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[520]水死体 05/02/22 12:27:53 ID:/psc19+V
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[526]水死体 05/02/22 12:39:25 ID:/psc19+V

−−○○新聞の記事より抜粋−−

−−○○新聞の記事より抜粋−−
×月×日 行方不明とされていたNちゃん(9歳)、Aちゃん(9歳)、Sちゃん(9歳)を
たれ込みのあった××県××市の山中の廃屋にて県警が保護した。
被害者両親らの強い要望で事情徴収などは行われず、被害届けは取り下げとなった。
現在は病院にて療養中。
専門医師のカウンセリングを受けるも、未だに快復の兆しは見られないと聞き及ぶ。

その日、アリサの配膳係りだった看護婦が病室を訪れ、頬に付いた食べかすを拭おうと手を伸ばした際にそれは起こった。
自分の上に差した影に、少女は全身をビクリと強張らせ、弾かれたように顔を上げた。
「ひっ! ぅあ・・・うああっ!!」
何かに怯え、見開き、瞳孔の狭まった目で看護婦を凝視するやいなや、悲鳴を上げながら
もの凄い勢いで跳ね上がりベッドから転げ落ちる。
半ば這いずるような形で壁際まで逃げ、ボードにぶつかった拍子に乗っていた花瓶が掃除されたばかりの床に落下して割れた。
瀬戸物特有の鈍めの破砕音と水が撒き散らされ、水たまりが蒼白になったアリサの顔を映す。
花瓶の破片で手を切っても意に介さず、恐ろしい物を見る目つきで看護婦を見つめていた。
いや、アリサはその看護婦を通して、きっと別の物を見ているのだろう。
「ゆるしてっ、ゆるしてぇ!!  もう痛いのは嫌っ、怖いのも嫌っ! 気持ち悪いのやめてっ!!  やめてよぅ・・・・」
部屋の隅に追いつめられ、ガタガタと震えながら許しを請う。
「しゃぶりますっ、しゃぶりますからぁっ、もう痛いことしないでぐださいぃっ!」
前歯の無い口で哀願する。
上の歯4本下の歯4本の合計8本、男に奉仕するのに邪魔なため根本からペンチか何かで引き抜かれていた。

ブチブチと震える手で上着の前ボタンをはずして行く。
かつて男達にそうしろど命じられたように。
晒け出された未成熟な肢体には、空港の探知機が騒ぎ出して止まらない程のピアッシングが施されていて
まだ小さく薄い色合いの二つの乳首に7つもぶら下がっていた。
ズボンに隠れて見えないが、陰核や陰唇にも10を越える輪っかが通されていた。
看護婦がベッドの枕元にぶら下がっているナースコールに手を伸ばす。
「705号室ですっ。 アリサちゃんがいつもの発作を起こしました、すぐに鎮静剤をっ」
連絡し終わった看護婦は服を脱ぎ捨てる少女と距離を置いた。
今近づくともっともっと酷くなることを知っていたからである。
だけど同じ階の少し離れた病室にいるなのはや、特別病棟に隔離されているすずかよりは、まだましかもしれない。
側に寄りさえしなければ、普通に話すこともできるのだ。
ガクガクと細い両の腕で自らの身体を抱きしめ、過去の幻影に怯えるアリサの姿に耐えかね、思わず目を逸らす。
廊下の向こうから、パタパタと足早に近づいてくる看護婦達の足音が聞こえてきていた。

この物語の主人公こと高町なのはに視点を移す。
静かに風が入り込んでくる窓際のベッドに、その少女は身体を起こして外を眺めていた。
ゆったりとした白い病院服に身を包み、疲れた表情で何をするともなく、ただ座っているだけだった。
控えめなノックが聞こえ、一人の女性が姿を現す。
子供を3人も産んだとは思えないバツグンのプロポーションを持つ、なのはママこと高町桃子(3?歳)である。
「・・・・お母さん」
生気のない声で出迎えられ、自分の元気までが根こそぎ持っていかれたような気がした。
これではいけない。
自分は毎日この病室に何のために通っているのか。
娘を元気付け、心の闇を取り払い、いつの日にかまた家族で笑って暮らせるようになるためではなかったのか。
落ち着け桃子。
息を吸って・・・・吐いて・・・・
前向きに、笑顔を絶やさず。
早く平凡という名の日常になのはを戻すのだ。
さあ、今日も明るく話しかけよう。
「ーーーーあのね、お母さん」
第一声をかけようと息を吸い込んだ桃子は、そのまま呼吸を止めるはめになった。
「なあに、なのは」
努めて優しく、包み込むように、どんな話でも受け止められるように。
「昨日の夜ね、おなかの中で赤ちゃんがあばれたの」
朝からなかなかヘビーな話だった。
「わたしのおなかの中を引っかくの。 ・・・・声もするの、『ママのお腹の肉おいしいね』って・・・」
気が遠くなった。
涙が込み上げ、心の中が悲しみと絶望のだんだら模様になってどうして良いかわからなくなる。
言葉に詰まる。

