[1]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 17:28:43 ID:mIpGtlTF 魔法少女、続いてます。  ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。 『ローカル ルール』 1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。 2.エロは無くても大丈夫です。 3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。   あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。 【補記】 1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。   ・オリキャラ   ・原作の設定の改変 2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。   ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです) 『マナー』 【書き手】 1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。   投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。 2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。   SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。 3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。 4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、    「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。 【読み手 & 全員】 1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、   読み手側には読む自由・読まない自由があります。   読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。   書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。 2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。 3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。   頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。 4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。   読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。 リンクは>>2 [2]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 17:28:45 ID:mIpGtlTF 『リンク』 【前スレ】 ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第35話☆ http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193149579/ 【クロスものはこちらに】 リリカルなのはクロスSSその22 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193668768/ 【書き手さん向け:マナー】  読みやすいSSを書くために  http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/ 【参考資料】 ・Nanoha Wiki  http://nanoha.julynet.jp/ ・アリサだもんっ!  ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/ ・R&R ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます) ☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫  ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)  ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki) [3]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 17:31:21 ID:8i45lxv0 >>1乙 [4]サイヒ 2007/10/30(火) 17:37:52 ID:iDw0YT6E >>1乙です。 では前スレの続きをば。 [5]別離の前に 2007/10/30(火) 17:39:08 ID:iDw0YT6E  いつもする時のように、キスで始める。  一度目はクロノだけの、二度目はフェイトだけのキス。三度目は、二人でするキス。その気持ちよ さは、前二回とは比べ物にならない。  柔らかい舌同士がぶつかりあってとめどなく形を変え、絡み合う。  そうしながら自分の唾液を彼の口に送り込む。同時に、向こうからも伝えられてくる彼の唾液。大 半は零れてしまうが、わずかに口に入ってくる分は鮮烈に味覚を刺激する。  息の続く限りいつまでも続けたい口づけは、意外なことで中断された。  フェイトの膝がかくりと折れ、無理やり唇が離れてしまったのだ。 「あれ?」  膝に力を入れて立とうとするが、骨が抜けたように真っ直ぐに伸びない。    信じられないことだが、口づけの気持ちよさに腰が抜けたらしい。 「ご、ごめん、今立つから」  なんとかしようとするが、焦れど腰から下は言う事を聞かない。腕をついて身体を持ち上げては転 びかけることの繰り返しである。  無性に恥ずかしくて赤面するフェイトだがあることに気づいた時、赤面の意味が変わった。  床にぺたりと腰を落とした体勢のフェイト。ならばその目の前に来るのは、クロノの股間である。 ズボン越しにもわかるほど、そこは固く勃ち上がっていた。 (キスだけで、こんなになってるんだ……)  一種感動じみた驚きでついまじまじと見つめているうちに、頭に甦ったのは寝ているクロノに色々 していた先刻の自分である。  最後にしようとしていたのは、クロノの男根を露出させることだった。もしクロノが目覚めなけれ ば、それから自分はなにをしていたのか。  いつまでも立たないフェイトをみかねたのか、クロノが手を伸ばして抱き上げようとした。 「……待って」  その手を、フェイトは制止する。 「口でやらせてもらっていいクロノ?」 「口でって……」  クロノが微妙な表情を浮かべる。  今までも二回口でしたことはある。  最初にやった時は本当にただ口に入れて舐めることしかできず、クロノに無理を言って射精するま でやらせてもらったが、かかった時間は三十分以上でありクロノもそこまで気持ち良さそうではなかっ た。  二度目はクロノに色々と指示されながらそのとおりにしたので時間は大幅に短縮されたが、それで も出た白濁液の量と表情などから本番の快感からはほど遠いものだと知れた。  クロノの顔はその二回を思い出し、薄めの快感よりは回数は少なくても濃密な交わりをしたいとい う気持ちの表れだろう。  フェイトもあれからそういう書籍を読んで新しい知識を仕入れたわけでもないので、技術が上がっ てるとは自分でも思っていない。  それでもしたいと思ったのは、さっきの記憶を思い出すことで口寂しくなったことと、破廉恥なこ とをした自分を受け入れてくれたクロノに、少しでもお礼の奉仕をしてあげたかったからだった。 「気持ちよくなかったら、言ってくれたらすぐ止めるから……駄目?」  上目遣いで頼むフェイト。  結局、クロノは頷いてくれた。 [6]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/30(火) 17:39:36 ID:jVwRerDo 転載イラネ [7]別離の前に 2007/10/30(火) 17:40:51 ID:iDw0YT6E  ジッパーに手をかける。下ろしていきトランクスの前を開ければ、バネ仕掛けのように男根が飛び 出た。  その勢いに一瞬ひるみそうになるが、大きく息を吸って鼓動を落ち着ける。  これまでの二回が上手くいかなかった原因は怯えにある、とフェイトは見ている。  性器を口に含むというのはどうしても抵抗があり、おずおずと言われたとおりのことをするだけで あった。  自分の女陰がクロノの口や舌で愛撫される時のことからすれば、多少激しい方が気持ちいいに決まっ ている。 (……よし)  フェイトは意を決し、一気に幹の半分までを飲み込んだ。 「うっ……」  まさかいきなり大胆なことをするとは予測していなかったのか、クロノの口から微かな声が漏れ、 陰茎が振動し舌を叩く。  口から出したくなるのを必死で我慢し、逆に亀頭に舌を這わせる。ここを舐められるのが気持ちい い、とクロノは言っていた。  すぐに、苦味の強い液体が流れ出してくる。先っぽはまずはこれぐらいでいいと判断し、一度口か ら出して今度は根元から上に向って舐めていく。幹の裏側。ここも気持ち良かったはずだ。  亀頭に到達しもう一度口に入れようとしたところで、単純なことに気づく。 (なにも一つずつやらなくてもいいんだ)  舌を逆戻りさせる。そうしながら、指で先端の割れ目を押した。 「くぅっ!」  今度は、はっきりとクロノが呻いた。 「痛かったの?」 「……違う。もうちょっと強くてもいいから、そうやって先っぽを弄りながら舐めてくれ」  クロノの言葉はフェイトに教える口調ではなく、リクエストであった。  確実に感じてくれているということで、フェイトは嬉しくなる。  ぐにぐにと指で圧迫しながら、竿全体を満遍なく唾液で濡らす。  それが終われば、舌と指を交代。手で摩擦係数が小さくなった陰茎を、グラインドさせる。  口の方はもう一度舌を使っておうかと思ったが、そろそろ変化をつけた方がよさそうだった。  何かに当てて擦ればいいのは分かる。しかし喉に当てれば咽てしまう。どうしようかちょっと迷い、 上顎の天井で擦ってみた。  必然的に顔が上向きになり、恋人の顔が視界に入る。 (あ……)  クロノはしっかりと眼を閉じ、唇を噛んで耐えている。性交中に何度も見ている、射精を我慢して いる時の顔だった。  フェイトが過去に口でした時は、こんな顔は見せなかった。  女性であれば自然に備わっている膣ではなく、口と手で快感を引き出せたことが誇らしい。 [8]別離の前に 2007/10/30(火) 17:42:16 ID:iDw0YT6E  もっとクロノを感じさせたい。本当に我慢できずに、熱い滾りを吐き出させたい。  なにか出来ることはないかと探すフェイトの眼に止まったのは、根元には皺まみれの袋が二つぶら 下がっている。  これについてはクロノから何も聞いてない。しかし精子を産出する場所だから、やっぱり触ったら 気持ちいいのかもしれないと思い、フェイトは軽く握ってみた。  ピンポン玉より一回り小さい二つの玉をを、手の中で転がす。どうだろう、と反応を窺えば息を吐 く速度が明らかに加速していた。  なんだか、だんだん面白くなってきた。どこをどうすればクロノがどう反応するかを一つずつ試し ていき、その結果を知るのが楽しくてならない。  クロノがフェイトにする時は偏執的と言ってもいいほどあちこちを弄くるのは何故かと思っていた が、きっとこういう気持ちだったのだろう。  もっとあちこちやりたかったが、クロノに限界が訪れつつあった。 「フェイ、ト……もう駄目だから……」  喉から絞り出すような苦しい声。手が弱々しくフェイトの頭を押しのけようとする。  だがフェイトは手も口も止めない。むしろ激しくした。  クロノにされている時の自分も、駄目だと言うことはある。だがそれはむしろラストに向けてもっ と強くされたがっている時に出る言葉だった。 『このまま射精してくれていいよ』  咥えたまま、念話でフェイトは伝える。 『止めた方がクロノも辛いでしょ。ね?』  頭を押すクロノの手が止まる。それを了承の合図だと解釈し、フェイトは一気に全部の動きを加速 させた。舌は鈴口。右手は肉棒。左手は陰嚢。三ヶ所を同時に攻め立てる。  クロノがのけぞる。その拍子に、フェイトの歯が雁首を引っ掻いた。  それが止めになった。 「うっ! でっ、出る!!」  クロノの声で、咄嗟にフェイトは口を離した。  直後、握っている幹が膨張した。白い奔流がぶちまけられる。  フェイトの頬を直撃したそれは、弾けて美貌全体に飛び散った。  過去に口淫した時とは比較にならない勢いと量。 「ああっ!?」  こんなに出るとは予測していなかったフェイトは、思わず叫んでしまう。  それで口が開いたところに飛沫が一滴飛び込み、気管に入り込んだ。  派手に咳き込む羽目になるフェイト。げほげほ咳いているその背中を、クロノが優しく叩いてくれ た。  咳が止まるまでそうしてくれたクロノは、そのままかがみこんでハンカチでフェイトの顔を拭い始 めた。  丁寧に汚れを取ってくれる彼に、フェイトは訊いてみる。 「……やっぱり、飲んだ方がよかった?」  どこで聞いたかも定かではないが、口でした時は精液を全部飲んだ方が男は喜ぶ、とフェイトの乏 しい性知識辞典にはあった。  最初にやった時は頑張って飲み込もうとしたのだが、生臭さと喉に引っかかる粘度の高さがどうに もならず吐き出してしまった。その時のことがフラッシュバックし、最後の最後で口を離してしまっ たのだ。 「いきなり無理しなくていい。……してくれた方がちょっと嬉しいけど、これだけでもすごく気持ち よかったし」  拭き取り終わったクロノが、最後に自分の陰茎を拭ってジッパーを上げ、ハンカチもしまう。 「次は僕の番だな」 [9]別離の前に 2007/10/30(火) 17:44:03 ID:iDw0YT6E  床に腰掛けたままだったフェイトを、クロノは抱き上げる。鍛えているだけあって軽々としたもの だった。  フェイトを片手で抱いたまま、クロノはデスクの上にあるものをざっと隅によける。出来たスペー スに、フェイトを横たえた。  クラウディアの提督用デスクは無駄に大きい。フェイトの膝から上が乗ってもなお余裕があった。  クロノの指がボタンにかかる。ぷちぷちと一個ずつ外されるごとに、フェイトの鼓動が高鳴ってい く。  執務官服に続いてワイシャツがはだけられ、最後に清楚な白のブラジャーが外された。期待に張り 詰めていた胸が、ふるんと揺れて顔を出す。  ブラジャーを机に置きながらクロノが訊いてくる。 「今日は黒じゃないのか」 「一色しか持ってないってわけじゃないよ。…………クロノが黒がいいって言うなら、ずっと黒でも いいけど」 「……考えておく」  視線が、下着から胸に移る。 「それにしても、相変わらず大きいな」  まじまじと見つめられ、恥ずかしくて身悶えしそうになる。  クロノの顔を視界に入れなければいいかと考え顔を背けてみたが、視線だけ感じて余計に身体が火 照ってしまった。  これなら顔を見てる方がましだったと戻せば、思わぬ近さにクロノの顔があった。  不意打ち気味に唇が重ねられる。舌までは入れられない。唇が数度擦りあわされ、それから段々下 がっていく。  顎、喉、鎖骨と唾液の痕を残して下りていき、到達点である胸に至る。朱鷺色に染まった頂点が、 唇で挟まれる。そのまま引っ張ることもせず、クロノは唇だけで乳首をいじくる。  甘噛みよりもさらに温い刺激。それでもこの情交を待ち望んでいたフェイトを高ぶらせるには充分 すぎた。なにもされてないもう一方の突起が、固くしこりだす。  だが段々とそれだけでは物足りなくなってくる。もっと強くしてもらいたいが、クロノは舌で弱く 舐める程度のことしかしてくれない。  ねだるか、空いてる右胸を自分で慰めてしまいそうになるが、そんなことをすればエッチだのなん だのクロノにいじめられるネタになる。  自分もクロノを愛撫すれば気が逸れるかと思うが、覆いかぶさっている彼の腰までわずかに手が届 かない。 (……これだと、クロノになにもしてあげられないね)  わずかに視界に入る彼の股間は最初の放出から回復し、すでに臨戦状態で張り詰めていて苦しそう である。  しかしフェイトはどちらかというと受身の方が好みだった。  さっきのように自分から動いてクロノを気持よくしてあげるのも楽しかったが、彼の指先に全てを 委ねきってしまう方が、これだけ愛されているのだということが実感できる。 [10]別離の前に 2007/10/30(火) 17:45:41 ID:iDw0YT6E  それでも少しぐらいは、と思いクロノの髪を撫でる。短い黒髪はすぐに指の間をすり抜けてしまう ので、何度も何度も繰り返す。 「そういう子供にするようなことはやめてほしいんだが」 「でもおっぱい吸ってるクロノは、子供みたいだよ」 「……僕が君より年上なことを知ってるか」 「ふふふ」  笑いながら、フェイトは手を止めない。  クロノも口ではああ言いながらもまんざらではないのか、それ以上は文句を口にせず胸への愛撫に 戻る。  今度はやや強め。唇が歯に代わり、右胸もやわやわと揉まれる。  だが、まだ満足できない。フェイトはもっと強く、それこそ胸が壊れてしまうぐらいの激しさを求 めている。  言葉にして求めるべきか、黙って彼が先に進んでくれるのを待つべきか。心の中で理性と欲望が綱 引きを始める。  今夜はすでに、寝てるクロノにいやらしいことしたのを知られている。 (……だったらもう一度ぐらいはしたないことしても、変わらないよね)  逡巡の後、フェイトは口を開いた。 「もっと強くして……」 「強くってどれぐらい? ちゃんと言ってくれないと分からないんだが」  彼の笑い顔と声色。それで、ここまでの弱い愛撫は自分にねだらせるための策略だったと気づく。  小憎らしくて、眉をひそめ睨む。しかし態度と裏腹に、一度降伏を選択した思考は従順だった。 「…………捏ね回して摘んで引っ張って吸って、ちぎれるぐらいめちゃくちゃにして……」 「そんなこと口にするなんて、いやらしい女の子になったな」  意地悪げに唇を歪ませるクロノ。しかし、フェイトの望みはちゃんと叶えられた。  胸が握りつぶされる。指と指の隙間から白い乳肉がはみ出るほどの強さ。  急激に圧迫された胸の神経は、特大の電流となって脳髄を直撃する。  一気に全身が発火点に達した。 「ふ、あぁあん!!」  背を弓なりに反らして、フェイトは軽くイッた。 「フェイト!?」  まさかこれぐらいでイッてしまうのは予想外だったのか、クロノが驚いた顔で覗き込んでくる。 「その……大丈夫か?」 「…………ごめんなさい、もうちょっとだけ、弱くして」 「……分かった」  フェイトの呼吸が落ち着いてから、クロノは手の動きを再開させる。  最初と先程の中間ぐらいの強さ。激しすぎず弱すぎず、一度茹ったフェイトの体温を冷ますことな く良い按配で保つ。 「これぐらいでいいか?」 「……うん、そこはもう少し強く……」  乳首の次に感じる下乳を重点的に揉まれて、気持ちよさに身震いする。  フェイトが慣れた頃合を見計らうように、ちょっとずつ手に力が入る。 [11]別離の前に 2007/10/30(火) 17:47:07 ID:iDw0YT6E  数分もしないうちに、乳房を握る強さは元通りになった。  一度はフェイトを追い詰めた強さだが、前段階を踏んでいるので快感に耐えることが出来る。 「んあぁ…う、くふうぅぅぅん」  乳房同士が中心に寄せられ、乳首が二つまとめてクロノに吸われている。  胸全体が沸騰した湯でも詰まっているかのように熱い。その熱は頭の天辺から爪先まで伝わって、 フェイトの白い肌を朱に染める。  そんな体中で一番高まっている場所。それは言うまでも無く、フェイトの子壷だった。  クロノにいたずらをしていた時から湿る兆候を見せていた股間は、もう粗相でもしたかのように下 着を濡らしつくしている。  乳首を噛まれた拍子に、また愛液がとぷりと垂れ落ちたのが自分で分かった。  粘つくショーツが気持ち悪い。早く脱がせて欲しい。 「胸より、もっと下をして……」 「下? ここかな?」 「やぁっん!! ちがっ……うっ……!」  舌がジャンプしたのはへその穴だった。この期に及んでも、クロノはいじわるだった。しばらく身 体の中心の穴を穿られる。  今までそこを弄られたことはない。今日初めて、くすぐったさも快感になることをフェイトは知っ た。  また、愛液の流れる量が増す。  流石にそれ以上寄り道することはなく、クロノの指が腰にかかった。  クロノはストッキングを脱がそうとするが、スカートごと引き下ろそうとするのがよくないのか、 手間取ってなかなか脱がしてもらえない。  そうしてる間も、愛撫を待ちかねている肉体は欲情にじりじりと焙られる。 「クロノ……破いちゃっていいから早く脱がせて……」 「破くって……」 「いいから早く、早くしてぇ……!」  一拍置いて響く、ピィーーっと絹を裂く乾いた音。  自分を覆う衣が一枚そうやって乱暴に破られたのかと思うと、なぜか胸の鼓動がテンポを上げた。  腰を持ち上げられスカートが脱がされる。続いてショーツが脱がされるはずが、クロノはぴたりと 行動を止めてしまった。  また焦らす気かと思ったが、えらく神妙な顔をしている。 「どうしたの?」 「…………いや、凄いことになってるなと思って」  首を上げて、フェイトは自分の下着を見る。目に入った瞬間、見なければよかったと痛烈に後悔し た。  今日はブラジャーと揃いの色にした純白のショーツ。そこは割れ目がくっきりと浮き上がり、陰毛 の色まで判別できるほど濡れに濡れて皮膚に張りついている。  花弁に沿った部分どころか、前面は全部そんな感じである。指でつつけば、何か染み出してしまい そうだ。 「み、見ないで! 早く脱がせてっ!!」  口走ってから、普通は逆なことに気づいてさらに頭に血が上る。 「うう〜〜……」  恥ずかしさで死んでしまいそうになり、完全に手で顔を隠すフェイト。その頭が撫でられる。  指の合間からのぞけば、クロノが気にしないでいい、と微笑んでくれていた。  セックスする時には基本的に意地が悪くなるクロノだが、それでも肝心なところでは普段どおりの 優しさを見せてくれる。  それがたまらなく愛しい。 [12]別離の前に 2007/10/30(火) 17:48:52 ID:iDw0YT6E  頭を撫でながら、クロノの片手はフェイトのショーツをまくって脱がしている。  ショーツが足首から抜かれた。蒸れていた股間に、涼しい風が通る。  一旦はズボンの中にしまっていた陰茎を、クロノは再度取り出す。  電灯の光に照らされた赤黒いそれは、さっき以上に猛々しくなっている。先端が糸を引いているの は、フェイトの唾ではなく新しく出た先走りの液だろう。  クロノは軽く握ってフェイトに挿入しようとした。  そこで双方気づく。デスクは腰より少し低い位置にあり、フェイトが上に寝転がったままだと挿入 はともかく動きにくい。 「立てるか?」 「……やってみる」  ふらついたが足に力は戻っており、なんとか床に足を着くことは出来た。 「机に手をついて」  言われるままに従い、腰を高く上げる。  尻肉が掴まれ、ひたりと秘所に押し当てられる固い剛直。それがすぐに体内に押し入ってくるのだ と思うと、ひとりでにフェイトの表情はだらしなく弛む。  膣口と鈴口とがキスをした。湿り具合を再度確かめるかのように、二、三度擦られる。  上の口なら、ここで舌を入れているところだ。だが下は、口そのものが侵入してきた。 「ああああっ……入ってくるぅ!」  胸の時のようにそれだけで達しそうになるが、必死で耐える。  低い頂は、最初に果てて体験している。ここで我慢すればもっと気持ちいい、それこそ眼の眩むよ うな快感が待っていることを経験則で知っている。  最奥まで到達したクロノの男根は、尖った先端で掻き回す。  雌の本能が反応して、暴れさせまいと腰に力が入り侵入してきた異物を締め上げる。 「つぅっ……!! 始めから、きつすぎるぞフェイト……!!」 「クロノだって、こんなに太……い、よ……ああぅん!」  鼻にかかったような甘い声。自分の声だとは思えない。  子宮の入り口が乱暴に叩かれる。内臓まで貫かれているような衝撃。  耐え切れず腕の力が抜けて、フェイトの額が机に激突する。相当痛かったが、今は痛がるより喘ぐ のに忙しい。  豊満な胸が、身体と机に挟まれてぐにゃりと潰れた。冷えた木材が火照りきった皮膚を急激に冷や し、その温度差で達しそうになる。 「ああんっ……ひはぁぁあんっ!!」  提督室は機密性を高めるため、防音設備は完璧である。遠慮なくフェイトは嬌声を上げる。  声と一緒に流れ出た涎が、自分の頬を冷たく濡らす。こんなに身体は熱いのに、唾液の温度は変わ らないのか、と感心するあたり、まだほんの少しフェイトには余裕があった。  その余裕が根こそぎ吹っ飛んだのは、クロノに両手が引っ張られ上半身が浮き上がった時だった。 前後運動に縦に揺すられる動きが加えられ、膣壁がくまなく擦られる。  腕がまるで手綱のようだ。拍車代わりに腰が打ちつけられる。  二人の結合部からは、蛇口が壊れた水道のように絶え間なく淫水が流れ落ち、破かれたストッキング を濡らす。 [13]別離の前に 2007/10/30(火) 17:50:32 ID:iDw0YT6E 「かふっ!! くろのぉ、わたし、もうっ」 「そろそろ、イクのか? ……だったら、一緒がいいかい?」 「うんっ! 射精して! クロノのいっぱいナカに射精して!!」  抽送の速度がさらに上がる。もう、突かれてるのか引かれてるのかも分からない。  ただひたすら最期を目指して、フェイトも腰を動かす。  一際強く、腕が引かれた。全く同時に、腰が最大の勢いで叩きつけられる。  その衝撃で、膨れきっていた快感が爆発した。 「ひゃあうぅん!!」  フェイトの視界も思考も、白一色に発光した。  絶頂でさらに膣が収縮するぎりぎりのところで、男根が引き抜かれた。続いて臀部にかけられる灼 熱の滾り。  煮詰まったフェイトの身体よりなお熱いそれは、本来なら彼女の胎内に放たれるはずだったものだ。  期待をすかされ、絶頂が急速に尻すぼみになる。上り詰めた位置こそ高かったが、どうにも満足で きない結末になった。  フェイトは首だけ回して、不満を露にした顔でクロノの方を向いた。 「…………どうして、外に射精したの」 「いや、安全日かどうか聞き忘れてたから」 「ナカに射精して、ってちゃんと言ったのに……。自分の危険日忘れるほどうっかりじゃないよ。だ から」  手首を掴みっ放しだったクロノの手を、逆に握り返す。 「次は、ちゃんと注いで」  自分が一度きりでは足りないように、クロノもまだまだ足りないだろう。  予想通り、フェイトの言葉から間をおかず再び押し入ってくる男根。  また後ろから抱かれるのかと思っていると、両胸に手が回った。その手は胸を揉むのではなく、身 体全体を持ち上げた。体勢はそのままで、上体が床面に垂直になる。  束の間の浮遊感。続いて落下。クロノが椅子に尻を落とす音。そしてクロノの腰が受けた衝撃が、 そのままフェイトの膣を突き上げる。 「あああっ!!」  背面座位。専門用語で言うところの、乱れ牡丹。  椅子に座ったままでするのはもちろん、この体位自体が初めてだった。  慣れぬ角度で突っ込まれ、膣が無理やりに広げられる。  あまりの激痛に、痛いとフェイトは叫ぼうとした。 「あんっあああんっ!!」  だが、口をついて出たのは歓喜の声。  先端が抉っているのは、触れられたことはあってまだ突き上げられたことがない場所だった。完全 に未知の部位が開発される快感に、フェイトは盛大によがる。 [14]別離の前に 2007/10/30(火) 17:51:53 ID:iDw0YT6E  だがすぐに痛みがぶり返してくる。今度こそ、フェイトは痛みを訴えた。 「痛い……痛いよクロノ……!」 「す、すまない。すぐ抜くから……」 「待って……痛いけど、やめないでぇ!」  交互にやってくる、痛みと快感の二重奏。  逆の情報を連続して神経に伝えられ続けた脳がイカれて、全部まとめて気持ちよさに変換してしま う。  結果、かつて感じたことのない激烈な悦びにフェイトは襲われていた。ここで下手に止められよう ものなら、本当に発狂してしまうかもしれない。 「このまま、お願いっ……!」 「…………いいんだな?」  確認を取り、クロノが動き出す。  まずは左右に回転させるような動き。徐々に回す角度が大きくなっていき、最終的にはフェイトの 腰に手がかかり、身体を持ち上げられて揺すられた。  はだけていた上着とワイシャツの襟首がクロノの口で引っ張られる。露出した背骨に沿って、うな じまで舌が這い上がっていく。  悪寒じみたその刺激も、ちょうどよいスパイスになってフェイトを高みに上らせる。 「く、クロノの、中で反ってて……気持ちいい!」 「フェイトもきつくて熱くて、すごくいいよ……っ!」  身体が持ち上げられては、落とされる。落とす時は手を離すだけなので、フェイトは自分の体重を まともに膣で受けることになる。  その激しさに、フェイトの目尻からはとめどなく涙が流れる。秘裂が裂けてしまいそうだ。  だが、これでいい。優しくされなくていい。それは昼間にもらっているから。  夜はただ身体を激しく貪られ、彼の血肉になりたい。  一突きされるごとに、内臓がずり落ちていくような感覚に襲われるフェイト。この先には、自分が かつて体験したことのない快感が待っていることを確信する。 「もっとぉ……もっとしてクロノぉ」  哀願のようにねだりながら、自分も括約筋に力を入れる。彼が少しでも気持ちよくなれるように。  締めつけることでクロノの形が伝わってくる。先端が少しずつ膨らんできている。彼も、限界が近 いのだ。 「だ、射精すぞ!」  言葉と共に、一瞬だけクロノの動きが止まる。それは溜めの時間で、直後に亀頭と子宮口がぶつか り合った。  今度こそ、この一ヶ月フェイトが待ちわびたものが体内に注がれる。  どぷり、と射精される音が聞こえた。  子宮に白濁液が発射される。液体ではなく固体がぶつけられたような量と勢い。 「あっ、ああああああああああーーーーーっ!!」  断末魔のような悲鳴を上げて、フェイトは果てた。  半ば意識が無くなるが、射精の感触でまた引き戻され連続的に達する。 「クロノっ! クロノっ! クロノぉっ!!」  その間中、ずっとフェイトは愛しい男の名を叫び続けた。 [15]別離の前に 2007/10/30(火) 17:53:16 ID:iDw0YT6E  長々とした射精も、終わりの時は来る。  最後の一滴を出すためにぶるりと陰茎が震え、それが合図だったかのようにフェイトはがっくりと 倒れクロノにもたれかかる。はずみで、小さくなりつつあった男根がちゅぽりと音を立てて抜け、結 合が解けた。  しばらく、提督室には二人分の荒い呼吸音だけが響いた。  少しだけ身体が冷えてきたフェイトが時計を見れば、短針は文字盤の三を指している。  部屋に戻って仮眠しないといくらなんでもまずいと分かっているが、背中に感じるクロノの胸の固 さと体温が心地よくて、なかなか出て行く踏ん切りがつかない。  頭を巡らせ下を見てみれば、クロノのズボンがべちゃべちゃを通り越してどろどろになっている。 飛び散った愛液と精液では説明がつかないほどの濡れ方である。  そういえば、果てた時になにかを漏らした気がする。まさか小水かと青くなるが、アンモニア特有 の匂いはしない。  どうやらこれが話に聞いてた潮というものらしい。フェイト自身初めて見た。  自分のものとはいえあんまり見続けたいものではなく眼を逸らして横を向けば、そこにあるのは愛 しい人の顔。  こちらはまだ絶頂の余韻に浸っているらしく、疲れながらも満足げな顔で瞼を閉じている。  なんとはなしに彼の顎の下を指で撫でていると、目に入る小さな赤いものがあった。 「……これ、どうしよう」  フェイトがつけたクロノの首筋の噛み痕である。点々と並んだそれは赤く腫れたように目立ってお り、至近距離に立たれたらなんなのか一目瞭然であった。  フェイトの声に眼を開け、手鏡で確認したクロノも顔をしかめる。 「……虫に刺されたと言うには数が多すぎるな」 「治療魔法で消えたりしない?」  軽症を治す程度のものなら、フェイトもクロノも習得している。  さっそくやってみたが、そのままだった。 「しかたない。寝違えたと言って包帯をまいておこう」 「エイミィには気づかれそうだね」 「……努力する」  察しのいい姉貴分を、その手の演技が下手なクロノが誤魔化しきれるとは思えないが。  首全体を隠すならもう少しつけてもいいかな、とフェイトはクロノの首筋に唇を当てる。 「こらっ、これ以上増やすのは駄目だ」 「……クロノだって、私の胸にはいっぱいつけたのに」 「君のは服の下で見えないだろ」 「クロノも包帯で隠すでしょ」  なんとか首に吸いつこうとするが、額を押されて果たせない。 [16]別離の前に 2007/10/30(火) 17:54:50 ID:iDw0YT6E  強情な彼に少し腹が立って、フェイトは拗ねてみた。 「いじわるばっかりするのなら、浮気しちゃうよ」  眼を細めて、口元をちょっと吊り上げる。 「遠い六課に行っちゃうからね。グリフィスは格好いいし、他にもいっぱい男の人はいるからよりど りみどりかな」  もとより本気ではない。ただのからかい。クロノ以外の男とこんな関係になるなど想像もしたくな い。  こう言えばクロノは慌てるか、真剣に困った顔をするはずだ。その顔を肴に楽しんでやろうと思っ ていた。  しかしフェイトの目論見は、良い意味で外れた。 「……だったらそんな浮気性の猫には、鈴をつけないとな」  フェイトを膝から下ろして、クロノが立ち上がる。  デスクの引き出しから出されたのは、厳重に包まれた手の平に収まるくらいの小さな箱。念の入っ たことに、封に魔法まで使っている。  クロノがその魔法を解除し、フェイトに手渡す。 「私が開けてもいいの?」 「いい。というより、君と僕以外には開けられたくない」  なんだろうと包みを解くと、出てきたのは黒い箱。  その中に入っていたのは、指輪だった。銀環の頂点にフェイトの瞳と同じ色の宝石をあしらい、裏 にはフェイトのフルネームが掘り込まれている。 「これって……」 「婚約指輪。本当は航海が終わってから渡そうと思ってたんだが、君があんなこと言うからな。……そ れがあったら、男が近づいて来ることはないだろう」  フェイトの手に乗ったままだった箱から、クロノは指輪だけを手に取る。  改めて、指輪が差し出される。 「その、こんなこと言うのはいまさらだけど。…………僕と一緒にいてくれるなら、受け取ってくれ ないか、フェイト」  多少の照れはあるものの、ひどく真剣なクロノの顔。  愛の言葉は何度も聞いたし言った。けれど、きちんとしたプロポーズはまだだった。  フェイトも、顔を引き締めクロノの眼を見つめて言う。 「はい、フェイト・T・ハラオウンは、クロノ・ハラオウンの隣に、この身が尽き果てるまでいます」 「……ありがとう」  クロノの手で、フェイトの左手薬指に指輪が通されていく。  自分は身も心もクロノのものだが、その確たる証が出来たようで心がじわりと温まる。  もう彼とどれだけ長く離れていても、この指輪を見れば寂しくない。  今夜はクロノに色々してもらってばかり、とフェイトは思う。許してもらって、抱いてもらって、 指輪までもらって。  どうせだから、もう少しだけしてもらうことにした。 「……一つお願いしてもいいかな」 「なんでもどうぞ」  クロノの胸に身を投げ出すようにして、フェイトはしだれかかる。 「夜が明けるまで……こうして抱きしめていて」        終わり [17]サイヒ 2007/10/30(火) 17:56:06 ID:iDw0YT6E 以上です。 俺のクロフェ話は、最初に投下したのを除いて時系列順に全部繋がっているという 裏設定がありまして。今回だけ過去に逆行。 まあ、もう結婚出産まで書いてしまったんで、これ以上前に進むだけだと色々とまずくなるんで。 これから特に明記してなきゃ三期のどっかでの話だと思っといてください。 [18]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 19:36:52 ID:UNXH1KG8 >>17 え、エロいです!乙です!GJです! どうしてこう、エロ知識に乏しいながらも健気に奉仕するフェイト。 全力全開の愛を受け惚けながらもさり気無い男気を見せるクロノが大好きなんでしょうか? 続編も期待してます!というか結婚出産話ですって!! [19]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 20:02:03 ID:bXZ1EcVM >>17乙。フェイトええわー ところで、いまさらながらnamelessの最終話を読んだんだが… なのはさんの子供に一体何があったのかわからんのです。 [20]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 20:47:54 ID:nxf51G/U >>17 GJ! いや、是非とも続きをっ! >>19 分からない方が幸せなこともある…… [21]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 21:17:12 ID:KoBXOvJy Long-distance ―銃口と標的の間―  {ヴァイス}{ティアナ}{微エロ有・一応18禁}{モブにオリキャラ}{StS後日譚}  34スレの「キャッチボール日和」でお世話になったものです。 少し長めのSSを数日にわけて投下させていただきます。  今回は流れ的には異色カップリングで遊んでもいいかと思っていたのですが、投 下二作目ですので、基本のヴァイス×ティアナで書いてみました。ちょっと長いの で、何日かに分けます。また冒頭からオリキャラが一人出張っておりますが、最低 限のキャラ立てのみの説明役ですので、できれば気にしないでください。StS本編 終了後の後日譚です。  一応エロはありますが、普通のカップリングSSのエロと違うのでヴァイ×ティ ア甘甘を期待していただくと、裏切ってしまうかもしれません。基本的に愛の上に 成り立ってますが殺伐とすることもあります。あえて言うなら、ガチンコ格闘系ソ フトSM風味(なんのこっちゃ) [22]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:21:42 ID:KoBXOvJy Long-distance ―銃口と標的の間―  {ヴァイス×ティアナ}{微エロ有・一応18禁}{モブにオリキャラ}{StS後日譚}   「大丈夫です。問題ありません」  ベットの端っこに腰掛けた後姿から出動前報告のような返事が帰ってくる。 「別に……大したことありません。あたしなら、平気です」  それから彼女は、「コーヒー、入れてきます」と告げて、ベットから立ち上がった、 “あくる朝、痛みに耐えた分だけ、奪った男より奪われた女の方が、ほんの少しク ールでいられる”  そんな格言だったか、言い伝えだったかを、ヴァイス・グランセニックは素肌に 男物のシャツを羽織っただけの華奢な肩を眺めながら思い出し――なるほど、そう いうものかと、感心した。 「お砂糖とミルクは? ……」  キッチンからの問いかけに――なんと返答すべきか少し迷う。だが格言には続き は無かった。ゆえに自分の経験則から、適当な会話をセレクトしてみる。  ――『今日は非番なんだから、もう少し寝てろ』いや『コーヒーなら俺が』か? 「……」  どっちもぴんとこなかったので、ヴァイスはそのまま黙って、彼女の後姿を眺め ることにした。とりあえず観察、というのは狙撃手たる彼の本能のようなものだ。 「ええと……あれ? あれ? あれ?」  照れ隠しのような無駄に明るい声。なにやらごそごそやっているらしいが、目当 ての食器は見当たらないらしい。爪先立ちで精一杯背を伸ばして、一番高い棚を覗 き込んでいる。しかし、そんなところにコーヒーカップがあるわけもない。 「あの? 聞いてますか?」  キッチンを右へ左へ、白い影が躍る。真ん中あたりのボタンを一つだけ留めただ けのワイシャツがそのたびに「ふわり」と羽のように広がる。 「お砂糖とかは、どこに?」  朝日の中、華奢な後姿が少し困ったように佇んでいる。  春の淡い夜明けの光の中、白い生地の向こうに、肉づきの薄い、しかし引き締ま って伸びやかな肢体が透けて見えた。  ……  …………  ……………… 「――イス」 「――……」 「――ヴァイス……」 「……」 「ヴァイス! おい! 聞いてるのか! ヴァイス!」 「――ウス。謹聴しております。小隊長殿」 [23]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:24:05 ID:KoBXOvJy  短く答えたのみで、ヴァイス・グランセニックは再び窓の外へ目をやった。  冬枯れた針葉樹の林が火をつけてないろうそくのようで。マッチ箱のような家々 が、峡谷の隙間に越冬中の天道虫のように固まっていて。谷と橋と川を隔てた向か い側の断崖絶壁に、巨大な石造りの城壁と尖塔がある。白っぽい石灰岩を積み上げ た城砦。これが個人の邸宅だというのだから、笑えるくらいの懐古趣味、いや、成 金趣味か……どちらにせよまっとうなセンスではない。  2時間も前から、彼はたった一人、廃屋の一室に篭っている。窓の外からは死角 になる柱の影の古いアームチェアに腰を下ろしたまま、微動だにしない。そんな彼 の前に、彼と同じ管理局武装局員の制服を着た男がいた。頭を前に落としてあごを 突き出し、背中を丸めるだらしない猫背。制服の型は同じだが、階級章が違った。 「別にいいけどよ。お前、もう『入っちまってる』みたいだから邪魔するつもりは ねえし。どうせミーティングでも同じ話するし。でも、これは聞いといてくれ。『言 った』『聴いてねえ』で、上に文句いわれるのは、俺なんだから」  猫背の男は緊張感の無い酷く砕けた口調でそういった。立場的には今でこそヴァ イスの上官だが、陸士学校では彼の同期生だった。気の置けない付き合いで、立場 が変わった今も話し方は変わらない。  猫背の小隊長は、あごで『城』をしゃくってみせる。 「ここの大地主……『領主』なんて勝手に名乗ってた時代錯誤野郎の豪邸に、脱獄 囚のテロリストが立て篭もったのが一週間前。隙を見て逃げた新米メイドが村の駐 在所に駆け込んで事件が『発覚』したのが3日前。面子がそろって包囲できたのが 一昨日夜。地上本部派遣の交渉人が中に入ったのが昨晩遅く。夜明け前に女、子供、 病人、けが人を中心とした人質の半分が解放された――が、実は、こいつは交渉人 自身が捕虜になって犯人の交渉を代行することを条件とする『人質交換』だった。 対策本部に何の報告も打ち合わせもなし。交渉人の完全な独自判断――見方によっ てはこりゃあ『寝返り』レベルだぜ」 「…………」 「最後の通信ではっきり『本日只今より、本官は与えられたすべての任務を放棄し、 依頼人の代理となります』と宣言したっていうから、ハンパねえな」  けらけらと気楽に笑いながら猫背の小隊長が笑った。 「思い切ったことしやがる。流石って台詞はこう言う時にいうんだろうな。上の連 中が慌てふためくのが目に浮かぶぜ。正直、家で酒飲みながら見物してえところだ が――正式に狙撃命令が出た」 「……」 「曰く『人質の解放とテロリストの確保を本作戦の最優先とする。そのためにあら ゆる障害を排除せよ』――意味はわかるよな? 『姿が見えたらぶっ放せ』だ」 『小隊長』は最後に念を押して椅子から立ち上がる。その拍子に長く掃除をしてい ないコンクリートの床から細かい埃が巻き上がった。それを不快気に眺めた後、相 変わらず窓際の椅子に腰掛けて置物になっている同期生に言った。 「ずいぶん前にお前の下宿(ヤサ)で会ったきりだけどよ。久しぶりに見たらすっ げえイイ女になってたぜ? 魔術師ランクは知らんが、ありゃあ外見(そとみ)だ けなら間違いなくSS(ダブル・エス)だったなあ……」 「……」 「ヴァイス――すまじきものは宮仕えだな。だが悪く思うな。人質の解放とテロリ ストの確保を最優先とする。そのためにあらゆる障害を排除する」  つまりそれは、「任務を放棄し命令を無視し、敵中に自らの意思で止まった『身 内』は、はや人質ではない」ということ。 「俺たちの今回の仕事(ミッション)はそれだけだ……確かに伝えたぜ? ヴァイ ス?」 [24]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:25:03 ID:KoBXOvJy  返事は無かった。だが言った方は最初から返事を待つつもりはなかったらしい。 ポケットに両手を突っ込んだ横着でだらしない猫背のまま、歩き去る。  遠ざかる足音――その歩調と音で無意識に射程を測りながら、ヴァイス・グラン セニックの脳裏、狙撃待機中の凍えた意識の隅で、昔聞いた声が再生される。 『……あの? 聞いてます? コーヒーの好みとかカップの位置とか、教えてくれ ないとわかりません。……起きてます、よね? ええと、その……うう、あ、あた しだけしゃべってるの、はずかしいんです! もう! 黙ってないで、何か言って ください! ヴァイス陸曹!』 「あの阿呆……」  白い息とともに悪態を吐き出す。 「口下手なクセして、お前が交渉人(ネゴシェイター)なんて柄かよ……ったく」  吐いた息は白く凍てつく。まもなく日が落ちる。 「……馬鹿ったれが」  交渉人(ネゴシェイター)として派遣された時空管理局地上本部の管理局職員、 ティアナ・ランスター執務官補佐がテロリストの立てこもる『城』に入って、すで に18時間が経過していた。  Long-distance ―銃口と標的の間― 01 (ヴァイス×ティアナSS) 「相性と性癖(クセ)」 ヴァイスがティアナと「そういう関係」になった当初、周囲の人間はその事に全 く気づかなかった。  ヴァイス自身、触れて回るようなタイプではなかったし、ここのところ彼自身に 降りかかる色恋沙汰もなく浮いた話にはとんとご無沙汰だった。故に誰かが彼にア プローチしてフラれて「いや、実は」などと芋ずる式に発覚する可能性も無かった。  ティアナにいたっては仕事場でもプライベートでも全く変化が無かった。  実のところ当のヴァイスにすら勤務中は以前どおりに自然に対応し、彼自身、幾 度となく「夢でも見てたろうか」と現実感をなくしかけた。二人してプライベート で出かけるわけでなし、訓練だ何だと一緒にいても珍しくなく、バイクなどの共通 の話題もあった。結論からいえば、それらしいことが元六課出身者の間に流れ始め たのは六課が解散して、その後始末が終わった後のことだった。  丁度職場も変わる前のどたばたした時期で、しかもその存在自体が消滅する機動 六課は、引継ぎ一つにしても事案や物資ごとにあちらこちらと連絡をとったり調整 したりと手間がかかった。たぶんこれも原因の一つだろう。要するに人のことなど 構っていられなかったのである。  ましてや…… 「ましてや他人の色恋沙汰に時間割くなんてのは、十年早いってこった」 「はい? ヴァイス陸曹? なんかいいました?」  格納庫へ向かう道々、誰と誰がいい感じだの怪しいだのと一人でしゃべりながら 歩いていた噂好き部下、アルト・クラエッタがファイルの束を抱えたまま、振り向 く。ヴァイスは片手のファイルをぱたぱたと振った。 [25]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:26:20 ID:KoBXOvJy 「704の返却関係の書類が足りてねえぞ。再提出だ。交代までにもってこい」 「え〜〜っ! なんですか。何が足りなかったんですか!」 「自分で考えろ。そんなもん」 「いいじゃないですかっ! 教えてくれたって!」  アルトは食い下がった。彼女にだって色々予定がある。 「甘えんじゃねえ」  ヴァイスは切り捨てた。器材を扱うバックアップスタッフが申請書類をおろそか にしては仕事に差し障る。  ヴァイスは万事に寛容だが仕事のケジメは重んじる。けしてベテランとはいえな い自分が、若い局員が多い六課でどういう立場にあるのかも心得ている。締めると ころは締めなくてはいけない。 「黙って、やれ。このあんぽんたん。横着してんじゃねえ」 「ヴァイス陸曹のけち。けちけちどけち! そんなにわたしが苦しむ様子をみるの が楽しいんですか!」 「何とでもいえ」 「この陰険先任! セクハラ上司! 小姑! パワー・セクシャル・ハラスメンティス ト・ナンバーワン!」 「……」 「どサドっ! 言葉攻めオタクっ! 実はムチ好きの縄師でロウソク・マニアの張 子コレクターっ!」 「やかましいわっ」  いわれない誹謗中傷にさすがのヴァイスもキレて怒鳴りつけたその時、 「どさっ」 と背後で重いものが落ちる音がした。 「?」  ヴァイスとアルトが一緒に振り返ると 「…………」  アルトと同じく制服姿で両手にファイルを抱えたティアナ・ランスターが、引き つった顔をして立っていた。格納庫の前で二人を待っていたらしい。ちなみに「ど さっ」の正体は足元に落ちたファイルと思われた。手に持った分と両方あわせると 結構な量になる。力自慢のスバルにでも手伝ってもらえばよかろうに、何故かティ アナは一人きりだった。  その彼女はぎりぎりぎりと音がしそうなくらい不自然な仕草(まるで油の切れた 作業機械のような風情で)体ごとこちらに向き直って、説明を始めた。 「オフィスにあった器材関係の書類をもって、もって、もって、もって……」  しかし途中から壊れたオーディオデータのように同じ言葉を繰り返しだして―― そして。  ヴァイスと目が合った瞬間「しゅぼんっ」と音が聞こえるくらいの勢いで真っ赤 になった。 「し、失礼しましたっ」 と、報告もそこそこに脱兎の如く走り去る。ヴァイスが声をかける暇すらなかった。 「あー、聞かれちゃいましたね」  アルトは後頭部に手を当てながら気楽に笑った。 「でも、大丈夫ですよ。ティアナさんは口が堅い上に空気読める人だから、ヴァイ ス陸曹の特異な性癖もきっと秘密にしてくれます!」 「無責任な中傷を、さも真実であるかのようにいうなっ!」 [26]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:27:45 ID:KoBXOvJy  ……で、数時間後。 「…………」 「…………」  黙って向かい合う二人の間に、重い空気が立ち込めていた。  平常勤務終了後の射撃訓練場。そこに自主練という名目で使用許可をとったティ アナとそしてその自主練に「立会う」という名目で同行しているヴァイスがいた。  いや。事実、真実、うそ偽り無く訓練する目的で申請し、立ち会うために同行し たので、べつにやましい事はない……本当だ。本当だったら、本当だ。 「あの……」  ややあって、意を決したらしいティアナが口を開いた。 「アルトさんと、話していた、あれは、そのあの、その、」 開いたが、すぐにどもる。ヴァイスはため息をついた。 「気にすんな。あんなヨタ話」 「でも」 「なんだよ?」 「あたし、あんまり乱暴なのは……ちょと」 「ハナっから信じてんじゃねえっっ!」  耳まで赤くなってもじもじと下を向いたティアナに向かって、ヴァイスは本気で 怒鳴った。すると、ティアナは「はっ」と顔をあげた。 「ええっ!」 「その上になんとなく落胆するなっ! つか、俺には縛る趣味も殴る趣味もローソ クとか道具とかを使う趣味もねえっ!」  ぜーはー、ぜーはー。ヴァイスはおもわず息も荒く叫んだ。そして、叫んだ後で 思った。  ここが、完全防音の射撃場でよかった。  ティアナは胸に手を当てて「ほっ」と息を吐いた。 「よかったです。そういうことにも慣れないといけないかと思って、少し……」 「慣れなくていいっ。というか、我慢しないで痛いとか嫌だとか言ってくれ」 「はい……」  返ってきた返事は、耳に届くまでに解けて消えそうなくらい、小さかった。 「今更、聞くのも野暮だけどよ」と、前置きしてからヴァイスは銃を取り上げてブ ースに入った。 「最初の時も痛かったろうし、前回も前々回もまあ痛かったんじゃないかと――俺 は男だからよくわからんけど、想像してた」 「訓練中に何をやってるんだ俺は」と心の中で思いつつ、この機会を逃すと一生言 えそうに無いので、そのまま言葉を続ける。 「でも、なんつうか。始まると俺は俺でお前に夢中になって、自覚もあるんだが結 構荒っぽくして、気遣いとか余り出来なくなる。いや、痛い思いはさせたくないの も本当だから、その辺はちゃんと無理しないで言ってくれ。やめるから」 と、手元の作業が微妙な調整段階に入る前に、言いにくいことを全部いってしまう。 「はい……」と隣のブースから、またも消え入りそうな返事があり、その後 「でも、あたしは、その……乱暴なのはだめですけど、荒っぽくされるのは嫌いじ ゃないです……」 と聞こえた。  「……」  ヴァイスは黙って、ストームレイダーを下ろした。手元がくるって照準がズレた のだ。 「その、ヴァイス陸曹」  となりのブースから再び今にも消えそうな声がする。 [27]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:29:09 ID:KoBXOvJy 「なんだ」 「もうひとつだけ、お聞きしてもよろしいしょうか?」 「だから、何んだよ」 「その」と、ティアナは下を向いて、ひとしきり躊躇と逡巡と困惑で信号機のよう に表情を変えた後、クロス・ミラージュをブースにおいて、手を握り締めた。 「縛る趣味や殴る趣味やローソクとか道具とかを使う趣味……が、陸曹にないとい うことは、わかったんですが」  礼儀正しいティアナはきちんと敬語を使う。それは人間的には美徳だし、階級差 も年齢差もわかる。だが、あの日以降の二人きりでも、それが変わらないのがヴァ イスにはいささか気になっていた。ついイライラしてきて声がぶっきらぼうになる。 「何がいいてえんだお前は。いつまでもうだうだ言ってると本気ではったおすぞ! この……」 「どっ、『どサド』と『言葉攻めマニア』については、どうなんでしょうかっ!」 「…………」 「…………」  一度雪解けしかかった空気が、また重くなった。   ◇ ◆ ◇ 「ぷっ……」 「…………」 「くくっ……」 「…………」 「わーはっはっはっはっはーっ」  ミッドチルダの首都クラナガンにある、由緒も格式もある高級レストランに遠慮 呵責のない哄笑が響き渡った。 「くひーくひーくひーああああっ苦しいっ。苦しいっ死んじゃうー」  笑いすぎだ。とヴァイスは目の前に座る眼鏡の執務官補佐を見やった。睨んだけ れど効果はなかった。あまつさえ、相手はヴァイスの顔に人差し指を突きつけて、 さらに笑いつづけた。  ここはノーネクタイお断りの一流店で、彼女も今日は髪の毛をアップにして、パ ステルカラーのワンピースを着ている。ヴァイスも珍しくスーツを引っ張り出して きて、ネクタイを締めた。なのに 「あなたたちってば、二人とも最高ーっ」  アルトの軽口と射撃場のくだりまでを(一通り差し障りの無いところを抜粋して) 話しただけで、この始末。いろんな意味でぶち壊しだった。  今日は近く本局へ移動するフェイトとその補佐官たちの見送りを兼ねた食事会だ った。  食事の合間に、解散(そつぎょう)直前に六課全体に広まってちょっとしたブー ムになった「ヴァイスはどサド」の噂の真相と発端を、その手のゴシップには全く 疎いフェイト執務官にヴァイスの口から説明することになり、不承不承彼が説明を 終えたとたん、この旅の移動で、ティアナの先輩という立場になるメガネの先任執 務官補佐が大笑いを始めたのだ。 「…………」  その様子を見てヴァイスは確信した。そもそもこの噂を広めたのはアルトから顛 末を聞きだしたこのメガネに違いない……と。 「シャーリー――もう、失礼だよ」  食事中にもかかわらず、腹を抱えて大笑いしている部下をフェイト・T・ハラウ オン執務官がやんわりと嗜める。こちらもやはり制服ではなく、黒を貴重としたス ーツだった。 [28]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:30:35 ID:KoBXOvJy  ちなみにティアナは紺色のワンピースを着てヴァイスの隣に座っている。……が、 もはや、何もいえずに真っ赤になって俯いていた。 「あの、すみません。ちょ、ちょっと失礼します」 が、さすがにいたたまれなくなったのか、ぺこりと頭を下げて席をたった。 「ああ、ちょっと待って! ティアナっ!」  そしてさすがに責任を感じたのか、慌てて追いかけるシャリオ・フィニーノ執務 官補佐。なんかもう、どたばたであった。  フェイトがヴァイスに向かって苦笑した。 「ごめんね。シャーリーも、悪気はないんだよ」  どーだか、とヴァイスが少し懐疑的に考え込んでいると続けて問いかけがあった。 「ちょっと、いいかな?」  ヴァイスは黙って顔を隣のフェイトに正対させた。着慣れない私服の正装のせい か、なんとなく落ち着かなかった。 「ティアナの移動の件だけど、これでよかったの?」 「どういう意味スか」  聞き返したのはフェイトの質問の意味がわからなかったわけではなく、会話の接 ぎ穂というか、間を持たせるためだった。フェイトが言っているのが、ティアナが フェイトとともに本局の部署に移動する件を指していて、地上部隊に移動するヴァ イスと簡単に会えなくなる事だとは、無論、承知している。フェイトがそのまま黙 って、先を促したので、ヴァイスも言葉を続けた。 「自分の道は自分で決めるモンです。俺がなんか言って進路を変えるなんて、あい つらしくありませんよ」 「私が聞きたいのはティアナじゃなくて、ヴァイスの本音だよ?」  フェイトのその質問も、ヴァイスは想定していた。 「無論、俺の本音も同じです。俺はあいつの進路には干渉しません」  わずかも揺るがず、まっすぐに視線とともに言葉を返す。  今度はフェイトが軽く目を伏せた。 「ドライだね。会えなくなることにはこだわりが無いんだ……」 「顔が直に見られなくなるのは、俺だって寂しいですよ」 「でも」と言いながら、ヴァイスは、意味も無くワイングラスを取り上げ、ゆっく りとまわしはじめた。 「射撃型の性(さが)かもしれませんが、俺は“標的(マト)”を見ているヤツの 邪魔はしたくないんです」  いつだって「スタンドアローン」。チームでいても真ん中にいても、誰も彼もか ら離れた場所に一人で居る。仲間も戦友も大切にしながら、それでも無意識のうち に障害の無い射線と、静かに揺ぎ無い一人だけの場所を探している。それが射撃型 のスタンス。センターガードだろうがスナイパーだろうが、射程距離が違うくらい で、あり方自体に大差は無い。因果な商売だし、因果な性分だと思わないでもない が、そんなあり方がそのまま生き方になってしまっている。いまさら変えようもな い。 「そうかもね」  フェイトは軽くを目を閉じて、呟くように言葉をつづけた。 「射撃型って確かにそういうところがあるね。誰かのために何かをしたい。そう思 うからこそ、そうできる自分でいるために守るべき人から遠ざかる。いつも冷静で いるためにみんなを見守るために……ほんの少し、たぶん無意識にみんなから距離 をとる」  フェイトが誰を思い出しているのかヴァイスにもわかった。  いつも誰かのために何かをしようとしているセンターガード。そのために、けし て自分自身は弱みをみせない射撃手。『彼女』は人のためには命すら削るのに、人 が自分のために何かを犠牲にすることをけっして許さなかった。 [29]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:31:53 ID:KoBXOvJy  だからこそ、ずっと一番近くにいたフェイトは、思わずにはいられないのだろう。 「でもね、そういう優しさは周りにとっては寂しいよ? 一方的にやさしいってこ とは同時にとても残酷なことだと思う。それだけは覚えておいてほしいんだ。  余計なことかな?」 「いえ。申し訳ないです。フェイトさんにまで、気を使わせちまって。あいつの こと、よろしくおねがいします」  頭を下げるヴァイスに、フェイトは少し悲しげな笑顔を向けた。まるで 『そういう態度が、一番寂しいんだよ』 というように……すべてを承知している者の、ほんのささやかな諦観とともに。 ◆ ◇ ◆  食事会の後、星を見上げながら二人並んで帰路についた。二人の肩にはこぶし 二つ程の距離がある。 「フェイトさん、何か言ってましたか?」  先にティアナが訪ねた。 「ああ」と、ヴァイスは答えた。 「たぶん、お前が聞かれたのと同じ事を聞かれた」  そして今度はヴァイスが聞く。 「フェイトさんになんて返事したんだ」 「はい」と、ティアナが答える。 「たぶん、ヴァイス陸曹が言ったのと同じことを答えました」    そっか。とヴァイスは夜空を見上げた。  そうです。とティアナも夜空を見上げた。 「止めてくれないんですか?」  また、ティアナが言った。 「止めて欲しいのか?」  と、ヴァイスはたずね返す。ティアナは首を振った。 「今、陸曹に止められたら、あたしはきっと思いとどまってしまうから、止めない でください」 「止めねえよ」   ヴァイスが即答した。ひどい、と小さくティアナは笑った。 「そうだな。俺はどサドらしいからな」  自分で言ってみたら、ほんとに笑えない冗談だった。 「いつ立つんだ」とヴァイスがたずねると、ティアナは「明日準備をして、明後日 の朝の便で」と答えた。 「それじゃ、二日あるか」とヴァイスが空を見上げながら言った。はい。とティア ナが答える。 「じゃあその間に、二つ課題をクリアしろ」  課題? とティアナは訝しげに首を傾げた。 「まず、その“ですます”の敬語をやめろ。それから、俺のことは“ヴァイス”で、 いい」  そういって、夕焼け色の髪を荒っぽく抱き寄せた。 [30]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:33:15 ID:KoBXOvJy 「それだけクリアしていけ。それが出来たら海だろうが空だろうがどこにでも行っ ていい」 「ヴァイス陸曹……」 「最後に俺のところに帰ってくるなら、途中どこに寄り道してもいいから、それだ け出来るようになってから」  ――どこにでも行け。  ティアナは彼の胸に顔を埋めるように抱きついた。  やさしさが怖かった。ぬくもりが怖かった。やすらぎが怖かった。  今まで歩いてきた目的も、夢も、放り出してここにいられたらと願う「自分」が 怖かった。  そうしたらきっと自分は幸せになれるという確信が怖かった。  それでも、なお、歩き続ける事を彼女は諦められない。  そして、彼もまた、そういう彼女を知っている。 「ヴァィス…」 「いきなりか、勉強熱心だな、おい」 「ヴァイス、……ヴァイス」 「ああ、その調子だ」 「ヴァイス、ヴァイス、ヴァイスっ!」 「……」  髪をつかんで振り回すような荒々しい愛撫。そのまま彼女を力いっぱい抱きしめた。 「行ってこい、ティアナ。俺は」  いつでも地上にいて夜空のお前を見上げているから。 「ヴァイス! ヴァイス! ヴァイスっ! ヴァイスぅぅぅっ!」  その夜、彼女は人目もはばからず幾度も幾度も声が枯れるまで、彼の名を呼んだ。 「…………」  そんな彼女をあやす様にヴァイスはずっと夕焼け色の髪を撫でていた。  だって仕方ない。  彼女のコールサインは「スターズ04」。遥かなる高みを目指して、いつだっ て自分にできる限界の背伸びで、手を伸ばしている。  そんな女に惚れたら、後は黙って天体観測員にでもなるしか、ないじゃないか。                              第一話  完 [31]Long-distance ―銃口と標的の間― 2007/10/30(火) 21:36:58 ID:KoBXOvJy  とりあえず、ここまで。  すみません。看板にいつわりあり。エロいとこまでいけませんでした。  とはいえ、ほんとにたいしたエロではないのですが。  後日談SSということで、できる限り本編から連続しているようにしてみた つもりです。読みやすいか、引っかかるか、のあたり感想などいただけると、 ありがたいです。  おじゃましました。ありがとうございました。 [32]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 21:40:18 ID:dwTXQQO3 GJ!!リアルタイムで読ませていただいた コレは素晴らしいヴァイティア。そしてナイスアルト “狙撃手”ヴァイスがどうするのかも気になるところですなぁ。続きを楽しみにしています GJ!でしたっ [33]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 22:23:11 ID:WBVj5v3H >>1 乙です >>17 GJ!そしてエロい! クロフェは大好物です。これからもよろしくお願いします。 >>31 こちらもGJ! じっくりと読ませていただきました。続きを楽しみにしております。 [34]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 22:27:30 ID:4PklbFyK ヴァイティア、大好物ですGJ! [35]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 22:40:19 ID:qod6TTU4 >>31 これはいい! 読みやすさは問題ないと思いますよ。引き込まれました。 ティアもヴァイスも「らしさ」が出ててとても自然かと。 まぁなにが言いたいかって言うと、「GJ」ってことだ!! もっといろんな人にヴァイ×ティアの魅力を知ってほしいよー [36]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/30(火) 22:40:51 ID:4HIjG2Gi 乙 [37]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 22:56:28 ID:x3FmM961 33スレのあれって何? [38]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 23:26:19 ID:X6zOVyP6 >>31 俺は知ってるんだぜ! 職人は謝罪を兼ねて、次回は全力全壊でエロエロなラヴシ−ンを書いてくれるんだって [39]名無しさん@ピンキー 2007/10/30(火) 23:58:52 ID:Wn8917rF 何故かフェイエリ、はやエリ結婚そして出産へなんて文が頭の中に浮かんだ [40]26-111 2007/10/30(火) 23:59:59 ID:dwTXQQO3 誰かいますか? ・・・いませんね。多分 投下予告です ・前回書いた、「世にも奇妙な・・・」の続きになります ・エロ有り ・メインはシグナム。シャマルとシャッハも少し では、投下 [41]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:00:41 ID:dwTXQQO3 おかしい ヴォルケンリッター:湖の騎士にして、機動6課医務室の主。シャマルは改めてそう認識せざるを得なかった 時刻は深夜。自分以外には誰も居ない医務室で、彼女は机の上にとある少年と自分の姿を描いた用紙を見直していた 最初は・・・そう、エリオが医務室に治療を求めてやってくる話だったか 妙な電波を受信して、彼女は自分がエリオに犯されるという展開を描いた事があった。要するに前話参照 そんな話を描いた翌日。描いた場面と同じようにエリオが怪我をして医務室にやってきて、描いていた様に医務用品を切らしていた 良く良く考えれば、ガーゼを切らしていたという時点で、治療魔法を使うなり、倉庫に取りに行くなり、選択肢はあったはずなのだ だが、何かに突き動かされるように、シャマルは原稿に描いた展開そのままにエリオに抱き付き・・・原稿通りの展開を迎えてしまった それからと言うもの、寝ても覚めてもエリオの事しか考えられず、ブレーキの壊れた創作意欲を夜毎にペンと紙にぶつけるようになり、シャマルは一つの結論に至った 改めて自分が描いた話を読み返してみると・・・“自分の身に起こったことを、全て描いているのである” 深夜の風呂場でエリオに抱かれる話を描いた翌日、書類仕事で入浴が遅くなったシャマルの所にエリオがやってきた。「背中を流しましょう」という言葉は建前だった 退屈な昼下がり、デスクワークが捌けて時間ができたというエリオが医務室にやってくるという話を描けばその通りになった。「肩でも揉みましょうか」肩以外まで揉まれてしまった 医務室を留守にしている間に忍び込んでいたエリオの手淫の現場を押さえる何て言う事がまさかあるわけ無いだろうと思っていたが、恐るべき事にその通りになった これは、何なのだろう?まさか、カリムのレアスキル:預言者の著書の様な、未来を垣間見る能力が自分にもあると言うのだろうか? しかし、カリムの預言はあくまで預言であり・・・“予告”ではない。彼女曰く、的中率は占い程度。詩文形式の為、解釈は幾通りもある・・・ だが、シャマルの場合は今のところ100%の的中率を維持している。詩文形式のような神秘性が無いのが少し悲しい・・・同人誌に描くことで未来を創る能力というのは・・・ ○世にも奇妙な・・・その2 シャマルは今日も机に向かっていた・・・自分の能力(?)をもっと試したい。という建前を掲げているが、実際は熱く疼く身体をどうにかしたいだけだ 最初は少し抵抗もあったが、最近は欲求の方が上回るようになった・・・自分の思い描いた通り、望む通りに、エリオが応えてくれるのだ 現状、的中率は100%・・・シャマルの感覚としては“預言”というよりも“注文”に近い 原稿を書き上げるのに2、3日は掛かるのだが、その都度エリオに抱かれ・・・『妄想が具現化する』という事実に、シャマルの欲求は止まるところを知らなかった [42]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:01:17 ID:dwTXQQO3 今書いている原稿の中の自分・・・つまり、近い未来のシャマルは、全身を緊縛されて目隠しを着けられ、エリオに弄ばれている しかし、バインド等の拘束魔法を使えないエリオだが、もしもここで自分が魔術的な拘束をされているように描写したらどうなるのだろうか? エリオが必死で練習に励む・・・或いは、何やら隠れた才能でも目覚めるのだろうか。それとも、第三者が介入するのだろうか 「・・・包帯にしておきましょう」 矛盾を盛り込んでしまうと、何だか自分の能力が無くなりそうな気がして、シャマルは魔力拘束条を包帯に描き代えることにした カリカリとペン先を走らせ、シャマルは無表情に原稿を描き進めてゆく 書き終わって読み返す時にはトマトの如く真っ赤になってしまうのだが、描いている最中は集中している為か、真剣そのものというか、無心というか “コレ”が近い未来の自分の姿なのだ。と意識してしまうと流石に気恥ずかしいのだが、それでもペンの走りは止まらない ふぅ、と一息吐いた時には、裸身を包帯で拘束され椅子に縛り付けられている自分の姿が原稿の中にあった たわわな乳房には、勃ち上がった乳首を横切る様に横一文字に包帯が巻かれ、歪に形を歪めている・・・それでも、その頂は硬くしこり、自己を主張していた エリオは背後から抱き締めるように、焦らすような愛撫で熱く火照った体を責め立ててくる。強く刺激しながらも、決定的な快感は決して与えない・・・ 失禁したかの如く愛液を垂れ流す秘部は、“雄”を求めて蠢いているが無視される・・・明らかに責め苦と言うべき内容だが、描いた以上これは近い未来に起こりうる出来事だ 自分の被虐癖と妄想癖に、シャマルは自分の頭をぽかぽか叩きながらも、身体の芯が熱くなるのを感じていた 時間は既に夕方である。食事までは少し時間があるが、早ければ今晩にでもエリオは医務室を訪れてくるだろう 「シャワー・・・浴びておこうかな」 独白を呟いて、シャマルは原稿をバックナンバーと共に棚に隠して、着替えを手に医務室を出て行った 誰も居ない医務室に、息を切らしたシグナムがやって来た 「シャマル。済まんが腹痛の薬を・・・む、留守か?全く・・・仕方が無い、自分で探すか。棚の中にでも入ってるだろう」 適当に戸棚を開けて、それらしい薬瓶のラベルを片っ端から改める・・・確か、市販の薬もあった筈なのだが・・・不意に、ガサリ、とシグナムの指先が何かに触れ、 そして、シグナムは“それ”を見た [43]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:01:51 ID:dwTXQQO3 シャワーを済ませて医務室に戻ってきたシャマルは、丁度ドアを開けて医務室から出てくるシグナムに鉢合わせた 「あらシグナム。どうかしたの?」 「し、し、し、ししゃまる!?あ、いや、その、う゛ぃ、う゛ぃーたがあいすをたべすぎてはらをこわしてな。く、くす、くすりをとりにきただけだ」 ではさらばだ!と言い残して、シグナムは脱兎の如く駆け出した 明らかに様子がおかしい将の姿にシャマルは首を傾げ、 或る可能性に思い至った シャマルは医務室に入ると、一番に原稿を隠していた棚を調べる・・・やはり、並び順が変わっている 「そう・・・見たのね。シグナム・・・」 割とでっかい溜息を一つ。逃げることは無いだろうに、とシャマルは思ってしまう 純情一途な将には刺激が強かったのかもしれない・・・或いはエリオの姿を描いていたからか?ともかく、シャマルとしては別段困るほどの事ではない あくまで、原稿は原稿。単なる創作物である。普通に考えれば“自分で自分が犯されている姿を描く”というのはなかなかに変態的な行為ではあろうが、 シグナムがそうそう、こんな事を口外するとは思えないし、“実は実際に逢瀬を重ねている”ということを推測できる筈も無い 少々恥ずかしくはあるが、シグナムに一言口止めをしておけばそれで良い・・・シャマルとしては、シグナムも女性らしい色気でも身に付ければ良いのに、とか考えていた ふと、或る可能性に思い至る 果たして、自分の“能力”はどれほどのものなのだろうか シャマルはにやりと嗤う。“電波が来た”時、彼女はいつもこんな風に嗤うのだ [44]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:02:25 ID:dwTXQQO3 「全く・・・何事も無ければ良いが・・・」 そんな独り言を呟きながら、シグナムは普段シャマルが使っている椅子に腰掛けて溜息を吐いた 聖王医療院での緊急手術に医療スタッフが駆り出された為に、6課隊舎の医務室で一晩だけ過ごして欲しいと頼まれたのだ 『癒し手』の二つ名を持つシャマルには遠く及ばないが、応急処置程度はシグナムにも心得がある。