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かつては、愛した心と身体、しかし今ではもう、己の歪んだ情念のみがつき走る。
綺麗な顔に汚いモノを、突きつけたいという欲望。
《ガツガツ》と身体を貪り、すました感のある、あの整った顔が、
何をすれば歪むのか?苦しむのか?咽び泣くのか?試したくなるような
嗜虐心を煽る身体、獣欲を煽り立てるあの身体に、もう一度と思いをはせる。
その思いが男を付き動かし、全てを破壊し全てを手に入れようと、
更なる孤独な生き地獄へと自らを突き落としていった。
スパイクはコン・ローという薬屋のアジトをエドに探させて、
アジトの前の安アパートで監視するためチェクインをした。
コン・ローと取引にやってくる、麻薬組織の大物『チャン・タイ』が狙いだ。
明日取引があると言う情報を入手して、エドに宿を洗わせたのだ。
《暇だな、寝るか。》スパイクは身体を横にした。
《ギシ》床の軋む音と、聞きなれぬ呼吸音を聞いてスパイクは跳ね起きた。
暗闇の中すぐに誰かが圧し掛かってくる恐怖と、圧倒的な力の差に愕然として目が覚めた。
「!」
胸のあたりに《ズン》と重苦し圧迫感。
首に首輪をまかれ、首を仰け反るように《グイ》と固定されて顎が浮く。
状況が把握できぬまま、口の中に舌や喉を押し広げて、
生々しく荒々しい高ぶりが、侵入してきた。
「・・っぐ!」
生臭い匂いが鼻腔を刺激し、喉の奥まで突き入れられて、吐きそうになる。
両手が苦しさのあまり宙を掴み、喉が痙攣し、喘ぐが容赦なくそれは、
スパイクの口の中を貪るように、ピストン運動を始める。
「んぐ・・がっ・・ぐっ・・んん・・」
渾身の力を振り絞って、上にいる男を跳ね除けようとしても、
男の身体はびくともせず、どうする事も出来ない。
「!」
口の中いっぱいに、白く濃厚な白濁の精液が溢れてきて、スパイクはむせ返った。
「ごほ・・ごほ・・ごほ」
液体を吐き出しながら、起き上がろうとした時、男がベットわきのスタンドに触れた。
《カチ》と電気がつき、《ギラギラ》した目でスパイクを睨みつけていた。
「!」
顔上げてスパイクは叫んだ。
「ビシャス!」スパイクは全身の血が凍るのを感じた、首輪の鎖を《グイ》と引っぱると、
「ぐっ!」喉が圧迫されて息が詰まる。
「舐めろ。」
そう言われて、《キッ!》と睨み返すと、とてつもない刺激が身体を貫いた。
《バシ!!》
背後からスタンガンを突きつけられて、全身がまるで玩具のように跳ね上り、
《ガクガク》と全身の力が抜けて崩れ落ちる。
再び、ビシャスは乳首に当てながら、スイッチをオンにした。
「ぐあぁぁぁ〜。あっぁぁぁぁ!」
鎖をひきながら、ビシャスに髪を掴まれて、むせ返る匂いを放ちながら、
まだ《ドクドク》と液体を吐き出すそれを見て、スパイクは吐き気を催す。
「さあ、舐めろ。」
ビシャスは薄ら笑いを浮かべながら、スパイクの顔を股間に押し当てた。
《ネットリ》と熱い精液が顔につき、背中に悪寒が走る。
スパイクが顔を背けるとビシャスは、全身に力の入らないスパイクの
衣服を剥ぎ取り、手を後ろで拘束する。
「何しやがる!」スパイクは吼えた。
「この俺と取引する気はないか?スパイク」
「冗談じゃねぇ!」吐き捨てるように言い、歯をむき出す。
「相棒はどうなってもいいのか?」
「なに?」
「長老共は本格的に裏切り者の処刑と共に、一緒に行動する者達を殺す命令を下した。」
「・・・」
「お前が、大人しく俺に抱かれるなら、組織の追ってを遅らせるように取り計らってやる。」
「お前と取引?俺と寝る事が?・・・笑わせるな!」
「嫌なら、この場でお前の相棒の船に、攻撃を仕掛ける事も出来る。」
「・・・」
スパイクは観念したように、ビシャスの股間に張り付くように付着した、
白いおぞましい液体を、舌で舐め取った。
その様子をなぶるように、見つめるビシャス。
満足気に頷きながら「俺が良いモノをやろう。」
そう言って、ビシャスはマチ針をスパイクの一番敏感なペニスの亀頭部分に
《ズブズブ》と差し入れた。
「ぐっあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
身体を貫くような痛みが走る。
「痛いか?スパイク」
「あっ・・うっ・・」
すぐさま、ビシャスの《ザラザラ》とした舌がスパイクの身体を這いずり回り、
《ネットリ》と吸い付くような、おぞましい快感が身体を支配する。
舐め上げ、吸い上げ、しゃぶりつき、爪をたて、噛み切り。
まるで、狂気の野獣に生きたまま食い殺されるような、
そんな不快感にスパイクは嫌悪した。
《ギュルギュルギュルルゥ〜。》
フェイの腹の虫とジェットの腹の虫が同時に鳴った。
「モサモサは?」フェイがご機嫌ななめな様子でジェットに聞いた。
「食料の買出しついでに、賞金首を捕まえてくるんだとよ。」
「ふ〜ん。」
リビングに座りながら、タバコに火をつけて《プハー》と美味そうに煙を吐き出す。
「また、馬に蹴られて帰ってくんじゃないの?」
ジェットは黙々とスパイクの服の繕いをしながら答えた。
「まっ!怪我の1つや、2つはしてくるだろうな。」ジェットはため息をつく。
「何?誰捕まえにいってるのよ?」
「チャン・タイって人だよ。」エドがパソコンのモニターをつける。
「これ?」フェイがモニターを覗き混むと、うんさん臭そうな老人が映っていた。
「そうだよ。麻薬密売の超大者なんだって。」
「マジ?そんな風には見えないけど。・・どれどれ〜」
フェイがモニターに顔を近づけて見入る。
「いいの?一人で行かせて?」一通り読んでからジェットに聞いた。
「ま〜な。」
「何?また喧嘩でもしたの?」
「いや、あんまり縛っておくのもな〜。」
「ふ〜ん」いやらしい笑みを浮かべて頷く。
「何?なにぃ?」エドが興味深げに聞く。
「大人の話よ。」フェイが威張って言った。
「エドだけしらんち。」
「あんたも大きくなったら、わかるわ。じゃじゃ馬を彼女にすると大変だってね。」
ジェットは真っ赤になって頷いた。
「良い眺めだ。スパイク。」低く朗々とした声がした。
スパイクは全裸で動物を空輸するような、狭い檻に入れられて、両目に目隠しを、
両手は檻の天井の鉄棒に縛られていた。
「・・・」
《キイィ》と檻の開く音がして、人の気配がした。
視覚を奪われると、本能的に身体が研ぎ澄まされていくのがわかる。
冷や汗が流れ、全身の毛が総毛立つ。
これから何をされるのか?想像もつかなかった。
ビシャスは狂気を放ちながら、スパイクの身体に触れる。
《ブルッ》
身のすくむような、感覚が身体中に広がる。
「お前が、ジュリア以外の他人を、守る為に身体を売るとは。」
耳元で息を吹きかけるように、囁かれて《ゾゾゾ》と冷たいモノが背中を這う。
「見下げ果てた物だ。」吐き捨てるように言いながら、ビシャスはスパイクの身体を嬲る。
両足をいっぱいに開かされ、固定され全身に生暖かい舌が這いずり回る。
「あっ・・あっ・・」
「感じてるのか?」
ビシャスにそう言われて、スパイクは赤面した。
観察され、弄ばれて、身体の反応を調べられるのは、屈辱的だ。
「熱っ・・あっ・・」
突然、蕾に異物が侵入して来た。何かわからないが、酷く熱くて滑らかなモノだ。
《ジュ!》と粘膜をやかれて、《ビクッ》と腰が逃げる。
「あっ・・熱い・・やめろ」
しかし、足を固定されているので、動かす事は出来ない。
ビシャスはその異物をねじ込むように、スパイクの中へ突き入れる。
火傷しそうに感じられた、蕾は徐々に冷えていき、スパイクの中に容赦なく
埋め込まれて行く。
「力を抜け、スパイク・・・中で割れると面倒だ。」
ビシャスの脅し文句と、蕾の感覚からそれが何であるかスパイクは悟った。
「!」
《電球だ!》
蕾の柔らかな粘膜が《ピッチリ》と電球に張り付き、力を抜こうとしても
《ギュ・ギュ・ギュ》と無意識に締め付ける、粘膜の動きに恐れおののく。
「ふっ・・あっ・・」
「いくつ入るか試して見るか?」
ビシャスは淡々と言い、蕾の淵に熱い電球をあてがった。
「よせ!」スパイクは叫びのけぞった。
いつ割れるかわからない恐怖。身体が高ぶり、粘膜がひきつり、《ヒクヒク》と痙攣する。
