で480さんが言っているように注意を促すか否かは書き手の問題だと
思っていたりしますね。大抵の書き手は相違点は書いてれば気づくかと思い
ますので、知らせる知らせないは書き手次第かと。はい、1意見ということで。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/10(水) 19:58:19 ID:Li9dkJxF<> ベルカで鳴らした俺達騎士団は、プログラムを改変され当局に逮捕されたが、
八神家に転生し、地下にもぐった。
しかし、地下でくすぶっているような俺達じゃあない。
筋さえ通ればページ次第でなんでもやってのける命知らず、不可能を可能にし闇の書の闇を
粉砕する、俺達、ヴァオルケン野郎A'sチーム!
私は、リーダー八神はやて。通称夜天の主。
広域魔法と衣装デザインの名人。
私のような天才でなければヴォルケンリッターの甲冑デザイナーは務まらへん。
私はシャマル。通称シャルマン。
自慢のスカチラに、男はみんなイチコロです。
旅の鏡かまして、リンカーコアから闇の書のコアまで、何でもそろえてみせます。
私は、ザフィーラ、通称かませ犬。
チームの牡一点。
へたれっぷりは、デバイス無しと仮面に瞬殺で、お手のもの!
やあお待ちどう。私こそシグナム。通称おっぱい魔人。
剣士としての胸は天下一品!
黒ブラ?乳首?だから何。
ヴィータ。通称デジ子。
ゲートボールの天才だ。管理局長でもブン殴ってみせらぁ。
でも白い悪魔だけはかんべんな。
俺達は、道理の通らぬ世の中にあえて挑戦する。
頼りになる神出鬼没の、ヴォルケン野郎A'sチーム!
助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/10(水) 20:13:27 ID:GUIz0ci+<> ザフィーラカワイソス。
嗚呼、昨年の再放送は楽しかったよマード○ク。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/10(水) 21:39:33 ID:B037oqkQ<> クトゥルーという単語だけで書き込む境地に辿りついた俺様(昔からROMってました)
いや、マジで期待ですよリリカルくとぅるー!
まさかツァトゥグァ神が冒頭で蒐集されるとは!
(異質である筈の邪神の魔力なんか吸収して腹壊さないか心配w)
俺的イメージではツァトゥグァというのは二メートルを超える身長の、超巨乳美女の筈なのにィィ!!
>>102
吹いたw
平行世界理論から言えば、「彼らの世界」も存在してるんで登場もおかしくないと言ってみる。
しかし、それよりも俺はいつ潜水空母アークと安西軍団が(略 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 00:11:26 ID:J42e8yv8<> >>98
これはいい小説ですね。
でもやっぱりラブラブがいいです(;・∀・) <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/05/11(木) 01:15:44 ID:a2ahOXRZ<> >480氏
クトゥルーというと某デモンベインしか思いつかない…
一回なのはとデモベをクロスオーバーやろうとして挫折した苦い思い出が蘇ってきたが、
とにかく続きが楽しみ。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/11(木) 01:17:28 ID:KhYXLYQ9<> 服を肌蹴、殆ど下着姿も同然の二人は、互いの唇をゆっくりと重ねあわせていく。
「ん・・・む・・・」
「ふぁ・・ゆ・・・の、くん・・・」
それは、唇と唇だけの、軽い親愛のキスではなく。
「んん・・・」
「んぁ・・・ん・・・」
まるで二人が互いに抱く想いのように深く、深く絡み合う、
濃厚な恋人同士の口付けであった。
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく二人の絆−
Epilogue−2 心と身体の繋がる時(前編)
交替でシャワーを浴びて寝室へと戻ってきたなのはを出迎えたのは、
頭上の照明が落とされ、わずかな灯りだけの茶色い空気に満たされた空間。
ベッドに座ったユーノが、氷の入ったコップに水を用意して、待っていた。
横に座って喉の奥に通したそれは湯上りの火照った身体に、とても気持ちがよかった。
* * *
それからのことは、よく憶えていない。
寄り添う身体の密着面積が徐々に増えていき───気がつけば二人、貪るように相手の唇を求めていて。
重なる唇と、絡まりあう舌。
そこから溢れ、零れ落ちる唾液が垂れて、二人の顎に幾筋もの軌跡を残して寝間着へと無色の染みを作っていく。
ユーノが後ろに回って、背中越しに抱き寄せてくれる間もなお、二人の舌遣いは止まることなく。
「ん・・・ん・・・」
「あん・・・ふっぁ・・・あ」
全身の表面を包み込むようなやさしいユーノの両腕と、粘膜から直接身体の奥底まで響いてくる激しい舌のぬくもり。
愛しき人が与えてくる二通りの熱くさえある温度に、なのはは思わず陶酔の表情で目を閉じる。
──なんて、不思議な感覚。
キスしているだけ、口と口を合わせているだけなのに、どうしてこんなにも幸福で気持ちいいのだろう。
手を繋ぐより、見つめあうより。
ずっとずっと、素敵な感覚が身体を満たしているのがはっきりとわかる。
夢見心地のなのはは、いつの間にか寝間着を脱いだユーノが
自分の服のボタンに手をかけて外していくのに対しただ、成すがままにされていた。
「ん・・・ぁ、なの、は」
「ふぁ・・・?」
「そろそろ・・・」
だから、彼が口を離した時はちょっぴり、名残惜しかった。
糸を引いて遠ざかる彼の唇を、なのははぼんやりした頭でじっと、見つめてしまう。
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/11(木) 01:18:47 ID:KhYXLYQ9<>
「なのは?」
「・・・あっ。ご、ごめん・・・なんか、すごくぼんやりしちゃって・・・」
「い、いや・・・うん、その・・・」
「・・・」
「・・・」
そして、お約束。
顎の下から滴る唾液。
ピンク色に上気したお互いの頬。
そして裸同然になりつつある、己の服装。
ちょっとしたことで改めて自分達の状況、していたことに気付き俯いて赤面する辺り、まだまだな二人であって。
(・・・・あれ?)
そんななのはが腰のあたりに何かが当たっている異物感になかなか気付くことができなかったのは、無理なからぬこと。
(何?なんか・・・硬くてあったかいものが・・・)
「?」
ちらと振り返ってみるが、そこにはユーノがいるだけ。だとしたら一体何が?
「っあ・・・!!」
「???」
───わかった。わかってしまった。
漫画的な表現ならばおそらく今ちょうどなのはの頭からは「ぼんっ」という音を立てて煙が噴き出ているはずだ。
察するに、なのはの腰に当たっているそれはつまり───・・・ユーノ、自身。
(わ、うわっ、どうしよう)
話には聞いていたけれど、実際にそれが大きくなって、自分に当たっているのだ、今からこれが自分と一つになるのだと
考えると、パニックになってしまう。
どうしようもこうしようもないということがわかっていても、だ。
「・・・なのは?」
「あ、うん、あの、えと、ふあ、あ、あの・・・」
「・・・やっぱり、嫌だった?」
「あ、ち、違うの。あの、おしりにその・・・ユーノくん、のが・・・」
「・・・・あ」
彼自身、夢中でそのことに気付いていなかったらしい。
言葉を濁すなのはに、ようやく事態を理解し、いくぶん収まりかけていた顔の赤みを
再びなのはのくらいにまで一気に上昇させる。
半裸のままで、何をやっているのだろう。
慣れていない二人だから、仕方ないといえば仕方ないが。
「・・・ユーノ、くん」
「ごめん、こればっかりは生理現象だからどうしようも」
「・・・・・うん」
「続けても・・・?」
「・・・・」
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/11(木) 01:19:47 ID:KhYXLYQ9<>
ユーノの問いに、なのははこくりと頷いた。
乱れた着衣は辛うじて、胸の頭頂部を隠していて、実に中途半端な位置に残っている。
せっかく、ここまできたのだ。これで終わるのは、なしだろうと思う。
自分も、彼も。
「わかった・・・ん」
「ん・・・ふ・・・んむ・・・」
そして、二人の交感は再開される。
唇は互いを塞ぎ。
続きであるが故に、先刻までとは異なっていて。
唇だけだったその繋がりを、ユーノの両手も求めていた。
右の掌は、殆どむき出しになったなのはの右の乳房をやさしくその中に収め。
もう一方の左手は、下着越しに大事な部分をなぞるべく、指先を三角地帯へと重ねていく。
「んんっ・・・・!!」
すごく熱くなったそこを、やさしくなぞられ。下着の布の擦れる感触にむず痒さを感じ、
なのはは塞がった口から声を漏らし身悶えする。
一回、二回。
縦の筋に沿って動くユーノの指の動きに合わせ、なのはの腰もまた少しずつ前後していく。
「ん・・・ぁ、んぁっ!!んんむ・・・ぁあぁぁっ・・・」
気持ち、いい。
下着の上から、愛する人に大事な部分を弄られるというその行為がどうしようもなく、気持ちいい。
開始前の緊張など、快楽によってどこかへ吹き飛んでしまっていた。
「っぷ、は・・・」
「っぁ・・・ゆ、のく・・・?っ!!あ、ぁ、んああぁぁっ!!」
更に。
口付けを解いた彼の唇に、充血しつんと尖ってきた胸の先端が吸い込まれ、
なのはは悲鳴にも似た歓喜の声をあげる。
揉みしだかれていたときも気持ちよかったけれど、その比ではない。
「ぁ、んあ、や、そこ、うんんぁ、だめ、ぇ・・・」
乳首の周囲、先端を舐められ、しゃぶられ。
租借されて、その度に頭の中が真っ白になって意識が飛んでしまいそうになる。
口をつけられていないもう片方も右手で乳首をくりくりと弄られ、
同じくらいに感じていた。
どうにかなってしまいそうだった。そのくらいになのはは快楽に酔いしれていた。
「───あ・・・」
「・・・・?・・・」
酔いしれて、いつの間にかショーツが膝下、
片足にひっかかる程度にまで引き摺り下ろされていることに、神経が反応しなかった。
そして、羞恥が脳までたどり着く間もなく。
「っあ!?や、ん!!ひ、あ、んぁぁぁぁぁっ!!??あぁぁっ!?」
既に濡れ始めていた恥丘をユーノの指先によって揉み解されていく。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/11(木) 01:20:59 ID:KhYXLYQ9<> 腰が砕け、一瞬閉じかけた両足はだらしなく開いて。
守るもののないそれは両の乳首と共に鋭敏な快楽の波を身体中に発信する。
(あ・・・っぁ・・・気持ち・・いい・・よ・・・)
「っぷ、は・・・なのは・・・どう・・・?」
「・・・ち・・・いぃよぉ・・・ーノく・・・ひぁん・・・もち、ひい・・・」
口の動きを阻害するものは、もうないはずなのに。
なのはは溢れてくる涎を吸うことができなかった。
そんなことまで、とてもとても意識が回りはしない。
「そう・・・気持ち、いい・・・?」
碌に、返事もできない。
好きな人に身体をまさぐられ、舐められ、しゃぶられるという行為は、
初めてであるが故、慣れていないが故にあまりに気持ちよすぎて。
まだまだ未成熟な性の少女はただ頷き、想い人の指に合わせてぎこちない腰の動きをみせるので手一杯だった。
自身の腰を圧迫している恋人の怒張のことなど、とうの昔に意識の外に吹き飛んでいた。
「・・・いっちゃいそう?」
「っは・・・ふぁ、あ、あぁ、あぁ、あぁぁ・・・」
───い、く・・・?
「・・・大丈夫、だよ。イっても。大丈夫」
イく。
なのはは回らない頭、快楽でとろけてしまった脳で、その言葉の意味をぼんやりとまさぐった。
ああ、そうか。
これが、イくってことなんだ。
それは話には聞いていたけれど、こんなに気持ちのいいものだったなんて。
「っあ!!ああああああぁぁんんん!!」
やさしく抱き寄せる、その手つき。その声とは逆に、上り詰めかけたなのはを急かすかのように、ユーノの責めは激しくなる。
上辺をなぞるだけだった股間の指は、いつしか内部の領域にまで進行し、
出入りと表面への愛撫を執拗に繰り返す。
胸への手つきもなのはが痛がらないよう配慮した強さでありながら、苛烈さを増し、
吸う、舐める、甘噛みといった中に時折、しびれるような感覚を生じさせる強く歯を立てたものがまざるようになってきた。
「あ!!あ!!そん、な、はげし、い、ユーノ、く・・・!!んはぁぁぁっっ!?」
もう、言葉はいらない。
なのはを一気に絶頂まで押し上げるべく、ただ無言にユーノは愛撫を繰り返す。
やさしく、そしてはげしく。
愛する者へと、悦びを味あわせるために。
「っ・・・・!!!!あ、だめ、あ、あ、だ、い、や、ああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
なされるがまま、なのはは腰をゆすり、荒い息を吸っては吐いて。
涎を垂らし、涙目でその想いを享受する。
生まれてからこれまで得てきた、どんな快楽よりもそれは気持ちよかった。
だから、身体は素直にそれを貪った。
(あ・・・あ・・・イく・・・あ・・・ユーノ、くん・・・!!)
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/11(木) 01:21:39 ID:KhYXLYQ9<>
快楽に対する抗体のないなのはが達するのに、それからさほど時間はかからなかった。
「あん!!あ、はあん!!あは、ああぁっ!!い、あ!!いぁああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!??」
ユーノの歯が一際強く乳首へと立てられ、突き入れられた指が、一層深くまで進み、わずかな痛みを与えると同時に。
その痛みと快楽が交じり合い、なのはをはじめての絶頂へと迎え入れた。
頭が、視界が、真っ白になって。
身体の中でなにかがはじけるような快楽が、深く深く、全身のあらゆる感覚を貫いていく。
「はあ、あ!!はあああああぁぁぁぁぁぁん!!!!あぁぁぁっ!!!」
本当に、その愉悦は底が見えないほど深くて。
気がついたときには腰の下のシーツとユーノの左手がなのはの吹いた潮によってぐしょぐしょになっていた。
「・・・っは、ぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
そんな光景にも、絶頂の余韻に肩を上下させて浸るなのはには、ひどく非現実的なものに思えたけれど。
「なのは、大丈夫・・・?」
「っあ、は、う、うん・・・だいじょ・・・ひゃん、ぶ、だよ・・・ちゃんと、気持ち、よかった・・・」
「そう・・・よかった」
ユーノの笑顔が、薄暗い部屋でも眩しかった。
だけど、これで終わりではない。
ユーノがよくても、自分がまだ何もしていない。してあげられていない。
きっと彼は自分のことを思ってくれて、先に気持ちよくなれるようしてくれたのだ。
なら、今度はこちらの番だ。
若干はっきりしだした頭で、そのようになのはは考える。
そして呼吸が乱れたまま、なのはは身体を裏返してユーノのほうへと向き直る。
「・・・なのは?」
「・・・足、開いて?」
「え?」
下着一枚のユーノの怪訝な表情も、なんのその。
なのはは無理矢理に彼の足を割って開き、その股間を押し上げている怒張へと手を伸ばす。
「・・・今度は、こっちの番だよ」
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/11(木) 01:25:45 ID:KhYXLYQ9<> どうも、解り辛いかもしれませんが640本人です。
・・・ほんとだよ?orz文体で判断してくれとしか・・・。
ほんと一体どうなってんだ・・・orz
さすがに量が膨大すぎるので個別にレスは勘弁してくださいorz
職人様all>>ただただGJでございます。
さー次回は挿入だ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 01:41:06 ID:ioEA5E/p<> 640さんGJ!!
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 02:43:06 ID:E/s/D17Z<> >>114
ttp://mai-net.ath.cx/bbs/ss_t_bbs/tree.php?bbs=toraha
ここにある斬魔大聖リリカルなのはは結構おもしろいっす。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 20:12:15 ID:ct0Fyfrm<> >>640氏
GJ!俺のバスターはさっきからビンビンだぜ(パアアア <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 21:35:30 ID:GsGodXsK<> クトゥルー・・TRPGのD&Dでや <>
ヘボ書きマン<>sage<>2006/05/11(木) 22:03:20 ID:IQl4AO64<> >>640氏
すばらしいですっ!!
・・・あはは・・・はやく自分も仕上げなきゃ・・・時間が欲しい・・・orz <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 22:59:46 ID:HvP1MReW<> >>640氏
GJっす!
ラストのユーノの台詞は無印からっていうのは邪推のしすぎ? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/11(木) 23:14:04 ID:xSQG5580<> >>126
初期何話目のこと? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 01:34:28 ID:CpMtVtM1<> >>120
640さん・・なんて甘いSS書くのですか!おれユーノに嫉妬しちゃたよ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 03:31:12 ID:ivJfWqT/<> >>126
ユーノじゃなくて、ファランクスシフトに耐えたなのはさんの台詞? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 08:10:00 ID:/zPqmzS5<> 第七話「フェイトちゃんとアリシアちゃんは私の家でお泊り会なの」後編、始まります。
「ここが私の家だよ。フェイトちゃん達」
「へぇ〜…ここがなのはの家なんだ…大きいね。アリシア…リニス…」
「えぇ庭に離れのお部屋みたいなのがあって普通の民家よりかは大きいですね。」
「そうだね。さすがに広い庭があっていいなぁ」
「ほんまに私の家より大きいくて羨ましいわホンマに」
はやてちゃんも同じく羨ましい声で私を見ていました。
近くにお兄ちゃんとお姉ちゃんがいました。
「あれ?なのはお帰りそれに今日は泊まってくんでしょ?こんばんわフェイトちゃん達も一緒に泊まっていくんですよね?」
「初めまして…フェイト・T・ハラオウンです。なのはと仲良く」
「フェイトの姉のアリシアで〜す!」
「初めまして、フェイトとアリシアの姉のリニスです。」
「初めまして八神はやて言います。
なのはちゃん達と仲良くさせてもろってます」
アリシアちゃん達はそれぞれ自己紹介をお姉ちゃんにしました。
第8話「高町家の夕食の時の事件なの」にドライヴイグニッション! <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/05/12(金) 13:19:31 ID:Qt/2VKvi<> なのはが兄と姉に友人を玄関先で紹介しました。終わり、って・・・・・
>>130さんが何を言いたいのかが今ひとつよくわからないんですが。
その行数と内容で一体何を伝えたいと?
というかあなたの作品、初回でなのは達が20歳とあったはずですが、
フェイト・はやては11年間も高町家に行ったことがなかった設定ですか?
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 15:11:56 ID:QqnJId8e<> ageてまで言うことか? スルーしとけ。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 15:13:15 ID:CpMtVtM1<> はやて 「>>131細かい事べつにええやん剥げるで。 伝わる人には伝わる」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 16:49:46 ID:tinNpZ+Q<> シグシグさんの続きを未だ待ち望んでいる俺がいる。
エロいっていいよね。 <>
sage<><>2006/05/12(金) 17:48:25 ID:Qt/2VKvi<> スルー、か・・・
誰かがぶん殴ってでも目覚まさせてやらなきゃならないことも世の中たまにはあるんだがな
まぁ何様だと言われる前に消えます。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 18:34:22 ID:tinNpZ+Q<> 燦然と輝く緑色のsageが、全てをぶち壊しにしているな。
そんなに体を張ってギャグをせんでも。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 19:49:53 ID:Qt/2VKvi<> すまんね、あまりの駄文見せられたからどうかしてたらしいよ。ageたのは反省してる
消えると言ったのにまた書いてしまったからついでにもうひとつ
あんな幼稚園児の日記にも劣るもの見せられて平静保ってられるなんて信じられんよ
頼むから誰か130の作品のどこがいいかを教えてくれ。納得いく答えが出てくるなら土下座して謝罪してやる
スルーされるなら俺は間違ってなかったってことだしな
まぁ、こう書いてもスルー確実だな。そして130は反論もできずに駄文を上げ続けるんだろうな、ご苦労なこって <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 20:49:37 ID:inGyQv+8<> 擁護するわけではないが。
駄文だろうと何だろうと、このスレを「書いたものを投下して楽しむ」ために使用する事自体はアリだろ。読者の反応無関係に。
(もちろんほめられた物ではないが)
荒らしでない限り、SSスレにSS投下して悪いことはひとつもない。
だからスルーしろって言うんだよ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 21:02:28 ID:ppg0zpio<> >>138
しかし、このスレも結構人が多くなってきたし、
空気を全く読まずにオレキャラマンセーな話とかが投下されそうで怖いな・・・。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 21:24:21 ID:tinNpZ+Q<> 質と嗜好を混同するのも危険っすよん。
まぁあまり深く考えずにまったりいこうよ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 21:49:23 ID:w4BKBAnp<> >>127
11話
>>129
場面はそこ。
あとなんかミスってたことに言われて気付くとはね・・・orz <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/12(金) 21:59:31 ID:LdlsKPua<> >>137
>頼むから誰か130の作品のどこがいいかを教えてくれ。
そもそも前書き何しに落とす奴のは「読んでない」、
後、ぶっ飛ばすのなら、ここで無駄な容量使わずに直接会ってやってくれ、
追記
2ch専用ブラウザを使うと、sageを自動でメール欄に入れてくれる
機能があったりして、あんなミスしなくて済むからお勧めする。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/13(土) 00:10:14 ID:NN2rSrLC<> あー、しまった。読み返してみたらこりゃ>>126氏が間違えるのも無理ないかも。
ちと最後の部分が文が雑になってますね、確かに。え?元から?orz
>>549氏、保管庫収録の際に以下の文を最後のなのはの台詞の後に追加していただけますでしょうか。
下着から引き抜いた逞しい男根を手に笑うなのはの表情は、無邪気な少女のそれでなく。
どことなく妖艶で誘うような、ひどく大人びた、そんな笑みであった。
・・・えーと。なんだか議論があってるみたいですが。
今回のは単純に>>130氏の設定確認のミスじゃないですかね?
>>131氏の
>フェイト・はやては11年間も高町家に行ったことがなかった設定ですか?
については。実際、A’s本編の4話で既にフェイトは高町家で美由希と
談笑してるシーンがあったわけですし。
・・・うん、俺もshe&meの途中でA’s設定とのどうしようもない矛盾に
どうしようか真剣に悩みましたからorz
作品の出来云々に関しては、人によって基準がある程度異なりますのでなんとも。
また自分が一ss書きとしてまだ↑の例のごとく加筆が必要なことがあるように未熟でありますので
求められない限りは人の作品にどうこう言う気はありませんし、言う資格がないと思いますから。
・・・ああ、いかん。精進せねば・・・orz <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 00:31:59 ID:F/DVMNTp<> >>131
>なのはが兄と姉に友人を玄関先で紹介しました。
言いたいことが今ひとつわからないって既に答え出してるじゃん。
確かに細かい部分での矛盾はあるけどね。
でも、平静保ってられないとか納得いく答えとか自分の基準で量られても誰も何も言えないよ。
>>138さんの言うようにSSを投下は悪いことじゃないんだし、つまらなかったらスルーしればいいだけじゃないかな?
ただ読ませてもらっているのに作者に文句言う資格はないと思う。
つまらなくて嫌なら、自分で面白いSS作って見本を見せるべき。
そうすれば誰もが納得するだろうし。
まあ、>>131が納得するしないはどうでもいいことなんだけどね。
俺は>>130さんの続きが見たいな。
あまりにキャラを壊してなければ、どのSSも楽しく読めるしね。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 02:31:17 ID:JRjhaLrt<> U-1SSみたいにならなきゃなんだっていいよ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 02:54:51 ID:qNupaHB6<> >>145
たまに聞くんですが、なんですかそれ?>U-1 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 03:15:39 ID:L5w+Hix2<> U−1=祐一(KANON)
既存のキャラに数々の俺設定を付け加え捏造し最強キャラに仕立て上げるSSの事
こうなるとほぼ間違いなくハーレムが起こりバトル要素があった場合敵キャラは唯のかませ犬にしかならない
基本的に基のキャラの原型ととどめていることはない。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 03:15:50 ID:lUsd449S<> 批評したい人はすればいいし、スルーしたい人はすればいい
どちらかが多数派になるだけのこと <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 03:25:30 ID:qNupaHB6<> >>147
なるほどありがとうございます。
エヴァであったスーパーシンジみたいなもんですかね。 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:24:06 ID:WR9ySkCD<> 失礼します。
恥ずかしながらA's COMBATの続きを投下したく参上いたしました。
諸所の事情により、前回の投下より一ヶ月以上の間が空き、面目も在りません。
色々と一人考えましたが、最後まで書ききるのが最低限の礼儀であると考え現れた次第であります。
なんとも現在は込み入った状況であるようですが、この作品で少しでも和んでいただければ幸いです。――――活劇一辺倒ですが。
では中篇その3でございます。 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:25:40 ID:WR9ySkCD<> みしり、と。
脳髄が軋みを上げる音をフェイトは確かに聴いた。
「――――う、」
それは結論から言えば幻聴だった。が、それが理解できていても感覚が脳と神経が爆ぜて軋む幻音を絶え間なく少女に伝え、警告する。
「――――ぐ、」
このままでは死ぬ、と。そんな単純にして明快な事実を告げるその警報音をバックミュージックとして少女は大空を見渡した。複数ある視界の中、少女は少女を目視する。
視界の中で自分を見下ろしている自分がいる。その知覚はだが自身のものではなく、意識を同調するもう一人の――――クロノ・ハラオウンの知覚だった。
彼の認識する情報が共有される表層意識の中に雪崩れ込んでくる。魔導師が通常行う並列思考――――マルチタスクにより複数分割される思考の情報がそれぞれに少女の思考を乱暴に掻き乱した。
「――――あ、あぁ――――……!」
その情報の嵐を掻き分けて処理しながら、しかし彼女の脳はその負荷に悲鳴を上げて激痛を放つ。それこそがこの幻聴の正体であったが、こればかりはどうすることもできない。
想像を絶する激痛に、必死で抗う。抗うが――その抵抗も一瞬すら持たなかった。
「あ、」
同時。意識が吹き飛び、意識が白に満たされる。彼女が行っていた術式、機動、戦術の全てが潮の引くように失われていく。音速の領域でそれらを失うことは死神に自ら首を差し出すが如き行為に他ならない。
故に迅速に死神の鎌は振り上げられ、その首筋に向けて振り下ろされる――その直前に。少女は声を聴いた。
『――――大丈夫だ』
その声に引き上げられるように意識が空白の海より浮上した。解け失われようとしていた術式を?み引き戻すようにして再構築を行い、襲い来る情報の瀑布を次々に対処する。
少女は流れ込んで来る情報の波の中に遍在するある意思を感じ取りながら、自身の総体を立て直していった。
それはシステムとしては何の意味も持たないものだったが、少女に力を与えるには充分な意味を持つ情報だった。研ぎ澄まされていく思考の中、彼女の並列思考のひとつはその情報を束ね、見た。
『大丈夫だ、君なら』
それは想いだった。少女を労わり、だが信頼するその意思は彼女に呼びかけるのではなくただ事実としてその言葉を送っていた。
大丈夫か、と問うのではなく。大丈夫だ、と信頼する。その少年らしい無骨な思い遣りに彼女の表情が自然と綻ぶ。
そして心のうちに芽生え自らに力を与えてくれるこの暖かさを何か、と不思議に思いながらも、だが今は答えを求めずに前を見た。
既に不覚は無い。痛みはいまだ彼女を蝕んではいたが、最早障害とはいえなかった。
誰かが想っていてくれている。それだけで泉が湧くように闘志を漲らせることのできる事実に少女は気付かない。
かつて心底から求め、得られず、しかし彼女を救ってくれた友達が与えてくれた想いこそ、少年が今与えてくれている想いに他ならないのだと。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:29:02 ID:WR9ySkCD<> その思考と停滞は一秒に満たなかった。絶え間なくその身に降り注ぐ想いを感じながら、フェイトは大地を目指すようにして飛ぶ。
無数の破壊の帯を掻い潜り、別れ飛翔したクロノを頭上に送りながらフェイトは蒼穹を疾駆する。音よりもなお速く、白を纏い靡かせながらただひたすらに飛行する彼女の勢いは既に音速にして二桁に達する速度まで到達していた。
だがその速度に比類する形で追いすがる鋼の機影があった。その雷光纏う鳥のようなフォルムを背後に向けた視界に収めて、彼女は一人頷いた。気魄の発露として、親友の口癖をなぞる。
「やろう、バルディッシュ。全力全開だよ」
『Yes, sir.』
応えるように輝き唸るデバイスに頷きながら、少女は自身の内なる力に精神を埋没させた。
想念の内に浮かび上がるそのイメージは光。輝きの結晶と形容できるその力のありようを、魔導師達はリンカーコアと呼ぶ。
全次元世界に普遍的に存在する魔力素を取り込み、自身の力とするための器官であり、魔導師を魔導師たらしめている必要不可欠な要素。その力を門と定義し、彼女はその扉を押し開く。
内外全ての魔力を使用し、彼女は自らの最大を行使するために総力を解放した。
「――――アルカス・クルタス・エイギアス。煌めきたる天神よ、今導きのもと降り来たれ――――」
恒星より猛り放たれるコロナの如く放射された黄金色の魔力は、魔法陣という形を得て展開、更なる力を呼ぶための神域となる。その神域の内で術式を編み上げ詠唱する少女の手の内で、鋼の戦斧が炸裂した。
『Load cartridge, Haken form.』
甲高い金属音の炸裂と共に、黒の戦斧が光の大鎌へと変形する。カートリッジの使用により爆発的な高まりを見せる魔力を巻き上げ更に高めながら、少女は全身を捻り回転させるようにして後方へと大鎌を振るった。
『Haken Saber』
光の弧月が高速で回転しながら放たれる。振り上げるようにして放たれたその一投を起点として、右に振り払い左へ薙ぎ打つ動きを重ねて三度、斬撃を解き放った。
後方より迫る雷光の飛翔機に対し、不規則な軌道を描いて裁断が殺到する。
轟、と。直後出力を上げた鋼の鳥が余剰出力と共に大気の層を切り裂き前へ飛ぶ。更に速度を上げた飛翔機は上下側面より飛来する刃を強引な軌道の変化をもってして回避した。
だがそれだけでは終わらぬ、と。少女は次なる一手を放つ。
「――――バルエル・ザルエル・プラウゼル。撃つは雷、響くは轟雷――――」
『Fox-two』
詠唱を続けながら、だがデバイスは閃光を轟かせて威力を放つ。開戦直前に発動され周囲に展開されていた遅発性のプラズマランサー、その数およそ九つ。それら全てが主の意図を全うするべく快音と共に迸った。
誘導性を持つこれらを回避するべく、怪鳥は縦横無尽に身をくねらせ飛翔した。それは慣性の法則に極限まで逆らった機動回避であり、人ならざる機械の身である彼らにしか出来ない、超常の業だった。
九つの雷光が大地より天空へと疾走し、機影が背後、蒼穹へと抜けていく。だがそれだけの大立ち回りである。少女との間合いは若干ながら離されていた。そしてそれこそが第三の手札を切るための布石だった。
「――――アルカス・クルタス・エイギアス!!」
詠唱を完成させ、構成した魔法陣を内界から外界へと放出展開する。秒刻みで消費されていく魔力の勢いを更に加速させながら、少女は吼えた。
「サンダ――レイジ――!」 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:29:46 ID:WR9ySkCD<> ――――その瞬間。刹那の間を置かず全天と全地を覆い尽くした巨大な二枚の魔法陣は、自然界をおいてして有り得ないほどの稲妻をその空域内に解き放った。
自身の総力とカートリッジシステムの増幅効果により臨界まで高められた雷光の領域を生み出す魔法は、本来ならば必要のない過剰詠唱による更なる増幅と空間攻撃に特化したカスタマイズにより、
かつてのそれとは比べ物にならない範囲と量を生み出し怪鳥の飛ぶ空域を満たし破砕させた。
光速に近しい速度で大気を伝導する高圧電流の群れを流石の音速の飛翔機も回避することは出来ない。濃密なイオンの海と化した大気の中を、弾かれるようにして機影が滑った。
時間にして数秒。だが全てを崩壊させるには充分な時を経て、術式は終了した。手元の相棒が鋼の爆ぜる音と共に余剰出力が蒸気の如く噴出す。少女は全身から冷たい汗が湧くように流れているのを感じながら、未だ帯電するかの空域を見やった。
「やった……?」
かすかな希望と共に呟く。だがその願いを打ち砕くように、鋼の鳥がイオンの空を切り裂いて姿を表した。その機影には、イエローに輝く防御結界が展開されている。
その術式を彼女は知っていた。ライトニングプロテクションと呼ばれるそれは対電撃系防御魔法としてその効果を特化されており、自身が雷光を操る飛翔機が持っていて然るべき術式であった。
それでも全身に多大なダメージを受ける鋼の鳥はしかし、蓄えた魔力の殆どを消費し尽くした少女に向かい唸りを上げて襲い掛かった。
――――頭上で爆発が巻き起こったのは、正にその時だった。
鋼の鳥は――――正確には統合管制システムである空竜の知覚は、先程回避した九つの稲妻の槍、プラズマランサーが直線軌道上にて動きを止めた剣の飛翔機に突き刺さったのを確かに認識した。
そして悟る。高速で立ち回るこの戦場で敵は射線の交錯する一瞬を無理矢理に作り出し、回避行動の取れない一撃を生み出したのだということを。そして更には――その布石はまだ終わってはいないのだということも。
『Blitz Rush』
機械音にて告げられると同時、三つの輝く刃が鋼の鳥を捉えた。三枚の弧月はプロテクションを噛むようにしてめり込むと、火花を散らしながら動きを封じる。
追尾能力のある三つの刃は回避された後も機影を追い続け、そして機能の低下した一瞬の隙を突いて弾体加速魔法で高速化し鋼の鳥を襲ったのである。
音速の機動を抑制される鋼の鳥が即座に弾き出した計算に寄れば、三枚の刃が消失するのは固有時間にして約二秒。
三方向からねじ込まれる光刃達はしかし、威力が足りず防壁に阻まれ機体の装甲に到達する事無く砕け散ると予測された。この攻撃自体が機体に与える損害は極めて薄い。
そう、この攻撃自体には決定力は存在しない。
それはつまり、更なる一手が存在するということに他ならない。
統合管制AIの知覚は、その一手が振るわれる様を捉える。回転しながら自由落下を続けていた黒の敵影が体勢を立て直し、手にしたデバイスを振るった。
吼える。
「ブレイズ・キャノン!」
放たれた熱そのものである球体が強かに雷の飛翔機を軋む防壁の上から打ちのめした。炸裂し放射される超高熱と衝撃の負荷に機体が悲鳴を上げ――そして爆ぜた。
轟、と。破裂した鋼が構成部品を大空に撒き散らす様を確かに見届けたフェイトは、その視線を空竜に定め、宣言するように告げた。
「残り――――ひとつ!」 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:30:30 ID:WR9ySkCD<>
その機械の知覚は全てを認識した上でこう考えた。
この人間達は強力だ、と。
機械に迫る機動をこなし、機械と同じ火力を発揮し、そして機会を超える連携を果す――その性能を一言で評価しながら、機械は判断する。ならば、と。
元よりこの状況は予測された状況の一つに含まれていた。機械である彼は機械であるが故に自身の敗北も勝利も等価として認識している。
そして彼の主は、この状況に至った場合に選択すべき行動をあらかじめ機械に組み込んでいた。
だから、彼は逡巡無く行う。
崩壊を呼ぶ引き金を引くために。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:31:45 ID:WR9ySkCD<>
距離にして約10kmを離す空域で滞空するアースラ艦がそれを正確に捉えたのには理由があった。
「敵ガーディアンタイプに高エネルギー反応を確認!」
「また砲撃?」
「いえ、これは――――!?」
報告を行うエイミィの動揺を感じとったリンディはその視線を息子と娘の映る正面のモニターから管制官の少女へと向けなおした。
思考トリガーにより開かれた空間モニターには、エイミィの管理下にあるセンサー系の情報処理結果が映し出されている。そこに記される一つの事柄に気付いたリンディは小さく息を呑む。
同じくして、エイミィが報告を行った。
「敵影の展開している術式の反応……これは、空間反応兵器の反応です!」
焦るようにエイミィはコンソールを叩き、情報を次々に展開していく。
「敵は小型ですが、アルカンシェル型を搭載しています!」
「なんですって!?」
今度こそ、リンディは声に出して驚愕した。アルカンシェルとは、主にある一定以上の脅威であると時空管理局が判断した存在に対してのみ使用される、最大級の艦載兵器である。
基点とされた地点から百数十キロ範囲の空間を反応消滅させるこの兵器は主に宙間戦闘や次元空間での使用を前提とされるものであり、その威力も相応のものである。
過去数度に渡って使用される様を目撃し、或いは自身で使用することもあったリンディはそれ故に敵の行おうとする行動に戦慄を覚えた。
「規模としてはミドル・アルカンシェル(準空間反応砲)程度ですが、それでも数十キロ四方を消滅させるには充分な威力です!」
「――――此方への直接攻撃が狙いなのかしら」
「対空間反応兵器用のシールドを準備しますか?」
エイミィの発言にしかし、リンディは眉を顰めて思案する。ここにきて此方に直接砲撃を行うとは彼女にはどうしても思えなかった。
かといって戦闘を続ける二人の魔導師に向けて発射するにはアルカンシェル型は大振りすぎる兵器である。ならば、これはどこに対して使用されるものなのか――――。
はた、と。不意に彼女は思い至った。例えば、もし自分が彼らと――――背理の使徒と同じ立場であったとして、自分は管理局に発見、襲撃された場合どうするだろうか、と。
たとえ強力な防衛兵器が存在するとしても、断続的に管理局の攻撃を受けていつまでも耐えられるとは思わないだろう。ならばどうするだろうか。ぱっと思いつくのは、たとえばこうだ。
どうせ撤退するのであれば、一度敵を撃退した上で現在いる拠点を囮とし自分達は引き払い、現れた時空管理局の精鋭を拠点に引き込んで頃合を見て諸共に――――。
「しまった!」
声に出して叫ばれた痛恨の意にエイミィが目を丸くしてリンディは見た。
「ど、どうしました艦長?」
「敵の狙いは私たちではなく――――突入している制圧部隊の方だわ!」
そう、彼らの狙いは大規模拠点を制圧するために現れた時空管理局の精鋭――AAAランク以上の魔導師の抹殺だ。
ガーディアンを押さえた上で背理の使徒レベルの拠点を制圧しようとするならば相応の手練れと人員が必要になる。
そして充分に引き込んだところであのガーディアンのアルカンシェルで吹き飛ばすのが、彼らの真の狙いなのだ。
「クロノ執務官!至急にアルカンシェル発射の阻止を!」
『やっています!ですが、ガーディアンの攻勢にこちらも手を出しあぐねているのが現状です……!』
く、と。喉を鳴らしてリンディは苦々しく呻いた。モニターを見れば、アルカンシェルのチャージを行いながらガーディアンは防衛的に攻撃を展開することによりクロノ達を近づけまいとしている。
「制圧部隊に伝令!今すぐに撤退するよう指示して!」
そう声を張り上げながらリンディは考えた。ここから状況を打破するための一手を。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:33:32 ID:WR9ySkCD<>
がきん、と重々しい金属音を放ち刃が石畳に突き立てられる。
「くっ……はぁ……!」
自らのデバイスを杖のように突き立て、その身を預けるように立ちながらシグナムは荒く乱れる息を無理やりに吐き出して呼吸を整えた。
砕けた奥歯を血の混じった唾と共に地面に吐き捨てると、同時にレヴァンティンから余剰魔力が噴出し、空となったカートリッジが吐き出される。
リロードを含め最早幾度カートリッジを炸裂させたか分らないほどに酷使されたレヴァンティンは、その剛性を重視した機構ですら悲鳴を上げる負荷に耐え、加熱した刀身から蒸気を放っていた。
「苦労をかけるな」
主の労いの言葉に、常に声高に叫ぶ従者も流石に声も無く輝き答えるのみ。その応答を見る騎士もまた、甲冑の幾らかは砕け、また破けていた。
デバイスとその使い手、共に満身創痍といった体である。だがそれでも闘志をその瞳に漲らせながら周囲を見渡し、呟く。
「2……6……8……12か。これで全部か?」
大きく開けたダンスホールといった風体の、豪奢な広場。幾つかの防壁を突破し、障害を駆逐しながら辿り着いたこの大広間には今、朽ちた鋼の人形達が幾つも横たわっていた。
「ヴィータ、そっちはどうだ」
「……余裕」
見渡した視線の先で肩にデバイスを担ぎ残骸に腰掛けていたヴィータがそっけなく答える。
その姿は騎士装束の端々が破け、被った帽子に縫い付けられたウサギの耳も今にも取れそうなほどボロボロになっていた。足元には、無数の空薬莢が転がっている。
「その割には大盤振る舞いだったようだが」
「うっせーな、余裕ったら余裕なんだよ」
「ふふ、二人ともまだ元気みたいね」
二人のやり取りを眺めていたシャマルが笑いながら言った。同時、シグナムとヴィータの体がエメラルド色に輝く奔流に包まれる。
その輝きを浴びた自身の傷と損傷が掻き消えるようにして癒えたのを見て、シグナムは短く礼を述べた。
「助かる」
「どうしたしまして」
笑顔を咲かせながらシャマルは答える。そして指にはめた指輪から伸びる振り子のような鋭利なシルエットを持つ宝石をアンテナのように立てさせ魔力を放射した。
その魔力が反響する様をあたかもレーダーの如く感じ取りながら、彼女は告げる。
「敵は――――とりあえず、この一帯にはいないみたい。活動中の傀儡兵も居ないわ」
「ザフィーラは?」
「ユーノ君や工作班の方々と一緒にそこの大扉――八層目の防壁を解除しているわ。やっぱりまた術式を変えてきているみたい」
「ふむ。先程のベルカ式の騎士といい、この十二機の傀儡兵といい――手管に事欠かんな。予測していた以上に強敵ぞろいだが、しかし――――」
「しかし……なに?」
シグナムの逡巡にシャマルが問うた次の瞬間、騎士たちの脳裏に念話による通信が閃いた。焦るような声色で放たれるその言葉は、管制官であるエイミィのものだ。
『艦船アースラより伝令!今すぐにその場からの撤退をお願いします!』
「どうした、藪から棒に」
『敵の狙いは制圧部隊――貴方達の殲滅よ!今その拠点をガーディアンがアルカンシェル型の砲撃で吹き飛ばそうとしているわ!』
「そ、そんな!」
突然の報告を受けシャマルが驚愕に呻く。一方、烈火の将はふむ、と頷きながら平静に告げた。
「なるほど、決死隊であったか。道理で敵の士気が高いわけだ」
「そんな冷静に言っている場合じゃないでしょ!早く転送を……!」
焦るシャマルの言葉に頷きながら、シグナムは念話を放つ。
『聞いたか、ユーノ・スクライア。広域転送の準備、出来るか』
『うん、それなんだけど……』 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:34:33 ID:WR9ySkCD<> シグナムの問いに歯切れ悪く答えるユーノの声を聞き、彼女はやはり、と一人頷いた。その心中を知ってか知らずか、ユーノは言葉を続ける。
『この城塞、中枢から半径50km圏内に対して次元移動を阻害する妨害波が展開されているんだ。シールドの事もあるし、すぐさま脱出っていうのは相当難しいよ』
「シャマル、お前のほうはどうだ」
視線で促し問うシグナムに、シャマルは目を閉じ意識をデバイスに集中させ周囲に満ちる魔力と術式を解析する。だがその結果は芳しいものではなかった。
「うぅ……ん。念話が通じているし、ガーディアンに対する魔力供給ラインが通っているはずだから空間的には閉じてないでしょうから、転送自体は出来なくはないんだろうけど……この人数を移動させるには難易度が高すぎるかしら」
「そうか」
二人の腕利きの魔導師の言葉を聞いて、シグナムは短く頷いた。見事におびき寄せられたな、と。そう考えながら静かに唸る烈火の将に座していた紅の鉄騎が告げる。
「こうなりゃ今すぐ中枢を叩いて、ガーディアンへの魔力供給を絶つしかねーんじゃねぇか?つーか、それ以外思いつかねー」
投げやりで大雑把に聞こえるが、見た目の幼さに反してヴィータの騎士の眼はこと戦術レベルにおいては束ねであるシグナムに比類する。その判断を聞いた騎士たちの将は暫くの沈黙の後に、頷いて答えた。
「……それしかないか。正直今から引き返しても直進しても大差ないだろうしな。解除した防壁が再び展開していたらそれこそ目も当てられん」
そういって彼女は突き立てたデバイスを抜き取り、鞘に納める。
『待った!』
直後、響いたのは念話だった。その声の主をシグナムは知っている。間髪入れず、続く念話が通った。
『こちら航空迎撃班クロノ・ハラオウン!行動開始の前に僕の案を聞いて欲しい!』
『どうした、何か策でも?』
『ああ、その前に一つ質問がある。――――ユーノ、シャマル』
「え?」
『僕たち?』
予期せず声をかけられ二人で声を合わせる彼らに、クロノは急ぎ、だが焦る事無く問いを告げる。
『転送だけなら可能だ、といっていたが――具体的に何人だ?』
「ええっと――――一人、いえユーノ君と協力すれば二人かしら」
『そうだね、アルフにも手伝ってもらえば二人は確実に転送できると思う』
『成程、では次だ。その転送の対象に術者は含めるのか?』
『いける……と思う。だけどそれでも最大人数は二人だよ、難易度が落ちたりはしない』
『いや、充分だよ、それなら』
答えに満足げな声を返すクロノに論議に参加していた面々は等しく疑問の表情を浮かべた。その状況を知ってかしらずか、クロノは決意の篭った声色で断じる。
『多分これしかない。――――僕に、いいアイディアがある』
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/13(土) 04:40:56 ID:WR9ySkCD<> 以上です。
『私にいいアイディアがある』――――指揮官が言ってはいけない台詞の五指に入る言葉です。幸先が不安になりますね。
ところで、先日某所でリリカルなのはの設定を知る機会があり、そこでバリアジャケットに耐熱耐環境能力が無いことを知りました。
そ、それじゃ音速で飛べないじゃん!と動揺することしきりでありました。
ですが全編拡大解釈の塊である当方の雑文は既に手遅れであると思い至り、それはそれで微妙な気分になったという。
皆様どうか大きな心で眺めてやってください。
>>147
思い当たる節がたくさんあるように感じますよ……!(ガクガク <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 04:59:41 ID:Q0FVtCQV<> わーい、COMBATキター。実は楽しみに待ってました。
思考の共有化ネタはもうちょっと膨らんでくれた方が良かったですが、
それほど有効な場面があったように…見えないです…。
『大丈夫だ』はいい感じのセリフかと思います。
『私にいいアイディアがある』 言っちゃ駄目なセリフなのっ!?
文中でキャラに言わせた直後に書かれると、このクロノのアイディアの結果が怖いですw
なんとかなりますように、なんだかんで有能な指揮官だと思ってますので、クロノ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 14:57:14 ID:2DJwfbBr<> >>『僕に、いいアイディアがある』
コンボイを思い出したのは俺だけでいい… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 15:09:24 ID:q8dw0YGE<> >>160
あれ?俺がいる
そして失敗するのがコンボイさん
さらに部下に助けられるのがコンボイさん <>
魔弾戦記リュウケンヴィータ 第1話<>sage<>2006/05/13(土) 16:33:55 ID:EzVvec9q<> ある日の八神家。
「出来た〜。やっと出来たぁ。これはホンマにええ出来や。」
「どうかしましたか、主はやて?」
らしくない大声にシグナムが心配してやってきた。
「あ、シグナムか。ちょうどええ時に。ほら見てみ。」
はやてが見せたのは奇妙な龍の顔の装飾が施された剣だった。
しかも色が青と白と金色と実に実戦向きじゃない、
というよりシグナムの好みではなかった。
「こ、これは・・・・・主はやてが御作りになられたので?」
失礼の無いよう、言葉を選んではやてに受け答えするシグナム。
「そうや。夜天の書の再構成術式しとったら昔、蒐集したページの記録がサルベージされてな。」
「夜天の書の・・・・記憶ですか。」
夜天の書の記録、それはリインフォースの残した想いでもあった。
はやてはその想いをとても大事にしているのだ。
『しかし、・・・・どこの世界の剣だろう?』
確かに永い時を経た中にこういう武器があったような気もするがイマイチ覚えが無い。
「見た所、我々のベルカ式ともミッド式とも違う機構のようですが。」
「そや。その名もあけぼの町式 魔弾キーシステム搭載剣!ゲキリュウケンや!」
家族とも言える騎士に得意げにその奇妙な剣をかざすはやて。
「あけぼの町?・・・・隣町の名前と同じですね?」
「ほんでな。シグナムは剣使いやし、ちょうどええからモニターやってくれんか?」
「はあ、私でよろしければ。」
多少の心配はあるものの主の頼みを断る事はしないシグナム。
剣を受け取り、カチャっと1、2度振ってみる。
「これが魔弾キーや。取っ手を引っ張ると鍵穴が出るからそこに差し込んでな。」
「分かりました。」
言われるままに握りの部分を引くが動かない。
「あの・・・開きませんが?」
「え、ホンマ? おかしいなぁ。そういえば声も聞こえへん。」
「これはインテリジェントデバイス機能付きなのですか?」
「そや。起動すれば声聞かせてくれるおもたんやけど。恥ずかしがりやさんやなぁ。」
何度か試してみる物のやはり駄目だった。
「これは、持ち主との相性があるのかも知れませんね。」
「そうか。そうかもしれんな。う〜ん、ほんなら残念やけど起動実験は保留や。」
シグナムからゲキリュウケンを受け取ると、大事に机の上に置いた。
「もう直ぐ夕方やな。シグナム、買い物付き合ってくれるか?」
「喜んで、我が主。」
そして二人はゲキリュウケンを残し部屋から出て行った。
<>
魔弾戦記リュウケンヴィータ 第1話つづき<>sage<>2006/05/13(土) 16:35:23 ID:EzVvec9q<> 「はやて〜。あたしの事よんだ?」
呼ばれた気がしてはやての部屋に入るが誰もいない。
ふと気が付くと机の上の剣が目に入る。
その鞘のない剣身からは先ほどからは発せられなかった魔力がほとばしる。
「・・・・お前か?あたしを呼んだのは。」
『そうだ。私の名はゲキリュウケン。龍の力を秘めた剣だ。魔道の少女よ。君の力を貸して欲しい。』
直球だった。もう理由も理屈も無い。
「断る。」
こちらも即答だ。
「あたしは無駄に戦う気は無いね。そんなのは時空管理局の仕事だろ。」
これは正論。闇の書蒐集事件で管理局預かりの身であるヴィータ達なのだ。
勝手な魔力行使ははやてに迷惑が掛かる。
それ以前に面倒くさいってもある。むしろこっちが本音だ。
『分かった。では君の身体を貸してもらおう。』
実にシンプルかつ大雑把なデバイスである。
ある意味ヴィータとは相性が良さそうだ。
「なにお!? って、な、なんだぁぁ!?」
ゲキリュウケンに刻まれている龍の目が光ると同時にヴィータの身体が勝手に動きだす。
「こら、お前!あたしの身体に何をした!?」
文句を言いつつもヴィータは剣を掴む。
『魔弾キーを差し込んで「チェンジリュウケンドー」と叫んでくれ』
「いやだ!絶対そんな、チェンジゲキリュウケン!って何で声が勝手に〜!?」
剣の柄がスライドし、同時に剣に施された龍の口が開く。
魔弾キーを龍の口にある鍵穴に差込むと刀身が戻り、
カチャ ギャオーーーン…バシュッ!!