幾星霜もの間、戦場で過ごしてきたのだ 治療を受けることができなかった状況も当然あり、戦傷の手当てには慣れているお陰で、切り傷や骨折程度までならどうにか対処できると思う 病気に関しては・・・今日ばかりは薬を出すだけに止まるだろう だが、こんな時間にそうそう急患など現れる筈も無く、むしろ退屈の方が難敵であると言えた 『眠たかったら寝てても良いけど・・・何かあった時にはちゃんと起きてね』 シャマルはそう言っていたが、当直要員がそんな事で良いのだろうか。いや、休める時には休むことも重要なのだが 退屈を凌げる物が何か無いだろうか・・・そう思っていると、不意にドアの向こう、廊下の方から既に深夜に近い時間だと言うのに怒鳴り声が聞こえてきた 「うっせー畜生!!シグナムはあたしのロードなんだ!!」 「私の方が付き合いが長いんですもう10年来の家族なんですぅ!!」 どちらも聞き覚えがある・・・ありすぎる声だった 「ア、アギトにリィンか?こんな時間に何を言い合っている・・・?」 シグナムが思わずぼやくが、二人の小さな融合騎は医務室のドアを開けて彼女の姿を見止めるや否や 「シグナムッ!あたしの方が優秀な融合騎だよな!!?」 「シグナムっ!リィンの方が優秀なユニゾンデバイスですよねっ!!?」 二人が猛烈に酒臭かったことを明記しておきたい 「な、何だいきなり?」 「良いからっ!どっちなんだよ!?」 「そうですっ!白黒ハッキリ着けなきゃなんです!!」 [45]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:02:58 ID:dwTXQQO3 エキサイトしている二人に何を言っても無駄か。とシグナムは頭を切り換え、二人について彼女なりに分析してみた リィンは本来はやての為のユニゾンデバイスだが、ヴィータやシグナムともユニゾンできる ユニゾンした場合、主に防御系、感知系が強化され、攻撃に関する分野はあまり変化が無い。シグナムとしては弱点を補強してくれるのがありがたいところだ また、付き合いの長さ故にシグナムの癖を把握しており、頭の中で“邪魔にならない”というのも大きいだろう アギトは『烈火の剣精』の異名を持つ融合騎で、炎の魔剣:レヴァンティンを操るシグナムの攻撃力を大きく伸ばす 彼女とユニゾンした時だけ使うことができる広域攻撃魔術:火竜一閃の威力は『必殺』の二文字を体現する破壊力であり、その点では追随を許さない だが、アギトとは知り合ってから間も無い為に、魔術的な相性は良くても、性格的な相性はまだ余り良くない・・・有り体に言うと、“邪魔になる”事もある シグナムとしては、どちらも一長一短であり、一概にどちらが優秀とは言えない そう、結論付けたのだが 「そ、それでも、あたしはほら、料理とか色々できるんだぜ。役に立つだろ!?」 「わ、私だって、お仕事のお手伝いができますっ!」 どうやら、何があっても決着を着けなくてはならないらしい 言い争いはいよいよ低レベルな次元まで落ち込み・・・不意に、アギトがシグナムとリィンの顔を凍てつかせるような台詞を大声で言い放った 「あ、あたしは!夜のお供にだってなれるんだぞ、性的な意味で!!お前にはできんのかよっ!?」 ばふっ、とシグナムはコーヒーを噴き出し、リィンはガビーン!という書き文字を背負って、恐ろしい子・・!!とでも言いそうな表情になっていた その表情の変化に、どうやら自分の勝ちだと思ったらしい。アギトは余裕綽々な顔で勝ち誇って見せた 「へっへーん。どうやらあたしの勝ちみたいだな」 「う、う、ううううぅぅぅっ!!まだですっ!!まだ決まってませんっ!!」 リィンは涙目になると、キッとシグナムの方を振り返り、叫んだ 『ユニゾン、インッ!!』 「え?」 [46]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:03:31 ID:dwTXQQO3 呆気に取られたままのシグナムに、リィンはいきなりユニゾンした 「リィン?何をする気だ?」 『こ、こうするんですっ!!』 脳裏で響く威勢の良い言葉を皮切りに、不意にシグナムの顔が快感に歪んだ 何が起こっているのか解らず、頭上にでっかい疑問符を浮かべるアギトだが、その顔がハッとする。何かに気付いたようだった 「リ、リィン!やめないか、こんな・・・ッ!う、うぅっ!?」 『わ、私だって・・・んっ、夜のお供くらい・・・ん、んんーっ!!』 真っ平ら同然な薄い胸を撫でながら、ぷくっと勃った乳首を摘み上げる ユニゾン中の感覚は使い手とデバイス、双方とも共有している・・・つまり、使い手が傷を負えばデバイスも傷付くのだ 逆のケースはほとんど有り得ないことだが、もしもデバイスが自発的に自分の身体を傷付けるようなことがあったら?その答えがここにあった シグナムは、自分では触ってもいない筈の乳房に、ぐにぐにと揉まれているように感じる・・・ユニゾン中のリィンの感覚がフィードバックされているのだ 「う、んっ・・・ふぁっ!リ、リィン!こら!た、頼むからやめ、う、くっ・・!!」 『シグナム、気持ち良いですよね・・・んっ、リィンは、立派に役立ててますよね?』 「ぐ、あ、あぁ、リィンの言う通りだ・・・だから、やめて・・・ん、あぁっ!」 「てめー!ずるいぞバッテンチビ!!こうなりゃ、あたしだって・・・!!」 「ア、アギト!?」 頬を膨らませたアギトが、シグナムの額に手を当てると、やおら瞳を閉じて・・・ 『ユニゾン・インッ!!』 アギトも、シグナムにユニゾンした 『あっ!何でアギトまで入ってくるですか!』 『うるせー!ハッキリ決着つけてやろうじゃねーか!・・・ったく、何だよこのガキみたいな触り方は!胸ばっか触ってても駄目なんだよ!』 [47]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:04:07 ID:CrTf7fBy どうやら、頭の中でユニゾンしている二人も感覚を共有できているらしい。シグナムの身体を介しているので、ダイレクトな感覚が伝わっているわけではないのだろうが 脳裏に響く二人の声に、嫌な予感を抱いたシグナムは二人を怒鳴りつけてでも止めようと思ったが、僅かにアギトのアクションが早かった 自分の指を口に含んで唾液をまぶし、股間に指を這わせたのだ 「う、あぁぁっ!!?」 いきなり襲ってきた快感に、シグナムは椅子が軋むほどに身体を仰け反らせて、悲鳴を上げた・・・上げさせられた 『ん、ふっ・・・どうだよ。これがあたしの実力さ』 『ん、あんっ!・・・こ、こんなの・・・でも、負けませんっ!』 アギトの快感が流れ込んできたリィンは、挫けそうになりつつも負けを認めはしなかった 片手で胸を弄りながら、アギトがするように秘部に指を当て・・・自分ではロクに触ったことも無い為に、加減も躊躇も知らなかったのだ リィンは浅く指を挿し入れた。その瞬間、激痛とも快感とも付かぬ何かが身体を駆け抜け、リィンは悲鳴を上げ、シグナムとアギトも悲鳴を上げさせられた 「ぐぅぅっ・・・な、何なんだ、今のは・・・!?」 『ば、ばっかやろぉ、てめぇ、いきなり何すんだ・・・!?』 『ひゃぁん・・・ご、ごめんなさぃ・・・んっ、あっ・・・でも、段々、コツが掴めて、来たですよ・・・』 『むっ、あたしだって負けねー!ん、んっ・・・ふぁ・・・あ・・・』 「ふ、二人とももうやめろ・・・っ!!あっ、あ、あうぅっ・・・!!」 自分では身体に指一本触れてもいないのに、4本の腕で体中をまさぐられている感覚に襲われているシグナムである ユニゾンしている二人は、胸をどれだけきつく触ってもそれほどの痛痒は無い・・・ぺたんこだから だが、シグナムは違う。『魔人』呼ばわりされるほどの大きな乳房は、リィンとアギトの薄い胸とは感じ方が違う・・・きつく握り締めるように揉みしだかれる様だった リィンとアギトにとっては「強くさする」という感覚は、シグナムとしては「思い切り揺する」という感覚になるのだ 「うっ、うあぁっ・・・ん、くぅ、んっ・・・」 『ん、はぁ・・・シグナム、感じてきてますね・・・ここ、じわって熱くなってきたの、分かりますよ』 『あたしの手で感じてくれてるんだよな・・・な、シグナム・・・ん、んっ』 秘部への刺激も止まらない。二重に襲ってくる快感に、ショーツから染み出るほどの愛液を滲ませていた [48]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:04:39 ID:CrTf7fBy きゅっと寄せた眉根は快楽への抵抗を試みているようだが、上気させた頬と潤んだ瞳。熱い吐息を漏らす唇は誰もが劣情を抱くほどに扇情的だ 翻弄される身体を抱き締めて、股間を触られている感覚を何とか緩和させようと腿をぴったり閉じている・・・勿論、無意味だが 頭の芯が痺れるような快楽の奔流に、汗と涎と愛液を垂らしながら、シグナムは次第に絶頂の高みへと持ち上げられてゆく 『シグナム・・・イキそうなんだろ?我慢してないで・・・ほら』 「ん、うあぁぁっ!!」 アギトが自分の乳首を抓り上げるように、ぎゅっと揉み潰した。苦悶に顔を歪めるが、その痛みさえ快感に変わる シグナムの身体は電流でも流されているかのように断続的に震え、白い繊手は制服の上から乳房を掴んでいた 『シグナム、胸が良いんですか?それじゃ、リィンも・・・』 「ふ、はぁぁっ、ぅぅっ・・・」 アギトとは対照的に、リィンは乳房全体を包むようにごく柔らかく触る 豊かな双丘をむにむにと揉まれる感触に、シグナムはぞくぞくとした悪寒にも似た快感が胸から全身に駆け抜けてゆき、思わず腰がくねくねと動く程だった 『シ、シグナム!何腰振ってるんだよ!そんな触り方よりもあたしの方が良いだろ!?』 『や、優しい方が良いですよね?アギトの触り方はデリケートさが無いんですぅ!』 『でりけぇとぉ?何だそりゃそんなお上品な言葉が出てくるようじゃまだまだガキなんだよっ!こういうのは激しい方が良いに決まってんだ!!』 『むぅぅっ!!いーですよっ!私の方が気持ち良くなれるって証明して見せますからっ!!』 「う、あぁぁっ!!ん、はぁっ!ふ、二人ともいい加減に、っ!!あぁぁ!!!」 頭の中で張り合うリィンとアギトを怒鳴りつけようとするシグナムだが、胸から秘部へと移ってゆく刺激に、ひとたまりもなく椅子から転げ落ちた 少し埃っぽい床に寝そべるような格好になって、乱れた制服を脱ぎ捨てるのももどかしく、衣服の上から己の身体をまさぐっていた 仰向けになり、胸と股間を弄りながら腰を浮かせてはしたない喘ぎ声を漏らすその姿は、傍から見れば異常に激しい自慰と映るだろうか ジャケットの中に挿し入れた指先はシャツの上から張り詰めた乳房をぐにぐにと揉みしだき、たくし上げたスカートから覗くショーツは溢れ出る愛液を吸ってぐっしょりと濡れていた 「うっ、ふ、あぁぁっ!も、もう、やめ、くぅんんっ!!う、あ、あぁぁぁぁっ!!!」 頭の中では、アギトが秘部に深く指を挿し入れ、襞を引っ掻くような指使いで快感を生み出している リィンは、指先で膣口を柔らかく刺激しながら、クリトリスを擦るように刺激していた [49]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:05:14 ID:CrTf7fBy ユニゾンしている二人もそれは同じな筈なのだが、二人の感覚がダイレクトに伝わってくるのはシグナムの身体だけだ 汗と涙と涎に塗れ、羞恥と快感に赤く染めた頬。熱く淫らな吐息を吐き出す艶やかな唇からは止めどなく嬌声が漏れ出てくる 長い髪の毛と制服に埃が付くのも厭わず、床の上に寝そべっているシグナムは全身をくねらせて快感を貪り、その熱さに酔い痴れていた 「ん、うっ、うぅっ!!も、もう、ダメ・・・だっ、うあっ、あっ、あぁっ!!っく、あ、い、いく・・・ッ!!ん、んんんっ!!!!」 両手をショーツの中に潜り込ませた格好のまま、シグナムの身体は弓なりに仰け反り・・・絶叫だけは堪えようとしたのだろう。硬く唇を噛み締めたまま彼女は絶頂を迎えた しばらく、余韻に浸るように小さく震えていた身体が、やがて、くったりと弛緩する。荒い息を吐くシグナムの脳裏で、脳天気な声が響いた 『ふぅ、予想外に派手にイッたな』 『ん・・・はぁ、そうでしたね。それで、シグナム。どうでした?』 「・・・はぁ、はぁ・・・ど、どう?とはどういう事だ?」 酸素を求めて喘ぐ唇から、何とかその言葉を絞り出したシグナムだが、頭の中の二人は猛然と食って掛かった 『だぁかぁらぁ!!!どっちのが良かったんだよ!!』 『そうですっ!!リィンの方が素敵だったでしょうっ!!?』 「わ、わかるかぁっ!二人とも、ぜぇ、そんな事を競うのだったら、はぁ、二人で直接競い合えば良いだろうがっ!!」 シグナムのその言葉に、二人はまたもや瞳の奥に闘志を漲らせて、 『つまり・・・先にイカされた方が負け。って事だな』 『う、受けて立ちますですよっ!!』 『へんっ!覚悟してろよバッテンチビ!足腰立たなくなるまでやってやるかんな!!』 『そんな下品な言葉で挑発してくる人に、祝福の風は屈したりしませんっ!!』 売り言葉に買い言葉を叩き付け合って、二人は猛然とお互いの身体に飛び掛かった・・・勿論、シグナムにユニゾンしたままで 「だから人の頭の中でやるな余所でやれ余所でっ!!くっ、あ、あぁぅ!!アギトっ、よ、よせっ、そこはお尻で、う、あぁぁっ!!! り、リィン!?お前はどうして、そんな、その触手は何だ、っぐ、ふぁっ!ふ、太いっ・・・あ、ぐぅっ!い、いい加減にしない、か・・・はぁんっ!!」 [50]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:05:50 ID:CrTf7fBy 深夜の医務室で、耳の裏まで真っ赤に染めているのは、ヴォルケンリッターの将:シグナムである 聖王医療院での緊急手術に駆り出されたシャマルに代わり、一晩だけ医務室の当直を受け持った彼女は・・・数日前に偶然見つけてしまった“原稿”を再び手に取ったのだ 以前、見つけた時に見たのは、痛々しいほどにきつく拘束されながらも悦楽を貪るシャマルと、サディスティックなエリオの姿だった だが、今眺めている原稿には、シグナム自身でさえ想像が付かない程に、快楽に乱れ狂う自分の姿があった こんな姿を勝手に描かれる屈辱に、最初は破り捨ててやろうかと思っていたが、今は自分が陵辱される姿から目が離せない。読み進めるなと心の奥では叫んでいるのだが、 震える指先が勝手にページを捲り、思い浮かべた事さえない自分の姿に、シグナムは確かに興奮していた ふと、シグナムは思う この原稿に描かれている状況と、自分の今の状況は酷く似ている・・・仕組まれたように、全く同じと言って良い 静寂の中に、微かに怒鳴り合うような気配が伝わってきた びくり、とシグナムは犯行現場を押さえられた盗人の様に肩を震わせて、原稿の束を元あった様に棚の中に戻した そうしている間にも、気配はどんどん近付いてくる・・・間違えようがない。アギトとリィンの声だ 「・・・まさか、な」 ごくり、と唾を飲み下して、シグナムは不安と緊張と、自覚できないほどの僅かな期待にドキドキと高鳴る胸を押さえた 不意に、シグナムに取っては悪い予感通りに、ドアが勢い良く開けられて、二人の小さな少女が現れた。二人はシグナムの姿を見つけるや否や、 「シグナムッ!あたしの方が優秀な融合騎だよな!!?」 「シグナムっ!リィンの方が優秀なユニゾンデバイスですよねっ!!?」 二人が猛烈に酒臭かったことを明記しておきたい 手術が終わり、仮眠室に案内されたシャマルは、密かに仕掛けていたクラールヴィントのサーチャーから送られてくる映像を眺めて唇を歪めた その笑みは、三日月の様な弧を描く、口の端が裂けているかのような、邪悪な笑みだった 「そう・・・ここまでできるのね」 [51]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:06:25 ID:CrTf7fBy シャマルは、確信を持つ 自分が描く同人誌には、『未来を描く』力がある その対象は自分だけでは無い。恐らく、良く知る人物であれば、キャラを把握している人物であれば、須くその未来を創ることができる そして、その未来から逃れる術は・・・恐らく、無い 後に、彼女は自分の中に秘められていた能力を、この様に名付ける ストレインジ・ドージン・ワークス。世にも奇妙な同人誌、と サーチャーから送られてくる映像の中には、想像の中でしか見たことがない、しかし想像通りの、シグナムの快楽に蕩けた顔があった どうやら、アギトがリィンの召喚した触手に全身を絡め取られたところらしい。シグナムも身体を棒の様にして小刻みに震えていた しかし、全身を締め付けられるその感覚も、まるで力一杯抱き締められている様に感じているはずだ よがり狂う将の姿を眺めながら、シャマルはうっそりと微笑んだ そうなるように、自分が描いたのだから [52]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:06:58 ID:CrTf7fBy 後日、聖王教会にて・・・定期検診が終わり、はやて達と守護騎士一同は久しぶりにのんびりした時間を過ごしていた はやてとヴィータは、カリムの所で紅茶をご馳走になっているようだ。ザフィーラは狼の姿で部屋の片隅に寝そべっていた シグナムはシャッハと模擬戦だろうか?はやて達と同席はしていなかった そして、シャマルはというと、近付いてくる秋の気配に淡い暖色に色付き始めている中庭の植木を眺めながら、のんびりと佇んでいた 検診の結果は特に異常無し・・・自分の秘めた能力については、未だに誰も知っている者はいない・・・シグナムからは何の相談も受けていない 「ふぅ・・・」 小さく、彼女は溜息を吐いた 自分の能力をはっきりと確認して以来、何本か自分自身を題材にした同人誌を描いたが・・・今は、どうも創作意欲が途切れたと言うか、電波が来ていない状態なのだ その事が寂しい様にも思うが、自分が満たされているということなのだろうか。とも思えるシャマルである 「・・・あの、騎士シャマル?」 不意に名前を呼ばれて、シャマルは慌てて振り返った そこには、髪の毛をざっくり切り落とした、活発そうな印象が漂う尼僧・・・シスターシャッハの姿があった 「シスターシャッハ?シグナムと一緒じゃなかったんですか?」 てっきり、シグナムと模擬戦でもしているのだろう。そう思い込んでいたシャマルは、小首を傾げてそう訊ねた 彼女はシスターながら、AAAランクの陸戦騎士で、空戦S−ランクの騎士であるシグナムをして『楽しい相手』と言わしめる実力者だ シャッハ自身も、自分とは性質の良く似たシグナムとは意気投合しているらしく、人当たりに関しては少々不器用な烈火の将の数少ない剣友の一人である そんな彼女だが、今日は少し様子が違う・・・まるで、風邪でも引いているのではと思える様に、どこかぼんやりしていた 「え、えぇ。今日は・・・その、騎士シグナムには申し訳無かったのですが、模擬戦を楽しめる気分では無かったので・・・」 「・・・何か、悩み事でも?私で良ければ相談に乗りますよ?」 「ありがとうございます。騎士シャマル」 「“騎士”の尊称は要りませんよ。シスターシャッハ。私は・・・自分で言うのも変ですけど、騎士らしくありませんから。呼び捨てでも構いません」 「・・・わかりました。シャマルさん。実は・・・その、こんな相談をするのは、少々情けなくはあるのですが・・・」 「?」 [53]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:07:32 ID:CrTf7fBy 「実は・・・その・・・シャマルさんは、えっと、その・・・異性との、交際については・・・どのように思われますか?」 顔を真っ赤に染めて、シャッハはやっとの思いでその言葉を口にした 「シスターシャッハ・・・もしかして、恋患いですか?」 「こっ、恋わずらっ!ち、違いますっ!あ、いえ、その・・・違わなくはないのです・・・し、しかし、私は修道女として聖王に身を捧げた者ですから、その・・・」 ちなみに、聖王教徒の婚姻は禁じられてはいないのだが 「シスターシャッハ。事情は大体察しました・・・少し、私の尋ねる事に答えていただけませんか?」 「は、はい」 シャマルの言葉に、シャッハは背筋を伸ばして姿勢を正した 「・・・恋を、していますね?」 「・・・・・は、はい」 「お相手は・・・さてはヴェロッサ君でしょう?」 「な、な、な、な、何でそれをっ!!!?」 他に接点がありそうな異性が居そうにないからですよ。とは言いにくいので、にっこり笑って誤魔化すシャマルである 「お似合いのカップルだと思いますよ。はやてちゃんのお兄さんみたいな人ですし、シスターとも長いお付き合いなんでしょう?」 「わ、私にとっては・・・その、出来の悪い弟の様に、つい最近まで思っていたのですが・・・実は、正式に求婚されてしまいまして・・・」 「まぁ、素敵じゃないですか!おめでとうございます、シスターシャッハ」 「で、ですが・・・私は、恥ずかしながら、今まで一度も男性との、お付き合いの経験が無くて・・・ロッサの真摯な気持ちには応えたいのですが、どうすれば良いのか・・・」 恥じらう様に、シャッハは頬を赤く染めて俯いてしまった その瞬間、シャマルは嗤った [54]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:08:06 ID:CrTf7fBy 久しぶりの、強烈な“電波”だった。唇の端が自然に吊り上がるのが抑えきれない程の 男性経験皆無なシスターと、そんな彼女を口説いたのは、軽薄そうに見えてしっかり者の査察官 二人は今まで家族の様に過ごしてきた間柄であり、姉弟の様に育ってきた・・・しかし、二人の間には勿論血の繋がりはなく、姉弟の関係も立場だけのものだ その弟が、姉に、求婚をした 姉としても満更ではないのだが、仮にも“姉”という立場なのだが、男性経験が皆無な所為でどう接して良いのかわからない 対する弟は何かと器用に生きてきた男だ。女性経験に関してはいまいち不明だが、少なくとも真剣に求婚した姿勢から、浮き名を流すような男であったとは思えない 『最初はまず舞台作り、尼僧服以外の、少し大胆なデザインのドレスで着飾ったシスターシャッハとヴェロッサ君で・・・クラシック鑑賞とかどうよ。 静か且つ荘厳な雰囲気の中でヴェロッサ君がそっと指輪を渡したりして・・・きゃーきゃーきゃー!もう公衆の面前とか関係ないわぶちゅーっと行って、それから初夜よごー! 何とかリードしようとするシスターシャッハだけど、どうも不器用で失敗するのをヴェロッサ君が優しくフォローして、その辺はじっくり煮詰めるとして、 その後のシチュとしては、夜の修行に励んだシスターの意外におしゃぶり上手な技に思わず暴発するなんてどうよ。苦いとか言いながらも嘗めるのってどうよ! あとはちょっとした事にシスターが嫉妬したりして、そこから少し険悪になりつつも何とか誤解を解いて仲直りにいつもより激しいのとかどうよっ!! 結婚式目前にして騎士カリムの「この泥棒ネコ・・・」シチュエーションも悪くないわね・・・いっそ三人で・・・こら逃げちゃだめよ、ねぇ、ちゃんとしなさい!ロッサ君! あとは、悪戯を企てた二人にお仕置きと称して蜂蜜でもぶっかけて猟犬プレイなんてのもイケル!これはイケル!!ハッハァー!!!キタキタキタキタァァァ!!!! 創作意欲がガンガン湧いてキタァァァァッ!!!このカップルだけで半年は遊べるぜヒャッホ――――ゥ!!!!ィィィヤッフゥゥゥゥ!!!!』 「あ、あの、シャマルさん?」 「シスター!何かご趣味などありませんか?」 「しゅ、趣味ですか?ロ、ロッサはお菓子作りとか得意ですけど、私は・・・趣味というと、鍛錬に励むこととか・・・」 『パティシエ:ヴェロッサのデコレーション教室。今日の素材は女体ケーキ。ちょっと起伏が少ないのはご愛敬だコンチクショウ!!!』 「修行に励むのは感心ですが・・・それは趣味とは・・・」 「で、ですよね・・・あまり自慢にはなりませんけど、乗馬を嗜んだことがあるんです。時代錯誤ですが・・・」 『「今日は私が上なんですか?」「これは騎乗位って言うんだ。ほら、馬に乗ってるみたいだろう?」「んっ、これ、深い・・・っ!ロッサ、あんまり揺らさないで・・・!!」 「でも、馬は車とは違うんだ。揺れるのは仕方が無いから。ほら、しっかり乗りこなして」「ん、あんっ、あっ、ひゃあんっ!」「ほらほら、まだ駆け足程度だよ」 「だ、ダメ、こんな暴れ馬、私にはとても・・・んっ、んあぁっ!!」「暴れ馬、っていうのは、これくらいかなっ!!」「ふあっ!あっ!あっ!!そんなっ、だめっらめぇっ!!」 よっしゃぁぁっ!!いける!美味しいシチュゲッツ!!!』 [55]世にも奇妙な・・・その2 2007/10/31(水) 00:08:44 ID:CrTf7fBy 「あの、シャマル・・・さん?」 「話はわかりましたシスターシャッハ!微力ながら、力を尽くしましょう!」 「は、はぁ・・・?あの、一体・・・?」 困惑顔のシャッハに、シャマルはにっこりと、傍目にはどう見てもにやりと、笑みを見せて、 「私は医務官ですから、恋のお薬も処方できるんですよ?」 その言葉を、一風変わった元気付け方だと受け止めたらしい。シャッハは笑顔を見せてシャマルに頭を下げた 「よろしく、お願いします。シャマル先生」 「お任せください!きっとシスターの恋の病に効く薬をお出ししますからっ」 シャマルはそう告げてシャッハと別れると、いそいそとはやてに念話を繋いで先に隊舎に戻る旨を伝えた 折角の余暇だというのに、慌ただしく隊舎に帰ろうとするシャマルに、はやては驚いた様子で尋ねた 『え?シャマル、もしかして患者さんでも待ってるん?』 『はい、少し厄介な患者さんで・・・早めに、お薬を出しておきたいですから。はやてちゃん達は、しっかりお休みを取ってくださいね』 『んー、ほんなら仕方無いか。私達は夕方くらいに戻るから・・・シャマル一人で仕事してるのに申し訳無いけど』 『良いんですよ。それでは・・・』 その日の夜、医務室から微かに、『ロッサのヴィンデルシャフト、すごいっ!硬くて、太くてっ!』とかいう声が聞こえてきたとか何とか 後日、シャッハの元にシャマル作の「恋の処方箋」が届いた。封筒の中には折り畳まれた原稿。そこに描かれていたは、とあるコンサートのチケットを持って現れるヴェロッサ そのコンサートが、かねてから行きたいと思っていた楽団のものであり、抱きついて喜ぶ自分と、照れ笑いを浮かべるヴェロッサの姿に、シャッハは唇を綻ばせた きっと、シャマルは自分を元気付けようと、こんな風にマンガにして送ってくれたのだ。そんな風にシャッハは思っていた。何だか勇気が湧いたような気もする 彼女は知らない。今まさに、ロッサがコチコチに緊張した足取りで廊下を歩いてシャッハの部屋に向かっていることと、指先でチケットと指輪のケースを確かめたことを ロッサがシャッハの部屋のドアをノックするまであと37秒。それはつまり「恋の処方箋」が効き始める時だった [56]26-111 2007/10/31(水) 00:10:49 ID:CrTf7fBy 以上です・・・取りあえず、色々ごめんなさい 前回の話に引き続き、シャマル先生ネタでした、壊れ風味ですが 願わくば、彼女が本業(女性向け創作)に戻りませんように・・・ 次に書くなら・・・ナンバーズ、非エロで一本電波が来ているので、それになるかな それでは、スレ汚し失礼しました [57]26-111 2007/10/31(水) 00:11:29 ID:CrTf7fBy あぁ、一秒早かった・・・ [58]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 00:40:37 ID:MPGcDGL/ >>57 GJ! GJですぜ! シャマル先生ぶっ飛ばしすぎ! 自重……いや、もっとやれ! この調子で他のメンバーの恋愛相談とか受け付けながら創作活動に精を出すシャマル先生が容易に浮かんできましたよ! でもなのはさんやフェイト、フォワード陣には手を出しても、はやてだけには手を出さないんだろうなぁw [59]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 01:22:15 ID:sDNzk8z6 >>57 なんというシャマル先生GJ! このシャマル先生はエリオ、ロッサにとどまらず、 ユーノ、クロノ、ヴァイス、グリフィスどころか、スカまでネタにしそうな勢いだなw [60]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 01:34:32 ID:10Xnl9kE >>57 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ GJッッッ!!! ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ [61]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 01:39:31 ID:pGmhkWH+ >>57 GJです! ダメだ このシャマル・・・ 早くなんとかしないと・・・ [62]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 01:49:05 ID:+Qy+O1+D >>57 シャマル先生妄想をぶちまけろ自重w しかし2〜3日でエロ同人誌を一本描き上げるとはなんという速筆 つか、普段ちゃんと仕事してますかそこのへっぽこ医務官 [63]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 01:49:20 ID:3bUw6Kjd >>31 GJ!ははー。確かにこんなやりとがあってもおかしくはない 冷静な大人の雰囲気を醸し出すヴァイスを見せて頂きました ……ところでヴァイスって何歳なんでしょーね >>56 しゃ、シャマル先生あんたって人は……GJ! さあもっと書くんだ!そのマッド・スプリクトを!決め台詞は「ときめいて死ね」だ! もちろん死亡フラグだけど [64]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 02:16:24 ID:SkPLWM7y >>31 おお!!前作のキャッチボール日和もよかったがこれまた良いSSですね。 ティアナは良く動くなあ。もしも4期があるのならと夢見てしまうや。 [65]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 02:34:11 ID:SkPLWM7y >>57 シャマル自重ww しかし、波紋とスタンドの両方を使えるジョゼフジョースターみたいなキャラに邪進化してるなあww [66]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 02:35:42 ID:4ldTBno+ >>17 GJ!エロエロっつーかラブラブっつーかもうなんかあれですよあれ。 >>31 ヴァイスかっけええええええっ!!! >>56 駄目だこのシャマル先生……早く何とかしないと…… さて、スレ立てから10時間も経過してないのに5分の一弱の90kbを超えてる件について。 [67]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 02:39:22 ID:d/iXARSS >>64 なんか今月のメガマガ見たら監督が4期っぽいことを・・・・ [68]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 02:46:34 ID:+Qy+O1+D 今何となくダンボールの奥底に眠っていたとらハ3の4コマアンソロ読んでるんだが… 発行年数を確認すると自分が年取った事を実感して軽く鬱になるorz [69]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 03:01:46 ID:SkPLWM7y >>67 (; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;) 4期は八神はやて国務長官と高町なのは国防長官の権力争いかね [70]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 03:47:38 ID:3bUw6Kjd 汚職の擦り付け合いと見たね A「カートリッジを、接待として受け取っていたと聞きましたが。他に何か接待を受けましたか?」 なのは「―――えーあー。夫も常に同伴しておりましたので、えー、ストレージデバイスセットを夫婦共々、一式頂いたことはありました」 [71]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 04:02:29 ID:d/iXARSS >>69 詳しくはメガマガを買って読むのだ。 [72]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:25:01 ID:wYzO7nLF 昨晩、上げそこねた分をUPします。 Long-distance ―銃口と標的の間― 02 {ヴァイス}{ティアナ}{微エロ有・一応18禁}{モブにオリキャラ}{StS後日譚} 第二話 「射程距離外の長距離恋愛」 エロについてはほんとにささやかなので、過度に期待しないでくださいまし。 [73]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:25:52 ID:wYzO7nLF Long-distance―銃口と標的の間―02 {ヴァイス×ティアナ}{微エロ有・一応18禁}{モブにオリキャラ}{StS後日譚} 「ヴァイスよ。お前に客だぜ」 『猫背』の声が聞こえた。ヴァイスは思い出したように時計を見る。事件発生から8日 目、事件発覚から4日目、包囲開始から3日目、交渉開始から48時間、そして、交 渉人として城に入ったティアナ・ランスター執務官補佐が通信回線を通じて一方的に 「任務放棄」を通告し、テロリスト側の交渉担当者となることを宣言して――12時間。 「新しい交渉人が来たんだけどな……なんでかしらんが、お前に面会だとよ」  現地の指揮官と対策本部はすったもんだの挙句、地上本部に新しい交渉人の派遣 を要請した。現地の対策本部には当然ランスター執務官補佐に「何かあった」場合に 備えて控えの人員が居たが流石にこの状況までは想定していない。はっきりいって誰 が担当しても荷が重すぎた。故にさらなる派遣要請となり、今その交代要員が到着し たらしい。半日がかりというなかれ。世間注視の大事件で、しかも管理局派遣の交渉 人が敵側に寝返るという驚天動地の事態に対応すべく派遣される「交代要員」である。決断・人選・調整などの手間を考えれば驚異的な速さといってよい。  どんなヤツが来たのかヴァイスも興味があった。こんなとんでもない事件に派遣され たのだ。有能なのは間違いない。超一流がはみ出しかベテランか大物か。いずれに せよ、作戦参加のいちスナイパーに会いに来るとは常軌を逸していた。  だいたい彼とティアナとの関わりはデータを見れば明らかで、ヴァイス自身を問答無 用でメンバーから外す事の方がまだ常識的だった。その彼に何の話があるというのだ ろう?  廃墟に澄んだヒールの足音がして、ヴァイスは思考を中断した。足音は部屋の入り 口で止まる。ヴァイスは頭を上げ、その姿を確認して、そうか、と納得した。 「なるほど……“速い”わけだ」  今、本局だろうが地上本部だろうが、管理局全体を見渡しても『彼女』以上に迅速な 行動を取れる人間はいないだろう。いや手を回して自分自身を「派遣させる」ことすら 可能かもしれない。それだけの実績と能力と政治力すら持ち合わせている。  そして、ついでにこの人物なら自分をメンバーから外さず、まず、いの一番に自分の ところへ来て、彼が話したくないことまですべて残らず、吐かせてしまうだろう。 「恐れ入りました。“金色の閃光”直々のお出ましですか」   コンクリむき出しの廃墟におよそ似つかわしくない、そのあまりに瀟洒な立ち姿。 「ひさしぶりだね――ヴァイス」  そこにフェイト・テスタロッサ・ハラウオン執務官が立っていた。 ◆ ◇ ◆ 「よく『上』が許可を出しましたね」   ヴァイスのいう『上』は特定の個人をさしていない。それは『管理局地上本部上層 部』とよばれる不可思議な“群体”の総称だった。 かつてのレジアス・ゲイズ中将のような強烈な牽引者はその後現れず、かえってそ の反動で強権を忌避する向きすらあって、当然、思い切った方針も登用もなく、今の 上層部は贔屓目に見ても衆愚政治一歩手前の事なかれ主義全盛。どれほど有能で あろうが、立て篭もり事件の担当者に “当事者”の『身内』が選任されることなど、考 えられない。  たとえそうであっても、何とかしてしまうのが目の前の女性だと知っているが。  ヴァイスがそういうと彼女はゆっくりと首を振った 「そんなに難しい話でもないよ。要するに対策本部は迷って二手に分かれているんだ」  フェイトはいつもどおり、やわらかいが、感情の抑揚を抑えた口調で淡々と説明し た。 「ランスター執務官補佐の『裏切り』が、犯人を逮捕するための『擬態』ではないかと考 える人もしくはそう信じたい人――そして、反対にそうでない人たち」  要するにティアナ・ランスターという人間を知っている者と、そうでない者だ。 ティアナが何故管理局に入り、何のために執務官をめざし、どんな風に戦ってきた かを知っている者であれば、その志を、熱誠を疑いはしない。しかし、 [74]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:27:09 ID:wYzO7nLF 「本局でリンディ統括官に面会した時、真っ先にティアナの人となりを聞かれたよ。こ んな状況におかれた場合、どんな行動をとるのか、そして今度の行為にどんな意味が あるのか、ってね――あの人は……リンディ母さんは、わたしの補佐だった頃のティア ナと何度も会っていて、彼女をよく知っているはずなのに」  ヴァイスもその名はよく知っている。かつて名艦長として令名高く、現在は本局統括 官の重職にあるリンディ・ハラオウン。彼の時空管理局・次元航行艦隊提督クロノ・ハ ラオウンの母であり、同時に高町なのは、八神はやて、そして当時はフェイト・テスタロ ッサと名乗っていた目の前の女性の才能を見出して引き立て、これらの偉才が世に 出るきっかけを作った本局きっての「名伯楽」である。およそ人の可能性を見出すこと について、彼女ほど確かな「目」を持つ人物も稀といえる。  そのリンディ統括官ともあろう人が、出会ったことのある有能な管理局局員の人柄を つかみ損ねるわけもなく、ましてや思い出せないわけもないだろう。 「今回の彼女の行動はあんまり突拍子無くて、ティアナをよく知っている人間でも―― いや、慎重で冷静な彼女を知っていればこそ、不安に思わずにいられないんだろう ね」  だからこそフェイトは自分の身内の不安にすら付け込んだ。「ティアナと言葉を交わ し、状況を打開できるのは自分だけだ」と、リンディやクロノはじめ、本局・地上本部の 首脳に働きかけ、説き伏せてここへ来たのだという。 「フェイトさんは、どっちなんスか?」 とヴァイスが問う。今回、肯定と否定、どちらの立場なのか、と、しかしフェイトは「私に はわからない」と答えた。 「冷たい言いようだけど。  私は、他人の心は理解できるものじゃないと思ってる」  冴え冴えと澄み切った美貌が、虚ろなほどの無表情に覆われて、今、ヴァイスの前 に立っている執務官を、まるで見も知らない初対面の他人のように思わせた。 「どんな人間の心にも、深い闇がある。それを見通すことなんて誰にもできない。どん なに近く思っていても、どんなに想いを寄せても、結局、人ができるのはその人のすべ てを理解することじゃなくて、その人を信じることだけなんだよ」  そんな聞きようによっては身も蓋もない人間観を告白した後で 「――でも、それは今、現場にいる私たちが考えることじゃない」 沈黙するヴァイスにフェイトは真っ直ぐ視線を向けた。 「ティアナを信じることはここに居ない他の誰かに任しておけばいい。私たちに必要な のはティアナを信じることじゃなくて、ティアナがやろうとしていることを正確読み解くこ と――限られた情報の中から彼女の意図を汲み取るというアプローチだと思う」  だから、ヴァイス。と、フェイトは彼の顔を真正面から見つめた。 「私に全部話して。ティアナの事を全部。あなただけが知っている素顔の彼女のことを ――すべて」  紅い瞳がレーザサイトのように無機質に引き絞られている。まるで、普段の温和が すべて偽りであったのではないかとさえ思えるほどの酷薄さで、 「私は、それを最後のひとかけら(ピース)にして、この事件(パズル)を解くから」 彼女はヴァイスに静かな声でそう告げた。  Long-distance ―銃口と標的の間―  (ヴァイス×ティアナSS) 第二話 「射程距離外の長距離恋愛」 [75]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:28:15 ID:wYzO7nLF  ティアナがフェイトの執務官補佐として転属して、一年が過ぎようとしていた。  離れて暮らす寂しさはあったが、彼女は休み毎に小まめにクラナガンへ帰ったし、こ の頃は、ヴァイスに対して敬語抜きで普通に話せるようになった。別れる時は今生の 別れのような気分になったが、移動なんてそんなもんである。要は「慣れ」の問題だ。 『……で、今週末にはそっちに帰ろうかと思って』 「……んだよ。んな時間にかけてくるから、何ごとかと思えば」  当直勤務明け。官舎に帰って横になったとたん、着信音で叩き起こされたヴァイス は、これ以上ないくらいに不機嫌だった。 「そんなことのために電話してきたのか」 『そんなことって……なによ。その言い方は』 「本局の回線を使って、私用電話をするなと言っとるんだ俺は」  ヴァイスが声をひそめて呟くようにいうと、映像回線の向こうで、彼の彼女――ティア ナ・ランスターは「こほん」と空々しく咳払いした。 『無論、プライベートです。料金はお給料天引きで』 「本局の、準とはいえ待機中に、制服のまま、オフィスの自分のデスクから架けている のにか?」 『そ、そうよ』  んな器用なマネができるか?とヴァイスは再び視線で追求する。ティアナは眼をそら せた。 『えっと。そっち着いたら、とりあえずヴァイスの部屋にいくね。そろそろ片付けないとキ ノコとか生えるんじゃないかと思ってたし』 「話を聞け、というか、んなもんは、生えてない」  みろ。と画面から体をずらして部屋を見せる。ティアナはぐっと身を乗り出してのぞき こんできた。 『ああ、ほんとだ。意外にきれいだ』 「……俺だってな。お前のほかに、掃除をしてくれる女くらい、いるんだよ」 『あっそ……それで週末の予定だけど』 「…………信じてねえな」 『いいえ。安心しました……のよ』 「……」  一瞬、ティアナの語尾が変になり、ヴァイスの眉がぴくりと動いた。 『ほ、ほんとだから――後、相談があって、夜に時間とって欲しいんだけ』 「あのよ」と、がりがりと頭をかいてヴァイスは話に割り込んだ。当直明けの寝不足で いまいち脳の周りが悪く、相手のペースに合わせられない。 「最近、なんだかんだ理由つけちゃラグナが遊びに来るんだ。ぶっちゃけると、実は部 屋の掃除もあいつがやってる」 『あ、そう』 「なんでも『そろそろ弱ってきてるから攻めるなら今』って、誰かに吹き込まれたらしい」 『へ、へえ、そーなんだ。いいことだと思います、のよ?』 「お前、相変わらず、都合悪くなると敬語に戻るよな?」 『うっ』 「昔俺はお前に『俺と妹のことに口出すな』っていったよな?」 『…………はい。――じゃなくて! いやっ! あたし! なんのことだかさっぱ、り っ!』 「……ありがとな。面倒かけた」 『……知らないから! あたしなんにも! ……え?』 「帰る時間わかったら電話くれ。二人で迎えに行く。ラグナも会えるの楽しみにしてる。 飯でも食おう……って、どうした。なんでそこで固まる?」 『……………………(ひぐっ)』 「泣くなっ! なんでそこで泣くっ! オフィスで私用電話しながら、泣くなっ」 『らって、あたし“余計なことを”て絶対怒られると……(ひっく)おも、おもっ、ラグナも喜 んでくれ、くれてら(ぐす)ってきひて、ほっとしてぇ、だ、だからぁ(えっぐ)よ、よかった、 ほんとに、これで……やっと、みんなで』 [76]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:28:46 ID:wYzO7nLF 「こ、この馬鹿ったれ! なにか、俺か? 俺が悪いのか! 余計なことして、勝手に ボロッた挙句に、しかもその直後にドツボったのはお前だろうがっ てめえ、それでも 執務官志望かっ うかつにもほどがあるぞ!」 『――! ああっやっぱり余計なことっていったっ! しかも言うに事欠いてうかつとか っ! だから! あたしは何にもしてないっていってるでしょ! 知らないわよ! 曹長 の部屋がゴミで溢れようがつ、へんなキノコ栽培しょうが、しったこっちゃないわよ! 』 「へんなキノコってなんだっ! しかも、また曹長って素で階級呼びしやがって!」 『あ……じゃなくて! 知らない! 馬鹿ヴァイスっ! ゴミに埋もれて発酵しろっ! 』  がっつうんん(打撃音にも似た切断音) 「痛たたっ ええい、ちくしょう! 切りやがった。あの馬鹿ったれ!」  当直明けである。官舎に戻って寝ていたところたたき起こされたヴァイスの頭は、本 当にぼやけてた。その頭でしばらく考え、そして、ふと思い出した。 「そういえば、あいつなんで電話なんてかけてきたんだっけ?」 ◇ ◆ ◇ 『そりゃあもう、オフィス全体に鳴り響くような大声で、内容がこれ以上なく痴話げんか なんだもん。私用電話にしたって、もうちょっとやりようがあるだろーって話でさ』 「……だな」 『……で、ティアナってば、あの後、職場における公私の別について、こんこんと説諭さ れて……あのフェイトさんから』 「…………」  あの、某教導官と真逆の、おおよそ誰に対しても甘く優しく、叱るとか怒るという単語 の存在すら知らないような、許しと癒しにあふれた慈母の女神のごとき、 「フェイトさんから、か」  そりゃあ、堪えたろうな、とヴァイスはため息をついた。画面の向こうでメガネの方の 執務官補佐が腕組みして頷いている。  突然ティアナから掛かってきた意図不明の私用電話が問答無用で切られた後、気 になったヴァイスは本局のシャリオ・フィニーノ執務官補佐に連絡を取った。ティアナに は、ああいったが、彼がやっているのも立派な私用電話である。 『なんというかさ。ティアナって大人びたところがあって、仕事中はそれこそわたしより よっぽどしっかりしてるのに、ヴァイス曹長と話してる時は年相応というか』 「いうか?」 『才覚不相応というか。とにかく自然で、少し子供っぽくなるような気がする』 「……あいつ、またなんかしくじったりとか迷ったりとかして、それで」  ストレスたまって草臥れてるのだろうか、と言外に聞いてみる。 『そりゃあね。陸士で毎日鉄砲撃ってた子がコツコツ勉強してたとはいえ、いきなり執 務官補佐だもん。たとえて言うなら、レギュラーでピッチャーやってた人間が、突然スコ アラーとヘッドコーチを兼務でやるようなもんで、デスクワークも多いし地味な調査や 法律関係の勉強もあるし、船に乗ったら電話の一本もできなくなるし。日々やることな すこと初めてで、この一年さすがのあの子も『躓きながら全力疾走してる』て感じで』 ヴァイスは少し考え込んだ。ティアナは休みの度に帰ってきてはヴァイスの部屋を 掃除してご飯をつくり時間があれば二人で遊びにいって、また次元の“海”へかえって 行く。自分なりに彼女の事を見ていたつもりだったが、全くそんな様子は感じられなか った。 『うーん。ティアナが元気な時はさ。それでいいんじゃないかな。プライド高いから彼 女』  誰にでも弱いところとかあるけど、ティアナがまた、周囲にそれを意地でも感じさせな い子だから、と、長年フェイトの補佐をつとめ、今はティアナの先輩であり指導担当者 でもあるシャリオ・フィニーノ執務官補佐は映像越しに笑って見せた。 『でもさ。そろそろ一緒の時くらいは甘やかしてあげなよ。あの始終一生懸命張り詰め てたティアナが、時々でも緩んでるのって、わたしはいい傾向だと思うよ』 「そうか、わかった……悪かったな。仕事中に邪魔した」 [77]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:29:31 ID:wYzO7nLF 『ううん。平気平気。わたしはいつも私用電話してるもん。ティアナとは年季が違うっ て』 と、かんらかんら、と口をあけて豪快に笑うメガネ補佐。しかし画面に映る通行人や周 囲の人間は「いつものことだ」とばかりに誰も驚かない。 「…………」  ヴァイスは少しティアナの研修環境を心配した。   これでいいのか。時空管理局などと、彼が思っていると、シャリオが誰かに呼ばれた らしく、顔を画面の外に向けた。 『はーいー、ただいまー、――ごめんなさい。フェイトさんが呼んでるから、切るね。な んかあったら、また電話して』 「すまん。恩に着る」 ◇ ◆ ◇ 「……で、その後シャーリーさんてば、フェイトさんに呼び出されてみんなの前でお説 教されて。誰に電話してたのか知らないけど、あんな怒ったフェイトさん初めて見たな あ」 「そ、そうか?」 「シャーリーさん、最近私用電話が多かったのよ。そのせいか職場全体に私用OKな 雰囲気が出てきてて、さすがに不味いと思ったのか、ついに、『あの』フェイトさんがシ ャーリーさんを自分のデスクの前に立たせて 『一番長く私と一緒に仕事している貴女がそんな事では、周りに示しがつかないでしょ う』 って。それもけっして声を荒げないで、あの静かな口調まま心底悲しそうな顔で、えん えん1時間。もう見てる方もシャーリーさんのうかつに同情していいのか、フェイトさん の真心にもらい泣きしていいのかわからなくなって、勿論誰も間に割り込めなくて。必 然的に書類は止まるし決済は降りてこないし、さらに部屋中にその空気が伝染して、 午後からは向こう三軒開店休業みたいな雰囲気になったんだから。 正直休暇とれてほっとしたわよ〜」  心底げんなりした顔で肩を落とすティアナ。ヴァイスはいたたまれなくなった。 「ふ、ふーん。そ、そうかーそりゃ大変だなー」  思わず台詞が棒読みになって、ティアナが訝しげな表情(かお)をした。ヴァイスは見 ていない振りして、顔をそむけた。  二人は今、管理局地上本部にいる。 『陸』に上がったティアナが書類を地上本部に届けるために立ち寄り、待機明けのヴァ イスが彼女の用事が済むのをロビーで待って合流して、先だっての電話の件の後日 談を聞くことになった。聞いて、さすがにヴァイスも良心の呵責を覚えた。寝覚めの悪 いことにどうも引き金は彼の私用電話らしい。  こりゃあ――間が悪かった。シャーリーに悪いことをした。  ティアナと肩を並べて、地上本部前の広場をモノレールに向かって歩きながらヴァイ スは心の中で手を合わせた。なんまんだぶ。なんまんだぶ。  が、それにしても。 「…………」  シャーリーが気の毒なのはそれとして。  それなりの立場にある腹心を人前で説教なんて、心配りのできるフェイトには珍しく 強引なやり方だ。普段の彼女なら問題が顕在化する前にシャーリーと話すなり何なり していたろう。ヴァイスには今回、フェイトが「らしくもなく」後手に回ったように思えた。 「どこに電話かけてたんだろうな……」  引っかかりを解消したくて、それとなくティアナに水を向けると 「色んなところ。わたしも聞いた話だけど、地上の捜査部の密輸係とか、ミッドの特殊 救助隊基地とか、辺境の自然保護隊宿営地とか、あと何故か戦技教導隊のオフィス にも……ん? なによ、どうしたの?」  ヴァイスは反射的に、口元に手を当て出かけた声を抑え、表情を隠した。 [78]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:30:20 ID:wYzO7nLF 「なんでもない」  いきなり謎が解けた。トンカチの騎士とハチマキ娘と年少二人組と心配性で世話焼 きの師匠。たぶん、いや間違いなく全部ティアナ関係の近況報告だ。これはさすがに 本人の前では口にできない。聞こえないように小さくため息をつく。 「フェイトさんも、そりゃあ注意しにくいわな」  再び疑問符を浮かべるティアナに向かって手を振る。  離れた仲間は気になるものだ。とりわけ六課のフォワードはいいチームだった。それ なりの経歴を積んだ上での「通過点」だったヴァイスと、いろんな意味で「出発点」だっ たティアナたちとでは、自ずと「仲間」の意味合いも異なってくる。ましてやティアナは 自分から電話をかけて昔の仲間に愚痴を言ったりするタイプでもないから、自然と周 りが彼女の様子を探るような図式になって、さらに本人やフェイトには聞きづらいもん だから情報源が限られてきて、誰も彼もが聞きやすい相手に電話をかけて挙句に回 線がパンクした……と、そういうことらしい。 「……愛されてると喜ぶべきか、心配されていると懸念すべきか」 「はい?…………」 「わからんならそれでいい。気にするな。大したことじゃない」  誤魔化す意味もあってヴァイスは少し歩く速度を速めた。追求はなかった。代わりに 軽い足音がすぐに追いついてきて、それから 「…………」  つつましく、かすかな重みが彼の肘に加えられる。見なくてもそれがティアナの手だ とわかった。 「休み中、行きたいところ、あるか?」  彼のぶっきらぼうな問いに、ティアナは「別に」と、首を振った。 「あたしは、一緒にいられたら、それで」  あまりに「よい子」の返事だったので、ヴァイスは何も言わず、反対側の手でティアナ の頭をぐりぐりと撫でた。  綺麗に梳られた髪が乱れたが、ティアナは「ご褒美」にのどを撫でられた猫のように 目を細めた。 「言ったな? よし。じゃあ、一週間、部屋でごろごろするか」 「一週間?」  きょとんとした顔でティアナはヴァイスの顔を見上げた。  ヴァイスは前を向いたまま、照れくさそうに鼻の頭を掻きながら、付け加える。 「俺も休みとった。最初の三日は準待機だから夜は隊につめるけど、後の4日は全部 フリーだ。どこへだって連れて行けたんだが、お前がそれでいいなら、部屋に篭るか?  そりゃあ面倒がなくていいな。俺はそれでも構わんぜ?」 「あ……」 「だから黙るなよ!そこは怒るところだろ! 騙されたとか、甲斐性なしとか!」 「え、あ、うん。なんかうれしくて、頭が回らなかった」  あまりに素直というかマイルドな反応が返ってきてヴァイスは言葉をなくした。  最近戸惑う。こいつは、こんなに何もかも素直に話すやつだったろうか、と。そしてそ の素直さに、無防備さに、これほどあっけなく翻弄される自分が意外だった。  しかし、それは意外であっても不快ではなく、むしろ心地よかった。  何か言わねばと思い、しかし出てくる言葉もなく、ため息ついて、深呼吸して―― そして、 「そっか、それもいいか……」  何とかそう答えて、それから、本気で一週間ごろごろするのもいいか、と思った。 「だ、だからって……」  真夜中過ぎのバスルーム。 「いきなり、こんな……」  寝つけなくてシャワーを浴びようと服を脱いだティアナを、いつのまにか後ろにいた ヴァイスが抱きすくめた。 「あたし……そんなつもりじゃ」 「だったら、なんで脱いだ? 俺がいるのを知っていたのに」 [79]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:31:06 ID:wYzO7nLF 「……そんなの、気づかなかったからに、きまって」 「うそつけ」  うなじの後れ毛に息を吹きかけながら、髪を指で、下から上へすき上げる。 「魔法はミッド式でも、格闘戦の師匠は近接最強の古代ベルカ騎士――そんなお前 が、足音も殺してない俺に気づかないわけ、ないだろう?」 「……」  沈黙を肯定と受け取り、抑えた腕の間からブラジャーを抜き取り、着替え籠の中に 放り込む。 「そんなに寂しかったか? 帰ってきたその日の夜に、俺をバスルームに誘うほど に?」 「ちが……っひつ」  白い肌をゆっくり指が這い降りる。彼の細く長く、乾いた指が降りてゆくのにあわせ て、ティアナののどが動く。 「この、あまのじゃくめ……」 「あたしは、そんな、こと、す、すこしも」  なめらかな肩も、つるりとした曲線の腹も、かわいらしい臍も、帰ってくるたびに少し ずつ豊かさと張りを増す二つのふくらみさえも無視して、指は太ももの付け根にたどり 着く。そのままヴェージュのショーツと、肌の境目を確かめるように、二度、三度、行き 来する。  ティアナの頭が微かに揺らぐ。視線が自分の体を伝い降りるヴァイスの指から離れ ない。 「そんないやらしいこと、考えてなんか……」 「今にわかる」 「あ! だめ! まって――うあっ」  テーブルクロスをまくるように、密やかに指が忍び込む。布の上から確かめることさ えしなかった。 「か――はっ」  ティアナのおとがいが跳ね上がる。いきなりスリットをなぞられ、一番敏感な頂点を 穿(ほじく)られて押しつぶされた。見もせず弱い場所を続けていじくられた。 「あ、あ、あ……あ。はああああうっ」  ため息とも深呼吸ともつかない吐息は、すでに熱く湿っている。白い肢体をびくり、び くりと痙攣させる。愛撫というほどの愛撫もしていないはずなのに、彼女のそこは滑る 雫で溢れていた。ティアナはそれを知られたはずかしさとペースを奪われた狼狽で、 慌てた。 「ちょ、ちょっと、まって! いきなり!――いや、あうっあうっ。あううっ!」  否定と拒否の言葉とは裏腹に。逃れようとする上半身の動きとも裏腹に。彼女の局 部は「じゅっ、じゅっ、じゅっ」と彼が指を動かすたびに、湿った音を立てて泡立ち、や がて 「くうっ……っ くひっ――!」 びっくん。と体が反った。後頭部で彼の体を後方に押しやるようにつま先立ちする。 「あ、ああ、あああ」  どうやら、軽く達したらしい。敏感にもほどがある。  ヴァイスが細い肩越しに様子をうかがうと、それにあわせたようにティアナが振り返 った。硬く引き結んだ口元と急角度で跳ね上がった形のよい眉。そしてつり気味の眼 の目じりに涙がたまっていた。大変ご立腹であるように――見える。  謝罪の気持ちを込めて、ヴァイスはちゅっとついばむようなキスをした。 「悪い。キスするの、忘れて」  ――だが、 彼が言葉が終わる前に。白い腕が伸びてきて彼の頭を捕らえた。手のひらで両耳 を覆い、指先を髪に絡ませてがっちり掴む。さらに、動きを封じるためか、ぶら下がる ように体重をかけてきた。思わず頭が下がる。「ぐおっ」と、ヴァイスは思わず呻いた。 腹筋を締めて前に倒れる事を防ぐ――と。  気がつけばティアナの真っ青な瞳が目の前にあった。彼女はのけぞるような不自 然な姿勢のまま、顔をずらして――そして。 [80]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:32:06 ID:wYzO7nLF  舌で唇をこじ開けるような強引さで、力任せに――「逆襲」のキスがきた。 「あむ。は、はふ。ふふっむ」  びちゃびちゃとまるで舌で口内を攪拌するような乱暴なディープ・キス。ヴァイスも応 じる。――が、攻め込まれたまま、防戦一方になる。というか「犯してやるうっ!」と いわんばかりの凄まじい迫力に背筋があわだつ。なんとか後ろに下がろうとしても、テ ィアナが両手でぶら下がるように彼の頭をホールドしていて、容易に、脱出できない。 「はは、むふ。ああんむ。はむ。むちゅ。むちゅ。――ちゅううう……」  延々と湿った音が響く。それが三分あまりも続き、いい加減、息が続かなくなって腹 筋も背筋も攣りかけた頃、 「ぷっはああっ!」 と、まるでちぎる様な勢いで、ようやくティアナが彼の頭と舌と唇を解放した。そうして、 こちらに睨みつけたまま、涎まみれの口元を手の甲でぐいと唇を拭う。 「……てめえ」とヴァイスは低い声で呟いた。 血が滾りすぎて頭痛がする。酸欠寸前でめまいがする。――否。ヴァイス自身がキ レかかっているのはそんなことが問題ではない。  ティアナはそんなヴァイスを縄張りを守る山猫の目つきで威嚇した。そして夕焼け色 の髪を一振りして彼に背を向け、しみ一つない真っ白な尻とキレのある脚線を見せつ けるかのような姿勢で最後の下着を足から抜きさり、さらに『それ』をヴァイスが脱が せたブラジャーと同じ籠に叩き込み、 「ふんっ!」 と、するどく鼻をならし、肩を怒らせ大股で、バスルームの奥へ消えていった。  彼の唇にはキスと呼ぶにはあまりに荒々しい一方的な蹂躙の感覚がだけが残っ た。 「さすがは『近接最強』のベルカ式」  ぼそりと呟いて、ヴァイスもまた口元を拭った。正直、すでに頭に血が上っていた。 無論、下にも血が回っていた。脳髄を煮立たせている熱が情欲によるものか、それと も一度先手を取りながら、簡単にペースを奪われた憤怒によるものかさえ定かならぬ まま、ヴァイスはすべての服を脱ぎ捨てた。この先、扉を開けて踏み込んだ瞬間、何 が飛んでくるかわかったのものではないが――どうということはない。 『格闘』では隙を突かれて遅れをとったが『射撃』に関しては彼に一日の長がある。 ◆ ◇ ◆    と――このような具合で。 その後、いろんな意味で火がついてしまった二人がどうなったかは、いろんな都合 で省略することにして。  待ちに待ったこの日。ティアナがヴァイスの部屋へ帰ってきて、二人の休暇が始まっ た。    これは、彼女が所属する次元航行部隊の艦船がドック入りし、あわせて各員に長期 の休暇が認められたことによるもので、期間はたっぷり一週間。実に一年ぶりの長期 休暇だった。 地上本部からの帰り道、ヴァイスの妹が待つレストランへと向かう途中、ティアナは その休暇の全部をヴァイスとの時間につぎ込むのだと、真っ赤な顔で照れながら、し かし、はっきりと宣言した。  二人にとって生涯忘れることのできない「一週間」の始まりは、そんなふうにごく当た り前に、平和で平凡に始まった。                              第二話 完 [81]Long-distance ―銃口と標的の間―02 2007/10/31(水) 04:36:15 ID:wYzO7nLF 本日UP分は以上です。ちなみに次の回で、風呂場の戦い(round 2)てな感じのこ の続きが始まったりはしません。ごめんなさい。わたしがエロが苦手なため、この SSも微エロで、しかもエロは味付け程度です。あしからず、ご了承ください。        ありがとうございました。おじゃまをいたしました。  [82]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 05:39:17 ID:SkPLWM7y >「色んなところ。わたしも聞いた話だけど、地上の捜査部の密輸係とか、ミッドの特殊 >救助隊基地とか、辺境の自然保護隊宿営地とか、あと何故か戦技教導隊のオフィス >にも……ん? なによ、どうしたの?」 いくらなんでもティアナも気付くと思いますお・・・ >「さすがは『近接最強』のベルカ式」 ティアナはミッドチルダ式の魔導師です・・・ >>81 話しの展開や雰囲気は物凄く大好きです、がね・・・ どうしても気になってしまったので・・・ [83]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 06:44:42 ID:svSvT0i5 >>「さすがは『近接最強』のベルカ式」 >ティアナはミッドチルダ式の魔導師です・・・ は >「魔法はミッド式でも、格闘戦の師匠は近接最強の古代ベルカ騎士―― かと [84]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 08:16:40 ID:1FW2IErd >>82 誰と連絡してるかは気づいても、それが自分のためだとは案外気づかないのかも [85]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 11:23:29 ID:HCzhqlZq 「私用で古巣の仲間との連絡に使うなんて、シャーリーさんも緩んでますよね」 とかそんな感じじゃね? [86]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 14:05:41 ID:iMgRMl7P >>81 ヴァイティアGJ 自分もヴァイティア書き上がったから投下しようとした刹那、大学の先輩に呼び出し喰らったガー 帰ってきて元気だったら投下します…… [87]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 16:06:50 ID:uv9N/p9M >>57 GJだ!エロ過ぎるw つかその発想と妄想に脱帽w その調子で続編きぼんぬw [88]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 16:51:48 ID:10Xnl9kE >>81 eroGJ!!! >>83 逆だ!逆に考えるんだ!! 「ベッドの上だと『近接最強』のベルカ式になる」と! [89]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:06:33 ID:S1pvx2dY >>81 GJ 何この超面白そうな展開! 続き期待してる! [90]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:08:03 ID:S1pvx2dY >>86 待ってるぞ〜 [91]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:29:01 ID:AZwDnwu3 ここは本当にいいスレだな。神がたくさんいるし。 でも不満が一つ。これだけの神がいるのにスバルメインのSSが他の新人キャラに比べてかなり少ないんだよね。地味なのかなぁ……。 [92]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:35:06 ID:HsCeB4yM >>91 あまりにも男っ気がなさ過ぎるのでからめにくいのでは? [93]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:42:09 ID:zCERc/o/ スバティアで両人がガチ百合思考のネタならあるが、百合スレ向きかと思って封印中。 [94]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:48:31 ID:+Qy+O1+D >>93 奇偶だな、俺もだ。 ただ百合スレがどこかわからねぇorz [95]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 18:58:09 ID:qRLi40i2 >>91 他のキャラと違って相手役がいないのがやっぱ大きな原因だと思う・・・。 なのは→ユーノ フェイト→クロノ、エリオ  キャロルー→エリオ ティア→ヴァイス みたいに掛け合わせ易い相手がいないんだよなぁ・・・ 実際保管庫見ると上記のカップリングがかなり多いし。 むむむ・・・ [96]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/31(水) 19:04:51 ID:cPZNs4fe >>94 まとめスレなら知ってるぞ ttp://wiki.livedoor.jp/nanohayuri/d/FrontPage [97]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 19:05:39 ID:cPZNs4fe >>96 saga忘れorz [98]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 19:06:01 ID:8OXfMire >>94 魔法少女リリカルなのはで百合萌え(燃え?)7カプ目 http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1193195172/ [99]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 19:11:47 ID:S1pvx2dY >>95 敢えて スバル→ザフィーの流れを作るってのはどうだ?(笑 [100]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 19:25:14 ID:iMgRMl7P >>99 なにその俺が昔一回だけ書いたカプ 片方犬扱いすぎてまともに恋愛としては機能しなかったのが反省点。書くなら注意かもしれない [101]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 19:30:55 ID:OpTZwyCA ティア→クロノなら執務官のなんたらに必要な 夜の特別訓練メニューとかありそうなんだがなあ [102]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 19:31:24 ID:S1pvx2dY >>100 スマン適当に言ってみただけだ、今は反省してる。 [103]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 20:05:41 ID:3jxgCJgy >>101 クロノが嫁とか義妹になんか言われそうなオチが見えた… あ、義妹さんも執務官になるときに(ry [104]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 20:26:54 ID:iGRm78Ks >>103 家族全員にボコにされますよそれは やるならキャロとか? ・・・確実に抹殺されますが [105]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 21:12:16 ID:N0C4twLU >>101 タイプも志望動機もけっこう似てるから面白い組み合わせではあるんだがな… [106]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:23:53 ID:pV5VSSbn >>81 GJ! 業務報告。前スレ埋め終了。ID:0fvZrKER氏、埋め支援感謝する。 [107]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:29:30 ID:HrM1iz7w >>106 ご苦労様です。埋めで投げようかと思ったものですが・・・投げさせてください。 淫獣     魔王・アルフ・ゲボ子・フェイト エロノ     エイミィ・カリム・フェイト・魔王・はやて・ティア 犬       ヴィヴィオ・アルフ エロオ    キャロ・ルー・フェイト・シグナム・スバル・ティア・ゲボ子 スカry    ナンバーズ グリフィス  シャーリー・ルキノ・はやて ヴァイス   アルト・シグナム・ティア・ラグナ ゲンヤ    クイント・ノーヴェ・はやて・ギンガ・スバル 旦那     アギト・ルー・シグナム マッガーレ    シャッハ・はやて・カリム [108]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:32:40 ID:SkPLWM7y http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193149579/657 それはあまりにもなAAだな。 [109]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:33:02 ID:0fvZrKER サーセンwwwww [110]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/31(水) 22:37:58 ID:Lpshh+KI 唐突だけど、ドゥーエ(2番)って需要ないのかな? [111]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:40:33 ID:HsCeB4yM >>110 おそらく需要0のキャラなんていない。 [112]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:46:33 ID:0fvZrKER あるに決まってるだろ [113]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:47:05 ID:4Dx9r0rY 1日ちょっとでもう120kb・・・なんという真ソニフォームスレ・・・ [114]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 22:48:10 ID:+Qy+O1+D >>98 サンクス。そこだったのか… [115]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:01:14 ID:g/m4LdAR >>107 犬の所にシャマさんとリインTを加えて欲しいと思ったオレ [116]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:01:21 ID:0rlRr12x >>107 前スレの淫獣の所になのはさんしかいないのも個人的には好きだったりw だってヤンデレなのはさんが淫獣を独り占めしてる風に(ry [117]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/31(水) 23:01:49 ID:Lpshh+KI >>111 >>112 あぁなんだか少し救われました。ありがとうございます<(_ _)> ドゥーエってナンバーズで唯一死んじゃったじゃないですか? なのにJS事件後ノータッチだったからとてもかわいそうで( p_q) [118]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:03:33 ID:okbzEabF うん、それはいいが とりあえずsageよう [119]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/31(水) 23:18:52 ID:Lpshh+KI sage? [120]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:19:50 ID:308yPYz7 >>107 ザフィの項に久しぶりに再会して即ハグしてきたマリーと、一緒に子守をしたアイナさんを追加…とか アイナさん子持ちらしいから不倫になるかもしれんけどw [121]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:23:11 ID:HsCeB4yM >>119 メール欄にsageって入れような。 [122]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:25:38 ID:Lpshh+KI >>118 >>121 ご丁寧にどうもありがとうございました<(_ _)> [123]名無しさん@ピンキー<> 2007/10/31(水) 23:29:50 ID:lyWYNTzx >>91 たしか34話スレにはユースバの「掟破りのメイドスバル」エロ無しが在ったと思ったけど、 もう読んでるよな [124]名無しさん@ピンキー 2007/10/31(水) 23:59:16 ID:Yn0gyb0l >>117 sageるのは兎に角、ドゥーエ姐さんは生存してる可能性もあるぞ? 都築氏のインタビューに、ドゥーエが生きてるとも解釈出来る文章があるぜ [125]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 00:03:02 ID:bEOxTPA5 >>124 まじですか?! 貴重な情報感謝します [126]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 00:04:27 ID:FRV97bX5 >>124 今月のメガマガ付録の年表にゼストに殺害されると書かれていた。 [127]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 00:05:59 ID:+DCU5MR6 どこか忘れたがゼストに殺害されたって書いてあったような [128]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 00:20:15 ID:1KHTIzBP ナンバーズスレ住人としていうがゼストが殺害したでFAです [129]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 00:20:43 ID:PDTOLFEm >>126 >>127 うはん、ドゥーエ姐さんに生きてて欲しかった俺涙目w メガマガ買ってないから知らなかったぜぇ……orz [130]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 00:40:03 ID:HO+StBmm っもしも設定 [131]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 01:53:43 ID:WPx06+wi 夜も更けたところで、 需要が0のキャラは居ないという言葉を信じてこっそりと、 スレの裏側で筋肉をプルプルさせている怪しい物体から放たれる ワセリン臭のする電波が怖いので、主に私の精神の安定のため、 忘れた方が良い気もする一名を紛れこまさせてくださいな。 途中でメゲたので、無理やりフェイトさんをくっつけてみました。 無理に挿入してしまったため、ザフィーラが入らなかったどころか、 フェイトさんのお馬鹿がアイドリング状態です。 なんという本末転倒。 微塵もエロくなかったので、最後にエロ成分を頑張ってみました。 こんなにもエロい事を書いてしまったのは、はじめてです ノノ) [132]或る執務官の、つまりこうですかわかりません 2007/11/01(木) 01:55:11 ID:WPx06+wi ミッドチルダ空港火災、後にそう呼ばれる大災害の渦中に、 一人の壮年の男性の姿が在った。 握り締めた拳には青筋が浮かび、 顎部は今まさに奥歯を噛み砕かんと欲し、 体型にあわせて仕立てたはずのスーツを後背筋が、 内側から破らんとばかりに膨れ上がらせている。 焔煙逆巻く地獄の只中に、放り出された不幸を恨んでか。 否、彼は自ら望んでこの場所に居る。 レジアス=ゲイズ かつて鉄拳の異名を誇った叩き上げの軍人であり、 時空管理局地上本部の要職にある身である。 この場この時、この災害を引き起こした人物に、彼は心当たりがあった。 歪みきった笑顔、稀代の天才ジェイル=スカリエッティ 親友の仇であり、古今の災害の根源であり、 しかしながら彼が隠匿し、保護せざるを得なかった奸物。 そう、平和のため、治安のためと 苦渋の選択を選ばざるを得なかった彼を嘲笑うかの如く、 この大災害は引きおこされてしまった。 「ゼスト、俺は…俺たちの……」 悔恨が、無念が、胸の内に残る親友への慟哭を、 言の葉を侵し尽くし、嗚咽へと変性させる。 これが己が愚行の代償か、我が身を滅ぼし尽くさんと迫り来る 炎、炎、炎の大軍勢に、身をまかせるのも安楽への道やもしれぬと [133]或る執務官の、つまりこうですかわかりません 2007/11/01(木) 01:55:46 ID:WPx06+wi 何もかもを諦めた其の時 嗚呼 それなのに、それなのに諦観たる彼の背後から、 無心に助けを求める音声が 幼子の涙声が届けられたのだ。 振り向いた彼の視線の先には、一人の少女。 煤で汚れた衣服に、泣きじゃくるその上に、 今まさに倒れこまんとしていた石像を 視界に入れるや否や、彼は走った。 岩をも砕く、それが鉄拳の絶対必要条件。 少女の生涯を終わらせんと倒れこんできた石像を、 《豪 腕 一 閃》  無造作に振り上げられた右の拳で、撃ち抜き破壊する。 「…不覚」 しかし、拳を打ち抜いた姿勢で固まった彼の身体のその上に、 砕けた岩塊が雨霰と降り注ぐ。 幾つかの大小の岩塊と姿を変えた石像の、 しかして、その内包する殺意には何の変わりも無く、 往時であれば、爆砕の一言を持って語るべき成果が出せたであろうに、 残念ながら今現在の彼は、前線を退いて久しい。 かつての鋼の如き筋肉は、もはや脂肪に包まれて見る影も無い。 それでもせめて、この身を贄として、この少女の命だけでも守れたかと 否! この大火災の中心に、一人残されてはそれも! 誰か、誰でも良い この身に誰かを救わせてくれ!! 声無き叫びが届くはずもなく、奇跡など起こり得るはずもなく、 今まさに砕き割れた石像の下に、絶望に終わろうとしたその生涯を 《レストリクトロック!》 救い給うた声の主は、神か、悪魔か [134]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 01:56:26 ID:5im0gCIU 別に二次創作書くときは生存させてもいいんでないですか? Sキャラいないですし。 あ、なのh(SLB [135]或る執務官の、つまりこうですかわかりません 2007/11/01(木) 01:56:34 ID:WPx06+wi  見つめたものは、大きな背中と満天の星  憧れたのは、私の命を救ってくれた人たち  夢に見たのは、その人たちみたいに強くなること  ずっと憧れて、夢に見て、目指してて  打撃中将ジェネラルレジアス はじめたくないです 『或る執務官の、つまりこうですかわかりません』 [136]或る執務官の、つまりこうですかわかりません 2007/11/01(木) 01:57:24 ID:WPx06+wi 次元航行船の執務官用に与えられた私室の寝台の上で一人、 素足をぷらぷらさせているフェイト・T・ハラオウン執務官。 別に美容や健康とかいうわけのぷらぷらではなく、なんとなくです。 シャーリィの持っていた、妙に薄っぺらい本を貸してもらい、 手持ち無沙汰になった就寝前の一時に、さらりと読み終わったところ。 作者が誰だか知らないけれど、やけに空港火災とかJS事件に詳しい。 著者名には、捨丸とある……すてまる? 火薬玉を放り投げる、小柄なNINJAの姿を連想した。 ああ成る程、NINJAならば仕方がない。 「ミッドチルダにも、NINJAが居たんだ」 もしも会う機会があったなら、蝦蟇を出してもらったり、 水の上を走ってもらったり、変身して嵐になってもらおう。 あ、でも初対面でそんな事を頼むのも失礼かも、どうしよう。 ひとしきり想像で遊んだ後、寝転んで、本の内容を思い出してみる。 ここから、どう続いていくのかな。 空港火災で現場の対応の遅さを問題視したレジアス中将が、 六課の後見人に、いやそれじゃ面白くないから、 「八神二佐、君はまだ悪巧みの経験が浅いようだな  …そうだな、例えば私が敵に回る、というのはどうだね」 「計画通りに敵対する、という事ですか」 とか、 「六課の妨害に回るなんて、何考えてるのレジアス!…さん」 「た…高町一尉、いや待て、ちょっと落ち着い(ちゅどーん」 あ、ちょっとありそう。 それで娘さん、秘書の、オーリスだったかな? なのはと喧嘩して「自分よりも若い小娘を母とは呼びません!」とか、 ああ、やっぱりすごいな。 なのはが居ると、それだけでどこでも幸せそうな風景になるよ。 会いたいな、うん、今回の任務が終わったら、きっと一番に。 そのうちシャーリィに続きを貸してもらおうとか思うころには、 布団の呼び声に意識が負けて、もう夢の中。 [137]或る執務官の、つまりこうですかわかりません 2007/11/01(木) 01:58:48 ID:WPx06+wi 《付録:本文に足りないエロ味をココに添加なの》 今日も普段をエロリズム、訳してみればエロリズむ。 謎の司書長YS(仮名)だ、気軽にワイエスとでも呼んでくれ。 親友だって撃ち殺してみせらぁ、でも瓜二つの警部だけは勘弁な。 さて、ちょっと自分の手の平と甲を触ってみてくれないか。 親指や小指の付け根のあたりが、 ほどよくプニプニしているのがわかるだろう。 そのプニプニ部分を、こんな風に机とかの平坦な場所に、 拳を握って、甲の側から見てはみ出るように押し付けてみるんだ。 するとほら、押し付け乳房がヌーディストビーチ!? うわああぁぁ、君の右手がフェイトになっちまったぁ!! 「司書長、遊んでないでコッチの書類カタしてくださーい」 じゃ、そういう事でエロライフ、訳すと色情人生を満喫してくれたまえ。 暗澹たる無限書庫すら素敵にエロす、謎の司書長YSだぜ アデュー あれ、なんだろう書庫の入り口が金色に光っ (終) [138]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 02:08:10 ID:fBpm1pGJ >>131 なんというナンセンス文学wwwwww [139]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 02:08:23 ID:bFGGGMR2 これを理解できる人いるのか? [140]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 02:12:42 ID:5im0gCIU 割り込みすみませんorz 書き込む前の更新を忘れていました。 [141]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 02:33:11 ID:poDtQMmt レジアスのせいで眠れやしない!! 嗚呼… TA☆GIってきたぁぁぁぁぁぁ [142]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 02:38:13 ID:V/8QttUK 何……コレ? [143]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 02:48:19 ID:tYRA5g73 >>137 なんというレジアス。 というか相変わらず執務官お馬鹿だろwwwww [144]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 03:01:24 ID:NZ70LSyq 短編投下したいと思います……寝る前に [145]シナイダ 2007/11/01(木) 03:08:04 ID:NZ70LSyq ・ヴァイス×ティアナです ・エロあります。が、絡みはないですが ・本編より2年後のエピソードとなっており、二人は既に恋仲ということで ・残念ながら作者がシリアス苦手なんです。格好いいヴァイスとかは期待しない方針で…… [146]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:10:15 ID:NZ70LSyq 「だから、別に、気にして、ません、けど、何か?」  ―――何かじゃねぇだろ。いや気にしてない奴の口調かそれが!  心中突っ込みつつも、溜息すらつけない。  長年の付き合いだし、苦難色々あった。遠い職場で互いにすれ違うことも何度かはあったと思う。  けど、ここまで乗り越えてきた年月もあるからこそ分かる。  「別に」とか「気にしてない」とか言った時は間違いなく何かあるのだ。  そう、心の中に溜め込んで、1人でなんとかしようという気質の強い目の前の女は。  今回は「別に」も「気にしてない」も言っている上、止めに「何か?」も言った。  要するにパーフェクトな上に―――おまけもついてる。そういう状況。  早足で歩き、人込みをするすると抜けていく小さな後ろ姿を必死に追いかけつつも、何とか機嫌を直して貰おうと言い訳する。 「だ、だからな? お前がその、なんだ。今までそう言う風に見てたとかじゃなくて見違えて―――」 「今までが子供っぽすぎたんですもんね。えぇえぇ。見違えた雰囲気もきっとフェイトさんのものですよね」 「だからちげぇって言ってるだろ。それに今、どうしてフェイトさんが出てくんだ」 「服、フェイトさんからの借り物ですから」  ―――ああ道理で見たことある気がしたし質実剛健なお前が着るにはえらい高そうな服だと思ったさ!  と、また心中で突っ込んだ。  今の彼女は導火線が爆発しそうな爆弾だ。爆弾ではない、導火線が既に爆発物なのだ。踏んだら死ぬ。  ミッションコンプリートの条件は、危険すぎる綱渡りのまま彼女の導火線と爆弾を丸ごと危険の無い所に置き直す。  困難だがきっとやってやれないことはない筈だ。  ゴクリと唾を飲み込んでから、早歩きのまま手立てを頭の中で巡らせる。 「―――いいかティアナ。良く聞け」 「聞きたくありません言い訳なんて」 「いいや聞け。まずは聞け。―――あのな、」 「聞きたくないって言ったでしょうがッ!!」 「ぐはッ!?」  爆弾が―――爆発した。  導火線に火をつける必要もなかったらしい。理不尽である。理不尽だがそれが彼女だった。  膝丈ほどまであるスカートな癖に、パンツがめくれて見えるんじゃないかと思うほどに裾をつまみあげ、そのままハイキック。  見事に顎を捉えたその一撃はこちらの脳を揺さぶり、三半規管へのダメージとなる。  脳がぐらつき目の前が歪む。  立つのも困難なはずの状況の中―――その男はなんとか踏みとどまり、顔を歪めながらも上体を固定して“そいつ”を見据えた。  駄目だ。ここで倒れたら負け。敗北。決意が無為となる。  後、さっきそこで思いっきりこいつのパンツ見たそこのメガネ。後でシメるから覚悟しろ顔は覚えたぞテメエと心中叫ぶ。 [147]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:11:10 ID:NZ70LSyq 「ま―――ティア―――話を、聞―――」 「なっ……ひ……ひ、人前でティアって呼ぶなって言ったでしょうが!!」 「があ!?」  ぐらついたこちらに対して下から突き上げるような小掌が入った。  見事……一連の流れになのはの教導は特に関係ない気がするから我流なのか。ともかく素晴らしい動きだった。  相変わらずシャイなんだか大胆なんだか、変なところで純情な彼女の一面を再確認しつつ。  顔を真っ赤にして逃げ去っていく彼女の後ろ姿を見て。  ―――ちくしょう可愛いじゃねえか。  という何かもう男としては骨抜きな感想を漏らして、ヴァイス・グランセニックの意識は闇へと落ちたのだった。 ―――――――――――――――――――――  話と原因は数分程度前に遡る。  それは―――いつもと変わらぬデートの始まりの筈だった。  今日は諸事情により少しばかりキメ過ぎなくらいに整った服装で来たヴァイスは、約束の1時間も前に到着していた。  予め彼女の上司に事情を説明して根回ししてあったので事前に予定が転がり込むことはまずないはず。  恐らく、彼がこんなにも女性関係で緊張したのは妹の目を狙撃して、初の面会に臨んだ時くらいだ。  アルトは多分裸で目の前を歩かれても緊張しない。逆に蹴り入れる自信がある。本人が聞いたら小動物のようにキレるので言わないが。  とにかく。 「―――ぶはあああああああああああ」  胸中全部吐き出すかのように大きくため息をつく。  約束の時間まで、あと45分もあるのだ。来るわけがない。  ティアナ・ランスターはデートの際に、常にきっかり10前に到着するという謎の律義さを持っている。  軍隊育ちなのが影響してるのか何なのかは知らないが―――まぁ、そういうわけだ。  よってしばし暇だったし、緊張を落ち着かせる意味も兼ねて、少しばかり昔の回想をしてみようかと思った。  ―――……あれは、六課解散後―――2年も前の話になるのか。  ティアナと別れの際になった、その時の話だ。  彼女の在り方を、色々と自分自身と重ねていた面もあった。  気さくに気を使ってやれる兄貴分としての自覚も、あった。  でも、それでも。 [148]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:11:49 ID:NZ70LSyq  目の前の少女と別れると―――離れるとなった時―――情けない話だが、猛烈に彼女を手放したくないと思ったのだ。  それが恋だなどとは、今の今、その瞬間までまるで気付かなかった。  女性関係に疎いわけじゃない。  ただ、少女の年齢が妹とほぼ同じだとか色々あって……気付こうとしてなかっただけなのかもしれない。  だから、彼は走った。  ―――まあ離れた後でも海に上がって本局に行けば会えるのだから、走る理由は今になってみれば特になかったが―――何、タイミングが大切なのだ。    気づいた瞬間、勢いのまま走り出し。  ヘリ倉庫整理の手伝いをしていたアルトに怒鳴られ、途中でグリフィスを蹴っ飛ばしたりしたが、一直線でティアナがいる場所まで辿り着けた。  彼女がいた場所はティアナとスバルがずっと使っていた自室。ちなみに女子寮男子禁制。  中には名残を惜しむようにボーっとベッドを見ていたティアナと、押入れに頭を突っ込んで何かしていたスバル。  突然のヴァイスの登場に驚いて固まっている彼女に対して、 「好きだティアナ!!」  と、雄叫びを上げ。  ―――約15秒後、スバルが「おー!?」と叫ぶのと同時、凄まじい勢いで六課フォワード陣に伝わるシグナム直伝パンチ(通称シグナムパンチ)が顔面に炸裂。  その時の彼女は顔を真っ赤にして殴りかかってきた癖に、すぐさま凄い勢いで謝ってから。  ……全身を茹でダコのようにして、ゆっくりと頷いてくれたのだった。 「いやぁ……あの時のティアは映像媒体で後世に残したいくらい可愛かった……」 「何キモい独り言を言ってるんですかヴァイスさん」 「お、おお? あれ、ティア―――……あ?」 「な、なんですかっ。あと人前でティアって呼ばないで下さいっ」 「わ、悪い……って、お前……その格好……時間……」 「は?」  怪訝そうな顔をする彼女をさて置いて時計を見てみる。  約束の時間まで30分はあるのだが。これは本物だろうか。いや意外と幻術という手もあるが、考えてみたら幻術なら本人も側にいるはずなので使う意味がない。  そして何よりヴァイスを驚かせているのが。  ティアナの―――格好だ。 「な、なんですか! ジロジロ見るのやめて下さいよ。その、は、恥ずかしい、ですから……」  最後のほうは口の中でゴニョゴニョと呟いていたのでよく聞こえなかったが、多分聞いてても聞かなかったことにするだろう。  彼女に出会って3年。付き合い始めて2年。今まで彼は彼女がボーイッシュな格好や動きやすい服装を好んでいたと記憶している。  だが、今の彼女はどうだ。  仕事中くらいしか解かない髪を下ろし、裾にフリルがあしらわれている膝丈ほどのスカートを履いて。  上着も雰囲気を合わせるようにフリルのついたものを着用して、白いジーンズ生地のジャケットを羽織って、手には白いバッグを持っている。  今までとは違う、清楚で……大人っぽい印象を受ける格好をした彼女は、恥ずかしげにチラチラと上目使いでこちらを窺っている。 [149]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:12:23 ID:NZ70LSyq  あまりの出来事にしばらく石化していたヴァイスだったが、ボソリと一言呟くとそこから言葉がダラダラと漏れ出した。 「……可愛い」 「え?」 「綺麗だ。大人っぽい。すげえ可愛い。綺麗だ」 「綺麗だって二回言いましたよ今。……で、でもその、あ、ありがとうございます。えへへ……」  ちょっと顔をにへら、と緩ませて照れるティアナ。  もじもじしているその姿もまた愛らしかったので思わず抱き締めたかったが、それでは間違いなく反撃を食らうだろう。  どうも人前でいちゃついたりするのが苦手らしい彼女は、他の人がいるとあまり甘えたり甘えさせてくれない。  2人きりだと何かと寄ってくるのだが……。 「そ、その何かフェイトさんが絶対におめかしした方がいいよ、って勧めてくれて……それでその、色々と」 「ああ、そうだったのか。いやしかし―――これは想定外だったぜ」  フェイトさんナイス、と心の中で親指を立てる。  やはりあの人に相談して正解だった。能天気そうで実は流行とか乙女心に詳しいと信じてた、とここにはいない人に微妙に失礼な賞賛を送る。  そうして暫く2人で照れながら見つめ合っていると、なんだか急激に恥ずかしさが込み上げてくる。  よくよく考えると、他にこの場所で待っている人がちらちらとこちらを見ている。  恐らくバカップルだと思われたのだろう。心外だが、確かにそう見えなくもない。  自分の彼女を外で手放しで褒めるバカ彼氏とそれで照れてにやけてるバカ彼女だと、おつむの緩い奴らだと思われたのだろう。  ただ、それだけの理由で。  ちょっとだけ見栄を張ったというそれだけの理由で。  ―――ヴァイスは、いらんことを言ってしまった。 「ま、まあな。今までのがガキっぽかったてのもあるだろーけどよ。ギャップって奴か! はは―――」 「―――……ガキ?」 「―――あ」  気づいたまではよかったが、ちょっとだけ遅かった。  既に彼女はヴァイスの子供っぽい言い訳を聞き届けており。  なんだか、下ろした髪の毛が、ざわざわと音を立ててこちらを威嚇しているような気もする。  地獄から黄泉道を歩いて這い上がる鬼が歩いてくるような音がした気がしたが、おそらく気のせいであると信じたい。  とにかく、目の前の少女の身体から微量なれど魔力流が漏れている気がする。  なんだか、握られた拳に血管が浮き出ている気がする。  なんというか、機嫌を損ねた気がする。 「あの、ティアナ、さん?」 「―――ふ」  笑った。  ぶっちゃけ怖かった。 [150]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:13:04 ID:NZ70LSyq 「そうですよね。今までの私、子供でしたからねー」 「……」  朗らかな笑顔で、口元に手を当てながらほほほ、と笑った。  怖いを通り越して超怖い。  背中に汗が滴ってるのが分かる。どう考えても冷や汗をかいてる。   嵐の前の静けさか。爆弾処理をしている人の気持ちか。学芸会で劇をする子供の心持ちか。  何にせよ、この笑顔が“抑制された感情”から来ているものだということくらい、簡単に読み取ることができた。 「あ、あのな? ティアナ」 「やだなぁ、なんですかヴァイスさん」 「いやその―――別にガキっていうのは、そういうことじゃなくてだな」 「あら嫌ですね」  そして、彼女は。  極上の笑みを浮かべて、首を傾げるポーズまでつけて、額に青筋を浮かべていた。 「別に気にしてませんけど、何か?」  ―――そして、冒頭へと物語は舞い戻るわけで。  彼、ヴァイスは―――薄れ逝く意識と黄泉の川を渡り、眠りについた。 ―――――――――――――――――――――――― 「いや黄泉の川を渡ったら終わりだろ!」  地面にキスをしていた彼はいきなり起き上がった。  先程のティアナの攻撃で意識を刈り取られて、そのままずっと地面に放置されていたらしい。薄情な人が多い。  頭を振って目を開けると、自分の周囲だけなんか結界でも張られているかのように人の波が避けていた。ちょっと悲しかった。  時計を見ると―――あれから一時間経っている。  待ち合わせは夕方に近い時間帯だったとはいえ―――これは、流石にまずいだろう。 「くっそ……俺の馬鹿野郎……」  そういえばと思って上着の内側のポケットを探る。  固い感触を感じてから、指先でそれをなぞり―――下を向いて歯ぎしりをする。 「だからデリカシーがどうのこうのと言われるんだよ俺は……アルトの言うこともたまには聞けってことか……バカヤロー」  自虐をしてから。  そのまま違うポケットから携帯電話を取り出して、電話帳のリストを呼び出す。  どうしたらいいやら分からない。特に、今日のように―――決意を秘めた大事な日には。  だから。  自分が知る人物たちに知恵を求めるために―――手当たり次第、電話を回し始めるのだった。 ―――――――――――――――――――――――― [151]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:13:52 ID:NZ70LSyq  ティアナ・ランスターは自室に戻ると、部屋の明かりも付けずにベッドへと飛び込んだ。  本局にある彼女の私室まで戻るのにはそれなりの時間を要したが、彼女にとってはここに戻ってくるまでの間の道のりは殆ど時間を感じることはなかった。 「バカだ、私……」  もごもご、と。  顔を枕に押しつけながら、それだけを呟く。  後悔していた。なんであんなことでイチイチ怒ってしまうのだろうと。  自分が嫌いになりそうだ。なんで素直になれないのかと。  ヴァイスだって、間違いなく悪気があったわけじゃない。彼のことだからきっと照れただけなのだ。  付き合い始めて分かったが、意外と子供っぽい所のある彼は堂々と甘えたがるが、偶にそういうことがあることくらい知っている。  知っているはずだったのに――― 「なんで……いっつも……だろ……」  全身に力が入らない。  せっかくフェイトに貸して貰った可愛らしい服も、今では皺だらけでくちゃくちゃだった。  素直になれない、わけじゃない。  二人きりになると彼を自分だけで独占出来て、彼に自分だけを見て欲しくて、ついつい甘えてしまったりする。  そうしてベタベタしているのは嫌いじゃない―――むしろ好きなくらいだ。  けど、他の人の目があるとどうしても素直になれない。  二人きりでは「ティア」と呼んで貰って、こっちだって敬語なんて使ってないのに。  褒められたりしても、喜んだりお礼を言うのが凄く勇気がいる。  彼もデートの度にきっと心労が絶えぬことだろう。 「―――馬鹿ティアナ。一回生まれ変わってその性根叩き直しなさいよホントに」  一週間も前から楽しみにしてたのに。  おめかしして。  夜まで一緒にいて。  最後に多分、彼の腕の中で朝まで甘えることが出来て。  そんな素敵な一日になるはずだったのに。  全部、自分がぶち壊してしまった。 「……う……ひっく……ごめん、なさい……ごめ、ん、なさい……!」  蒲団を掴んで泣きじゃくる。  ごめんなさいごめんなさいと。誰かに、何かに謝るように。只管に。許してもらえるわけもないのに。  彼女の泣き声だけが、誰もいない、明かりもついていない暗い部屋に響き渡っていた。 [152]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:14:37 ID:NZ70LSyq  一通り泣き叫んだら、あんまりにも自分の顔とかがみっともなかったのでシャワーを浴びてきた。  バスローブに身体を包んだまま、冷蔵庫から取り出したポコリスエットの缶を片手にベッドへと腰掛ける。  ぐい、と缶の中身を一息に飲んでから、溜息をついた。 「手持無沙汰だ……なぁ」  だってこの時間、本来はヴァイスと楽しくショッピングでもしてたはずなのだ。  それが丸々消えたのだから―――やることなどあるわけない。それに、きっと何をしても彼といる以上に楽しくなんかならないだろう。  そう考えると益々自分が馬鹿に思えてきて暗くなる。  ポコリを一気飲みすると、そのまま缶を投げ捨てて、座ったまま上体だけをベッドへと倒す。  湯上りの身体はぼーっとしていて。少しひんやりした布団は気持ちがいい。  目を瞑って、また溜息。 「―――ヴァイス、……」  二人きりじゃない。一人だったが、周りに誰もいないのでその呼び方で彼の名を呼ぶ。  本当は普段からそうやって呼べればいいのだが……そこは彼女なりのブレーキなのだ。なんのブレーキかはご想像にお任せするが。  彼のことを思い出す。  自分を抱きしめてくれた腕を。  自分に微笑みかけてくれた優しさを。  時折見せる子供っぽい仕草を。  何時も守って支えてくれた背中を。  何時しかティアナは。  彼のことを考えながら、自分を誤魔化す様にそっと太ももの付け根のあたりを自分の手で弄っていた。 「ん……」  ティアナは、実のところ昔から結構自慰行為はしていた。  最初はスバルと出会うよりも前だったか―――とかく、初めて知った頃は兄との離別もあったせいか、何かに没頭しようとしていた。  誰とも必要以上に関わり合いになりたくなくて、日の昇る内には只管に特訓、家に帰って寝るまで、落ち着かなくて自慰に耽っていた時期もあった。  まあそんなこんなのせいで。  ―――ヴァイスのお陰で収まっていた衝動も、彼に会えなくなったというこの瞬間、抑えきれなくなって再発していた。 「ん……くふ……」  する時のコツは簡単だ。まず想像すればいい。  好きな人がいれば、その人に何かされているところを。しているところを。  胸を舐められている。クリトリスを弄られている。厭らしい言葉をかけられている。彼のペニスを握っている。無理やり犯されそうになっている。  とにかく自分が性的に興奮出来れば妄想の内容なんてなんでもいい。 「あう……」  妄想だけで膣が湿り気を帯びてくるくらい妄想出来ればそれだけで十分着火剤となりうる。  もし出来なくても指でゆっくりと胸や大陰唇を撫でて刺激していれば、それだけ次第に興奮出来る。 [153]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:15:35 ID:NZ70LSyq  もちろんティアナが考えているのはヴァイスのことだ。  彼とは何度も交わったことがある。  その身体を思い出して、優しくてどこか荒っぽい手つきを思い出すだけで―――ティアナのそこは十分に濡れぼそっていた。  厭らしい娘だ、と自分でも思う。  けど、けど――― 「くぅん……!」  胸をまさぐる。  決して小さいとは思わないが、何所かの人たちみたいに爆乳と言える程でも無い。  両手の平に収まるくらいの大きさのそれをバスローブの上からもみしだき、ゆっくりと形を変えていく。  ローブと乳首が擦れて、すぐさま高ぶってくる。  両手で己の胸を揉みつつ、人差指でローブの上から乳首の位置をぐりぐりと弄る。  それだけで普段よりもガチガチに勃起したそれに触れることが出来て、また腰がクネクネと左右に動き、激しい布ズレの音が部屋に響く。 「あ……はあ……もっと……」  思わず口から求める声が漏れる。  今、ティアナの中では自分の胸を揉んでくれているのはヴァイスなのだ。  彼が自分をまたいでのしかかってベッドに押し倒して、激しく両胸を揉みしだいて乳首を責めている。  頬を桜色に上気させ、焦点の合わない目で虚空を見つめる。  そこに、まるで彼がいるかのように。  ありもない幻想に手を伸ばす様に。  右手はそのままに、自分の手がバスローブの前をはだけさせるように下へと身体を伝っていき―――ティアナの大切な場所へと辿り着く。  まだ、自分の指とヴァイス以外には一切許したことのない場所。  久しくヴァイスの指とあれにしか侵入を許していなかったそこへと―――指を添える。 「ん……」  湿った感触が手に触れる。  ショーツは既にビショビショに濡れていて、その意味を成してはいなかった。  子供のお漏らしのように濡れているそれの前をスライドさせて、己の陰部を部屋の空気へと触れさせる。  スッと一瞬冷える様な感覚が襲うが、そんなものは関係なしに、まずは指を三本。  片方の手で胸を揉みしだきながら、もう片方の手の三本指で大陰唇を擦る様に愛撫する。  圧迫される間隔を得つつ、一緒にクリトリスへと刺激が伝わって一瞬腰が跳ねる。 「ああ……はぁ……弄って……もっと、もっと……良くなりたい……」  うわごとのように繰り返す。  荒い息を口から吐き出して、腰は既に少しずつ浮きっぱなしの状態が続いている。 [154]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:16:12 ID:NZ70LSyq  クリトリスの包皮の上から、その豆のようなものを指二本で挟む。  更にもう一本の指も使って擦り、撫でるかのように添えて円運動させる。 「あっ、あぅ、あっあっ……」  ヒートアップしていく。  彼女が自慰をする時に一番責め立てるのがクリトリスだ。皮を被っているそれを嬲る様に攻めて、己をどんどん高ぶらせていく。  でも、と思う。  こんなに気持ちいのに―――どこか虚ろで―――でもそれを自覚してしまうと今のこの高ぶりが全て覚める気がして―――  無理やりにその思いを塗りつぶしたくて、ティアナは一気にラストスパートをかけ始める。  小陰唇を左右に開く。  既に洪水状態であったそこはいとも簡単にティアナの指によって開かれ、大気中にその姿を晒す。  バスローブは完全に左右にはだけて、ティアナはショーツ一枚を身につけた姿でベッドの上に寝転がっている。  両足はピンと伸びていて、クリトリスへの刺激がやりやすいように括約筋を締め付けて。 「はぁはぁはぁはぁはぁ―――!」  犬のように喘いで。  中指を割れ目全体に合わせるようにして、上下に激しく擦りつけ始める。  最初はゆっくり、などという思考は既に頭の中になかった。  とかく激しく。  今の自分の考えを殺す様に。  ガクガクと開きっぱなしの口から涎が垂れるが、そんなことにも気付けない。  今のティアナには、目の前の快楽以外は、どうでもいい。  この高ぶりをもっと得られるなら、どうなっても構わないとさえ思っていた。 「ひぅ、ひゃ、あ、ああ、くあ、うひゅ、あぐ……!!」  こらえる様な声を洩らしながらその擦り上げるスピードを上げていく。  胸を弄っていた手を下へと移し、クリトリスを包んでいた皮を剥く。  そして直接中指で刺激を始めて、その快楽を高め。 「も、あ、い、ひゃ、だみぇ、い、いき、いくよ、ヴぁい、ヴァイス、もっと、して、もっと!」  びしょ濡れのそこは痛いと感じる暇もなく。  上下左右へと円運動を加えられたクリトリスと、中指で割れ目に与えられた刺激は彼女の脳に興奮物質を送り込み。  発情しきった雌犬もさぞやという表情で、だらしなく喘いで。 [155]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:16:44 ID:NZ70LSyq 「う、あ、ヴァイス、一緒に、一緒がいい、あ、あう、はぅ、くあああああ……っ!!」  体全体が打ち震える。  快楽の波が駆け抜けて涙が出る。  口から雫をまき散らし。  涙を流し。  陰部からは大量に潮を噴いて。  ティアナは、ぐったりとベッドに体重を預けたまましばらくそうしていた。 ―――――――――――――――――――――――  もう一回シャワーを浴びることになったのは自業自得だろう。  あんなことをして体液だらけになって流さないで済む訳ない。  なんだか久しぶりのオナニーだったのだが、最中はともかく―――事後が罪悪感のようなものでいっぱいだった。  ガックリと項垂れてデスクにうつぶせになって顔も上げない。  何もする気が起きない。  妄想の中では優しかったヴァイスも、既にもういない。  全部、自分がさっき壊したから。 「―――こんなことならしなきゃよかった」  いきなり後悔しているが既に遅い。自慰行為で体力が削られて、少しばかり身体も気だるい。  健全に動かせばこんなこともないのだが、こうも不健全極まりない体力消費だと余計に落ち込む方向に思考がいってしまう。  ヴァイスまで妄想で利用して。  ああ、と思う。  だめだ自分は。死んだ方がいいなこれはと。  でも、実際本当に死ぬつもりもない。  死ねるつもりもない。  だから、ここで只管に後悔して懺悔する。  こうなったティアナはどこまでも浮き上がらずに落ち込み続ける。  兄が頭を撫でてくれた。  スバルが支えてくれた。  なのはが、背中を押してくれた。  ヴァイスが、横に並んで肩を抱いてくれていた。  今は、誰も、いない。  誰もいないのは―――怖い。 [156]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:20:07 ID:NZ70LSyq 「……電話、しなきゃ」  謝らなきゃ。  後悔だけしててもダメだ。後ろのことを悔やんでるだけじゃ一歩も前に進めない。ずっと独りぼっちだ。  ヴァイスの温もりが恋しい。  ガキ? その通りじゃないか。自分は子供で、彼と一緒にいないとこんなにもダメな奴になってしまったのだ。  顔を上げる。真っ赤な瞳をごしごしと擦る。  悔やむだけ悔やんだ。  なら今度は―――取り戻すしかない。  立ち上がって携帯を取り出し、電話帳を回そうとして。  ちょうど狙ったかのようなタイミングで。  見覚えのある電話番号から、連絡が届いていた。 ―――――――――――――――――――――――――― 『よぉ、今、大丈夫か』 「……だいじょうぶ」 『……? お前、声―――あぁ』 「へいき。それで、何」  違う。こんなキツイ口調で言いたくない。  ほんとはごめんなさいって言いたいのに、口をつくのははこんな言葉だけ。  また泣きそうになるけど、我慢する。  泣いたら、また心配をかける。  でも、そうやってこらえたからか口調がどんどん固くなっている気がする。 「用事?」 『ああ。頼みがあるんだ』 「たの、み?」  予想外の言葉に少しキョトンとしてしまう。  だが向こうもそれなりに焦っているのか、気付かなかったように早口でまくしたてる。 『頼む。―――地上本部の元機動六課があったとこの側の冴えねぇ噴水公園、分かるか?』 「……ああ、うん。チビたちとたまにヴィヴィオを遊ばせに行ったりしてたから……」 『2時間後にそこに来てくれねえか。ワケはそこで話す』 「え、ちょ、ちょっと?」 『悪い。じゃあ―――また、後でな。その、……悪かった』  それだけ言うと電話は一方的に切れた。  眉をひそめて受話器を見てから、時計を見る。  ここから地上本部まで―――テレポートを使えば2時間で、なんとか……なる。  ティアナは慌てるようにロッカーを開けると、自分の私服を漁り始めるのだった。 [157]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:21:21 ID:NZ70LSyq ―――――――――――――――――――――――― 「はぁ……はぁ……」  走った。  約束の時間は近い。  息が切れる。  教導で散々体力はついていたが、トランスポーターからバス、バスで降りてから臨海区域を一直線ノンストップで走っているのだから当たり前だ。  着ている服は普段自分が来ている、ストライプが入ったりしているお気に入りのもの。髪もツインテールに結んだ。  でも、もう大丈夫。  子供でもいい。  何時までも子供扱いでも、いい。  一緒にいる方が、大切だから。 「っもう、スバルのローラーが羨ましいわねこういう時だけは……!」  今は離れて仕事に励む相方のことを思う。  今にして思えばマッハキャリバーは中々ずるい白物だ。  ティアナのような陸戦タイプには、特に。まあ一切合財隠密行動には向いてないので幻術使いのティアナ向けじゃないが。 「よし、あと、ちょっと……!」  先程懐かしき六課の隊舎は通り過ぎた。  足がもつれて倒れそうになる。  もう空も暗い。星空だ。  電灯も殆どないような区域を、ティアナ・ランスターはひた走る。  そして。  ―――2時間、ほぼジャスト。 「はあぁ……はぁ……?」  電灯が全て消えた、まるで廃墟されたかのような公園に、ティアナはようやく辿り着いた。 「……何これ? 誰も、いない……?」  公園が潰されるというのはあまり聞かないが、ここもしばらく来ない間にそんな風になってしまったのだろうか。  だが、今はそれはいい。  ヴァイスの姿を探そうとして、公園の中に足を踏み入れた―――その時。 「!?」  バアンという音がして。  中央部の噴水が、激しく発光しながら水を排出し始めた。 [158]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:22:00 ID:NZ70LSyq 「んな―――!?」  装置の故障を一瞬疑ったが、どうやら違う。人がいる。  噴水を背にして。  大して似合わないスーツ類の中でも、まともに見えなくもない―――カジュアルスーツを着た男性が一人。  その姿は、ティアナがずっとこの数時間見たかった姿で。  名前を叫んでその胸に走りこもうとした。  瞬間。 「ヴァ―――」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」  なんか、天空へと昇る星のように、えらく場違いな雄叫びが聞こえてきた。  は? と思って空を見上げると、何やら見覚えがありすぎる“道”が空中に描かれていく。それも、二本。  目が点になる思いで眺めていると、状況に追いつけないティアナを完全に置き去りにしてなんか色々と進行していく。 「バカスバル! でかい声出したら台無しだろうが!」 「あ、す、すすすすいません! 失敗しないようにと思って!」 「既にそれで失敗だよ!」  これもまた、2年ほど前には聞きなれたボケと突っ込み。  あれ? と首を傾げると赤い魔力光と金色の魔力光が、二つの道に沿って空中に線を描いていく。 「フェイトさん! なんか既に2人の邪魔してませんか私たち!」 「落ち着いてギンガ! まだきっと気付かれてない。大丈夫だ!」 「いえそれはありえません多分! あ、でも意外とここまで派手にやると逆に分からないかも……」 「ねーよ! どこに逆の要素があったんだよボケ倒してんじゃねえよお前ら! だから嫌だったんだよこの面子!  誰かもう1人突っ込み連れてこい! この際はやてでもユーノでもクロノでもいいから! 真面目に律義に突っ込める奴を!」  気苦労の多そうな赤い線が不安定な軌道を描く。  間違いなくあれはちびっ子副隊長殿なのだが、何をしてるんだろうかこんなとこで。  4つの軌跡が夜空を舞い、染め上げていく。  今まで電灯の一つもなかった公園に、それだけで眩い色取り取りの光が満ちていた。  と、今度はスポットライトのようなもので噴水の前に立った男が照らし出される。  展開についていくどころか意味すら分からないティアナは茫然としてその恋人の姿を見る。 「あ、あー。い、愛しき君よ。僕の過ちを、―――許してくれ。こ、ここにある全ての光よりも、僕のひと、瞳? 瞳には輝いて見える?」 「なんで疑問形……」  思わず突っ込みを入れてしまった。聞こえてないようだったが。 [159]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:27:15 ID:NZ70LSyq 「だ、だから―――それは―――その―――」 「ヴァイス陸曹長のヘタレー!! 噛むな恥ずかしがるなー!」 「ぐ、ぐぐ……」 「お兄ちゃん、頑張って……!」  なんとなくシナリオが読めてきた気もしなくもないが、取りあえず目の前の成り行きに任せようかと思ってそのまま静観する。  と。  静観時間、約半瞬。 「テメエら勝手抜かすなあああああああああああ!!」  ヴァイス・グランセニックは、盛大にキレした。  何やら袖口に隠し持ってたカンペらしき紙を盛大に噴水に放り投げ、腰に下げていたホルスターから拳銃型の護身用デバイスを抜き去って中空に乱射する。  「ぎゃー」だの「わー!」だのの声が聞こえつつもフェードアウトし、4つの光の筋もどこぞへと去って行って見えなくなる。  肩で大きく息を吐いたヴァイスは、ごほん、と咳払いをして目の前の彼女を見据えた。 「えっと、だな」 「ぶ」 「……な、なんだよ」 「く、う、くくく」 「て、てめ、笑うな!」 「だ、だって、瞳って光って……ぶくく……あ、ははははは!! 凄い、今時、ふふ、いないわよ……うくく……」  それを聞くとヴァイスはワックスで固めてあったらしい髪を盛大に?き毟る。 「だぁぁあ! だから嫌だったんだ! アルト、ラグナ、スバル! テメエら後で覚えておけよコラ!」 「えー。完璧な脚本だと思ったんだけど……」 「私も、手持ちの舞台の台本とかを必死に参考にしたよ……?」 「どこがだ。あとラグナは古典モノだろ参考にしたの。ああもう、いいから黙って茂みの中から出てくんな!」 「はーい」  なんか素直な声が聞こえて、一見二人きりになる。  噴水が発光しながら流れる中、笑いの収まったティアナと、落ち着きを取り戻したらしいヴァイスが向かい合う。  ちょっとだけ気まずかった。  今の謎のアクシデントで多少、互いの空気は和らいでいたものの―――それでもやっぱり面と顔は合わせられなかった。 「あ、あのな。今の展開を簡単に説明すると―――」 「ん。大体わかるわよ」 「……そうか」 「大方ヴァイスが皆に助けを求めて、それで何時の間にか大所帯になってて、流されるままにやることになったんでしょ?」 「……大当たりだ」  まったく大した彼女だ、と苦笑いされる。  そりゃあ長年貴方の側にいるわけじゃないもの、と微笑んでおく。 [160]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:28:29 ID:NZ70LSyq 「ただな」 「?」  真面目な顔になったヴァイスが、こちらへと一歩近づいてくる。  ティアナは逃げることなくその真剣な瞳を見て―――彼が、一歩程度の間合いに近づくまで、じっとしていた。 「……実は、皆がここまで協力的だったのには、別の理由もあるんだよ」 「え?」  なんだろうか。  仲直りさせるため……にしては確かに何と言うか、設備が大掛かりなのは理解出来るが。  小首を傾げると、ヴァイスはふっと笑う。  そして胸元に手を入れると、小さな箱を取り出した。  それを見た瞬間、胸の中で心臓が跳ねた。  驚きで。  期待で。  ―――まさかという気持ちで。 「―――ほんとはな、今日のデートの締めに渡すつもりだったんだが……初っ端から俺がしくじっちまって、悪かった」 「ち、違う! あれは私が―――」 「いや、いいんだ。―――だから、今これを渡したい」  ヴァイスがゆっくりと蓋を開けると。  現れたのは……銀の、派手な装飾も何もない。内側に名前が刻まれただけの―――ふた組のリング。  俗にエンゲージリングなどと言われているそれは……。  生涯を共にしたい相手に渡す、誓いの証だった。 「あ……」 「ティアナ。これから、ずっと俺の横に、一緒にいてくれないか。それで―――家族に、なって欲しい」 「かぞく……」 「ああ。俺とお前で始める、家族だ」  ティアナは天涯孤独だ。  だから家族という言葉は―――彼女にとって色んな意味がある。  温かかったものであり。羨ましかったものであり。喪失であり。  そして今。  零れる涙の理由が。  新しい、彼女にとっての家族の意味で。 「はい……はい……ひゃい……!」 「……ありがとよ……おいおい、泣くなって」 「な、泣いてなんか……いるわよ! 泣くわよ! 嬉しいもん! 我慢出来ないもん!」 「も、もんってお前のキャラじゃねえだろ……ったくしゃーねーなぁ……。ほら」 「む!?」  無理やりその胸に抱き寄せられる。  唇に温かい感触。  あったかくて、気持ち良くて、ふわふわする。  大好きな人の、大好きなキス。  長く―――1秒でも貪っていたいそれを、じっくりと、目を閉じて、味わう。  唇を離して。  互いに顔を見合せて。  微笑んで。 [161]一人では寂しく、二人なら家族で 2007/11/01(木) 03:29:32 ID:NZ70LSyq 「じゃあ、指輪嵌めていいか」 「うん。お願い」  すっと。  とり出された一回り小さな指輪が、姫の手の甲にキスする騎士のように取り上げられた指に嵌められ。  ヴァイスは自分自身用の指輪を、己の指につけた。 「俺は、一生ティアを愛して―――共にいて―――幸せにする」 「……ヴァイスと一緒に、ずっとずっと、一緒にいる。家族に、なる」 「ああ」 「愛してる」 「俺もだ」  また、キスをした。  噴水が舞いあがり、まるで2人を祝福するかのように発光する。  星空の夜の下。  二つの月が見守る中。  この日、ヴァイス・グランセニックとティアナ・ランスターは、婚約し。  2人の新たなる生活が、幕を開けることとなるのだが―――  それはまた、別の話。 ―――――――――――――――――――――――― 「ところでよ、ティア。―――さっきお前、一人でしてただろ」 「ぶっ!?」  思い切り噴き出して、慌てた様子で辺りを見回す。  既に先程の公園からは離れてターミナルに2人で歩いているので、誰かに聞かれている様子はないが―――なんてことを道端で言い出すのか。  顔を真っ赤にしつつ、彼の腕にしがみついたまま、恨みがましそうに睨みつける。 「な、何よ。悪い?」 「いんや。寂しい思いをさせちまったなぁーとな」 「……ヴァイス」 「だからよ」  そういってヴァイスは横の道を通りかかったタクシーを止めて、乗り込む。  ティアは後に続いて乗りながらも、不思議そうに首を傾げる。 「だから―――何?」  ヴァイスはそんなティアナを見ると、にやりと笑って。  今日初めて攻撃の回を貰えた野球チームの監督のような表情で―――そっと、彼女の耳元で囁いた。 「これから一晩、たっぷり可愛がってやるから覚悟しとけよ?」 「は、な―――!!」 「なんだ。嫌か?」  口をパクパクと金魚のように開け閉めしていたティアナは、直に下を向いて押し黙ってしまった。  そして最後の抵抗と言わんばかりに、上目使いで、 「そ、その聞き方はずるい! ……わ、よ」 「ははは。―――んじゃ運転手さんよろしく」 「あ、ああもうっ。知らないんだから! バカヴァイス!」  2人の夜は、まだまだ終わりそうにも、ない。 [162]シナイダ 2007/11/01(木) 03:34:03 ID:NZ70LSyq 以上です。読んでくれた方、ありがとうございます ヴァイ×ティアっていかほど需要が……まあいいや ティアナもヴァイスも書いたことなかったキャラでした。うーんこれでよかったのかかなり不安だったり まあ、書いてて楽しかったので良しとしようかと…… では [163]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 03:38:38 ID:ulpgIc9u >>162 需要ありありです。 教導官と司書長、執務官、特別捜査官とそろいもそろってボンクラーズなので キャロエリとヴァイティアにしか希望が見出せません>< >冷蔵庫から取り出したポコリスエットの缶 >ポコリを一気飲みすると なんだかお腹をポコポコ叩いている某特別捜査官の姿を幻視しますた。 [164]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 03:43:32 ID:kQmaWYgL >>162 良いツンデレティアw つかトンカチの騎士さんと閃光の勘違いさんまで何やってんすかw 個人的に、ここはSLB平和利用Verだったら暖かい話に持ってけたんじゃねーかなー?と思ったり(一言余計 [165]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 05:38:05 ID:LY6QOCtZ >>162 ヴァイティア最高です! お疲れ様でした [166]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 06:15:16 ID:vEyuAaVe この流れティアナ祭りっぽいなw 投下しておk? [167]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 06:23:24 ID:LY6QOCtZ おk 何を戸惑う事があるものか [168]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 06:24:01 ID:vEyuAaVe 返事がないけど気が変わらないうちに灯火してしまえ 恥は書き捨てっていうしな。 〔注意〕 ・ティアナ×なのは ・微エロのつもりだったのに何故かエロく [169]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:25:34 ID:vEyuAaVe 「くっくくく、ふははははああぁ!」 ジェイル・スカリエッティは、地下深くにつくった秘密のラボにて、今日も今日とて高笑いを響かせていた。 「楽しそうですわね〜、ドクタァ?」 クアットロがそう尋ねると、ジェイルは半身だけ凄まじい勢いで振り返る。 よくぞ聞いてくれたとばかりに、ジェイルは目の前に琥珀色の液体が入った三角フラスコを掲げる。 ジェイルの顔は誇らしげで、クアットロは思わず頬を緩めた。 「素晴らしい!やはり私は天才だよ!ああ私は自分の才能に恐ろしささえ覚える…。クックック。」 「ドクター?今度は一体何をお造りになられたんですの?」 「ふっ、聞いて驚かないでくれたまえ。これは飲んだ人間の脳内に興奮物質を大量に発生させ、 こちらが設定したプロトタイプに近似した値の造型美を保持する人物に対し(以下略)」 「ドクタァ?私の頭では難しい理論は理解できませんの。わかりやすくおっしゃってくれますぅ?」 「ふむ、まあ、所謂『惚れ薬』だね」 「……あんらぁ〜。ドクタァ、凄いですわぁ」 ジェイルの返答を聞いたクアットロの顔面に、何言ってんのこいつ馬鹿じゃないの的な表情がコンマ1秒 ほどの間浮かんだが、光の速さで表情筋を動かし、いつもの企み笑顔でそれを覆い隠す。 「ふふふ、そうだろう、そうだろう!こういった薬学は本当はあまり得意ではないのだが、傑作だよこれは!」 再び上体をそらせて高笑いを始める生みの親にクアットロは軽い頭痛を覚えた。 「それで、ドクター。どうするつもりなんですの?」 「どうすると言われても、所詮は戯れにつくってみたものだからな。さて、どうしたものか。 実際の効果も試してみないと解らぬだろうしな。ふむ、いっそクアットロ、君で試してみるかね?」 「え"」 人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべていたクアットロはその瞬間凍りついた。 嫌だ。 よりにもよって自分が惚れ薬の被験者となるなど冗談ではない。 しかし、創造主たるジェイルの命令は拒むことはできない。 ジェイルはこちらを期待するように見つめていた。 手に嫌な汗がじわりと湧いてくるのをクアットロは感じた。 実はナンバーズ一、プライドの高いクアットロにとって、この状況は、あの六課の3大化け物達の 空間攻撃+砲撃を受けたとき以上の危機であった。 代わり身…もとい生贄が必要である。 クアットロの脳はこの状態を回避すべく高速で回転をはじめる。 「ド、ド…ドクタァ、私にいい考えがありますわぁ。六課の連中で試してみましょうよ? うまくすれば混乱して戦力が落ちるかもしれませんしぃ〜」 クアットロは内心の動揺を隠しつつ甘い猫なで声で言った。 「ふむ。六課の連中でか…面白いかもしれんな」 ジェイルはあごに手をやり、しばし黙考すると 「やってみたまえ、クアットロ。記録映像は忘れずにな」 と言って、コポコポと泡を吹く琥珀色の液体の入った三角フラスコをクアットロに渡した。 「うふふふ、お任せください。ドクタァ」 ほっと安堵の息をつきながら、クアットロはフラスコを受け取り、ささやかな復讐計画を練り始める。 クアットロの丸メガネが光を反射してキラリと輝いた。 [170]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:26:36 ID:vEyuAaVe 「ランスター二等陸士ですか?お届け物です。受け取り証にサインお願いしまーす」 「あっ、もう届いたんだ。Teana Lanster っと。はい、ご苦労様です」 「あざーっす。失礼しましたー」 「ティアー。それなーに?」 スバルはベッドに寝転んだまま、宅配小包を受け取ったティアナに尋ねた。 ティアナもスバルも風呂上りなため、リラックスした雰囲気が部屋に満ちていた。 「んー?これ?これはねー」 ガサゴソと机の上で包みを開け始めるティアナに、スバルもベッドをおりて覗き込む。 包装紙を剥がすと箱が出てきた。箱のフタを開けば、そこにはいくつかのドリンク瓶が詰められていた。 「ティア、これって…栄養ドリンク?」 「効くらしいわよー。この前、フェイトさんについて町に聞き込みに行ったとき、これのチラシをもらったのよ」 「ふぅーん」 「言っとくけど。あんたにはやらないわよ。馬鹿みたいな体力なんだから、こんなの必要ないでしょ」 「馬鹿みたいって、あたしだって疲れるときは疲れるもん!」 「何言ってんのよ。今日だってヴィータ副隊長にしごかれてへとへとかと思えば、 夕食のデザートにアイスクリーム出るって聞いたら、あんた隊舎まで全力疾走してったじゃない」 そう言われてぐぅの音も出なくなったスバルを横目に、ティアナは箱の栄養ドリンクを一本取り出して さっさと瓶の蓋を開け始める。手のひらサイズの小さな瓶の中には琥珀色の液体が詰まっていた。 ごく自然な動作でティアナはそれを飲み干す。 と、その時、コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえた。 「スバルー、ティアナー。ちょっといいかなー」 開いたドアからちょこんと顔を出したのは、ふたりの上官である高町なのはだった。 「あ、なのはさん」 スバルが声をあげる。 「どーしたんですか?」 珍しい訪問客に、首をかしげてスバルが聞いた。 なのははふたりの部下に気さくな笑みを向けながら 「うん。明日の訓練のことなんだけど…」 とそこまで言って、ティアナの様子がどことなくおかしいのに気づいた。 「ティアナ?」 [171]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:28:10 ID:vEyuAaVe だが、いつまで経ってもティアナからの返答はなかった。 呼びかけられた当の本人は、ぼぅっとした表情でひたすらなのはを見つめていた。 頬は紅く染まり、心なしか瞳も潤んでいるようだ。 「ちょっと、ティア!ティアー?」 スバルが後ろからティアナの肩を揺さぶるが、その視線はなのはに固定されたままだ。 ティアナの顔は熱っぽく、風邪をひいたときの症状に似ている。 また、隠れて無茶な練習をして体を壊したのだろうか。 この教え子は以前にも前科があるので、その可能性は高いようになのはには思われた。 ティアナが反応を見せないことでますます心配になり、なのはは部屋に足を踏み入れる。 「ティアナ?どうしたの?」 ティアナの前にやってきて、腰をまげ、目線をティアナとあわせて問いかけた。 すると、ティアナは潤んだ瞳でなのはを見上げた。 その瞳を見た瞬間、なのははまるで獲物を狩る肉食動物に捕捉されたような心持がした。 高町家に流れる戦士としての勘が警鐘を鳴らす。 なのはは猛烈に嫌な予感がした。 「なのはさん…ハァハァ…」 だらしない締まりのない顔でよだれを垂らしながらそう言ったかと思うと、 ティアナはなのはの首に腕をまわし、そのまま抱きついて床の上に押し倒した。 「「へっ?」」 なのはとスバルが同時に呆けた声をあげる。 「ハァハァ…あぁん…いい匂い」 ティアナはなのはの首元に顔をうずめ、匂いをがぐと、そのまま軽く啄ばむようにキスを浴びせた。 なのはは完全にフリーズしてしまい、ティアナの為すがままにされている。 いち早く立ちなおったのはスバルであった。 「ティ、ティ、ティ、ティアーーーーーーーーー!?」 「ッサイ!」 ティアナは、右手を振って下げ日出したスバルをリングバインドで一瞬のうちに縛り上げた。 「ちょ?ティア?!」 「ッッサイ!」 返す手で、なのはの両手をチェーンバインドで後ろ手にガッチリと固め縛りあげる。 「なっ!しまった!」 「ハァハァ……ふふ、あはははははは!逃がさないんだから!」 [172]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:29:40 ID:vEyuAaVe 事ここに至って、なのはもようやく事態の深刻さを悟るが、もう遅い。 いつもは肌身離さず身につけているレイジングハートも今晩に限ってメンテナンスに出していた。 さらにティアナは部屋の中に簡易結界を張り、声が外に漏れないように工作した。 「ティア!解いて!解いてってば!HA☆NA☆SE!」 床の上でバインドされたスバルがじたばたともがくが、ティアナはそれをあっさりと無視し、 猫のようになのはの胸の谷間に顔をスリスリとうずめた。 それから、唇をチューのかたちで突き出して、なのはの顔面に近づき始める。 「ちゅきちゅき♪なのはたんだいちゅきー」 なのはの背筋にゾゾゾッと悪寒が走った。 スバルは信じられないものを見たかのように目を見開いた。 「ティ、ティアナ。まず、落ち着こう、ね?」 こんなところで、乙女の至宝、ファーストキッスを奪われてはたまったものではない。 何が何だかわからないまま、なのはは必死にティアナを落ち着かせようと試みる。 だがティアナは止まらない。 「なのはさんハァハァ…ちゅきなんですぅ!ちゅきちゅきー」 意味不明な言葉を呟きながら、1cm、また1cmとティアナの唇がなのはに接近する。 ちなみにティアナの両手はなのはのそこそこ豊かな胸をむにむにと揉みあげている。 なのはのほうも、そうされていると段々と変な気分になり、このまま堕ちてしまいたい誘惑が わずかに心をかすめたが、教導官としての矜持と鉄の自制心でそれを押さえ込んだ。 「待って!ティアナ!私達女の子同士だし!」 必死の形相でなのはが言うと、一瞬ティアナの動きが止まった。 ほっとしたのも束の間、なのはの安堵をあざ笑うかのように ティアナはガバッと身を起こすとなのはに上から迫り 「でもそんなの関係ねぇ!」 そう叫ぶがはやいか、ティアナはなのはの唇を乱暴に奪った。 「ふむぅぅぅ…むっぐ…」 オワッタ。 ごめんね、ユーノ君。 もう、私、駄目かも。 「むぅ…!ティ…むはっ?」 ティアナ!深いって! 舌!舌が中に!中、嘗め回さな… そんな、激しすぎ、やめ… [173]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:31:40 ID:vEyuAaVe その後もティアナの蛮行は止まらない。 いつの間にか上着は前をはずされ、今はシャツ越しにおっぱいを揉まれている。 「なのはさん…ハァハァ…私が!もっと!気持ちよくしてあげますねっ」 ティアナはなのはのスカートをずりおろすと、パンティのうえから秘部をさすり始めた。 「くっ…うぅ…あ、あぁ、そこは、そこは…やめて、ティアナ。お願い」 貞操の危機になのははプライドをすべてかなぐり捨てて懇願する。 「大丈夫です。頑張りますから」 ティアナは爽やかな笑顔でそうほざいた。 駄目だこりゃ、となのはは思った。 会話が成立していない。 それでも、一縷の望みをかけて体を揺すって抵抗し懇願するが ティアナによる責めは次第に激しくなり、数十分もの間、ティアナの指は なのはを嬲り続け、あえがせ続けた。 「あっ、くっ…ううぅ……あぁッ…」 「粘りますね。そんななのはさんもハァハァです…さて、そろそろ頂きますか」 ティアナは仰向けだったなのはをひっくり返してうつ伏せの状態にし、膝を 折り曲げさせ、なのはの腰を上方に突き出すような格好で持ち上げた。 「な、何?」 「ハァハァ…バックスタイルってやつですよ。やってみたかったんですよね」 屈辱的な体勢になのはは羞恥と怒りで真っ赤になる。 教え子に殺意がわいたのははじめてだ。 「ティアナ…いい加減に」 なのはは、後ろ手に縛られたまま、背筋の力でうつ伏せから上体を持ち上げ、 膝立ちになりかけたが、 「ア――ッ!」 尻の穴に何かが挿入された異物感で、動きが固まり、再び倒れ伏す。 [174]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:33:09 ID:vEyuAaVe 「ふふふ。カートリッジをドライブ・イグニッション!してみました。これで元気満タンですね」 もはやなのはの喉からは言葉がでない。 「じゃあ、改めて、なのはさん頂きます♪」 「…ッ!ティア、ナ!やめ…」 搾り出すようにして、なのはは抵抗の言葉をひねり出すが 激しい口付けと愛撫で、知らず熱く潤っていた股間に 無情にもティアナの指がじゅぷっと押し込まれた。 「ティ、アナ!」 「いいっ!いいです!なのはさんを、私、今、犯してッ!」 ティアナは指をさらに奥まで突っ込んで掻きまわすように動かす。 「ふっ…うっあああああぁッ!」 すぐに、なのはの体が痙攣を起こしたように小刻みに跳ねた。 「なのはさん…もう逝っちゃったんですか?まだまだこれからですよ?」 ティアナは指を3本に増やすと後ろから無慈悲にガンガン突きはじめる。 まるでいつかの復讐だとばかりに激しく、何度も何度も突き上げる。 ティアナの指が出入りするたびに、じゅっぽじゅぽと水音があたりに響き渡る。 「いやぁぁぁぁ!壊れ、ちゃうから!ティアナ、やめて、やめて!あっ、う…ッ!」 その時、すすり泣く音が聞こえてきた。 なのはが目だけ動かして見れば、スバルが泣いていた。 目の前で親友が上官兼教官(しかも同性)を縛り上げ、レイプしているのを 見ているのだから、それはもうショックに違いない。 しかし、むしろ泣きたいのはこっちのほうである。 まだ膣内の蹂躙は続いている。 スバルはなおも泣き続ける。 「うっうっ…ティアぁ……ズルいよぉ…」 何がどうズルいのか? 突っ込みたいが、突っ込むとますます大切な何かを失うような気がして、なのはは スバルの発言とそれに対して感じた疑問を、精神保護のため、記憶から強制デリートした。 「なのはさんなのはさんなのはさん…アァ…なのはさんなのはさんなのはさん」 もう一人の教え子は相変わらず気が触れたように自分の名前を攻めながら呼んでいる。 もう、どうにでも、なれ。 不屈のエースは、考えることを、やめた。 結局、ティアナによるお楽しみは、夜も随分と更け、部屋に帰らないなのはを案じたフェイトが 結界を解き、怒れる雷神の刃でティアナが斬られるまでずっと続いたのであった。 [175]惚れ薬〜逆襲のティアナ 2007/11/01(木) 06:34:54 ID:vEyuAaVe /// 「それで」と、八神はやては言った。 部隊長室におちる沈黙。 はやては専用の大きなデスクに腰掛け、肘をデスクにのせたまま顔の前で手を組んでいた。 対するティアナは気をつけの姿勢でデスクの前に立っている。 部屋にいるのはこのふたりきりだが、ドア向こうにはヴォルケンリッターが勢ぞろいしており、 ティアナが何か妙な行動を起こそうものなら、即座に叩きのめす用意がされていた。 「この栄養ドリンクを飲んだら急にムラムラしてきて、ちょうど最初に目に付いた 高町教導官を、その…欲望のままに襲った、というわけやな?」 「自分でもなんであんなことしたのか…。すいません」 うなだれるティアナ。 ぽりぽりと、決まり悪そうにはやては頬をかく。 「うーん。まあ、この栄養ドリンクが何や変な成分がはいっとったみたいやから。うーん。 何というか、まあ、心神喪失状態?みたいやったし、まあ、色んな意味で、この事は おおごとにはできへんし。なのはちゃんも、まあ、一応、事情聞いて許してくれたし。」 なのはの名前が出るとティアナはますます縮こまった。 「まあ、そういうわけでな、この件。無かったことにしよ」 「えっ?」 「幸いにもここにおるんは身内みたいなメンバーがほとんどやし。外部に漏れることはない と思うけど、万が一、ひとに何か聞かれたら。すっとぼけてな?」 「は、はい」 狼狽しながらも、ティアナは返答を返した。 納得がいかないようなティアナの様子に、はやてはため息をついた。 「ぶっちゃけ、困るんよ。六課は中央本部から睨まれているようやし、こういう事が 表沙汰になると大スキャンダルやし、最悪、六課の活動がつぶされるかも知れへん。」 「……すいませんでした」 「もう行ってええよ。」 「はい、失礼します」 敬礼をして退出するティアナの耳に、かすかにはやての小さな独り言が聞こえた。 「なのはちゃん結構、根にもつんよなぁ…」 その日、機動六課の隊舎では顔面蒼白になりながら「嘘だッ!」とつぶやき続ける ティアナ・ランスターの姿が見られたとか見られなかったとか。 しかし、意外とティアナ・ランスターに対する高町なのはの教導は比較的穏やかであった。 むしろ、以前よりも優しく感じられ、ティアナは拍子抜けした。 ティアナにとっての本当の恐怖。 それはライトニング分隊の隊長による模擬戦形式の「指導」のほうであった。 END・・・と思いきや 記録映像を見て人知れず興奮する者がふたり。 「こっこれは!中々…!!じ、実験、ほ、惚れ薬は成功のようだ!」 ジェイル・スカリエッティ。 「私もあんな風に不屈のエースをいじめてみたいですぅん♪  ///ポッ」 そして、クアットロ。 END [176]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 06:35:48 ID:vEyuAaVe 以上です [177]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 07:45:56 ID:lGQaP8vk >>176 GJ!朝からいきなりエロスw [178]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 09:50:04 ID:P50zB4wF >>176 GJ!スカリエッティ!もっと薬を量産するんだ!w [179]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 10:38:27 ID:HO+StBmm >>162 Nice job. しかし協力者という名の野次馬共は結局何がしたかったんだw フォーチューンリング出すならまずはティアナから・・・まぁそのまま追いかけるのは不粋か [180]179 2007/11/01(木) 10:50:02 ID:HO+StBmm いや待て自分。 確かアレの流れは 知らずに名前入りリング渡す ↓ 名前無しリング渡される ↓ そのまま受け取るor贈り直す だったか [181]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 13:34:31 ID:YlxBqO5u >>57 GJ!! シャマル先生ワロタw エリオが鬼畜化していってるのもよかたし、シグ脳内攻めもフイタw [182]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 14:02:02 ID:Q0qtvevf あー・・・まさか保管はこんなに怠いものだったとは・・・ [183]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 21:00:43 ID:BBoZw/M2 管理人様ですか? お疲れ様です。 ……最近投下早いからなぁ…。 [184]名無しさん@ピンキー 2007/11/01(木) 22:40:13 ID:7PxhegVE >>182 マジお疲れ。 昨日今日と保管作業が進んでて少々驚いた。 無理せず進めて下さい。 [185]26-111 2007/11/01(木) 22:46:36 ID:oB1Y3BTm >>182 保管作業、お疲れ様でした お手伝いしようと思ったら、編集画面から進まなくて首を傾げている私はかなりの間抜けです 以前の説明書きを読み直してきます・・・ [186]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 00:12:25 ID:QMj0gJ/m >>182 まいどまいどお疲れ様です ところでメガマガのマンガ版でナンバーズやってるらしいんだが 買おうかどうか迷っている なんでも姉妹の乳首が見れるらしんだが、ホントか? [187]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 00:19:25 ID:zojhtgUV ディエチが俺の嫁なのは確定的に明らか [188]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 00:54:49 ID:K3ZwRUpE >>186 乳首なんかありません。 あったとしてもフキダシで隠しています。 お風呂にはいるディエチちゃんはオレのものだ。>>187 チンク姉はシャワーハットを着用、かつ一人で頭を洗えない。 [189]186 2007/11/02(金) 01:15:02 ID:QMj0gJ/m >>188 >あったとしてもフキダシで隠しています。 (´・ω・`)ショボーン >チンク姉はシャワーハットを着用、かつ一人で頭を洗えない。 な、なに!? ぬおおおおおおおおおおおおお! なぜ、ココまで迷わなければならんのだ!! orz [190]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 01:27:52 ID:IY6jqITm 迷っているのなら買いなさい。 買わずに後悔するのなら、買って後悔しなさい。 後悔することは無いと思いますが。 とりあえず、表紙のフェイトは穿いてない。 [191]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 01:37:28 ID:GmbOHX4j そーなんだ。あのフェイトは恐るべき販促――ではなく反則。 今号のメガミマガジン付きなのは漫画は買いだぞっ とりあえず12人全部でてくるナンバーズSSを書きたくなるほどに。 [192]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 01:47:08 ID:Ozd61/A6 では、書くんだ [193]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 01:55:11 ID:pcEkWXp5 >>191 ドゥーエは回想だけってオチは無しだぜ [194]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 03:35:37 ID:I9gI5yFJ むしろドゥーエの回想だけ [195]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 06:14:51 ID:sd7cOs1I では自分はドゥーエとの回想を… [196]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 06:29:25 ID:I9gI5yFJ ヤキン・ドゥーエを思い出す [197]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 06:46:03 ID:btqhMXgB >>191 メガマガ付きって……メガマガの方がおまけかよw いや、間違ってないが。 [198]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 07:48:58 ID:1QE6nvqE >>189 >チンク姉はシャワーハットを着用、かつ一人で頭を洗えない。 だけど、なぜか偉そうにしている。 [199]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 08:01:32 ID:kZZb4ppQ あれはシャワーハットじゃなくてシャンプーハットっていうんじゃなかったか? [200]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 08:28:34 ID:hXkUA0g5 オットーの性別を「……秘密です」と言ってのける双子と けしかけたメガ姉もたいがいだが、 それにころっと引っかかるノーヴェは意外と純情っぽ。 [201]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 08:35:30 ID:50o36AtG 俺もシャンプーハットって呼んでたな。 片目閉じてるの見て思い出したが、チンクの強さってオーバーSのゼストを負傷するとはいえ倒せるけど Aのギンガにはてこずり、Bのスバルの振動破砕で大ダメージなんだよな。 相性もあるんだろうが、よくわからない強さだなぁ…… [202]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 08:37:54 ID:liw0DzZu ショタスカに萌えた俺は異端 次回作でるなら何人目かのショタスカ出してくれよ [203]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 08:42:21 ID:KQhcnPfi 不覚にも散髪してもらってるスカに和んだw [204]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 09:16:23 ID:jGZ7bbLC 時期的に考えると、間違いなく「晴れ舞台」(演説)のためのおめかしだよな、アレw [205]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 10:27:41 ID:IY6jqITm トーレと会話しているチンクの椅子が子供用の足の長いやつだった [206]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:31:23 ID:Uwgyx+um 続きです なのは・シャマルVSクロノ・フェイト・アルフです 訂正として、以前の投稿でこの試合が準々決勝とありましたが、準決勝の間違いでした 申し訳ありません エロはありませんが、フェイトさんがドMっぷりを発揮しています [207]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:32:12 ID:Uwgyx+um  実力者達が鎬を削り試合場に激戦の舞踏を飾る魔導師戦技大会は、昼の休憩を挟んで準決勝に移行しようとしていた。  第一試合のユーノ・スクライアとヴィータのペアは、第三回戦を勝ち抜いた時点で決勝戦への出場権利を 獲得していた。彼等は最後の決戦の為だけに英気を養う猶予を与えられ、幾分か肩肘を張らずに同じ土俵に 立つ相手が誰なのかを見極める事が出来ている。  控えの個室で、ユーノとヴィータは室内の観戦用テレビを視聴している。三位を決する次の試合の勝者が、 この二人と優勝を賭けて戦う事になる。  ヴィータは決勝戦への切符を勝ち取った事と、その後に食べたカレーライスが舌に合った事で上機嫌だっ た。壁側の机ではユーノがテレビに興味を無くし、頗る緊張感の無い顔で読書に耽っていた。規則的に捲ら れるページの音が、テレビの音声に混ざる。  テレビ画面では、実況席に居る司会とリンディとヴェロッサの会話が、試合場の映像の中に重なっている。  準決勝の対戦は、機動六課に然したる印象を持たない者でも期待が高まっていた。  実況席付近の大画面には、『準決勝 高町なのは一等空尉&シャマル主任医務官VSクロノ・ハラオウン 提督&フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官』と表示されている。 「正直、なのは・シャマル組とは戦いたくねぇな……」  ヴィータがげんなりして吐き捨てていると、控え室に身内の面々が続々と集まってきた。スバルとティア ナを初め、シグナム、ザフィーラ、アギト、はやて、エリオ、リインフォースU、キャロ、ルーテシアがそ れぞれ姦しくしながら部屋に踏み入ってくる。ヴィヴィオとハラオウン母子は観客席で大人しくしているらしい。 「ヴィータ副隊長、皆で一緒に観戦しましょうよ」 「何だよお前等、出てけよ。狭いだろっ」  ヴィータが顔見知りの波に怒声を上げるが、彼女達は歯牙にもかけず好き勝手を始める。 「中々の物言いだなヴィータ。随分と偉くなったものだ、流石は決勝戦出場者といったところか」  扉近くの壁に背を預け、シグナムは邪気のある笑みで美麗な唇を吊り上げた。管理局勤務で更に世俗慣れ したのか、ヴィータはそういうシグナムが少し苦手だ。腕も達者で口も達者となると、からかわれると勝ち 目が無い。 「ユーノ君と一緒に掴み取った栄光やもんね〜」 「あ、あー、うん、そりゃそうだけど……って、ガリュー! ガリューがジュース飲んでる!? 誰か突っ込めよ!」  ヴィータが興奮して指を差す先で、ガリューは腰に手を当ててゴキュゴキュと冷蔵庫のジュースを飲み下していた。 「いや、もう僕達にとってアレは日常風景ですから……気にしたら負けです」 「気にするわっ。ユーノ、ユーノも見てみろ! ほらガリュー、ガリューが!」  ヴィータが四つん這いの姿勢でユーノに這い寄り、背広の裾を引っ張って注意を促す。活字から目を移し たユーノは、豪快に水分補給を行っている黒衣の召喚虫に涼しい視線を当てた。 「美味しい?」 「うん」 「そっか」ユーノがにこやかに微笑んだ。ヴィータの目の前で、ユーノが本へと向き直った。 「おいおいおいおい、そりゃ違うだろ。……もういいよ。あたしが悪かったよ」  消沈を抑えられず、ヴィータはガリューに関して不干渉の諦念を選ぶ。ヴィータの中では確かに、ガリューの生態に深入りすればするほど、自分の中の何かが崩壊してしまいそうな危険が感じられた。  大会も大詰めを迎えているにも関わらずどこか間の抜けた空気がある控え室に、テレビ画面から観客のどよめきが流れ込んできた。ユーノ以外の彼女達の目が画面に集中する。 「ユーノ君、見ぃひんの?」  靴を脱いで絨毯詰めの床に正座していたはやてが、一人テレビへ背中を向けている幼馴染みに声を掛けた。 「あぁ、うん。気にしなくていいよ」  心成しか、ユーノの声は微細な振動を帯びていた。起き上がったはやてが彼の背中から覆い被さり、屈託 の無い笑顔を彼の横顔に並べる。 「何やのん、もう。一緒に観ようや。なのはちゃんとフェイトちゃんの真剣勝負なんて、もう二度と観られへんよ?」 [208]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:33:02 ID:Uwgyx+um 「い、いいってば。だって本気のなのはって見るのも怖いんだもん!」  暫く、控え室に無機質な沈黙が漂った。 (そ、それが本音か司書長……!)  内心で密かに同意する者、不自然に目を逸らす者、バツが悪そうにユーノから身体を離す者、機動六課所 属時代の模擬戦の悪夢を思い返して泡を吹く者、多種多様な反応が控え室を静かに混乱させた。 /  シャマルは正直なところ、よもや準決勝まで突っ走る事が出来るとは思っていなかった。自身の実力があ ってこそ公正な結果を出せた事は嬉しい事であるし、同時になのはと共に勝ち上がってきたという絆も肌で 感じている。  彼女とて無欲な人形ではない。ここに来て、更に輝かしい結果を、優勝という頂点を目指そうという気持 ちが浮かばないわけが無かった。  なのはは大会への参加を決めた時点で、色々と私情もあれど只管優勝の座を欲している。  シャマルもペアとしてなのはの決意を成就させたいと思う反面、自分自身もその栄光の上に立ちたいと、 判然とした意欲が沸いてきていた。 「なのはちゃん、上位三組の景品って何でしたっけ」  いい具合に試合場の空気にも馴染んできたシャマルが、朗らかに隣の相棒へ口を開いた。  大勢の観客に囲まれた試合場の中心、彼女達二人の正面では、ハラオウン兄妹とアルフも二人同様、どこ か安穏とした風貌で試合開始を待っている。  いい意味で全力を出せる相手、そしてまた別の意味でそうした隙を見せられる相手同士という事でもあっ た。変に敵意を剥き出して対峙する雰囲気など微塵も無く、ただただ厳正なルールに則って互いに力を出し 切ろうとする清潔さが、五人の間にはあった。 「準々決勝が金券、準優勝が温泉旅行の宿泊券、優勝の景品は……あれ? 発表されていましたっけ?」 「いや、されていないぞ」  これから死力を尽くして戦う相手だというのに、クロノは腰に手を当ててなのは達の会話に入った。しか し、なのはとシャマルもクロノに対して気を悪くした風も見せない。 『さて、大会も大詰めになってきたところですし、試合を始める前に優勝景品の公開といきましょう』 「あ、はは……あざといなぁ」  調子のいい声色で切り出してきた司会者にフェイトが苦笑いをして、彼女も試合場の大画面へ顔を巡らせた。  数万の視線を浴びながら、画面に大会の覇者に贈呈される名誉と栄光の証が表示された。  瞬間、なのはとクロノが衝撃の電流に打ちのめされて硬直する。 「あ、あれはっ!?」「え、どうして……」 『ミッドチルダ北部辺境の遺跡で発掘された映像音声出力型のロストロギア……その名も『とらいあんぐる ハート3 リリカルおもちゃ箱』っ! ある管理外世界の島国でこの手の娯楽製品はカルト的な人気で普及 しているそうですが、我々が暮らす世界におけるその希少性、魔法技術を一切用いずに構成された内部プロ グラム等はまさに一見の価値あり!』  通常、一般人の管理外世界への渡航は、申請手続きを処理する管理局の当局からいい顔をされない。それ に加え、得体の知れない世界へ渡るという行為も、社会通念的に正常な思考として認識される時代には達し ていなかった。  なのはやはやて、グレアムといった顔触れが統計上にも出されないほど珍奇な存在であると同時に、ハラ オウン夫妻もまた同等である。 『成る程。確かに、魔法という超科学を当たり前の常識として受け止めている我々には、そうした機械文明 のプログラムは実に興味深い。魔導の無い純然な機械となると、ミッドチルダでも入手や運用が難しいです からね。ある意味、これは計り知れない値打ちの宝物ですよ』 『……私は優勝景品に関して、何も言う事はありません』  ヴェロッサ、リンディは正反対の温度で見解を述べていた。十年間の在日生活であの国の文化を色々と熟 知しているリンディには、優勝の座を意味する一枚の記録円盤に含まれる情報がいかなる類のものか、漠然 と察している。  それは有り得たかもしれない世界であり、有り得たかもしれないもう一つの未来を描く物語の器。  数多の次元を法と秩序で取り締まる管理局の膝下に、その範疇を超脱した『時空』の外に位置するものの 具現があっても、畢竟して異質な可能性でもない。 [209]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:33:56 ID:Uwgyx+um 「ま、待て。何故あれがこんな所に。ひぎぃっ!」 「あ、あぅ……あうあうあうあうあうあう。なーのーなーのーなのなのなーのー」 「お、お兄ちゃん? 大丈夫? しっかりして」「矢庭にどうしたんだいクロノ。顔色が悪いよ?」 「なのはちゃん? あの、もしもーし、もうすぐ試合ですよ?」  それぞれの相方が仲間の豹変に戸惑うが、当事者二人の動揺は一向に収まらなかった。 (あんな物が他人の手に渡って、万が一エイミィに内容が知れたら……虚数空間に封じ込められるだけでは済まない) (うん、あれは作り物。いわゆるパラレルワールド。平行世界の出来事。だからこの時空のわたしには関係 無いの。あのゲームの中で、わたしによく似た人とクロノ君によく似た人が何をしてても、別にわたしがそ れで何がどうなるわけでも……無い……よ、ね?)  それは時空を隔てた同一人物の因縁か、クロノとなのはは理屈で説明し得ない超人的な感覚で、あの記録 円盤の中身を余すところ無く確信していた。  なのはは平静を取り戻そうと、小さく顔を伏せて自分に言い聞かせる。不意に、彼女の視線がクロノの瞳 と空中で触れ合う。二人の胸中は同床異夢なのか異床同夢なのかさえも判断が難しかったが、一つの結論が 共通しているという点だけは確実だった。 (ユーノとヴィータにだけは、決してアレを渡してはならない──!) (高町なのは、任務了解! 大至急優勝し、目標のロストロギアを回収、即時抹消します!)  急激に落ち込んだかと思えば次に不屈の闘志を燃え上がらせるクロノとなのはにたじろぐ他の顔だったが、 これ以上首を突っ込む事に何の利点も無いのを知ると二人に不干渉を選んだ。 「それでは準決勝──」  結界の展開が完了し、審判員が大きく試合開始を告げた。直後、なのはから飛行魔力の推進力が吹き荒れる。 「リリカルファイトォーッ!」 「なのはちゃん! それ違いますっ!」  牽制も様子見も無く、なのはが突撃に地を蹴る。シャマルは色々な意味で彼女を制止しようとしたが、彼 女の恐ろしいまでの執念の暴発は、アクセルフィンの噴射となってシャマルの視界を包み込んだ。ブラスタ ービットも迅速に起動し、なのはの尋常ならざる思念制御で無軌道にシャマルの傍へと移動する。 「フェイト、アルフ、何でもいいから時間を稼いでくれ! なのはとシャマルを止めろっ! あと優勝景品 は気にしなくていい! 絶対に気にするな!」 「え? う、うん……わかった」  クロノも目の前の敵ではない何かに焦燥している、そんな場違いな心理状態をフェイトに思わせる。彼の 漆黒のバリアジャケットが地上から離れ、素早く浮上していった。  フェイトは義兄と幼馴染みの言い知れない気迫を、凛々しい魔導師としての顔で受け止める。急迫してく る白い閃光を迎撃すべく、バルディッシュの宝玉を陽光で反射させながら振り被った。 「フェイトちゃん邪魔! 邪魔だよ!」  レイジングハートとバルディッシュの機構部が激突し、苛烈な火花が二人の視界に乱舞する。俊敏にレイ ジングハートを退かせたなのはは、すぐさまフェイトの腰へとデバイスを薙ぐ。不吉な空気の唸りを伴うレ イジングハートの再撃を、フェイトは無駄の無い動きで打ち払った。 「な、のはっ!」  フェイトは防御を完璧にこなしたが、身体に伝わってくる凄まじい痺れに顔を歪める。咄嗟に見た間近に あるなのはの形相で、フェイトの背筋は羅刹を前にした悪寒で俄かに戦慄いた。はためく白のマントが、金 髪美女の気の乱れを代弁する。 「そうそう……フェイトちゃん、わたし手加減しないって言ったよね」  死の影に彩られたなのはの囁きが、更にフェイトの行動に杭を打ち込む。彼女は顔面に襲い掛かってくる レイジングハートの金の脅威部を、目を見開きつつ腰を屈めて回避した。嘗て無いなのはの威圧感と猛攻に よって、フェイトは精神的な劣勢に追われていた。 「えっと、誰がわたしの私物なのかな?」  幾度と無くデバイス同士が至近距離で打ち合う金属音を潜り抜けて、なのはの不穏に低まった声がフェイ トの耳朶を攻撃した。何とかバルディッシュでレイジングハートの豪雨の如き進撃を食い止めているが、そ の防衛にも徐々に危うい雲行きが立ち込めていく。 [210]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:34:48 ID:Uwgyx+um 「だ、だからっ! ユーノにだってプライバシーはあるんだから! なのは、もうユーノを必要以上に束縛 したら駄目だよ!」 「束縛なんてしてないよ。お休みの日に会ったりしてるだけだもん」  なのはの言語中枢が機能不全を起こしているのかと疑いたくなる一言は、強烈に振り落とされたレイジン グハートの風圧で掻き消される。頭蓋を破砕しようと迫るなのはの一撃を、フェイトが焦りの喘ぎを吐きな がらバルディッシュで叩き払った。 「スターライトブレイカーをチャージしながら遊びに誘うのがなのはの流儀なの!?」 「うん」 「言い切って開き直ってるよこの人っ! 十年前はあんなに純粋無垢で可愛かっ……」  たわけでもないや、そもそもあの大技の最初の被害者って私だし──と思った瞬間、フェイトはレイジン グハートを痛打されて弾き飛ばされた。金の魔導師は宙返りをして態勢を整え、高速で接近してくるなのは へ雷光の直射弾を発射する。  なのははデバイスの一閃で数発を打ち落としたが、残弾を腕や腰に掠めてバリアジャケットに焦げと裂け 目を刻む。しかし、それだけの牽制では彼女の前進を止める事は出来なかった。フェイトは全速力のなのは を前に武装魔法を唱える間隙も与えられず、再び眼前で繰り出されるレイジングハートの打撃にバルディッ シュを応戦させるだけだった。  なのはとフェイトの視界の隅に、捕縛の縄が数本シャマルへと突き進む。フェイトがなのはと接戦を繰り 広げる横で、アルフがバインド魔法でブラスタービットを封じ込めていた。更なるバインドがシャマルの胴 体へと絡みつき、湖の騎士は無敵の結界の形成に機先を制されてしまった。  アルフが相手の戦略を周知している顔を、綽々と笑ませて白い歯を覗かせる。 「アルフさん……っ」 「行かせないよなのは!」  シャマルの不利に気を取られたなのはへ、フェイトは漸う攻勢に打って出る。バルディッシュから金色の 鉤が突出し、その光の牙が白い魔導師の頚部へと襲い掛かる。  横に転がした瞳を至近のバルディッシュに突き刺し、なのははフェイトに対する一抹の余裕を持った呼気 を吹いた。ハーケンの一撃を鋭い前進で回避したなのはは、懐でフェイトの黒胴着の腹部へと膝の突端で反撃した。  バリアジャケットを突き抜ける直撃を受け、フェイトは胃腸に重く響く痛みに掠れた唾液を散らす。 「遅いよフェイトちゃん──初めて会った時の冷酷さが無いフェイトちゃんなんかっ!」  なのはの瞳に映るフェイトの面貌が、突発的な痛憤の見脈を浮かべた。一流魔導師としての沽券を揶揄さ れた苛立ちを発露させるフェイトは、観戦中の親しい者へも多少に刺激を与えた。 「私の力が劣ったって言いたいのなのは! 心外だよ! 私は非道さを捨てたわけじゃない……それを言わ れて大人しく負けてられない!」  フェイトはバルディッシュの尻を重なり合ってくるなのはの上から刺突させ、なのはは肩甲骨が罅割れる 痺れに呻く。フェイトを前へと押し遣ったなのはは、肩の痛みに耐えながらクロスファイアシュートを周囲 に展開する。 「クロスファイア──!」  数十発の桜色光の弾丸が、なのはの思念制御で一層光度を高める。一跳びで距離を置いたフェイトも、ハ ーケンセイバーの魔力を鉤へ充填させ、敵の一斉発射に構えた。 「シュートッ!」 「蹴散らす!」  なのはがレイジングハートを振り、同時にフェイトが金光の刃をバルディッシュの機構部から発射させた。 旋回して宙を切り裂いて突進する円形刃は、クロスファイアシュートの陣形を壊滅すべく更に速度を増した。  誘導弾は全てが組成した地点に停止したまま、術者であるなのは自身が弾丸と化した。フェイトはすぐさ まあの光の乱舞が陽動だと看過したが、ハーケンセイバーを軌道修正する思念制御の隙を突かれ、バインド 魔法を放ちつつ急速で接近してきたなのはの全力の一撃を許した。  脇腹にレイジングハートの硬質な衝撃を受け、フェイトの細い体が、白いマントを激しく波打たせながら 低空を突っ切る。未だ彼女の身体を縛るバインドが逆方向へと張力を流し、フェイトは多大な反動に全身を 打ち据えてなのはのもとへと引き戻されていく。 [211]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:35:35 ID:Uwgyx+um  なのはが近距離での砲撃魔法の詠唱姿勢に入った瞬間、上空からフェイトへの水色の援護射撃が乱入した。 スティンガーレイとなのはのバインドが相殺され、フェイトの行動に自由が戻る。 「相変わらずバインドに弱いぞフェイト! しっかりかわして無力化するんだ!」  なのはは即座にディバインバスターの魔方陣を消失させ、巨大魔法の詠唱を続ける傍らで、義妹の支援に 回ったクロノへ苛烈な一瞥を飛ばした。  アルフはシャマルの封印に集中している。なのははクロノの周囲に凝縮していく大質量の魔力に絶対的な 敗北を見ざるを得なかった。  なのはのその視線が水平方向のフェイトへと落とされる。あのままクロスファイアシュートを一掃したハ ーケンセイバーが威力を弱めた状態でなのはの死角から迫るが、彼女はその鬱陶しい小さな雑音を振り払っ た腕で軽々と叩き割った。 「クロノ君も勝つ為には手段を選ばないんだ──!」  極大広域凍結魔法の予感を確信に置きつつ、なのはがフェイトという目先の邪魔を排除するべくアクセル フィンで飛翔する。フェイトも飛行魔法を発動させ、直進していた軌道を上空へと直角に跳ね上げた。  アクセルフィンの推進力を加えたレイジングハートと下から空気を縦断するバルディッシュが再度両者の 膂力を拮抗させ、傷付き破片を散乱させて宙を彩る。耳障りな金属音の絶叫を、二人の熾烈な表情が蒸発させた。 (シャマルさん、何とかしてエターナルコフィンを!)  なのははフェイトとデバイス同士の張り合いで滞空し、シャマルへと念話を繋げる。肩の損傷で、なのは の腕力は減少していた。レイジングハートは徐々にだが確実にバルディッシュに押されていく。 (はい……でも、彼女のバインドが、かなりっ……挑発でもしてフェイトちゃんを後退させてください!)  苦しげなシャマルの返答に勝敗の傾斜を嗅ぎ取り、なのはは彼女の救援を優先させて思考を回す。しかし、 バルディッシュとの力比べを弾いて移動しようにも、卓抜した機動力を誇るフェイトの追撃から完全に逃れ られずにいた。  数秒間空中を進んだなのはは、背後からの直射弾をラウンドシールドで防御し、突撃してくるフェイトに応戦する。  この大会は反則の判定さえ下されなければ、原則としていかなる行為も許容される──  なのはは心を制動させる躊躇を気合で黙らせ、自らレイジングハートを投擲する。フェイトが不可解なな のはに訝しむが、バルディッシュで近づいてくるレイジングハートを叩き落した。 「ごめんねフェイトちゃん。優勝の景品、絶対に誰にも渡せないの!」 「なのっ──ひゃん!?」  素っ頓狂な声を上げたフェイトは、デバイスを犠牲にしたなのはの無数のバインドに四肢を拘束された。  強固な束縛に身動きが取れないフェイトは、魔力縄から加わる強制力に身体を弄ばれる。白いマントが上 に捲られ、その下の黒の上着も同様な目に遭い、形のいいフェイトの臀部が大衆の前に曝け出される。  僅かに素肌を見せる大腿の白さも相俟って、バインドに艶かしい格好を強いられるフェイトの姿は過度に扇情的だった。 「い、いやっ、なのは! ちょっとっ! や、あっ……止めてなのはっ!」  二本のバインドが彼女の豊満な乳房の外縁を這って張り詰め、二つの膨らみを情欲的な果実の姿としてバ リアジャケットの上から浮き立たせる。時空管理局三大アイドルの中で「清楚純真」「品行方正」といった 好評を持つフェイトの思わぬ痴態に、否でも観客は目を釘付けにされる。その卑猥な光景が空中で繰り広げ られている点から、どんな方角の観客席でもフェイトの全貌が明瞭に観察出来た。 「お兄、ちゃ……アルっ、助けんぶっ!?」  切実なフェイトの泣き声が、口腔に侵入してきたバインドによって遮られる。口に満ちる熱い不快な棒に、 フェイトの顔が恥辱の赤に染まる。 「んぐ、あ、ぶ、かっ、はぁっ、げ、おっ……」  目の端に涙を湛え、口許のバインドや顎に唾液の筋を垂らすその様は、陵辱され男根の口唇愛撫を強要さ れる処女の悲惨そのものだった。脚部を縛るバインドが、彼女の下半身を徐々に左右へ開けていく。赤いミ ニスカートの奥にある布地越しで、雌の肉丘が克明に浮き彫りにされていた。  予想外の展開に驚愕を充満させる観客席の一席で、エイミィは二人の我が子とヴィヴィオの視界を器用に塞いでいた。 [212]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:36:17 ID:Uwgyx+um 「ねぇ、見えないよ」 「フェイトママー……」  三人の幼い批難を無視して、エイミィは彼女達の穢れない心を死守しようとどこか透き通った表情で腕を伸ばしていた。 「ったく、なのはちゃんも一丁前にそういう事知る歳になったってわけね……」  フェイトへのバインド制御を維持しながら、なのはは落下中のレイジングハートを手に取ってシャマルの もとへと急行する。アルフがなのはを阻止しようと動くが、フェイトからの心境の急流が頭痛となって痛烈 な苦しみを与えてくる。 「フェイト! そんなに動揺したら、はやて達の時みたいに……精神同調であたし、まで! 冷静に!」 「んんー、んんんーっ!」  破廉恥な開脚姿勢に固定され、いやらしく胸を強調され、擬似的なフェラチオに苛まれているフェイトは、 滂沱と涙を流してくぐもった声で泣き叫ぶしか出来なかった。 「なのはの奴、フェイトに対しては本気で加虐趣味丸出しになるな……っ。甘さを捨てろと何度も言ってる だろうに、いつまで経ってもあいつは!」  クロノがミッドチルダ式魔方陣を展開する。フェイトの性的虐待へと会場の視線が集まる中、エターナル コフィンの長時間詠唱は何の障害に阻まれる事無く完了した。  短期決着の瞬間は秒読み段階に到達した。なのはは詠唱時間を大幅に短縮した不完全出力のディバインバ スターをクロノへ撃ち出すが、彼の片手に組成されたシールドで呆気無く回避される。  クロノ本人への干渉を諦め、なのはは素早く拘束力の弱体化したアルフのバインドを駆逐する。 「ごめんなさいなのはちゃん──クロノ提督は私に任せてください!」  手足が解放されたシャマルは、至急旅の鏡の形成を始める。クラールヴィントの紐に囲まれた亜空間の扉 が彼女の前で抉じ開けられ、その出口が大魔法の発動準備に入ったクロノの背後に浮かび、魔の悪寒を放出した。 「ん……? リンカーコアなら効かないぞシャマル!」  勝利が確定したこの状況で、シャマルの策を侮ったクロノは背後の来襲を歯牙にも掛けなかった。なのは はシャマルから少し離れた位置に移り、大出力の砲撃魔法の詠唱を開始する。バインド魔法との併発で精度 は完璧ではないが、クロノを撃墜させられるだけの威力はレイジングハートの手触りで実感出来た。 「あ、あぁ、ん、ふぁ、なのはぁ、駄目っ、止めてよ、止めてよぉっ……えぐっ、あ、んぁ、ひぐっ……」  フェイトがバインドに辱められながら泣きじゃくり、耐え難い羞恥の苦痛に理性を失いかけていた。ディ バインバスターになのはの思念が優先されている為か、バインドの動きが規則性を無くしてより卑猥さが加わる。 「ご、ごめんねフェイトちゃん。そっちまで制御回せないの! でもフェイトちゃんってドMだから、本当 は気持ちいいんだよね!」 「んああああああっ! 違う違う違う違うっ! なのは、これ、以っ上……本気で、な、のはっ! 嫌だよ! 降参、降参するから! 大切な初めてがバインドなんて絶対に嫌────っ!」  手段を選ばずフェイトを捕縛、という抽象的な思念で多数のバインドが無秩序に蠢き、それは遂に本格的 なフェイトへの陵辱に移行する。股間の大切な部分にバインドの先端が触れ、フェイトは鹿の鳴き声に似た 狂乱の悲鳴を上げて一心不乱に足掻いた。 「ク、クロノ! 未完成でもいいからぶっ放してやりな!」  アルフが片膝を地面につけ、苦悶を押し込めて叫んだ。彼女へ注ぎ込まれる不快感は尚も勢いを留めなかった。 「よし、これで終わりだ。悠久なる凍土、凍てつく棺のうちにて──」  発動の呪文を紡ぎ出したクロノは、背中に凍結魔法とは異質の寒気を浴びる。  振り返るという選択すら抜き取るほどのその魔性の暗躍は、白い指をクロノの頬に伝わせる。 「ね〜ぇ、クロノ提督……」  妖艶なシャマルの声色が、クロノの耳朶を淫猥な響きで刺激した。てっきりリンカーコア摘出の切り札を 見せてくると踏んでいたクロノは、シャマルが直々に上半身までを旅の鏡に通している状態に、声を途絶えさせる。 [213]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:37:38 ID:Uwgyx+um  伸ばされたシャマルの指が、男の劣情を掻き立て動きでクロノの頬から首筋へと這う。肌を舐める指の感 触に、クロノの背中は大いに鳥肌を立たせた。 「ふふっ……ふぅ──っ」 「は、はい!?」  シャマルの情欲的な吐息を間近で耳に吹きかけられ、女性経験に乏しいクロノは無意識に狼狽を高騰させ た。たかが吐息一つ、しかしその空気を囁やかせる色気が、クロノの不器用な男の性を狂わせる。クロノの 中にあったシャマル個人の温厚な人柄が音を発てて瓦解し、妖艶な魔女の一面に塗り替えられていく。 「ディバイン──!」  散々バインドに甚振られて放心状態のフェイトを解放し、なのははディバインバスターの詠唱に専念する。 砲撃の照準は微小の誤差も無くクロノへと設定されている。  泣き腫らした顔で無為に落下してくるフェイトを受け止め、アルフがなのはへと全速力で肉迫する。使い 魔がバインドを放ちながら砲撃の阻止に出るが、既に魔方陣内の圧縮魔力は発射寸前の臨界点に到達してい た。  シャマルが上空から片掌を広げ、高速でバインドを射出する。アルフのバインドとシャマルのバインドが 交錯し、強固に縛り絡まった。  誰もがクロノの撃墜となのは達の勝利に傾く。しかし、その早合点を転覆させる大声が試合場に響き渡った。 「こォらァ! いつまでも鼻の下伸ばしてるんじゃないわよ! こんなふざけた負け方したら本気で絶交だからね!?」  観客席からの女性の怒号が殷々と残響となって漂い、会場の大人数は耳鳴りに顔付きを引き攣らせた。 「……こ、ここで負けたらエイミィに殺されるっ! レリックウェポンとして人生再出発だけは嫌だ!」 「あっ!」  妻の叱責で我に返ったクロノは、官能的に自分の身体を撫でるシャマルの指を凄絶な抵抗で跳ね除けた。 「バスタ──────ッ!」 「やらせるか、なのはっ! こっちは家庭が懸かっているんだァ──ッ!」  強大な砲撃魔法の奔流を、クロノのデュランダルから放射されたエターナルコフィンが凍結していく。温 度変化を除いたいかなる魔力干渉にも動じない氷河の瀑布が、試合場全域を瞬間的に冷気の世界へと凝固させる。 「あ、ぁ……凍、結っ……!」  なのはの視界が氷色の絶壁に覆われていった。  試合場を取り囲む重層結界も、エターナルコフィンの影響で霜に染まっていた。ディバインバスターは滑 稽にも発射途中で極寒の柱と化し、クロノの背後で旅の鏡から上半身を乗り出していたシャマルも、その体 勢で凍結状態に見舞われていた。なのは、フェイト、アルフも試合場の上で麗しい氷像となっていた。  試合終了が宣告される。一部で観客の介入が疑われたが、ルール上外部の野次で勝敗が検討されるような 事は認められていない。  クロノが恐る恐る後ろに振り返る。見事なまでに冷凍されているシャマルの上半身が、氷の口腔となった 旅の鏡から乗り出す形で硬直している。あまりの不気味な光景に、クロノは思わず悲鳴を上げて地上へと降 下していった。 「す、数年前、地球の実家でテレビから這い出てくる女の恐怖映画を観たが、それを思い出してしまった……」  何はともあれ、氷河の大地に降り立ったクロノは、決勝戦への権利を手に入れた事に一先ずの吐息を吐い た。一度落ち着いてから凛然とさせた彼の瞳の奥では、いけ好かないフェレットモドキの面影が敵意の揺ら めきで淡く浮かび上がっていた。 / 「やっぱエターナルコフィンは反則やで。なぁ?」  ユーノとヴィータの控え室で一部始終を視聴していたはやてが、床に両掌を着いた姿勢で口を開いた。 「あれだけではなく、温度変化系は全般的に……私のような炎熱の魔力変換資質があれば何とか対処法もあ りますが、通常の魔力干渉が通用しないのは厄介ですからね。テスタロッサとアルフは毎度毎度貧乏クジを 引いてしまっているな……クロノ提督の独立行動型が如実に窺える」 [214]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:39:25 ID:Uwgyx+um  シグナムが相の手を出す。テレビの中では、救護班のスタッフが氷付けの美女達を担架で運んでいる様が 映っている。壁に凭れて腕を組んでいる敗北の将の前で、ヴィータが場違いな安堵の溜め息を吐いていた。 「よかった……シャマルと当たったら、あたしも絶対折檻されてた……」 「あーん、それ見たかったわぁ」 「駄目! はやてのお願いでもそれだけは駄目っ! ユーノ、メチャクチャ遠回りしたけど、決勝はお望み通りハラオウンチームだぜ」 「勝ったね」  ユーノが眼鏡の奥で、双眸を自身の一言を疑わない閃きで濡らしていた。ヴィータが半眼で彼を睨むが、 その目付きの強さを呆れで弱める。 「ま、まぁ負けねぇけどよ。精々あたしの足手纏いにならねぇように気を付けろよ!」  強がりを返すヴィータへ、はやてが粘っこい動きで擦り寄って行った。 「もーヴィータ。この子はホンマに素直やないなぁ。こういう時は仄かに頬を赤くして『い、一緒に優勝目 指して頑張ろうね、ユーノお兄ちゃんっ』やで!」  はやての茶化した言葉を聴いたユーノが、その瞬間催してきた嘔吐感に背中を丸めて餌付いた。 「本当に枯れてるなぁ、ユーノさん」スバルが乾いた声で言う先で、ユーノの不快そうに呻く姿があった。 手持ち無沙汰だったガリューが優しくユーノの背中をさする。 「キモっ。はやてキモっ。ベルカの諺にこういうのがあるんだけど知ってる? 『騎士の色恋、致命の咎』って」 「じゃあ騎士止ーめた。私も花盛りの女やし、やっぱり恋に生きるでー」 「なぁシグナム、ザフィーラ、ちょっとあたし達の主の平和ボケが末期みたい。戦闘機人を一〇〇〇体ちょ っと頼む、殺傷性解除のガチンコ模擬戦で使うから」 「丸一ヶ月ほど準備で多忙だったし、今日くらいは主に羽目を外させてあげようではないかヴィータ。恐ら く脳内がラグナロクなんだろう」 「いつまでも私をただの犬と思うなよ。がるるる」 「シグナムはシグナムでちょっと反逆志向になってないか? っていうかザフィーラはどうして半ギレなん だよ! がるるるって時点でまんま犬じゃん! このモレスター守護獣っ! もうお前なんかでフモフモし ないもんね! あたしにはユーノがいるんだしよ!」  捲し立てるように叫んだ分、ヴィータはあまり内容まで頭が回っていなかった。最後の節を意味深に解釈 した元六課の女連中が、いやににやついた顔でヴィータへの包囲網を形成していく。 「ヴィータ副隊長、やーっぱりユーノさんとそういう関係だったんじゃないですかー。熟年離婚が目的なら ちょっと早計かなとも思いますけど」 「は? い、いや、違うって! さっきのは物の弾みで!」 「で、で、お二人はどこまで行ったんですか? ちゃんとあの人に生命保険かけました? 死因は何狙いで すか?」 「わざわざ幻術で増殖すんなティアナ! 普通に気色悪いわっ!」 「素直に吐けよ姉ちゃん。奴には昼飯代一〇〇円だけ渡して、そっちはどうせ昼間若いイケメンと会ってんだろ?」 「お前は金輪際現世に顔見せんじゃねぇよガリュー。昆虫臭いっ」 「あかん、ヴィータに先越されるのは想定外やった。ユーノ君の年収が……〇が一杯の通帳残高が……」 「まぁでも、我々はヴィータについて行けばスクライアの稼ぎをゲッツ出来ます。専業主婦という名の真の ニートに転職する絶好の機会です、主はやて」 「お、それもそうやな。よかった、ユーノ君の年収はまだ希望があるで」 「こ、この際ですからリインも立候補していいでしょうかっ。給料明細を見れば、中々放置していられる人 でもありませんし」  やんややんやと騒ぎ出す八神家他一同から一歩退き、アギトはフラリとユーノの頬まで移動した。 「勝手に話進んでるけどいいのか? むしろお前、収入しか評価されてねぇんだな。男としてヤバいな。死ねば?」  流石に読書に集中出来なくなってきたユーノは、重量感のある肺の空気を長く押し出し、疲れた動きで眼 鏡の位置を正した。 「あーいっそ転送魔法で皆を素敵な想い出に消し去ろうかな。特に前科持ち連中」 「さり気無くえげつない事言ってやがる、この男。しかもこの目、マジでやりかねないし」  死ぬまで無限書庫に篭っていたい、という人間として終わっている呟きを耳にして、アギトは釣り目の愛 らしい顔をげんなりとさせた。 [215]Never Give Up! 2007/11/02(金) 11:41:47 ID:Uwgyx+um 続きます [216]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 12:12:55 ID:LHQt21QC >>215 リアルタイムGJ!! >>1 スレ立て乙〜 [217]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 12:35:48 ID:dfNg5EVI いやもう、グッジョブとしかいいようが。 優勝商品からオチまで隅から隅まで楽しかったです。 しかしこのフェイトさん、酷い目にしかあってないな、合掌。 なのはさんは、ほら、今回の一件でアイドルとしては終わりっぽいから野望達成? でもユーノくんの心から全力全開で離れていってるあなたが大好きだ。 [218]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 12:44:10 ID:q+OQ6bD7 ユーノが!ユーノが病んでいる!? 誰かこの子を癒してあげてー! GJですなw [219]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 12:45:39 ID:kpzBOWJs 試合中のフェイトの姿をエリオは目撃したのだろうか… [220]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 12:50:56 ID:lOEr7gT+ エリオ君は今トイレです。 [221]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 12:57:12 ID:nJKaXLzs >>215 で、フェイトの試合中の姿を収録したDVDはどこで購入可能ですか。時空Amazonですか ……じゃなかった。GJです。つい本音が先に ユーノはもう、なんていうか、既に枯れてるを通り越して病んでるよ……大丈夫かコイツ。あとガリュー自重しろ! おもちゃ箱は平気ですよ。だってあれ「ハーヴェイ」さんの記録であなたのじゃないし(ry なのはさんはアウトですがね? で、フェイトさんの痴態が収録されたDVDはどこで(ry [222]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 13:40:39 ID:yWffK7tE このなのはさんはあれなのだろうか? 某キシャーと同じなのだろうか? [223]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 13:49:57 ID:IY6jqITm シグナム・・・・・・・・・・・・ なんかニート侍が定着した所為で回りもニートにしようと画策してる・・・・・・ [224]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 13:51:00 ID:rGu/Ebzq >>215 GJ…GJですが、フェイトさんマジカワイソス なのはの事故以来二人は直接対決していないと言うのに、なのはさん容赦なしww でも公開羞恥プレイはないんじゃないかなwwきっと中継が暫くお待ち下さいに差し替えられるよ んで、放送局に苦情殺到だ。いや、無しでもPTAから苦情が来るだろうけどww 記録映像は闇ルートに流れるんだろうなぁ… うん、次回も楽しみにしています [225]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 13:57:44 ID:rGu/Ebzq あ、ところでこれって非エロ?微エロ? 分類的にはどっちなんだろ? [226]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 14:18:23 ID:kDI/bc6Z >>215 GJ 「勝ったね」 ユーノ負けフラグ\(^o^)/ [227]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/02(金) 14:22:32 ID:F0hFicsX 触手エロ、縛りエロだね。 ユーノはゲンドウのイメージだな。 [228]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 15:16:59 ID:cAUgaqAW >>214 やべぇ。複数の女性から狙われてるのにユーノに寧ろ同情してしまう。涙が止まらない… ユーノくんはなのはさんがやば過ぎるのでフェイトさんかヴィータさん(ただし他の八神家とは出来るだけ手を切る方向性で)を選ぶのがベストかと… [229]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 15:27:14 ID:Zwt7Q5zl >>215 GJ! StS世界におけるリリちゃはまさしくロストロギアというかパンドラの箱。 そして公開試合で性的攻撃を実行するなのはさんマジ外道w [230]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 15:38:21 ID:1/zIJpUi GJ・・・家庭がかかってるクロノはめがっさ強いね。 [231]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 15:56:37 ID:nJKaXLzs 保管庫超乙だよ! 一気に更新されてるなぁ [232]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 16:31:19 ID:IY6jqITm ターンA氏どこに行ってしまったんだー! 自分はエリオ隊長の続きを心待ちにしているんだぞー! それに古参の人たちカムバーーーーーーーーック!!!!!! 陵辱系書いてた人カムバーーーーーーーーック!!!!!! [233]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 17:19:06 ID:jtiBNyk+ GJ それにしてもヴィータを除く八神家連中の無心経っぷりに 冗談だとしてもさすがにイラッときた。奴らが痛い目見ればいいのに…… [234]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 17:49:02 ID:LTsqixLq >>219 もちろん目撃したでしょう そして変な感覚が生まれちゃったんだよ [235]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 17:57:34 ID:gTp3+hRG >>234 とりあえずガリューが側にいなくて良かったと心底安心してそうだw >>215 GJです! 相変わらずヴィータは可愛いな。 ヴィータのガリューに対する反応が良かった。 しかし誰も反応してくれなくなったらクール系無口キャラに戻っちゃいそう。 本編とギャップありすぎて変なテンションで一時的にアレになっちゃってるイメージがあるもんで。 なんていうか、躁鬱系? [236]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 17:59:28 ID:ld6EU/5c >>233 あの辺は壊れギャグっぽいから笑ってスルーするが吉よ。いちいち気にすると血管切れるよ。 俺みたいに\(^o^)/ [237]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 18:15:03 ID:oo2uapQI >>235 ガリューさんはベッドの上が一番饒舌です [238]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 18:30:36 ID:hS8rFnn2 ベッドの上だと加藤鷹口調になるガリュー [239]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 19:03:57 ID:nTu8N8Mj >>238 > ベッドの上だと加藤鷹口調になるガリュー ガリュー「ああぁいいよぉ、みてごらぁぁん、すっっっごく潮吹いちゃってるよぉぉぉ、可愛いねぇぇ」 [240]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 19:39:54 ID:TOKAKpN2 なんという組み合わせ…… 決勝戦はたぶんスクライド…… さておきユーノとヴィータのスーパーロリコンタイムはまだかな( ・∀・)ワクワク [241]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 19:45:25 ID:J9T8Ahmw >>215 乙。相変わらず面白かったです。 >モレスター守護獣 ちょwwwトーマス自重www [242]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 21:41:37 ID:dxjejdjd >>215 GJ みんな少しずつイカれてるけど ユーノの歪みは表に出ない分みんなに気づかれないうちに進行して深刻のようだな ヴィータもなのはさんも空回りして気の毒にw [243]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 21:44:24 ID:+FLdtyGo アギトが一番冷静だよな つーか壊れてないw [244]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 21:53:35 ID:IQgtf8D8 >>240 ユーノがフェレットモードになって「ここから先は初めてだろうが!」って言ったりクロノが「そいつとやってみたかった!」とか言うのか [245]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 22:18:35 ID:3L8gdytG >>215 何か、ユーノを見てると涙が止まらない。 そして八神家自重。あと、クロノとなのはさんは必死だな。 特にクロノの場合家庭がやばいことに。 最後になったけどGJ!GJ! [246]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 22:39:19 ID:hcDT5Um3 ……こうやってなのはさんはどんどんユーノから離れていってしまうのか…… なんだかなのはさんがスゲェ可哀想に見えるぜ…… [247]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 22:46:25 ID:dxjejdjd ユーノへの思いの強さはユーなのラヴラヴ物と変わらないだけにな 愛情表現がやや間違ってるようだがw [248]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 22:50:32 ID:cAUgaqAW ここまでやさぐれてるユーノは初めて見た…彼に涙。 >>243 自分からぶっ壊れてないのは後はシャマルさんとヴィータ、フェイトとアルフくらいでない? スバティアも今回の発言を聞いてるとちょっとアレな気が ヴィータにとってフモフモ度はユーノ(フェレット)>ざっふぃー(犬…じゃない狼)なのか [249]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 23:02:20 ID:V2vAcXro >>215 GJ!!! 俺は石化・凍結フェチという絶滅危惧種だったりする [250]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 23:12:59 ID:ElHcolQt やっぱユーノメインだと食い付きが違うな。 どれだけ愛されてんだよwwww とにかくGJ! [251]名無しさん@ピンキー 2007/11/02(金) 23:19:28 ID:B6UgEXD+ >>215 最後の八神家+ティアナのはっちゃけっぷりは、 なのはさんに頭冷やされるフラグだろうなと思った俺は毒されすぎかな?w [252]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 00:01:17 ID:nJKaXLzs >>249 某サイトで見て以来ちょっとだけ来たよ俺も。石化・凍結 [253]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 00:05:52 ID:u9UoSf9W この後、落ち込んでるフェイトそんをユーノくんが励ますんですね? [254]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 00:13:04 ID:nW5dJJw9 やったぞ ねんがんの「今月のCOMICS」をてにいれたぞ [255]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 00:17:36 ID:m7SXIhXZ >>253 そこはヴィータじゃね? [256]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 00:45:34 ID:Ci7m+fCa >254 ァ 殺してでも うばいとる [257]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 01:10:24 ID:XqvjNysZ シグ姉恋愛SSの書きづらさったらないぜ…。 本編観るとこから始めるか…。 [258]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 01:19:12 ID:h5PSzSSR フェイトとはやてにW種付けを要求されるエリオ [259]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 01:19:23 ID:UYbb8zxW >>253 むしろ逆じゃね? 「ふぅん、フェイトってああいうのが好きなんだ」 「もうバインドは嫌あぁぁぁぁっ!」 とかいって、バインドの準備をするフェレットもどきから涙目で逃げ出すフェイト。ほら、戦わずして1名脱落w まあ、その後のクロノの攻撃がより過激になりそうだが。 [260]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/03(土) 01:19:46 ID:i4BH1CgA >>215 正直ユーノが不憫で同情してしまっていいだろうか? あと、なのははあんまり育たん方がヨカッタかも… せいぜい呪いの仮面憑けてた好色皇のトコにいた頃のシャマルさんぐらいなら… [261]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 01:29:55 ID:UgY0BHAX 今までのチーム・ハラオウン家の戦い方を見ていると最終戦でフェイトがクロノに 反目しそうw [262]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 01:36:07 ID:ZJRfKSUe >>249  気にするな。俺もだ。  最終戦,どっちが勝っても優勝商品が手違いでその場で公開されて, 大場外乱闘が起きるという電波を受信した。 [263]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 02:16:50 ID:9tvjKDx8 >>215 アギトとヴィータをつれてゼストみたいに放浪するのがユーノの一番の幸せだな スクライア一族のつてで遺跡発掘で暮らしていけそうだし貯金もあるから生活面は問題なし 問題は白い悪魔の追撃だが [264]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 04:40:01 ID:G9ZgqoBj >>215 GJ!! >>232 まあマターリ待とう。 陵辱系書いてた人(勿論コテつけずに書いてる名無し(数字)職人さんもいるけど)で コテハンさんは水死体氏、640氏、狐兎狸氏、暗愚丸氏、砲殺氏、ターンA氏だが 前2者は撤退を名言してるし、その他の人は最近見かけないし、ちょっと寂しいね [265]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 04:43:34 ID:1/FVZxPH 陵辱とか触手とか全然見なくなったな・・・ ガジェットのケーブルとかスカの腕の能力とかエロ要素はいっぱいあるのに インゼクトツークに襲われるリインネタとか誰か書かないかな [266]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 05:49:09 ID:STLsK1H5 陵辱系は確実に需要があるので投下を期待している。 [267]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 06:04:55 ID:5pmxwK/l >>264-266 最近はHAPPYENDとか熱血とかお馬鹿物がスレの流行だしなぁ。 個人的にだが、4の422氏の陵辱物がも1度見たいかな、あの触手はよいものだったw [268]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 06:27:23 ID:yiI437OV 某クロはやのエロイ人が隠しページでギンガの触手陵辱モノあげてたなあ… それはそれとして、個人的には4の422氏にはもう一人の〜かCHの新しいエロを期待かなあ。 リアルの方面でいま色々と大変みたいだけど。 [269]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 06:38:10 ID:G9ZgqoBj >>267 Happyendは流行してるか?むしろ鬱とか病み気味なのが多いような気も 陵辱物は640氏のが一番好きなんだが、HPあるし、もう落とさないよな…orz エロとは別に、>>215のような熱血バトルメインのSSも個人的には大好物なんだがw [270]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 07:01:44 ID:qrdmOS1u >>267 おお、俺も期待してる一人だ。 触手もそうだが、尻から口にレイハさんを貫通させられるなのはさんなんて他で見たことなかったからなw [271]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 10:34:54 ID:LjHlP+Dh ここにいる人たちって陵辱もの好きな人多いんじゃないですか? エロ専用板じゃないから非エロ多いですけど自分はそんなの気にしませんし。 [272]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 10:52:22 ID:Yr0rDTY3 好きではないが、板の性格的に辞めろとは言わんよ [273]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 11:06:37 ID:Rd+F74mS そうそう >>1さえ守れば問題ない [274]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 11:23:32 ID:wEyiwWjF 陵辱系とか大好物なので、苦手な人への配慮をした上でバッチこーいって感じ。 [275]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 11:52:42 ID:BWHyhkIa >>269 640氏のホームページとはどこにあるのですか? [276]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 12:08:35 ID:JTd+iMh9 ガチンコの陵辱モノを書きたいが、書こうとしても書けない俺。 あー、はやてさんが陸のお偉方にマワされるようなのかきてぇ [277]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 12:10:17 ID:JTd+iMh9 とかいいつつも、結局最後はハッピーエンドモノが読みたい俺もいる。 というかそもそもはやてメインがそんな多くないのが切ないわー [278]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 12:14:23 ID:G9ZgqoBj >>275 聞く前にクグれよ [279]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 12:17:24 ID:u2cNb2/+ >>277 僕もハッピーエンドが読みたいな できればユノはやで [280]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 12:29:18 ID:1/FVZxPH はやてとかカリムとかシャマルとか その辺のエロはほんとに少ない、陵辱になると皆無に近くなる [281]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 12:53:20 ID:2EKpV42L そこで自ら筆を取るわけですよ 書いた話で他の職人の妄想力が刺激されれば儲けもんでっさね [282]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 13:02:50 ID:1/FVZxPH 自分にちょっとでも文才があれば 1レス分でも書いてリレーでもやってみるさ [283]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 13:08:43 ID:b1CQ3q/3 >>279 ユーはやならば今ガッツで書いてる。ここに載せるか自サイトに載せるかはわからんが… しかし相変わらず筆遅いなあ、自分 [284]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 13:13:14 ID:JTd+iMh9 クロノとカリムの浮気系もいいよな・・・・・・。 ヘタレクロノが『やめてください騎士カリム、僕には心に決めた人と、ペットの無限の猟犬が・・・・・・』とか言って カリム『(゚д゚)』となるカリムさんに萌え。 [285]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/03(土) 13:13:42 ID:OU/xP+z7 >>267 触手陵辱系なら、フェイトとかシグナムがヤられる見てみたいかな俺は [286]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 14:54:46 ID:97f+lsGG そういや以前エリオ陵辱ものが投下されてたけど、あれの続きってどうなったんだろう。 [287]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 14:55:14 ID:u2cNb2/+ >>283 ぬおぉ!マジですか?! 時間掛か駆るのはしょうがないですよ。 というか、そんなに気にする必要はないのでは? 気長にまっているので良い作品を(*゜▽゜*) >>279 より [288]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 15:33:07 ID:9YVKg4EZ >>232 俺もエリオ隊長のを待ち続けている一人だ!! ターンA氏かむばっく!! [289]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 18:30:52 ID:Y06jMTPf >>288 俺もだ同士よ!!ターンA氏お待ちしておりますー!! [290]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/03(土) 20:38:34 ID:pb5tClQI ユーノマニアさんのネガティブフェイトの続きを待ってるのは俺だけ? [291]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 20:41:49 ID:JTd+iMh9 >>290 俺もだよ。フフフ。 [292]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 20:53:13 ID:U7k7fj5l >>283 応援しております [293]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 21:19:41 ID:VcvD7uv7 >>290 あれ、俺がいる [294]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 22:01:36 ID:rPZ9blni 陵辱・・・りょうじょく・・・リョウジョクですかぁ・・・ 正直、痛いエロは苦手ですが・・・ちょっと電波が来たので頑張ってみましょうか 性行為ってのは、“手段・目的”ではなく、“確認”の為にあると思うんだぜ? 何を確かめるのか?HAHAHAHAHAHA、こっ恥ずかしくて言えねぇや それと、保管作業お疲れ様でした [295]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 22:08:42 ID:EnJJDIYb >>290 よぉ、俺 [296]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 22:22:10 ID:3fvgo0LP 暗愚丸氏と246氏が来たときのためにログ取ってる俺が来ましたよ。 [297]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 22:24:50 ID:7TjmTWUR 当スレはあらゆる職人様の投下をお待ち申し上げております [298]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 22:38:21 ID:lmxdEv1m とりあえず、恋するフローラルライトが流れそうなほどの純愛物をだな [299]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 22:57:46 ID:1eBVIPQX スカ出産を防ぐ為 数の子がひたすら中田氏される話しか浮かばない 以下担当官 1 マッガーレ 2 生きてればシグナム 3 執務官  4 ヴィヴィオ(保護者付) 5 ヴィータ 6 シスター 7 執務官(二回目) 8 ザッフィ(犬) 9 スバル 10 なのはさん 11 ティアかあえてクロノ 12 エリオ ギン姉  スバル(二回目) 何、女同士?デバイスですよ、無ければリリカルスティック カップリングがおかしい?承知の上さ あえてラブラブにするんじゃなくて、『嫌な事を済ませる、残務処理』的な感じが望ましい スカクローンじゃない二人の子供は出来たけどその子を愛せるのかと そんな感じで おなかぽんぽこりんな数の子が見たいんじゃああああああああああああああああああ!!! [300]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 23:01:37 ID:owVim8QN そーいや陵辱物といえば、どこぞでこんな画像が張られてたな ttp://www.palette-e.com/peblog/archive/n01.jpg ttp://sylphys.ddo.jp/upld2nd/niji7/src/1194098435806.jpg 絵師さんだれだろ? [301]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 23:32:29 ID:9tvjKDx8 >>300 B-RIVER [302]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 23:33:14 ID:Lp4OxiBX >>296 俺発見。 [303]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 23:50:19 ID:owVim8QN >>301 サンクス [304]名無しさん@ピンキー 2007/11/03(土) 23:54:22 ID:kwyFym8o >>280 シャマルの陵辱ヤる予定 けど、なぜか喜んで受け入れるシャマルしか浮かばなくて、陵辱になりません シャマルは腐女子って刷り込みがあるからだけど、困ったもんだ [305]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 00:08:29 ID:uqNOiBZB それはそれで・・・イイ。 [306]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 00:51:10 ID:EQggqU3S シャマル先生・・・アンジェリカみたいな喘ぎだったりしてw [307]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 00:56:08 ID:Wk8RLuFj シャマル「アッー!」 同人の書きすぎであえぎ声まで・・・・・・ウッ(´;ω;`) [308]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 01:05:47 ID:mdkafeAA >>306 かわいいシャマルと聞いて飛んできました [309]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 01:15:19 ID:Wpdn5rU2 >>306 アンジェリカってまさか屑のか?w [310]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 01:27:43 ID:EQggqU3S そう屑の [311]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 02:02:54 ID:Wpdn5rU2 そうだったらどんなにいいことか・・・・・・ 体験版で惚れこんだんだぞ [312]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 04:41:00 ID:gxSUH1QX >>306 アンジェリカwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 留守電のネタを思い出して深夜に爆笑しちまったじゃねーかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ちょいとニコニコできいてくるか [313]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 05:57:35 ID:EQggqU3S 前作は守護騎士ヴォルキリー メインはシグナム、既に攻略済みなのがシャマル先生 で、ヴィータがスコンブか・・・ [314]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/04(日) 10:00:37 ID:1Nqto2PD ゆりかご内部 なのはVSディエチの砲撃戦の真っ最中だが背後にガジェットが出現。 ガジェットを迎撃すればディエチの砲撃をマトモに浴びる事になる。焦るなのはだがガジェットはクア姉にある密命を受けておりそれを実行する為に生体ケーブル(実はケーブルから即効性で超強力な媚薬を分泌すると言う改造付き)を伸ばす そしてケーブルがBJの中に入り乳首と秘部を同時に責めハゥと言う声を上げてしまうなのは。 砲撃に集中したくても媚薬の効能で痺れる感覚が身体を走り途切れ始める集中力。そしてついに膣内とアナルにケーブルを突き刺し責め始めるガジェット。 数秒後、なのはに気を失う程に凄まじい痺れと絶頂が訪れカランと地面に落ちるパートナーと迫るディエチの砲撃。響く爆音 ゆりかご最深部でクア姉が「不屈のエースと言っても所詮は女。最後は呆気なかったですね〜♪ でもこれでまずは一人。次は誰でいきましょうかね〜☆機動六課ってアホみたいに女が多いし迷っちゃうわね〜」って感じにモニターで力尽きた不屈のエースを見ながら不適な笑みを浮かべながら次のターゲットを漁る ってのを考えた事がある。文にさえ出来る才能があれば [315]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 10:20:01 ID:sINdcoi2 >>314 30秒で抜いたwwwwww [316]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 11:08:56 ID:5LuRP1hI >>314 いいぞ、もっとやれww [317]ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE 2007/11/04(日) 11:21:11 ID:1Cr7F1D5 ……予告通り、こっそり置いていきますね >>137 少し、落ち着いて。貴方のお話好きなんです。実はファンですw [318]ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE 2007/11/04(日) 11:22:11 ID:1Cr7F1D5 ……筆者の我侭に付き合ってもらってごめんね、エリオ。あとは任せた っても、もう多分毒も熱さも何もないです。単なるよたでおばかでアフォなお話です。 何かの続きかもしれません、多分。ほいでは (注意書き) epiloge(上)の模擬戦会から3年後→4年後に飛びます。お話の都合上申し訳ない。 微妙にリリちゃクロスってるのは仕様です。長さ、14レス。 [エリキャロルー][ちょっと過激エロだけどちょっと大きくなっちゃってるのごめんなさい][最終話] ……今更ですが無茶設定捏造しまくります。いつものこととかいわないd [319]pure moster epiloge(下)(1/14) 2007/11/04(日) 11:24:06 ID:1Cr7F1D5  くだんの模擬戦会から大体3年後、大きな斜めの窓から差し込む光の下で珍しく魔導師ランク試験の準備をしていたなのはであったが、 後ろにちょっと背が伸びて、ちょっと髪も伸びて、ちょっと顔立ちが大人びた本局制服姿のエリオが立っていることに気づき、ちら、と視線をやってから、牽制を呟く。 「……殺し合い?」 「いえ……すいませんでした!」 「ん……」 作業の手を止めて、宙に浮いたウィンドウを全て閉じると、頭を下げた彼の前につかつかと歩み寄る。 「頭をあげて」 「はい……」 彼が顔を上げると、表情は怖い教官でも強い魔導師でもなく、少し戸惑いがちの少女のものだった。 「あの、ね。私もごめんなさい……」 「え……?」 「フェイトちゃんから聞いてね……私も、ちゃんと答出せなかったから」 「いえ……悪かったのは僕です……」 「ううん……私もだよ。でね、私は……技術とか、力の使い方は教えることができるけど、そっちは苦手だから……できたら手伝ってもらえないかな」 「え……?」 てっきり色々諭されると思っていたから、もう一度確認を取る。 「僕でいいんですか?」 「うん、エリオなら……きっとどんな子達でも納得させてあげてもらえると思うから……」 「あ、はい!僕でよければ!」 とん、と拳を胸に置いて応える。 「えへ、教導で誰かに甘えるのは初めてかも」 そうして小さく舌を出して微笑んだ彼女は、遠い昔に「なのちゃん」と呼ばれていた頃のように、喫茶店主の末娘らしく可愛いらしくて、エリオもつられて微笑む。 「じゃ、仲直り!」 「はい」 ぎゅっと握手をすると、再びえへへ、と微笑んだ。  いつもの喫茶店の一角で昼下がりの陽の中、エリオの正面に座った大分背が伸びた――実はエリオよりちょっとだけ高くなってしまった 陸士制服姿のキャロ――が、まだまだ幼さの残る顔で、ちゅーっと紅茶を吸った。 「そっかー、教導、手伝うことになったんだ」 「うん、時々、出向って形になると思うけど。主に陸戦の子達のね」 「うんうん」 それに頷く彼女の瞳に、3年前の狂気の色はかけらもなく、病気は完全に完治していた。 ただし、模擬戦会の数日後以来、手すら握っていないのであるが。 「でもさすがに大丈夫?いい加減Aランク取る?」 「う〜ん」 現在、エリオとキャロが所属しているのは陸士一〇八部隊。 元機動六課部隊長八神はやての古巣であり、ゲンヤ部隊長とギンガ二等陸尉が上司でかつ、 ナンバーズと呼ばれる特殊部隊が存在しその円滑な運用の為もあり、自然保護に飽きて異動を申し込んだ結果、受理されたのであった。 そして部隊の戦力バランスという名目上、ここで彼らは、あえて魔導師ランク試験を受けない――という荒技に出たのである。 うっかりAAとかAAA扱いになってしまうと、ただでさえまだ更正期間中とはいえナンバーズの所属する部隊、一緒にいられなくなる可能性まであった。 フリードはもはや、エリオの竜騎士としての一部となっており、もう近接デバイス持って良いんじゃないか、 というぐらい飛行も射撃魔法も上達してきているキャロであったから、離されるのは非常に困るのである。 