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[263]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 16:48:38 ID:n1iOYUKZ
[264]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 16:50:15 ID:n1iOYUKZ
[265]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 16:52:23 ID:n1iOYUKZ
[266]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 16:55:13 ID:n1iOYUKZ
[267]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 16:57:20 ID:n1iOYUKZ
[268]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 17:00:13 ID:n1iOYUKZ
[269]八神家 ◆NQF7A7OtfA 2006/03/30(木) 17:02:20 ID:n1iOYUKZ

「八神家の外食」

ジュウジュウー・・・美味しそうな音をたて、アツアツの鉄板の上で
新鮮な魚介類の切り身がピチピチと撥ねている。小太りだが愛嬌の
ある顔をしたオバサンが、その上に「わっ」と焼きそばを乗せ、ザッと
ソースをふりかけた。

「うはあ〜いいにおい〜美味しそう〜っ!」

カンンター式の鉄板へ飛びかからんばかりにヴィータが騒いでいる。
ここは、海鳴町銀店街にある下町のお好み焼き屋。【どこどん亭】。
元々は大阪の人だった先代の店主が広島風お好み焼きの魅力に
取り付かれて始めたのがこの店だ。独学ではあるが、かなり研究
したらしく、具だくさん。多層構造。の正統派広島焼きの美味しさは
老舗の味に一歩も引けを取らない。それに、イカ焼きやモダン焼き、
ドリアン焼きといった大阪の味も巧みにミックスされていて、地方の
人々にも評判がよかった。なにより安い。

お好み焼きを食べたい!というヴィータの願いで、海鳴デパートへ
買い物に来ていた八神家一行は、帰りにこの店に立ち寄ったのだ。
狭い店内はL字鉄板カウンターに入口のほうからシグナム、シャマル、
リインフォース、ヴィータ、はやてと座ってほぼ満席だ。

「すごいな〜この焼きそばまるごとが、お好み焼きの具なんやな」

ヴィータの隣りで、はやても目の前で焼き上げられてゆく、A's焼きを
覗き込んで感心していた。厚手のカットソーの上から、ワークシャツを
着て、スカートはいつものマイクロミニでストッキングにブーツといった
取り合わせのはやて。ヴィータのほうはラグジャーとルーズなシルエット
のジーンズ、呪いうさぎ柄のパーカーにナイキのシューズといったラフな
スタイルだ。はやてとヴィータは、焼きそばや目玉焼きを挟んだブ厚い
お好み焼きがコテでプレスされてゆくのを大喜びで眺めていた。

特製のソースの濃密な香りが湯気といっしょに立ち上っていた。目の
前でこんなに美味しそうな匂いをさせられたら、八神家一の大食い
ヴィータでなくてもたまらない。

「はい、できたよ」
「ひゃっほ〜うっ!・・あれお箸は?」
「ふっふっふっ、甘いでヴィータ。広島じゃあ、お箸なんて使わへんのや。
ぜんぶこれで食べるんよっ!」

得意げな顔で笑うはやてが握り締めているのは、オバサンがお好み
焼きを引っ繰り返したり、押さえ付けたりするのに使っていたコテを
そのまま小さくしたものだった。

「ええ!?はやてほんと?これ使うの?」
「ああ本当だ。でも、おまえみたいに不器用なやつはおとなしく箸で
食べたほうがいいと思うが」
「なんだとてめ!!」

言いながらラグジャーにジーンズ、ネイビーグリーンのMAー1ルックスの
シグナムは、器用にコテを使ってブ厚いお好み焼きをカットしている。
さすが剣の騎士だけあってこ慣れたものである。

「あ、お箸ください。私には難しいみたい」

と、無難な選択をしたのはシャマル。純白のブラウスにクリーム色の
カーディガン、グレーのロングスカートの組み合わせだ。コテを使って
お好み焼きを一口大に切り分け、それを箸で食べるという、実に危う
げのない食べ方をしている。

「・・うん?なに悩んでいるんリインフォース?お箸もらおか?」
「いえマイマスターはやて・・ここは敢えてコテで食べることにこだわります」
「ぷははっ!まっがんばってな」
「は、はい」
「おう!私もがんばる!」

不器用な手つきでコテを使って作業に取り掛かるリインフォース。銀色の
ハイネックセーターに、チェックの短めフレアースカート、膝の上あたり
まであるハイソックスにロングブーツといったファッション。器用にコテを
振るうはやてを真似、ブツを縦横にカットしてゆく。プルプル手を震わせ
つつも、コテに乗せたお好み焼きにかぶりつき・・・

