ベルとゲドの関係


 ベルはからくり師。(の卵)
 家出した母親(メグ)を探してる。
 お供のからくり丸Zは母の作品。(だからよく壊れるのか?)
 ヒューゴに惚れてるらしい。

 奇抜な衣装はからくり師の宿命なのか。
 そして色物担当もからくり師の宿命なのか。(爆)


 ベルはゲドを・・・普通に「おじさん。」と思っていそう。
 怖い物知らずのお嬢さんだし。
 彼女にとって敬うべきなのはからくり師であるメグやジュッポなのでは。
 割と、炎の英雄? 歴史? どうでもいい。みたいな。(苦笑)
 自己中心? いえいえ、このお年頃の女の子ならではの純粋さ。(物は言い様)
 恋(ヒューゴ)が世界の中心なんです。

 ゲドはベルを・・・ああうう。やっぱり何とも思ってないよ、きっと。(苦笑)
 部屋の前でガンガン騒音出して煩いな、くらいで。
 まだ腕が未熟なんだろう、とか。それくらいで。


 ↓のSSもどきは、からくり丸Zのを読んでからのほうがいいかもです。


君のための永遠2


 真夜中、ゲドの私室の扉が音も無く開かれる。
 こっそりと入ってきた人影は2つ。いや、1つと半分というべきだろうか?
 1つは小さく、もう1つはさらに小さい。
 ゆっくりと、静かに、だが確実にそれらはゲドの寝台に近づくと、やおらゲドの上に乗り上げた。

「・・・・・・・!」
 驚いて目を開けたゲドの感覚に入ったのは、薄暗い部屋の中、何やら自分の腹の上に乗り上げている軽くて小さくて暖かいものと、手足を押さえつけている冷たくて固いもの。
「誰だ。」
 まるで殺気が無かったのと、少々疲れて熟睡していたのとで、気づかなかった。
「ベルとからくり丸Zです。」
 悪びれない声が、上から降ってきた。

「こんばんは、ゲドさん。」
 薄暗い部屋に目が慣れてみれば、ゲドの腹の上にいるのは修行中のからくり師であるベル。
 ゲドの手足を、さすがに人間離れした力で押さえているのは、からくり丸Z。
「・・・」
 ゲドは視線で問う。
「真なる雷の紋章の、研究にきました。」
 にっこり。
「・・・・・・・」
 対照的に、ゲドは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「ヒューゴ様が真なる炎の紋章を継承した今、ずっとお側にいるには真なる紋章が不可欠。
 からくり丸Zの話だと、一緒にいれば試練を受けられる可能性もあるということですし、
 それは、敵を知るにはまず味方の真の紋章から。研究させてもらいます。」
 ベルは、からくり丸Zの胴体から伸びた触手のような、腕のような一本を掴み、先から光を出すと、ゲドの右手をそれで照らした。
 ちなみに、からくり丸Zからは他にも何本かの触手のようなものが出ていて、ゲドの四肢を寝台に固定している。

「おい。」
 ゲドは呆れた声を出す。
「はい?」
「真なる雷の紋章を継承するわけじゃ無いだろう。」
 大体、研究と言っても、どうやって。
「それは・・・わかりませんよ。」
 くすり。
 ゲドの背中に寒気が走る。
「とりあえず、血の採取とか、傷の再生速度とか、電気抵抗とか・・・」
 それが何の役に立つのか。
「紋章の宿る部位を切り落としたら、どうなるんでしょうね。」
 中々に物騒なことを言っている。
「おい。」
 ゲドは少々声を強くする。
「はい?」
 ベルは無邪気に首を傾ける。
「いいかげんにしておけ。俺はお前のおもちゃになる趣味は無い。」
 人形の構造を知りたくて分解するのが、からくり師。
 その興味が人間に向くのはいささかまずいだろう。
「え? でも、ゲドさん動けないでしょ?」
 自分の母が製作した、自分が改良したからくりに絶大な自信をもっているようだ。
「・・・」
 ゲドは無言で意識を右手に集中する。
 真なる雷の紋章が、綺麗な緑色の光を放った。
「撃て。」
 所有者の命に従って、ゲドの体に触れるもの全てに電撃が走る。
 上にいるベルにも、四肢を押さえるからくり丸Zにも。

「ふわぁ。」
「・・・プスプス・・・」
 それぞれに情けない音を立てながら、二人の力が抜ける。
 ゲドは黙ったまま寝台から起きあがる。
 加減はしたが、しばらくは体が痺れて動けないだろう。
 そして、からくり丸Zのほうは・・・からくりにどんな影響が出るのか、知る由も無い。
「遊び半分で試練に向かっても、勝つことは出来ない。」
 それこそ、命をかけなければ、真なる紋章は手に入らない。
 そして、それほどまでして手に入れた紋章に、今度は命を支配されるのだ。
「ヒューゴの側にいたければ、自分を高めることだ。」
 そう言い残し、ゲドは部屋を出る。
 寝台をしばらくベルにあけわたし、自分は酒場で飲むつもりだった。

 閉じた扉の向こうで、小さな声が聞こえた。
「すご・・・痺れた。」
 ベルの、どこか陶酔した様子に、ゲドは立ち止まる。
「凄い凄い。これだけの電気量があったら、からくり丸Zの電源に困んないし。
 私、真なる紋章だったら、ぜーーったい、雷の紋章がいいっ!!」
 見なくとも、喜び勇んで腕を上げているベルが想像出来てしまい、ゲドは肩を落とす。
 懲りていない。全く。
 無邪気であるということほど、怖い物は無いのかもしれない。
 酒場に向かうゲドの足取りは重かった。

 そして案の定ゲドは、全く懲りずに真なる雷の紋章を狙うベル&からくり丸Zに、今後しばらくの間付き纏われることになったのだった。


了(2003.0609)


ってわけで、これはギャグです。ギャグのつもりですってば。
実際のベルは、こんなにマッドサイエンティストじゃ無いと思う。

どーも、電撃っていうと「ダーリン、おしおきだっちゃ!」なイメージが。(苦笑)
まぁ、このSSもどきの電撃は、あんなもんだと思って下さい。


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