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[390]YUKI 罠?続編1 2006/04/03(月) 23:42:09 ID:ULI7uC/R
[391]YUKI 罠?続編2 2006/04/03(月) 23:42:55 ID:ULI7uC/R
[392]YUKI 罠?続編3 2006/04/03(月) 23:43:35 ID:ULI7uC/R
[393]YUKI 罠?続編4 2006/04/03(月) 23:44:19 ID:ULI7uC/R
[394]YUKI 罠?続編5 2006/04/03(月) 23:45:34 ID:ULI7uC/R
[395]YUKI 罠?続編6 2006/04/03(月) 23:46:11 ID:ULI7uC/R

罠?続編

――――――「あつ・・・・」
アースラ艦内の廊下に響く、文字通り間の抜けた言葉

「お、おは・よう・・・・・・」
「・・・・おう・・」
返事を返した人物がすり抜けていく

「あっ、ヴィ、ヴィータ・・・・・」

名前を呼ばれたその人物は、そのまま聞こえなかったかのように行ってしまった
「はぁ・・・・・・どうすれば良いんだ・・・・・・」

ほとんど無視された状態で廊下に取り残された1人の少年クロノ・ハラオウン
とある事情から、今無視された少女と身体の関係を持ってしまった

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
―――――――――スパーーーーンッ!!!!!――――――――
掛け声と共に乾いた小気味良い音が響き、クロノの後頭部に巨大ハリセンがHIT!!!
「ぐわっ!」

「クロノ君!なんやのん今のは!?」
「は、はやて・・・・い、いきなり何するんだ!?」
「どうもこうもあらへん!今のヴィータとのやりとりは何やの!!」
「ど、どうって・・・・・無視されたのは僕なんだが・・・・」
頭をさすりながら寂しげに答える
「そこやない!!挨拶のところや!」
「挨拶・・・?あ、あれはヴィータの方がきちんと返してくれなかったじゃないか。」
「あ〜もう!!! だから、あの挨拶の仕方や!「「お、おはよう」」なんて、こんな味気ない挨拶されて誰が喜ぶかいな?!」
「い、いや、それは・・・」
「男だったら、もっとしっかりリードしてあげな!クロノ君、あの日以来おかしいで!」
あの日・・・・
なりゆきとはいえクロノはヴィータとここに居るはやてと身体の関係を(ほぼ強引に)
持った
クロノにしてみれば初めてを奪われたことになるのだが、どんな理由があろうと自分がヴ
ィータを傷つけたと思っている

「お、おかしいって・・・そりゃあんなことがあれば誰だって接し方に困るだろ!!」
思わず大きな声が出る
「接し方に困るって・・・・普通に接すればええんよ!普通に!!」
「それが出来ないから困ってるんだ!!そもそもキミがあんな無茶苦茶なことをしなければこんなことにはならなかっただろ!!!」
それを言われればグゥの音も出ない
間違った情報元から導きだした一つの解答
『喧嘩した男女が仲良くするには肌を重ねること』
はやてが、ヴィータとクロノを仲直りさせる為に利用された情報誌の一文
後から、確かにあれは少し違うかもしれないと少々反省もした
「せ、せやけど!うちらがそういう事してしもたことには変わりないんやから、ここはクロノ君が年上の余裕を見せなあかんとこやで!!」
「と、年上って・・・・僕だってまだ14歳なんだよ・・・」

はぁ・・・っと息を吐き出し、はやては気持ちを落ち着かせる
「とにかく、なんとかせなあかんな。うちも協力するから、クロノ君も宜しくたのむで」
「あ、あぁ」
「あの娘の気持ち、わかったってや」

消え入りそうな最後の一言はクロノに聞こえたかはわからない、ただはやてのせつなる願
いだった


ブリッジで残務処理に追われながらもクロノは考えていた
僕はどうするべきか?
ヴィータに何を言えばいいのか?
そもそも僕に何の責任が?
何を考えても堂々巡りで結論に至らない

そもそも、はやては何故普通で居られるんだ?
はやては気にしてないんだろうか・・・
はやてにとって僕は何でもない存在なんだろうか・・・?



