虜囚 ANNEX なつみと黒澤
※この作品は本編とは関係ありません。
| その日、なつみは黒澤の車の中にいた。 急に思い出したように呼び出されて、何事かと思えば車中に有無を 言わさず引き込まれた。 「よく来たな、なつみ。会いたかったぜ」 彼女の顔を見つめて笑みを漏らす。 そのまま助手席のシートを倒され、運転席も同様にする。 強引に唇を奪われながら、シートに押し倒される。 強く抱きしめられ、長い間ディープキスが与えられた。 黒澤の舌の動きが、なつみの体の奥深い部分に火をつけていく。 ブラウスの前ボタンを一つ一つ外されていき、大きな手のひらが なつみの乳房を下着の上から優しく撫でる。 そのうちにブラは押し下げられて、のぞいた乳首に指が精細な愛撫を加えてくる。 唇が離れても、なつみはいきなりの黒澤の攻撃にただ喘ぐだけだった。 彼の顔が、意味深な笑みを浮かべている。 乳首を唇で含まれると、たまらず「ああっ!」と声をあげてしまう。 ロングタイトのスカートは、スリットを自由に調節できるような 全面にボタンが並んでいるデザインのものだった。 彼の手が、太もものあたりのボタンを外していく。 裾近くまで続いている小さなボタンでの布地の結合を、解き放っていく。 ストッキングを脱がせようとする彼の手が尻の下に回ると、自然と なつみは脱がせやすいように腰を上げた。 雪のように抜けるような白さの太ももが、黒澤の目に映る。 「綺麗だな……」 そう言うと、彼女の腿を愛おしむように手のひらで撫で回す。 そのくせ、肝心な腿の合わせ目には触れてくれない。 暫く焦らされたあと、彼女の股間にようやく指が忍び寄っていく。 ショーツの上から、そっとひっかくようにされる。 敏感な部分への愛撫が、腰の奥を熱く熱くさせていく。 やがてそれは全身を燃やし尽くすような激しく燃えさかる炎となる。 乳房を舌で丹念に舐められながら、下半身にまで指と手で弄られる。 「なあ、どうして欲しいんだ?言ってみろよ」 唐突に、黒澤が口を開いた。 「……そんな……どうして、って……」 彼の急な言葉に、なつみは口を濁す。 「どうして欲しいのか、俺にはわかってるぜ」 にやっと笑って、彼女の瞳をまっすぐに見つめる。 「おまえ、彼氏の他の男ともやってるんだろ?」 「…………!」 そのことを知られているのに仰天して、なつみは黙り込んだ。 「彼氏ともうまくやってるところに、そいつともか。知ってるんだぜ」 顔を伏せるなつみに、黒澤は畳みかけた。 「悪い女だな、おまえは。そんな女には、少しお仕置きしてやるか」 いきなり、なつみの体をうつぶせにさせて、体重をかけてねじ伏せる。 「やめて!…いやっ!!」 暴れようとする彼女の抵抗も、黒澤の体格にはかないもしない。 「抵抗したって無駄だぜ。せいぜい暴れろ。声出してもいいんだぜ。 どうせここから逃げられないんだ」 せせら笑うように黒澤は言った。 彼女の下肢から剥いだストッキングで、手早く両腕を拘束する。 後ろ手にされた両手首を、体に巻き付けたストッキングの片足に くくりつけられる。 「いやっ……ほどいて!やめて!!」 叫ぶ彼女の口を塞ぎ、片手で自分のネクタイを外す。 まさか…… そう思った瞬間、なつみの口に黒澤のネクタイが噛まされる。 頭の後ろで結びつけられて、猿轡をされる形になる。 これで、微かな呻き声しか出せなくなってしまう。 抵抗できないようにさせられ、ただ屈辱に薄く涙を浮かべる彼女の乳房に 再び黒澤は吸い付いた。 「!………」 乳首への執拗な舌の蠢きが、快感を呼んでいく。 なかばレイプに近い形での、カーセックス。 しかも腕を縛られて、猿轡まで噛まされた上で、車内に軟禁されている。 異常な状況が、いつのまにか興奮にすり変えられていく。 「んん……ん……ん……」 指と舌先で、感じやすい部分を執拗に責められる。 「もう、乳首も立って、こんなに固くなってるぜ」 黒澤はなつみを見下ろしながら得意げにそう言った。 「感じるのか?……感じてるんだろう。こんな風に縛られてやられるのが 好きなんだろう。どれ……」 なつみのスカートの奥、秘めやかな布に包まれた部分を、男の指先が つうっとなぞる。 途端にビクッ、と腰に震えが走る。 