なにより――ようやく隔離期間を終え、保護観察ながら嘱託で配属してもらえそうな、2人の大切な親友の為にもなんとしてももうしばらくは、止まりたい。 勿論、子供でかつ地味な能力の為なんとか見過ごされているだけであって、危険性を鑑みても本来はご法度である。 [320]pure moster epiloge(下)(2/14) 2007/11/04(日) 11:24:46 ID:1Cr7F1D5 挙句3年前の模擬戦会で派手な実績のある彼だけに、教導ともなると、やはりAランクぐらいは――というのも致し方ないところではあった。 「出世には興味ないけど……しょうがないかな」 「そう?私は当分Bランクでいいよ」 実はエリオに近接の手ほどきも受けており、飛行射撃打撃と彼が舌を巻くほどにまで成長していて、Bランクなんて可愛らしいもんじゃないのであるが、 2人してまだ一等陸士と階級はほとんど上がっていない。 同期はといえば――もう重役といえるような次元にまで到達してる先輩方も含めて、雌伏と言えば聞こえはいいが、落ちこぼれは皆無であった。 それでも2人が待っているのは、親友の彼女、ルーテシアの為であることは言うまでもない。 キャロが再びちゅーっと紅茶を吸って空になる頃には、ノーヴェとウェンディの喧嘩ネタも尽き、席を立ち上がる。 と、立ち上がったところで、2人の出会いよろしく、何もないところでいきなり転びかけるキャロ。 「わ……」 「……っと」 肩をそっと支えて、止める。 「大丈夫?」 その問いかけに、過剰なまでにわわわっ、と慌てて離れると、しゅんと俯いた。 「だ、大丈夫」 「ん……」 エリオは少しだけ寂しそうな笑顔を残してから、いつも通り2人分をさっと払う。 最近の彼女は何処か変で、何かにつけて触れ合いを極端にこばむので、もう無理かな、と彼はときどき考えてしまうようになっていた。 自分の方が背が低いし、能力も先が見えたし、見飽きてるし、と……ネガティブな理由はいくらでもある。 隊舎に辿り付いても、廊下の分かれ道でじゃあ、うん、と短く会話があるだけでそれ以上のことは、ずっと何もない。 自室に向かいながらじっとの掌を見つめると、親兄弟だったならもう少しは触れ合えるだろうに――と自嘲するしかなかった。  それからしばらくしてようやくAランク嘱託魔導師資格の取得を達成し、ルーテシアが隔離を解かれる日に至り、当然のように空港に迎えに出る2人。 あっちでもないーこっちでもないー、とうろうろしまくるさすがに若干丈の足りなくなってきたローブ姿のキャロを、 少し遠い親戚のように所在無げに見守っていたいつもの雑な格好のエリオだったが、結局見つからなかったのか戻ってきた。 「おかしいね……そろそろ時間だと思うんだけど」 「ん……」 「あ……エリオ!キャロ!」 呼ばれて振り向くとそこには――足元まで流れ落ちる白いドレスを纏った、本当にはっきりと背の伸びたルーテシアが荷物と共に微笑んでいた。 「えっ……」 通信などで顔立ちが大人びてきていることは勿論良く知っていたのだが、この上背は流石に予想外だったのか、固まるエリオと感激して駆け寄るキャロ。 「ルーちゃんすごい!背伸びてる!」 「え、えへへ」 もはや母親を彷彿とさせるといってよい、背丈と容姿はほとんど大人に近いものがあった。 ショックを受けつつ、ゆっくりと歩いてきたエリオもようやく挨拶に至る。 「――シア、久しぶり」 「うん!エリオも背伸びた?」 「ん……まあまあ」 と言われる目の前の人の肩ぐらいまでしか背丈がないのであるから、なんとも表情に困る。 ちなみにキャロは彼より頭半分ぐらい高いのだから、これまた厳しい現実であった。 「じゃあ……移動する?」 声の音量を落として、昔から変わらず静かに話すルーテシアは、元からの気品と年の頃と相まって綺麗といってよいほど雰囲気を帯びている。 「ルーちゃん……凄く素敵」 「そ、そうかな……?」 「うんうん!」 キャロが無闇やたらと感激するおかげで、当人はちょっと困惑気味である。 とりあえず、と移動を始めるのだが、大きな白いリボンと長い紫色の髪の後姿がもう完全にお姉さんにしか見えなかった。 [321]pure moster epiloge(下)(3/14) 2007/11/04(日) 11:25:22 ID:1Cr7F1D5  それから一ヶ月、一〇八部隊にやってきたルーテシアは端麗さも手伝って、あっという間に人気者になり隊に溶け込んでいた。 2人の親友は勿論、ゲンヤ、ギンガ、それになによりナンバーズとは仲間だったこともあり、彼女らとは初日からほとんど一緒に行動する程であった。 ただ、さすがにルーテシアお嬢様、とこの期に及んで言われるのには違和感があったようで、 彼女は何度も呼び捨てでいいよと言うのだが、結局本人達が落ち着かなかったらしくルーお嬢様、で統一されてしまっていた。 しかも事あるごとにずらずらと引き連れて歩く為、男性局員には目の保養にはいいかもしれないが、 凶悪すぎる親衛隊の前に接近しようとする輩は皆無どころか、呼び方も輪をかけて恐れられてすらいた。 普段ゲンヤかギンガの言うことぐらいにしか耳を貸さないノーヴェが「ルーお嬢」なんて言うのだから、びっくりしないわけがない。 例外としてチンクだけが、かろうじてルーと呼んでいたが元から率先して喋るタイプでもなく、妹達を矯正する様子もない。 当然のように相部屋となったキャロにも、楽しいし頼もしいんだけどさすがにちょっと――と僅かだが愚痴をこぼしている。 それもあってか、遊園地にでもいこっかという提案を受け入れて――勿論、ルーテシアの気持ちは喧嘩した時から良く知っており、 2人だけの通信でも、部隊に来てからもそれは変わっていなかったから、3人で出かけることにする。 当のエリオも、なんとなく様子と態度から気づいてはいるようではあるのだが、背丈は兎も角としても雰囲気のあるルーテシアに、 どことなくぎこちなく半歩引いた接し方になってしまっていた。 いつかの遊園地に辿り着いても状況は変わらず、女の子2人は楽しそうにはしゃぐのだが、彼はどこか保護者染みた立ち回りにならざるを得ない。 足元まで落ちる白と小さい赤い上着の大人しい格好のツインテールのキャロが、こちらも紺一色の足元まで落ちる、割と体にぴったりとした意匠の 二の腕を見せた後頭部に白いリボンつきのルーテシアと相変わらずの適当な格好のエリオの2人を白いベンチに残し、気を利かせてアイスを買いに出る。 腰を落ち着けて、ルーテシアはえへへと素直に笑うのだが、エリオはなかなかうまく反応ができなかった。 「座ってると……目線が近くて喋りやすいね」 「うん……」 エリオは、フォローなのか嫌味なのか微妙なラインの台詞に曖昧な返事をするしかない。 「でも…すぐにエリオに追い越されちゃうかな」 「そうかな……伸びないかもしれないし」 「ううん、ドクターが言ってた。Fの子は背が伸びちゃうんだって」 「え……?」 「ちゃんと遺伝子形質?を伝えきれないらしくて、失敗だな、とか言ってたけど……」 「そうなんだ……」 「だからチンクは……成功みたい」 「な、なるほど」 本人は結構、いやかなり体型を気にしているのだが、なんとも皮肉な話である。 「だから、今低くても気にしなくていいと思う」 「そっかあ」 少しだけほっとしたような横顔を、とくんとくんと動悸を早めながらじっと見つめる。 「エリオ」 「ん?」 「エリオのこと……好きだよ」 「シア……」 恥ずかしげに頬を染めながら、大人びた顔の瞼をそっと閉じられて向けられた唇を、彼もそっと受け入れた。 それはごく短い時間ですぐに離れてしまったが、確かに誓いが篭っていた。 そのままルーテシアは顔を伏せて、両手で彼の手を取る。 「私で……いいのかな」 「いいよ」 「うん……ありがと……」 そのまま言葉を無くして、押し黙ってしまう2人。 そのうちアイスを持って帰ってきたキャロが、開口一番、 「うまくいった?」 なんてことをいうのだから、エリオが驚くのも無理は無い。 「ききゃきゃきゃろ、な、なにを」 うん、と頷くルーテシアに素直に喜びながら、さらにその彼女の向こう側に座ってアイスを渡す。 [322]pure moster epiloge(下)(4/14) 2007/11/04(日) 11:25:58 ID:1Cr7F1D5 片手で受け取りながら手を繋いだままの2人を確認すると、穏やかに微笑んだ。 「よかったね、ルーちゃん」 「うん……」 それでなんとなく避けられてたのか、と納得しながらも一応問いかける。 「いいの?……キャロ」 「うん、大丈夫だよ」 「ん……」 執着も束縛もしないことは元より覚悟の上であったから、本人が望まないのであればそれは仕方の無いことである。 真っ先にアイスを舐め始めた彼女に倣って、とりあえず溶けないうちに食べてしまうしかなかった。 そして再びアトラクションで遊び始めて、2人がしっかりと恋人同士を始めているのを確認したキャロが、先に帰ると言い出したのだが―― 駆け出そうとしたその腕を、ルーテシアがそっと掴んだ。 「ルーちゃん?」 「……」 じっと見つめる静かな瞳であったが明らかに、駄目だよ、の意図が読み取れた。 「で、でも……」 ふるふる、と確かに首を振る。 何が起こっているのかよく分からないエリオは、隣で呆けるしかない。 結局そのまま、食料と自販機でアルコールを買って(勿論ミッドでも禁止である)、キャロがギンガに頼み込んで取っておいてもらっていた、 いつかのホテルのダブルベッドの部屋に雪崩込む。 勿論キャロは何度も帰ろうとしたのだが、ルーテシアがその度に強く拒むので、仕方なく一緒に連れ込まれていた。 怖いから、という理由で背中を親友に支えてもらいながら、ベッドの上からエリオをじっと見つめる紫色の髪の人。 「い、いいのかな……」 戸惑いがちに彼が尋ねると、恋人も勿論、後ろの付き添いまでうん、と答えるのであまりよく考えずに口付ける。 そのまま貪り合う内に感情が高まってきて、体ごとキャロから完全に奪い取る。 ベッドに押し倒されたルーテシアもどれだけ触れられようと抵抗しないので、少し抑圧気味だったエリオはちょっとだけ乱暴に襲い始めた。 「あうっ」 割とふくよかになってきた胸を乱雑に掴まれながら、首筋を食まれて声が漏れる。 服の上からの愛撫がもどかしくて、するすると脱がして下着姿にまでしてしまったのだが―― 「ちょ、ちょっと洗ってきていい……?」 「ん……」 少女の懇願を聞き入れて解放すると、浴室に駆け込む。 その間にもう一度、エリオは相方に確認をしてみた。 「本当に……いいの?」 目線を合わせられずに、俯いたままの問いかけであったが、答えはすぐに返ってきた。 「うん。ルーちゃんを幸せにしてあげて」 「……ん、それなら、いいんだけど……」 どこか、なにか違う気がするのだが、明確な説明がつかず反駁の余地はなかった。 そうこうする間にタオルを体に巻きつけてルーテシアが戻ってくる。 2人に促されてベッドの中央に素直に体を投げ出すのだが、エリオはまだしもキャロまでもが見とれる。 「きれい……」 「きれいだね……」 「そ、そっかな……?」 軽く体に湯を走らさせただけであろうに、潤んだ瞳と綺麗な唇と、さらに若干上気した感じの頬と白い肌がかなり艶かしかった。 若干お預けを食ったエリオが、覆いかぶさりながらキスをすると、すぐにお互いに夢中になっていく。 タオルの間にあっさり指先を滑り込ませて真っ白い肌をむき出しにすると本当に美しかったが、 年頃になり始めている彼が止まるわけも無く乳房に貪りつく。 「はう……」 そのまま腹部と太ももを遠慮なく手が這いずり回ると、ルーテシアの声もだんだんと色気を帯びてくる。 「ん……あ……や…ん」 再び首筋を食まれると、愛おしく狂おしげに髪を両手で髪をかきまぜると、それに応じて綺麗な脚の間に指先が滑り込んだ。 「あっ」 彼の指先が少しずつ内側をなぞると、ぐちゅ、ぐちゅ……っと本人の意思に関わらず濡れた音が聞こえてくる。 「あ……あ」 [323]pure moster epiloge(下)(5/14) 2007/11/04(日) 11:27:03 ID:1Cr7F1D5 愛撫に促されるように、ルーテシアも上になっている人の服を剥ぎ始めたので、素直にエリオも全部脱ぐと―― 「おっきくなってる……」 「そ、そうなんだ……」 若干一名の余計な感想は完全に無視して、腹部からゆっくりとキスを再開する。 「あ……」 そして少しずつ下に降りて行って濡れている中心に深く口付けると、さすがに少しだけ情けない声が漏れたが、そのまま為されるがままに任せた。 「あう……」 そのまま続けて、大分滑らかさを帯びてきた頃に改めて唇を触れ合わせてから、ゆっくりと体を重ねる。 触れ合った部分はお互いにかなり熱を持っていて、すぐに溶け込みそうではあったが、もう一度確認をせずにはいられなかった。 「……いいの?」 「うん、しよ……」 「ん……」 とはいってもあまりにも性急する繋がりも嫌で、もう少しだけ中に入らずに外で触れ合わせながら、キスを繰り返す。 「エリオ……」 「ん……」 それでもさすがに彼女の方が切なくなってきたらしく、体を浮かすと、先端を綺麗なそこにあてがって入り込ませていく。 抵抗が生まれた所で、痛みがあったのかキャロに手を繋いでもらいつつ、その先を目線で彼に促した。 「い……」 「う……」 「いいいっ!」 遠慮なく大きくなった彼自身を押し込まれ、ある瞬間にすっぽり収まったが、しかしかなりルーテシアは痛そうであった。 「だ、大丈夫……?」 「はぁ……はぁ」 入れた方も心配になって涙目の彼女に問いかけると、なんとか頷いてくれた。 「少し……動くね」 「はう……」 お互いにもうどうにでもなれ、といった感じで交わり始めると、割とすぐに痛みが薄れていく。 「あ……あっ?……」 意外な快感の波に、しっかりと彼を抱きしめたまま動きに合わせて声を漏らす。 エリオも初めてではないから、それなりにキスをしながら、体を重ねながら温もりを伝えていくと、綺麗に昂ぶっていく。 「あっ、あっ」 ずっ、ぐちゅ 完全に濡れた音が大きくなってくると、抱かれる側の表情にも恍惚が生まれていた。 まだ痛みはあるのであろうが、感情と若さと丁寧さにあっさりと埋めてしまわれる。 「や、あっ……」 ぐちゅ、ぐちゅっと突き上げられる度に、仰け反り方がだんだんと派手になっていく。 「あ、や、エリオ!」 「くっ……」 しっかりとした女性の体に促され、また容姿もかなり刺激が強く、彼もあまり余裕はなさそうである。 「あぅ、あっ、や、や!」 「シア……」 ずっずっ、とだんだんと短くなる間隔に合わせて、呼吸を荒げ背に手を食い込ませた。 「い、ぁ」 「う」 そしてひときわ深く繋がった瞬間―― 「ぁああっ」 「く」 軽く達してくれたルーテシアに合わせて、そのまま精を吐き出してしまう。 「あー……あふ」 「うー」 しまった、とエリオも思うのだがしっかりと回された腕と嬉しそうに微笑んでいる彼女を見ていると、もういいかと体を預けながら考える。 [324]pure moster epiloge(下)(6/14) 2007/11/04(日) 11:27:42 ID:1Cr7F1D5 「エリオ……ありがとう」 「いや……ん、うん」 そして再び優しげに口付けを繰り返す2人を、親友は微笑ましく見守っている。 ようやく離れて少しだけ、ティッシュを使ってエリオが後始末をしていると、ルーテシアの口から妙な言葉が漏れた。 「キャロ――言っちゃおうよ」 「え……」 ずっと繋いだままの手に力を込めて、じっと見つめられて、桜色の髪の人は明らかに戸惑う。 「わ、私は……」 「?」 エリオが水を冷蔵庫から取り出して再び戻ってくると、2人の様子がおかしい。 「ん……なに?」 ルーテシアの胸元まで白いシーツの被った毛布を引き上げつつ、自身も腰まで隠すが、キャロの戸惑いは消えていなかった。 「キャロ」 「うう……」 少しだけ強い声に、さらに戸惑うが、エリオには何の話かさっぱりわからない。 「エリオ君……」 「うん?」 胸の前に小さな拳を作って、かなり躊躇って、それでも言葉がでてこない。 「キャロ……もういいから」 ルーテシアの言葉に、なんとか意思を固めたのかようやく表情も固まる。 「あのね、エリオ君……」 「うん」 「私はね、エリオ君のこと、す、す、」 「す?」 「す、すっぽんぽん!」 「!?」 意味不明な言葉を残して、ベッドの下の方に転げ落ちて隠れると、目だけで2人を覗き込む。 「?????」 完全に理解不能領域に入ってしまったキャロの行動に、まだ寝ている人に目線で問いかけるが苦笑いをしているだけだった。 その人も体を起こして、もう一度キャロに促す。 「キャロ……ね?」 「うう……」 なんとか2人の前に戻ってきて、足を折って座って俯いたままであったが、2人に見守られ小さく声が聞こえてくる。 「エリオ君」 「???」 まだ状況が飲み込めていないのは彼だけであろうか。 キャロは両の拳を下ろしたまま握り締めると、なんとか顔があがった。 「エリオ君、私ね」 「うん」 「エリオ君のこと…す」 [325]pure moster epiloge(下)(7/14) 2007/11/04(日) 11:30:46 ID:1Cr7F1D5 そこから先はほとんど消え入りそうな声だった。 「……好きだよ」 「え……今なんて?」 ぐ、と顔を近づけた彼に、まだ少し躊躇いながらももう一度。 ――4年の時を越えて 「私」 ――やっとちゃんとした気持ちを 「私ね、エリオ君のこと」 ――本当に側に居たいと思う気持ちを涙と一緒に 「好きだよ!」 「キャロ!」 涙ごと感情を受け取りつつ、しっかりと口付ける。 甘さなんて全然なく、ずっと苦いだけであったが、それでも構わずにキスを繰り返す。 まだ信じられなくて、もう一度問いかける。 「ほ、ほんとに?」 「うん、ごめんね……」 「ん、それは、うん、いいけど……」 隣で微笑みつつ目の端に光るものを浮かべていてくれた彼女の方に視線を向ける。 「それなら……シアを抱く前に言ってくれれば」 「だって言ったら」 「エリオ抱いてくれないんだもん」 「……」 は、はめられた……と言わんばかりにがっくりとうな垂れて頭をキャロの肩に落とす。 いやはめたのはお前だろうとか野暮なことは言うまい。 女の子って本当に怖いですね、と心の師匠の美沙斗に懺悔するしかない。 もう戦闘の師ぐらいしか心の拠り所にしようがなかった、いや彼女も女性なのであるが。 じっと動かないエリオに、少しだけ不安になって肩の上に尋ねる。 「ご、ごめんね?」 「キャロの……匂いがする」 「え?」 そのまま押し倒されて、頬に何度もキスを繰り返す彼に、なんとか静止を試みる。 「ちょ、ちょっとまって私もちょっと洗って……」 笑顔で即答される。 「却下」 「え、ええっ!?ちょ、ちょっと扱いが違いすぎるよ!?エリんぐっ」 うるさい口を封じ込められた後、速攻脱がしに入る彼に隣の人に助けを求めるしかなかった。 「る、ルーちゃんちょっとエリオ君をなんとか」 「ん……無理」 2秒で諦められた。 「え、ええっ」 下着姿にまでされ、なんとか起き上がって逃げようとしたが、容赦なく後ろから絡まれる。 そのまま、何度も切なげに頬に首にキスを繰り返す彼にほだされて、さすがに力を抜いて身を任せた。 「もう、エリオ君たら……」 「キャロなら、なんでもいい」 「もう」 [326]pure moster epiloge(下)(8/14) 2007/11/04(日) 11:31:45 ID:1Cr7F1D5 勿論裸の少女2人を目の前にして突き入れている側も、かなり気分は良かった。 「はぁ……や、だめ……」 ずっ、ぐちゅ、と押し込まれる度にだんだんと呼吸が荒くなるのだが、それも後ろの彼女に唇を塞がれて奪われる。 「んーvんーv」 ずりずりと動かされながら、背後からは滑らかな肌に愛撫されながら否が応でも高まった。 「やっ、やっ、やっ」 ぐちゅぐちゅと早くなる動きに首を後ろに預けながら、小さくくねらせた。 「も、もっ」 「う」 ぐちゅちゅちゅ 「は……あ、エリオ君、ルーちゃん」 「ん」 「や、もう、いい、い」 「く」 「いあぁぁああああっ」 びくびくと体が震えると、ルーテシアに抱きかかえられたまま、ぐったりと力を抜いた。 「はぁ……はぁ……」 「ほんと、キャロかわいい……」 「はは」 自分よりも相方の方に興味を示されて胸中は少し複雑な彼であったが、さすがに喉が渇き先程の缶を開けようする。 しかしそれは水ではなく、清涼飲料っぽいラベルではあるのだが、よく見ればアルコールの表記があった。 この手の酒は概して飲みやすく、ジュースと変わらない感覚で飲める為若年層には危険である。 「あれ、これお酒か……」 それを置いて諦めて冷蔵庫を開けると、その隙にルーテシアはそれをあけてぐび、と飲んでいた。 「し、シア?」 「ん?」 「そ、それ」 「にひひー」 「……」 ある意味怪しげな笑みを浮かべつつ、まだアルコール分を含んでいるであろう口付けを腕の中の人に深く押し付けた。 「んー!」 少しだけ苦かったのか、一瞬眉を寄せたが男性とはまた違う交わりの快楽に目覚めたらしくあっさりと受け入れた。 くちゅくちゅとキスを繰り返す女の子2人に側に座ったエリオも、仕方なさそうに微笑むしかない。 キスを止めて、優しげに髪を解いて梳いていたルーテシアだったが、指でしてもどうかな……と少し悩むが、ある瞬間にふと閃いた。 「あ……そうだ」 ベッドの上に魔法陣を突然展開すると、そこから伸びる幾本もの透明な棒状の突起。 本来であれば虫を召喚する為の管であるのだが、肝心の中身は入っていない。 そしてそれをおもむろにキャロの全身に絡め始めた。 「え……やっ!?」 何本もの空気の触手に絡みつかれる不思議な感覚に戸惑う暇も無く、口と足の間に1本ずつあっさりと押し込まれた。 「んー!んー!」 さも楽しそうにそれを操る彼女に、エリオも止める気が失せたらしく呆れるしかない。 「可愛い……キャロ」 「あはは」 腕も足も拘束し、ぐちゃぐちゃと触手を突き入れられて、果てたばかりなのに再び身をくねらせられる。 ついに支えるのも面倒になったのか、体ごと魔力の管に持ち上げさせて、強制的に足を大きく開かせてさらに激しく動かし始めた。 「!!!」 抵抗しようと体を動かすのだが、返って触手が食い込む羽目になりむしろ快感が増していく。 ルーテシアが気持ちよさそうに身を委ね始めた彼女に、続きをどうしたらいいかエリオに問うと面白い答が返ってきた。 「お尻もいじめてあげるといいかも」 「そうなんだ……」 [327]pure moster epiloge(下)↑間違えました…; 2007/11/04(日) 11:33:10 ID:1Cr7F1D5 遠慮なく上も下も下着の中に手を滑り込まされて、勿論受け入れた方もしっとりと感覚に浸っていく。 繰り返される口付けもかなり情が入っていた。 「んむ……」 くちゅ、と舌と舌を絡ませる。 ルーテシアはといえば毛布を口元まで引き上げて頬を染めて、うっとりと見入っているだけであった。 「すごーい……」 下着が外れて、全裸のキャロをベッドの上に落とすとさらに加速して吐息を奪いにかかるエリオ。 「んー、んー」 それも全部受け入れて、さらに彼の再び大きくなっているものに触れて反撃する。 「ん」 体を起こして、それを口に含むと、エリオは少しだけ苦しそうにしかしかなり嬉しそうに片目を閉じた。 唾液の中で弄ばれ、しっかりと舐められつつ、何度も頭を前後に振られる。 「いいよ……キャロ」 「ん、ん……」 顎先をつ、と撫でられつつ少しだけ目を細める。 ある程度で高まってきて引き抜くと、再び押し倒しながらしっかりと覆いかぶさった。 「いいの?中古の修理もした女の子で……」 わずかに少しだけ暗い台詞に静止させられたが、そんなもので止まるようなものではなかった。 「いいよ……殺してしまってもいいから連れて行ってって言ったよね」 「うん」 「愛してる」 「……うん」 そのまましっかりと抱き合って、ゆっくりと繋がっていく。 「ん……あっ」 激しくこそないものの、穏やかにぬくもりを感じあう交わりは傍から見ていても淫らさが欠片も無かった。 何度も口づけあって、その度に微笑みあう。 だが、エリオが途中で悪巧みを思いついたらしく、キャロの体を持ち上げて座りつつルーテシアを呼んだ。 「シア、ちょっと」 「ん?」 「ふえ?」 寄ってきた彼女に小さな体を預けると、後ろの支えに押し付けるように動き始めた。 意図を汲んだルーテシアも、首筋にキスを這わせていく。 「や……あっ?」 前後を挟まれたまま、少しずつ押し上げられるとだんだんと吐息が本格的に熱くなっていく。 「2人でなんて、そんな……や、っ」 親友2人の間でしっかりと弄ばれる。 「キャロ……可愛いね」 「だよね……」 耳朶を噛みながら胸にまで触っているルーテシアも、なかなかご満悦のようである。 [328]pure moster epiloge(下)(9/14) 2007/11/04(日) 11:34:20 ID:1Cr7F1D5 勿論裸の少女2人を目の前にして突き入れている側も、かなり気分は良かった。 「はぁ……や、だめ……」 ずっ、ぐちゅ、と押し込まれる度にだんだんと呼吸が荒くなるのだが、それも後ろの彼女に唇を塞がれて奪われる。 「んーvんーv」 ずりずりと動かされながら、背後からは滑らかな肌に愛撫されながら否が応でも高まった。 「やっ、やっ、やっ」 ぐちゅぐちゅと早くなる動きに首を後ろに預けながら、小さくくねらせた。 「も、もっ」 「う」 ぐちゅちゅちゅ 「は……あ、エリオ君、ルーちゃん」 「ん」 「や、もう、いい、い」 「く」 「いあぁぁああああっ」 びくびくと体が震えると、ルーテシアに抱きかかえられたまま、ぐったりと力を抜いた。 「はぁ……はぁ……」 「ほんと、キャロかわいい……」 「はは」 自分よりも相方の方に興味を示されて胸中は少し複雑な彼であったが、さすがに喉が渇き先程の缶を開けようする。 しかしそれは水ではなく、清涼飲料っぽいラベルではあるのだが、よく見ればアルコールの表記があった。 この手の酒は概して飲みやすく、ジュースと変わらない感覚で飲める為若年層には危険である。 「あれ、これお酒か……」 それを置いて諦めて冷蔵庫を開けると、その隙にルーテシアはそれをあけてぐび、と飲んでいた。 「し、シア?」 「ん?」 「そ、それ」 「にひひー」 「……」 ある意味怪しげな笑みを浮かべつつ、まだアルコール分を含んでいるであろう口付けを腕の中の人に深く押し付けた。 「んー!」 少しだけ苦かったのか、一瞬眉を寄せたが男性とはまた違う交わりの快楽に目覚めたらしくあっさりと受け入れた。 くちゅくちゅとキスを繰り返す女の子2人に側に座ったエリオも、仕方なさそうに微笑むしかない。 キスを止めて、優しげに髪を解いて梳いていたルーテシアだったが、指でしてもどうかな……と少し悩むが、ある瞬間にふと閃いた。 「あ……そうだ」 ベッドの上に魔法陣を突然展開すると、そこから伸びる幾本もの透明な棒状の突起。 本来であれば虫を召喚する為の管であるのだが、肝心の中身は入っていない。 そしてそれをおもむろにキャロの全身に絡め始めた。 「え……やっ!?」 何本もの空気の触手に絡みつかれる不思議な感覚に戸惑う暇も無く、口と足の間に1本ずつあっさりと押し込まれた。 「んー!んー!」 さも楽しそうにそれを操る彼女に、エリオも止める気が失せたらしく呆れるしかない。 「可愛い……キャロ」 「あはは」 腕も足も拘束し、ぐちゃぐちゃと触手を突き入れられて、果てたばかりなのに再び身をくねらせられる。 ついに支えるのも面倒になったのか、体ごと魔力の管に持ち上げさせて、強制的に足を大きく開かせてさらに激しく動かし始めた。 「!!!」 抵抗しようと体を動かすのだが、返って触手が食い込む羽目になりむしろ快感が増していく。 ルーテシアが気持ちよさそうに身を委ね始めた彼女に、続きをどうしたらいいかエリオに問うと面白い答が返ってきた。 「お尻もいじめてあげるといいかも」 「そうなんだ……」 [329]pure moster epiloge(下)(10/14) 2007/11/04(日) 11:35:07 ID:1Cr7F1D5 アドバイス通りにもう一本挿入を追加する。 「んー!?」 ぐねぐねと全身を犯されつつ、挙句後ろの穴にまでいれられ無茶苦茶な快感がキャロの全身を走る。 「んー!んー!」 ずぶずぶと動く3本の責めと抵抗できない束縛にどんどん高まっていく。 「んんvんvv」 「ほんとに……気持ちよさそうだよ?」 「キャロ……やっぱりエッチなのかな」 「なのかな……」 割と冷静な2人を他所に、いじめられ続けられている人はもうかなり限界が近そうであった。 「んふvvんんっ!」 じゅぶじゅぶと粘液の絡みついた触手を出し入れされ、さらに深みにはまっていく。 「少し回転させてみるといいかも」 「なるほど……」 そして今度はひねりまで加えると、ただでさえ一杯一杯だったのに、完璧にそれは止めとなった。 「ん、んvんv、んんんんんんんんんんんんんんんん!!!」 首を仰け反らせながら、激しく全身を震わせそして陰部からはどくどくと潮を噴出しつつ果てたキャロを、やっと開放してベッドに降ろした。 「はぁ……はぁ……過激すぎだよ……」 ごめんごめん、と犯人に頭を撫でられるがむーっと少しだけうなる。 先程開けたアルコールを起き上がってこくりと飲むと、今度はルーテシアの背後から絡み返し始めた。 「きゃ、キャロ?」 「ルーちゃん胸おっきい」 ふにふにと触りながら弄ぶ。 「キャロも結構膨らんできたよ?」 「そ、そかな……」 まだそれほどでもないもののそれなりの形になってきた乳房を目の前の人の背との間で確認してから、もう一度抱きつく。 「肌も綺麗だし柔らかいし、いいなあ……」 「そう……?」 「うん、エリオ君がうらやましいかも……あ、そうだ。ちょっと腕上げて」 「ん?こう?」 と何も知らずにルーテシアが両手をそっとあげると 「あるけみっくちぇーん!」 今度は天井に展開される桜色の魔法陣。 そこから伸びた2本の鎖がお約束とばかりにルーテシアの白い綺麗な手首を拘束する。 「え、ええっ!?」 「くふふふ」 こちらも果てしなく怪しげな笑いをすると、綺麗な長い脚を開かせながら持ち上げて、わずかに宙吊りにする。 「や……」 ぎちっと音がして手で握って支えるが、さらけ出された秘部をエリオに見られる羞恥から顔を可愛らしげに背けた。 そして本人の意思に関係なく後ろの悪代官は微笑む。 「ほらエリオ君……好きにしていいんだよ」 「もう」 さすがに苦笑いは禁じえなかったが、素直に近寄ると、首筋に優しくキスをしてから吊るされたルーテシアと交わり始めた。 [330]pure moster epiloge(下)(11/14) 2007/11/04(日) 11:35:51 ID:1Cr7F1D5  それからさらに百合に至る2人の間に入れてみたり、代わる代わる抱いてみたり、馬鹿な交わりを数回繰り返した後、 ようやく落ちついて、エリオを中心に両の腕枕に収まって3人で寝転がる。 2人の髪を梳きながら、しっかりと寄り添われて幸せではあったが、当然の疑問がよぎった。 「これで……よかったのかな」 「うん、いいんだって」 キャロにルーテシアも続く。 「うん……深く考えなくていいよ」 「そ、そうなのかな……」 「うん……ルーちゃんを幸せにしてあげてね」 「え……それは駄目だよ」 「え……?」 否定に続けて起き上がる。 「キャロは、ずっと頑張ってきたんじゃない。駄目だよ、私にはお母さんもいるんだし」 「ルーちゃんだって!」 こちらも飛び起きると、反論を返す。 「ルーちゃんだって、ずっとお母さん探してて、やっと隔離も解けて、これからなんだよ!駄目だよ」 「いいの……私は平気」 「ううん、私はもういっぱい愛されたんだから、今度はルーちゃんの番」 「ううん、だめだよ絶対!」 「えー!」 「2人とも落ち着いて……」 とゆっくりと仲裁しようと体を起こしたのだが―― 「「エリオは黙ってて!」」 「……はい」 なんでこのユニゾンアタックだけはいつも完璧なのかと思わずにはいられない。 「むー」 「むー」 「わかった!私がルーちゃんと結婚すれば!」 「え、ええ?!」 「ちょっと待って。それは僕はどうすれば……」 「構わないけど……解決になってないかも……」 「うー」 「うー」 「しかも、ミッドは同性婚無理だったような」 「ううううう」 頭を抱え込むキャロ。 さすがのルーテシアも苛立ちが最高潮に至り、叫んだ。 「あーっ、もう!みんなでズバッと幸せになっちゃうわけにはいかないの!?」 その叫びにキャロとエリオ、エリオとルーテシアの順で顔を見合わせる。 「みんなでズバッと……」 「幸せに……?」 そして、ほぼ3人同時に何かに気づいた。 「「「あーー!!」」」 [331]pure moster epiloge(下)(12/14) 2007/11/04(日) 11:36:36 ID:1Cr7F1D5 〜  隊舎の朝の光に満ちた窓際でどこかの世界の携帯電話に良く似た端末で会話をしている陸士制服姿のエリオは、 あれから4年経ち顔立ちも完全に大人びすっかり背も伸び切って、気づいてみればフェイトよりも高くなっていた。 髪は相変わらずの適当さだったが、後ろだけは師に似せて細く伸ばしている。 そして会話の相手は、母親代わりの大切な人、フェイトであった。 「ごめんね、結婚式出席できなくて――」 「ああ、いえ。仕方ないですよ」 さすがに低くなってしまった声で、本当に気にしていない意をしっかりと込めて返す。 大切な息子のためになんとしても出る!と明言していたフェイトであったのだが、 数年来に渡って捜索が続いていた次元犯罪者の逮捕の日と重なってしまい血涙を流しながら結局出席できなかったのであった。 ちなみにその時捕まった犯人は素直にもっと早く捕まって置けばよかったと、かなり後悔したらしい。 「でも、本当にできちゃうんだね……」 「そうですね……未だに実感が沸きません」 「双妻の儀、生で見たかったな」 「あはは……」 結局3人が選んだ道は、単純に2人ともお嫁さんになる、という安易な発想であったが、 勿論ミッドでは重婚は法的に認められておらず、かといって未開の地や他世界の籍を使う気にはなれず、 散々頭を捻って探しつくした結果、一つだけ抜け道があった。 それが双妻の儀、と呼ばれる古代ベルカから伝わる由緒ある重婚方式で籍こそベルカ自治領に置かなければならなかったが、それ自体は可能であった。 ただし基本原則自治領においても一夫一婦制であり、法律と呼ばれてこそいるもののもはやそれは教義の類であるから違えられるはずがないのであるが 戦時の古代ベルカにおいて聖王が子の為せない妻を迎えようとした時に、――勿論魔法技術等で作ることも不可能ではなかったのであるが―― 民の心を納得させるにはそれなりの処置が必要であった為、それを通す為に、 二人正妻を迎えることができるという教義を無理矢理付け加えたのがこの儀式であった。 当然正式な儀式であるからそれに従って厳格に進めなければならず、それでも優秀な先輩達の人脈を使って奉納品はなんとか集めることができたのだが 問題は聖王の石碑、と呼ばれる神聖文字の刻まれた、ミッドチルダ中央博物館に保存されている超一級ロストロギア、というより聖骸布と並ぶ 完全に聖遺物と呼ぶべき代物が必要で、挙句それは関係の深い管理局と教会においても再三教会側が返還を求めつつも応じていない程の物品で、 すべて解読できればこの世の全てが手に入るとまで言われているのだが、双妻の儀の条文に、ベルカの聖堂で聖王の石碑の前で愛を誓い合うべし、 と明文化されている為、なんとしてでも越えなければならないハードルであった。 それはもう古文献に関しては最高権威とまで呼ばれるユーノ・スクライア氏の口添えを持ってしても簡単には動かせず、 元六課面子は勿論、クロノ、リンディ、レティ、挙句の果てはグレアムの人脈まで使ってあの手この手で話を作り、 しまいには誰かさんのちょっとお話、とかがあったとかなかったとか、まあそこまでしてなんとかようやく、 なんとか一日貸し出しと言う形で政治決着を経て、漕ぎ着けたのであった。 最初は予算的にも心情的にも乗り気でなかった今は司祭となったカリム・グラシアであったのだが、石碑の貸し出しが決まると 俄然メディアの注目が集まり、放映権争奪戦が始まる頃になると3人の了承を得て交渉を開始し、終わってみれば真っ黒黒の真っ黒け、 坊主丸儲けもいいところであった。 それでもカリムは、まさか私の代で執り行う羽目になろうとは――と頭を抱えていたらしいが。 結局は紆余曲折を経て、ミッドチルダ全土に映像が流れる中、石碑の前で3人で堂々と愛を誓い合った、周囲を納得させきっての重婚であった。 「花火まで上げて頂いて、お礼の言いようがないですけど」 「ううん、いいってー、司祭カリムもこれで台所が楽になる、と喜んでいらっしゃったし」 [332]pure moster epiloge(下)(13/14) 2007/11/04(日) 11:37:42 ID:1Cr7F1D5 「はい……」 「でも……シグナムはまさかあの場でまでやるとは思わなかったよ……」 「あはは。あれはもう、仕方ないですよ」 そう、フェイトに代わって友人代表かつ元上司として壇上に立ったのは、永遠の戦友ことシグナムであったのだが、 模擬戦会以降、大きな会合や飲み会がある度にことあるごとにあの戦いのことを滔々と語りだすのが恒例になっていた。 そして、それはミッド全土に映像が放映されていても変わらず、いつもの如く語りだし、そしていつもように締めくくったのである。 「確かにあの時は敗れはしたが、しかし……しかし次があれば、必ず見切り、そして私が必ず勝つ!」 余りの堂々とした花婿に対する挑戦の潔さに、気持ちよく拍手こそ沸き上がったものの、八神家一同、 主にはやてはあっちゃーやってもうたーとテーブルに頭を落としていたとかいなかったとか。 「もう、僕の負けでいいと言ってるんですけどね」 「ほんとに莫迦なんだから」 「あはは……」 「それより、みんな仲良く、やってるよね?無駄な心配だと思うけど」 「あ、はい、それはもう。同じ部隊ですし」 式が終わってみれば、花嫁同士の仲の良さが特に印象に残っていたらしく、周囲もごく自然に受け入れてくれていた。 「うん、頑張ってね……」 「はい、フェイトさんも」 「じゃあ、また」 「はい」 「今度遊びに行くからね」 「はい。キャロも、シアも、喜ぶと思います」 「うん、じゃ」 「はい」 そこで会話の切れた端末をしまうと、目を細めて窓の外を見上げる。 ――どうにもならない今日はせめて、笑い話に変えられますように―― 大きな翼竜の翼が作った影が部屋の中を通り過ぎると、窓際に置かれた花婿に抱きつく本当に幸せそうな2人の花嫁の写真が、 陽を帯びてきらきらとした光を纏った。 [333]pure moster epiloge(下)(14/14) 2007/11/04(日) 11:38:18 ID:1Cr7F1D5 〜  夜の野外で血と硝煙の匂いが未だ漂う中、戦いが終わって抜き身の小太刀を2本持ったまま、 どこの世界でも変わらない星の瞬きを見上げた彼女の口元が、ほんの少しだけ綻んだ。 [334]ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE 2007/11/04(日) 11:39:25 ID:1Cr7F1D5 (fin)忘れました……これで終わりです。 やっぱりどこか暖かいですね彼は。 どうか、お幸せに ほいではノシ [335]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 12:01:29 ID:8ivWWxU9 リリカルリアルタイブGJ! エロオ……そんなうらやm、いや裏技を…… [336]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/04(日) 13:01:10 ID:GKgvLc2H >>315>>316 確か保管庫にクア姉のガジェット触手に犯されるなのはってシチュのが在った。 アレもよかったな [337]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 14:01:11 ID:U/3q8DeF >>334 触手プレイにサンドイッチ!! エロイぜ! GJwww しかしなんという二刀流なエロオに殺意を覚えたが、 嫁さん(×2)が怖すぎて何も言えねえええええええええええw [338]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 16:49:09 ID:GflfYL1U 逆光源氏計画の最終段階としてエリオの初めてを頂くフェイトさん [339]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/04(日) 16:49:57 ID:GKgvLc2H 何かで読んだネタだったと思うけど、 エリオとキャロを人質にされ、二人の安全と引き換えにスカ博士に捕らえられるフェイト ガジェットや実験生物の触手に弄ばれた上、サンプル増産のため実験生物に孕まされる 生んでは孕まされを繰り返され、時折やってくる博士にまで母乳を飲まれ、妊婦プレイさせられてしまう なんつーの誰か書いてくれないか? 俺文才ないんでorz [340]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 17:00:50 ID:Ie7jiAc+ ぱんつ脱がせてもニーソ脱がすべからず [341]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 17:05:51 ID:2EBRJz7e >>339 世界最速の男が残した言葉がある 『20年かければ馬鹿でも傑作小説が書ける』 これは速さについて語った言葉だが、逆に考えれば時間さえかければ不可能などないという裏返しの言葉でもある さあ、まずはペンを持つことから始めよう [342]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 17:11:49 ID:/u8GjMGn >>339 二次ドリ作家の黒井弘騎がそんな感じの同人エロパロ小説出してるよ HPにサンプルあるんで行ってみたら? [343]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 19:13:55 ID:cTvnc1zM >>334 ゲリラ兵氏待ってたよ! エリオ・・・お前ってやつは・・・ とにかく超GJ!!エリオはやはりこうでなくては [344]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 19:59:27 ID:x6SBN8JJ 一番エロいクア様の話マダー? [345]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 20:20:07 ID:1Nqto2PD 評議会の脳みそ×3が仕掛けた淫らな罠がリンディさんに迫る 舞台はリンディさんが通勤に使う列車。痴漢されるリンディさん必死に振り払い抵抗するが周りから次々と伸びる腕。叫び声を上げても誰も救いの手を差し伸べない そうこの車両は脳みそ×3の差し金でリンディさん調教専用の痴漢電車と化していた 痴漢達は人妻を堕落させ潰すの位、楽勝だと思ったいた。 しかし数時間後。脳みそ×3に応援を!援軍を呼べ俺たちだけじゃこの化け物は手に負えなギャアァァァ・・・・・ブツッ!ツーツーツーと言う連絡を最後に音信不通となり その後に何故か電車で全裸で廃人と化した男達がガクブル状態で見つかると言う珍事件が起こる事に ちなみに当事者のリンディさんはと言うと フェイト「あれ?母さんどうした?今日はやけに若々しいと言うか肌がツヤツヤしてる言うか」 リンディ「気のせいよ気のせい。タダでさえ肌とかが年齢に比例しないから別名サキュバスなんて職場で呼ばれて泣きそうなのに」 と言う雑談を繰り広げていたのだった [346]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 21:04:04 ID:Wk8RLuFj >>345 リンディさんえろいよリンディさん。 「白昼の痴漢列車 人妻(サキュバス)に迫る魔手」とかいうAVっぽいタイトルを 妄想してしまった俺は一体・・・・・・。 友人の息子やら無限書庫司書長やらヘリパイロットやらを誘惑してるリンディさんも妄想した・・・・・・。 [347]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:17:20 ID:rOlCd8fX 続きです ユーノ・ヴィータVSハラオウン兄妹・アルフの前編です キャラが色々おかしな事を叫んでいますが、雰囲気を盛り上げる為だけの戯言なので、 斜め視線で読み流してください [348]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:18:13 ID:rOlCd8fX  ユーノとヴィータの控え室に、決勝戦の試合場入場の為の通信が入る。皆が出払い、二人きりになってい た室内に特殊な緊張感が淡く滲み渡っていった。  ユーノが魔導師の衣を身に纏い、ヴィータも騎士甲冑で小さな身体を武装する。帽子に飾られたノロイウ サギが少し揺れた。  モード一括仕様のグラーフアイゼンを待機形態から起動させ、紅の鉄騎の手に槌型アームドデバイスが顕現する。 「準備、いいか」  結界魔導師として徒手を一貫するユーノは、ヴィータの心持ち厳しくなった顔に頷いた。自分とは違って 頗る平静な気持ちでいる相棒に些かムッとしたヴィータは、グラーフアイゼンを肩に担いで彼を見る目を細めた。 「お前さ、なのは達の見舞い行かなくて良かったのか?」  試合終了後に一応医務室へ向かったそうだが、ヴィータにしてみればこの部屋と往復して来る時間が極度 に短かった。何かしらの理由があって引き返して来たと推測するのが妥当だった。決勝戦までの休憩時間が やけに長引いたのも、フェイトとアルフが凍結状態から回復して万全の状態まで体調を改善させるのに時間 を食っていたからだろう事は判然としていた。 「途中でヴィヴィオ達とバッタリ会ってね。親子三人、水入らずの時間を邪魔するのも悪いと思ったから」 「そっか。……え? 親子?」「ん?」  ユーノは小首を傾げてヴィータを見た。ヴィータは内心を窺わせない、透き通っているようでだが素直で はない表情をしている。少し考え込み、横目でユーノを一瞥した。 「あぁ、そっか。まぁ、そうだな。でも、さ……どうだろう」  ヴィータは要領を得ない呟きを繰り返し、どこかしんみりとした室内の空気に細い溜め息を紛らせた。 「ヴィータ?」 「結婚、するのかなぁ……なのはとフェイト。ミッドチルダは同性間の婚姻も認められてるけど……あの二 人、やっぱどこかでそこは一線引いてるんじゃねぇのかな」 「何が? ヴィヴィオは本当に二人に懐いているから、僕は二人が結婚するべきだと思うけどね」  ユーノは少し眉を下げた風に言い、心底彼女達の幸せを願う声で言った。 「いや、それがベストだってのは何となくわかる。ヴィヴィオの為を想ったらな。けど、ほら、なのはだっ てお前にチョクチョクちょっかい出すだろ。それってさ、逆に、ヴィヴィオを引き取ったから今まで自覚し ていなかった部分が浮き出てきてるんじゃねぇかなって感じるんだ」 「母親になれば自然と視野も広がるものだよ。僕だって、別に彼女達を避けてるわけじゃない……よ、多分」  最後の戦いを目前に控え、クロノ・フェイト・アルフという強敵と対峙する事への気構えを整える時間稼 ぎの様に、ユーノとヴィータは本質が欠けた話題で会話していた。 「じゃあもし、いや、本当に都合のいい話だってのは置いておいてだぞ? なのはにヴィヴィオの父親にな ってくれって言われたらどうすんだお前」 「……」  ユーノが俊敏にヴィータから目を逸らした。ヴィータの瞼がジトリと下がる。 「こっち見ろ」 「ん? どうして?」  プライベートで余計な責任を背負いたくないというユーノの本音が、その明け透けな態度で露呈していた。 ユーノの事情を無視した仮定だとはヴィータも承知しているが、せめて少しは悩みやがれと心の中で毒づく。 「いいからあたしの目を見て話せよ」 「古代ベルカ語で喋られても僕にはわからないよ」 「グーで殴るぞてめぇ」 「僕はヴィータが好きだ。この手の話題の時に限ってだけ」 「お前って本当に最低野郎だなオイ……そんなになのはが怖いのかよっ」  冗談で告白されても何故か嫌な気分にならなかった自分にも、ヴィータは苛立ちを隠せなかった。 「ちょっと待って、質問がおかしいってば。父親になってくれって言われてはいそうですかってなれるわけ ないじゃないか。って言うかフェイトは? フェイトが単身赴任中の父親役、これが時空管理局の公式設定」 「知るかそんな設定。このままだとフェイトの奴、本名がフェイト・テスタロッサ・ハラオウン・高町になっちまうぞ」 [349]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:19:12 ID:rOlCd8fX 「ハラオウンは改姓でいいと思うけど。子供が欲しいなら魔導精子バンクだってあるんだし、あの二人はお似合いだと思うよ」 「そうなんだけどさぁ……う〜ん、地球が遅れてるのかなぁ。あたしも別に同性結婚は抵抗持ってないけど、 あの国で暮らしたら、やっぱ感覚が狂っちまう。はやてとなのはの故郷、いい意味でも悪い意味でも頑固なんだよ」 「日本は閉鎖された環境で歴史を作ってきたからね。新しい観念を取り入れるには時間がかかるんだよ。 結婚なんて国家にとっては能率的に次世代の国民を生産する為の法的システムなわけだから、さっき言った ような精子バンクや人工子宮って受け皿があるなら、同性の結婚はもっと推奨するべきだと思うよ。スカリ エッティの所為で、戦闘機人関連の問題があって今はその辺の議論も揺れ動いてるけどね」  ヴィータにとっては小理屈で解決させようとするユーノの姿勢は、まさに男性的と言えた。なのはやフェ イトとは全く違う目線で、彼がヴィヴィオを見ているのを知る。 「同性で好き勝手やっていいって割りに重婚は無いんだよな、この世界。社会学的にも経済学的にも、重婚 制度の方が国としては得策だと思うんだけどよ」 「重婚制度があったとしても僕には関係ないよ。うん。正直、なのはの旦那さんは命が幾つあっても足りないと思う」  ユーノは平然と述べ、その言葉にはヴィータも特に否定を示さなかった。 (お帰りなさい貴男、ご飯出来てるよ→ごめん、仕事で疲れてるからもう寝る→…少し、頭冷やそうか…。  ねぇ、今晩は…ね?→ごめん、仕事で疲れてるからもう寝る→…少し、頭冷やそうか…。  たまには家族サービスしてよ→休日くらいゆっくりさせて→…少し、頭冷やそうか…)  ヴィータは想像した考えられるあらゆる場面を打ち消し、両手で頭を抱えた。 「あれ、ヴィータ。時が、スターライトなんちゃらっぽい未来が見えたかい?」 「もうあいつからレイジングハート没収しろよ。個人の能力も馬鹿みたいに高いんだし、汎用型のストレー ジデバイスで充分だろ……それに元々お前の持ち物なんだろあれ?」 「うん。五反田の一〇〇円ショップで売ってた」 「嘘吐く気も無いな。頭の中が無限書庫化してんのか?」  空虚な雑談で、ユーノとヴィータはアンニュイな気分を共感していた。  内容の無い言葉遊びもそこそこに、いい加減試合場へと向かうべく二人は部屋を出た。三つ編みの髪を揺 らしながら歩くヴィータの隣で、ユーノがバリアジャケットのマントを靡かせつつ決戦の舞台へ進む。 「ヴィータ、本当にありがとう」 「え?」唐突にユーノから切り出され、ヴィータは目を丸くして彼の横顔を見上げた。そこには先程までの 軽薄な雰囲気は無い。一介の結界魔導師としての、そしてこの戦技大会の決勝戦出場者としての覚悟が流露していた。  誰も居ないひっそりとした廊下の中途で立ち止まり、ユーノは普段の温和な顔でヴィータを見つめる。 気持ちが柔らかくなる、責任を負う立場の経験に培われた度量のユーノの微笑みに、ヴィータは知らず知ら ず、目に見えない何かに胸の奥を叩かれた気がした。 「な、何だよ、いきなり」 「ん……ヴィータがパートナーで本当に良かったなって、ふと思っただけだよ」 「ばっ」  ヴィータは自分の視線が定まらなくなっていくのを嫌でも自覚し、内心の困惑を悟られたくなくてユーノ から顔を背けた。 「馬鹿じゃねぇの? 別に無償で手伝ってやってるわけでもないだろ。何でお礼なんて言うんだよ。あんま りあたしを買い被られても困るんだよ。あ、あたしだって、別に……その」 「フェイトとアルフは君に任せていいかな」 「あ、あぁ。心配すんな、あの二人はきっちりあたしが蹴散らしてやる」  気を取り直し、ヴィータはユーノを見つめて力強く頷いた。ユーノも淡く表情を緩め、彼女に応える。 「でも僕はクロノとの一騎打ちだけに拘るつもりは無いよ。だから安心して」 「何をだよ」  ヴィータが切り返すと、ユーノが身体の向きを変えてヴィータと正面から向かい合う。 「ヴィータが危機に陥っても、ちゃんと僕がヴィータを守るから。だから忘れないで。背中には、いつも僕 がついている事。ここまで来たんだし、二人で優勝しよう。そうしたら……」 [350]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:20:04 ID:rOlCd8fX  ユーノの真摯な言葉が心に響く度、ヴィータは胸の鼓動が調子を高めていくのを抑えられなかった。何 か言おうと口を開きかけるが、肝心の言葉が声になって出てこない。ユーノの顔に固定された目の下が火照 り、これまで戦闘でも感じなかった意味の不明な熱が全身から噴出してくる。 「そう、したら?」  ヴィータは喘ぐ様な声で話の先を求めた。 「お祝いって言うか、二人で一緒に旅行でも行きたいと思ってるんだ。準優勝の景品が温泉旅行だけど、 優勝賞金を使えば結構長い期間で予定が組めると思うし。勿論ヴィータの都合が合えばでいいけど」  ユーノにとっては特に気合を入れた誘いでもないのは察せられるが、ヴィータは彼とは異質に呼吸も苦し くなりそうな状態だった。 「ま、まぁ……しょうがねぇな。このイベントが終わって暫くは休暇が貰えるし、そっちがそこまで言うな ら、ついて行ってやるよ……。ちゃ、ちゃんとそっちで予定組んでおけよなっ。つまんないって思ったら、 あたしは途中でも帰るからなっ」  不貞腐れて言う様子がヴィータらしいと思い、ユーノは微苦笑して裸眼の目を細めた。 「さぁ、行こう」 「あっ……お、おまっ」  ユーノがごく自然な動作でヴィータの片手を取った。反射的に彼の掌を剥がそうと少し腕を引いたヴィー タだが、いつしか彼女の小さな掌もユーノの掌を握り返していた。 / 「私、もう世間に顔向け出来ない……」  ユーノとヴィータが試合場へ入場した時、フェイトはどん底まで萎靡沈滞していた。なのはのバインド魔 法による恥辱の拷問が、根深い心の傷となって残っているらしい。彼女の目許は泣き腫らした赤みで酷い有様だった。  なのはからは医務室で再三謝罪をされたが、ごめんなさいの一言でこの世の罪が償われるなら時空管理局 は無用の長物だった。実際ちょっと感じてしまったところに、彼女の自己嫌悪を深刻化させる原因が潜んでいた。 「フェイト、メソメソするのは優勝してからだよ」  アルフも主人の悲痛は深い同情の念を抱いているが、目の前の敵に隙を見せる事だけはしないようフェイ トを慰める。観客席から「ユーノ司書長は結界魔導師、バインド魔法も得意なんだよな……」「って事は、 もう一度ハラオウン執務官のあんな姿やこんな姿が……」といった無遠慮な話が耳に入り、フェイトは背筋 を凍らせて恐怖に顔を染めた。 「フェイト、しっかりしてくれ」  クロノも義妹の精神不調を憂い、励ます為にもデュランダルを差し出す。クロノの行為に、ユーノとヴィ ータだけでなく、観客も出場者の観戦者も一様に怪訝な反応を浮かべた。フェイトは再び滲み出てきた涙を 指で拭い、一度首肯するとクロノのデバイスを受け取った。 「あいつ……」  ヴィータがクロノの思惑を見抜き、憤然と彼に睥睨を叩きつける。横ではユーノが涼しげな容貌の奥で激情を煮立たせていた。 「あれ、僕達って舐められてる? それともクロノが持病の若年性脳不全を発症とか」 「慢性遺伝子劣化症候群のお前が人語を喋るな。世界のフェレットに失礼だぞ」  二人の男が静かに唇を噛み、苛烈な視線の激突で試合場の空気を圧迫した。 「クロノって本当に素敵。第一にこの世に生まれて来たところがね」 「僕が誕生した事をさも前代未聞の奇跡の様に言うな。至って自然な摂理の出来事だ」 「リンディさんの子宮から捨てられて、リンディさんに拾われた不幸を一般化して虚しくならない?」 「いい加減、僕が葬儀業者に予約しているお前の葬式を消化させてくれないか。あの業界は原則、現金支払いなんだ」 「そっちが死人の代役すれば? 世界で唯一僕が狂喜するよ。ナンバーワンにならなくてもいい、オンリー ワンを目指そうよクロノ! 世の中個性が大切なんだから」 「いつでもどこで減らず口を。本気で痛い目に遭いたいみたいだな、お前は……!」  試合が始まる前から敵意が最高潮に達している二人の余所で、ヴィータとアルフが緊張感の抜けた呆れ顔 をしていた。フェイトはグズグズしていたが、バルディッシュの反対の手でデュランダルを持ち構え、その 顔を凛然と引き締める。 [351]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:22:10 ID:rOlCd8fX 「そうだね。いつまでも落ち込んでなんかいられない。ここまで来たんだから、私も精一杯頑張らないと!」  バルディッシュとデュランダルを改めて双腕に装着し、フェイトは空戦S+ランク魔導師に恥じない勇ま しさで戦闘態勢に移った。 「そう、その意気だよ。何、嫌な事なんてすぐに忘れられるさ」  フェイトの復活が最後の戦場に高潮を齎す。息を潜めて決勝戦の開幕を見守る観客陣も、その胸中には暴 発寸前の興奮が激しく渦巻いていた。手に汗握る激闘が、今からでも容易に連想される。この会場にいる全 ての人間の心拍が、共鳴を帯びて白昼下を鋭く装飾していく。  魔導師戦技大会の頂点を競い合う四名の魔導師と使い魔が、多層結界の中へ隔離される。試合開始の宣言 を待つまでも無く、試合場の五人はそれぞれの姿勢で激突の瞬間に備えた。 「それでは、戦技大会決勝戦──!」  張りのある審判員の声が、雄々しく麗らかな陽射しの中へと昇天した。空に溶けようと残響するその声が、 瞬時に疾風となった五つの人影に掻き消されていった。 「ら──あァァァァっ!」  フェイトが威力を無視した高速詠唱で牽制発射した雷光の直射弾を、ヴィータが風を切って突き進みなが らグラーフアイゼンで粉々に掃討する。フェイトは自身の軽装バリアジャケットに適さない重武装を何とか 駆使しながら、ヴィータの特攻をシールドで防いだ。バルディッシュとデュランダルを交差させて形成した 金の重楯に、ヴィータが過剰な予備動作で全力を加重させたグラーフアイゼンの頭部が叩きつけられる。 紅い鉄槌が魔力楯を圧倒する咆哮が、脅威的な旋律となってフェイトの鼓膜を痺れさせた。 「本気だね、ヴィータっ!」 「手を抜いてかかって来ると思ってたのか? 舐めんなよフェイト!」  フェイトは後方に地を蹴り、そのまま飛行魔法で浮上していく。上空に一時退避するフェイトを、ヴィー タは卓抜した瞬発力で追撃する。下から空気を抉って繰り出される一撃を、フェイトはバルディッシュで食 い止めた。フェイトが下に向けた瞳に、発奮の熱を帯びたヴィータの眼光が合致する。 「この際だから、最近感じてる事、正直に言っておいてやるよ。お前もなのはも、ちょっと平和ボケしてる んじゃねぇのか? 世の中にはな、ナンバーズやスカリエッティ以上の化け物なんか腐るほどいるんだよ。 機動六課の功績ぐらいで満足してんじゃねぇぞ! 自分の実力に自惚れて、惰性で局員やってるつもりなら とっとと辞職しやがれ!」 「わ、私は、別にっ……!」  拮抗する二機のデバイスが、空中で硬い呻きを奏でる。バルディッシュとグラーフアイゼンが至近でガチ ガチと睨み合い、行き場を求める力が四方へと発露して微細な衝撃波を発生させていた。 「あたしは騎士としての情熱は捨ててねぇぜ! いつだって、何にだって全力だ! この一秒一秒に命賭け てんだよ! だからこの場でお前にも思い出させてやる! 初めてシグナムと戦ってお前が感じた、あの時 の恐怖をな!」 「くっ!」フェイトが敢えてグラーフアイゼンを空振りに誘い、バルディッシュで明後日の方まで打ち払う。 姿勢を揺らげたヴィータへ、デュランダルからプラズマランサーが連装発射される。しかしインテリジェン トデバイスに順応しすぎたフェイトには、ストレージ型の詠唱処理が極めて不細工だった。  ヴィータが余りに杜撰な射撃に不服を抱き、赤子の手を捻る様にグラーフアイゼンの横薙ぎで金の弾丸を全滅させた。 「何とか、デュランダルを使いこなさないと……勝ち目は無い!」  地上のアルフが、無数のバインドをヴィータへ放つ。しかし、ヴィータは即座にパンツァーヒンダネスで 全身を防護する。騎士の周囲で紅い多面体が瞬時に発生し、接近するバインドの悉くを無効化させた。  ヴィータが多面体結界を解除し、再びフェイトへと肉迫する。 「どうしたんだいヴィータ、まさかあたしに怖気づいたんじゃないだろうね!」 「そんな安い挑発には乗らねぇぜアルフ! フェイトを倒せばお前も消える、それだけだ!」  アルフは歯噛みをし、本格的にフェイトの支援をする為に飛翔した。彼女が飛び立った足許で、クロノが 掌からブレイズキャノンを放射し、それをユーノがラウンドシールドで防御している。 [352]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:23:01 ID:rOlCd8fX  地上の闘争に眼を向けていた観客も、上空のデバイス同士の打ち合いに視線を引き上げられる。フェイト はバルディッシュをザンバーモードへと簡易変形させ、雷光の斬撃を下段から閃かせた。ヴィータのデバイ スを装備している片腕が脇から切断されそうな一瞬、再び刹那の空白を縫ってパンツァーヒンダネスが作動 した。バルディッシュが多面結界の表面を削り、フェイトは腕に不愉快な力の反発を受けながら片目を細めて呻く。 「魔法詠唱の、休止解除……!」  バルディッシュが攻撃の勢いを止めきれず、無防備に動揺する。その隙に全方位鉄壁を解除したヴィータ が彼女の懐に飛び込んだ。フェイトの脇腹に、ヴィータの凶悪な蹴りが炸裂する。外壁結界に背中を衝突さ せたフェイトは、強大な打撃が全身に暴れ回る苦痛に肺胞の空気を全て押し出された。 「お前はまだまだ、一つの魔法を多様的な用途で使いこなす事には未熟だ。敵に向かって唱えて放ってハイ 終わり──優秀だが二流だな。さっき言ったばっかだろ、お前よりも何倍何十倍も魔法と付き合ってきたあ たしを舐めんじゃねぇ!」  組成した魔法を完全に停止させず、練り上げた魔力を思念制御で継続させる高度な詠唱技能を目の当たり にし、フェイトは自身の迂闊さを内心で唾棄した。先程のヴィータの叱責が、一種の的を得た戒めとなって フェイトの脳裏に過ぎる。  フェイトは執務官としての任務も、魔導師としての鍛錬も惰性になったわけではない。しかし、局員とし て程々の実績を残して来れた実際的な遍歴が、どこか現在に対する馴れ合いじみた甘さに溶け爛れているよ うな──ヴィータの言う『情熱』が廃れているという指摘は心の隅で頷けた。エリオとキャロに対しての身 の振り方も加え、フェイトはいつしか自分自身に熱心になる事を置き忘れてきた気分を内省した。  ヴィータもそんなフェイトを肯定しつつ、一部においてこの場で警告を発しようとしている。  それは、家庭に入った親友と疎遠になってしまう、そんな世俗的な問題にも置き換えられる素朴な本心だった。  先程の短い啖呵の中で、ヴィータは何もフェイトへエリオとキャロと縁を切れと責めているわけではない。 「ヴィータ……」  せめてこういうお祭りの時だけは、純粋に楽しめる『若さ』を忘れるな。ヴィータの睥睨が、言葉を介さ ずそう語っていた。  親面して世間を知った風な目で見て、ともすれば厭世的とも言える態度で社会に機能する。義務も自己満 足も無く、過去に自分が決めたというだけの即物的な感情に固執する。知識として社会として組織として正 しい事を踏襲し、情緒を抑圧し、言動を規制し、その憎たらしい理性こそが暴走であると、ヴィータは無言 の抗議をフェイトへ呈していた。 「別にさ、あたしはお前達が間違ってるって言う気はねぇよ。けど……何かに対する『誰の為に』『何の為 に』って、そんな最低限の気持ちさえ、お前達は忘れようとしてるんじゃねぇのか? JS事件の時だって、 機動六課が解散する時だって……エリオが自然保護隊に転属するって決めた時、お前はエリオに何て言った?」 「……。頑張ってねって、言ったよ」 「本当にそれが、エリオがお前に求めていた言葉か? お前は寂しくなかったのか? エリオと別々に、 遠くの場所で働く事に抵抗は無かったのか? キャロにも言えるだろ、これは」  ヴィータの目色が透徹し、直情的な光で閃く。フェイトも毅然とヴィータと向き合うが、今の彼女からは 普段の少女らしい無垢な清らかさは感じられなかった。聡く沈着した精神が、紅い騎士の主張の外殻を固めていた。 「エリオ自身が決めた事なら、私は応援したい。あの子を見守ってきた立場として、それは正しい事じゃないの?」  フェイトを睨むヴィータの双眸が、不意に光沢を鈍くさせた。瞳の奥でフェイトを失望する嘲笑が、ヴィ ータの表情を乾燥させた。 「本気で言ってるならお前は保護者失格だ。本当にエリオやキャロがそこまで利口だと思ってるのか?  あの二人はまだ一〇歳なんだよ。お前がさっきの言葉、本音として言ったなら……お前は繰り返す。エリ オとキャロに、お前自身がプレシアにされてきた事をな」 「──!」 「ヴィータ! あんた何て事を言うんだ!」  ヴィータの仲間としてあるまじき発言に目を剥き、アルフはヴィータへ間合いを詰めた。アルフの熾烈な 拳を片手で軽々と受け止め、ヴィータは当惑しているフェイトへ尚も冷徹な視線を注いでいた。 [353]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:24:21 ID:rOlCd8fX 「何のつもりか知らないけど、さっきのだけは認められないよ! 謝りなヴィータ、今すぐフェイトに謝れっ!」 「うるせぇよアルフ。誰かが言わなきゃならねぇんだよ。……クロノも、リンディさんも、なのはの家族も、 どうして誰も彼もそうなっちまったんだよ! ホントはその人達が示してやるべき事だっただろ! このま まじゃヴィヴィオも同じだろうが!」  ヴィータは片手だけでアルフを振り回し、フェイトのもとへと投げ飛ばした。アルフは強烈な風圧を耐え、 フェイトの間近で身体を停止させる。 「聞こえてるかなのは! お前、小さい頃親に相手されなくて寂しい想いをしてきたんだろ! いいか、お 前が今のままでいるなら、絶対ヴィヴィオはその時のお前と同じになるぞ! それをちゃんとわかってんの か! 仕事が忙しいから! そんな理由でヴィヴィオをアルフやザフィーラに放り出して、お前が理想にし ている母親ってのは、本当にそんな無様なもんなのかよ! いつまでも周りに甘ったれてんじゃねぇよ! 自分を捨てる覚悟の無い小娘が、一丁前に母親なんか名乗るんじゃねぇぞ!」  突然のヴィータの熱弁に、試合場は静まり返った。身近でなのはの艱難辛苦を見守ってきたヴィータだか らこそ、今だけは彼女の傷を抉る様な優しさを突きつける事を選んでいた。それは数年前の事故を仲間と共 に乗り越えて来たヴィータだからこその役割でもあった。 「ヴィータ──くそっ! わかっていたさ、僕だってフェイト達に道を示してやるべきだった事くらい!」 「色々、彼女もなのは達に対して溜め込んでいたものがあったみたいだね。僕も僕だよ、クロノが自分だけ を責める事は無い! 皆に非があったんだ、それを僕も……!」  地上では依然としてクロノとユーノが激闘を繰り広げているが、会場の注意は揃ってヴィータに集中している。 「フェイト! お前がエリオとキャロにやってきた事は保護者でも何でもねぇぞ! お前は単に二人に嫌わ れたくないだけで、そうやって何でもかんでも理解してる風に自分を着飾ってきただけだろ! 本当にエリ オとキャロがお前の思っているほど物分りがよかったら、ハナっからお前に縋る必要なんか無かったんだ!  それなのに、あの二人が機動六課に志願した理由を、お前はちゃんとわかってやれたのか!? どれだけお 前が二人に対して愛情を注いで来たとしても、それが一〇〇人中一〇〇人が肯定する真っ当なものだったと しても、そんだけお前はエリオとキャロの本人の気持ちを無視して来たって証拠だろ。お前が目指した二人 に対する保護者像ってのは、そんな牢獄みたいなもんだったのかよ!」  フェイトはバルディッシュとデュランダルを強く握り直し、ヴィータの鬼と化した優しさに心身を傾けていた。  ヴィータも騎士の風格と、機械的な守護騎士として冷然と世の中を見てきた威厳とを以って、真っ向から フェイトにグラーフアイゼンを向ける。 「お前の保護者面には心がこもってねぇんだよ。お利巧に教科書通りピエロを演じてるだけだ。エリオの気 持ちがどう、キャロの気持ちがどうって問題じゃねぇんだよ。それをクロノとリンディさんは、何でフェイ トに教えてやれなかったんだよ……!」 「ヴィータ、私はっ」 「子供に好かれるだけが親か? 正しい事を教えるだけが保護者か? 違うだろ! 本当に大切なのは、一 人の人間として心があるって伝える事だろ! 泣いて、笑って、悲しんで、そんな顔をお前はエリオとキャ ロに見せてやれたのかよ! 誰だって蚊に刺されたら痒いって事を、お前は身を以って教えてやれたと思っ てんのか! あの年頃のガキを相手にするなんて、大人は嫌われてナンボだろ! 一番子供はてめぇだフェ イト! 意地ンなって取り乱す事がカッコ悪ぃって馬鹿にしてんだろうが! お前自身が道を踏み外す事を 恐れて、物事一つも模範解答だけを放り投げて来ただけだろ! そんな奴の愛情なんざ、何にも心に響かねぇんだよ!」 「でも、エリオとキャロは私を慕ってくれた! それが全てではいけないの!?」 「馬鹿野郎が! 一辺頭冷やせッ! エリオとキャロだってお前しかいなかったんだ! だから慕うしか生 き延びられなかったって、まだ気付かねぇのか! その澄まし面を見て、エリオとキャロが何を感じて何を 想ったのか、お前は考えた事も無かったんだろうが────!」  ヴィータが烈風を撒き散らし、フェイトへと高速飛行で接近する。怒りの鉄槌を受け止めたフェイトの二 機のデバイスに、物理的な威力の他に伝わる重みがあった。 「ヴィー、タ!」 [354]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:26:34 ID:rOlCd8fX 「曝け出せよフェイト。今はお前の番だ。このままじゃ、お前もなのはも破綻するんだよ。だけど、ヴィヴ ィオやエリオ、キャロが……お前もなのはも自分と同じ、今まで恥も掻いてすっ転んできて、完璧じゃない って感じるものを見つけたら、皆が一歩先に進めるんだ。結局お前は、エリオとキャロに手を上げる度胸も ねぇんだろ? なぁ……子供に全てを受容してくれる優しい世界だけを見せるってのは、本当に残酷な事だ と思わねぇか? お前は心のどこかでエリオとキャロを拒絶してる。自分の弱さを二人に知られる事を恐れ てんだ。無理もねぇよな、お前自身が腹を痛めて産んだわけじゃねぇんだし。形だけから始まった関係は、 その形のままで続けていきたいよな?」  穏やかな口調とは裏腹に、ヴィータのデバイスを押す膂力は凄まじく荒れ狂っていた。アルフがヴィータ の横から迫るが、ヴィータはアルフの攻撃を休止状態だったパンツァーヒンダネスで徒労にさせた。 「綺麗な儘で大人にはなれねぇって、きっとお前もなのはもまだ認めたくないんだろ」 「そう、かもしれない……」  フェイトはヴィータの気迫に対抗しながら、歯を食い縛ってデバイスを持ち堪えていた。  ここでフェイトが否定してきたなら、ヴィータは問答無用に非殺傷性を解除して彼女を殺していただろう。 「だからさ、フェイト。一歩踏み出そうぜ? 管理局のアイドルだ何だって持て囃されんのも、もう疲れた だろ。ミッドチルダのお前のファンも、お前自身でさえも、いつまでもお前が生娘のまんまでいるって下ら ない夢を見続けてるんだよ」  噛み合うデバイスの素材内部が、強烈な力の激流で軋む。グラーフアイゼンの柄が硬質な悲鳴を上げ、バ ルディッシュとデュランダルも同様の損傷で掠れた音を立てた。アルフは二人のただならない迫力に少し気 圧され、一歩離れて二人を注視する。 「話に聞いたプレシアの所業、結果的に間違ってたのかもしれねぇ。だけどさ……あの女の根底にあったの は、やっぱり母親としての心だったんだよ。そうだろフェイト。あたしは確信してるんだぜ──今のお前と なのはじゃ、ヴィヴィオを喪っても、絶対に得手勝手に理屈をこねてあの子を諦めるってな。プレシアが見 せた様な執念を、お前達は持つ覚悟が無いだろ。だから、この場で一皮剥けてみるのも悪く無いと思うぜ?  もしそんな最悪の事態が起こっても、ジュエルシードを集めてヴィヴィオを生き返らせろって言ってるん じゃないからな? あたしの言いたい事、わかってくれるよな?」 「……うん。ごめんねヴィータ。ヴィータはいつでも皆を見てるんだなって、今、改めて思い返した」  ヴィータは笑った。その眼前にも、フェイトの晴れ晴れとした微笑があった。ヴィータはグラーフアイゼ ンを一度退け、二人から距離を置くべく後退する。 「フェイト、ヴィータ」  アルフがフェイトのすぐ傍に移動する。二人の数メートル先には、更なる実力の本領を暴露するヴィータ がいた。リミッターの重圧の中、それでもヴィータは通常通りの戦闘力を発揮しようと体内の魔力に剥き出 しの意地を点火させる。 「負けられないよ、アルフ」  操作を持て余していたデュランダルも、フェイトは今バルディッシュの相棒として堅実に構えていた。 「うん、絶対に負けられない。私は優勝して、エリオとキャロを抱き締めて嬉し涙を流すんだ。馬鹿みたい に泣きじゃくって、身体全体で今私は嬉しいんだって伝えて、明日からイベントも三人で回るんだ。それで ね、私、頑張ってみようと思う。エリオとキャロに怒っていける様に、もし二人が何かに躓いた時、怒鳴っ てでもわからせられる様に頑張るよ。自然保護隊に行くってエリオから話された時、私は涙を堪えてた。 エリオが新しい環境でうまくやっていけるか、知らない大人ばかりの人間関係で悩んだりしないか、本当に 夜も眠れないくらい心配だったんだよ! ……でも、そういう顔を二人には見せるべきじゃないって、いつ でも強い自分でなくちゃいけないって独り善がりになってたんだ……。一から十まで二人を認めて受け入れ て、逆にそうして辛い思いをさせて来ちゃったんだね、私。ヴィータの言う通りだ。これじゃあ、私は上辺 だけの私を愛してくれていたプレシア母さんと同じ……」 「そんな事は無いさ。──って、あたしは言う立場だからね」  アルフは皮肉げに相好を崩す。彼女達の足許が、クロノが放射した砲撃魔法の余波熱に炙られる。 [355]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:28:17 ID:rOlCd8fX  ユーノが結界を展開した儘で前進し、魔力熱量の波濤を突破し、バインドで固めた腕をクロノへ突き出し た。首を横に倒してユーノの拳を回避したクロノだが、彼の腕に巻きついているバインドが分枝し、クロノ の頚部を絞めつける。 「ぐ、がっ……!」  クロノは血走った目でスティンガーブレイドを腕に武装させ、死に物狂いにバインドを切り裂く。