「美味い!これは美味い!ソースがちがうソースがああああ!」

などと、あまりの美味しさに独りミスター味っ子ごっこをはじめる。最近、
はやての部屋にある、ミスター味っ子の単行本を読んで激しく感化された
リインフォース。記憶型デバイスの性質上、なりきりが趣味のようである。

「ソースとからんだそばは世界一イイイイイイイイ!」
「リインフォースうっせーよ!」

・・・どうやら、ジョジョの奇妙な冒険も記憶しているようである。

「あ〜美味し〜!はやてちゃんホント美味しいです」
「主はやて、こんなに美味しいものだとは知りませんでした」
「そか、よかったな〜シャマル、シグナム。いっぱい食べてな」

牡蠣やカニといった新鮮な魚介類でボリューム満点のA's焼きをほお
張るシャマルとシグナム。はやての手料理も美味しいが、初めて食べる
広島風お好み焼きに惚れ惚れぞっこんのようであった。

「うまうまうまうま!!!」

隣では騒がしいリインフォースが、野菜もたっぷり、目玉焼きと焼きそば
が丸ごと入ったブ厚いお好み焼きを、ひょいパク、ひょいパク、といった
感じで平らげてしまっていた。横を見るとヴィータが型くずれしてしまった
お好み焼きの一片を口へ運んでいる。

「いただきマンモス!」
「!!!???なにしやがるリインフォース!!」
「お好み焼きはアツアツのうちに食べてしまうのがマナー。・・と、じっちゃんが
言ってた。さっさと食べないと冷えてしまうんだぞヴィータ。」

ヴィータのお好み焼きをかっぱらったリインフォースは平然と金田一耕介の
事件簿口調で言う・・大ウソである。鉄板は保温状態になっているから5分や
そこらで冷えてしまうことはない。

「うが!!!てめ!!自分の食べたからって私のとるんじゃねえ!もう
1枚頼めばいいじゃねーか!!」
「ヴィータのような胃拡張じゃあるまいし、わたしはそんなに食べられない」

などと言いつつリインフォースは、たちまちヴィータのA's焼きを半分くらい
掠め取って美味しそうに食べてしまった。

「ちょwwwrtjぎじfsれwyhρλfbdΑω!!」

声にならない紅の騎士。

「まあまあ落ち着きヴィータもう1枚頼んでやるから、リインフォースもおいたは
いかん。仲良くしな。オバチャンもう1枚お願いや」
「ごめんなさいマイスターはやて・・」

苦笑を浮かべながら二人のやりとりを見ていたはやてが、追加分を焼きに
かかった女主に声をかける。いつのまにかリインフォースはちびモードに
なっており、はやての肩にちょこんと乗っかっていた。ここは安全地帯である。
手が出せない場所に逃げたリインフォースを、恨めしく睨むヴィータにシャマル
が・・私のをあげるから・・と慰めの言葉をかける。

「ほんと!」
「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・たぶんね」

湖の騎士の黒い声はヴィータには聞こえなかったようだった。苦笑いする
シグナム。こいつだけは敵にまわしたくない・・・と、そう思っていた。

「そういえばお客さんあの噂知ってる?この辺で最近犬の化け物が出る噂」
「犬の化け物?」

新たな1枚を焼きながらオバサンは、最近続出している怪事件のことを
話した。この店から20分ほど北へ行ったところに廃棄されたマンションが
あり、そこに夜な夜な黄色い犬の化け物が出るとのこと。目撃者によれば
そこの敷地でライオンのような巨獣が、獰猛な牙を剥き雄叫びを上げていた
らしく、猛獣潜伏の線で警察の調査が行なわれたが、結果は生物が定着
している痕跡無し。しかしその後も目撃者が後を絶たず、周辺住民の噂に
なっているとのこと。オバサンの話し口には、正体不明の化け物に対する
恐怖が感じられた。

「ザフィーラかテスタロッサんとこの犬っころじゃねーの」
「でもザフィーラは青。アルフは・・確か赤よ」
「うーん・・フェイトちゃんや私達が知らん別の魔道師の使い魔とか?」
「しかし、この次元で新たな魔力は感じられませんが」
「一度わたしらで調査してみよっか」
「そうですね。住民の方々が不安に過ごしているとなれば見過ごせませんし」
「ならさっそく今夜行ってみよーぜ」
「そうだな」
「そやな」
「マイスターはやて、わたしにその海老とイカください」

マイぺースなリインフォースであった。

                                   ・・続く


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