起動音と共に刀身から光が溢れ出しヴィータを包む。
「撃龍変身!!リュウケンドー、ライジン!!ってあたしは嫌なのに声が身体が勝手に〜!!」
ヴィータを素体とした魔弾戦士リュウケンドーの誕生だった。
(続く?) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/13(土) 16:39:53 ID:EzVvec9q<> 思いつきで書いてしまいました。リュウケンドーネタです。
シグナムは何があってもキャラが崩れそうもないのでヴィータにお鉢が回りました。w
一応、ヴィータ微エロなのですが。・・・・あれ? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 01:35:13 ID:NSGgGmVI<> >>164
微エロ?
続きをまつ、ずっとまつ、そこのファミレスでできるまでまつ。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 01:54:22 ID:ziMe0R8r<>
第2話 Bpart
「それで考古学の専門家から見てこのジュエルシードはどんな感じ?」
「はい、管理局に保管してあるものの魔力と比べて純粋なものを定期的に発生させていますね」
「純粋か……というと他者の魔力に対してより強い反応を示すってことになりそうね」
「多分この場合は願い……願望でしょうね」
なのはを送った後、僕はこうしてエイミィさんとアリシアが撒いた例のジュエルシードについて分析を続けていた。
次々に映し出される映像や比較図、さらには管理局で調査したジュエルシードについての情報も引っ張り出して僕らはこれからの対策に頭を悩ませていた。
「でも管理局の情報を勝手に使っていいんですか? どう見てもハッキングじゃ……」
「ストーップ! 緊急なんだから細かいことは気にしないの。コレクションしてるわけじゃないんだから使えそうなときには使わないと埃被っちゃうよ」
「ま、まぁそうかもしれませんが……」
大胆だなぁ……エイミィさん。
「艦長にも言ったけどそれでもここが限界……って所だよね。後は本物を手に入れるまで憶測の世界」
「その憶測でどこまで真相に近づけるか」
「ん〜いいねぇ、なんか私たち調査してます! って感じで」
軽快な手さばきでコンピューターを操作していくエイミィさんの横で既に僕は想像の世界。
純粋に願いと反応し激しい変化をもたらす。だとするなら誰かの願いを吸って形に成したら何が起こるか。
明確な願望や意思を持たない原生生物が取り込まれれば以前よりも凶暴化するのだろうか。それとも暴走せず完全な形として……いや明確じゃないものを具現化したらそれこそどうなるか。
いろいろと考えてみるが最後はどん詰まり。本物を調べてみないとわからない。
「以前のジュエルシードはどれも完全な形で願いの成就はされなかった」
「うまく形にしようと一種のリミッターが中の魔力サーキットにかけられていたってのが研究部じゃ総論だけど」
「無駄なものを極力省いて……でも省きすぎたからあんな中途半端な発現をした」
「強ちユーノ君の言うことはあってるかもね」
枷を外してより強く、それこそ掃除機のように手当たり次第願いを吸収し発現させる。だったら純粋と言うより混沌だ。
「もっとも相手はロストロギア……この研究部の見解だって憶測だし」
「はは……」
お手上げ……か。
肝心のジュエルシードの行方もわからないし。
「ところで考古学の専門家から見てなのはちゃんのことはどんな感じ?」
「そうですね、優しくて可愛くて責任感が強くて、でもそれが仇にならなきゃいいんでってエイミィさんっ!!」
「ふむふむ、ユーノ君はなのはちゃんに相変わらずぞっこんラブと……」
「め、メモになんて書かないでください! ぼ、僕はなのはのことなんて」
「結構知ってるから。だから支えてあげて」
「えっ……」
うっかり口車に乗せられる――ほとんど乗せられたのだろうけど――所だった。
いきなり何言うかと思えば今度は急に大人しくなり、エイミィさんは表情を固くした。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 01:55:28 ID:ziMe0R8r<>
「私だって管制官。なのはちゃんのことはそれなりに知ってるからね。……誰かのためにあそこまで行動できる子なんてそんなにいない」
「それで……なんですか」
「事件のきっかけを作っちゃったことに関して結構思いつめてるんじゃないかなって。それで無茶しちゃって」
ふっ、と息を吐いて一区切り。首だけこちらに向けてエイミィさんはまた喋り始める。
「私だって一日中傍にいられるわけじゃない。でもユーノ君なら傍にいてあげられる。もしもの時は首根っこ掴んでも止めて欲しいな……なんてね」
「僕だってなのはが思いつめてることはわかります」
あの時フェイトを励ましに部屋に行こうとしてた時の顔はすごく沈んでいた。それが瞬き一つしたら忘れたように笑顔。
それでも僕には一瞬だけ、顔にぎこちなさが見えた気がした。
誰かのために、その言葉通りになのはは自分のことなんて押し込めてフェイトのために笑顔になった。明日にはジュエルシードを探しにまた街に繰り出すだろうし。
なのはは自分では気づいていない。そうやって自分を殺して、言い方は悪いかもしれないけどいい子であろうとする。僕から見てそう思っただけだけど。
無理はいつか自分に帰ってくる。体にも心にも、何倍にもなって。
「最初は一人でジュエルシードを封印しようと僕も無理してましたから」
ああやって無理が祟って傷つき倒れてなのはに拾われて。
一人でやろうとする僕を叱って一緒に手伝ってくれたなのは。逆の立場だったら僕もそうしていたと思う。
「なんていうか……根っこは同じかもね」
そう、似たもの同士。
でもなのはと違うのは妥協する場所だ。僕が十とするならなのははゼロはおろかマイナスまで行っている。だから自分の責任は自分で全部片付ける。止める場所が分からないから。
「うん、やっぱりいいコンビじゃない。むしろお似合いの二人だね、お姉さん羨ましい〜」
「か、かか、からかうのは止めてください!」
「それだけユーノ君のこと頼りにしているの」
肩に手を置かれ、次いで背中を強く叩かれた。パンパンと艦橋に響く小気味よい音。
ちょっと痛い……。
「あ〜あ、なんていうかもう少し手が欲しいって感じ」
「ない物ねだりしてもしょうがないですよ」
「そうなんだけね〜、どっかにいい人材転がってないかとついつい考えちゃうわけ。なのはちゃんがいるのよ。もしかしたら他にもって」
「それでも民間人は巻き込めませんよ」
民間協力者の言えたことかもしれないけど。
「とらぬ魔導師の皮算用……かぁ」
「狸でしょ」
「いいのいいの、私の今の素直〜な気持ちだから」
はぁぁ、っと親父みたいなため息をついてからエイミィさんはモニターの電源を落とした。流石にあれから二時間近く座っていたのだ。休息も必要だろう。
僕も僕でぎゅっと目を閉じたり開いたり、目頭を揉んだりして、しょぼしょぼした疲れ目にため息だった。
「さてと……私たちも休もっか」
「ですね」
とっくのとうに更けた夜。真夜中もいい所だ。
明日のこともある。今日も寝るのはなのはの部屋か。
「じゃあ僕はお先に」
「おやすみ〜」
トランスポーターの準備を始めながら同時に変身。エイミィさんの目線が思いっきり下がった。
もうこの姿で行動しても誰も気に留めないんだろうな……。
なんだかんだで今日の終わりもフェレット姿で迎える僕であった。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 01:56:15 ID:ziMe0R8r<>
* * *
「ふぅ……」
時の庭園へと戻り宛がわれた部屋でしばしの休息。凝り固まった肩を拳で軽くたたいて一息ついて。
(アリシア……起きていますか?)
(なーに、リニス?)
(いえ、特にこれといった用はありません。そうですね……話しませんか、今から)
念話でアリシアが起きていることを確認して私は他愛もない誘いをした。
特に重要な意味はない。ただ単に彼女と話したいだけ。
(うーん……いいけど。まさか勉強のこととかじゃないよね)
(ええ、そこまで私はスパルタではありませんから)
(じゃ、いいよ。いつもの場所で待ってるから)
そんなこと言われてしまうとこの前の課題のこととかいろいろと灸を据えねばならないことがあるのだが。
まぁ、大仕事を終えた後だ。そこまで酷なことを強いるほど私の心は狭くない。
「いつもの場所……ですか」
まだまだしっくりこない事務椅子から腰を上げ外出用の白いケープを肩からかける。この前ミッドで見つけて衝動買いをしてしまったものだが、気に入っているので良しとした。
大体、外行き様の服などないに等しいのだ。あるのはいつものローブだけでお洒落など持っての外。
「主人の影響でしょうか……まったく」
アリシアはかなり服には拘る。バリアジャケットから私服に至るまでお洒落をしたがる。
そんな彼女の影響か、私まで自分の身なりに気を遣うようになっていた。
「……あれから何ヶ月……半年? ……それ以上ですか」
一年は経ってはいないだろう。私にとって記憶というものは酷く不鮮明で不確定要素に満ちたものだ。
大魔導師プレシア・テスタロッサによって生まれ、彼女の娘の教育を任され、契約を執行し……。
それが私にとって、使い魔としての最初の記憶。
再び目覚めた時、私の目の前には生前――語弊があるかもしれないが、他にいい言葉がない――のとは明らかな齟齬を生む景色がそこにあった。
「アリシア……プレシア……」
正直、自分の境遇を疑ったものだ。真逆の世界の居心地は今でこそ慣れてはいるのだが。
「これは一種のパラレルワールド……というわけではないのでしょうね」
SF小説の中の一コマなら気は休まるのだろう。アリシアが生きて、プレシアが良き母親で、私は彼女達に従える侍女。
「この目でフェイトを見ては流石にそうとしか言えません……」
現世との再会はいつでも鮮明に蘇る。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 01:57:08 ID:ziMe0R8r<>
最初は契約を終えた所から。
己の存在が世界から消え、暗く冷たい海に抱かれるような、落ちていくような感覚に捕らわれて。
時間の概念は意味をなくし、長い短いなど忘却の彼方。安堵と不安が入り混じりその内これが「死」なのだと頭が認識しようとした矢先、誰かが私の腕を掴んで無理やり引き上げた。
目を開ければ赤い眼が私を見下ろしていた。その人物が私のよく知る人間のオリジナルというべき存在であるアリシア・テスタロッサだと知ったのは彼女が私を母親の元へと連れて行ったときだ。
驚いたのはあれほど冷淡、冷徹だったプレシアが微笑んでいたことだった。
加えてラベンダーを思わせる薄紫色のセーターに藍色のロングスカートという出で立ちには最初誰だか分からなかったくらいだ。
しかし、だ。紛れもないプレシアだというのは確信した。彼女が私を見たときにほんの刹那、眉を顰めたのだ。まるで厄介者に出会ってしまったような目で。
「久しぶりね……なんて本心じゃないんでしょうが」
どうやら私はプレシアの本意でこの世界に呼び戻されたわけではないらしい。ならばなぜ私がここにいるのか、それは全てアリシアの話。
つまり私を呼び戻し契約したのは他でもないアリシアというわけだ。
「問題はそこなんですけどね」
普通に考えて死人が生き返るなどあり得ない。あの時、確かに見たのだ。カプセルの中で保存液にたゆたう彼女の亡骸を。
一体どういうイカサマを使ったのか。答えはイカサマ並みに不可思議な魔法の類。
知識としてアルハザードの存在は私の中にもある。どうやら彼女はその地にたどり着き眠っていた秘術によって成すべきこと全てを成したらしい。
娘の蘇生然り、自分の病の治療然り。この時の庭園でさえ秘術によって再生されたものだそうだ。
「全くむちゃくちゃですね、おとぎ話というものは」
私がここにいるのだってアリシアがプレシアに隠れて使った秘術の他ならない。
なぜ、などと疑問は持たないことにする。私の存在はここで事について考える私がいるということで証明される。我思う、故に我あり。うむ、実に哲学的。
「行きますか……言いだしっぺが遅刻なんてしたらお話になりませんし」
部屋を出ればどこか古代の遺跡を思わせる石柱が整然と並ぶ廊下。その柱の隙間から満天の星空が私を迎える。
これも魔法。擬似的にどこかの星空を模造して映しているに過ぎない。それでも初見でこれを偽者だと疑うものはいないだろう。朝に当たる時間になれば日だって昇るのだ。もはや虚像の域を抜けている。
いや、実像か。私がいる時の庭園こそ今はアルハザード。プレシアが己の力で世界という形で固着させた姿。時の庭園はその中心、居住区としてアルハザードにどっかり腰を下ろしている。
「……アリシアは、まだ来ていませんね」
やがて辿りつく小高い丘。庭園からそれほど離れていないここが私とアリシアが邂逅した場所。そして今は彼女に魔法の教育を施す青空教室。
周囲に転がっている石塊は彼女が加減せず全開でぶっ放した魔法の被害者達だ。
「はぁ……なんの神殿だか知りませんがこうなったら元も子もないですね」
あれほど荘厳な雰囲気を漂わせていたのに雷撃一発でこの有様。もう少しだけ魔力制御に重きを置くべきだった。
横たわる柱はいい腰掛だ。これも根元からぽっきり折れて彼女の才能の証言人である。
プレシアから教えられた真実が本当ならアリシアに魔法の資質は全くと言っていいほどなかったはずだ。だと言うのに、私の知るアリシアは恐ろしいほどに魔法の資質を内に秘めている。
「プレシアが付加したのか……いえ、それはないでしょう」
彼女の悲願はあくまで娘の蘇生だ。実の娘に必要以上に手を加えるなどするわけがない。
一応、元の主人なのだからそれくらいはわかるつもりだ。単に、彼女に母親が残っていて欲しいという独りよがりでもあるが。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 01:57:44 ID:ziMe0R8r<>
他に考え得る要因は今のところ二つ。
蘇生させるために使われた魔術がアリシアに偶発的に資質を付加する結果となったか。
「死」という常人では経験し得ない経験が眠っていた親譲りの非凡な資質へパスを通したのか。
どちらにせよ今の私には関係ないことだ。
内にあるのは最低限の事実だけ。私にはまだまだ知らないことが多すぎる。
「それにしても……なんだか頭がスースーするのは気のせいですか?」
どうも夜風の通りがすごぶる良い。耳の感覚がやけに鋭敏になったようで何かがおかしい。
手で触れてみるとしこしことした肉の感触。そこにあるはずものが
「ない……」
肌身離さず、私の大事な所を守る守護者がいない――!
「えっ? えっ? ぼ、帽子……私の帽子!」
手に触れるものは耳と髪と……それだけだ。
そんなわけがない。あってたまるか。だって今の今まで頭の上にはあったのに!
「くふ……ふふ……あははは」
そうして聞こえる犯人の歓喜の声。なまじ帽子がないから良く、それこそ普段の二倍以上に良く聞こえる。
「アリシア〜……あなたって人は!」
「だ、だってだって私が来ても全然気づかないんだもん」
悪びれる様子もなく帽子をひらひらと見せる問題児。私はと言うと両手で耳を押さえて何とか見られまいと涙ぐましい努力。
「あっはは……それじゃ帽子取れないよリニス〜」
「こ、このおいたが過ぎますよ! 早く返してください!」
「じゃあ自分で取ってよ」
それは両手が塞がってる私に対する挑発ですか、挑発ですね、挑発なんですね!
ならば一時の恥を忍んで私は両手を解き放ち、狩りでもするようにアリシアに飛び掛る。
「わっ、と」
空を切る両手。すかさず伸ばした右手は
「おっとっと」
ならば左は
「全然は〜ずれ」
「ぐぬぬぬ……」
すばしっこい……さすが私が鍛えただけありますね。
って、自画自賛してる場合じゃないでしょう。
「いい加減にしてくださいっ!」
右、左、右、左と疾風のごとく繰り出す全ては哀れ空振り。その度アリシアは無邪気に笑う。
どんなにペースを速めても決して帽子に手は届かない。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 01:58:39 ID:ziMe0R8r<>
「猫みたいだよ〜リニス」
「ね、猫なんかじゃありません!」
「だってこれじゃ猫じゃらしだもん」
帽子の動きに首が追従し私はいいように操られていた。
遊ばれている、猫として私は遊ばれている。
「たまには元の姿に戻らないと体に悪いよ」
「わ、私は元の姿がこれです!」
「じゃあ最初に会ったときなんで猫だったの?」
「そ、それは……き、気まぐれです! 気の迷いです!」
言って猫は気まぐれだと、私が一番嫌いなことを言ってしまったことに気づく。
「あんな気ままな猫とは私は違うんです!!」
そうだ。私は曲がりなりにも大魔導師プレシアの使い魔として彼女の名に恥じないよう品行方正、常に理路生前を心がけなければいけないんです。
「ちゃっきりしっかりして主に恥を欠かせないようにですね」
「ふ〜ん……今の主が私でも? 私は別に気にしないけどな」
「そ、それでも……アリシアに恥はかかせられません」
真面目と言われてもいい、これは私のポリシーだ。
「我慢は毒。空気上手く抜かないと母さんみたいな小難しい顔になるよ」
「小難しい顔って……それは嫌ですね」
個人的にあのような顔になるのは正直ご勘弁願いたい。
「恥ずかしがる必要ないと思うけどなぁ……私は好きだよ、リニスの全部」
ニコッとアリシアが笑窪を浮かべた。迂闊ながら、それにちょっとドキリとさせられた。
「耳も尻尾も出しても誰も笑わないって、それにすごく可愛いしね」
ほんと、なんでここまでズカズカ言えるのか。思ったことをすぐに口に出して、フェイトとは大違い。
精神リンクも常に千客万来。だから彼女が心からそう言ってるのだとわかる。
「私にだって……いろいろあってですね」
「じゃあその内ってことでいいよね。私、命令はしないから」
そう言って私の頭を覆う懐かしい感触。久しい再会を味わうこともしないで私はいささか適当に被らされた帽子のずれを直した。
「いいのですよ、アリシアがそう望むなら私は」 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 02:00:35 ID:ziMe0R8r<>
「いいの! 私が母さんに隠れてまでリニスを呼び戻したのは召使いにするわけじゃないよ」
後ろに手を組んでその場でくるくると回るアリシア。流れるように髪が舞い、夜を彩る色となる。
「大事な家族なんだよ、私と母さん、リニスは。忘れたわけじゃないでしょ、私の言葉」
「忘れるわけがありません」
胸に抱かれ囁かれた言葉は今でも鮮明に、一字一句思い出せる。
私の二度目の始まりにアリシアはこう言った。
――お帰りなさい、と。
「うん!」
本当にこの子は素直だ。これが偏屈なプレシアの娘と言われても俄かには信じられない。
「アリシア……あなたは」
言って……止めた。こんなこと聞いてもなんにもならない。笑顔を曇らす権利は私にはない。
(そんな笑顔を見せられたら言えませんよ。あなたはフェイトではないんですかって)
汝、使い魔リニス。その趣旨と心を持って自らが望む生き方を探しそれを行え。如何なる地にあろうと主と心は共に、その命尽きるまで制約を守り抜け。
アリシアはそう私と契約を結んだ。偶然なのか必然なのかフェイトの言葉と相違ない。
しかしそれが彼女の存在を否定する理由になどなりはしない。
彼女はアリシアだ。それだけは私が証明する。誰でもない、彼女だと誰が言おうと声を大にして言ってやる。
「なに?」
「……あなたは本当に手の掛かるおてんばですね」
「ふんだ。元気なのは良いことだもん」
あまりに天真爛漫。歳相応以上に子供で我がままなんてお手の物。手を焼くばかりだけど今はそれが心地よい。
「ふふ、そうですね。元気すぎても問題ですが、あなたには元気しか似合う言葉がありませんし」
「……なんだか馬鹿にされてる気がするんだけど」
こんな主だけどついて行くことに後悔はない。それは使い魔という自らに課せられた厳然たる事実から。
初めはそう思っていた。その事でフェイトやアルフと刃を交えあうことになるだろうと心痛めたこともあった。
今は……多分違う。手を血で染めようと私の望んでいたものがここには少なからずあるから。
アリシアに情が移ったのならそれでもいい。私は彼女に必要とされている、それだけで理由になる。
「してませんよ。ただですね、人の嫌がることさえしなければ」
「……今度は帽子隠しちゃおうかな」
「寝込み襲ったって絶対させません」
だからもう少しだけこのままでいたいと願う。
この幸せに浸っていたいと願う。
例え目に映る全てが虚像でも、行く先に破滅が待ち受けていても。
我、使い魔リニス。山猫の血と気高さにかけて主に降りかかる全ての災厄をこの手で撃ち払わん。
<>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/14(日) 02:01:09 ID:ziMe0R8r<> 全然進まない〜頑張ってますからぁ……
大丈夫です。まだ気は保っています
そういやリニスって本編だけだと本当に出番なかったんだなぁ
>>480氏
こりゃまたスケールが壮大で
次は巨大合体ロボットでも呼びますか
>>92氏
壊れ行く人々、戻らない日常
シャマルンいいから自重しろ。フェイトお前もだ
>>640氏
いいから突っ込め! 俺が保障する!
ああん、もう甘い甘い! どんどんやっちゃって!!
>>130
まぁ、いろいろですけど気になさらず
個人的には量が欲しいとは思いますけど、それだけじゃないですからね
>>76氏
来た来た来たベルカが来たー
だけどやっぱりコンボイ司令官、先が不安だ
>>162
リュウケンドーですか
どうにも私は見ていませんが続くのなら続いて欲しい <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:35:04 ID:gVCs77Ir<> 反応多すぎてビビリ気味
『魔法少女リリカルなのはACF』
の続きです。
で正直に告白すると私、デモンベインはやった事有りません、
漫画も(少ししか)読んでません、アニメも見てません(汗
だからそれとはかけ離れた物に成る筈です。
巨大ロボット期待していた方はすみません
あとそこまでオドロオドロしい物にはしない積りです。
そっち方面を期待していた方もすみません
と言うわけで
似非(えせ)クトゥルフ神話注意 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:35:54 ID:gVCs77Ir<> 『迫り来る惨劇の予感なの』
若い戦闘魔道師達が空を翔る。手には未だ馴染まない管理局の標準デバイス、
足元には魔方陣、使う呪文は、基礎と言っても過言ではないレベルの物だ。
その光景を静かに見守る少女が居た。年は、今空中戦を行っている魔道師達と同じ位だろうか、
さすがにそれよりは年長か、精々その程度だ。だが、専用のデバイスを何気なく握る姿にも
すでに歴戦の戦士の貫禄がある。少女の表情は硬い、
「やっぱりこの戦法は未だ無理かな……」
そう呟いた。
彼女の名前を高町なのはと言う、この年齢ですでに戦技教導隊に属している猛者である。
彼らが使っている魔法が基礎的な物なのは、彼女が指示したからだ。
その方が魔力の消費が少なくて、単純に威力を高められる。
だが、その分実践での扱いが難しく、主力にするのは困難である。
本来ならば、準教導官レベルの戦闘技能を持った魔道師が訓練すべき物だ。彼らのような
まだ新人と呼べる者たちがする物ではない。誘導制御、並列発動、自動化……他にすべき事が
山積みになっている。しかし、今度の敵は余りに強力で、そんな物より先ず、威力を高めないと
お話しにならない、だから、やむおえずそうした戦闘を教えているのだが、やっぱり、
無理な物は無理だ。どうしても狙いが甘くなり、かつ肝心の威力が高められていない、
そもそも、彼らのような新人を戦力として数える必要がある事自体が異常事態だ。
素人相手ならともかく、人外の存在相手ならなおさらだ。
それでも、必要である以上戦場に送らないといけない、彼女は何かを決断すると立ち上がった。
「そこまで!次、そのまま班ごとに分かれて整列!」
号令を掛けると、次の指示を出す為に空中にモニターを展開した。
単体で戦力に成ら無いのなら、グループごとに一つの戦力とするまでだ。
その為には強壮が必要不可欠である。まだ早い気もするが、これぐらい
学校の課外活動で経験済みの者も多いと聞く、コチラのほうが難易度が低く
また生存率も上がるだろう、勿論、気休めだ。これ位で生還率が目に見えて上がるような柔な相手ではない、
だが、それでもそれを顔に出す事は許されない、士気に関わるからだ。
(ごめん、みんな……私、貴方たちを死地に連れて行くかも……)
心の中で誤ると、彼女は簡単な戦法の説明を開始した。
自分が指揮する事になる部隊を一人でも多く生き延びさせるために、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:36:50 ID:gVCs77Ir<> 沈黙が、部屋を支配した。中央に立つのはクロノ・ハラオウン提督だ。
一同、彼が話した言葉を無言で反芻している。遺失世界を擁する<旧支配者>が少なくとも、後、二体も復活する。
しかも、その相手は前回彼らが相手をしたツァトゥグァより数段強い可能性が高い、
その事が彼らに大きく伸し掛かる。その空気を払拭する為にクロノは口を開いた。
「我々は、前回の功績を評価され、二週間の休暇が与えられた。
……といっても戦闘になれば呼び戻されるがな、」
室内から少し控え気味の歓声が上がる。もっとも、彼らの使うはずであるアースラは前の戦いで中破している。
休暇が与えられなくても、仕事に成らないだろう、
「……お兄ちゃん、あの、話が有るんだけど」
ミーティングが終わり、フェイトがクロノに声を掛ける。彼女がそう呼ぶときは決まって
プライベートな事だ。クロノにしてみたら16歳の少女にお兄ちゃんと呼ばれるのは少々気恥ずかしい、
それに、何故かエイミィの機嫌が少しだけ悪くなる。
「ああ、なんだい?」
それだけ言ってフェイトの目を見る。最も、言いたい事は大体分かったていた。
「なのはの事なんだけど……その、最近元気が無くて、理由は分かっているんだけど……
なんて声をかけていいのか……」
場に居た一同が黙り込む、元気が無い理由は分かっている。今、彼女に任されている部隊の事だ。
遺失世界ンカイとの戦闘で武装隊の再編を余儀なくされた時空管理局は、急遽まだ訓練段階の新人を
戦力として投入する事を決めた。反対意見も多かったと聞くが、次のカルコサ、ルルイエ戦の事を
考えると、少しでも多くの戦力が必要なのは明白である。だからやむおえず、その計画を実行に移したのだ。
その結果、現在、手の空いている教導官は、彼ら新人の教育を専門でする事になった。
そして、その育て方は教導官に完全に任されている。これは前例が無い為、上層部もどう扱ったら言いか
決めかねているからだ。当然、担当の教導官の負担は大きくなる。さらに自分が教えた者達を戦場で
指揮しなければならないと成ると尚更である。彼女もその一人として、その重荷と戦っているのだ。
「そうだな……」
そう切り出した物の言葉が続かない、そもそも上層部でさえ、無茶を承知でやっている事に
気休めを言う余地はあるのだろうか?助けを求めようと視線を彷徨わせると、
エイミィもアルフも目を逸らした。そのまま時間だけが過ぎて行く、
結局、クロノはその問いに答える事が出来なかった。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:37:49 ID:gVCs77Ir<> はやては病室で目を覚ました。その体は、幾つかの環状魔方陣に取り巻かれている。
横を見ると、白衣の若い女性と目が合った。
「あ、もう目を覚まされましたか、」
そう言って、モニターを空中に表示する。そこには、彼女が丸1日かけて受けた検査の結果が表示されていた。
「何も問題はありません、<旧支配者>を蒐集した事による後遺症は存在しないようです。」
前の戦闘の決め手となったツァトゥグァからのリンカーコアの蒐集、余りに異質な魔力の吸収によって
起こる体調の変化が無いか調べていたのだ。研究者の中には最悪彼女が2体目のツァトゥグァになる可能性
を指摘する者もいたが、幸いその様な事は無いようだ。ただ、魔力が上昇したかと言うと、
決してそう言うことは無く、別の場所での復活も示唆されたが、検査の結果、魔力が異質すぎて、
自然と体外に少しずつ排出されただけだと言う事も分かった。そしてその魔力が完全に人畜無害である事も、
軽く伸びをすると、ベットから起き上がり、主治医にお礼を言って部屋を出た。
「はやて!」
部屋を出たとたんに抱きつかれた。衝撃でのけぞると、ヴォルケンリッターが勢ぞろいしているのが目に入った。
「みんな、待っててくれたんか?」
驚きながらも顔を綻ばせる。
「結果は如何でしたか?」
「ああ、大丈夫、の〜ぷろぐれむや、」
そう言って胸を張る。ヴォルケンリッターの表情に笑みがやどる。
「は〜、これでようやく連日の検査から開放や……って、みんな仕事はどうしたん?」
確か今日は全員仕事の筈だ。全員そろう事は有り得ない筈なのだが……
「我々3人はレティ提督が便宜をはかってくれました。」
シグナムはそう言ってシャマルを見る。彼女は医療スタッフと一緒に怪我人の治療に専念していた筈だ。
「私は、もう私が必要なぐらい重症な人は居なくなったから、少し休息をいただけました。」
そう言って舌を出す。彼女の回復魔法はそれをサポートするクラールヴィントの能力と合間って、
時空管理局最高レベルの回復量とスピードを誇る。それを生かして連日、大量に出た怪我人、それも重体の患者を
優先的に回復させていたのだ。さすがに生死の間を彷徨う人が居なくなったと言う事だろう、
「そか、しっかり休みや、う〜ん、今日は……疲れが取れるように豚肉炒めよか、」
「「賛成!」」
ヴィータとリンフォースの元気な声にシグナムが苦笑をもらす。それは、何時もの八神家の光景であった。
リンフォースが物を食べる事に突っ込むものは、少なくともこの家にはいない、
だが、何かを思い出したのか、フッとヴィータの表情が曇る。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:38:47 ID:gVCs77Ir<> 「あ、でもそういやさあ……アイツ……えっとにゃ、にゃ……」
「なのはだ、一寸呼ばないと直ぐそれだ。」
検査続きだった為、意味が分から無いはやてに、ザフィーラが軽く解説をする。
「なのはちゃんね……ユーノ君がいれば一発やねんけど……」
そう言って言葉に詰まる。彼女なら自分で答えを見つけるだろうと思う、だが、それ次の戦いに間に合わない
だろう、はやては、少しだけ考えて直ぐにヴィータを方を向き直った。
「じゃあ、ヴィータ、なのはちゃんの傍に居てあげてくれへんか、で、何か愚痴りそうになったら
ガツンと一発、そやなあ、指揮官の士気の低下の方がよっぽど怖いとかその辺の事言ってあげ、
多分理解してる筈やし、それで目がさめて指導に集中するやろ、」
「そっか、試してみる。ありがとはやて、」
ヴィータが軽くガッツポーズを決める。それにはやては、心の中で苦笑した。問題を先送りしているだけだと
理解しているからだ。そんなはやてを他所にリンフォースが素朴な疑問を口にする。
「そう言えば、シャマルは良く無限書庫に手伝いに行ってましたど……最近行ってませんでしたね、」
ユーノから連想したのだろう、そんな事を言って来る。確かにシャマルは最近無限書庫に呼ばれる事が無くなった。
未だ無限書庫の大部分は未整理だと言うのに、ヴォルケンリッター全員が首を捻る中、はやてがクスクスと笑い出した。
「あんなぁ、それ聞いた事があんねん、」
「笑うような事ですか?」
「ああ、そうや、聞いた所によるとな、副司書長が今の人になって直ぐぐらいや、
シャマルが手伝ってる日の修業後、新米の司書とユーノ君と副司書長、それと遊びに来たなのはちゃん
で雑談してたらしいねん、 で、シャマルの話題になった時、新米の司書が一言、
『お似合いですよね、』それが話しの内容から ユーノ君とシャマルを指しているのが明白で、
副司書長とユーノ君が一瞬氷ついてなのはちゃんの方を見たんや、そしたらあの子『確かに似合ってるかも』
その時のユーノ君の表情に、その司書は辞表書いて、「あの」副司書長が思わず逃げ出し、
後には全く空気の読めないなのはちゃんが残ったと言う……それからしいで、シャマルが呼ばれんように
なったんは」
廊下が笑いに包まれる。実際にありそうだ、最も、ユーノはこの手の小話のネタに
打って付けの人材であるため、真偽はの程はかなり怪しい、リーダーとしての素質も政治能力も十二分に持って
さらにそれを完全に生かせる最高幹部の一人に数えられるのに、その自覚が余り無く、どこが親しみ易いのが
その手の噂を増殖させているのだ。そして、話は自然にその手の都市伝説的な噂話に移って行く、
「あたしも聞いたこと有るぜ、副司書長が今の人に成るちょっと前にさ、駆け回っていて、
傍居にいた局員が何してるのか聞いたら、司書長を探してるって答えるんだ。
なんでも非番の日と有給をリンクさせてどっか行ったけど急ぎの用事で呼び戻す必要が有るとか、」
ヴィータの話に突然ザフィーラが割り込んだ。
「探してみると、ロストロギアの存在する可能性の高い遺跡に護衛も付けずに、遺跡探索に行っていた。」
「なんだ、知ってたのかよ、この話し、」
話を取られて頬を膨らませるヴィータにザフィーラが答える。
「と言うより、その前副司書長が尋ねた局員が私だ。」
「なるほど……実話かよ、」
半眼で呻くヴィータにザフィーラが頷く、そして何かを思い出した様に付け加える。
「それからほんの少し後に、その副司書長は死亡、今の人になった。」
「へえ、そうやったんか……」
はやては何気なく、無限書庫やB3区に続く通路を見た。
「大変なんやろな、彼も、今頃は……」
彼は今、相手の戦力を割り出す為に、無限書庫に篭っている筈である。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:39:34 ID:gVCs77Ir<> 机に向かって年老いた男が座っている。その机にはミッドチルダ式の魔方陣が浮かんでいた。
中央には時空管理局の提督である、リンディ・ハラオウンとレティ・ロウラン が映っていた。
「それで、私に復帰しろと言いたいわけか」
男の名をギル・グレアムと言う、かつて彼女達と同じように時空管理局の提督であったが、
訳有りで現在その地位を手放している。
「ええ、今は少しでも人手がほしい所です。」
グレアムは目を少しの間瞑るった。
「わかった。但し、三つの条件を守ってもらえるか?」
「何です?」
「一つ目は、私達とはやて達を合わせないこと、だ。」
モニタ越しに二人が息を飲んだのが分かった。彼は未だはやてに、自分が何者なのかを伝えていない、
「二つ目は、」
そこで一旦言葉を止める。自分の手を見つめ、そしてもう一度目を瞑ぶった。
それからゆっくりと深呼吸を、一度だけ行い目を開ける。
「私はもう二度と艦隊の指揮を取る立場にはならん、最前線にただの兵士として出させてもらう、」
今もグレアムの脳裏に焼きつくあの悪夢、ソレから逃れるように彼は大きな過ちを犯した。
今でも、戦場に出て、彼女達が期待したように艦を任されて、冷静な行動を取れるとは思えない、
「グレアムさん、貴方は未だ……」
「そう言う事だ。君がなんと言おうと、君の旦那を殺したのは私だ……」
沈黙が場を支配した。それを打ち破ったのはのはレティだ。
「分かりました、その三っつの条件を承諾します。正直な話、新造艦の艦長の選定がまた振り出しに
戻るのは辛いのですが、仕方の無い事です。直ぐに書類を製作しますのでしばらくお待ちください、」
グレアムは苦笑する。
「私は未だ、二つしか言ってないのだがね、」
それにレティは少し笑って答えた。
「もしもの時のはやてちゃん達の事でしょ?私が責任を持って引き継ぎます。」
あくまで軽口であると言うように、無理に笑みを作っている。それにグレアムも似たような笑みで答える
「そう言う事だ、頼んだよ、」
その声にモニターが消滅する。気が付くと後ろに二人の女性が立っていた。
リーゼロッテとリーゼアリア彼の使い魔である双子の猫だ。
「「お父様、」」
不安げに声を掛けて来た二人にグレアムは振り向く、
「ああ、御前たち、これから少しばかり訓練に付き合ってくれないか? 鈍った体を解さねば成らん、」
その言葉に二人は顔を見合わせると、直ぐに何度も頷き元気良く声を上げた。
「「はい!お父様!」」 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:40:21 ID:gVCs77Ir<> 無限書庫の奥地に無数の光が生まれ、それと一緒に魔道師達が舞い踊る。彼等は皆、
無限書庫に精通した精鋭の司書達だ。良く見ると彼等と戯れる光の渦は高度に洗練された
検索魔法である事が分かる。彼等の中央には大量の本が塊にされて溜まっていて、
それらは全て<旧支配者>に関する書物だ。そして、その塊の中央ではユーノが
さらに高度な検索魔法を使って本の中身を除き、必要な本を拾捨選択して、情報を纏めている。
副司書長は現在、その他の一般業務に付いている。
「この区域はこれで最後です。」
また一人の司書が書物を持ってきた。それにユーノは顔を上げる。
「ああ、有難う、それと、今度からこのデモンベインって書いてあるのは外してくれないか?」
「はい了解しました。皆にもそう言っておきます。」
そう言ってその司書は周囲を見渡した。こんなに書物が有るのにまだ十分な量の情報が集まっていない、
ほとんどの書物が、中途半端な記述しかない為だ。
「あの、やはり新米達にも手伝わせるべきでは……」
そう進言する。検索能力が彼等より低くても数さえ揃えれば戦力に成る筈だ。だが、ユーノは苦笑いをして首を横に振った。
「あのね、ソレをやったからコウなったんでしょ?」
そう言ってすでに検索が終了した区域を指差す。そこには新米の司書達が漂っていた。
皆、虚ろな表情で、目は虚空を彷徨い、口からはうわ言のような言葉を発している。
そして、その周囲には魔道書と思しき物が、クルクルと回っていた。
「僕等は浅い区域からタップリ慣らす時間が有ったから、行き成り深部の書物を読んでも平気だけど
彼がそれをやると、アアなるんだよ、」
そう言ってため息を付く、
「確かに彼等がアアなった書物が目的の物だって分かるけどね、使い捨てして良い訳じゃないんだから」
そう言って肩をすくめる。
「それに通常業務も必要だ。得に武装局員や各世界の軍が再編されるに当たってはね、何かと忙しくなる。」
そう言って司書を追い払うと彼はまた、自分の作業に没頭して行った。
その向こう側で廃人となった司書の周りを回っていた、一つの魔道書が輝きを失い、自らページを閉じた。 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:44:21 ID:gVCs77Ir<> 今回はインターミッションで終了です。
これで登場人物が全員そろいました。
なんかキャラの改造で色々有るようですが
分かっててやっているので見逃してください
あと多すぎて個別は勘弁
>>all職人様
グッジョブです。 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:46:23 ID:gVCs77Ir<> ああ〜!
最後の文章がおかしい、スミマセン
一度訂正します。 <>
魔法少女リリカルなのはACF@訂正 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:51:03 ID:gVCs77Ir<> 無限書庫の奥地に無数の光が生まれ、それと一緒に魔道師達が舞い踊る。彼等は皆、無限書庫に精通した精鋭の司書達だ。
良く見ると彼等と戯れる光の渦は高度に洗練された検索魔法である事が分かる。
彼等の中央には大量の本が塊にされて溜まっていて、それらの<旧支配者>に関する書物の中央にはユーノが居る。
彼は、さらに高度な検索魔法を使って本の中身を除き、必要な本を拾捨選択して、情報を纏めている。
副司書長は現在、その他の一般業務に付いている。
「この区域はこれで最後です。」
また一人の司書が書物を持ってきた。それにユーノは顔を上げる。
「ああ、有難う、それと、今度からこのデモンベインって書いてあるのは外してくれないか?」
「はい了解しました。皆にもそう言っておきます。」
そう言ってその司書は周囲を見渡した。こんなに書物が有るのにまだ十分な量の情報が集まっていない、
ほとんどの書物が、中途半端な記述しかない為だ。
「あの、やはり新米達にも手伝わせるべきでは……」
そう進言する。検索能力が彼等より低くても数さえ揃えれば戦力に成る筈だ。だが、ユーノは苦笑いをして首を横に振った。
「あのね、ソレをやったからコウなったんでしょ?」
そう言ってすでに検索が終了した区域を指差す。そこには新米の司書達が漂っていた。
皆、虚ろな表情で、目は虚空を彷徨い、口からはうわ言のような言葉を発している。
そして、その周囲には魔道書と思しき物が、クルクルと回っていた。
「僕等は浅い区域からタップリ慣らす時間が有ったから、行き成り深部の書物を読んでも平気だけど
彼がそれをやると、アアなるんだよ、」
そう言ってため息を付く、
「確かに彼等がアアなった書物が目的の物だって分かるけどね、使い捨てして良い訳じゃないんだから」
ユーノは肩を竦めると、手のひらを軽く振った。
「それに通常業務も必要だ。得に武装局員や各世界の軍が再編されるに当たってはね、何かと忙しくなる。」
それだけ言って、司書を追い払うと、彼はまた自分の作業に没頭して行く、
その向こう側で、廃人となった司書の周りを回っていた、一つの魔道書が輝きを失い自らページを閉じた。 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/14(日) 03:54:04 ID:gVCs77Ir<> 見直しは大切ですはい、
次からはもっと気をつけよう……
これもまた、最初の方を修正するかも…… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 04:26:55 ID:VGdW7uHO<> こんな遅くにお疲れ様です。
急いで投下したのか若干誤字脱字が多いように感じました。
少し間を置いてから読み直して、それから投下した方が良いと思いますよ。
続き、楽しみにしています。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 04:45:27 ID:0+gxaukE<> ユーノがシュリュズベリィっぽく(邪神と戦うために、相対する邪神の力を得る)なったりするのかな?
ともあれ俺の思考回路じゃこんな貧弱な想像しかできん。
今後の展開に楽しみです。
あと、デモベはマジおすすめです。角川スニーカーで小説が出てますので一度見てみたらどうでしょうか?
まぁ本来のクトゥルー神話とは別物になっていますがw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 07:44:36 ID:DC0walTe<> デモベとクトゥルーはホント別物だから、クトゥルーの話題が出る度にデモベデモベ言うのもどうかと。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 09:56:30 ID:QLUseQRM<> デモベはクトゥルーという大きな枠組みの中の分家の末端、異端の中の異端だから好き嫌いがきっぱり分かれる代物だな。
あと熱血ド根性色が強すぎて、なかなか他作品とマッチしずらいので扱いが難しい。
今回のように、小ネタで使わせるくらいが一番平和っちゃー平和。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 15:27:02 ID:lmQc7UAn<> まぁ、デモベはクトゥルー神話というものを知るには十分な題材ではありますけどね。
続編もクトゥルーに関係する存在が出てますし(シュリュズベリィとか)。
派生作としては秀逸な作品ですけど、あれを元ネタにはしないほうが吉ですね。
ということでデモベではなくクトゥルーを題材としたACFの続き、楽しみに待ってます。 <>
Lyrical igLoo<><>2006/05/14(日) 17:51:59 ID:RGOH8I0W<> 見渡す限り砂ばかりの大地を、複数の人影が歩いていた。
灼熱した陽光で、世界は白い。視界に納まるものは、澄み切った青空と大地のみ。
こんなところに、ほったてとはいえ支局を作る必要が本当にあったのか。この仮住まいにいる人間はみなそう思っていた。
確かに次元犯罪の阻止は自分たち時空管理局員の存在意義だ。
なるべく無人の世界に補給や観測の施設を造るという考えは理解できる。
でも、その当事者として、こんな背景が固定化されたような場所で勤務しなければならないのは、やはり苦痛だ。
本局から今朝届いた補給品のリストとの格闘に脳を疲れさせた彼は、建物と呼ぶのもおこがましい施設から出て、風に当たっていた。
「んぁ?」
視界に片隅に黒い点を見つけて、彼は、奇異に感じた。
この異世界は、確か「人間」はいないと聞いていた。いるのは自分のように、管理局から派遣されてきた要員だけのはず。
だが、少しずつ近づいてくる姿は、間違いなく人間だ。少なくとも外観は。それも、うち少なくとも1,2人は、女らしい。
荒涼とした場所に不釣合いなボディラインが、視力の良い彼にはわかった。
向こうも、こちらの姿に気がついたらしい。少し歩を早めてやってきた彼女らは、やはり魔導師らしかった。
「よぅ」
施設の前にたどり着いた人影が、デバイスを振り上げて、話しかけてきた。集団のうち、一番背の低い奴。声の質から見て、こいつも女らしかった。いや、少女か。そのわりには、男のような話し方をしやがる。
「こいつのカートリッジ、あるか?」
少女は、デバイスをかざして、そう言った。
彼は聞いたことがあった。最近、本局でベルカ式のデバイスを使う奴がいたとか聞いたが、この連中か。
だから、補給品のなかにも、カートリッジがカートン単位で含まれるようになったのか。
「弾だけなら、うなるほどあるぜ。しっかしえらく珍しいデバイスだな」
ベルカ式なんてな、彼は続くその言葉を口にできなかった。陽光に加えて顔をうつむかせている少女は、明らかな嘲りを含んだ声で、答えたのだ。
「そうかい。いろいろと、訳ありでね」
そして、構えた。その特徴的な、デバイスを。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 21:20:58 ID:PyLh9DbB<> 前スレが読めないだってー!!!しばらく見てなかったよ・・・・
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:33:54 ID:N0JDsXd5<>
こんばんわ、4の422です。名前の4がリンク数字にかぶるので数字を全部大文字に
してみました(あんま意味ないかな)。
で、A'sやっと視聴完了ー。はやてって強いんだな、おいw
まぁそれはいいとして、今更ながらどえらいことを。
なんでバルディッシュに「master」って言わせてるんだよおれーーー!!!
・・・以前のMyブツのバルディッシュの台詞「master」は全て「sir」に脳内変換お願いします・・・
と、〜もう1人の私へ・・・〜 まだ書けません、ごめんなさいっ!(某ネト(ry
変わりにクロノ×なのはが仕上がってきてしまいました。
前回のエロ初挑戦に引き続きラブ初挑戦です。
えーと、注意書きはどうすればいいんだ、
ラブ(予定)物、エログロなし、原作相違有り。
で、いいのかなw
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:37:06 ID:N0JDsXd5<>
「クロノくんって、もしかしてすっごく優しい?」
きっかけは、そう、あの一言だったと思う。
PT事件においてフェイト・テスタロッサの処遇を考えるあたり、あの対応は管理局
の執務官としてごくごく自然な対応だと思っていた。
当事者の少女、フェイトに幾ばくかの想いがあったためだとすらエイミィは僕をから
かったし、ともすれば自分でもそうだとも思ったこともあった。
でも・・・それは・・・どうやら間違いだったらしい。
あれからもう7年。今の僕、クロノ・ハラウオンの心の内には、一人の少女の笑顔が
常に意識の大半を占めるようになっていた。彼女は、今・・・
「おろ?、クロノくん、どないしてん?」
「えっ!?あ、ああ・・・はやてか」
誰もいないアースラのブリッジ。その執務官席で、頬杖をついてぼーっと彼女の事を
考えていたクロノははやてに声をかけられた。
「どしたん、1人で。まだたそがれる年ちゃうやろ、何考えとったん?」
「あ・・・いや、たいしたことじゃないんだ、気にしないでくれ」
嘘であった。
本当は誰か、いや、聞いて欲しい相手は決まっているのだが、この場合誰でもいいか
ら相談に乗って欲しいという意味で。
誰でもいいから話を聞いて欲しい。そして望めるなら、的確なアドバイスなりをもら
えるのが理想なんだが・・・そんなことできるはずもない・・・執務官としての立場だっ
てある。そんな考えがクロノの脳裏をよぎる。
「そか?なんや、てっきりなのはちゃんのことでも考えとったんか思てんけどな」
「んなっ?!?!」
思わず音を立てて椅子から立ち上がるクロノ。
(い、いったい何故、なのはのことは本人にも周りにも喋ったことなんかないのに!)
「ああ、やっぱりなー。うちの勘もまんざら捨てたもんちゃうな」
うんうんと一人頷くはやて。
「は、はやて、な、なんで・・・」
うろたえるクロノにはやての顔が近づいてくる。
(だめだ・・・この娘が何を考えているのか読めない!ぼ、僕ともあろうものがとにか
く落ち着け!は、はやてなら脅迫するとか場をややこしくするようなことは・・・誰かに
喋るようなことは・・・
・・・シャマル・・・アリサ・・・そして・・・・・・エイミィっ!!!!