そのまま暫く指での嬲りが加えられる。 繊細な動きが、徐々に快感を増していき…たまらずになつみは目を閉じて 自分の世界に入り込む。 「んんっ……う、うん……」 せつなげな、自分でも卑猥だと思える声が猿轡から漏れてしまう。 なかなか、じかに触ってはもらえない。 口では何も伝えられないもどかしさ、抵抗も封じられた上で翻弄される。 黒澤に以前から好意を抱いてはいたものの、まさかこんなことになるなんて…… 彼女が押し殺した呻きを放ち、暫くしてから黒澤は問いかけた。 「感じるだろう?……じかに触ってほしいか?」 …そうに決まっている。 うなずきたい。 なつみは声を出せずにいる自分に焦れている。 いつまでもショーツの上からでしか、いじってもらえない。 なつみの尻の膨らみの下に手をまわして、ショーツの布の中に手を 忍ばせてくる。 脱がされる、となつみは腰を上げようとした。 でもその手はすぐに離れてしまう。 「ん〜……」 思わず失望の溜息が出てしまう。 ショーツのクロッチ部分から、黒澤の指先が布をめくって入り込んでくる。 ぬるり、と侵入してくる感触の猥褻さに、腰が痺れるほどの快感が襲う。 「こんなに、ぐしょぐしょに濡らしてるじゃないか。こんな風に、レイプ紛いの ことをされても気持ちいいのか?このスケベ女が」 黒澤の侮蔑が混じったような口調と視線が、よりなつみの興奮を引きだしていく。 「溢れてくるぜ。……そんなにいいのか。じゃあもっともっと、よがらせてやる」 ショーツをずり下ろされ、脱がされかけていく。 完全に右足から抜くと、左足にひっかけておかれる。 クリトリス周囲を丹念に触られ続ける。 指先だけで優しく、そして手のひらなどを使ってしつこく愛撫される。 それだけでも感じて濡れていくのに、さらに黒澤の指が膣口に浅く入り込む。 「ん!ん、んん!」 耐えきれない快楽の声をネクタイに邪魔されてしまう。 彼の指が、彼女のGスポットを正確に探り当てる。 「ここが、なつみの感じるところだな。俺にはすぐわかるんだぜ」 優位に浸りきった、笑いを含んだ彼の声と口振りに、官能を刺激される。 黒澤の秀麗な顔が、自分を見下げて冷たい微笑を浮かべている。 快楽に溺れていく女を高所から見下し、その性の悦楽で縛りつけ、操る。 さすがに巧みなその動きは、なつみを簡単に頂上近くにまで押し上げていく。 クリトリスと膣への同時攻撃に、彼女はもはや陥落寸前だった。 「ほら…いいか?気持ちいいか。クリとあそこの中が感じるだろうが。 いきそうになってるんじゃないのか?ん?」 余裕のある笑みを浮かべながら、言葉で彼女を追いつめていく。 責め続ける指の動きが、少しずつ早まっていく。 「んんっ……ん、ん!」 なつみは、ついに絶頂に達してしまった。 ぶるぶると、全身をのけぞらせ、突っ張らせて快楽を追う。 口を半分塞ぐ布から、荒い吐息が漏れていく。 「なんだ…もう、イっちまったのか?」 黒澤は、なつみの様子を見ながら嘲りの言葉を吐く。 「まだまだ、これからだぜ。何度でもイかせてやるよ。俺とやることしか 考えられないくらい、やりまくってやる……」 これから加えられる陵辱の数々を想像するだけで、なつみの腰の奥に また火がともる。 疼いていく。自分の意志ではなく、黒澤に弄ばれることを考えただけで…… 黒澤が、なつみの達したばかりの股間に顔を寄せる。 何をするつもりなのか、わかっている。 「ほら。足を開け」 両方の太ももを掴んで、広げる真似をする。 なつみが羞恥のあまりにできないでいると、黒澤の声が低く冷たくなる。 「聞こえなかったか?足を広げろ、と言ってるんだ」 その言葉に有無を言わせない迫力を感じて、彼女は自分から広げていった。 「ようし…。素直にいうことを聞けば、可愛がってやるからな」 足の間に顔を埋めるようにして、じっとそこを観察される。 やがて彼の唇が、そこにつけられるのを感じる。 舌をつき出して、陰唇に沿って舐め上げる。 そうされただけで、体にふるえが走るほどの快感が起こる。 淫らな音を立てながら、秘所への口唇愛撫が始まった。 「ん……。ん………!」 感じすぎて、左右に大きく首を振る。 猿轡にされている黒澤のネクタイを噛みしめながら、次々に襲う快楽の波に なつみは身を任せるしかなかった。 