絞殺の 悪意すら垣間見た苦しみから逃れ、クロノが白兵戦用に膨張させたスティンガーブレイドをユーノの肩へと 放つ。バリアジャケットをものともせずに光の剣に貫通されたユーノの肩から、鮮烈な激痛が出血と共に発 生し、ユーノの中性的な顔貌が歪んだ。 「見かけによらず、ヴィータは面倒見がいい奴だったんだな」 「本人に言ったらグラーフアイゼンで頭を潰されるよ」  ユーノは未だ腕に絡めているバインドで、クロノの魔力刃を肉体から引き抜いた。純魔力の放射でクロノ の視界を撹乱し、ユーノの身体が地を跳ぶ。緑光の魔力煙を、クロノのブレイズキャノンが霧散させる。 横へと逸れて砲撃を回避し、ユーノは早急に治癒魔法で肩の負傷の処置をした。  互角の熱戦に盛り上がる試合場の上空でも、金の閃光と騎士の紅光が幾度と無い力の爆発を拡散させていた。 『Haken Saber!』  バルディッシュがハーケンフォームへと簡易変形、金の雷刃を射撃する。素早く掻い潜って来たヴィータへ、 フェイトは変幻自在にデュランダルで応戦に出る。アルフのバインドや直射弾、バリアブレイクの介入にも 果敢に立ち向かい、ヴィータが鉄槌の猛撃でフェイトに迫る。 (デュランダルに予め搭載されている術式は……! 駄目だ、エターナルコフィンは問題外……こんな事な らお兄ちゃんが使う魔法、練習しておくべきだった!)  苦し紛れにブレイクインパルスの詠唱を試みるフェイトだが、術式も正確に把握していない見様見真似では、 不出来な魔方陣が一瞬顕現するだけだった。その脆い光の紋様を、グラーフアイゼンが繰り出す烈風が 消滅させる。火花を散らし、鉄槌が氷結の杖を激しく弾いた。 「頑張って──頑張れ、フェイトさん!」「フェイトさん、負けないで!」  観客席からの少年少女の声援が、苦戦するフェイトの耳に届く。フェイトが一秒未満だけ振り向いた視線 の先に、エリオとキャロの子供らしく声を張り上げる姿があった。 「負けないよ! 私は絶対に負けない! そして、もう私は二人に甘えない! しっかり怒って、なのは以 上に厳しくいくから──だから、今までごめんね! ちゃんと見ていて! エリオ! キャロ! 私は今楽 しいんだよ! こんなにも胸が躍っているんだ! 愛があるから! 二人が見つめてくれているから、私は 無限に勇気が沸いて来るんだ!」 「フェイトママっ!」  キャロ達と一緒に観戦しているヴィヴィオの切なそうな叫びにも、フェイトは健やかな笑顔で応えた。  背後から迫るアルフヘ、ヴィータはバリア魔法を展開してバリアブレイクを誘う。そしてその防壁の魔力 を故意に暴発させ、高爆速の衝撃波でアルフは吹き飛ばされた。 「へへっ──盛り上がってきたぜ! もう大丈夫だよなフェイト!」 「うん! ヴィータ! 私はヴィータも愛してる!」 「あたしもだぜ! お前等全員、大好きだ──っ!」  フェイトがヴィータの細い腰へ脚を捻り上げる。ヴィータはその場で旋回し、下からの襲撃にグラーフア イゼンの柄を痛打させた。フェイトは壮絶な大腿の打撲を決死で囮に替え、上からバルディッシュとデュラ ンダルを交差させて振り落とした。二期のデバイスを両肩に受け、ヴィータが恐るべき速さで墜落していく。  場外寸前で急停止したヴィータも、フェイトや仲間達への愛情に満ち溢れた笑顔を広げて白い歯を見せた。  よくはわからない……よくわからないが、得体の知れない高揚に支配された観客も、自然と熱狂して両チ ームへの声援に叫喚していた。 [356]Never Give Up! 2007/11/04(日) 21:29:37 ID:rOlCd8fX 続きます [357]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 21:39:00 ID:c7S7zmXf (´∀`ル「>>356GJです!!!」 [358]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 21:43:17 ID:XSrDOFBM >>356 GJw熱いねぇゲボ子w ユーノはすっかりなのは恐怖症かい それより作者、あんたあれだろ。「されど罪人は竜と踊る」とか好きなんじゃないか? うん。後編はユノ助とクロ助メインかな。期待してます [359]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 21:44:05 ID:bGwSufrZ >>356 GJ!!  ヤ バ イ ・・・ヴィータが格好良すぎるッス!! [360]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 21:49:57 ID:6FaAZ24Z GJww >「あれ、僕達って舐められてる? それともクロノが持病の若年性脳不全を発症とか」 >「慢性遺伝子劣化症候群のお前が人語を喋るな。世界のフェレットに失礼だぞ」 > 二人の男が静かに唇を噛み、苛烈な視線の激突で試合場の空気を圧迫した。 >「クロノって本当に素敵。第一にこの世に生まれて来たところがね」 >「僕が誕生した事をさも前代未聞の奇跡の様に言うな。至って自然な摂理の出来事だ」 >「リンディさんの子宮から捨てられて、リンディさんに拾われた不幸を一般化して虚しくならない?」 >「いい加減、僕が葬儀業者に予約しているお前の葬式を消化させてくれないか。あの業界は原則、現金支払いなんだ」 >「そっちが死人の代役すれば? 世界で唯一僕が狂喜するよ。ナンバーワンにならなくてもいい、オンリーワンを目指そうよクロノ! 世の中個性が大切なんだから」 前回からちょっと思ってたけど、され……って一手遅かったorz ……シャマル先生はアレか? 内臓に欲情する変態女医か? 何はともあれGJ! [361]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 21:55:02 ID:Wk8RLuFj >>356 なんというGJ。このヴィータを見た瞬間確信した。 このヴィータ、間違いなく一番大人であると。 そしてユーノは完全になのはアレルギーを起こしている。 うん、□r・・・・・・ヴィータに走ったところで誰も何も文句言わないよ。 というかユーノがヴィータと一緒に旅行に出るとかになったらなのはさんは どんな所業にでるのかが気になるぜ。 [362]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:14:37 ID:FlwNW51Z http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193732923/356 ヴィータァァァァァァッ! なんて大人な女発言なんだ! さすが体は子ともで頭脳は大人! どこぞの名探偵も真っ青だ! [363]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:15:12 ID:Gur3L+fl まったり投下させていただきます、エリオのじゃないですが… 32スレの続きです…4スレ前…すごい前です ・ユーノ×ヴィータ (ユーノ性活の分岐話) ・エロあり ・V [364]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:16:26 ID:Gur3L+fl 「ふぅ…」  ただいま〜! 仕事の疲れを吐息と共に新居の扉の前に降ろすと 笑顔でチャイムを鳴らした、パタパタと元気の良い足音が近づいてきた  その音にニコニコしてユーノはガチャリとドアを開けた ああ何て幸せなんだろう、この瞬間、ビバ新婚(幼女妻)ライフ! 「たっだいま〜♪、遅くなってごめんね」 ユーノはいそいそと靴を脱ぎながらご機嫌で言葉を続けた 「あのさ、ヴィータちゃん、ホラこないだ言ってたやつね買ってきたんだ いや、、そりゃ少々高かったんだけどね、…けどさそこは可愛い妻のためにと特別に頼んでお店の特注  …新作のバニーの…」  ニコニコとしてユーノは嬉しそうに玄関のドアを閉じしゃがみこむと 床に降ろした紙袋を開いた中のレシートには『大人のおもちゃ・アダルトぱお〜ん駅前店』とある もどかしくちっちゃなバニーガールの衣装を広げて見せた  で、こんなのなんだ♪ と言ってご機嫌のユーノは顔を上げた 「………」 アレ?いつもならここで 「また馬鹿なもの買ってきたのか!」 とヴィータちゃの蹴りかパンチか、もしくはグラーフアイゼンが飛んできてハズ…なのに? 何もこない… そこにはユーノの見知らぬ少女が笑顔で立っていた 見た目、年の頃6課のスバル、ティアナ達よりやや下ぐらいだろうか?  すらりと伸びた白い健康的な脚が印象的な少女 ニコニコとミニスカ姿にスリッパ、エプロン装備、片手にオタマを持った見事な新妻スタイルだ  が、明らかにユーノの嫁より年上だった …あれ?  ユーノは謎の少女と共に玄関先で、笑顔のまましばし見つめ会った 腰まで伸ばした赤い髪…あ、色はヴィータちゃんと同じだな…などと思いつつ  ユーノは背筋に生ぬるい汗をタラリと流していた 一応ユーノにも世間体というものが存在する ずるずるとそのままの体勢で後退した、一般的に恥ずかしいコスを紙袋にこそこそ収納していく 「あ、あの…すいません…間違え…ました…てっきりウチだと…」  ゴメンナサイ へこへこと頭を下げながら後ろ歩きで退出した  ユーノはバタンとドアを閉じた オタマを持った赤色の少女が笑顔で玄関先に取り残された 2秒の後再びドアが今度は高速で開けられた 「って違ぁあああああああああああ!!!???…ちょ、ウチだよ…やっぱりここ!君、誰!?」 ユーノは忙しくドアのプレートと少女を見比べた 「や、おっかえり、ユーノ♪」 愕然とした顔の旦那に勝ち誇ったように笑う少女 ビッとピースサインをユーノの鼻先に突きつけた、白く小さな歯が眩しい 「ヴィ…v、ヴィ…ヴィータ…ちゃん………なの?」 [365]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:17:40 ID:Gur3L+fl  呆然とした夫は妻の突然のイメチェン いや違う…髪は解いてるけど、そ、それ以前に背が…あのぺったんこの胸が…いやそこがいいのだけれども、お尻が… と呻いた、視線を上から下まで巡らせチェックするのユーノ  胸に抱かれたユーノにとって大事な愛のコスの入りの紙袋(3着入り)はとっくにくしゃくしゃに潰れていた うっう…サイズはもう合わないだろうな、これ、高価ったのに …などと、どこかユーノの頭の片隅が冷静に嘆いていた 「見れば解るだろユーノ、…あーあ、相変わらずロクな事にお金使わねーな  ダメだぞ、無駄使いは、これからはちゃんと大事に貯金してだな…」 と、いつもなら真っ赤になって怒る彼女 ヴィータちゃんは何故かご機嫌でオタマで夫の頭をコツコツと叩いた 未だユーノは呆然として立ち尽くしていた  キッチンにて― 「はぁ… …そうだったの……アップデータプログラムねぇ…はぁ…あのはやてがねぇ…」 ふぅん  はやてに関しては結婚の許可…と言うより事後報告に行った時 「だっれっが…娘さんを下さい、お父さん…や!お前はどの口で…第一… お前にお父さんよばわりされる覚えは…って違うやろそもそも私は…」  などと憤るはやてに 半ば…いや本気でめり込むほどツッコミ顔面キックされたものなんだが…いや懐かしいね  ズっとユーノは卓上のお茶をすすった それも今は昔だ、この間、夕食を取りながら事の顛末をヴィータから聞いていた  イスに腰かけたユーノはネクタイを緩めた と心底嬉しそうなヴィータがこればかりはあまり変化の無いあの言葉使いで次々に喋りながら  買ったばかりの新型の食器洗い、兼乾燥機から取り出したお皿を食器棚に 手際良く片付けている後ろ姿が見える、結婚前には想像もつかなかった光景だが意外とヴィータは尽くすタイプだった  …なるほどねぇ、ようやく事情が飲み込めてきたよ いきなり成長したヴィータちゃんには驚いたが…とユーノは独りごちた  今更ながら守護騎士プログラムの人と結婚した事を実感した司書長だった その後ろ姿…お尻のあたりを見ながら、ティアナよりやや細身の感じだな、しかし便利な体だなぁ… などと気楽な感想を内心で述べていた 「はぁ…それで…その髪は…解いたの?編んでたのは止めたの?」 ヴィータのトレードマークみたいなものだったからな と、先ほどは背丈と相まって妻を別人と見間違えた自分に言い訳を述べた 「…あ、これか?、えっと…さ、ついでだったから…          ユーノを驚かそうと思って…そのまま流してみたんだけど…ど、どうかな?」  食器棚から振り向いたヴィータが今更ながら、照れくさそうにくるっと身を翻した シャマルに勧められたのは言わなかったが  癖の無い長く艶のある赤い髪がパサリと細い首筋にかかるのを見てユーノは 「あ、…んん、ああ…とっても…似合うんじゃないかな」 それはこれで何か色っぽいしね、なとど上の空で応える、頭はヴィータちゃんの髪よりもっと下の方の事を考えていた 卓上の剥かれたリンゴを一片口に運んでシャリシャリと齧った [366]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:18:49 ID:Gur3L+fl  もう少し気の利いた賞賛を期待していたヴィータは少し不満そうな顔つきになった が夫の方はそのへんの微妙な乙女心にはまるで気が付かずに暢気にもぐもぐ口を動かしている  そしてユーノの方はそれよりももう一つ、先ほどからすごく気になる点についても質問した むしろ、そちらの方が彼にとっては重大な事だった  思わずゴクリと唾を飲んだ、真面目くさった顔で指を組むと尋ねた 「…で、それでその…、ずっとそのまま…なの?…その姿は…まさか…も、元には戻らないのヴィータちゃん…?」 え?と言う顔でヴィータはユーノを見た 「そ…それじゃ…その…ユーノは…成長したあたしじゃ…イ、イヤなのか?」  さっきまでご機嫌だった明るい表情が見る見る曇ってきてヴィータは柔らかな胸に手を当てその場に立ち尽くした ムグっとリンゴを飲み下したユーノが慌てて声を上げた 「い、いやそうじゃなくてさ!」 休息に温度が下がった場の空気に慌てたユーノはブンブンと掌を振り弁明しようとした 「きゅ、急に変わっちゃったからさ…ヴィータちゃんも、その姿、いや魅力的なのは当然だとして   似合わないとかじゃなくて綺麗だし…で、ボクもビックリして!ど…どうかしたのかな!と」 わけのわからない事をしゃべりながら  第一ボク小さい体のままのヴィータちゃんも大好きだから! などと精一杯の表情でユーノは嫁に向かって叫んだ 要はボク、ロリだから!前の姿が恋しいみたいな!と言ったに等しいのだが 心からそう思っていたので恥じるわけでもなく、努めるまでもなく熱意が態度と言葉に篭っていた  その勢いに え…と言うとヴィータもまんざらでもなさそうな表情になってユーノはホッとした ヴィータはヴィータで「大好き!」 と言う部分だけ聞いて満足しているようだ、もうユーノの性癖についてはどうでも良いらしい いや右から左なのかある意味どっちもどっちなカップルだった  そ、そっか…まぁそういう事なら…などと機嫌を直しつつあるヴィータを見ながら (だ、だから、もうあの体で…ロリ体型ではで…H…はできないもののでしょうか?) などとは流石のユーノも真顔で嬉しそうにこちらを見るヴィータには言わなかったが  まじまじとそんなユーノの顔を見つめたヴィータがそれなりに納得したようでユーノの方も ホッとした表情になり肩の力を落とした、危機は脱したようだ、ヴィータが元の調子に戻り喋り始めた 「な、なんだ…ああ、大丈夫なんだ、それは…プログラム補正はさ  実は何度でも効くってシャマルが言ってたから…その方があたしも楽だからな   だから用が終わったらまた元に戻してもらうつもりさ…」 「そ、そうなんだ、ふぅん…そうなんだ…(あぁ良かったぁ♪)…そうなんだ、アハハ、それで?用って何?」 ホッとしたユーノは何も考えず軽く問い返した  問われた方は、「え?」と言ったままその場で固まった 見れば、顔がみるみる赤くなっていく 「そ、それは…」と下を向いてモジモジしはじめている 「?」  今度は何だ?とユーノは怪訝な表情で嫁の反応を見つめた、なおも辛抱強く縮まった嫁から返事を待った やがてうつむき加減の顔を上げたヴィータは、それでもまだ照れくさいのか視線を合わせようとせず  やがて子供のように小さく呟いた 「…あ、あのさ、こ、子供…とかさ…多分産めると思うんだ…これなら…ユーノと…あたしの…」 ほっそりしたお腹のあたりを撫で、ボソボソとそれだけをやっと言った 「こど?………ヴィータちゃんは確かに子供だけど      あ”…!」 間の抜けた声を漏らすユーノは今更ながらまじまじとヴィータの成長した体を直視した 今一度子供…という言葉を口と頭の中で吟味してみる …む…ぅ  そっか…まるで考えてなかった…そうか子供か…ずぅぅっ…っと [367]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:19:38 ID:Gur3L+fl  (生で中田氏ができる毎日ボクのターン) …の事ばっかり考えていたので頭をかすめた事も無かったが… 何やら真剣そうに考え込んだユーノをヴィータもある種の期待を込めて見つめている ユーノも子供の事考えてくれてたんだろうか?残念ながら 多分彼女の期待してるような事はその頭の中には無かったが ユーノは再び嫁を見た ペタンコだった胸は今や緩やかに膨らみエプロンを盛り上げている 、すらりと伸びた足の上、腰の辺りも細身ながら肉付きが良くなって… ぉ…おお…これは…これはこれで悪くない…いやむしろ後でまた元通りと思うと、2度美味しいじゃないか… 「こ、こら!どこ見てんだよオマエ、目つきがいやらしいぞ…」 思わずヴィータはお腹のあたりを隠した 「え、あ、いや…気にしてたの?ヴィータちゃん…子供の事とか…そんな事…」 「し、知るかよお前はどうなんだよ!」 ユーノの視線に耐えかねたように、プイとヴィータは赤い顔を背けた  ガタン ユーノは立ち上がってつかつかとヴィータの前に来た 突然の動きに軽くヴィータは身を引いた、逆光でユーノのいやにマジな顔を見上げる 「え?な、何?ユー…」 ひしとユーノはちょうどいい位置まで成長したヴィータの肩を引き寄せた 「わぁっ…ちょユーノ…な」 「ヴィータちゃん…」 真剣な顔で見つめるユーノの瞳を見返すヴィータ、いささか怯んでいる 「え、あ…ちょ、息がかかる…こらユーノ…」 「そっか、よし作ろうね…作ろうよ子供!…たくさん、たくさん…そう野球チームができるぐらいに!」 「………」 ヴィータはマジらしいユーノの目を見つめた、本気だマジだ…この目は (そ、そこまではどうかな…と思うけど…体がもつんだろうか) ヴィータはそんな気もしたが、とにかくユーノもその気だったのは嬉しかったのは確かだった 「お…あ、、う、うん…頑張ろう…な」 と曖昧にコックリと小さく頷くヴィータであった  そんな仕草がたまらなく可愛いくなって、思わずユーノはそのほっそりした肩をギュっと強く抱きしめた 「わっ…ちょ苦し…」 「ああもう!…この場で作っちゃおうよ、いっそ!」 「ちょ、シャワー浴びなきゃ駄目だって、ちょ、アハハ首筋弱いって言ってるのに…」 ともごもごと声も漏らすヴィータ 上の空でその声を聞く、ああ股間がドキドキしてきた…漢字で書くと怒起怒起…ボクのジュニア、なんて などとユーノ  一方その胸で抱きしめられたヴィータもまたドキドキしていた こちらはもう少しまっとうな乙女のドキドキだったが  (あぁ…これ、これなんだよな…こんなまともなシーンを…あたしは…きっと 待ってたんだよな…今までコスプレばっかりだったし…補正…やって良かった…本当に…)  思わず今までの性活を思い出し、涙ぐみそうになるヴィータであった 押し付けられたお腹の辺りの固いものを感じて  これで、これさえなけりゃ無ければ完璧なんだけどなぁ… と赤い頭の後ろのあたりに大きな汗マークが出していた ヴィータも流石に夫婦の…いささか世間的にはマニアックなものではあったが 営みには慣れてきていたので、そこまでユーノに望むべくも無いのだ、と最近は理解してきていた  夫の方は言うまでもなく抱きしめた顔が 今夜のスケベな期待にだらしなくと緩みきっていた [368]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:20:48 ID:Gur3L+fl 「あっ…やっ…はっぅ…また… ユーノのがいっぱい出てる…あっ…溢れちゃ…」 ひくひくと痙攣する背筋、艶ばんだ声、ヴィータが絶え絶えに声を吐き出した はーはー…あー出てる出てる…あ…4発… 目… ユーノはふーと胡坐をかいたまま汗だくのヴィータを貫いている その細い腰を抱きしめて満足の熱い吐息を吐いた  ヴィータの膣の中でユーノの元気にと勃ったものが最後の一滴まで その白濁をヴィータの子宮にと流し込んでいた はぁ〜…ぁ ズン 最後に震える小さな形良いお尻を抱えてまだ固いそれで最奥を突いた 「ひゃんっ!…やあっ…」 いったばかりの敏感なところをまた突かれてヴィータは悲鳴を漏らし、ゆさゆさと体を揺らされた それでようやくユーノの動きが止まった 「んっ…うっ…」 その呆けて開いたヴィータの唇を割ってにユーノの舌が進入してその舌に絡んだ 「ふぅ…んん……ん…」 ちゅっちゅと軽く唇を吸いあうとヴィータはユーノの胸にぺたりと倒れた その胸も今は控えめながら柔らかく膨らみユーノを幸せな気分にさせた 「はーぁ、…ホントお前は容赦ねーよな…今夜はとくに…」 この淫獣、とヴィータは顔だけ上げて気だるい表情で悪戯っぽく笑った ヴィータはユーノの顔を見た、ユーノも満足げに笑っている 「だってさ…今まで全部入らなかったのが…全部入るんだよ…ね中で形解るでしょボクの?」 ユーノは悪びれず微笑んでゆさっとつながったままの腰を揺らした 「バ、馬鹿…そんな事…あ、コラ…動かしちゃ…や、おまえ…いい加減に、あんっ…あ中から抜て…ぬ、抜けよ…」 語尾がんっ…あっと言う言葉が続く 「…だーめ抜いたらもったいないじゃない?赤ちゃんの素なんだよ?ボクと君の」 意地悪に笑いながらユーノはぐりぐりと腰を動かした 「あっ…あん、や、こ、コラ人の話を…」 はっはっと小さく息をつくヴィータ 自分の膣中で再度ユーノものが固くなってきているのを感じた  悪びれないユーノは耳元でちゃんと愛してるからさと囁いた ボッと赤くなったヴィータがプイと顔をそらしそっぽを向いた、頬が体とは別の恥ずかしさで赤らんでいる 「バ…バカ」 何言ってんだよ、とかもう、べ、別に…そんなに…いきなり急がなくてもさ…赤ちゃん… などと口中ゴニョゴニョと呟くヴィータ 「あーもう可愛いなぁ!」 ユーノはプルプルして震え、たまらなくなってガバッとヴィータを仰向けに押し倒した 「わぁ!ちょっ、もう、何だよユーノ急に!あ、こ、こら少し休ませて…」 抗議の声を上げる少女の股を左右に大きく開かせ、うっすらとした茂みの少し開いた熱いそこに いったん抜いたものをにあてがい体重をかけると 一気に腰を沈めた、ズブズブと長く硬いモノを挿入されヴィータがひっ…と声を上げた 「やっ…あっああいきなり奥まで…こんな格好で…やぁ、…ぅあっ…あっ…ふ、深い……」 コツンと奥の子宮口に当たるのを感じると ユーノはハァハァと苦しそうに紅潮した顔、うっすらと涙ぐんで喘ぐヴィータの頬を撫で 華奢な腰をぐっと片手で引き寄せた、二人の熱い体が密着する ユーノは残る手で背中を抱きしめた、しっとりと濡れたしたヴィータの瞳を見つめるた、そしてピタリと止まった 「ぇ……?」 ヴィータはもどかしそうにユーノの方を見た [369]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:21:19 ID:Gur3L+fl 「ちょ…な何…で…動かない…んだよユーノ?」 「じゃあヴィータちゃんは、どうして欲しいの?」 「ど、どうしてって…」 もじもじとしてヴィータは腰をよじった  それは、その…もぅ…と耐え切れない表情のヴィータが呟いた 「じゃ、抜いちゃおうかな〜」 ズッ…ユーノは腰を引こうとした、内心これもユーノも気持ち良く腰の後ろがゾワゾワした やっ…上ずった声を漏らしヴィータは思わずユーノの首筋に抱きついた 「あ…」 ユーノの目を見て、少しため息をついた、こ、コイツはもぅ… 「あ…あたしの子宮を、ヴィータのここを…ユーノので一杯にして…欲しいです…」  い、いいだろ…これで 首に抱きついたまま赤くなったヴィータは拗ねたように言った  よく言えました 我慢していたユーノも、弾けるように欲望を解き放ち、思いを込めて存分に腰を突き入れた 「ひゃぁん!」 ヴィータは甘い声を上げたが その口をユーノが塞ぎ、先ほどより長く二人は濃情熱的に密に舌を絡めるのであった 「んぶっ…んぅ…んぐぅ!は…あっ好き、好きだようユーノ!好き!…大好き…あああ!!」 ・ ・ ・ やがて事が終わり 唾液を引いてユーノが唇を離すと ヴィータと火照った目で見詰め合った 「…これから毎日、もっともっとしようね、早くできるといいね赤ちゃん」 「…ばーか、…もぅ…調子のんなこいつ」 コツンと下から頭を叩かれたユーのは ヴィータの柔らかな髪を撫でた エピローグへ [370]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:22:20 ID:Gur3L+fl エピローグ  八神家な朝― 「ふぁ…」 ガチャン  パジャマ姿の八神はやては寝ぼけ眼で玄関先のステンレス製のポストをのぞくと ごそごそと中から手紙を取り出した、新聞と手紙が一枚 ごしごしと顔をこすりながら文面を読むとはやてはそれを裏返してじっと絵面を見つめた 「ん〜………」 「マイスタ〜おはようです〜どうしましたか?」 こちらも寝ぼけ眼のリインフォースUが空中をふよふよと漂うようにはやての肩口から 何ですか?とそれを覗き込んだ 「…ん〜」 ぽりぽりと頭を掻いたはやてが複雑な表情で生返事をすると振り向かずにそのままの体勢で ひょいとそれを二本の指でつまみリインの顔の前にかざした、レターには若い新婚さんの姿が写っていた 並んで笑顔の二人笑顔のユーノとヴィータの姿がそこにあった 二人の写真は結婚後にも一度八神家にきた…が 今回のは少し前より内容が変わっていた、、前と写真と違うのは二人の写真が三人になっている事だった 「あー…ついに、ですか…」 「…そうやな」 ユーノの前に立ったヴィータが弾けるような笑顔で胸に小さな白い包みを抱えていた うっすらと赤毛が見えるその姿は、女性として一つ上のレベルに見えた 少なくともそれを見ている二人には 『『………』』  今度は二人して一瞬目を合わせ再び写真に見入って沈黙した ちゅんちゅん がちゃん…カタ…ブルッ…ルルル… 朝の静けさの中にスズメの声と牛乳配達のバイクの音が遠くに響く 「…なんだかやなぁ…朝からやっとれん気分やな…」 「駄目ですよぅ…他人の幸せは素直に祝福しないと…ですよ、はやてちゃん…」 「リインかて人の事は言えんやん、何その情けない顔…」 『『…………』』 再び二人は幸せの写真から目を上げると、しばし見詰め合った へっくしょ!はやてが朝の冷気に大きく、くしゃみをした 「…戻ろか二人ともパジャマやし風邪ひいてしまう…」 「ですね…」 寂しげにコックリと頷くリイン 二人はくるりと踵を返すとすごすごと玄関に引き返して行った 「200!」 その横合いからのやたら気合のこもった掛け声が浴びせられた、二人が顔を巡らすと 中庭から烈火の将、改め烈火の部活動中ののシグナムの素振りをする声が聞こえてくる 「朝から元気やなぁシグナムは…」 悩み無さそうと呟く 「ですねぇ…」 「「……」」 [371]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:23:00 ID:Gur3L+fl  なんでも本人曰く、コーチに行っていた学校から是非にと誘われ、今度正式に生徒として編入手続きを取ったそうだ 2年生からスタート…という事らしいが  すでに周囲から次期主将に押されてたり、いつの間にやら女生徒の取り巻きができたりと…まぁ 何かと大変らしい、大変大変と言ってた、そのわりには本人は最近表情が生き生きして嬉しそうだったが… 「201ッ!」 「…202!」 裂帛の気合と共に振り下ろす竹刀にキラキラと朝の光に輝く汗が散っている 「青春やなぁ…シグナムは…悩んでる私らがアホ見たいや…」  あれはそもそも…フェイトと戦うための訓練やなかったっけ?忘れてるんやろなぁ…シグナム はやては遠い目でその光景を見て呟いた、まぁ当初の目的を忘れて手段の方に没頭するのは  しっかりしてるようで、案外うっかりしたせ性格のシグナムにはよくあることだ はやては歩き始めた、後ろをふよふよとリインが付いて来る 「あーあー、なーんで私みたいな可愛い子が独りなんやろな…?  まったく世の中どこか狂っとるな…見る目が無いと言うか…ろくな男がおらんで、なーリイン?」 頭の後ろで手を組み、ブツブツ句を文垂れながら歩きだした 「……(それははやてちゃん自身が自ら遠ざけてるような気も)」  しないでも無いです…と その髪を無造作にオヤジ臭くバリバリと掻いてる後ろ姿に思わず迂闊な事を口走りそうになるのを抑えると リインは努めて笑顔で揉み手をしてはやてに追いついた、彼女にとって重要な懸念があったのだ 「あ、あの、で、すね…はやてちゃん、と…ろころで、あの…リインの方は…はその…   いつヴィータちゃんみたいに…成長できるですか?」 にぱっとぎこちない笑顔になり、期待と不安に尋ねた入り混じった声でリインは尋ねた ん?と主は眠そうな目に心底不思議そうな顔で振り向いた  「え、リイン……リインが成長?」 ちゅんちゅん…見つめるはやて、見つめられるリイン  「アッハハハ、もーいややなー何言うてるのリイン あの修正プログラムは『ヴォルケンリッター守護騎士用』の修正プログラムやから リインは可愛いずっとそのまんまなんやで、そのまんまよ、ずぅううっとな、良かったな〜リイン」 と笑顔のはやて 「え、…えええーー!?」 揉み手のまま一瞬の自失で白くなったリイン そういう事や、と いそいそとドアを開けて入って行く主の後ろ髪に向かってリインは叫んだ バタン ちょっちょぅっと待って下さいですーはやてちゃん!  慌てて後を追う 師弟二人が吸い込まれた玄関ドアの中で、朝の流れに沿って ザラザラとドッグフードをペット皿に盛る音、ガフガフかつかつと咀嚼するが聞こえてくる 「そ、そんな事一言も言わなかったじゃないですかぁ!」 大きな声が外まで響く、が八神家は敷地が広いので道までは届かないだろう わた、私…リインも一生懸命手伝ったのに〜 と尚も切れ切れに漏れ聞こえる悲痛な声 [372]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:23:41 ID:Gur3L+fl  ん〜聞かれへんかったしな〜 …ほら、リインもいつまでも回ってないで、ザフィーラのお水汲んできて… 酷いですよぅはやてちゃん!リインも大きくなって素敵な鯉…じゃなくて恋とか… えー!?リイン〜?そんな寂しい事いわんで… リインだけは私を置いて行ったりせぇへんよな〜男なんかいらへんよね〜私らはずっと一緒や み!?道連れぇえ!?  …人聞きの悪いなぁ…ほら女同士の友情とか… ひどぃですーお仕事ボイコットするですよはやてちゃん!  あら?おはようございます〜はやてちゃん お、また同士が…ご機嫌やな、な、そや、シャマルも仲間…  あら?何の話ですか? シャ、シャマル〜聞いて欲しいです、はやてちゃんが…ってその格好!?  せ、セーラー服か…少しやり過ぎちゃうかシャマル… エヘヘ〜どうですか?似合いますかぁ?限度一杯までプログラムで補正してみたんですけど… ぼ、暴走するんちゃうか…そこまで補正効いたっけあのプログラム?リイン? もう二人とも知らないです! …… … 「500!」 庭先 ビシッと竹刀の先を止めるとシグナムはふぅと息をついてタオルで汗を伝う首筋をぬぐい 清浄な空気の中澄み渡る空を見上げた 「…フ…今日もいい天気だな」  ドンと地面に突いた竹刀 片方をはだけた胴衣の下Tシャツが汗に透け 意味も無く健康的な膨らみが色気を見せていた  ふいに庭木の茂みがガサリと動いた 無言のまま傍らの重たいレンガを軽くひょいと持ち上げたシグナムはブン、とそれを放った  ゴン!…ぐわっ…と鈍い音ににくぐもった悲鳴が続き バキバキと枝を折りながら カメラを首にかけた某ヘリのパイロットが落ちた カラカラと縁側のサッシを開けるとシグナムは汗を拭きながら中へ消えた おわり [373]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:24:53 ID:Gur3L+fl  エピローグ2 あるいはもう一つの結末  そしてどこかの地下― 「 …せやけどそれは、 ただ の 夢 や 」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!  地平線の彼方まで見える雲霞のような怒涛のようなヌーの群れ (ヌー (Gnu) は、アフリカ大陸南部に生息する哺乳綱 ウシ目 ウシ科の動物である。  大きな群れを作り、シマウマも混じる。草食性で、食料となる草原を求めて集団で大移動することで知られる。)  なんですか上の? 映像効果、コメントやね、TVとかで見る…あ、テロップとも言うな と腕を組んで画面を見て尋ねたのがピンクの髪の将、鷹揚に頷き、応えたのが頭一つ小さいその主だ  画面にその群れ飲み込まれていく小さな影―フェレットの姿が見える 雄大なアフリカのサバンナの上空にポツネンと浮かぶのは  この仮想お仕置き世界の管理者リインフォースV 何を考えているのか相変わらずその表情は余人には読めない 「まぁったくなぁ……たまに見にくればやっぱこれか…ホンマ懲りんなこの淫獣は… ほんの少しの休憩時間によくもまぁ長々と 人をネタに都合の良い妄想を…はぁ…Vも良く付き合ってくれとるで…」  ため息をつきながら制服姿のはやてがトプトプと怪しい色合いのアンプルをユーノの腕につながれた点滴に注いでいる 近くのドラッグストアの特売で買い込んできた大量のオロナミンZ 原産国は…まぁ知らない方が健康には良いだろう、この際安いのだけが取り柄のシロモノだ  「まぁ…ある意味…見上げた根性と…言えなくもないですが」 と真面目くさった顔で腕を組み画面を見ながらシグナムがコメントする 「そらまぁ…なぁ、でも流石にそろそろカワイソかなーと思て、まぁ、お見舞いに来てやってみれば    …精神崩壊起さん為のインターバル…いらんのちゃうかコイツの場合?」 「まぁ…その…彼の精神力もやはり並みではなかったと言うか、にしても……、これは」 魔法も何も無いですね、いいのだろうか?とそれきり沈黙する将 「……」 同じく無言でトプトプと残りの怪しい液体を注ぐ主  ドドドドドドドドドドドドドドドドドド…ウモーモーモー…………  濁流のような生命の川 地平線の砂煙と共に無限に沸く泉のように湧き出し、流れ続ける  土煙、草いきれ、野生の咆哮 「「……」」 適当なコメントが見当たらず、しばしその光景に見入る二人 [374]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:25:16 ID:bFJy0V/5 この時を待っていたッ! お前たちは手を出すな! >>372 GJ! [375]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:25:42 ID:Gur3L+fl 「あらあら本当…何か…こう…わくわく動物ランドって感じですよね〜  あっあ、ユーノさん!ワニ来てますよ、キャー!危ない早く逃げて〜w」  視線を後ろに投じると、二人の後ろで言葉とは裏腹にキャッキャと明るく楽しそうなシャマルが声を上げている 画面の中では言われなくても必死でバシャバシャと水辺を逃げ惑うフェレットの姿が …浅瀬の泥川の中に見え隠れしたり、蹴られてくりんくりんと鞠のように宙を舞ったりしている  二人が視線を戻し、ちらりと目を見合わせた 似たような感想を抱いた わくわくか…してるなぁ確かに… ハァ…まぁ色んな意味で、ですね… 「…でーヴィータちゃんはそこで何を…こそこそとしてるですか?」  一同の傍らに浮いていたリインフォースUの冷ややかな一言で3人がそちらに顔を向けた その視線の先に祝福の風に指摘された影がごそごそとうごめいていた、作業していた動きを止め肩をびくりとさせた 影―かがみ込んでなにやらボタンをポチポチ操作していたヴィータは  「え”?」と赤い顔を上げた 皆の視線が鉄槌の騎士に集中する 「え!?…や、いや、だ、っだだ、だからさっ…いぁ、その、あたしはその…ホラ被害者って言うか…当事者として  肖像権の侵害だろコレ??な?…だからあたしが…さっさと処分しとくしかないだろー…」 目を泳がせ後ろ手に持ったディスクを隠し、しどろもどろに応えるヴィータ  じとっとした目つきのリイン、成り行きを見つめる3人 「ふぅん…でも、それなら今すぐ、この場で、…記録削除ボタンを押せばいいだけじゃないですか?…」  しらじらしいと言う、じとっとした目つきのリイン、ギクっとするヴィータ 「や、いや、それはそのリイン…、そこは帰って確実にだな…えっと…アハハ…」  指摘された方の騎士はしどろもどろに変な汗をかき 慌てて腰のポシェットに件の―ユーノの妄想、ヴィータの結婚(?) ディスクを突っ込んだ、取り合えず返却の意思は無いようだ 「じゃ、わりい!アタシ用事思い出した、それじゃ、先に帰ってるよ、はやて!みんなまたな〜!」  シュタっと片手を上げると アハハマジ困るよな…こういうの〜…などと  紅い騎士ははそのままの体勢でバックダッシュでドアの向こうに消えて行った 困惑顔のシグナムとニヤニヤしたやや歪んだ性格の二人がその光景を見つめていた  リインは取り残され、ムスっとした顔でその場に浮かんでいる 「あれあれ〜?リインは何〜カリカリしてんのかな?」 ニコニコとと壁に頬杖をついたはやてが面白そうに宙に浮く我が身の分身たるデバイスに尋ねた 「べ…べっつに!…リインは何も怒ってなんか無いです!」  後ろ手を組んで、くるりと宙を回り、プイとそっぽを向くリインフォース 小さくぶつぶつその口から不満が漏れる …そもそもどーしてヴィータちゃんばっかり…リインだって今回は色々頑張ったですのに…  大体このシリーズは最初リインが… などと言う呟きがぼそぼそと聞こえた  プッと噴出すその主とヤレヤレという顔のシグナム、クスクス可笑しそうにしていたシャマルが 「あら?」と画面の端の表示に気がついた [376]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:26:57 ID:Gur3L+fl 「…あらら〜、そういえば…いつの間に、どなたがこんなお仕置きプログラム入れたのかと思ったら  これよく見たら申請者リインちゃん…あらあらまぁまぁ…私だって流石にここまでは…」 その口元に文字どうり飛んだリインが慌ててシャマルの口を塞ごうとする 「わあわぁわああ〜!!だだダメです〜そ、それは個人のプライバシー侵害ですよシャマル〜  V!次の!次のプログラムに早く行くですよ!お願いです!」  面白そうな面子の中で独り慌てるリイン 唐突に小さな姉に呼ばれた妹が画面の中で人形のように静止していた体をピクリと反応させて クルリとこちらを向いた敬愛する小さな姉に向き、こっくりと頷いた 広大なサバンナの上空、冷え冷えとした双眸が眼下のヌーの群れに向くと…  Vはふいと手を一振りした、一瞬巨大な画面がジッ…と乱れる  次の瞬間 そこにはそこには先ほどまでの焦熱の大地とはうって変わり真っ白な世界が出現していた  一面見渡す限りの銀世界、とそれを埋め尽くす黒いペンギンの群れ… の中に左右をオドオドと周囲を見回すフェレットが見える、近くにはアザラシらしき生き物がのんびりと寝そべっている  極地の、しかしからりとした晴天… 「…プログラム発動、環境…南極圏…初夏……」 「あ、これ私のや」 はやてが声を上げた  …ほう、主にしては意外…というか普通のチョイスですね 「氷の世界ですか」とシャマル ぬるいと言うかメルヘンと言うか、と意外そうなシグナム  あらあら本当、少し寒そうだけど 確かにペンギンさん達も気持ちよさそうね、意外と暖かいのかしら?とシャマル  あ〜これな〜最近読んだ本の思いつきでなぁ… と言いかけるはやて、ごそごそと傍らを探ってお菓子を探している ネタ?と怪訝な顔つきのシグナムが聞き返した時、傍らのシャマルがギョッとした表情になった のそのそと近づいたアザラシがポカンと間の抜けた表情で見上げているフェレットの前まで来た  次の瞬間…それはヒョイと頭を下げるとそのままユーノの頭に齧り付いた、頭から、ガブリ 「…!!!?」 そのままブンブンと勢い良く振り回されるユーノ、おぉ見ろ、淫獣がボロ雑巾のようだ 夜天の主がお菓子を探しながらごそごそして、小さく呟いた 「ーー!!!!!!!xx;!!?lkd!!」  よく解らないが盛大に悲鳴が…アザラシの口の中なのでくぐもっている 周囲の氷にピッピと血飛沫が散ると鮮やか過ぎる鮮血が白い世界に妙に映える美しい 「な」と  流石にギョッとし驚き腕を解いたシグナムとシャマルが顔を見合わせ主の後ろ頭を見た 一人平静なはやてが向き直り、取り出したポテチの袋を開くとぽりぽりと齧っていた やはりただでは済まさないか……恐ろしいお方だ、とその様子を眺め比べるシグナム  はやての肩ではリインがあわあわと青ざめ、ガクガクしながら、その耳をにぎっていた  よくよく見るとアザラシの到来に周りのペンギンは一斉に退避していたようだ 尊い犠牲が出た事により一同はのっこのっこと殺戮の場に暢気に戻ってきていた、一時的な平和を確認したのか テクテクと惨劇の周りを歩いている親子ペンギンこのあたり、流石は野生、冷淡なほどクール、残酷なほどシュール  青ざめたシャマルがようやく呟いた 「きょ、凶暴なアザラシも居るんですね…私アザラシって…てっきりもっと大人しいのかと…魚とか食べたり…」 [377]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:27:28 ID:Gur3L+fl ぽりぽりもぐもぐとポテチを齧りながら、うんうんと頷くと、はやてが説明する 「ーあれなーあれはヒョウアザラシって言うてな  体長役3m…ぐらいかなぁ?アザラシの中でも特別に気性が激しい事で知られとってな、ん…  主食はたしか…魚も食べるらしいけど…好物はペンギンとかその辺の小動物で  バリバリの…ん、もぐ……肉食獣、えーと、あれや、プレデターやね」 「…うわぁ…何て言うか…その…」 スプラッターな光景に流石のシャマルも いいのかしら一応…このお話リリカル世界で…と口に手を当て絶句した 「まぁあの馬鹿者も、男としてや…  偉大なシャクルトン隊長(※)みたいな苦労を少しでも味わえばな…試練と言うか  あの淫獣のためにも、あとなのはちゃんのためにも、んぐ、なるんじゃないかな〜なんて思ってたりしてね…」 で、こないだ休みの日にお昼ご飯のついでに組んで入れといたんや と嘘か真か、はやてが真面目くさった顔でつぶやいた                                  (※エンデュアランス漂流記より) 「「……」」 沈黙するギャラリー、二人及び、がくがくしている肩の上の小さな人 2分経過― むしゃむしゃちゃっちゃ、咀嚼音が響く 「あの…でもはやてちゃん、そのぉ…何かもうユーノさんすでに大方―  お腹の中身とか食べられちゃったみたいですけど…」  暖かく栄養豊富な内臓関係を食らうヒョウアザラシ ピクピクとしてるユーノ …いや、と言うか、それでもまだ生きてるのがスゴイな…、と嫌な汗をかく烈火の将、 寒さの中にあっては… カロリーと暖かさは貴重やからねともっともなコメントをするその主  ギャー、ギャー ホカホカと湯気が上がって上空ではおこぼれを狙って旋回する海鳥も集まってきていた 「…ま、そろそろ限界かな」 パン ポテチの袋を叩いてゴミ箱に入れると立ち上がり、はやては画面のVに命令した 「しゃーないV、温情や、次の復活ポイントは少しずらしてええよ」 こっくりと頷くV  画面が変わり今度は水平線まで続く流氷郡の只中に突っ立っているユーノ が、とたんにまたガクガクと震えだした  同じ極地でもさっきまでと気象がが違いこの場所は強い風があるのだ 恐らく体感温度はマイナス30度C遥か以下に達しているだろう たちまち濡れた鼻先も白くパリパリと氷、髭から垂れる鼻水もツララに変わった そのまま立ったまま樹氷と化しそうな勢いのユーノだった、慌ててバタバタと運動を始めた  と水しぶきが近くに上がって巨大なものが飛び上がった フェレットも暴れていた凍りかけの体で振り向き、ビクウと飛び上がった 「……今度は一体何ですか?」とシグナム 「…あ、…あの黒いのは……もしかしてシャチ…?」とこれはシャマル 恐る恐る二人がはやてを見た、リインはすでに気絶してはやての肩に引っかかってピクピクしている 「うん、まぁ、水族館で良く見ると可愛い子やね、ま〜あれはまだ小さい方やろ」 「それでも7Mはありそうですが…」 とシグナム [378]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:28:02 ID:Gur3L+fl 「じゃそろそろ帰ろか」  そやなー…V、寒いとこばっかも可哀想やし、次はせめて溶岩地帯とかあったかいとこにしてやってもええよ〜 制服を肩に架け、ピッと指を立てて主 頷くV  ユーノさん…可哀想…と口を押さえるシャマル、それでもどこか表情が楽しそうなのは気のせいですね多分 ぐったりしてるリイン、ふるふると首を振るシグナムが一言「南無」と言った  「じゃ、いこか」 と促すはやてを先頭に頷いた騎士達がゾロゾロと続いて退出していった 終わる世界― プシュ ドアが閉まった 現実世界では 人気の無くなった部屋に時折びくっ…と体をよじるユーノと 青白い画面の中で無言で佇むVだけが残された  「………」 暗く冷たい北の海の夜空に浮かぶV しばらく眼下の氷の海で逃げ惑っているユーノをじっと見詰めていた  その目がチラリと画面の外を確認した、つまり3次元世界の全員が退出したのを見届けると すっとその黒い衣装を纏った細い手を振った  次の瞬間、画面が真の意味で真っ白になり 被験者はバタバタしながらその白い空間に浮かんでいた、我に返って ぜぇぜぇと額に汗をかき、空中に四つん這いになって息をついているユーノ  冷ややかに見下ろすVの瞳 「あ、ありがとう…V…ちゃん…流石に…死ぬかと思ったよ…(実際何度か死んだけど)…」 ぜえぜえと未だ喘ぐ中、ようやく顔を上げたユーノがとりあえず切れ切れに礼を述べた いえ… 「礼には及びません……被験者の精神崩壊を防ぐのも私に課せられた大事な使命の一つですから…」  Vは感情のこもらない声で淡々と応えた、主の前では主の欲求が優先されますが…と続ける  そ、そうですか…なんか拷問吏さんみたいですね、などとため息をついて ユーノはふぅと息をつくとやれやれと宙で胡坐をかいた  あーあ息抜きに妄想するのも命がけだな…などと呟く インターバルになるたびに6課の女性陣をネタに精力的に想像力を働かせていた淫獣なであった いいじゃないかどうせボクの頭の中なんだから何やったって…とブツブツと呟く 確かに―いや、ここまで来ると尊敬に値する煩悩力であると言える―のではないだろうか、淫獣 しばらくするとユーノはリインVを見上げ、その横顔を見つめた、静止したリインVは無表情に彼方の宙を見つめている 「で、今度は何分ぐらい休憩もらえるのかな?」 視線を動かさずVは応えた 「…先ほどの精神への負荷を考えると…貴方の体感で15分少々です」 「そうなの」 「はい」 [379]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:28:46 ID:Gur3L+fl 「…何か?」 さらにしばらくすると じっと熱く自分を見つめる視線を感じて、赤い視線を動かしたVは被験者の様子を伺った キラキラした目でユーノはVを見上げていた、怪訝な表情で見下ろすV 「やっぱVちゃん何度見ても初代リインさんにそっくりだよねぇ、あ、スタイルもいいよね〜胸も形いいし   …お尻もキュッと上がってて…抜群だねぇ、うん」 「…恐れ入ります」 ある意味セクハラ的に失礼ななユーノの言動、にもVは慇懃丁寧に目を伏せ軽く頭を下げた  この世界は基本的にユーノの脳の情報から成り立っている、である以上 彼女がTにそっくりなのは当たり前なのだが、そこまで説明する義務も気もVには無かった  しかし…とVは僅かに考えた 似ているのですか私は…そう、映像と創造主の記憶の中にのみ存在するあの方に…それは悪くはない事でしょう…きっと 人間で言う憧れに似た気持ちの揺らぎがプログラムである彼女の中にも存在していた  Vははやてとシャーリーにより初代リインフォースに似せられて作られた擬似人格プログラムだ 似せられて作られた事は彼女自身にとって最も重要な事であった、存在理由、すなわち欲求と言って良かった あの方に近づきたい…  限りなく、彼女のモデルとなった―初代リインフォースのごとくありたい…あるべきなのだろう Vは―そう思うというほどハッキリしないレベルでプログラムの奥底で…想っていた  ゆえにその人とそっくりだと言われれば… 彼女は少し嬉しかった、いや自分には感情は存在し無い…そう判断した、これは、この私の状態は  このような状況を好ましい状態―嬉しいと判断すべきだと―これも我が身を与えてくれた主はやての 下さったプログラムの一端なのだろう とりとめもないほんのプログラムの小さな思考…それでも…嬉しいな  珍しく物思いにふけった彼女が我に返ると目の前にユーノの顔があった 「ぇ!?」 驚いた表情のVに構わずユーノはさらに唐突にずいっとVの鼻先に顔を近づけた  い、いつの間に…?Vは軽く身を引いた そんな、時間にして一瞬にに満たなかったはず…それに接近に気が付かなかった  検査にメモリーを回しすぎただろうか?…あ! と突然両手を取られて強く握られVは思わず声を漏らした、これも普段の彼女の行動パターンには無い 呆気にとられた表情のV、さらに強くユーノがぐっとその手を引き寄せる 「…は、離れて下さい」 やっと声を漏らした  まるで構わず、がばっとユーノはVに抱きつき声を上げようとしたVの唇を強引に塞ぐ淫獣 「!?………!!!!」  Vが目を白黒させている、突然の事態にプログラムが軽いパニックを引き起こしていた 想…定外…  ユーノは驚きの余り固まったかのようなVの表情に強引に舌を割り込ませ急いで舌と絡ませた 「…んーんーんん!、…っ…x」 Vが苦しそうに顔を歪めた、くちゅくちゅと音をさせVの口内を蹂躙して唾液を交換される 必死でユーノを引き放そうとしたVだったが、ぐいぐいと力を込めてもびくともしなかった  インターバルでパワーの大半を環境プログラムの再検査に回していたのが災いしてたのだった そもそも反撃できるだけの精神力など残ってるはずは…  力が…出ない…出力…15%… [380]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:29:25 ID:Gur3L+fl その下で淫獣の目が爛々と光っていた  お、おおぉ……よよ、よし!よぉおおし!、な、何か解らないけど、…い、イケそうだぞ! ビッとユーノは内心親指を立てた  そうだ!彼女だって外見からして女性には違いないのだ…ヴォルケンズに通じる所から はやてのプログラムの癖からして…ならもしかして… とユーノの頭にライトが点灯したのがつい先ほどの事  しかもVは経験は無いっぽいじゃないか(当然だが) そーだ、…どーせこのままでも地獄巡りなんだ、それならいっそ… と言う事で短絡的に暴挙に及んだ淫獣であった そのまま勢い良く宙でユーノはリインフォースVを押し倒した 「んっぐ…」 口を塞がれたままのVが細い腕でユーノの胸を押す だがその腕にいつもの驚異的なパワーは感じられない ふふふ…どういう理由か知らないが…このチャンス逃さない… (ふっ…所詮は女の細腕!、プログラムと言えど…このまま魔法を使わせず…発動を封じてしまえば… そして…そしてえええ!!!入れてしまえばこっっちのものよ!……) ※最低ですがもう少しお付き合い下さい  このままどさくさに紛れて、感情プログラムに介入してしまえば、…このお仕置きを止めれるかもしれない!  …という事を…今考えた、うん  やホントは股間の熱い欲望のままなのだよ 思いの他上手く行っている状況にユーノはヒャッホー!と内心快哉を叫んだ (そ、それでぁあああ…いっただっきマース!初リインフォースV(実質初代)とH!) ガバッと勢い良くVのを捲くり上げ、白く眩しい太ももに手を這わせた (…おぉ!なんとスベスベして素晴らしい肌さわり…極上の白磁のような) などと夢中でVの体を弄り、だらしなく緩んだユーノの表情の下  Vの表情は嫌悪感と殺意の中間に位置していた、紅い目がキリキリと怒りを湛える その表情すら今のユーノには心理的優位を確信させた  フハハハ…くやしいのう、くやしいのう 勝ち誇ったユーノが、ぐわしと乱暴にVの胸をつかんでバリアジャケットを引きちぎった  「…!!」  ―漆黒のBJがはだけて豊かな白い胸が晒されあらわになった ふるんと存在感のある揺れ方をする突起のある白く柔らかな双丘にユーノの手が伸びた時  ビー!ビー!ビー!ビー! その瞬間、とてつもない大音響がこの仮想世界に響いて周囲が赤く黒く明滅した ユーノはギョッとしてVの胸元から手を引いた 「!」 その隙に素早くバリアジャケットの前を合わせるとVは瞬時に飛びすざった 「な、何!?今度は一体!?」  今まで十分にとんでもない目に会ってきたが、今回のは特に何かヤバイ、ヤバスギル雰囲気だ… 危機に面した時の常としてその姿フェレットに戻った淫獣の額に脂汗が滲んだ  ロープがあったら今すぐエスケープしてアピールしたいユーノであった レフェリーはどこ?そのレフェリーに攻撃した事はすっかり失念している淫獣だった  未だ黒と赤にフラッシュする世界の中で切れ切れにこちらを見詰めるVの顔が見えた その表情も視線も今は元どうり氷のように冷たい   [381]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:30:23 ID:Gur3L+fl あ、怒ってる、やっぱ怒ってるかなVちゃん…? エヘっとユーノは愛想笑いを浮かべた、Vの表情に変化は無く、むしろユーノの後ろ頭に汗だけが流れた 淡々と服装の乱れを直したVがいつものように冷然とした表情と体勢に戻って宙に立っている Vの形のよい唇が開くと 抑制された言葉をとつとつと紡ぎ始めた 「……主はやてにより…予期された危険…による裏コードの発動…   …の超お仕置きモード…が立ち上がり…ました…尚このモードは変更できません…」 「そ、それって…」 後ずさるフェレット な、なんかやばい…とてつもなく… そしてその細い指がユーノを指差した 『…スタート』 ユーノには一瞬だけVの口元が怪しく微笑んだように見えた 「ぎゃぁあああああぁあああああ!!!!!!!!!!                                         …ってえ・アレ?」  瞬間、遥か彼方に吹き飛ばされたとも 千尋の谷に落下したとも思われた強烈な衝撃の後  気が付くと、どこか、のどかとも言えるような手入れの行き届いた南国のビーチ に独りフェレットは佇んでいた  キョロキョロと所在無げに周りを見渡す、人っ子一人居ない、いや世界に自分しか居ない―ようなこの感覚 慣れ親しんだ…間違いない、未だこれは現実では無い、夢でも無く、ボクはプログラムの中… 「………し、しかし…ここは…これは一体?」 状況下からしてとんでもない環境に突き落とされるはず…がこれはどういうこと? 都会ではあり得ない清浄な空気、夕暮れ時の浜の優しく穏やかな風の流れ  ざざ〜ん、ざっぱーん… コバルトブルーの澄んだ海が赤く染まり、寄せては返す静かな波の音  それが今は逆に怖い い、今までの経験からしてユーノは所在無げに不安を誤魔化為、その場をぐるぐる回ってみた な、何が起こる?今度は…? と、フェレットはふと回転を止めると、上を見上げた、夕闇迫る、空を 「………」 ……ゴゴゴゴゴ  と、周囲の空気がビリビリと震えだした、海面も小さく振動している [382]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:31:26 ID:Gur3L+fl 「そ」 そうきましたか…ユーノの頬がヒクリと引き攣った笑いの形を作った…  呆然と空を見上げていた淫獣に遠く、遥か天空からVの声が降ってきた 『……主はやて様による特製プログラム『夜天』・Np1…ディープ・インパクト…プログラム・スタートします…』 「ディー…プ…ですか…」  脱力して見上げるユーノ、その姿がぐんぐんと豆粒より小さくなる 比喩では無く『本当に空が落ちてきていた』空が満たされていた 恐らくは有史以来の巨大な質量で、それは『月』だった  成層圏より更に上、遥か上空から下界を見る人が居れば 点のような淫獣が無駄だと悟りつつも、見苦しく海岸線を逃げ惑っているのが見えた、かもしれない  上空、すでに漆黒の宇宙空間に浮かんだリインフォースV ほのかに青く光る惑星が表情が彼女の顔の下半分を淡く照らしている、その眼下で  巨大な塊―『月』が大気圏を真っ赤に染め重力に引かれ、ゆっくりと落下していた 大自然の―プログラムにしても―現実と変わりない―織り成す総天然色のギガ・スペクタル―が始まっていた 推定、ユーノが逃げ惑っている―であろう辺りの地球の面に静かに、いや宇宙空間では無音だが、月の面が接した  次の瞬間 その莫大な衝突エネルギーと共に衝撃波がゆっくりと、その実、音速を超える超スピードで青い惑星の表面を舐めていく  細くうねるように見える、すじの一つ一つが高さ数百メートル以上に及ぶ超怒級津波であるのだろう 幾重にも生み出されるそれは波紋のように惑星の表皮を走り交錯していく  高層ビルの遥か上を行く超音速の水の壁、その圧倒的な質量のジェノサイド それは非現実的かつ幾何学的な美しさをかもし出してさえいた 言うまでも無くその中で生き残れる人間―いや動物など一人として居ようはずもない  …まぁ居たとすれば深海のカブトガニの類ぐらいだろう  ともあれ、黙示録の世界そのままの世界を見下ろし 漆黒の宇宙空間に浮かんだリインフォースVは無表情に佇んでいた  星が空気のある地上とは比べ物にならない輝きで 宝石のように華麗に幻想的に彼女の周りを飾っている  Vは見つめる、自らの管理、創造し破壊した世界を 見つめる、その中で蠢く矮小な、小さな小動物の事を その口元が少しだけ呟いた 『バカばっか…』  宇宙空間であるにも関らず、リインの髪は物理法則を無視してゆるやかになびいた この世界の全ては彼女の意のまま―そう彼女はこの電子の世界の破壊と創造の女神  Vの唇がは新たな世界を生み出す言葉を紡ぎ出していた、繊細な指が踊った 次なる世界を織り上げるために 『プログラム・ネクスト―… ジジ… ―――――――――――――――――――――――――――――――――プツン こんどこそ―END― [383]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:36:37 ID:Gur3L+fl 連投失礼しました…実は後半のオチが最初に考えたもので その前んが付け足したものです…書き上げた後、これは多分リクの方向性と違うような気が というワケで変則的になり…失礼しました、せっかく書いちゃったのでついもったいなく… 夢オチだしどうにでも繋がるかなと… 残り2つほど宿題も書けるとこからコツコツと書いていきたいです 何やら期待してくれてる人ありがとうございます、嬉しいやら何やらで身が縮む思いです、ども ではではなるべく近いうちにまた [384]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:36:46 ID:S2kaoVn6 >>356 GJ 今回はマジで熱かった。 ヴィータは勿論、ユーノの >「ヴィータが危機に陥っても、ちゃんと僕がヴィータを守るから。だから忘れないで。背中には、いつも僕 がついている事。ここまで来たんだし、二人で優勝しよう。そうしたら……」 このセリフがよかった。 [385]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:40:00 ID:2wH6VldS ヴィータかわいすぐる(*´Д`) [386]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:41:20 ID:Zc4NiRuC >>383 読み応えあるものをサンクスw なんというバカップルというか・・・ユーノ自重w [387]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:42:38 ID:bFJy0V/5 終わったものだとばかり思って早とちりしてすいませんでしたorz >>383 今度こそGJ [388]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:44:35 ID:lOomiG0R >>356 GJ! 戯言と言うけれどある意味で本質ではないかと思う部分がちらほらと… ぶっちゃけ作品世界と現実のすり合わせのネタ部分がいい味出すぎだろ。 今回はずっとヴィータのターン!! でしたねぇ ここのユーノはヴィータと一緒になるのが一番幸せだろうなw >「ヴィータが危機に陥っても、ちゃんと僕がヴィータを守るから。だから忘れないで。背中には、いつも僕 がついている事。ここまで来たんだし、二人で優勝しよう。そうしたら……」 このセリフのことを、ここのなのはさんが知ってしまったときが激しく怖いのですがwww …でもこの話クロノ中心だったような ともかく続きが気になって仕方ない!! >>383 GJ! 前作品とのギャップがさらに笑いを呼ぶぜ! [389]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 22:45:49 ID:Wk8RLuFj >>383 お待ちしておりました!しかし、このユーノどこまでも哀れである。 しかし、さすが淫獣。どこまでも懲りないwww そして、>>384のを一瞬この淫獣ユーノへの言葉と勘違いして 『あれ、このユーノそんな格好いいこと言ったか!?』とか思った俺バカス。 とりあえず、リインVを押し倒そうとしたその根性だけは認めてやるwww でも、最終的にはリインVも押し倒してヤっちまいそうなほどの執念を この淫獣からは感じてしまうぜ・・・・・・。 [390]y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA 2007/11/04(日) 22:53:58 ID:Gur3L+fl >>387 いえいえむしろ、あ、注意書き忘れたと思ったのは自分ですので 気になさらず [391]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 23:09:34 ID:j7wv4OKr GJ とりあえず後半のお仕置きタイムはなかったことに そして356氏GJ 腕に絡めたバインドの拳撃がめっさかっこよかったです。 衝撃のファーストブリッド!って言葉が脳裏を駆け巡りました。 「ヴィータァアッ!これが僕と!君の!輝きだぁ!」 [392]名無しさん@ピンキー 2007/11/04(日) 23:42:51 ID:9KMHcPXA >>356 ヴィータ、いい女だ。ユーノが惚れるの仕方ない >>383 ユーノ、自重 どっちもG・J!! [393]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 00:34:23 ID:NhaeJM7l >>383 あいかわらず職人には腹筋を崩壊させられるwwwwwwwwww 実用したくても難しいぜwwww [394]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 00:35:47 ID:EsbcH6QX 以前は壊れフェイトさんが流行ったが、今の時代は壊れなのはさんなのか!? [395]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 01:04:18 ID:CpKPA4vt >>394 ほら、フェイトさんには痴女という称号が新しく付いたから、壊れはなのはにw あれ?窓の外がピンクと黄いr [396]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 01:20:20 ID:ylCZQHj1 突然ですが投下します 約3レス程度の中途半端百合SSです なのはさんとティアの微妙な距離感が好きだという電波を受け取って書きました とはいえ全然百合ってないのである意味詐欺です、どうぞ [397]冬空 1/3 2007/11/05(月) 01:21:49 ID:ylCZQHj1 その日、二人で冬の街を歩いていた。 お揃い…というには無骨な、良く言えばシンプルな官給品のロングコートを着て 吐き出す息も、空も、真っ白に黒を少しだけ混ぜたような色。 隣を歩くその人は、私より少しだけ背が高い。 その人は綺麗な茶色のサイドテールを揺らしながら、私はそれより少し明るい色のツーテールを揺らしながら 二人同じリズムで歩く。 歩きながら、私はその人の横顔を見る。 私の視線に気づいたのか、その人も私の方を見て そして尋ねかけるように微笑んだ。 その笑顔があんまり楽しそうでいつも通りだったから 私はつい尋ねてしまう。 「なのはさん、私のこと好きですか?」 その人は視線を戻すと、目を少し細めながら言った。 「好きだよ」 そして続ける。 「それに、スバルも好きだし、エリオとキャロも好き、フェイトちゃんも好きだし、ヴィヴィオも好き、それに…」 指を折りながら、数え上げて思い出すように空を見上げる。 [398]冬空 2/3 2007/11/05(月) 01:23:56 ID:ylCZQHj1 「要するに、みんな好きなんですね」 ため息をつきながら、私も視線をその人の横顔から外した。 「そうだね、みんな好き」 そう言って、またあの微笑みを浮かべながら。 それを横目に見ながら思う、その笑顔は反則だと。 可愛くて、同時に憎らしくて だから今日の私はまだまだ尋ねる。 「じゃあ、その中に特別な人はいないんですか?」 「特別?」 「特別です」 「どうだろうね」 またはぐらかすように笑うから その笑顔を続ける限り、私はどんどん攻撃する。 「私は?」 「ティアナ?」 「私は特別じゃないんですか?」 「うーん…」 見せつけるように、少し考える仕草。 だから私はまたため息。 [399]冬空 3/3 2007/11/05(月) 01:24:47 ID:ylCZQHj1 「じゃあさ…」 しばらく経って、考えることから離れたらしく、今度は視線を私に向け 「私はどう?私はティアナにとって、特別?」 見つめながら聞いてくる。 私は三度目のため息をつくと、やや不機嫌な顔をわざと作りながら 「特別ですよ」 「いつだって特別です」 少し虚を突かれたようにキョトンとした表情をしていた。 この人にしては珍しい顔だ。 そして、今度こそちゃんと笑って。 「じゃあ、私も特別」 「みんな特別じゃないですよね?」 今度は少し苦笑いに変えて。 「あはは……違うよ、ティアナだけ」 「ティアナだけ、特別だから」 そう言って私の頭を優しく撫でた。 「それなら、いいです」 そして、二人で笑った。 [400]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/05(月) 02:00:29 ID:s0WsMQ4S >>399これは意表をついたカップリングwwwGJ [401]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 02:23:45 ID:qa3C+2PO >>399 先輩以上、恋人未満みたいな こういうのも良いな >>383 ワロタw どんだけ懲りないんだユーノw >>356 ヴィータが教官適性があることに凄く納得した。 つんけんしてるように見えて、よく周りのことを見て心配してるのがよくわかる。ヴィータは可愛いな てか、優勝賞品、ユーノが見たら目の前のなのはに向かって 「…ああ、出がらしか」とか発言しかねない気がw [402]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 02:26:07 ID:bUgWxnhc >>401 可愛らしいなのちゃんを見て 現在のなのはさんを見て 思わず涙を浮かべるユーノを妄想したよ俺は [403]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 02:36:19 ID:QKaKHnHF >>401 俺はむしろ 「あー、なんだつまるとこ全部ボクのせいだったんだね、アハハ」 と乾いた笑いを上げる壊れたユーノを想像して泣いた。 [404]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 02:49:35 ID:F2bPYZos >>383 エピローグ2のユーノが悲惨すぎる様な気もするが、 リインVの件とか全然懲りてねぇし、このユーノが一児の父に なるのも色々拙い気がするので2の方でよかったんだと思いますw GJでした。 >>356 GJです。 冒頭のユーノとヴィータの会話には色々考えさせられました。 普通に考えたら、いくら好意を持ってたとしても、普段メールだの通信だのでしか やり取りしてない相手が見ず知らずの幼児連れてきて「この子の父親になって」 って言われても、常識的に考えてそりゃ困るだけだな。 元流浪民がワーカーホリックにならざるを得ないような仕事してるなら尚更。 本編じゃエピローグで一緒に授業覗いてたり、ジュエルシードの件とか大恩もあるし 本編のユーノだったら苦笑しつつもOKしちまいそうな雰囲気はあるけどw [405]VITSFAN 2007/11/05(月) 02:57:58 ID:Nd3xqCN+ >>356 GJ!ヴぃーたがむちゃくちゃかっこいい! てか、今回ヴィータがフェイトに説教させたこと、今書いてるSSで 桃子さんと士郎さんに言ってもらってなのはさんを説教してた! やべ、俺二番煎じ!? 書き続けていいんすかね? >>383 淫獣哀れwwwただはやて、きみはやりすぎだと思う。 GJ! >>399 なんかキレイ話っすね!GJ! ところで投下いいっすか? [406]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 03:06:26 ID:m8C4VERD >>356 おおぅGJ ヴィータが男前過ぎるww 後半楽しみにしてますよー >>405 こんな時間だし文句言う奴はおらんだろ いったれいったれ [407]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 03:13:51 ID:TfVH/jfX >>405 道は開いてる レッツラゴー [408]VITSFAN 2007/11/05(月) 03:16:04 ID:Nd3xqCN+ ようし、いくぞ! ただ、クイズ形式なんです。 カップリングというか、登場人物の名前を当てるって感じの。 なので、このペアじゃなきゃいやだっていうのがある人はスルーしてください。 ちなみに非エロでラブラブ [409]VITSFAN 2007/11/05(月) 03:17:32 ID:Nd3xqCN+ @ 彼らの名前は? 「ママっー。」 「はいはい、どうしたの?アリシア?」 「パパ帰ってきたー。」 「ただいま。」 「あら、お帰りなさい。あなた。今日は早いのね。」 「ああ、母さんと妹に休みの前の日くらい早く帰ってやれってフネから蹴り出されたよ。」 「ふふ。お義父さんみたいなワーカホリックになってんじゃない!って?」 「よく分かったな。」 「そりゃ、子供のころから十年以上お義母さんたちを見てきたもの。」 「そうだな。」 「むう。ママ!パパ!」 「はいはい、どうしたの?」「どうしたんだい。」 「おなかすいたっー!」 「あらあら、ごめんね。今作るから。手伝ってくれる?」 「うん!アリシア、ママの手伝いするっー!」 「じゃあ、僕はお風呂を沸かしてくるね。お風呂の用意はまだだよね?」 「ああ、ごめんなさい。お願いできる?」 「もちろん。」 ******数時間後、アリシア就寝後。It’s a pillow talk! ********** 「そういえば、お義父さんはどう?元気?」 「パパ?うーん。元気じゃないかなあ。徹夜三日目で元気云々を言うならだけど。」 「は、はは。相変わらずだなあ。……やっぱり、後継者がいないんだ?」 「うん。やっぱり、5,6冊ならともかく、15,6冊を同時にっていうのは中々いないんだって。最低限、それぐらいはできないと務まらないのってママが言ってた。」 「……大変だね。倒れなきゃいいけど。」 「大丈夫。いざとなったら、砲撃でブッ飛ばしてでも寝てもらうの!ってママが言ってたから。」 「………もっと心配だなあ。」 [410]VITSFAN 2007/11/05(月) 03:18:23 ID:Nd3xqCN+ 「大丈夫、大丈夫。パパのシールド固いもん。ちょっと寝るだけだよ。」 「………そうかなあ。」 「そうそう!……ねえ。明日、アリシア連れてどこか行かない?」 「?どこへ?」 「どこでも!ねえ、いいでしょ?このところ全然帰ってきてくれないんだもん。寂しかったんだよう。三人で親子水入らずしたいの。」 「……いいよ。どこ行こうか。」 「わあい!ありがとう、大好き!」 「うん。」 「どうしようか。ママたちみたいに温泉行ったりする?」 「温泉?」 「うん!ママたち、今度休みとって夫婦三人で温泉行くんだって。」 「仲いいね。」 「うん。でも、いまだに新婚みたいで目のやり場に困るよう。」 「ふふふ。……そうか、だから急いでたんだ。」 「?どうしたの?」 「叔母さんがいやに急いで書類を片付けてたから。そうか温泉行くからなんだって。」 「あー、叔母さんなんて言ったら電撃されるよー?」 「………そうだね。なんて言おう?」 「お義母さん、でいいんじゃない?実際そうだし。」 「そうだね。」 「うん!で、温泉行く?」 「うーん、温泉か……。温泉は今度にしない?今からじゃ宿泊の予約は取れないだろうし、日帰りで慌ただしくっていうのもどうかと思うし。」 「えー、じゃあどこ行くの?」 「ミッドに行こう。」 「ミッドチルダに?」 「うん。」 「何しに?」 「あと三ヶ月でアリシアの誕生日だろう?次に帰ってこれるのが間に合うとは限らないから、先に選んでもらおうかなって。」 「うん!そうしよう!」 「……もちろん、結婚記念日も近いから君へのプレゼントも一緒に。」 「うわー、ありがとう!」 「…うん。」 「……ねえ、アリシアのプレゼント何がいいかな?」 「僕はデバイスを、と思ってるんだけどね。市販で簡易式の。危険じゃないやつ。」 「おおう、いいかも。