自分ではもはや、どうする事も出来ない、かつての親友の壊れた心・・・。
「俺を抱くんじゃなかったのか?ビシャス」
ビシャスの動きが止まる。
「お前も、そうそうレッド・ドラゴンから姿を隠す事は出来ないはずだぜ。」
「・・・」
「俺を早く抱いちまえよ。・・・それとも怖いのか?」
目隠しの下には、挑戦的な目で見ているだろう、オッド・アイにビシャスは憎悪する。
常に挑戦的で、危険を愛し、傷付き恐れる事を知らず、最愛の女を奪った男。
そして、女の前に愛していた、かけがえのない男。
ビシャスは一呼吸置いて、低い声で言った。
「では、抱いてやろう、スパイク。」
ビシャスはスパイクの目隠しをはずし、戒めを解き持ち上がっていた両手に、
手錠をはめてスパイクの上に重なった。
「その前に、抜いてくれ。ビシャス」
電球で張り詰めた、アナルに手をやりビシャスはゆっくりと、電球を引き出した。
「あっ・・ん・・」
「淫らだ。」
スパイクは赤面して、ビシャスの愛撫に耐える。
硬く尖った突起を、舌先で転がされて、潰される。
《ネットリ》とまとわりつく感触が、自然に身体を震わせた。
スパイクは声を出すまいと、唇をかみ締める。
これ以上羞恥な所をビシャスの前でさらけ出すまいと心に誓う。
「声を出せ、スパイク。昔のように。」
「!」
そう囁かれて、《カーッ!》と顔が熱くなった。
《ぺチャぺチャ》とわざと音を立てて、乳首を舐められて、軽く含まれて、吸われると、思わず声が出た。
「・・あっん・・」
《にやり》とビシャスの顔が歪むのが見えた。
さらにビシャスに、淫らに立ち上がっているペニスに、脳天まで貫くような快感を与えられて、スパイクは意思とは関係なく甘美な声をあげた。
「ああぁ・・あっん・・あっ・・あん・・あん・・」
「そうだ、声をもっと出せ。」
アナルに痺れるような疼きが徐々に、高まってくる。
「ふっ・・あっ・・あん・・」
ビシャスにペニスを根元まで咥えられると、舌を使った動きにいつしか、
腰が淫らに蠢いていた。
「相変わらず、敏感な男だ。」
「・・・」
「見てみろ。」
ビシャスはスパイクの上体を起こして、スパイクのペニスを貪っている様子を
見せつけた。
「!」
見せ付けられて、さらに疼くアナルと、快感が深くスパイクの身体を這いずり回る。
熱い吐息が途切れる事なく、スパイクの口からついて出る。
「はぁ・・あっ・・や・・あっ・・あっ・・やめ・」
「ほぐす必要はなさそうだ。」
《ヒクヒク》と打ち震える、アナルの動きに淡々とビシャスは言った。
「・・・」
ビシャスはズボンのチャックを開けて、自らのペニスを取り出した。
両足を立たせられて、突き入れられた。
「・くっ・・あん・・」
そして、中を《グチャグチャ》とかき回すように腰を回す。
「あん・・あっ・・あっ・・あぁ〜」
足を開いて、ジェットにしか突き入れられるはずもない所に、ビシャスのぺ二スが
深く挿入される。
「あっ・・あぁ・あぁん」
下肢から《クチャクチャ》と音が聞こえはじめる。
スパイクは早く行為が終わってしまえばいいと、願わずにはいれなかった。
ここまで来てやっと、ジェットに申し訳ないという、思いが込み上げてきた。
しかし、身体は痺れと快感とで、火照るように熱く疼き、《ビクビク》と痙攣する。
「あっ・・やめ・・もう・・あぁ」
「苦しいのか?・・・スパイク。」
突然、スパイクの瞳から一すじの、涙が零れてビシャスは、静かに問うた。
《苦しい?何処が?・・》スパイクは自ら流した、涙のわけがわからずに、自問自答する。
目にいっぱいの涙を溜めて、ビシャスを見た。
身体が苦しい訳じゃない、なのになんで涙が出るんだ?ビシャスは困惑する、スパイクから《スッ!》と離れて、スパイクをそのままにして立ち上がる。
「お前とは、いずれ決着をつける舞台を用意してやる。」
「・・ビシャス・・」
「・スパイク・・・その日まで夢を見ていろ。」
身支度を整えてビシャスは出て行った。
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