抵抗も、できるわけもない。 膣の内部に入り込む舌を感じた瞬間、なつみは2度目の絶頂に突き上げられた。 「んんんっ……!!ん、んっ!!」 彼女の反応を見ながら、黒澤はほくそ笑んだ。 激しく息をつくなつみの体に跨り、ワイシャツのボタンを外していく。 スラックスの股間を激しく持ち上げている勃起を、なつみはかすむ瞳で捉えた。 わざとなつみの顔の近くに移動し、誇らしげにそれを見せつける。 「見ろよ。こんなになってるんだぜ。おまえがあんまりいやらしいからさ」 首を振って逃れようとしても無駄だった。 「ほら、見ろ!俺の出すところを、見ていろ」 語調を強めて叱責する。 仕方なくなつみは黒澤の股間のものを見つめた。 ベルトを緩めると、ゆっくりとジッパーを下ろしていく。 黒のブリーフがのぞき、そこから恐ろしいほどにいきり立った男の象徴が現れる。 黒澤も感じているらしく、先走りの粘液が流れ落ちてくる。 卑猥な眺めから目をそらそうとすると、「しっかり見ろ!」と言われる。 そのまま、頬に濡れた感触を押しつけられる。 頬に、口許に粘液をなすりつけられる。 どうしようもない屈辱感と、それと反対に興奮も覚えていく。 「さて…どうしてもらおうか」 黒澤は、怯えと快楽に目を潤ませるなつみを見ながら呟く。 「そうだな…まずは、おまえの口を味見させてもらうかな」 それを聞かされて、なつみは一瞬意味がわかりかねる。 「しゃぶるんだよ。…こうやってな」 彼女の口に噛ませていたネクタイを一旦外す。 唇を開けさせようと、顎をぐいっと掴まれる。 「いやっ……」 なつみは言葉だけで抵抗してみせた。 「いやなのか?」 黒澤の声が、また一段低くなる。 「いやじゃないように、させてやるよ」 そう言うと、なつみの口許に自分の顔を近づける。 そのまますぐに唇が奪われ、舌を絡める激しいディープキスが始まった。 そうしながら、なつみのショーツの中に手を差し入れてくる。 指先での戯れと、口内を自在に蠢く黒澤の巧みな舌遣いの快さに うっとりしてしまう。 幾度も唇を離し、また重ねられる。 チュッ、と吸う音が二人の唇の間に響く。 キスを繰り返されながら、また感じる部分を刺激されつづけていき、なつみは 黒澤の性戯に陶酔していく……。 秘所に、溢れるほどの恥ずかしい蜜がこぼれていく。 もう抵抗の意志すらもなく横たわるなつみの口許に、今度こそ黒澤の怒張が 押し当てられる。 「しゃぶれ。恋人にするように、丁寧にするんだぜ」 傲然と命じる彼の声に、もう逆らうこともできない。 まだ後ろ手に縛られたまま、なつみは熱く太いものの先を唇に収めた。 火傷するかのように熱さを感じる……。 それに、固い。これで貫かれたら、どうなってしまうのかという期待も密かに 起こる。 なつみの顔に跨るようにして、黒澤は奉仕を受けている。 先端を激しくしゃぶられ、熱い溜息を漏らす。 根元近くまでを遠慮なしに押し込んでくる黒澤に応えて、幹を、裏筋を丁寧に 舐め上げてやる。 「…うまいじゃないか。どっちに仕込まれた?彼氏か、それともセフレか?」 それには答えず、舌先を立ててこすりつけ、激しく上下に舌を滑らせる。 呻き声が、男の唇を割って出る。 なつみの口戯だけでなく、自分から腰を使ってくる…。 フェラチオが、男性主導で動くイラマチオに変わる。 それでもなつみは黒澤の打ち込みに耐え続け、ときおり苦鳴に似た声を 出しながら奉仕を続ける。 舌遣いには自信がある。こうして、強制フェラチオ…イラマチオの形を とらされることも、マゾの気のあるなつみには興奮を呼ぶ行為だった。 しかも、この男…黒澤に、ボルボの中で監禁されながら、拘束されて 口を犯されている。 「うっ……。……ああ……」 セクシーな響きの黒澤の声が、快感のあまりにうわずっているのがわかる。 それもまた、彼女の腰を直撃する。 下肢に触れられなくても、いきそうなほどに高ぶっている。 「いくぞ……。ああ、なつみ。いくぞ。おまえの口を、俺の精液で汚してやる! ……飲め。ほら、一滴残らず飲め!」 そう叫ぶように言うと、なつみの唇の中のものが大きく膨らんだ。 ビクン、ビクンと何度も脈打ちながら、大量の熱い粘液が放出されていく。 