「・・ノ君・・・・ロノ君・・・・・クロノ君・・・・・・・クロノ君!!!」
ハッとなりエイミィの声に気付く
「大丈夫?・・・・・クロノ君?」

エイミィが差し出すコーヒーカップを受け取る
「え、エイミィ・・・・す、すまない。ボーッとしていたようだ・・」
「もう・・・・・・大丈夫?なんか思いつめてる様だったけど・・・・・」
「あぁ。問題無い・・・・すまなかったね」
コーヒーを一口すする

「・・・・・・ヴィータ・・ちゃんのこと・・・・かな・・・?」
思いがけずエイミィから図星をつかれ、目線を泳がす

クロノ表情を読み取りエイミィも顔を伏せる
――――――長い沈黙―――――
多分数十秒程度の沈黙だった・・・・・
しかし、二人にはそれが永遠のように感じられた

「ごめん・・・・・私が口を挟むことじゃ無かったね・・・・」
「い・・・いや・・・そんなことは・・・ない・・・」
「ねぇ、聞いても良い・・?」
「うん・・・・。」

「・・はやてちゃんとヴィータちゃんのこと・・・・・どう、思ってる・・・のかな?」
「・・・・・・・わからない・・・・僕は・・・・」
「このままじゃ駄目だよね・・・・」
「あぁ、僕は二人にはっきりと伝えないといけない事がある。ただ・・・それがわからないんだ・・・」
「伝えなきゃいけないこと?」
「うん。どのような理由があろうと、僕が二人をだ・・だ・・抱い・・・たことは事実だ。」
「・・・・・う・・・うん。」
「普通、そういうのはお互いが求め合い、お互いの同意があって初めて成り立つものだと僕は思っている。しかし、僕は自分の欲望を抑えきれずに、二人を抱いた。」
「責任を取るどうこうの前に、僕が二人をどう思ってるのかをきちんと二人に伝えなきゃいけないんだと思う。」
今まで考えていたことを一つ一つ確認するようにクロノは話した
途中エイミィの表情を見ることが辛いこともあったが、包み隠さずに今の自分をさらけだ
した

「正直、今の僕は二人に対して何の言葉もかけられない・・・・答えを出さないと、そんな資格も無いんだ。」
「答え・・・・・・」
「あぁ。僕が二人に対して持っている気持ちは、恋愛感情では無いと思っていた。
 でも、あの後からはどこか違う・・・・そう・・・・・違うんだ・・・・」
「その気持ちって・・・・はやてちゃんに対して?・・・・・・」

「多分・・・・・違う・・・・・・」
「・・・・・・・・そう・・・・」

お互い気まずい雰囲気だった
ただ、クロノはエイミィに感謝した
いつもそばに居てくれる人
いつも支えてくれる人
いつもと同じ笑顔を見せてくれる人
辛い時、いつも見守ってくれた人
ただ、純粋に自分を想ってくれる人

エイミィの想いに答えることは自分には出来ない
でも、エイミィへの感謝の気持ちだけは伝えたい
「エイミィ・・・・ありがとう・・・・」
「・・・・うん。・・・・」


―――――はやての部屋―――――
ベッドに居る二つの影
「ヴィータ、眠れない?」
「・・・うん」
お互い布団に入ったのが30分前
ヴィータはそれからずっと寝返りをうっていた
「悩み事あるん?」
「・・・わかんない」
「ねぇ、ヴィータ・・・・この前のこと、怒っとる?」
「・・・この前・・・?」
「うん。なんかむりやりにヴィータにクロノ君とあんな事させてもうた事」
「お、怒ってない・・・」
「そう・・・・・・うちな、クロノ君のこと好きや」
「・・・う、うん・・・」
「でもな、ヴィータはどう想っとる?」
「あたし?」
「うん。クロノ君はうちのことは何も思ってないと思う。 でも、ヴィータに対してはちと違うと思う。」