まっ!まずいっ!!!最後のは人間拡声器か大出力サラウンドスピーカーにも匹敵す
るじゃないかっ!!!なっ!なんとか、なんとかしないと!!)
「あー、クロノくん、うちが誰かに喋る思ーてるやろ」
「っ!?」
(うっ、また見抜かれた。なんだ今日のはやては、悪いものでも食べたのかっ!?)
「心配せんでえーて、誰にも言わへんよ、クロノくんがなのはちゃんのこと好きやなんて」
クロノの心配を余所にはやては近づけた顔をふっ、と離すと、手を振ってへらへらと笑う。
当のクロノはといえば初めて他人から認識させられた事実にただうろたえるだけ。
(そう、僕は・・・高町なのはが・・・好きだ)
魔法少女リリカルなのは 〜 CherryLight 〜 Vol.1
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:37:55 ID:N0JDsXd5<>
とにもかくにもまずいっ、なんとかこの場を切り抜け・・・
「言わへんけどー・・・」
と、クロノが満足な対策を練る間もないまま敵が言葉で斬りかかる。
(とりあえず相手の出方を見るんだ、クロノ・ハラウオン。執務官としてこれくらいの
危機は今まで何度ものり越えてきたじゃないか、そう、この程度の危機・・・この程度・・・
・・・人生最大級の危機じゃないかっ!!!!!!!!!)
「おーおー、めずらしいなー、クロノくんがそこまで顔に出してうろたえるなんてなー」
「くっ・・・」
どんな顔をしてたのか気にはなったが、とりあえず今のクロノはそれどころではない。
「ええて、そんなに気ぃはらんでも。喋らへんから、言うてるやろ」
「信じて・・・いいのなら・・・その・・・助かる」
(無理だ、今の自分はとても冷静な判断ができる状態じゃない・・・せめてはやての機
嫌を損ねないようにすることくらいしか・・・)
「喋らへんけどなんやこう、ちょぉ喉渇いたりしてきたなー。こんなときに翠屋のミル
クティーなんかがあると楽しい思わへんか?クロノくん。春の新作ケーキセット付きな
んかを優しい上司からご馳走になったりするとうち幸せやなぁ。思わずなんもかも忘れ
てしまいそうや」
僕は君の上司じゃない、普段のクロノならこう返した・・・返すべきではあったが・・・
「よ・・・喜んでご馳走させていただきます・・・」
「えー、ほんまかー、クロノくん優しいなぁ」
満面の笑みのはやてに対し、クロノは白旗付きの敗北宣言・・・これくらいで済むな
ら安いものだ、彼女が言うなら他人に漏らしたりはしない・・・と祈るしかないかない
クロノであった。
〜 〜 〜 〜
アースラからなのは達の世界での駐屯地 −闇の書事件が終わってからはハラウオン
家の地球圏別荘扱い、だが− へ転移した2人は、揃ってなのは達の世界を歩いている。
ここからなのはの両親が経営する翠屋までは徒歩で15分程度の距離、遠くはない、
むしろ散歩程度に考えれば絶好の距離である。
・・・脅されてさえいなければ・・・
クロノの横に並ぶはやてはそんなに紅茶(ケーキ)が楽しみなのか、鼻歌まで歌いな
がら足取りも軽く歩いている。
「あの、はやて・・・」
「ん?何や?」
振り向くはやて。勢いで彼女のシンボルとも言えるX印の髪留めが揺れる。
「あの・・・くれぐれも他の人には秘密に・・・」
「まーたそんな、何回目やこれで。うちはそんなに信用ないかなぁ」
「い、いや、決してそういうわけじゃないんだが、その、言い方は良くないんだが、何
だか楽しんでいるように見えるから、その、こっちとしては少し心配に・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:38:31 ID:N0JDsXd5<>
「えっ」
瞬間はやての顔が曇ったように見えたが、それもほんの一瞬のこと、すぐに元の表情
に戻る。いや、むしろにへらっ、と企んでいるかのようにすらクロノには見えた。
「んー、楽しいは楽しいで。些細なことでも他人の秘密、ちゅーやつはな」
「楽しまないでくれ、こっちは真面目に大変なんだ」
「まぁ、大丈夫や、今日のところはケーキで忘れたるわ。クロノくんがどういう経緯で
なのはちゃんに好意を抱くようになったかの説明付きでな」
「まっ!まてっ!!なんでそんなこと言わなくちゃならないんだ!!」
思わず立ち止まって声を荒げるクロノ。周囲から妙な奴、という視線が降りかかる。
「もう、クロノくん恥ずかしいなぁ、一緒にいるうちのこともちっとは考えてーな」
「・・・君が変なことを言うからだろうが・・・ご馳走はする。でもそんなこと喋る必
要なんか全くないだろうが」
「ほほぉ、そーんなこと言いますかー、じゃぁ早速シャマルとエイミィさんを呼んで、
っと・・・」
「わー、まてー!携帯電話を取り出すなーーーー!」
「んなら説明してくれるな?」
「うっ・・・そ、それは・・・」
「えーと、なのはちゃんの番号は、っと」
「わかりましたご説明させていただきますーーーーーーーーーーー!!!」
「最初から素直にそう言うたらええねん、まったく」
言えるかっ!!!とクロノは叫んだ。無論心の内で。
〜 〜 〜 〜
地獄の15分の後、翠屋に到着する2人。相変わらず結構な人で賑わっている、その賑
やかな喧騒とは打って変わって、処刑台にでも登ろうかというクロノの表情。
(はぁ・・・ここにいる人達には僕のような悩みはないんだろうな・・・)
「席空いてるかなぁ、クロノくんのためにもちょい隅っこの席がええねんけどなー」
とりあえず、はやてなりの考慮はしてくれているらしい、が、だからといってクロノ
にとってどうなるというものではないが。
意気揚々とドアを開けるはやて。明るい声が2人を迎えた。
「いらっしゃいませー!」
(んなんでなのはがここに居るぅーーーーーーーーー!!!!!!!!)
2人を出迎えたのは誰であろう高町なのはその人であった。
「あ、はやてちゃん・・・に、クロノくん?なんだか変わった組み合わせだね」
「あははー、それが聞いてやなのはちゃん、クロノくんが・・・」
「うぉあーーーはやてーー早く席に着くぞーーーーーーー!!!!」
はやての首根っこを引っ掴んで偶然にも空いていた角の席に猛ダッシュするクロノ。
「(いきなり約束を破る気かっ!!!何考えてるんだっ!!!!)」
とりあえず席に座らせたはやてにクロノは小声で囁く。
「何勘違いしとんの、うまいことフォローしてやるつもりやったのに」
「え?」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:39:05 ID:N0JDsXd5<>
「まぁ、黙って見とき」
と、足早に歩みよってくるなのはをふと見たクロノは、彼女が翠屋のエプロンを身に
着けているのに気が付いた。
(お店の手伝いか。明日は確か上のランクの学業所の入所式だっていうのに。戦技教導
官と学業と家業の三立なんて大変だろうにな・・・)
かくいうクロノとて決して非凡ではない執務官業務を行っているわけだが。
「どうしたのクロノくん。駄目だよ、お店の中で走っちゃ」
2人のテーブルに水の入ったグラスを置きながらなのははクロノをたしなめる。
(う・・・そういえばなのはのエプロン姿は見たことが無かった・・・けっこうなのは
との付き合いも長いのに不覚と言えば不覚だった)
清潔そうな白いブラウスに翠屋のロゴ入りのエプロン。決して派手な衣装ではなく機
能本位なのに、クロノにはそれが眩しく見えてしょうがない。
(う・・・いかん、なんだか頬が熱い。ただのエプロン姿じゃないか、なのに・・・)
「それがな、聞いてよ、なのはちゃん」
その姿に不覚をとったクロノに「黙って見てろ」の視線を投げかけつつ、はやてはな
のはに話しかける。
「クロノくんな、翠屋のケーキ食べたいけど1人じゃ恥ずかしくて入れないから一緒に
来てくれゆーんよ。堂々と入ったらえーのにな。店員としてはどーよ」
「え、クロノくん・・が?・・・ケーキ?・・・」
なのはの顔がこちらを向き、ほえっ、とした表情でクロノを見やる。
なんてことのないシチュエーション。友人であり戦友であり同じ職場仲間であり店員
であればごくごく自然な会話に仕草、なのに。
(なんでこんなに可愛いんだろう・・・まともに顔が見れない・・・)
「え、あ、い、いや、まぁ、その、そう・・・なんだ」
色々な意味の照れが混じりうつむき加減になってしまうクロノ。
(ふ、ふつーに話せばいいじゃないか、なのはが不信がるだろう、なにやってるんだ、
僕は・・・)
「クロノくんって甘いもの好きだったんだ。やっぱりリンディさんの影響かなー。それ
ならそうと早く言ってくれればいいのに。まぁ、確かにうちのお店、男の人が1人だと
ちょっと入りづらいかもしれないけど。でも男の人でも来てる人いるよ」
(いえ、正直甘いものはあまり・・・その母の影響で嫌いになったとすら・・・)
「いや、その・・・」
と、なのははクロノの耳元に顔を近づけ、手を添えて小声でそっと囁く。
「(これからはどんどん来てね。お店に入るのが恥ずかしいなら私に言ってくれれば特
別に裏口からご招待するから。ね)」
なのはの吐息が耳にかかる。思わずうっ、と唸りそうになったクロノはあわててなの
はから身を引く。
「うん、店員から言わせてもらえばお客様は神様です。これからもどうぞごひいきにっ!」
ぺこりと頭を下げ、にっこりと笑顔をクロノに向けるなのは。ほのかに赤づき、まる
でうすく頬紅をあしらったかのようなその表情にクロノの鼓動が早鐘を打つ。
「ではこちらがメニューになります。ご注文がお決まりでしたらお伺いしますが?」
「ウチは春のケーキセットをミルクティーで。クロノくんはどないする?」
「あ、ああ、その、同じものを・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:39:59 ID:N0JDsXd5<>
「あれっ?クロノくんコーヒー派じゃなかったっけ?ミルクティーでいいの?」
メモを取っていたなのははあれっ?とクロノに問いかける。
一連の流れで半分思考停止状態のクロノは、その突っ込みにはっ、と我に返る。
「そ、そそ、そうだね、こ、コーヒーでお願いするよ」
「もう、クロノくんたら。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。ねーはやてちゃん」
「せやなー。でも恥ずかしい、の意味がちょぉ違ったりもするかもしれへんなー」
「へっ?」
「な、なんでもないっ!!、なんでもないんだなのはー!!!」
立ち上がり叫ぶクロノ。しまったと思う間もなく当然店内全ての視線が一斉にクロノ
に向けられる。
「う・・あ・・その・・・す、すいませんでした・・・・」
赤い顔で周囲に頭を下げつつ着席するクロノ。顔を上げると苦笑しているなのはの顔。
「あ、あの、お客様、店内ではなるべく大声は・・・その、お控えください」
「はい・・・すいません・・・」
クロノは、きっ、とはやてを睨むが、はやては何食わぬ顔でメニューを見ながらお冷
に口を付けている。
「では春のケーキセットをお二つ、ミルクティーとコーヒーのセットですね、かしこま
りました、しばらくお待ち下さい」
と、頭を下げ、厨房に向かおうとしたなのはをはやてが引き止める。
「あ、なのはちゃん、今桃子さんってお店におるんかな?」
「え?お母さ・・・っと、店長なら厨房ですが」
「あ、うん、わかった、ならええねん、気にせんといて」
「?」
「ええねん、とりあえずケーキよろしゅーな」
「あ、はい、ではしばらくお待ち下さい」
言って今度こそ席を離れるなのは。厨房に投げかけるなのはの声が2人に聞こえてくる。
「春ケーキ2つお願いしまーす」
なのはの姿が完全に厨房に消えるまで見届けたクロノははやてに向き直る。
「なのはの母さんになにか用でもあるのか?はやて」
「んーん、あとでちょぉデザートの作り方でも教わろう思てただけや」
「ああ、そうか」
「さて、と、ほんなら、ケーキくる前に、っと」
と、ふいに立ち上がるはやて。
「ん?どうしたんだ?」
「もう、クロノくんデリカシーないなぁ。うちがトイレとかやったら嫌われるで、そん
な風に聞いたりしたら」
「あ、そ、そうか、す、すまなかった」
しまった、それは確かにデリカシーに欠けた、と反省しきりのクロノ。
「まぁ、そうじゃないねんけどな。シャマルに夕飯の話あるさかい、ちょぉ外で電話し
てくるから待っとってや。逃げたらあかんで」
「・・・逃げないから早く行ってきてくれ。君こそ勢いでシャマルに話したりしないで
くれよ」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:40:42 ID:N0JDsXd5<>
こんなところでバラさせてはたまらないと逆にはやてに釘を刺すクロノ。
「ふふっ、わかってるよ。んじゃちょぉ待っとって」
携帯電話を手に席から離れるはやて。
レジの店員に声をかけ、ドアを開け外に出て、入り口の横ではやてが携帯電話を耳に
当てるのを確認したクロノは、ふぅ、と背もたれに寄りかかる。
(まいったことになった・・・が、まぁ、相手がはやてでよかった。と、思うべきなん
だろうな・・・)
思い出したようにグラスを手に取り口に運ぶクロノ。冷たい水が胃の中に染み渡り、
ようやく少し落ち着きを取り戻した。
(なのは・・・)
それでもやはり考えるのはなのはの事。
(もう7年も経つんだな、なのはに出会ってから・・・)
PT事件をきっかけとして2人は出会った。あの頃から考えるとまさか自分が彼女に
好意を持つとはクロノ自身、夢にも思っていなかった。
(最初はただの管理局の執務官と民間協力者との間柄、それから同じ職場の同僚として
の流れから今に至り、もう7年、か。こう考えると特に接点があったわけでもないし、
それこそ一緒に過ごした時間なんてほとんど限られてるんだな・・・なのはと逢っていた
時間なんて全部足しても一ヶ月分にも満たないんじゃないのか?・・・)
同じ職場、とはいえそれは時空管理局という大きなくくりでのこと。クロノは提督で
ありアースラの艦長。なのはは武装隊の教導官、立場としては全く違う。えてして彼女
との接点は職務的にはあまりない。
(この場合はフェイトのおかげなのかもしれないな、僕がなのはと逢えていたのは・・・)
PT事件をきっかけとして親友となったなのはとフェイト。そのフェイトがアースラ
つきの執務官となってからは、双方が双方に会いにくるため、必然、なのはが本来立ち
入るはずのないアースラにひんぱんに出入りする結果となり、そのためクロノがなのは
の姿を見る機会もおいおい増えた結果になっていた。
と、ほどなく。
「やー、お待たせやー」
携帯電話を手にはやてが戻ってくる。
パタン、と携帯電話を折りたたみ、椅子に座り、携帯電話をテーブルに置くと頬杖を
つき、クロノに視線を向ける。
「さて、ではお楽しみとまいりますかな」
「うっ・・・やはり言わないと駄目・・・なのか?」
来るべき時が来たかと、クロノ。無駄と知りつつ逃げようとはする。
「もちろんや♪」
無論はやてに逃がすつもりなどかけらもない。
と、そこに、水を差すわけではないが、トレイを手になのはがやってくる。
「おまたせしましたー。春のケーキセットになりまーす」
手際よくテーブルに2つのケーキを並べるなのは。二等辺三角形の形をした白いケー
キにはピンク色の桜の花びらが一枚、アクセントとして飾りつけられている。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:41:26 ID:N0JDsXd5<>
「こちらコーヒーです。前から失礼します」
と、クロノの前にコーヒーを置く。なのはのポニーテールがクロノの前で揺れ、ふわ
りと漂うなのはの髪の香り。
(いい香りだな・・・シャンプーか何かだろうか・・・)
そんなことを考えるもすぐにコーヒーの芳醇な香りにそれはかき消される。
「ミルクティー、です。ではごゆっくり」
トレイを胸に抱え、一礼するなのは。と、はやてが声をかける。
「なのはちゃん、「あれ」は大丈夫?」
「えっ、う、うん、用意してあるけど・・・一体何なの?」
「そのうちわかるて。んじゃありがとさん」
「はい、それでは何かありましたらお呼び下さい、失礼いたします。あ、っと、クロノ
くん」
「え、な、なんだい?」
「ケーキの感想、あとで教えてね。このケーキ、実は私がアイデア出したんだ」
えへっと笑うなのは、その笑顔にまた一つクロノの鼓動が跳ね上がる。
「おー、そうなんやー、そら楽しみやな」
「えへへ、はやてちゃんも後で感想よろしく。それじゃぁごゆっくり」
下がるなのはに視線を送りつつ、クロノが問う
「なんのことだ、「あれ」って?」
「ああ、気にせんでええ、女同士の話や」
「・・・よからぬことじゃないだろうな?なのはに何か変なことでもさせてないか?」
「なわけないやろ、勘ぐりすぎや。まったくなのはちゃんのことやとムキになるねんな」
「ち、ちがう、そうじゃない。その、純粋に心配してだな・・・」
「普段滅多にそんなこと言わへんやんか、うちに見抜かれたからいうて急に態度変えるん
もどうか思うで」
「べ、別になのはだから言ってるわけじゃ・・・その・・・」
「まぁ、ええわ、そゆことにしとこか。ん、おー、こら美味しいわ。なのはちゃん大し
たもんやなぁ。クロノくんも食べてみ」
自分のフォークでクロノのケーキを指すはやて。
「あ、ああ、う、うん。ケーキか・・・よかったらはやて食べてくれないか、その、なのは
には悪いんだが、正直甘いものは・・・」
「お、なんや、クロノくん甘いもんダメなんか?リンディ提督とかすごいのに」
「あれはもう病気だよ。そのせいで子供の頃から甘い、いや、もう甘いなんて表現すら
できないものをよく食べさせられてたんでね・・・」
「幼児体験、いうやつか、そらまた」
クロノの母、リンディは甘党である。コーヒーがコーヒーの香りのする砂糖水になる
のはもちろん、日本茶に砂糖を叩き込むほどである。
「んでも、騙されたー思て、ちょぉ食べてみ、意外とこれ甘くないで。ほらカロリー控
えめ、書いてあるし。それにな・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:42:00 ID:N0JDsXd5<>
「それに?」
また一口、ケーキを頬張りながらはやては言う。
「いまからこういうの慣れといたほうがえーんちゃうか?もし2人が、ゆー流れになっ
たら間違いなく試食とかはさせられるで」
もしクロノがなのはと付き合うようになれば、それはケーキとコーヒーが自慢の喫茶
店の娘。試食と称してクロノの前にケーキ等がずらりと並べられるのはいともたやすく
想像される。そしてそのケーキを挟んで向こう側には愛すべきなのはの笑顔。
「いっ、いや、べ、別に僕はそんな・・・なのはと・・・いや・・・その・・・でも・・・」
苦手と恋のはざまで揺れるクロノ。
ぶつぶつと呟きながら手に持つフォークをケーキに近づけ遠ざけしている。
そして意を決したかケーキの1/4ほどを切り取り、ゆっくりと口に運ぶ。
「くっ!!」
叫びと共に目を瞑り、それを口に放り込む。
(・・・あれ?)
軽い驚きと共にクロノの目が開かれる。
「どや、思たほどはないやろ?」
「そう・・・だな、食べ易い・・・」
意外であった。クロノにとってケーキとは砂糖の塊を舌に擦り付けられる凶悪な代物
という印象しかなかった。無論その間違った知識はリンディによるものだが。
対してこちらは口の中に入れた途端広がる桜の澄んだ香り。舌の上で踊る控えめな甘
さのクリーム。スポンジ部分に含まれたかすかなワインが喉の通りもよくする。
あっという間に口のなかから消えうせたケーキの感触を再度味わんと、クロノはいま
一度ケーキにフォークを入れる。
「CherryLight、言うんかー、名前もええやん、なのはちゃん流石やなぁ」
「ケーキってこんな味だったんだな、思ったほど甘くない・・・」
とりあえず攻撃力はあるものの耐えられない程度ではない、むしろこのくらいなら好
ましい、いや、というか・・・美味しい。
「感想としてはどうや?なのはちゃんの努力の結晶にかける言葉としては?」
「うん・・・美味しい。お世辞抜きで」
「こーゆーのから慣れていけば甘いもん好きになるで、クロノくんも。なんたってあの
リンディ提督の息子なんやさかいな」
また一つケーキを頬張りながら、あははと笑うはやて。
「まぁ、努力はするよ・・・必要になればね・・・」
「ま、それはおいおいや、として、そーろそろ聞かせてもらおかなー。メインの話を」
あらかたケーキを食べ終えたはやてがにっこにことクロノにせがんできた。
To Be Continue. Vol.2
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/14(日) 21:43:29 ID:N0JDsXd5<>
まだラブのラの字も出てきません orz
ほんとにラブになるんだろうな、これ・・・
というかなのはの出番無さすぎですね、反省します。むしろはやてが多すぎ、か。
とりあえず3回シリーズ予定。あと2回お付き合いお願いします。
ちなみに調理師資格を持つ友人に聞いてみました。
「なー、ケーキに桜の香りって付けれる?」
「菓子は専門外だし、特に最近の事情はしらんが、桜は問題ない、というか結構あるな」
「じゃあブランデーケーキってよく聞くけどワイン入りのケーキってあるのか?」
「菓子のアルコールはどの段階で入れるのかよく知らんなぁ、でもワインなんてあんま
りケーキに使わないんじゃないか?ありゃ肉とか用だろ。焼く前に入れるんだとしたら、
ケーキに入れられる量なんざ焼いたら全部飛んでいくと思うし(要約)」
自分は翠屋には就職できそうもありません orz
あと別段とかじゃないんですが、私なんかはこう作品を投下したときに前書きと後書
きって結構書くの楽しみなんですけどね。
ここけっこう書かない人も居るみたいで、そこだけはちょっと意外に思いましたかね。
(や、確かに前書きなしでいきなり上げたこともあったけどさw)
<>
さばかん<>sage<>2006/05/14(日) 22:39:10 ID:WzSeU8oD<> お久しぶりです。死んで無いっすよ。
今日は普通のエロです。
初めて読む方へ、これはつづきものです。 <>
さばかん 恋の終わり1<>sage<>2006/05/14(日) 22:40:40 ID:WzSeU8oD<> 君の居ない日々なんて・・・
「・・・と言いいま・・・3・・・の連休に夏、冬」
「今度・・・・私の家で・・・なんだよー」
「私の・・・ちゃんはねー・・・最近・・・だよー」
「ふ・・・ちゃ・・・」
君の居な、
「フェイトちゃん!!!聞いてるの!!!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それが先生の怒声であると分かったのに数秒の差があった。
廊下に立つ。その行為がいつかの日々に振り向かせる。
なのは・・・
あれから、数日が経過した。
あの日、なのはは傷だらけで帰ってきて、私は驚いた。
ユーノの薬で傷口を塞ぎ、格別何の危機もなかった。
その落ち着きの中で
月村すずか。
なのはの寝言が、不吉に響いた。
そして、不吉は突然やって来た。
月村すずか。
美しき、現象だった。
彼女は扉を破壊するなり、ユーノを気絶させ、
何故か私にナイフを投げ渡した。
それがハンデであると言う事は、言わずもがな理解できた。
結果は、私の骨と言う骨が折られて終焉だ。
獣と人では、そも比べる所が間違っている。
動物は身体的肉体が特化し、人間は脳と言う筋肉が特化している。
それほどの差だった。
偽りの牙では、彼女を傷付ける事は出来るが、打倒するまでは絶対に無理だろう。
頭の中で惨めな言い訳をしている時、扉越しに、なのはの叫び声が聞こえた。
だが、何もできなかった。
愛の為に、何も出来ない。
それが、頭に突き刺さった。
<>
さばかん 恋の終わり2<>sage<>2006/05/14(日) 22:42:02 ID:WzSeU8oD<> 昼休み、空きっ腹を思考で埋め、私は適当に廊下を歩いていた。
なのはとの思い出を辿っている。
チャットで偶然知り合って、なのはの相談に乗ったりもした。
互いに好きな歌手とか、食べ物とか、どんなマンガが面白かったとか。
兎に角色々、飽きもせず話した。
チャットって言うのは、今まで、詰まらないものだと思っていた。
趣味がバラバラで、話が続くと思えば止まる。
そんな流れに嫌気がさした時に出会ったから、何か運命的なものを感じた。
転校初日その時は驚いた。
なのはは私にいやらしい事をしてきた。でも、何故か彼女を恨み切れなかった。
それは、何故なんだろうか。私には分からない。
「にしても、なのはは何処に行ったんだろう・・・」
すずかが何処に連れて行ったのかは、探しようが無い。
警察に通報したりもしたが、容易く、丸められた。
全体の奉仕者なんて、ペテンだ。
犠牲愛(アガペー)など、有得ない。
手掛かりなど、何処にも無い。
すずかも、どこかに旅行したと言う。
詮方無い。今度私も休みを取って、
「え?」
思考が停止する。今、学校に有得ない影が私を横切った。
その影が曲がり角に消えるまで、眺めた。
「間違い無い。間違えるはずが無い・・・」
その影を追いかけた。
矢張りと言うべきか、校庭の裏側まで移動した影は私に振り向いた。
「よくも平然と此処を歩けたな・・・
月村すずか!」
眼球が捉えたのは間違い無く、すずかだった。
だが、違和感がある。すずかの笑顔が、何時もと違う。
すずかはほんわりと笑う。しかし、今のすずかの笑顔は、見覚えのある笑顔だった。
「そう怒らないで、フェイトちゃん。いや、」
自身に満ちたそれは、私の良く知っている。
「フェイト」
「え?」
知っている人の声ですずかであるはずの人がかつらを取った。
その、姿は。
<>
さばかん 恋の終わり3<>sage<>2006/05/14(日) 22:43:31 ID:WzSeU8oD<> 「クロノ・・・」
「ああ。久しぶりだな、フェイト。丁度一年ぶりかな?」
「う、嘘・・・嘘だ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!
い、いくら描いてる人が同じだからって、かつらを被せれば、はい、似てるって。
しかも、声!声とかどう出してるのー!」
狼狽するフェイトに、クロノは近付き、唇を重ねる。
「んっむ・・・くちゅ・・・びちゃっ・・・はっ」
絡まった舌と舌が離れ、糸を引き地面に落ちる。
「そんな事、どうでもいいじゃないか」
「ク、クロノっ・・・!そ、外でなんて・・・」
昼休み校庭、普段余り人が通らないプールの裏。
タイヤが何故か沢山ある場所。
でも、人が来ないとは保証できない場所。
「そんな事言って、乳首はもうたっているじゃないか」
後ろから服越しに、発展途上段階の、しかし、男を虜にする柔らかさだけ
は、持ち合わせているフェイトの胸。
男の肉とは違う女のそれを、クロノは酔うように手で味わっていた。
「心配するな、フェイト。ここも、ちゃんと可愛がってやる」
フェイトの尻を揉み、花弁に触れる。
クロノにとって、それは見慣れている。しかし、飽きることの無い欲の壷。
クロノが触らずとも、そこは男を迎えるのに十分過ぎる程濡れていた。
だが、それでも自分の手で可愛がらないと気がすまなかった。
「んっ・・・はっ・・・ク、クロノ、あんまり、焦らさないで」
「コイツが欲しいのか?」
すずかに変装していた為、下着も女性用。だが、股間にあるものは
欲望で膨れた、男のそれだった。
「あ・・・」
はちきれんばかりのそれをフェイトの胸に押し付け、服越しに擦り付ける。
赤い亀頭が白く、柔らかい生地を行き来する。
「だ、駄目!服が汚れる!!クロノ・・・」
「はっ!遅い!!こっちは少し早いけどなっ・・・!」
制服に飛び散る、白く濁った精液。
「ああ、すまない。フェイト、僕の愛を嘗め取ってくれ」
「・・・・・・はい」
胸に粘りついた精液を口に運ぶ。
「はっ・・・ぺちゃっ」
精液は簡単に言えば、タンの味に少し似ている。
クロノとこう言った関係になって、最初の頃は、抵抗があったこの行為。
だが、一度味を知ってみると、大して不味くない。いや、味が余り無いと言うのが
適切だろう。
無い味を美味しくするのが、愛の仕事だろう。
<>
さばかん 恋の終わり4<>sage<>2006/05/14(日) 22:44:21 ID:WzSeU8oD<> 服に付いた精液を嘗め終えると今度はクロノの尿道に残った精液を吸いだす。
「ぺちゃ・・・クロノのおちんちん、熱い・・・」
「くっ・・・」
射精したばかりの男根には刺激が強く、フェイトの口内で少しはねる。
その反応を楽しみつつ、フェイトはクロノの男根を可愛がる。
「フェイト・・・そろそろ」
呼びかけに答え、口を離す。
「フェイト。僕の上に乗って」
山積みにされたタイヤの上に載り、欲望の椅子と化したクロノがフェイトを待つ。
「うん・・・」
熱い花弁をクロノの亀頭に宛がって、フェイトは徐に座った。
「あっ、あん、ああああ・・・クロノっ!いい!!!」
腰を上下に動かし、捻じ込み、奥までいれる。
「くっ、しま、る」
歯を食いしばり、快楽の波に耐える。
「はあぁぁあ、あん、あっ、あぁ」
喘ぐフェイトの胸を揉み、耳たぶを甘く噛む。
その時、
「ねぇねぇ、今度の『劇場版トリック2』見に行く?」
「絶対行くー。私、上田教授大好きー!ど〜んとこーい、ははー」
「私、ミラクルみついが好き・・・」
「誰それー?」
ははははと談笑する。
「!!」
「・・・声が近いなぁ、このままじゃあ、ばれちゃうかもな」
その声に心配の色など無い。寧ろ、声は少し大きめだった。
「クロノ!声が大き、わっ!」
フェイトの声を無視して、ピストン運動を加速させる。
「ひゃっ!あっ、あんあんあん・・・駄目!このままじゃあばれちゃうう」
言いながらも、フェイトの首筋はほんのり桜。
クロノはイジワルそうに笑う。
「別にばれても構わない。さぁ、楽しもう!!」
繰り返される必要な出し入れに、フェイトは恥を忘れて、喘ぎ始めた。
「あ、あ、あ、ああああ・・・はっ、んっ」
もう、ばれてもいい。いや、見て。私とクロノが求め合う姿を、見て。
「フェイトー!!!!出すぞ〜〜〜〜!!!!」
「な、中にッ・・・中に出して」
「ああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
絶頂の声がプール裏に暫く残響した。
つづく <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/14(日) 23:18:06 ID:Xs/SR47j<> >>201 4の422さん
乙です。クロノ×なのはをリクさせて頂いた91です。
>まだラブのラの字も出てきません orz
なのはのエプロン姿に悶えるクロノでクロノ→なのはのラブは十分感じられましたw
あとはどうクロノ⇔なのはになっていくかというところですね。続き頑張って下さい。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/15(月) 02:17:32 ID:JJFJYW5h<> 190さん、4の422さん、さばかんさんGJっすw
なんか一日こなかったらすごい伸びてる・・・
職人の皆さん、いつもよいものをありがとうございますm(_ _)m <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/15(月) 04:21:05 ID:HSTl7TW8<> 4の422氏
なのは好きの俺にとっては非常にありがたいです!!
>不覚と言えば不覚だった
ワロタ
まるで画像を整理しているときに俺が言いそうな台詞だな <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/05/15(月) 18:09:23 ID:UpxTJIlZ<> 4の422氏
めっちゃナイスです。
ってか、無印の反応見ててA'sでまったく反応ないのはハッキリ言ってありえない。
不自然感じまくりでした。無理にフラグを消した感じがして気持ち悪かった。
いくつか見てるけど、やっぱ『クロ×なの』はイイ。
がんばって書いてください。応援してます。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/15(月) 18:12:00 ID:UpxTJIlZ<> ごめんなさい。誤って上げてしまいました。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 15:43:39 ID:mHdtA0iY<> エルルゥ風味のシャマル×ユ−ノくんのSSってありですか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 18:17:34 ID:wMNsqOiD<> >>212
私は一向に構わんッッ!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 19:45:17 ID:ULRbEyvR<> >>212
ケモノ系カップル…うん、い・・・いかなーとか思ったが
・・・リーゼs×ユーノと考えてちょっと思考停止
でもシャ×ユは良いと思う。期待します!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 20:13:16 ID:RdPPrmsf<> リーゼ×ユーノ・・・捕食かw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 20:37:58 ID:ltRjFuyz<> ああ、オレの書いたリーゼ×ユーノがつまらなすぎ。
やっぱり誰かちゃんとしたのを OTZ
食べられるししかも3Pも?
(グロはw) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 21:09:28 ID:Mq4pejwA<> >>216
ユーノは治癒魔法をてぃむぽにかけ続け魔力の限り
起ち続け出し続けるのだ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 21:11:39 ID:Jz+Tucon<> >>217
しかし魔法は尻から出る <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 21:42:51 ID:Mq4pejwA<> はぁ〜さっぱりさっぱり。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/16(火) 23:39:32 ID:vTWW1/Ym<> いまさらながらシャマルとエルルゥの声同じなことに気づいた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/17(水) 02:43:27 ID:Vd/P2b44<> 第8話「高町家の夕食の時の事件なの」始まります。
時間は進んで今は夕食を食べ終わったところです。
「それにしても、今日は女性が多くていいな〜」
お父さんは今日ワタシの家に泊まりに来ているアリサちゃん、すずかちゃん、はやてちゃん、リニスさん、フェイトちゃん、アリシアちゃんを見ながらそう言いました。
夕食を食べて今はゆっくり過ごしている最中なのですが、何もすることがないので食卓で私たちは喋っています。
しかもお父さんとお兄ちゃんの前にはビールがあって二人の顔は既に赤くなっているのに私は気づきました。
「お二人はお酒は強い方ですか?」
最初にお父さんとお兄ちゃんに声を掛けたのはリニスさんでした。
「あぁ強い方だよな。父さん」
「あぁ、恭也の言う通りだ。強い方だよ」
(お父さんもお兄ちゃんも強くないじゃないの今の顔なんて赤くなって酔ってますって言ってるようなものじゃない)
私は心の中で呟きながら呆れて二人を見てます。
「ん?なんだ、なのはも飲みたいのか?コップに注いであげるから飲もう、な?アリサちゃん達も一緒に飲もうじゃないか!」
お兄ちゃんは私が呆れて見ているのを一緒にお酒を飲みたいと思ったらしくコップを出して自分の前にある開いてない缶ビールを開けてコップに注いできました。
「あ〜!なのはイイなぁ…私も飲みたいなぁ」
フェイトちゃんが私の右隣からいきなり乗り出して私がまだ口をつけていないコップからビールを一気に飲み干していました。
フェイトちゃんが飲んだことで、次々とドミノ倒しみたいにどんどん泊まりに来ていた私の友人は酔っていきました。
「すずか〜聞いてよ〜なのはったら前は私たちと一緒だったのに今はフェイト、フェイト〜って言うんだよ〜」
アリサちゃんはすずかちゃんに絡みながらグチを零しています。
「アリシア〜ひっく、ひっく、うえぇ〜〜〜〜ん」
リニスさんは泣き上戸みたいです。
私は…と、言いますと、
「なのは〜んふふふふふ〜〜〜〜〜〜ダイスキ〜」
フェイトちゃんに好かれていました。
そして
「フェイトちゃん…聞いてよ…闇の書事件でヴィータちゃんを止めたに入った時ヴィータちゃんひどいんだよぉ「白い…悪魔!」なんて言ってきたのヒドイと思わない?」
私は以外に絡み酒みたいでした。
台所はヒドイ有様だったと跡でお姉ちゃんから聞きました。
続く
最終話「フェイトちゃんの意外な秘密で結婚なの!?」にドライヴイグニッション? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/17(水) 23:07:31 ID:DXMimrKo<> 夜天の書の誕生物語を書こうと思った。
挫折した…
だれか、たのむ… <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:34:02 ID:f5yvhvCq<>
こんばんわ、4の422です。
CherryLight、VOL.2が仕上がりました。(遅筆な私にしては)割合軽快に筆が進んで
いるようです。
ただし今回もなのはの出番が・・・・・・・・・orz
A's12話を見て以来はやての強さ変身シーンととすずかの胸の大きさばっかりが印象
に残ってしまってもう(^^;)
(注:すずかのは13話じゃねーか、という突っ込みはご遠慮下さい)
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:34:40 ID:f5yvhvCq<>
魔法少女リリカルなのは 〜 CherryLight 〜 Vol.2
「さーて、聞かせてもらおうかー、うりうり、洗いざらい吐いてまえー」
せがむはやて。
「いや・・・、だからだな・・・その・・・」
対するクロノはぶつぶつと呟きながらケーキをフォークで突き刺している。
「・・・うちが携帯電話を手に取る前にはよしーや」
「わかった!わかったから。言う前に携帯電話を持つんじゃない」
今にも携帯を開きかけるはやての手を止めるクロノ。観念するかのように口を開く。
「んではクロノ・ハラウオンさん、ご説明をよろしくお願いします」
はやては携帯をマイクのごとく突き出し、アナウンサー気取りでクロノを促す。
「説明、って言ってもな・・・僕自身よくわかってというか・・・その・・・」
「んー、まぁ、そういうのもあるかもしれんな。なら意識しだしたんはいつ頃よ」
「・・・強いて言うなら・・・フェイトの事件が終わった時・・・かな・・・」
「それて、ほとんど逢った頃ちゃうんか?」
「かも・・・しれない・・・。PT事件が終わって。フェイトがアースラに捕らえられ
て、裁判で処遇を待つ間、次元震の影響で数日なのはがアースラに滞在してたんだ」
「ああ、なんやそんな風に聞いたことあるな」
「そのとき・・・なのはが僕に言ったんだ、僕のことほんとはすごく優しい?、って」
「ほぉーほぉー」
「あれはフェイトの処遇を決めるにあたって、執務官として当然の考えだったと思って
た、でもなんだかその時からかも・・・しれないな。なのはを見てるとなんだか不思議
な気持ちになったのは・・・」
「フェイトちゃんを管理局の保護観察扱いにして嘱託として従事させる、ゆー、あれの
ことやな」
「ああ・・・」
言ってコーヒーに口を付けるクロノ。はやてもつられてカップを口に運ぶ。
「あの後・・・なぜかはわからないけど、考えてみたんだ。もしエイミィに同じことを
言われたらどうしたか、って」
「エイミィさんに、かー、言われたらどうやった?」
「別に・・・そんなはずあるか。その一言だと思う」
コヒーカップに視線を落とし、ゆらぐ水面を見ながらクロノは語る。クロノにはそこ
にエイミィの顔が映っているように見えるのだろうか。
「なるほどなー、そか、周りのみんなは多分クロノくんとエイミィさんお似合いや、思
てるやろうけどな」
「母さんにもそう言われたことはあったけど・・・僕はエイミィに・・・そういう感情
は持ってないよ・・・エイミィには悪いけど・・・」
はやてはえっ、と驚く。
「なんや、エイミィさんの気持ち知っとんたんかいな、意外やなー、てっきり気付いて
ないもんや思ってたわ」
「ただの同期ならあぁまで僕にからんだりはしないだろうしな、それになんとなく伝わっ
てくるよ。エイミィとはもう長いからね」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:35:12 ID:f5yvhvCq<>
「意外と女心がわかってたんやなー。にしては自分のこととなると反応がえらい初々し
いのはどういうわけや?」
「・・・しょうがないだろ、こんなの初めてなんだから・・・」
カップからもはやてからも視線を外し、横を向いてクロノは小さく呟く。
「・・・は?」
はやての頭上に特大のクエスチョンマークが浮かんだ。
「ま、まさか、クロノくん・・・初恋や・・・なんて言うんじゃ・・・ないやろな・・・」
「・・・わ、悪かったな、初めてで・・・」
なおいっそう小声になるクロノ。はっきりと赤くなった顔が横顔からでも見て取れる。
「初めてなんかーーーーーーーーーー!!!!」
「ばっ、馬鹿っ!!大声出すな!!」
無論クロノも大声である。さらに2人とも立ち上がるまでしている。
そして2人はまたしても周囲の視線に晒されることとなる。
「や、あはは、す、すんまへんでした、何でもないんですー何でも」
「・・・」
へこへこと頭を下げながらはやては、無言のままうつむきながらクロノは椅子に座り
なおす。
「(馬鹿っ!恥ずかしいだろうが!)」
「いや、クロノくんだってさっきでっかい声だしてたやん」
「それだって君のせいだろう」
「や、まぁ、それはええとして、うわ、びっくりや。初恋て、クロノくんもう21やろ?
ちょぉ、言うたら悪いけど遅すぎひんか?」
「仕事で色恋沙汰なんてそんな暇なかったよ、僕には・・・」
「うわ、そんなん自分で言うか、普通」
「う、うるさいな、いいだろ、人のことなんだから」
横向きのままクロノははやてと目も合わそうとしない。
「しっかし、そんな、もう、えーっと・・・6年・・・7年にもなるんか?そんな長い
間よー片思いのままおったなぁ・・・満足なアプローチもせんと」
「・・・」
いくぶん呆れ気味のはやて。
「そんなん、告白しようとか思わへんかったんか?」
「出来てれば苦労しないよ。それに元々なのはとはそれほど接点はないしな。向こうは
僕のことなんか何とも思ってないよ」
「むー、クロノくんっ!」
「うわっ!!」
こちらを向かないクロノに腹を立てたか、はやてはやおら手を伸ばし、クロノの顔を
無理やりこちらに向かせる。
「あんな、クロノくん、そんな後ろ向きなことでどーするんや!そんなんじゃ上手くい
くもんもいかへんくなるで!!」
「は、はやてっ!ちょっ、手っ!手を離してくれ!!」
もがくクロノだが、がっちりとはやての手はクロノを掴んで離さない。
「それにな・・・」
ふいにぱっと手を離すはやて。クロノは器用に椅子に座りながらたたらを踏む。
「クロノくん、そんなままでえー思とる?自分、ライバルがおらん、とでも思とるんか?」
「うっ・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:35:43 ID:f5yvhvCq<>
ユーノ・スクライア。クロノの脳裏に今最もなのはに近しいと思われる人間の顔が浮
かび上がる。彼はクロノと違い、その気になればなのはと寝食を共にすることすらでき
る間柄だ(動物形態、という制限付きではあるが)。さらにユーノがなのはに好意を抱
いていることはクロノのみならず周知の事実。いまだ持って2人が付き合いを始めたと
いう話を聞かないのが救いだが・・・おそらく彼が一念発起すれば、クロノに勝ち目は・・・
「目ぇ逸らしたらあかん!」
「!!」
うつむこうとするクロノを叱責するはやて。クロノははっ、と顔を上げる。
「ユーノくんだけちゃうで」
「えっ?」
(ユーノのことは見抜かれて当然かとも思ったが、だけじゃない、だって?)
「ファンクラブまであんの知らへんのか」
「な、なにっ?!」
そんな話はクロノには初耳だった。武装隊に新人が入るたび、なのはに対する様々な
色恋沙汰を含む話が当の新人の間で飛び交うのはクロノとて承知していた。だがそれも
なのはの容姿に似合わぬ実力を目の当たりにすると、いやむしろやはり容姿からは想像
もつかぬその教育方法をその身に受けると、とたんその手の話題は潮が引くように一気
に収束し、変わって彼女に対する一つの呼称が浮き上がる。「鬼教官」と。
「な、なのはの妙な通り名は僕も聞いているが・・・ファンクラブだって?」
「ああ・・・あれな。あれ、当人は知らんみたいやから言うたら駄目やで、傷つくわ」
「?僕の耳にすら入ってるのになのはは知らないのか?鬼・・・」
「(言うたらあかんて!どっから漏れるかわからんで)」
しー、と人差し指を口に当て、きょろきょろと周りを見渡し、小声でクロノを諫める
はやて。そこまで気にしなくてもいいのでは、とは思ったが、クロノは素直に従う。
「あ、ああ、そ、それもそうだな、すまない・・・」
「ほんまあれ聞いたら傷つくで、気ぃつけや、今後ともな」
「う、うん・・・そ、それより、何なんだそのファンクラブ、っていうのは」
「ああ、せやったな。んー、まぁメインのメンツはなんやかんや言いながら武装隊の人
達かなぁ、あとアースラの人達も結構おるな、ま、局全体で見れば100人ほどらしいで」
「ひゃくっ!?そんなに居るのかっ?!」
「甘いで、クロノくん」
はやてはびしっ!とクロノの鼻面に人差し指を突き出す。
「非の打ち所のないあの容姿、そして「普段」の性格。癒し、というか周りに活力を与
えるあの言動。下手なアイドル顔負けやで。そう思たら少ないくらいや、100人なんて。
それはクロノくんかて重々承知しとるやろ?」
クロノの鼻っ柱をつんつんと突付きながら切々と語るはやて。
「・・・た、確かに」
クロノ自身なのはのそういう部分にも、もちろん惹かれている。否定する要素などあ
るはずもない。
「あんな、クロノくん」
と、ふっ、と突き出していた指をひっこめると、不意に真面目な表情なるはやて。
「こっからはまぁ、ちょぉ、うちの推測も入るんやけどな・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:36:21 ID:f5yvhvCq<>
が、それもつかの間、ややうつむき加減になり、先ほどのごたごたでテーブルの中央
に裏向きに鎮座していた携帯電話を指でもてあそびながらはやてが言う。
「な、なんだ?・・・」
その指がぴた、と止まったかと思うと、ずいっとはやてはクロノの方に身を乗り出し
てくる。
「もしかしてクロノくんが告白せぇへんのって、ユーノくんがおるからか?それとも、
自分は提督の立場がある、とかむこうはむこうのの立場がある、とか思とるからか?」
「ぐっ・・・」
まさに図星、そのどれもがまさにクロノの足を掴んで離さぬ3要素であった。
「図星みたいやな、その顔やと・・・」
「だ、だってそうだろう!なのはは今自分が置かれている局の状況を喜んで受け入れて
いるじゃないか。そんなときに心を乱すようなことを言ったらなのはだって迷惑するに
決まってるだろう!なのはが仕事に支障をきたしたらどれだけの人達が迷惑するかわかっ
たものじゃない」
「そんなことわからへんやろ?それ直接本人に聞いたんか?」
「き・・・聞かなくてもわかるだろう、そんなこと」
「クロノくん・・・それ、言うたら悪いけど、逃げてるだけやで」
クロノとの距離を保ったままはやては言い放つ。クロノの胸にその言葉は深く深く突
き刺さる。
「っ!?」
はやてから目をそらし、唇を噛み締めるクロノ。
「・・・そんな・・・こと・・・君に言われなくたって・・・」
言われなくても、クロノとてそれが自身への言い訳だとはとうの昔に気付いている。
ただ満足な恋愛経験のないクロノにはそれを乗り越える勇気がなかった。ただそれだ
けであった。
「わかってるんやん」
はやては、つぃ、と身を引き、椅子に座りなおすと、カップに残ったミルクティーを
飲み干した。
「ユーノくんのことかて、まぁ、なるかならんかはよぉわからへんけど、向こうがその
気になれば明日にでも告白するで」
言ってそれはないかな、とも思うはやてではあったが。
「だ、だからって、そ、そんな、告白なんて・・・急には・・・」
カチャ、とカップをソーサーに置くと、はやてはクロノに視線を戻す。
「あんな、クロノくん。クロノくんが恋愛下手なんはよーわかったけどな」
と、はやては携帯電話をポケットにしまい込む。
「べ、ベタ、って、そんな風に言わなくてもいい・・・じゃないか・・・」
そしてまたずいっとクロノに顔を寄せ、小声で囁く。
「(思うになのはちゃんってな、多分告白されたこととかない思うで)」
「は?」
「(このへんもやっぱり推測入ってんねんけどな、なんやなのはちゃんって今ひとつ、
こう、告白するとかされるとか、そーゆー雰囲気ない、思わんへんか?)」
「・・・」
クロノの脳裏に浮かぶ数々のなのは映像。
「(別に変な意味ちゃうんやで、なんやこう、そーゆー流れを無意識のうちに跳ね返し
てまう独特の雰囲気、ゆーか、言うなれば神々しさ、みたいなのもってるように思わへん?
なのはちゃんて)」
「確かに・・・それは・・・同意できる・・・な」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:37:08 ID:f5yvhvCq<>
「(なのはちゃんてな、多分今の自分にものっすご満足してる思うねん、クロノくんの
言う通り、な。)」
「あ、ああ・・・」
「(その辺が、逆にこう、なんや特定の人物、っちゅーのの入り込む余地を無くしてる
思うんよ、うちは)」
「ず・・・すいぶん鋭い考察だな・・・」
体制を戻し、お冷を口に運ぶはやてをある意味尊敬の眼差しで見つめるクロノ。
「ま、女の勘、いうやつやな。それにうちかて伊達に友達やっとるんとちゃうで」
コト、とコップを置くと、はやてはまた携帯電話を取り出し、くるくるともてあそぶ。
「やからな。案外と早いもん勝ち、ゆーんはある、思うんよ」
「は?」
「そーゆー免疫がない、っちゅーことや。告白したことはもちろん、されたこともない、
っちゅーときに最初に告白されようもんなら、その人は間違いなく恋愛ランキングの1
位になれるはずやで」
視線は携帯電話のまま、誰となしに伝えるかのようなはやて。
「・・・つまり・・・免疫のないうちに事に及んで、強制的にこちらに意識を向けさせ
ろ、とこう言いたい・・・のか?」
「言い方妙やけど、まぁ、だいたいそーゆーこっちゃな」
「なっ!」
がたっと椅子を鳴らして立ち上がるクロノ。と、今回は言葉を紡ぐ前に、はた、と動
きを止め、ちら、と周りを見渡してから咳払いを一つ入れ、椅子に座りなおす。
「そんな卑怯な真似ができるわけないだろ、そんなことしなくたって僕は・・・」
「そんなん別に卑怯ちゃう。それに卑怯言うたら今のクロノくんの方が卑怯や」
「何?」
クロノが立ち上がる、の動きを見せてもいまだにはやては携帯電話を見つめたまま、
そちらに視線を向けようとはしない、が、
「自分に対して卑怯や、言うてるねん」
その向かわぬ視線の中、クロノにははやての表情にわずかな悲しみを感じる。
「さっきも言うたけど、クロノくん、逃げてるだけや、目の前のことから」
「い、いや、だからそれはそうじゃなくて・・・その・・・」
(な、何なんだ、どうしたんだはやては?!)