同時に、なつみは手も触れずに、クリトリスの快感で達してしまう。 声を出したくとも、黒澤の射精の最中で口が塞がれている。 濃厚な液が口内に溢れそうな勢いで放たれていき、なつみは喉を鳴らして 飲み下していく。 一度では飲みきれず、もう一度注ぎ込まれてくるものを口に受け止める。 多量の射精を終えて、まだ息を少し弾ませている彼のものは硬度を 失っていない。 先端からまだ滲み出てくる残滓を、鈴口をつついて舐め取る。 そうしていると、再びそのものに力が加わりつつあるのがわかる。 凄い……。 なつみは黒澤のものからようやく唇を離した。 深く溜息をつく。 ブラウスの前をはだけられ、ブラがずらされて乳首が露出している。 そしてスカートの前ボタンが外されて腰まで下半身が露わになっている。 ショーツを脱がされて、無防備になっている扇情的な姿態。 その自分を、黒澤の鋭い瞳が刺し貫いている。 急に恥ずかしくなってうつぶせになると、そのまま彼が体重を乗せてくる。 腰を高く掲げられて、倒したシートに顔を埋めるようにさせられる。 彼が自分から一旦離れて、何か取り出している気配を感じる。 手には大きめのバスタオルを持っているのが見えた。 なつみの体を一旦横にずらさせ、シートの上に広げて敷かれる。 「汚されちゃ、後始末に困るからな」 にやっと笑うと、その上になつみの下半身が来るようにさせる。 そんなに濡れるんだろうか……。 自分ではそんなこと、わからないから恥ずかしい。 「なあ。バックからやられるのが多いのは、どっちの男なんだ?」 熱いもので尻の割れ目をなぞりながら、黒澤は嬲りを始めた。 「そんな……」 淫靡な行為と質問に、なつみは言葉を詰まらせる。 「答えろ。どっちなんだ?」 先端が、濡れきっている秘裂に触れる。 「ああ!……どっちも、そんな…こと、しません……」 「バックから、したがらないのか?…おまえみたいな女には、これがお似合い だぜ。男のものをしゃぶりながら濡らすような、いやらしい女にはな」 なつみの耳元に口を近づけて、黒澤は嘲った。 潤む秘所に幾度も男根の先を擦りつけ、そして外す。 なつみは乱れた吐息を漏らしながら、焦らしに耐えていた。 でもそれも、耐えられなくなるのも時間の問題だった。 乳房も揉まれ、唇をなつみの背筋にまで這わせる黒澤の技巧に酔って 声をあげずにはいられない。 「ふふ、見ろよ…太ももまで、愛液がこぼれてるぜ。よく濡れるな。 そんなに感じてるのか。縛られて犯されるのが、嬉しいのか」 黒澤の声にも愉悦が見え隠れする。 貫かれるのかと思うと、ごく浅く先端だけを埋めてすぐに抜かれる。 それを何度もやられる。 なつみはうわごとのように意味のない声をあげてしまう。 もう、限界近くにまで性感は高まりきっている。 一度彼女の口内に思いきり射精したせいか、黒澤はじっくりと時間をかけて なつみを責めていくつもりらしかった。 先端だけでなく、男根が中ほどにまで没入してくる。 ああ、と声をあげてなつみは逃すまいと思いきり締め付ける。 するとまた引き抜かれ、失望の声を出してしまう。 それが幾度か続くと、なつみはほとんど泣き声に近い声音で喘いだ。 抜かないで、と言いたくなる。 もう、いい加減にして。 これ以上、虐めないで。 ひと思いに、刺して。奥まで来て……! 力が抜けてしまい、なつみの腰がシートに落ちた。 涙が浮かんでくる。もうたまらない。 その腰に黒澤が手を添えて、強引に持ち上げる。 「いやっ……いや!もう、いやよ……」 なつみは半泣きになりながら、黒澤に訴えた。 「欲しいか?」 黒澤はなつみにかまわずそう訊いた。 すぐにうなずく。 「どうして欲しいんだ。言えよ」 悶えるなつみの熱狂を見ながら、どこか突き放したような声をかけてくる。 バックから、して。 奥まで思いきり、来て。 焦らさないで突いて、お願い……。 そんな要求を言わされた。 黒澤に誘導尋問される形でいながら、心底の願いでもあるのは事実だった。 「いいだろう。……やってやるぜ。思いきり、腰が抜けるまで犯してやる。 覚悟しろよ」 激しい情事を予感させる言葉を吐くと、黒澤がひといきになつみの秘所に 当てて、貫いてきた。 