アリシア、わたしのやママたちのすっごくうらやましそうに見てるし。」 「…そう。じゃあ、宝石みたいな感じのがいいかな。」 「んー、でもぉ、市販のってカード型が多いよ。お義父さんが使ってるようなの。宝石型とか、見つかるかなあ。」 「…探そう。…きっと見つかるよ。」 「うん!…そういえば、市販のデバイスって名前付けれるんだよね?」 「…うん。確か、そう。」 「じゃあさじゃあさ、いい名前付けてあげようね!わたし、お義父さんのみたいな素敵な名前がいいな。素敵だよね、“歌を君に”って!」 「…そうだね。でも、アリシアが自分で付けたがるかもしれないよ。」 「ああ、そっかあ・・・。残念。」 「…もう一個買おっか。」 「……えっ。」 「…もう一個買ってそっちに名前付けよう。君へのプレゼントとは別に、君への僕の感謝の気持ち。」 「うわあ。ありがとう!……ふわぁ。あれ?」 「ふふ。…もう寝ようか。明日は早くなるだろうし。」 「…うん。おやすみなさい。」 「おやすみ。」 [411]VITSFAN 2007/11/05(月) 03:19:54 ID:Nd3xqCN+ はい、どうも。ここまでです。短っ! セリフのあった彼ら三人の名前を当ててください。 1人以外はアニメに出てます。 あと、ミドルネームは間違ったの入れない限り、いくつ入れてもOK。 できたらどこら辺でわかったのか書いてくれたら 次回からの描写の参考になるんで是非。 [412]VITSFAN 2007/11/05(月) 03:22:34 ID:Nd3xqCN+ 答えは明日でも晩にでも。 連投失礼。 [413]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 03:52:19 ID:bUgWxnhc ヴィヴィオとクロノの息子(カレル?)が結婚してて娘の名前がアリシアで 会話はこの3人のってところか? [414]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 04:00:44 ID:cQCSJIoK >>412 とりあえずGJ! そして肝心の名前は、 妻がヴィヴィオ・ハラオウン 夫がカレラ・ハラオウン 娘がアリシア・ハラオウン…だと思う でもカレラってアニメに出てきたっけ? そしてこちらの淫獣は両手に魔お…花で成功してやがるな [415]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 04:14:19 ID:m8C4VERD >>412 面白いとは思うのだが…… こーゆーのって保管庫に入れるときどうすんのかな あとさ、最近は○○×◎◎前提の□□(×△△)の話みたいなのも増えてきてるし 後に保管庫で読む人とかが困らない方法って無いかな タグや注意書きに「○○×◎◎前提」とか入れるべきなんだろうか [416]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 07:12:55 ID:VYkQVtFV >>356 戦闘中のヴィータの言葉が熱すぎ GJ! >>383 ターンA氏投下乙。ユーノがw >>399 オカン、この味噌汁味付けが薄いよ、もっと甘辛く汁! それにこんな量じゃ食い足りないよぅ [417]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 12:51:53 ID:0fmazaWF >>334 GJ! これはいいグッドエンディングです どちらか一人を選ばずにこの道を選ぶとは・・・エロオ・モンデヤルならではの解決法だ これで二人の間に子供を作りまくるのですね。目指せ大家族 [418]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 12:57:28 ID:WulHYGti >>417 キャロの子とルーの子とで野球してる絵が浮かんだ [419]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 15:28:11 ID:b2eMnZ1R パパは必ず選手で参加になるだろうが 一体どっちのチームに入るのか、それが問題だ [420]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 16:47:16 ID:yh4YNVWQ 正三角関係の続きを待っているのは俺だけでいい。 [421]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 17:30:05 ID:hQyS1/P5 >>420 俺も待ってる [422]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 19:01:33 ID:cSt15Ll3 >>419 子供達にまで攻められるエリオ [423]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 19:45:28 ID:bUgWxnhc >>422 すまん、そのセリフでエロイネタを想像した。 子共にまで弄ばれるエリオってどないやねん! [424]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:01:49 ID:ghDgv8wH 「あ、主、こ、こんなものを貰いました」 休憩に入ったはやての元にやって来たシグナムが封筒を前に出す。 珍しくたどたどしいシグナムに首を傾げながら、封筒を受け取る。 「なんや、ラブレターでも貰うたんか?」 ニヤニヤと笑いながら冗談を放ち、中身に目を通す。 封筒の中の手紙に書かれていたのは 「…ホンマに…」 愛の言葉。 「ラブレターやんかっ!」 ぐわっと立ち上がる。 「なんや、なんやぁ、なんなんやぁ!」 ラブレターなんて貰ったことのないはやては、シグナムに詰め寄る。 「デスクの引き出しの中に入っていまして…」 少し紅潮したシグナムの顔。 「どうすればいいのでしょう」 こういった類のことに不慣れなシグナムはどうすればいいのか分からない。 すぐに思い立ったのは、主であるはやてに聞くというものだった。 「クイズのつもりか?」 顔を下に下げ、小さな声で呟くはやて。 「主?」 なんとか聞き取ったが、はやての言葉の意味するところが、シグナムに分からない。 「そんなん知らんわぁ!」 シグナムの制服の襟を掴んで、はやては叫ぶ。 「うちは19年間生きてきてラブレターなんて貰ったこと1度としてない!大体 、告白なんてされたこともない!勿論、付き合ったこともない!処女や!19に もなってキスの味も知らない処女や!」 「あああ主!?」 小さな体の短い腕を動かし、シグナムの体を揺らす。 「付き合うんなら付き合えば、ええやんかぁ!そんでその御自慢のおっぱいでそ の男のナニでも挟めばええんやかぁ!そんで「私の胸は気持ち良いか?」なんて 聞けばええやんかぁ!」 狂ったかのように叫び、自分を振り回すはやてにシグナムは何も出来ない。 「ええなぁ!シグナムはそんな大きなおっぱい持っててええなぁ!」 「あ、主、落ち着いて下さい」 なんだか泣き出しそうになってきたはやて。 そこに新たな来訪者か現れる。 「はやてぇ!」 鉄槌の騎士ヴィータである。 「ヴィータ、シグナムが汚れてしもうたんよぉ!このおっぱい侍は、男のアレを 自慢のおっぱいで挟んで、イカせるって宣言しよった!」 「そ、そんなことは言ってません!」 ないことないこと口走るはやてにシグナムが否定の言葉を上げる。 「…なんでそんな息切れてるん?顔も赤いで?」 いくら全力で走っても大概の距離では、息1つ切らさない騎士が、ぜぇぜぇと激 [425]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:03:44 ID:ghDgv8wH しく呼吸しながら、顔を染めていることに漸く気付いた。 そんなヴィータをシグナムも訝し気に見る。 「あ、あいつ今年から入ってきたエリオやキャロと同じくらいの歳のやつ!」 あぁ、あの子か…あの子がどうしたんやろ? 今年から管理局に勤め出したまだまだ幼い少年を思い出す。 周りでは、期待の少年として目を掛けられている。 「あ、あいつがわ、私のこと、す、すすす、すすす」 「す?」 はやては首を傾げるが、シグナムはなんとなく続く言葉に気付いた。 同時にそれに対するはやての反応も想像した。 「すす、好き…だって…付き合ってくれって…」 途中から搾り出すような小さな声に変わり、ヴィータは顔を更に赤くした。 しばしの沈黙。 「はやて…?」 反応を返さないはやての名前を呼んでみる。 「…もか」 「え?」 「ヴィータもかいなぁ!」 何度目かの雄叫びを上げるはやてにシグナムは、やはり、と頭を掲げる。 「なんでやぁ!私の騎士が2人も男に走ってもうたぁ!なんで私には、そんな話が浮かんのやぁ!」 両手を頭に持っていき、頭を振るはやてにヴィータは呆然とする。 「幼マ○コで小さなアレを飲み込むやぁ!」 「そんなことしねぇ!」 慌てて否定するが、はやてには届かない。 「もう、嫌やぁ!2人のビッチが私を追い詰めるぅ!」 「ビッチなどではありません!」 「ビッチなんかじゃねぇ!」 被害妄想に突入するはやて。 「ど、どうしたんですか?」 混沌状態に突入しつつある部屋に今度はシャマルがやって来た。 「シャマル、シャマルぅ!シグナムとヴィータがビッチになってもうたぁ!今日 から毎晩毎晩、男の上で腰を振って喘ぐんやぁ!」 止めることを諦めたシグナムとヴィータは白目を向いている。 「処女の私はどうしたらええやぁ!…しゃ、シャマル、なんで、顔、赤いん?」 シグナムやヴィータと同じような顔の色をしているシャマルにはやては顔をヒクヒクとさせる。 「まさか…シャマルも告白とかされたん…?」 否定してくれ、と懇願するようなはやての瞳に気付かずにシャマルは答えてしまった。 「なんで分かったんですか?」 その答えにはやては口を大きく開いて固まった。 「治療しにきた男の人が突然、私の肩を掴んで…」 「やめろ!シャマル!」 これ以上言えば、はやてが崩壊してしまう、とシグナムが叫ぶ。 [426]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:05:16 ID:ghDgv8wH だが、シャマルは続けてしまう。 「ずっと前から憧れてんです!好きです!って」 いやん、と恥ずかしそうに体をくねらせるシャマル。 「どうしたらいいか分からなかったから逃げてきちゃったんですけど…」 「いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!ヴァルケンビッチやぁぁぁぁ!主は処女なのに騎士は皆ビッチやぁ!」 狂ったように叫ぶはやて。 「もう嫌やぁぁぁ!」 「主!?」 「はやて!?」 「はやてちゃん!?」 泣き叫ぶはやては、逃げるように扉へ走り出した。 「絶望したぁぁぁ!ビッチな騎士達に絶望したぁぁあべっ!」 はやてが扉から飛び出ようとしたが、そこで何かにぶつかる。 「主、すみません!」 尻餅を付いたはやてに手を差し出すは、ザフィーラ。 「うぅ、ザフィーラ…助けてやぁ…ヴォルケンビッチが19で処女な私を馬鹿にするんやぁ…」 ぽろぽろと涙を流すはやての顔には絶望が浮かんでいる。 その言葉にザフィーラは、周りを見渡す。 シグナム、ヴィータ、シャマルは硬直しているが、表情から「そんなことはしていない」と読み取れた。 「どうしたんだい?」 ザフィーラの肩から顔を覗かせたのフェイトの使い魔であるアルフであった。 「…なんで2人は人型なん?」 はやてが望んでいるので、常に犬型であるザフィーラとフェイトの邪魔にならな いように犬もしくは、少女の貌を取っているアルフ。 そんな2人が人間の大人の姿をしている。 「実は…」 えらく真剣な顔で緊張した顔で言葉を紡ぐザフィーラ。 後ろのアルフは心なしか応援しているように見える。 「アルフが…に、妊娠しまして…主!」 「はやて!」 「主!」 「はやてちゃん!」 必死に搾り出したザフィーラの言葉を聞いたはやては、後ろに倒れ込む。 そのはやてに騎士達が集まった。 「「「「……」」」」 倒れたはやての顔は、白目を向いて、泡を吐いていた。 その後、毎晩毎晩、街に繰り出し、片っ端から男を逆ナンするはやてとそれを必 死に阻止しようとするヴォルケンリッターの壮絶な光景が展開されたという。 [427]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/05(月) 20:06:50 ID:1TWAnVXB ヴォルケンビッチww [428]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:06:54 ID:ghDgv8wH なんだか変なの降りてきた スレ汚しスマソ [429]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/05(月) 20:08:02 ID:1TWAnVXB >>428 否、「変なの」ではない。 神が君に宿ったのだ・・・・ [430]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:14:30 ID:qa3C+2PO 腹がイテェwww 死ぬほどワロタw [431]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:34:14 ID:sfp49XsM ヴァルケンビッチにお茶フイタwwwwwwwwww [432]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:36:21 ID:bUgWxnhc これはひどいwwwwwwww いい意味でひどいwwwwww はやての壊れっぷりに思いきりワロタwwwwwwww でも、とりあえず噴出した俺の六甲の美味しい水は返してもらうよ [433]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:39:25 ID:bnGnQxuR 逆ナンされた男がヴィータに殴られシャマルにどこぞへと転送され、 はやてがザフィーラとシグナムにはがい締めにされて連れ去れる光景が浮かんだw [434]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:39:38 ID:5lLpn/hc 吹いたw 俺のリンディ茶(抹茶in角砂糖)を返してくれw [435]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:55:06 ID:zvF2HWOT はやてちゃんは男日照りがデフォですか…w [436]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:59:04 ID:Y1CtJ6U/ うむ、GJ!! これでなのはやフェイトあたりが追い討ちをかけてたら どうなったんだろ? [437]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 20:59:10 ID:uE438bg1 >>428 コーラサワー吹いたwww [438]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:07:13 ID:uI+EuyDJ こりゃはやては逆光源氏計画に手を出すしかないな [439]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:24:08 ID:wguBHwOh そして、プロジェクトF再開を命ずるはやてさん [440]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:31:35 ID:i3aeBhrv 風の中のスバル〜 砂の中のティアナ〜 ごめん言ってみただけ [441]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:35:48 ID:i3aeBhrv そして今はギン姉でもよかったなと後悔している [442]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:36:34 ID:okC2DCnz >>440 砂の中はギンガでいいだろ・・・歌詞的に考えて・・・・・・ [443]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:39:02 ID:b2eMnZ1R >>439 最終的にはプレシア母さん化するはやてさん ♪風邪の中のスバル〜砂の中のギンガ〜皆どこへ行った〜 つまり 風邪ひいたために関係各位との温泉旅行に置いて行かれたスバルの悲哀と そんな妹をさておいて砂風呂を楽しむギン姉の対比を楽しむ歌だったのか [444]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:46:44 ID:uI+EuyDJ >>443 でも自分好みのいい子に育て上げそうな気がするぜ… [445]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 21:46:54 ID:i3aeBhrv >>443 な、n(ry [446]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 22:26:38 ID:Smrj5Vkd >>428 このはやてはもうユーノに救済してもらうしかない気が。 [447]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 22:37:14 ID:wN2iPeV+ 慎め [448]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 22:40:16 ID:bUgWxnhc >>446 ユーノの手にはおえんよ、やはりここはゲンヤさんだろ [449]名無しさん@ピンキー<sage> 2007/11/05(月) 22:40:24 ID:zMF2Foxs >>428 GJ 激しくワロタ!! 浮いた話のないはやてに幸アレ。 [450]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 22:52:41 ID:EvpLIq19 >>446  『たとえばそういうくろうにんのおはなし。』  と申したか。 [451]450 2007/11/05(月) 22:53:53 ID:EvpLIq19  ってスマン!  ここ他サイトのSS話禁止だった。  ROMって反省します。orz [452]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/05(月) 23:00:41 ID:2HCqiTVs あれ?末っ子は? [453]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:08:17 ID:mpCJFXrV >>428 はやて自重www >>436 追い討ちしたらマジではやてが死ぬぞw [454]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:13:04 ID:i3aeBhrv >>452 そこまでいくと、はやてが一休さんの「母上様、お元気ですか」状態になってまう [455]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:19:15 ID:Ky7ersb8 救済しようにも相手がいないんだよなぁ…ロッサはシャッハがなんか固定になってるし… グリフィスもヴァイスも後輩に取られたしなぁ。ちょい不憫やなw [456]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:25:36 ID:9U+8IMOB はやては俺がいるから心配ないぞ……ごめん調子のった…… [457]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:32:12 ID:l4IWdnVi >>456 あえて言わせてもらう せやけどそれは(ry [458]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:37:03 ID:So8+28Ze まぁ実際はヴォルゲンズが要らぬお節介で近づけさせないんだろ ところで誰だ!俺の中に電波を送るやつは! 文才の無い俺にハーヴェイ×フェイトなんか無理だっつーの…! [459]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:44:07 ID:FWM3VI0I はやてネタは思いついているんだが先に思いついたネタが形に成らん 次々後が支えて泥沼な俺涙目 [460]名無しさん@ピンキー 2007/11/05(月) 23:47:41 ID:Sk3v26ef >>458 はやてに手を出す男を悉く叩き斬り、捻り潰し、殴り、抉るヴォルケンズ。 俺の想像する奴らは色々と間違ってるから困る [461]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 00:36:41 ID:SuStsmkL はやてのお相手がいない… ならばフェイト、スバルに続いて、第三のオリキャラがお相t(ry ザフィーでバター狼とか [462]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 00:39:36 ID:NQb2k6Xl 誰かシャッハさんで陵辱物を書いてくれないかなあ。 [463]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 00:44:16 ID:A8e2/n6h じゃあ俺は 六課解散後はなかなか会えず、すれ違いの日々が続いているスバティアの純愛ものが読みたい。 [464]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 01:13:12 ID:WDsp2IKi ランディ達はどうしてんだろうな [465]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 01:14:12 ID:1rOggMLu >>463 (・∀・)人(・∀・) [466]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/06(火) 01:22:27 ID:MnJvlh1K 保管庫に残るヘボ書きマン氏のユー×アリすずの名作の中では「スクライア族(又は)ミッドチルダって一夫多妻なんだよ?」と言ってたような気がするが、 もしそうだったら、今のはやてならほぼ確実にユーノ辺り狙いそ・・・ 関係ないけどグリフィスの親父って誰か公開されてたっけ? いや、ちょうど旧保管庫でユーノがレティ提督にヤラレるの読んできちゃってちと気になってな [467]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 01:26:30 ID:wf+J8GH5 ナンバーズの出番が少ないなあ…… チンク姉とヴィータが風呂に入るだけのエロなしというのはどうだろう? [468]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 01:31:47 ID:WDsp2IKi どっちがお子ちゃまが貶しあいの悪寒 [469]26-111 2007/11/06(火) 01:42:14 ID:d3oMCOj1 ういっす 微妙に需要に応えれていない私が一本投下しますよ、と 今までは殆どを非エロ→エロの二部構成でお送りしていましたが、最近そのペースが乱れています 何故って、そろそろ弾切れだから・・・ ・メインははやて ・エロ有り、というかエロのみ ・はやての旦那は見てはいけない ・使用レス数13レス では、投下 [470]夢の代償 2007/11/06(火) 01:42:49 ID:d3oMCOj1 ナンバーズ、と呼ばれる戦闘機人とガジェットドローンの大軍に、管理局地上本部と機動6課隊舎が襲撃されてから一夜明け・・・ 朝日は、その事件にもたらされた酸鼻を極める凄惨な状況を陽光の下に照らし出していた 地上本部は被害甚大。6課隊舎に至っては完全に瓦礫の山である 半年も過ごしていない場所ではあったが、この場所は、6課部隊長:八神はやての“夢”が実現した場所だったのだ その隊舎が、今は見る影もない・・・その事実に、ヴォルケンリッター:鉄槌の騎士・ヴィータは己の無力を嘆くように拳を瓦礫に叩き付けた 「・・・ちく、しょう・・・っ!!」 砕けんばかりに噛み締めた奥歯の痛みも、力任せに叩き付けた小さな拳から血が流れているのにも気付かず、ヴィータは青い瞳に涙を溜めていた 被害は隊舎だけではない。彼女と同じくヴォルケンリッターの一員であるシャマルとザフィーラも重傷を負い、隊員達は軒並み検査入院を余儀なくされた そして、地上本部を襲撃してきた騎士:ゼストとの戦いの中でヴィータと共に戦っていたユニゾンデバイス:リィンフォースUも、まだ意識を取り戻していない “家”を壊され、“家族”を傷付けられ、自分は何もできなかった・・・そう、自分はまた、大切なものを護れなかったのだ 小さな背中を震わせて、悔恨の念に打ち伏せられていたヴィータだが、不意に、彼女に呼び掛ける声があった 「ヴィータ。ここに居たのか」 「・・・シグナムか。何だよ」 振り返れば、彼女の同僚であり、ヴォルケンリッターの将でもある剣の騎士、シグナムの姿があった 普段からあまり表情を変えない女性ではあるが、今回ばかりはシグナムも流石に憔悴した様子を隠し切れていない・・・冷貌を険しく歪めさせていた 「姿が見えないことを、高町が心配していたぞ・・・一人になりたい気持ちは判るが」 「・・・なぁ、シグナム。あたし達は、これからどうするんだ?はやてはアテがあるって言ってたけど・・・」 「詳しくは私も聞かされていないが・・・主はやての言葉を疑う理由は無い。本局へ働きかけて何か手を打つのだろうが・・・」 「本局のお偉方は、あんまりはやての事好きじゃないみたいだよな・・・ミゼットばーちゃん達は違うけど」 「・・・主一人で、重荷を背負っていただきたくは無いのだがな・・・ともかく、我等は何が起こっても動けるように備えておくことだ」 シグナムの言葉に、ヴィータは涙顔を袖口でごしごしと擦って頷いた そう、今は落ち込んでいる場合ではない。スカリエッティならば、この好機を逃す筈が無い・・・きっと何らかの行動を見せるだろう いつも首に掛けているアイゼンも今は無い・・・だが、例えデバイスが無くとも、拳一つででも立ち向かってみせる。騎士の誇りに、ヴィータは固く誓うのだった [471]夢の代償 2007/11/06(火) 01:43:21 ID:d3oMCOj1 廃墟と化した隊舎で、ヴィータが拳を握り締めて誓いを新たに立てていた頃、6課部隊長:八神はやては本局の廊下を歩いていた 擦れ違う人影は全く無い。奥まった一室に通じる廊下は、何故か狭く、薄暗く思えるようだった 「・・・大丈夫、私が、絶対に、みんなの居場所を守るから・・・」 一言、己に呟いて決意を固め、はやては重苦しい雰囲気が立ち籠める廊下を歩き・・・飾り気の無い、何のプレートも掛けられていないドアの前で立ち止まった 不安と緊張に青ざめた唇を噛んで勇気を奮い起こし、はやてはドアにロック解除の認証コードを打ち込んだ。ドアが開く 部屋の中に居た数名の男の、好色な視線が彼女の身体に集中した ○夢の代償 「待っていたよ。はやて君」 「久しぶりじゃないか」 「元気が無いようだが・・・あぁ、無理も無いか」 気軽な口調の挨拶と、気遣う言葉で迎え入れられるが、その言葉の中には真心なんて上等なものは欠片も含まれていない 口ではそう言っているが、男達の視線ははやての身体しか見ていなかった。その対応に産毛が逆立つほどの嫌悪を覚えるはやてだが、ぐっと堪えて彼女は唾を飲み下した ここに来たのは、断じて下卑た世間話の為ではない。目的があってやって来たのだ 「・・・皆さんお久しぶりです。今日は、お願いがあって参りました」 自然と堅くなる口調と共に一礼して、はやてはそう切り出した。その言葉に、豪華なソファに腰掛けていた男達の一人が眉を片方上げて、尋ね返す 「欲しい物は、6課隊舎の代替地かね?君があれほど熱心に欲しがったあの場所が奪われて、さぞ悲しい思いをしているだろうと心配していたよ」 浮かべた同情の念は勿論上っ面だけのものだ。腹の内ではそれを喜んでいるのでは無いだろうか [472]夢の代償 2007/11/06(火) 01:43:52 ID:d3oMCOj1 気圧されるな。はやては自分にそう言い聞かせて、自分の望む物を告げる 「はい。機動6課本部として、退役艦アースラをいただきたいのです」 「ほぅ?既に老朽艦の烙印が押されているとは言え、次元航行艦一隻が所望か?」 「それは高い買い物になるな。一体、どうやって支払うつもりなのかね?それに、本局、“海”への手配・・・君の人脈は知っているが、難しいのではないかね?」 にやりと嗤いながら紡ぎ出されるその言葉に、はやては唇を噛み締めて、震える指先をジャケットのボタンに掛ける 浴びせられる視線が強さを増す。怯える小動物の様に、はやては小さく震えながらも着衣を緩め始めた。羞恥よりも、むしろ恐怖に胸を締め上げられて、吸い込む空気さえ重い はっきりと“怯え”の色を見せながらも、彼女は上着を落としてタイを取り、シャツの襟元をくつろげると、靴も脱いで男達の足下に跪いた 屈辱と、羞恥に、今更ながら頬が赤くなる。だが、こんな真似も今回が初めてでは無い 部隊設立のために、色々はやては“無茶”をしていたのだ。なのはやフェイト。守護騎士達にも話していない“無茶”の結果が、この男達との繋がりである 彼らは皆、管理局の要職に就いていた古株の役員・・・今は一線を退いた身ではあるが、彼らの持つ黒い権力は未だに強大である 今では管理局の暗部を牛耳る組織となった彼らに、はやては接触し、協力を仰いだ。その見返りとして求められたのが・・・ 「み、皆様方のお力をお借りしたく・・・代価として、私の、身体を、お、お愉しみください」 はやての、身体だ 彼らは全員、表舞台には最早姿を現さぬ身分。現役職員に表立って肩入れするつもりはない・・・そんな彼らは暇潰しの様に、はやての身体を求めたのだった はやては最初、父親か、或いはそれ以上に年齢を重ねていた男達の要求に耳を疑ったが、下卑た笑みの下から覗く獣欲は本物だった 最初は6課設立の為、はやては彼らに身を差し出し・・・彼女の願いは叶えられた そして2度目。管理局の保守派からは何かと風当たりの強い“闇の書の主”は、隊舎設立にあたって“陸”との折衝が難航し、再び彼らの力を借りた 結果として、地上本部との折り合いも付き、表面上は、機動6課は何の問題も無く発足した 最早3度目はあるまい。と、はやては思っていたが、故郷の諺に曰く「二度あることは三度ある」というのは本当らしい 悔しいことだが、彼らの言う通り、はやての人脈は若年の割には多岐に渡るが、退役艦を引っ張り出して占有することができるかどうかは、正直に言って怪しい クロノやリンディ。ヴェロッサからの働き掛けも限度がある。教会は口を挟めない。三提督は、今は現場の収拾の為、老体に鞭打って現場に出ている筈だ 自分で、どうにかするしかない。そして、自分には、強大な権力を持つ協力者がいる・・・それが、目の前にいる下衆達だ 下卑た高笑いを声高に上げる者もいれば、紳士を気取ってそれを窘める者もいる。十人十色な反応だが、 一つだけ、口元に刻まれた酷薄な笑みだけは全員に共通していた [473]夢の代償 2007/11/06(火) 01:44:24 ID:d3oMCOj1 「う、んうっ・・・くっ、んぐっ・・・」 でっぷりと太った男の足下に跪いて、はやてはズボンから聳え立つ剛直を口に咥えていた 最初は上手くできずに、頭を掴まれて強引に振り立てられたが、今ではそんな事もされなくなった・・・上達してしまったことは、勿論喜ばしい事実ではないけれど 「やれやれ・・・いきなりソレかね。唇を奪う興が削がれたじゃないか」 「ハッ、子供ではあるまいし、キスなどどうでも良かろうが」 「分かっていないなぁ。若い女性の瑞々しい唇から味わう滋味というものは何物にも代え難いんだよ」 大袈裟に嘆息を吐く鷲鼻の男の言葉に、ドッと一同は嗤う。彼ははやての人生で最初の口付けを奪った男だった その事を思い出してしまって、不覚にも涙が出そうになったが、泣くような真似はすまいと心に決めている・・・心の弱さを見せても、彼らは喜ぶだけだ 「しかし、上手くはなったがまだまだ拙い・・・どれ」 「んうっ!?な、何を、ふぁっ!や、やぁぁっ!!」 はやてに口で奉仕させていた男は、一度はやての顔を股間から引きはがすと、彼女の身体を軽々と抱え上げて、くるりと回して丸い腹の上に寝そべらせた 斜めに下った格好で、はやては頬に剛直を押し付けられ、彼女の腿の間には男の顔が挟み込まれていた そして、厚い唇を涎で湿らせると、彼はスカートを捲り上げて、ショーツ越しにはやての秘部にむしゃぶりついた 熱い舌でべたべたと股間を舐められる感触のおぞましさに、はやては身を捩って抜け出そうとするが、男の腕ははやての細腰をがっちり抱き締めて離さない 「ほれ、とっとと咥えろ。一回くらいは満足させんか」 「う、ううっ・・・ん、ぐっ、ちゅ、んむっ・・・はぁっ、あ、あ、あうぅぅ・・・」 突き出た腹に押し上げられているとは言え、頭を下に向けていては血も下がってくる苦しい格好だ。そんな格好で、秘部を攻められながらではまともなフェラチオなどできはしない はやては何とか指示されるように剛直を咥え込もうとするが、股間から伝わる快感に妨害されて、辛うじて繊手で擦り立てるのが精一杯だった 「く、はぁっ・・・!!やぁっ、ダメっ!・・・あ、あ、ふぁぁっ!!」 びちゃびちゃという音が耳に響く。クロッチの脇から舌先を挿し込まれて、はやては逆さまに抱きすくめられた格好のまま背筋を仰け反らせた 「そら、どうした。ワシばかりにさせるつもりか?そんな体たらくで約束を果たせるとでも思っているのか?」 [474]夢の代償 2007/11/06(火) 01:44:56 ID:d3oMCOj1 その言葉に、はやての瞳に少しだけ生気が戻った。そう、自分には為すべき事があるのだ。手間取ってなどいられない・・・!! 「んっ!ん、んっ、んっ・・・ん、ちゅ、んくっ、ぷ、はぁっ!!」 はやては、必死に眼前にそそり立つ性器にしゃぶり付いた。指先で陰嚢を揉みながら、唇と舌を絡みつかせて吸い上げる 男に舐められている秘部からの快感に目が眩みそうになるが、それでもはやては必死に頭を振って、舌を使って、精液を吸い出そうとするように深く呑み込んで吸い立てた 「やればできるではないか・・・ふはっ、では、そろそろ・・・出すぞ!」 その言葉と共に、男は己の性器を咥えているはやての頭を突き上げるように腰を振って、秘部への責めを更に激しくした べったりと粘液に塗れたショーツの上から、“雌”の匂いを放つ股間に大口を開けてかぶりついたのだ。股間に食らい付かれたその感触に、はやてはくぐもった悲鳴を上げ、 小さく絶頂に達してしまい・・・次の瞬間、口腔に流れ込んできた精液の奔流を喉の奥で受け止めてる事になる 半ばゼリーのような濃さの生臭い精液は喉の奥にへばり付き、はやては我慢しきれず噎せて、吐き出してしまった 「んぐぅっ!!ぐ、か、かふっ、かはっ!・・・う、えほっ・・・うえっ・・・」 「飲めと言っているだろうが・・・ズボンを汚しおって・・・これは仕置きだ」 「ひっ、や、やめっ、あ、ぎ、あああぁぁぁっ!!!!」 不機嫌そうに眉根を寄せた男が、ぷっくりと膨らんでいたはやてのクリトリスを噛んだのだ 最も敏感な部分に遠慮無く、千切れるのではと思える程に噛み付かれて、はやては声の限りに絶叫しながらも愛液を滴らせながら絶頂に達してしまった 「ふん、これ程にされても快楽に負けるか・・・雌犬が」 「やれやれ。君は酷い男だ・・・女性には優しくしろと教えられなかったかね?」 「教えられたとも、だがこの女はただの雌犬だ。違うか?」 サディスティックな笑みを張り付かせたまま、男は身体の上に乗せていたはやての身体をずり落とした 絶頂に達したばかりの弛緩した身体が、毛足の長い柔らかな絨毯に落とされる。はやては、ぼんやりと霞む視界の中で、ヒリヒリと痛む股間を確かめた 大丈夫、出血は無い・・・かなりきつく噛まれたように感じたが、どうやら一応の手加減はしてくれていたらしい。痛かったことに代わりはないが 少しだけホッとしたはやてだが、安息も束の間。脇に手を差し込まれて立ち上がらされた 「さて、休ませてあげられないのが申し訳ないが・・・僕も愉しませてもらうよ」 [475]夢の代償 2007/11/06(火) 01:45:28 ID:d3oMCOj1 口調こそ穏やかだが、その奥には隠しきれない嗜虐心が覗いていた はやての最初のキスを奪った鷲鼻の男が、立ち上がらせたはやての身体に後ろから抱き付いて、彼女の耳元に唇を寄せていた 耳や首筋を責められるのが苦手なはやては、吐息が掛かるだけで身体をぞくぞくと震わせてしまい、その反応に男はにたりと嗤って耳に噛み付いた 「ん、うっ、・・・・ふぁっ・・・ん、う、うぅ、っ、っ!!」 ぐちゅぐちゅと、粘液を掻き混ぜるような音が頭の中にまで響いてくる。男の長い舌が、彼女の耳の中を舐め潰していた 悪寒と快感に震える膝を叱咤する。ここで膝を付くような姿を見せたら、また酷い目に遭わされる・・・はやては歯を食いしばって、耳への責めに耐えた 不意に、男の手が動く・・・ボタンを幾つか外したシャツの中に手を挿し入れ、ブラジャーをするりとずり上げた 「やぁっ・・・み、見んといて・・・!」 「うむ、恥じらいを忘れぬその姿は素晴らしいな。評価に値すると言えよう」 「散々、痴態を演じているだろうが・・・往生際が悪いだけだろう」 思わず胸を隠したはやての姿に、評価は二分されているようだ。最も、隠しても隠さなくても展開に変化は無いのだが 胸を両腕で隠した格好で立ち竦むはやての身体を後ろから抱き締めている男は、首筋に舌を這わせながら、片手でスカートのホックを器用に外し、床に落とした そして、先程の責めですっかり濡れそぼってしまったショーツの上から、お尻を撫で回し始める 「ひゃっ・・・ん、ふぅっ・・・はぁ、はぁっ!ん、んっ、い、やぁっ・・・」 「嫌、じゃないだろう?気持ち良いんじゃないのかい?こんなに濡らして、腰も動いてる。自分でも分かるだろう?」 そう、自分でも分かっている この男の責めは、弱点をとにかく的確に責めてくる・・・しかし、決定的な部分にはなかなか触ろうとしない 首筋やお尻。内股や脇腹。一度は掌から指先までしゃぶり尽くされたことがあった・・・その指使い、舌使いは優しく、官能的なのだが、彼は決してイかせようとはしないのだ 気が狂う程に身体を嬲り、散々弄んで火照りきったところを、容赦無く、歯止めが効かなくなる程に押し上げられる 少し冷たい掌が、徐々に火照る全身を撫でさする。時に乳首や秘部を指先で掠めるように触れるのだが、それだけだ。少しずつ身体の芯が熱くなってゆく感覚に、はやては恐怖した 逃れる術など無いのだが、せめてもの抵抗のつもりで、彼女は快感を拒絶するようにきつく唇を引き結んでいた・・・それでも、徐々に快感が勝ってくる 「・・・ん、・・・あっ・・・っ。く・・・」 「耐える姿も可愛らしいが・・・無駄に我慢をしても、身体には良くないよ。まぁ、素直になりすぎてもつまらないけどね」 「そんな・・・勝手な事・・・ひっ。やああぁぁぁっ!!!」 [476]夢の代償 2007/11/06(火) 01:46:00 ID:d3oMCOj1 背後から全身をまさぐっていた男の指先が、不意に乳房の先端・・・桜色の頂を捉え、きゅっと捻り上げる 機械のスイッチを触るような手付きには優しさなど欠片も無く、胸から走った痛みと快感にはやては目を見開いて、絶叫の様な嬌声を上げさせられた 男はなおも指を離さず、きつく指先に挟み込んだままくりくりと揉み潰す。その度にはやては小さく達し、ショーツの奥から愛液の雫が絨毯に滴り落ちた 「やぁっ!そ、それ、止めっ、ふ、はぅぅ・・・ん、ん、う、ああぁっ!!!」 「おや、胸だけでイけるようになったのかい。随分淫乱になったものだ・・・最初はあんなに可愛らしかったお嬢さんが」 嘆息を吐きながらも責める手付きは全く緩めず、はやてはその度に身体を震わせて喘ぎ続けていた 後ろから抱き締められるような格好でなかったら、とっくに力を無くした膝は崩れ落ちていただろう。先程から小さな絶頂の波が絶え間なく押し寄せてくる 息苦しさにも似た感覚に苛まれながらも、僅かに抵抗の意志を残した心の所為で快感に呑まれて堕ちてしまうことができなかった 「さて・・・では、そろそろいただくとしようか」 男は独白と共にはやての着衣を全て脱がせると、身体を抱え上げてソファに身を預ける。そして、己の腰の上にはやてを後ろ向きに跨らせる様な格好を取った 白い背筋や脇腹を指先で撫で、痙攣するように身を震わせるはやての反応を愉しみながら、彼はズボンから性器を抜き出した 「それじゃあ、今日は君に任せるとしよう」 「ふ、ふぇっ?」 「自分で咥え込んでしっかり動け、って事だけど・・・それだけじゃあつまらないか」 ふむ、と首を捻った男は・・・はやてにバインドを掛けた 動けと言っておきながら動きを封じる拘束魔法を使ったのだが、銀色の魔力光を放つ拘束帯が巻き付いたのは、胸でも腰でも脚でもない 細い首に、首輪のように拘束帯が巻き付いていた。だが、それは本当に巻き付いただけで、空間に固定されているわけでもないし、首を締め付けてくるわけでもない 「く、首に?な、何でっ?」 「制限時間は・・・3分間は優しすぎるかな?まぁ、そのくらいで良いか」 疑問には応えず、勝手にそう呟くと彼は指をパチンと鳴らす・・・首に巻き付いたバインドが鈍く光った・・・何かがコマンドされたようだが・・・? 「さぁ頑張ってくれ。そのバインド、段々締まっていくようにしたから、3分以内に僕が射精できなかったら・・・苦しい思いをすることになるね」 「そ、そんなっ!!」 [477]夢の代償 2007/11/06(火) 01:46:32 ID:d3oMCOj1 「まぁ、息が止まっても30秒くらいは頑張れるだろうし。それじゃ、始めるよ」 一方的にそう告げて、彼はまた指を鳴らした。それを合図に首に巻き付いた拘束帯が光る・・・それだけで、はやては呼吸を圧迫されるように思えて蒼白になった 血の気の引いた顔で言葉を無くすはやての姿に、男達は唇を歪めるような笑みを見せて、愉快そうに手を叩く者まで居た 「ほら、早くしないと。もう5秒は無駄にしたよ」 「ん、う、ううっ・・・んふ、あっ、く、ああぁぁぁっ!!」 どろどろにぬめる秘部に剛直を宛がい、覚悟を決めて一気に腰を下ろす 散々弄ばれて、昂ぶっていた身体は、“雄”の侵入に貪欲に反応し、彼女の身体はそれだけで絶頂に達してしまった・・・だが、ぼんやりとはしていられない はやては歯を食いしばって自分の身体を叱咤し、震える足腰に力を入れて、機械のようなピストン運動を始めた 「ははっ、卿はなかなか面白い趣向を思い付くな」 「どうした小娘。とっとと腰を振らんと首が絞まるぞ!」 無責任な野次が飛んでくる。経過時間は既に60秒を回った・・・だが、はやての下で彼女の痴態を眺めている男の顔は余裕に満ちている それを確かめたはやては目を疑うが、首への圧迫感から焦りに拍車が掛かり、彼女はとにかく激しく腰を揺することだけに徹した 涙と涎と冷や汗が、彼女の顔から飛び散る。これだけ激しい運動をしているのに体からは冷や汗しか流れ出てこない。はやては焦る。滅茶苦茶に焦る 「今、時間は半分くらいかな?なかなか気持ち良いけど・・・何だか単調だな」 「ふあぁぁっ、あ、はぁっ!はうぅぅっ・・・ん、ふっ、ふあっ、ひゃぁぁんっ!!!」 ぼやきとともに下から大きく突き上げられて、はやては身体を仰け反らせて悲鳴を上げた・・・この期に及んで快楽に負ける自分の身体が恨めしい 明滅する視界と、力を失う身体と、徐々に強まる首への圧迫感と、委細構わず腰を打ち付け、膣を抉られる感触と ぺちぺちと尻を叩きながら男が何かを言っているようだが、それも今のはやての耳には入らない 「ほらほら、残りはもう30秒くらいだよ。早くしないと」 「んうぅっ!?ん、はぁっ、い、いやぁっ、こ、こんな、こんなん・・・やぁぁっ」 苦しい程の快楽の波に揉まれるはやてだが、首への圧迫感は更に強くなり、呼吸が徐々に苦しくなってきていた その事実にはやては涙を零しながらも再び腰を激しく振り動かす。上下に、前後に、円を描くように、最早性行為とは思えない程の激しさで [478]夢の代償 2007/11/06(火) 01:47:10 ID:d3oMCOj1 「あぁ、良いねぇ、そろそろ出そうだよ・・・あぁ、でも残り時間には間に合わないかな?」 「やぁっ、いややぁぁっ!んっ、んんっ!!ん、ぐっ!か、はぁっ・・・!」 不意に、呼吸ができなくなった・・・時間が尽きたのだ 「ん、時間切れかな?・・・あぁ、でも、くっ、良く締まるよ。痛いくらいだ」 喉を掻きむしるように両手でバインドを剥がそうとするが、勿論魔力による拘束帯が素手で外せるわけが無い 酸素を求めて唇から喘鳴を漏らすが、一向に呼吸は適わない・・・窒息の苦しさに顔が真っ赤に紅潮し、舌を棒のように突き出して、はやては仰け反る 仰け反りながらも一縷の希望を込めて腰に力を入れ・・・ぎゅっと尻を男の腰に押し付けた 「くっ、キツいなっ・・・う、ううっ!」 剛直を根本まで呑み込まれて、幾重にも巻かれた細いゴム紐で締め上げられるような、強烈に締まるはやての膣の感触に、男は悲鳴を上げて、ようやく果てた はやての意識が闇に堕ちる直前、膣中に熱い迸りを感じると同時に、呼吸が楽になる・・・だが、彼女はそのまま意識を失った 「ふぅ、これは・・・ご老体にはお薦めできませんね。そのまま昇天してしまいますよ」 「ほぅ、それほどであったかね・・・一度試してみたいが、ならばやめておこうか・・・ そんな軽口も、はやての耳には届かず・・・ がばっ、とはやては身を起こした 慌てて自分の身体を見下ろすと、相変わらず全裸だが、体中を汚していた汗や精液の名残は全く感じられない 制汗パウダーでもはたかれたのか、指で触ると肌はさらさらとした感触を返してくる。膣に注ぎ込まれた、溢れ出る程の精液さえ処理されているようだ 「気が付いたかね。勝手ながら身を清めさせてもらったよ」 「あ・・・は、はい。恐縮です・・・お手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした」 暗がりから投げ掛けられる老爺の言葉に、はやては取りあえず頭を下げた [479]夢の代償 2007/11/06(火) 01:47:41 ID:d3oMCOj1 「何、気にすることはない・・・こちらとしても、君には礼を言うべき事柄があったものでね」 「お礼、ですか・・・?」 心当たりは何もないのだが 「あぁ、君には大事な商品を回収して貰ったことがあってね・・・見覚えが無いかね?このロストロギアだ」 ロストロギア、という単語にはやての顔に緊張が走ったが、彼女の元に投げ出されるように姿を現したのは、薄暗い照明をぷるぷると震えながら照り返す・・・ 「これ・・・この前海鳴で回収したロストロギア?これは、皆さんの持ち物だったのですか?」 「左様、このロストロギアはなかなか優れ物でね・・・素晴らしい光景を見せてくれるのだよ」 その言葉に何か嫌な予感を胸に抱きながらも、はやては指先でつついてみた・・・スバル達が「ぷにょぷにょスライム」と称したその感触は、なかなか楽しい物だった バレーボールくらいの大きさのスライムは、柔らかいようでも張りのある弾力性がある。むにっと指先を押し込み、ぱっと離すと弾性のためにぷるぷる揺れていた 「何や・・・おっぱいみたいやね」 「・・・その例えは少々下品ではないかね?」 「あ、あぁ、いや、その・・・すみません・・・でも、これが何故?」 そう呟いた瞬間、闇がにやりと嗤ったのをはやては確かに感じ取った 「まぁ、じっくり楽しむと良い」 楽しむ?何を?その言葉を訝しむ間にスライムはぶるりと身を震わせると、絨毯の上で弾んではやての腕の中に飛び込み、 ボールの様に収まるのかと思いきや、いきなり不定型となってはやての全身にまとわりついた ずるり、と粘液が体中を這い回る感触は決して心地良いものでは無い・・・そのおぞましさに総毛立ったはやては、何とかスライムを引き剥がそうとするが、 相手が不定型ではそれも適うはずがない。掴んだ端から掌から滑り落ちてしまうのだ 「いやぁっ!?な、何なん!?何なんこれ!?」 「あぁ、そのロストロギアは元々医療目的で開発されたデバイスのような物だったらしくてね。身体の老廃物を分解してくれる物だとか」 「ただ、今は少々機能が暴走している個体もあるらしくてね・・・ロストロギア指定を受けて局の管理下に一度は置かれ、故障が無いものは一般にも流通しているようだ」 [480]夢の代償 2007/11/06(火) 01:48:13 ID:d3oMCOj1 そんな説明も、必死の形相でスライムと格闘するはやての耳には届いているのかどうか 悲鳴を上げながら、体中を這い回る異形の存在から逃れようと暴れる彼女の姿に、男達は嗤う 不意に、身体に異変が起こった・・・スライムに絡みつかれている身体が、まるで小さな口に啄まれているような感触を覚えたのだ 「ん、んっ!?な、何?何か、チクチクする・・・っ!?」 「あぁ、そのスライムが君の身体の垢を食べているんだろう。終わった後は赤子のような肌になると評判だが・・・その個体は、少々機能に問題があってね」 「も、問題って・・・まさか、暴走・・・!?」 息を呑むはやてだが、のんびりとした笑い声を返す男達である 「いや、それほど深刻なものではない。ただ、元々乾燥を嫌う性質を持つのだけれど、そいつは少々それが強く出ているだけだよ。水分に敏感なんだ」 「水分・・・ま、まさか・・・ひっ、い、いややぁぁっ!!」 はやてはようやく理解した・・・このスライムは、男達の責め具なのだ 身体中を這い回って垢を啄み落とし、滲む汗を舐め取るように這ってゆく。その感触からはやてはどうにか逃れようとするが、意志を持ってまとわりつく粘液はどうにもならない 指先で掻き落とそうとしても、掌で払い落とそうとしても、落ちるのは僅かな雫程度の量でしかない・・・その雫も、足下でまたくっついてくる 「ああぁぁぁっ!!やぁっ!いやぁぁっ!!やめっ、た、たすけっ、んうっ!ひあぁぁぁっ!!!」 スライムが乳房を啄み始めた。その感触は人の身に為せる技では無い、胸全体を無機質に襲うその刺激は鳥肌が立つ程におぞましく、身体が勝手にくねる程に気持ち良かった チクチクとした、むず痒いような痛みにはやては胸を隠すように抱くが、それでも僅かな隙間に入り込んでくるスライムの責めは止まらない 汗ばむ脇の下や膝の裏。尻の間は啄まれると言うよりも舐め取られるような感覚だ。全身に刺激が与えられるほどにはやての身体は汗ばみ、その都度責めは強くなる そして・・・ 「な、何なん!?これ、何で?ふ、増えてる!?」 「あぁ、確か水分を吸って自身を分裂させるんだったかな?」 最初はバレーボールほどの体積だったスライムは、はやての身体を薄く覆う程度の量でしか無かったが、今は全身を余すところなく包み込むほどに体積を増していた 「あぁ、一応忠告しておくけど・・・本気で感じない方が良いよ。って言っても、遅いかな?」 「ひっ!ん、や、やめてっ!うあぁぁっ、は、入ってこんといてぇっ・・・こ、こんなん・・・い、いややぁ・・・っ!!!」 [481]夢の代償 2007/11/06(火) 01:48:46 ID:d3oMCOj1 狙い澄ましたように間に合わなかった忠告を聞きながら、はやては苦悶を浮かべながら秘部に侵入してきたスライムを引きずり出そうと試みる・・・勿論、無駄である 微かに潤い、愛液を滲ませた股間に、スライムは敏感に反応した。股間に溜まっていたスライムは膣中の愛液を吸い取るやいなや、一斉にはやての膣に入り込もうと蠢いたのだ 「いやぁぁっ!こんなん、ふ、深いっ・・・それに、やぁっ、何で!?何でこんな、大きくなって・・・っくううぅぅぅぅっ!」 膣の奥から溢れ出る愛液を吸い取って、スライムはその身を太らせているのである。肉襞の隅々まで蹂躙される感覚というのは、最早快感を通り越して苦痛に等しい それでも、粘液に全身を這い回られ、秘部を責め立てられた身体の芯は徐々に熱さを帯び、はやての指先はスライムに責められる乳房を掴み、その頂をくりくりと揉み潰していた 「ははっ、そんな生き物に責められながらも自慰に耽るか・・・淫乱が」 罵声も既に耳に届かない はやては左手で乳首を摘み、右手は膣に指先を突き入れて激しく己を犯していた・・・ぐじゅ、ずぷ、とスライムが掻き混ぜられる音が大きく響く 最早自分がどれほど浅ましい姿で快感に縋り付いているのか想像することさえできず、はやては肉欲を貪っていた あれほど逃れようとそうとしていたスライムを、今は逆に胸元や股間にべったりと塗り付けるように掻き寄せてやる その度に、スライムは汗と愛液を吸い込み、その量を増す・・・はやての乱れた身体は水中花の様に粘液の中に沈んでいた 「ふああぁぁぁっ!!あ、あかんよ、で、でるっ、でてまうっ、いやあぁっ!!」 喜悦を刻んだ表情ながら、そう悲鳴を上げ・・・やがて、硬直していたその顔も、うっとりと弛緩する 透明なスライムに包まれたはやての身体、股間の辺りが少し黄色く染まっていた・・・だが、スライムは小水さえも貪欲に飲み込み、逆に水気を求めて更にはやての身体に入り込んだ 先程、水分を供給してくれた部位・・・尿道にまで侵入し、汗が溜まる尻の間。肛門までも突き回してくる 「うあぁぁぁぁっ!ひっ、ひぃやぁぁぁっ!!!やぁぁっ!こんな、あかん、私、もう、あ、あ、あああぁぁぁぁっ!!!!!!だめ、いやぁぁぁっ!!!」 女陰の穴を全て粘液に貫かれて、はやては為す術もなく絶頂に達し・・・そのまま、糸が切れたようにぐったりと身体が崩れ落ちた 全身を喰らい尽くそうとするようなスライムの感触だけが最後まで肌に残り・・・彼女の意識は、闇に沈んだ その後の事としては、はやては再び全身を浄められ、衣服を身に着けた姿で目を覚まし、男達から望みを叶えようという言葉を受け取った かくして、機動6課は次元航行艦:アースラという新たな拠点を手に入れ・・・“聖王のゆりかご”の撃破にあたることになるのであった [482]夢の代償 2007/11/06(火) 01:49:21 ID:d3oMCOj1 事件が終わり、機動6課が解散して数ヶ月後の事である 八神家に一通の招待状が届いた・・・送り主は、なんと伝説の三提督の一人であるミゼット・クローベル統幕義長。ちなみに、ヴィータは親しみを込めてばーちゃん呼ばわりしている 曰く、廃艦処分が取り消されたアースラはクラナガンの空港に停泊して、その敷地の片隅で博物館という新たな任務に就いたらしい そして、開館に先立ち、短い間ではあったが館長を務めたはやてを招待したい、という旨が綴られていた 幸い、捜査任務は片付いたばかりだ、ヴィータやリィンに熱心にせがまれ、困ったような笑みを浮かべながらもはやては快諾した そして、はやては今、すっかり様変わりした艦内の様子に、ヴィータがはしゃいで走り回っているのを眺めているところである 案内役を買って出たミゼットに誘われて、はやてはブリッジに足を運んだ・・・一度は自分も座った艦長席には、歴代提督の肖像が掛けられている 先代であるクロノ・ハラオウン。先々代であるリンディ・ハラオウン。その前には、クロノに良く似た顔の青年の肖像もあった 「・・・アースラ就役時の初代艦長さ。まだ試験運用中だったこの艦が一線級の実力を持っていることを証明してみせた船乗り・・・クライド。当時はまだハーヴェイだったね」 「何となく、クロノ君に似てる・・・?似てますよね・・・?」 「そりゃそうだよ。父親なんだから・・・もっとも、クライドは試験運用が終わってすぐに同級の新造艦:エスティアに乗り換えたから、公式記録には残っちゃいない。 だけどリンディの希望でね・・・この船が、アースラ級次元航行艦の運用に成功したのは、夫の、クライドが居てくれたからだって言われちゃ、聞かないわけにはいかないよ」 「・・・そうなんですか・・・あ、あの、あっちの肖像はどちらさんのですか?」 「あぁ、あっちは歴代の高官の肖像だね・・・まったく、私達のは要らないって言っただろうに。全く」 「あはは、まぁまぁ・・・ミゼット議長にレオーネ顧問。ラルゴ栄誉元帥を外せるはずが無いですよ・・・それに・・・えっ!?」 「何だい吃驚した顔をして・・・」 「・・・あの、ミゼット議長・・・?あの、方々は・・・?」 はやては、震える指先を肖像画に向けた・・・その指先が示す先には、見覚えのある顔が並んでいる。でっぷりと太った顔と、細面の鷲鼻の辺りが特に印象が強い 「あぁ、あの辺は私達よりも古い面子だよ。もう何十年も前に亡くなった・・・紛れもなく、管理局の設立に尽力した連中だね。黒い噂も絶えなかったが・・・」 「何十年も前に、亡くなった・・・?」 「そうだねぇ、まだはやても産まれていないことの事だと思うけど・・・嫌だね、年を取ると物忘れが激しくなって「おーい!ミゼットばーちゃーん!!!!」 ヴィータに呼ばれて、ミゼットは笑顔を作るといそいそとブリッジを歩み去った 一人きりになったはやては、じっと肖像画を睨んでいる・・・不意に、肖像画の中の男達がにやりと唇を歪めた・・・様な気がした 慌てて目を擦って見直せば・・・肖像画の表情が変わるはずもない。はやては全ての事を胸の内にしまう決意を新たに固めると、足早にブリッジを去る その背中を、複数の視線が見送っていたことには、彼女は最後まで気付かなかった [483]26-111 2007/11/06(火) 01:51:09 ID:d3oMCOj1 以上です。取りあえず、こういうエロはもう色んな意味でお腹一杯 クライドのあたりは完全に捏造 存在が3脳と被りそうだったので幽霊オチ ・・・ひゃっはぁ!我慢できねぇ吊ってくる!! それでは、スレ汚し失礼しました [484]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 02:06:29 ID:aRv+Zkaq >>483 GJ!!>>428の後に読むとはやてカワイソス・・・ [485]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 02:14:54 ID:xDEI7PXD >ロッサはシャッハがなんか固定になってるし… いつの間にそんな風潮に…… [486]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 02:24:20 ID:Bvuqv9jp >>483 久々のはやてのエロスGJ。ちょっとオヤジどもは頭冷やす必要ありだがな〜 とりあえず、例のロストロギアは頂いていく!w [487]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 02:59:58 ID:wF7FDto0 >>458 なんかちょっと興味が沸くなそれ… [488]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 03:29:33 ID:T3YCg1Cz ショタコンはやてがエリオを襲う! なんていう図が思い浮かんだんだ [489]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 04:01:37 ID:pKMZ8hVX スマソ、無知な俺に教えてくれ ハーヴェイってどなた? [490]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 04:10:54 ID:7EXUj+RI クロノの前世 [491]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 05:16:04 ID:1rOggMLu >>489 >>2のnanoha wikiの「原作関連」の項目を見よ [492]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 06:23:23 ID:pKMZ8hVX >>490-491 理解した、ありがとう [493]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 07:22:39 ID:2RsDlv1i 寝ながら考えたがやっぱりはやての相手が思い浮かばなかった… こうなったらもう鮫島か3から赤星でもひっぱって…うわー無茶な…w [494]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 07:43:12 ID:PvIeFVZ1 ゲンヤさんと結ばれるといいよ それか俺(スレ住人) [495]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 08:08:08 ID:3MHxOcz/ >>494 よう、俺 ゲンヤさんがナンバーズを全員引き取ってはやてと結婚したら おもしろいことになりそうだよな、多分ノーヴェだけを引き取りそうだけど [496]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 08:49:30 ID:SuStsmkL はやてと親しい位置にいて、特に相手がいなくて、ヴォルケンズに殺られなくて、金持ってそうな人(?)かな、条件は。 グレアム元提督とか… どんだけ老け専なんだよ。 [497]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 09:34:40 ID:EsNpsl8k >>496 その条件だとフェイトしかおらんw [498]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 10:39:07 ID:kUH3nhQY ロッサ×はやてに限らずだが、ヴェロッサでエロだと淡々と鬼畜攻めしか思い浮かばん。 [499]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 11:30:08 ID:WDsp2IKi 少女マンガよろしくユーノの相談にのっていたはやてが(ry 展開次第では修羅場必然 [500]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 11:57:36 ID:qfNieIqD 少女漫画の修羅場って少年漫画のと違って ガチ過ぎるから身悶えする [501]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 12:48:31 ID:igmBwoYy >>483 オカ専(オカズ(犯す?)専門)で覗いている俺としてはひさしぶりにGJ!!だぜぇ! はやてスキーにして陵辱スキーにしてはや×ゲンスキーとしてははやて寝たは大好物なんで美味しく頂けました まぁ俺は異端なリリカルメンバーズ×不特定男好きだからな〜 [502]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 13:02:28 ID:ZJaESTv1 >>499 そこら辺の心配は無いと思うぞ。 なのはさんは「友達」の恋路を邪魔するような事はないだろうし、 フェイトさんはライバルが勝手に脱落するから万々歳だろうから(棒) まぁヴォルケンズとは違った意味で”修羅場”になるかもな。 (例:「スクライア!貴様、主はやてを傷物にしたかっ!」等) [503]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 13:10:16 ID:Xv6IurEh はやての相手か…。ゲンヤかロッサしか思い付かんな。まぁ二人も思い付く分ましか。 男の姿が影も形も想像つかんスバルに比べれば [504]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 13:29:18 ID:wF7FDto0 結婚してなけりゃクロノを気兼ねなく使えるんだけどな… まあエイミィさんほぼ出てないから改変も別に難しくないけどさ。 [505]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 13:33:00 ID:UszTIDE2 浮気浮気 [506]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 14:42:03 ID:CJ8sRA9L オーリスとかなかなかネタにならないね [507]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 14:48:12 ID:pKMZ8hVX 一時期はゼス×シグきたいしてたのにゼスト死んじゃったしなぁ(´・ω・`) [508]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 14:57:41 ID:PLCvWhV/ のーみそ共が生きてりゃ旦那もなあ… [509]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:02:10 ID:CJ8sRA9L ってかゼストとかレジアスは弔ってくれてる人が居たけど 悪者設定だからかな?ドゥーエは死んでそれっきりだな(-。−;) [510]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:12:19 ID:UszTIDE2 姉妹達にもほっておかれてるんだよな。 [511]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:13:34 ID:sDebqubr クアットロだけは悲しんでいると俺は信じている [512]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:15:10 ID:jw4vf2uU セイン以下はそもそも面識ないからな。 残りの四人はどうだろう? [513]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:29:04 ID:EsNpsl8k >>509 弔おうにも、全員逮捕されてるしな。 まあ、やるとすれば更正メンバーの出所後ってことになるだろ。 [514]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:32:18 ID:MFC7RWJ8 セインとかウェンディは管理局入りしたらさっさといー男捕まえてギンガよりも早くゴールインしそう・・・ [515]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 15:45:17 ID:WDsp2IKi >>508 クランケ皇帝みたいに脳みそだけで生き永らえてるという電波受信した [516]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 17:52:31 ID:Bl/lJQD9 「アギト!三期敵役の恥さらしが!」 「そう…ドクターを裏切り、主を裏切り、そして今は管理局の狗」 「管理局につかまったとき、頭ん中弄り回されてね……感情が高ぶると、ぼぅっと光るのよ。漫画でしょう?」 「もう、あなたたちの髪を撫でてあげることは出来ない…」 [517]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 17:57:28 ID:fhXPTIdL  なのは虐め 「高町教官!」 なのはが教導を行うことなった生徒達の中の1人が手を上げる。 「どうしたの?」 その男の子の方を向いて、声を出す。 「そのスリットは何ですか?誘ってるんですか?」 「え?」 意味が良く分からず呆けるなのはの青いスカートに視線が集中する。 「エロいなw」 「深すぎだろw」 「走ったら見えるんじゃね?w」 「さすがエースオブエースw」 生徒達のいやらしい視線になのはは、頬を染め、手でスカートを押さえる。 「スリット無くても短いしなw」 「見て欲しいんじゃね?w」 「変態教官w」 「み、皆、バリアジャケットを装着して!」 好き勝手言われる屈辱に耐え兼ねたなのはは、叫ぶと光を纏う。 いつもの白いバリアジャケットを纏ったなのはがその中から現れる。 「皆もバリアジャケットを!」 未だ僅かに頬を染めながらも生徒達に装着を促す。 しかし、生徒から漏れてきたのは笑い声だった。 「何歳だよw」 「魔法少女ってかw」 「さすがエースオブエースw」 「20であのバリアジャケットってw」 「リボンw」 明らかに馬鹿にするような嘲笑になのはの機嫌は悪くなる。 しかし、ここでキレてはいけないと空を舞う。 「早く始めるよ!」 毅然して見せるが、生徒達からは違う声が漏れる。 「丸見えw」 「白だw」 「パンツも白かよw」 「見せてるんじゃね?w」 生徒達のいやらしい視線と嘲笑は止まらなかった。 「皆!早くBJを!」 叫び、レイジングハートを下へ構える。 『ディバインバスター』 「怪我するよ!」 だが、それでも生徒達は変わらなかった。 「噂通りすぐ砲撃かw」 「話ってものが出来ないのかよw」 「中卒だから仕方ねぇよw」 「さすがエースオブエースw」 ブチッ 「スターライトブレイカー!」 「「「「ぎゃあーーーーーーーーー!!!!」」」」 星の光による破壊の砲撃が地上に降りた。 「高町なのは君、君クビね…」 「はい…」 中卒な自分が地球で就職出来るのだろうか… なのはは頭を垂れ、上司の元を去った。 [518]26-111 2007/11/06(火) 18:01:58 ID:d3oMCOj1 スマン、一つだけ言い忘れていたことがあった >>276 こうですか!?わかり(ry [519]26-111 2007/11/06(火) 18:06:19 ID:d3oMCOj1 ↑更に書き忘れた・・・>>483に書き忘れていたという意味です・・・ 私信ばっかりでスマン ところで、地上本部の閑職に飛ばされたオーリスが安酒を浴びるように呑んで酔い潰れているところをグリフィスに介抱される という電波を飛ばしたのは諸兄かね? [520]38 ◆KHEtQ2j5Nc 2007/11/06(火) 18:45:31 ID:7LXhqUje >>519 多分それ俺ですw ネタが出たけど書けなかったので断念したブツですね、それw ……後たった2話なのに終わらないorz パソ使えなかった内に下書きは最終話まで書き上げたんですが、パソ使う時間が出来たからさあ打つぞと思ったら……、 17話後半の下書き紛失orz 今週末までには書き直せると思うので、一気に投下します。 ……少し聞いてくれ。 17話後半の下書き紛失した時に、気晴らしに「君と恋して結ばれて」というエロゲやったんだ。 ……何出張してるんですか淫獣フェレット司書長w [521]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 19:20:21 ID:0KvA3q3N さて、全然関係ないのだが ヴェロッサは名前の中にエロがある [522]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 19:58:43 ID:8k+3VImM >>521 ェロwwwwww [523]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:01:30 ID:93xYuDm4 なるほど、(亀)頭が小さいのか [524]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:06:26 ID:x2XQQLFJ 逆に考えるんだ。 幹が太いと [525]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:15:37 ID:2BTfGJ80 続きです 今回で決勝戦、大会共々終了です お詫びですが、「魔法は全て非殺傷性」にも関わらず、前回の投稿でユーノが外傷を負う描写がありました この設定と描写の矛盾について、この場を借りて謝罪させてもらいます 本当に申し訳ございませんでした [526]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:16:24 ID:2BTfGJ80  フェイトとヴィータの激突する余波が、地上にも吹き荒れていた。ユーノが疾駆し、クロノが低空飛行で スティンガーレイを多発させて迎撃する。無数に迫り来る魔力の光線を、ユーノは片手で組成した魔力楯で弾き返す。  クロノとの間合いに踏み込んだユーノが、彼のバリアジャケットの胸倉を掴み、力任せに投げ倒そうと両 腕を引っ張り上げた。クロノががら空きとなったユーノの腹部に拳を突き入れ、ユーノの口腔が痛みと唾液 で濁る。至近距離でクロノが掌からスティンガーレイを発射させ、頭部を貫いた猛襲にユーノの目が赤く見 開く。脳を切り刻まれる非殺傷性の激痛に悲鳴を上げるユーノを、クロノは容赦も無く蹴り飛ばす。  ブレイクインパルスの補強を加えられた打撃に、ユーノの肉体が玩具の様にもんどり打った。 「フェイトが吹っ切れた様だな。だったら……今度はお前の番だぞユーノ。お前も曝け出してみるんだ、 ずっと心の奥底で糊塗してきた自分の弱さを」  クロノが漆黒の風をはためかせ、試合場に直線状の残像を描いた。眼前に襲来したクロノを、ユーノは弱 規模の転送魔法で迎え撃つ。緑光のミッドチルダ式魔方陣が視界に輝き、クロノは手遅れな立ち位置に表情 を強張らせる。 「曝け出すものなんて、僕には無い」 「ヴィータの言葉を聴いていなかったのか! そういう自分を悟った様な態度は──僕達にはまだ必要無い んだ、が、ァ!」  クロノが体内で作動した転送魔法に、未知なる苦痛を与えられる。自身の干渉が届かない部位の異常に、 若き提督の眉目が悶絶する。内臓器官が不規則に体内で転送を連続させ、クロノの四肢が暴れて痙攣する。 クロノが獣じみた呼吸をしつつ、身体を突き破って回転する魔方陣の上で、ユーノの襟を拿捕した。ユーノ が更に転送の速度を増加させ、クロノの心臓が胃と入れ替わり、膵臓が腹腔に転がり、肺胞が反転する。 混乱する血流が口腔に殺到し、クロノの口から大量の鮮血が溢れ出した。流血は顎を伝い、肩へと散り、鮮 血の滝がクロノの上半身を紅く染める。 「僕と、お前は、同じ、だ……! 初めて、会った時からずっと感じていた、ユ、ユウ、ユーノ、お前はっ」  クロノが凄絶な形相でユーノの襟を引き寄せ、互いの額を接触させる。二人の視界は、相手の瞳だけに覆 われた。瞳に反射する自分の面に、ユーノは血臭交じりのクロノの生々しい激情を透視した。 「こんな機会は、あが、が、も、もう滅多に、無い、いひ、ぎ、ァ、んだぞっ……! ユーノ!」 「う、うるさいよ!」  クロノの血塗れの口から、感情の熱に染まった言葉が紡がれる。  