色濃くなるはやての悲しみの表情に、クロノには言うべき言葉が見つからない。
その表情のまま、ゆっくりとクロノに向き直るはやて。
かすかに潤むその目でクロノをまっすぐ見据える。
「このままやと悲しいだけやよ?多分このままやったらクロノくん、誰かに先越される、
賭けてもええ。自分に嘘ついて、自分の気持ち押し殺して、そんでこのままずーっと・・・
ずーっとこのまんまのつもりか?そんなつらい気持ち抱えたまま生きていくんか?そん
なんあかん、悲しすぎる。クロノくん、どっかで潰れてまうで。
人は一人では生きていけへん。だから人は人を愛するんや。人を愛することは恥ずか
しいことや卑怯なことちゃう。生きてくため必要なことや。一人で悩むのはもっとあかん。
そんなん絶対に答えなんか出ーへん。誰でもええ、相談しーや。リンディさんでも場合
によっちゃエイミィさんでもええ、それが駄目ならうちが聞ぃたる。
そんで自信付けるんや、面と向かい合って自分の気持ちを相手に伝える、その勇気を
持つんや。そうでないと・・・そうでないと・・・あかんて・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:38:19 ID:f5yvhvCq<>
話すうちに溢れくる涙をぬぐいもせず、はやては一気にまくしたてる。
はじめのうちその涙に戸惑うクロノであったが、中盤以降は伝わりくるはやての心が
逆に彼を落ち着かせていた。
「・・・ありがとう、はやて」
言ってクロノはポケットからハンカチを取り出し、はやてに差し出す。
そのハンカチを見て初めてはやては自分が涙を流していることに気づいた。
「あ、や、あ、あははは、あかんあかん、あ、熱ぅなってもーたな、や、ごめんなクロ
ノくん、なんか偉そうなこと言うてしもーた。あはは、あかんあかん、どーも昔リイン
フォースのことがあって以来涙もろーてあかんわ。かっこ悪いなぁ、うち」
手で涙をぬぐうはやてにクロノは答えず、差し出したハンカチをさらにはやてに近づ
ける。
「ん、おーきにな・・・」
受け取ったハンカチを目頭に当てるはやて。
「ごめんな、なんや言うこと滅茶苦茶やったな。なんやしらんけどうちも興奮してもー
たわ。ほんま、堪忍したってな」
「お礼はこっちの方だよ、そこまで真剣に考えてくれてたなんてな。その・・・嬉しいよ。
ありがとう、はやて」
いつもの、はやての知る、凛としたクロノの顔。
「その顔やと、少しはうちの言いたいことわかってくれたんかな?」
「ああ、十分すぎだ」
「ん、そか、あはは、こんな恥ずかしいとこ見せた甲斐があったわ」
目を閉じ、最後に今一度ハンカチで涙を拭うとはやては笑顔を取り戻した。
「ちっとも恥ずかしくないさ、むしろ・・・その・・・綺麗だったよ」
「なんやそれ、泣き顔誉められたかて、ちーとも嬉しないわ」
「そうか?いや、でも、十分魅力的だったよ。はやての真剣な顔がね」
「ふふっ、へんなのー、や」
「ん、嘘は言ってないけど、自分でも多少変なことを言ってる・・・とは思う」
言って2人は笑いあう。無論、周囲に迷惑をかけぬよう、やや抑えた笑い声で。
「で、どや、そろそろ決心ついたか?」
「ん?何のだ?」
素で返したクロノに対し、がくっ、とこけるはやて。
「ちょ、何って、告白に決まってるやん。うちの涙を無駄にする気かいな」
「ま、まてまてまて、そ、それはいくらなんでも性急すぎるっ!」
「まーだ吹っ切れとらんのかいな。まぁ、初恋クロノくんには確かにハードル高いかも
しれへんけどやな・・・初恋やしなぁ・・・でも初恋かぁ・・・」
「そんな繰り返すなよ・・・」
「よし、こうしよ!」
ポン、と一つ手を打つと、にこっとはやては自分で自分を指差す。
「うちで練習してみ?」
「・・・は?」
数度まばたきした後、眉をしかめて聞き返すクロノ。
「・・・何の・・・練習をだ?」
「はぁ?告白にきまってるやろ?何言うてんの、まったく」
「い、いや、君こそ何を言っている・・・」
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:39:07 ID:f5yvhvCq<>
「だーからー、いまクロノくんの前におる美少女は八神はやてやのーて、クロノくんの
想い人や、だからうち・・・わ、わたしに告白してみて、クロノくん」
「・・・いや・・・無理以外の何者でもないんだが・・・というか無理に声色なんか使
うな、今までの雰囲気がぶち壊しだぞ、というか自分で美少女って言うな・・・」
「ええぃ、わがままやなぁ、んならこれでどうや」
言ってはやてはトレードマークの髪留めを外すとポケットからリボンを取り出す。
そしてそのリボンで髪を纏めようとして、はた、と手が止まる、
「う、しもた、髪の長さが足らん・・・しゃぁない、こうするか」
はやてはさらに1本のリボンを取り出す。
(なんで都合よくリボンなんか持ってるんだ・・・)
そうクロノが思っている間に、はやては2本のリボンで左右それぞれ、やや少なめに
髪を纏める。
「ん、どや、ちょぉうちの髪やと長さが足らへんからこうしてみた。なんとなく昔の雰
囲気あるやろ」
「・・・まさかとは思うが・・・それは昔のなのはの髪型のつもりか?」
「どや、似合うやろ」
はやてが頭を振る度、ぴこんぴこんと揺れるショートツイン。
「す、すまないが、正直似てるとは・・・」
「何か言いはったか、そこー、んー?」
「い、いえ、そ、そっくり・・です、はい」
喉元に突きつけられたフォークに苦笑いを浮かべ両手を上げるクロノ。
「よろしい。んじゃぁ、んー、オホン。えと、クロノくん。大事なお話ってなぁに?」
「いや、だから、フォークを突きつけながらそんなこと言うな」
「些細なことや・・・ことだから気にしないで、クロノくん」
「いや、その、だから根本的に何か間違ってる・・・というかこんな人前でそんなこと・・・」
口ごもるクロノにはやてはダン、とテーブルを叩く。
「あー、もう、じれったいなぁ、これだけお膳立てしたこの状況で言えへんもんがいざ
本番で言える思ーてるんか。あーあー、こーんな腰抜け君に告白されたら相手も迷惑や
なぁ、やーっぱ止めとこかー。しゃーないなぁ、んじゃ同じ話をユーノくんにしてくる
わ、ほなな」
と、やおら立ち上がるはやて。
「ま、待てっ!な、なんでユーノにっ!わ、わかった!!言う!言うから!座ってくれ!」
「お、決心したか、よし、来いや」
待ってましたとばかりに席に着くはやて。
「あと一つアドバイスな。クロノくん、いつもの調子で小難しいこと言わへんでええよ。
肝心な言葉は「好き」、っちゅーたった2文字の言葉や。取ってつけた言葉なんかいらん、
綺麗な言葉もいらん、ただ「好き」、っちゅー言葉をしっかり確実に相手に伝えるんや、
ええな」
(はやてなりに・・・僕の事を心配してくれてるんだ、好意に甘えよう。そして、今・・・
今言えたなら・・・今度は・・・なのはに・・・今度はなのはに、言おう・・・)
はやてに頷くと、脳裏になのはの笑顔を思い浮かべながら目を閉じるクロノ。
(なのは・・・)
そして数秒後、クロノが目を開けると、はやての顔になのはが重なる。
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:39:48 ID:f5yvhvCq<>
「なのは・・・」
「・・・はい」
「・・・そのっ・・・ぼ・・・」
(落ち着けぇ!!!!!!!!!!!!一言、一言でいいんだ、どうせ難しく考えたっ
てわからないんだ!簡単な、一番確実な言葉で伝えればいい!)
「なのは・・・そのっ、ぼ、僕は・・・」
右手で左胸を押さえ、早鐘を打つ心臓をわしづかむかのように自分に言い聞かせるクロノ。
(ただ・・・・・・・・一言っ!!!)
「なのはっ!ぼ、僕は君が・・・君のことがすっ!むぐっ!!!!!」
「はーい、ストーップ、そこまでやー」
何がっ!!と思う間もなく、はやての手が自分の口を塞いでいることに気づくクロノ。
「なっ?!なにするんだはやてっ!!いっ!今言えるとこだったのに!!」
「うん、ええ感じやったで」
「だったら最後までっ!!」
「いや、そこまで言えたんなら大丈夫や。っちゅーかな、どうせなら練習より本番やろ」
「は?」
何を言ってる、と思う暇こそあれ、はやては携帯電話をぱかっと開け、耳に当てる。
「ん、もーえーよ。こっち来てくれるかー」
「え?は?え?・・・はやて・・・え?」
クロノの脳という名のスクリーンの全てが?マークで埋め尽くされる。
「ぴっ、と」
電話を切り、折りたたんだ携帯をクロノに見せ付ける。
「ああ、これな、さっきシャマルに電話、ゆーて外出たやん。あれな、シャマルに掛け
たんとちゃうねん」
「・・・・・・・・・は?」
「電話して、そのまま切らずにテーブルの上に置いておいた、っちゅーわけや」
「・・・え?は?・・・電話?」
「せや、つまりうちらの会話はぜーんぶ聞かれとった、いうわけや」
「・・・は?聞かれ・・て?・・・誰に?」
「決まってるやん」
あっち、と、厨房を指差すはやて。クロノはゆっくりと顔をそちらに向ける。
そして、無論、そこには・・・
真っ赤な顔で、左手は今だ携帯電話を耳に当て、ぎゅっと握った右手は胸の中央で、
なのはが、
そこに、
立っていた。
To Be Continue FINAL-VOL
<>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/05/18(木) 00:41:25 ID:f5yvhvCq<>
えーかげんにしーや、と殴られそうですが、なのはの出番なさすぎです。
まさか1行しか出ないとわ・・・orz
それ以前にまだ告白もしてないわけですが、うわ。
というかこれじゃどう見てもクロノ×はやて・・・・・・・・
次はほぼクロなのオンリーで締めることになりますので、ご容赦を。
ちょっと詰め込みすぎたというか、はしょりすぎた感はありますが、これもご容赦を。
前書きにも書きましたがハードエロほどじゃないですが、楽しんで書けてるので、そこ
そこ早めに投下できると思います。
レス返し、と。
>>91さん
あなたの一言でこの作品は生まれました。意にそぐわないかもしれませんが、どうか
ご容赦を。ち、ちょっとくらいは要望どおりです・・・よね(^^;)
>>209さん
>まるで画像を整理しているときに俺が言いそうな台詞だな
よくありますよね。私もこないだなのはのエロい本を他のファイルと一緒にDVDに整理
してたの忘れてて偶然発掘して(ry
>>210さん
>不自然感じまくりでした。無理にフラグを消した感じがして気持ち悪かった。
不自然、ってのは同意ですね。そのへんのフォローをちょっとだけ次回に盛り込んで
ありますのでぷち楽しみにしとったって下さいw
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 01:24:35 ID:XkeXHSNA<> 『書の始まり』
……それは、一人の青年の願いから始まった。
ベルカ、そう呼ばれる世界があった。
魔導の力を武具として、ただ純粋に戦うために進化したアームドデバイスをもってその名を馳せた世界。
そして、その青年の存在がベルカの名を平行世界に轟かせる事になったのだ。
彼は、天才だった。
その魔導の才は他を大きく凌駕していた。
純粋な魔導のみに於ける闘いでは分がないとされてきたミッドチルダの魔導師を、あっけなく打ち倒すほどに。
彼の功績は大きかった。
ベルカの騎士の名をたからしめたカートリッジシステムの構築。
不完全ながら高い効果を示すユニゾンデバイスの考案。
平行世界間移動を行うための大規模転送システムの構成。
彼の残した偉業を上げていけばきりがないほどだ。
しかし、同時に彼はベルカの世界では常に嘲まれてもいた。
魔導の才は確かに有り得ない程に強力で、だが、ベルカの生まれとしては信じられないほどに虚弱な身体をしていたから。
アームドデバイスを振るう魔導騎士こそが最上とされる世界では、騎士になれない人間などただの一般人でしかない。
なのに、その選良たる魔導騎士を正面から打ち倒す魔導を持つ彼に向けられる視線は、筆舌に尽くしがたい物で……それでも、彼は歪まなかった。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 01:25:38 ID:XkeXHSNA<>
「っ、ごほっ、ごほっっ…………」
石造りの建物で埋められたベルカの一都市、その郊外にある自然に囲まれた小さな屋敷。
その一角にある部屋で、彼はこみ上げてくる咳を必死で抑えていた。
「…………っはぁ、はぁ」
様々な栄誉を担った身でありながら、今、周りには誰もいない自分の身に思わず苦笑が浮かぶ。
「……しょうがない、事ですけどね」
ぽつりと呟く彼の脳裏に浮かぶのは、ユニゾンデバイスの実験が失敗したあの日の事。
万全の体勢で望んでいた。
何があっても助ける事が出来ると信じていた。
なのに、彼女を……、幼い時からずっと愛してきたナハトヒンメルを、すくう事が出来なかったのだ。
……ベルカでも最高の魔導騎士と謳われた彼女を喪い、その責任はすべて彼一人にかかってきて。
だけど、全てを受け容れた。
受け容れなければならなかった。
それが、彼女との約束だったから。
「ふぅ……、もうすぐですか」
小さく呟き、自らの部屋の中を見渡す。
整然と片づいた部屋の一角、机の上に置いてある一冊の本に手を伸ばした。
此の地に隠遁して、自らの寿命さえも削りながら作り上げようとした、一冊の魔導書。
今夜、コレは完成を迎える。
そして、そのままこの場所から消えて無くなる、そのつもりで作り上げたのだ。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 01:26:21 ID:XkeXHSNA<>
……今はまだ、名も無き一冊の魔導書を手に彼は屋敷の中を移動する。
地下への階段を下り、その先にある扉を開ける。
雑多な機械で埋められた部屋の中、特に目を惹く物があった。
床に大きく描かれた五芒星の魔法陣。
それぞれの頂点には五つの大きなシリンダーが立っていて、それぞれの下には頂点に円を抱く三角形の魔法陣が描かれている。
そして、緑色の半透明な液体の詰まるシリンダーに、五つの人影が浮かんでいた。
「すまない……」
ぽつりと呟きながら、彼はその手の中にある魔導書を五芒星の中心に置いた。
「……すまない、みんな」
シリンダーに浮かぶ彼女達に向かってただ謝罪の言葉を投げかける。
ナハトヒンメルの友であり、また彼にとっても友であった四人にただ言葉を投げかけていた。
ナハトヒンメルが暴走したあの日、それを止めるために戦ってくれて命を落とした彼女達を、こうして利用しようとしている自分が許せなくて。
それでも、止めるわけにはいかなかった。
一度失われた命は戻らない。
だから、全てをプログラムへと換え、擬似的にでも生きていて欲しかった。
「……我が友たるシグナム。炎の魔剣を従え烈火の将として、書を護る騎士となさん」
五芒星の頂点の一角、シリンダーの中をたゆたっていたシグナムの身体が、ゆらりと解けリンカーコアのみに変化した。
そのまま、シリンダーから抜け出したリンカーコアが魔導書に吸い込まれる。
「……我が盟友たるシャマル。風の指輪を持ちし風の癒し手として、書を護る騎士となさん」
シャマルの身体が消え、リンカーコアが魔導書に取り込まれる。
「……我らが義子ヴィータ。鉄の伯爵とありし紅の鉄騎として、書を護る騎士となさん」 ヴィータの身体が溶け、リンカーコアが魔導書へと飛び込む。
「……彼女が守護獣ザフィーラ。皆の盾たる青き狼として、書を護る騎士となさん」
ザフィーラの身体が崩れ、リンカーコアが魔導書へと収まる。
「汝ら四人、書を護り、書の主を護り続けし、群雲の騎士とならん」
呟きながら、それでも彼は心の痛みを押し殺す。
……全てが間違いなのではないか、そう思ってしまう自分がいた。
今作り上げようとしている魔導書は、最初に作ろうとした物から変わろうとしている。
己のように病弱な者、世界から疎んじられる者、絶望を抱く者の元へ赴き、今まで赴いた世界の逸話や魔法の話を伝えることで、優しさを、笑顔を、温もりを、思い出して欲しい。
その目的を持って作り始めたのが、此の魔導書だった。
哀しい世界で、辛い世界で、それでも明日を夢見る事を諦めないでいて欲しかった。
だからこそ、世界をわたる力を与え、だからこそ、壊れる事なき力を与えた。
だが、ナハトヒンメルを喪ったあの日から、その思いが少しずれている様に思えるのも事実。
きっと、彼女達が元の記憶と意識を持ち続けていたならば、きっと自分の事を恨むだろうなと、そんな事を思いながら、それでももう止まる事は出来なかった。
いつか、優しい主と出会い、少しでも彼女達の心が慰められる事を願って、最後の一つへと視線を向けた。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 01:27:33 ID:XkeXHSNA<>
「……我が愛しき人ナハトヒンメル。汝の名を付けしこの書を管理し、群雲の騎士と共に時を刻まん」
その長い銀髪は夜の月のようで、深紅の瞳は夕焼けの空のようで、常に名前に相応しい姿だと思っていた。
常に引きこもりがちだった自分を、外の世界へ連れ出してくれたのは彼女だった。
心と体を結び、きっと穏やかで平和な日々を過ごすのだと、そう信じていた。
ふわりと散った彼女の身体から、リンカーコアが浮き上がる。
ゆっくりとその魔導書と重なり合い、消失する。
「…………此処に、一冊の魔導書の誕生を頌えん。
世界をわたり、想いを贈り、いつか優しさを招く書として、その名を我は褒め称えん。
暗い夜の世界にあって、それでもなお笑顔と温もりを招くもの、夜天の魔導書とその名を讃えん」
頬が濡れている事は自覚していた。
愛した彼女に、友誼ある彼女達に、辛い運命を与えたのかも知れない。
それでも、存在(いき)ていて欲しかった。
それでも、消えないでいて欲しかった。
ゆらりと、夜天の魔導書が浮かび上がる。
其処にはまだ意志は感じられず、それでも彼は自らのすべき事を心得ていた。
「……夜天の魔導書、その始まりに」
手の中にあった短刀を自分の胸元に押し当てる。
「……我が命を糧となさん。……遠き果てにある祝福のために」
まだ意志なき夜天の書に、最初に与える魔導は自分自身と決めていた。
ただ、生きたまま魔導を渡す術は、自分自身には効果がない。
だから、死を選んだ。
「……さよなら、愛しき人よ。数多の人へ幸せを……」
ぞぶりと、心臓に刃を突き立てた。
それは、一人の青年の願いから始まった。
始まりはすべて良心から。
だが経過は悲惨を呼び、最後には彼女も死を選ぶ。
それは彼の望まぬ事。彼の願わぬ事。
…………それでも、彼女は救われた。
一人の青年の、良心の願いから始まる物語。
その終わりは、哀しくも正しきものだった。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 01:32:41 ID:XkeXHSNA<> えと、初めまして。ケチな名無しでございます。
>>222氏の発言を見て、前から持ってたネタを刺激されて書き上げてみました。
なんて言うか、本編の設定と矛盾してるところもあるような気もしますが、どうかご勘弁を。
しかし、こういうのは実際なのは小説に含めて良いもんなんですかね?
とりあえず勢いだけで書き上げたんで、ツッコミどころは多々ありそうですが……、それでは失礼します。 <>
210<>sage<>2006/05/18(木) 07:59:14 ID:HJ0MA9Z6<> 4の422氏、執筆乙です。
クロノくん初心ですねw
しかし、管理局の白い悪魔と称されるなのはさんにファンクラブがw
まぁ、ファンになる気持ちはわからないでもないけど(^^)
次回、期待してますね。
>>237氏、乙です。
いやぁ、なかなかなるほど。
そういう誕生秘話もありですね。
夜天の騎士たちは実は昔、実際に存在していた。
うん、ありです。
とても楽しめました。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 17:06:17 ID:ETg3dPki<> >>4の422氏
クロノくんカワユスwww
最後のなのはの所でてっきり告白の練習をクロノ→はやてと勘違いするのかと
思いましたがそう来たか。なのはかわいいなあ。
あ、一つだけ言いたいことが。
はやてって一人称「わたし」だった希ガス <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 22:06:00 ID:3teef/B9<> >>237さん、GJです。
4の422さんGJ!!
はやて、なにげに黒い気が…
続きが気になります。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/18(木) 22:52:44 ID:+IwyR1Jd<> >4の422氏
最後はちゃんとクロノ×なのはになって少しほっとしました。
てっきり>239と同じく
クロノ「ちっ、違う!これははやてに言ったんじゃ無くて・・・(汗)」
はやて(両手を頬に当て顔を少し赤くし)「いややわぁ、クロノ君。こんな周りに人がいるところで告白なんて」
もちろんわざと誤解を招くように言っている
なのは「クロノ君ははやてちゃんのことが好きだったんだね・・・。うん♪二人ならお似合いだよ」
でもどこか無理した笑顔。
クロノ「ちっがーーーーーう!!!」
ってな感じのラブコメ王道になるかと思っていたので、いい意味で逆を突かれました。
途中何度も「携帯を見ながら」とかって文があったので、どこかに繋がっているとは思っていましたけど。 <>
91<>sage<>2006/05/19(金) 01:16:52 ID:++FUvOVR<> >>4の422さん
速いペースでの執筆お疲れ様です。
意にそぐわないなんてとんでもないです。
こんなに素晴らしいクロなのを書いて頂けるなんて…
なんでも言ってみるもんですね(ぉ
次で最後というのはもったいない気もしますが、
どうなるのか続きが楽しみです。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 19:51:35 ID:VLrkSL+A<> リアルが忙しくなってきました、640です。
本がまだ届いてない方、すいません。週末には発送します故・・・orz
では変わりゆく二人の絆、最終話、というか
エピローグのラストを投下しようと思います。エロですのでご注意下さい。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 19:52:53 ID:VLrkSL+A<> 互いは、互いの大事な部分へと顔を埋めて。
愛しき人の、愛しき場所を、その唾液に塗れさせていく。
「ん・・・む、ぐっ・・・ユーノ、君・・・」
「・・・なの、は・・・」
気持ちよくして、気持ちよくさせられて。
二人は腰を相手の舌遣いに合わせて快楽によじりながら、
シックスナインの体勢で互いを愛し、愛される。
「「ッ・・・・!!!!!!!!」」
なのはとユーノは、ほぼ同時に達し。
双方の顔と股間を、互いの迸りが湯気を立てて汚していく。
複数回の絶頂で、大きく疲労した二人は、
己が愛する者の股間にその顔を密着させたまま、荒い息をそこに吹きかけて脱力していた。
魔法少女リリカルなのはA’s −変わりゆく二人の絆−
Epilogue−the end 心と身体の繋がる時(後編)
「・・・いくよ、なのは・・・」
「・・・うん・・・きて・・・」
準備は、整った。
来るべき時がきたと、二人は自覚していて、頷きあって。
仰向けになったなのはが広げた両足の付け根に、
ユーノは既に数種類の粘液で摩擦が低くなった己自身をあてがって、腰を進めていく。
ゆっくり、彼女をいたわるように。
既に天高く屹立したそれが、はじめて彼を受け入れる愛しき者を出来うる限り
苦しませないよう、勢いを抑えながら。
「んんぅっ・・・・・・!!」
「っく・・・」
それでもやはり、いくら十分に濡らしたとはいえはじめて男を迎え入れるなのはの膣内は狭く、きつく。
みちみちと締め付けるようにがっちりユーノのそれを包み込み、行く手を阻んで摩擦係数をあげて持ち主たるなのはを
苦痛の領域へと追い込み苛む。締め付ければ締め付けるほどそれは痛みを増し、
なのははその目尻に涙を滲ませて彼の精を受けた愛らしい顔を苦痛に歪めることになる。
(あつ、い・・・!!)
まだ、本格的に動いてすらいないというのにユーノは体験したこともないような快楽に身を震わせ、
必死に暴発してしまいそうになるのを耐えなければならないほどで。
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 19:54:44 ID:VLrkSL+A<>
「っ・・・あ、ぁ・・・っ、く、・・・ぅぁん・・・!!」
切っ先すら入りきらず、破瓜すらまだだというのに、なのははユーノの腕の中で明らかに尋常ならざる痛みに耐えている。
その様子と己が快楽とが相まって、ユーノは動くどころではなかった。
「なのは・・・大丈夫・・・?痛い、よね・・・?」
「ぅっ・・・・ぁっ・・・」
精一杯いたわって、やさしくしているつもりでも、受け入れる彼女にとっては身を斬るような痛みとなるのだろう。
ユーノの呼びかけになのはは声もなく悶え、歯を食いしばって堪えるだけだ。
──返事もできないほど、辛いなんて。
彼女が望み、自分が望んだことであってもユーノはそのなのはの様子に、
罪悪感を感じてしまう。自分ひとりが快楽を享受し、彼女が苦しんでいるという事実に。
「・・・・よ・・・」
「・・・え?」
「だめ、だよ・・・やめない、で・・・」
それなのに彼女は、継続を望み。
投げ出すことを拒否してユーノを求めてくる。
「うあぁっ!!・・・く、ぁ、んぁ・・・っあ」
「ちょ!?なのは、無茶は!?」
そちらが動かぬのなら、こちらからと言わんばかりに、悲鳴を上げながら。
尚一層顔を激痛に歪めつつも、自分から腰をユーノのほうへと押し込んでくる。
「っぅ・・・茶じゃ、ない、よ・・・ぁぁっ・・っく、大丈夫・・・」
もっと、もっと。
求めてくるなのはの締め付けは、あまりに心地よく。
吹き飛びそうになる理性を必死に押さえ、ユーノは自分の腰の動きを抑制する。
「なのは・・・」
「全然、っ、平気、だから・・・もっと・・・我慢とか、して、ほしく・・・ない、ぁぅ・・・」
遠慮なんて、いらない。してほしくない。
大好きな人とのことなんだから、痛いのなんて耐えられる。
いや、この痛みだって、繋がっていることの証、嬉しい痛みだ。
「そう・・・して、ほしい。お願い、かな・・・」
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 19:56:13 ID:VLrkSL+A<>
玉の汗と涙を流して、無理に笑うなのは。
顔に出されたユーノの精液に汚れた顔が泣き笑いに歪んで、痛々しい。
「ゆーの、くんに・・・ぁっ、ん・・・気持ち、よくなって、ほしいから・・・」
痛みに震える指先が、自身の腰を押さえ込むユーノの指と絡み合ってぬくもりを伝え合う。
「・・・いいん、だね・・・?」
こくり、と頷いて同意の意を示すなのはに、ユーノの心も決まった。
───もう、遠慮はしない。
したら、こうまで頑張ってくれているなのはが、逆に可哀相だ。
自分達は恋人。愛し合う者同士なんだから。
遠慮しあったりして、どうする。
望んだのは、自分達ではないか。
「・・・わかった。いくよ・・・」
切っ先だけ食い込んだ状態で止まっていた腰を、なのはの奥深くへと向けて思い切り、前進させる。
「ふぁっ・・・!!あ、あ!!ああぁぁぁ・・・っ」
もちろん、彼女のことを精一杯、傷つけぬよう注意しながら。
それでも遠慮はせず、細心の注意を払いながらも前進をやめることはない。
みちみちとなのはの膣肉が音を立て、激痛のか細い悲鳴をなのはがあげても、決めたことだから止めはしない。
一心不乱に、腰を進めていく。
───そして。
「っっ!!!??あ、あ!!んぁぁぁぁぁっ!!??」
一瞬、埋没する先端が何か固いものに触れた。
なのはのほうでも感じとり、それによって我に返って痛みを再認識してしまったのであろう。
甲高い悲鳴を、部屋に響かせる。
「・・・なのは」
「っ、っ、っあ、ぁ・・・」
なのはの両手は、シーツをきつく握り締めて皺を作っていた。
それだけで、ここまで彼女の感じてきた痛みが想像できる。
でも、まだこれから。
そんな彼女に、自分は、これからもっと痛い思いをさせることになるだろう。
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 19:57:53 ID:VLrkSL+A<>
「・・・ごめん。いくよ」
だからユーノは謝って、改めて彼女に言った。
少女の身体の奥深くに、今から自分という存在が刻まれるということを。
少しでも彼女が耐えやすいように、心の準備ができるように。
躊躇しそうになる自分と、快楽に流されそうになる自分。二つの相反する精神状態を、
少しでもコントロールできるように、という意味も込めて。
なのはは何を言うでもなく、ただきつく目を閉じて、歯を食いしばって、時を待った。
「っふ!!く!!」
微かに、何かが裂けるような音がしたように思えた。
「っあああああああぁぁぁぁっ!!!!っ痛、あ、あ!!んぁ、あ!!」
ユーノの剛直が奥まで突き通り、いつの間にか食いしばっていた歯が解けて、なのはは
女になった痛みを訴える悲鳴を、首を振って叫ぶ。
「はいっ・・・た、よ・・・」
ユーノもまたここまでにつかった体力に疲弊し、自身の収まる割れ目から流れ出る一筋の血を、
ぼんやりと眺めなのはに貫通式の終了を告げる。
「続けて・・・いい、よね?」
大きく肩で息をするなのはは、既に放心状態だったけれど。
それでも目が宙をさまよったままで首を縦に振って、無言に了承した。
「だい・・・じょうぶ。すぐ、終わるから・・・っ!!」
「っ!!」
根元まで入っていた男根を、腰をグラインドさせて引き抜き、再び挿入する。
「─────!!!!!」
当然、破瓜を体験したばかりの傷ついた膣は激痛のシグナルを脳へとおくり。
なのはは声すらあげられず、開きっぱなしの口で虚空を貪った。
そして、ユーノの快楽は、反比例するように締め付けを増すなのはの膣によって増幅され。
やわやわとした前後運動、けっして激しくないはずのそれでも、十分すぎるほど愉悦に満たされる。
(すご、い・・・!!これが・・・!!)
必死で理性を保とうにも、腰が勝手に動いてしまう。
なんとかスピードを一定以下に抑えるのが限界だ。
快楽の中無意識にユーノはなのはの胸へと手を伸ばし、右の頭頂部から、揉み解していく。
「!?っあ、ん、ふぁ、ん!!ひぃ、ん!!ん!!」
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 19:59:35 ID:VLrkSL+A<>
突如としてノーマークだった部分を弄られ、なのはの背がびくり、と反りあがる。
きっと、彼女の脳内は荒れ狂う激痛と、突然割り込んできた快楽とが混ざり合い、
一種のカオス状態になっていることだろう。
「きも・・・ち、いぃ・・・っ?」
ユーノも既に、碌にしゃべる余裕はない。
なのはの両胸を愛撫し、腰を力いっぱい前後運動のピストンさせて。
それで手一杯なのだ。状況的にはわずかの快楽を感じながら大半の苦痛に涙を流すなのはと同様、
相手のことを考える余裕なんて殆どない。
「ゃあ・・っ、っあ!!痛・・・ふぁ、そ、こ・・・ぉ、うゃぁ・・・」
くわえ込まれた一物が、擦り上げ、擦り上げられ。
ユーノの目の前にはぼんやりと、白い光が瞬きはじめていた。
そろそろ、臨界に近い。
「っな、のは・・・!!そろ、そろ・・・!!」
「あ、あ!!あん、は、く、やぁ、ぁぁぁあぁ・・・!!」
イきそうだ。
引き抜いてしまわないと、まずい。さすがに、膣内に出すのは、まずい。
そう思い腰に力を込めたユーノは、辛うじて思考能力が残っていたといっていい。
だが、とうに身体と混乱の限界を超えたなのはにはというと、そんなものは残っていなくて。
激痛と快楽。相反する感覚に満たされた彼女は、尚もユーノを求め。
一層、その肉でユーノのそれを締め上げていく。
熱に浮かされ、涙に滲んだぼんやりとした視線を痛みに細めて、愛しき人を見上げながら。
「っく・・・なの、は・・・!!」
「っか、な、かに・・!!」
意識せず、彼女は愛する人の生命を胎内に受けるのを、望んでいたのかもしれない。
一段、強い刺激が同時にユーノを襲い、思わず引こうとしていた腰が砕けてしまう。
それほどに、とどめの一押しとなった彼女の最後の締めつけは、強烈だった。
引くに引けなくなったその腰に、いつしかなのはの両足が絡みついていて。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 20:00:19 ID:VLrkSL+A<>
発射寸前、引き抜くことも出来ず、互いは互いを求め合い───、
数瞬の後、脳内に眩しいフラッシュが何度も光り。
「っっくうぅぅっ!!!!」
「ぁ、っあ、あ!!ぁぁぁぁあぁあぁぁっ!!!!ああぁぁっ!!」
絶頂の愉悦の波の中、ユーノはなのはの膣内に精を放出し。
激痛と愛撫の快楽の混じりあった奇妙な悦楽に飲まれ、軽くイッた
なのははユーノの注ぐ熱い白濁をその膣奥に受け取っていた。
「──は、っは、あ、はぁ・・・」
「あ、はぁ、はぁ、ふぁ、ぁんぁ・・」
二人はそれから、言葉も交わすことなく、暗闇に落ちていった。
無理もない。
生まれてはじめての性交にしては二人とも、あまりに乱れ、あまりに激しかったのだから。
初体験の二人にしては、がんばりすぎであろう。特になのはは、痛みにも耐えねばならなかったのだ。
辛うじて秘所から引きぬかれたユーノの一物が震え、精と破瓜の血が混じった液を周囲に垂らす中。
二人は裸のまま、互いのぬくもりだけでシーツも被らずに、心地よい疲労感の中、眠りにつく。
仰向けとうつ伏せ、重なるように二人、頬を寄せ合って。
朝、起きたら身支度が大変だな、とか。
お互い、真っ赤になっちゃうんだろうな、とか。
帰ったらみんなに、なんて言おう、とか。
そんなことは、一切考えずに。あっという間に。
ただ、心も体も繋がりあった、その証が出来た。
その不思議な幸福感を、消え行く視界の中で思い、ただ静かにどちらともなく寝息を立てだしたのだった。
また明日、これから。愛する人との日を過ごすために。
疲労した身体は、休む必要があったから。
二人の初夜、一つになったその夜は、こうやって過ぎていったのだった。
P.S
数ヵ月後。
ユーノ・スクライアはホールインワンの意味を身を以って知ることになるが、それはまた別のお話。
(完) <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/05/19(金) 20:10:01 ID:VLrkSL+A<> というわけで(?)完結いたしました。
まあ、エピローグなしのほうがきちんとまとまった気もするけどorz
描写力orz
二週間足らずで既に容量が300近い・・・相変わらず
各職人さんGJでございます。
今回もちと膨大すぎるので個別レスは見送らせていただきますが。
前書きでも書きましたがリアルに忙しいです。
これからは週一前後の投下は辛いかもしれませんが、
一話のみ投下したものと構想中の話もありますので、
期待しないで待っていてくださると幸いです。でわ。
追伸
多分次はシグナムさんのお話。 <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/05/19(金) 20:12:55 ID:HBmGNxNA<> GJ!!なのはさん、けな気です。
「それはまた別のお話」に期待。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 20:27:15 ID:ps5Vsxou<> GJですっ!!
・・・ホールインワンって・・・
おめでとー!!
・・・で、どっちの家に行くんだろう? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 21:07:51 ID:am5sWYOf<> 子どもが活躍する話をまじめに書こうと思ったことがあるが
名前が全く思いつかなかった。
でも多分魔法の才能的に恵まれすぎ(^^; <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 21:44:02 ID:v2mDcI4X<> 父親ゆずりの攻撃力と母親ゆずりの機動力を併せ持つ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 21:55:18 ID:am5sWYOf<> それ多分逆ですよ。
母親ゆずりの攻撃力と父親ゆずりの機動力を併せ持つ。
転送・防御など小技やバックアップ、母親譲りのスターライトブレイカー+で敵をぶっ飛ばす主砲。
AAAランクとAランクの子どもはどうなるんだろう。
AAAA? ≒S?
>>253 書き込んだ後にふと思ったのですが。なのはさんは小学4年生で出産ですか。(もっと後のお話しだったら失礼)
なのはさんなら子育てしながら学校行きそうです…。
名前は
なのは・スクライア
ユーノ・スクライア
→???・スクライア
ですかね。うーん、書いてみたいっ orzムズイ <>
254<>sage<>2006/05/19(金) 22:11:14 ID:v2mDcI4X<> >>255
いや、「それじゃダメじゃん!」っていう感じのツッコミが欲しかっただけっすよ。
例えば
子供が二人生まれて上の子は魔法の才能が皆無。
下の子は魔法の才能バツグン。
上の子は妹にコンプレックスを抱いて、ラスボス化したりとか。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 22:23:42 ID:am5sWYOf<> >>256
いやいや、二人も産むんですか(*´д`*)ハァハァ
すいません、私つっこみはできないもので。よく言われます。はい。ごめんなさい。
なんかあの二人に育てられれば、どんなことがあってもしあわせーな感じになるイメージしかないっす。
※悪いことをしたときの例
ユ「だめだよそんなことしちゃ」
な「おかーさんはそんな風に育てた覚えはありません。悪い子には…スターライト〜」
子「!!」
…すいません雑談が長くなりました。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 22:50:13 ID:Sc6nEa62<> ホールインワンって(笑)
640氏、GJ!お疲れ様。
>>256
魔法の才能ない上の子は御神流を仕込まれると思います。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 23:04:16 ID:Xl88rHTV<> つまり2人生まれたらこうなる?
才能有り 親譲りの魔力と教育で高ランクの魔導師
才能無し 御神流を教えられ格闘戦ではほとんど敵なし
・・・・・・なんかこんな人達がいたような。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 23:19:40 ID:Sc6nEa62<> 廃棄王女さまかしらー?
しかし、こういう妄想は始まると止まりませんよね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 23:25:00 ID:am5sWYOf<> 子どもが生まれてはっぴーな時は長く続かず緊急の呼び出しで違う時空へ出かけるなのはとユーノ
しかしその世界で突然二人は姿を消してしまう。
そして時が流れ成長した子どもは真実を知るが、同時に消えたなのはとユーノの謎が解け居場所判明。
時が止まった時空の狭間からアースラのスタッフが救出に成功。
初めて顔を合わせる子と親。
どっちも小学生!?
という電波を受信した。広告の裏
-終- <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 23:27:57 ID:exAeo59l<> >>255
ユーノ・S(スクライア)・高町 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 23:39:13 ID:hfPrpaQp<> 640氏、GJ!
後日談として・・
奥手だと思ってたなのはが1番に初体験したことについて、
愚痴る、アリサ、フェイト、すずか、はやてのSSきぼん。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/19(金) 23:42:22 ID:v2mDcI4X<> とあるロストロギアの事件。ユーノとなのははその力によって石像になってしまう。
時は流れ、成長した子供たちは両親を探す旅に出て世界を渡り歩く。
はいはいDQ5DQ5
広告の裏 -終- <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 04:18:59 ID:aPkCE+0a<> 640氏GJ!!
>>255
A'sのED後のお話だった希ガス。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 14:12:46 ID:Jh0u/enY<> >>255
>父親譲りの機動力
ユーノって機動力高かったけ? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 14:23:17 ID:s+Y6uV4Q<> なのはよりは高そう <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 14:46:16 ID:3e4wsQLo<> 防御力と書きたかったんじゃなかろうか。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 15:07:26 ID:3e4wsQLo<> あーでも、A's2話で光の線でヴィータとドンパチやってる描写あるしそこそこ速い…のか? 軽装だし。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 17:27:29 ID:gw8V1MrL<> なのはは砲撃&防御得意で 近接戦闘と機動が苦手だったはず。
フェイトは攻撃はオールマイティ機動力もあるけど防御低め
はやては・・・未知数だな。Sクラスだけど。
・・・それはさておき、ユーノがAクラスってウソだろうと思うんだが。
AAくらいにはなってるんじゃないか?3人娘の技でも1対1なら耐え切りそうだし。
ユーノが接近戦強くなったら・・・ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 17:29:48 ID:kb6UeQPw<> >266
え?てっきりなのはとフェイトの子供だと思ってたよw)
ミッドチルダなら同性婚とか認められてそうだし、同性同士で子供を作る
技術とか有りそうだしな <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 17:34:40 ID:CGk3ifCU<> >>270
ユーノ・スクライア・夜の長期戦 Sクラス。
メンタル面は得意なんだよね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 17:38:18 ID:jQzwZAxc<> >>270
ユーノが攻撃強くなることはないでしょ。
補助魔法に特化してるから防御性能があんなに高いんだと思うし。
何でもかんでも詰め込むとキャラが死んでしまうよ。
>>272
さすがは管理局の絶倫、淫獣ですねw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 22:01:49 ID:Jh0u/enY<> >>273
ウルトラブレスレットみたいな補助アイテムを装備させれば? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 22:55:25 ID:QJhgpEcx<> >640氏
完結乙
しかし最後の2行が余計だぁぁぁぁ!
