―――――どうしてこんなことに―――――
時空管理局執務官クロノ・ハラオウン14歳は頭を抱えていた
いや、抱えていたかったが、片方の腕がある人物に奪われていて抱えることはできなかった
「お兄ちゃ〜ん、、、、んふふふふふ、、、、」
フェイト・テスタロッサ9歳 クロノの義妹であり、時空管理局嘱託魔道士
クロノの腕を奪っている本人である
本来の彼女ならばこのような行為は絶対にしない
いや、したいと思っても、クロノの性格等を考えすることができない
ではなぜ彼女はこのような行為を今しているのだろうか・・・・
話は3時間前に遡る
3時間前
「フェイト、無理はするな。危険を感じたら一旦引くんだ」
「うん。わかってるよ、クロノ」
洞窟の入り口に着いたフェイトにクロノが話し掛ける
重要指定捜索物ロストロギア「幻惑の壺」
クロノ達はこのロストロギア捜索の任務にあたっていた
「闇の書」に比べたら危険性も低く、さほど重要な任務ではなかった
調査員達からも、「すでに能力のほとんどが失われている」という報告を受けていた
すでに隠されている場所も突き止め、後は回収するだけになっていた
「私に行かせてほしい」
出動準備をしているクロノにフェイトが申し出た
「フェイト、1人でか?」
「うん」
確かに危険性低い任務なので、執務官であるクロノがわざわざ出動する必要もなかった
「う〜ん・・・、解った。キミにとってもいい経験になるだろうから、今回はキミに任せよう」
「ありがとうクロノ。私、頑張るね」
「ああ。気を付けてな」