長い間焦らされ続け、ようやく迎え入れた男のものが与える快感は 想像を絶していた。 奥まで突かれた瞬間に、軽く達してしまうほどのよさを感じる。 焼けているように、男根の接触している部分が熱い。 硬度も、太さも申し分なく、それはなつみに間断なく快楽を送る動作を続ける。 声を出すまいとしても、突き引きされるたびに勝手に喉の奥が震える。 それが刻むような黒澤の動きで引きだされ、同時に彼を刺激する材料になる。 「いいか……ほら、いいか。…よく締め付けてくるぜ。感じてるのか。 気持ちいいか。なら、そう言え。ちゃんと声に出して言え」 黒澤に責められるまま、感じていることを白状させられる。 どこがいいのか、ということも言わされる。 わざと、ときおりなつみの感じる部分からずれた場所を責められる。 泣きそうになりながら、なつみは自ら腰を振るように命じられて従った。 焦らしに焦らしぬかれた挙げ句、黒澤はなつみに信じられないような約束を迫る。 「これから、おまえは俺に呼び出されたらすぐ来るんだ。嫌とは言わせないぜ。 男と会っていても、すぐに来い。可愛がってやる」 「……そんな……」 呆然としながら、なつみは迫り来る快楽と不安に身を焦がした。 「できないのか?」 内部で蠢く怒張の動きが止まる。 「ああ!……いや!お願い……」 「俺が呼んだら、会いに来い。わかったな」 有無を言わせぬ響きが、なつみに絶望感をもたらした。 けれど、目前にまで近づいている快楽を追う動作を逃したくなかった。 「わかったら、わかりましたと言え」 瞬間、黒澤の声に凄みが加わる。 「……わかりました」 なつみの屈従を知って、再び激しく突き上げを始める。 黒澤の腰と自分のそれがぶつかりあう音がする。 「いきそうか?…ほら、いけ。いかしてやる。気持ちいいか。 縛られてバックから犯されて、それでもいいのか!ほら!」 とぎれとぎれに叫びながら、彼女は昇りつめていく。 「ほら、出してやるよ。おまえの中に、俺のザーメン出してやる。 口の次には、ここだ。中に思いきり、出してやる。もうこれで、おまえは 俺の女だ。汚してやるよ。それでもいいんだろう。感じるんだろうが!」 黒澤の言葉から、生中出しをされることを知ってなつみは身の縮む思いだった。 「やめ、て……」 絶頂のただ中での拒否の言葉も、体と同じに溶け崩れていく。 中には、出さないで…… そう言いたくても、もう声も出せない。 汚されてしまう。 これで、決定的に。 黒澤は、呻くとなつみの腰を掴みしめて激しく注ぎ込んだ。 膣内にどっと熱いものが溢れていく感覚と、その感触が呼ぶ新たな快感。 そして胸が真っ黒に塗りつぶされていくような暗い、暗い愉悦。 ほんとうに、犯されてしまった……。 なつみの中で激しく息づくものに、すべてが支配されていってしまう。 目の前までもが、墨が水に広がるように暗くなっていく…… 黒澤は暫く結合したまま動かなかった。 なにか、また探している気配を感じる。 なつみは一瞬意識が飛ぶほどの深い快感に身を任せていた。 黒澤がようやく離れ、自分の腰を掲げていられなくなったなつみはシートに 横たわる。 暫くすると、膣内から熱い液体が流れ落ちてくるのがわかった。 黒澤の残した精液が、今頃になってこぼれてくる。 尻に敷かれているタオルで拭こうとしたその手を、黒澤が押さえつける。 すると、薄闇に満たされているボルボの車内に閃光がはじけた。 眩しい光が、連続してなつみの目をくらませる。 その光の正体は、黒澤の手にしているデジカメのストロボだった。 何をされたのか知ったなつみは、「やめて!」と体にタオルを巻きつける。 乱れた姿態、そして…… さっきの、黒澤にしたたかに注ぎ込まれた精液が秘所からしたたり落ちて くる映像まで、しっかりと記録されてしまったに違いない。 「約束を破られないためにな。念書がわりだ」 黒澤は、まだ突っ張っている男根を無理に収めるとデジカメをトランクに入れて 鍵を掛けた。 「まだまだ、これからだぜ。俺が飽きるまで、おまえがもういいと言うまで やりまくってやる。俺から、離れられなくしてやるよ……」 好色な笑みを浮かべた黒澤の奸計にはまったことに唖然として、なつみはただ 彼の求めるままに身を任せていく…… |