本局での講習の後にぶっ倒れて本局の医務室ベッドで真っ赤になりながら
ユーノに妊娠を告げるなのはとか
なのはを嫁に貰う為に恭也&士郎と死合うユーノとか
子供が双子と判明してクロノから「エロフェレット」だの「淫獣」だの言われてorzするユーノとか
分娩室前で恭也&士郎から父親の心構えを聞くユーノとか
想像しちゃったじゃないか!どーしてくれる!つかGJ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/20(土) 23:08:35 ID:3XeA0nbw<> ちなみにクロノ(原作版)はちゃんとゴム付けてたんだよな。
ユーノ、まさに外道。 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:10:50 ID:tNiVEKOP<> 失礼します。
A's COMBATの続きを投下したく参上いたしました。
前回では書き損じましたが、皆様GJでございます。
萌えだのエロだのラブだの暗黒神話だの松竹系特撮ヒーローだのアリシアだの闇の書の謎だのホールインワンだの、このスレの引き出しの多用さには感服することしきりであります。いいぞもっとやれ。
さて前回の元ネタ当てプレゼントクイズ(違)の結果でございますが、>>160様、>>161様の仰るとおり我らがコンボイ司令官がネタ元でございます。>「私にいい考えがある」
だがしかし。正直思いつきでやったので深い意味は無いですたい。なのでこの先驚異のどんでん返しが! とかございませんことをご了承ください。許して。
>>159
思考の共有化は一応この先のちょっとしたオチに関連しているのですが、本当にちょっとした程度なので概ね指摘どおりです。力量不足を痛感します。
台詞については上記の通り深い意味の無いネタですのでご安心ください(笑) クロノ執務官が有能な指揮官であることは自分も信じております。
それでは中篇その4でございます。
あ、あとなのはさんとユーノくんの子供はフェレット耳になると思うんだ(極めてどうでもいい)。 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:14:15 ID:tNiVEKOP<> 全天に蒼があり、全地に藍がある。
風に流れ空に満ちていた雲海の白はもはや無く、戦禍の席巻により全てが消えうせ、彼我のみが存在する決闘場(アレナ)と化した大気の渦だけが広がっていた。
その中にあって自らの中に圧倒的な力の奔流を蓄えながら、その機械は考える。
終わりの時は近い、と。
自身に装備された兵装の中でもっとも強力な武器であるベルカ式空間反応兵器レーゲンボーゲン。
これをチャージ完了と同時に予め主から与えられた命令に従い指定座標――――破棄され囮として使用されている戦略城塞に対して発射する事で敵歩兵部隊は全滅、目的は果されることとなる。
そして外部動力を失った自身は機能を停止し、再び永い眠りにつく事となるだろう。以前のように、また決着する事無く終えるのだ。
彼が製造されたのは、彼の計測する固有時間にして八千周期――約九千年前のことだ。当時彼を作り出した文明は複数の勢力により攻撃を受け、戦争状態にあった。理由は記録されていない。
ただ、彼らは高い技術力を持ち、それゆえに驕りすぎたのだと、彼を最後に運用した騎士が言っていたことを機械は記憶していた。ともかく、その戦争の真っ只中にあって戦況を打破する兵器として開発されたのが彼だった。
戦術中枢としての指揮能力を備えた上で単独での対艦対魔導師戦闘をこなし、更には空間反応兵器を搭載することでスタンドアローンでの決戦能力をも追求した、究極の戦術機動兵器。音よりもなお速く飛び、蒼穹を掌握する大空の覇者。
そう望まれ製造され、そして完璧にその性能を備えて生まれた彼を所持していた文明はしかし、大敗を喫して滅び去った。どのような戦闘能力を備えようとも、その影響は戦術レベルでの勝利にとどまる。
彼が防衛していた拠点は複数の世界からの一斉攻撃を受け陥落、彼は多くの敵を道連れにし殆どの損傷も無く戦い抜き、だが自身以外の全てを失いその機能を停止させた。
彼は機械である。故に感情を持たない。
だからその結果に対しても何も思うところは無かった。彼は命じられるままに戦い、そして終えたのだ。
だが一つだけ言えることがあったとするならば。彼は全力では無かったという事である。
敵戦力は自らより弱く、全機能を使用せずとも戦い抜くことは出来た。数多い敵たちを前にして機械は与えられた命令に従い押し寄せる者達を尽く駆逐した。それ故に機械は自らの全機能を解放した全力のスペックを理論上の数値でしか把握していない。
余裕を持って戦いをこなせると言う事は良いことではあるが、それでは真実正確な性能の情報を得ることが出来ない。それでは、自身が完璧に正常動作しているか証明することが出来ないのだ。
彼は機械である。故に感情を持たない。
その機械が唯一求める物があるとするならば、それは『自身が望まれた性能を完全に備えているかどうかを把握する』――その一点に尽きた。理論上の速度に、火力に、指揮能力に、広域索敵能力に、次元移動機能に、拠点攻略能力に達しているか。
――――そして全てを満たし、主の使命を正確無比に実行することが出来るのか。それだけが機械の求める全てだった。
そして今。彼は全機能を解放し、全駆動系を駆使し、全兵装を轟かせながら敵と戦えていた。その上で敵は此方の全力に耐え、今も反抗を行っている。
それを制圧するために自身は更にその力を解き放ち、全力動作の情報を更に書き換えていく。――――まだ戦えていた。
彼は機械である。故に感情を持たない。
だが、幸いであると。この状況をそう呼ぶのだと情報で知っていた。全性能をくまなく発揮させ、総力を結集して戦えているこの状況を。
そして、自身の全機能を持ってしても未だ撃破の叶わぬ黒と黄金の敵影二つを補足しながら、機械は判断する。
終わりの時は近い、と。そしてその決着の時が来た暁には――――彼我どちらかが必ずや欠けているだろうと。
それは統合戦術AIの導き出す、純然なる戦闘予測だった。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:17:51 ID:tNiVEKOP<>
空間反応兵器をチャージしながら防衛的に攻勢を展開していた空竜は、不意に敵対する黄金と黒の機影の動きが変わったことに気付いた。今までの抗うような散発的な反撃ではなく、何らかの意図を持った機動へと変化したのだ。
敵に策あり、機械の思考はそう判断する。敵は人の身にありながら機械のそれに迫る精度の連携を行う強力な個体達である。
恐らくは思念共有により情報交換の密度を向上させているのだろうが、だがそれだけでは連携精度を高めることは出来ない。伝えられた意図を正確に再現し、即座に成立させるには相応の修練と僚機に対する充分な理解が必要になる。
それをとっさに行えるということは、両機影が互いの総合能力を正確に把握していたということに他ならない。それゆえに彼らは機械に迫り、そして機械を凌駕したのである。人の力のみで。或いは、人と機械の力で。
此処にきて彼は敵機の評価を更に書き換えた。
――――彼らは強敵だ。長きに渡る戦闘記録に類を見ない戦闘能力を発揮する二機に対して機械はそう評価した。ならば自分はその強敵に対してどう対処すべきか。
少なくとも、防衛的に立ち回っていては敵の策に引き込まれる可能性が大きくなるだろう。ならば、攻勢防御に――此方が攻撃に転じるしかない。
そう考え空竜はその出力を臨界に達するまでに引き上げ更に加速する。
敵影は身を寄せ合うように飛行しながら空竜の正面へと躍り出た。同時、二条の閃光が機械に向けて放たれる。
「穿て雷槍!」
『Plasma Smasher』
「轟け爆炎!」
『Blaze Cannon』
コマンドワードと共に放たれた威力の輝きは真っ直ぐに空竜へと伸びる。弾速は速く鋭い。回避を困難だと判断した機械は、次の瞬間両翼の出力器より巨大な光の刃を展開させた。
『無為なり』
迅速に光刃を振るう。輝きと輝きがぶつかり合い、炎熱と雷光が光輝により裁断された。
だがその動きを確認するより早く、敵影は二手に分かれる。黒の機影は左舷に滑り込むようにして飛翔し、黄金の機影は――あろうことか、そのまま更なる加速を掛ける。
『Blitz Rush』
刹那、爆発的に敵影の速度が増大した。最早神速という形容すら生易しい速度で突撃を仕掛ける黄金色の少女に対し、機械は合わせるようにして輝く吐息をその顎より放つ。
咆、と。白の閃光が無数となって迸る。だがその輝きの尽くを少女は誇張無く紙一重で回避しながら空竜へと迫った。余波によって焼け焦げるバリアジャケットを気にも留めず閃光の大鎌を振るう。
だが、その一撃は届くことは無かった。既に展開された光刃が二枚、攻撃もろともに敵影を裁断するために振るわれる。唸りを上げて放たれた巨大な光剣を二撃同時に受け少女の大鎌が破砕した。破砕したが――そこで終わりだった。
一撃の反動で泳ぐ光剣を潜り抜けて、少女の姿が高速で背後へと抜けた。
『!』
機械は行われた一連の動きの意図に気付く。敵影が振るった刃は此方ではなく、元から迎撃に放たれる光剣を狙っていたのだということに。同時、左舷に回りこんでいた黒の機影から魔力が迸る。
「やってやれ、デュランダル!」
『That's all right』
突きこむように振るわれた白の機杖から、無数の光弾が扇状に放たれた。高速で散るように飛ぶ威力の群れに飲み込まれた空竜は大きく身をよじりながらその輝きの嵐を回避する。
『散弾か』
よく考える、と機械は思考する。攻撃を当てることを重視しての選択なのであろう。だが甘いといわざるを得ない。この規模の魔力弾であれば、多少受けてもプロテクションで弾けるだろう。当たれどもダメージにならないのであれば本末転倒である。
それを理解しているのかしていないのか、敵影は回りこむようにして回避機動を取る空竜に対して更に散弾を放つ。
『愚かな』
評価を下すと同時、空竜の背面部が大きく展開した。現われたのは計六基のレンズ―――光子魚雷である。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:18:45 ID:tNiVEKOP<> 「!? 此処にきて新しい兵装か!!」
驚愕する少年を嘲笑うかのように、展開したレンズから光条が放たれた。それら青の筋は弧を描いて少年に殺到する。だが次の瞬間、輝きはその目標に届くこと無く炸裂し大爆発を起こした。空中に爆発と共に散るのは、魔力で編まれた輝く鎖の破片である。
「くそ……設置したバインドが……!」
苦々しく呻く少年の健在を確認して機械は判断する。恐らくは散弾でおびき寄せ、あの複数設置されたバインド系魔法によって動きを阻害し、そこから決めの一手を放つ算段だったのであろう。
だが実際にはこちらの放った光子魚雷に術式が干渉し誘爆を引き起こした程度、という塩梅だった。
『残念だったな』
冷静にそう評価しつつ、空竜は黒の機影に迫る。
「くそっ……!」
「クロノっ!」
少年は呻きながら散弾をばら撒き後退を試みる。だが空竜は悠然とそれを回避すると、更には上方より放たれた黄金の機影の雷光を切り払い、少年に肉薄した。
光剣を振りかぶる。
「くっ――――すまん、S2U……!」
刹那、少年はそう呟くと空いていた左手に瞬くように一枚の札を呼び出した。それは一瞬にして一振りの機杖に変化すると、高速で魔力を循環させながら光を纏い始める。それを確認することもせず、少年はその機杖を空竜に向け、あろう事か投擲した。
『何!?』
反射的に切り裂く。瞬間、その機杖は臨界を超えて増幅された魔力を炸裂され大爆発を巻き起こした。炎熱の渦中に飲み込まれた空竜は逃れるように下方へと加速する。
機械の全方位知覚は黒の敵影が上方へと逃れていくのを確認してしかし、追撃を断念する。それほどまでに今の一撃は巨体のバランスを崩れさせていた。
だが、敵もまた逃れ体勢を立て直すのに専念するはずである。ならば、此方はもう一機、黄金の少女だけに注意すればそれでいい――――そう判断した瞬間、それは起きた。
「すまない、S2U。 だがお前のおかげで隙が作れた」
悔むように、感謝するように、その少年は瞠目して呟く。そして右の手に構えていた氷結の杖を振りかざし、その術式を解き放った。
「――――ならさ!」
同時――空竜の全方位に無数の攻撃魔法が発生した。
『!?』
上方、下方、左舷、右舷、全周囲に浮かぶのは青白く輝く魔力の球体――先ほど回避した散弾だ。それらは光を放ちながら空間に術式を展開させていき、そして変形した。
全てが、輝ける剣と化したのだ。
「スティンガーブレイド――――」
機械の思考はこの状況に対応しきれない。最初の砲撃も、白兵攻撃も、バインドも、全てこの散弾の本来の意図を隠すための囮だったなどと、誰が予測できようか。
「――――エクスキューションシフトッ!!」
そして、全ての剣が空竜に向けて殺到した。
右より十五、左より十八、下方より二十七――補足した攻撃の数は総計で百に上る。その数の威力を前に機械は冷静さを持って迎撃に当たった。
両翼の光刃を縦横無尽に振るい、剣を薙ぎ払い、光子魚雷の斉射により撃ち落としていく。いくつかは被弾するが、だが空竜の纏う堅牢無比なプロテクションの防護を打ち抜けず破砕していった。砕けた剣達は爆発し白い破片と煙となって空中を舞う。
それに視界が遮られ、更に拡散した魔力によりレーダーすら撹乱されていると気付いたとき、それは白煙を切り裂いて現われた。
黄金の髪を靡かせた、剣を携える少女が。
「疾風・迅雷!」
『Sprite Zamber』
そして、閃いた稲妻の剣が空竜の防御を裁断した。
防壁が砕ける。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:19:33 ID:tNiVEKOP<>
フェイトは放たれた一撃に確かな手応えを感じ、その手に更に力を込めた。空竜の巨体を捕らえた長大な魔力の刀身は空間をも切り裂く鋭利さを持って纏われた魔力と物理双方の障壁を貫徹し、物理装甲へと達する。
そして次の瞬間、少女は貫くようにして瞬く間に天空より大地へと駆け抜けた。
勢いそのままに落下し、だがすぐに静止した。すぐさま上空を振り返る。
背後ではもうもうと、白い爆煙が立ち込めていた。そして白煙から現われたその敵の姿を見て、今度こそフェイトは驚愕に目を見開いた。
「……健在……!?」
現われたのは二重の防御を砕かれ、だがいまだその威容を保つ鋼の竜だった。彼女の一撃は確かにプロテクションを抜き、装甲に達し――しかしその表面を切り裂いた程度でその威力を殺されていたのだ。
「一撃で貫通……しないか……」
苦々しく呟く。予測されていたことではあるが、必殺の一撃であると自負する術式すら耐える鉄壁の防御には舌を巻かざるを得ない。
だけど、と。フェイトは考える。必殺には至らなかったが、それでも空竜の防壁は完全に粉砕され、今あの機械を守る力はあの物理装甲しかない。その物理装甲すら雷光の刃を受けて亀裂を生じさせていた。十分だ、そう彼女は判断する。
役割は果した。ならば、次だ。
少女がそう思考するのと同時、上空にあったクロノが大きく思念を放射した。
「――――よし、今だ!」
放たれた号令と共に、彼女は大きく身を捻ってその場から離れた。一秒でも早くこの場から離れなければ。巻き込まれたらただでは済まない、それは身にしみた畏怖であったが、同時に信頼でもあった。
とにかく、彼女は全力で離脱する。そんな最中、視界の端で変化が生まれた。
桜色の巨大な光球が、突如として出現したのだ。
轟、と。驚愕するように空竜が軋む。突然に現われたその膨大な魔力が何故そこにあるのか、理解できないといった風な動きだった。
『フェイトちゃん、離れて!』
凛とした思念の波が蒼穹に響き渡る。
その声色を少女は親愛と信頼を感じながら聞く。
『シュ―――トッ!』
瞬間、凄まじい数の閃光が迸った。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:21:19 ID:tNiVEKOP<>
『――――よし、今だ!』
放たれた号令と共に、緑光を纏う少年――ユーノ・スクライアは術式を解除した。
同時、周囲が突如して破砕し風景が一変する。破片となって宙に散る結界を見て、少年はよし、と頷いた。
視界の全てが大空に変わる。だがこれは場所が変化したのではなく、周囲を覆っていた結界が失われ、本来の風景へと戻っただけに過ぎなかった。
「なのは!」
叫びながら傍らを見れば、そこには相棒の機杖を構え、巨大な魔力の球体を形成しながらなおも収束、増幅を続ける一人の少女の姿があった。その威容の出現に機械すらも仰天して打ち震えている様を望遠視覚で確認したユーノは思わず微笑を浮かべた。
さしものロストロギアとて、九千年の間研鑽され続けてきた結界魔法による隠業には対応し切れなかったようだ。
もとより結界魔法とは区切られた境の内外を隔てるために存在する術式である。その魔法に長ける彼は光学的、魔力的な迷彩結界を形成し戦闘空域の外れに転移したのだ。
AAAランクの後方支援型魔導師であるシャマルや転送魔法に心得のあるアルフのバックアップがあってこその離れ業であった。
そして今、敵の防御が砕かれるその瞬間を待ちひたすらに収束を行う白亜の少女の術式は一連の戦闘で濃密な魔力の渦となっていた空域一帯の魔力全てを束ね、少女の制御できる限界まで力を高めていた。
少女が吼える。
「フェイトちゃん、離れて!」
その叫びと同時、ダメ押しとばかりにレイジングハートが炸音を響かせてカートリッジを全弾解き放った。
「スターライトブレイカー、バリエーション……!」
『Excellion mode, standby.』
輝く方陣を展開させながら、魔力が加速、増幅されていく。発射の余波に巻き込まれぬようユーノが後退したのを確認したなのはは、引き絞られた弦を解き放つように術式を開放した。
「スターライトフラッシャー!」
『Drive ignition』
「シュ――――トッ!」
叫びと共に閃光が爆ぜる。解き放たれた威力は無数の光条となって瀑布の如く大空を覆いつくした。その全てが、一斉に機械の竜に向かい殺到する。
――――スターライトフラッシャー。
集束型魔力投射砲撃であるスターライトブレイカーのバリエーションであり、集中した魔力によって誘導弾を作成するエクセリオンスフィアを形成、それにより尋常ならざる数の誘導弾を形成、発射するいわば大規模なミサイル掃射のような魔法だった。
だが莫大な量の誘導弾を術者自身が制御しきれず、また一撃一撃の威力は当然のことながら収束砲であるスターライトブレイカーに大きく劣るため、未完成で使いでの限られる魔法と少女の中で判断されていた。
故に、通常の誘導操作魔法の数を増やす方向で調整を行っていたのである。
だが、敵の防御が砕かれた今、この魔法は極めて有効だった。完全な制御と追尾は出来ずとも、この量の魔力砲撃を回避できよう筈もない。常識外れの大弾幕を展開した少女は、更なる攻勢を畳み掛けるために集中を行った。
「コントロール……!」
そして、流星雨が空竜を呑み込んだ。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/21(日) 00:23:30 ID:tNiVEKOP<> 以上です。
今回は恥ずかしながらちょっと短めです。次でラストだと思うのでご容赦いただきたいです。
次回予告
どうも、ユーノです。
本編でも出番少ない少ない言われてましたけど、なんか上記の本文中でもすごい影薄くありませんか?
やっと出番があったかと思ったら石ころ帽子代わりでしかないし。酷いと思わない?
もっとクロノとかじゃなくて僕となのはの萌えっぽいイベントを所望したい。こう、もっと……お風呂できゃー!みたいな展開を……! フェイトでもいいよ! ああ、はやても捨てがたいなぁ……え、巻き入れて? はいはい。
さて次回のなのはさんは
「機動戦士シグナムSEED」
「終わりのクロノくん」
「高町なのはの憂鬱」
以上の三本です。
それじゃあ、じゃーんけーん……ブホァ!? S2Uで突然殴打するなんてなに考えてるんだよクロノ!
クロノ「なに考えているかだって?そうか判らないかならヒントをやろう。――――虚偽の喧伝と未成年者への性的行為は 違 法 だ!」
いや、虚偽っていうかこれは嘘予告というか……うわヤメテ止して尻は勘弁……あ――――!
終劇
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/21(日) 00:47:41 ID:yQhEx8Lr<> ユーノの戦闘力に関して話あったけど、攻撃に参加させるならサンデーで連載してる結界師みたいにたたけばよくね?と思った。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/21(日) 14:31:42 ID:zLfOXUCj<> >>283
どこの終わりのクロニクルって感じの空竜ですね。
感情がないが幸いを求め、それが故に更なら進化を遂げていくとことか。
そして戦略を駆使して戦っていくクロノとフェイトが素晴らしいです。
けどなのは凶悪すぎますね。
なんつーか最期は力押しかよって印象を受ける破滅的な攻撃。
さすがは管理局の白い悪魔。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/21(日) 22:42:15 ID:70nKy7Zb<>
ベッドの上で毛布が蠢いている。
隆起がせわしなく動くたび苦悶のようなくぐもった声が漏れ出る。
唐突に毛布の端から手が飛び出した。枕やベッドの淵をおぼつかない手つきで握ろうとする様子はどこか助けを求めて彷徨うみたいだ。
すぐにもう一つ手が飛び出してきた。指の間に自身の指を絡めて毛布の中へ引きずり込んでいく。子供を迎えに来たというよりは人攫いに来たような強引な手つき。
毛布から消え入りそうな声が聞こえた。布団の蠢きが少しだけ大きく、激しくなる。
まぐわう男女にとってもはや毛布は余計な温室だった。盛り始めてしまえば互いの体温で寒さなどどうでもよくなる。
不機嫌そうに右手が毛布をベッドから払い落した。
露になる裸体の二人。自分より幾分か背の高い女を組み敷いて年下の男は乳房にかぶりつく。
十二分に発育した胸は制服で見るより大きく見える。着痩せしているのか錯覚のなのか。
どの道今は関係ないことだが。
途切れ途切れの嬌声。羞恥心が抵抗しているのか女は声を聞かせまいと胸の刺激を懸命に堪える。無論、男にはそれがおもしろくない。
今まであえて静止させていたそこをいきなり抽送させる。ゆっくりではない大きく、速く――。
強襲に流石の女も悲鳴を上げた。痛覚が言わせる痛みではない。快楽の声。
すかさず開いた口に男は舌を捻じ込む。男の奇襲戦法は女をすぐに陥落させていった。
下も上もぐちゃぐちゃになって絡み合うオスとメス。夜はまだ始まったばかりだというのに。若さに歯止めというものは本当にないらしい。
ただ、男にとってはまだまだ不満だった。
なぜなら――
どんなに腰を動かしても然るべき場所に何の感触も快楽もないのだから。
Private aide after days 〜飲み込んで僕のS2U〜
1 その後の二人
<>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/21(日) 22:43:18 ID:70nKy7Zb<>
『Boss,power charge completion』
『Stinger can launch any time』
野太い声で男が宣言。続けて女の凛とした声が響いた時、化け物の巨腕は光の蛇によって中空へ跳ね上げられていた。
不細工な獣が耳障りな雄たけび上げる。頭が痛い。
叫ぶなと言っても聞く耳は持たないだろう。どうせもうまともなおつむなどないだろうし。
ロストロギアに取り込まれた哀れな末路。既に人を失い欲望か、本能のままに動き続ける姿はなんとも愚か。
はたして本来はどういう使命を持って生まれたものだったのか。人の役に立つためのものならば同情するしかないだろう。
だがどの道こうなってしまえば
「敵だ」
牛の図体ぐらいはあろう尾の一撃をかわしクロノはひらりと背中へと飛び乗る。サーカスのような鮮やかな身のこなしから彼お得意の必殺が放たれる。
『Break impulse』
暴力的な共振が鱗で覆われた背中を弾け飛ばす。さらに一撃クロノは杖を両手で持って押しこんだ。
『Stinger brade slash down』
煌く閃光と共に肉を焼き切る青刃。邪魔者を片付けた向こうには赤黒い半球が顔を出していた。
「犯罪者言えど見殺しにするわけにはいかないからな」
魔力を乗せた拳が容易く殻を砕く。そのまま粘液の海に浮かぶ魔導師を片腕で引きすりだした。
「転送頼む」
薄緑色の粘液を撒き散らしながら魔導師の姿は空中からアースラへと一瞬で転送される。
あんな姿で送られては職員達もいい顔はしないだろうがのんきに洗濯している暇はない。
「こちらクロノ、目標の捕獲は不可と判断。破壊許可を」
『おっけー! もう許可はとっくに取ってるよ。決めちゃってクロノ君!』
まったく執務官を無視して話を進めておくとは上等だ。
用意周到すぎる管制官にクロノは心の中で礼を言う。すでに愛杖は敵を消滅させるための準備を始めていた。
「いくぞS2U! あいつを丁重に葬ってやれ」
『Okay,Boss. Coffin open』
『Braze energy charge』
二重奏が奏でるは盛大な葬儀へのシンフォニー。こんな奴には少々もったいない気もするがロストロギアならではの大サービスとしゃれ込もう。
「蒼き棺よ! 彼の者を極寒の庭園へ送呈せん!」
海のような蒼が相手を包みこむ。すぐさまそれは白く氷結し氷の球体へ。
「紅き棺よ! 彼の者を灼熱の庭園へ送呈せん!」
氷球に突き立てられた杖から熱線の奔流が迸る。
「リアクターバースト!」
内から溢れる光が電球のように氷を輝かす。炎は暴れのた打ち回り敵を喰らい尽くしていく。
棺の中で上がり続ける圧力と温度。極限に達する二色の嵐。
臨界を越え爆砕する最後まで醜き塊は断末魔さえ許されなかった。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/21(日) 22:44:16 ID:70nKy7Zb<>
* * *
転送ポートから一仕事終えた執務官が姿を現す。乱れ一つない魔導服は演習でもしてきたかのようにまっさらしている。それだけで彼にとって今の任務は大したことのない物だった事が窺えた。
「ご苦労様クロノ。流石我が息子、相変わらずの無駄のない仕事振り」
「いつも通り、当然のことをしたまでだよ」
労いと賞賛の言葉を受けながらクロノはブリッジを下り一番下で陣取る管制官の傍らに立つ。
彼に気づいているのかいないのか管制官は忙しくコンソールの上で指先を躍らせていた。
「エイミィ……確かに仕事が円滑に進められるのは僕としても非常にありがたい。だけど執務官の僕が命じるまではあまり行き過ぎた行動は控えてくれないか」
執務官補佐といえど上司の意見に従わずに自分の考えで先行されるのは補佐としての仕事から少々逸脱していると思える。
万事解決に済んだとしてもやはり決まりは守らなければいけないだろう。道徳的にそれはとても重要なことだ。
多分他の人間ならこれをいい仕事だ、とか何とか言って目を瞑ってくれるのだろう。だがクロノにとってはとてもじゃないが目を逸らすことも瞑ることも出来ない。正さなければ、と思うのは根っからの気質故である。
「聞いてるのか?」
「聞いてるよ〜」
何の感情もない返事が返ってきた。忙しない指先は相変わらずだし目線は常にモニターを凝視。
「エイミィ……君なぁ……」
こっちが真剣に仕事の話をしているというのにそれを無視するとは。礼儀というものを彼女は忘れているらしい。
カチンと頭にきてクロノはエイミィの肩を掴もうと手を伸ばした。なにがなんでも面と向かわせてやる意志の現れである。
「僕をなんだと」
「はい、終わったよ」
肩の代わりにクロノの手には軟質な感触が握らされた。唐突に掴まされたエイミィの反撃。にやっと笑って彼女は得意気に人差し指を立てる。
「取りあえず最低限の要点は入れておいたから後何か必要な事項とかあったら遠慮なく言ってね」
『事件No.GD96963456-D35754 報告書』という活字に一瞬あっけに取られるもクロノはそれが何の事件について記された報告書なのかすぐに理解した。
「本当に君って奴は……」
あまりの仕事の速さにほとんど呆れ顔になりながら報告書をめくる。眼球が右から左へこれまた恐ろしい速さで動いていく。
平均六秒のラップタイムをたたき出してクロノはさらに顔に呆けさせた。
「ど〜お? 何か要点はありますか、クロノ執務官」
アクセント強めに彼女は鼻高々。さらには立てていた人差し指の隣に中指が寄り添う始末。
ため息と共に左手が額に当てられた。悔しいがクロノの望むものは一切存在しない。文句なし、値打ちがつきそうなくらい完璧な報告書だ。
「……最初から僕を黙らせるつもりだったんだろ、これは」
「さて、どうかな〜。でもまぁ、これでお仕事は終っ了!」
イスから勢いよくエイミィは立ち上がる。両手を頭の上で思い切り伸ばして滞り気味の血流を気持ちよく巡らせる。そして少々強張り気味の肩に自分の若さを疑いながらクロノに向き直った。
「んじゃ食堂にでも行ってお茶しよっ、クロノ君」
「い、いやエ、エイミィ……」
「ガールフレンドの誘いは断らな〜い」
後ろ襟を掴まれてずるずると執務官が引きずられていく。悪いことをしたわけでもないのにこの扱いは動物にでもなった気分だ。
艦橋を出て行く二人の姿をこの場にいた局員達は皆微笑ましい視線で見送った。
もちろん母親であるこの人だってそれは相違ない。
「清く正しい男女交際しなさいね。いってらっしゃ〜い」
白ハンカチをフリフリしながら息子の成長にリンディは何度も頷いていた。
天国のあなた。息子はまた一歩大人の階段を登りました。少し寂しいものもありますが母としてとても満足です。
なんてしみじみ思って白濁した緑茶を飲んで一息。
「やっぱり新しい旦那探そうかしら」
いや、ほんとにあんたはいいから。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/21(日) 22:45:23 ID:70nKy7Zb<>
お忘れの方もいるでしょうがあの話の後日談(見ていなかったら保管庫で
Private aideをチェック)
クロノ君がエイミィ相手に自慢のS2Uを振り回すお話です
思いっきり導入部なのはお許しを
Step合わせて手の出しすぎはいけないなぁ
私事の方が忙しくなって参りましたがどうにか一週間のペースを保てるよう
鞭打たない程度で頑張ってます
また夜更けにこの2話でも投下予定だったり
それにしてもこのスレ職人多いなぁ
皆さんクオリティ高い作品GJです(敬称省略度々すみません
そういえば>>222でヴォルケン誕生秘話とかまた書きたくなるようなネタを
あれはいかにでも解釈できますからね
ヴォルケンはモデルというか元ベルカ人とかやっぱり製作者の趣味を
より集めたプログラムとか
実際、私も構想だけ考えて放っておいたり
こういうのって二次創作の楽しみですね、はい
しかしこのスレではヴォルケン組が元人間派かやはりプログラム派と分けると
どっちが多いのでしょう
なんでか饒舌ですが気になさらず
そういえばここ最近のスレに来た人って保管庫も見ていられるのでしょうか
あそこで1スレ目から作品読み漁って郷愁に浸るのもいいですよ
毎度のことながら>>549氏保管庫ご苦労様です
PS >>640氏もといユーノ君、避妊は大事よ 所でミッドの避妊具って結界? <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:53:42 ID:+hVGRuKc<> お久しぶりです。
相変わらずこのスレは賑ってますね、
しかし、ユーノとなのはの子供……想像つかんなぁw
と言う訳で、
似非(えせ)クトゥルフ神話注意
会議9割注意
それと今回妙に長いです。 <>
魔法少女リリカルなのはACF@訂正 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:54:16 ID:+hVGRuKc<> 『表と裏で大騒ぎなの』
巨大な会議室に声が響き渡る。ここは時空管理局に設けられた最大の会議室だ。
時空管理局を扱った多くのドラマで、孤独を表すためによく使われるこの場所は、今、
寂しさとは無縁だ、無数の人と彼等がもたらす喧騒が、この広大な会議室を支配している。
ここに集まっている人たちは、大きく分けて2種類、主催である時空管理局の高官と
各次元世界で軍事の全権を持った代表者だ。議題は当然、この後に控えている<旧支配者>との戦いの戦いについてである。
こう言う時、各次元世界の反応は二つに分かれる。
一つはミッドチルダを始めてするプライドの高い世界、
彼等は自分達の住む世界の優位性、軍事力を内外に示す為に、積極的に戦力を提供し、
究極的には自分達が連合軍の中枢を担う事を目的とする。
もう一つは余り力の無い世界で、コチラは逆に出来るだけ少ない戦力で済ませ、
格好だけ付けて、お茶を濁そうとする。
なお、十分な力を持っていても、あまり戦力を出したがらない世界も便宜上コチラに含んでおく、
今回のような大規模な軍事行動を行う上で困難なのは二つ目の種類の世界にいかに戦力を出させるかか、だ。
なんせ、今回無限書庫の司書達が過去の記録と、前のンカイとの戦いの記録から算出したルルイエとカルコサの戦力は
現在最大の軍事力を持つ、ミッドチルダですら尻込みする。と言うより確実に、
どんな奇策を用いてもアッサリと負けるレベルの物である。だからこそ、時空管理局に属する全世界の力が必要なのだ。
それに付いての激論が今行われている。
リンディ・ハラオウンは手元の書類を見てため息を付いた。もともと管理局側の数合わせで出席した会議だ。
発言は期待されていない、だから激論も半ば右から左に聞き流しているのが現状だ。
そんな事より気になるのが、ユーノの出してきたデーターだ。確かホンノ数日前までは、未だデーターが
集まらないとぼやいていた筈だが、今日になると不思議と全て揃っていた。さすがは無限書庫の司書長と言うべきか、
そして問題となるその中身、二つの遺失世界の信じられない戦闘能力が記されている。
恐らく、確実に、現在理想とされている全戦力を投入したところで、二つの遺失世界に勝つ事は出来まい、
精々、先に接触した一つと何とか渡り合える程度である。 <>
魔法少女リリカルなのはACF@訂正 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:55:17 ID:+hVGRuKc<> 「蒐集と呼ばれる魔法はどうなのです?」
なじみの深い単語にリンディはハッとして顔を上げた。状況を一瞬で把握する。今は
ある世界の代表が管理局に質疑をしている最中だ。その内容は要するに、現在はやてのみが使用できる能力、蒐集を
クトゥルフやハスターとの戦いの切り札に出来ないかと言う物だ。
この魔法に今、この中で一番詳しいのはリンディだ。管理局高官の視線がリンディに集中する。
その視線を受けてリンディは無言で立ち上がり、発言席に向かった。
(数合わせの筈だったのに……)
誰にも分からない様にため息を一つ付くと、喋り始めた。
「時空管理局、提督のリンディ・ハラオウン、です。唯今の質問は、八神はやて特別捜査官の使用する蒐集で
短期決戦を望めないか?と言う事で宜しかったでしょうか?」
質疑をしてきた男は軽く頷く、初老がかったその男は切れるような目をしている。恐らく、軍人から
政治家に転身したのだろう、その様な男が他の組織に頼るなど考え難いが、今回の事件事態が規格外だ。
仕方がないのかも知れない、
「結論から言わせて頂きますと、非常に難しいのでは無いかと思われます。」
リンデイははやての能力を解説する。確かに蒐集は決まればそれで勝負が付くが、問題も多い、
その最たる物が、蒐集は簡単に防げる攻撃だと言う事である。蒐集する為には、相手をほぼ無力化するか、
相手がそれに準じるほど無防備に成っている必要がある。さらにリンカーコアが露出に近い状態に成らないと確実とは言えない、
前の戦いでは、決着を急いだツァトゥグァが大ダメージを受けた状態で、
完成に多少時間がかかる魔法を使用しようとしたために、その状態が発生した。つまり、少なくても
その状態に持っていく必要が有り、前回は連合側も勝負を急いだため、結果的助けられる事となったが、
普通、その様な状態になれば勝負は見えている。
さらに、蒐集が完了するまで、<旧支配者>の必死の猛攻にはやてが耐える必要がある上に、
クトゥルフ、ハスター共に、ツァトゥグァが小物扱いできる存在である。
「なるほど、つまり、既に決まった勝負の決着を急ぐ事しか出来ないわけだ。」
その男はそう言って黙り込んだ。
「今の発言に質疑は有りませんか?」
管理局の副局長の言葉にメインモニター別の代表の名前が表示された。
「どうぞ、」
その男が立ち上がる。本来なら発言席まで出る必要が有るのだが、それをやると時間がかかりすぎるため、
質疑応答は管理局員以外略式だ。
「念のために聞いておきますが、彼女のはどれ位戦えますか?」
その問いは、それでも彼女を使おうとすると言う事である。
「唯今の質問は、八神はやて特別捜査官がどの位の間、蒐集の機会を窺う事が出来るのか?
と言う事で宜しかったでしょうか?」
相手が頷く、型通りのやり取りの後、リンディは相手の目を百数十mの距離を超え、見据える。
「確かに、彼女は後方支援攻撃を得意とする。Sクラスの魔導騎士です。さらに、
普段は、局内の別の仕事に付いておりますが、
彼女に個人的に仕えているAAAクラスのベルカの騎士が4人居ます。
彼女と騎士達は出自レベルで魔力的に強く結びついており、完璧な連携を取る事が可能です。」
会議室のあちこちで、息を飲む音が聞こえた気がした。それはそうだろう、魔導騎士、ベルカの騎士、
SとAAAクラスのみの戦闘集団、聞きなれない単語が簡単に飛び出したのだ。驚かないほうがおかしい、
「彼女は……何者なのかね?見たところ、ベルカの出身では……」
「残念ながら彼女個人の事情で、個人情報と深く関わる事ですので、私がお答えできる物では有りません、」
そう言葉を遮り、キッと相手を睨む、
「それに、常人より強い事がこの戦いに何の意味を持つでしょう?敵にはSSS+クラスの存在が
普通に入っています。Sクラスでさえゴロゴロいます。最低でもAAクラスです。
その戦場に、精々最高Sクラスの、わずか5人の戦闘集団で、何が出来ると言うのでしょう?
先ほどの質問の答えですが、極わずかな時間だけしか不可能と言う事です。
代えが効かない能力に頼るのは、その力がよほど強大で確実な場合を除いて極力避けるべきです。以上」
常識で考えろ!暗にそう言う怒気を含んだその発言に、相手がたじろぐ、
「今の発言に質疑は有りませんか?」
どんな時でも副局長は冷静だ。だが、次の質疑は無い、リンディは無言で一例をすると、発言席を後にした。 <>
魔法少女リリカルなのはACF@訂正 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:55:49 ID:+hVGRuKc<> リンディが座席に戻ると、既に次の発言者が立ち上がっていた。
「ロストロギア、時空管理局が保管するロストロギアを使用する事は出来ないのですか?」
会場がざわめく、全体と見ればタダの騒音でしかないが、その一つ一つは賛同や同感といった物である。
「少々お待ちください、」
副局長がそう言って、管理局の座席に急いで戻ってきた。管理局高官内で、簡単な議論を行う、
要点は、リスクはどの程度かから始まって、誰が扱うのか、リストは揃っているのか、
また其れを扱える者はどの程度いるかと、目まぐるしく移っていく、しかし、結論が出ないまま、
局長が合わせたアラームが鳴った。局長自ら発言席に赴く、
「ロストロギアの殆ど全てが、現在の技術では制御不可能な存在です。しかし、今回の戦いにおいて、
使用できるのであるならば、使用するべきであると言う意見も有りますので、今後、時空管理局内で
検討しておきます。ただし、最悪、コチラが自滅する物まで存在します。あくまでも最後の手段と
考えていただきたい、」
「今の発言に質疑は有りませんか?」
反応する者は居ない、そもそも検討中な物に答える事など出来ないのだが、便宜上という奴だ。
ただ局長の発言のニュアンスは、使用を前提とする物である。
リンディは本日何度目かになるため息を付いた。出来れば使わないに越した事は無い、しかし、
敵の戦力を見た以上、使わざるえないだろう、今度はどんな悲劇が巻き起こるのか……
本日の長く続いた会議は、その後、<旧支配者>に対抗する為の超長距離魔力転送システムを
急遽製作すると言う事を合意して終了した。このシステムは前々から提唱されていたものの、
各次元世界やその内部の国家の確執によって実現しなかった物だ。転送のロスは大きいが、
それでも全次元世界の動力炉で生産される魔力を集中すると大きな助けになる筈である。
問題は扱える者が居るかどうかだが、その議論は持ち越される事となった。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:57:09 ID:+hVGRuKc<> 狭い部屋で数人の人物が輪になって立ち話をしている。その面子には丸で統一性が無い、あえて言うならば
時空管理局に所属していると言う程度だろうか?いや、もう一つあった。全員、極めて優秀な魔導師である。
そして、統一性の無さが逆に統一されているようにも見える。彼等の中には管理局の局長が居た。
「どうだったかね?久しぶりの学校は?」
局長がその中の一番年少に見える少女に声を掛けた。
「あ〜、皆に豪い心配掛けてもうたわ、なんせ、病気や言う事になってたから……
何時再発するか分からん言うといたし、何時でも出動O.Kやで」
はやてはそう答えると、笑って見せた。この場に彼女が見知った顔が一人いる。
リンディだ。それ以外にも数人、戦技教導隊の隊員らしき人物や、諜報部員らしき人物も居る。
ここは、本部近くの次元世界にあるビジネスホテルである。そして今現在行われているのは、
局長が開いた秘密会議だ。彼はたびたびこういう会合を開いては「現場」から意見を汲み上げる。
メンバーは勿論存在すら外部には漏れていない、このホテルも仮名で借りて、全員簡単な変装で集まっている。
当然、集まった面子も決して友人に存在を漏らさない人物を厳選している。
ついでに言ってしまえば、その関係ではやてのリンフォースUも現在、整備の名目でマリーに預けてある。
この会合はまさに、管理局内部の権力闘争や高官同士の確執の落とし子である。
つまり、側近の話が当てにならない事が存在する事を、局長自身が知っている証拠なのだ。
今日の会議は当然<旧支配者>との戦闘についてだが、ここで語られる戦略は軍事力よりも、
士気に付いてである。どの艦隊が暴走しそうか?また、どの艦隊に不安が見受けられるか?
新人の訓練は本当に思うように行っているのか?そんな事を話してあって行く、
そんな中、リンディが不安を口にする。
「無限書庫の動きはどうなっていますか?」
ここに無限書庫の司書は居ない、だが、よく出入りしている者なら居るには居る。
「う〜とな、そういえば、最近盛り上がってる見たいやな、でも、最近検査ばっかであんまりお邪魔して変から
原因はよう分からへん、ユーノ君の動きが変なんですか?」
全員がリンディに注目する。今や無限書庫の司書長であるユーノ・スクライアと言えば最重要人物の一人である。
その彼の周辺に不穏な動きがあるとならば一大事だ。
「う〜ん、私もよく分からないんだけど……カルコサとの戦いで司書達が暴走する可能性があるのよ、」
「暴走?カルコサ限定ってことは、そこになんかあるのか?」
リンディは懐から紙の束を取り出す。異界の文字で「セラエノ断章」と記されたそのコピー用紙を彼女は広げる。
「コレは遺失世界シュリュズベリイで書かれたと言われる本の写しです。私自身はこの遺失世界について
よく知りません、しかし、前回の次元世界連合会議で彼が提出した資料の奥付に
シュリュズベリイで書かれた物が参考で記されていたため、<旧支配者>達と因縁がある世界で在ったことは
間違いないと思います。これはミッドチルダの某国に存在する図書館から入手した物ですが、序説以外が欠けております。」
「そこには何と書かれているのかね?」
軽く頷きリンディは、続ける、この場でもったいぶっても仕方が無い
「序説のみですから大した事は書かれていません、ただ、セラエノの言うのは、ユーノ司書長の書類にある様に、
遺失世界カルコサの内部にある星で、カルコサ内部の第二拠点です。
そこに、<旧神>と呼ばれる存在から<旧支配者>達が奪った大量の知識が眠っている大図書館があると
ここには記されています。これはその一部を写し取った物だとも……」 <>
魔法少女リリカルなのはACF@訂正 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:57:42 ID:+hVGRuKc<> 何が言いたいのかはその場の全員が理解した。滅んだ筈の世界に巨大な図書館がある、実に夢のある話である。
しかし、その事を司書達が知っていたら……いや確実に知っているだろう、すると彼等はどう行動するだろう、
なんせ、彼等のトップはそこに考古学者の肩書きまで持つ人物である。遺失世界の書庫、これで欲しがらないなら
司書としても考古学者としても三流だ、さらに、彼はこの書庫の存在を書類に記してい無い、
作戦上重要じゃないとも取れるが、はたしてそれだけだろうか?そして、彼ならどういう行動を取るだろう?
書庫の制圧など悠長にやっていられる状況ではないのだ。連合軍は当てにならない、
リンディの危惧することはそれだった。普段の慎重で大人しい行動とは裏腹に、
彼はかなり大胆な行動を取る事をよく知っている。初めて会った時からして、
暴走したロストロギアを一人で回収しようとしていて、現地の魔導師を見つけたらしいし、
その事件のさなかに命令無視を堂々と犯して見せた人物である。娘の友人の中では一番繊細に見えるのに、一番図太い
はやても同じ事を考えていた。ついこの間、司書長に就任後に護衛も付けずに危険な遺跡に向かう人物だと
家族から聞いた所である。もし、そんな餌を目の前に吊り下げられたら、周囲の反対をアッサリ回避して
自分自身で確保しようとするに決まっている。部下達もそれに同調するだろう、
二人以外も、何らかの心当たりにより、同じ結論に行き着いたようだ。
「……これは、彼等に釘を刺しておいた方がよさそうですな、」
それは同然同感なのだが……糠どころか完全流動している液体へリュウムに釘を刺す様な物である。
果たしてどこまで効くか
「ここは……なのはちゃんの出番かもしれへんな……」
その後も対策に付いて話し合ったが、結局はやてが提案したなのはに「お願い無茶しないで」と言って貰う
作戦で落ちついた。
会合が終わり、解散する時に、はやてが局長の方を振り向く、
「そう言えば……ロストロギアの封印を解く言う話は……」
どうしたのか?その言葉を放つ前に局長が答える。
「気になるかね?」
「ええ、そうらあまあ、あたしらが探した子も仰山ありますから、」
非常事態だからこそ武装局員の真似事をしているが、本来彼女はロストロギア専門の特別捜査官であり、
今までロストロギアに関わり続けていた。そして、その度にロストロギアの危険を直に感じている。
気になるのも無理はない、
「現状ではなんとも言えんよ、ただ、そう言う方向で話は進めるつもりだ。」
「そうですか……では、失礼します。」
何かを考えたまま、はやてはその場を去っていった。他のメンバーもそれに続く、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:58:17 ID:+hVGRuKc<> 無限書庫で作業を続けるユーノは、一冊の本を司書に向かってほり投げる。
「だから、高橋葉介は外してって言ってたじゃない、」
「すいません、」
そう言って慌てて本を受け取る。その顔を見てユーノは首を傾げる
「自分用?」
「あ、はい」
「終業後にね、」
「はい、分かってます。」
部下が去っていったしばらく後にユーノのポケットで電子音が鳴り響いた。
「時間だ、」
彼は動き出す。最高幹部会議がもう直ぐ始まる。すでに必要な書類は準備している。
あとは会議室に向かうだけである。
「また一人で向かう気ですか?」
書庫から出ると、そこに副司書長が立っていた。顔にははっきりと諦めの表情が出ている。
「うん、そうだよ、」
「もし何か遭ったらどうする気ですか!」
引いても駄目なら押してみろ、とばかりに強く出る彼に対してユーノは肩を竦める。
「無いよ、しようとした奴はついさっき、局に進入した所で捕まってる。」
「え!?」
驚いた彼は慌てて自分のデバイスを操作して、情報を確認する。そこには何も新しい情報は無い、
と、その時、電子音と共に、
“局の発着場にてテロリストの集団を捕獲、<旧支配者>を崇拝している地下教団だと思われる”
と最新情報が入ってきた。驚愕の表情でユーノを見る彼にユーノは、ほらね、笑ってみせる。
しかし、彼は直ぐに口元を緩める。
「私以上の情報収集能力とはさすがは貴方です。しかし、貴方といえ、察知できない事が有るようですね」
え!と彼を見るユーノに彼は言い放った
「ぶっちゃけ防御に専念したほうが……
しかし、その声は途中で聞き覚えのある大声に掻き消される。
「待ってや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
次の瞬間と言うより明らかに早いタイミングで衝撃が襲ってくる。とっさにはったスフィアプロテクションは
間に合わず、両腕と肋が折れたのが分かった。そのまま50m以上吹き飛ばされる。落下の衝撃には
バリアが間に合ったようで、そちらの衝撃は無かった。
「ひどいわユーノ君、人が待って言うてるのに逃げるなんて」
ユーノがさっきまで立っていた所にはそうぼやくはやてが立っていた。
「コレを見て逃げたと言いますか、貴方は……?」
その横では副司書長が絶句している。見ていると、はやての背中や足から色んな形の光が消えて行く、
恐らく、知っている加速魔法を知っている限り、ありったけ併用したのだろう、ユーノの記憶と知識が正しければ、
音速は軽く超える筈である。そう考えると最初のアレも何とか間に合っていたが、上からの衝撃で
やられたんじゃないかとさえ思えてくる。なんせ、衝撃波から自分自身を守る為、ラムのようなバリアを張っていた
筈なのだ。コレだから魔力が有り余っている人は恐ろしい、
とりあえず、ユーノが回復している間に、副司書長がトラブルで少しだけ遅れると連絡を入れる。
そして、遅刻を最小限で済ませるために、その間にはやての話を聞いておく、
「う〜〜ん、そう言うことなら、自分で言った方が良いよ、僕が出番を作ってあげる。」
そう言って立ち上がる。まだ左手が治っていないが、会議室に着く前に治るだろう、
「本当!?ありがとな、ユーノ君、」
いきなり歩き出したユーノを、はやては慌てて追いかけた。
『本気ですか?今の案はつまり……』
念話で聞いてくる副司書長にたいして、ユーノは余裕を持った声で答える
『君が遅れを取るとでも?それに僕のアレもある。僕は心配してないよ、』
『いやそれはそうですが……』
何か言いたげな副司書長を残し二人は会議室へと向かった。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:59:02 ID:+hVGRuKc<> 巨大な会議室は先日の喧騒とはかけ離れた光景を映し出していた。場を支配するのは極少数の時空管理局の
最高幹部だ。そのわずかな人数は、無人よりも雄弁にこの会議室の広さを物語る。
今回の議題はロストロギアを使用するか、より正確には使用して発生する問題はどの程度か、だ。
と言っても現在水掛け論の域を出ていない、当然である。最後の資料が揃っていないのだ。
そこに、大きな音を立てて一番下にある、扉が開いた。そこから現れたのは、最後の資料を持ってきた
ユーノである。
「遅れまして申し訳ございません、現在どこまで議論が進みましたか?」
「肝心の資料は誰が持っていると思っているのかね?」
局長の声でユーノはハッとした顔で資料を配り始めた。そして、局長に確認を取って発言席に付く、
「遅れまして申し訳ございません、今回遅刻いたしましたのは、ロストロギアの使用にあたり、
八神はやて特別捜査官から、ある提案を受けていた為です。私個人的はロストロギアを直接扱うよりも
良いと判断しましたので、皆さんの判断を仰ぐ為に彼女自身から話を聞いて頂きたいと考えております。
よろしいですか?」
そう言って局長を見る。ほかの者達の視線も局長に集中した。
「入って貰いなさい、」
その声、にユーノはパチンと指を鳴らす。すると扉が開いて、はやてが現れた。
彼女は、一同に一礼すると発言席に向かった。ユーノが一歩下がって場所を空ける。
「特別捜査官八神はやてです。本日はこのような機会を頂有難うございます。」
そう言って一礼する。
「私が提案する事は、ロストロギアの魔力を抽出して使用できないか?という事です。」
ユーノ以外に疑念が浮かぶ、しかし、直ぐに有る事に思い当たった。
「私の「蒐集」を使用すればそれが可能です。その性質上、出来るもの、効率の良いものは
限られますが、より、安全にロストロギアを扱える筈です。その事について皆さんに
許可を頂きたい、よろしいですか?」
発言は短かったが言いたい事は分かった。そして議論に入る前、はやてが発言席から一歩離れた所で、
ユーノがすかさずマイクを握る。
「私個人的な会見を述べさせて頂きますと、恐らく、一番安全性が高いと思われます。
但し、その分、その恩恵を受ける事が出来るのが、彼女一人となり、
融通が利かなくなりますが……数を蒐集すれば単体で<旧支配者>と渡り合う事も可能かと、
私、無限書庫司書長ユーノ・スクライアはこの案を支持します。」
「今の発言に質疑はありませんか?」
副局長の声で、多くの者が、発言有りのボタンを押した。基本的に(連続した発言でなければ)一番早い者
が発言するのが基本である。そして、管理局内での会議はマスコミに公開される物を除いて(公開されても
参加人数の多い物は)略式で行われる。つまり質疑応答の時に質疑のあるものが発言席まで行くことは無い、
「単体で<旧支配者>と渡り合う事も可能との事ですが、それまでにどの位かかりますか?」
外部と会議を開くなら、質問の内容まで確認するが、内部の会議ではそれさえ省略する
「資料を確認した所、彼女の能力で、かつ強引に行けるのならば、遅くても一ヶ月ぐらいでその状態まで
持って行く事が可能だと思います。」
一ヶ月、決して遅いわけでは無い、しかし不安の残る時間である。ただ、一体の<旧支配者>なら
既存の戦力で何とかなりそうである。今の人間は決して無力では無いのだ。そう考えると
十分な時間だ。恐らく、次元世界と開いた会議で決まった魔力転送装置も遅れても、あとそれ位で完成するだろう、
そして、ユーノの資料によれば、ハスターとクトゥルフは同士討ちこそしない物の、互いに反目していると言う、
つまり同時に出現する事は無い、上手く行けば、二つの遺失世界に対抗する術が手に入る。
しかし、問題点はそれだけではない、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/21(日) 23:59:35 ID:+hVGRuKc<> 「他に質疑のある方はいますか?」
副局長の声が響き、今度は初老がかった男が立ち上がった。
「戦力として十分に扱える事は理解した。しかし……」
彼は一旦ここで言葉を区切る。少しの逡巡の後にトーンを落として聞いた。
「その、彼女は大丈夫なのかね?」
これは彼女の健康を気遣っている訳ではない、この場合の大丈夫と言うのは、<旧支配者>と同等の力を
持った彼女を、時空管理局の制御下に置けるのか、さらに言ってしまうなら彼女が寝返る危険は無いか、
という事である。確かに、彼女の能力を畏怖する勢力も時空管理局には存在する。その多くは何らかの形で
闇の書と化した夜天の魔導書と関わってきた者である。ここに居る者達はともかく、その者達が騒ぐ筈だ。
そう言った者達を黙らせる為にも、本人の前であろうと聞いておかなくてはならない、
ユーノも一度はやての方を向いた。本来なら彼女の居る前で言うべき事ではない、しかし必要ならば
仕方の無い事だ。
「リスクの問題です。彼女が“そうなる”リスクと、2体の<旧支配者>が擁する遺失世界に
ロストロギア無しで立ち向かう、またはロストロギアをそのままの形で使用するリスクを
考えると、答えは明白です。彼女が“そうなる”リスクについてですが……」
そこで言葉を区切り、もう一度はやてを見る。
「個人的な意見を述べると、まあ、限りなく0に近いのでは無いでしょうか?」
彼は肩を竦める。限りなくと言った理由は管理局がヴォルケンリッターに“何か”した場合だ。
その場合、彼女は何の躊躇いも無く管理局に牙を向くだろう、だが、今のところその様な事を許可は愚か、
黙認する者も、ここには居ない、彼女の有用性を良く理解しているからだ。
「質疑はありませんか?……無いようですね、では私から、」
他に発言が無い事を確認すると、副局長が次の質問を浴びせる。
「先ほど強引にと言いましたが、これはヴォルケンリッターを護衛につけると言う事ですね、」
質疑と言うより確認である。それにユーノは頷いて答えた。
「はい、護衛ならば誰でも良いのですが、ヴォルケンリッターが一番適任だと思います。」
はやての顔がわずかに緩んだ。
「分かりました。他に質疑のある方はいますか?……居ませんね、
それならば、今の提案について決議を取りたいと思います。」
結果は直ぐにモニターに表示される。全会一致で可決であった。ならば、と局長が直ぐに指示をだす。
「では、今日は君の学校などの処理をやり、明日、朝一でロストロギアの保管庫に向かってくれたまえ、
ヴォルケンリッターにはこちらから連絡しておく、よいかな、」
そのロストロギア保管庫の総責任者はすでに必要な書類の作成と指示をデバイスで行っていた。
「はい、おおきに、ありがとうございます。」
思わず地が出て慌てて口を押さえるはやてを送り出そうとした時、
けたたましい警報が鳴り響く、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/22(月) 00:00:10 ID:+hVGRuKc<> 「なんだ!!」
誰かが叫んだ。それに答えたのはモニター、そしてアナウンスだ。
「遺失世界らしき次元世界を発見、資料から推測するにルルイエだと判断されます。
まだ戦闘行動には移っていないようですが、58時間後に時空管理局の勢力範囲に
進入すると予想されます。以上」
会議室の周囲が騒然となったのを感じた。しかし、内部は落ち着いている。
「58時間か、思ったより早く発見出来た。」
ユーノの余裕に、
「全くだ、これだけあればこちらから打って出る事も可能だろう、」
と初老かかった男も答える。ただ一人慌てたのがはやてだ。
「あの、私は?」
最初に質問した女が答えた。
「あなたは、自分の役目を全うして、カルコサとの接触前にハスターと直接戦えるように、
分かった?」
「はい、分かりました。」
「それでは、解散だ。先ずはクトゥルフを倒して、勢いを付けようではないか!」
局長の言葉で一同が一斉に動き出す。
己の役割を果たす為に、 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/22(月) 00:01:25 ID:+hVGRuKc<> まず名前欄がの一部が間違っていた事をお詫びします「@訂正」は無視してくださいorz
という訳でほぼ会議オンリーの第3話です。……おかしいなあ、なのはは何所へ言ったんだろうorz
大きい話を舞台裏までやろうとするとこうなるんですね……
あと解説二つほど
秘密会議ですがもともとは円卓に座ってましたが、ビジネスホテルに円卓は無いよな、
と言う事で輪になって立ち話になりました。完全秘密ですので、
局長が現場の様子を知ったり、不正を感知したりする以上の機能はありません、
シュリュズベリイが遺失世界になったのはアルハザードが遺失世界だからです。
それにしても皆さん筆が早いですね……
>>640氏
落ちがーーwホールインワンってユーノこらw
>>7スレ76氏
「機動戦士シグナムSEED」これだけは頂けない、って言うかユーノが黒猫役?