ユーノの瞳に、クロノの瞳から露呈している光が投射される。直後、ユーノの表情が激甚な嫌悪感に引き歪んだ。  クロノの血に染まった吐息を唇に感じ、ユーノは無意識に彼を押し退けていた。即座にバインドを射出し、 捕獲したクロノの肉体を痛烈に旋回させる。外壁結界や試合場に身体の節々を痛打するクロノの悲惨な姿は、 観客に恐怖と絶句を浸透させる。 「お父さん!」「酷いよ!」  ハラオウン双子が突如として暴虐に出たユーノの凶行を見て痛ましげに嘆く。その横で、エイミィはクロ ノとユーノが見せられない大人的な無表情で、試合場を見つめていた。  クロノは甚大な負傷を受けた果てに、試合場へと叩き落されてバインドから解放された身体を、よろめき ながら起き上がらせた。顎を染める流血は、袖で拭っても完全に取り去れなかった。 「ヴィータがフェイトに伝えた事……それとは逆の事を、僕はお前に教えてやらないといけない」  空気が漏れる様なか細い呼吸の合間に、クロノはそんな負傷を思わせないよく通る声でユーノへ語りかけ た。ユーノは長髪に縁取られた顔付きを、醜悪な事実を排斥する潔癖な反抗心で澱ませる。 「心理戦かい。それにしては内容が伴っていないよクロノ」  クロノの血色の唇が優しく緩む。決戦の場にそぐわない彼の微細な仕草に、ユーノは目付きを険しく固めた。 [527]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:17:15 ID:2BTfGJ80 「僅か九歳で無限書庫の司書を務め、数年後には司書長に就任。立派だよ、ユーノ。お前の様な優秀な局員 を友達に持てて、僕は本当に誇りに思う」  一歩、クロノは確かな足取りで進んだ。顎から雫となって落下する赤が、彼の足跡となって試合場に刻まれる。 「だけど……僕は、あの時お前を止めるべきだったのかもしれない。当時の僕じゃ出来なかった。小さい頃 から魔導師としての生き方しか知らなかった僕には、それ以外の人生の選択肢なんて頭に無かったからな」 「後悔なんか、僕はしていない。僕が自分で決めた道だから。いつだって僕は、自分の事は自分自身で決めてきた」 「後悔、してない? ははっ。嘘……だろ?」  クロノが酷く柔和な瞳でユーノを直視した。目の前の親友への友愛と、過去の自分自身への慙愧と、色褪 せた母への言葉にならない怒りと、温もりが記憶に残る前に離別した父への茫々とした想いが、判別出来ず に混合してクロノの表情を彩っていた。 「ずっと流浪の生活をして、様々な人の生活を見てきたお前は知っていた。管理局という世界しか知らなか った僕よりも知っていた。未来の可能性を、お前は僕よりも沢山知っていた。だから、僕はお前に言ってや るべきだったんだ。『無限書庫なんかに行くな。せめて社会人として自分の責任が持てる年齢になるまで、 正規局員として入局するのは止めろ』って」 「何を……言ってるんだクロノ! そんな話は聴きたくない!」  ユーノは再びバインド魔法を瞬間詠唱し、クロノの口を塞ごうと突進させる。しかしクロノは、バインド の軌道に視線を合わせずとも、整然とした動きで魔力の縄を掌の中に留めた。彼の握力が、バインドの動き を硬直させる。 「カレラとビエラには、僕やユーノの様な人生は送らせない。魔導師として生きるしかない、こんな惨めで 虚しい人生があるか? 幼い頃から魔法を生き抜く術にするしかなかった子供が、こうして父親になって、 どうして自分と同じ轍を踏ませたいと思う。僕は今でも悪夢に魘されるよ。あの子達が僕の様な道を歩まざ るを得なくなった場合を考えるだけで、身体から不安が消えない」 『……』  リンディは試合場の間を飛び交う撮影機から聴こえてくるクロノの述懐へ、実況席でただ静かに耳を向け ていた。しかし息子へ向けていた視線を机の上で組み合わせた自分の掌に落とし、瞳を伏せて亡き夫の面影 に沈んでいった。白い彼女の手袋は、クロノを抱き締めた時の温もりなど無かった。  クロノが語勢に任せた握力で、ユーノのバインドを握り千切った。クロノは立ち止まらず、ユーノのもと へと近寄っていく。既に攻撃も移動も頭の外に追いやられ、ユーノは呆然とクロノの接近を許した。 「だから、ユーノを引き止めるべきだったんだ。何が何でもそうするべきだったんだ。だってそうじゃない か。結果お前は無限書庫の仕事と学会の活動に追われ……僕とユーノは、あの時期に本当に経験するべきだ ったものを、綺麗さっぱり知らずにここまで来てしまった。青春も、恋も、友情も、当たり前の生活の中で 得る事無く大人になってしまった……。待っていたのは、結果という大人の成績を積み重ねるだけの日々だ」 「クロノ、僕は後悔していない。僕自身が望んだ事なんだ。だから、クロノがそんな事で思い悩む必要は無いんだっ」  呼吸困難な風に言い返すユーノの必死な顔が、彼の発言を裏切る最大の証となっていた。ユーノの他人を 見ていない目を見たクロノが、頼り甲斐のある、しかし以前までとは違う人間的な弱さも秘めた笑みを浮かべた。 「ユーノがなのはと一歩進んだ関係にならない理由も、今ならはっきりわかる。ならないんじゃないよな、 お前達はそういう情緒が未発達なんだ。お前達は急ぎ過ぎたんだよ……。はやてもそうだ、お前達は今でも 地球で嘱託魔導師として暮らしているべきだったんだ。全くヴィータの言う通りだよ。僕達は何をやってい たんだろうか? 人生の先輩として、お前達に一体何をしてあげられたんだろう。本当に必要だったのはっ ……僕や母さん、レティさんはなのは達に言うべきだった言葉を知っていた筈なのに……」  クロノが鷹揚に片腕を持ち上げ、血塗れの唇に笑みを象った儘、ブレイズキャノンを詠唱する。ユーノは 結界魔法で身を守り、クロノの砲撃を無傷で切り抜けた。 [528]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:18:44 ID:2BTfGJ80  魔力の爆発の先、ユーノの視界に映ったクロノの顔で、一滴の透明な雫が瞳から零れ落ちた。 「だから、僕は僕の過ちをここで清算する。どんなに情けない姿でも、僕はお前に叩き込む。地面に這い蹲 っても、それでお前の足に縋り付いてでも伝えるよ。僕には魔法しかない。だから僕なりの方法で……あの 時伝えられなかった事を、父親になれたからこそ見つけられた、あの時の忘れ物をユーノにも思い出して欲 しいんだ」  クロノが地を蹴り、ユーノに体当たりをした。ユーノが奥歯を噛み合わせ、苛立たしげにクロノの頭を掴 み取った。黒髪を握られながら、クロノは肌が触れ合う距離で魔力弾丸を組成する。ユーノがクロノを強引 に引き剥がし、宙を焼く魔力弾を魔力楯で粉々に掻き消した。  ユーノが浮上する。バリアジャケットの外套を荒く揺らめかせ、クロノも重力の楔を断ち切った。 「違う、君だってそうやって知った風になっているだけじゃないか! 一番恐れているのは自分自身じゃな いか! 父親になった事に自信が持てないんだろ! 自分が知らないから、確かな父親像を得られなかった から、だけど僕まで君の弱さに巻き込まないでくれ!」 「だからユーノも僕と同じだ! 何が魔法だ! こんな力で、カレラとビエラに何が出来る!? 母さんは僕 に何をしてくれた!? 僕は今、父さんに何がしてやれるんだ! 僕の中にある父さんの魂を、どうしたら安 らかに鎮めてあげられる!?」  スティンガーブレイドとラウンドシールドが、緑と空の閃光で戦場を染め上げる。ユーノとクロノのバリ アジャケットが、衝撃の強風に煽られて無抵抗に暴れた。 「母さんは何も教えてくれなかった。僕に母親らしい事なんて何もしてくれなかったじゃないかっ! エリ オとキャロを羨ましく思うなんて、ヴィヴィオにさえ嫉妬するなんて、僕はいつからこんなにも貧しい心を 持ってしまったんだよ! あの三人を見てると、僕は……どうしようもないくらいに胸が掻き毟られる!」 「お前もそうなのかよクロノ! グダグダ悩んでても何も解決しないって、何でそんな簡単な事もわからね ぇんだ、テメェ等男どもはァ──!」  クロノは死角から乱入してきたヴィータの真紅の魔弾を身体を逸らしてかわし、その軌道を追ってくるヴ ィータへスティンガースナイプを撃つ。予測不可能な動きで迫り来る攻撃を、ヴィータはグラーフアイゼン で返り討ちに遭わせた。  弾かれたスティンガースナイプを、ユーノがすかさずバインドで捕獲する。ヴィータがクロノへ肉弾戦を 挑み、他方ではスティンガースナイプの消滅に出ていたユーノへ煌めく雷撃が宙の大気を焼き殺して迫った。 飛行魔法を操作し、ユーノは雷光の砲撃を回避した。そのユーノへ、バルディッシュとデュランダルの挟撃が続く。  降下して強襲を掻い潜ったユーノとそれを追うフェイトの視線が、目まぐるしい空中戦闘の中で絡み合った。 「ユーノじゃ駄目なんだ……! 今のユーノじゃ、私達は理解し合えない。したくても出来ないよ。だって、 今の私達は魔法しか知らないから! すずかとアリサが持っているものを、私も、なのはも、はやても、全 部全部置き去りにしてきちゃったんだよ。ヴィータに怒られて、私はやっとその事に気付けたっ!」 「フェイト……!」  フェイトの戦斧が、再度ユーノの強固な魔法の壁を打ち破ろうと振り払われる。バルディッシュとデュラ ンダルがラウンドシールドを削る度に、交錯する魔力の破片が決勝戦の興奮の燃料となって昇華される。観 客席は全力の声援で声が枯れる者さえ居た。 「やり直そう? ねぇ、ユーノ、今からでも間に合うから。あの時に手に入れるべきだったトキメキがある んだ。『当たり前』とか『普通』の中にある幸せを、私達は素直に受け入れるべきだったんだ。だから全部 吐き出して! ありのままの気持ちでお互いにぶつかり合えば、きっと何かが始まるよっ」  フェイトがデバイスでユーノの心の壁とも言える魔力防壁を打撃する音が、巻き上がる歓声の中で一際高 く空へと鳴り響く。 「君達の言いたい事は凄くわかるよ。けれど、今まで積み重ねてきたものを、全て否定するなんて僕には出 来ない。何を言っても、僕達はこうして大人になってしまったんだ。フェイトの願うものは、もう二度と取 り戻す事なんて出来ないんだよ」  頑なに魔力楯を形成しているユーノを間近で見つめるフェイトの瞳が、切情の潤いを帯びて雫を光らせた。 [529]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:19:49 ID:2BTfGJ80 「ユーノ、怖がらないで。涙を見せる事は恥なんかじゃない。ユーノも受け入れられるよ、私達は同じ孤独 を知ってきたんだから。このお祭りをね、私達も頭を空にしてはしゃいで楽しまないといけないんだよ。 一緒に楽しもうよ。私達はまだこのお祭りを準備する立場に立っちゃいけないんだ。ねぇ、そうでしょ? 私達この儘大人になったって、お兄ちゃんと同じ苦しみを味わってしまうよ。何もわからずに本当の現実に追い出されて、大人になる事が地獄に感じてしまう……それを止めなきゃいけないんだ、今ここで! 子供の心で手に出来るものを、今ここで私もユーノも全部掘り返さないといけないんだ!」  視界に散る衝撃を通し、フェイトはユーノへと絶えずデバイスを振り被る。 「──大人になる事、親になる事、それからでも遅くないっ! 私はもうエリオとキャロの保護者なんかじ ゃない! あの子達の友達だ! 似た様な境遇を持っているだけの大親友なんだ! 親として慕われるのを、 あの子達自身に強要するのは間違いだったんだよ!」  バルディッシュの一閃を通過したユーノが、追撃に構えられたフェイトのもう片腕に手を伸ばす。デュラ ンダルを持つ細い腕を掴み、ユーノはその部位を腰元まで引き寄せた。 「フェイト、ごめん。ヴィータと約束したんだ、優勝して一緒に旅行に行こうって……」 「ユー──あぐ、ぁ!?」  フェイトが肘に加えられた膝の圧力で、デュランダルを手放してしまった。肉の中で骨が砕かれ、フェイ トの片肘がまさに逆へと折れ曲がっていた。ユーノはフェイトのマントの襟を掴み、彼女の細身を外壁結界 へと投擲する。  アルフの接近を察知し、ユーノが再び魔方陣を形成した。拳に溜めたバリアブレイクの魔力を解放しなが ら、アルフはユーノの魔力の紋様へと腕を振るう。ユーノの防御を破砕すると疑わなかったアルフの顔が、 それを裏切る現象に狼狽する。 「シールドじゃない、弾力壁……! ユーノ!」 「アルフも、ちょっと乱暴するけどごめんよ」 「ユーノ! そんなわかった顔しか出来ないガキのままで、どの口が『大人になった』なんて言えんだい! ふざけんじゃないよ、いつまでも自惚れん──」  腹腔に響くユーノの拳に、アルフが弾き飛ばされる。試合場へ墜落し、アルフは白煙と破片の中に埋没した。 筋肉も骨格も多大な被害を受け、アルフは苦しげに試合場の孔の上で起き上がろうと足掻く。  上空に滞空した儘振り返ったユーノは、バルディッシュから放たれた刃の弾丸を楯で防ぐ。片腕を故障し、 フェイトはその痛みに耐える脂汗で美貌を濡らしていた。デュランダルを失ったその腕は、肘の辺りを蒼く 変色させて惨たらしく垂れ下がっている。クロノから託された魔杖は、心成しか溜め息にも似た茫漠な音を 立てて試合場に転がった。  そのデュランダルが、試合場で拡散した魔力圧で場外へと落下した。ヴィータが前方に楯を形成しながら 突進し、デバイスを持たずとも自分と拮抗してくるクロノへと猛烈な一撃を繰り出した。 「お、前! デバイス無しで、ここまで出来るのかよ!」 「何だ、自分で気付いていないのかヴィータ?」  視界の隅で凶悪に動くグラーフアイゼンを、クロノはラウンドシールドで食い止める。しかし、クロノの 防御は容易に跡形も無く破裂した。その瞬間にクロノの身体がヴィータの背後へと滑る。 「僕は押されているぞ。流石にデバイスを持たない状態で、ヴォルケンリッターのお前に勝つなんて不可能だ」  まるで現状と違うクロノの感想を耳に受け、ヴィータが自分を侮られている気がして目の圧を高めた。 「ふざけんな!」 「お前にはわからないだろう、自分の命よりも大切なものを持った男の強さが!」  ブレイズキャノンを連射を、ヴィータは小柄な身体を疾風に変えて掻い潜る。強烈な魔法の詠唱で、クロ ノは腕の神経や脳細胞が罅割れる反動に吐血を重ねた。 「辛そうな顔して、それでも輝いてるじゃねぇかクロノ! そうだぜ、もっともっと曝け出せよ!」  クロノの腕から発光するスティンガーブレイドとグラーフアイゼンが激突し、魔力光の乱舞が試合場に舞 い上がる。頭上から急襲するバインドを軽やかにやり過ごしたクロノが、もう一方の片手でスティンガーレ イを射撃して捕縛の熱気を蹴散らす。 [530]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:20:58 ID:2BTfGJ80  光線の反撃から逃れた一本がヴィータの胴体に巻きつく。クロノが上段から振り落としたスティンガーブ レイドは、ユーノの思念操作で引き上げられたバインドによってヴィータの残影を刻んだだけに終わった。 「喰らえぇぇぇぇぇぇ!」  ユーノによるバインド操作を加速力に変え、ヴィータが魔力縄の命綱を得た捨て身の突貫に出た。  クロノが再びブレイズキャノンを詠唱し、空色の魔力砲撃が地上から宙を焼く。急降下してくるヴィータ と見当違いの方角へ発射されたブレイズキャノンのもとへと、フェイトが義兄の意図を汲んで移動していた。 「フェイト! タイミングをしくじるんじゃないぞ!」  血塗れの口から放たれたクロノの想いに、フェイトは金の長髪を棚引かせながら毅然と頷いた。 「やれる、やれる、私ならやれる!」  ザンバーモードの刀剣を顕現させたフェイトが、ブレイズキャノンに向けて刀身の腹を薙いだ。片腕で払 われたバルディッシュを受け、ブレイズキャノンが進行軌道を水平に屈折させる。その先で、ユーノが自分 へと進路を変えた砲撃魔法に驚愕の瞠目を向けていた。  ヴィータの鉄槌がクロノの肉体を強打し、ユーノがブレイズキャノンの熱波の中で爆発に飲み込まれる。  空中の爆煙から、飛行魔法の維持も壊されて落下するユーノの姿が現れる。外壁結界に叩きつけられ、 クロノは視界を霞ませながら苦悶を喘いだ。バリアジャケットを貫通した衝撃に背骨が軋み、脳震盪で彼の 五感が明滅する。 「ユーノっ!」「お兄ちゃん!」  ヴィータとフェイトが、互いの男へと急行する。場外へ着陸しそうだった義兄を、フェイトは身体全体で 受け止める。ブレイズキャノンの直撃を受け、顔を蒼白にさせて試合場に蹲るユーノの傍で、ヴィータは治 癒魔法が不得手な自分を罵倒していた。  フェイトは抱き抱えたクロノを試合場の縁まで移送する。漸う身動きを可能にしたアルフがフェイトに協力した。 「ユーノ、流石にきついか?」  ヴィータは無理矢理ユーノを立ち上がらせる事も戸惑い、彼が自力で腰を起こすのを薄い涙目で見守っていた。 「大丈夫、まだ戦える……! 約束したじゃないか、二人で一緒にあの三人を倒すんだ。もう試合も大会も 関係無い。僕は意地でもクロノに勝つ。負けたくないんだ。何だか僕らしくないね、どうしてこんなにも身 体が熱いんだろう……!」  リミッターによる出力制限も、砲撃魔法となれば然程の影響も無い。肉体に与えられる外傷の無い痛みは、 鉛の銃弾が腹に入るか腕に入るかの違い程度だった。  辛い身体を気合で踏ん張らせ、ユーノは試合場の端でフェイトの擁護を止めさせたクロノへと厳然とした目を投げる。 「あいつは子供だ。だから、僕があいつの父親として、兄として、世界一の友達として……あの性根を叩き 直してやらないといけない。司書長がどんなに偉い。考古学の秀才が何の価値になる。そうじゃないんだよ、 あいつにとって本当に大切なものは」  神経質に口周りの血の汚れを拭い取り、クロノも生々しい形相でユーノを睨み返した。 「お兄ちゃん……。私もリンディ母さんやお兄ちゃんに本気で叱られた事、無かったよね。私、心のどこか で調子に乗ってたんだ。甘やかされるだけで育った子供の、本当にわかりやすい思い違いを持ったままこの 歳まで来ちゃったんだね」  折れて使い物にならなくなった片腕をそのままに、フェイトは頬を涙で濡らした顔を、クロノの胸板に縋 らせた。クロノは彼女の頭を一度優しく撫で、縦に照る頬に指の腹を過ぎらせた。 「今、気付けたならいいじゃないか。母さんだって完璧じゃない。間違う事だってあるし、フェイトは色々 難しい子供だったから、きっと距離の取り方に試行錯誤していたんだ。それでも、母さんは母さんなりにフ ェイトの母親になろうと必死になってきたと思う。フェイト、そんな母さん、お前は恨んでいるか?」 「冗談でもそんな事言わないで」 [531]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:22:26 ID:2BTfGJ80  兄と妹が微笑み合い、アルフは腰に手を当ててそんな二人を温和に傍観している。血縁を越えた純美な絆 を以ってして、クロノとフェイトは互いの腕を前に差し出し、身体を重ね合わせた。二人が示す腕の先で、 バルディッシュが陽光を浴びる宝玉に眩しい輝きを湛えていた。 「さぁ、やろうフェイト」 「うん、お兄ちゃん」  クロノ光の魔方陣とフェイト光の魔方陣が、環状螺旋となって二人の腕で幾重に並列して出現した。 ハラオウン兄妹の足許に、二人の融合した可視光色の魔方陣が広がり、温かな心の光の粒子を立ち上らせな がら円状の輪郭を鮮やかにさせる。 「させねぇ!」  ヴィータがユーノの傍から飛び立ち、アルフが真っ向から騎士の進撃に立ち向かう。グラーフアイゼンが アルフの拳を打ち払い、素早く柄から離した少女の片掌が下から来る蹴りにシールドで応じる。 「ユーノ、死ぬ気で防げ! あれさえ切り抜ければ勝てる!」 「大人だとか親だとか、知った風に言わないで欲しいね……僕は今の生活に満足しているんだ! 変化も成 長も、もう必要無い!」  ユーノが拳を固めた両手に緑光の魔力を増幅させ、防御魔法の詠唱に入った。ヴィータが魔弾でハラオウ ン兄妹の同時砲撃を阻止しようとデバイスを撓めるが、停滞している魔弾をアルフの直射弾によって砕かれる。 「アルフがぁ!」狂い交じりにアームドデバイスが吼えるが、アルフはシールドでその強撃に耐え切った。 「フェイトのお付きなだけだと思ったら大違いだよ!」  ヴィータは短い腕の間合いを衝かれ、アルフにグラーフアイゼンを持つ手首を握られる。手首を圧迫して くるアルフの握力に呻き、ヴィータは胸部に拳を直撃されてデバイスと身体を引き剥がされた。アルフはグ ラーフアイゼンを場外へと投棄し、前方に宙を切るヴィータへと追撃を仕掛ける。  ヴィータは外壁結界に着地し、即座に垂直に跳んだ。鋼の楔でアルフを牽制しつつ、身体を反転させて上 部の壁面に到着する。地面に頭を向けた姿勢で、紅の鉄騎は慣れない古代ベルカ式バインドを放射する。緋 色の蛇が空中をのたくり、四方八方からアルフを取り囲んだ。 「こんな物!」 「使い魔に負けたなんてなぁ、騎士として失格どころの話じゃねぇんだよ!」  ヴィータは上部結界から下方へ脚力を噴射させ、円錐形に変形させたシールドを全身に武装させる。包囲 網化したバインドを通過した紅い騎士の魔力の突端が、アルフを仕留めるべく宙を抉り込む。咄嗟にシール ドを形成したアルフの眼前で、ヴィータが纏うシールド先端の鋭い錐が一点突破の衝撃となって攻め込んだ。  アルフがヴィータの突撃を食い止め切れず、地上へと追い込まれていく。遂に魔力同士の反発が暴発し、 強烈な斥力となって二人を対蹠的に後退させる。 「アームドデバイスしか能が無いなんて侮るなよ! 戦闘の基礎学力の差をこの場で痛感しやがれぇぇ!」  ヴィータが先に体勢を整え、練成した魔力弾丸をシールド補強を施した拳で苛烈に殴り飛ばした。拳と弾 丸が接触する瞬間にシールド魔力を解放し、その魔力衝撃を推進力にして小さな隕石は眼下の敵へと急迫する。 ヴィータは行動の勢いの儘に身体を旋回させ、今度は踵を水平に薙いで弾丸を数発蹴り撃った。  飛来してくるシュワルベフリーゲンは、疾駆したアルフに一撃も命中しなかった。試合場に落下した魔力 弾丸が噴煙を巻き上げ──クロノとフェイト、ユーノの視界を遮った。  ユーノが両手にシールド魔法の詠唱を維持した儘でその場から駆け出す。同士詠唱で身動きが取れない兄 妹は、ヴィータの援護によって敵の姿を撹乱され、照準を揺れ動かせる。 「くっ……ヴィータの奴! 本当にアルフを眼中に入れていないわけか!」  クロノがユーノを見失って呻く。アルフは我武者羅になって上空へと身体を飛ばす。俯瞰する試合場の上 でユーノの行動を求めるが、そこにバインドを解除して余分な思念制御を脱したヴィータが襲来する。しか し、身構えたアルフの傍を高速で過ぎ去ったヴィータは、自ら濛々と満ちる噴煙の中に突入していった。 [532]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:23:09 ID:2BTfGJ80 「ヴィータ!」策略を肌で感じ、アルフが騎士の姿を追おうと高度を下げる。 「何処だ、ユーノは何処に居る!?」 「落ち着いてお兄ちゃん! アルフに任せて、私達は詠唱に集中しよう!」  アルフが煙をバインド魔法で霧散させる。試合場の全貌が明らかにされ、ハラオウン兄妹へ接近している ヴィータと、二人の射線上から逃れようと駆けるユーノが露になった。 「クロノ! フェイト! これで終わりだぜ──!」  ヴィータが『グラーフアイゼンを全力の握力で構え』、簡易ギガントフォルムとなった雄々しい槌を高ら かに上段へ振り上げた。 『Don't be deceived! She is him!』 「あぁ、バルディッシュ! 行くぞフェイト!」 「プラズマ────!」  二人の腕で螺旋を描く変則的な環状魔方陣の先で、バルディッシュがクロノとフェイトの複合思念による 集束魔力を膨張させていく。  アルフが全速力でユーノへと襲い掛かる。対するユーノは勝利への確信と敗北の焦り、そうした相反する 錯雑とした表情で細い顔立ちを引き攣らせていた。 「詰めが甘かったね『ヴィータ』! こんな子供騙し、ハナっからバレバレだ!」 「るせぇよ! そんなもん、こっちだって読んでんだよ!」  アルフが叫び、ユーノへと必殺の拳を打ち込んだ。胸部に壮絶な打撃を受け、ユーノはバリアジャケット を風圧に暴れさせて場外へと吹き飛ばされる。その最中も、ユーノは彼本人とは思えない口汚い絶叫で喉を火照らせた。  ユーノの姿になっていたヴィータは肉体に受けた衝撃で思念制御を阻害され、変身魔法が解除されて小柄 な騎士の姿へと強制的に戻される。彼女は草の臭いが充満している場外の芝生地帯へ手足を着け、ハッと顔を上げた。 「ヴィータ選手、場外ッ!」  審判員の判定も耳に無いヴィータの視線の先で、自分と寸分も違わない姿になっている相棒が、放射され た複合砲撃へと自ら飛び込んでいく光景が展開される。巨大なグラーフアイゼンの槌が、金と空の可視光で 奔流へと繰り出された。 「男見せろユーノォォォォォォォォォ!」  バルディッシュから迸る膨大な光の波動が、魔力で形象化させただけの脆弱なアームドデバイスと、それ を振るう紅の鉄騎へと押し寄せる。 「あ、あぁ──!」  擬似グラーフアイゼンは紙細工の様に粉々に消滅し、ユーノ自身も赤い三つ編みの長髪を放射状に乱しな がら、抗い切れない魔力の奔流に翻弄される。  ユーノの意識は強力な魔力熱量に全身を甚振られる苦痛も無い程に滅裂し、永遠の様な一瞬の果てに肉体 を外壁結界へと叩きつけられた。複合魔力の放射が止み、光の猛威の中にあったユーノは元の青年の姿で場 外へと倒れ込んだ。  ハラオウン兄妹が見せた血の繋がりを越えた絆の輝きに、観客一同はどこか静謐な眼差しで試合結果に見入っていた。 「ユ、ユーノっ! 大丈夫かユーノ!」  なのはのスターライトブレイカーをも凌駕するハラオウン兄妹の同時砲撃魔法を直撃し、その精神的な損 傷は推し量るに余りあった。非殺傷性の攻撃魔法だからこそ味わう、肉体を介さない純粋な痛覚情報に、ユ ーノの脳は暗転気味に熱暴走していた。  仰向けに倒れ、ユーノは虚ろな目に晴れ渡った青空を浸していた。その健康的な風景を、憂い気なヴィー タの顔が間近で遮る。 [533]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:24:01 ID:2BTfGJ80  ユーノは自分の心で蠢く何かをいやでも自覚していた。しかし、それを意地でも抹消しようと理性を働かせる。  それが、クロノやフェイトへの幼稚な反抗だった。ユーノは自分の弱さを認めたくなかった。ジュエルシ ード発掘の時もそうだ。幼い頃から大人と同じ責任を背負ってきた彼は、そんな自分の未熟さに懊悩してい る暇など無かったのだ。  誰一人も、子供としてのユーノの心に光を齎してくれる大人はいなかった。若干九歳で高ランクの結界魔 導師としての肩書きを持ち、周囲の大人はそんなユーノを何時も対等な人間として扱ってきた。  魔法学院での体験など、そんな愛想の無い日々の中で風化してしまっていた。  不完全に持て余していた無限書庫を、何とか体外的にも正式に稼動出来る今の状態まで改善した局員とし てのユーノに対しても、他の局員や上層部は部下として上司として、その幼い儘の精神に大人社会の摂理を押し付けてきた。  その先に待っていたのが、こんな無様な敗北だったのか? 結果を出して義務を全うし、そんな誠実な行 いが、こんな何の救いも無い大人社会からの裏切りで終わってしまうのか?  結果を出せと頭ごなしに繰り返され、社会の歯車として良識を以って義務に殉じろと飽きず説教され、 その報いがこれか? (明日は無限書庫資料館の仕事で、イベントのゲスト出演もあるし、平常業務の方も……)  自分を騙そうとすればする程、ユーノは心の奥底から突き上げてくる衝動に痛めつけられていく。 「ユーノ、お前。おい止めろって、ヤだよ、お前止めろよ!」  ヴィータが掠れた張りの無い声を出し、ユーノの豹変した容貌を前にして痛々しく頬を引き攣らせた。 「あ、っ、あぐっ……うぁっ……」  胸を締め付ける嗚咽は俄然と激化し、溢れ出る涙も際限無くユーノの顔を濡らした。 「やだってば、泣くなよ! 何で泣くんだよ! 負けて悔しいのはわかったから、ほら皆観てるんだぞ! 止めろって、止めろってばぁっ……」  膝を畳んで座り込んでいるヴィータは、バリアジャケットが解けてスーツ姿になったユーノの胸板に、涙 を堪え切れずに額を押し付けた。彼の『大人』として正しいその姿が、今は滑稽な程に垢抜けてなく見えた。  ヴィータの啜り泣く声とユーノの親と逸れた子供の様な慟哭が、空疎な響きで試合場に漂う。 「魔導師戦技大会決勝戦、クロノ・ハラオウン提督、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官の勝利。 大会優勝はクロノ・ハラオウン提督、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官チームです!」  栄光を手にした兄妹と使い魔を絶賛する歓声の嵐が、敗北者二人の泣き声を残酷にも塗り潰していった。  観客は輝かしい結果を残したクロノ達に、盛大な拍手と喝采を浴びせかける。未だ心に色褪せた幼さを残す、 ユーノの歪な大人としての自我に気付く事も無く……。 「……お兄ちゃん」  フェイトは鼓膜を覆う歓声の中で、しっかりとユーノの慟哭を聞いていた。 「大丈夫だ。きっと大丈夫……」  厳然としたクロノの優しい眼差しは、折り重なって泣き叫ぶユーノとヴィータを、何時までも実直に見守っていた。 [534]Never Give Up! 2007/11/06(火) 20:26:39 ID:2BTfGJ80 続きます [535]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:42:19 ID:j+g2IAvc GJ!! なんだこの凄まじい熱量… 言葉にできない感動しかこないぜ! [536]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:42:22 ID:nTy32i0C >>534 乙、でもクロノには言われたくないなぁと思う俺 [537]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:48:57 ID:qfNieIqD GJ 本編でのユーノの出来すぎた子供。 その内側にある歪さに、本人が気づくまでの道程をうまく描けていました。 これで表面的には劇的な変化はないかもしれないけれど、 ヴィータには素直に自分を隠さないでいられるユーノが見られると思えた。 そしてこの後は、ふたりでキャッキャウフフ温泉旅行編から結婚にいたるまでの 道筋を描いた話を10数話以上かけてですね(ry [538]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:52:47 ID:38Scc3xf リアルタイムGJ この何とも言えない感情は何なんだ? 感動ってこういうことなのか。 もう一回言わせてくれ。 GJ!!! [539]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 20:53:05 ID:/Kw3Xbqi GJ 問題はまだ一人、自分の心の問題を直視してないあの人なんだがw [540]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:03:22 ID:Hv+Shrwy >>534 本編のアンチテーゼ的作品としては実に面白い。 ただ描写不足に関しては…まぁ目を瞑るべきだろうなw [541]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:06:41 ID:huJlQN1w そろそろ容量的に次スレを立てておいたほうがよくないかな? [542]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:10:06 ID:oB1dMBP/ ヤバイ。なのはヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。 なのはヤバイ。 まず強い。もう強いなんてもんじゃない。超強い。 強いとかっても 「スバル20人ぶんくらい?」 とか、もう、そういうレベルじゃない。 何しろ全力全開。スゲェ!なんか手加減とか無いの。リミッターとか魔導師ランクとかを超越してる。全力全開だし超強い。 しかもイクシードしてるらしい。ヤバイよ、イクシードだよ。 だって普通はフェイトとかイクシードしないじゃん。だってはやてがだんだんイクシードしてったら困るじゃん。夜天の主とかリインフォースU]Zとか困るっしょ。 ティアナがイクシードして、新人のときは10くらいだったのにだったのに、三年目のときは120とか泣くっしょ。 だからフェイトとか膨張しない。話のわかるヤツだ。 けどなのははヤバイ。そんなの気にしない。イクシードしまくり。最も高いランクからリミッターとか考えてもてもよくわかんないくらい怖い。ヤバすぎ。 全力全開っていたけど、もしかしたら全力半開かもしんない。でも全力半開って事にすると 「じゃあ、なのはの全力の半分ってナニよ?」 って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。 あと魔王。約100悪魔。言葉で言うと少し頭冷やそっか。ヤバイ。魔王すぎ。パンツめくる暇もなく死ぬ。怖い。 [543]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:16:02 ID:axR0o6oe GJ!!です。 フェイトやクロノがたどり着いた真実は確かに正しいのは分かるが、 知られたくない心の傷を暴かれるのはやだなぁと感じました。 まぁこういう場だからこそ意味があるということもありますが、 読んでいて考えさせられました。 環境の歪さが生み出してしまった子供達か・・・。 [544]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:18:47 ID:sDebqubr >>534 GJ おおう、ユーノの技グロいぜ……体内で転送魔法ってバリアジャケットはどうしたんだ一体…… 内容については是非もなく。まあきっとユーノなら何とかするでしょう なのはさんはどう動くか…… [545]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:41:09 ID:sjCsNdYI >>534 GJ 作中、使い魔やユニゾンデバイスのデメリットを書いて欲しかった。 最後にクロノ、お前が言うな。 [546]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:45:22 ID:v4QMjy/z クロノくんは基本的に「自分の事を棚に上げる子」です。 [547]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:49:26 ID:L/xPSvhW 家庭を持って漸く自分の歪みに気付いたんだろ んでダチとしてユーノにはもっと早く気付いてほしいから あえて言ったんじゃないの 自覚あるだろ [548]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 21:52:55 ID:axR0o6oe そんなことキミに言われなくたって分かってるんだよ的なこといわれたら ユーノに惚れてた。 [549]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:00:39 ID:I65IqxsI >>548 いや、分かってはいるんじゃないのか? ただこうして突きつけられた事が無いだけで薄々とは。 加えてもう既に自分が『大人』になってしまったと思い込んでいるから、 もう取り返しが付かないとも思っている。 まあそれもクロノやフェイトに言わせれば本当の意味で分かっている訳じゃなく、 目を逸らしているだけ、という事なんだろが。 [550]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:09:56 ID:kUH3nhQY >>534 クライマックスで盛り上げてるのはわかるが、ちょっとオリジナル魔法な描写が多いかな、と思った。 あと盛り上げた割りに決着が呆気なかったようにも。まあ本当の決着はこれからっぽいけど。 勿論そう感じたのは、ここまでで否応なしに盛り上げさせられたためだけど。 また、説教の内容がやや薄い・描写不足な感あり。 ここまでの展開がバトル描写中心だったためか、前提になるキャラの問題点についての印象付けが薄かったためかと。 いや、「バトルを盛り上げるための単なるエッセンス」といわれるとそれまでなんだけど。 などと難癖つけましたが、ここまで楽しませてもらったのも間違いないです。GJと言わせてください。 ここから先は話のまとめかな。最後まで読むので頑張ってください。 [551]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:19:16 ID:W4JCIvIp >>545-546 安心しろハーヴェイ×なのちゃんのDVDが世間に知られクロノフルボッコタイムが始まるから [552]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:30:23 ID:7l+39UCi >>534 なんだかんだいって愛情に包まれて育つことができたフェイトクロノ組からの指摘って、 すげー持つ者特有の上から目線っぽいw そりゃ反発したくなるわw ユーノ孤独すぎだろw [553]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:37:46 ID:I65IqxsI >>552 しかしそれでも片親(しかも多忙)な件。 その理屈で言うなら一番歪んでないのはなのはの筈、なんだが描写を見る限りだと、ねえ… [554]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:38:24 ID:PLCvWhV/ >>551 それを観てハーヴェイさんに狙いを定める部隊長ってか? 相手がいると言っても結婚してない、というのは大きい [555]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:41:34 ID:0PuDzMfd でもなのはさん、ダディが負傷した時ド派手に放置プレイ食らったと聞いたが・・・ 急に突き落とされる方が辛くね? [556]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:42:04 ID:wf+J8GH5 責任ある立場についておきながら今さら自分たちは子供だと絶叫 次の日には全員首になってそうだな [557]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:44:19 ID:gm/F+XC2 >>534 乙ー ユーノの魔法、非殺傷の意味無いじゃない…な感じはアレだがww 楽しめましたよー 大会後のあれやこれ期待してます >>551 実に楽しみだ まぁ、すぐに破壊するのだろうがww [558]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:46:59 ID:K3JesOQu >>552 >愛情に包まれて育つことができたフェイトクロノ やあ兄弟 無印・A's見てればそんなことがいえるとは限らないわけだが どうしたんだ? [559]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:48:02 ID:7l+39UCi >>534 ここでユーノが 「僕はもっとゆっくり司書をやっていくつもりだったのに仕事をどんどん寄越したのは誰だよ!  無限書庫の有用性を証明するんだとか熱く語って僕をその気にさせたのは誰だよ!  アリサたちと遊ぶ約束もスクライアに帰る予定も全部キャンセルさせて仕事させたのは誰だよ!」 とかキレたら面白かったのに。 絶対一番ユーノを酷使してると思うんだよね。クロノ。次にはやて。三位がヴェロッサ。 それで今さら撤回しても、なんかこう、イジメっこが大人になって詫び入れるくらいの茶番みたいな。 クロノ「正直すまんかった」 [560]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:53:04 ID:7l+39UCi >>558 うん。A's〜StrikerSの間のことを想像で言ってみたんだ。 家庭や兄妹があるっていうアドバンテージはなんだかんだいってでかいと思うんだ。 A'sでも制服とか携帯とか買って貰って喜んでるフェイトのシーンもあったし、 なんだかんだいって幸せだと思うんだけど違うのかなぁ。 [561]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:55:58 ID:U84uJrx3 >>559 だよなあ 酷使されたあげくに土壇場で説教食らったうえに負けって… ユーノ、生きろよ… [562]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:59:38 ID:gm/F+XC2 >>559 ワラタ確かにww でもヴェロッサは違くね?無限書庫利用したの最近って言ってたし [563]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 22:59:52 ID:0PuDzMfd 詫びる場合 ユーノ「休みも寄越さなかったくせに!なのはたちと会うくらいは良いっていったじゃないか!」 クロノ「スマン、ありゃウソだった」 逆ギレ ユーノ「休み寄越せよ!」 クロノ「自分を知れ・・・そんなおいしい話があると思うのか・・・お前のような奴に・・・」 誤魔化す ユーノ「また仕事かよ!そろそろYA☆SU☆MI!」 クロノ「ま・・・またまた仕事増やさせていただきましたァン!」 [564]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:05:24 ID:wF7FDto0 フェイトは言うまでもないけど、クロノも親父さん死んだことで一時期 ハーヴェイと似たような道を歩んでた可能性あるのな… [565]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:15:14 ID:VasSfSOJ クライドさんが死んでなかったら、クロノは今のクロノじゃなかっただろうしな。つか、無印の時点で執務官になれていたかも怪しいぞ。 つか、こうして見てるとクロノ、ユーノ、フェイトとそれぞれ歪んでしまった理由ってのがあるんだが……この話のなのはの歪み方ってなんか……微妙? いや、理由的な意味で。 [566]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:17:59 ID:7l+39UCi >>562 >でもヴェロッサは違くね?無限書庫利用したの最近って言ってたし そっか。残念。 ついでに>>559の続きで 「僕だって遊びたかったさ! 休みたかったさ!  それでも僕が頑張ったのは、クロノ! 君がいたからなんだ!!  君が見せてくれた夢に賭けたくなったからなんだ! なのにそれをいまさら撤回するなんて、  そんなの許さない! 君が取り戻したいと思ったものを取り戻していくことを止めはしないさ。  だけど僕達が進んできた10年間だって否定させたりするもんか!!」 とか言ったらシャマルさんの目がキラキラすると思うんだよね。 実はユーノはとっくに気付いていたけどクロノのために覚悟を決めて諦めてたっていう。 わりと不良漫画とかでありがちなすれ違い? これじゃユーノが出来すぎててダメかなぁ。 エンディングで夕陽に向かって二人でダッシュさせればいけるようないけないような。 [567]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:19:00 ID:N4UN9BF2 >>565 ユーノが歪んでしまったから、それが原因で歪んだんじゃない? >>534 よく考えると、普通の魔法少女モノなら普段は学生、事件がおきるとマジカルチェンジだもんなー 相変わらず痒いところに手が届くぜGJ [568]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:26:15 ID:I65IqxsI 歪みの連鎖…と、いうことはなのはさんが保護者のヴィヴィオもいずれ… [569]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:28:17 ID:gm/F+XC2 ちょ、次スレは? [570]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:38:56 ID:+qvO3ON8 スレ立ててきます。 [571]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:44:30 ID:WDsp2IKi >>567 ちょww マジカル違うwww そういえばマンガ版でクロノからデスマなスケジュールで 資料用意しろって無茶振りされてたよな…哀れ [572]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:44:48 ID:+qvO3ON8 ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第37話☆ http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1194360164/ [573]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:47:18 ID:gm/F+XC2 >>572 手早いな、乙ですー [574]名無しさん@ピンキー 2007/11/06(火) 23:50:13 ID:N4UN9BF2 >>572 乙でございま〜す ・・・・・・あいも変わらず一週間ペースだな [575]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:02:48 ID:9JSfMBmF む、誰もいないな……投下するなら今の内 埋めついでに超短編でもどうぞ まぁ、初投下なわけだが 時間軸はA'sの8話付近 登場人物はユーノとリーゼアリア 非エロ?微エロ?基準がちょっと分からない [576]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:02:52 ID:DFsEBLgz まぁ枯れ木も山のなんとやら。閑散とするよりはマシだ。 [577]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:03:55 ID:a9za4bOJ …思ったんだがさ なのはさん達機動部隊もクロノ達管理職将校もユーノ達情報管理側も 誰も彼も自分で選んだ道でそれぞれ体張って職懸けて精神削って それなのに特定部署だけ劣悪さを強調して文句言うのって…筋違いじゃね? [578]ユーノ君と、ある使い魔の願い 2007/11/07(水) 00:05:32 ID:9JSfMBmF 「凄いね、ユーノ君。『闇の書』の正体を突き止めるなんて」 クロノへの経過報告の後、私は彼に話しかけた。 「いえ、本当に凄いのは無限書庫ですよ」 「ううん。君の検索魔法が優秀だから生かせるんだよ。用意してきたって言ってたけど、私も初めて見た魔法なのよね。自作なの?」 「一族が遺跡の探索や調査に使う魔法を、無限書庫用にアレンジしてみました。僕の完全なオリジナルではないですよ」 「このほぼ物置状態の無限書庫を、こんなに生かせた人も初めてじゃないかしら。でも、根を詰め過ぎていない?」 「でも今現在の『闇の書』や、その守護騎士達についてさらに何か分かれば、それだけなのは達の為になるはずですから」 正直驚いている。私達があの事件以来11年、その大部分を費やしたこの無限書庫での調査――いや、もはや探索と言った方が良い――を、ほぼたった一人でここまで短期間にこなしてみせるとは……私達の愛弟子であるクロノが推薦するだけある。 「……」 しかし、胸が少し痛む。 この子が仲間の……友達の為に必死になって調査していることは、ほとんど私達も把握している。 この子を手伝っているおかげで、私達も見落としが無かったか確認できて助かっているが、無駄足を踏ませている感は否めない。 私も教えてもらった検索魔法を行使しながら、マルチタスクで思考をめぐらせる。 私達が選択した『闇の書』の永久封印の方法。この少年も、そこに行き着くのだろうか…… 「父様……」 つい言葉が零れてしまった。 「え?何か言いました?」 「あっ!!何でも無い何でも無い」 「そうですか?」 軽く誤魔化して、再び作業しつつの思索を続ける。 あの子……現在の『闇の書』の所持者、生まれた時から幸福とはいえない人生を歩んできた少女…… 財産の管理など生活の面倒を見ている主へ、先日送られてきた手紙には『闇の書』の守護騎士達と写っている写真が同封されていた。 その中で微笑んでいた、孤独にも負けずに優しく育った彼女は恐らく、今回の事件のことを全く知らないのだろう。 そんな目の前にいる少年と同い年、たった9歳の子供を犠牲にして『闇の書』の脅威を未来永劫取り除く。 [579]ユーノ君と、ある使い魔の願い 2007/11/07(水) 00:07:16 ID:9JSfMBmF (何で皆が幸せになれるような、都合の良い答えが無いのかな……) 気分が沈み込む。 (……でも……) 再び検索魔法を行使している少年を覗き見る。 その横顔は未知への探究心と、仲間の役に立ちたいという使命感に満ち溢れていた。 (この子達なら……) いつの間にか過ぎていた時間を確認し、彼に声をかける。 「そろそろ、お昼食べに行きましょうか」 「あ、はい。わかりました。少し息抜きも必要ですよね」 少年が魔法を解除し、周りに集まっていた書籍が積み重なり静止する。 そうだ、ちょっとからかってみよう。彼の肩の力が少しでも抜けるように。 「じゃあ、早く行きましょう」 後ろから抱き付くようにして、二人で出口の方に向かう。 それはちょうど、彼の後頭部に胸を押し当てるような形となって。 「え?あっ。ちょ、ちょっとっ」 あわてる少年が可愛くて仕方ない。 こういう直接的なスキンシップは本来ロッテの領分なのだが。偶にはいいよね。 「なぁに?照れてるの?」 「あ、あのっ。む、胸が。ふっ、ふわふわぁっ」 私達はもう道を決め、この道を突き進むのみ。これは一つの覚悟だ。 最早これを止めること、他の道を選ぶことは出来ない。 私達の計画が成就した時、全てが終わった後、きっとこの子は私達を恨むだろう。 「ふふふ、あててるのよ」 「な、何でですかぁ」 しかし、子供達は未だ道を選び取ってはいない。 そのことはこの局面において、大きな余力を残していることを意味する。 もしかしたら、もしかしたらだ。 この子達は、私達の11年を覆せるような結論に到達できるかもしれない。 この、照れて真っ赤になっている可愛らしい少年の顔が曇らないような。 そんな結果になることを願うのは、私のエゴだとしても。 「頑張ってね、ユーノ君」 彼の紅潮している耳元で囁いた。 これくらいの応援は許されるよ――ね? [580]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:09:02 ID:9JSfMBmF 以上です。 こんなこともあったんじゃないかな、と思ったから書きました。 ではまた。 [581]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:12:06 ID:lUajqmq7 >>580 GJ! にゃんこ先生久しぶりだな〜 [582]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:14:41 ID:PmnKPAyO まぁ、その、なんだ……たしかに、>559の言うとおり、ユーノに仕事押しつけまくって たわけだし、クロノには言われたくないだろうなぁw あと、なのはの場合、両親はそろってるけど、父親が大けが(爆弾テロ防いで巻き 込まれた)とかで入院したり、喫茶店経営で母親も忙しかったり、「イイ子」でいな きゃならなかったって部分はあるんだよねぇ。 無印の時から、あまり9才に見えない原因はそこなんだろうな。 #それでも原作よりはマシなんだろうけど まぁ、ぶっちゃけなのはとユーノが進展しないのは、原作者が恋愛要素徹底排除 してるからってだけだから、どうにでもしていいんだろうけど、こういうとこではw #しかし、原作シリーズはとことんラブラブな展開も多かったのに、リリなのは  なんでこう……ユーノ哀れw [583]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:18:11 ID:hVFdued5 >>534 GJだぜ。アツすぐる なんだ、子供いるクロノはユーノに言って良いと思うぜむしろしたり顔で説教するヴィータにこそ「お前が言うな」じゃね?とか。 おめー人間(っぽく)になってたかだか十年、騎士時代は戦闘ばっかだったろうし 愛情の大事さとか命の重さとかハラウオン家より絶対理解してねーだろーみたいな。いやでも楽しかった! あと誰も行かないなら俺次スレ行くが [584]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:19:14 ID:hVFdued5 とか思ったら立ってたね。スマン [585]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:19:21 ID:vtbxjQ4R ぬこ’sの見方が少し変わった >>566 シャマルさんにそんなネタ提供したら3本くらい軽く描き上げてそうだw [586]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 00:23:05 ID:lSB+r9z6 >>582 半端な描写の方が妄想の余地があるんだぜ? なのユー甘甘まだー? [587]575 2007/11/07(水) 00:29:37 ID:9JSfMBmF げぇっ >>578-579 の間に、 そのことに罪悪感が無いわけじゃないが、主が悩み抜いて決断したことだ。使い魔たる私達は従うだけ。 全てはクライド君の時みたいな悲劇を二度と起こさせないため。 っつーのが抜けてる ごめんなさい、保管庫に入れるときにでも直しといてえぇ くそうしまらねぇ…orz [588]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 01:07:19 ID:P4e6QTN5 >>580 GJだぜぃ 猫さんたちにも色々あったのさ。それは間違いなく てか、今どうしてんだ猫さんやグレ爺たち……流石にお逝きになられたか? 情報出てたっけ [589]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 01:55:30 ID:l+ySkfWF >>534 GJ! まあ、クロノとフェイトは説教の責任は取って貰わないとね! SSのなかの無限書庫がどれだけ忙しいか解らんけど。 どれだけ司書を酷使してるか痛感するといい。 [590]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:01:53 ID:vwVLokmN <<534 GJ!! しかし手厳しい人多いなー あまり理想高いとどこかの部隊長みたいに一人行きおk……<石化> [591]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:03:00 ID:gv9pV+Kf gdgd グダグダ ksk 加速 kwsk 詳しく sgnm シグナム [592]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:14:55 ID:k4yRKxq3 sgnm甘甘まだー? [593]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:16:37 ID:mEeIVoot >>591 geboko ヴィータ 801 シャマル dog ザフィーラ こうで(ry [594]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/07(水) 02:35:02 ID:UaJOhGBd >>589 一度>>577を読んでもらいたい ようは 辛いのが一人だけと思うなよと [595]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:44:19 ID:xobEE9ZO maoh なのは fate フェイト ( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい! はやて ておk? [596]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:55:02 ID:k4yRKxq3 ヴィータ gbkでいいんじゃね? なんか母音を入れると負けた気がする [597]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 02:59:16 ID:FjAspLHU じゃあなのはさんはakm フェイトさんはgtrzだね! [598]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 03:11:16 ID:+xfBNTB/ ならスバルはyshoで ティアナはbnjn? [599]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 03:35:16 ID:xobEE9ZO yshoを矮小と読んでしまった俺自重 [600]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 03:38:07 ID:MzRMN7+i 俺ティアナをぶんちんって読み間違えた [601]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 04:01:29 ID:heZOEBPH フェイトさんをゲッターズと読んでしまった俺が通りますよっと [602]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 04:15:57 ID:FjAspLHU >>601 なのはさんとフェイトさんとはやてさんがゲッターのそれぞれのフォームに対応してるんですね! なのはさん→ゲッター1 フェイトさん→ゲッター2 「って私がゲッター3かい!?いっちゃん影薄いやないの!というか 私スパロボやと一回もつかわんままクリアする人のおる機体!?」 [603]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 04:20:59 ID:wzFZwWsf >>602 つまりはやてさんが無敵戦艦ゆりかごに特攻して散ってしまうと言いたい訳ですか? [604]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 04:25:21 ID:VjDJt6z9 ゲッター3、キャタピラだしぴったりだ [605]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 04:54:30 ID:vkBDjZzA A.C.E3だとものっそい対複数戦闘が得意で大活躍だぞゲッター3 まぁ、リミッター解除するとゲッター1のゲッタービームが一番使いやすいけど。 [606]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 06:12:52 ID:7OkjBW2M >>594 別に部署それぞれの忙しさの問題じゃない。 使う側が使われる側に偉そうなこと抜かすなってことだろ。 そういう面もあって「お前が言うな」言われてるんだろ。 直接忙しくしてるのは依頼してるやつらなんだし。 今までは「勝手に中に入って自分らで調べろ」だったんだから。 まあ、実際にオフィシャルで無茶な依頼してるのはA's漫画版のひとコマ(2P)くらいだけどな。 あとこれは俺だけかもしれないが 今回の場合クロノ便乗してる感じなのが一番気に入らない。 [607]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 07:00:49 ID:gQXJ3H7p クロノは学校も出てるし友人と家族も同じ部署 なのは達は学校やら兼業で割と健やか しかしユーノは家族(部族含む)や友人(学校時代とか)やら周辺の描写が一切無い しかも機能停止状態の部署だったので人やノウハウがあるわけでもないのに仕事はドンドコ来る苦行 クロノと八神一家の共通の友人すらStS以後に偶然知り合う時点でだいぶアレ [608]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 07:04:57 ID:NY8ho8oS 「お前が言うな」は前回のヴィータの時から既にそうだったしなぁ。 作者さんが言ってるように演出の一環と割り切るべきだと思うよ [609]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 07:45:12 ID:3WPapN0x まあこうやって賛否両論がいっぱい出るのは、それだけみんながこの作品に注目して期待してたからでもあるわな。 既に>>540とか>>550とかで言われてるけど、描写が不足というか、 事前に伏線が張られてなかったのも一つあるかな。 というのもこの作品、なんか現在進行形というか、 作者さんが書き溜めじゃなくてリアルタイムでがりがり書いてるような気が。前にも、 シャマルがシグナムのリンカーコアぶち抜き →読者の「再生プログラム無理じゃね?」のツッコミ →次話でヴィータの口からフォロー とかあったし。 それでその時のノリが強く出て、熱いけどツッコミどころがある仕様になってるんじゃないかと。 >>579 GJ。リーゼSSは貴重なので嬉しいぜ。 あとそのくらいなら非エロで通るはず。 [610]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 07:50:11 ID:xzgiiyJG ここは二次作者を叩くスレに変わってしまったのかい諸君? [611]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 08:06:28 ID:xE/rPI09 >>610 誰も叩いちゃいないだろう 注目作だからこそ突っ込みめいたレスもつく つまらんSSならお義理のようなGJがつくだけだぞw [612]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 08:13:01 ID:3WPapN0x 愛ゆえにツンデレるのさ。 作者さんに期待してるからこそ、忌憚の無い意見をぶつけて、それを参考にしてもらえればと願う。 まあそれが叩いてるようにも見えるのかもだが、賛否両論は文章書きにとっては糧だよ。 理由無しなアンチレスがついてるわけでも無し、このくらいは許容しようぜ。 まあ反響大きいから目につきやすいのも事実だが、ある程度はしょうがなかろう。 などと雑談しつつ、残りは埋めかね。 [613]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:08:45 ID:D7NXVX/N 今回は特になのは達のありかたとか、かなり突っ込んだ所を書いているから 議論が活発になったのだろう。 [614]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:21:08 ID:/M6AC1NQ 良い意味で問題作だったな [615]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:25:23 ID:zwg8IFL9 心理戦に定評のあるクロノ [616]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:44:58 ID:aLVTjH45 ノ、ノ・・・ 覗きに定評のあるヴァイス [617]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:49:10 ID:/xZ9rPkB ス…… すべりに定評のあるスバル? [618]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:56:25 ID:cnX+V6pJ >>602 ガギエルとドラゴノサウルスという見せ場があるからいいじゃないですか [619]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 09:57:12 ID:5t6sHsYi >>617 ル… 留守番ねと言われて突っかかた挙句に殴り飛ばされてしまった姿に定評のあるティアナ [620]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 10:02:54 ID:TY6FLCLw ナ?ナー…… 殴りかかったりしただけであまり働くシーンがなかったせいでニート扱いされるシグナム [621]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 10:10:26 ID:9JSfMBmF ムー…… ムダ毛に定評のあるレジアス [622]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 10:24:37 ID:0LjEpuMk ス… すっかり魔王が板についてしまったなのは [623]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 10:29:58 ID:fde4EKyP >>534 GJ ユーノの防御魔法はATフィールドだったのかw [624]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 10:46:20 ID:FjAspLHU >>622 は・・・・・・ はかないって人の夢って書くんだね、と出番とかその他もろもろが消えたユーノ [625]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 11:25:25 ID:/M6AC1NQ ノ…… ノックの刑を喰らったトーレ [626]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 11:36:00 ID:5t6sHsYi レ、レー… レッカー車に愛車を持っていかれて大ショックを受けるフェイト [627]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 11:38:17 ID:cLgCRrF8 レ…… レジアス中将の防衛思想 mhtml:http://shabernack.orz.hm/lyrical/rh/gebo4611.mht!http://nov.2chan.net/b/red/1194363002019.htm [628]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 11:40:37 ID:cLgCRrF8 ↑すまんミスった。 始めの『mhtml:』も入れないと閲覧できない。 個人的にはこの思想には賛同したい。 [629]名無しさん@ピンキー<> 2007/11/07(水) 12:24:40 ID:GiXb6L+c >>626 ととと… トレーニング後の汗びっしょりなタンクトップを着たスバル [630]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 12:29:48 ID:Hf3PyFdv >>629 ルーテシアとキャロと3Pなエロオ [631]630 2007/11/07(水) 12:31:44 ID:Hf3PyFdv IDまで3Pだ('∀`) [632]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 13:16:00 ID:UaJOhGBd おまいらなにしりとりやってんだwww [633]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 13:17:28 ID:/M6AC1NQ 子供が子供らしくあるべきだってのはミッドチルダの根底にある完全実力主義の 思想と対立するよな、執務官がそう考えるのはまずいとおもうぞ。 彼らは法の裁定者にして執行者にして部隊を動かす権限まで保有しているんだ。 フェイトだって9歳児が嘱託になれば免罪とかになったが、裏を返せば9歳児にも 大人の罰則が適用されるということだし。 [634]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 13:30:21 ID:c14SdQ2v でもまあリンディさんもゲンヤさんも子供は子供らしく育ってほしいって思ってたけどな。 登場してきた幼少の頃から働いてるキャラは能力だけでなく相応の理由を抱えてた奴らが殆どだし。 [635]名無しさん@ピンキー 2007/11/07(水) 14:54:17 ID:MCoS+xOz                 /^7    __                 ,' / /   \  \           , -―‐一ァ                |   //ヘ    >=-、\ __    /___/                |  / /     フ>'´     `ヽ//⌒ヽ                |  /      / イ  /      、ハ) 、 ヽヘ                L 」    ∠V/ / // { ヽ\ Vl'、 \  ヘ  499kbに達したので                ヽ ヽ     / { { {{ トk从|\j斗l ',!ハ\j   ', AAと次スレ誘導で締めまつ                  ヽ ヽ   /  V llハY ○   ○ j ∨    i                       ヽ ヽ/  / ヽ从小⊂⊃  ⊂⊃/l∨∨   l                        ヽ ヽ     /   |.lゝ, l ̄ ̄l_イ/   ∨   l                    i⌒\_`<⌒卞弋 |__|),、    ∨  l                       \ w    {{/ヾ ZI/_,/゙ ̄`ヽ  ∨  !       |: : :/: : : /`i;;::::::::     :: :     ::::::::::::i;`ヽ.: \: : : :\       |: :/: : : :.| ;i i::::::     :::::     :::::::i. i:: |.: : : :\: : : :\       |: :|: : :i ;! ;;;;;___,ノ;;ヽ、_____;;;;ノ_ノ; .| : ! : : : : : :l: : : : : |       |: :|: : :| (  .''i´::::○:::`i:: ::i´:::○::::`i''´ ,); | : :|.: : : : : .:ト、: : : !      \!: :.:! ;'ヾ `ー‐‐‐‐´:: .:::`ー‐‐‐'´' /;; |: : :|.: : : : : .:|: :ヽ: : |         |: : :| .;;`i   ,,, _ :::: ::::_ ,,,   / .;; .!: : |.: : : : : .:|: : :|: : |         |: : :`ー';; ヾ、__;'(´. '';; ;;:' `);__ノ;; ,iー´: :/: : : : : : :|: : :|: :/       \: : : |!  i;''ヾ、_____   _____//;|  ,!ノ_/: /|.: : .:|: :|: : :レ' みんな          |\ ヽ ヾ、;レ'-二二-レ;// .,/ ̄/: : /: !: : /| /.: .: !           |: : `ト.ヽ ヾ、:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:// /./: :レ'.|: :|: /: レ: : : .:|  次スレ逝こうか…          |: : : |. ヽ ヾ∧ニニニニ∧/  /l: : : |  |: :レ.: .: .: : : :.:|          |: : : |  .ヽ ヾ-‐'´`ー-'´ /   .|: : : |  |.: .: : : : : : : : |          |: : : |  f|ヽ、___  ____ノ j、  |: : : i  |: : : : : : : : : /         \ : \ノ \         / ト、 j.: .:/   ! : : : .: : : : /        _ -‐>、: :\  ` ー‐ァ-イ   | //、  |: : : : : : : / . -‐‐…' ´  /   `ト-ヽ   ∧__∧.  |/  |` ー- 、__ : : /          ./     |\.   / | |. ヽ !     |     ` ー-、 ☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第37話☆ http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1194360164/ //////////////////////////////////////////////////////////// ここまで私の自演だ     )    ヘ´ ヘヘア  '`》'´⌒`ミ ハ从ハ )ゝ 流石ですね副隊長 ノ,ィ∝メノ))))) v´д`ル´ ( ゝ(!・ω・|l  /  ⌒i  )ノ(__つ/ ̄ ̄ ̄/_i |_  ̄ \/___/   ヽ⊃