「クロノ君はあの後もうちと今までと同じ様に接しとるけど、ヴィータに対してはどこか違う。」
「・・・・・・・」
「まだ、クロノ君も自分の気持ちに気付いとらんようやけど・・・」
「あたしは・・・・はやての守護騎士だから・・・・・そういうのは・・・・」
「ヴィータ・・・・そんなもんは関係あらへんのよ。ヴィータは守護騎士の前に、1人の女の子なんやから。」
「女の子・・・・あたしが・・・・?」
「そう。うちはヴィータのことが大好きや。もちろん、シグナムもシャマルもザフィーラも。だから、ヴィータには、みんなには幸せになって欲しい。」
「ヴィータの気持ちを聞かせてや。クロノ君のことどう思ってるか。」

「・・・・・・・・わかんない・・・・でも、クロノの顔見るとなんかドキドキする・・・」
「そう・・・・・・・それなら大丈夫や・・・きっと・・・・」
「なぁ、これっておかしいのかな?あたし、おかしくなっちゃったのかな?」
「ううん・・・・おかしくない・・・人として当然のことやから・・・。安心してな・・・。」
ギュッとはやての腕に抱きしめられる
暖かくて、心地良い
「うん・・・・。」

翌日
「―――――うん・・・解った・・・今から行くよ」
朝に舞い込んできた一本の電話
朝8時に公園に・・・・
消え入りそうなヴィータの声
行かなければならない
自分にケジメをつけるために
自分の答えを伝えるために
大切な人に想いを伝えるために

7時55分
約束の場所に彼女は居た
「おはよう、ヴィータ」
「お、おはよう・・」

「く、クロノ・・・その・・・え、と・・・・あ、あたし、な・・その・・」
茂みで見守るはやてに目で助けを訴えるが、はやては微笑みを返すだけ
クロノはそんなヴィータの挙動にどこか愛らしさを感じていた

伝えなきゃ
僕の気持ちを
(「クロノ君が年上の余裕を見せなあかんとこやで!!」)
はやてに言われた一言を思い出しながらクロノは自分の決意を伝える
「ヴィータ、僕はキミに伝えたいことがあるんだ。」
「・・・・えっ?」

「ヴィータ・・・・僕は、キミが好きだ・・・・」
「・・・・・・」
クロノの瞳に吸い込まれ、ヴィータの鼓動が高鳴る
「・・あんなことがあってから、自分の気持ちに気付くなんておかしいかも知れない、でも、僕は自分の気持ちには嘘をつけない。」
「・・・・・・」
「いい加減なやつと想うかもしれない、でも、これが僕の正直な答えなんだ。」
「あ・・・あた・・・し・・」
クロノの顔が歪む
瞳にたまった雫が視界を歪ませる
「・・・」
「あた・・し・・・の・・・答えも・・聞いてくれよ・・・」
「・・あぁ。」
「あた・・・しも・・・クロノ・・・のこと・・・キライじゃ・・・無い・・」
ヴィータにしてみれば精一杯の告白
不器用な、それでも自分の正直な想い

「あぁ。ありがとう・・・・・」

愛すべき存在
大事な存在
ありのままで受け入れてくれる人
言葉にならない想い

伝えきれない思いを込め、力一杯に抱きしめる
「クロノ、温かいな・・・・」
「ヴィータ・・・」

遠くから二人を見守る二つの影
「良かったな・・・ヴィータ・・・幸せになってや・・・・」
「アレで良かったの?はやてちゃん・・・?」
「うん。うちはヴィータとクロノ君のことが大好きやから・・・二人が幸せになってくれるんなら、これが一番ええ。」

「ふぅ・・・そういうセリフは、泣きそうな顔で言うもんじゃないんだよ・・・この、お・ま・せ・さん。」
「うん・・・そやね・・・エイミィさん・・・」
「今日は二人で美味しいもの食べに行こうか。フられた者同士で・・・・。」
「ええなぁ。行こか。・・・もちろんエイミィさんの奢りやろ?」
「え!?・・・・・・も、勿論よ!ここはお姉さんに甘えなさい!(冷や汗)」
「楽しみやなぁ・・・」
「うん・・・・・楽しみだね」



fin


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