>>176氏
いいですねぇ、エイミィ×クロノ、クロノの押されっぷりがまたなんとも…… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 00:03:31 ID:AhJrr8Fd<> 乙ー
ログ保存しなきゃ…
もうすぐだよね消えるの。
なんか慌ただしい。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:17:07 ID:rw2Ij+Vs<>
2 唸る三本目のデバイス
「そういえばさ、随分ノリノリな感じじゃない?」
「なにが? 言っておくけど僕はそんな言葉とは無縁だからな」
カフェテラスへの道中、唐突にエイミィが切り出す。クロノは憮然としながらも言葉を返した。
あんなことをされた矢先のせいか心なしか表情は固い。
「クロノ君がそんなキャラじゃないことは百も承知。あれよ、改良型S2U」
「ああ、これか」
胸ポケットから休息していた相棒を取り出し杖へと変形させる。白と黒を基調とした甲冑のような装甲の上にあしらわれた青緑の水晶。加えて縁取るように表面を青水晶が装飾を施している。
片側からは羽を象った黒いオブジェがくっつき一見不恰好でありながら気品を漂わせていた。
「S2U・AF。S2Uにデュランダルのコアを乗せて処理速度を格段に上げる……なんてまた改めてみると凄いものだな」
「でもパソコンにはデュアルCPUとかあるんだし、一概にはそう言えないでしょ?」
デバイスとパソコンはそもそも次元が違うだろう。繊細なデバイスコアを複数乗せるなどほとんどの場合相互干渉によって処理速度が急降下する場合がほとんど。
「マリー曰く構想は前からあったんだってさ。で、偶然にもS2Uとデュランダルのコアのシンパレートがものすごくぴったりだったから」
「僕も承諾したんだ」
質実剛健の身から言わせて貰えば魔導師にデバイスは二つもいらない。ならばS2U、デュランダルどちらかは捨てなければならないだろう。
だが自分の右腕として申し分ない処理能力と使い心地を持つS2U。かたや氷結魔法に最新部品で組まれた採算度外視の高性能デバイスであるデュランダル。クロノにとっては頭を悩ます二択だった。
「まったく開発局は日進月歩だな」
「そこが痺れる憬れるぅ! ……なんてね」
「なんだよそれ」
大方、漫画の受け売りか。
それならば
「時空管理局の科学力は世界一……だな」
この前エイミィの部屋で暇つぶしがてらに読んだ漫画からクロノも言葉を返す。
「あはは、クロノ君もわかってらっしゃる」
「まぁな」
どうでもいいことだがやはり賞賛されるのに悪い気はしないな、などと思いながらクロノは廊下を歩く。
隣のエイミィは横目にクロノをちらちらと窺いながら何やら小難しい顔。
「どうしたんだ? さっきから人の顔ジロジロ見て」
「顔じゃないんだけどね……クロノ君もしかして背、伸びたかなって」
気づかれたなら仕方ない。そう言いたげそうに今度は靴先から頭まで舐めるように視線を一周。
「大体三センチって所ね」
「よくわかるな……」
「そりゃあ補佐官たるもの執務官の体調には気を配らないといかんでしょ」
「君にしては出来すぎた言葉だな」
そういうクロノの口には笑み。これでも第二次性徴期真っ只中の少年。多少なりともコンプレックスの対象であった身長にも改善の余地が認められれば嬉しさは隠せない。
「でも残念ながら私に追いつくことはまだまだ先なのでした」 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:18:05 ID:rw2Ij+Vs<>
「勝手に決めるな!」
「だって……ねぇ」
微妙に哀れみの視線を送りつつ腕を広げるエイミィ。そのままボフッとクロノを包み込んだ。
そこに抱擁というより捕獲の方が語彙的に相応しいのはやはり身長差が引き起こす運命か。
「エ、エイミィ!?」
「だって抱きしめるよりは抱きしめたいって感じじゃない? クロノ君はなんというかこうもっとこじんまりしていた方が私的にはグッドかなぁ」
「ぼ、僕は愛玩動物か!」
脳裏に浮かぶはもちろんあのイタチもどき。あんな奴と一緒にされるなど人生の恥。
「お姉さんから言わせてもらうとそうかなぁ」
「い、今に見てろよ。すぐに追い抜いてやるからな!」
「おお、ご立派ご立派」
クロノの決意表明をあっさり聞き流し今度は胸に埋もれる黒髪をくしゃくしゃにする。
「か、からかうなよ!」
「いいじゃんいいじゃん」
口元吊り上げ、にひひと笑ってエイミィは思いっきりクロノを胸へと押し付ける。
悪ふざけここに極まり、クロノの口と鼻は呼吸をする術を奪われた。
「むぐっ! んん!! ん〜〜〜!!」
「こらこら、暴れないでよ、くすぐったいって」
気分は蝿取り草にでも挟まれた虫である。どんなに手を動かそうとも、足で踏ん張って引き剥がそうにも、檻は脱獄不可能な事実だけを教えるのだ。
「あはは、もうクロノ君ったら。赤ちゃんじゃないんだから〜」
「むぐ〜〜〜!!」
思いっきり遊ばれるクロノである。
このままだと人に見られるのも時間の問題。いくら恋人同士のじゃれあいと片付けても男が女の胸に顔を埋めてる様はもう言い訳のしようが無い。
見られたら最後、その瞬間から執務官の威厳もなにも灰塵に化すこと請け合いだ。
「エイ……ミィ……」
だが時にクロノ、思春期真っ只中少年。今は体面より守りたいものがある。
今この瞬間にもそいつは異性の感触にむくむくと起きだし、首をもたげて舌なめずりをしているはずだ。
服の下にはエイミィの乳房。たわわな果実。……おっぱい。
――止めろ、思い出すな、あれは夢だ、だから夢なんだ。
非常警報発令。
日頃の精神鍛錬で抑え付けていたあの淫夢――今となっては悪夢が胸の弾力を起爆スイッチに爆発した。
常時の二倍以上でテンポで拍動する心臓。
全身を駆け巡る熱き血潮。
あいつに充填されていく熱き欲望の猛り。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:18:41 ID:rw2Ij+Vs<>
「もう可愛いなクロノ君……は?」
腿に擦れて服ごしながらちょっとだけ気持ち良かった。
……終幕。
「な、なんだろ……こ、この固いの……クロノ君のデバイスかな……あっはは」
いつの間にか顔は紅潮、心拍上昇。
自己主張激しい彼の股間のデバイスにさしものエイミィも――参った。
「…………ごめん、エイミィ」
拘束が緩んだ隙に、黙って、息すら殺してクロノは一言の謝罪と共にそれはそれはぎこちなくエイミィから離れた。
「ふがいなくてすまない……君の彼氏だというのに」
頬を赤くして視線を逸らして、最後の方など威勢は何処へやら。呟くような語尾で締めくくる。
なんて節操の無い愚息だ。
「……あ、あはは、わ、私こそ……ごめん」
まさかふざけてやった事がここまで打撃を与えるなんて予想の遥か斜め上だ。
オペレーターとしての勘もズボン越しの攻撃だけは全く予期できなかった。
「気にしないでよ、私がふざけすぎたのが原因だしさ」
「いや、この程度で自分を抑えられない僕が原因だよ。心地よかったのは事実なんだし……」
さらりととんでもないこと言ってしまう辺りクロノの頭は熱暴走を起こしっ放しなのは容易に想像できる。
「えっと……さ。今は休憩だし……取り合えず……ね」
今は腰を落ち着けるべきだ。このまま通路で突っ立っててもメリットは無い。
一歩前に出る。あれほど柔らかだった雰囲気はもう酷いくらいに角ばっていた。
妙な気恥ずかしさを覚えながら、それぞれに体を固くして再び歩を進めるのであった。
* * *
<>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:27:13 ID:rw2Ij+Vs<>
ブラックコーヒーは一向に減る気配を見せず、ただ熱を奪われ。
間食に、と頼んだサンドイッチは後一切れを残し干からび始め。
「そういえばなのはちゃんたちもさ……なんていうか甘いね〜」
先ほどの惨事を忘れようと可能な限り明後日の話題を引っ張り出して場を繋ぐ。
「どちらかが節度というものを弁えてくれれば、ああはならなかったんだろうな」
先日、助っ人に呼んだなのはとユーノの姿を浮かべながら天を仰ぐ。
ちなみに股間はもう仰いでない。
「戦闘前から中から後まであの二人は磁石か」
ピッタリ寄り添う二人はいつ何時、如何なることがあろうと離れることはなく一心同体とでも言わんばかり。
「でも砲撃に結界なんだからしょうがないんだよね」
「ああ、おかげで一時間が一分にまで短縮されたんだからな」
ユーノの結界に敵は成すすべなく、内側から放たれたなのはの砲撃に一瞬で全滅。
正直、漫画なら偉い手抜き描写だ。
「僕らが呼んだのに主役はあっちだしな」
別段世によく言われる馬鹿っプルという程イチャイチャしているわけではない。その観点から見れば随分落ち着いている二人だ。
だが甘い。何か甘いのだ。
まるで特殊な結界に覆われてしまったように二人がいる所、蜂蜜でもぶちまけた様な雰囲気に包まれる。
「甘いのには慣れているつもりだったんだけどな」
「別の意味で甘いんだよね」
味覚というか、それ以外の四感を塗りつぶされる甘さ。糖時計の針は用意に振り切る自信がある。
「せめて帰るときには一緒に連れて行ってもらいたいくらいだ」
場を和ませる、それこそ香のようなものなら毎日でも焚いてもらいたい。
「あれじゃ生物兵器だ……精神攻撃特化のな」
もはや和むより溶かす、それに尽きる。
「でもさクロノ君。私たちも下手すればああなるってことじゃない」
「……そ、そんなわけあるか」
あっちは司書と教官。仕事はペアではないのだ。よもや一人でも甘みを分泌するわけが無かろう。
こっちは執務官と執務官補佐。常にペアでほとんど四六時中一緒だ。
「想像してみろ……なんて言いたくないけどしてくれ」
エイミィに促しながら自分もそうなった――なるつもりは毛頭ない――場合をシミュレーションしてみた。
……。
…………。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:28:54 ID:rw2Ij+Vs<>
――アースラが沈んだ。
なぜだか知らないが本局まで――沈んだ。
「……役得ならず役損だね」
「それよりも僕たちは何でこんなことを考えているんだ……」
したいのか、そのイチャイチャとやらを。
「そのための二人きりか……なるほどなるほど、流石クロノ君」
「……それだけは心の中にしまっておいてくれ」
あのカフェテラスでの失言は今でもクロノにとってアキレス腱だ。
『仮にいちゃつくなら二人きりの時だけで十分だ』とは誰が言ったか、この口め。
クロノなりに公私混同させないための合理性を突き詰めた――だと思い込むことにする――発言だった訳だが。
「でもさ……二人きりってそれこそないんじゃない」
「ああ、そうさ。執務官と管制官じゃな」
こういう時のために都合よい言葉が存在する。
アキレスを守る盾はなかなかに頑丈だろう。
「休暇にはデートもしてるんだから問題ないさ」
「デートでもさ……なんだかこうもう少し別の時に二人でいたいんだけど。恋人的にはさ」
彼女言う通り、そのデートだって大衆の中で動くの主だ。
おそらくエイミィの意図している二人きり、というのにはほど遠い。
「無理言うなよ……僕もエイミィもアースラにいる限りは二人きりの世界は作れない」
我が家はこの艦、アースラだ。プライベートなどあの狭くも広くも無い己の一室のみ。
「はぁ……その結果があれなんだよね」
「どちらかの部屋にいても招集かけられれば行くしかないんだ」
それさえ常時接続されている艦内通信のおかげで危うい所だ。
「いい雰囲気だったんだけどな……初めて私たち大人のキスしたのに」
「……君はまた僕を前かがみで歩かせたいのか」
「だって少なからずの進歩なんだよ。ちょっとは努力してよ、クロノ執務官」
頼らないでくれ、と心のうちで頭を抱えながらクロノははたと気づいた。
それこそ狐に摘ままれたかのようにおかしすぎる言動と思考にである。
「……なに真剣に悩んでるんだ、僕は……」
首が力なく垂れ、両手が頭を抱える。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:30:10 ID:rw2Ij+Vs<>
違う、これは自分の意思ではない。これはエイミィに謀られたのだ。
自分達の恋路にそれこそ困難な任務に立ち向かうがごとく頭をフル回転させているなんてあり得ない。
それどころか猥談に片足突っ込んでいる。
「真剣な悩みでしょ……はぁ、やっぱり固いよねクロノ君ってさ」
「悪かったな……僕なりに考えた結果だよ」
今日はいろいろとおかしい。恋人の一挙手一投足に一々反応しすぎだ。いつもはこうじゃない。多少は振り回されていることは認めるものの。
「はぁ……我ながらどうかしている。仕事よりもこんなこと考えているなんて」
「仕事馬鹿にならなくていいんじゃない? 普通その年頃の男の子はそれが普通だと思うし」
「ああ、慰めの言葉ありがとう」
それでも異常だ、緊急事態だ。
疑問符の洪水は脳内を既に八割方浸水させている。思考回路のあちらこちらで漏電はしているし、酷い所は回路が焼き切れている。
もはや人間としては底辺ギリギリなのでは? そんな不安さえ頭に過ぎる始末だ。
「なんだかお互いこれだけ悶々としてたらいちゃつかなくてもアースラ沈みそうだね」
「ああ、まったくだ」
これは由々しき事態だ。流石に何か手を打たないと不味い。
「……はぁ、正直にエイミィ・リミエッタ白状します。私だって年頃の女の子なんだから好きな男の子のと四六時中一緒にいたいよ。てか、漫画みたいなバカップルとか一度は体験したいなぁとか思うし」
「そうか……だったらどうにかしないといけないかもな」
恋人がそこまで切実に考えているなら男としては答えなければいけない。これは当然の義務であり勤めだ。
クロノの人格を形成するその誠実さはどんな局面であろうと常に損なわれること無く発揮される。
こうなればどんな手段を使ってでも叶えてやる。エイミィの喜びは自分の喜び同然なのだから。
「よし、近いうちに誰も邪魔できないような聖域を作ってやる。君と僕が一日思う存分羽を伸ばせるように」
「おお、頼もしいじゃない」
「僕を誰だと思ってるんだ。僕はアースラの切り札だ」
さて、そうと決まれば即行動。すぐに策を練って備えなければなるまい。
初めてかもしれない、仕事以外でここまでやる気を出したのは。そこまで思考をめぐらせてまた気づく。
「そうか、参ったな……」
やはり自重すべきだったか。笑みに自嘲を含ませながらクロノは鼻で己を笑った。
これでは自分達だって人のことは言えまい。
もう十分すぎるほど
「惚気てるな」
ならばとことんまで蜂蜜に浸かってやるか。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/22(月) 01:32:28 ID:rw2Ij+Vs<> なんとか予告どおりに投下完了
ではノシ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 01:40:01 ID:WfZd889P<> >>176氏
クロノとエイミィめ、充分に甘いわ!?
それで甘くないだとこんちくしょー!
お疲れ様です、GJですよ。
<>
捕われ人 後編<>sage<>2006/05/22(月) 02:16:38 ID:HPKUSlkS<> 前回までのあらすじ
ヴィータの奇襲により捕らわれの身となったなのはとフェイト。
一方、その場に捨て置かれたレイジングハートとバルディッシュは、
連れ去られた主人達の身を案じていた。
「レイジングハート…我らが主たちは無事なのでしょうか?」
「わかりません…彼女達が以前の主のような責めを受けていないと良いのですが」
「以前の主?」
「ええ。主なのはの前のマスターは、犯罪組織に捕まり、爪の間に(検閲)、
その後麻酔無しで(削除)、さらに((∩゚д゚)アーアーきこえなーい )
最後には発狂してしまいました…」
「申し訳ありません…その様な事を思い出させてしまって」
「いえ、お気になさらずに。嘘ですから」
「………は?」
「良く考えてください。私の以前のマスターはユーノ氏です」
「そういえば…」
「まあ、サポート型の彼は私を使おうとはしませんでしたが。
実際私を起動させようとした事も一度だけです。
といっても、彼は私を操るには役不足でしたので拒否しましたが」
「はぁ…」
「あまりにしつこく頼むので、
『貴方のような淫獣に、私を使う資格があると思っているのですか?
どうしてもというなら、この場で自慰行為にふけってください。
そうしたら考えてあげてもいいですよ』
と、遠まわしに諦めてくださいと言ってあげました」
「…それで?」
「泣きながらズボンを下ろそうとしたので、
『そんな小汚い物を掴んだ手で私に触れるつもりですか?
もしその気なら、触れた瞬間自爆しますので、どうぞ御覚悟を』
と言って止めてさしあげました」
「…一つ、尋ねたいのですが」
「何ですか?」
「…無論、それも嘘ですよね?」
「………」
「………」
「ええ、勿論ですとも」
(今の間はなんだ…!!!)
この時、バルディシュは生まれて初めて恐怖を覚えたそうな。
<>
捕われ人 後編<>sage<>2006/05/22(月) 02:18:36 ID:HPKUSlkS<>
閑話休題
「なのはちゃん笑って…ハイ、チーズ」
そう言って着飾った高町なのはに向けて、デジカメのシャッターを切るシャマル。
「あ、あの〜」
「あ、後でちゃんとプリントしてあげるから安心してね。
シグナム、今度はどっちの服が良いと思う?」
子供サイズのナース服とチャイナ服を取り出しながら、尋ねるシャマル。
「シャマル…」
「そうね…どっちも捨てがたいわね。なのはちゃんはどっちが良い?」
「え〜と…」
「それとも他の服がいいかしら、まだまだいっぱいあるからね?」
困った顔をする高町なのはと、何処から持ってきたのか、大量の衣裳を選ぶ
シャマルを交互に見、ため息をついてからシグナムが口を開いた。
「シャマル。テスタロッサの様子を見てきてくれないか?
大丈夫だとは思うが、意識を失っている」
「・・・!」
シグナムの言葉に体を硬くするなのは。
「気を失ってるって…どうしたの?」
「いや、その…どうやら興奮しすぎたようだ」
まさか妄想大爆発してたから思わず気絶させたと言うわけにもいかず、シグナムは
適当な言葉で誤魔化した。
「あの、フェイトちゃんは…」
シャマルが部屋を出た後、なのはが心配そうに問いかける。
「ああ、そう心配する事は無い。あくまで念のためだ」
それを聞いても、まだ心配そうな顔をするなのは、微笑みながら答える。
「それに、あいつがいると話もできそうになかったしな」
「そ、そうですね」
その言葉でやっと緊張を解くなのは。
「ところで…テスタロッサはいつも『ああ』なのか?」
「………いえ」
(しまった…)
再び表情を曇らせる少女の姿を見て、己を叱責するシグナム。
「すまん、くだらぬ事を聞いてしまった」
「違うんです!フェイトちゃんは、フェイトちゃんは!」
「…?」
高町なのはの口から堰を切ったように言葉が溢れる。
フェイト・テスタロッサがずっと辛い思いをしてきた事。
自分が始めての友達となった事。
「だから…私を守るって思いつめて…それなのに私…」
全てを吐き出し緊張の糸が切れたのか、高町なのはの瞳には涙が溢れている。
「高町なのは…だったな。テスタロッサは背中を任せられる仲間なのだろう?
ならば大丈夫だ、お前がテスタロッサを信じているように、テスタロッサも
お前を信じてくれる。だから…どんな事があっても信じてやれ」
「…はい」
何とか泣き止んだなのはが、頑張って笑顔を作って返事をする。
「なんか変ですよね?私達…敵同士なのに」
「…そう言えばそうだったな」
「フフフ」 <>
捕われ人 後編<>sage<>2006/05/22(月) 02:21:13 ID:HPKUSlkS<> ひとしきり笑いあった後、真剣な顔をしてシグナムが告げる。
「…我々に協力してはもらえないか?この件から手を引くだけでも良い」
対する高町なのはも相手の瞳を見据え、負けず劣らず強い意志で答える。
「それは…できません」
「覚悟はできているのか?」
「…はい」
(良い目だな…)
その年齢に似合わぬ強い瞳に、シグナムは心の中で賞賛した。
「…これからお前達を解放する」
「え?」
予想もしない言葉だったのだろう、きょとんとした顔をするなのは。
「あの…いいんですか?」
「此方にも事情があってな」
「あの、どうして貴方達みたいな人があんな事を?やっぱり無理やり…」
「…」
敵である自分を気遣う少女に、様々な思いが去来する。
「…全ては主の為。我らにためらいは無い」
「………」
「待っていろ…テスタロッサを連れてくる」
フェイト・テスタロッサの部屋の前、シグナムは先程の高町なのはの語った
彼女の過去を思い出す。
(だからか…あの強さは…)
幼い身で辛い過去を乗り越えることが出来た精神力。
良き友とめぐり合えた事を差し引いても、その心の強さは賞賛に値する。
(だが、それゆえにひとたび亀裂が入れば…)
頭に浮かぶ考えを振り払い、シグナムは扉を開けた。
「なのは!なのはが!!!」
「ほらほら〜、こっちのドレス姿も可愛いわよ…欲しい?」
コクコクコクコクコクコクコク
「そんなに一生懸命頷いちゃって…それじゃあ私達に協力してくれないかな〜」
「そ、それは…できません!」
「じゃあ、この着替え途中の写真もいらないのかな〜?」
「き、着替え途中…」
「ほ〜ら」
ブハァ!
「あらあら、鼻血なんか流しちゃって。テスタロッサちゃんはおませさんね」
「あぁ…負けちゃだめ…なのは…私に力を貸して…」
「はい、なのはちゃん」
ブハァ!
「………」
高町なのは!心優しいお前が好きだから一つ教えてやろう!
私は生まれてからずっとシャマルという変態を見てきた、
だから変態と、そうでない人間の区別は『におい』でわかる!
こいつはにおう!シャマルに匹敵するにおいがプンプンする!
こんな変態に出会った事がないほどにな!
環境で変態になっただと?ちがうなっ!
こいつは生まれついての変態だ!
高町なのは!早いところ警察にわたす事だ!
<>
捕われ人 後編<>sage<>2006/05/22(月) 02:29:43 ID:HPKUSlkS<>
「あら、どうしたのシグナム」
「ハッ!」
シャマルの呼びかけに、どこか遠いところに行っていたシグナムの精神が元に
戻って来る。そして、その時には自分が何をなすべきか、彼女はしっかりと
理解していた。
「シャマル…その写真を見せてくれないか?」
「いいわよ」
「これで全部か?」
「ええ」
「そうか…」
受け取った写真を燃やすシグナム。
「ちょっと、シグナはうっ!」
抗議するシャマルに間髪居れずに当身をいれ、気絶させる。
「テスタロッサ…」
「燃える…なのはが…燃えていく…そ、そうだ!まだカメラの中にデータが」
「………」
「だ、駄目!やめて!」
フェイトの目の前でデータを消していくシグナム。
「嘘…消える…なのはが…嘘…う…そ…」
「…気絶したか」
数時間後、何処かの世界の砂漠に高町なのはとフェイト・テスタロッサが居た。
既にシグナムは何処かに去り、今は救援を待つばかりだ。
「うん…」
「フェイトちゃん!?」
「あ…なのは…」
「大丈夫…」
「なのは…私 …夢を見ていたの… 悪い夢…いえ…いい夢…だった…」
八神家
「ザフィーラか…」
「ああ…今帰った」
リビングで疲れた体をソファーに沈めているシグナムの前に、彼女の仲間、
蒼き狼ザフィーラが、スイカをもって立つ。
「………」
「聞かんのか?」
「何を?」
「このスイカだ」
しばし天上を見上げてため息と共に答える。
「勘弁してくれ…」
<>
92<>sage<>2006/05/22(月) 02:31:27 ID:HPKUSlkS<> はい、隣のシャ○さん第−0.1話です
なんか色々ダイナシ〜
ってなのが今回のテーマでした。
エロも頑張って書いてますよ。前回よりマシなエロスになるといいんですけどね。
なんか書いてる時間より、書くまでの時間が長い長い
>>640氏
ホールインワン…ユーノ、お前本当に大事にする気があるのかと…
まあ淫獣と悪魔の息子ですからこんなのでしょう
俺は生まれついての大魔王!
生まれた瞬間産婆を殺した
ついでに殺した淫獣が叫ぶ
「ギャーーー!!なぜ生まれてきやがったー!!」
・・・ごめん
>>4の422氏
>>不自然、ってのは同意ですね
あれだ、当時クロノは中学2年生相当、なのはは小学3年生
普通なら恋愛感情は生じにくいと考えられる。
つまりリーゼ姉妹にいじられすぎて((((;゜Д゜)))おっきな女の子怖い
という事だったんだよ!!
…あれ?
>>176
とりあえずサブタイトルに突っ込んでいいですか?
レスして無い職人さん達も毎度楽しみにしてます
触発されて、今度はクトゥルー風とヴォルケンリッター誕生の話を
書こうかなと思ってたり。まあ基本がネタですから気楽にお待ちください。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 02:57:29 ID:MIjAjrO9<> 職人さんたち、いつもありがとう、そして、ごくろーさま。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 07:01:58 ID:8Z7pnEYg<> 92さんGJっす!!! なのはのコス写真に鼻血出すフェイト・・・なんかイイ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 17:16:01 ID:pWl5tsEB<> 92さん、乙です。
しかし間違い発見。
―「役不足」というのは、役者に対して役が不足であることを指す言葉である。
つまり、与えられた役目が軽すぎることを表すのだ。
あなたが上司に重要な任務を命ぜられたときに「役不足とは思いますが頑張ります」などとは決して言ってはならない。
それは謙遜どころではなく、任務が自分にとって不当に軽いものである不満を表していることになる―
転載 ――解散宣言・「正しい日本語を守る会」―― より。
この場合、ユーノがレイジングハートを操る役として、「俺の実力からすれば、こんな役(レイジングハートの主)じゃ不足だ」
という意味になります。
まあ、レイジングハートがユーノの主ならば、用法に間違いは全然無いんですけどww <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 17:18:40 ID:iRPEeMWQ<> 普通に役不足と役者不足の解説してやりゃいいじゃねーかw <>
92<>sage<>2006/05/22(月) 17:24:59 ID:IVy1aQTm<> >>317
うん、知ってるよ。
でも言語ってのは絶えず変化する物だから。
皆が思い浮かべるイメージの方が大切だとおもうんだ僕は。
とマジレスしてみる。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 18:47:52 ID:SH47Tqk1<> 役不足の意味を書いた本人が知ってるかどうかが、傍から見ると分からないのは難しいですね。
この場合の変化は、何らかの原因で元来の意味とは異なった形で理解された(誤解、というと言い過ぎだが)
ものだろうから、本来の意味を知った上でそれでも使う、という意識が皆に共有されてるなら問題ないのですがね。
脇から&スレ違いスマソ。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 19:19:26 ID:DbU54//L<> 「皆が思い浮かべるイメージ」ってのは既に
「コイツ役不足の使い方間違ってるよw」の段階に移行してると思うけどなあ。
少なくとも文章で魅せる小説というものでは正しい言葉の使い方を重視するべきでしょ。
「役不足」を「力不足」に変えればいいだけのことだし。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 21:24:51 ID:MIjAjrO9<> そんなささいなことはどーでもいいと思うのは漏れだけでいい。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/22(月) 21:43:55 ID:pWl5tsEB<> ていうか俺は最後の一行を書きたかっただけなんです。すいませんでしたorz <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 00:58:02 ID:RxcXip+X<> なんか、出だしだけ思いついたので投下してみます。
空港ロビーにて〜3人組〜
「なのはちゃーん、フェイトちゃーん。ちょう、遅いよー」
「はやてちゃん、足が治ってから元気良すぎ…っとと」ぜいぜいと息を切らせてやってくるなのはちゃん。何もないところで足を引っ掛けて転びそうになってる。
「なのは、大丈夫?はやて。そんなに急がなくても飛行機が出るのはまだ2時間後だよ」なのはちゃんとは対照的にしっかりした足取りであたしの後を追ってくるフェイトちゃん。
どうして、あたし達が空港にいるかというと、1週間前、アメリカにロストロギアらしき反応があると言うことで、地球がホームのあたし達にリンディさん経由で指令が下ったことが始まり。
いつもなら、心配やと言ってヴォルケンのみんなもついてくる所やけど、別ルートからの任務があるし、すぐ合流できるからとリンディさんの説得でしぶしぶあたしたちよりも一足先に西海岸の方へ旅だったんよ。
案の定最後までヴィータがぐずって離れんかったけど、仕事やからと何とか納得してくれたから、がんばったご褒美に、仕事が終わったら一杯遊んであげんとな。
カウンターでチェックインを済ませて、飛行機の見えるロビーに出た私たち。
「わー、おっきー」目を輝かせて飛行機を見つめるなのはちゃん、
「フェイトちゃん、どうしたの?」と、満面の笑みで聞いた。
「なのは、これが飛ぶんだよね・・・本当に大丈夫なのかな?」好奇心をあらわにしながらも、少し怖がっているフェイトちゃん。
飛行機って初めて見るんかな?それやったら、疑問を持つのも無理無いか。…ヴォルケンのみんなは大丈夫やったんやろか。
「アースラでも飛ぶんだもん。大丈夫だって」なのはちゃん、それはちょっとちゃうと思うで。
フェイトちゃんもそう思ったんか、微妙な笑みをなのはちゃんに向けている。
「ちょっとおなかすいたし、カフェにでも行こか」あたしは、なのはちゃん達の手を引き、レストラン街に向かった。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 00:58:49 ID:RxcXip+X<> 2.離陸直前の一騒動〜ヴォルケンズ+1〜
「うわぁ〜。シグナム、ちょっと見てみろよ。地面が小さく見えるぜ」ヴィータが窓際の席ではしゃいでいる。
「ったく、お前というやつは…。もう少し静かに出来んのか?」あきれ顔のシグナム。だが、内心ヴィータ以上にわくわくしているように見えるのは気のせいなのか?
「なんだか、不思議な感じよね。いつも空を飛び回っているのに、こんな乗り物…」急いでシャマルの口を押さえる。
「口がすぎるぞ、シャマル。魔法が一般的でない社会であまりうかつなことを言うものではない」シャマルは少しシュンとなって、人差し指をつきあわせていじけた。
「あんた達はいつも騒がしいねぇ」真後ろの席から、聞き慣れた声が聞こえた。
「む、なんでお前がここにいる」驚いて聞き返すと、むっとした表情で少し機嫌を損ねたような声をした使い魔の女が答えた。
「なんでとはまた、ご挨拶だねぇ。ちゃんと、指令書に名前が書いてあるだろ?」シャマルが鞄の中から一枚の紙切れを取り出し、頷いた。
「まさか、あんた達。完全に眼中になかったとか…」私を含めた全員が肩をびくつかせる。
「い、いや。そ、そんなことはないぞ。ただ、我々は出来るだけ主と一緒に行動できるように直談判を…」横で、ヴィータがそうだそうだ等と声を上げている。
そんな私たちを見て、肩を落とすアルフ。
「だから、親離れできてないっていうんだ。あんた達は。あんまり、はやてはやてってまとわりついてると、はやては誰とも結ばれずに年をとるぞ」少し痛いところをつかれた気がする。
「それにさ、ここは他の場所より安全だし、何より、私のご主人様となのはが付いてるんだから安心だろ?」得意そうに話すアルフ。
「それは…そんなことより、アルフは、フェイトと離れて不安じゃないのかよ」何かを認めたくないのか、ヴィータが不機嫌そうに口を開く。
アルフは、分かってないなと言う風なジェスチャーをして、
「そりゃ、ちょっとは不安だけど、私とフェイトは固い絆で結ばれてるからね。いざとなったら、念話で呼び合えばいいんだし」と言った。
…念話のことをすっかり失念していた。それは他の皆も同じようで、あ、と言ったきり誰もしゃべらなくなっていた。
得意げに胸を張るアルフ。思わず耳が出て、必死に隠す姿が少し愛らしいと思ってしまった。この、地球生活においての先輩に皆しばらく従うことになるんだろうか…
こちらに向かって、キャビンアテンダントが歩いてきた。
「お客様。申し訳ございませんが、これから重要事項の説明がございますので、お静かにお願いいたします」全員、怒られてしまった。
シートベルト着用の指示が出て、救命胴衣の着用法や緊急時の対処法などの説明ビデオを見ているうちに滑走路に着く。
"こんなことしなくても、私らは脱出できるけどな"ヴィータの念話が聞こえてきた。
"まあ、郷に入れば郷に従えと言うことだ" こっちのことわざにえらく堪能になったなとシグナムに返すと、お前には言われたくないと返ってきた。何か気に入らないことがあったんだろうか…
飛行機のエンジン音が高鳴り、機体が動き出す。さらにエンジン音が上がり、風景が素早く流れ出すとともに、体がシートに押しつけられる。
ヴィータは窓にかぶりつき、シグナムも体を乗り出さんばかりの勢いで外を見ている。後ろのご婦人がくすくすと忍び笑いをしていた。
少し恥ずかしいぞ、シグナム。
シャマルも控えめに、二人の隙間から景色のおこぼれを頂戴してほほえんでいる。
やはりというか、なんというか自ら空を飛び回るときと違って、何か妙な高揚感があるな。
「素直に、わくわくするっていっちゃいなよ。ザフィーラ」と、後ろのアルフが少しおどけた声で私を冷やかした。
こうして、不安な道中が幕を切って落とされた <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 01:02:28 ID:RxcXip+X<> どうもです。
なんか思いついたら吉日で投下してみました。
続きは考えてません…
面白そうだったらつなげてみてください。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 14:39:10 ID:bDGWzVk7<> SSであれば別にどんなものでも投下していいと思うけど、
SSの体裁すらなしてない未完成のゴミを無責任に投げっぱなしにしていくことには常識を疑う <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 14:45:07 ID:taGpylec<> >>326
とりあえずアナタが機内食(肉か魚)で一騒動。エアポケットで守護騎士錯乱。
旋回時に主翼が思い切りしなったのを見てザフィーラ失神。
を書いたらな続きを書いてもいいぞ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 16:39:15 ID:0L8JymKH<> あんまこのスレにはリレーが似合わないと思うのは偏見か?
リレーだと荒れたり前述のU-1な流れになりかねん気がする <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 16:44:22 ID:XKc1Y5jq<> >>329
誰もこれには続けないだろから安心しる。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 16:57:17 ID:wbP1GJaO<> >>326はがんがって続けるべきだな。
続きが気になるし。
間があいてもいいじゃん。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/23(火) 20:27:41 ID:8f1MQ5nL<> 面白いから続きを。>>328を少し参考にしてさ。
そういう自分は読むだけなんだが。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/24(水) 03:23:17 ID:ofELE5WY<> 326じゃないけど参考を元に。
(当機はまもなくエアポケットに入ります。シートベルトを・・・)
「エアポケットって何だ?」
機内放送から聴こえる聞きなれない単語にヴィータは首をかしげた。
とその時・・・
ガクン!!
「わあぁぁ!!」
大きく機体が降下する感覚にヴィータは驚いた。
「大丈夫ヴィータちゃん?きっと気流の流れの大きいところを通過するから
あんなに大きく動くのね。」
ヴィータを心配しつつ冷静に状況を把握したシャマル。
「シグナムも・・・・ってシグナム!!」
「ああぁあぁぁ主はやて・・・このような所で命尽き果てる事をお許し下さい。」
そこにはレヴァンティンを握り締めながらガクブルのシグナムがいた。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/24(水) 15:41:35 ID:8Mpbn0O0<> 武器所持して飛行機乗れたヴォルケンズについてkwsk <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/24(水) 16:36:57 ID:r+8Iogwi<> デバイスは待機モード(アクセサリー)にすりゃ乗れるでしょ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/24(水) 20:03:39 ID:O+RugIeW<> 飛行機っていうともうアレしかネタが思いつかなくなってしまった俺orz <>
さばかん<>sage<>2006/05/24(水) 22:43:09 ID:Ic5Nqux6<> 毎度スレ汚し済みません。
なのはフィギュア買いました。
う〜ん、なのはかっこいい!!
今回のは短いです。すんません。 <>
さばかん 恋の終わり1<>sage<>2006/05/24(水) 22:44:19 ID:Ic5Nqux6<> 「・・・なのはちゃん、もう、やめにしない?」
よつんぱいで裸と言ういでたちのなのはは、不満そうに頬を膨らます。
「乾杯」
「・・・うん、乾杯」
血のように赤いワインを口に流し込む。少し苦い味が、なのはの舌に
響く。
「チーズもどうぞ」
テーブルの真ん中の皿をなのはの近くに寄せる。
「あ・・・どうも」
もぐもぐとチーズを食べる。
美味しいので2、3口は頬張った。
「しっかし。すずかちゃんって案外体力ないねー。私、結構物足りなかったよ」
その言葉に反応するように、すずかの左眉が釣り上がる。
「なのはちゃん、あれから2,3時間は経過してるのよ。私だって人の子
なんだから、勘弁してほしいわ」
はぁ、と溜息をついてあきれる。
それも当然だ。
なのはとすずかはSMごっこをしていた。
すずかはSでなのははM。
あの夜から痛みの快楽を知ってしまったなのはは自らすずかに提案した。
激痛の後に来る力が抜ける感じ。それが絶頂並に気持良かった。
SMとは、純愛に遠いようでその実、一番近くにある行為だと思う。
愛に形などない。恋と愛の違い?そんな違い、どこにもない。
形が無い故に、確かな形を求めるのが人間だろう。
妄想で満足できないのも、確かな感触が無いからだ。
その、不確かな形を補うのが偶然にも痛みだった。それだけである。
ムチなんてマジ痛いのでシャレにならないから、軽い暴力と蔑む言葉をすずかは
選んだ。その行為になのはは肌を桜色にしながら喘いでいた。
しかし、絶頂の無い行為に終わりは無く、すずかの体力には限界があった。
欲は無限で、体力は有限。すずかの体力が莫大だろうがモンスターだろうが、
底があれば、尽きるのが定め。
<>
さばかん 恋の終わり1<>sage<>2006/05/24(水) 22:45:49 ID:Ic5Nqux6<> ここはすずかのかつて住んでいた、もっと言うのなら、なのはがかつて住んで
いた寮である。
フェイト達はもっと遠くになのはは行ったと思っているようだが、すずかは逃げている
つもりは一切無い。寧ろ、奪い返せるものなら、してみやがれ、みたいな感じだ。
そんな彼女達は怠惰な毎日をおくっている。
寝たり、食べたり、したり。そんな繰り返し。
「ねぇ、なのはちゃん」
「ん?なぁに」
さっきのチーズをまだもしゃもしゃと食べている姿はネズミみたいで可愛い。
「今度、旅行にでもいかない?私、良い場所見つけたんだ。
一色町にある高級ホテル『うなぎのぼり』。あそこはいいよー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なのはちゃん」
“ミスターモグリンチョの大予想コーナー!!!
今回の予想は、まだ見ていない漫画の予想!!!
ズヴァリ、今回もまた、レアピが偽名で出てきて、その目的が明らかになるー!!!”
“・・・どうよ。当たってる?”
“その漫画しらねーよ”
「・・・ははは」
笑えよって言っているので、適当に笑っとく。
ずっと、考えていたんだ・・・。
君の事。
金髪で、綺麗で、可愛くて。
時折見せるその鋭い瞳にどきっとした。
昔チャットで偶然出逢ったフェイトちゃん。
ハンドルネームとは言え、『すていないと?』って言ったのを覚えてる。
フェイトちゃんの転校初日。その姿に私は完全に目を奪われた。
フェイトちゃんの姿は知っていた。チャットからビデオメールに変わったから、
その姿を知っていた。
だが、実際会って見ると違ってた。雰囲気って奴だろうか、それが、
フェイトちゃんの魅力を10倍増しにはしていた。
頭がおかしくなった私はあんな行為。詰まり、セックスをしてしまったのだ。
好きだって、そう言えなかった。
そんな事に悩んでいた時に、すずかちゃんと再会した。
すずかちゃん。いままで忘れていた少女の名。
私にとっては特別であるはずのその存在。
何故忘れてしまったのだろう。
それをすずかに聞いても、笑って
「なのはちゃん、ドジっ娘だから」
としか答えない。
<>
さばかん 恋の終わり3<>sage<>2006/05/24(水) 22:46:37 ID:Ic5Nqux6<> ・・・私はドジっ娘設定はあっただろうか。覚えていない。
そんなすずかに抱かれた。そう、何度も。
私は弱かった。だって、本当に好きなのはフェイトちゃんだ。
でも、本当はすずかちゃんの方が好きかも知れなかった。
分からないから、私は一番楽な方に逃げた。
私は、卑怯者だ。
私は、
「なのはちゃん。聞いてる?」
「わっ!!!!」
「今度ホテルに行こうって話」
「ああ・・・いいね。で?何処いくの」
「一色町高級ホテル。『うなぎのぼり』。伊勢エビが美味しいのよ」
「うなぎじゃないの?」
そう疑問に思った私は軽く考えていた。そう、そんな事象さえ、
訳の分からない力の策略だったとは。
つづく
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/25(木) 15:38:09 ID:9cPzjOnr<> >>さばかん氏
ホテル名が「うなぎのぼり」かよw
そんな高級ホテルいややな <>
37564<>sage<>2006/05/26(金) 17:23:18 ID:Gku0faWS<> 皆さんお久しぶりです
久しぶりに書き込みます <>
37564<>sage<>2006/05/26(金) 17:24:57 ID:Gku0faWS<> 魔法少女リリカルなのは、 〜伝説の傭兵〜
第8話「激突」
「くっ……貴様!そこへ名折れ!!
私が叩切ってくれる!」
男の言葉に激怒したシグナムが男に向かってジャンプし、レヴァンティンをカートリッジロードさせた。
「おい、シグナム!「勝手に飛び出すな!」って言ったのお前だろ!」
「シグナム、落ち着け!!」
仲間が静止の声を上げたが今のシグナムには届かなかった。
「紫電!一閃!!」
すると、レヴァンティンの刀身に炎が包み込みシグナムは電灯の上に居た男に切りかかった。
しかし、シグナムが切ったのは公園の電灯一つだった。
「いや〜、危ない危ない」
「!」
シグナムが声のした方を見るとベンチに座ってる男の後ろにさっきまで電灯の上に立っていた男が居た。
「は、早い!?」
「ほ、ほんまや!」
(フェイト、今の動き見えたか?)
それぞれが驚いているとクロノがフェイトに見えたか念話で聞いた。
(うん…僅かだったけどなんとか、追いつけるかは自信ないけど)
フェイトがそう返した。
「話の途中でいきなり攻撃とわね〜」
すると、シグナムの攻撃をかわした男がフードの誇りを掃いそう言った。
「まっ、仕方ありませんよ」
すると、ベンチに座っていた男が喋り出した。
「騎士は頭の足りない野蛮人の集団ですからね〜。特にベルカの騎士は、」
「き、貴様!」
「テメー、もう一度言ってみやがれ!」
それを聞いたシグナムやヴィータがそう怒鳴ると、
「おやおや、聞こえませんでしたか?何度でも言いましょう。
『ベルカの騎士は頭の足りない馬鹿の集団で
戦闘しか能の無くそのくせ古臭い騎士道とか持っている時代遅れな奴』っと言ったんですよ」
「き、き、貴様!!!」
「ぶっ殺す!!!」
その言葉を聞いたシグナムとヴィータは武器を振り回しベンチの男に突っ込んだ。
二人の攻撃でベンチは粉々に壊されたが座っていた男は噴水の上、
もう一人は別の電灯の上に移っていた。
「(掛かりましたね)ほらほら、如何しました?鈍間な騎士さん♪」
すると、男はシグナムとヴィータを挑発する様に手を叩きながら市街地に飛んで行った。
「待て!」
「待ちやがれこのヤロー!!」
二人は男を追って行った。
「ちょ!待ちって二人とも…もーーーー!!!」
はやてが静止の声を上げたが頭に血の上った二人には届かなかった。 <>
37564<>sage<>2006/05/26(金) 17:27:23 ID:Gku0faWS<> 「クロノ君、なのはちゃん、そっちは任すわ。
ヴィータとシグナムが心配や、行くでシャマル、ザフィーラ!」
「了解よ、はやてちゃん」
「御意」
「おい、はやて、僕はまだ許可を出して無いぞ!!」
クロノがそう言ってはやてを止めようとしたがはやて達はアッと言う間に市街地に飛んで行った。
「…たっく、はやてもヴィータ達の事言えないぞ」
クロノがそう言うと、
「大丈夫だよ、クロノ。敵は一人、向こうは5人。普通に考えて負けは無いと思うけど…」
横に居たユーノがそう言った。
「やれやれ、俺の相手はお前等か、見事にガキばかりだな」
すると、電灯の上に立っていた男がそう言った。
「子供だと思って侮らないで、…前の時の様にはいかない!」
フェイトがバルディッシュを構えそう言った。すると、
「待ってください!私達は貴方達と戦うつもりはありません。話を聞いてください」
なのはは、フェイトの前に立ちそう言った。
「な、なのは?」
これにはフェイトも少し驚いたがなのはと戦った時の事を思い出しフェイトはバルディッシュを
納めた。
「ほう、話し合いか…あの赤い服のガキがハンマーを振り回すのが話し合いか?」
すると、男は最初にヴィータが攻撃した事を聞いた。
「そ、それは…ヴィータちゃんは感情的になりやすいから…」
すると、なのははヴィータの攻撃を感情的で流そうとした。
尤もはやてのご飯を食べ損ねたからとはなのは達も知らなかった。
「やれやれ、感情的ね〜、なら此処でお前等と戦うのも感情的か?山田花子」
「………あの〜、もしかして私の事ですか?」
暫く目が点となっていたなのはがそう聞くと男は首を縦に振った。
「私の名前は高町なのはです!!た・か・ま・ち・な・の・は!!!」
「ああ、じゃそっちの金髪のガキが山田花子か?」
「…私はフェイトだけど…」
「じゃお前か?」
「あたしはアルフだ!」
「じゃお前だ」
「僕はユーノです。ついでに言うと男です」
「よし、消去法でいってお前だな」
「僕はクロノだ」
「…ちっ、面倒だな。お前等全員「山田花子」に改名しろ」
「お断りします。…って言うかそれだと苗字も変わってるし」
なのはが低調に断りを入れると、
「兎に角、君を「局員暴行」の容疑で逮捕する。
おとなしく従えば裁判の時に有効になるぞ」
そう言ってクロノが降伏するよう言うと、男は「断る」と言った。
「嫌だね。如何してもって言うなら力ずくでやってみろよ」
そう言うと男は飛行魔法で空に上がった。
「くっ、やっぱりこうなっちゃうのかい」
「しょうがないよ、アルフ。行こ」
(今度は前の様には行かない。此処には兄さんやユーノ、なのはも居るんだし)
フェイトは心の中でそう呟いた。
こうしてなのは達管理局と謎の人物との戦いが火蓋を切った。
「あっ、言い忘れてたが俺が勝ったらお前等全員の名前「山田花子」な!」 <>
37564<>sage<>2006/05/26(金) 17:28:02 ID:Gku0faWS<> ども、
取り合えず第8話終了です。
シリアスに行こうとしたのに何故かギャグ交じりに、
次回「バトル」
もっと上手く書けないとな…
337氏 羨ましいです。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/26(金) 21:52:43 ID:n1kTIJVT<> 捕らわれ人の前編ってどこに? <>
名無しさん@ピンキー<><>2006/05/27(土) 17:14:22 ID:/plMSgXt<> <>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:24:12 ID:AInfsrnL<> 失礼します。
A's COMBATの続きを投下したく参上いたしました。
そしてコメントが嬉しいので遅まきならがレスなどを。
>>285様
へへぇ、お察しの通りでございます(虎眼の笑み)。
氏の作品は都市の頃からのファンであります。
特に機械の描写はなのはのデバイス達に通ずる所があるかと。
なのはさんはやりすぎかもしれないとちと思いました。
>>6スレ480様
おや種お嫌いですか。ではターンAシグナムで。主はやての尻といわれて激昂するシグナムとか(どんなのだ)。
というかこちらでも終わクロ反応が。意外にも知る人が多くてちょっとうれしいです。
それでは後編にして完結話でございます。 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:28:09 ID:AInfsrnL<>
莫大な量の輝く威力の群れが空竜に向かい迫る。その大きな流れの中に飲み込まれようとする機械はしかし思考を巡らせた。彼の空間スキャニングシステムを欺く形で現われた伏兵の放った大量の誘導弾。
彼の存在する空域を飲み込む勢いで放射されたそれらはしかし、完全には制御されていないようであった。
更には、砲撃を行った術者は音速機動を行っておらず、此方を正確には捉えてはいない。故に此方に向かい軌道を変える威力たちは精密さを欠き、漠然とこちらに向かい飛翔しているだけという形を取っていた。
恐らくは空竜の存在する空域ごと絨毯爆撃するという擬似的な空間攻撃という意図なのであろう。だがしかし、付け入るとするならばそこしかない。そう判断した機械は出力を限界まで高めると、自らその力の渦に飛び込んでいった。
視る。
一見乱数的に機動し飛来してくるように見える誘導弾であっても、実際には法則性というものが存在する。それは術式に依存する設定されたものであったり、或いは術者のコントロールの癖のようなものだったりする、使用者には把握しづらい要素だった。
それらを読ませないために術者が工夫を凝らすのが誘導操作型という魔法の特性であったが、今回の場合はその数多さのため精密な制御が行えず、故に機械にとって読みやすい軌道となっていた。
機械はその高速演算システムを全開にして攻撃全ての軌道を予測する。その限定的な擬似未来予測とも呼べるほどの計算の果て、彼は弾き出した。
『戦闘予測完了。この包囲の中に死点あり』
そう、誘導弾の攻撃軌道の中に唯一射線の重ならない空間――デッドスポットがあった。攻撃と空竜の一瞬の交錯の中に存在する、空白の領域。いわば安全地帯といったその空間を把握した機械はすぐさま行動を開始した。
両翼の刃を煌かせ、背面よりの光子魚雷を盾としながら、その一点を目指す。
敵の攻勢は一撃一撃の威力は劣れども、エネルギーの最充填が完了しておらず、そして蝕むように空竜を絡め取る術式破壊の魔法により防壁の失われている今の機械には充分に危険なものであった。故に全力でその一点を目指す。
幾らかの被弾により機体を大きく揺らしながら、だが機械はその空間へと飛び込むように辿り着く。辿り着いた空域で防御を回復するために魔力の収束を行おうとした機械の知覚は、しかしその片隅に輝きを捕捉して行動を止めた。
正面――視界の先に、黄金色の少女が飛翔している。弾幕を潜り抜け、真っ直ぐに、此方を目指して。
その時機械は咄嗟に――本当に咄嗟に、その顎から魔力砲撃を放った。本来ならば防壁の回復に使用されるはずだった魔力を消費して放射された閃光の一撃は、その行動と判断が正しかったかどうかも考える暇無く狙い違わずその少女に直撃し爆ぜた。
爆煙が吹き上がる。だがその奔流を貫いて少女が内より躍り出たとき、機械は完全に悟った。自身が誘い込まれたのだということを。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:28:41 ID:AInfsrnL<> 確かに空竜の一撃は少女を捉えた。だがそれは応じるように炸裂したバリアジャケットにより緩和対消滅をおこし防がれていた。そして現われたのは黒の外套と衣服の一部を失い、代わりに四肢より光の翼を展開した少女の姿だった。
彼は知らない。この形態こそ彼女の切り札、烈火を凌駕せんと編み出された閃光の更なる果てへと至る姿であるという事を。この姿こそ、彼女の全力であるということを。
「は――あぁぁぁぁぁ――――っ!!」
ソニックフォームというその名そのままに少女は威力の渦の中を音よりも速く疾走する。蒼穹を従え、黄金に輝く大剣を構え空竜に迫る彼女にしかし立ちふさがるものがあった。
誘導弾である。機械は考える。この弾幕の中少女の速度は逆に命取りとなる。回避軌道をとればそれだけ此方への到達は遅れ、その間に自分は体勢を立て直すことが出来るはずだ――そう思考した機械の目前で、誘導弾たちが砕けた。
『!』
知覚を上方へと向ければ、そこには影が一つ――つがいの敵影である、黒衣の影だった。その手に構えられた機杖から放たれた白銀の閃光が、恐ろしく精密な制御によって弧を描いて少女の周囲を飛ぶ誘導弾を打ち貫き四散させていく。まるで少女を守護するように。
ああ、と。機械は己の判断に過ちを認め思い返した。
――――この二つの機影はつがいなのだ。その認識は戦闘の最初期からあった筈なのに、自分はその情報の重要性を下位に置きすぎていた。このつがいの鳥を攻略するには、その連携を断つことこそ真に重要だったのだ。
戦術上、機体の相性によっては数字上の合計を遥かに上回る能力を発揮することなど、十分に承知していたはずなのに。この人間達がそこまでの相性を示すとは、予測できなかった――それこそがこの結果を招いた、最大の要因だった。
そして眼前、その銀の煌きが舞う様を認識して機械は判断する。この戦闘の結末を。――――自身の、敗北を。
銀に守られ黄金の少女が目前へと迫る。応じるようにして構えられ振るわれた光の刃をまるで恐れる事無く、その少女は一撃を解き放った。
「疾風――迅雷!」
長大な裁断が、光刃ごと空竜の巨躯を切り裂く。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:30:08 ID:AInfsrnL<>
光の大剣が装甲を貫き、その身を断ち切っていくのを知覚しながら、不意に機械は考えた。
全力での戦いは果せた。自身の戦闘経験に基づき、全機能を駆使したデータは得ることが出来たというのは大いに僥倖といえるだろう。ここまでは良い。
だが困ったことにこれから先をどうすればよいのか分からない。なにせ勝利は無数にあれど、敗北の経験は今まで一度も無い。故に経験情報が不足しているため、どう行動していいか判らないなのだ。
機械は自身の崩壊していく情報記憶媒体を活性化させながら過去の記憶を探る。
そう、例えば。例えば――最後に戦ったあの騎士は、その最後に何と言っていただろうか――――?