「・・・・・あ・・あのねなのは」
慎重に、言葉を選んで。
「なのはのお腹の中には、赤ちゃんなんていないの。  レントゲンを見たでしょ・・・?」
事実である。
なのはにはまだ初潮は来ておらず、排卵も確認されていないため妊娠するのは不可能なはずなのだ。
精密検査も受けた。
だがしかし、少女の腹部は妊娠6ヶ月ほどの妊婦のような盛り上がりを見せ、パンパンに張っていた。
レントゲン撮影では、膨らんだ胎内には何も映ってなどいない。
いわゆる想像妊娠、というやつだろうか。
「わたし、もうすぐ死ぬのかな。 お腹の中を食べる音がするの」
ここからでは掛け布団で隠れてよく見えないお腹をさする。
「この子がね『パパは誰』って聞いてくるんだけど、誰なんだろうね。  わかんないや・・・・」
魂の抜けたような瞳で、異様な膨らみを見つめていた。
桃子は泣きたかった。
一体全体、この娘が何をしたというのだろう、何故このような目に遭わねばならないのだろう。
理不尽極まりない、この世の全てが間違っている。
かける言葉が見つからない。
それでもどうにかしなければ。
いや「しなければ」ではなく「したい」のだ。
自分はこの娘の母親だから。
どうにか心の傷を癒したい。
どんなに深く抉られているのだとしても、いつの日にか必ず。
そうすれば、膨らんだこのお腹も元に戻る、担当医もそう言っていた。
想像妊娠は心因性によるものが強い、故になのはが懐妊していないことを理解すれば出た腹は引っ込むのだと。
とにもかくにも、孕んでなどいないのだということを解らせなければならない。

落ち着け桃子。
息を吸って・・・・吐いて・・・・
前向きに、笑顔を絶やさず。
早く平凡という名の日常になのはを戻すのだ。
さあ、妊娠していないのだということをなんとか理解させよう。
「ーーーーあのね、お母さん」
重い沈黙を破り、やっとの思いで声をかけようと息を吸い込んだ桃子は、再び呼吸を止めるはめになった。
「なあに、なのは」
努めて優しく、包み込むように、どんな話でも受け止められるように。
「赤ちゃんはね、コウノトリでもキャベツ畑でもなくて、せいえきをお腹の中に出されるとできるんだって、知ってた?
 わたし・・・・・・いっぱいおなかの中にせいえき出されちゃったから、ニンシンしちゃったんだよ」
諦めきった表情で無理に作られる笑顔は、見ている側の心を途方もなく沈ませた。
「いっぱいいっぱい、オ○ンチンをオマ○コに入れられて、お尻の穴にも入れられて。
 痛いって言ってるのに、やめてって言ってるのに・・・みんなでオチン○ンを突き刺すの・・・」
涙を流さずに泣いているかのような語り口調で、かつて自分の身に起きたことを語る。
掛ける言葉が出てこない。
「わたしのからだの中、せいえきでいっぱいだから、ツワリで吐き出すものは、ぜんぶせいえきなんだよ・・・」
想像妊娠でも悪阻(つわり)はくる。
外見の腹部の隆起だけではなく、一通りの妊娠中毒症の症状がでるのだ。
たしかにこれなら自分が妊娠していると信じて疑わないのも頷ける。
だが一体どのような目にあえば、幼子をこのように仕上げることができるのだらうか。
よほど歪んだ性教育を施されたに違いない。
カウンセリングに付き合う方も一筋縄では行かない、前途多難である。
桃子は為す術を失い、呆然と立ちつくしていた。

「ーーーーーーーおかあさん、またオッパイ張ってきちゃった。
 少し外に出ててくれないかな」
そう言って服を脱ぎだし、側に置いてあった金属製のボールを手に取ると
慣れた手つきで搾乳を始めた。
洗濯板のような薄く平坦な場所に小さく息づく桜色の突起。
左右両の乳首をキュッ、キュッと摘むたびに乳白色の液体がほとばしり、ボールを白く満たして行く。
「わたし『メスブタ』のはずなのにミルクが出るなんて。 これじゃあまるで『メスウシ』だね」
パタン・・・
病室の扉を静かに閉じ、俯いていた顔を虚空を見るように上げる。
前髪に隠れてその表情は見えない。
背中を扉に預け、そのままズルズルとしゃがみ込んだ。
細い肩がわずかに震え出す。
念のために言っておくが、笑っているのではない。
一滴、二滴・・・
声を押し殺し、頬を伝い落ちた熱い滴りが上着の裾を濡らしてゆく。
桃子はただ、ただ静かに泣いた。


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