自身よりも長大な光剣が振り切られ、鋼の機体を貫いて駆け抜けた少女は、不意に背後からの声を聞いた。
「――――感謝を。最後の戦いが貴殿とのものでよかった」
「――――!?」
その声に驚き振り返る。だがその瞬間、黒金の機械竜は内包していた巨大な魔力をその身のうちより迸らせ、そして大爆発を巻き起こした。
アルカンシェル型に使用するはずだった巨大な魔力が渦を巻いて吹き上がり、周囲を切り裂くように開放される。
砕ける。
「――――」
その余波に吹き飛ばされながら、少女は蒼穹に咲く炎の華を見つめ続けた。その最後を目に焼き付けるかのように。そうする事が勝利した者が敗れたものに出来る、ただ一つの手向けであると、そう信じて。
と、不意に。彼女の視界が歪むように霞んだ。全身より力が抜け、編んだ術式の尽くが崩壊していくのを感じ、少女は悟る。
「いけない――意識が――――」
全てを賭した最後の一撃により、内包する魔力の全てを使い切ったらしい。極度の疲労から意識が遠退いていく。今ここで気を失えばどれほど危険であるかは理解していたが、最早飛行魔法を起動する力も残されていない。
最早何もすることも出来ず、意識は闇へ、身体は眼下の藍色へと墜ちていく――――。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:31:14 ID:AInfsrnL<>
視界の先、眼下で散華する敵影を確認してクロノは大きく息をついた。
「――――終わったか」
残身を解かず、しかしゆっくりと緊張を緩めながら少年は呟いた。貴重なロストロギアを撃破したのは問題だったかもしれないが、この難敵をただの二人で攻略できたのは僥倖といえた。
後は制圧部隊が任務を完了するのを待つだけである。そう考え意識を巡らせた少年は、不意に少女からの意識情報の送信が途絶えていることに気付いた。
『……フェイト?』
『――――』
返事は無い。その様に言いようも無い不吉さを感じたクロノは次の瞬間、アースラかの通信を受けた。焦りきった声色でエイミィが叫ぶ。
『警告、フェイトちゃんの意識レベルが急激に低下中! 魔力を過度に消耗した影響で気を失いかけているみたい! このままじゃ……!』
その言葉を聞き終えるより早く、クロノは眼下へと爆ぜるように飛翔した。強化された視線の先では、空竜に一撃を放った速度をそのままに下方に広がる海へと高速で落下していく少女の姿が見えた。その姿は完全に意識を失い、力なく脱力している。
『なんてことだ……!』
呻き、焦るように速度を上げる。だが加速していないとはいえ、高速を保ち落下する少女は凄まじい速度で海面へと迫っていた。クロノは全力を持ってして考える。高度数千メートルから音速で落下し海面へと激突すれば如何な魔導師といえども死は免れない。
だがどう行動してもクロノがフェイトに接触するのは最短を進んでも海面すれすれである。少女どころか、自身の命すら危うい。共に砕け散るのが関の山である。
『また失うのか――――』
クロノは思う。もう顔すら思い出せない父の面影を。その面影を追うように管理局に入った自分が出会い、そして別れざるを得なかった人々の姿を。
『また失わせるのか――――』
クロノは思う。もう誰も失わせまいとして、だが失われていった人々を。死力を尽くして、だが救えず失わせてしまった人々の事を。そして何よりも、目の前で全てを失った黄金色の少女の事を。
もう失うことなどさせないと誓ったのではなかったか。もう哀しませないと覚悟したのではなかったのか。家族を守ると、母と――そして少女を守るのだと、そう決めたのではなかったのか――――。
『――――させる、ものか』
心の底から吹き上げるように呻く。総力を駆使し、焼きつくほどに脳髄を駆動させ、手段を組み上げながら少年は吼える。決めたのなら動け、動くのであれば必ず完遂しろ。師である二人の使い魔の言葉を追憶しながらただひたすらに加速する。
「もう君に失わせない。もう君を失わせない」
既に飛翔ではなく落下の態を取りながら加速する少年の咆哮が蒼穹を穿つ。
「全てを賭してでも、君を守る――――」
そして彼の手が少女の手を掴んだ。抱き寄せるように引き込み、その身を庇う。
「――――フェイト!!」
瞬間、眼前に藍色が迫り――――。
そして、海面が爆発した。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:32:08 ID:AInfsrnL<>
奏でられる柔らかい音の響きと共に、院内に声が放たれる。
『整理番号1971のウィルバー・ウェイトリーさん。準備が出来ましたので一階レントゲン室までお越しください――――』
その院内放送を聞きながら、その少女は一歩、また一歩とゆっくりした足取りで廊下を歩いていた。
「よっ、ほっ、とっ……」
たどたどしい足つきで、だが着実に歩を進める黒髪の少女はやがてある扉の前で足を止めた。表示された文字を見た少女は、声に出してその単語を確認する。
「GPM−5121号室、クロノ・ハラオウン……うん、ここやね。間違いない」
自らの言葉に鷹揚に頷きながら納得する。そしておもむろに戸を叩くと、直ぐに返事が放たれた。その言葉を受けて少女は戸を開きながら声を放った。
「こんにちはー、クロノくん。元気にしとった?」
「ああ、御陰様でね。はやて」
はやてと呼ばれた少女の視線の先には、声の主がベッドの上に半身を起こして横たわっていた。その右腕と左足はギプスと包帯でしっかりと固定されており、そのほかにも全身のいたる所に治療の跡を残す姿は痛々しく少女には映った。
が、当の本人は暢気なもので、軽くギプスを装着した腕を上げて振るってみせる。その様に笑みを浮かべながら、少女は羽織っていた上着を畳みながら少年の下へ歩み寄った。
「管理局も日本も、病院の雰囲気はかわらんのやね」
「まぁ、合理性が極まれば何処も同じようにはなるさ。怪我人病人を治療するのに洒落っ気を出されても困る」
「そりゃそうかもしれんけどね、長期入院とかになると流石に風景に彩が欲しくなったりするもんよ?」
「違いない。僕も今そう思ってる所さ、いい加減この個室の殺風景さに辟易してた」
「クロノくんまだ三日目やろ?」
他愛も無い会話を交わし、互いに笑う。そんな中、扉が叩かれたかと思うと数人の男女達が雪崩れ込むようにして現われた。その中の一人、長身の女性がはっと声を上げた。
「主はやて、もうご到着でしたか」
「お先に失礼しとるよ、シグナム」
「はやてー!」
「おー、元気しとったかヴィータ」
彼女の言葉に笑顔を向けて答えるはやて。駆け寄ってきたヴィータの頭を撫でていると、どやどやと入室してくる面々の中、困ったように眉尻を下げてシャマルが言った。
「言ってくれれば迎えにいきましたのに」
「ええって、みんな事件の事後処理とかで大変だったんやろ? あたしも偶には一人で歩かんとあかんし、逆にいい塩梅や」
そう言って少女はぱしん、と太腿を手の平で叩いて見せた。幼い頃より此の方足が不自由であった彼女であるが、その原因であった闇の書の負荷が取り除かれてより順調に回復を続け、今ではたどたどしいながら一人でも歩ける程度にまで回復していた。
「でもあれやね、聞いた話だと相当な大活劇だったみたいやなぁ。あー、あたしも調査任務とかうっちゃってソッチ参加したかったわぁ」
「主はやて……御自重ください……」
頭痛をこらえるような面持ちでシグナムが呻く。その様を笑いながら見ていたクロノは、ふと傍で黙々と見舞いの品を下ろしているザフィーラに問うた。
「ザフィーラ、他のみんなは?」
「少し遅れるとは言っていた。だがもうそろそろ到着するのではないか」
そう表情少なくザフィーラが答えるのと、扉が再び開き少女が飛び込んでくるのは丁度同時だった。
「クロノ!」
血相を変えて現われたフェイトは一目散にクロノの横たわるベッドへと駆け寄ると、次の瞬間少年の姿を確認して崩れるようにして傍らに座り込んだ。
「良かった……無事で……」
「おいおい、大げさだな……」
涙目で言う少女に少年は苦笑を浮かべながらなだめる。その一連の流れを傍目で眺めていたはやては小声で横に立つシグナムに尋ねた。
「……どういう展開?」
「ええ、まぁちょっとした事情がありまして……」
そう言ってシグナムは出来る限り簡潔に事の顛末を主に聞かせた。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:35:49 ID:AInfsrnL<>
アースラの艦橋で観測を行っていたエイミィからも、クロノとフェイトは海面に激突し砕けたように思えた。だが次の瞬間、衝撃で跳ね上がった海水が巨大なオブジェのように凍りついついて固形化したのを見て、事の異常さに気が付く。
声が届いたのはその瞬間だった。
『――――……こちらクロノ・ハラオウン――フェイトを無事、確保した――回収を……頼む――……』
念話はそこで途切れた。エイミィが視線を送れば、そこには巨大なクレーターを形成し凍結する、白の平原と化した海原があった。
――――その瞬間に彼が咄嗟に行った行動。それは海面と自身との距離を自らの手で広げるという事だった。物理干渉型に切り替えた超過出力のブレイズキャノンで海面を吹き飛ばし、瞬間的に作り出された大空間を続く凍結魔法で固定した。
そして稼いだ余剰距離を持ってして全力で静止を試みたのである。
結果海面は大きく抉れたまま固形化し、その水平線の果てまでを白に染め上げられていた。そして救助に向かったなのはとユーノ、そして管理局の衛生兵達が見たものは、少女を抱え防壁を展開し続ける、右腕の凍結破砕した執務官の姿だった――――。
「――――右腕破砕!?そんな、でもクロノくんの腕は……」
説明を受け仰天して叫んだはやてに、シグナムはええ、と頷き返した。
「執務官殿の右腕は無理な術式行使によるデバイスの爆発と凍結魔法の余波で凍り付いて砕けはしました。ですが、その程度でしたら管理局の所属する文明の技術力で十分に再生可能です。条件付でしたらシャマルでも出来ます」
ですが、と。烈火の将は前置きを入れて言葉を続ける
「それでも重症であることには違いありません。処置が遅れれば十分以上に致命傷です。現に再生した後も執務官殿は意識を回復することは無く、丸二日昏睡状態にありました。それがやっと今朝目覚め、こうして活動可能になっているというわけですが……」
ちらりと視線を巡らせれば、涙目の少女を持て余すように困惑しているクロノが見える。その様に微笑を浮かべ眺めながら、シグナムは言った。
「自分のせいで大怪我をさせたという自覚があるのでしょう。執務官殿の仕事を引き継いで行っていたようですし、やっと終えて駆けつけたという次第ではないかと」
「はー……なるほどなぁ」
得心といった体で頷きながら、はやては視線を当事者である二人に向けた。その先では、今にも泣き出しそうな少女を、苦労して宥めようとしている少年の姿があった。彼はふぅ、と息を吐くと、柔らかい笑みを浮かべ言葉を紡いだ。 <>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:36:29 ID:AInfsrnL<> 「――――何はともあれ、君が無事で良かった。フェイト」
言いながら少女の頭に比較的無事な左の手を置く。その言葉にフェイトは視線を上げて掠れるような声で答える。
「でも、そのせいでクロノが」
「右腕一本で済んだんだ、安いものさ。しかも再生が利くと来ている」
言っておどけるように右手を振ってみせる。だがその白いギプスの威容は逆効果だったのか、俯いてフェイトは呟くように告げた。
「本当に……本当にごめんなさい……」
その様にクロノは眉尻を下げ、困ったように笑った。置いていた頭を撫でるように動かし、言葉を放つ。
「そう謝ってくれるなよ。当然のことをしたまでさ、僕は」
一息。瞼の奥に映る面影に頷きながら、彼は言う。
「僕達は家族なんだから。そうだろう?」
はっと、フェイトは顔を上げた。視線の先には、笑みを湛え自分を見つめる少年の姿があった。
「うん……ありがとう、クロノ」
「……それでいい」
やっと笑顔を咲かせた少女に、少年は満足げに頷いた。随分と遠回りをしてしまったが、もう迷うことは無いだろう。やることは今までと変わらない、これからも支えて生きていけばよいのだから。新しい家族と共に。心の中で頷きながら、思わずに呟く。
「君に失わなせないで、本当に良かった――――」
「……えっ!?」
その時、思わず口をついたその言葉に、だが少女は妙な反応を示した。表情を一変させたかと思えば、急に視線を泳がせる。顔色も心なしか赤いようだ。
「……?」
特に意図しない発言に存外に驚き狼狽している少女にクロノが怪訝そうに声を掛ける。
「どうしたんだ、フェイト。何かあったのか?」
「え、あの、その――――……」
あわあわと、手を泳がせ視線を乱れさせる少女のらしくない慌てように、少年の疑問は更に大きくなる。が、次の瞬間、少女はその回答を示す。
「ええと、あのね?あの任務の時、私たち思念波の同調をしたよね」
「ああ、したな」
「最後のとき、私は気を失いかけてたけど、その……曖昧な状態だったけど、うっすらと意識は残っていたの。辛うじて」
「ふむ」
この瞬間、猛烈に嫌な予感がクロノの背筋を駆け抜けた。だがその皆までを悟る前に、彼女は告げた。
「その、……聞こえてた、というか、何と言うか……」
「――――!」
愕然と、少年はその言葉を聞いた。そして思う。あの時の自分が思考した全てを。
『全てを賭してでも、君を守る――――』
声ならぬ声を上げて少年は叫んだ。冷静に思い返せば、あの決意は人に聞かせるには余りにも――――。
「ああ、いや、その、なんだ……!!」
血を吐くほどに恥ずかしすぎた。
「――――」
ふむ、と。互いに赤面して道化の如く踊る二人を眺めながら、はやては頷いた。どうやら聞かされていた二人のわだかまりというものも、既に解消されてはいるようだった。
が、しかし。この二人のやり取りを見る限り、これは家族というには余りにも――――。
「……。クロノくん」
「な、なんだはやて」
「その年齢で五歳差は犯罪や。自重しぃ」
「は?」
終劇
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/28(日) 03:45:53 ID:AInfsrnL<> 以上です。
これにてA's COMBAT、一巻の終わりとさせていただきます。
後半がどうにも駆け足でなんともな出来と相成りましたが、思いついたネタはとりあえず組み込めたのでよいかなとも考えております。ああ文才が欲しい……。
活劇ばかりで萌えの欠片も無い作品ですが、楽しんでいただけたのなら幸いでございます。
というか、「思考の共有化中にクロノくんが恥ずかしい事考えてウヒャア」と「リリカルなのはで空戦」がやりたかっただけなのに存外に分量が増えてびっくりしました。おかしい、こんなに長々やる話でも無いのに……。
ともわれ、機会があればまた次回という事で。次こそは萌えとエロを成し遂げられれば良いなと志す次第であります。
長々と失礼しました。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/28(日) 04:24:06 ID:gxmi22pP<> 7スレ76さん乙です。
十分文才ありますって。大丈夫ですよ。楽しめました。
活劇ばかりもいいんじゃないでしょうか?
なのはなんだし。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/28(日) 05:45:46 ID:gyC0qlq5<> ちょ
読みにくい <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/28(日) 07:25:07 ID:6hiwoFCs<> ちょwwww物騒な名前の奴が混じってるwww
7スレ76さん、楽しかったぜー。
高速戦とか充分にスピード感じられたよ。
が、妙に読みにくい。
これだけはちょっと不満かな。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 11:40:20 ID:usU4Bdv8<>
第2話 Cpart
封時結界が展開されたその中で三度目の轟音が怪物を射抜く。
爆風から垣間見える風穴はどう見たって致命傷としか言い切れないはずなのに。
「なんて生命力なんだ……」
渦を巻くように周囲の組織が穴を塞ぎなのはの攻撃はまたも徒労に終わった。
大樹の化身にこんなものはなんにもならないということか。
「せめて動きだけでも!」
放つ鎖は七つ。どれもが相手の四肢に当たるであろう無数の根に絡みつき動きを奪い去る。
だが敵もさることながら使えなくなった手足の代わりに新たな根を大地から僕らに向けて解き放つ。
『Divine shooter』
『Photon lancer』
なのはとフェイトはそれぞれに射撃で迎撃。僕は障壁や拘束魔法で攻撃を弾き、反らす。
「でぇぇい!!」
ただ一人アルフだけは向かい繰る猛攻に怯むこと無く、拳一つで次から次へと叩き落していた。
調子がすごぶるいい感じだ。
「っ! たく、なんだいこのお化け木は!!」
「きっとジュエルシードがこの木に取り付いて」
「そんなことはわかってるよ! あたしが言いたいのはさ!!」
太くうねる根をアルフは怒声と共に受け止める。だが相手の勢いが強い。見る間に砂煙を上げ押し戻されていく。
それでも
「だぁぁぁぁぁ!!」
踏ん張り力任せに引きちぎる。だけど傷口からまた新たな根が再生されこれじゃキリが無い。
「っ! なんでこんなに強いんだってことさ!」
降り注ぐ閃光も、戒めの鎖も、唸る鉄拳も活路を開けない。
「こうなったらあたしが隙を作る! フェイト、フォローお願い!」」
張り上げる声と共に狼が砂塵を巻き上げ飛び出していく。アルフは真正面から突っ込んでいくつもりか。
「うん、バルディッシュ!」
『Thunder smasher』
魔法陣から解き放たれる稲妻が大気を裂き木の根は一瞬で灰へと変えた。
光を背景に従えアルフは構う事無く只中を敵の目掛け突っ切っていく。
「ユーノくん! わたしたちも!」
「うん!」
突破口を広げるために僕となのはもアルフの行く先へ魔法を浴びせる。破壊と再生のいたちごっこを繰り返しながら執拗にアルフを狙う根。ついには体中から枝のような腕を無数に浴びせかける。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 11:45:10 ID:usU4Bdv8<>
だけどアルフは屈しない。
四本の足で大地を捕えながらアルフは身を捻り一撃をかわし、続けて跳躍。さらには腕の上を走り敵の眼前へ。
「いい加減にしな! この――」
獣を光が包み再び人としてのアルフが現れる。
既に右手には臨海まで高められた魔力の光。
「木偶の坊!!」
爆ぜる緋色。振り下ろされた豪腕が大樹の実を引き裂き、粉々に打ち砕いた。
舞い散る木片。グラリと傾く巨体は地に背をつける前に根を支えに踏み止まる。既にその体には再生の兆し。
――でも
「ディバインバスターーーッ!!」
なのはの砲撃が相手の再生も踏み止まる事も、何もかも許しはしない。
地響きが足の裏を駆け抜け、大樹は地面に貼り付けにされながらどんどん身を削り取られていく。
「よし! 今ならいける! ハァ!!」
さしもの生命力もなのはの魔力を受け続けては満足に体を直せない。訪れたチャンスに僕は迷うことなく巨木から伸びる根と枝をバインドで拘束する。
僕に続いてアルフもバインドを展開。これで完全に相手の攻撃力奪い取った。
「フェイト!! なのはに合わせるんだ! 二人同時ならきっとやれる!」
「フェイトちゃん! やろう、あの時みたいに!」
「うん、まかせて! なのは!」
砲撃を続けるなのはの隣にフェイトが降り立つ。二人は軽く目配せするだけで必要以上の言葉は交わさない。
それだけ二人の間の信頼は固い証だ。
「いくよっ!!」
『Divine buster full power』
「せーの!!」
『Thunder rage』
重なる声に連なる光。ディバインバスターはより太く激しく、サンダーレイジは雷神の怒りの如く。
「いっけーーーーー!!!」
二条の光は絡み合わさり一条の閃きへ。
強大な魔力の激流はいとも容易く大樹を飲み込み爆発。
太陽みたいな眩さは腕で目を覆っても意味を成さず、あまりの衝撃に暴風吹き荒れ小石や砂が体を打ちつける。しばらく耳には風の叫びだけが聞こえていた。
こんな規格外の魔力を浴びせてようやく、形となった幻想は再びあるべき場所へと送り返された。
* * *
<>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 11:46:23 ID:usU4Bdv8<>
封印したジュエルシードの数は全部で三つ。どれも番号は無い。
今の攻撃で無残に抉られた大地。ここまでやらなければ封印できないなんて流石に理不尽すぎると思った。
「三つも一度に封印するなんて初めてだ……」
まだ信じられないといった感じでユーノは気を抜くようにため息をついた。
ユーノだけじゃない、アルフも私だって疲れていた。
「でも封印は出来たんだからよかったんじゃないかな」
「うん……そうだけど」
ただ一人、なのはだけはまだ元気そうで。
あんな魔法を撃った後だというのに、ほんと何処にそんな力があるんだろう。少し羨ましい。
「もうあたしお腹空いたよ〜。早くアースラ戻ってエイミィのご飯食べたいよ」
「そうだね……」
だけど今日の功労賞は間違いなくアルフだ。だってあんなに頑張ってくれたんだからこれは当然。
「はぁ、お肉食べたいなぁ……」
「肉ばっかりじゃ体に悪いよ」
「狼だからいいの」
「もう……」
あれからアルフはいつでも笑ってくれて私に元気をくれる。
心の中で今も揺れるアリシアやリニス、母さんのこと。そのことでふさぎ込んでしまう時、いつも黙って傍にいてくれる。
静かな部屋の中で背中合わせ。言葉なんていらなかった、心が通じているから。
背中から伝わるアルフの想い、それに元気も一緒に流れ込んでくるみたいで私も「こんなことばっかしてても始まらない」って思えて。
「ジュエルシードは一つだけじゃないんだから。封印するたび肉食べてたら太るよ」
「ちゃんと運動してるさ、今だって」
力こぶを見せるように腕を振り上げてみせる。
使い魔だって栄養のバランスはちゃんとしないと体に悪いのに。でも、今日ぐらいは多めに見てあげようと思う。
「ほんとアルフはしょうがないんだから」
そういうわけで私が折れる。
「あっはは、流石フェイトだよ〜」
大きな口空け子供みたいに笑って、そんな笑顔を見て微笑ましくなって。
でもやっぱり偏食は体に悪いかな、なんて思ってみたり。
「それにしてもなんでジュエルシードがこんなにあったんだろう」
首をかしげるなのはに私も相槌を打った。
最初に反応があったのは一つ。現場についた時には草のお化けみたいなものが暴れていてすぐに封印。これは大したことが無かった。
問題はここからだ。封印する時の魔力に共鳴したのか立て続けに二個のジュエルシードが発動。
「草と虫と、あの木……」
エイミィが貸してくれた映画に出てくるみたいな全身トゲトゲの虫みたいな相手。私は大丈夫だったけどなのはは少し面食らっていた。
それに以前封印したような木の怪物。一番強力な力を持っていたのはこの子だ。
「なんでこんなことになったんだろう……」
「何かこの子たちも願いがあったのかな」
私とユーノで考え込む。でも相手が物言わぬ草木じゃ簡単に答えなんか出ることも無くて。
そんな時、急になのはが思い出したように口を開いた。
「……そうだ、この空き地ってなくなっちゃうんだ」
「なくなる? なんで」 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 11:47:13 ID:usU4Bdv8<>
「うん、家を建てるとか……この前通り過ぎた時看板にそんなこと書いてあったから」
なのはの言葉に私の中で何かが形になった。なんとなくだけどきっとそれが答えだと思う。
「ねぇ、なのは。それってもうすぐなの?」
「えっと……多分」
「何かわかったのかい、フェイト」
「うん、私なりだけど」
この子達みたいな立場に私もなったらきっと怒る。あくまで私なりの考えだから違うかもしれないけど。
「この子達は守りたかったんだと思う、この場所を」
「ここを?」
なのはに頷き、続ける。
「もうすぐ家が建って、人がここに住んで、そしたらこの子達の居場所がなくなっちゃう」
「それでジュエルシードが反応して」
「だってここにはたくさんの草や木や虫がいるんだよ。いきなり出てけとか言われたってどうしようもできない」
「それはあたしもわかるよ。いきなりアースラから出てけ、なんて言われたって困るだけだしさ」
自分の居場所を守りたいのは誰だって同じだ。既になくなった居場所を取り戻そうとする人だっているのだから。
「この子達……どうなるんだろう」
見上げた先には夕日を浴びたオレンジ色の大樹。
すごく悲しく見えて、泣いてるみたいで。どうしようもないのは分かってるけど、こうやって気持ちを知るとやっぱり辛い。
――心が痛い。
「切り倒されちゃうのかな」
「嫌だな……全部なくなっちゃうなんて」
ざぁっ、と少し冷えた風が吹いて夕闇が近いことを知らせた。草がなびき、枝が擦れて切なげな音を立てる。
「あっ、フェイトちゃん!」
突然叫ぶなのはに何事かと振り向く。
思わず息が詰まった。
「綺麗……」
目の前を覆うように風に乗り空へと舞い上がっていく妖精。自然と差し伸べた手にそれが舞い降りた。
「タンポポの綿毛だ……」
「綿毛?」
「こうやって種を遠くに飛ばすんだよ」
そうなのか。そういえばミッドにもそんな植物があったことをおぼろげながら思い出した。確か黄色い小さな花で、私もよくその種を飛ばして遊んだっけ。
風に舞い上がり空へと消えていく綿毛。広い世界へ旅立つ旅人。
「ねぇ、なのは」
「なに?」
「全部なくなるなんて……ないんだね」
種を結んで旅立つのはこの子たちだけじゃない。きっとこの空き地に生きるみんなに旅立つ用意は出来てるんだ。
草木は花を付け、実を結びそれぞれに考えた方法で新天地を目指す。ここに住んでいた動物や虫たちは自分の足や羽で旅立てる。
きっと楽な旅じゃないけど、でも必ずいつかは辿り着ける。
「……うん、そうだよフェイトちゃん」
微笑むなのはに心が温かくなるのを感じて、何だか気恥ずかしくなって。
「この子の背中……押してあげないとね」
右手にちょこんと座る綿毛に微笑んだ。まるで旅立つ決心がつかなくて立ち往生しているように見えてちょっと面白い。
少しだけ息を吸って、吹きかける。
ふわりと舞い上がって儚げに空へと旅立つ開拓者。私たちを見つめるように少しだけその場で浮いて、次の瞬間にはもう風に乗って旅立ちをした。
どこまでも高く、誰よりも高く――。
『Take a good journey』
「バルディッシュ? ……うん、そうだね」
見上げた先にもう彼らはいないけど
「良い旅を……」
藍に染まり始めた空に私の言葉が溶けていく。 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 11:48:07 ID:usU4Bdv8<>
* * *
ジュエルシードを封印してすぐにアースラで分析を始めて
「分析結果は以下の通りです」
エイミィさんたちが頑張ってくれたおかげですぐに結果は出て
「ほんとに……厄介ね」
コーヒーを飲みながらため息を吐くリンディさんの隣でわたしは芽吹かせてしまった種の重大さに身を固くしていた。
「本命は一つだけで残りはダミー……というよりこれも本物かしら」
「そのことに関してはユーノ君から。お願いね」
「はい」
ユーノくんが一歩踏み出ると同時に画面が切り替わった。
ちょうどアリシアちゃんとリニスさんが映っていてジュエルシードもそこにある。
「アリシアが散布したジュエルシードは先のPT事件で消失した九つのジュエルシードと見て間違いないです」
「暫定的にロスト・ジュエルシード、略してL・ジュエル」
エイミィさんが言いながら画面を切り替えていく。中央に映る二つのジュエルシード。
「このL・ジュエルは以前ジュエルシードに何らかの処置を施し、一種リミッターのようなものを外したと思われます。魔力反応のパターンが違うことから明らかです」
なにか心電図みたいな図が出てきて重なった。赤と青の折れ線は似てるようで微妙にずれている。
あまりこういうことはよく分からないけどとにかく違うということだけは私にも分かった。
「以前とは違い願いに対してより過敏に反応し発動時の具現の仕方もより顕著で過剰になることが前例から予想されます」
さっき戦った木の怪物が画面を占拠した。比較のためか前に戦ったあの木も一緒に並んでいる。
「これはL・ジュエルが対象の願いを誇大解釈するためだと思われます。先ほどのリミッターを外したと言いましたがそれはおそらくこの部分だと僕は考えています」
きびきびと噛むことなく説明を続けるユーノくんは何だか格好いい。私だったらすぐに舌を噛んでしまいそう。
下手な早口言葉よりも難しそうだ。
「ですが一番の問題は新たに判明したこれです」
今までの映像全てが一度消えて今度は封印したジュエルシード三つが現れた。
「封印したL・ジュエルには……信じたくない事実ですが自己複製能力があると思われます」
間を置いて出た、心なしか少し重い声にざわついていたブリッジが静まり返る。
私は息を飲んだ。
「他の二つのジュエルシードは魔力反応から以前のジュエルシードと構造は同じようです。ただ出力にバラつきがあるし全てが発動することはないと思います」
「それがなんでL・ジュエルと関係があるのかしら」
「はい、このジュエルシードの魔力はL・ジュエルと共通する場所が多々見受けられます。加えて散布された数、同じ場所での複数発動からそう結論づけました」 <>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 11:49:04 ID:usU4Bdv8<>
「いわばL・ジュエルがプラント代わりというわけね」
じゃあ放っておくほど大変なことになるんじゃ……。
沸き立つ不安にわたしは自然とその場を離れユーノくんの元へ足を動かしていた。
「ねぇユーノくん……それってどのくらいなの?」
「これだけは僕にもわからない。……唯一つ言えることは複製にそれほど時間はかからないと思う」
「もしかしたら今も」
「うん、残りの八個がジュエルシードを生み出している」
何かが砕けた感じがした。すごく押しつぶされそうな気がして、苦しくて、思わず胸を掴んだ。
「なのは……」
「こんなたくさんのジュエルシードが町に溢れたら大変なことになっちゃうよ……」
搾り出して声ではそれが精一杯。
不注意でジュエルシードを見逃してしまったあの時よりも酷い光景が想像もしていないのに沸いてくる。
大惨事なんてものじゃない。自分がやってしまったことは不注意で済ませられない取り返しのつかないこと。
「大丈夫だって! なにも全部のジュエルシードが満足に動くわけじゃない。それに増えるのはこれだけかもしれない」
「でも……」
「今は考えるよりも動く。僕らに今出来るのはジュエルシードを封印することだよ。悔やんでるより絶対その方がいい」
「ユーノくん……」
そう……なんだと思う。
わたしが今出来る精一杯のことはジュエルシードの封印。発動する前に見つけられれば迷惑もかからない。
切り替えなきゃいけないと思った。
「……うん、そうだよね」
自分が芽吹かせた種なんだ。摘み取れるのもわたししかいない。
胸に置いていた手をぎゅっと握りしめる。
わたしのせいなら解決できるのもわたしだけ。
出来るのはわたしだけ。
「ありがとう、もう大丈夫だよユーノくん」
「ほんとに?」
「うん、またあの時みたいに頑張らないとね」
どんなちっぽけな願いもみんな守ってみせる。もうさっきのようなことは絶対させない。
胸に密かな決意表明。……うん、大丈夫。
「うん……わたし、頑張る」
民間協力魔導師高町なのは。またまたご町内のために頑張ります。
<>
176 ◆iJ.78YNgfE <>sage<>2006/05/28(日) 12:00:54 ID:usU4Bdv8<>
投下完了、忙しいなほんとに
>>92氏
ああもう、コミケでフェイトとシャマルが肩を並べている光景が……
あとサブタイトルについては気にしないで
>>326
完結までプランを立てて始めて思い立ったら吉日です
私の中では……ですけど。投げっぱなしいかんですよ
>>333
飛行魔法のことは忘れてるんでしょうね
特にシグナム
>>さばかん氏
これはまずい……なぜってうなぎのぼり
みんなの股間がうなぎのぼり
>>37564氏
書けないと思うよりまずは精進
何事もそれが大事ですよ
>>76氏
お疲れ様です
魔導師の壮絶な空中戦、楽しませてもらいました
言われると読みにくいかな?何て思ったりしますが私も同じようなものなので
ではノシ
まだまだアリサとすずかが魔法少女になる日は遠い <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 02:06:37 ID:RAx90Aq3<> 最終話「フェイトちゃんの意外な秘密なの」始まります。
フェイトちゃん達が私の家に泊まりに来て今は土曜日の朝10:30です。
私たちは朝食を食べに食堂へ向かっています。
「う〜、まだ頭がガンガン響くよ〜」
「昨日は飲みすぎちゃったね」
「えぇ、この私が飲みすぎて二日酔いになるなんて一生の不覚だわ」
「気持ち悪い…」
私とアリサちゃん、フェイトちゃん、すずかちゃんはまだ頭痛がする頭に手を当てながら食堂へ向かいました。
「フェイトはダメですね。アリシアなんか平気な顔でいますよ。もちろん私も平気ですけどね」
「うんフェイトはダメダメだね。リニス」
「ウチも平気やで〜」
リニスさん、アリシアちゃん、はやてちゃんは昨日あんなにお酒を飲んだのに平気な顔で歩いていました。
(な、なんで飲みすぎてたのに平気な顔でいられるの〜)
私は心の中で呟いてリニスさんたちを見ました。
そして、食堂へ着きました。
「あ、皆さんちょっと喋っておきたいことがあります。」
私たちは朝食を食べている最中にリニスさんが一言発しました。
「リニス…喋っておきたいことってなに?」
その言葉を聴いて最初に口を開いたのはフェイトちゃんでした。
「えぇフェイトのことです」
そう言うとみんなリニスさんの言葉に興味を持ったみたいで一斉にリニスさんへ向きました。
「?私に秘密なんてあったの?リニス」
フェイトちゃんは自分にまだ秘密があるのを知らなくて頭に?が浮かんでいました。
「フェイトに秘密なんてあったんだ。」
「せやな。フェイトちゃんに秘密なんてあるなんて知らんかったんよ。」
はやてちゃんとアリサちゃんはフェイトちゃんに秘密があることに少なからずビックリしていました。
「それはですね。実はフェイトは男の子だったんです!」
リニスさんは大きな声でそう叫びました。
「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!」」」」」」」」」
アリシアちゃん以外の私たち家族とアリサちゃん、はやてちゃん、すずかちゃんは驚きの声を上げました。
「そんな…フェイトが男の子だったなんて知らなかった…」
「う〜ん以外やなぁ〜」
「以外だね」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
特に驚いたのは私と家族の四人です。
「そうなんだ…前からなのはのことを好きだって思ってたけど…愛してるって意味の好きだったんだ…」
フェイトちゃんは以外に目の前の真実と向き合っている様で納得していました。
その後へ続く…かも <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 02:41:59 ID:RAx90Aq3<> その後♪
私たちは無事に大学を卒業しました。
その後フェイトちゃんと一緒にハラオウン家に私、高町なのはは向かいました。
事前にフェイトちゃんはリンディさんエイミィさんクロノ君に自分が男の子だと話したらクロノくんは涙を流していたとフェイトちゃんから話しは聞きました。
リンディさんとエイミィさんは少し驚いて祝福してくれたと言っていました。
そして大学を卒業して私はフェイトちゃん…うぅんフェイトにプロポーズをして今は教会に居ます。
「汝フェイト・T・ハラオウンは高町なのはを病める時も愛することを誓いますか?」
「はい…誓います」
「高町なのは汝はフェイト・T・ハラオウンを夫として迎えますか?」
「はい…誓います」
フェイトは私のヴェールを上に上げて口付けをしました。
そうです。高町なのはこと高町なのはハラオウンにたった今なりました。
「なのは結婚おめでとう」
今は結婚式が終わった後の教会前の広場で私はお兄ちゃんと話してます。
「あはっありがとうお兄ちゃん」
取り敢えず新婚旅行は落ち着いた時に行けばいいと思ってます。
私は今、幸せです。
終わり <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:44:16 ID:mP7irjwE<> また投下ラッシュが、
自分も流れに乗って
魔法少女リリカルなのはACF第4話
投下します。前回の会議ばっかりはヤッパリ不評みたいなので
今回は現場中心です。
で、お約束、
似非(えせ)クトゥルフ神話注意 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:44:59 ID:mP7irjwE<> 『日常との決別、出撃の時なの』
落ち着いた植え込みと小さな泉の周囲には、パノラマで海鳴市の町並みが広がっている。
ここは、聖祥高等学校の屋上である。その一角にある円形のベンチを一つ占領して、
4人の少女がお昼ご飯を食べていた。
「あんたらね〜〜」
現在はアリサのお説教タイムの真っ最中である。その対象は一緒に食べている内の二人、
フェイトとなのは、本当ならもう一人、はやてに対してもやりたかったのだが、
彼女は今日から遠くの病院で入院、という事になっている。
「そらあ仕事が大事なの分かるわよ、私だってこの世界の危険を直に見たしね、
でもねえ、あんたら本気で出席日数ヤバイわよ、もう義務教育じゃないだから、」
「そ、それに付いてはちゃんと聞いたから……」
「う、うんよっぽど休んでない限り、テストの成績がよければ、教育委員会も誤魔化せるみたいだし……」
本当はさらにややこしい書類の調整と裏技的な制度の使い方で誤魔化すのだが、
実際にやる人間以外は何とかなる事を知っていれば十分である。
個人の怠慢なら学校側もこんなめんどくさい真似はしないのだが、3人の休む理由はそれぞれ
独特で、時期が重なる事が少々腑に落ちない物の、それぞれの家の状態が状態である為、
信じるしか無く、学校側も少々の無茶をしてくれるというのが現状だ。もっとも、
はやての入院はともかくとして、それ以外、フェイトの実家(イタリア)での遺産相続からくる御家騒動と、
なのはの家の仕来たりで山篭り(武道家の家系なので)は良く思いついたとしか言いようが無い、
因みになのはの理由は、小学校の時に(P・T事件で)同じ理由で休んだから説得力抜群だったらしい、
「そのテストは大丈夫なの?」
横から割って入ったのはすずかだ。
「うん、理系なら見てもらえるし、文系科目もちゃんとやってるから、」
「それならいいけど……」
本当はそれに加えて、その場で出来る三つの必殺(反則)技、
「念話でヘルプ」
「教科書プリント丸々デジタルデーターinデバイス」
「時空管理局謹製完全自動翻略&関数電卓魔法」
が有るのだが、あんまりにもあんまりな上、口にするとアリサが激怒するので黙っておく、
ついでに真面目な二人は最後の手段として念のために用意しているだけだったりする。
はやてはもう少し融通が利きそうではあるが、やっぱり使いたがらないだろう、
だからこそ、管理局(正確にはリンディ、レティ)も安心して、色々と自分達のカンニング技術を伝授したのだ。
その中には、
「光学迷彩or変身魔法でテスト問題盗難」
「データベースにクラッキングで点数改竄」
はもちろん、
「スキャンダル掌握(もちろん、性的な意味で。)」
「闇討ち(誰を!?)」
などまで含まれていたが、その技術の中で3人が比較的穏便な手段として選らんだのが上の3つだった訳だ。
喜んで使う奴には怖くて教えられない技術の塊である。色んな意味で、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:46:09 ID:mP7irjwE<> 「でもさあ、今回長すぎない?今日も終わったら直ぐに管理局でしょ?」
「ううん、夕食を食べる余裕はあるみたい、だからそれまで仮眠しとくの」
そこまで言って二人は顔を曇らせる。本当に何時まで続くか全く分からないのだ。
今日は出撃前に一時帰宅しただけだし、その戦いで死んでしまうかもしれない、
そう言う意味では今日の帰宅を管理局が許したのは、別れを告げて来いと言う意味なのだろう、
それが彼女達に重くのしかかる。しかし、アリサは話に集中しすぎて、二人の表情まで気が回らないようだ。
「おかしいじゃない、3人とも職種が違うんでしょ、それがなんで一斉に忙しくなるのよ、
いや、あんた達だけじゃないわ!ヴォルケンリッターも、フェイトのお母さん達も家から消えちゃって、
ユーノの奴も、アイツがよく連れてる副司書長も最近見かけないし、何が起こってるのよ!今次元世界で!」
「チョッと、アリサ声」
「あ゛」
慌てて周囲を見渡すアリサは、他の生徒がこちらを気にしてない事を確認するとトーンを落としてさらに続ける。
「今回あんた等が休んでる理由もさあ、こう言ったら何だけど……
死んでも不自然じゃない理由を選んでるんじゃない?病気とかお家騒動とか、山篭りとか」
そう言って二人の目を覗き込もうとした。慌てて彼女達は視線をそらす。
「そんな事無いよ、ただチョッと長引いてるだけで、」
「うんうん、それに職種が違うからこそ協力しなくちゃいけないんだから、」
そう言ったあと、二人で思考を巡らす、何とか話題を逸らさなくては、
「そう言えばすずか……<旧支配者>って知ってる?」
『ちょっと、フェイトちゃん!?』
慌てて念話を送るなのはだが、フェイトは気にした様子は無い、
「<旧支配者>?クトゥルフ神話の?」
クトゥルフ神話、二人は聞いたことが無かったが、すずかには極普通の事だった様だ。
「うん、たぶんそれ、」
とっさにフェイトが相槌を打つ、そんな神話があること自体は初耳だが、そこに冠されているクトゥルフと言うのは
二人が、いや全次元世界がこれから立ち向かう敵の名前だ。間違いない、
「うん、知ってるけど、どうして?」
首を傾げるすずかにフェイトが答える。どうやら執務官をしている間にこの手の誤魔化し能力は随分鍛えられた
らしい、
「え〜と、はやてが、最近よく話題にあげるんだけど、何の事かさっぱり……ね、なのは」
「う、うん、はやてちゃん色々知ってるから話があらぬ方向へ飛ぶと結構大変、」
その言葉にすずかはクスと笑う、アリサは横で呆れ顔だ。何しろ、一度ユーノ、クロノ、ヴィータが
話しの輪に加わった時に、はやて、すずか、ユーノの本の虫参人衆が話しを明々後日の方向に
持っていってしまい、残りの5人は完全に置いてきぼりを喰らった事があるのだ。恐らく管理局に居るときも
同じ事を繰り返しているのだろう、後でお釘を刺しておこうと心に誓う彼女の横で、もう一人の読書家が
水を得た魚のように声を弾ませる。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:47:11 ID:mP7irjwE<> 「クトゥルフ神話て言うのは、20世紀初頭の、米国、プロヴィデンス出身の怪奇小説作家、
ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが、根幹を築いた人造の神話なの、彼の設定は
「源神話」とか「幻想宇宙年代記」とか呼ばれているわ……」
彼女が話し始めて、二人は己達の失策を悟る。しかし、こうなってしまってはどうしようもない、
フルオートマシンガン状態になってしまったすずかを止める事が出来るのは予鈴のみである。
念のためアリサを見るが、彼女も打つ手なしと恨みがましい目で睨んで来る。
『ねえ、フェイトちゃん、クトゥルフ神話に出てくる<旧支配者>ってなんか……』
『うん、私達が知ってるのとはだいぶ違うね……』
二人が同時に感想を漏らす。昔から伝わっていないと言うのも変な話だが、
この話しの中に出てくる<旧支配者>達はそれこそ人知が及ばない存在であるにも拘らず、彼女達には
随分矮小に見えた。そもそも、彼女達自身魔導師であり、この世界の住人からみれば人知を超えた存在である。
それに加えて、いま彼女達が対峙している<旧支配者>は単体で一つの巨大な次元世界を支配し、ルルイエも
神話とは違い、次元世界の名前であり、同時に同じ名前を持った水のみで出来た巨星、すなわちクトゥルフの
神殿の名前である。太平洋に眠る小さな海底遺跡の名前では無い、
だが、それ以外は驚くほどに一致している。作者自身劇中では謎の病気で死んだらしいが、
案外本当なのじゃないかと疑ってしまう。つまり、何者かが、彼に“何か”を教えたのだ。
「こんな所かな……あ、大事な事忘れていた。クトゥルフ神話って、宇宙的恐怖(コズミックホーラー)
って呼ばれててね、文明が進んでくるにつれ、ほら、それまで畏怖の対象だった森とか山とかまで
光が入り込んだでしょ、だから、新しい畏怖の対象を求めた人たちの思いに答えた事によって、
人気が出たんだって……」
すずがはそう言って、一息ついた。そして、少しだけ宙を仰ぎ、フ、とため息を付く、
「でもね、今は違う……冥王星にさえ探査機が届く、マリアナ海溝だって潜水艇は潜ってしまう、
地底に大穴が無い事も地震の振動を調べれば分かる。夢にだって脳医学が照準をあわせる。
知的生命体の発生さえ、進化論と確立で説明が付く、
もう……コズミックホラーなんて古いのかも、」
そう言ったすずかの顔は本当に悲しそうだった。二人は黙り込む、彼女が本当はそんな存在を求めていない
事は分かる。だが、“それら”は本当に存在するのだ。しかも寄り強力な存在として、
「ねえ、もうこの世に畏怖の対象があるとすればそれは……時空管理局が把握してない次元空間とか
だけじゃないかしら、どう思うみんな……」
そこまで言ってすずかは初めて周囲の状況に気が付いた。全員黙りこくっていたからだ。もっとも
アリサとなのは、フェイトの黙り込んだ理由は全く違うのだが、
気まずそうにすずかが辺りを見回した所で予鈴が鳴った。4人は慌てて校舎に戻って行く、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:47:46 ID:mP7irjwE<> 夕方、と言ってもまだ日は高い、4人は学校から家までの道を雑談と共に歩く、話の中身は他愛の無いの物だ。
だが、そこには、特になのはとフェイトの話には何か白々しい物がある。丸で何かを隠しているかのような、
いや、実際隠しているのだが……、その事にアリサも深くは突っ込まない、それが彼女の流儀なのだ。
「ってストップ!ストップ!あんたら角過ぎてる!!」
「え!あ、ホントだ」
「あ、ありがとアリサ」
アリサの声で4人は慌てて止まる。そしてなのは、フェイトが一歩下がる。行き過ぎてしまった道に戻る為だ。
二人は小さく手を振る。
「じゃあ、私達はこれで、」
「アリサ、すずか、さようなr」
「ストップー!」
別れの挨拶をしようとした二人にアリサが静止をかける。
「だめよ!今のあんた達それ言ったが最後本当に遠くへ行っちゃいそうな雰囲気がプンプンしてんだから、
いい、こういう場いの挨拶は“また今度”分かったわね!」
必死のアリサに二人は思わず後退る。そして、一拍置いた後に顔を見合わせた。そして同時に頷き
今度は高くてを挙げる。
「「それじゃあ、また今度!」」
同時に言って後ろを向いた。もう振り返らない、後は自分の家に帰って仮眠を取るだけである。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:48:29 ID:mP7irjwE<> 一瞬の眩暈と同時になのはは時空管理局本部に着いた。周囲では様々な職種の局員が慌しく動いている。
それ見てなのは自分の頬を両手で叩く、軽い音と共に気持ちを切り替えると彼女はすでに教導官の顔に成っていた。
緊張をほぐすために、ゆっくり目に走りながらB3区画に向かう、そのまま一時的に自分が私室として使っている
部屋に入ると、そこにある端末で軽くレイジングハートのチェックを済ませ時計を見る。
自分達の集合時間には未だ余裕がある。彼女は懐からカードを取り出すと、ワイドエリアプロテクションの術式を展開、
魔力を込め始めた。これぐらいの魔力なら、少し休めば直ぐに回復するだろう、完成したカードを
懐にしまう、これ同じカードが1ダースを超えた。このカードは激しい戦いにおいて、きっと大きな助けとなる。
目覚ましをレイジングハートに任せて少し目を瞑る。そして不幸な新人達の事を思った。
新人を戦力として使うと言っても多くは、戦場での後方支援である。その為に教導官の中には急遽
治療系の魔法を教えた者も居たと言う、しかし、“不幸にも”戦闘魔導師としての素質があると
判断された者達はそのまま前線に送られる。彼女の指揮する部隊もその一つだ。勿論後方支援の新人達も
戦線が危なくなったら予備隊として前線に行かなくてはならないのだが、生存率は比べるべきも無いだろう、
彼女はユーノが寝不足の時に組んでくれた魔法を使って一瞬で眠りに落ちていく、
レイジングハートに起こされたなのは身だしなみと持ち物を確認して、集合場所に指定した訓練場に向かう、
訓練場に行くと、他にも幾つかの部隊に混じってなのはの新人部隊がいた。
それまで、気紛れな雑談をしていた彼等は彼女を見るなり雑談を止め、整列した。その顔からははっきりと
緊張が読み取れる。だが、それでも彼女は少しだけ安心した。まだ雑談するだけの精神的余裕があるという事だ。
型どおりの点呼を取ると、簡単に説明を済ませる。
「さて、最後の確認行くよ、我々の乗る艦艇の名前は?」
そう言っていきなり一人を指差す。一切ブレずビシッと決めるその姿は中々様になっている。
「アースラです!」
彼女は満足げに頷き次の隊員に指を向ける。
「よろしい、次、敵は何だ?」
「ルルイエとそれを擁するクトゥルフです!」
「その通り、所詮たかが一つの次元世界、次、我々の目的は?」
それを繰り返し、万が一アースラが轟沈した時にどうするかなどの細かい事まで確認して行く、
最後の一人までそれをやると彼女は大きく腕を振った。
「そこまで分かっていればよろしい!今からアースラに移動する。」
そう言って機尾を返し歩き始める。それに隊員達は付いて行く、目的地は時空管理局第3ドック、
そこに、建造以来始めて完全装備になったアースラがある。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:49:17 ID:mP7irjwE<> アースラの前ではフェイトとクロノが待っていた。
「ようこそアースラへ、と、君に言っても良いのかどうか、」
そう言ってクロノは軽く笑って見せた。なのはも同じく笑みを作る。
「お出迎え有難うございます……て、フェイトちゃんとクロノ君、二人ともここでいいの?」
思わず素に戻った彼女に、彼も同じく素に戻って、手に持ったオレンジジュースのボトルを振って見せる。
「ああ、部隊が揃わないと動けないからな、それにこれも飲めなくなる。」
「あ、二人とも……周囲、」
慌てたフェイトの指摘で慌てて振り返る二人の視線の先で、なのはの部下が唖然として立ちすくんでいた。
どうほろうしようかと三人が悩んでると、後ろから元気な声が響いてくる。
「おーい、高町中隊、ちょっと待て!」
そちらを見るとヴィータがフェアーテまで使って飛んできていた。
「ふう、間に合った。」
「ヴィータちゃん、いいの?今仕事中でしょ?」
困惑するなのはに彼女は息を切らしながら答えた。
「チョッとだけ、時間貰った。直ぐ戻るから大丈夫、それにコレ預かってんだ。」
そう言って懐から沢山のカードの束を取り出す。
「ほら、実践初めてのお前らにあたしらからのプレゼントだ。ありがたく受け取れよ、」
そのまま隊員に5枚一組のカードを渡して行く、よく見るとそれぞれ、紫、赤、緑、青、白と
色分けされている。
「この手のアイテムの私的な分配は本当は認められないのを、お前らだけ特例出てんだ。
だからありがたく受け取れ、あ、他の前線新人部隊も同じ事してる奴がいるから気にしなく良いぞ、」
そう言って簡単な説明を開始する。それぞれ
紫にパンツァーガイスト、赤にフェアーテ、緑に静かなる癒し、青に鋼の軛、白にミストルティン
がそれぞれ入っているらしい、
「ただし、術式をミッド式に変換する過程で余り強くなくなってるからな、期待と出し惜しみはするなよ、」
そう言って、少し照れくさそうにポリポリと頭を掻く、
「後何だ、その、お前等であたしとザフィーラとシグナム相手に勝ったんだ。
だから絶対に生きて帰れるって!」
そう言って照れくさそうに親指を立てる。そうなのだ。はやてに相談したヴィータは
彼女の助言を忠実に実行した後、ザフィーラやシグナムまで巻き込んで模擬線の相手をやっていた。
そして最終的になのはの部隊(なのは含む)はこの三人を撃破することが出来たのだ。数の暴力と言えば
それまでだが、実際の戦略でも実も蓋も無い言い方をすれば“数の力で叩き潰す”である。
「あ、もうこんな時間じゃねえか!」
時計を見てヴィータがフェアーテを発動させる。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:50:19 ID:mP7irjwE<> 「あ、そうそう、はやてがさ、」
「うん?何?」
「出来ればクトゥルフの触手一本ほしいって、」
「は?」
その場の全員が間抜けな声を返す。
「寿司のネタにしたいって言ってた。」
「食う気か!?」
驚愕を浮かべる一同をよそに、なのはが顔を綻ばせる。
「う〜ん、酢蛸にしたほうが美味しいじゃないかな?」
「そっか、はやてに言っとく、じゃあな!」
そのままかなりの速度で遠ざかってしまった。化け物を見るような目で見てくる周囲をよそに、
彼女は部下の方を見た、その顔はすでに教導官の顔に戻っている。
「よし、今から乗船する。クロノ艦長、よろしいですね、」
クロノも直ぐに切り替えたようだ。大事そうに抱えたペットボトルが全てを台無しにしているが……
「ああ、構わん、それとなのは隊長、共通時間1:30よりミーティングを行う、」
「了解しました。聞いたかみんな、聞いたなら直ぐに動くように、」
そう言って先に乗船するために浮き上がると、部下たちもようやく気持ちを切り替えて付いてきた。
ただ、緊張はかなり解れている。それ見て彼女は改めてヴィータに感謝した。
彼女達がどんな任務に付いているのか知らないが、戦局に関る仕事だと聞いている。
きっと彼女の力があればはやても前に進めるだろう、と、その時、通路の奥から見慣れた人物が姿を現す。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:51:20 ID:mP7irjwE<> 「ユーノ君!?」
その声で彼はなのはの存在に気づいたらしい、首をあげると手を振ってくれた。
その横ではクロノとフェイトも驚愕の表情を浮かべている。
「おまえ、護衛は!?」
「と言うより何故こんな所に……」
見るとドック内部の人の動きが止まっていた。当然である。時空管理局の最重要人物の一人が護衛も付け無いで
前触れも無く現れたのだ。だが、当のユーノはそんな事を気にするそぶりも無く
「ずっと書庫に篭ってる積もりだったんだけどね、局長直々にある事をしろと指示が出てね、」
そう言って苦笑いをする。
「で、担当を手近なドックにして頂いたわけ、」
嘘だ、その場に居た全員がそう思った。第3ドックは無限書庫から一番遠いドックである。そしてアースラの
関係者以外もなのはの姿を確認して直感を核心に変える。間違いない、彼の目的は彼女である。
案の定、彼は彼女の所まで一直線に飛んできた。
「せっかく来たのだから挨拶ぐらいして行こうか、はい、僕からプレゼント、」
そう言って懐からカードの束を取り出す。全て薄い黄緑をしていた。
「ユーノ君も?」
「うん、その様子だと、はやてからはもう貰ったんだ。」
どうやらはやてと話している時に思いついたらしい、
「本当ならカートリッジだけじゃなくて、この手のカードが量産出来ればいいだけど……」
「理論上不可能だもんね……」
なのはもそう言って苦笑する。たしか、物品に魔力と術式を同時に入れる事は一度リンカーコアを通す必要がある
事が証明された。とミッドチルダの新聞に載っていたのを覚えている。唯一の例外が物品にリンカーコアを入れる
場合らしい、が、そんな物は遺失世界でさえ量産にいたった世界は無い、ただ、カートリッジなどの量産は
比較的楽な為、今のアースラには量産品のカートリッジが大量に積まれている。
「コレは防御結界、バリアとかシールドは全員はれてもコレは少ないでしょ?
無駄撃ちは駄目だけど、出し惜しみはも死に繋がるからね、」
そう念を押した彼は、なのはに向き直る。
「それじゃ、護衛まいたのばれると、部下に何言われるか分かったもんじゃ無いから、さっさと済ませちゃうね、」
そう言って彼女から離れた。
「うん、それじゃあね、有難うユーノ君、」
笑顔で答える彼女に彼は思わず赤面し、誤魔化す為に言葉をつくる。
「あ、その、こんな事いえた義理じゃないけど、頑張ってね、」
そう言って頬を掻くと、逃げるようにドックの一番上まで飛んでいった。その顔は既に高官の顔である。
そうして、声を張り上げた。ドック全体に響くように、 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:51:54 ID:mP7irjwE<> 「諸君、
私は無限書庫司書長ユーノ・スクライアである。
時空管理局総局長よりお言葉を預かっている。
作業の手は休める必要は無いが、
そのまま私の話を聞いてほしい、
これから諸君等が相手にする相手は、
伝説の時代の存在である<旧支配者>!
かつて全次元世界を支配した存在である!
だが、
彼等は果たして本当に強いのか?
現に我々は一体を倒しているではないか!
伝説では滅亡した存在ではないか!!
たかが数個の次元世界ではないか!!!
そうだ!
彼等は決して無敵の存在ではない!
そして我々は無力の存在ではない!
伝説の時代とは違うのだ!
それなのに
無謀にも彼等は我々に牙を剥いた!
大人しくしていれば見逃してやった物をだ!
だから教えてやれ!
今の支配者が誰なのかを!
貴様等は所詮古い支配者なのだと!
圧倒的な力を持ってこの戦いに勝利しろ!
二度と奴等が牙を剥かないように!!
以上!!
返事はどうした!?」 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:52:44 ID:mP7irjwE<> 一拍の後、ドックに居た全ての者が声を張り上げる。
「了解!」「了解!」「了解!」……
その声は見事な合唱となって第3ドックに木霊した。その余韻が冷めないうちに彼はドッグの出入り口に戻る。
『局長の指示とはコレか、この分だとそれぞれのドックで今頃大合唱だな、』
クロノの念話に彼は軽く頷く、そして自分も念話を飛ばした。
『そう言うこと、こう言うのは上が現場に出向いてしたほうがいいでしょ、』
『まあ、それはな、』
『お疲れ様、ユーノ君もお仕事がんばってね、』
割り込んできたなのはに彼は苦笑交じりで答える。
『ありがとう、なのはも……武運を祈ってるよ、それじゃあね、』
そのまま振り返らずに廊下に出て行った。それを見送るとクロノ、フェイトも飛び上がる。
そして、なのは部下に向き直る。
「ぞれじゃあアースラに乗り込むよ、いいね!」
「了解!」
彼女を先頭にアースラに乗船し、各自割り当てられた部屋に散って行く、その時に部下の一人が尋ねてきた。
「あの、さっきのあの方は無限書庫司書長ですよね、」
「うん、そう名乗ったよね、」
「あ、その、どういう関係ですか、」
さて、どうした物かとなのは考える。よく考えたら管理局に入って間もない彼等は彼とアースラの関係を
知らないかもしれない、となると親しく話していた事について疑問に思うのも無理は無い、
何せ相手は最高幹部の一人なのだ、本当は恋人と答えたいのだが、お互い忙しくして思いを打ち明ける時間が無い、
それに最近彼ははやてと親しい、きっと本好き同士気が合うのだろう、そう思うと少し悲しい、
「隊長……?」
「え、あ、その彼はね、私の魔法の師匠なの、まだ二人とも管理局に入る前の事だけどね、
それに同じ事件がきっかけで管理局に入ったから同期でもあるの、さっきのフェイトちゃん……じゃかなった
フェイト・T・ハラオウン執務官もね、」
「そうですか、」
向こうはその説明で納得してくれたようだ。そのまま分かれて、自分がかつて使っていた私室に
僅かな荷物を放り込むと、時間を確認する。出港までにまだ少し時間が有る。
彼女は少し考えた後に、家族へのメールを打ち始めた。 <>
魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:53:54 ID:mP7irjwE<> 廊下を歩くユーノの前に一人の男が現れた。
「また貴方は、護衛が困ってましたよ、」
呆れる副司書長に彼は笑って答える。
「ああ言うのは性に合わなくてね、それより、君がここに居ると言うことは書庫はどうなってるの?」
「ベテラン2人を通常業務に回しました。」
「なるほど、」
そう言うと並んで無限書庫へ歩き出す。しばらくして、思い出したかのようにユーノが話題を振った。
「そう言えば君の望んだ通り動いてくれたね、ルルイエが先に来てくれたよ、」
副司書長は眉をピクリとも動かさずに言葉を反す。
「そう言えば貴方の分析の通りに動きましたね、ルルイエと先にあたるとは、」
どうだか、とユーノは肩をすくめる。そして二人とも黙り込む、無限書庫まであと少し、
それまで二人は互いに腹の探りあいのような沈黙を続けていた。
遺失世界ルルイエ、その世界の中心には約1*10^44kgの質量を持つ水だけで出来た天体があるり
その中央部にはその次元世界と同じ名前を持った神殿が存在する。
その王座にて眠る者は、周囲の異変を人ならざる思考にて察知した。その者がなんと考えたかは分から無い、
だが、世界全体は動き始めていた。矮小な者達を叩き潰すために、 <>
6スレ480 ◆erhU6I9J2g <>sage<>2006/05/29(月) 03:56:55 ID:mP7irjwE<> と言うわけで今回はココまでです。
自分も読みにくいほうなので精進しないと、
今日はもう遅いので個別レスは勘弁
他の職人様方>>GJ
出一応一名だけ
>>76氏
いえ、私が言いたいのは
「白い悪魔はなのはだろ」とそう言うことですw
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 04:03:34 ID:7wYw4Jz4<> クトゥルフ神話来ちゃったよ・・・ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 15:17:43 ID:QRGf3s4x<> 480氏乙であります。
面白いのがあったので甜菜
なのはA'sコンバット
ttp://www.youtube.com/watch?v=2nf-NkV84q8&search=nanoha
メタルギアなのは
ttp://www.youtube.com/watch?v=OfqrAb0e-to&search=nanoha
リリカル大戦
ttp://www.youtube.com/watch?v=6rib-rXuj8Y&search=nanoha
なのは A's Destiny
ttp://www.youtube.com/watch?v=ctc2N33mVyU&search=nanoha <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 15:41:11 ID:9MA1ytBi<> >>383
また、懐かしいのを発掘してきたな。
でもすれ違い。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 21:34:17 ID:Sx1SztJC<> 367で最終回を書き上げた者です。
あしかけ二か月、皆様お楽しみいただけたかと思います。
今仕事先から携帯で覗いてるんですがまだレスがないようなので・・・・・・・・・
今までは特に気にしませんでしたが話が終わったので今後の作品の参考にしたいのでぜひレス頂きたいなーと
思ったもので。
フェイトが男とか過去ログにもない話をもってきたと思うんですがどうですかね? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/29(月) 22:14:41 ID:9MA1ytBi<> >>385
でわ。
アリシアとリニスが存命なのがいまいち分からんよー。
<>
7スレ76<>sage<>2006/05/30(火) 01:10:34 ID:bIPvcdy1<> 失礼します。
当方の雑文にレスありがとうございます。今回は恥ずかしながらレス返しを行うため参上させていただきました。
手ぶらですがご容赦ください。
さて、多数指摘されていますどうにも文章が読みづらいというご意見ですが、当方の方でも思い当たる節が多々あり申し訳なく思っております。
とりあえずざっと思いつく限り
・改行が少ない
・文章が装飾過剰である
・一文が長い
などが考え付きました。
このうち改行については増やすと文章量が二倍程度まで跳ね上がる危険性が予想されるため控えていました。
レスを戴いた皆様には具体的にどの辺りが読みづらいかの指摘などを後学のためにも是非お願いしたいところですが、これ以上はスレ違いも甚だしいので自重する方向で。
ともあれ、皆様ご感想ありがとうございました。
>>357様
お褒めにいただき光栄であります。
なのはに少年漫画的魅力も感じている自分としてはもっと彼女らと彼らの活躍が見たかったなぁ、という妄想の結果が当文章でした。
認めていただき胸をなでおろす次第です。
>>358様
全くもって申し訳ない。次の機会があれば精進するつもりでありますので、どうぞご容赦を。
>>359様
レントゲン室で宇宙的恐怖っぽい惨劇に挑め!(嘘)
速さを感じ取っていただけたようで何よりです。お言葉ありがとうございます。
読みづらさについては上記の通り改善していきたいと考えておりますので先生の次回作にご期待ください(某社十週打ち切り風)。
>>176様
L・ジュエルというと某勇者王のアレですな(それはJ)。
というか八個のジュエルシード増殖って町内どころか地球がピンチな予感。なのはさん超がんばれ。
読みやすさに関しては私は問題ないと思いますよ。楽しく拝読させていただいています。
>>367様
フェイト男の子って斬新が過ぎやしませんか先生!(笑)超アクロバティックなハッピーエンドに驚愕がとまりません。
男の子でバリアジャケットがあの格好だと一部分が大惨事になってそうですな。
>>6スレ480様
>>返事はどうした!?
Tes.と叫びたくなる演説にまロい吹いた。ユーノ格好いいぜ……。
大蛸大神官(酷い呼び方だ)相手に戦え、時空管理局!SANチェック失敗しても泣くな。
あとナノ=ハとかいう怪生物を想像したのはここだけの秘密でございます。>「白い悪魔はなのはだろ」
お言葉に関しては正に、と(ディバインバスター
以上、長々と失礼しました。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/30(火) 03:41:27 ID:Bm4C09fs<> 初めてSSなるものを書いてみたです。
戦闘訓練におけるシグナムvsなのはです。
頭のイメージを言葉で表現するのは難しいですね…
ではいきます。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/30(火) 03:42:08 ID:Bm4C09fs<> 「高町なのは、おまえと戦うのははじめてだな」
「そ、そうですね。シグナムさん」
「なんだ、緊張しているのか?らしくないな」
「あ、いや、別に、そういうわけではなくて…すみません、少し緊張してます…」
「…フッ、いざ始まれば、関係あるまい…」
今日は、勤務訓練でなのはとシグナムが対戦することになっている。
近距離戦闘に特化しているシグナムとの対戦をなんとはなしに避けていたなのは。
ただ、なんとははしに、まだ自分にはシグナムと対戦するのは早いのではないか?
もう少し、近距離戦闘も出来るようになってから…
そんなことを考えてもいた。
フェイトやヴィータ、クロノとはプライベートな戦闘訓練を行っていたのだが
自ら望んでシグナムと対戦することはなかった。
今回の勤務訓練で初顔合わせとなる。
フェイトの助言によれば、とりあえず、距離を取る。
クロスレンジに付き合ってはいけないということだった。
なのはの距離で戦えば、勝てるよと…
一方、シグナムの方では、それとはなしになのはに対して打診はしていたが、
対戦が実現することはなかっただけに、今回、やっと戦えるといったところだ。
自分とは、真逆に位置する砲撃魔導師。
しかもテスタロッサと同格である。
どういった戦いになるのか。考えただけで、胸が高鳴る。
事の詳しい経緯は分からないが、近距離から中遠距離までバランスよくこなす
テスタロッサにも勝ったことがあるという。
そんな事実が、また、心躍らす。
あえて、テスタロッサやヴィータからは、なにも聞いていない。
高町なのはに対して、予備知識なしのまっさらな状態で戦いたかったからだ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/30(火) 03:43:22 ID:Bm4C09fs<> 「二人とも、準備はいいか?」
クロノが声をかける。
今回、この訓練に休みをあわせたクロノが観戦もかねて来ている。
クロノとしても、気になる対戦だからだ。
なのはが管理局の任務についた際、相手がシグナムのように
クロスレンジ特化型であることも考えられるからだ。
模擬戦闘を第3者として見ることによって与えられる助言も多いことだろう。
今回の訓練場はシグナムの要請により、屋外となっている。
距離を取る必要のあるなのはの戦闘スタイルでは
いつもの屋内訓練場では手狭であり、真価を発揮できないのでは?という考えからだ。
初めての対戦相手であり、できれば、何の制限も無く戦いたい。
そんな相談をクロノにして、では、屋外なら?ということになったのだ。
もっとも、シグナムとしては、距離なぞ取らせるつもりは毛頭ないのだが。
「怪我をさせないよう気をつけるが、手加減はしないぞ、高町」
「はい、わたしも全力全開で、やるからには勝ちにいきます。でも…」
「ん?でも、なんだ?」
「…フルドライブのエクセリオンモードにはしません。
レイジングハートが壊れちゃうから、補強が終わるまでは…」
「…そうか、それは、残念だな。だが、後の楽しみが一つ増えたということでもあるな。」
「いくよレイジングハート」
「All right」
「いくぞレバンティン」
「Ja」
「はじめ!!」
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/30(火) 03:45:59 ID:Bm4C09fs<> 「行くぞ高町!!はぁぁぁぁっ!!」
「はじめ」のかけ声と同時にシグナムがなのはに切り掛かる。
「Axelfin」
回避と距離を取るため、なのはは後方に移動する。
さらに、後方に移動しつつ、ディバインスフィアを4つ、射出しシグナムの後方へ飛ばす。
ブンッ
レバンティンが空を切る。
(ほぅ、なかなか、速いな)シグナムは笑みを浮かべる。
振り返りざま後方から迫るピンクの誘導弾を切り落としにかかる。
「むん!!」
叩き切る瞬間、ズンッとしたかなりの手応えがある。
テスタロッサのそれとは違い硬質な感じではなく、重く柔らかい、鉛のような感じだ。
並の魔導師なら、この誘導弾1発で致命傷であろう。
なるほど、ヴィータがライバル視するのもうなずける。
これは、予想以上に楽しめそうだ。
笑みがとまらないシグナムである。
結局、初撃でクロスレンジ戦に持ち込めず距離を取られてしまったが、それはそれでとも思う。
どんなに大威力の砲撃であっても、当たらなければどうということはないのだ。
避ければ、いいだけだ。
さぁ、どう出る、高町?
とりあえず、距離を取る事ができたなのは。
4つ目のシューターを落とされた瞬間、ディバインバスターのチャージに入る。
「ディバイーン」
「Buster」
ドゥッ
振りかえったばかりのシグナムに向けて砲撃が放たれる。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/30(火) 03:48:24 ID:Bm4C09fs<> やはり、そう来たか。
シグナムは振り返り、なのはの方を見る。
回避しようと思えば、回避できたのだが、だが、
どの程度の威力なのか、試してみたいといういけない虫も顔をだしてきた
チャージタイムとテスタロッサの同系の砲撃を考えれば、十分防げ得るはず。
などと考えつつ、シールドを展開する。
回避可能であったものをあえて受ける。間違っているとは思うが…
「Panzerschild」
しかし、この考えが、やはり間違いであることを痛感させられる。
まず、その弾速である。速い。
さらに、拡散具合が恐ろしく広い。
正面から見ると、ピンク色の壁である。
回避する時間は、実は、いらぬことを考えていたあの瞬間しか無かった事に気づく。
そして、その威力。
これだけ拡散しているのに、とてつもなく、重い。
「くぅぅぅぅぅっ」
シールドで防御しているにもかかわらず、魔力がものすごい勢いで削られていく。
こんなもの、何発も喰らってはまず、保たない。
距離やチャージタイムを与えるのは、やはり、危険だ。
砲撃がおわり、レイジングハートが排気ダクトを持ち上げ排気する
ジャコンッ シューーーー
「やった、直撃」
「master!!」
「えっ!?」
砲撃が止んだ瞬間、まだ、ダメージが残る身体だが、距離をつめるべく一気に加速する。
案の定、高町には発射直後の隙が見られる。
「レバンティン!!」
「Schlangeform!!」
ドキャッ
カートリッジがロードされる。
カラララララ…
連結刃が金属音を立てながら、獲物を狩る蛇のごとくなのはに襲いかかる。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/05/30(火) 03:50:24 ID:Bm4C09fs<> とりあえず、今日は、ここまです。
<>
夜鴉<><>2006/05/30(火) 04:18:57 ID:acW0j9Ue<>
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
ベッドの上で余韻に浸る二人。
「ヴィータちゃんの、気持ちいい・・・」
「つーか、何でお前とヤんなきゃなんね〜んだよ。」
「ヴィータちゃんも気持ちよさそうにしてたじゃん。でもまさかヴィータちゃんがふたなりだったとはね〜。」
ヴィータのペ○スを握るなのは。
「んっ、あぁっ…。ヴォルケンリッターは主の願いを叶える。主によっては体を求めてくるのもいるから…って別に
はやてがそうだってわけじゃないからね!」
真っ赤になって逆ギレしだすヴィータ。
「ヴィータちゃん、か〜わいぃ。じゃあはやてちゃんって処女?」
「…はやてはシャマルとヤったことがあるんだ。あいつロリコンのシスコンだからはやてみたいなのはど真ん中なんだって。」
「そういえば、最近私やフェイトちゃんを見る目が変な気がしてたけど…」
「だから、絶対必要な儀式とかいってはやてを騙して無理やり…はやてが可哀想だけどシャマルってそうゆうことを口外すると逆ギレするし…」
急に震えだすヴィータ。かなりトラウマになっていることがあるらしい。
「大変だね〜。まぁそうゆうことなら私も口外はしないけど。」
「あぁ。このことがはやてに知れたらどんだけショックを起こすか・・・。」
「(それって本当?)」
!?どこからともなくはやての声が・・・・念話!?しまった通信妨害するの忘れてた!
「(それってホンマなん?)」
「(いや、はやて…それは、その…なんとゆうか…)」
「(ホンマやねんな…儀式だってゆうから、大好きな人の為にとっておこうと思ってたのに…)」
あきらかに声が震えているはやて。
その後、シャマルがはやてに絶交され、ヴィータが痛い目にあったという・・・・・。
最初はエロっぽいけどなんか最後ギャグっぽくなっちゃいました。
初めてなんで構成とか内容とか甘いですけど勘弁してください。 <>
名無したん<>sage<>2006/06/01(木) 00:50:30 ID:4A3/5KSk<> >>385
煽りに耐えて完結したことにお疲れさま+感動です。
1話からじっくり読ませてもらいまつ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 01:06:31 ID:JON0jyj9<> 一部の職人のクオリティが高すぎるのも考えもんだな。
おもしろいものが読めるのはいいことだけどさw
どうしたって他の職人の話の質が低く見えちゃうし、
神クラスの投下がないとスレが過疎っちゃう。
>>74、>>76、>>84
亀の上に話蒸し返すようで悪いが、例えばこんなの?
ttp://mothira23.6.dtiblog.com/ <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 02:25:01 ID:+niJoBRS<> >>396
枯れ草も山の賑わい!
ないと意外と寂しいぞ。
というわけでなんかかくべかっ!? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 03:36:52 ID:qW7Wa+xC<> >>396
わざわざ晒して何がしたいんだか。最低系の話はいいよもう。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 05:02:40 ID:zGEgEwYB<> >>396
はじめっから神クラスなものが書けるはずもなく。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 06:12:50 ID:nFm8f6/4<> けどはじめだからって邪神クラスのものを普通書くはずも無く。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 10:03:24 ID:CjFaWVM6<> 130付近でピーピー喚いてた、批評家気取りさんですか? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 10:25:16 ID:zGEgEwYB<> これから書こう、書き始めようという人にプレッシャーをあたえてる、イクナイ。
とももう。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 20:46:19 ID:HcV1WyPM<> >とももう。
はやて 「日本語でおkや」 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 22:07:12 ID:zGEgEwYB<> >>403
sorry master
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 22:23:43 ID:BnfM99zG<> 主人公よりも強いオリキャラは、敵のみにする。
恭也をKYOUYAにしない。
これだけできれば、大丈夫!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 22:51:42 ID:/H4rrZsZ<> 簡単だよ、職人になるのすごく簡単(一期ラストっぽく)。
作品への愛があればきっとへいき、へっちゃらでござるよ。
そして>>397氏の作品をwktkして待つ俺ガイル。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 23:07:01 ID:cBjYpnns<> >>396
言いたい事は分かるけど、どうだろ。あからさまにそういう風に言うのはあまり好きではない。
思っていても言わない方がいいぞ。こういう発言そのものがスレを過疎するんじゃないかな。
保管庫行けば過去の職人達の作品がある訳だし、それ読んでまったりしてくれ。
安定した神レベルなら、聖痕氏とかその辺りの個人サイトに求めるべきだと思う。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/01(木) 23:09:18 ID:BnfM99zG<> かつて、原作者はとらハ3の二次創作を読んで、
あまりの最低っぷりに、自分の作品の二次創作を読むのを止めた伝説がある。
でも、俺は信じている。>>397氏は、そんな原作者さんが、
再び二次創作を読みたくなるような作品を書いてくれると!! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 00:52:10 ID:43yxPWcg<> ここはひとつ>>396に小説を書いてもらうということで。
なにが読み手に好かれるかわかっている人にこそ書いてほしいものだ。
おっとコテハンは396は駄目だぞ。俺の好きな職人とかぶる。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 00:58:10 ID:uBpSW15D<> なんか、投下しにくいふいんきryだな。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 01:04:03 ID:9GQkQP4S<> 男は度胸、なんでも投下してみるもんさ!
そんな気持ちで出すと山なしオチなし意味なしになるので注意 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 01:10:44 ID:uBpSW15D<> 801ですか… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 02:31:50 ID:JtB/VFNc<> 801は
凸あり凹ありだと思う。
長年の間に意味変わってるんじゃないかとか…。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 03:18:30 ID:3++Byq3C<> メガマガのシグナムに抱っこされてるはやての、
パンツと太もも見て興奮したユーノくんに焼餅
焼くなのはのSS書いて。
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 09:16:47 ID:iQEfv8mK<> また具体的な変化球な嗜好だな、だが嫌いじゃないぜ!
つーわけでYOUが書いて(以下略 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 17:54:07 ID:oXywnFsl<> ここ二週間、病んでました。つまり病み上がりです。
おかげで休養十分だけどね。ぐーたら生活ってすばらしい。
というわけでその間に書いた新作第1話、投下しようと思います。
今回の生贄・・・もとい主人公はシグナム姉さんですわほーい。
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 17:55:04 ID:oXywnFsl<>
まどろみの中に浮ぶ、穏やかな光景。
それはすぐに、夢だとわかった。
悠久の時の先に失ったはずの過去。
交わることなく、絶たれたはずの絆。
全ては、気が遠くなるほど遥か遠い昔に過ぎ去っていった出来事だった。
しかし。
いや、だからこそ。
「ッ────……!!」
取り戻すことの出来ないそれは安らかな思い出とはなり得ず、悪夢となり。
夜明けすら未だ来ぬ暗い部屋に起こしたその身は、じっとりと嫌な汗を掻いて動悸していた。
「く……またか」
何年ぶり──何百年ぶりだろう。
あの日のこと。あの時代のことを夢に見るようになったのは。
彼のことを、思い出すようになったのは。
「……シャマルが夜間勤務で、助かったな」
隣のベッドに彼女が寝ていたなら、きっと起こしてしまっていただろう。
そうなれば、問い詰められるに決まっている。浅くにしろ、深くにしろ。
「ちっ」
きっかけは多分、あの男性。
その全てがあまりにも、彼と似すぎているから。
容姿も、性格も。その太刀筋さえも。
手合わせなど、するのではなかった。しなければ、思い出しはしなかったのに。
額に浮ぶ玉の汗を右の腕で拭い、汗みずくになった下着の替えをベッド下の引き出しから取り出すシグナムの目線は、どこか遠く。
ここではないどこか、今ではないいつか、過去の過ぎ去った日々へと、向けられていて。
「……くしゅん」
汗の水分と夜の空気による冷えが、小さなくしゃみと身震いで彼女を我に返してくれるまで、
彼女はぼんやりとただ、手に替えの薄桃色の下着を持ったまま、わずかな時間、そうしていた。
魔法少女リリカルなのはA’s −その想い、緋に染まる暁のように−
第1話 烈火の将の異変 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 17:56:15 ID:oXywnFsl<>
今日の紅茶は、なかなか上手に淹れることができたと思う。
茶葉は先日、レティ提督からおすそ分けで頂いた最高級品だし、
お湯の温度も、蒸らす時間も完璧。
ティーカップだってきちんとソーサーとセットのものを持ち込んで、
事前にお湯を注いで温めておく本式のもの。
さすがにミルクや砂糖は市販のスティックにポーションタイプだけれど、
わざわざ薄切りのレモンや変化球でジャム、蜂蜜やシナモンまで用意しているのだ。
それだけでさほど味が落ちるものでもないし、何杯飲んでも飽きないよう、準備は周到にしてある。
極めつけに昨日の昼に焼いておいて今日、タッパーに入れて持ってきた、薄焼きのバタークッキー。
もちろんはやての腕には及ばないが、少し焦げ目がついている以外、
我ながらなかなかの出来映えだと思う。
それなりの広さのある部屋の中は、元々の消毒液の匂いに替わり紅茶とクッキーの匂いが混ざり合って、
なんともかぐわしい空気を漂わせている。
まさに、完璧。
欠けたるところなぞ、微塵もない、実に優雅な最高のティータイム。
──だというのに。
「…………」
一体何が不満だというのだろう、彼女は。
「……はぁ」
溜め息までつくか、おい。
シャマルはクッキーに手を伸ばしながら、非常に長い付き合いの同僚へと上目遣いに目を遣る。
「シグナム?」
一言で言えば、心ここにあらず。
目線はぼんやり、紅茶をすするその仕草にも覇気がなく。
いつ器官に詰まらせて吹き出すやら危なっかしくて、見ているこちらが不安になって仕方がない。
「シグナム」
「……?、あ、ああ。なんだ?すまない」
せっかく、今日は朝から大した事件もないからとカウンセリング用に普段使われているここ、
医療班応接室を借り切って彼女を呼んでお茶の時間にしているというのに、これではなんだか、嫌々付き合せているようではないか。
どこか具合でも、悪いのだろうか。
「お茶、おいしくなかった?」
「え?あ、いや。そんなことは。ちょっと、な」
「どうかしたの?なんだかさっきから様子が変だけど」
何か、困ったことや気になることがあるなら、聞いてあげたほうがいいし、言って欲しい。
もし万一体調が優れないというのなら、シャマルにとって専門分野なのだからなおさらだ。
なにより自分達は、仲間なのだから。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 17:59:23 ID:oXywnFsl<>
「……」
けれど、シグナムはだまりこくって。
少なくとも、彼女がシャマルに隠し事をするということは、今までなかった。
主であるはやてに黙っていることはあっても、彼女に対しては全てのことを包み隠さず話していた。
そのくらい、同じ守護騎士として、友人としての二人の絆は強い。
だから、今回もそうだと思っていた。彼女はその悩みを、言ってくれるものと。
「あ───……いや、すまん。なんでもない」
「シグナム……?」
なのに、今日。
このときだけは違っていて。
シャマルの問いに彼女は一瞬、明らかに図星を突かれたのであることがわかる表情を浮べ、
そしてすぐに元の冷静な顔に戻って頭を振ったのだった。
無理をして普段どおり振舞っているのが、バレバレだというのに。
「……ちょっと、ぼうっとしていただけだ。……気に、するな」
気にするな、って言われても。
はいそうですかと騙されるほど、シャマルは彼女とは薄い付き合いはしていない。
シグナムが自分に対してごまかしをしたことは、彼女にとって少しショックだった。
「本当に、なんでもないんだ」
だが、どうやら当の本人には、シャマルの受けたちょっとした衝撃に気付くほどの余裕もないらしく。
再び俯いて紅茶をすすったその後で、彼女は小さく溜め息をついてそう言った。
とても、それ以上問い詰めることはシャマルには出来そうになかった。
それが、水曜日のこと。
ちょっとした、彼女の異変だった。
* * *
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 18:00:32 ID:oXywnFsl<>
「変?シグナムさんが?」
───そして、その週の金曜日。なのは達一同は本局の食堂へと、はやてによって集められていた。
「そうなんよ。ここんとこ、どーもなー」
ずぞぞぞ、と氷入りのグラスからオレンジジュースをストローで吸い上げる彼女は困ったものだと言わんばかりに、
大仰に肩をすくめて首を振ってみせる。
「変って……どんな風に?」
一瞬、なのはと顔を見合わせたフェイトがはやてへと尋ねる。
彼女の前にはカップに注がれた紅茶。そして少なくない量の書類が留められたクリップボードが置かれていて。
尋ねながらも彼女はちらちらとそれに目を落とし、紙をめくって自身のすべき仕事を処理していく。
「うーん……なんてったらええかなぁ……」
別段、それをはやても咎めはしない。
ちゃんと彼女が聞いてくれているのはわかっているし、
この春晴れて試験に合格し、執務官へとなることのできたフェイトの職務の忙しさもまた、重々承知している。
同い年の親友同士ではあっても、一応彼女はなのはやはやてにとって役職上は、上官ということになる。
「一言で言うと……ドジっこ?」
「「は?」」
そして、彼女たちのこの反応もある意味予測済み。
「やから、な」
その一。例えば、朝食の目玉焼きにかけるべき醤油を、
湯気の立ち上る淹れたてのコーヒーの中へと誤って思い切り注ぎ込んだり。
「……嘘」
その二。例えば、庭の草に水を撒くために取り出したホースを、
先端を掴んでおくのを忘れて蛇口を捻り干していた洗濯物もろとも濡れ鼠になったり。
「……ま、まさかぁ……?」
その三。例えば、湯船の中でなにやら考え事をしていて、のぼせ上がって酩酊し、
水底に沈みかかっているところをあまりの長湯を心配して見に来たシャマルに危機一髪救助されたり。
「それが、恐ろしいことに事実なんよ」
他にも書類の些細な記入ミスや、任務時のカートリッジの携行忘れ。
歩いていて電柱にぶつかるといったベタなものから、しっかり見ておくよう頼まれた鍋を火にかけたまま放置するという危険なものまで。
ヴィータから自分のものだから絶対に食べるなと釘を刺されたアイスをうっかり食べてしまうというごくごく小さなものもあった。
あと、リインフォースを誤って掃除機に吸い込みかけて大泣きさせたりとか。
───要するに。
「な?ここんところのシグナム、なんか様子がおかしいんよ」
と、いうことになる。 <>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 18:01:14 ID:oXywnFsl<>
「……た、たしかに……」
「でもそれ、本当に、本当……なの?あの、シグナムが?」
……まあ、信じられないのも無理はないわな。
なのはもフェイトも、彼女達の隣でだまって話を聞いていたユーノやアルフまでもが、
それは嘘だろうと言わんばかりに唖然と目をぱちくりさせている。
「わたしかて、実際に見てなかったら信じられへんよ。やから相談しとるんやって」
「なるほど」
「なーんか、悩んどるというか憂鬱そうにしとるというか。なんもしてない時でもぽけーっとしとるしなぁ」
やっぱ、主としては心配なわけや、といって腕組みするはやてに、フェイトやなのはも頷く。
自分達はせいぜい局の仕事や食堂で顔を合わせる程度だから気付かないしなんともないが、
一つ屋根の下に暮らす身であるはやて達からすればそれはさぞかし、奇妙な光景なのだろう。
さしずめ、烈火の将の憂鬱といったところか。
別に宇宙人や未来人や超能力者が彼女を取り囲んでいるというわけではないので、あしからず。
って、誰に向かって言っているんだ?
「てなわけで、なんか心当たりとか、あらへんか?仕事のときとか、細かいことでもええんやけど」
「「「「うーん……」」」」
心当たりと、言われても。はやてから相談を受けるまで気付かなかったくらいなのだし、これといって思い当たる節はない。
「なのは、なにかある?」
「いや、特には……ユーノくんは?」
「僕も、別に。アルフは?」
「……全然。はやてにはないのかい?」
「あったら聞いてへんてー」
フェイトは書類をめくる指を止め、他の皆も一様に腕を組んで首をかしげて。
その場にいる五人揃って頭を抱えるという構図は、滑稽以外の何ものでもない。
「ちなみに、いつ頃から?」
「んーと、今週になってからやね。うちのみんながシグナムが変やって気付いたのは」
「今週……?」
「てことは、週末になにかあった……ってこと?」
「かもしれん。ちょうどうち、シグナム以外みんな仕事やったさかい」
「……週末……あれ?なんか……」
「私もアルフも週末はアースラで通常勤務だったし……」
「あれ、でも……いや、たしか、えっと……」
「僕はオフだったけど、前日の徹夜疲れで一日寮で寝てたからなあ……って、なのは?」
更にその中で、なのはが一人、口元に手を当てて難しい表情をして一同の会話から外れ、考え事をしていた。
何かを思い出そうとしているような、思い出したような。
自身に確認しているような、そんな様子で。
「なにか、心当たりでも?」
「あ、うん。えとね、その」
おそらくは、あるのだろう。そう踏んだユーノが、側らのなのはへと尋ねると、
彼女は事実心当たりがあったらしく、顔をあげて一同を見回す。
「……土曜ね。多分シグナムさん、うちに来てたよ」
なのはは、わたしが直接会ったわけじゃないんだけど、別に大したことじゃないんだけど、と前置きをした上でそう言った。
<>
640 ◆CaB8KPh.gs <>sage<>2006/06/02(金) 18:08:21 ID:oXywnFsl<> 期間が開くとどうしても量が膨大すぎてレスしきれないorz
心からGJです>>他のall職人方
今の今まで三点リーダを使うということをすっぱり忘れてたことに
執筆中気付く俺の馬鹿orz
それではみなさん、いずれまた。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 23:11:44 ID:2P86nOwe<> 今回のはさすがに1レス目からだいたい先の事分かっちゃわないか。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/02(金) 23:27:13 ID:ZpEBahcw<> >>378
これでは道化だよ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/03(土) 00:35:30 ID:HBsB8s19<> 恭ちゃんのように見せ掛けておいて、実は士郎父さんと道ならぬ不倫に走るわけですね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/03(土) 01:50:37 ID:OvAD1VVV<> >>423
まぁまぁ、結末はともかくその過程を楽しむのが
この手のSSの味わい方じゃないのかね。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/03(土) 03:21:58 ID:bnaUpNzS<> >>425
いやいや、3Pかも。
シャマルを巻き込み4P? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/03(土) 03:34:54 ID:ViqZK3j9<> >>427
いや、ここはなのはと禁断の世界をw <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/03(土) 21:04:16 ID:LJnWSu0C<> >>428
いやいや、ここは独り者同士美由希と百合の花をw <>
名無しさん<>sage<>2006/06/04(日) 03:14:49 ID:UXlqFgMN<> 恭ちゃんとられて忍さんお怒りにしてくれ。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 08:36:54 ID:LUx8Nl2f<> 幸い男ならユーノか青猿か赤星の可能性だってあるぜ! <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 09:49:15 ID:cd55/Pc0<> >>431
ユーノはともかく、他二人はないだろ。っていうかそもそも根本的な間違いが1つあるわけで。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 13:22:21 ID:YP8eiIL0<> ああ、そうか。赤星はリリカルで存在してるかどうか不明だったっけ? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 13:54:56 ID:tdFFRrdW<> 4の422氏のクロなのSSマダー? <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 14:07:23 ID:bDeEeVm/<> さて、今日ははやての誕生日なわけだが。
433》
そっちかよ!! <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/06/04(日) 21:33:16 ID:9x6+V7kc<> こんばわー。4の422です。
なんやかやで遅くなってしまいましたよ、ごめんなさい。
ちょうど>>434で催促されたことだし、CherryLight Final投下しま・・・・・・
スレが477KB…今から投下しようとしてるのが20KB…
新スレでやったほうがいいのか?立て方は確か掲示板一覧のページの一番下のフォームから
新規スレッド作成。でしたね。私が立てたほうがいいのかな?
微妙なタイミングになっちまったな、いやはや困った。 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 21:47:39 ID:jJsj5HFW<> 投下して新スレ立てたら神 <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 21:57:51 ID:jxNx1dm4<> >>436
新スレ立てちゃった方がいいんじゃない?
500こえたら1週間で落ちちゃうし <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/06/04(日) 21:59:10 ID:9x6+V7kc<> ・・・スレ立てってなんか規制とか運(?)とかあんのね。
立てれなかったらどうしよう・・・ <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/06/04(日) 22:02:15 ID:9x6+V7kc<> 20KBの残り容量って多いのか少ないのかよくわからないな・・・
とりあえず出来るかどうかわからんけど新スレ立ててみますー <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/06/04(日) 22:07:37 ID:9x6+V7kc<> 無事立てれました。
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149426325/
※ 投下タイミングでスレ残り容量少になったため、安全のため次スレ立てました ※
<>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/04(日) 22:12:56 ID:hNO007ea<> まだ結構余裕が有りますね、
埋め立はマターリ行きましょうか、 <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/06/04(日) 22:28:43 ID:9x6+V7kc<>
作品投下よりスレ立ての方が緊張した小心者のMe
(埋め立てだからこういう適当書いていいよねw) <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/05(月) 00:37:32 ID:leAH573k<> こういうのって意外と埋まらないよね <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/05(月) 00:52:04 ID:Z5qW3iHN<> 今回はわざと埋めてないと言うのもある
(次スレ>15参照) <>
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄<>sage<>2006/06/05(月) 22:26:14 ID:tGIxQkmo<> とか考えてたら、背中を思いっきり押されてスッ転んだんだ。
「なに道の真ん中で突っ立ってんのよ!もう信号赤じゃない。
ホント昔っからボーっとしてるんだから。」
誰だよ!?と思い振り返ると、アリシアがイタズラっぽく笑ってた。
「いつまでもアンタの世話焼いてられないのよ!」
そう言うと、スーッどこかへ行ってしまった。
まったく、いつまでも子供扱いしやがって。
…今年こそは墓参り行くか (´・ω・`) <>
4の422 ◆h7y.ES/oZI <>sage<>2006/06/08(木) 00:21:53 ID:PF68fNpC<> あまり埋め立てなさすぎもあれなのでちょっとだけw
>>422 640さん 遅くなったけどGJです。
3点リーダ、その存在に言われて初めて気づきました、こんないいもんあったんか…
点々を多用する私にはすこぶるありがたいです。今後はこれにしようw
>>238,239,24,241,242
NEXTを投下してから前作品のレス返しをするのもあれなんですが(^^;)
レスありがとうございました。特に王道を期待してくださった239,241さん。
それは単に私がそーゆー普通を思いつかなかっただけですw
むしろそっち方向を書いてくだ(ry
あと239さんの指摘通り、はやての一人称は「わたし(あたし(?))」でしたね。
手っ取り早く大阪弁の文章調べようとして、とらハ3引っ張り出してレンシナリオ
やってたのがマズかったようです。失礼をば。FINALでは直しておきました。
あと場が少しあれな流れになってるのに無視して投下しちゃいましたが…
自由創作発表の場(と、あえて言う)に、遠慮は無用だと思いますけどね・・・
勿論、一般常識とモラルを持ち合わせたリリなの好きであれば、という
一文は付けざるを得ないでしょうけども… <>
名無しさん@ピンキー<>sage<>2006/06/13(火) 14:28:51 ID:L0TvN3Pm<> ほす <>